JP6038237B2 - 窒化ガリウム基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、窒化ガリウム基板の製造方法に関する。
窒化ガリウム(GaN)などのGaN系半導体結晶は、高輝度の青色を発する発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)、高寿命の青色レーザを発するレーザダイオード(Laser Diode:LD)などの光素子材料として注目されている。
上記GaN系半導体結晶はバルク結晶成長が困難であるため、これまで良質で大型の単結晶GaNを製造することは困難であった。しかし、近年、DEEP法(Dislocation Elimination by the Epi-growth with Inverted-Pyramidal Pits)やVAS法(Void-Assisted Separation Method)などを利用し、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)法によりGaN単結晶を異種基板上に結晶成長させたGaN自立基板を用いてGaN系半導体結晶を製造する方法が提案されている。
DEEP法においては、エッチングなどで除去が可能なGaAs基板上に、パターニングしたSiNなどのマスクを形成し、その上にGaN層を成長させ、結晶表面に故意にファセット面で囲まれたピットを複数形成し、ピットの底部に転位を集積させることで、その他の領域を低転位化する。そして、GaAs基板を除去することにより、低転位化されたGaN自立基板を得る(例えば、特許文献1参照)。
VAS法においては、サファイアなどの基板上に、ボイドが形成されたGaN基板と網目構造のTiN薄膜を介してGaN層を成長させることで、GaN基板の剥離と低転位化とを同時に可能とする(例えば、特許文献2参照)。
上記方法で得られたGaN自立基板は、HVPE法でエピタキシャル成長された基板の表面とその裏面とが研削、研磨されて平坦に加工される。その後、指定の直径の円形にするため基板の外周加工が施される。そして、ウェットエッチンングなどの加工歪除去後、洗浄を実施して、GaNミラーウェハとなる。
GaN基板の研磨方法としては、例えば特許文献3に記載された方法が知られている。特許文献3では、ワックスを用いて基板貼り付け盤にGaN基板を固定した後に、定盤上に供給された遊離砥粒によりGaN基板の表裏両面を研磨する。遊離砥粒には、GaN基板の硬度を考慮して、ダイアモンドが用いられる。
特開2003−165799号公報 特開2004−269313号公報 特開2001−322899号公報
しかしながら、特許文献3の方法で研磨されたGaN基板を用いてエピタキシャル成長させると、エピタキシャル成長層の結晶性が悪く、これを用いた光デバイスにおいては、発光強度が低下して不良が生じ、歩留まりが低下するという問題があった。この問題を鋭意調査した結果、GaN基板の研磨に際して、遊離砥粒として用いられるダイアモンドがGaN基板表面に埋め込まれて残存し、ダイアモンドのカーボン成分によりエピタキシャル成長層の結晶性が悪化することがわかった。また、研磨の際に用いるワックスが残存し、ワックスのカーボン成分により結晶性が悪化することがわかった。
本発明は、このような問題に鑑みて成されたもので、その目的は、基板表面におけるカーボンの残存が少ない窒化ガリウム基板を提供することにある。また、本発明の目的は、窒化ガリウム基板を用いて形成され、優れた発光強度を有する光デバイスを提供することにある。
本発明の第1の態様は、窒化ガリウム基板の表面に対する、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)の加速電圧を3kVとしたときのエネルギー分散型X線分析(EDX:Energy Dispersive X-ray microanalysis)において、前記EDXにより得られるEDXスペクトルのGaLα/CKαのピーク強度比が2以上の窒化ガリウム基板である。
本発明の第2の態様は、第1の態様の窒化ガリウム基板において、前記EDXスペクトルの前記GaLα/CKαのピーク強度比が3以上の窒化ガリウム基板である。
本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様の窒化ガリウム基板上にデバイス構造を形成した光デバイスである。
本発明によれば、基板表面におけるカーボンの残存が少ない窒化ガリウム基板および優れた発光強度を有する光デバイスを得られる。
GaN基板における加速電圧3kVのEDXスペクトルである。 加速電圧(E)と電子の進入深さ(Re)との相関関係を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる窒化ガリウム基板を製造するHVPE製造装置を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態にかかる光デバイスの概略断面図である。
上述したように、GaN基板を研磨する場合、その基板表面にはダイアモンドやワックスに由来するカーボンが残存する。この残存したカーボンにより、エピタキシャル成長されるエピタキシャル成長層は結晶性が悪化することになる。そこで、本発明者は、基板表面に残存するカーボン量を測定し、カーボン量と形成される光デバイスの発光強度の低下との関係について鋭意検討を行った。具体的には、エネルギー分散型X線分析(EDX:Energy Dispersive X-ray microanalysis)によりGaN基板の表面を測定して、得られるEDXスペクトルのGaLα/CKαのピーク強度比からカーボン量を測定した。そして、カーボン量が発光強度の増減に及ぼす影響を評価した。その結果、GaLα/CKαのピーク強度比が所定数値よりも大きくなり、GaN基板の表面付近に残存するカーボン量が減少すると、エピタキシャル成長層の結晶性が良好となり、光デバイスにおける発光強度も向上できることを見出し、本発明を創作するに至った。
(GaN基板)
本実施形態の窒化ガリウム基板(GaN基板)は、その表面に対する、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)の加速電圧を3kVとしたときのエネルギー分散型X線分析(EDX:Energy Dispersive X-ray microanalysis)において、EDXにより得られるEDXスペクトルのGaLα/CKαのピーク強度比が2以上となっている。
SEMは、電子源(電子銃)から射出された電子線(電子)を絞り込んだ電子ビームを試料表面に照射して走査することで、試料表面から放出される二次電子を検出し、試料表面の形状を観察する装置である。EDXは、SEMにおける電子ビームの走査の際に試料表面から発生する特性X線を測定することで、試料表面に含まれる元素を特定する。また、所定のエネルギーを有する特性X線のカウント数/秒(ピーク強度)を測定することで、特定の元素の含有量を評価する。EDXにより得られるEDXスペクトルは、例えば図1(後述する実施例のGaN基板における加速電圧3kVのEDXスペクトル)のように示される。図1において、横軸は特性X線のエネルギーを示しており、縦軸はそのエネルギーの特性X線のカウント数/秒[cps(count per second)]を示す。図1によれば、ピークの高さ(ピーク強度)から、GaN基板を構成する元素のおおよその含有量が把握される。本実施形態においては、GaN基板表面に残存するカーボン量を評価するため、Gaに対するC(カーボン)量として、GaLα/CKαのピーク強度比を算出し、残存するカーボン量の増減を判断している。そして、本実施形態のGaN基板はGaLα/CKαのピーク強度比が2以上となっており、Gaに対してCが所定の比率以下となっている。
また、SEMにおいて、電子線(電子)は、所定の加速電圧により絞り込まれて電子ビームとなるが、加速電圧が高いほど電子は試料表面から深く進入することとなり、試料表面からより深い領域の情報を得ることができる。すなわち、SEMにおいては、加速電圧を調整して電子の進入深さを調整することにより、試料表面から所定の深さの領域の情報を得ることができる。
ここで、SEMの加速電圧と測定される試料(GaN基板)の深さとの関係について説明する。電子の進入深さは、照射する電子の加速電圧、測定試料の原子量、原子番号、および密度で決定され、下記式(1)で算出される(例えば、JPn.J.ApPl.Phys.Vol.40(2001)PP.476-479参照)。
上記式(1)において、GaN基板を測定する場合の加速電圧(E)と電子の進入深さ(Re)との相関関係を図2に示す。図2によれば、加速電圧の増加に対応して電子の進入深さが増加することが示されている。つまり、加速電圧が低いほど電子の進入深さが小さく(浅く)なり、試料の表面により近い領域の情報を得ることができる。例えば、Eが3kVの場合、Reが0.09μmとなり、Eが5kVの場合、Reが0.20μmとなっている。
本実施形態においては、GaN基板の表面におけるカーボン量を評価するため、加速電圧を低くして走査することが好ましい。ただし、加速電圧を下げると、検出できる元素の特性X線の種類が減少し、また検出される特性X線の強度が下がり、測定時間が非常に長くなる。したがって、本実施形態においては、SEMの加速電圧を3kVとして、EDXによりGaN基板表面におけるカーボン量を評価している。
本実施形態の窒化ガリウム基板によれば、SEMの加速電圧を3kVとしたときのエネルギー分散型X線分析(EDX)において、EDXスペクトルのGaLα/CKαのピーク強度比が2以上となっている。この構成によれば、表面におけるカーボンの残存量が少ない窒化ガリウム基板とすることができる。このため、この窒化ガリウム基板を下地基板として用いて結晶成長させた場合、得られるエピタキシャル成長層の結晶性を向上することができる。
上記窒化ガリウム基板において、EDXスペクトルのGaLα/CKαのピーク強度比が3以上であることが好ましい。この構成によれば、窒化ガリウム基板の表面におけるカーボンの残存量をさらに低減することが可能となり、エピタキシャル成長層の結晶性をさらに向上することができる。
本実施形態の窒化ガリウム基板から形成される光デバイスにおいては、結晶成長されるエピタキシャル成長層の結晶性が良好であるため、発光強度が高い。
(窒化ガリウム基板の製造方法)
上述した窒化ガリウム基板の製造方法は、窒化ガリウム基板(GaN基板)を形成する工程と、窒化ガリウム基板を研削・研磨する工程と、窒化ガリウム基板を所定の温度でボイル洗浄する工程と、窒化ガリウム基板を所定の温度でウェットエッチングする工程と、を有している。本実施形態においては、VAS法によりGaN基板を形成する。
まず、MOVPE法によりサファイア基板にGaN下地層を成長させる。このGaN下地層に金属Ti薄膜を蒸着させる。その後、アンモニアと水素ガスの混合気流中で熱処理をすることにより金属Ti薄膜を窒化して網目構造のTiN薄膜とするとともに、GaN下地層をエッチングして空隙を形成し、ボイド形成基板を形成する。
続いて、ボイド形成基板上に、GaClおよびNHを原料として用いるハイドライド気相成長法(HVPE法)によりGaN結晶を成長させる。HVPE法は結晶成長速度が大きく、厚いGaN結晶膜を容易に成長させることができる。HVPE法で結晶成長をさせる場合、図3に示すようなHVPE製造装置が用いられる。
HVPE製造装置は、反応管12と、その周囲に設けられたヒータ11とを有し、反応管12は、ボイド形成基板18を設置する基板ホルダ17と、ボイド形成基板18付近に開口する反応ガス導入管13、15と、ボイド形成基板18付近に開口するエッチングガス導入管14と、排気口21とを有する。反応ガス導入管15にはGa金属16を有する原料載置室20が設けられている。
反応ガス導入管13にNHを供給し、反応ガス導入管15にHClガスを供給する。これらの反応ガスは、H、N等のキャリアガスとともに供給する。反応ガス導入管15では、原料載置室20内に収容されたGa金属16とHClとが反応し、GaClが生成される。つまり、反応ガス導入管13、15からは、GaClおよびNHがボイド形成基板18に供給されることになる。GaClとNHとは反応して、ボイド形成基板18上にGaN結晶が気相成長する。エッチングガス導入管14からは、エッチング用のHClガスがボイド形成基板18に供給される。HClエッチングガスの供給は、個々の初期核を大きくするために、結晶成長工程中連続的に行うか、結晶成長工程間に行う。
結晶成長終了後の降温過程において、ボイドを境に、GaN厚膜とサファイア基板とが自然に剥離することでGaN基板(GaN自立基板)が得られる。
続いて、ワックスによりGaN基板をセラミックプレートに貼り付けて固定し、GaN基板の裏面を研削、研磨して、GaN基板の平坦性を向上させる。同様にして、GaN基板の表面(成長面)を研削、研磨する。この工程において、砥粒であるダイアモンドスラリーがGaN基板表面に埋め込まれることになる。また、ワックスは加熱により除去されるが、基板の表面にわずかに残存することになる。つまり、研削・研磨工程において、GaN基板表面にはカーボン成分が付着し残存する。
続いて、研磨されたGaN基板を所定の温度でボイル洗浄する。この洗浄工程により、GaN基板の表面に残存するワックスを除去して、基板表面におけるカーボン成分を減少させる。ボイル洗浄の実施温度としては40℃以上が好ましい。実施温度を40℃以上とすることによって、用いる洗浄剤の反応性を向上させるとともに、カーボン成分を含有するワックスを溶かして、その除去を促進することができる。すなわち、カーボン成分を好適に除去して、EDXスペクトルのGaLα/CKαのピーク強度比を増加することができる。用いる洗浄剤は特に限定されないが、ワックスに由来するカーボン成分を好適に除去できるイソプロピルアルコール(IPA)が好ましい。
さらに、研磨されたGaN基板を所定の温度でウェットエッチングする。このウェットエッチング工程により、GaN基板の加工歪を除去する。また、ウェットエッチング工程により、GaN基板の表面に埋め込まれたダイアモンドスラリーとともに、上記洗浄工程で除去しきれずに残存したワックスを除去して、基板表面に残存するカーボン量を減少させる。ウェットエッチング工程においては、エッチング液を加熱して77℃以上でエッチングを実施することが好ましい。比較的高い温度でエッチングを行うことによりエッチングの反応性を向上させてエッチング処理時間を短縮することができる。また、ワックスを溶かして、カーボン成分を好適に除去することができる。
(光デバイスの製造方法)
続いて、上記で得られたGaN基板を用いて、光デバイスを製造する光デバイスの製造方法について説明する。
上記で得られたGaN基板の表面に対して、MOVPE法によりInGaNなどの窒化物半導体結晶をエピタキシャル成長させる。本実施形態においては、GaN基板の表面に残存するカーボン成分が少ないため、成長される窒化物半導体結晶の結晶性は良好となる。また、結晶性が良好であるため、発光強度が高く、発光強度低下による不良を減少し、歩留まりを向上することができる。
なお、上記実施形態では、VAS法により形成される窒化ガリウム基板を用いて説明したが、本発明はこれに限定されず、DEEP法などで形成される窒化ガリウム基板であっても同様に適用することができる。
以下の方法および条件で、本発明にかかる実施例の窒化ガリウム基板および光デバイスを製造した。これらの実施例は、本発明にかかる窒化ガリウム基板および光デバイスの一例であって、本発明はこれらの実施例により限定されない。
(実施例1)
本実施例では、VAS法により、GaN単結晶を成長させてGaN基板を製造した。
まず、ボイド形成基板を準備した。ボイド形成基板は、サファイア基板(直径3.5インチ)上にMOVPE法などで厚さ500nmのGaN下地層を形成し、この表面に厚さ30nmのTi層を蒸着し、その後、HおよびNHの混合ガス中で30分間熱処理(温度1000℃)することで、Ti層を網目構造のTiNに変換しつつ、GaN層をボイド化することによって作製した。
ボイド形成基板を図3に示すHVPE製造装置内の基板ホルダ17にセットして、反応管12内を常圧とし、基板温度を1050℃まで加熱させた。初期核の形成条件としては、反応ガス導入管13により5×10−2atmのNHガスを、キャリアガスである6×10−1atmのNガスとともに導入し、反応ガス導入管15により5×10−3atmのGaClガスを、キャリアガスである2.0×10−latmNガスと1.0×10−1atmHガスとともに導入して、20分間結晶成長させた。
初期核の形成後は、GaClガス分圧を1.5×10−2atmとNHガスをキャリアガスであるNガス分圧を5.85×10−latmにする以外は初期核を形成した条件で結晶成長させた。そして、GaN結晶が全体で900μmになるまで結晶成長させてGaN結晶を作製した。GaN結晶は、成長終了後の降温過程において、ボイドを境にGaN厚膜とサファイア基板とが自然に剥離することで、自立型のGaN基板を得た。
続いて、ワックスを用いて、GaN基板の表面をセラミックプレートに貼り付け固定した。その後、横型平面研削機によりGaN基板の裏面を研削した。裏面の研削の実施条件は、使用砥石:メタルボンド#800、砥石径:150mm、砥石回転数:2000rpm、砥石送り速度:0.1μm/秒、研削実施時間:30分間とした。さらに、片面高速精密ラッピングマシン機によりGaN基板の裏面を研磨した。N極性面の機械研磨の実施条件は、定盤回転数:200rpm、圧力:0.25MPa、研磨液:遊離砥粒径3μmのダイアモンドスラリー、研磨液供給量:0.3L/min、研磨実施時間を20分間実施した。そして、GaN基板が貼り付けてあるセラミックプレートをホットプレートで加熱して、ワックスを溶かしGaN基板を剥離した。
また、GaN基板のもう一方の面である表面を裏面と同様にして研削・研磨した。研削条件は、使用砥石:メタルボンド#800、砥石径:200mm、砥石回転数:2500rpm、砥石送り速度:0.1μm/秒、研削実施時間:30分間とした。研磨条件は、定盤回転数:200rpm、圧力:0.30MPa、研磨液:遊離砥粒径1μmのダイアモンドスラリー、研磨液供給量:0.30L/min、研磨実施時間を20分間とした。そして、研削、研磨されたGaN基板は、厚さが400μmとなった。
続いて、外径加工装置により、直径76.2mm(3インチ)となるようにGaN基板の外径加工を実施した。
続いて、GaN基板の表面に付着するワックスの除去を目的として、IPA(イソプロピルアルコール)を用いてボイル洗浄を30分間行った。この洗浄に際して、洗浄実施温度を41℃に設定した。また、GaN基板の加工歪の除去、および基板表面に埋め込まれたダイアモンドスラリーに由来するカーボン成分の除去を目的として、25%NHOH溶液にGaN基板を浸漬させることによってウェットエッチングを行った。ウェットエッチングにおいては、エッチング実施温度を77℃として、90分間実施した。GaN基板の洗浄条件およびウェットエッチング条件を表1に示す。
最後に、GaN基板を純水により洗浄し、窒素ガンで乾燥させることにより、実施例1のGaN基板を得た。
(実施例2〜14、比較例1〜7)
実施例2〜14、比較例1〜7では、実施例1における洗浄条件(洗浄実施温度)およびウェットエッチング条件(エッチング実施温度)を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の条件でGaN基板を製造した。
上記実施例1〜14および比較例1〜7で得られたGaN基板について、表面のEDX測定を行い、GaN基板の表面に残存するカーボン量を評価した。具体的には、走査型電子顕微鏡(SEM)としてVE−9800S(キーエンス製)を、EDXスペクトル検出器としてGENESIS2000(EDAX社製)を用いて、特性X線の取出し角度を16.28°として、GaN基板の中心位置のEDXスペクトルを測定した。SEMの加速電圧は3kV、5kV、8kVと変化させて測定した。それぞれの加速電圧における電子の進入深さは、式(1)から、それぞれ0.09μm、0.20μm、0.45μmと算出される。そして、GaN基板に対する基板表面付近のカーボンの量を測定するために、EDXスペクトルのGaLα(約1.100keV)のピーク強度/CKα(約0.266keV)のピーク強度の比を調査した。その結果を表2に示す。
表2によれば、SEMの加速電圧が3kVの時では、IPAのボイル洗浄温度、NHOHのウェットエッチング温度が高いほど、GaLα/CKαのピーク強度比が高くなっており、基板表面付近のカーボンが除去されることが確認された。一方、SEMの加速電圧が5kVと8kVの時では、EDXスペクトルのGaLα/CKαのピーク強度比がほとんど変化しなかった。これは、電子線のGaN基板表面への進入深さが大きく、基板表面付近のカーボンの変化が現れないためである。このことから、表面付近のカーボンの変化を調査するためには、加速電圧を3kVとすることが適正であると考えられる。
続いて、実施例および比較例で得られたGaN基板を用いて光デバイスを製造し、その発光強度を測定することにより、その結晶性を評価した。
MOVPE法により、GaN基板のGa極性面(表面)上に、基板温度1020℃、Hキャリアガスにアンモニアおよびトリメチルガリウムとトリメチルインジウムを供給し、図4に示すエピタキシャル膜の構造を成長させた。具体的には、実施例1のGaN基板1(厚さ400μm)に、GaNバッファ層2(厚さ2500nm)と、InGaNバリア層(厚さ約8nm)とInGaN井戸層(厚さ約5nm)とを交互に6周期積層させ、さらにInGaNバリア層(厚さ約8nm)を成長させた多重量子井戸層3と、GaNキャップ層4(厚さ約30nm)と、を積層させて、光デバイス10を製造した。
製造された光デバイスについて、フォトルミネッセンス測定装置RPM2000(ACCENT社製)により、GaN基板の中心位置のInGaN量子井戸層のバンドギャップに対応する波長のフォトルミネッセンスピーク強度の測定を実施した。フォトルミネッセンス測定の条件は、レーザ光源:波長325nmHe−Cdレーザ、受光スリット幅:0.1mm、測定波長範囲:367.9nm〜432.4nmとした。GaN基板の発光強度を調査した。調査した結果を表3に示す。
表3によれば、ピーク強度比が2.0以上3.0未満である実施例1〜5の光デバイスは、フォトルミネッセンスの発光強度が1.493〜1.563Volt/mWとなっている。また、ピーク強度比が3.0以上である実施例6〜14の光デバイスは、その発光強度が2.965〜3.152Volt/mWとなっている。一方、ピーク強度比が2.0より小さい比較例1〜7の光デバイスは、0.478〜0.589Volt/mWとなっている。つまり、比較例1〜7においては、実施例1〜14と比較して発光強度が低下している。
比較例1〜7では、加速電圧3kVのGaLα/CKαのピーク強度比が2.0より小さく、表面に残存するカーボン量が比較的多いGaN基板を用いているため、窒化物半導体結晶を成長させた際に結晶性が悪化して、発光強度が低下したものと考えられる。これに対して、実施例1〜14では、ピーク強度比が2.0以上であるGaN基板を用いているため、表面に残存するカーボン成分が少なく、成長する窒化物半導体結晶の結晶性が良好であるものと考えられる。特に、ピーク強度比が3.0以上である実施例6〜14では、さらに残存するカーボン量が少なく、エピタキシャル成長層の結晶性がさらに良好になっているものと考えられる。そして、結晶性が良好な結果、実施例1〜14の光デバイスにおいては、発光強度の低下が抑制され、大きな発光強度を得られた。
1 GaN基板
2 GaNバッファ層
3 多重量子井戸層
4 GaNキャップ層
10 光デバイス

Claims (5)

  1. カーボンを含むワックスを用いて窒化ガリウム基板を固定しながら前記窒化ガリウム基板の表面を処理する工程を有し、
    前記工程を実施した後、イソプロピルアルコールを用い、40℃以上の条件下で前記窒化ガリウム基板をボイル洗浄する工程と、NH OH溶液を用い、77℃以上の条件下で前記窒化ガリウム基板をウェットエッチングする工程と、を行うことで、前記窒化ガリウム基板の表面におけるカーボンの量を減少させ、前記窒化ガリウム基板の表面に対して照射する電子線の加速電圧を3kVとしたときのエネルギー分散型X線分析により得られるスペクトルのGaLα/CKαのピーク強度比を2以上にする
    窒化ガリウム基板の製造方法。
  2. 前記ボイル洗浄する工程は80℃以下の条件下で行い、前記ウェットエッチングする工程は90℃以下の条件下で行う
    請求項1に記載の窒化ガリウム基板の製造方法。
  3. 前記窒化ガリウム基板の表面を処理する工程では、前記窒化ガリウム基板の表面をカーボンを含む砥石を用いて研削する
    請求項1または2に記載の窒化ガリウム基板の製造方法。
  4. 前記窒化ガリウム基板の表面を処理する工程では、前記窒化ガリウム基板の表面をカーボンを含む砥粒を用いて研磨する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の窒化ガリウム基板の製造方法。
  5. 前記窒化ガリウム基板をウェットエッチングする工程は前記窒化ガリウム基板をボイル洗浄する工程を行った後に行う
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の窒化ガリウム基板の製造方法。
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