JP6037381B2 - 乾燥システム、乾燥システムの制御方法、およびその制御装置 - Google Patents

乾燥システム、乾燥システムの制御方法、およびその制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6037381B2
JP6037381B2 JP2012237312A JP2012237312A JP6037381B2 JP 6037381 B2 JP6037381 B2 JP 6037381B2 JP 2012237312 A JP2012237312 A JP 2012237312A JP 2012237312 A JP2012237312 A JP 2012237312A JP 6037381 B2 JP6037381 B2 JP 6037381B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating
unit
temperature
amount
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012237312A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014085100A (ja
Inventor
海老根 猛
猛 海老根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Techno Ryowa Ltd
Original Assignee
Techno Ryowa Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Techno Ryowa Ltd filed Critical Techno Ryowa Ltd
Priority to JP2012237312A priority Critical patent/JP6037381B2/ja
Publication of JP2014085100A publication Critical patent/JP2014085100A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6037381B2 publication Critical patent/JP6037381B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Drying Of Solid Materials (AREA)

Description

本発明は、被乾燥物に気体を接触させることにより被乾燥物に含まれる水分・溶剤や、被乾燥物に付着している水滴・溶剤などを乾燥除去する乾燥システム、乾燥システムの制御方法、およびその制御装置に関する。
食品などの水分含有率の低下、または工業製品の溶媒や純水での洗浄工程後の乾燥のためには、一般的に熱風乾燥が採用されている。熱風乾燥は、被乾燥物を乾燥室内に配置し、高温の空気を被乾燥物に吹きつけることで、空気の熱で水分・溶剤を蒸発・飛散させる方法である。
このような熱風乾燥を行う従来の乾燥装置としては、例えば被乾燥物が送風により乾燥される乾燥室と、この乾燥室に接続された給気ダクトに設けられた加熱部と、加熱部に外気を導入する送風機が設けられた気体導入ダクトとを備えている。乾燥装置は、気体導入ダクトから外気を導入し、導入した外気を加熱部にて加熱し、加熱された気体を乾燥室に導入して被乾燥物と接触させ、水分等を蒸発・飛散させて被乾燥物を乾燥させている。
特開平9−113131号公報
ところで、乾燥装置において被乾燥物を乾燥させる場合、ノズルを用いて圧縮空気を被乾燥物に対して噴出することで乾燥効率を高めることができる(例えば特許文献1)。しかし、この場合には、乾燥装置の構成が複雑になってしまう。また、被乾燥物が軽量である場合、気体を噴出して吹きかければ、被乾燥物が吹き飛ばされる可能性がある。これに対処するため、被乾燥物を乾燥室内において固定する固定手段を設ければ、乾燥装置の構成が複雑になる。また、吹き付ける加熱エアの風速を下げて、乾燥時間を長くすれば、効率が悪くなる。
本発明は、上記のような問題点を解決するために提案されたものである。本願発明の目的は、効率良く被乾燥物を乾燥させることで省エネルギー性を向上させた乾燥システム、乾燥システムの制御方法、および乾燥システムの制御装置を提供することである。
本発明の乾燥システムは、次の構成を有することを特徴とする。
(1)被乾燥物が送風により乾燥される乾燥室と、前記乾燥室に接続され気体を加熱する加熱部と、系内への気体量を調整する気体量調整部と、を備えた乾燥装置と、前記乾燥装置に接続された制御装置と、を有する乾燥システムにおいて、前記乾燥装置は、前記加熱部を通過した気体の湿度を測定する湿度センサと、前記加熱部を通過した気体の温度を測定する温度センサと、を有し、前記制御装置は、前記湿度センサにより測定された湿度が所定の値となるように、前記気体量調整部を制御する気体量制御部と、前記温度センサにより測定された温度が所定の温度範囲となるように、前記加熱部を制御する加熱温度制御部と、を有することを特徴とする。
(2)前記加熱温度制御部は、前記加熱部を制御する加熱条件を決定する加熱条件決定部と、前記加熱部における加熱量を算出する加熱量演算部と、少なくとも2つ以上の加熱量を比較する加熱量比較部と、を有し、前記加熱条件決定部が、前記加熱部を通過した気体の温度を、前記所定の温度範囲内において変化させるように加熱条件を変更し、前記加熱量演算部が、温度変化前後の加熱量を算出し、前記加熱量比較部が、前記温度変化前後の加熱量を比較し、前記加熱条件決定部は、当該比較結果に基づき、変化前の温度での加熱量が少ない場合には、前記変化前の温度側にさらに温度を変化させ、変化後の温度での加熱量が少ない場合には、前記変化後の温度側にさらに温度を変化させるように加熱条件を変更する処理部であり、前記加熱条件決定部により温度が変化される度に、前記加熱量演算部による加熱量の演算、前記加熱量比較部による加熱量の比較、前記加熱条件決定部による加熱条件の変更が繰り返されても良い。
(3)前記湿度センサが相対湿度を測定するセンサであっても良い。
(4)前記湿度センサが飽和度を測定するセンサであっても良い。
なお、上記の各形態は、乾燥システムの制御方法、および乾燥システムの制御装置の発明としても捉えることができる。
本発明によれば、効率良く被乾燥物を乾燥させることで省エネルギー性を向上させることができる。
本発明の第1の実施形態にかかる乾燥システムの乾燥装置の一例を示す構成図である。 本発明の第1の実施形態にかかる乾燥システムの制御装置の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態にかかる温度範囲の下限設定を示す空気線図である。 本発明の第1の実施形態にかかる制御フローを示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態にかかる導入された気体の状態を示す空気線図である。 本発明の第1の実施形態にかかる加熱量の演算を示す表である。 本発明の第2の実施形態にかかる乾燥システムの制御装置の一例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態にかかる制御フローを示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態にかかる加熱量の演算を示す表である。 本発明の他の実施形態にかかる乾燥システムの乾燥装置の一例を示す構成図である。
[第1の実施形態]
[1.構成]
[1.1 システム概要]
以下、本発明に係る乾燥システムの実施形態について、図1および2に乾燥システムの一例を示して詳細に説明する。乾燥システムは、図1に示す乾燥装置Xと図2に示す制御装置Yから構成されている。乾燥装置Xは、被乾燥物Dが送風により乾燥される乾燥室1と、乾燥室1に接続され気体を加熱する加熱部2と、乾燥装置Xの系内への気体量を調整する気体量調整部3および4と、を備えるものである。
また、乾燥装置Xの乾燥室1は、加熱部2を通過した気体の湿度を測定する湿度センサHと、加熱部2を通過した気体の温度を測定する温度センサTとを含む。制御装置Yは、乾燥装置Xの加熱部2および気体量調整部3および4に接続され、加熱部2および気体量調整部3および4を制御するように構成されている。
湿度センサHとしては、相対湿度を測定するセンサを用いても良い。すなわち、相対湿度センサを用いることで、加熱部3を通過した気体の相対湿度に基づいて乾燥システムを制御し、被乾燥物Dに含まれる/付着している水分を除去しても良い。
また、湿度センサHとしては、飽和度を測定するセンサを用いても良い。すなわち、飽和度センサを用いることで、加熱部3を通過した気体の飽和度に基づいて乾燥システムを制御し、被乾燥物Dに含まれる/付着している水分・溶剤を除去しても良い。以上のように、湿度センサHには、相対湿度又は飽和度を測定するセンサが含まれ、乾燥対象に応じて適宜選択可能であるが、以下の実施形態では、説明の便宜上、湿度センサHは相対湿度を測定するもの、および除去対象を水分として説明する。
なお、本実施形態における被乾燥物Dとしては、例えば、食品や工業製品などが考えられる。しかし、乾燥装置Xは、物体に含有される水分および/又は溶剤および物体に付着した水分および/又は溶剤乾燥するものであり、乾燥対象はこれらに限定されない。
乾燥装置Xは、例えば被乾燥物Dが食品の場合には、その食品が含む水分含有率を低下させるために用いられる。また、例えば被乾燥物Dが工業製品の場合には、溶媒や純水で洗浄された工業製品を乾燥させるために用いられる。すなわち、以下では、被乾燥物Dの水分を乾燥させるものを例に説明するが、被乾燥物Dの溶剤を乾燥させる態様を含むものである。
[1.2 乾燥装置の構成]
乾燥装置Xの乾燥室1には、図1に示すように、一側面に被乾燥物Dの搬入口Iとこれに対向する側面に搬出口Oが設けられている。また、乾燥室1の上面には給気口Sと、下面には排気口Eと、が設けられている。しかし、搬入口I、搬送口O、給気口S、および排気口Eの位置は、これらに限定されない。
また、搬入口Iと搬出口Oを介して、載置された被乾燥物Dを通過搬送する搬送装置Cが設けられている。搬送装置Cとしては、例えばベルトコンベアなど、従来の搬送装置を用いることができる。
乾燥室1には、気体の供給を行うダクトが給気口Sに、気体の排出を行うダクトが排気口Eにそれぞれ接続されている。なお、本実施形態では、搬送される複数の被乾燥物Dを乾燥する連続乾燥式の乾燥室1としたが、搬入口Iと搬出口Oを有さず、単数の被乾燥物Dを内部に収容して乾燥させるバッチ式の乾燥室としても良い。
湿度センサHは、乾燥室1内の排気口Eの付近に設けられている。なお、湿度センサHは、後述する制御装置Yの気体量制御部300に接続されている。
乾燥室1の給気口Sに一端が接続されているダクトは、乾燥室1に加熱された気体を供給する給気ダクト1aである。温度センサTは、給気ダクト1aに設けられており、給気ダクト1aの他端は、加熱部2に接続されている。なお、温度センサTは、後述する制御装置の加熱温度制御部200に接続されている。
加熱部2は、導入された気体を所定の温度に加熱するものであり、例えば電気式や蒸気式などの加熱装置を用いることができる。なお、加熱部2は、後述する制御装置Yの加熱部駆動手段21に接続されている。
加熱部2の給気ダクト1aが接続された側の反対側には、気体導入ダクト2aの一端が接続されている。この気体導入ダクト2aは、加熱部2に、気体を導入するダクトである。本実施形態の気体導入ダクト2aの他端は乾燥システム外部に連通され、外気導入口となっているが、被乾燥物の水分および/又は溶剤を乾燥させる気体であれば、外気でなくとも良い。
気体導入ダクト2aには、気体量調整部3が設けられている。気体量調整部3は、乾燥装置Xに気体を導入する、送風機3aおよび導入ダンパ3bを含む。送風機3aは、気体を加熱部2方向に流すファンである。また、導入ダンパ3bは、開閉度が変わることにより気体導入ダクト2aに導入される気体量を調整するモーターダンパであり、気体導入ダクト2aの他端に設けられている。なお、気体量調整部3は、後述する制御装置Yの気体量調整部駆動手段31に接続されている。
乾燥室1の排気口Eに一端が接続されているダクトは、乾燥室1内の気体を排出する排気ダクト1bである。排気ダクト1bの他端は乾燥システム外部に連通され、気体の排出口となっている。排気ダクト1bには、気体量調整部4が設けられている。気体量調整部4は、排出ダンパ4aと送風機4bを含む。
排出ダンパ4aは、開閉度が変わることにより、給気口Sから供給される気体量に見合うように、乾燥室1から排出される気体の量を調整するモーターダンパである。なお、この気体量調整部4は、後述する制御装置Yの気体量調整部駆動手段31に接続されている。また、送風機4bは、乾燥室1から排出された気体を乾燥システム外部方向に流すファンである。
[1.3 制御装置の構成]
制御装置Yは、図2に示すように、乾燥装置Xの温度センサTと湿度センサHに接続されている。制御装置Yは、これらのセンサの値に基づいて乾燥システムの動作を制御しており、具体的には、入力部101や出力部102が接続された、CPUやメモリを含み所定のプログラムで動作するコンピューターや専用の電子回路で構成されている。この制御装置Yは、加熱温度制御部200、気体量制御部300、加熱部駆動手段21、および気体量調整部駆動手段31を含む。
加熱温度制御部200には、加熱温度制御部200からの制御信号に従って加熱部2を駆動する加熱部駆動手段21が接続されている。また、気体量制御部300には、気体量制御部300からの制御信号に従って気体量調整部3および4を駆動する気体量調整部駆動手段31が接続されている。
入力部101には、オペレーターからの情報入力を受け入れる入力装置と、入力された情報を制御装置Yに通知するインターフェースが含まれる。この入力部101は、例えばオペレーターが乾燥システムへの操作要求や、設定値の変更を入力する手段である。入力装置としては、例えば、タッチパネル(出力部102の表示装置に設置されているものを含む)、マウス、およびキーボードなどを用いることができる。
出力部102には、制御装置Yからの情報を出力するインターフェースと、出力された情報に基づいてオペレーターに操作内容の確認や選択をさせる画面を表示する表示装置が含まれる。この出力部102は、例えば乾燥システムの状態を一覧や図で示したり、システムやオペレーターの操作に対する警報を表示する手段である。表示装置としては、例えば、液晶表示パネルなどの表示画面を持つディスプレイを用いることができる。
[1.3.1 加熱温度制御部の構成]
加熱温度制御部200は、温度センサTの測定値に基づいて、乾燥装置Xの加熱部2を制御する処理部である。具体的には、加熱温度制御部200は、設定温度記憶部201、温度比較部202、および加熱条件決定部203を含む。
設定温度記憶部201は、加熱部2を制御する基準となる温度を記憶する手段である。
具体的には、設定温度記憶部201には、乾燥装置Xおよび被乾燥物Dに応じた温度範囲が記憶されている。つまり、所定の温度範囲とは、予め設定温度記憶部201に記憶されている乾燥装置Xの設備全体の耐熱温度および被乾燥物Dの耐熱温度から決定されるものである。例えば、乾燥装置Xの耐熱温度が300℃であり、被乾燥物Dの耐熱温度が260℃である場合には260℃未満の温度範囲で制御することが考えられる。
また、所定の温度範囲の上限は、耐熱温度未満かつできるだけ高い温度に設定されている。つまり、所定の温度範囲の上限は、乾燥装置Xおよび被乾燥物Dの性能や品質に影響が無い温度かつ、耐熱温度側の高温に設定されている。具体的には、設定温度は、測定誤差や応答遅れの観点から、耐熱温度より5〜10℃低い温度に設定されていればよく、例えば耐熱温度が260℃である場合には、250〜255℃に設定されていることが好ましい。
所定の温度範囲の下限は、被乾燥物Dの所望の乾燥度合いを達成できる最低限の温度とすることが好ましい。また、外気の温度と湿度から、温度範囲の下限を以下のように設定しても良い。
すなわち、制御装置Yは、後述するように相対湿度を測定する湿度センサHにより測定された相対湿度が目標の相対湿度となるように気体量調整部3および4を制御するものであるが、この目標の相対湿度によって、上述の所定の温度範囲の下限が決定される。この原理を、図3を用いて説明する。
ここでは、被乾燥物Dに相対湿度2%の空気を吹き付けることで、被乾燥物Dが目標の乾燥状態になるものとして、以下の2条件の外気を想定して、温度の下限について説明する。
温度(℃) 相対湿度(%) 絶対湿度(g/kg’)
外気1: 40 60 28
外気2: 33 62 20
図3に示す通り、目標の相対湿度を2%とすると、外気1では123℃以上、外気2では113℃以上に温度を設定しなければ、相対湿度を2%とすることができない。従って、外気の気温および湿度から、目標とする相対湿度を得ることができる温度を、所定の温度範囲の下限として設定することが好ましい。
以上のような所定の温度範囲の上限と下限は、予め所定の被乾燥物Dに対して所定の温度を設定温度記憶部201に記憶されている。また、所定の温度範囲の下限は、乾燥装置Xの外部に外気の気温を測定する外気温センサと、外気の湿度を測定する外湿度センサを設けて、得られた外気の温度・湿度から算出されるように構成しても良い。
ここで、本実施形態の設定温度記憶部201は、所定の温度範囲において、加熱部2を通過した気体の設定温度も記憶している。加熱部2を通過した気体の設定温度は、所定の温度範囲において、高温域側に設定されていることが好ましい。
温度比較部202は、例えば複数の数値を比較して、数値の大小の判定や数値の差を判定する処理部である。具体的には、温度比較部202は、図示しないA/D変換部によりデジタル信号化された温度センサTの測定値と、設定温度記憶部201に記憶されている加熱部2を通過した気体の設定温度とを比較し、比較結果を加熱条件決定部203に出力する。
加熱条件決定部203は、温度比較部202から出力された比較結果を受け取り、比較結果に基づいて、加熱部2の加熱条件を求める処理部である。具体的には、加熱条件決定部203は、加熱部2を通過した気体が設定温度記憶部201に記憶された設定温度となるように加熱部2の加熱温度である加熱条件を決定する。なお、決定された加熱条件は加熱部制御手段31に出力される。
[1.3.2 気体量制御部の構成]
気体量制御部300は、設定湿度記憶部301、湿度比較部302、および気体量条件決定部303を含む。具体的には、気体量制御部300は、湿度センサHの測定値に基づいて、乾燥装置Xの気体量調整部3および/又は4を制御する処理部である。
設定湿度記憶部301は、気体量調整部3および/又は4を制御する基準となる相対湿度を記憶する手段である。具体的には、設定湿度記憶部301には、被乾燥物Dに応じた所定の相対湿度が記憶されている。つまり、所定の相対湿度は、被乾燥物Dを目標の乾燥度合いまで乾燥することができる相対湿度であり、被乾燥物Dの水分除去量によって決定される。所定の相対湿度は、予め被乾燥物Dに応じた相対湿度を設定湿度記憶部301に記憶しておく。
湿度比較部302は、例えば複数の数値を比較して、数値の大小の判定や数値の差を判定する処理部である。より具体的には、湿度比較部302は、図示しないA/D変換部によりデジタル信号化された湿度センサHの測定値と設定湿度記憶部301に記憶されている相対湿度値とを比較し、比較結果を気体量条件決定部303に出力する。
気体量条件決定部303は、湿度比較部302から出力された比較結果を受け取り、比較結果に基づいて気体量調整部3および/又は4の気体量条件を求める処理部である。気体量条件決定部303は、乾燥室1内の相対湿度が設定された相対湿度となるように気体量調整部3および/又は4を制御する条件を気体量調整部駆動手段31に出力する。
[2.作用]
[2.1 乾燥装置の動作]
以上のような構成を有する本実施形態の乾燥システムの乾燥装置Xの動作を、以下に説明する。図1に示すように、被乾燥物Dは搬送装置Cにより搬送され、乾燥装置Xの乾燥室1に導入される。乾燥室1は、加熱された気体によって、搬送された被乾燥物Dを乾燥する。ここでは、まず気体の流れに沿って、本実施形態の乾燥装置Xの動作のみを説明する。
送風機3aは一定の回転数を保って運転されており、開状態に制御されている導入ダンパ3bは、例えば外気を気体導入ダクト2aに導入する。このとき、導入ダンパ3bの開閉度により、導入する気体の量が調整される。気体導入ダクト2aにおいて、送風機3aは、導入された気体を加熱部2側に流す。そして、加熱部2は、気体を所定の温度範囲内の設定温度に加熱する。給気ダクト1aは、加熱された気体を、供給口Sから乾燥室1に供給する。
乾燥装置Xにおいて、加熱された気体は被乾燥物Dに供給される。このように供給された気体により被乾燥物Dは乾燥される。搬送装置Cは、乾燥された被乾燥物Dを乾燥室1外部に搬送する。乾燥室1内の気体は、被乾燥物Dの乾燥に伴って、相対湿度が上がる。この場合、導入ダンパ3bの開状態が制御され、さらに気体を導入して加熱された気体を乾燥室1に供給し、乾燥室1内の相対湿度が所定の相対湿度となるように調整する。
また、乾燥室1内の気体を、加熱部2に導入された気体量に見合う分だけ、排気口Eを介して排気ダクト1bに導入し、乾燥装置Xの外部に排出する。この場合、送風機4bは一定の回転数を保って運転されており、排気ダクト1bに設けられた排出ダンパ4aの開閉度により、排出される気体の量が調整される。排出ダンパ4aを通過した気体は、送風機4bが乾燥装置Xの外部側に流して排出する。
[2.2 制御フロー]
次に、制御装置Yの制御フローを、図4を参照しつつ説明する。制御装置Yは、湿度センサHの測定値が所定の相対湿度となるように気体量調整部3および/又は4を制御し、温度センサTの測定値が所定の温度範囲内の設定温度となるように加熱部2を制御する。
ここでは、耐熱温度が130℃の被乾燥物Dを乾燥させる場合を一例として説明する。この場合、例えば、制御装置Yにおいて、設定湿度記憶部301には所定の相対湿度2%が、設定温度記憶部201には所定の温度範囲が80〜120℃および加熱部2を通過した気体の設定温度120℃が、それぞれ記憶されている。
乾燥装置Xの運転が開始されると、気体量制御部300は、導入ダンパ3bを開状態に制御して、気体導入ダクト2aに例えば外気を導入する。また、加熱温度制御部200は、温度センサTの測定値が所定の値(120℃)となるように、加熱部2を制御する(ステップS01)。
具体的には、加熱温度制御部200の温度比較部202には、接続されている温度センサTによって検出された測定値が伝達される(ステップS02)。温度比較部202は、予め設定温度記憶部201に記憶されている所定の温度範囲内の設定温度を読み出し、温度センサTの測定値と比較して、比較結果を加熱条件決定部203に出力する。
加熱条件決定部203は、この比較結果に基づいて、加熱部2を通過した気体の温度が120℃となるように加熱部2を制御するための加熱条件を決定する。加熱条件決定部203は、決定した加熱条件を加熱部駆動手段21に出力して加熱部2を制御する。従って、加熱部2は、加熱部2を通過した気体の温度が120℃となるように、導入された気体を加熱することとなる。
また、気体量制御部300の湿度比較部302には、接続されている湿度センサHによって検出された測定値が伝達される(ステップS02)。湿度比較部302は、予め設定湿度記憶部301に記憶されている所定の湿度を読み出し、湿度センサHの測定値と比較して、比較結果を気体量条件決定部303に出力する。
気体量条件決定部303は、この比較結果に基づいて、相対湿度が2%となるように導入する気体量条件を決定する。気体量条件決定部303は、決定した気体量条件を気体量調整部駆動手段31に出力して導入ダンパ3bの開閉度を制御する。従って、導入ダンパ3bは、乾燥室1内の気体の相対湿度が2%となるように、気体を導入することとなる。
例えば、徐々に加熱部2の加熱温度を増加させるのであれば、温度センサTの測定値が120℃に到達しない場合(ステップS03のNO)、加熱部2における加熱温度を上昇させて、気体の加熱を続ける。
一方、温度センサTの測定値が120℃に到達した場合(ステップS03のYES)、気体量制御部300は、湿度センサHの測定値が2%に到達したか否かを確認する。湿度センサHの測定値が相対湿度2%に到達しない場合(ステップS04のNO)、気体の導入および加熱を続ける。このとき、相対湿度が2%に到達するまでは、気体量制御部300が導入ダンパ3bの開度を大きくするように制御して、導入する気体量を増加させる。
一方、湿度センサHの測定値が2%に到達した場合(ステップS04のYES)、被乾燥物Dが乾燥室1に搬送され、被乾燥物Dの乾燥が開始される(ステップS05)。そうすると、被乾燥物Dの乾燥が進むにつれて、乾燥室1内の相対湿度が上昇する。従って、被乾燥物Dの乾燥時においても、加熱温度制御部200は、温度センサTの測定値が120℃になるように加熱部2の制御を行い、また、気体量制御部300は、湿度センサHの測定値が2%を維持するように導入ダンパ3bを制御する(ステップS06〜ステップS09)ことを、一定量の被乾燥物Dにおいて所望の乾燥状態が達成されるまで、すなわち、所望の水分除去量が達成されるまで断続的に行う。
[3.原理]
以上のように動作する本実施形態の乾燥システムについて、図5に示した空気線図を参照してその動作原理を説明する。なお、図5において、アルファベットで示す各点は、以下に説明する各気体の状態に対応している。以下に示す気体の温度及び湿度等の具体的な値は例示にすぎず、本発明がこれらの数値に限定されるものではない。
本実施形態の所定の温度範囲は、前述のとおり、乾燥装置Xと被乾燥物Dの耐熱温度を考慮した上で、できるだけ高い温度が設定されている。このような温度範囲の設定は、以下の原理に基づくものである。
なお、以下の計算においては、乾燥室1に供給された加熱された気体は、被乾燥物Dに付着するか、被乾燥物Dに含まれる乾燥対象物の放出(気化等)によって冷却されるのみと考える。従って、空気の漏れ等による乾燥装置X外への熱損失は考慮しないものとする。
ここでは、以下の条件の外気の導入を想定して、加熱量について説明する。
温度(℃) 相対湿度(%) 絶対湿度(g/kg’)
外気A: 22 50 8
また、被乾燥物Dは、相対湿度2%での乾燥で達成できるものであり、被乾燥物Dの水分除去量を25000g/hとして考える。
上記の外気Aを100℃および120℃の2つの温度に加熱して、乾燥室1に供給する場合を想定し、導入する外気量およびその加熱量の計算を行った。計算結果は図6に表にして示す。ここで、図5のB1は、外気Aを100℃に加熱した気体の状態を示す。このB1の気体は乾燥室1に供給される供給空気である。この供給空気は、被乾燥物Dを乾燥することにより気化冷却されるため、乾燥室1の気体の状態はB2に示す通りとなる。
すなわち、加熱条件B1の絶対湿度は、外気Aと同様に8g/kg’であるが、B2の絶対湿度は、10.2g/kg’となる。縦軸方向の絶対湿度の差が水分除去量となる。従って、外気Aを100℃に加熱した場合の水分除去量は、2.2g/kg’となる。
同様に、外気Aを120℃に加熱した供給空気の状態をC1、気化冷却された気体の状態をC2として図5に示す。C1の絶対湿度は、外気Aと同様に8g/kg’であり、C2の絶対湿度は、14.8g/kg’となる。従って、外気Aを120℃に加熱した場合の水分除去量は、6.8g/kg’となる。
同様に、外気Aを140℃に加熱した供給空気の状態をD1、気化冷却された気体の状態をD2として図5に示す。D1の絶対湿度は、外気Aと同様に8g/kg’であり、D2の絶対湿度は、19.5g/kg’となる。従って、外気Aを140℃に加熱した場合の水分除去量は、11.5g/kg’となる。
外気導入量は、被乾燥物Dの水分除去量25000g/hを各水分除去量で除算することで求められる。従って、外気Aを100℃に加熱した場合の外気導入量は、11364kg’/hとなる。一方、120℃に加熱した場合は3676kg’/h、140℃に加熱した場合は2174kg’/hとなる。
導入外気の加熱量は、外気導入量×(供給空気のエンタルピ−外気のエンタルピ)から求めることができる。なお、各空気の状態におけるエンタルピは、図5の破線の矢印の先に示す。従って、図6に示す通り、外気Aを100℃に加熱した場合の加熱量(kJ/h)は、909120となる。一方、120℃に加熱した場合は367600、140℃に加熱した場合は260800となる。
従って、同一条件において同一対象を乾燥する場合には、温度が高い方が、気体導入量が少なくなり、ひいては加熱量を少なくすることが可能となる。本願発明は、発明者が導き出した上記の原理を乾燥システムに適用したものであり、加熱部2を通過した気体の温度を、所定の温度範囲において高温域側に設定することで、より少ない加熱量で被乾燥物Dを乾燥するものである。
[4.効果]
以上のような本実施形態の効果は、加熱部2を通過した気体の温度が、所定の温度範囲において高温域側に設定されていることから、上述の通り加熱量を少なくすることができ、乾燥システムの省エネルギー性を向上させることができることである。
[第2の実施形態]
[1.構成]
第2の実施形態の乾燥システムの制御装置Yの構成を、図7を参照して説明する。第2の実施形態は、加熱部2を通過した気体の温度を所定の温度範囲内において変化させるものである。なお、乾燥装置Xの構成は第1の実施形態と同様のため説明を省略し、制御装置Yにおいて第1の実施形態と同じ部分については同一符号を付して説明は省略する。
第2の実施形態の制御装置Yの加熱温度制御部200は、さらに、加熱量演算部204、加熱量記憶部205、加熱量比較部206、を含む。また、加熱条件決定部203は、加熱部2の加熱条件として、所定の温度範囲において、加熱部2を通過した気体の温度を変化させる条件を含む。具体的には、温度は増減可能であり、例えば、10℃ずつ温度を変化させる条件のように所定の間隔での温度変化させる条件が考えられる。
加熱量演算部204は、加熱部2における加熱量を算出する手段である。例えば、設定温度記憶部201が記憶する加熱部2を通過した気体の設定温度と、気体量条件決定部303が決定した導入する気体量に基づいて、所定の時間における加熱量を算出する。
加熱量演算部204による演算の一例としては、設定温度記憶部201に記憶されている設定温度のエンタルピから外気温のエンタルピを減算し、気体量条件決定部303の導入する気体量を乗算して加熱量を求める方法が挙げられる。また、加熱量演算部204は、算出した加熱量を加熱量記憶部205と加熱量比較部206に出力する機能を含む。
加熱量記憶部205は、加熱量演算部204が算出した加熱量を記憶する手段である。また、加熱量比較部206は、例えば複数の数値を比較して、数値の大小の判定や数値の差を判定する処理部である。具体的には、加熱量記憶部205は、加熱量記憶部205に記憶された加熱量と、加熱量演算部204が算出した加熱量とを比較する。
[2.作用]
以上のような構成を有する本実施形態の乾燥システムの制御フローについて以下に説明する。なお、乾燥システムの乾燥装置Xの動作については第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
本実施形態の制御装置の制御フローを、図8を参照しつつ説明する。ここでは、制御装置Yにおいて、設定湿度記憶部301には所定の相対湿度2%が、設定温度記憶部201には所定の温度範囲が100〜140℃および加熱部2を通過した気体の設定温度120℃が、それぞれ記憶されている場合を例とする。
本実施形態の制御フローは、被乾燥物Dの乾燥開始(図4のステップS05)までは第1の実施形態と同様である。従って、本実施形態では、加熱部2を通過した気体の設定温度が120℃に到達し、相対湿度が2%に到達して、被乾燥物Dの乾燥が開始された後の制御について説明する。
被乾燥物Dの乾燥が開始されると(ステップS05)、加熱部2を通過した気体の温度における、所定時間の加熱量が演算される。すなわち、設定温度記憶部201は加熱部2を通過した気体の設定温度を、気体量条件決定部303は決定した導入する気体量を、それぞれ加熱量演算部204に出力する。
加熱量演算部204は、入力された設定温度と気体量から、所定の時間における演算加熱量Aを計算する(ステップS51)。演算加熱量Aは、加熱量演算部204により加熱量記憶部231に出力されて記憶される。
演算加熱量Aの算出が終わると、加熱条件決定部203は、所定の温度範囲において、加熱部2を通過した気体の温度を、例えば130℃に変化させる加熱条件を決定する。加熱条件決定部203は、決定した加熱条件を加熱部駆動手段21に出力して加熱部2を制御する(ステップS52)。また、加熱条件を変化させた後の設定温度は、加熱条件決定部203により設定温度記憶部201に出力されて記憶される。
設定温度が変更されると、加熱部駆動手段21は、入力された加熱条件に基づいて、温度センサTの測定値が130℃になるように加熱部3の制御を行い、また、気体量調整部駆動部31は、気体量条件決定部303から入力された気体量条件に基づいて、湿度センサHの測定値が相対湿度2%を維持するように導入ダンパ3bを制御する。そして、温度と相対湿度が目標値に到達すると、加熱量演算部204は、変更された温度において演算加熱量Bを計算する(ステップS53)。
演算加熱量Bが算出されると、加熱量演算部204は、演算加熱量Bを加熱量記憶部205と、加熱量比較部206に出力する。加熱量比較部206は、加熱量記憶部205に記憶された演算加熱量Aと、加熱量演算部204より入力された演算加熱量Bの大小を比較する(ステップ54)。
ここで、演算加熱量Aと演算加熱量Bを比較して、演算加熱量Aの加熱量が大きい場合(ステップS55のYES)、加熱条件決定部203は加熱条件を変更して、変化後(130℃)の温度側に、さらに温度を変化させる(ステップS56)。ここでは、例えば140℃に温度を変化させる。また、演算加熱量Bの加熱量が大きい場合(ステップS55のNO)、加熱条件決定部203は加熱条件を変更して、変化前(120℃)の温度側に、さらに温度を変化させる(ステップS57)。ここでは、例えば110℃に温度を変化させる。
さらに温度が変化されると、加熱量演算部204による温度変化後の加熱量の演算(ステップS53)および加熱量比較部206による演算加熱量の比較(ステップS54)、加熱条件決定部203による加熱条件の変更(ステップS56またはステップS57)が繰り返される。制御装置Yは、以上のような制御を、一定量の被乾燥物Dにおいて所望の乾燥状態が達成されるまで、すなわち、所望の水分除去量が達成されるまで断続的に行う。
[3.原理]
以上のように動作する本実施形態の乾燥システムについて、その動作原理を図9に基づいて説明する。まず、第1の実施形態で説明した通り、加熱部2を通過した気体の温度を、できるだけ高く設定することで、より少ない加熱量で被乾燥物Dを乾燥することができることは明らかである。
一方、実際に乾燥システムを運転する場合には、乾燥システム系外への熱損失が生じることが考えられる。熱損失としては、乾燥装置の周囲が低温であるため、ダクトや乾燥室壁を通して逃げていく熱量、被乾燥物Dの昇温に要する加熱量、さらには、乾燥室1の搬送口Iや搬出口Oからの空気の漏れ等が考えられる。また、被乾燥物Dが含有する水/溶媒量は常時変化するため、乾燥室1内の相対湿度にも影響を与える。
一般に、熱損失は乾燥装置の温度が高温になる程大きくなることが考えられるため、加熱部2を通過した気体の温度を、所定の温度範囲において高温域側に設定した場合であっても、相対湿度を所定の相対湿度に保つために導入する気体量が増え、結果として加熱量が増加する場合も想定される。
そこで、熱容量の大きい被乾燥物Dの投入量を一定とし、乾燥装置に投入される被乾燥物Dの水分含有率が変動し、水分除去量が変化する場合を想定して動作原理を説明する。ここでは、被乾燥物Dを比熱1.3kJ/kg・kの木材とした場合を例とする。
この木材を、100℃、120℃、140℃において毎時2500kgで乾燥させる場合には、蓄熱量(kJ/h)は100℃で65000、120℃で130000、140℃で195000となる。この蓄熱量とは、被乾燥物Dを乾燥させる際に、被乾燥物Dが加熱されて奪われてしまう加熱量となる。
次に、第1の実施形態と同様の条件の外気を想定して、加熱量について説明する。
温度(℃) 相対湿度(%) 絶対湿度(g/kg’)
外気A: 22 50 8
また、被乾燥物Dは、相対湿度2%での乾燥で達成できるものであり、被乾燥物Dの水分除去量を25000g/hとして考える。
第1の実施形態で算出した加熱量に、上記各温度における被乾燥物Dの蓄熱量を加算すると、被乾燥物Dの乾燥に必要な全ての加熱量(kJ/h)は、100℃で974120、120℃で497600、140℃で455800となり、140℃で乾燥した場合の加熱量が最も少ない。
一方、被乾燥物Dの水分除去量が12500g/hに変化した場合を想定して、同様の計算を行うと、被乾燥物Dの乾燥に必要な全ての加熱量(kJ/h)は、100℃で519480、120℃で313800、140℃で325320となり、120℃で乾燥した場合の加熱量が最も少ない。
以上の通り、乾燥条件によっては、所定の範囲で高温域に設定された設定温度において、必ずしも少ない加熱量となるわけではない。従って、まずは所定の温度範囲において高温域の設定温度にして加熱量を少なくし、その後、温度を変化させれば最も加熱量が少ない温度において被乾燥物Dを乾燥させることができる。
[4.効果]
以上のような本実施形態の効果は、第1の実施形態の効果に加えて、次の通りである。すなわち、加熱部2を通過した気体の温度を変化させて、各温度で演算された加熱量を比較して低い加熱量を有する温度に設定されることから、乾燥システムの省エネルギー性を向上させることができる。
[その他の実施の形態]
(1)乾燥装置Xの構成は、上記の実施形態の構成に限定されるものではない。すなわち、図10に示す通り、熱交換器10aおよび10bを、それぞれ気体導入ダクト2aおよび排気ダクト1bに設けて、排気される気体の顕熱と、導入される気体の顕熱とを交換する構成としても良い。これにより、排気される気体の顕熱を導入される気体の加熱に用いることができるので、より省エネルギー性を向上させることができる。
(2)また、図10に示す通り、乾燥室1に送風機11aおよび加熱部11bが設けられた循環ダクト12を設けても良い。このように構成することで、乾燥室1内の高温の気体を再加熱することが可能となり、より省エネルギー性を向上させることができる。
(3)さらに、図10に示す通り、乾燥室1内部に、拡散ファン13を設けても良い。このように構成し被乾燥物Dにあたる気体の風速をあげることで、被乾燥物Dの乾燥速度を早め、乾燥効率をあげることができるため、省エネルギー性を向上させることができる。以上説明した乾燥装置Xの各構成は、それぞれ個別に乾燥装置に適用することもできるし、全てを適用することもできる。
(4)上記の実施形態では、相対湿度又は飽和度は湿度センサHにより測定されるとしたが、相対湿度又は飽和度の求め方は直接測定するものに限定されない。すなわち、温度、絶対湿度、露点温度等を測定し、これらの測定値に基づいて演算して求めることもできる。また、相対湿度や飽和度の代わりに、被乾燥物Dの含水率等を用いても良い。
(5)上記の実施形態において決定される加熱部2の加熱条件や、気体量調整部3および4の気体量条件は、例えば加熱部2の種類や乾燥室1の容量などの乾燥装置Xの構成に加え、被乾燥物Dの水分除去量に基づいて、適宜設定される。その他にも、これらの条件は、系外への気体の漏れ、搬送装置Cが乾燥室1内で被乾燥物Dを搬送する時間、搬送装置Cの熱容量に基づいて計算される熱損失等、種々の条件を加味して決定されるものであり、乾燥システムの設置状況に応じて適宜変更可能である。
(6)上記の実施形態では、設定温度を耐熱温度未満の高温域としたが、温度センサTの位置を考慮して温度設定を行うこともできる。すなわち、給気ダクト2aに温度センサTが設けられている場合であれば、乾燥室内の温度は温度センサTにおいて測定された温度より低くなることが想定される。このような場合には、耐熱温度未満のさらに高い温度に設定することで、乾燥室1を所望の温度に調整することができる。
(7)また、上記の実施形態では、温度センサTを給気ダクト1aに設けたが、温度センサHは加熱部2を通過した気体の温度を測定できるように、被乾燥物の耐熱温度等を考慮して適宜配置すれば良い。すなわち、温度センサTは、必ずしも加熱部2通過直後の気体を測定する必要はなく、排気ダクト1bに設けても良いし、乾燥室1の給気口S、排気口E、被乾燥物Dの付近に設けることもできる。
(8)上記の実施形態では、湿度センサHを乾燥室1の排気口Eの付近に設けたが、湿度センサHは、加熱部2を通過した気体の湿度(相対湿度・飽和度)を測定できるように、被乾燥物に必要な乾燥具合を考慮して、適宜配置すれば良い。すなわち、湿度センサHは、必ずしも排気口Eの付近の気体を測定する必要はなく、給気ダクト1aや排気ダクト1bに設けても良いし、乾燥室1の給気口Sや被乾燥物Dの付近に設けることもできる。
(9)上記の実施形態では、気体量調整部3および/又は4として、モーターダンパの開閉度を制御して導入する気体量を調整したが、送風機のみを設置し、送風機の回転数を制御することで気体量を調整しても良い。また、モーターダンパの開閉度の調整と送風機の回転数の調整を組み合わせて、外気の量を調整しても良い。
(10)上記の実施形態では、所定の時間における加熱量を設定温度記憶部201に記憶された設定温度と気体量条件決定部303に決定された気体量により求めたが、実際の温度および気体量を測定して算出しても良い。すなわち、温度センサTに加え、導入気体量を実測する手段を設け、それぞれの測定値に基づいて算出することもできる。その場合には、加熱条件決定部203にタイマ機能を設けて、所定の時間の加熱量を算出する。
(11)上記の実施形態では、加熱条件決定部203が10℃ずつ温度を変化させる例を示して説明したが、温度を変化させる間隔はこれに限定されるものではない。例えば所定の温度範囲において、被乾燥物Dの乾燥が開始された直後は大きな温度間隔(例えば20℃ずつ)で変化させることを一定回数繰り返し、その後、小さな温度間隔(例えば1℃ずつ)で変化させるようにしても良い。このように構成することで、乾燥開始直後に迅速に加熱量が少ない温度を探し、その後により正確に加熱量が少ない温度に変更することができるため、より省エネルギー性を向上させることができる。
1 乾燥室
2 加熱部
3、4 気体量調節部
3a、4b 送風機
3b 導入ダンパ
4a 排出ダンパ
10a、10b 熱交換器
11a 送風機
11b 加熱部
12 循環ダクト
13 拡散ファン
D 被乾燥物
T 温度センサ
H 湿度センサ
21 加熱部駆動手段
31 気体量調整部駆動手段
101 入力部
102 出力部
200 加熱温度制御部
201 設定温度記憶部
202 温度比較部
203 加熱条件決定部
204 加熱量演算部
205 加熱量記憶部
206 加熱量比較部
300 気体量制御部
301 設定湿度記憶部
302 湿度比較部
303 気体量条件決定部

Claims (5)

  1. 被乾燥物が送風により乾燥される乾燥室と、前記乾燥室に接続され気体を加熱する加熱部と、系内への気体量を調整する気体量調整部と、を備えた乾燥装置と、前記乾燥装置に接続された制御装置と、を有する乾燥システムにおいて、
    前記乾燥装置は、
    前記加熱部を通過した気体の湿度を測定する湿度センサと、前記加熱部を通過した気体の温度を測定する温度センサと、を有し、
    前記制御装置は、
    前記湿度センサにより測定された湿度が所定の値となるように、前記気体量調整部を制御する気体量制御部と、
    前記温度センサにより測定された温度が所定の温度範囲となるように、前記加熱部を制御する加熱温度制御部と、を有し、
    前記加熱温度制御部は、
    前記加熱部を制御する加熱条件を決定する加熱条件決定部と、
    前記加熱部における加熱量を算出する加熱量演算部と、
    少なくとも2つ以上の加熱量を比較する加熱量比較部と、を有し、
    前記加熱条件決定部が、前記加熱部を通過した気体の温度を、前記所定の温度範囲内において変化させるように加熱条件を変更し、
    前記加熱量演算部が、温度変化前後の加熱量を算出し、
    前記加熱量比較部が、前記温度変化前後の加熱量を比較し、
    前記加熱条件決定部は、
    当該比較結果に基づき、
    変化前の温度での加熱量が少ない場合には、前記変化前の温度側にさらに温度を変化させ、
    変化後の温度での加熱量が少ない場合には、前記変化後の温度側にさらに温度を変化させるように加熱条件を変更する処理部であり、
    前記加熱条件決定部により温度が変化される度に、前記加熱量演算部による加熱量の演算、前記加熱量比較部による加熱量の比較、前記加熱条件決定部による加熱条件の変更が繰り返されることを特徴とする乾燥システム。
  2. 前記湿度センサが相対湿度を測定するセンサであることを特徴とする請求項1記載の乾燥システム。
  3. 前記湿度センサが飽和度を測定するセンサであることを特徴とする請求項1記載の乾燥システム。
  4. 被乾燥物が送風により乾燥される乾燥室と、前記乾燥室に接続され気体を加熱する加熱部と、系内への気体量を調整する気体量調整部と、を備えた乾燥装置と、前記乾燥装置に接続された制御装置と、を有する乾燥システムの制御方法であって、
    前記乾燥室の気体の湿度が所定の値となるように、前記気体量調整部を制御し、
    前記加熱部を通過した気体の温度が所定の温度範囲となるように、前記加熱部を制御し、
    前記加熱部における温度変化前後の加熱量を算出し、
    当該加熱量を比較した結果に基づき、
    変化前の温度での加熱量が少ない場合には、前記変化前の温度側にさらに温度を変化させ、
    変化後の温度での加熱量が少ない場合には、前記変化後の温度側にさらに温度を変化させるように前記加熱部の加熱条件を変更し、
    温度を変化させる度に、加熱量の演算、および加熱量の比較、加熱条件の変更を繰り返すことを特徴とする乾燥システムの制御方法。
  5. 被乾燥物が送風により乾燥される乾燥室と、前記乾燥室に接続され気体を加熱する加熱部と、系内への気体量を調整する気体量調整部と、を備えた乾燥装置と、前記乾燥装置に接続された制御装置と、を有する乾燥システムの制御装置であって、
    前記制御装置が、
    気体の湿度を測定する湿度センサにより測定された湿度が所定の値となるように、前記気体量調整部を制御する気体量制御部と、
    温度センサにより測定された温度が所定の温度範囲となるように、前記加熱部を制御する加熱温度制御部と、を有し、
    前記加熱温度制御部は、
    前記加熱部を制御する加熱条件を決定する加熱条件決定部と、
    前記加熱部における加熱量を算出する加熱量演算部と、
    少なくとも2つ以上の加熱量を比較する加熱量比較部と、を有し、
    前記加熱条件決定部が、前記加熱部を通過した気体の温度を、前記所定の温度範囲内に
    おいて変化させるように加熱条件を変更し、
    前記加熱量演算部が、温度変化前後の加熱量を算出し、
    前記加熱量比較部が、前記温度変化前後の加熱量を比較し、
    前記加熱条件決定部は、
    当該比較結果に基づき、
    変化前の温度での加熱量が少ない場合には、前記変化前の温度側にさらに温度を変化させ、
    変化後の温度での加熱量が少ない場合には、前記変化後の温度側にさらに温度を変化させるように加熱条件を変更する処理部であり、
    前記加熱条件決定部により温度が変化される度に、前記加熱量演算部による加熱量の演算、前記加熱量比較部による加熱量の比較、前記加熱条件決定部による加熱条件の変更を繰り返すことを特徴とする乾燥システムの制御装置。
JP2012237312A 2012-10-26 2012-10-26 乾燥システム、乾燥システムの制御方法、およびその制御装置 Active JP6037381B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012237312A JP6037381B2 (ja) 2012-10-26 2012-10-26 乾燥システム、乾燥システムの制御方法、およびその制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012237312A JP6037381B2 (ja) 2012-10-26 2012-10-26 乾燥システム、乾燥システムの制御方法、およびその制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014085100A JP2014085100A (ja) 2014-05-12
JP6037381B2 true JP6037381B2 (ja) 2016-12-07

Family

ID=50788317

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012237312A Active JP6037381B2 (ja) 2012-10-26 2012-10-26 乾燥システム、乾燥システムの制御方法、およびその制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6037381B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105403024A (zh) * 2015-11-30 2016-03-16 四川鸿旺同宇能源科技有限公司 循环式干燥控制方法及其系统
CN109974395A (zh) * 2017-12-27 2019-07-05 山东琦泉能源科技有限公司 生物质物料干燥方法
CN113899188A (zh) * 2021-11-11 2022-01-07 广东海悟科技有限公司 一种烘干产线及其控制方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03181783A (ja) * 1989-12-08 1991-08-07 Iseki & Co Ltd 穀粒乾燥機の乾燥制御方式
JP3875055B2 (ja) * 2001-10-01 2007-01-31 ホシザキ電機株式会社 乾燥装置
JP5642982B2 (ja) * 2010-03-09 2014-12-17 本田技研工業株式会社 乾燥装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014085100A (ja) 2014-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6372928B2 (ja) 温度差を利用する乾燥方法、乾燥装置及び乾燥システム
JP6037381B2 (ja) 乾燥システム、乾燥システムの制御方法、およびその制御装置
CN102560990A (zh) 具有环境温度传感器的干衣机
JP5456536B2 (ja) 恒温装置
JP5903707B2 (ja) 印刷紙の乾燥における熱風温度制御
KR101525880B1 (ko) 히트펌프를 이용한 연속식 농산물 건조기의 제어장치
JP2011190980A (ja) 除湿機
JP6429487B2 (ja) 乾燥装置、乾燥装置の制御方法、およびその制御装置
EP1420104B1 (en) Process for drying laundry in a drying device
JP2014231950A (ja) 乾燥制御システム、乾燥機、乾燥制御方法、乾燥方法
CN109398769A (zh) 大型步入式载人航天器的常压热试验系统
EP2771668B1 (en) Environmental test system and method with in-situ temperature sensing of device under test (dut)
JP2002162162A (ja) 乾燥装置
CN209197402U (zh) 一种新型隧道式烘干炉
JP6512596B2 (ja) 加熱装置
JP2006226573A (ja) 穀物乾燥装置及び方法
JPH09254360A (ja) 印刷用乾燥装置
JP2012251770A (ja) 空調システム
JP2018166893A (ja) 浴室内乾燥装置
JP2000234862A (ja) 窯業成形物の乾燥方法およびその装置
JP6377099B2 (ja) 海苔製造装置
KR101337662B1 (ko) 의류건조기의 건조 제어방법
JP3599100B2 (ja) 溶剤乾燥装置
CN105627517B (zh) 空调器的除霜控制方法及除霜控制装置
JP7481230B2 (ja) 熱処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150807

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160628

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160812

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161026

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6037381

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250