JP6039160B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

この発明は、空気入りタイヤに関し、特に、タイヤ形状を保持するための周方向ベルトを採用した、ラジアル構造を有する、トラック・バスに用いるのに適した重荷重用の空気入りタイヤに関する。
従来、カーカスのタイヤ径方向外側にタイヤ周方向に沿って層状に装着された周方向ベルトを採用している重荷重用ラジアルタイヤ、例えば、超扁平のトラック・バス用ラジアルタイヤ(Truck・Bus Radial Tire:TBR)等の空気入りタイヤが知られている。
近年、大型トラックやバスにおいては、車両の低燃費化及び軽量化のためにタイヤのシングル装着構造を採用する例が多くなっており、このシングル装着構造に対応して、タイヤの低扁平率化及びトレッドベースの広幅化が進んでいる。一般に、低扁平率の空気入りタイヤは、ベルトを、一対の交錯ベルトとタイヤ周方向補強のための周方向ベルトにより構成しており、これによって、高い内圧負荷時においてタイヤ形状を保持し、また、車両走行時における耐遠心力性及び耐発熱性を向上させ、もって、タイヤ耐久性の向上を図っている。
このように、タイヤの低扁平率化に伴って周方向ベルトを用いることは、タイヤの形状保持の観点から必要不可欠であり、また、タイヤへの負荷荷重が年々増大する傾向にあることから、タイヤの耐久性の向上も求められている。
周方向ベルトは、形状保持性、即ち、トレッド分のタイヤ径方向における成長量の均一化には高い効果を得ることができるが、剪断剛性を発揮することは殆どないことから、タイヤの耐磨耗性向上の要求を満足するためには、ベルトコードがタイヤ赤道に対して傾斜配置された角度付きベルトが必要になる。この角度付きベルトは、タイヤ幅方向長さがタイヤの耐磨耗性を決定付けるため、タイヤ幅に対する割合が一定以上のベルト幅を有する必要があり、その上、上下層のベルトコードが互いに交錯している必要がある。
また、周方向ベルトは、効率的に形状を保持する機能を有するのに加え、タイヤの荷重接地状態にあってトレッド面の接地圧力を均一にする機能も有しており、周方向ベルトのベルト幅が狭い場合には、トレッド面の接地圧力は、周方向ベルト配置領域では高くなるもののその外側では極端に低くなって、偏磨耗を生じさせることになる。従って、周方向ベルトは、トレッド幅に対する割合が一定以上のベルト幅が必要になり、タイヤの偏平化が進むに連れ、その割合(周方向ベルト幅/タイヤ幅)は増大する。
このような、タイヤ周方向を強化する周方向ベルトと交錯ベルトを有するものとして、例えば、トレッドをタイヤ幅方向に分割して少なくとも2種のゴムをタイヤ幅方向に並べた分割構造からなる「空気入りラジアルタイヤ」(特許文献1参照)がある。
ところで、一般的に、各ベルトのベルト幅を広げることにより偏摩耗の発生の抑制と操縦安定性の向上を図っているが、闇雲にベルト幅を広げると、タイヤへの荷重負荷時にベルトが伸びて周方向ベルトの端部でコードが切断する等の不具合が発生する虞があるため、従来、交錯ベルトの幅を狭くし或いは周方向ベルトそのものの幅を狭くして、ベルトに歪みが発生するのを抑制することにより、不具合の発生を防止していた。
特開2001−121919号公報
しかしながら、交錯ベルトの幅や周方向ベルトそのものの幅を狭くすれば、ベルト幅が狭くなった交錯ベルトでは十分な剪断剛性を確保することができない虞があり、その場合、操縦安定性の低下や耐偏摩耗性の悪化を招くことになり、ベルト幅が狭くなった周方向ベルトではベルト全体の剛性不足をもたらす虞があり、その場合も、同様に、操縦安定性の低下や耐偏摩耗性の悪化を招くことになる。
この発明の目的は、ベルト耐久性を確保して十分な剪断剛性を得て、耐偏摩耗性を悪化させることなく、また、操縦安定性を向上させることができる空気入りタイヤを提供することである。
上記目的を達成するため、この発明に係る空気入りタイヤは、トレッドにタイヤ赤道を挟んで少なくとも一対の周方向溝を有する空気入りタイヤにおいて、前記周方向溝により区画されたトレッド最外側に位置するショルダ陸部を、トレッド接地面でタイヤ幅方向外側の領域とタイヤ幅方向内側の領域にタイヤ幅方向で二分割し、前記タイヤ幅方向内側の領域における、見かけのトレッド接地面全体において溝が形成されていることにより実際には接地していない部分の容積が占める割合である、ショルダ陸部内側溝容積の割合を、前記タイヤ幅方向外側の領域における前記容積が占める割合であるショルダ陸部外側溝容積の割合より大きくし、前記トレッドは、複数層の交錯ベルト層のタイヤ径方向外側に位置し、前記交錯ベルト層は、カーカスのタイヤ径方向外側に位置する少なくとも一層の周方向ベルト層のタイヤ径方向外側に位置し、前記ショルダ陸部は、前記周方向ベルト層及び前記交錯ベルト層のタイヤ径方向外側に位置し、前記ショルダ陸部に前記周方向溝を介してタイヤ幅方向内側に隣接する内側陸部を、タイヤ幅方向外側とタイヤ幅方向内側にタイヤ幅方向で二分割し、前記内側陸部のタイヤ幅方向外側の領域における前記容積が占める割合である内側陸部外側溝容積の割合、前記ショルダ陸部内側溝容積の割合より小さく、前記ショルダ陸部外側溝容積の割合より大きくし、前記周方向ベルト層は、タイヤ幅方向外側端を、前記ショルダ陸部のタイヤ幅方向内側領域よりタイヤ幅方向外側に位置させる、タイヤ幅方向幅を有し、前記ショルダ陸部のタイヤ幅方向外側領域と前記内側陸部のタイヤ幅方向外側領域のそれぞれの容積は、それぞれの陸部の全容積の5%以上50%以下とし、前記周方向ベルト層のベルト幅を、前記交錯ベルト層の最も広いベルト幅より広くなく二番目に広いベルト幅より狭くなく、形成したことを特徴としている。
の発明に係る空気入りタイヤによれば、トレッドにタイヤ赤道を挟んで少なくとも一対の周方向溝を有する空気入りタイヤにおいて、前記周方向溝により区画されたトレッド最外側に位置するショルダ陸部を、トレッド接地面でタイヤ幅方向外側の領域とタイヤ幅方向内側の領域にタイヤ幅方向で二分割し、前記タイヤ幅方向内側の領域における、見かけのトレッド接地面全体において溝が形成されていることにより実際には接地していない部分の容積が占める割合である、ショルダ陸部内側溝容積の割合を、前記タイヤ幅方向外側の領域における前記容積が占める割合であるショルダ陸部外側溝容積の割合より大きくし、前記トレッドは、複数層の交錯ベルト層のタイヤ径方向外側に位置し、前記交錯ベルト層は、カーカスのタイヤ径方向外側に位置する少なくとも一層の周方向ベルト層のタイヤ径方向外側に位置し、前記ショルダ陸部は、前記周方向ベルト層及び前記交錯ベルト層のタイヤ径方向外側に位置し、前記ショルダ陸部に前記周方向溝を介してタイヤ幅方向内側に隣接する内側陸部を、タイヤ幅方向外側とタイヤ幅方向内側にタイヤ幅方向で二分割し、前記内側陸部のタイヤ幅方向外側の領域における前記容積が占める割合である内側陸部外側溝容積の割合、前記ショルダ陸部内側溝容積の割合より小さく、前記ショルダ陸部外側溝容積の割合より大きくし、前記周方向ベルト層は、タイヤ幅方向外側端を、前記ショルダ陸部のタイヤ幅方向内側領域よりタイヤ幅方向外側に位置させる、タイヤ幅方向幅を有し、前記ショルダ陸部のタイヤ幅方向外側領域と前記内側陸部のタイヤ幅方向外側領域のそれぞれの容積は、それぞれの陸部の全容積の5%以上50%以下とし、前記周方向ベルト層のベルト幅を、前記交錯ベルト層の最も広いベルト幅より広くなく二番目に広いベルト幅より狭くなく、形成したので、ベルト耐久性を確保して十分な剪断剛性を得て、耐偏摩耗性を悪化させることがなく、また、操縦安定性を向上させることができ、また、トレッドを、複数層の交錯ベルト層のタイヤ径方向外側に位置させ、交錯ベルト層を、カーカスのタイヤ径方向外側に位置する少なくとも一層の周方向ベルト層のタイヤ径方向外側に位置させ、ショルダ陸部を、周方向ベルト層及び交錯ベルト層のタイヤ径方向外側に位置させた構成を有する空気入りタイヤに適用することができ、また、横力を小さくすることができ、ショルダ偏摩耗を更に抑制することができる。
この発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤの構成の一部を模式的に示すタイヤ幅方向に沿う断面図である。 横入力によるタイヤ横力の発生状況を示し、(a)は概略的な説明図、(b)はブロック毎に見た詳細な説明図である。
以下、この発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤの構成の一部を模式的に示すタイヤ幅方向に沿う断面図である。図1に示すように、空気入りタイヤ10は、例えば、トラック・バス用ラジアルタイヤ(TBR)等の超扁平の重荷重用ラジアルタイヤであり、タイヤの骨格を構成するカーカス11、カーカス11のタイヤ径方向外側に位置するベルト12、ベルト12のタイヤ径方向外側に位置するトレッド13、及びトレッド13に続くカーカス11のタイヤ幅方向外側に位置するサイドウォール14を有している。
カーカス11は、環状構造を有する左右一対のビードコア(図示しない)間に、トロイダル状に架け渡されている。
ベルト12は、少なくとも一層の周方向ベルト層15と、複数層の交錯ベルト層16とが、記載順にカーカス11のタイヤ径方向外側に配置された積層構造を有している。ここでは、一例として、周方向ベルト層15が一層、交錯ベルト層16が二層(16a,16b)の場合について説明する。これらベルト層は、例えば、スチール繊維材或いは有機繊維材からなる複数のベルトコードをゴム被覆してなるストリップにより形成される。とりわけ、周方向ベルトは、コードの数本をゴム被覆した狭幅のストリップをタイヤ周方向に螺旋巻回して形成される。
周方向ベルト層15は、ベルトコードの配列方向がタイヤ周方向に対し略平行に、即ち、タイヤ赤道に対し、例えば、1°から2°の傾斜角度を有して配置されており、非伸張性のコードを波状に癖付けしたウェービー(WAVY)コード、或いはハイエロンゲーションコード等の直線コードにより形成することが望ましい。なお、周方向ベルト層15のベルト端部での正規内圧時のタイヤ径方向での成長率は、0.3%以下が望ましい。
ここで、正規内圧とは、タイヤに関する各規格がタイヤサイズ毎に定めている空気圧であり、JATMA(Tha Japan Automobile Tyre Manufacturers Association,Inc.)であれば最高空気圧、TRA(The Tire and Rim Association,Inc.)であれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)であれば“INFLATION PRESSURE”を言うものとする。
交錯ベルト層16は、タイヤ幅方向長さであるベルト幅が交錯ベルト層16の中で最も広い傾斜ベルト層16aと、傾斜ベルト層16aのタイヤ径方向外側に積層された、ベルト幅が交錯ベルト層16の中で二番目に広い傾斜ベルト層16bの二層構造を有している。傾斜ベルト層16aのベルト幅(Wa)は、周方向ベルト層15のベルト幅(L)より狭くなく、傾斜ベルト層16bのベルト幅(Wb)は、周方向ベルト層15のベルト幅より広くない(図1参照)。即ち、周方向ベルト層15と傾斜ベルト層16a,16bの各ベルト幅は、
傾斜ベルト層16b≦周方向ベルト層15≦傾斜ベルト層16a
の関係にある。
そして、交錯ベルト層16は、ベルト幅が最も広い傾斜ベルト層16aが、正規内圧による接地状態(溝容積は、最大荷重、最高空気圧時を条件として測定される)でタイヤ幅方向断面におけるカーカスのタイヤ幅方向最大距離(以下、カーカス最大幅と言う)に対し80%以上から95%以下のベルト幅を有し、ベルト形状が平坦(フラット)形状であり、傾斜ベルト層16aと傾斜ベルト16bは、ベルト幅方向片側で10〜50mmのベルト幅差d(図1参照)を有している。
この交錯ベルト層16は、ベルトコードの配列方向がタイヤ周方向(タイヤ赤道)に対し所定の角度で傾斜配置されており、複数の交錯ベルト層16の各層は、ベルトコードの配列方向をタイヤ周方向に対して相互に異なる方向(右上がり或いは左上がり)に傾斜させ、上下層において交錯するように積層されている。
トレッド13は、タイヤ赤道を挟んでタイヤ幅方向両側にそれぞれ少なくとも一本ずつ、タイヤ周方向に沿って延びる周方向溝(主溝)17を有している。ここでは、一例として、タイヤ赤道を挟んでタイヤ幅方向両側にそれぞれ二本ずつの周方向溝を有する場合について説明する。
図1に示すように、二本の周方向溝17a,17bの内、タイヤ幅方向最外側の最外周方向溝17aは、傾斜ベルト層16aよりベルト幅が狭い傾斜ベルト層16bの、ベルト端部よりタイヤ幅方向内側で、傾斜ベルト層16bに重なるように、交錯ベルト層16のタイヤ径方向外側に位置している。この最外周方向溝17aは、その開口幅中心がトレッド接地端(溝容積は、最大荷重、最高空気圧時を条件として測定される)からトレッド半幅の45%の位置よりトレッド接地端側に配置することが好ましく、この最外周方向溝17aによって、トレッド13のタイヤ幅方向最外側にリブ状にトレッドショルダ陸部(ショルダ陸部)13aが区画されている。
従って、周方向ベルト層15及び傾斜ベルト層16a,16bは、トレッド13のトレッドショルダ陸部13aにかかるように、トレッドショルダ陸部13aのタイヤ径方向内側に達している。
トレッドショルダ陸部13aは、タイヤ幅方向で二分割したタイヤ幅方向の内側と外側で、タイヤ周方向全域にわたって設けられたトレッド溝の容積の割合、即ち、見かけのトレッド接地面全体において、溝が形成されていることにより実際には接地していない部分の容積が占める割合(溝容積割合)を異ならせている。トレッド溝は、例えば、スタッドレスタイヤに設けられたサイプ等の、トレッドパターンを形成する凹状の溝であり、容積は、このトレッド溝のトレッド設置面に開口する開口面積と開口深さからなる、タイヤ周方向全域にわたる溝全体の容積である。
このトレッドショルダ陸部13aのタイヤ周方向全域にわたるトレッド溝の容積の割合である溝容積割合を、タイヤ幅方向の内側領域と外側領域で比較し、タイヤ幅方向内側の領域における溝容積割合であるショルダ陸部内側溝容積の割合を、タイヤ幅方向外側の領域における溝容積割合であるショルダ陸部外側溝容積の割合より大きくしている。
また、トレッドショルダ陸部13aの最外周方向溝17aを挟んでタイヤ幅方向内側に隣接するトレッド陸部(内側陸部)13bも、タイヤ幅方向で二分割し、タイヤ幅方向の外側の領域における溝容積割合である内側陸部外側溝容積より、トレッドショルダ陸部13aのタイヤ幅方向の内側の領域における溝容積割合であるショルダ陸部内側溝容積の方が大きくなるようにしている。なお、陸部の分割は、タイヤ踏面(トレッド11の表面)に対する垂線によって行う。
つまり、トレッドショルダ陸部13aの最外周方向溝17aを挟んでタイヤ幅方向内側に隣接するトレッド陸部13bの、タイヤ幅方向外側領域18aの溝容積割合をA、トレッド陸部13aのタイヤ幅方向内側領域18bの溝容積割合をB、トレッドショルダ陸部13aのタイヤ幅方向外側領域18cの溝容積割合をC、とした場合(図1参照)、
B>A,B>C
とする。
ここで、溝容積割合Aと溝容積割合Bを決定する基準となる溝容積に、最外周方向溝17aは含まず、タイヤ幅方向外側領域18a(溝容積割合A)とタイヤ幅方向内側領域18b(溝容積割合B)の境界は、最外周方向溝17aの溝底中心とする。
なお、トレッド13に形成されるトレッドパターンがサイプで構成されるパターンの場合、B>Aとなるようにサイプの数を調整し、更に、B>Cとなるようにサイプの数を調整することが好ましい。
これら各領域18a,18b,18cの溝容積割合A,B,Cの関係は、溝容積割合Aと溝容積割合Cの関係によって得られる効果が異なり、
溝容積割合A,B,Cの関係がB>A>Cの場合、トレッド接地端(トレッドショルダ)において横入力が最も大きくなるため、トレッド接地端部分の溝容積割合を大きくすることにより、横力を大きくして操縦安定性を向上させることができる。
溝容積割合A,B,Cの関係がB>C>Aの場合、トレッド接地端における横入力による横力を小さくしてショルダ偏磨耗の発生を抑制することができる。
なお、トレッドショルダ陸部13aのタイヤ幅方向外側領域、及びトレッド陸部13bのタイヤ幅方向外側領域は、各トレッドショルダ陸部(ブロック)の全容積の50%以下とする。これは、タイヤ幅方向外側領域が50%を超えた場合、トレッドショルダ陸部のボリュームが少な過ぎて当該部分に偏摩耗を生じさせてしまうが、50%以下であれば、トレッドショルダ陸部のボリュームを確保することができ、当該部分での偏摩耗の発生を抑制することができるためである。
上述したように、この発明に係る空気入りタイヤ10のベルト構成にあっては、操縦安定性を向上させ偏摩耗の発生を抑制するために、複数の交錯ベルト層16の広い方のベルト幅を、カーカスラインの80%以上から95%以下の範囲とし、ベルト幅差を、ベルト幅方向片側で10〜50mmとして、従来に比べてベルト幅を広くしており、同様の理由で、周方向ベルト層15のベルト幅も広げている。
しかしながら、そのままベルト幅を広げると、周方向ベルト層15のコード切れが発生する。このコード切れを発生させる入力は、交錯ベルト層16のベルトの伸びにより周方向ベルト層15のベルトが伸ばされることによるものであることから、この伸びを抑制するためには、周方向ベルト層15でタイヤ内圧充填時に発生する初期伸びを小さくすることが有効である。従って、周方向ベルト層15のベルト端部における正規内圧時のタイヤ径方向での成長が0.3%以下であれば、ベルト端そのものの歪みを小さくすることができる。
なお、周方向ベルト層15及び傾斜ベルト層16a,16bの各ベルト幅の関係を、
傾斜ベルト層16b≦周方向ベルト層15≦傾斜ベルト層16a
とするのは、周方向ベルト層15のベルト幅が、ベルト幅が最も広い傾斜ベルト層16aのベルト幅を超えると、故障核が交錯ベルト層16側に移って耐久力が悪化するためであり、周方向ベルト層15のベルト幅が、ベルト幅が二番目に広い傾斜ベルト層16bのベルト幅より狭いと、周方向ベルト層15への交錯ベルト層16からの入力が大きくなり、周方向ベルト層15のベルトコード切れや周方向ベルト層15と交錯ベルト層16の層間分離が発生してしまうためである。
それと同時に、周方向ベルト層15からの入力を緩和するため、特に入力が集中する周方向ベルト層15のベルト端部厚み(ゲージ:Ga.)を、3mm〜8mm確保することが好ましい。このベルト端部厚みを確保するため、周方向ベルト層15はカーカス11に沿って配置されており、交錯ベルト層16はタイヤ幅方向と略平行に配置されている。
上述した構成を有することで、ベルト耐久性を確保して十分な剪断剛性も得られるため、ベルト12周辺にゴム部材を配置することによって弾性率を補完する必要が無くなる。
なお、上述した構成を有することにより、十分なベルト剛性が得られて、操縦安定性の向上と偏摩耗発生の抑制を両立させることができるが、更に、操縦安定性を向上させるため、上述したように、トレッドショルダ陸部13aとトレッド陸部13bにおける溝容積の割合を調整して、周方向溝(主溝)17の周囲におけるトレッドパターンの剛性(パターン剛性)を調整すると良いことが分かった。
図2は、横入力によるタイヤ横力の発生状況を示し、(a)は概略的な説明図、(b)はブロック毎に見た詳細な説明図である。図2に示すように、車輪に舵角を与えたとき、タイヤに対する横入力によりトレッド13を形成するトレッドゴムが剪断変形することで、タイヤ横力が発生する((a)参照)。タイヤ横力の発生について、更に詳細にブロック毎に見てみると、横力による剪断変形とクラッシングによる剪断変形が複合した変形((b)参照)が発生していることが分かるが、このようになると、周方向溝(主溝)17のタイヤ幅方向外側部分a((b)参照)に、タイヤ横力を打ち消す方向の変形が発生する。
この変形は、ゴムを使っているタイヤでは避けられない変形であるため、当該変形が発生しても変形に伴う力を発生させないように、周方向溝17のタイヤ幅方向外側領域のパターン剛性を下げることが、操縦安定性を向上させるためには望ましい。
一方、周方向溝17のタイヤ幅方向外側部分aとは逆の、周方向溝17を挟んでタイヤ幅方向内側部分b((b)参照)は、タイヤ横力を助長する変形になることから、周方向溝17を挟んでタイヤ幅方向内側領域のパターン剛性を上げることで、よりタイヤ横力を助長する力を発生させることができる。
同様に、タイヤ幅方向最外側部分c((b)参照)も、タイヤ横力を助長する変形になることから、タイヤ幅方向最外側領域のパターン剛性を上げることで、更に、タイヤ横力を助長する力が発生する。但し、タイヤ幅方向最外側領域のパターン剛性を上げることは、タイヤのトレッド13が走行路の轍等を乗り越えるときに発生する反力も増大することになるので、必要に応じて使い分ける必要がある。
この発明に係る空気入りタイヤ10を二種類(実施例1,2)試作し、ベルトコード切れ本数、フィーリング、偏摩耗量(偏摩耗vol.)について、二種類の従来例(従来例1,2)及び一種類の比較例(比較例1)との比較試験を行った。
以下、実施例1,2、従来例1,2、比較例1の諸元について表1を参照して説明する。実施例1,2、従来例1,2、比較例1の空気入りタイヤは、何れもタイヤサイズが495/45R225の超扁平の重荷重用ラジアルタイヤである。
ベルト幅が最も広い傾斜ベルト層16aのベルト幅:
実施例1は440mm、実施例2は440mm、従来例1は420mm、従来例2は430mm、比較例1は440mmである。
ベルト幅が二番目に広い傾斜ベルト層16bのベルト幅:
実施例1,2、比較例1は何れも400mm、従来例1は220mm、従来例2は390mmである。
周方向ベルト層15のベルト幅:
実施例1は420mm、実施例2は430mm、従来例1は370mm、従来例2は350mm、比較例1は420mmである。
カーカスライン最大幅:
実施例1,2、従来例1,2、比較例1の何れも494mmである。
溝容積割合A:
実施例1は20%、実施例2は18%、従来例1,2、比較例1は何れも25%である。
溝容積割合B:
実施例1,2は何れも30%、従来例1,2、比較例1は何れも25%である。
溝容積割合C:
実施例1は20%、実施例2は15%、従来例1,2、比較例1は何れも25%である。
試作した上記サイズのタイヤ(供試タイヤ)をリムサイズ17.00インチ幅の適用リムに組み込み、正規内圧900kPaで、耐久力及び操縦安定性を評価した。
耐久力:上記タイヤを規定荷重8500kg、速度80km/hで、ドラム型走行試験機において10万kmを走行した状態とし、走行後の周方向ベルト層15におけるベルトコード切れ本数を調べた。
操縦安定性:上記タイヤをトラクターヘッドのドライブ軸に装着し、定荷重積載したトレーラを引いた状態で、スラローム走行したときのフィーリング評価を行った。
また、参考までに、上記タイヤをトラクターヘッドのドライブ軸に装着し空積のトレーラを引いて5万km走行したときのショルダ端(トレッドショルダ陸部)における偏磨耗量(偏磨耗vol.)を調べて、耐偏摩耗性の向上を確認した。
ここで、適用リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、或いはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、或いはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。
この発明に係る実施例1,2の空気入りタイヤにおける、耐久力(コード切れ本数)及び操縦安定性(フィーリング)について、従来例1,2、比較例1との比較結果から以下の評価を得ることができた(表2参照)。
コード切れ本数指数(数値が小さい程良い):
従来例1を100(cont)として、従来例2は131、比較例1は0であるのに対し、実施例1,2の何れも0(即ち、ベルトコードの切れは無し)であった。
フィーリング指数(数値が大きい程良い):
従来例1を100(cont)として、従来例2は110、比較例1は115であるのに対し、実施例1は135、実施例2は140であった。
トレッドショルダの偏磨耗量指数(数値が小さい程良い):
従来例1を100(cont)として、従来例2は93、比較例1は46であるのに対し、実施例1は46、実施例2は38であった。
このように、この発明に係る空気入りタイヤ10により、ベルト耐久性を確保して十分な剪断剛性を得て、トレッドショルダ陸部での耐偏摩耗性を悪化させることがなく、また、操縦安定性を向上させることができる。
この発明によれば、ベルト耐久性を確保して十分な剪断剛性を得て、耐偏摩耗性を悪化させることがなく、また、操縦安定性を向上させることができるので、タイヤ形状を保持するための周方向ベルトを採用した、ラジアル構造を有する、トラック・バスに用いるのに適した重荷重用の空気入りタイヤとして最適である。
10 空気入りタイヤ
11 カーカス
12 ベルト
13 トレッド
13a トレッドショルダ陸部
13b トレッド陸部
14 サイドウォール
15 周方向ベルト層
16 交錯ベルト層
16a,16b 傾斜ベルト層
17 周方向溝
17a 最外周方向溝
18a,18b,18c タイヤ幅方向領域
A,B,C 溝容積割合
a タイヤ幅方向外側部分
b タイヤ幅方向内側部分
c タイヤ幅方向最外側部分
d ベルト幅差

Claims (1)

  1. トレッドにタイヤ赤道を挟んで少なくとも一対の周方向溝を有する空気入りタイヤにおいて、
    前記周方向溝により区画されたトレッド最外側に位置するショルダ陸部を、トレッド接地面でタイヤ幅方向外側の領域とタイヤ幅方向内側の領域にタイヤ幅方向で二分割し、前記タイヤ幅方向内側の領域における、見かけのトレッド接地面全体において溝が形成されていることにより実際には接地していない部分の容積が占める割合である、ショルダ陸部内側溝容積の割合を、前記タイヤ幅方向外側の領域における前記容積が占める割合であるショルダ陸部外側溝容積の割合より大きくし、
    前記トレッドは、複数層の交錯ベルト層のタイヤ径方向外側に位置し、前記交錯ベルト層は、カーカスのタイヤ径方向外側に位置する少なくとも一層の周方向ベルト層のタイヤ径方向外側に位置し、
    前記ショルダ陸部は、前記周方向ベルト層及び前記交錯ベルト層のタイヤ径方向外側に位置し、
    前記ショルダ陸部に前記周方向溝を介してタイヤ幅方向内側に隣接する内側陸部を、タイヤ幅方向外側とタイヤ幅方向内側にタイヤ幅方向で二分割し、前記内側陸部のタイヤ幅方向外側の領域における前記容積が占める割合である内側陸部外側溝容積の割合、前記ショルダ陸部内側溝容積の割合より小さく、前記ショルダ陸部外側溝容積の割合より大きくし、
    前記周方向ベルト層は、タイヤ幅方向外側端を、前記ショルダ陸部のタイヤ幅方向内側領域よりタイヤ幅方向外側に位置させる、タイヤ幅方向幅を有し、
    前記ショルダ陸部のタイヤ幅方向外側領域と前記内側陸部のタイヤ幅方向外側領域のそれぞれの容積は、それぞれの陸部の全容積の5%以上50%以下とし、
    前記周方向ベルト層のベルト幅を、前記交錯ベルト層の最も広いベルト幅より広くなく二番目に広いベルト幅より狭くなく、形成したことを特徴とする空気入りタイヤ。
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