JP6036665B2 - 溶接装置および溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶接鋼管のシーム部の外面側を溶接する溶接装置および溶接方法に関するものである。
従来から、管状に成形した鋼管素材の継目部分(シーム部)を溶接して、UOE鋼管等の溶接鋼管が製造される。一般に、溶接鋼管の製造工程において、鋼管素材である鋼板は、その板幅方向両側の端部を開先形状に加工する開先加工を施された後、プレス加工等によって管状に成形される。その際、これら開先形状の両端部(元来、鋼板の板幅方向両側の端部であった部分)は、互いに突き合わさって、溶接鋼管の長手方向の継目部分、すなわち、溶接鋼管の製造に際して溶接すべきシーム部となる。
溶接鋼管(以下、鋼管と適宜略す)のシーム部は、通常、仮付け溶接された後、サブマージアーク溶接によって本溶接される。この本溶接では、まず、仮付け溶接後のシーム部を鋼管の内周面側から溶接する内面溶接が行われる。つぎに、この内面溶接後のシーム部を鋼管の外周面側から溶接する外面溶接が行われる。
また、上述した本溶接において、シーム部の溶接位置(すなわちアークを発生させる位置)を適正化することは、シーム部の本溶接の高い品質を確保する上で重要である。具体的には、外面溶接において、高い溶接品質を確保するためには、鋼管の外周面側のシーム部(以下、外面シーム部という)の全域に亘り、外面シーム部の幅方向の中心位置に溶接トーチを精度よく追従させながら、外面シーム部を溶接することが有効である。
なお、このような外面溶接に関する従来技術として、例えば、鋼管の開先部に扇状のレーザ光束を照射して開先部の断面形状を撮像し、撮像した開先部の断面形状の画像をもとに開先部の位置を検出し、この位置検出した開先部に溶接トーチを挿入するものがある(特許文献1参照)。この特許文献1に記載の従来技術では、撮像した開先部の断面形状の勾配の組合せを、予め設定されている複数の勾配パターンのいずれかに分類し、勾配パターンの分類に対応付けられた演算方式により、開先部の左右エッジの各位置座標を算出している。また、これら左右エッジ位置の中間点を開先中心位置とし、この開先中心位置の基準位置に対する相対的位置ずれを打ち消すように溶接トーチ駆動機構を駆動して、溶接トーチと開先部との相対位置を常に一定にしている。
特公平6−95010号公報
しかしながら、上述した従来技術では、鋼管に形成された外面シーム部の断面形状の勾配パターンと、予め設定した開先部の断面形状の勾配パターンとが合致しなければ、外面シーム部の幅方向両側の各端部(以下、シームエッジ部という)を検出することができない。このような事態は、例えば、鋼管のシーム部を仮付け溶接してなる溶接ビード(以下、仮付け溶接ビードという)がハンピングまたは溶落ち等に起因して不連続状態となる等、予期せぬ外的要因によって、外面シーム部の断面形状が予測困難な形状となった場合に起こり得る。上記のようにシームエッジ部の検出ができないことから、外面シーム部の幅方向の中心位置を得ることが難しく、このため、外面シーム部の全域に亘って外面シーム部の幅方向の中心位置に精度よく溶接トーチを追従させることは困難である。この結果、外面シーム部の溶接欠陥が発生する可能性がある。さらには、手動操作によって外面シーム部の幅方向の中心位置に溶接トーチを追従させる作業が発生するため、作業者の負担が増大するのみならず、鋼管の溶接効率の低下を招来し、延いては、鋼管の製造効率の低下に繋がる。
また、鋼管の高強度厚肉および低温靭性仕様の要求が、近年、増加する傾向にある。このような鋼管の製品要求に応じるべく、開先形状を一段開先から二段開先に仕様変更して鋼管の溶接品質の向上を図る等、鋼管の開先形状が複雑化し、これに伴い、鋼管の外面シーム部の形状が多種多様化している。しかしながら、上述した従来技術では、このような鋼管の多種多様な外面シーム部の形状に対応しきれない。このため、鋼管の多種多様な外面シーム部の形状に対応してシームエッジ部を検出でき、この結果、多種多様な形状の外面シーム部を精度よく溶接できることが要望されている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、鋼管の多種多様な外面シーム部の形状に対応して、鋼管の外面シーム部全域を精度よく溶接することが可能な溶接装置および溶接方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる溶接装置は、鋼管の長手方向に沿って前記鋼管の外周面側のシーム部に対し相対的に溶接トーチを移動させつつ、前記シーム部を溶接する溶接機と、前記シーム部の幅方向に前記溶接トーチを移動させる溶接トーチ移動部と、互いに突き合わせて前記シーム部を形成する一端部および他端部を含む前記鋼管の外周面の断面形状を光学的に検出する形状検出部と、前記鋼管の外周方向に沿った前記一端部の位置範囲に対応する第1の演算処理範囲と前記鋼管の外周方向に沿った前記他端部の位置範囲に対応する第2の演算処理範囲とを設定し、前記外周方向の位置変化に対する前記一端部の断面形状の変位量および前記他端部の断面形状の変位量を前記第1の演算処理範囲および前記第2の演算処理範囲について各々算出し、前記第1の演算処理範囲について算出した前記一端部の断面形状の変位量のうちの所定閾値以下の変位量をもとに、前記シーム部の幅方向の両側シームエッジ部のうちの一方のシームエッジ部の位置を算出し、且つ、前記第2の演算処理範囲について算出した前記他端部の断面形状の変位量のうちの前記所定閾値以下の変位量をもとに、前記両側シームエッジ部のうちの他方のシームエッジ部の位置を算出する演算処理部と、算出された前記一方のシームエッジ部の位置と前記他方のシームエッジ部の位置との間の中心位置に前記溶接トーチを追従させるように前記溶接トーチ移動部を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる溶接装置は、上記の発明において、前記演算処理部は、前記第1の演算処理範囲について算出した前記一端部の断面形状の変位量ピークの中から、前記所定閾値以下の変位量ピークを前記一方のシームエッジ部の変位量候補として選択し、選択した前記変位量候補の中から、前記鋼管の開先形状に基づいて前記一方のシームエッジ部の変位量ピークを決定し、決定した前記変位量ピークをなす前記一方のシームエッジ部の位置を算出し、且つ、前記第2の演算処理範囲について算出した前記他端部の断面形状の変位量ピークの中から、前記所定閾値以下の変位量ピークを前記他方のシームエッジ部の変位量候補として選択し、選択した前記変位量候補の中から、前記鋼管の開先形状に基づいて前記他方のシームエッジ部の変位量ピークを決定し、決定した前記変位量ピークをなす前記他方のシームエッジ部の位置を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかる溶接装置は、上記の発明において、前記演算処理部は、前記シーム部の仮付け溶接によって前記シーム部に形成された溶接ビードの位置を挟んで互いに離間するように、前記第1の演算処理範囲および前記第2の演算処理範囲を設定することを特徴とする。
また、本発明にかかる溶接方法は、互いに突き合わせて鋼管の外周面側のシーム部を形成する一端部および他端部を含む前記鋼管の外周面の断面形状を光学的に検出する形状検出ステップと、前記鋼管の外周方向に沿った前記一端部の位置範囲に対応する第1の演算処理範囲と、前記鋼管の外周方向に沿った前記他端部の位置範囲に対応する第2の演算処理範囲とを設定する範囲設定ステップと、前記外周方向の位置変化に対する前記一端部の断面形状の変位量および前記他端部の断面形状の変位量を、前記第1の演算処理範囲および前記第2の演算処理範囲について各々算出する変位量算出ステップと、前記第1の演算処理範囲について算出した前記一端部の断面形状の変位量のうちの所定閾値以下の変位量をもとに、前記シーム部の幅方向の両側シームエッジ部のうちの一方のシームエッジ部の位置を算出し、且つ、前記第2の演算処理範囲について算出した前記他端部の断面形状の変位量のうちの前記所定閾値以下の変位量をもとに、前記両側シームエッジ部のうちの他方のシームエッジ部の位置を算出するエッジ位置算出ステップと、算出した前記一方のシームエッジ部の位置と前記他方のシームエッジ部の位置との間の中心位置に溶接トーチが追従するように、前記シーム部の幅方向に前記溶接トーチを移動させる溶接トーチ移動ステップと、前記鋼管の長手方向に沿って前記シーム部に対し相対的に前記溶接トーチを移動させつつ、前記シーム部を溶接する溶接ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる溶接方法は、上記の発明において、前記エッジ位置算出ステップは、前記第1の演算処理範囲について算出した前記一端部の断面形状の変位量ピークの中から、前記所定閾値以下の変位量ピークを前記一方のシームエッジ部の変位量候補として選択し、選択した前記変位量候補の中から、前記鋼管の開先形状に基づいて前記一方のシームエッジ部の変位量ピークを決定し、決定した前記変位量ピークをなす前記一方のシームエッジ部の位置を算出し、且つ、前記第2の演算処理範囲について算出した前記他端部の断面形状の変位量ピークの中から、前記所定閾値以下の変位量ピークを前記他方のシームエッジ部の変位量候補として選択し、選択した前記変位量候補の中から、前記鋼管の開先形状に基づいて前記他方のシームエッジ部の変位量ピークを決定し、決定した前記変位量ピークをなす前記他方のシームエッジ部の位置を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかる溶接方法は、上記の発明において、前記範囲設定ステップは、前記シーム部の仮付け溶接によって前記シーム部に形成された溶接ビードの位置を挟んで互いに離間するように、前記第1の演算処理範囲および前記第2の演算処理範囲を設定することを特徴とする。
本発明によれば、鋼管の多種多様な外面シーム部の形状に対応して、鋼管の外面シーム部全域を精度よく溶接することができるという効果を奏する。
図1は、本実施の形態にかかる溶接装置の一構成例を示す図である。 図2は、図1に示す溶接装置を上方から見た図である。 図3は、形状検出部による鋼管の外周断面形状の光学的な検出を説明する図である。 図4は、本発明の実施の形態にかかる溶接方法の一例を示すフローチャートである。 図5は、本実施の形態におけるシームエッジ部の位置算出に必要な演算処理範囲の設定と外周断面形状の変位量の算出とを説明する図である。 図6は、本実施の形態におけるシームエッジ部の位置算出の演算処理を説明する図である。
以下に、添付図面を参照して、本発明にかかる溶接装置および溶接方法の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態により、本発明が限定されるものではない。また、各図面において同一構成部分には同一符号を付している。
(溶接装置の構成)
まず、本発明の実施の形態にかかる溶接装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる溶接装置の一構成例を示す図である。図2は、図1に示す溶接装置を上方から見た図である。本実施の形態にかかる溶接装置1は、仮付け溶接および内面溶接が施された後の鋼管15を外面溶接するものであり、図1,2に示すように、鋼管15を搬送する搬送コンベア2と、鋼管15の外面シーム部16を溶接するアーク溶接機3と、アーク溶接機3の溶接トーチ3aの位置を調整する溶接トーチ移動部4と、鋼管15の外周面の断面形状(以下、外周断面形状と適宜いう)を検出する形状検出部5とを備える。また、溶接装置1は、鋼管15の鋼材条件等を入力する条件入力部6と、外面シーム部16全域の高精度な溶接に要する各種演算処理を行う演算処理部7と、外面シーム部16に対する溶接トーチ3aの追従を制御する制御部8とを備える。
搬送コンベア2は、複数の搬送ロール等を用いて構成され、鋼管15をその長手方向(図1,2の太線矢印参照)に搬送する。この際、搬送コンベア2は、図1,2に示すように、鋼管15の溶接対象部分である外面シーム部16を上方に向けた態様にして鋼管15を搬送する。また、搬送コンベア2は、鋼管15の長手方向の一端から他端に至る全域がアーク溶接機3の溶接トーチ3a下方を通過し終えるまで、鋼管15の搬送を継続する。
アーク溶接機3は、サブマージアーク溶接法等によって鋼管15の外面シーム部16をアーク溶接する。具体的には、アーク溶接機3は、複数の溶接トーチ3a等を用いて構成され、搬送コンベア2の近傍の位置に設置される。アーク溶接機3は、複数の溶接トーチ3aの各々を上下方向に移動させ、これにより、鋼管15の外面シーム部16に対する各溶接トーチ3aの高さを適正に調整する。このようなアーク溶接機3は、搬送コンベア2による搬送中の鋼管15の外面シーム部16に対し、複数の溶接トーチ3aを適度に接近させて、外面シーム部16にアークを発生させる。また、アーク溶接機3は、上述した搬送コンベア2の作用により、鋼管15の長手方向に沿って外面シーム部16に対し相対的に複数の溶接トーチ3aを移動させつつ、この外面シーム部16全域をアーク溶接する。
溶接トーチ移動部4は、鋼管15の外面シーム部16の幅方向に溶接トーチ3aを移動させて、外面シーム部16と溶接トーチ3aとの相対位置関係を調整する。具体的には、図2に示すように、溶接トーチ移動部4は、駆動軸を介してアーク溶接機3と接続される。溶接トーチ移動部4は、この駆動軸をその突没方向(図2の両側太線矢印参照)に移動させることにより、アーク溶接機3を鋼管15の外面シーム部16の幅方向に移動させる。溶接トーチ移動部4は、このアーク溶接機3の移動を通して、アーク溶接機3の各溶接トーチ3aを外面シーム部16の幅方向に移動させる。これにより、溶接トーチ移動部4は、各溶接トーチ3aの位置と外面シーム部16の中心位置との相対関係を一定に維持する。
形状検出部5は、外面シーム部16を含む鋼管15の外周面の断面形状を光学的に検出するものである。具体的には、図1に示すように、形状検出部5は、鋼管15の外周面に対して投光する投光部5aと、投光された鋼管15の外周面からの反射光を撮像する撮像部5bとを有する。図3は、形状検出部による鋼管の外周断面形状の光学的な検出を説明する図である。
投光部5aは、半導体レーザ素子等の光出力装置を用いて構成され、鋼管15の外周面に対して、レーザ光等の所定の波長帯域の光を照射する。この際、投光部5aは、図3に示すように、扇状の光等の所定の投光範囲をもつ光を、所定の方向(例えば鋼管15の外周面に対して垂直な方向)から鋼管15の外周面18に照射する。この投光部5aによって投光される鋼管15の外周面18には、互いに突き合わせて外面シーム部16を形成する鋼管素材の一端部および他端部、具体的には図3に示す鋼材端部13,14が含まれる。鋼材端部13,14は、管状に成形される前の鋼管素材である鋼板の板幅方向両側の各端部であって、所定の開先形状(本実施の形態においては二段開先形状)に加工されている。これら鋼材端部13,14同士を突き合わせることにより、図3に示すような鋼管15の外面シーム部16および開先部17が形成される。なお、この外面シーム部16には仮付け溶接が既に施されているため、図3に示すように、仮付け溶接ビード19が、外面シーム部16に沿って形成されている。
撮像部5bは、固体撮像素子等を用いて構成され、図1,3に示すように、投光部5aの光軸に対して傾斜する方向に受光領域を有するように配置される。撮像部5bは、投光部5aによって投光された鋼管15の外周面18からの反射光を受光し、受光した反射光に対して光電変換処理等の所定の処理を行う。これにより、撮像部5bは、投光部5aによって鋼管15の外周面18に形成された光の帯、すなわち、鋼管15の外周断面形状21を撮像する。この外周断面形状21には、図3に示すように、鋼管15の外周面18に連続する鋼材端部13,14の各断面形状と、鋼材端部13,14同士を突き合わせて形成される外面シーム部16および開先部17の各断面形状とが含まれる。ここで、外面シーム部16は、通常、シームエッジ部13a,14aと、開先端面13c,14cと、仮付け溶接ビード19とによって形成される。シームエッジ部13a,14aは、外面シーム部16の幅方向の両側エッジ部である。一方のシームエッジ部13aは、鋼材端部13において互いに隣接する開先端面13c,13dの境界をなす縁部(角部)である。他方のシームエッジ部14aは、鋼材端部14において互いに隣接する開先端面14c,14dの境界をなす縁部(角部)である。開先部17は、上述した外面シーム部16と、開先エッジ部13b,14bと、開先端面13d,14dとによって形成される。開先エッジ部13b,14bは、開先部17の幅方向の両側エッジ部である。一方の開先エッジ部13bは、鋼材端部13において互いに隣接する開先端面13dと外周面18との境界をなす縁部(角部)である。他方の開先エッジ部14bは、鋼材端部14において互いに隣接する開先端面14dと外周面18との境界をなす縁部(角部)である。
上述した投光部5aおよび撮像部5bを備えた形状検出部5は、互いに突き合わせて外面シーム部16および開先部17を形成する鋼材端部13,14を含む鋼管15の外周断面形状21を光学的に検出する。すなわち、形状検出部5は、上述した投光部5aおよび撮像部5bの各作用によって、鋼管15の外周断面形状21の画像を取得し、この取得した画像に所定の画像解析処理を行うことにより、図3に示す鋼材端部13,14、外面シーム部16、および開先部17の各外周面側の断面形状を検出する。また、形状検出部5は、図1,2に示すように、アーク溶接機3の鋼管入側端部に固定配置される。このように配置された形状検出部5は、鋼管15がアーク溶接機3の溶接トーチ3aに到達する前のタイミング、すなわち、アーク溶接機3によって外面シーム部16がアーク溶接される前のタイミングに、鋼管15の外周断面形状21を検出する。形状検出部5は、鋼管15の搬送(進行)に伴って連続的または断続的に外周断面形状21の検出処理を順次行い、その都度、検出した外周断面形状21を演算処理部7に送信する。
条件入力部6は、外面溶接対象の鋼管15の鋼材条件を入力するものである。具体的には、条件入力部6は、プロセスコンピュータ等、鋼管製造ライン(図示せず)の操業に必要なオーダ情報を鋼管毎に管理する装置を用いて実現される。条件入力部6は、鋼管15の鋼材条件および製品仕様等を示すオーダ情報を演算処理部7に入力する。これにより、条件入力部6は、鋼材条件として、鋼管15の材厚および開先形状の各条件を演算処理部7に入力する。なお、条件入力部6は、入力キーおよびマウス等の入力デバイスを用いて実現され、作業者による入力操作に応じて、鋼管15の材厚および開先形状の各条件を演算処理部7に入力してもよい。あるいは、条件入力部6は、プロセスコンピュータおよび入力デバイス等を適宜組み合わせたものでもよい。
演算処理部7は、アーク溶接機3によって鋼管15の外面シーム部16全域を精度よくアーク溶接するために必要な各種演算処理を行う。具体的には、演算処理部7は、鋼管15の外周方向に沿った一方の鋼材端部13の位置範囲に対応して、第1の演算処理範囲を設定する。且つ、演算処理部7は、鋼管15の外周方向に沿った他方の鋼材端部14の位置範囲に対応して、第2の演算処理範囲を設定する。ついで、演算処理部7は、設定した第1の演算処理範囲について、鋼管15の外周方向の位置変化に対する一方の鋼材端部13の断面形状の変位量を算出する。且つ、演算処理部7は、設定した第2の演算処理範囲について、鋼管15の外周方向の位置変化に対する他方の鋼材端部14の断面形状の変位量を算出する。その後、演算処理部7は、上述した第1の演算処理範囲について算出した一方の鋼材端部13の断面形状の変位量の中から所定閾値以下の変位量を導出する。演算処理部7は、この導出した変位量をもとに、外面シーム部16の幅方向の両側シームエッジ部13a,14aのうちの一方のシームエッジ部13aの位置を算出する。これに並行して、演算処理部7は、上述した第2の演算処理範囲について算出した他方の鋼材端部14の断面形状の変位量の中から所定閾値以下の変位量を導出する。演算処理部7は、この導出した変位量をもとに、これら両側シームエッジ部13a,14aのうちの他方のシームエッジ部14aの位置を算出する。演算処理部7は、上述したように外面シーム部16の両側シームエッジ部13a,14aの各位置を算出する都度、得られたシームエッジ部13a,14aの各位置情報を制御部8に送信する。
制御部8は、アーク溶接機3の溶接トーチ3aを鋼管15の外面シーム部16の中心位置に追従させる追従動作を制御するものである。具体的には、制御部8は、演算処理部7によって算出された外面シーム部16の両側シームエッジ部13a,14aの各位置情報を取得する。制御部8は、これらの各位置情報を演算処理部7から取得する都度、この一方のシームエッジ部13aの位置と他方のシームエッジ部14aの位置との間の中心位置を算出する。ついで、制御部8は、この算出した中心位置、すなわち、外面シーム部16の中心位置に各溶接トーチ3aを追従させるように、溶接トーチ移動部4を制御する。制御部8は、この溶接トーチ移動部4の制御を通して、外面シーム部16の中心位置への各溶接トーチ3aの追従動作を制御する。
(溶接方法)
つぎに、本発明の実施の形態にかかる溶接方法について説明する。図4は、本発明の実施の形態にかかる溶接方法の一例を示すフローチャートである。図5は、本実施の形態におけるシームエッジ部の位置算出に必要な演算処理範囲の設定と外周断面形状の変位量の算出とを説明する図である。図6は、本実施の形態におけるシームエッジ部の位置算出の演算処理を説明する図である。本実施の形態にかかる溶接装置1(図1,2参照)は、図4に示すステップS101〜S108の各処理を適宜繰り返し行うことにより、鋼管15の外面シーム部16の中心位置にアーク溶接機3の各溶接トーチ3aを追従させつつ、この外面シーム部16全域を溶接する。
すなわち、本実施の形態にかかる溶接方法において、溶接装置1は、図4に示すように、まず、外面溶接対象である鋼管15の鋼材条件を取得する(ステップS101)。ステップS101において、溶接装置1の演算処理部7には、条件入力部6によって鋼管15のオーダ情報が入力される。演算処理部7は、条件入力部6からのオーダ情報に含まれる鋼管15の鋼材条件を取得し、この取得した鋼材条件に基づく鋼管15の材厚および開先形状を認識する。
ついで、溶接装置1は、互いに突き合わせて鋼管15の外面シーム部16を形成する鋼材端部13,14を含む鋼管15の外周断面形状21を光学的に検出する(ステップS102)。ステップS102において、形状検出部5は、投光部5aによって鋼管15の外周面に形成した光の帯を撮像部5bによって撮像し、得られた画像を処理することにより、鋼管15の外周断面形状21を検出する。この検出した外周断面形状21には、図3に示したように、鋼材端部13,14と、鋼材端部13,14同士を突き合わせて形成される外面シーム部16および開先部17とが含まれる。
続いて、溶接装置1は、検出した外周断面形状21をもとに、外面シーム部16のシームエッジ部13a,14aの位置算出に必要な演算処理を行う範囲を設定する(ステップS103)。ステップS103において、演算処理部7は、上述したステップS101に示したように条件入力部6から取得した鋼管15の材厚および開先形状をもとに、図5に示すように、鋼管15の外周方向に沿った一方の鋼材端部13の位置範囲X1〜X4と他方の鋼材端部14の位置範囲X5〜X8とを設定する。なお、演算処理部7は、鋼管15の材厚の増加および開先形状の複雑化のうち少なくとも一方に伴い、鋼材端部13,14の位置範囲を拡大する。ついで、演算処理部7は、鋼管15の外周方向の位置Xの全範囲のうち、鋼材端部13の位置範囲X1〜X4に対応して第1の演算処理範囲R1を設定し、且つ、鋼材端部14の位置範囲X5〜X8に対応して第2の演算処理範囲R2を設定する。この際、演算処理部7は、図5に示すように、外面シーム部16に形成された仮付け溶接ビード19の位置を挟んで互いに離間するように、第1の演算処理範囲R1および第2の演算処理範囲R2を設定する。
ここで、第1の演算処理範囲R1は、形状検出部5によって検出された鋼管15の外周断面形状21の全域の中から、鋼材端部13の各エッジ部、すなわち、外面シーム部16の一方のシームエッジ部13aと開先部17の一方の開先エッジ部13bとに関する演算処理が行われるように制限した範囲である。このような第1の演算処理範囲R1には、図5に示すように、シームエッジ部13aと開先エッジ部13bとが含まれる。一方、第2の演算処理範囲R2は、外周断面形状21の全域の中から、鋼材端部14の各エッジ部、すなわち、外面シーム部16の他方のシームエッジ部14aと開先部17の他方の開先エッジ部14bとに関する演算処理が行われるように制限した範囲である。このような第2の演算処理範囲R2には、図5に示すように、シームエッジ部14aと開先エッジ部14bとが含まれる。
上述したステップS103を実行後、溶接装置1は、ステップS102において検出した鋼管15の外周断面形状21の変位量を演算処理範囲毎に算出する(ステップS104)。ステップS104において、演算処理部7は、設定した第1の演算処理範囲R1について、鋼管15の外周方向の位置変化に対する鋼材端部13の断面形状の変位量を算出する。且つ、演算処理部7は、設定した第2の演算処理範囲R2について、鋼管15の外周方向の位置変化に対する鋼材端部14の断面形状の変位量を算出する。この際、演算処理部7は、鋼管15の外周方向の位置と鋼材端部13の断面形状の位置との相関を示す関数を導出し、この関数を微分解析処理することにより、上記鋼材端部13の断面形状の変位量Yを算出する。また、演算処理部7は、鋼管15の外周方向の位置と鋼材端部14の断面形状の位置との相関を示す関数を導出し、この関数を微分解析処理することにより、上記鋼材端部14の断面形状の変位量Yを算出する。以上の結果、演算処理部7は、図5の相関線Laに示されるように、第1の演算処理範囲R1内に鋼材端部13の断面形状における各変曲点の変位量YのピークP1,P2,P3を取得し、且つ、第2の演算処理範囲R2内に鋼材端部14の断面形状における各変曲点の変位量YのピークP4,P5,P6を取得する。
ここで、第1の演算処理範囲R1および第2の演算処理範囲R2は、上述したように、鋼管15の材厚および開先形状に基づく鋼材端部13,14の各位置範囲に対応して各々設定される。これにより、第1の演算処理範囲R1および第2の演算処理範囲R2は、鋼材端部13,14の各エッジ部の位置を算出する範囲として必要最小限に絞り込まれる。
したがって、たとえ鋼管15の外周面にスパッタ27が予期せず発生した場合であっても、演算処理部7は、第1の演算処理範囲R1および第2の演算処理範囲R2から、スパッタ27に対応する変位量YのピークP7を除外することができる。この結果、演算処理部7は、鋼材端部13,14の各エッジ部以外の不要な変曲点の変位量ピーク(すなわち外乱)を可能な限り減らすことができる。
上述したステップS104を実行後、溶接装置1は、第1の演算処理範囲R1および第2の演算処理範囲R2の各々について算出した鋼材端部13,14の各断面形状の変位量をもとに、外面シーム部16の幅方向の両側シームエッジ部13a,14aの各位置を算出する(ステップS105)。ステップS105において、演算処理部7は、第1の演算処理範囲R1について算出した鋼材端部13の断面形状の変位量のうち、所定閾値以下の変位量を導出し、この導出した変位量をもとに、両側シームエッジ部13a,14aのうちの一方のシームエッジ部13aの位置を算出する。且つ、演算処理部7は、第2の演算処理範囲R2について算出した鋼材端部14の断面形状の変位量のうち、所定閾値以下の変位量を導出し、この導出した変位量をもとに、両側シームエッジ部13a,14aのうちの他方のシームエッジ部14aの位置を算出する。
具体的には、図6に示すように、演算処理部7は、第1の演算処理範囲R1内の断面形状の変位量と第2の演算処理範囲R2内の断面形状の変位量とに対して、閾値Ythを設定する。ここで、閾値Ythは、多種多様な開先形状の鋼材端部の各エッジ部の変位量ピーク以上であり、且つ、スパッタ発生部分または仮付け溶接ビード部分等、上記各エッジ部以外の変位量ピーク未満となる値である。このような閾値Ythは、鋼管製造の過去実績データ、シミュレーションデータまたは実験データ等に基づいて導出され、演算処理部7に予めプログラム設定される。
ついで、演算処理部7は、第1の演算処理範囲R1について算出した鋼材端部13の断面形状の変位量Yと、予め設定した閾値Ythとを比較する。この比較処理の結果に基づき、演算処理部7は、第1の演算処理範囲R1内の変位量YのピークP1,P2,P3の中から、閾値Yth以下となる変位量YのピークP1,P2をシームエッジ部13aの変位量候補として選択する。演算処理部7は、選択した変位量候補の中から、鋼管15の開先形状に基づいてシームエッジ部13aの変位量ピークを決定する。例えば、鋼管15の開先形状が二段開先形状である場合、演算処理部7は、変位量候補であるピークP1,P2のうち、第1の演算処理範囲R1の仮付け溶接ビード19と反対側(図6に向かって左側)から起算して2番目のピークP2をシームエッジ部13aの変位量ピークとする。演算処理部7は、このように決定した変位量ピーク(ピークP2)をなすシームエッジ部13aの位置X3の位置座標を算出する。
これに並行して、演算処理部7は、第2の演算処理範囲R2について算出した鋼材端部14の断面形状の変位量Yと、予め設定した閾値Ythとを比較する。この比較処理の結果に基づき、演算処理部7は、第2の演算処理範囲R2内の変位量YのピークP4,P5,P6の中から、閾値Yth以下となる変位量YのピークP5,P6をシームエッジ部14aの変位量候補として選択する。演算処理部7は、選択した変位量候補の中から、鋼管15の開先形状に基づいてシームエッジ部14aの変位量ピークを決定する。例えば、鋼管15の開先形状が二段開先形状である場合、演算処理部7は、変位量候補であるピークP5,P6のうち、第2の演算処理範囲R2の仮付け溶接ビード19と反対側(図6に向かって右側)から起算して2番目のピークP5をシームエッジ部14aの変位量ピークとする。演算処理部7は、このように決定した変位量ピーク(ピークP5)をなすシームエッジ部14aの位置X6の位置座標を算出する。
一方、鋼管15の開先形状がn段開先形状(nは2以上の整数)である場合、演算処理部7は、選択した変位量候補のうち、第1の演算処理範囲R1の仮付け溶接ビード19と反対側から起算してn番目のピークをシームエッジ部13aの変位量ピークとする。このことは、第2の演算処理範囲R2についても同様である。
上述したステップS105を実行後、溶接装置1は、算出した一方のシームエッジ部13aの位置と他方のシームエッジ部14aの位置との間の中心位置にアーク溶接機3の各溶接トーチ3aを移動させて、外面シーム部16の中心位置に各溶接トーチ3aを追従させる(ステップS106)。ステップS106において、制御部8は、上述したように演算処理部7が算出したシームエッジ部13aの位置座標とシームエッジ部14aの位置座標とを取得する。ついで、制御部8は、取得した各位置座標をもとに、シームエッジ部13aの位置X3とシームエッジ部14aの位置X6との間の中心位置Xc、すなわち、外面シーム部16の中心位置を算出する。その後、制御部8は、この算出した外面シーム部16の中心位置に各溶接トーチ3aが追従するように溶接トーチ移動部4を制御する。溶接トーチ移動部4は、制御部8の制御に基づいてアーク溶接機3を外面シーム部16の幅方向に移動させ、これにより、各溶接トーチ3aを、外面シーム部16の幅方向に移動させて外面シーム部16の中心位置に追従させる。
つぎに、溶接装置1は、鋼管15の長手方向に沿って外面シーム部16に対し相対的に各溶接トーチ3aを移動させつつ、外面シーム部16を溶接する(ステップS107)。ステップS107において、溶接トーチ移動部4は、制御部8の制御に基づいて駆動し、これにより、外面シーム部16の中心位置に各溶接トーチ3aを追従させた状態を維持する。アーク溶接機3は、このような追従状態の各溶接トーチ3aを外面シーム部16に適度に接近させて外面シーム部16にアークを発生させつつ、鋼管15の長手方向に沿って外面シーム部16をアーク溶接する。
その後、溶接装置1は、鋼管15の外面シーム部16の溶接が完了していない場合(ステップS108,No)、上述したステップS102に戻り、このステップS102以降の処理を繰り返す。一方、溶接装置1は、外面シーム部16の全域を溶接完了した場合(ステップS108,Yes)、本処理を終了する。すなわち、溶接装置1は、鋼管15の長手方向の全域に亘って外面シーム部16を溶接し終えるまで、上述したステップS102〜S108の各処理を繰り返し行う。また、溶接装置1は、新規の鋼管15を受け入れる都度、この鋼管15に対して上述したステップS101〜S108の各処理を適宜繰り返し行う。
以上、説明したように、本発明の実施の形態では、外面シーム部を形成する各鋼材端部を含む鋼管の外周断面形状を光学的に検出し、鋼管の外周方向に沿った各鋼材端部の位置範囲に各々対応する第1および第2の演算処理範囲を設定し、鋼管の外周方向の位置変化に対する各鋼材端部の断面形状の変位量を第1および第2の演算処理範囲について各々算出し、第1および第2の演算処理範囲について各々算出した各鋼材端部の断面形状の変位量のうちの所定閾値以下の変位量をもとに、外面シーム部の幅方向の両側シームエッジ部の各位置を算出し、算出した両側シームエッジ部の各位置間の中心位置に溶接トーチを追従させ且つ鋼管の長手方向に沿って外面シーム部に対し相対的に溶接トーチを移動させながら、外面シーム部を溶接している。
このため、不連続な仮付け溶接ビードまたはスパッタ等の予期せぬ外的要因を可能な限り除外した範囲に絞り込んだ演算処理範囲について、鋼管の外周方向の位置変化に対する複数エッジ部の断面形状の変位量を算出することができる。このように変位量を算出した複数のエッジ部の中から、外面シーム部の幅方向の両側シームエッジ部を検出して、これら両側シームエッジ部の位置を精度よく算出することができる。これにより、一段開先等の簡易な開先形状を有する鋼管は勿論、二段開先以上の複雑な開先形状を有する鋼管についても、予期せぬ外的要因に阻害されることなく、外面シーム部の幅方向の中心位置を精度よく算出し、この中心位置に溶接トーチを精度よく追従させることができる。この結果、鋼管の多種多様な外面シーム部の形状に対応して、鋼管の外面シーム部全域を精度よく溶接できるとともに外面シーム部の溶接品質の向上を促進することができる。
本発明にかかる溶接装置および溶接方法を鋼管製造ラインに適用することにより、たとえ鋼管の外面シーム部の仮付け溶接ビードが不連続または複雑な形状に形成された場合であっても、あるいは、鋼管の高強度厚肉および低温靭性仕様等の様々な製品要求に応じて開先形状が多種多様化した場合であっても、鋼管の全長に亘り、外面シーム部の幅方向の中心位置に溶接トーチを精度よく自動追従させつつ外面シーム部の全域を高品質に溶接することができる。これにより、鋼管の溶接補修作業および手動操作による溶接トーチの追従作業を省略できるとともに、鋼管の製造歩留まりを向上することができる。この結果、鋼管製造ラインにおける作業者の負担を軽減できるのみならず、多種多様な鋼管の溶接効率を向上でき、延いては、多種多様な鋼管の製造効率を大幅に向上することができる。
なお、上述した実施の形態では、アーク溶接機3の各溶接トーチ3aの位置を鋼管15の長手方向について固定(一定)とし、搬送コンベア2によって鋼管15をその長手方向に搬送していたが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明において、各溶接トーチ3aは、鋼管15の長手方向について、鋼管15の外面シーム部16に対し相対的に移動すればよい。この際、鋼管15の位置を固定し、アーク溶接機3が、各溶接トーチ3aとともに鋼管15の長手方向に沿って移動してもよい。あるいは、鋼管15およびアーク溶接機3の双方を鋼管15の長手方向に移動させ、これにより、鋼管15の長手方向に沿って外面シーム部16に対し相対的に各溶接トーチ3aを移動させてもよい。
また、上述した実施の形態では、アーク溶接機3に4つの溶接トーチ3aを設けていたが、本発明は、これに限定されるものではない。アーク溶接機3に設ける溶接トーチ3aの数は、特に4つに限定されず、1つでもよいし、複数でもよい。すなわち、本発明において、溶接トーチ3aの配置数は、特に問われない。
さらに、上述した実施の形態では、二段開先形状の鋼管15を溶接処理対象としていたが、本発明は、これに限定されるものではなく、複数段(例えば3段以上)の開先形状等、多種多様な開先形状の外面シーム部の溶接に適用することが可能である。
また、上述した実施の形態により本発明が限定されるものではなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上述した実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明に含まれる。
1 溶接装置
2 搬送コンベア
3 アーク溶接機
3a 溶接トーチ
4 溶接トーチ移動部
5 形状検出部
5a 投光部
5b 撮像部
6 条件入力部
7 演算処理部
8 制御部
13,14 鋼材端部
13a,14a シームエッジ部
13b,14b 開先エッジ部
13c,13d,14c,14d 開先端面
15 鋼管
16 外面シーム部
17 開先部
18 外周面
19 仮付け溶接ビード
21 外周断面形状
27 スパッタ
La 相関線
R1 第1の演算処理範囲
R2 第2の演算処理範囲

Claims (4)

  1. 鋼管の長手方向に沿って前記鋼管の外周面側のシーム部に対し相対的に溶接トーチを移動させつつ、前記シーム部を溶接する溶接機と、
    前記シーム部の幅方向に前記溶接トーチを移動させる溶接トーチ移動部と、
    互いに突き合わせて前記シーム部を形成する一端部および他端部を含む前記鋼管の外周面の断面形状を光学的に検出する形状検出部と、
    前記鋼管の外周方向に沿った前記一端部の位置範囲に対応する第1の演算処理範囲と前記鋼管の外周方向に沿った前記他端部の位置範囲に対応する第2の演算処理範囲とを、前記シーム部の仮付け溶接によって前記シーム部に形成された溶接ビードの位置を挟んで互いに離間するように設定し、前記外周方向の位置変化に対する前記一端部の断面形状の変位量および前記他端部の断面形状の変位量を前記第1の演算処理範囲および前記第2の演算処理範囲について各々算出し、前記第1の演算処理範囲について算出した前記一端部の断面形状の変位量のうちの所定閾値以下の変位量をもとに、前記シーム部の幅方向の両側シームエッジ部のうちの一方のシームエッジ部の位置を算出し、且つ、前記第2の演算処理範囲について算出した前記他端部の断面形状の変位量のうちの前記所定閾値以下の変位量をもとに、前記両側シームエッジ部のうちの他方のシームエッジ部の位置を算出する演算処理部と、
    算出された前記一方のシームエッジ部の位置と前記他方のシームエッジ部の位置との間の中心位置に前記溶接トーチを追従させるように前記溶接トーチ移動部を制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とする溶接装置。
  2. 前記演算処理部は、前記第1の演算処理範囲について算出した前記一端部の断面形状の変位量ピークの中から、前記所定閾値以下の変位量ピークを前記一方のシームエッジ部の変位量候補として選択し、選択した前記変位量候補の中から、前記鋼管の開先形状に基づいて前記一方のシームエッジ部の変位量ピークを決定し、決定した前記変位量ピークをなす前記一方のシームエッジ部の位置を算出し、且つ、前記第2の演算処理範囲について算出した前記他端部の断面形状の変位量ピークの中から、前記所定閾値以下の変位量ピークを前記他方のシームエッジ部の変位量候補として選択し、選択した前記変位量候補の中から、前記鋼管の開先形状に基づいて前記他方のシームエッジ部の変位量ピークを決定し、決定した前記変位量ピークをなす前記他方のシームエッジ部の位置を算出することを特徴とする請求項1に記載の溶接装置。
  3. 互いに突き合わせて鋼管の外周面側のシーム部を形成する一端部および他端部を含む前記鋼管の外周面の断面形状を光学的に検出する形状検出ステップと、
    前記鋼管の外周方向に沿った前記一端部の位置範囲に対応する第1の演算処理範囲と、前記鋼管の外周方向に沿った前記他端部の位置範囲に対応する第2の演算処理範囲とを、前記シーム部の仮付け溶接によって前記シーム部に形成された溶接ビードの位置を挟んで互いに離間するように設定する範囲設定ステップと、
    前記外周方向の位置変化に対する前記一端部の断面形状の変位量および前記他端部の断面形状の変位量を、前記第1の演算処理範囲および前記第2の演算処理範囲について各々算出する変位量算出ステップと、
    前記第1の演算処理範囲について算出した前記一端部の断面形状の変位量のうちの所定閾値以下の変位量をもとに、前記シーム部の幅方向の両側シームエッジ部のうちの一方のシームエッジ部の位置を算出し、且つ、前記第2の演算処理範囲について算出した前記他端部の断面形状の変位量のうちの前記所定閾値以下の変位量をもとに、前記両側シームエッジ部のうちの他方のシームエッジ部の位置を算出するエッジ位置算出ステップと、
    算出した前記一方のシームエッジ部の位置と前記他方のシームエッジ部の位置との間の中心位置に溶接トーチが追従するように、前記シーム部の幅方向に前記溶接トーチを移動させる溶接トーチ移動ステップと、
    前記鋼管の長手方向に沿って前記シーム部に対し相対的に前記溶接トーチを移動させつつ、前記シーム部を溶接する溶接ステップと、
    を含むことを特徴とする溶接方法。
  4. 前記エッジ位置算出ステップは、前記第1の演算処理範囲について算出した前記一端部の断面形状の変位量ピークの中から、前記所定閾値以下の変位量ピークを前記一方のシームエッジ部の変位量候補として選択し、選択した前記変位量候補の中から、前記鋼管の開先形状に基づいて前記一方のシームエッジ部の変位量ピークを決定し、決定した前記変位量ピークをなす前記一方のシームエッジ部の位置を算出し、且つ、前記第2の演算処理範囲について算出した前記他端部の断面形状の変位量ピークの中から、前記所定閾値以下の変位量ピークを前記他方のシームエッジ部の変位量候補として選択し、選択した前記変位量候補の中から、前記鋼管の開先形状に基づいて前記他方のシームエッジ部の変位量ピークを決定し、決定した前記変位量ピークをなす前記他方のシームエッジ部の位置を算出することを特徴とする請求項に記載の溶接方法。
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