JP6038501B2 - 水中ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば汚水に含まれる固形物を細断して吐き出すカッター付きの水中ポンプに関する。
汚物・汚水用の水中ポンプが処理する液体の中には、ビニール袋や枯れ葉の他に例えば軍手、タオルのような布状の固形物が混入していることが多い。この種の固形物がポンプケーシングの流入口からインペラに吸い込まれてしまうと、固形物がインペラに絡み付いて羽根の間の流路を閉塞したり、インペラの回転を拘束することがある。
この問題を解決するため、従来、ポンプケーシングの流入口からインペラに向かう固形物を細断するカッター機構を備えた水中ポンプが提供されている。特許文献1に開示された汚水用の水中ポンプでは、ポンプケーシングの吸込口とインペラとの間にサクションカバーが取り付けられている。
前記特許文献1によると、インペラは、モータの駆動軸と一体に回転する円板と、円板の前面から吸込口に向けて突出された複数の羽根と、を備えている。羽根は、円板の中心部から放射状に延びているとともに、各羽根の中間部に段差部が形成されている。
前記サクションカバーは、インペラの円板と向かい合う円錐面を有している。円錐面の中央部に羽根の段差部が嵌り込む吸込穴と、吸込穴の内縁に開口された複数の切欠きと、が形成されている。吸込穴の内縁および切欠きの内縁は、夫々内刃を構成している。さらに、サクションカバーの円錐面に複数の円弧状凹部が形成されている。凹部は、吸込穴を取り囲むように吸込穴の周囲に間隔を存して配置されているとともに、各凹部の縁に渦形刃が形成されている。
前記円板の中心部に位置された前記羽根の前端部は、螺旋翼となってサクションカバーの吸込穴からポンプケーシングの吸込口に突出されている。さらに、各羽根の先端縁にサクションカバーの円錐面に接する側縁刃が形成されているとともに、各羽根の段差部の縁にサクションカバーの吸込穴の内縁に接する切刃が形成されている。
このような水中ポンプによると、インペラの回転に伴ってポンプケーシングの吸込口に汚水が吸い込まれると、汚水中に混入された固形物は、螺旋翼に巻き込まれながら螺旋翼とサクションカバーの切欠きとの間に導かれる。固形物は、羽根の段差部に形成された切刃と、吸込穴および切欠きに形成された内刃との間で挟み込まれて切断される。
さらに、羽根に形成された側縁刃は、インペラの回転中にサクションカバーの円錐面に接触しながら円錐面の上の凹部を横切る。これにより、サクションカバーの切欠きで切断された固形物は、サクションカバーの凹部に導かれた時点で側縁刃と凹部の渦形刃との間でさらに細かく切断されることになる。
一方、特許文献2に開示された水中曝気ポンプでは、ポンプケーシングに水量規制筒が固定されている。水量規制筒は、ポンプケーシングからインペラの内周部に向けて突出された円筒体を有し、この円筒体の吐出側端縁にカッターが形成されている。カッターは、円筒体の吐出側端縁に刻み込まれた複数の刃を有し、各刃の先端がインペラの上側基板の内面と向かい合っている。
このような水中曝気ポンプによると、ポンプケーシングに吸い込まれた汚水は、水量規制筒の円筒体によって水量が適正に規制された後、円筒体の突出側端縁からインペラの内周部に流入する。この際、汚水中に混入した固形物がカッターの刃によって切断される。
特許第2636966号公報 特開平6−272686号公報
特許文献1に開示された水中ポンプでは、インペラの前端部に位置された螺旋翼が隣り合う羽根と円板との間に規定された通路に通じており、この通路の箇所に固形物に切断力を付与するための要素が存在しない。
このため、固形物の形状あるいは大きさによっては、螺旋翼に巻き込まれた固形物がサクションカバーの切欠きを通過してそのまま羽根の間の通路に導かれることがあり得る。したがって、固形物が細かく切断されないままインペラに吸い込まれる可能性があり、固形物を切断する性能を高める上で改善の余地がある。
さらに、インペラ側の側縁刃および内刃は、サクションカバーの円錐面および吸込穴の内縁に接しているので、インペラの回転時にインペラとサクションカバーとの接触部分に抵抗が生じるのを避けられない。この結果、特に固形物を切断する際にインペラに加わる負荷が増大するといった問題がある。
特許文献2に開示された水中曝気ポンプによると、汚水中の固形物は、鋸の歯のように細かく刻まれた複数の刃の間の狭い隙間を通じてインペラの羽根の間に導かれる。このため、静止したカッターと回転するインペラとの間で固形物を切断する際に、インペラに大きな負荷が加わるのを否めない。
本発明の目的は、固形物を逃がすことなく細断してインペラから排出できるとともに、インペラに加わる負荷を軽減できる水中ポンプを得ることにある。
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る水中ポンプは、固形物を含む液体が流れ込む流入口を有するポンプケーシングと、モータの駆動軸に連結され、複数の羽根で囲まれた中心部から前記液体を吸い込んで外周部から吐き出すインペラと、前記ポンプケーシングに固定されたカッターと、を具備し、前記インペラの前記羽根は、前記インペラの外周部で前記インペラの回転方向に沿うように円弧状に湾曲されているとともに、前記インペラの回転方向に沿う前記羽根の一端に尖鋭な第1の切断部が形成され、前記カッターは、前記ポンプケーシングの前記流入口から前記インペラの前記羽根で囲まれた領域に突出されるとともに前記羽根から離れた少なくとも一つのブレード部を有し、当該ブレード部の縁に前記羽根の前記第1の切断部に対し傾斜された第2の切断部が形成され、前記第1の切断部および前記第2の切断部は、前記インペラが回転した時に前記インペラの前記外周部から吐き出される前記液体に含まれる前記固形物を挟み込んで切断するように構成され、前記インペラは、前記駆動軸が同軸状に連結された円盤状のシュラウドを有し、前記羽根は、前記シュラウドの外周部から前記ポンプケーシングの前記流入口に向けて突出され、前記シュラウドの前記外周部は、前記羽根の吐出側端部が位置された外周縁と、前記羽根の吸込側端部が位置された内周縁と、を含むとともに、前記外周縁が前記内周縁よりも前記流入口が開口された前記ポンプケーシングの内面に向けて突出するように前記シュラウドの前記外周部が傾斜される
本発明の一つの形態によれば、インペラの中心部に固形物が吸い込まれると、回転する第1の切断部と静止した第2の切断部との相対的な移動に伴って羽根の間を通過しようとする固形物に切断力が繰り返し作用する。この結果、固形物を逃がすことなく細断してインペラから排出することができ、固形物の通過性能を高めつつインペラに加わる負荷を軽減することができる。
第1の実施形態に係る水中ポンプの断面図。 第1の実施形態において、ケーシング本体の舌部、インペラおよびカッターの位置関係を示す断面図。 第1の実施形態に係る水中ポンプで用いるインペラの斜視図。 第1の実施形態に係る水中ポンプで用いるインペラの平面図。 第1の実施形態に係る水中ポンプで用いるカッターの斜視図。 第1の実施形態に係る水中ポンプで用いるカッターの側面図。 第1の実施形態において、インペラとカッターとを互いに組み合わせた状態を示す斜視図。 第1の実施形態において、インペラの羽根とカッターのブレード部とが互いに交差した状態を示す斜視図。 第2の実施形態に係るカッターの斜視図。 第2の実施形態に係るカッターの側面図。 第3の実施形態に係るカッターの斜視図。
[第1の実施形態]
以下本発明の第1の実施形態を図1ないし図8に基づいて説明する。
図1は、例えば汚水槽から汚水を排出する汚物用水中ポンプ1を開示している。水中ポンプ1が排出する汚水は液体の一例であって、種々の固形物を含んでいる。水中ポンプ1は、ポンプケーシング2、水中モータ3、インペラ4、およびカッター5を主要な要素として備えている。
ポンプケーシング2は、ケーシング本体7とケーシングカバー8とで構成されている。図2に示すように、ケーシング本体7は、うず形室9と、うず形室9から側方に延出された吐出管部10とを有している。うず形室9の天井となるケーシング本体7の上壁7aに開口部11が形成されている。うず形室9の底となるケーシング本体7の底壁7bに流入口12が形成されている。流入口12は、汚水に浸かるように汚水槽の底部に開口されている。吐出管部10は、ポンプケーシング2の上方に向けて開口された吐出口13を有している。吐出口13は、吐出配管を介して汚水槽の外に通じている。
さらに、ケーシング本体7は、うず形室9の巻き始め部9aに隣接した位置に舌部9bを有している。舌部9bは、うず形室9の周面からうず形室9の内側に向けて円弧状に張り出している。
ケーシングカバー8は、ケーシング本体7の上壁7aに固定されて、ケーシング本体7の開口部11を密閉している。ケーシングカバー8は、ケーシング本体7の上方に向けて突出された円筒状の嵌め合い部14を有している。
水中モータ3は、嵌め合い部14に固定されている。水中モータ3は、トルクを出力する駆動軸15を有している。駆動軸15は、水中モータ3からポンプケーシング2に向けて下向きに突出されている。駆動軸15の下端部は、ケーシングカバー8を貫通してうず形室9の上部に導入されている。
インペラ4は、例えば布状、繊維状あるいは紐状の固形物が詰まり難いセミオープンインペラであって、ポンプケーシング2のうず形室9に収容されている。第1の実施形態によると、インペラ4は、例えば機械的強度および耐摩耗性に優れたダクタイル鋳鉄又はステンレス鋳物で構成されている。
図1、図3および図4に示すように、インペラ4は、シュラウド17と、二枚の羽根18と、を備えている。シュラウド17は、表面17aおよび背面17bを有する円盤状であり、その外径がケーシングカバー8の開口部11よりも僅かに小さく形成されている。
シュラウド17の背面17bにボス部19が一体に形成されている。ボス部19は、背面17bの中心部からケーシングカバー8に向けて同軸状に突出されている。ボス部19は、水中ポンプ3の駆動軸15の下端部が嵌合された嵌合孔20を有している。嵌合孔20は、シュラウド17を貫通してシュラウド17の表面17aに開口されている。
シュラウド17は、嵌合孔20に嵌合された駆動軸15の下端部に固定ナット21を介して結合されている。シュラウド17は、駆動軸15と一体に回転するとともに、うず形室9の上部に位置されている。固定ナット21は、シュラウド17の表面17aに露出されている。
インペラ4の羽根18は、シュラウド17の表面17aの外周部22からケーシング本体7の底壁7bに向けて一体に突出されている。羽根18は、シュラウド17の周方向に間隔を存して配列されて、シュラウド17の径方向に互いに向かい合っている。羽根18の突出端となる端面は、ケーシング本体7の流入口12の周囲に位置されているとともに、ケーシング本体7の底壁7bと向かい合っている。羽根18の端面と底壁7bとの間には、例えば約0.5mmの僅かな隙間が確保されている。
図3および図4に示すように、各羽根18は、吸込側端部23および吐出側端部24を有している。吸込側端部23は、インペラ4の回転方向に沿う羽根18の一端に位置されている。吐出側端部24は、吸込側端部23に対しインペラ4の回転方向に沿う反対側に位置されている。言い換えると、吸込側端部23および吐出側端部24は、シュラウド17の周方向に互いに離れている。
さらに、各羽根18は、吸込側端部23が吐出側端部24よりもシュラウド17の表面17aの中心部の方向に変位するように、連続した円弧を描いて湾曲されている。このことから、羽根18の外周面18aおよび内周面18bは、複数の円弧状に湾曲された曲面となっている。
羽根18の吸込側端部23は、シュラウド17の表面17aに対し直角に起立された縁を含んでいる。吸込側端部23の縁は、駆動軸15の軸線O1と平行な直線状に形成されている。吸込側端部23は、縁に向けて肉厚が次第に減じるように先細り状に尖っている。
したがって、吸込側端部23の縁は、尖鋭な第1の切断部25を構成している。第1の切断部25は、鋭利な刃と言い換えることができる。二枚の羽根18の第1の切断部25は、インペラ4の周方向に180°離間するような位置関係に保たれている。
図4に示すように、羽根18の吸込側端部23の入口角度αは、羽根18の外周面18a上の一点に触れて第1の切断部25に至る直線t1と、羽根18の内周面18b上の一点に触れて第1の切断部25に至る直線t2とが交差する角度によって定まる。入口角度αは、例えば20°〜30°の鋭角とすることが望ましいが、この限りではない。
さらに、第1の実施形態では、羽根18の吸込側端部23に凹部26が形成されている。凹部26は、第1の切断部25と隣り合った位置で羽根18の内周面18bから円弧状に窪んでいる。このため、吸込側端部23では、吐出側端部24よりも羽根18の肉厚Tが小さくなっている。
羽根18の吐出側端部24は、シュラウド17の表面17aに対し直角に起立された縁を含んでいる。吐出側端部24は、シュラウド17の外周面に対し段差を生じることなく滑らかに連続されている。
羽根18の第1の切断部25の耐摩耗性を高めるためには、羽根18の吸込側端部23に例えば高周波焼き入れ等を施して、吸込側端部23の表面硬度を増加させることが望ましい。
図1および図3に示すように、シュラウド17の表面17aの外周部22は、羽根18の吸込側端部23が位置された内周縁22aと、羽根18の吐出側端部24が位置された外周縁22bと、を有している。第1の実施形態によると、シュラウド17の表面17aの外周部22は、その外周縁22bが内周縁22aよりもケーシング本体7の底壁7bに向けて突出するように滑らかな円弧を描いて傾斜されている。
このため、羽根18の幅は、吸込側端部23から吐出側端部24に向けて小さくなるように連続的に変化している。すなわち、図1に示すように、羽根18の吸込側端部23の幅W1は、汚水中に含まれた固形物が通過し易いように羽根18の吐出側端部24の幅W2よりも大きく設定されている。
図1に示すように、カッター5は、ケーシング本体7の底壁7bに固定されている。カッター5は、固定部材の一例であり、例えばダクタイル鋳鉄又はステンレス鋳物で構成された一体構造物である。
図5および図6に示すように、カッター5は、ベース部30、三本のブレード部31および端板32を備えている。ベース部30は、円筒状であり、ケーシング本体7の流入口12に嵌合されている。
ベース部30は、リング状のフランジ33を有している。フランジ33は、ベース部30の周囲に張り出すとともに、複数の挿通孔34を有している。挿通孔34は、フランジ33の周方向に間隔を存して配列されているとともに、ケーシング本体7の底壁7bに設けられた複数のねじ孔35と合致している。
複数のボルト36が挿通孔34を通じてねじ孔35にねじ込まれている。このねじ込みにより、ベース部30が水中モータ3の駆動軸15およびインペラ4に対し同軸となるようにケーシング本体7の底壁7bに固定されている。
三本のブレード部31は、ベース部30から前記インペラ4の羽根18で囲まれた領域に向けて突出されている。第1の実施形態によると、ブレード部31は、ベース部30の周方向に120°の間隔を存して配列されているとともに、インペラ4の回転方向に沿うように螺旋状に形成されている。
具体的には、ブレード部31は、ベース部30に対し個々に120°の巻き角で立ち上がるように傾斜されている。ベース部30に対するブレード部31の傾斜角度βは、15°〜45°の範囲内とすることが望ましいが、この限りではない。加えて、ベース部30に対する立ち上がり部30の立ち上がり高さHは、羽根18の吸込側端部23の幅W1に対応するように設定されている。
さらに、図4に示すように、ブレード部31の外周面は、羽根18の第1の切断部25が描く回転軌跡に沿うように円弧状に湾曲されている。このため、羽根18の第1の切断部25とブレード部31の外周面との間に、例えば0.1〜0.2mmの微小な隙間G1が確保されている。隙間G1は、羽根18の吸込側端部23から吐出側端部24に向けて連続的に拡張されている。羽根18の凹部26は、隙間G1に開放されている。
図5および図6に示すように、各ブレード部31は、巻き始め端31aおよび巻き終わり端31bを有している。巻き始め端31aは、ベース部30の上に位置されている。巻き終わり端31bは、ブレード部31の立ち上がり端に位置されているとともに、巻き始め端31aによりもベース部30の周方向に120°ずれている。第1の実施形態では、個々のブレード部31の巻き始め端31aの上方に隣り合うブレード部31の巻き終わり端31bが位置されている。
さらに、図2に最もよく示されるように、三本のブレード部31のうちの一つは、うず形室9の内部でケーシング本体7の舌部9bと向かい合っている。
端板32は、ベース部30と略同じ大きさを有する円盤であり、ブレード部31の巻き終わり端31bに連結されている。言い換えると、端板32は、ベース部30から螺旋状に立ち上げられたブレード部31の巻き終わり端31bを一体的に結合するように構成された要素であって、ベース部30に対し同軸状に配置されている。したがって、ブレード部31は、ベース部30と端板32との間に介在されているとともに、ベース部30および端板32により両端支持の状態に保たれている。
図1に示すように、端板32は、羽根18の間でシュラウド17と向かい合うようにシュラウド17の外周部22で同軸状に取り囲まれている。第1の実施形態では、端板32とシュラウド17との間に例えば1mm程度の隙間G2が確保されている。それとともに、端板32は、インペラ4と駆動軸15との連結部分となる固定ナット21をケーシング本体7の流入口12の方向から覆い隠している。羽根18の間に露出された端板32の表面32aは、凹凸の無いフラットな面となっている。
図5および図6に示すように、ベース部30の上縁30a、ブレード部31の上縁31cおよび端板32の外周部の下縁32bは、互いに協働して三つの吸込口38を規定している。吸込口38は、汚水および汚水中に含まれた固形物が通過する通路の一例である。吸込口38は、ブレード部31で互いに区画されてベース部30の周方向に並んでいる。
さらに、吸込口38は、ブレード部31の上縁31aの傾斜に伴ってインペラ4の回転方向に沿って先細りとなる開口形状を有している。第1の実施形態によると、吸込口38は、例えば直径20mmの球形固形物Sの通過を許容し得る異物通過径Lを有している。
図7および図8に示すように、ブレード部31の上縁31cは、羽根18の第1の切断部25に対し鋭角に傾斜された第2の切断部39を構成している。第2の切断部39は、尖鋭なエッジ部と言い換えることができる。
カッター5の耐摩耗性、耐久性を高めるために、少なくともブレード部31の外周面に例えばセラミックコーティングあるいはダイヤモンドライクコーティングを施してもよい。
このような構成の水中ポンプ1において、インペラ4は、水中モータ3の駆動軸15からトルクを受けることで回転する。インペラ4の回転に伴い、汚水槽に蓄えられた汚水および固形物がポンプケーシング2の流入口12およびカッター5のベース部30からインペラ4の中心部に流れ込む。インペラ4の中心部に流れ込んだ汚水は、カッター5の吸込口38を通過して羽根18の間に流入するとともに、インペラ4の外周部からうず形室9に吐き出される。
一方、汚水中に含まれた固形物は、汚水の流れに乗じてインペラ4の中心部からカッター5の吸込口38に吸い込まれる。この際、図7および図8に矢印で示すように、インペラ4の二枚の羽根18は、静止したカッター5の吸込口38の周囲で一方向に回転するので、各羽根18の第1の切断部25がカッター5の第2の切断部39に対し鋭角に交差された状態を保ちつつ、第2の切断部39に沿って移動する。
すなわち、インペラ4の回転方向に移動する羽根18の第1の切断部25が静止したカッター5の吸込口38の上を横切る。これにより、カッター5のブレード部31の傾斜に基づいて吸込口38の開口形状が次第に小さくなり、吸込口38に入り込んだ固形物が、第1の切断部25と第2の切断部39との間で挟み込まれて切断される。
さらに、カッター5のブレード部31は、インペラ4の回転方向に間隔を存して並んでいるので、一つの吸込口38に吸い込まれた固形物に最初の切断力が作用した後に、固形物が羽根18の第1の切断部25に残存していても、当該第1の切断部25が隣り合うブレード部31の第2の切断部39と交差した時点で残存した固形物に再度切断力が作用する。
加えて、インペラ4は二枚の羽根18を有するので、一つの吸込口38に吸い込まれた固形物に一方の羽根18を介して最初の切断力が作用した後に、固形物がブレード部31に残存していても、当該ブレード部31に他方の羽根18の第1の切断部25が到達した時点で残存した固形物に再度切断力が作用する。
この結果、移動する第1の切断部25と静止した第2の切断部39との間で固形物が細断されるとともに、細断された固形物が汚水と共にインペラ4の外周部からうず形室9に吐出される。うず形室9に吐出された固形物を含む汚水は、ポンプケーシング2の吐出口13から吐出配管を介して汚水槽の外へ排出される。
第1の実施形態によれば、インペラ4が1回転する間にカッター5の吸込口38に入り込んだ固形物に繰り返し切断力が作用することになる。これにより、インペラ4の羽根18の間を通過しようとする固形物を余すことなく切断することができ、固形物を切断する性能を高めることができる。
しかも、インペラ4が回転した時に、第1の切断部25と第2の切断部39とが鋭角に交差されて、固形物が入り込んだ吸込口38の開口形状が次第に狭くなるので、第1の切断部25と第2の切断部39との間で固形物を逃がすことなく切断することができる。このため、羽根18の内周面18bとカッター5のブレード部31との間に固形物が入り込んだり、噛み込まれるのを回避することができ、固形物を切断する際にインペラ4に加わる負荷を軽減することができる。
したがって、インペラ4にトルクを付与する水中モータ3として、例えば三相200V2極又は4極モータと比較して始動トルクおよび停動トルクが小さいコンデンサ始動式の単相2極モータを採用することができる。
この結果、固形物を切断する性能を高めつつ、需要が多い単相100Vを電源とする2極モータでインペラ4を円滑に回転させることができ、小型で軽量なカッター付き水中ポンプ1を得ることができる。
なお、水中モータ3は、コンデンサ始動式の単相2極モータに限らず、周知の三相200V2極又は4極モータを用いても何ら差し支えない。
第1の実施形態では、インペラ4の二枚の羽根18は、その第1の切断部25がインペラ4の周方向に180°の間隔を存して配置され、カッター5の三本のブレード部31は、ベース部30の周方向に120°の間隔を存して配列されている。これにより、例えば一つの羽根18の第1の切断部25が一つのブレード部31の巻き始め端31aに達した時に、他方の羽根18の第1の切断部25を他のブレード部18の巻き始め端31aと巻き終わり端31bとの間の中間部に位置させることができる。
言い換えると、一つの羽根18の第1の切断部25が固形物の切断を開始する直前の時点では、他方の羽根18の第1の切断部25は、既に固形物の切断を終了する段階にある。このため、二枚の羽根18が同時に固形物を切断することはなく、インペラ4の駆動源となる水中モータ3に過大な負荷が加わるのを防止できる。
さらに、ベース部30から螺旋状に立ち上がる三本のブレード部31は、その突出端に位置された巻き終わり端31bが端板32を介して一体的に結合されている。この構成によれば、ブレード部31が両端支持の形態となり、ブレード部31の強度を十分に確保しつつブレード部31の幅を狭めることができる。
この結果、隣り合うブレード部31の間隔を広げて、カッター5の吸込口38を例えば直径20mmの球形固形物Sが通過できるような大きさに設定できる。よって、カッター付き水中ポンプ1に要求される異物通過性能を向上させることができる。
加えて、カッター5の端板32は、インペラ4のシュラウド17と向かい合って水中モータ3の駆動軸15にシュラウド17を結合する固定ナット21を覆い隠している。これにより、流入口12からインペラ4の中心部に吸い込まれた固形物は、フラットな端板32の表面32aに沿うようにしてカッター5の吸込口38に導かれることになる。
したがって、負圧が大きくなるシュラウド17の中心部に固定ナット21が位置するにも拘らず、汚水中の固形物が固定ナット21に絡み付くのを防止でき、固形物によるインペラ4の詰まりを回避することができる。
第1の実施形態によると、二枚の羽根18が形成されたシュラウド17の外周部22は、その内周縁27aから外周縁27bに向けてケーシング本体7の底壁7bに近づくように傾斜されている。この外周部22の傾斜により、羽根18の吸込側端部23の幅W1が羽根18の吐出側端部24の幅W2よりも大きくなり、羽根18の吸込側端部23にインペラ4の中心部に吸い込まれた固形物の通過を許容する十分な空間を確保することができる。
加えて、シュラウド17の外周部22を傾斜させたことで、羽根18とケーシング本体7の底壁7bとの間の流路がインペラ4の吐出端に向けて絞られた形状となる。これにより、インペラ4から吐出される汚水の量を減少させて、ポンプ運転時における水中モータ3に加わる負荷(最大トルク)が水中モータ3の定格最大トルクを超えないように制御することが可能となる。
この結果、過負荷運転による水中モータ3の焼損等を未然に防止することができ、水中ポンプ1の性能が安定する。
第1の実施形態によると、羽根18の内周面18bに第1の切断部25と隣り合う凹部26が形成されている。これにより、羽根18の第1の切断部25がカッター5のブレード部31の外周面に沿って移動する時に、凹部26がブレード部31の外周面と向かい合う。そのため、カッター5の吸込口38に導入された固形物を第1の切断部25と第2の切断部39との間で切断する時に、例えば固形物の一部が羽根18の内周面18bとブレード部31の外周面との間に引き込まれたとしても、引き込まれた固形物が凹部26内に逃げる。
言い換えると、凹部26の存在により、羽根18の内周面18bとブレード部31の外周面との間の隙間G1が第1の切断部25の直後で一時的に拡張される。この結果、固形物が羽根18の第1の切断部25とブレード部31との間に噛み込まれ難くなり、固形物の詰まりに起因するインペラ4の拘束を未然に防止することができる。
さらに、固形物の切断に寄与しない羽根18の内周面18bが窪んでいるので、羽根18から無駄な肉厚が排除され、インペラ4の軽量化が可能となる。それとともに、羽根18の第1の切断部25の直後で羽根18とブレード部31との間の隙間G1が一時的に広がるので、例えば水中モータ3の駆動軸15が径方向に振れ動いたとしても、羽根18の第1の切断部25とカッター5のブレード部31との干渉を回避することができる。
よって、静止したカッター5の側から回転するインペラ4に抵抗が付与されるのを防止でき、インペラ4の回転に必要なトルクの増大を回避することができる。
第1の実施形態に係る水中ポンプ1によると、流入口12からインペラ4の中心部に汚水が流入した時に、うず形室9のうちケーシング本体7の巻き始め部9aに近い舌部9bに対応した位置で汚水の流れが最も強くなる。この結果、汚水中に含まれた固形物が舌部9bに向かって巻き込まれる傾向にあり、舌部9bと向かい合う位置にあるブレード部31が摩耗し易くなる。
そこで、第1の実施形態では、カッター5のフランジ33をケーシング本体7に固定しているボルト36を緩めることで、カッター5をケーシング本体7の流入口12から単独で取り出させるようにして、ブレード部31の摩耗状況を容易に点検できる構成を採用している。
このため、水中ポンプ1の定期点検時に特定のブレード部31に摩耗が見つかった場合、例えばカッター5のベース部30を周方向に所定の角度だけ回転させてケーシング本体7に組み直すことにより、摩耗が見つかったブレード部31とケーシング本体7の舌部61との相対的な位置関係を吸込口12の周方向に変更することができる。
よって、ブレード部31の偏摩耗を防止することができ、カッター5の寿命が長くなる利点がある。
[第2の実施形態]
図9および図10は、本発明の第2の実施形態を開示している。
第2の実施形態によると、カッター5は、二本のブレード部41を有している。これ以外のカッター5の構成は、前記第1の実施形態と同様である。そのため、第2の実施形態において、前記第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
前記ブレード部41は、カッター5のベース部30の周方向に180°離れているとともに、ベース部30から180°の巻き角で螺旋状に立ち上げられている。このため、一方のブレード部41の巻き始め端41aおよび巻き終わり端41bは、他方のブレード部41の巻き始め端41aおよび巻き終わり端41bに対しベース部30の径方向に向かい合うような位置関係に保たれている。
さらに、第2の実施形態によると、例えばブレード部41の立ち上がり高さHを第1の実施形態のカッター5と同等とした場合、ベース部30の周方向に沿うブレード部41の円周長が第1の実施形態のカッター5のブレード部31よりも長くなる。それとともに、ブレード部41の傾斜角度βが第1の実施形態のカッター5のブレード部31よりも小さくなる。よって、第1の実施形態よりも直径Lが大きな球形固形物Sの通過を許容する吸込口38を得ることができる。
[第3の実施形態]
図11は、本発明の第3の実施形態を開示している。
第3の実施形態によると、カッター5は、四本のブレード部51を有している。これ以外のカッター5の構成は、前記第1の実施形態と同様である。そのため、第3の実施形態において、前記第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
前記ブレード部51は、カッター5のベース部30の周方向に90°離れているとともに、ベース部30から例えば90°の巻き角で螺旋状に立ち上げられている。このため、各ブレード部51の巻き始め端51aは、隣り合うブレード部51の巻き終わり端51bの下方に位置されている。
さらに、第3の実施形態によると、例えばブレード部51の立ち上がり高さHを第1の実施形態のカッター5のブレード部31と同等とした場合、ベース部30の周方向に沿うブレード部51の円周長が第1の実施形態のカッター5のブレード部31よりも短くなる。それとともに、ブレード部51の傾斜角度βが第1の実施形態のカッター5のブレード部31よりも大きくなる。
この構成によると、吸込口38を通過できる球形固形物Sの直径Lが第1の実施形態よりも小さくなる可能性があるが、端板32が四本のブレード部51で支持されることによりカッター5の剛性が向上する。このため、ブレード部51の幅を細くして前記直径Lの減少を抑制することができる。
それとともに、インペラ4の1回転当たりの切断回数を増やして固形物をより一層余すことなく切断することができ、固形物を切断する性能を高めることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 固形物を含む液体が流れ込む流入口を有するポンプケーシングと、
モータの駆動軸に連結され、複数の羽根で囲まれた中心部から前記液体を吸い込んで外周部から吐き出すインペラと、
前記ポンプケーシングに固定されたカッターと、を具備し、
前記インペラの前記羽根は、前記インペラの外周部で前記インペラの回転方向に沿うように円弧状に湾曲されているとともに、前記インペラの回転方向に沿う前記羽根の一端に尖鋭な第1の切断部が形成され、
前記カッターは、前記ポンプケーシングの前記流入口から前記インペラの前記羽根で囲まれた領域に突出されるとともに前記羽根から離れた少なくとも一つのブレード部を有し、当該ブレード部の縁に前記羽根の前記第1の切断部に対し傾斜された第2の切断部が形成され、
前記第1の切断部および前記第2の切断部は、前記インペラが回転した時に前記インペラの前記外周部から吐き出される前記液体に含まれる前記固形物を挟み込んで切断するように構成された水中ポンプ。
[2] [1]の記載において、前記カッターの前記ブレード部が螺旋状に形成された水中ポンプ。
[3] [2]の記載において、前記カッターは、前記流入口と向かい合う端板を有し、前記ブレード部の突出端部が前記端板に連結された水中ポンプ。
[4] [3]の記載において、前記端板と前記ブレード部との間に、前記固形物の通過を許容するとともに前記第2の切断部が臨む吸込口が形成され、当該吸込口は、前記インペラの回転方向に沿って先細りとなる開口形状を有する水中ポンプ。
[5] [3]又は[4]の記載において、前記カッターの前記端板は、前記ポンプケーシング内で前記インペラと前記駆動軸との連結部分を覆うように構成された水中ポンプ。
[6] [1]ないし[5]のいずれか一項の記載において、前記インペラは、前記駆動軸が同軸状に連結された円盤状のシュラウドを有し、前記羽根は、前記シュラウドの外周部から前記ポンプケーシングの前記流入口に向けて突出され、前記シュラウドの前記外周部は、前記羽根の吐出側端部が位置された外周縁と、前記羽根の吸込側端部が位置された内周縁と、を含むとともに、前記外周縁が前記内周縁よりも前記流入口が開口された前記ポンプケーシングの内面に向けて突出するように前記シュラウドの前記外周部が傾斜された水中ポンプ。
[7] [6]の記載において、前記羽根の前記吸込側端部の幅は、前記カッターの前記ブレード部の突出高さに対応するように前記羽根の前記吐出側端部の幅よりも大きく設定された水中ポンプ。
[8] [1]ないし[7]のいずれか一項の記載において、前記インペラの前記羽根は、前記カッターの前記ブレード部と向かい合う円弧状に湾曲された内周面を有し、当該内周面のうち前記第1の切断部と隣り合う箇所に凹部が形成された水中ポンプ。
[9] 複数の羽根で囲まれた中心部から固形物を含む液体を吸い込んで前記羽根の吐出側端部からポンプケーシング内に吐き出すとともに、前記羽根の吸込側端部に刃が形成されたセミオープンインペラと、
前記ポンプケーシングに固定され、前記セミオープンインペラの前記羽根で囲まれるとともに、前記セミオープンインペラが回転した時に前記刃との間で前記固形物を挟み込んで切断するブレード部を有するカッターと、
を具備した水中ポンプ。
[10] 固形物を含む流体が通過する吸込口を有するとともに、当該吸込口に臨むブレード部が形成された固定部材と、
前記固定部材の周囲で回転する複数の羽根を有し、当該羽根の回転方向に沿う一端に前記固定部材の前記ブレード部と協働して前記固形物を切断する刃が形成されたインペラと、
を具備した水中ポンプ。
1…水中ポンプ、2…ポンプケーシング、3…モータ(水中モータ)、4…インペラ、5…カッター、12…流入口、15…駆動軸、18…羽根、25…第1の切断部、31,41,51…ブレード部、39…第2の切断部。

Claims (7)

  1. 固形物を含む液体が流れ込む流入口を有するポンプケーシングと、
    モータの駆動軸に連結され、複数の羽根で囲まれた中心部から前記液体を吸い込んで外周部から吐き出すインペラと、
    前記ポンプケーシングに固定されたカッターと、を具備し、
    前記インペラの前記羽根は、前記インペラの外周部で前記インペラの回転方向に沿うように円弧状に湾曲されているとともに、前記インペラの回転方向に沿う前記羽根の一端に尖鋭な第1の切断部が形成され、
    前記カッターは、前記ポンプケーシングの前記流入口から前記インペラの前記羽根で囲まれた領域に突出されるとともに前記羽根から離れた少なくとも一つのブレード部を有し、当該ブレード部の縁に前記羽根の前記第1の切断部に対し傾斜された第2の切断部が形成され、
    前記第1の切断部および前記第2の切断部は、前記インペラが回転した時に前記インペラの前記外周部から吐き出される前記液体に含まれる前記固形物を挟み込んで切断するように構成され
    前記インペラは、前記駆動軸が同軸状に連結された円盤状のシュラウドを有し、前記羽根は、前記シュラウドの外周部から前記ポンプケーシングの前記流入口に向けて突出され、前記シュラウドの前記外周部は、前記羽根の吐出側端部が位置された外周縁と、前記羽根の吸込側端部が位置された内周縁と、を含むとともに、前記外周縁が前記内周縁よりも前記流入口が開口された前記ポンプケーシングの内面に向けて突出するように前記シュラウドの前記外周部が傾斜された水中ポンプ。
  2. 請求項1の記載において、前記カッターの前記ブレード部が螺旋状に形成された水中ポンプ。
  3. 請求項2の記載において、前記カッターは、前記流入口と向かい合う端板を有し、前記ブレード部の突出端部が前記端板に連結された水中ポンプ。
  4. 請求項3の記載において、前記端板と前記ブレード部との間に、前記固形物の通過を許容するとともに前記第2の切断部が臨む吸込口が形成され、当該吸込口は、前記インペラの回転方向に沿って先細りとなる開口形状を有する水中ポンプ。
  5. 請求項3又は請求項4の記載において、前記カッターの前記端板は、前記ポンプケーシング内で前記インペラと前記駆動軸との連結部分を覆うように構成された水中ポンプ。
  6. 請求項1の記載において、前記羽根の前記吸込側端部の幅は、前記カッターの前記ブレード部の突出高さに対応するように前記羽根の前記吐出側端部の幅よりも大きく設定された水中ポンプ。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項の記載において、前記インペラの前記羽根は、前記カッターの前記ブレード部と向かい合う円弧状に湾曲された内周面を有し、当該内周面のうち前記第1の切断部と隣り合う箇所に凹部が形成された水中ポンプ。
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