JP6032032B2 - 粘着剤組成物 - Google Patents
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Description
前記架橋剤が、トリレンジイソシアネートであり、
前記アクリル系トリブロックコポリマーが、メチル(メタ)アクリレート−ブチルアクリレート−メチル(メタ)アクリレートからなるトリブロックコポリマーであり、
前記トリレンジイソシアネートが、前記アクリル系粘着剤100質量部に対して、5〜15質量部含まれてなることを特徴とするものである。
前記粘着シートから、第1離型紙を剥離し除去して粘着剤層を露出させ、
被着体であるポリカーボネート樹脂フィルムに粘着剤層を貼り合わせ、
前記粘着シートから、第2離型紙を剥離して、他方の被着体と粘着剤層とを貼り合わせて、ポリカーボネート樹脂フィルムと前記他方の被着体とを接着する、
ことを含んでなるものである。
本発明による粘着剤組成物は、アクリル系粘着剤と、架橋剤としてトリレンジイソシアネートと、特定のアクリル系トリブロックコポリマーとを必須成分として含むものである。以下、粘着剤組成物を構成する各成分について説明する。
本発明による粘着シートは、図1に示すように、上記した粘着剤組成物からなる粘着剤層の両面に第1離型紙および第2離型紙が設けられている層構成を有する。図1には、なお、本明細書では、粘着剤層の両面に離型紙が設けられた実施形態を図示したが、粘着剤層のいずれか一方の面にのみ離型紙を設けてもよい。なお、第1離型紙21Aと第2離型紙21Bとを合わせて離型紙21と呼称する。
アクリル系トリブロックコポリマーとして、4種類のMMA−BA−MMAブロックコポリマー1〜4を準備した。
クラレ製のクラリティーLA2140(MMAの含有率が25%)
・MMA−BA−MMAブロックコポリマー2
クラレ製のクラリティーLA4285(MMAの含有率が50%)
トルエン868g、1,2−ジメトキシエタン43.4g、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム40.2mmolを含有するトルエン溶液60gを、内部を窒素ガスで置換した反応容器内に室温にて投入し、さらに、sec−ブチルリチウム12.5mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンとの混合溶液7.24gと、メタクリル酸メチル93.5gとを添加した。次に、室温にて60分間撹拌して重合を開始させ、その後、反応容器内を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル125gを2時間かけて滴下し、滴下後、−30℃にて5分間撹拌した。次いで、これにメタクリル酸メチル93.5gを加え、12時間撹拌した後、メタノール3.5gを添加して重合反応を停止した。このように得られた反応液をメタノール中に注入して白色沈殿物を回収し、乾燥することにより、MMA−BA−MMAブロックコポリマー3を得た。得られたMMA−BA−MMAブロックコポリマー3は、質量平均分子量が8.6万であり、MMA単位の含有率が約60モル%であった。
シクロヘキサンとn−ヘキサンとの混合溶液として、sec−ブチルリチウム14.6mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンとの混合溶液8.4gを添加し、メタクリル酸メチルの添加量を109.2gとし、アクリル酸n−ブチル93.6gとした以外は、上記と同様にして、MMA−BA−MMAブロックコポリマー4を得た。得られたMMA−BA−MMAブロックコポリマー4の質量平均分子量が9.2万であり、MMA単位の含有率が約70モル%であった。
アクリル系粘着剤として綜研化学社製のSKダイン2950を用い、架橋剤として日本ポリウレタン工業製のトリレンジイソシアネート(アダクト型)用い、アクリル系トリブロックコポリマーとして、上記のようにして得られたMMA−BA−MMAブロックコポリマー1〜4を用い、下記の表1に示す割合で配合し、粘度調整用の希釈溶剤として酢酸エチル(製品名酢酸エチル:DICグラフィクス製)適量を配合し、攪拌機により混合することにより粘着剤組成物を得た。
上記のようにして得られた粘着剤組成物を乾燥して厚さが25μmになるようにシリコーン剥離処理した厚み38μmのPET製キャリアフィルム(製品名MRF:三菱樹脂製)に、アプリケーターにて塗布し、100℃で2分乾燥を行い粘着剤層を形成し、40℃環境で3日間エージング処理を行うことにより粘着シートを得た。次いで、粘着シートの粘着剤層の面を、位相差フィルム(VA−TACフィルム、コニカミノルタ社製)に貼り合わせ、位粘着剤層付きの位相差フィルムを作製した。続いて、得られた粘着剤層付きの位相差フィルムからPET製キャリアフィルムを剥離し、剥離面を、厚み60μmのTACフィルム(フジタックTD60UL、富士フィルム製)に貼り合わせ、ラミネートローラーを用いて2kg荷重で2往復させることにより、位相差フィルムとTACフィルムとを貼り合わせた。
上記のようにして得られた貼合体を所定の大きさに裁断し、引張り試験機(RTF−1150−H、エー・アンド・デイ社製)を用いて、室温にて、引張速度=300mm/分、剥離角=180°(JIS Z0237に準拠)の条件にて剥離強度(N/25mm)の測定を行った。評価結果は下記の表2に示される通りであった。
また、上記で得られた貼合体を所定の大きさに裁断したサンプルを、50℃のオーブンに30分間静置した後、オーブンから取り出し、引張り試験機(RTF−1150−H、エー・アンド・デイ社製)を用いて、室温にて、引張速度=1000mm/分の条件にて剥離強度(N/25mm)の測定を行った。評価結果は下記の表2に示される通りであった。
粘着シートを10mm×300mmの大きさに裁断し、PET製キャリアフィルムを剥離して粘着剤層のみとし、それを長さ20mm、直径6mm となるよう丸めたものを評価サンプルとした。このサンプルを引張試験機にてチャック間10mm、引っ張り速度300mm/分で延伸時の破断強度を測定した。破断強度値をサンプルの断面積で割ることにより引っ張り弾性率値(MPa)を算出した。評価結果は下記の表2に示される通りであった。
粘着剤層付きの位相差フィルムからPET製キャリアフィルムを剥離し、剥離面を、粘着付偏光板(HLC2−5618S:サンリッツ製)の粘着層が形成されていない面にゴムロールを用いて貼り合わせた。次いで、粘着付偏光板の粘着層が形成されている面に、0.7mm厚のガラス(ゴリラガラス:コーニング製)を貼り合わせ、ゴムロールで荷重をかけることにより、粘着剤層付きの位相差フィルムと粘着付偏光板とが積層された貼合体を得た。貼合体をオートクレーブ装置にて0.5MPa、50℃、30分の条件で熱処理を行ったものを、再度、温度60℃湿度90%Rhのオーブンへ投入し、1時間放置したものを評価サンプルとした。評価サンプルを目視にて観察し、浮きまたは剥がれが確認されたものを×、浮きまたは剥がれが確認できなかったものを○とした。評価結果は下記の表2に示される通りであった。
粘着剤層付きの位相差フィルムからPET製キャリアフィルムを剥離し、剥離面を、粘着付偏光板(HLC2−5618S:サンリッツ製)の粘着層が形成されていない面にゴムロールを用いて貼り合わせ、オートクレーブ装置にて0.5MPa、50℃、30分の条件で熱処理を行った。得られた貼合体を、カッター刃にて20m/分の速度で210mm×300mmの寸法となるように裁断して一枚のサンプルを作製し、これを100枚重ね合わせた。100枚重ね合わせたものの裁断面に、ゴム手袋を付着させ、300mm/分の速度で剥がした際に粘着層がゴム手袋に付着しているか否かを目視にて観察した。ゴム手袋に粘着層が付着していなければ○、粘着層が付着している場合は×とした。評価結果は下記の表2に示される通りであった。
11:粘着剤層
21:離型紙
21A:第1離型紙
21B:第2離型紙
30:被着体(光学フィルム)
40:被着体(光学フィルム)
Claims (8)
- アクリル系粘着剤と、架橋剤と、アクリル系トリブロックコポリマーと、を少なくとも含んでなる粘着剤組成物であって、
前記架橋剤が、トリレンジイソシアネートであり、
前記アクリル系トリブロックコポリマーが、メチル(メタ)アクリレート−ブチルアクリレート−メチル(メタ)アクリレートからなるトリブロックコポリマーであり、
前記トリレンジイソシアネートが、前記アクリル系粘着剤100質量部に対して、5〜15質量部含まれてなる、ことを特徴とする、粘着剤組成物。 - 前記アクリル系粘着剤が、(メタ)アクリル酸エステル単量体と、水酸基含有(メタ)アクリレート単量体および/またはカルボキシル基含有(メタ)アクリレート単量体との共重合体からなる、請求項1に記載の粘着剤組成物。
- 前記アクリル系トリブロックコポリマーが、前記アクリル系粘着剤100質量部に対して、1〜3質量部含まれてなる、請求項1または2に記載の粘着剤組成物。
- 前記メチル(メタ)アクリレート−ブチルアクリレート−メチル(メタ)アクリレートトリブロックコポリマーにおいて、メチル(メタ)アクリレート単位が50モル%以上含まれている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 粘着剤組成物を架橋させた後の粘着剤の、25℃50%Rh雰囲気下における、引張弾性率が3.0〜4.0MPaであり、かつ破断伸度が500〜750%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 第1離型紙と、粘着剤層と、第2離型紙とを、この順で積層してなる粘着シートであって、前記粘着剤層が、請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着剤組成物の架橋物からなる、粘着シート。
- 請求項6に記載の粘着シートを用いて貼合体を製造する方法であって、
前記粘着シートから、第1離型紙を剥離し除去して粘着剤層を露出させ、
被着体であるトリアセチルセルロース樹脂フィルムに粘着剤層を貼り合わせ、
前記粘着シートから、第2離型紙を剥離して、他方の被着体と粘着剤層とを貼り合わせて、トリアセチルセルロース樹脂フィルムと前記他方の被着体とを接着する、
ことを含んでなる、方法。 - 前記他方の被着体がトリアセチルセルロース樹脂フィルムである、請求項7に記載の方法。
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