以下に、本願に係る決定装置、決定方法及び決定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る決定装置、決定方法及び決定プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
〔1.決定処理〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る決定処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る決定処理の一例を示す図である。図1では、本願に係る決定装置に対応する広告装置100によって、第1コンテンツとともに提供される第2コンテンツを施設で提供させる権利の販売形態を決定する決定処理が行われる例を示す。なお、以下では、施設として映画館を例に挙げ、施設で提供される第1コンテンツとして映画を例に挙げ、映画とともに提供される第2コンテンツとして広告コンテンツを例に挙げて説明する。
図1に示す例において、広告装置100は、広告主に対して、映画館での広告コンテンツの提供に関する権利の販売サービスを提供する装置である。具体的には、広告装置100は、広告コンテンツとともに提供される映画に関する情報などに基づいて、映画館の観客の人数(以下、「動員数」と表記する)を予測する。そして、広告装置100は、予測された動員数(以下、「予測動員数」と表記する)に基づいて、映画館での広告コンテンツの提供に関する権利の販売形態を決定する。そして、広告装置100は、決定された販売形態により、映画館での広告コンテンツの提供に関する権利の販売サービスを広告主に提供する。
なお、映画館での広告コンテンツの提供に関する権利の販売サービスとは、映画館における任意の枠で広告コンテンツを提供させるための権利を広告主に販売することを意味する。すなわち、広告主は、かかる権利を購入することにより、取得した権利に対応する枠で広告コンテンツを提供させることができる。以下、広告装置100が提供する販売サービスにおける販売形態の決定処理について、図1の例を用いて説明する。
図1に示すように、映画館TH1には、映画館装置201が備えられる。映画館装置201は、映画館TH1における映画の編成に係る情報等を保持する情報処理装置であって、例えば、映画館TH1の管理者によって操作される。映画館TH1で上映される映画には、広告コンテンツが上映されるための枠(以下、「広告枠」と表記する)が設けられる。例えば、映画本編の前に数分間の広告枠が設けられる。広告枠は、広告コンテンツ毎の提供に適切な時間(例えば60秒単位)で分割された形態で設けられる。
図1では、映画館TH1が備える上映場所である「スクリーンSC11」にて、「2014年5月10日9:00」に上映される本編タイトルが「M1」である映画に、広告枠C111、C112、C113、・・・、が設けられていることを示している。同様に、「スクリーンSC12」にて「2014年5月10日11:00」に上映される本編タイトルが「M2」である映画には、広告枠C121、C122、C123、・・・、が設けられていることを示している。
広告装置100は、映画館TH1における映画の編成に関する情報とともに広告枠C111等に関する情報を映画館装置201から取得する(ステップS10)。同様に、広告装置100は、映画館TH2に備えられる映画館装置202から、映画館TH2における映画の編成に関する情報とともに映画館TH2に係る広告枠C211等に関する情報を取得する(ステップS11)。なお、以下では、映画館装置201及び202を区別する必要がない場合には、これらを総称して「映画館装置20」と表記する場合がある。
すなわち、広告装置100は、広告枠に係る映画館の名称や、広告枠が設けられる映画の本編タイトルや、広告コンテンツが映画館で上映される日時である配信日程などの情報を映画館装置201及び202から取得する。なお、広告装置100は、予め、映画館が所在する地域や、映画館の観客収容数や、映画館が備えるスクリーン数や、スクリーン毎の座席数など、施設としての映画館の情報については保持しているか、もしくは適宜取得するものとする。同様に、広告装置100は、映画に関する情報として、例えば、映画の制作者や、映画の出演者や、映画が制作された国名や、映画の人気や評判に関する情報などについても保持しているか、もしくは適宜取得するものとする。詳細は後述するが、映画の人気や評判に関する情報とは、例えば、映画に関する検索クエリ数などが該当する。
そして、広告装置100は、施設としての映画館に関する情報や、映画に関する情報や、映画の評判に関する情報等に基づいて、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売形態を決定する(ステップS12)。ここで、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売形態とは、一例としては、広告枠において映画館の観客に広告コンテンツを視聴させる人数、すなわち動員数を指定させるような販売形態をいう。言い換えれば、広告装置100は、かかる権利について、広告主が動員数を指定可能であって、広告主が指定した動員数分だけ映画館で広告コンテンツを提供させることが保証されるような販売形態とすることを決定する。なお、以下では、「広告枠」といった表記は、かかる広告枠で広告コンテンツを提供させるための権利についての概念を含む場合がある。例えば、所定の広告枠で広告コンテンツを提供させるための権利を広告主に販売することを、「広告枠を販売する」と表記することがある。
この場合、広告装置100は、例えば広告主が指定可能な最低動員数を決定する。具体的には、広告装置100は、映画館に関する情報や、過去の動員実績や、映画の人気度や評判に係る情報などを用いて、広告コンテンツの提供に係る映画館の動員数を予測する。そして、広告装置100は、広告コンテンツの提供に係る複数の映画館における所定期間の予測動員数に基づいて、広告主が指定可能な最低動員数を決定する。例えば、広告装置100は、予測動員数の1000分の1の数値を最低動員数として決定する。すなわち、広告装置100は、所定期間(例えば、一週間)における広告枠に関する情報を取得した複数の映画館全体の動員数を「1000000人」と予測した場合、「1000人」を最低動員数と決定する。そして、広告装置100は、広告主から「1000人」以上の動員数の指定を受け付けて、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売サービスを提供する。この場合、広告装置100は、所定の人数を一単位として、広告主から動員数の指定を受け付ける。図1の例においては、広告装置100は、「1000人」を一単位として、広告主から動員数の指定を受け付けるものとする。
続いて、広告装置100は、広告主に指定させる動員数に基づいて、かかる権利の販売価格を算出する。ここで、広告装置100は、映画館での広告コンテンツの提供における所定の動員数毎の単価である動員単価を算出する。例えば、広告装置100は、映画館側が広告コンテンツの提供によって得られる収益と、広告装置100側が販売サービスの提供によって得られる収益とを合算した額を動員単価として算出する。例えば、広告装置100は、映画館側が得る収益が1動員数あたり「150円」であって、広告装置100側が得る収益が1動員数あたり「50円」である場合、両者を合算した「200円」を動員単価として算出する。
そして、広告装置100は、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売形態及び動員単価を提示して、かかる権利の販売サービスを広告主に提供する(ステップS13)。例えば、広告装置100は、広告主が操作する広告主端末10に対して、かかる権利の販売サービスを提供するためのウェブページW10を送信する。そして、広告装置100は、このようなウェブページW10を介して、広告主端末10からかかる権利の購入要求を受け付ける(ステップS14)。例えば、広告装置100は、ウェブページW10を用いて、「動員保証型」の販売形態により映画館で広告コンテンツを提供させる権利を販売する旨や、広告主が指定可能な条件を提示する。
そして、図1に示すように、広告装置100は、動員数の指定や、広告コンテンツの提供に関する条件の指定を広告主端末10から受け付ける。具体的には、広告装置100は、ウェブページW10内にあるテキストボックスT01〜T04について広告主端末10から入力を受け付けることで、広告コンテンツの提供に関する条件の指定を受け付ける。例えば、テキストボックスT01では、プルダウン方式で、広告枠が設けられる映画本編のタイトルの指定を受け付ける。また、テキストボックスT02では、プルダウン方式で、広告コンテンツの提供スタイルの選択を受け付ける。広告コンテンツの提供スタイルとは、例えば、映画の1上映につき1回広告コンテンツを提供させることや、1日につき1回広告コンテンツを提供させるなど、提供に関する仕様を意味する。また、テキストボックスT03では、プルダウン方式で、広告コンテンツの提供期間を選択する。そして、テキストボックスT04では、指定する動員数について、広告主端末10から数値の入力を受け付ける。この場合、テキストボックスT04では、最低動員数以上を入力することが求められる。図1に示す例では、広告主端末10は、最低でも「1000」以上の数値を入力することが求められる。また、広告主端末10は、「1000」を一単位として数値を入力することが求められる。例えば、広告主端末10は、「2000」や、「3000」のような、「1000」刻みの数値を入力することができる。
テキストボックスT05では、指定された動員数に対応して、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売価格が表示される。図1に示す例では、広告装置100は、動員単価を用いて、かかる権利の販売価格を算出する。すなわち、広告装置100は、動員単価である「200円」と、広告主端末10により指定された「150000人」とを乗算することにより、算出結果である「30000000円」をテキストボックスT05に表示させる。そして、広告主端末10は、かかる算出結果を確認し、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の購入を要求する。
続いて、広告装置100は、広告主が購入した権利に係る指定動員数及び条件に基づいて、実際に広告コンテンツを配信する広告枠を割り当てる(ステップS15)。例えば、広告装置100は、広告枠毎の予測動員数を参照する。そして、広告装置100は、広告主が指定した動員数をより早く達成することができると想定される広告枠、すなわち予測動員数の多い広告枠を抽出する。続いて、広告装置100は、広告主から入稿された広告コンテンツを抽出された広告枠に割り当てる。例えば、広告装置100は、広告コンテンツを広告枠C111に割り当てる。そして、広告装置100は、広告主の所望する配信日程で広告コンテンツが提供されるように、映画館TH1へ広告コンテンツの配信処理を行う(ステップS16)。また、例えば、広告装置100は、広告コンテンツを広告枠C211に割り当てた場合には、映画館TH2へ広告コンテンツの配信処理を行う(ステップS17)。
そして、広告装置100は、映画館TH1及びTH2で所定の広告コンテンツが提供された場合、映画館TH1及びTH2から実際に広告コンテンツを視聴した人数である動員数に関する情報を取得する。そして、広告装置100は、動員数に関する情報を広告主に通知する。そして、広告装置100は、かかる広告コンテンツについて広告主が指定した動員数に達するまで、上記の広告配信処理を繰り返す。広告装置100は、動員数が指定動員数に達したときには、かかる広告コンテンツの配信処理を終了する。
このように、実施形態に係る広告装置100は、各映画館から広告枠に関する情報などを取得する。また、実施形態に係る広告装置100は、動員数を予測して、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売形態を決定する。例えば、実施形態に係る広告装置100は、映画館で広告コンテンツを提供させる権利について、広告主が指定する動員数を保証するような販売形態を決定する。そして、実施形態に係る広告装置100は、かかる権利の販売サービスを提供する。
これにより、実施形態に係る広告装置100は、広告配信に関する取引を促進させることができる。すなわち、実施形態に係る広告装置100によれば、各映画館から広告枠に関する情報を取得することにより、多数の広告枠に関する情報を保持する。この場合、実施形態に係る広告装置100は、個々の映画館による上映日程の変更等によって特段の影響を受けないように、広告配信先の映画館を調整することができる。このため、実施形態に係る広告装置100は、映画館で広告コンテンツを提供させる権利について、広告主が指定した動員数を保証するような販売形態を決定できる。したがって、広告主は、指定した人数分の広告コンテンツの提供における広告効果を確実に得ることができる。ゆえに、実施形態に係る広告装置100によれば、広告主が映画館で広告コンテンツを提供させる権利の購入要求をする動機づけを高めることができる。
また、実施形態に係る広告装置100によれば、広告主は個々の映画館側との直接的な手続きや広告コンテンツの入稿を必要とすることなく、動員数や提供期間などの条件を指定するだけで、映画館で適切に広告コンテンツを提供させることができる。このため、広告主は、映画館での広告コンテンツの提供に関して、映画館毎の入札情報を適宜取得したり、映画館毎に広告コンテンツを入稿したりといった煩雑な作業を行うことを要しない。すなわち、実施形態に係る広告装置100によれば、広告主の広告配信にかかる作業を容易化し広告主の負担を軽減させることができる。このことから、実施形態に係る広告装置100は、広告主にかかる権利の購入要求をさせ易くする。結果として、実施形態に係る広告装置100は、広告配信に関する取引を促進させることができる。
また、実施形態に係る広告装置100によれば、映画館側にとっても有益となるように、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売サービスを提供することができる。すなわち、実施形態に係る広告装置100によれば、映画館側は個々の広告枠を広告主毎に販売するような手間を要さずに、所定の量の広告枠をまとめて販売させることができる。また、実施形態に係る広告装置100は、動員数や提供期間などの条件を指定されるだけで広告コンテンツが提供される広告枠を割り当てることができる。このため、映画館側は、個々の広告枠に係る情報が詳細に定められる前であっても、広告枠を販売することができる。例えば、広告コンテンツが提供される詳細な時間が定まる前であっても広告枠を販売することができる。このように、実施形態に係る広告装置100によれば、映画館側は広告枠を効率よく販売することができるので、広告収益を上げることができる。かかる観点からも、実施形態に係る広告装置100は、広告配信に関する取引を促進させることができるといえる。
なお、上記実施形態では、映画の本編上映前に広告が提供される例を示した。このように、第1コンテンツとともに提供される第2コンテンツとは、映画本編が上映される際に、本編前に提供される広告コンテンツや映画の予告編などを意味する。また、かかる第2コンテンツには、本編である第1コンテンツにオーバーレイのように重ねて提供されるようなものも含まれるものとする。すなわち、第2コンテンツは、上記実施形態のように本編前に設けられる広告枠で提供されるとは限られず、本編である第1コンテンツに重ねて提供される場合もありうる。この場合、広告枠に関する情報には、第2コンテンツは本編である第1コンテンツに重ねて提供される旨の情報が含まれることがある。また、上述した映画館での広告コンテンツの提供に関する権利には、広告枠で広告コンテンツを提供する権利のみならず、本編である第1コンテンツにオーバーレイする権利を含む。
また、図1に示すウェブページW10での図示は省略しているが、広告装置100は、動員数の指定などともに、映画館の所在地域や、広告枠に係る映画のジャンルなどを指定させて、かかる権利の販売サービスを提供してもよい。すなわち、広告装置100は、より詳細な条件について、広告主からの指定を受け付けることができる。また、広告装置100は、映画本編タイトルの指定においては、本編タイトルM1又はM2のような指定の他に、例えば、「ハリウッド大作映画」のようなカテゴリによる指定を受け付けてもよい。この場合、広告装置100は、映画本編に係るカテゴリを適宜定めてもよい。
また、図1での図示は省略しているが、広告装置100は、映画館TH1及びTH2以外の映画館からも情報を取得するものとする。また、映画館TH1及びTH2に備えられるスクリーンは、図1に図示した数に限られず、さらに多くのスクリーンを備えていてもよい。
〔2.決定処理システムの構成〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る決定処理システム1の構成について説明する。図2は、実施形態に係る決定処理システム1の構成例を示す図である。図2に示すように、決定処理システム1には、広告主端末10と、映画館装置20と、広告装置100と、その他ウェブサーバ(例えば、検索サーバ30や、SNS(Social Networking Service)サーバ31)が含まれる。広告主端末10、映画館装置20、検索サーバ30、SNSサーバ31及び広告装置100は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、図2に示した決定処理システム1には、複数台の広告主端末10や、複数台の映画館装置20や、複数台のウェブサーバが含まれてもよい。
広告主端末10は、映画館で広告コンテンツを配信することを所望する広告主によって利用される情報処理装置である。具体的には、広告主端末10は、広告主による操作に従って、映画館での広告配信に関する情報を広告装置100から取得したり、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の購入要求を広告装置100に送信したりする。
なお、広告主は、広告主端末10を用いて、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の購入要求を広告装置100に送信せずに、かかる購入要求を代理店に依頼する場合もある。この場合、かかる購入要求を広告装置100に行うのは代理店となる。以下では、「広告主」といった表記は、広告主だけでなく代理店を含む概念であり、「広告主端末」といった表記は、広告主端末だけでなく代理店によって利用される代理店装置を含む概念であるものとする。
映画館装置20は、映画館の管理者によって利用される情報処理装置である。かかる映画館装置20は、例えば、広告枠に関する情報を広告装置100に送信したり、広告枠における広告コンテンツの提供に関しての情報を広告装置100から受信したりする。また、映画館装置20は、映画の上映に係る編成情報の管理や、広告装置100を介して配信処理がされる広告コンテンツについて映画館で提供するための処理等を行う。
広告主端末10や、映画館装置20は、例えば、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット型端末や、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。
検索サーバ30は検索サービスを提供するウェブサーバである。検索サーバ30は、任意の情報処理端末が利用できる検索サービスを提供する。また、検索サーバ30は、検索サービスにおいて任意の情報処理端末から検索クエリの入力を受け付ける。これにより、検索サーバ30は、検索クエリに関する情報(例えば、検索クエリ数など)を保持する。
また、SNSサーバ31はSNSサービスを提供するウェブサーバである。SNSサーバ31は、任意の情報処理端末が利用できるSNSサービスを提供する。また、SNSサーバ31は、SNSサービスにおいて任意の情報処理端末から映画に関する投稿記事などを受け付ける。これにより、SNSサーバ31は、映画に関する投稿記事検索クエリに関する情報を保持する。
広告装置100は、上述のように、映画館装置20から送信される広告枠に関する情報やネットワークNを介して取得する情報に基づいて、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売形態を決定するサーバ装置である。また、広告装置100は、検索サーバ30やSNSサーバ31から、検索クエリ数や映画に関する投稿記事数など、映画の人気や評判に関する情報を取得する。なお、検索サーバ30や、SNSサーバ31は、ウェブサーバの例示である。広告装置100は、検索サーバ30やSNSサーバ31に限られず、映画の人気や評判に関する情報をその他ウェブサーバから取得してもよい。
〔3.広告装置の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る広告装置100の構成について説明する。図3は、実施形態に係る広告装置100の構成例を示す図である。図3に示すように、広告装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、広告装置100は、広告装置100を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
〔3−1.通信部〕
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。かかる通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、広告主端末10や映画館装置20との間で情報の送受信を行う。
〔3−2.記憶部〕
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図3に示すように、記憶部120は、種々の情報を記憶するデータテーブルである映画館テーブル121と、本編テーブル122と、広告枠テーブル123と、広告主テーブル124とを有する。以下、個々のテーブルについて説明する。
〔3−2(1).映画館テーブル〕
映画館テーブル121は、施設としての映画館に関する情報を記憶するテーブルである。具体的には、映画館テーブル121は、予め保持する施設としての映画館の情報や、映画館毎に備えられた映画館装置20から送信される個々の映画館に関する情報を記憶する。
ここで、図4に、実施形態に係る映画館テーブル121の一例を示す。図4は、実施形態に係る映画館テーブル121の一例を示す図である。図4に示した例では、映画館テーブル121は、「映画館」、「所在地」、「スクリーン」、「座席数」、「スクリーン数」、「収容人数」、「昨年度動員数」、「動員単価」といった項目を有する。
「映画館」は、映画館の名称を示す。例えば、映画館「TH1」と映画館「TH2」とは異なる映画館の名称を示し、集客力や客層が異なることがある。このため、同じ映画に組み込まれる広告枠であっても、映画館によっては動員単価などに異なる値が設定されることがある。
「所在地」は、映画館の所在地を示す。映画館などの施設では、所在地によって集客力が異なることがある。したがって、動員数を予測する処理や、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売形態を決定する処理においては、映画館の所在地の情報が利用されることがある。
「スクリーン」は、映画館における、映画を投射できるスクリーンと観客席を備えた上映室を示す。図4において、映画館「TH1」におけるスクリーン「SC11」とスクリーン「SC12」は異なる上映室を示しており、上映される映画や座席数が異なることがある。
「座席数」は、上映場所に備えられた観客席の数であり、観客を収容することのできる数を示す。座席数はスクリーン毎に異なる場合がある。また、「スクリーン数」は、映画館毎に備えられたスクリーンの数である。また、「収容人数」は、映画館の備えるスクリーン毎の座席数の総数である。
「昨年度動員数」は、過去一年間における映画館の動員数を示す。過去一年間の起点は、例えば、広告装置100が決定処理を行う日や、広告装置100が決定処理を行う日の所定の日前などの任意の日時である。なお、図4に図示することは省略したが、映画館テーブル121には、昨年度動員数のみならず、昨週動員数や、昨月動員数など、異なる期間における動員数が適宜記憶されてよい。
「動員単価」は、観客一人あたりの広告コンテンツの提供に対して映画館側が受け取る対価の額を示す。すなわち、映画館側は、広告コンテンツの提供に係る対価として、設定された動員単価と実際の動員数を乗算した金額を受け取る。図4に示した例では、映画館TH1に設定される動員単価は「150円」であるので、「100人」の観客に対して「1回」広告コンテンツが提供された場合、映画館TH1側は対価として「15000円」を受け取る。なお、動員単価は、映画館側が個別に設定してもよいし、広告装置100が設定してもよい。また、後述する算出部133は、動員単価に基づいて映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売価格を算出する場合には、各映画館に設定された動員単価を用いて広告主に提示する動員単価を定める。例えば、算出部133は、各映画館に設定された動員単価の平均額を用いて、広告主に提示する動員単価を定めてもよい。
すなわち、図4では、映画館「TH1」は「東京都渋谷区」に所在することを示す。また、映画館TH1は複数のスクリーン「SC11、SC12、SC13、・・・」を備え、スクリーンSC11の座席数は「300席」であることを示す。また、映画館TH1のスクリーン数は「10」であり、収容人数は「2000人」であることを示す。また、映画館TH1における昨年度動員数は「800000人」であり、動員単価として「150円」が設定されていることを示す。
〔3−2(2).本編テーブル〕
本編テーブル122は、映画館で上映される映画本編に関する情報を記憶するテーブルである。図5に、実施形態に係る本編テーブル122の一例を示す。図5は、実施形態に係る本編テーブル122の一例を示す図である。図5に示した例では、本編テーブル122は、「本編タイトル」、「封切り後経過週数」、「動員実績」、「配給映画館数」、「検索クエリ数」、「その他」といった項目を有する。
「本編タイトル」は、映画館で上映される映画のタイトルを示す。例えば、本編タイトル「M1」と本編タイトル「M2」とは異なる映画を示す。また、「封切り後経過週数」は、本編タイトルで示される映画が、封切りされてから経過した週の数を示す。なお、封切り前の映画に関しては、封切り後経過週数の項目の値には「0」が表記される。
「動員実績」は、映画が封切りされてから集計に至るまでの期間の、集計対象とされる映画館における動員数の累計を示す。動員実績は、例えば、1日毎に映画館において集計される動員数に関する情報を広告装置100が取得することにより更新される。すなわち、本編テーブル122は、現在記憶されている動員実績数だけでなく、動員実績の累計過程を含めて記憶しているものとする。なお、動員実績が集計されていない映画については、動員実績の項目の値は空欄となる。
「配給映画館数」は、本編タイトルで示される映画が配給されている映画館の数を示す。公開前の人気や観客の需要が高いことが想定される映画については、配給映画館数の値が大きくなるものと想定される。なお、配給映画館数には、現在配給されている数のみならず、配給が予定されている映画館の数も含まれる。
「検索クエリ数」は、ネットワークN上に存在する検索サーバ30に対して、検索クエリとして本編タイトルなどが入力された数を示す。広告装置100は、検索サーバ30から情報の提供を受けることにより検索クエリ数を取得する。検索クエリ数は、映画の人気度を表す指標となる。なお、図5に示す検索クエリ数に含まれる検索クエリは、映画の本編タイトルに限られない。例えば、広告装置100は、映画に出演する俳優の氏名や、映画に登場するキャラクター名などを映画に関する検索クエリとみなして、検索サーバ30から情報の提供を受けてもよい。
「その他」は、上記項目以外の映画本編に関する情報を示す。その他に含まれる情報としては、例えば、映画の出演者や、映画の制作者や、映画が制作された国などのコンテンツとしての情報である。また、検索クエリ数以外の人気を表す指標として、例えばSNSサーバ31から取得するSNSサービスへの映画に関する投稿数などが記憶されてもよい。なお、図5に図示することは省略したが、その他の項目には、映画の公式ホームページへのアクセス数などの人気度を表す指標が適宜記憶されてもよい。
すなわち、図5では、本編タイトル「M1」で示される映画が、封切り後経過週数「1週目」において、動員実績「180000人」であり、配給映画館数は「120館」であることを示す。また、本編タイトル「M1」で示される映画について、関係する検索クエリにより「2000000回」検索されたことを示す。また、本編タイトル「M1」で示される映画について、出演者などに関するその他の情報が保持されていることを示す。
〔3−2(3).広告枠テーブル〕
広告枠テーブル123は、広告枠に関する情報を記憶する。ここで、図6に、実施形態に係る広告枠テーブル123の一例を示す。図6に示した例では、広告枠テーブル123は「映画館」、「広告枠ID」、「配信時間」、「本編タイトル」、「スクリーン」、「配信日程」、「予測動員数」といった項目を有する。なお、既に説明した項目についての説明は省略する。
「広告枠ID」は、広告枠を識別するための識別情報を示す。例えば、広告装置100は、広告枠ID「C111」によって識別される広告枠に所定の広告コンテンツを割り当てて、映画館で提供させることを決定することができる。
「配信時間」は、映画館で広告コンテンツを提供させる時間長を示す。図6の例では、配信時間の単位は秒とする。例えば、広告枠C111には、配信時間として「60秒」が割り当てられていることを示す。
「配信日程」は、広告枠で広告コンテンツが観客に提供される日時を示す。図6に示した例では、配信日程を広告配信の開始時刻として、広告枠順に、指定されたスクリーンにて広告コンテンツが配信される。
「予測動員数」は、広告枠に係る映画の上映において予測される動員数を示す。後述する決定部132は、映画に関する情報に基づいて予測した動員数を適宜広告枠テーブル123に記憶させる。また、決定部132は、映画の人気や評判、封切り後の動員実績などにより予測動員数を更新することがある。
すなわち、図6では、広告枠「C111」が、映画館「TH1」におけるスクリーン「SC11」で上映される本編タイトル「M1」である映画に設けられる広告枠である例を示す。このとき、広告枠「C111」に係る広告コンテンツについて、「2014年5月10日9時00分00秒」から「60秒」間だけ上映されることを示している。また、広告枠「C111」に係る動員数について、「150人」と予測されていることを示している。
なお、図6に図示することは省略したが、広告枠テーブル123は、広告枠に係る配信日程の経過後には、予測動員数とともに実際の動員数を記憶してもよい。すなわち、広告枠テーブル123は、実際の動員数を記憶するとともに、予測動員数と実際の動員数との誤差についても記憶する。後述する制御部130の各処理部は、実際の動員数や予測動員数と実際の動員数との誤差などを各処理に活用することができる。
〔3−2(4).広告主テーブル〕
広告主テーブル124は、映画館で広告コンテンツを提供させる権利を購入した広告主に関する情報を記憶する。ここで、図7に、実施形態に係る広告主テーブル124の一例を示す。図7に示した例では、広告主テーブル124は、「広告主ID」、「広告コンテンツID」、「配信予定の広告枠」、「指定動員数」、「残り動員数」、「その他条件」といった項目を有する。
「広告主ID」は、広告主又は広告主端末10を識別するための識別情報を示す。また、「広告コンテンツID」は、広告主が映画館で提供を所望する広告コンテンツを識別するための識別情報を示す。ここで、実際に映画館に配信される広告コンテンツは、広告装置100の記憶部120に記憶されてもよいし、広告装置100とは別に備えられた広告コンテンツを記憶するストレージサーバに記憶されてもよい。この場合、広告装置100は、広告主テーブル124に記憶された広告コンテンツIDに基づいて、外部のストレージサーバに記憶された広告コンテンツを特定する。そして、広告装置100は、ストレージサーバに対して、特定された広告コンテンツを映画館に対して配信するよう制御する。
「配信予定の広告枠」とは、広告主が提供を所望する広告コンテンツが実際に提供される広告枠を示す。配信予定の広告枠は、後述する割当部135によって割り当てられる。配信予定の広告枠は、広告主の指定する条件や、予測動員数や、映画館における編成情報の変動などによってリアルタイムに変更されうる。
「指定動員数」は、広告装置100が提供する販売サービスにおいて、広告主から指定された動員数を示す。また、「残り動員数」は、指定動員数から、実際に広告コンテンツの提供が行われ達成した動員数を引いた残りの数値を示す。広告主は、残り動員数に示された数値だけ広告コンテンツを映画館で提供させる権利を有する。
「その他条件」は、広告主が購入した権利に係るその他の条件を示す。具体的には、その他条件とは、配信を所望する広告枠に係る映画の本編タイトル又はジャンルの指定や、広告コンテンツを提供させる期間や、配信を所望する広告枠に係る映画の制作者の指定などを示す。
すなわち、図7では、広告主ID「CL11」によって識別される広告主が、広告コンテンツ「A11」を映画館で提供させることを示す。そして、広告コンテンツA11は、広告枠「C111及びC211」で配信が予定されていることを示す。また、広告主CL11は、動員数を「500000人」と指定して映画館で広告コンテンツを提供させる権利を購入したことを示す。さらに、広告主CL11は、残り動員数「150000人」に対して広告コンテンツA11を提供させる権利を未だ有していることを示す。そして、広告主CL11は、広告コンテンツA11の提供にあたり、その他条件として本編タイトル等の指定を行っていることを示す。
〔3−3.制御部〕
図3に戻って、制御部130について説明する。制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、広告装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(決定プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図3に示すように、制御部130は、取得部131と、決定部132と、算出部133と、提供部134と、割当部135と、配信部136と、通知部137とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
〔3−3(1).取得部〕
取得部131は、広告枠に関する情報等を映画館装置20から取得する。具体的には、実施形態に係る取得部131は、映画館装置20から送信される映画館における編成情報とともに映画に設けられる広告枠に関する情報を受信することにより、かかる情報を取得する。そして、取得部131は、かかる情報を記憶部120内の対応するテーブルに記憶させる。例えば、取得部131は、映画館装置20から映画の上映に関する情報を取得した場合、かかる情報を広告枠テーブル123の「本編タイトル」や「配信日程」の項目に記憶させる。
なお、取得部131は、映画館に関する情報についての変更などの情報についても取得する。例えば、取得部131は、映画館装置20から映画館における映画の上映日程の変更などの情報を取得する。この場合、取得部131は、かかる変更に基づいて、広告枠テーブル123の「本編タイトル」や「配信日程」の項目を更新する。
また、取得部131は、後述する決定部132が映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売形態を決定する際に用いる指標に関する情報を取得する。具体的には、取得部131は、検索サーバ30などから映画の評判についての情報を取得する。すなわち、取得部131は、検索サーバ30にアクセスすることで、映画タイトルそのものや、映画に関係する制作者、出演者などの名称について検索クエリの数を取得する。また、取得部131は、SNSサーバ31から、映画の評判についての投稿記事を取得してもよい。また、取得部131は、検索クエリやSNSサービスの投稿記事などの累計数のみならず、かかる数値の所定期間における上昇率などの情報について取得してもよい。
また、取得部131は、広告コンテンツが映画館で提供された場合、映画館の実際の観客の人数である動員数に関する情報を映画館(例えば、映画館装置20)から取得する。例えば、取得部131は、広告コンテンツが実際に提供された広告枠と対応付けて、取得した実際の動員数に関する情報を広告枠テーブル123に記憶させる。
なお、映画館(例えば、映画館装置20)は、チケットを販売する販売端末から得られる情報に基づいて、動員数を求めることができる。ただし、この例に限られず、映画館には、例えば、映画館に実際に来場した観客の情報を取得するための観客情報取得装置が設けられる。この観客情報取得装置は、例えば、カメラ、アクセスポイントなどの少なくとも一つ以上の機器に該当する。観客情報取得装置にカメラが含まれる場合には、このカメラは、例えば、映画館内を撮像する。これにより、映画館装置20は、観客情報取得装置により撮像された画像から動員数を求めることができる。また、観客情報取得装置にアクセスポイントが含まれる場合には、このアクセスポイントは、Wifi(Wireless Fidelity)(登録商標)などの無線通信により、個々の観客が保持する携帯端末と通信する。これにより、映画館装置20は、観客情報取得装置と通信された携帯端末の台数を計数することで動員数を求めることができる。
〔3−3(2).決定部〕
決定部132は、映画とともに広告コンテンツを提供する各映画館に関する情報に基づいて、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売形態であって、購入希望者が条件を指定可能な販売形態を決定する。具体的には、実施形態に係る決定部132は、取得部131が取得する情報と、記憶部120に記憶されている情報とに基づいて、映画館における動員数を予測する。そして、実施形態に係る決定部132は、予測動員数に基づいて、かかる権利の販売形態を決定する。
ここで、決定部132による動員数の予測処理について説明する。以下では、具体例として、映画館TH1における1週間の動員数を予測する処理について説明する。
決定部132が動員数を予測する指標としては、映画館TH1の過去の動員数から予測される1週間毎の動員数の平均値や、映画館TH1で上映される各映画について全国における動員数の動向や、映画館TH1で翌週にかけて上映される映画の人気度及び人気度の推移などが考えられる。これらを順に説明する。
決定部132は、例えば、映画館TH1の過去1年間の動員数のデータに基づいて1週間毎の動員数の平均値を算出する。この場合、決定部132は、映画館テーブル121に記憶されている昨年度動員数に基づいて、映画館TH1の1週間の動員数を算出する。すなわち、決定部132は、昨年度動員数を年間の週数で除算することにより、1週間毎の動員数を算出する。なお、決定部132は、昨年度動員数を週数で除算した均一な1週間毎の動員数に対して、1年間を通じた動員数の変動を重み付けることにより、1週間毎の動員数を予測する。例えば、決定部132は、予測対象期間に休日が多く含まれる場合には動員数を多く予測するような重み付けを行う。また、決定部132は、予測対象とする1週間に対応する昨年度の1週間の動員数について、他の週間よりも重み付けを増すことにより、1週間の動員数について精度の高い予測ができる。
また、決定部132は、映画館TH1で上映される映画における実際の動員数の動向を動員数の予測処理の指標とする。例えば、決定部132は、広告枠テーブル123に記憶されている広告枠の配信日程を参照する。ここで、決定部132は、予測対象とする期間に上映される映画の本編タイトルを参照する。例えば、決定部132は、予測対象とする期間に「2014年5月10日」が含まれる場合、本編タイトル「M1、M2、・・・」で示される映画が上映されることを把握する。そして、決定部132は、本編テーブル122の動員実績などを参照することにより、映画毎に見込まれる動員数を予測する。
なお、決定部132は、過去の映画に関する動員数の情報も同時に参照して予測処理を行うことができる。例えば、決定部132は、本編タイトルM1で示される映画と過去の映画に関する動員実績とを比較することにより動員数を予測する。すなわち、決定部132は、図5で示すような本編テーブル122を参照し、本編タイトルM1の映画の現在の動員実績を把握する。続いて、決定部132は、封切り後1週間経過した映画であって、かかる時点での動員実績が「180000人」に近く、また映画のジャンルが本編タイトルM1の映画と近似するような、過去の複数の映画における動員実績の動向などを参照する。そして、決定部132は、かかる過去の映画の動員実績と比較することで、本編タイトルM1の映画の動員数の動向を予測する。これにより、決定部132は、本編タイトルM1の映画が将来において、どれくらいの動員数になるのかを高精度に予測することができる。また、決定部132は、過去の実績に限られず、映画館TH1や映画館TH1の近隣の映画館において、本編タイトルM1の映画における動員数の動向をリアルタイムに検知した情報を指標とすることにより動員数を予測してもよい。この場合、決定部132は、映画館装置20からリアルタイムな動員数に関する情報を随時取得する。
また、決定部132は、映画館TH1で上映される映画の人気度及び人気度の推移を動員数の決定処理の指標とする。一般に、映画は、封切り後徐々に動員数が減少していくことが想定される。しかしながら、映画によっては、公開後における公衆の口コミや映画賞の受賞などにより動員数が増加することも考えられる。
この場合、決定部132は、一例として、本編テーブル122に記憶される検索クエリ数を用いて映画の人気度を判定し、動員数の決定処理における指標とする。例えば、予測処理に係る映画について、公開後における評価が高い場合や映画賞を受賞などすれば、かかる映画に関する検索クエリ数も増加することが想定される。この場合、決定部132は、検索クエリ数に基づいて、より多くの動員が見込めるものとして動員数を予測する。
また、決定部132は、検索クエリ数の累計を指標とするのみならず、検索クエリ数の上昇率についても決定処理の指標とすることができる。すなわち、決定部132は、検索クエリ数の変化を捉えることによって映画の人気度の推移についても考慮された動員数を予測する。すなわち、決定部132は、映画の人気の変動を捉えて動員数の予測に反映する。
なお、決定部132は、上述のように、映画の人気度を表す指標として検索クエリ数を利用することに限られず、SNSサービスでの映画に関する投稿数や、映画の公式ホームページへのアクセス数などを利用してもよい。同様に、決定部132は、かかるアクセス数や投稿数の所定期間における上昇率による映画の人気度の推移についても予測動員数の指標としてもよい。
以上のように、決定部132は、上述してきたような予測手法により、映画館TH1の1週間における動員数を予測する。このとき、決定部132は、かかる予測手法により、映画館TH1におけるスクリーン毎の動員数についても予測する。これにより、決定部132は、広告枠毎に動員数を予測することができる。決定部132は、予測した動員数に関する情報を広告枠テーブル123に記憶させる。
なお、決定部132は、広告枠テーブル123に記憶された予測動員数と実際の動員数とを比較し精度を検証することもできる。この検証処理を繰り返すことにより、決定部132は、過去に行った予測処理における誤差を含めた回帰的な予測処理を行うことができるようになるため、より高精度に動員数を予測することが可能となる。
続いて、決定部132は、かかる予測動員数を参照して、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売形態を決定する。例えば、決定部132は、予測動員数を基に最低動員数を決定し、最低動員数以上の数値を広告主に指定させる販売形態を決定する。
例えば、決定部132は、取得部131が取得する情報に係る広告枠全体の所定の1週間における動員数を予測する。そして、決定部132は、かかる全体の予測動員数の所定の割合に対応する数値を最低動員数と決定する。決定部132は、かかる所定の割合について広告枠の販売状況などにより適宜変動させることができる。そして、決定部132は、最低動員数以上の数値を広告主が指定できるような販売形態を決定する。また、決定部132は、広告主が指定できる最低動員数以上の数値について、所定の数値を一単位と決定することができる。例えば、決定部132は、最低動員数を「1000人」と決定した場合には、広告主が指定できる動員数の数値の一単位を「1000人」と決定する。なお、一単位とする動員数の数値は「1000人」に限られず、決定部132は、一単位とする動員数の数値を「100人」と決定してもよい。また、決定部132は、一単位としての数値を決定せず、広告主が任意の動員数を指定できるように決定してもよい。
また、決定部132は、動員数の指定とともに、1上映につき広告コンテンツを1回提供させるというような提供スタイルや、提供期間についての条件を広告主が指定可能なように販売形態を決定してもよい。また、決定部132は、広告枠に係る映画について本編タイトルの指定を受け付けるように販売形態を決定してもよい。例えば、決定部132は、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売形態であって、広告主が「本編タイトルM1の映画」を指定可能な販売形態を決定する。この場合、広告主は、「本編タイトルM1の映画」に設けられる広告枠において「100000人」に広告コンテンツを提供させる権利、などのような形態で権利を購入することができる。なお、決定部132は、広告枠に係る映画について、本編タイトルの指定のみならず、おおまかなジャンルや傾向などにより指定を受け付けるように販売形態を決定してもよい。例えば、決定部132は、本編タイトルそのものではなく、「ハリウッド大作映画」のような指定を広告主が指定可能なように販売形態を決定する。その他、例えば、決定部132は、映画館が所在する地域や、映画館で映画が上映される日程や、映画館で収容可能な収容数の少なくとも1つを広告主が指定可能なように販売形態を決定する。
〔3−3(3).算出部〕
算出部133は、映画館で広告コンテンツを提供させる権利について、広告主に指定される条件に対応する販売形態における販売価格を算出する。具体的には、実施形態に係る算出部133は、予測動員数に基づいて、かかる権利の販売価格を算出する。例えば、実算出部133は、動員数を指定してかかる権利を販売する販売形態において、動員数毎の動員単価を求めることにより、かかる権利の販売価格を算出する。
例えば、算出部133は、映画館側が広告コンテンツの提供により得る収益と、広告装置100側が販売サービスの提供により得る収益とを合算した額を動員単価として算出する。映画館側が広告コンテンツの提供により得る収益とは、例えば、図4に示すように、映画館側が映画館毎に定める動員単価である。算出部133は、映画館毎の動員単価に基づいて、かかる権利の販売価格の単価である動員単価を算出する。一例としては、算出部133は、映画館毎の動員単価の平均の価格を算出し、かかる権利の販売価格の単価である動員単価を算出する。
そして、算出部133は、決定部132が決定した最低動員数と動員単価を乗算することにより、かかる権利の販売価格の最低額を算出する。例えば、算出部133は、決定部132が決定した最低動員数が「1000人」あり、動員単価が「200円」であれば、両者を乗算した「200000円」をかかる権利の最低販売額として算出する。この場合、後述する提供部134は、販売価格の最低額を提示して、かかる権利の販売サービスを提供してもよい。
また、算出部133は、提供部134が提供した販売サービスにおいて、広告主が指定した動員数に応じた販売額を随時算出する。この場合、算出部133は、単に広告主が指定した動員数と動員単価とを乗算することで販売額を算出してもよいし、ある一定以上の動員数が指定された場合には所定の割引をした販売額を算出してもよい。また、算出部133は、広告主が動員数を指定する前であっても、予め販売額を算出してもよい。例えば、算出部133は、所定の指定動員数毎(例えば、「1000人」毎)の販売額を算出しておいてよい。そして、後述する提供部134は、予め算出部133が算出した販売額を提示して、かかる権利の販売サービスを提供してもよい。
〔3−3(4).提供部〕
提供部134は、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売形態及び算出部133の算出する販売価格に関する情報を提示し、かかる権利の販売サービスを提供する。具体的には、実施形態に係る提供部134は、広告主に最低動員数を提示した上で、広告主が広告コンテンツを視聴させたい人数を指定可能な販売形態により映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売サービスを提供する。
この場合、提供部134は、動員数の指定とともに、1上映につき広告コンテンツを1回提供させるというような提供スタイルや、提供期間についての条件を広告主が指定可能な販売形態により販売サービスを提供する。また、提供部134は、広告枠に係る映画について、本編タイトルの指定を受け付けてもよい。さらに、提供部134は、広告枠に係る映画について、本編タイトルの指定のみならず、おおまかなジャンルや傾向などにより指定を受け付けてもよい。例えば、提供部134は、本編タイトルそのものではなく、「ハリウッド大作映画」のような指定を受け付けることのできる販売形態により販売サービスを提供する。
また、提供部134は、映画館で映画が初めて上映される前に販売サービスを提供するだけでなく、映画館で映画が初めて上映された後にも販売サービスを提供してもよい。一般的に、映画館で映画が初めて上映される前に、広告枠がすべて広告主に購入されるとは限らない。この場合、提供部134は、映画館で映画が上映された後であっても販売サービスを提供してもよい。
そして、提供部134は、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の購入要求を広告主端末10から受け付ける。具体的には、提供部134は、決定部132が決定する販売形態に基づいて、かかる権利の購入要求を受け付けるウェブページW10を広告主端末10に提供する。そして、提供部134は、ウェブページW10を介して、広告主端末10により購入要求の操作が行われた場合に、かかる購入要求を受け付ける。そして、提供部134は、購入要求を受け付けた広告主端末10に係る広告主IDを広告主テーブル124に記憶させる。また、提供部134は、受け付けた購入要求に係る指定動員数や、その他条件についても広告主テーブル124に記憶させる。
次に、提供部134は、購入者である広告主の広告主端末10から、広告コンテンツの入稿を受け付ける。そして、提供部134は、購入者の広告枠IDに対応付けて、広告コンテンツを識別するための広告コンテンツIDを広告主テーブル124に記憶させる。
〔3−3(5).割当部〕
割当部135は、取得部131によって取得された広告枠に関する情報と、広告主が指定可能な条件とに基づいて、広告コンテンツを広告枠に割り当てる。具体的には、実施形態に係る割当部135は、記憶部120の各テーブルを参照し、広告主が購入した権利に係る指定動員数及び条件に基づいて、広告コンテンツが提供される条件に適合する広告枠を抽出する。そして、割当部135は、広告コンテンツを抽出された広告枠に割り当てる。
また、割当部135は、抽出された広告枠のうち、広告コンテンツを視聴させる人数が最も多くなると予測される広告枠に広告コンテンツを割り当てる。すなわち、割当部135は、抽出された広告枠毎の予測動員数を参照する。そして、割当部135は、広告主から指定された動員数をより早く達成することができると想定される広告枠、すなわち予測動員数の多い広告枠に広告コンテンツを割り当てる。
なお、割当部135は、広告コンテンツに割り当てた広告枠とかかる広告枠の前後に割り当てた広告コンテンツとの関係についても参照する。例えば、割当部135は、所定の複数の広告主を同時に提供してはならない場合(例えば、広告主が同業者同士であり、競合関係にある場合など)には、かかる関係を参照し、広告コンテンツの割り当てを調整する。
また、割当部135は、広告コンテンツが割り当てられていない複数の枠のうち、映画本編が提供される時間に近い枠に広告コンテンツを優先的に割り当てることもできる。例えば、割当部135は、広告枠C211と広告枠C212とについて提供される広告コンテンツが割り当てられていない場合であって、広告枠C212が広告枠C211よりも映画本編に近い時間に広告コンテンツが提供される枠である場合には、広告枠C212に広告コンテンツを優先して割り当てる。一般に、映画本編に近い時間帯ほど映画館の観客は着席していることが想定される。このため、割当部135は、映画本編により近い広告枠に広告コンテンツを割り当てることにより、広告コンテンツを観客に視聴させやすくする。
そして、割当部135は、広告コンテンツに割り当てた広告枠と広告コンテンツとを対応付けて、広告主テーブル124に記憶する。また、割当部135は、割り当てた広告枠において実際に広告コンテンツが観客に提供され、映画館装置20から実際の動員数に関する情報を取得した場合、広告主テーブル124に記憶されている残り動員数の数値を更新する。すなわち、割当部135は、広告コンテンツ配信前における残り動員数から広告コンテンツに割り当てた広告枠において達成された実際の動員数を引いた数値を広告主テーブル124に記憶する。
割当部135は、上記の割り当て処理を、広告主テーブル124に記憶された残り動員数の数値が0になるまで繰り返す。そして、割当部135は、残り動員数が0になった広告主に係る広告コンテンツについては、以降の割り当てを行わない。
〔3−3(6).配信部〕
配信部136は、映画館に広告コンテンツを配信する。具体的には、実施形態に係る配信部136は、割当部135が割り当てた広告枠に関する情報に基づいて、対応する広告コンテンツを実際に観客に対して提供させる映画館の映画館装置20に配信する。
〔3−3(7).通知部〕
通知部137は、取得部131の取得する映画館で広告コンテンツを視聴した人数に関する情報を広告主に通知する。具体的には、実施形態に係る通知部137は、広告コンテンツが提供された広告枠に係る実際の動員数についての結果を広告コンテンツに係る広告主に通知する。
また、通知部137は、所定の広告コンテンツが広告主から指定された動員数を達成した場合には、その旨をかかる広告主に通知する。この場合、通知部137は、広告コンテンツの提供を継続するか否かについて広告主に判断を求めてもよい。例えば、広告主は、新たに動員数を指定し、広告コンテンツの提供に係る対価を支払うことで、広告コンテンツの提供を継続させる。
〔4.決定処理手順〕
次に、図8を用いて、実施形態に係る広告装置100による決定処理の手順について説明する。図8は、広告装置100による決定処理の手順を示すフローチャートである。
図8に示すように、取得部131は、映画館装置20から広告枠に関する情報を取得する(ステップS101)。そして、取得部131は、広告枠に係る動員数を予測するための指標となる情報を、例えば所定のウェブサーバ等から取得する(ステップS102)。
そして、決定部132は、取得部131の取得した情報に基づいて、広告コンテンツを提供する映画館毎の動員数を予測する(ステップS103)。決定部132は、予測した動員数に基づいて、映画館で広告コンテンツを提供させる権利についての販売形態を決定する(ステップS104)。
続いて、算出部133は、予測動員数に基づいて、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売価格を算出する(ステップS105)。そして、提供部134は、決定された販売形態及び算出された販売価格を提示して、かかる権利の販売サービスを提供する(ステップS106)。
そして、提供部134は、広告主端末10から、かかる権利の購入要求を受け付ける(ステップS107)。そして、提供部134は、かかる権利の購入要求を受け付けない場合(ステップS107;No)、受け付けるまで待機する。
一方、かかる権利の購入要求を受け付けた場合(ステップS107;Yes)、提供部134は、かかる権利の購入者を決定する(ステップS108)。
続いて、割当部135は、予測動員数と広告枠に関する情報に基づいて、広告枠に広告コンテンツを割り当てる(ステップS109)。そして、配信部136は、割り当てられた広告枠に対応する映画館装置20に広告コンテンツを配信する(ステップS110)。
そして、取得部131は、広告コンテンツの提供に係る広告枠における実際の動員数に関する情報を取得する(ステップS111)。そして、通知部137は、かかる実際の動員数に関する情報を広告主に通知する(ステップS112)。
そして、割当部135は、広告主テーブル124に記憶された残り動員数を参照し、指定動員数に達したか否かを判定する(ステップS113)。割当部135は、指定動員数に達していないと判定した場合(ステップS113;No)、上記の割り当て処理を繰り返す。
一方、指定動員数に達した場合には(ステップS113;Yes)、通知部137は、かかる旨を広告主に通知する(ステップS114)。以上により、実施形態に係る広告装置100による、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売形態に係る決定処理は終了する。
〔5.変形例〕
上述した広告装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、広告装置100の他の実施形態について説明する。
〔5−1.販売形態〕
上記の実施形態では、決定部132が、映画館で広告コンテンツを提供させる権利について、予測動員数に基づいて最低の動員数を定めた上で広告主から動員数の指定を受け付ける販売形態に決定する例を示した。しかし、上記例に限られず、決定部132は、かかる権利について、異なる販売形態に決定してもよい。この点について、図9を用いて以下に説明する。
図9は、変形例に係る販売形態の一例を示す図である。図9では、変形例に係る販売形態の一例として、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売サービスにおけるウェブページW20を示している。
例えば、決定部132は、映画館で広告コンテンツを提供させる権利について、映画館で広告コンテンツを提供させる回数を指定可能な販売形態を決定してもよい。すなわち、決定部132は、かかる権利について、広告コンテンツの提供回数の指定を広告主から受け付けることのできる販売形態と決定する。この場合、決定部132は、提供回数の指定において、広告主が指定できる最低の提供回数を定める。そして、この場合、提供部134は、図9に示すようなウェブページW20を広告主に提示することにより、かかる権利の販売サービスを提供する。
具体的には、提供部134は、ウェブページW20内にあるテキストボックスT11〜T14について広告主端末10から入力を受け付けることで、広告コンテンツの提供に関する条件の指定を受け付ける。例えば、テキストボックスT11では、プルダウン方式で、広告コンテンツの提供を所望する地域を選択する。また、テキストボックスT12では、プルダウン方式で、広告コンテンツの提供スタイルの選択を受け付ける。また、テキストボックスT13では、プルダウン方式で、広告コンテンツの提供期間を選択する。
そして、テキストボックスT14では、指定する広告コンテンツの提供回数について、広告主端末10から数値の入力を受け付ける。この場合、テキストボックスT14では、最低の指定可能な提供回数が定められている。図1に示す例では、広告主端末10は、最低でも「50回」以上の数値を入力することが求められている。
続いて、テキストボックスT15では、指定された提供回数に対応して、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売価格が表示される。図9に示す例では、広告装置100は、提供回数の単価によりかかる権利の販売価格が算出される販売形態を採用している。すなわち、算出部133は、提供回数に係る単価である「20000円」と、広告主端末10により指定された「100回」とを乗算することにより、算出結果である「20000000円」をテキストボックスT15に表示させる。そして、広告主端末10は、かかる算出結果を確認し、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の購入を要求する。
このように、変形例に係る決定部132は、映画館で広告コンテンツを提供させる権利について、動員数を保証するのではなく、提供回数を保証する販売形態に決定することができる。なお、決定部132は、提供回数とともに、映画館の所在地域や、広告枠に係る映画のタイトル又はジャンルなどを指定させる形態を定めてもよい。
また、この場合、算出部133は、提供回数に基づいて、かかる権利の販売価格を算出する。算出部133は、広告枠毎に所定の単価を定めてもよいし、広告枠毎の予測動員数に基づいて、広告枠毎の単価を算出してもよい。そして、提供部134は、かかる販売形態及び販売価格を提示して、かかる権利の販売サービスを提供する。
このように、変形例に係る決定部132は、広告主が提供回数を指定可能なように、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売形態を決定することができる。かかる販売形態によれば、広告主は、広告コンテンツの提供を所望する地域において指定した提供回数分の提供が保証される。このため、広告主は、広告枠における動員数に依らず、確実に指定した回数だけ広告コンテンツを映画館で提供させることができるので、広告コンテンツに係る商品等のブランディング効果を高めることが期待できる。
また、かかる販売形態によれば、広告主は、例えば、所定の地域における全ての映画館で同時に広告コンテンツを提供させることが可能である。この場合、広告主は、所定の地域における全ての映画館の広告枠を同一広告コンテンツで占有することができるので、広告キャンペーンとして需要者により大きな広告効果を与えることができる。
〔5−2.販売価格〕
上記の実施形態では、算出部133が、映画館で広告コンテンツを提供させる権利について、予測動員数に基づいて動員単価を算出したうえで、かかる権利の販売価格を算出する例を示した。しかし、上記例に限られず、算出133は、かかる権利について、異なる販売価格を算出してもよい。この点について、以下に説明する。
例えば、算出部133は、動員単価に依らず、広告枠毎の価格を算出してもよい。そして、算出部133は、割当部135が割り当てる広告枠毎の価格を算出して、かかる広告枠の合計額を映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売価格として算出してもよい。
また、算出部133は、かかる権利の販売期間に応じてかかる権利の販売価格を算出することもできる。具体的には、算出部133は、所定の期間の販売サービスに係る広告枠であって、広告コンテンツの割り当てられない広告枠に関しては、例えば広告枠に対応する動員単価を割り引いて、かかる権利の販売価格を算出する。また、算出部133は、広告主が直近の提供期間(例えば、1週間以内など)を指定してかかる権利の購入要求を行った場合には、販売価格を割り引いて算出してもよい。
このように、算出部133は、販売期間に応じてかかる権利の販売価格を算出する。このため、広告装置100は、提供する販売サービスにおいて、売れ残る広告枠を少なくすることができる。これにより、広告装置100は、映画館側にとっては広告コンテンツの提供による収益を確実に得られるようにすることができる。また、広告装置100は、広告主が指定した条件によっては通常よりも安い対価によって広告コンテンツを映画館で提供させるので、広告主側にとっても有益な販売サービスを提供することができる。
〔5−3.早期の販売形態決定〕
上記の実施形態では、決定部132が、映画館装置20から取得する広告枠に関する情報等に基づいて動員数を予測し、販売形態を決定する例を示した。ここで、決定部132は、例えば、映画館テーブル121や、本編テーブル122や、広告枠テーブル123に記憶されうる全ての情報を取得する前であっても、上記販売形態を決定することもできる。この点について、以下に説明する。
例えば、決定部132は、各映画館に関する情報として、各映画館における映画の編成に係る第1の情報を取得した場合には、各映画館に関する他の情報である第2の情報を取得する前に、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売形態を決定する。具体的には、決定部132は、各映画館に関する情報として、少なくとも映画館において提供される映画の本編タイトル及び映画が上映される日程に関する情報を取得した時点でかかる権利の販売形態を決定する。
すなわち、決定部132は、映画の本編タイトル及び映画が上映される日程に関する情報を取得した時点で、かかる権利の販売形態を決定する。そして、提供部134は、決定された販売形態を提示して、かかる権利の販売サービスを提供する。この場合、決定部132は、映画の本編タイトル及び映画が上映される日程に関する情報から導出されうる指標によって動員数を予測することにより、かかる権利の販売形態を決定する。そして、算出部133は、映画の本編タイトル及び映画が上映される日程に関する情報から導出されうる指標を用いることにより、かかる権利の販売価格を算出する。具体例として、著名な制作者「AA」により制作される本編タイトル「M10」の映画が、半年後に全国で公開されることが決定したとする。この場合、決定部132は、映画「M10」が実際に映画館で上映される日時等が詳細に決定する前であっても、所定の指標によって動員数を予測することにより、かかる権利の販売形態を決定することができる。
例えば、決定部132は、映画の本編タイトルから導出されうる指標として、かかる映画の制作者「AA」の情報を用いて動員数を予測する。例えば、決定部132は、制作者「AA」の過去の作品における動員数実績などの指標を用いることにより、映画「M10」における動員数を予測する。なお、決定部132は、制作者「AA」や映画「M10」に関する検索クエリ数などを参照してもよい。また、決定部132は、制作者「AA」の過去の作品における上映実績等に基づいて、映画M10が上映されるであろう映画館の数や上映期間を推定し、動員数を予測してもよい。そして、算出部133は、予測される動員数に基づいて、かかる権利の販売価格を算出する。
このように、広告装置100は、映画館において提供される映画の本編タイトル及び映画が上映される日程に関する情報のみを取得した時点であっても、かかる権利の販売サービスを提供することができる。これにより、広告主は、上映される映画館が決定する前であっても、制作者「AA」により制作される映画「M10」を指定して、広告コンテンツを提供させる権利を購入することができる。すなわち、広告主は、人気作品となる可能性の高い映画「M10」において広告コンテンツを提供させる権利を早期に取得することができる。
また、広告装置100は、映画の配給会社から、上記のような将来の映画の公開に係る情報を取得してもよい。例えば、映画の配給会社は、公開予定の映画に関して、実際に映画が上映される詳細な日時等が決定する前に、公開予定の映画を上映する映画館の数のおおよその決定をすることがある。この場合、決定部132は、各映画館に関する情報として、公開予定の映画が上映される予定の各映画館の情報に基づいて、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売形態を決定することができる。なお、決定部132は、上記の例と同様に、例えば、映画の制作者の情報等から動員数を予測する。
一般に、映画館において映画の詳細な上映日程が決定するのは、実際の上映日程の一又は二週間前となる。このため、映画館側は、映画の詳細な上映日程が決定する前においては、広告枠に係る時間や広告枠の数量を決定させ難い。また、広告主にとっては、映画館で広告コンテンツを提供させる日程や価格が決定しない段階では、かかる権利の購入を躊躇せざるを得ない。
一方、広告装置100の提供する販売サービスによれば、映画館における広告コンテンツの配信日程の詳細が確定する前であっても、動員数又は上映回数を指定してかかる権利を購入できるので、広告主によるかかる権利の購入を躊躇させにくい。また、広告装置100は、映画の詳細な上映日程が確定する前に所定の数量の広告枠を販売することができるので、映画館側にとって広告収益を得られやすくさせる。
〔5−4.予測指標の取得〕
また、広告装置100は、検索サーバ30やSNSサーバ31に限られず、ネットワークNを介して異なる装置から動員数の予測の指標を取得することもできる。この点について、図10を用いて以下に説明する。
図10は、変形例に係る決定処理システム1の構成例を示す図である。図10に例示するように、変形例に係る決定処理システム1には、広告主端末10と、映画館装置20と、ユーザ端末35と、広告装置100との他に、情報提供装置40を有する。
ユーザ端末35は、例えば、タブレット型端末や、携帯電話機、PDA等の情報処理端末であり、ウェブページの閲覧や、ウェブサーバに対して広告配信の要求などを行う。情報提供装置40は、ユーザ端末35からアクセスされた場合に、各種ウェブページを提供するウェブサーバである。情報提供装置40は、例えば、ニュースサイト、オークションサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、ウェブブログなどに関する各種ウェブページを提供する。
ここで、情報提供装置40によって提供されるウェブページには、ウェブビーコン(web beacon)等によって実現される通知機能が埋め込まれることがある。例えば、ウェブビーコンは、ウェブページにアクセスしたユーザ端末35を広告装置100内に格納される透明な画像又は非常に小さな画像(「クリアGIF」と呼ばれることもある)にアクセスさせる機能を有する。これにより、広告装置100は、ユーザ端末35から情報提供装置40に関するアクセスログなどのユーザ情報を取得することができる。
広告装置100は、上記のように、情報提供装置40にアクセスするユーザ端末35のアクセスログを取得できるので、検索クエリ数の他にも、決定処理の指標を取得することができる。具体例としては、決定部132は、予測対象となる映画館で上映される映画の公式ホームページへのアクセス数を取得する。そして、決定部132は、アクセス数が多いほど、映画館側の利益を高く予測する。また、決定部132は、情報提供装置40が提供するポータルサイトにおける、映画館で上映される映画のバナー広告のクリック数を取得する。また、決定部132は、ウェブサイトにより紹介された回数等を取得する。そして、決定部132は、かかる計数が多いほど、映画館で上映される映画の人気度が高く集客が見込めるとして、動員数を高く予測する。
このように、広告装置100は、ネットワークN上の情報を随時取得することにより、映画館における動員数を予測することができる。さらに、広告装置100は、映画の封切り後の所定のウェブサイトにおける評判などに基づいて、映画の人気度を判定することなどにより動員数を予測することもできる。すなわち、広告装置100は、多角的な指標を用いて動員数を予測するので、高い精度で動員数を予測することができる。
〔5−5.広告配信〕
上記の実施形態では、配信部136が、広告主テーブル124に記憶された広告コンテンツを映画館装置20に配信する例を示した。しかし、上記例に限られず、広告装置100は、配信に係る処理について、外部の装置を利用して行ってもよい。この点について、図11を用いて以下に説明する。
図11は、変形例に係る決定処理システム1の構成例を示す図である。図11に例示するように、変形例に係る決定処理システム1には、広告主端末10と、映画館装置20と、広告装置100との他に、広告配信装置50を有する。
広告配信装置50は、広告装置100の制御に従い、映画館装置20に広告コンテンツを配信する情報処理装置である。この場合、広告配信装置50は、広告主端末10から広告コンテンツの入稿を受け付けたり、広告コンテンツを記憶したりする。
そして、広告装置100は、広告主テーブル124に記憶された広告コンテンツIDに基づいて、広告配信装置50に記憶された広告コンテンツを特定する。そして、広告装置100は、広告配信装置50に対して、特定された広告コンテンツを映画館装置20に対して送信するよう制御する。この場合、広告装置100は、配信部136を有しなくてもよい。
〔5−6.管理装置〕
また、上記の実施形態では、取得部131は、映画館装置20から広告枠に関する情報を取得する例を示した。また、配信部136は、映画館装置20に広告コンテンツを配信する例を示した。しかし、広告装置100は、映画館装置20とではなく、例えば、複数の映画館を管理する映画館管理装置60に対して、同様の処理を行うことができる。この点について図12を用いて説明する。なお、以下では、複数の映画館装置について、映画館装置201、202及び203として表記する。
図12は、変形例に係る決定処理システム1の構成例を示す図である。なお、図2と対応する構成については、説明を省略する。図12に示すように、配信システム1には、映画館管理装置60と、映画館管理装置60が管理する映画館装置201、202及び203が含まれる。なお、図示は省略するが、映画館管理装置60は、さらに多くの映画館装置20n(nは任意の数)を管理していてもよい。
図12に示した例では、広告装置100は、上述した実施形態に係る決定処理において映画館装置201に対して行う手続きを映画館管理装置60に対して行う。広告装置100は、例えば、映画館装置201を備える映画館の広告枠に関する情報を映画館管理装置60から取得する。なお、映画館管理装置60は、かかる情報について予め映画館装置201から提供を受けているものとする。これにより、広告装置100は、一連の処理を映画館管理装置60に対して行うことによっても、上述した実施形態と同様に、映画館装置20を備える映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売形態を決定することができる。
この場合、実施形態に係る処理に比べ、広告装置100による処理を簡略化できる場合がある。具体的には、上述した実施形態に係る処理において、広告装置100が複数の映画館における広告枠に関する情報を取得するためには、複数の映画館装置201、202及び203からそれぞれ情報を取得する必要がある。また、広告装置100は、それぞれ対応する複数の映画館装置201、202及び203に広告コンテンツを配信する必要がある。
一方、上記変形例に係る配信処理において、広告装置100は、映画館管理装置60との間で処理を行うことにより、複数の映画館装置201、202及び203に対して処理を行うことと同様の結果を得る。すなわち、実施形態に係る決定処理に比べ、変形例に係る広告装置100は、一連の決定処理手順を減らすことができるため、決定処理を簡略化できる。
なお、映画館管理装置60は、例えば、施設である映画館側(配給会社など)によって管理される。「施設」や「映画館」といった表記は、このような映画館管理装置60を含む概念であるものとする。
〔5−7.配信タイミング〕
配信部136は、事前に広告コンテンツを映画館装置20に配信しておき、その後、提供させる広告コンテンツの情報のみを映画館装置20に配信し、映画館で広告コンテンツを提供させることもできる。この場合、広告コンテンツのデータは事前に配信されているため、配信部136は、映画館で提供する広告コンテンツを識別するための識別情報を配信するのみでよい。
一般に、映画館で提供される広告コンテンツは、高画質な動画像で構成されておりデータ容量が大きい。このため、映画館で提供される広告コンテンツは、ネットワークNを介する配信において相当の時間を要する。一方、上記のように、配信部136は、事前に広告コンテンツのデータを映画館に配信しているため、映画館から取得要求を受け付けて広告コンテンツを映画館で実際に配信するまでに、広告コンテンツのデータの配信にかかる時間を要さない。この結果、割当部135は、配信する広告枠や広告コンテンツの割り当てを、実際に映画館で広告コンテンツが配信される数秒前にすることができる。
これにより、変形例に係る広告装置100は、リアルタイムな割り当て処理をすることができる。具体的には、変形例に係る広告装置100は、同一の広告主から数種の広告コンテンツの入稿を受け付けておき、実際に広告コンテンツが配信される映画館の動員状況や観客の属性などに応じて提供する広告コンテンツをかかる広告枠に割り当てることができる。また、広告装置100に係る割当部135は、広告コンテンツが割り当てられていない複数の広告枠が存在する場合には、実際に広告コンテンツが配信させる直前に、映画本編により近い広告枠に広告コンテンツを割り当てることが可能になる。
〔5−8.広告枠の位置〕
また、上記の実施形態では、広告枠が映画の本編前に組み込まれる例を示した。言い換えれば、上記の実施形態では、広告コンテンツが映画の本編前に上映される例を示した。しかし、広告コンテンツが上映されるタイミングは上記例に限られない。すなわち、広告コンテンツが映画とともに提供されるとは、映画の本編中に上映されてもよいし、映画の本編後に上映されてもよいことを意味する。また、上述のように、広告コンテンツには、本編である映画にオーバーレイのように重ねて提供されるようなものも含まれるものとする。
〔5−9.コンテンツの例〕
また、上記の実施形態では、施設で提供される第1コンテンツとして映画を、第1コンテンツとともに提供される第2コンテンツが広告である例を示した。しかし、この例に限られず、各コンテンツは様々な態様があってもよい。例えば、第1コンテンツとしては、演劇、コンサートなど、観客を動員して行われる様々な催事が含まれてもよい。また、第2コンテンツとしては、個人クリエイタによって制作されたショートフィルムなどが含まれてもよい。
〔5−10.その他の予測指標〕
また、決定部132は、上記の実施形態における決定処理において、動員数を予測するにあたり種々の情報を予測指標とすることができる。例えば、決定部132は、映画館において提供される映画の傾向又はジャンルを指標とする。例えば、ミニシアターなどで配給される映画は、上映される映画館との傾向に調和している場合、動員数が多くなることが想定される。このような場合、決定部132は、動員数を多めに予測する。また、近年、多くのスクリーンを備えた大型の映画館においては、映画そのものの人気のみならず、映画館自体に集客力を備えることもある。この場合、決定部132は、かかる映画館における動員数を多めに予測する。
このように、決定部132は、種々の指標を用いることで決定処理を行う。また、決定部132は、上述してきたような予測を行う指標を組み合わせることができる。また、上述のように、決定部132は、動員数の予測にあたり、予測した動員数と、実際の動員数との誤差を記憶部120に記憶させることもができる。これにより、決定部132は、動員数の予測を繰り返しながら、予測値の誤差を減らしていくように予測に用いる指標を調整する。結果として、決定部132は、動員数の予測の精度を高めていくことができる。このため、算出部133は、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売価格を適切に算出することができるようになる。
〔5−11.販売サービスの提供〕
上記の実施形態では、提供部134が、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売サービスを提供する例を示した。しかし、上記例に限られず、広告装置100は、かかる権利の販売サービスについて、外部の装置を利用して行ってもよい。例えば、広告装置100は、ネットワークN上に存在し、広告主端末10と通信可能なサーバ装置である販売サービス提供装置によって、上記販売サービスを提供させることもできる。この場合、広告装置100は、提供部134を備えなくてもよい。
〔6.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
例えば、図3に示した記憶部120が記憶する情報は、広告装置100が保持せずに、図示しないストレージサーバ等が保持してもよい。この場合、広告装置100は、映画館テーブル121等の各データテーブルに記憶されている情報を適宜取得するものとする。
また、上記の実施形態では、提供部134が、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売サービスを提供する例を示した。しかし、上記例に限られず、広告装置100は、かかる権利の販売サービスについて、外部の装置を利用して行ってもよい。例えば、広告装置100は、ネットワークN上に存在し、広告主端末10と通信可能なサーバ装置である販売サービス提供装置によって、上記販売サービスを提供させることもできる。この場合、広告装置100は、提供部134を備えなくてもよい。
また、上記実施形態においては、映画館は動員数を取得するため観客情報取得装置を備える例を示した。しかし、映画館は、さらに別の装置を備えてもよい。例えば、映画館は、映画館で広告が上映されたことを示す情報を取得する装置を備える。具体的には、映画館には、実際に映画館で広告が流れている音声を集音する集音装置が設けられる。広告装置100は、例えば、映画館装置20から、かかる集音された音声データを受け付け、広告主に情報として提示することができる。これにより、広告装置100は、実際に映画館で広告が上映されたか確認したいという広告主の要望に応えることができる。
また、上記実施形態においては、第1コンテンツを提供する施設として映画館を挙げ、当該施設の利用料としてチケット料金を例示した。しかし、例えば、第1コンテンツとしては、演劇、コンサートなど、観客を動員して行われる様々な催事が含まれてもよい。この場合、第1コンテンツを提供する施設としては、劇場や、演舞場や、屋外遊戯施設など、観客を収容できる、あるいは観客が入場することのできる種々の施設が該当する。
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る広告装置100は、例えば図13に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、広告装置100を例に挙げて説明する。図13は、広告装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(図2に示したネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを通信網500を介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に記憶されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る広告装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが記憶される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網500を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る広告装置100は、映画(第1コンテンツの一例)とともに広告コンテンツ(第2コンテンツの一例)を提供する各映画館(施設の一例)に関する情報に基づいて、映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売形態であって、購入希望者が条件を指定可能な販売形態を決定する決定部132と、条件に対応する販売形態における権利の販売価格を算出する算出部133とを備える。
これにより、実施形態に係る広告装置100は、広告主が指定する条件に対応した映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売形態を決定できる。このため、実施形態に係る広告装置100は、広告配信に関する取引を促進させることができる。
また、実施形態に係る広告装置100は、決定部132によって決定された販売形態と、購入希望者によって指定された条件に対応する販売価格とを提示し、前記権利の販売サービスを提供する提供部134を備える。
これにより、実施形態に係る広告装置100は、広告主側及び映画館側にとって有益な映画館で広告コンテンツを提供させる権利の販売サービスを提供することができる。すなわち、実施形態に係る広告装置100によれば、広告主側は、一定の条件が保証されるような広告コンテンツの提供をさせることができる。また、映画館側にとっては、所定の数量の広告枠をまとめて販売することができる。
また、決定部132は、各映画館に関する情報として、各映画館における動員数の予測値である予測動員数に基づいて、販売形態を決定する。算出部133は、予測動員数に基づいて、前記権利の販売価格を算出する。
このように、実施形態に係る広告装置100は、最低動員数を定めた販売形態を決定するので、映画館毎の個々の広告枠に関わらず、所定の量の広告枠をまとめて広告主に販売する販売形態を決定することができる。また、実施形態に係る広告装置100は、予測動員数に基づいて販売形態を決定するので、保証した動員数が実現できないなどのリスクを下げることができる。
また、決定部132は、条件として、広告コンテンツが提供される各映画館の動員数であって、購入希望者が希望する希望動員数を指定可能な販売形態を決定する。算出部133は、希望動員数に基づいて前記権利の販売価格を算出する。
これにより、実施形態に係る広告装置100は、広告主が提供させることを所望する人数を指定させるので、広告主が要望する広告効果を実現しやすくする。
また、決定部132は、予測動員数に基づいて、購入希望者が指定可能な希望動員数の最低数を決定する。
これにより、実施形態に係る広告装置100は、所定の量の広告枠について、まとめた形態で販売することができる。
また、算出部133は、所定の動員数毎に定められる販売価格の単価である動員単価に基づいて、前記販売価格を算出する。
これにより、実施形態に係る広告装置100は、広告コンテンツを視聴させる人数によって販売価格を算出するので、広告主にとって無駄がない、広告効果と価格が対応した前記権利の販売価格を提示できる。
また、決定部132は、条件として、映画館で広告コンテンツを提供させる回数を指定可能な販売形態を決定する。算出部133は、広告コンテンツを提供させる回数に基づいて前記権利の販売価格を算出する。
これにより、実施形態に係る広告装置100は、確実に指定回数分の広告コンテンツが映画館で提供されることを保証する。このため、実施形態に係る広告装置100は、広告主にとって、広告コンテンツに係る商品等のブランディング効果を高めることが期待できる。
また、決定部132は、条件として、映画館が所在する地域、映画館で映画が提供される日程、映画館に収容可能な収容数、映画館において提供される映画のタイトル若しくはジャンルの少なくとも1つを広告主が指定可能な販売形態を決定する。
これにより、実施形態に係る広告装置100は、広告主の詳細な要望に沿った前記権利の販売形態を決定できる。
また、算出部133は、前記権利の販売期間に応じて前記権利の販売価格を算出する。これにより、実施形態に係る広告装置100は、前記権利が長期間に渡り販売されない場合に価格を調整することができるので、より前記権利を購入されやすくすることができる。
また、決定部132は、各映画館に関する情報として、各映画館における映画の編成に係る第1の情報を取得した場合には、各映画館に関する他の情報である第2の情報を取得する前に前記権利の販売形態を決定する。具体的には、決定部132は、少なくとも映画館において提供される映画のタイトル及び映画が提供される日程に関する情報を取得した時点で前記権利の販売形態を決定する。
これにより、実施形態に係る広告装置100は、広告枠に関する情報の詳細が定まる前の状態で販売形態を決定できるので、早期に前記権利の販売サービスを提供できる。
また、実施形態に係る広告装置100は、映画館で広告コンテンツが提供される広告枠に関する情報を取得する取得部131と、取得部131によって取得された広告枠に関する情報と、条件とに基づいて、広告コンテンツを広告枠に割り当てる割当部135とを備える。
これにより、実施形態に係る広告装置100は、取得した広告枠に関する情報に基づいて広告枠に広告コンテンツを割り当てることができるので、適切な広告コンテンツを観客に提供することができる。
また、割当部135は、広告コンテンツが割り当てられていない複数の枠のうち、映画が提供される時間に近い広告枠に広告コンテンツを優先的に割り当てる。
これにより、実施形態に係る広告装置100は、映画本編により近い広告枠に広告コンテンツを割り当てることができるので、広告コンテンツを観客に視聴させやすくする。このため、実施形態に係る広告装置100は、広告コンテンツの広告効果の高めることができる。
また、割当部135は、各映画館のうち、動員数の予測値である予測動員数が大きい映画館に対応する広告枠に広告コンテンツを優先的に割り当てる。
これにより、実施形態に係る広告装置100は、早期に広告主が指定する動員数分の広告コンテンツの提供を実現することができる。
また、取得部131は、広告コンテンツが提供された映画館における実際の動員数を取得する。そして、実施形態に係る広告装置100は、取得部131によって取得された実際の動員数に関する情報を広告コンテンツの広告主に通知する通知部137をさらに備える。
これにより、実施形態に係る広告装置100は、実際の動員数に関する情報を広告主にレポートすることができる。このため、実施形態に係る広告装置100によれば、広告主は、映画館での広告コンテンツの提供による広告効果を確認することができる。
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、提供部は、提供手段や提供回路に読み替えることができる。