JP6035109B2 - 被処理水の処理装置および被処理水の処理方法 - Google Patents

被処理水の処理装置および被処理水の処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、被処理水の処理装置等に係り、より詳しくは、例えば、過酸化物を含む被処理水を処理するための処理装置等に関する。
例えば、食品や飲料の製造工場においては、過酸化水素等の過酸化物を含む排水が生じることがある。そしてこの排水から過酸化物を除去するのに、内部に充填した活性炭に排水を通水させ、排水と活性炭とを接触させることで過酸化物を分解する水処理装置等を用いることがある。
特許文献1には、被処理水に含まれる過酸化水素を分解処理する装置であって、過酸化水素を含んだ被処理水が通水される分解塔と、分解塔内に配置された複数の通水孔を有する支持部材上に過酸化水素を水と酸素に分解する粒状の分解材が充填されて成る分解材層と、支持部材の通水孔を通じて被処理水が分解材層を上向き流れで通過するように、分解塔の底部側から被処理水を供給する供給装置と、分解塔内に配置された支持部材に支持され、分解材層の下面から上面を突出するまで延びると共に、分解層中に間隔をあけて配置された複数のガス抜き整流棒と、を備えたことを特徴とする過酸化水素分解装置が開示されている。
特許文献2には、粒状活性炭充填塔として前段塔及び後段塔の少なくとも二塔を設置し、上記水溶液を下降流で前段塔及び後段塔の順に直列に通液し、前段塔の処理水過酸化水素濃度が1mg/L前後となった時点で、前段塔を逆洗することにより、粒状活性炭層内の気泡を除去し、その後に再び前段塔及び後段塔の順に直列に通水する過酸化水素の除去方法が開示されている。
特許文献3には、H含有水を活性炭充填塔に通水した後、銀担持活性炭充填塔に通水する過酸化水素の分解方法が開示されている。
特許第4860008号公報 特開平7−171561号公報 特開平8−39054号公報
ここで、過酸化物を含む被処理水を活性炭で分解処理する際に、処理装置内部において被処理水を上向流通水させると、活性炭が被処理水により舞い上がり、被処理水の処理速度を上げられないことがある。一方、水処理装置内部において被処理水を下向流通水させると、活性炭により過酸化物が分解されることで発生する酸素等の気体成分が外部に排出されにくく、この気体成分が過酸化物の分解を阻害することがある。
本発明は、従来の技術が有する上記の問題点に鑑みてなされたものである。
即ち、本発明の目的は、被処理水の処理速度をより速くすることができるとともに、過酸化物が分解されることで発生する気体成分により被処理水の処理を阻害することが生じにくい被処理水の処理装置等を提供することである。
かくして本発明によれば、過酸化物を含むpHが3.5〜9である被処理水を処理するための被処理水の処理装置であって、活性炭を充填するための空間を内部に有する外殻部と、外殻部の内部の空間を上下方向で複数に仕切り、仕切られた複数の空間のそれぞれに活性炭を充填するための仕切り部と、仕切り部のうち最も上部に位置する仕切り部が設けられる箇所より下部に設けられ、過酸化物が活性炭により分解されることにより発生する気体成分の大部分を外殻部の外部に排出するための気体成分排出部と、仕切り部に設けられ、被処理水および気体成分を活性炭から分離して通過させる分離手段と、を備え、過酸化物を含む被処理水は、外殻部の上部から加圧導入されて下向流通水し、活性炭により過酸化物が分解された後に、外殻部の下部から処理水として排出されることを特徴とする被処理水の処理装置が提供される。
ここで、被処理水の処理を中断し、外殻部の下部から被処理水を導入して被処理水を上向流通水することで、気体成分を外殻部の上部から排出する逆洗処理をさらに行なうことが好ましい。
また処理水の処理を中断し、気体成分排出部から空気を導入して空気の泡により活性炭を撹拌するバブリング処理をさらに行なうことが好ましい。
さらに気体成分排出部には、気体成分排出部から被処理水の排出を制限する制限手段が接続されることが好ましい。
また被処理水は、有機物をさらに含んでいてもよい。
またさらに被処理水は、清涼飲料水の調合液を充填する容器を殺菌洗浄する際に排出される洗浄排水であることが好ましい。
また本発明によれば、活性炭を充填するための空間を内部に有する外殻部と、外殻部の内部の空間を上下に仕切ることで活性炭を外殻部の上下にそれぞれ充填するための仕切り部と、外殻部の仕切り部が設けられる箇所より上部に設けられ、過酸化物を含むpHが3.5〜9である被処理水を加圧導入するための導入部と、外殻部の仕切り部が設けられる箇所より下部に設けられ、過酸化物が活性炭により分解されることにより発生する気体成分の大部分を外殻部の外部に排出するための気体成分排出部と、外殻部の気体成分排出部が設けられる箇所より下部に設けられ、活性炭により処理された被処理水を処理水として排出するための排出部と、仕切り部に設けられ、被処理水および気体成分を活性炭から分離して通過させる分離手段と、を備えることを特徴とする被処理水の処理装置が提供される。
さらに本発明によれば、外殻部の内部の空間を上下方向に複数に仕切る仕切り部により形成される複数の空間のそれぞれに活性炭を充填し、外殻部の上部に設けられる導入部から過酸化物を含むpHが3.5〜9である被処理水を加圧導入して下向流通水し、仕切り部に設けられ、被処理水と過酸化物が活性炭により分解されることにより発生する気体成分とを活性炭から分離する分離手段を用いることで仕切り部を通過させつつ、被処理水を活性炭と順次反応させ、気体成分の大部分を、仕切り部のうち最も上部に位置する仕切り部が設けられる箇所より下部に設けられる気体成分排出部から外殻部の外部に排出し、活性炭により処理された被処理水を、外殻部の下部に設けられる排出部から処理水として排出することを特徴とする被処理水の処理方法が提供される。
またさらに本発明によれば、外殻部の内部を上下に仕切る仕切り部の上部に第1の活性炭を充填し、仕切り部の下部に第2の活性炭を充填し、外殻部の仕切り部が設けられる箇所より上部に設けられる導入部から過酸化物を含むpHが3.5〜9である被処理水を加圧導入し、導入された被処理水を第1の活性炭と反応させ、仕切り部に設けられ、第1の活性炭により処理された被処理水と過酸化物が第1の活性炭により分解されることにより発生する気体成分とを第1の活性炭から分離する分離手段を用いることで仕切り部を通過させ、分離手段を通過した被処理水を、第2の活性炭と反応させ、分離手段を通過した気体成分の大部分を、外殻部の仕切り部が設けられる箇所より下部に設けられる気体成分排出部から外殻部の外部に排出し、第2の活性炭により処理された被処理水を、外殻部の気体成分排出部より下部に設けられる排出部から処理水として排出することを特徴とする被処理水の処理方法が提供される。
本発明によれば、被処理水の処理速度をより速くすることができるとともに、過酸化物が分解されることで発生する気体成分により被処理水の処理を阻害することが生じにくい被処理水の処理装置等を提供することができる。
本実施の形態の水処理システムについて説明した図である。 本実施の形態の水処理装置について説明した図である。 仕切り部に設けられるストレーナについて説明した図である。 本実施の形態における被処理水を処理する手順について説明したフローチャートである。 実施例1および比較例1の結果について説明した図である。
以下、本発明を実施する形態について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、使用する図面は本実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
<水処理システムの説明>
図1は、本実施の形態の水処理システム1について説明した図である。
図示するように水処理システム1は、過酸化物を含む被処理水を処理するための水処理装置10と、被処理水を貯留する原水槽20と、水処理装置10により処理された後の被処理水である処理水を貯留する処理水槽30と、水処理装置10、原水槽20、および処理水槽30を相互に接続する配管40と、配管40に設けられるバルブ50と、被処理水や処理水を移送するためのポンプ60a、60bと、水処理装置10へ空気を吹き込むためのブロワ70と、処理水を加熱する熱交換器80とを備える。このうちバルブ50は、バルブ501〜バルブ512の12個からなる。またポンプ60aは、被処理水を原水槽20から水処理装置10へ移送し、ポンプ60bは、被処理水を処理水槽30から水処理装置10へ移送する。
詳しくは後述するが、原水槽20に貯留されている被処理水は、ポンプ60aにより水処理装置10に送られる。そして被処理水は、水処理装置10により処理され、過酸化物が除去された後に、処理水として処理水槽30に貯留される。また処理水槽に貯留される処理水は、熱交換器80を通してポンプ60bにより水処理装置10に送られ、水処理装置10の下部から導入されることで熱水を水処理装置10に送ることができる。さらにブロワ70により空気を水処理装置10に吹き込み、水処理装置10内でバブリング処理を行なうことができる。
<水処理装置の説明>
図2は、本実施の形態の水処理装置10について説明した図である。
図2に示す水処理装置10は、本実施の形態の被処理水の処理装置の一形態である。そして水処理装置10は、活性炭を充填するための空間を内部に有する外殻部11と、外殻部11の内部の空間を上下に仕切ることで活性炭を外殻部11の上下にそれぞれ充填するための仕切り部12と、外殻部11の仕切り部12が設けられる箇所より上部に設けられ、過酸化物を含むpHが3.5〜9である被処理水を加圧導入するための導入部13と、外殻部11の仕切り部12が設けられる箇所より下部に設けられ、過酸化物が活性炭により分解されることにより発生する気体成分の大部分を外殻部11の外部に排出するための気体成分排出部14と、外殻部11の気体成分排出部14が設けられる箇所より下部に設けられ、活性炭により処理された被処理水を処理水として排出するための排出部15とを備える。
なお図2では、水処理装置10を構成するものではないが、説明の便宜上、水処理装置10の内部に充填される活性炭として、第1の活性炭K1および第2の活性炭K2についても併せて図示している。
また図2では、図1に示したバルブ501〜507、512についても図示している。さらに図1で説明した配管40の一部として配管401〜410についても図示している。
外殻部11は、内部に活性炭を充填する空間を有し、この活性炭により被処理水中に含まれる過酸化物を分解するための反応槽(処理槽、処理塔)である。外殻部11は、材質として例えば、ステンレスなどからなるが、これに限られるものではなく、被処理水および過酸化物が活性炭により分解する際に生じる分解生成物と反応を生じにくいものであれば、特に限定されることはない。またこれらと反応が生じやすいものであっても、外殻部11の内面に、例えばゴムライニング等を施すことで使用が可能である。また外殻部11の形状としては特に限られるものではないが、本実施の形態では、例えば、略円筒形状としている。
仕切り部12は、板状の部材であり、これを外殻部11の内面と溶接等をすることで、外殻部11の内部に固定される。そして仕切り部12を設けることで、外殻部11内部の空間を上下に仕切っている。本実施の形態では、仕切り部12は、外殻部11の内部の上下方向中央部付近に配される。なお本実施の形態では、外殻部11は略円筒形状であるため、仕切り部12は、略円形形状をなす板状の部材となる。
そして仕切り部12により外殻部11の内部に充填される活性炭は、この仕切り部12上に仕切り部12と直接接して充填される第1の活性炭K1と、仕切り部12の下部に充填され、外殻部11の底面部に接して配される第2の活性炭K2とに分けられる。そして第2の活性炭K2は、仕切り部12と接する高さまでは、充填されず、第2の活性炭K2と仕切り部12とは接触しないように充填される。これにより第2の活性炭K2の上面と仕切り部12との間には、活性炭が充填されない領域Rが生じる。
また仕切り部12には、上下に貫通する円形形状の穴部12a(詳しくは後述する図3参照)が複数設けられる。そしてこの穴部12aには、被処理水および気体成分を第1の活性炭K1から分離して通過させる分離手段としてのストレーナが配されている。
図3は、仕切り部12に設けられるストレーナについて説明した図である。
図示するようにストレーナ16は、仕切り部12の上部側に設けられる頭部16aと、仕切り部12の下部側に設けられる頭部16bと、頭部16aと頭部16bとを連結する連結部16cとを備える。連結部16cは、仕切り部12に設けられた穴部12aにはめ込まれている。
頭部16aには、被処理水および気体成分を活性炭から分離するためのスリット161aが複数設けられている。そして161aは、固体である活性炭が通過できる幅より狭く作成される。そのため活性炭はスリット161aを通過できないが、液体である被処理水および気体である気体成分は、スリット161aを通過できる。そしてこれにより被処理水および気体成分を活性炭から分離することができる。なお頭部16bについても頭部16aと同様の構造を有し、スリット161bを有する。
そしてストレーナ16の頭部16a、16b、および連結部16cは、内部に中空部を有し、この中空部は、互いにつながっている。即ち、頭部16aのスリット161aを通過した被処理水は、頭部16aの内部の中空部に侵入し、それから連結部16c内部および頭部16b内部の中空部を順に通過して頭部16bに設けられたスリット161bから排出される。これにより被処理水および気体成分は、仕切り部12の上部から下部へ通過することができ、被処理水および気体成分を活性炭から分離して通過させる処理を連続的に行なうことができる。
図2に戻り、導入部13は、外殻部11の上面部に設けられ、被処理水を導入するための導入口である。導入部13には、配管401、402、403、404、405およびバルブ501、504、506、512が接続されている。そしてバルブ501が「開」、バルブ504が「閉」の状態で、原水槽20(図1参照)に貯留された被処理水がポンプ60a(図1参照)により搬送され、配管401、402および導入部13を通して外殻部11内に導入される。
気体成分排出部14は、外殻部11の上下方向中央部付近に設けられ、被処理水中の過酸化物が活性炭と反応することで生成される酸素等の気体成分を外殻部11の外部に排出するためのものである。気体成分排出部14には配管406およびバルブ507が接続されている。詳しくは後述するが、被処理水を処理する際に気体成分が仕切り部12付近に溜まると、バルブ507を「閉」から「開」の状態とする。これにより気体成分は、配管406を通して外殻部11の外部に排出される。
排出部15は、外殻部11の底面部に設けられ、活性炭により処理を行なった後の被処理水を処理水として排出するための排出口である。排出部15には、配管407、408、409、410およびバルブ502、503、505が接続されている。そしてバルブ503、505が「閉」、バルブ502が「開」の状態で、処理水は、排出部15および配管408、409を通して外殻部11外に排出される。
<被処理水の説明>
本実施の形態の被処理水は、例えば、食品や飲料の製造工場で発生する排水である。食品や飲料の製造工場においては、容器を殺菌洗浄するために過酸化水素を用いることがある。この場合、洗浄後の排水に過酸化水素が含まれることになる。本実施の形態で処理を行なう被処理水は、例えば、このような場合に排出される排水であり、清涼飲料水の調合液を充填する容器を殺菌洗浄する際に排出される洗浄排水である。この洗浄排水の過酸化水素の濃度は、例えば10ppm〜1000ppmである。さらにこの洗浄排水のpHは、3.5〜9である。またこのとき排水には、飲料などが含まれることがあり、この場合、排水に油脂等の有機物が含まれることになる。
なお本実施の形態の水処理装置10で処理する被処理水に含まれる過酸化物としては、過酸化水素に限られるものではなく、例えば、過酢酸等であってもよい。また被処理水としては、飲料や食品の製造工場で発生する排水に限られるものではなく、例えば半導体製造工場で発生する排水であってもよい。この場合、過酸化物として過酸化水素を半導体の洗浄を行なうために使用するため、洗浄後の排水に過酸化水素が含まれることになる。
<活性炭の説明>
本実施の形態で使用する活性炭としては、過酸化物を分解できる機能を有するものであれば、特に限定されることはない。ただし本実施の形態では、仕切り部12の上部に配される第1の活性炭K1により被処理水中に含まれる過酸化物を分解し、次に被処理水中に残存する過酸化物を、仕切り部12の下部に配される第2の活性炭K2により分解する。これにより排出部15から排出された被処理水に含まれる過酸化物は、非常に微量となる。
つまり第1の活性炭K1に要求される機能としては、まず過酸化物を粗処理する機能である。また過酸化物をより多く分解するため、過酸化物が分解されることで発生する酸素等の気体成分の泡がより多く発生する。そのためこの泡により第1の活性炭同士が擦れ、摩耗が生じやすい。よって第1の活性炭K1は、より摩耗に強い硬いものであることが好ましい。また過酸化物をより多く分解することで、その活性は、時間とともにより低くなりやすい。さらに被処理水に有機物が含まれる場合には、この有機物は第1の活性炭K1に吸着することで除去される。そのためこの場合、その活性は、さらに低くなりやすい。よって第1の活性炭K1は、交換する頻度が第2の活性炭K2に対してより多くなる。よって第1の活性炭K1は、より安価なものが好ましい。
以上のような条件を満たす第1の活性炭K1としては、例えば、カルゴンカーボンジャパン株式会社製のダイアソーブ(DIASORB)(登録商標)等が挙げられる。
一方、第2の活性炭K2に要求される機能としては、まず過酸化物を精密処理する機能である。また被処理水に有機物が含まれる場合には、水処理装置10から排出される被処理水に含まれる有機物がより少なくなるように、保安用として有機物除去能力があることが好ましい。
以上のような条件を満たす第2の活性炭K2としては、例えば、カルゴンカーボンジャパン株式会社製のセンタウ(CENTAUR)等が挙げられる。
<被処理水を処理する手順の説明>
図4は、本実施の形態における被処理水を処理する手順について説明したフローチャートである。
以下、図1、図2、図4を使用して被処理水を処理する手順について説明を行なう。
まず外殻部11の内部を上下に仕切る仕切り部12の下部に第2の活性炭K2を充填する(ステップ101)。さらに仕切り部12の上部に第1の活性炭K1を充填する(ステップ102)。
次にバルブ501、502を「開」、他のバルブを「閉」の状態で、ポンプ60aを動作させ、原水槽20から被処理水を水処理装置10に導入する。このとき被処理水は、配管401および配管402を介して、外殻部11の上部に配される導入部13から導入される(ステップ103)。またこのとき被処理水は、ポンプ60aにより加圧されて水処理装置10内に導入される。これは、外殻部11の仕切り部12が設けられる箇所より上部に設けられる導入部13から過酸化物を含むpHが3.5〜9である被処理水を加圧導入すると言い換えることもできる。
そして導入された被処理水を第1の活性炭K1と反応させる(ステップ104)。これにより被処理水に含まれる過酸化物が第1の活性炭K1により分解され、過酸化物は粗処理される。また被処理水に有機物が含まれる場合は、有機物は、第1の活性炭K1に吸着される。
第1の活性炭K1により処理された被処理水は、仕切り部12に設けられたストレーナ16により第1の活性炭K1から分離され、仕切り部12の上部から下部に移動する。またこのとき過酸化物が第1の活性炭K1により分解されることにより発生する酸素等の気体成分は、同様にストレーナ16により第1の活性炭K1から分離され、仕切り部12の上部から下部に移動する。これは仕切り部12に設けられ、第1の活性炭K1により処理された被処理水と過酸化物が第1の活性炭K1により分解されることにより発生する気体成分とを第1の活性炭K1から分離するストレーナ16を用いることで仕切り部12を通過させる、と言い換えることもできる(ステップ105)。
気体成分は、ストレーナ16を通過すると、第2の活性炭K2の上面と仕切り部12との間の領域Rに溜まり出す。そしてこの気体成分が十分に溜まるとバルブ507を「閉」から「開」にする。これにより気体成分は、気体成分排出部14から配管406とバルブ507を通して外殻部11の外部に排出される。これは、ストレーナ16を通過した気体成分の大部分を、外殻部11の仕切り部12が設けられる箇所より下部に設けられる気体成分排出部14から外殻部11の外部に排出する、と言い換えることもできる(ステップ106)。
またストレーナ16を通過した被処理水は、第2の活性炭K2と反応させる(ステップ107)。これにより第1の活性炭K1で分解しきれずに残存した過酸化物が第2の活性炭K2により分解され、過酸化物は精密処理される。また被処理水に有機物が残存する場合は、この残存した有機物は、第2の活性炭K2に吸着される。なお第2の活性炭K2により処理される過酸化物は、少量のものとなる。そのため過酸化物の分解により生ずる気体成分は、少量であるため、この気体成分を別途抜き出す気体成分排出部は特に設けなくてよい。
なおこのとき気体成分排出部14から気体成分のみを抜き出すことは、困難であり、被処理水についても気体成分排出部14から少量排出される。そのため配管406に別途ボール弁、エアトラップ弁などを取り付け、被処理水の排出を抑制することが好ましい。この場合、ボール弁、エアトラップ弁は、気体成分排出部14に接続され、気体成分排出部14から被処理水の排出を制限する制限手段として捉えることができる。またバルブ508、509(図1参照)を「閉」として、気体成分排出部14から排出された気体成分および被処理水を原水槽20に戻すことが好ましい。これにより気体成分排出部14から排出された被処理水は、再び水処理装置10により処理される。
また気体成分は、全てがストレーナ16を通るわけではなく、外殻部11の上部にも移動してそこで滞留する。そのため予め定められた時間毎に、バルブ512を「開」として、配管405を通して気体成分を抜く作業を行なうことが好ましい。
一方、第2の活性炭K2により処理された被処理水は、排出部15から外殻部11の外部に処理水として排出される。本実施の形態では、バルブ503、505を「閉」、バルブ502を、「開」の状態とすることで、処理水は、配管408および配管409を通して、処理水槽30に移送される。またこれは、第2の活性炭K2により処理された被処理水を、外殻部11の気体成分排出部14より下部に設けられる排出部15から処理水として排出する、と言い換えることもできる(ステップ108)。
ここで本実施の形態の水処理装置10では、予め定められた時間間隔で、逆洗処理を行なうことが好ましい。この逆洗処理の詳しい内容については、後述するが、本実施の形態では、この逆洗処理を行なう時間が経過したか否かを判断する(ステップ109)。そしてその時間が経過していた場合(ステップ109でYes)、逆洗処理を行い(ステップ110)、そしてステップ103に戻る。一方、逆洗処理を行なう時間が経過していなかった場合(ステップ109でNo)、逆洗処理を行なわず、次のステップに進む。
また本実施の形態の水処理装置10では、予め定められた時間間隔で、バブリング処理を行なうことが好ましい。このバブリング処理の詳しい内容については、後述するが、本実施の形態では、このバブリング処理を行なうか否かを判断する(ステップ111)。具体的には、水処理装置10による圧力損失が、予め定められた値以上あった場合にバブリング処理を行なうことを決定する。そしてバブリング処理を行なうことを決定した場合(ステップ111でYes)、バブリング処理を行い(ステップ112)、そしてステップ103に戻る。一方、バブリング処理を行なわないことを決定した場合(ステップ111でNo)、バブリング処理を行なわず、次のステップに進む。
そして被処理水の処理が終了したか否かを判断する(ステップ113)。そして被処理水の処理が終了した場合(ステップ113でYes)、処理を終了する。また被処理水の処理がまだ終了していない場合(ステップ113でNo)、ステップ103に戻り、さらに被処理水の処理を継続する。
なお被処理水の処理が終了した後、第1の活性炭K1や第2の活性炭K2を交換してもよい。このとき例えば、バルブ505を「閉」から「開」として、配管410を通して外殻部11内部の被処理水を抜いてから作業を行なう。
<逆洗処理の説明>
次にステップ110で行なう逆洗処理について説明を行なう。
ステップ106において説明したように第2の活性炭K2により処理される過酸化物は、第1の活性炭K1に比べ少量であり、そのため過酸化物の分解により生ずる気体成分は、より少量となる。ただし長時間被処理水を処理すると、気体成分が第2の活性炭K2層中に溜まり、そのため過酸化物の分解性能が低下することがある。
よって本実施の形態では、予め定められた時間毎に被処理水の処理を中断し、第2の活性炭K2層中に溜まった気体成分を抜く作業を行なうことが好ましい。具体的には、被処理水の処理を行なう場合とは逆に、外殻部11の下部から被処理水を導入し、この被処理水を上向流通水することで、気体成分を外殻部11の上部から排出するいわゆる逆洗処理を行なう。これにより第2の活性炭K2層中から気体成分を抜くことができる。
実際に逆洗処理を行なう手順としては、図1および図2においてバルブ501、502、505、506、507、508、509、511、512を「閉」、バルブ503、504、510を「開」とする。この状態で図1におけるポンプ60aを作動させ、原水槽20から被処理水を配管407および配管408を通して水処理装置10に送り込み、外殻部11の排出部15から被処理水を注入する。注入された被処理水は、外殻部11の内部を上向流通水し、仕切り部12に設けられたストレーナ16を通過した後、外殻部11の導入部13から排出される。さらに配管402および配管403を通して外部に排出される。
またこのとき第2の活性炭K2層中に溜まった気体成分は、処理水とともに上向きに移動する。そして処理水と同様に仕切り部12に設けられたストレーナ16を通過した後、外殻部11の導入部13から排出される。
なお逆洗処理を行なった後の処理水には、過酸化物が多く含まれる。そのためバルブ504を「閉」、バルブ506を「開」として、配管404を通して逆洗処理後の処理水を原水槽20に戻してもよい。
またなお逆洗処理として、ポンプ60bおよび熱交換器80を作動させ、バルブ510、511を「閉」として、処理水を熱水として水処理装置10に送り込んでもよい。これにより外殻部11内部の殺菌を行なうことができる。これにより外殻部11内部に細菌が繁殖することにより生ずるスライムの発生を抑制することができる。
<バブリング処理の説明>
被処理水に有機物が含まれる場合、この有機物は、主に第1の活性炭K1に吸着する。そしてこの場合、有機物が第1の活性炭K1を覆うことになり、被処理水との接触面積が減少する。そのため特に有機物が被処理水に含まれる場合、長時間被処理水を処理すると、過酸化物の分解性能が低下することがある。これは主に第1の活性炭K1で生じる現象である。そのため本実施の形態では、予め定められた時間毎に被処理水の処理を中断し、第1の活性炭K1表面に吸着した有機物等を除去する処理を行なうことが好ましい。具体的には、気体成分排出部14から空気を導入してこの空気の泡により活性炭を撹拌するバブリング処理を行なう。そしてこのバブリング処理により第1の活性炭K1同士がこすれ合うことで、第1の活性炭K1表面の有機物を除去することができる。
実際にバブリング処理を行なう手順としては、図1および図2においてバルブ501、502、503、505、506、507、509、510、511、512を「閉」、バルブ504、508を「開」とする。この状態でまずバルブ509をいったん「開」とし、外殻部11内部の被処理水を少量抜き、外殻部11の上部に空気を少量入れる。そしてバルブ509を再び「閉」として、次に図1におけるブロワ70を作動させる。これにより配管406を通して空気を水処理装置10に送り込み、外殻部11の気体成分排出部14から空気を注入する。注入された空気は、外殻部11の内部で泡となる。そしてこの泡は、上向きに移動し、仕切り部12に設けられたストレーナ16を通過した後、外殻部11の導入部13から排出される。さらに配管402および配管403を通して外部に排出される。これにより第1の活性炭K1に対し、空気の泡によるバブリング処理を行なうことができる。
<水処理装置10の特徴についての説明>
以上説明したように本実施の形態の水処理装置10では、被処理水を外殻部11の上部から導入して下部から排出する。即ち、被処理水は、下向流通水される。
一方、被処理水中に含まれる過酸化物を活性炭で分解処理する水処理装置においては、被処理水を外殻部の下部から導入して上部から排出する上向流通水で行なう場合が、より一般的である。これは、過酸化物が分解される際に発生する酸素等の気体成分を排気するために都合がよい方法である。つまり下向流通水の場合、気体成分の排気が、より困難となり、外殻部内部に滞留しやすい。そのため気体成分が、予め定められた量以上滞留した場合には、被処理水の処理を止め、この気体成分を外殻部の内部から抜く作業が必要となる。具体的には、被処理水の処理を行なう場合とは逆に、外殻部の下部から上部に通水するいわゆる逆洗処理を行なうことで気体成分を上部から抜くことができる。対して上向流通水の場合は、気体成分は、被処理水の通水方向に従いともに上昇し、被処理水とともに外殻部の上部から排出される。
しかしながら上向流通水の場合は、気体成分による気泡のため活性炭が舞い上がり、活性炭が流動しやすい。そして気体成分が溜まると滞留した部分を被処理水が避けて流通し、そのため活性炭層中に、被処理水が選択的に流れる流路が生じる。つまり特定の部分に被処理水が集中して流れる、いわゆる片流れという現象が生じやすい。この場合、被処理水は活性炭とあまり接触しないため、被処理水は十分に処理されることなく水処理装置10を通過することになる。よって処理水中の過酸化物の残存量が多くなる問題が生ずる。そしてこれを抑制するためには、被処理水の流速を小さくせざるを得ず、この場合、被処理水の処理速度が遅くなるという問題が新たに生ずる。
そこで本実施の形態では、被処理水を下向流通水とするとともに、図2で説明した水処理装置10を使用することで、上述した問題の抑制を図っている。つまり水処理装置10では、仕切り部12を設け、仕切り部12の上下にそれぞれ第1の活性炭K1および第2の活性炭K2を配する。そして仕切り部12と第2の活性炭K2との間に、活性炭が配されない領域Rを設けている。
そしてこのような構成を採ることで、以下のような効果が生ずる。
(1)下向流通水とすることで、活性炭が流動しにくく、上述した片流れが生じにくい。そのため上向流通水の場合と比較して、処理水中の過酸化物の残存量はより少なくすることができるとともに、被処理水の処理速度をより速くすることができる。また処理速度を速くすることができるため、水処理装置10がより小型化でき、水処理装置10の設置面積がより小さくてすむ。
(2)一方、下向流通水の場合に生じやすい気体成分を排出しにくいという問題に対しては、水処理装置10において活性炭が配されない領域Rを設け、この領域Rに貯留した気体成分を気体成分排出部14から排出することで、気体成分をほぼ選択的に外部に抜き出すことができる。即ち、本実施の形態では、処理水を加圧導入している。そのため第1の活性炭K1で分解された過酸化水素により生ずる気体成分は、上部に向かわず、ほとんどの気体成分が領域Rに貯留する。そして領域Rに貯留した気体成分を気体成分排出部14により抜き出すようにしている。これにより気体成分の大部分が気体成分排出部14から排出されるため、気体成分を排出する効率は非常に高くなる。
またそのため気体成分が外殻部11の内部に溜まったまま排出されないということが生じにくく、逆洗処理の必要がより生じにくい。なお仕切り部12を設けず、活性炭を充填した2つの水処理装置を前段と後段の2つに分け、下向流通水により被処理水を処理する水処理装置の場合、この2つの水処理装置の間をつなぐ配管から気体成分を選択的に抜き出すことは、困難である。そのため前段の水処理装置に気体成分が溜まると、やはり逆洗処理を行い、気体成分を抜く必要がある。この場合、本実施の形態の水処理装置10に対し、より逆洗処理の頻度が多くなる。そのため被処理水を処理する時間が少なくなり、被処理水を処理する能力が低下する。
(3)また被処理水を加圧導入しているため、被処理水は、加圧導入しない場合に比較してより高速で流動する。そのため本実施の形態の水処理装置10による被処理水の処理能力は、非常に高くなる。
(4)さらに本実施の形態では、被処理水のpHの値を大きくなるように調整してから、活性炭により処理するような作業は必要ない。つまりpHが3.5〜9の被処理水では、pH10以上に調整された被処理水に対して、より多くの気体成分が発生する。しかしながら上述の通り、気体成分排出部14からの気体成分の排出の効率は非常に高い。そのため大量の気体成分が発生しても、これを排出するのは、容易となる。さらにpHが3.5〜9の被処理水を処理した場合、pH10以上に調整した場合より過酸化水素の分解効率がよいため、実施の形態の水処理装置10による被処理水の処理能力は、非常に高くなる。
なお被処理水のpHが3.5未満であると水処理装置10の耐食性の問題が生じやすくなる。即ち、水処理装置10の耐食性を向上させるためには、水処理装置10の製造費用が上昇しやすくなり、安価に水処理を行なうことが困難になりやすい。一方、pHが9を超えると、被処理水中に含まれるMgやCaの水酸化物が生じやすくなり、被処理水の流通が阻害されるおそれが高くなる。
(5)第1の活性炭K1および第2の活性炭K2の2段階で過酸化物を分解することができる。このためより高濃度の過酸化物が含まれる被処理水でも処理することができる。また処理後の処理水中に残存する過酸化物の量をより少なくすることができる。
(6)よって例えば、1基の水処理装置10により、過酸化物を含み被処理水の精密処理が可能である。さらにポンプ等の昇圧装置が少なくてすむ。よって水処理装置10の設置費用がより低廉になるとともに、ランニングコストも低廉となる。加えて水処理装置10の設置面積も少なくてすむ。そして使用する活性炭の全体の量も少なくてすみ、逆洗処理を行なうときも手間も少ない。
(7)ここで第1の活性炭K1は、多くの過酸化物を処理するためより交換頻度が多くなる。これは、被処理水の有機物が含まれる場合に、有機物が第1の活性炭K1に吸着することになるため、より顕著となる。一方、第2の活性炭K2は、このようなことが少ないので、交換頻度は、非常に少なくすることができる。即ち本実施の形態では、第1の活性炭K1に集中的に劣化が生じるので、第1の活性炭K1だけを交換すればよい場合が多くなる。よって全ての活性炭を交換する場合に比べ必要な交換費用が削減できる。
なお以上詳述した例では、被処理水を直接水処理装置10内に導入していたが、被処理水の中和を行なった後に、水処理装置10内に導入してもよい。これにより水処理装置10における過酸化物の分解をさらに促進することができる。
また本実施の形態では、被処理水に過酸化物の他に有機物を含む場合について、説明を行なったが、これに限られるものではなく、活性炭により分解または吸着をすることで除去できるものであれば、他の成分が含まれていてもよい。例えば、固形物などが被処理水中に含まれていてもよい。
さらに本実施の形態の水処理装置10では、仕切り部12は、1つ設けられ、外殻部11の内部の空間を上下の2室に仕切る構成であったが、仕切り部12を2つ以上設け、外殻部11の内部の空間を上下方向で3室以上に仕切ってもよい。この場合、この仕切られた複数の空間のそれぞれに活性炭を充填し、被処理水の処理を行なう。この場合、過酸化物を含むpHが3.5〜9である被処理水は、外殻部11の上部から加圧導入されて下向流通水し、各室に充填された活性炭により過酸化物が順次分解された後に、外殻部11の下部から処理水として排出される。この場合気体成分排出部14は、仕切り部12のうち最も上部に位置する仕切り部が設けられる箇所より下部に設けられる。そして過酸化物が活性炭により分解されることにより発生する気体成分の大部分を外殻部11の外部に排出する。
またこのような構成の水処理装置10により被処理水を処理する方法は、外殻部11の内部の空間を上下方向に複数に仕切る仕切り部12により形成される複数の空間のそれぞれに活性炭を充填し、外殻部11の上部に設けられる導入部13から過酸化物を含むpHが3.5〜9である被処理水を加圧導入して下向流通水し、仕切り部12に設けられ、被処理水と過酸化物が活性炭により分解されることにより発生する気体成分とを活性炭から分離するストレーナ16を用いることで仕切り部12を通過させつつ、被処理水を活性炭と順次反応させ、気体成分の大部分を、仕切り部12のうち最も上部に位置する仕切り部が設けられる箇所より下部に設けられる気体成分排出部14から外殻部11の外部に排出し、活性炭により処理された被処理水を、外殻部11の下部に設けられる排出部15から処理水として排出することを特徴とする被処理水の処理方法として捉えることもできる。
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限りこれらの実施例により限定されるものではない。
〔評価方法〕
(実施例1)
図1に示した水処理システム1において、図2に示した水処理装置10を使用した。この水処理装置10は、外殻部11が、φ200mm、高さ2200mmの略円筒形状のものである。そしてこの水処理装置10に第1の活性炭K1として、カルゴンカーボンジャパン株式会社製のダイアソーブを高さ500mmになるように仕切り部12上に充填し、さらに第2の活性炭K2として、カルゴンカーボンジャパン株式会社製のセンタウ(CENTAUR)を高さ1000mmとなるように外殻部11の底面部に充填した。
そして過酸化物として過酸化水素を1000ppm含む被処理水を水処理装置10を用いて処理した。このとき通水する被処理水の初期流量は、480(L(リットル)/h)とした。
(比較例1)
実施例1で使用した図2に示す水処理装置10に対し、仕切り部12がない水処理装置を用いた。この水処理装置に活性炭として、カルゴンカーボンジャパン株式会社製のセンタウを高さ1500mmになるように充填した。そして実施例1と同様の被処理水を、同様の初期流量で通水した。
〔評価結果〕
実施例1および比較例1の結果を図5に示す。
図5に示すように実施例1の場合、被処理水の流量は通水時間が72hまで、変化がなかった。そして処理後の処理水の過酸化水素の濃度は、約2ppbとなり、この濃度は、同様に72hまで変化しなかった。
一方、比較例1の場合、被処理水の流量は、徐々に落ちていることがわかる。これは、水処理装置中に気体成分として酸素が溜まり、これが被処理水の通水を阻害するためと考えられる。また処理水の過酸化水素の濃度は、約10ppbから上昇し、通水時間が72hにおいて80ppbとなった。これは、水処理装置中に溜まった酸素により被処理水と活性炭との接触が阻害され、これにより十分に過酸化水素が分解されなかったためと考えられる。
以上の結果により、本実施の形態の水処理装置10を用いて、被処理水の処理を行なった場合、より長い時間安定した処理を行なうことができることがわかる。
1…水処理システム、10…水処理装置、11…外殻部、12…仕切り部、13…導入部、14…気体成分排出部、15…排出部、16…ストレーナ、20…原水槽、30…処理水槽

Claims (10)

  1. 過酸化物を含むpHが3.5〜9である被処理水を処理するための被処理水の処理装置であって、
    活性炭を充填するための空間を内部に有する外殻部と、
    前記過酸化物を含む前記被処理水を、前記外殻部の上部から加圧導入し下向流通水するための導入部と、
    前記外殻部の内部の空間を上下方向で複数に仕切り、仕切られた複数の空間のそれぞれに前記活性炭を充填し、充填された当該活性炭により、通水方向上流側の空間では前記過酸化物をより多く分解し当該過酸化物を分解することで発生する気体成分の泡をより多く発生させる粗処理を行ない通水方向下流側の空間では残存した当該過酸化物を分解する精密処理を行なうための仕切り部と、
    前記仕切り部のうち最も上部に位置する仕切り部が設けられる箇所より下部に設けられ、前記過酸化物が前記活性炭により分解されることにより発生する気体成分の大部分を前記外殻部の外部に排出するための気体成分排出部と、
    前記活性炭により前記過酸化物が分解された後に、前記外殻部の下部から処理水として排出するための排出部と、
    前記仕切り部に設けられ、前記被処理水および前記気体成分を前記活性炭から分離して通過させる分離手段と、
    を備えことを特徴とする被処理水の処理装置。
  2. 前記仕切り部により仕切られた空間のうち最も下部に位置する空間は、前記活性炭が前記外殻部内部の底部に接するように充填される空間であることを特徴とする請求項1に記載の被処理水の処理装置。
  3. 前記被処理水の処理を中断し、前記外殻部の前記排出部から前記被処理水を導入して当該被処理水を上向流通水することで、前記気体成分を当該外殻部の前記導入部から排出する逆洗処理をさらに行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の被処理水の処理装置。
  4. 前記気体成分排出部には、当該気体成分排出部から前記被処理水の排出を制限する制限手段が接続されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の被処理水の処理装置。
  5. 前記被処理水は、有機物をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の被処理水の処理装置。
  6. 前記被処理水は、清涼飲料水の調合液を充填する容器を殺菌洗浄する際に排出される洗浄排水であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の被処理水の処理装置。
  7. 過酸化物を含むpHが3.5〜9である被処理水を処理するための被処理水の処理装置であって、
    活性炭を充填するための空間を内部に有する外殻部と、
    前記過酸化物を含む前記被処理水を、前記外殻部の上部から加圧導入し下向流通水するための導入部と、
    前記外殻部の内部の空間を上下方向で複数に仕切り、仕切られた複数の空間のそれぞれに前記活性炭を充填するための仕切り部と、
    前記仕切り部のうち最も上部に位置する仕切り部が設けられる箇所より下部に設けられ、前記過酸化物が前記活性炭により分解されることにより発生する気体成分の大部分を前記外殻部の外部に排出するとともに、前記被処理水の処理を中断し、空気を導入して当該空気の泡により当該活性炭を撹拌するバブリング処理をさらに行なうための気体成分排出部と、
    前記活性炭により前記過酸化物が分解された後に、前記外殻部の下部から処理水として排出するための排出部と、
    前記仕切り部に設けられ、前記被処理水および前記気体成分を前記活性炭から分離して通過させる分離手段と、
    を備えことを特徴とする被処理水の処理装置。
  8. 活性炭を充填するための空間を内部に有する外殻部と、
    前記外殻部の内部の空間を上下に仕切ることで前記活性炭を当該外殻部の上下にそれぞれ充填し、充填された当該活性炭により、通水方向上流側の空間では過酸化物をより多く分解し当該過酸化物を分解することで発生する気体成分の泡をより多く発生させる粗処理を行ない通水方向下流側の空間では残存した当該過酸化物を分解する精密処理を行なうための仕切り部と、
    前記外殻部の前記仕切り部が設けられる箇所より上部に設けられ、前記過酸化物を含むpHが3.5〜9である被処理水を加圧導入するための導入部と、
    前記外殻部の前記仕切り部が設けられる箇所より下部に設けられ、前記過酸化物が前記活性炭により分解されることにより発生する気体成分の大部分を当該外殻部の外部に排出するための気体成分排出部と、
    前記外殻部の前記気体成分排出部が設けられる箇所より下部に設けられ、前記活性炭により処理された被処理水を処理水として排出するための排出部と、
    前記仕切り部に設けられ、前記被処理水および前記気体成分を前記活性炭から分離して通過させる分離手段と、
    を備えことを特徴とする被処理水の処理装置。
  9. 外殻部の内部の空間を上下方向に複数に仕切る仕切り部により形成される複数の空間のそれぞれに活性炭を充填し、
    前記外殻部の上部に設けられる導入部から過酸化物を含むpHが3.5〜9である被処理水を加圧導入して下向流通水し、
    前記仕切り部に設けられ、前記被処理水と前記過酸化物が前記活性炭により分解されることにより発生する気体成分とを当該活性炭から分離する分離手段を用いることで当該仕切り部を通過させつつ、当該被処理水を当該活性炭と順次反応させ、通水方向上流側では前記過酸化物をより多く分解し当該過酸化物を分解することで発生する気体成分の泡をより多く発生させる粗処理を行ない通水方向下流側では残存した当該過酸化物を分解する精密処理を行ない、
    前記気体成分の大部分を、前記仕切り部のうち最も上部に位置する仕切り部が設けられる箇所より下部に設けられる気体成分排出部から前記外殻部の外部に排出し、
    前記活性炭により処理された被処理水を、前記外殻部の下部に設けられる排出部から処理水として排出する
    ことを特徴とする被処理水の処理方法。
  10. 外殻部の内部を上下に仕切る仕切り部の上部に第1の活性炭を充填し、
    前記仕切り部の下部に第2の活性炭を充填し、
    前記外殻部の前記仕切り部が設けられる箇所より上部に設けられる導入部から過酸化物を含むpHが3.5〜9である被処理水を加圧導入し、
    導入された前記被処理水を前記第1の活性炭と反応させ、前記過酸化物をより多く分解し当該過酸化物を分解することで発生する気体成分の泡をより多く発生させる粗処理を行ない、
    前記仕切り部に設けられ、前記第1の活性炭により処理された被処理水と前記過酸化物が当該第1の活性炭により分解されることにより発生する気体成分とを当該第1の活性炭から分離する分離手段を用いることで当該仕切り部を通過させ、
    前記分離手段を通過した被処理水を、前記第2の活性炭と反応させ、残存した前記過酸化物を分解する精密処理を行ない、
    前記分離手段を通過した前記気体成分の大部分を、前記外殻部の前記仕切り部が設けられる箇所より下部に設けられる気体成分排出部から当該外殻部の外部に排出し、
    前記第2の活性炭により処理された被処理水を、前記外殻部の前記気体成分排出部より下部に設けられる排出部から処理水として排出する
    ことを特徴とする被処理水の処理方法。
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