JP6038550B2 - H形鋼製鉄骨梁の補強構造 - Google Patents

H形鋼製鉄骨梁の補強構造 Download PDF

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本発明は、重量増加やコストアップを抑制することが可能であると共に、鉄骨梁を補強する補剛部材の構造的健全性が高く、溶接作業性も良好であって、局部座屈に対し高い補強性能を発揮するH形鋼製鉄骨梁の補強構造に関する。
鉄骨造の梁部材には、H形鋼製鉄骨梁が多く用いられる。鉄骨梁には、せん断耐力を負担したり、塑性化領域(例えば、梁端部)で生じる局部座屈に抵抗し得る性能が求められる。
鉄骨梁に作用するせん断耐力だけを考えた場合、このせん断耐力を負担するウェブに関しては通常、断面性能的にかなりの余裕がある。従って、局部座屈を適切に防止できるのであれば、ウェブの板厚が薄い(幅厚比が大きい)H形鋼製鉄骨梁であっても、塑性化する部位に適用することができ、ウェブの板厚が厚い鉄骨梁を用いる場合に比べて、軽量であって、従ってまた低コストな鉄骨梁を構成することができる。
H形鋼製鉄骨梁の局部座屈を防止し、変形能力を向上する補強構造として、ウェブに補剛部材を設ける技術が知られている。特許文献1の「構造部材の補強構造及び補強金具」は、圧縮側フランジの局部座屈に対し、部材中立軸近傍に補強部を設けることで、構造部材としての急激な耐荷能力の低下を防ぎ、かつ安定的な変形性能を確保することを課題とし、地震荷重等により、H形鋼梁の局部座屈による塑性化が想定される区間について、中立軸近傍のウェブ両面に帯鋼板等からなる補強材を取り付けて補強部を形成する。圧縮側フランジの局部座屈が進むに従って、圧縮側フランジの曲げモーメントに対する耐荷能力が低下して行くが、中立軸近傍に補強材があることで、補強材と未だ健全な引張側フランジとが低下分の曲げモーメントを負担し、構造部材としての急激な耐荷能力の低下を防ぎつつ、圧縮側フランジの安定的な変形を可能とするようにしている。
特許文献2の「プレートガーダーにおける腹板の座屈防止構造」は、腹板の長さおよび高さあるいは垂直補剛材の数などに応じてプレートガーダーの座屈を効果的に防止することができ、部品点数を削減するとともに鋼重を減少可能なプレートガーダーにおける腹板の座屈防止構造を提供することを課題とし、座屈現象に対応する主応力面に沿って補剛材を設けることに着目したもので、腹板と、腹板の側面に垂直方向に設けた垂直補剛材とを有するプレートガーダーにおける腹板の座屈防止構造であって、腹板の側面に斜補剛材を設けるようにしている。
特開平6−17507号公報 特開平8−312058号公報
特許文献1では、平板状のプレート(補強材)をウェブ面に重合している。このような構成では、座屈を防止するにあたり、重合するプレートに十分な板厚が必要であるため、H形鋼製鉄骨梁として重量が極端に増大し、従ってまたコストも嵩むという課題がある。
特許文献2では、ウェブ面から外方へ向けて、平板状のプレート(斜補剛材等)を立設している。このような構成では、プレートを立てた状態に保持してウェブ面に溶接接合しなければならず、安定性が悪く、溶接作業性に劣るという課題がある。
また、特許文献1では、平板状のプレートに代えて、X字状の形態のもの、水平方向及び鉛直方向のプレートを組み合わせた形態のもの、チャンネル状の形態のもの、鉛直方向と横V字状のプレートを組み合わせた形態のもの、中央に円筒状部を有するX字状の形態のものが開示されているが、いずれも一部に角部があることから、接合作業の際、これら角部で溶接欠陥を生じ易く、所定の補強性能が得られないことが懸念される。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、重量増加やコストアップを抑制することが可能であると共に、鉄骨梁を補強する補剛部材の構造的健全性が高く、溶接作業性も良好であって、局部座屈に対し高い補強性能を発揮するH形鋼製鉄骨梁の補強構造を提供することを目的とする。
本発明にかかるH形鋼製鉄骨梁の補強構造は、H形鋼製の鉄骨梁の補強構造であって、高さbと板厚tの関係がb≧tを満たす半円形状であって、かつ上記鉄骨梁の梁せい方向の外形寸法Yと該鉄骨梁の梁せいHの関係がY>2H/3を満たす鋼製の補剛部材を形成し、該補剛部材を上記鉄骨梁のウェブ面に、当該鉄骨梁の塑性化領域全域に亘って設けると共に、前記鉄骨梁の梁端部に設けられる前記補剛部材は、その両端が該梁端部の上下隅角部に向くように、凹面が該梁端部に向けて設けられることを特徴とする。
前記補剛部材は、半円形状の凸面同士もしくは凹面同士が前記鉄骨梁の長さ方向に向かい合うようにして、複数配設されることを特徴とする。
本発明にかかるH形鋼製鉄骨梁の補強構造は、H形鋼製の鉄骨梁の補強構造であって、高さbと板厚tの関係がb≧tを満たす半円形状であって、かつ上記鉄骨梁の梁せい方向の外形寸法Yと該鉄骨梁の梁せいHの関係がY>2H/3を満たす鋼製の補剛部材を形成し、該補剛部材は、当該鉄骨梁の塑性化領域全域に亘って、前記鉄骨梁のウェブの表面と裏面の双方に、該鉄骨梁の長さ方向に沿うウェブの中心線上で連続的に、かつ反対向きに配設されると共に、前記鉄骨梁の梁端部に設けられる前記補剛部材は、少なくともいずれか一端が該梁端部の上または下隅角部に向くように、凹面が該梁端部に向けて設けられることを特徴とする。
本発明にかかるH形鋼製鉄骨梁の補強構造は、H形鋼製の鉄骨梁の補強構造であって、高さbと板厚tの関係がb≧tを満たす略S字状であって、かつ上記鉄骨梁の梁せい方向の外形寸法Yと該鉄骨梁の梁せいHの関係がY>2H/3を満たす鋼製の補剛部材を形成し、該補剛部材を上記鉄骨梁のウェブ面に、当該鉄骨梁の塑性化領域全域に亘って設けたことを特徴とする
前記補剛部材は、前記鉄骨梁のウェブの表面と裏面の双方に、該鉄骨梁の長さ方向に沿うウェブの中心線上で連続的に、かつ反対向きに配設されることを特徴とする。
前記鉄骨梁の梁端部に設けられる前記補剛部材は、少なくともいずれか一端が該梁端部の上または下隅角部に向くように、凹面が該梁端部に向けて設けられることを特徴とする。
本発明にかかるH形鋼製鉄骨梁の補強構造にあっては、重量増加やコストアップを抑制することができると共に、鉄骨梁を補強する補剛部材の構造的健全性が高く、溶接作業性も良好であって、局部座屈に対し高い補強性能を発揮することができる。
本発明に係るH形鋼製鉄骨梁の補強構造の好適な一実施形態を示す斜視図である。 図1に示したH形鋼製鉄骨梁の補強構造の正面図である。 図2中、A−A線矢視断面図である。 図1に示したH形鋼製鉄骨梁の補強構造に適用される補剛部材の説明図である。 H形鋼製鉄骨梁各所の塑性化領域に補剛部材を設けた場合の一例を示す正面図である。 本発明に係るH形鋼製鉄骨梁の補強構造の変形例を示す正面図である。 本発明に係るH形鋼製鉄骨梁の補強構造の他の変形例を示す正面図である。
以下に、本発明にかかるH形鋼製鉄骨梁の補強構造の好適な実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るH形鋼製鉄骨梁の補強構造を示す斜視図、図2はその正面図、図3は図2中、A−A線矢視断面図、図4は補剛部材の説明図であって、図4(A)は正面図、図4(B)は側面図である。
鉄骨柱1に接合されて鉄骨架構の梁部分を構成するH形鋼製鉄骨梁2は、一般周知のように、ウェブ3の上下に一対のフランジ4を備えて構成される。鉄骨梁2は、地震力等により大きなモーメントが生じた際に塑性化するが、塑性化後も耐力が低下することなく十分な変形能力を発揮できるように塑性化領域を有している。塑性化領域は通常、鉄骨柱1と接合される梁端部2aに存するが、鉄骨架構に作用する応力状態によっては、梁端部2a以外の箇所、例えば梁中央部2b(図5参照)などに存する場合もある。ここで、鉄骨梁2のウェブの板厚が薄い(幅厚比が大きい)場合には、十分に変形する前に局部座屈を起こしてしまい、耐力や変形能力が低下する。
本実施形態に係るH形鋼製鉄骨梁の補強構造は、局部座屈に対してH形鋼製鉄骨梁2を補強する構造であって、補強に用いられる補剛部材5は、鉄骨梁2の塑性化領域全域に亘って設けられる。補剛部材5は、板厚の薄い帯状の鋼製板材をその長さ方向に弧状に湾曲させて、半円形状に形成される(図4参照)。補剛部材5は、プレス加工やその他従来周知の各種方法によって作製される。
補剛部材5は、半円形の弧状をなす端縁5aをその全長にわたって溶接接合することにより、鉄骨梁2のウェブ面に設けられる。ウェブ面に補剛部材5を設けるとき、半円状の両端5bが梁せい方向に上下に並び、これら両端5bから鉄骨梁2の長さ方向に半円形状が迫り出すように取り付けられる。
補剛部材5を鉄骨梁2に溶接接合する際には、鉄骨梁2を横倒しにして上下一対のフランジ4を接地することによって、ウェブ面を水平にし、水平なウェブ面上に半円形状の補剛部材5を立てて設置して、接合作業が行われる。本実施形態にあっては、補剛部材5は、半円形状をなす弧の長さ方向中央(以下、「半円形状に沿う中心」という)Qが鉄骨梁2の長さ方向に沿うウェブ3の中心線C上に位置するように設けられる。すなわち、半円形状の補剛部材5の基となる円形の直径がウェブ3の中心線Cに一致される。補剛部材5の半円形状に沿う中心Qは、鉄骨梁2の長さ方向に沿うウェブ3の中心線C上からずれた位置であってもよい。
本実施形態では、補剛部材5は図2及び図3に示すように、ウェブ3の表面もしくは裏面のいずれか一方に設けられる。また、補剛部材5は、2つ以上複数設けられる場合には、半円状の凸面5c同士もしくは凹面5d同士が鉄骨梁2の長さ方向に向かい合うようにして配設される。図示例にあっては、補剛部材5は、塑性化領域である梁端部2aに4つ配設されていて、中央の2つの補剛部材5については、凹面5d同士が向かい合い、中央の2つの補剛部材5それぞれとこれらに隣接する外側の2つの補剛部材5については、互いに凸面5c同士が向かい合っている。
さらに、これら補剛部材5のうち、鉄骨梁2の梁端部2aに最も近接して設けられる補剛部材5は、その両端5bが梁端部2aの上下隅角部(鉄骨梁2と鉄骨柱1との接合によって形成される上下の隅角部)6に向くように、凹面5cが梁端部2aに向けて設けられる。図中、7は、梁端部2aの上下隅角部6に形成される溶接作業用の切り欠きである。補剛部材5は、溶接作業性を考慮して、また互いに隣接する補剛部材5の溶接箇所同士の干渉を避けるために、僅かながら互いに間隔を隔ててウェブ面に設けられる。
補剛部材5は図4に示すように、これが作製される帯状の板材の幅に相当する、ウェブ面上に接合したときにおける高さbと板厚tの関係がb≧tを満たすように設定される。ウェブ3の面外変形に対しては、板厚tよりも高さbの方が利き、効率よく面外変形を抑制することができる。
また、補剛部材5は、鉄骨梁2の梁せい方向の外形寸法(両端5b間の梁せい方向寸法;半円形の基となる円形の直径寸法)Yと鉄骨梁2の梁せいHの関係がY>2H/3を満たすように、すなわち梁せいHの2/3の寸法よりも大きい外形寸法Yを有するように設定される。補剛部材5は、その半円形状に沿う中心Qがウェブ3の中心線C上に位置されるので、補剛部材5の上部及び下部と上下フランジ4との間には、梁せいHの1/6未満の寸法で振り分けて、隙間が形成される。
本実施形態に係るH形鋼製鉄骨梁の補強構造は、背景技術のように、相当の板厚を有する平板状のプレートをウェブ表面に重ね合わせて設ける場合に比して、補強要素である補剛部材5が梁せいHの2/3の寸法よりも大きい外形寸法Yを有する半円形状であるので、ウェブ面上における板厚tを薄くして高さbを確保することによって、効果的に局部座屈の発生を抑えることができる。板厚tが薄くて済むので、鉄骨梁2の補強における軽量化・コストダウンを達成することができる。
補剛部材5を、半円形状の凸面5c同士もしくは凹面5d同士が鉄骨梁2の長さ方向に向かい合うようにして、複数配設するようにしたので、半円形状の補剛部材5であっても、凹面5d同士で取り囲んでその内方のウェブ3部分を包囲して拘束することができ、ウェブ3の面外変形を効率よく抑えることができる。
補剛部材5は、上下フランジ4から梁せいHの1/6未満の位置でウェブ3を押さえ込んでいるので、当該位置の断面が増加する。すなわち、曲げにくさを表す横座屈断面二次半径が増大する。これにより、スチフナプレート等の追加の補強を必要とすることなく、鉄骨梁2のねじれも防止することができる。従って、幅厚比の大きいH形鋼製鉄骨梁2であっても、塑性化する部位に適用することができ、ウェブの板厚が厚い鉄骨梁を用いる場合に比べて、軽量であって、従ってまた低コストな鉄骨梁2を構成することができる。
また、上述したように、半円形状の補剛部材5であるので、水平にしたウェブ面に安定して設置することができ、良好な溶接接合作業性も確保できる。補剛部材5は半円形状であるので、形態的に角部が全くなく、従って生産時に欠陥が生じるようなこともなく、所定の補強性能を確保することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るH形鋼製鉄骨梁の補強構造は、重量増加やコストアップを抑制することができると共に、鉄骨梁2を補強する補剛部材5の構造的健全性が高く、溶接作業性も良好であって、局部座屈に対し高い補強性能を発揮することができる。
特に、鉄骨梁2の梁端部2aに設けられる補剛部材5を、その両端5bが梁端部2aの上下隅角部6に向くように、凹面5dが梁端部2aに向かい合う配置で設けるようにしたので、鉄骨柱1と鉄骨梁2との接合部分の上下隅角部6に発生する局部座屈を有効かつ効率的に補強することができる。
上記実施形態では、補剛部材5を梁端部2aに設ける場合について説明したが、図5に示すように、塑性化領域であれば、どのような場所に設けるようにしても良いことはもちろんである。長期応力の影響で、鉄骨梁2の長さ方向中間部(梁中央部)5bに局部座屈が生じることもある。このような事態に対応するために、局部座屈が生じ得る塑性化領域全域に亘り、上記補剛部材5が設けられる。このように構成すれば、ウェブの板厚が薄い(幅厚比が大きい)鉄骨梁2の塑性化領域であっても、十分に変形することができて、靱性に富んだ鉄骨架構を構築することができる。
また、上記実施形態では、補剛部材5を4つ設ける場合について説明したが、塑性化領域の範囲が狭いと想定されるような場合には、当該領域に補剛部材5を1つ設けるだけでも良いことはもちろんである。
図6には、上記実施形態の変形例が示されている。上記実施形態では、ウェブ3の片面に補剛部材5を設置する場合について説明したが、この変形例では図3において仮想線でも示すように、補剛部材5は、ウェブ3の表面及び裏面の双方に設けられる。
補剛部材5は、上記実施形態とは異なり、表裏各面それぞれで、鉄骨梁2の長さ方向に同じ向きで配列される。そして、表裏面の補剛部材5は、鉄骨梁2の長さ方向に沿うウェブ3の中心線C上で連続的に配設される。具体的には、表裏面の補剛部材5は、鉄骨梁2の長さ方向に沿うウェブ3の中心線C上で、それらの半円形状に沿う中心Qがほぼ重なり合うように配設される。「連続的」とは図示するように、表裏面に設けられる補剛部材5が互いに重なり合う場合だけでなく、補剛部材5の外縁同士が互いに外接する位置関係の場合を含む。
さらに、ウェブ3の表面と裏面で、鉄骨梁2の長さ方向に互いに反対向きに設置される。これにより、ウェブ3の表面の補剛部材5の両端5bと、裏面の補剛部材5の両端5bとが連続する配列が得られ、ウェブ3の表裏面相互の関係において、補剛部材5は、ウェブ3の中心線C上に並んだ状態で連続される。これにより、ウェブ3を、表裏の補剛部材5によって包囲して補強することができる。
また、このように連続的に配設できるので、補剛部材5をウェブ3の片面だけに設ける場合に、隣接する補剛部材5間に必要な隙間をなくすことができ、隙間がなくなることにより、補強効果をさらに増大することができる。
この変形例であっても、ウェブ3の表裏いずれか一方に設置される補剛部材5であって、鉄骨梁2の梁端部2aに最も近接して設けられるものは、その両端5bが梁端部2aの上下隅角部6に向くように、凹面5dが梁端部2aに向けて設けられる。これにより、上記実施形態と同様に、鉄骨柱1と鉄骨梁2との接合部分の上下隅角部6を有効かつ効率的に補強することができる。
図7には、上記実施形態の他の変形例が示されている。この変形例では、補剛部材8は、半円形状に代えて、その半円形状に沿う中心で反転させた略S字状の形態で形成される。S字状の補剛部材8は、図6と同様に、ウェブ3の表面及び裏面の双方に設けられ、表裏各面それぞれで、鉄骨梁2の長さ方向に同じ向きで配列される。また補剛部材8は、ウェブ3の表面と裏面で、鉄骨梁2の長さ方向に互いに反対向きに設置される。
そして、表裏面の補剛部材8は、鉄骨梁2の長さ方向に沿うウェブ3の中心線C上で連続的に配設される。具体的には、表裏面の補剛部材8は、鉄骨梁2の長さ方向に沿うウェブ3の中心線C上で、それらのS字状をなす弧の長さ方向中央(以下、「S字状に沿う中心」という)Rが重なり合うように配設される。この変形例の場合も、「連続的」とは図示するように、表裏面に設けられる補剛部材8が互いに重なり合う場合だけでなく、中心線C上で、S字状に沿う中心Rにおいて補剛部材8の外縁同士が互いに外接する位置関係の場合を含む。
これにより、ウェブ3の表面の1つの補剛部材8の両端8bと、当該補剛部材8を挟む裏面の2つの補剛部材8の各一端8bとが連続する配列が得られ、ウェブ3の表裏面相互の関係において、補剛部材8は、ウェブ3の中心線C上に並んだ状態で連続される。このように連続的に配設すれば、図6に示した変形例と同様の作用効果を得ることができる。
またこの変形例であっても、鉄骨梁2の梁端部2aに最も近接して設けられる表裏の補剛部材8は、それらの少なくともいずれか一端8bが梁端部2aの上または下隅角部6に向くように、それらの凹面8dが梁端部2aに向けて設けられる。これにより、上記実施形態や変形例と同様に、鉄骨柱1と鉄骨梁2との接合部分の上下隅角部6を有効かつ効率的に補強することができる。
これら図6及び図7に示した変形例であっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することはもちろんである。
2 H形鋼製鉄骨梁
2a 鉄骨梁の梁端部
3 鉄骨梁のウェブ
5,8 補剛部材
5b,8b 補剛部材の両端
5c 補剛部材の凸面
5d,8d 補剛部材の凹面
6 梁端部の上下隅角部
b 補剛部材の高さ
t 補剛部材の板厚
C 鉄骨梁の長さ方向に沿うウェブの中心線
H 鉄骨梁の梁せい
Y 補剛部材の鉄骨梁の梁せい方向における外形寸法

Claims (6)

  1. H形鋼製の鉄骨梁の補強構造であって、高さbと板厚tの関係がb≧tを満たす半円形状であって、かつ上記鉄骨梁の梁せい方向の外形寸法Yと該鉄骨梁の梁せいHの関係がY>2H/3を満たす鋼製の補剛部材を形成し、該補剛部材を上記鉄骨梁のウェブ面に、当該鉄骨梁の塑性化領域全域に亘って設けると共に、前記鉄骨梁の梁端部に設けられる前記補剛部材は、その両端が該梁端部の上下隅角部に向くように、凹面が該梁端部に向けて設けられることを特徴とするH形鋼製鉄骨梁の補強構造。
  2. 前記補剛部材は、半円形状の凸面同士もしくは凹面同士が前記鉄骨梁の長さ方向に向かい合うようにして、複数配設されることを特徴とする請求項1に記載のH形鋼製鉄骨梁の補強構造。
  3. H形鋼製の鉄骨梁の補強構造であって、高さbと板厚tの関係がb≧tを満たす半円形状であって、かつ上記鉄骨梁の梁せい方向の外形寸法Yと該鉄骨梁の梁せいHの関係がY>2H/3を満たす鋼製の補剛部材を形成し、該補剛部材は、当該鉄骨梁の塑性化領域全域に亘って、前記鉄骨梁のウェブの表面と裏面の双方に、該鉄骨梁の長さ方向に沿うウェブの中心線上で連続的に、かつ反対向きに配設されると共に、前記鉄骨梁の梁端部に設けられる前記補剛部材は、少なくともいずれか一端が該梁端部の上または下隅角部に向くように、凹面が該梁端部に向けて設けられることを特徴とするH形鋼製鉄骨梁の補強構造。
  4. H形鋼製の鉄骨梁の補強構造であって、高さbと板厚tの関係がb≧tを満たす略S字状であって、かつ上記鉄骨梁の梁せい方向の外形寸法Yと該鉄骨梁の梁せいHの関係がY>2H/3を満たす鋼製の補剛部材を形成し、該補剛部材を上記鉄骨梁のウェブ面に、当該鉄骨梁の塑性化領域全域に亘って設けたことを特徴とするH形鋼製鉄骨梁の補強構造。
  5. 前記補剛部材は、前記鉄骨梁のウェブの表面と裏面の双方に、該鉄骨梁の長さ方向に沿うウェブの中心線上で連続的に、かつ反対向きに配設されることを特徴とする請求項4に記載のH形鋼製鉄骨梁の補強構造。
  6. 前記鉄骨梁の梁端部に設けられる前記補剛部材は、少なくともいずれか一端が該梁端部の上または下隅角部に向くように、凹面が該梁端部に向けて設けられることを特徴とする請求項5に記載のH形鋼製鉄骨梁の補強構造。
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