以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.本発明の実施形態の構成>
本発明は、一例として本実施形態において詳細に説明するように、多様な形態で実施され得る。また、本実施形態に係るサーバ装置(100)は、
A.インターネットバンキングの個人メニュー画面において顧客が設定可能な個人メニュー設定情報に基づいて、前記顧客に案内する金融商品を選択する選択部(102)と、
B.顧客ごとに、前記選択部により選択された前記金融商品を対応付けて記憶する記憶部(104)と、
C.前記顧客が操作する取引装置(10)から、前記顧客を特定する特定情報を受信する特定情報受信部(106)と、
D.受信した前記特定情報で特定される顧客に対応する、前記記憶部に記憶された前記金融商品に関する商品情報を、前記取引装置の表示部(14)に表示させるために、前記取引装置に送信する商品情報送信部(108)と、
を備える。
以下では、まず、本実施形態に係るサーバ装置およびサーバ装置を含む取引システムの構成について、図1〜3を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る取引システムの構成を示した説明図である。図1に示したように、取引システム1は、取引装置10と、営業店端末20と、役席端末24と、更新情報送信装置28と、顧客端末30と、通信網34と、サーバ装置100と、勘定系ホスト200と、情報系ホスト204と、MCIF208と、ゲートウェイ212と、専用網216と、インターネットバンキングホスト220と、を含む。
サーバ装置100は、顧客に案内する金融商品を複数の候補の中から選択し、選択した金融商品を顧客に案内するための情報である商品情報を、取引装置10の表示部に表示させるために、取引装置10に送信する、チャネル制御サーバとしての機能を有する。以下では、顧客に案内する金融商品を案内商品と呼称する。サーバ装置100は、例えばMCIF208およびインターネットバンキングホスト220から取得した顧客に関する情報に基づいて、案内商品を選択する。ここで、サーバ装置100は、顧客に関する情報を、バッチ処理により所定間隔で取得する。なお、サーバ装置100は、選択した金融商品に関する商品情報を、取引装置10だけでなく、営業店端末20、役席端末24に、それぞれの端末が備える表示部に商品セールス指示として表示させるために、送信する。
専用網216は、金融機関のネットワークであり、例えば専用線またはIP−VPN(Internet Protocol−Virtual Private Network)により構成される。ゲートウェイ212は、勘定系ホスト200への不正なアクセスを防ぐ装置である。ゲートウェイ212は、例えば、勘定系ホスト200と、取引装置10、営業店端末20または役席端末24との接続の安全性をポートチェックにより監視する。
勘定系ホスト200は、専用網216を通して取引装置10と通信することにより、取引装置10での取引を制御する。例えば、勘定系ホスト200は、取引装置10を操作する顧客の認証や、取引装置10において顧客により指示された入金や振込などの金銭取引(勘定の取引処理)を実行する。また、勘定系ホスト200は、口座番号、暗証番号、預金口座残高、契約済み商品、契約履歴などの顧客情報(口座の元帳)を管理する。
情報系ホスト204は、勘定系ホスト200の管理する顧客情報に付随する情報を管理し、金融機関の従業員(以下、行員と呼称する)の営業支援を行う。例えば、情報系ホスト204は、氏名、住所、年齢、生年月日、電話番号、職業、家族構成、年収、顧客の趣味、家族構成、ローン契約の有無、持家の有無、などの情報を管理する。
MCIF208は、顧客情報ファイル(MCIF:Marketing Customer Information File)を指し、マーケティング用の顧客情報データベースである。MCIF208は、例えば情報系ホスト204が管理する情報の一部である、生年月日、職業、家族構成、ローンの有無などの情報を管理する。MCIF208は、必要に応じて情報系ホスト204と連携を行う。例えば、MCIF208は、情報系ホスト204と連携して、管理する情報の更新や互いの管理する情報の整合性の検査などを行う。そして、MCIF208が管理する情報は、例えばサーバ装置100に参照され、サーバ装置100による案内商品の選択に用いられる。
通信網34は、通信網34に接続されている装置から送信される情報の有線、または無線の伝送路である。例えば、通信網34は、インターネット、電話回線網、衛星通信網などの公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などを含んでもよい。
インターネットバンキングホスト220は、金融機関が提供するサービスのひとつである、インターネットバンキングを制御する。インターネットバンキングとは、通信網34を介して顧客が金融機関との取引を行うことのできるサービスである。インターネットバンキングホスト220は、インターネットバンキングにおいて顧客により指示された入金や振込などの金融取引を、勘定系ホスト200と連携して行う。また、インターネットバンキングホスト220は、インターネットバンキングにおける顧客の行動履歴を示す情報や顧客により設定された各種設定を示す情報を格納する。そして、これらの情報は、例えばサーバ装置100に参照され、サーバ装置100による案内商品の選択に用いられる。
営業店端末20は、行員が業務を遂行するために操作する端末であり、金融機関の営業店舗に設置される。営業店端末20は、専用網216を介して勘定系ホスト200と接続され、営業店端末20での取引は勘定系ホスト200によって制御される。また、営業店端末20の表示部はサーバ装置100より受信した商品情報を表示することができ、行員は表示された商品情報を参照して顧客への金融商品の案内を行うことができる。
役席端末24は、金融機関の所定の役職にある行員が業務を遂行するために操作する端末である。役席端末24は、金融機関の営業店舗に設置され、例えば、支店長や課長などの管理職にある行員により操作される。なお、役席端末24は、専用網216を介して勘定系ホスト200と接続され、役席端末24での取引は勘定系ホスト200によって制御される。また、役席端末24の表示部はサーバ装置100より受信した商品情報を表示することができ、行員は表示された商品情報を参照して顧客への金融商品の案内を行うことができる。
更新情報送信装置28は、サーバ装置100により選択される金融商品の候補を更新する端末である。更新情報送信装置28は、金融商品の候補を更新する更新情報をサーバ装置100に送信することで、サーバ装置100が選択する金融商品の候補を更新する。そしてサーバ装置100は、更新情報送信装置28により更新された候補の中から、案内商品を選択する。その他にも、更新情報送信装置28は、サーバ装置100による金融商品の選択方法や選択基準などを示す選択ロジックや、商品情報の内容を更新してもよい。この更新情報送信装置28は、行員により操作される。
顧客端末30は、顧客の自宅や外出先などの任意の場所で顧客に操作される顧客操作型端末である。顧客端末30は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話などである。顧客端末30は、通信網34を介してインターネットバンキングホスト220に接続し、顧客によるインターネットバンキングでの取引を行うことができる。その際、顧客端末30の表示部に個人メニュー画面が表示され、顧客は個人メニュー画面を閲覧し得る。個人メニュー画面とは、インターネットバンキングにおいて顧客が個々に表示内容を設定することが可能なメニュー画面である。個人メニュー画面の詳細については、<2.本発明の実施形態に係る個人メニュー>で後述する。
取引装置10は、金融機関の顧客による操作に基づいて金銭の取引を実行する顧客操作型端末である。この取引装置10は、金融機関の営業店、コンビニエンスストア、駅構内、ホテル、病院、アミューズメントパーク、飲食店、オフィスビルディングなどの多様な施設に設置される。取引装置10は、顧客の操作を誘導する取引画面を表示するための表示部を備え、顧客は表示部に表示された取引画面を見ながら取引装置10を操作し、各種取引を行う。なお、取引装置10は専用網216を介して勘定系ホスト200と接続され、取引装置10での取引は勘定系ホスト200によって制御される。本実施形態においては、顧客端末30をインターネットバンキングホスト220に接続し、個人メニュー画面を閲覧した顧客が、取引装置10を操作する。ここで、図2に示したように、取引装置10の表示部は、顧客に金融商品を案内するためのセールス画面を表示し得る。
図2は、取引装置10の表示部に表示されるセールス画面の一例を示した説明図である。図2に示したように、セールス画面は例えばイメージ画像(2−1)と、セールスメッセージ(2−2)とを有し、顧客はセールス画面を閲覧することで金融商品の案内を受けることができる。このセールス画面は、例えば取引装置10における取引の開始時や取引の待ち時間などのタイミングで表示部に表示される。
なお、取引装置10は、セールス画面を表示するだけでなく、セールス画面に対する顧客の反応を取得してもよい。例えば、図2に示したように、顧客は、セールス画面で案内された金融商品に関する詳細な案内が不要か、電話での詳細な案内を受けるか、を選択することができる。取引装置10は、これらの顧客の選択結果を取得して、サーバ装置100に送信してもよい。そして、サーバ装置100は、案内商品を選択する際に、取引装置10から受信した顧客の選択結果を用いてもよい。ここで、取引装置10の表示部は、サーバ装置100より通知された情報に基づいてセールス画面を表示する。そこで、図3を参照し、サーバ装置100および取引装置10の構成をさらに詳細に説明する。
図3は、本発明の実施形態に係るサーバ装置100と取引装置10との内部構成を示した機能ブロック図である。図3に示したように、サーバ装置100は、選択部102と、記憶部104と、特定情報受信部106と、商品情報送信部108と、更新情報受信部110と、を含む。また、取引装置10は、入力部12と、表示部14と、特定情報送信部16と、商品情報受信部18と、を含む。サーバ装置100及び取引装置10は夫々図示せぬ制御部を有し、上記の各機能を実現するためのプログラムを記憶部104より読み込み制御を実行する。
選択部102は、MCIF208およびインターネットバンキングホスト220から顧客に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、複数の候補の中から案内商品を選択する。また、選択部102は、後述の更新情報に基づいて、案内商品の候補を更新する。記憶部104は、顧客ごとに、選択部102により選択された金融商品を対応付けて記憶する。入力部12は、顧客により顧客を特定する特定情報が入力される。特定情報とは、例えば顧客により取引装置10に挿入されるカードに格納された店番、科目、口座番号などの顧客情報を指す。特定情報送信部16は、入力部12に入力された特定情報を、専用網216を介してサーバ装置100に送信する。特定情報受信部106は、顧客が操作する取引装置10から特定情報を受信する。商品情報送信部108は、特定情報受信部106が受信した特定情報で特定される顧客に対応する、記憶部104に記憶された金融商品に関する情報である商品情報を、専用網216を介して当該取引装置10に送信する。商品情報受信部18は、サーバ装置100から商品情報を受信する。表示部14は、商品情報受信部18が受信した商品情報を表示する。更新情報受信部110は、案内商品の候補を更新するための更新情報を、更新情報送信装置28から受信する。
<2.本発明の実施形態に係る個人メニュー>
本実施形態では、選択部102は、インターネットバンキングホスト220から取得した顧客に関する情報の中でも、特に、インターネットバンキングの個人メニュー画面において顧客が設定可能な個人メニュー設定情報に基づいて案内商品を選択する。そこで、図4〜6を参照し、インターネットバンキングの個人メニュー画面および個人メニュー設定情報について説明する。
図4は、インターネットバンキングの個人メニュー画面の一例を示した説明図である。図4に示したように、個人メニュー画面には、円預金金利や為替レートなどの金融商品の利率や価格などの情報を示す項目が表示される。このような項目としては、例えば、円預金金利、外貨預金金利、住宅ローン金利、マイカーローン金利、カードローン金利、教育ローン金利、フリーローン金利、リアルタイム為替レート、目標為替レート、金融・マーケット・経済全般のニュース、お気に入りファンド基準価額などがある。なお、これらの項目の内容についての詳細な説明は省略する。顧客は、顧客端末30により個人メニュー画面を閲覧することで、様々の金融商品に関する情報を取得することができる。
また、顧客は、個人メニュー画面に関する設定を好みに応じて設定することができる。このとき、インターネットバンキングホスト220は顧客による設定を個人メニュー設定情報として保存する。そして、保存された個人メニュー設定情報が反映された個人メニュー画面が顧客端末30に表示される。ここで、個人メニュー画面に表示される情報には、時々刻々と変化する金融市場の現在状況が反映される。従って、顧客は現在一番知りたい金融商品に関する情報を、個人メニュー画面を閲覧することで取得することができる。
ここで、個人メニュー設定情報は、個人メニュー画面における表示設定を示す表示設定情報である、項目の表示可否を示す情報と、項目の表示位置を示す情報と、を含む。さらに、個人メニュー設定情報は、金融商品の顧客が所望する価格を示す情報を含む。まず、図5を参照し、個人メニュー画面に表示する項目の設定について説明する。
図5は、個人メニュー画面における項目ごとの表示可否を設定する設定画面の一例を示した説明図である。図5に示したように、顧客は、表示する項目のチェックボックスにチェックをつけ、表示しない項目にチェックを付けないことで、項目ごとの表示可否を選択し、個人メニュー画面に表示する項目を設定することができる。例えば、顧客が図5に示したように表示可否を設定すると、当該顧客の個人メニュー画面には、円預金金利と、外貨預金金利と、リアルタイム為替レートと、目標為替レートと、お気に入りファンド基準価額と、に関する情報が表示される。このように、顧客は現在一番知りたい金融商品に関する項目を個人メニュー画面に表示させることができる。
次に、個人メニュー画面に表示する項目の表示位置の設定について説明する。顧客は、例えば図4で示した個人メニュー画面上で、項目のタイトルバーをドラッグアンドドロップすることで、表示位置を変更することができる。例えば、顧客は円預金金利の項目のタイトルバーをドラッグし、外貨預金金利の項目の位置でドロップすることで、円預金金利の項目と外貨預金金利の項目との表示位置を入れ替えることができる。このように、顧客は現在一番知りたい金融商品に関する項目を、好みの位置に表示させることができる。
続いて、金融商品の顧客が所望する価格について説明する。顧客は、所望する金融商品の価格を設定することができる。例えば、為替、金、債券、株式、不動産などの金融商品は金融市場の状況に応じて価格が上下するが、顧客は、これらの金融商品を購入または売却するために所望の価格を想定する場合がある。ここで、一例として顧客の所望する為替レートを設定する設定画面を、図6A、図6Bおよび図6Cに示す。
図6A、図6Bおよび図6Cは、個人メニュー画面において所望する為替レートを設定する設定画面の一例を示した説明図である。以下では、顧客の所望する為替レートを目標為替レートと呼称する。まず、図6Aに示したように、顧客はチェックボックスにチェックをつけることで目標為替レートを設定する通貨を選択する。次に、図6Bに示したように、顧客は、外貨から円貨(TTB)または円貨から外貨(TTS)のどちらについての目標為替レートを設定するかを選択した上で、目標とする為替レートを設定する。最後に、図6Cに示したように、顧客は設定した目標為替レートを確認ことで、目標為替レートの設定を終える。このとき設定される内容は、設定通貨、設定レートおよびTTS/TTBである。なお、為替レートが目標為替レートを達成した(上回る、または下回る)場合に、例えば、個人メニュー画面に目標為替レートに関する情報が強調して表示されてもよい。このように、顧客は所望する金融商品の価格を設定することができる。
以上説明したように、顧客は、好みに応じて、個人メニュー画面に表示する項目や位置などの表示設定、並びに所望する金融商品の価格などの設定を、個人メニュー設定情報としてインターネットバンキングホスト220に保存させることができる。そして、顧客端末30には、個人メニュー設定情報が反映された個人メニュー画面が表示されるので、顧客は現在一番知りたい金融商品に関する最新の情報を常に取得することが出来る。従って、個人メニュー設定情報には、金融商品に対する顧客の現在の興味が反映されている、と言える。
また、顧客は、個人メニュー画面に表示された項目に関して、詳細な案内を受けることもできる。例えば、顧客は、個人メニュー画面(図4)において、「定期預金について詳しくはこちら(4−1)」をクリックすることで、定期預金に関する詳細な案内を受けることができる。ここで、顧客が詳細な案内を受けた回数、即ち個人メニュー画面における顧客の振る舞いは、その金融商品に対する顧客の興味の度合を反映している、と言える。
このように、個人メニュー設定情報および個人メニュー画面における顧客の振る舞いの情報は、金融商品に対する顧客の現在の興味が反映されている。そこで、個人メニュー画面に関するこれらの情報に基づいて、案内商品を選択するサーバ装置100を発明した。以下では、サーバ装置100の詳細な動作について、説明する。
<3.本発明の実施形態の動作>
まず、サーバ装置100による、案内商品の選択動作の概要について説明する。選択部102は、例えば深夜や早朝などの所定のタイミングで実施されるバッチ処理により、案内商品を選択する。詳述すると、選択部102は、まず、インターネットバンキングホスト220から個人メニュー設定情報、並びに詳細な案内を受けた回数を示す情報を、MCIF208から顧客情報を、それぞれ取得する。そして、選択部102は、これらの情報に基づいて案内商品を選択する。
まず、選択部102は、MCIF208より取得した対象顧客先に基づいて、案内商品を選択する対象顧客の一覧を示す対象顧客先テーブルを作成する。続いて、選択部102は、対象顧客先テーブルから図7に示す表を作成する。
図7は、顧客ごとの顧客に案内する金融商品の一例を示した説明図である。以下では、図7で示した表を案内商品テーブルと呼称する。案内商品テーブル(図7)には、特定情報を示す情報である店番(7−2)、科目(7−3)、口座番号(7−4)、CIF番号(7−5)、カナ氏名(7−6)と、案内商品に関連する情報である案内商品(7−7)、投信と、目標為替レートとが格納される。ここで、投信はリスク度(7−8)と(円建て/外貨建て)とを含み、目標為替レートは通貨(7−10)と、レート(7−11)と、TTS/TTB(7−12)とを含む。なお、投信とは、いわゆる投資信託を指す。
ただし、案内商品テーブル(図7)は、選択部102により対象顧客先テーブルから作成された直後には、特定情報を示す情報のみ格納している。その後、選択部102は、図8Aおよび図8Bに一例を示す選択ロジックにより案内商品を選択し、その過程で案内商品テーブル(図7)に案内商品に関連する情報を格納する。そして、記憶部104は、案内商品テーブル(図7)により、顧客と案内商品とを対応付けて記憶する。
図8Aおよび図8Bは、選択部102の案内商品の選択ロジックを示したフローチャートである。以下では、図8Aと図8Bとを特に区別する必要が無い場合は、図8Aと図8Bとを単に図8と総称し、図8で示したフローを案内商品選択ロジックと呼称する。選択部102は、案内商品選択ロジック(図8)に従い、個人メニュー設定情報に応じて、顧客が金融商品を購入する蓋然性を示すポイントを算出し、図9に示す表を作成する。
図9は、選択部102により作成された、金融商品ごとの顧客が購入する蓋然性を示すポイントの表の一例を示した説明図である。以下では、図9で示した表をポイント加算テーブルと呼称する。選択部102は、案内商品選択ロジック(図8)に従いポイント加算テーブル(図9)を作成し、最もポイントの高い金融商品を案内商品として選択する。本実施形態では、選択部102が選択する案内商品の候補を、一例として、普通預金、定期預金、貯蓄預金、外貨預金、住宅ローン、カードローン、教育ローン、マイカーローン、フリーローン、投信(円建て)および投信(外貨建て)、とする。ただし、これらの金融商品の内容についての詳細な説明は省略する。
次に、サーバ装置100による、案内商品の送信動作の概要について説明する。まず、特定情報受信部106が特定情報を受信すると、商品情報送信部108は、記憶部104に記憶された案内商品テーブル(図7)を参照する。そして、商品情報送信部108は、特定情報受信部106が受信した特定情報により特定される顧客に対応する案内商品(7−7)に関する商品情報を取引装置10に送信する。例えば、取引装置10を操作する顧客が「オキ タロウ(7−13)」であれば、商品情報送信部108は、案内商品(7−7)である投信(日本株オープン123)関する商品情報を、取引装置10に送信する。
以上、サーバ装置100による、案内商品の選択動作および案内商品の送信動作の概要について説明した。以下では、案内商品の選択動作の詳細について、案内商品選択ロジック(図8)に従い詳細に説明する。
<3−1.案内商品の選択動作>
(案内商品の選択)
ステップS104で、選択部102は、個人メニュー設定情報における個人メニュー表示項目の確認を行う。個人メニュー表示項目とは、図5を参照して上述した、個人メニュー画面において表示するよう設定された項目を指す。顧客により設定された項目の表示可否を示す個人メニュー設定情報は、例えば図10で示す表により表される。
図10は、個人メニュー画面で表示するよう設定された項目を示す個人メニュー設定情報を示した説明図である。なお、設定有無(10−1)列が1である項目は個人メニューに表示され、0である項目は個人メニューに表示されないものとする。以下では、図10で示した表を個人メニュー表示項目テーブルと呼称する。そして、サーバ装置100は、個人メニュー表示項目テーブル(図10)と図11に示すポイント加算対象の表とによって、ポイント加算テーブル(図9)を更新する。なお、以下では具体的な数字を用いてポイント加算テーブル(図9)について説明するが、用いた数字は一例であり、その他の任意の数字であってもよい。
図11は、個人メニュー表示項目ごとのポイント加算対象の金融商品を示した説明図である。以下では、図11で示した表を、個人メニュー表示項目加算テーブルと呼称する。例えば、個人メニュー表示項目テーブル(図10)に円預金金利(10−2)が含まれていれば、普通預金(11−1)と、定期預金(11−2)と、貯蓄預金(11−3)と、がポイント加算の対象となる金融商品である。そこで、ポイント加算テーブル(図9)の円預金金利(9−12)の行において、普通預金(9−1)と、定期預金(9−2)と、貯蓄預金(9−3)と、に対して、例えば1ポイントずつポイントが加算される。
次に、ステップS108で、選択部102は、目標為替レートの設定有無を確認する。目標為替レートが設定されている場合は、ステップS112で、選択部102は、個人メニュー設定情報における目標為替レートの設定通貨、設定レートおよびTTS/TTBを確認する。そして、選択部102は、個人メニュー表示項目加算テーブル(図11)に基づいて、ポイント加算テーブル(図9)の更新を行う。また、記憶部104は、目標為替レートの情報を、案内商品テーブル(図7)の通貨(7−10)、レート(7−11)およびTTS/TTB(7−12)の列に記憶する。
そして、ステップS116で、選択部102は、個人メニュー表示項目の配列のチェックを行う。選択部102は、図12に示す個人メニュー画面における配列を参照し、項目の表示位置に基づいてポイント加算テーブル(図9)の更新を行う。
図12は、個人メニュー画面における項目の配列を示した説明図である。図12に示したように、(12−1)の行は最も画面上部に表示され、(12−11)は最も画面下部に表示される。例えば、画面上部に表示される項目であるほど顧客の興味が高く、画面下部に表示される項目であるほど顧客の興味が低い、と考えられる。従って、選択部102は、表示位置が上部である項目に対しては高いポイントを、下部である項目に対しては低いポイントを、ポイント加算テーブル(図9)に加算する。
例えば、選択部102は、表示位置が(12−1)の行である項目に対して3ポイントを加算し、表示位置が(12−3)の行である項目に対して2ポイントを加算し、表示位置が(12−5)の行である項目に対して1ポイントを加算してもよい。他にも、画面左側に表示される項目であるほど顧客の興味が高いと仮定して、選択部102は、表示位置が左側である項目に対しては高いポイントを、右側である項目に対しては低いポイントを、ポイント加算テーブル(図9)に加算してもよい。
次に、ステップS120で、選択部102は、詳細表示ボタンを押下した回数のチェックを行う。詳細表示ボタンの押下とは、顧客が個人メニュー画面(図4)に表示された項目について、例えば「外貨預金について詳しくはこちら(4−2)」をクリックすることを指す。例えば、選択部102は、1回押下により1ポイントをポイント加算テーブル(図9)に加算する。
そして、ステップS124で、選択部102は、顧客のローン契約の有無を確認する。ここで、選択部102は、MCIF208またはインターネットバンキングホスト220を参照して、顧客のローン契約の有無を確認してもよい。
顧客にローン契約が有る場合は、ステップS126で、選択部102は、顧客にリスク商品以外を案内する。ここで、リスク商品とは、投資信託や外貨預金などの、金融市場の状況に応じた金融リスクを内包する金融商品を指す。なお、ステップS126の後、商品選択ロジック(図8)は後述のステップS198に進み、選択部102は定期預金を案内商品として選択する。
顧客にローン契約が無い場合は、ステップS128で、選択部102は、預金残高を確認して余裕資金の有無を確認する。選択部102は、MCIF208またはインターネットバンキングホスト220を参照して、顧客の余裕資金の有無を確認してもよい。
顧客に余裕資金が無い場合は、ステップS136で、選択部102は、顧客にリスク商品以外を案内する。なお、ステップS136の後、商品選択ロジック(図8)は後述のステップS198に進み、選択部102は定期預金を案内商品として選択する。
顧客に余裕資金が有る場合は、ステップS132で、余裕資金の金額チェックを行う。選択部102は、MCIF208またはインターネットバンキングホスト220を参照して、顧客の余裕資金の金額を確認してもよい。例えば、MCIF208またはインターネットバンキングホスト220に顧客の月々の収支や、顧客セグメント層(富裕層、リテール層のランキングなど)などの情報が格納されていれば、選択部102はそれらの情報に基づいて余裕資金の金額を推定してもよい。
そして、ステップS140で、ポイント加算テーブル(図9)の全商品のポイントが0か否かを確認する。全商品のポイントが0である場合は、商品選択ロジック(図8)は後述のステップS198に進み、選択部102は定期預金を案内商品として選択する。
ポイントが0でない金融商品が存在する場合は、ステップS144で、選択部102はポイント加算テーブル(図9)の中で最も高いポイントを有する金融商品を案内商品として選択する。例えば、選択部102は、ポイント加算テーブル(図9)において、列ごとのポイント総和が最も高い金融商品を案内商品として選択してもよい。この場合、普通預金(9−1)、定期預金(9−2)、貯蓄預金(9−3)、投信(円建て)(9−10)のポイント総ポイントは1である。また、外貨預金(9−4)のポイント総和は、1+4+3の8となる。また、投信(外貨建て)(9−11)のポイント総和は、4+3+1の8となる。他にも、選択部102は、ポイント加算テーブル(図9)において、ひとつの項目で最も高いポイントが加算された金融商品を案内商品を選択してもよい。この場合、外貨預金(9−4)は、リアルタイム為替レート(9−19)において最も高いポイント4が加算されている。また、投信(外貨建て)(9−11)は、リアルタイム為替レート(9−19)において最も高いポイント4が加算されている。そして、最も高いポイントを有する金融商品が複数ある場合は、選択部102は、図13に示した金融商品の優先度に従って、案内商品を選択してもよい。
図13は、金融商品ごとの案内商品として選択する優先度の一例を示した説明図である。以下では、図13に示した表を優先度テーブルと呼称する。選択部102は、一例として図13に示した優先度に従って、案内商品を選択する。例えば、ポイント加算テーブル(図9)において、外貨預金と投信(外貨建て)とが最も高いポイントを有する場合は、外貨預金(13−5)と投信(外貨建て)(13−12)との優先度を比較し、選択部102は外貨預金(13−5)を案内商品として選択する。
ここで、記憶部104は、選択部102が選択した案内商品を、案内商品テーブル(図7)の案内商品(7−7)列に記憶する。ただし、投信には様々な種類が、外貨預金には様々通貨があるので、案内商品が投信または外貨預金であった場合、選択部102は具体的な案内商品をさらに選択する。そして、記憶部104は、選択部102が選択した具体的な投信を案内商品として記憶する。
(投信の具体的な案内商品の選択)
案内商品がリスク商品である場合には、選択部102は、顧客の金融リスクに対する許容度であるリスク許容度と、金融商品が内包する金融リスクであるリスク度とに基づいて、具体的な案内商品を選択する。本実施形態では、リスク商品の一例として投信を用いて、具体的な案内商品の選択について説明する。
以下では、選択部102による投信の具体的な案内商品の選択について説明する。選択部102は、顧客のリスク許容度を図14に示した表を作成して算出し、リスク許容度に応じた案内商品を選択する。
図14は、顧客のリスク許容度を算出する表の一例を示した説明図である。以下では、図14で示した表をリスク許容度算出テーブルと呼称する。選択部102は、算出したリスク許容度に応じて、案内商品を選択する。本実施形態では、選択部102は、算出したリスク許容度と、金融商品が内包する金融リスクであるリスク度とが一致する金融商品を、案内商品として選択するものとする。なお、以下では具体的な数字を用いてリスク許容度算出テーブル(図14)について説明するが、用いた数字は一例であり、その他の任意の数字であってもよい。
ステップS148で、選択部102は、上述のステップS144で選択した案内商品が投信であるか否かを確認する。そして、案内商品が投信ではない場合は、商品選択ロジック(図8)は後述のステップS184に進む。
案内商品が投信である場合は、ステップS152で、選択部102は、顧客が過去に投信契約済であるか否かを確認する。そして、投信契約済でない場合は、商品選択ロジック(図8)は後述のステップS164に進む。
顧客が投信契約済である場合は、ステップS156で、選択部102は、MCIF208に格納された顧客分析を参照し、顧客分析結果をリスク度算出テーブル(図14)に反映する。ここで、顧客分析によるリスク許容度の一例を図15に示す。
図15は、MCIF208に格納された顧客分析によるリスク許容度の一例を示した説明図である。図15に示したように、MCIF208は、例えば顧客を、利回り重視型、中間型、安定重視型、の3つに分類する。そして、選択部102は、リスク許容度を、顧客が利回り重視型であれば5、中間型であれば3、安定重視型であれば1、とする。そして、顧客が例えば中間型であれば、リスク許容度算出テーブル(図14)の顧客分析(14−1)を3とする。
続いて、ステップS160で、選択部102は、契約済商品を分類して、分類結果をリスク許容度算出テーブル(図14)に反映する。選択部102は、契約済の投信を複数段階に分類してリスク度を算出し、契約済の投信のリスク度を顧客は許容するものとして、契約済の投信のリスク度をリスク許容度算出テーブル(図14)に反映する。なお、選択部102は、契約済の投信およびリスク度を、例えばMCIF208を参照して取得してもよい。また、契約済の投信が複数であってもよい。例えば、顧客が、投信aおよびbを契約済であった場合に、リスク許容度算出テーブル(図14)には、リスク度3を有する投信a(14−2)と、リスク度5を有する投信b(14−3)とが反映される。
次に、ステップS164で、選択部102は、個人メニュー設定情報における、お気に入りファンド基準価額の登録有無を確認する。なお、お気に入りファンド基準価額度は、顧客の注目するファンドの基準価額を指す。顧客がお気に入りファンド基準価額を登録していない場合は、商品選択ロジック(図8)は後述のステップS172に進む。
お気に入りファンド基準価額を登録している場合は、ステップS168で、選択部102は、上述したステップS160と同様に、登録されたお気に入りファンド基準価額のリスク度を分類し、分類結果をリスク許容度算出テーブル(図14)に反映する。
続いて、ステップS172で、選択部102は、リスク許容度算出テーブル(図14)を参照して顧客のリスク許容度および案内商品のリスク度を決定する。ここでは、一例として、選択部102は、リスク許容度算出テーブルの中で最も低い値を顧客のリスク許容度として決定する。他にも、選択部102は、リスク許容度算出テーブルの中で最も高い値を顧客のリスク許容度として決定してもよい。本実施形態では、選択部102は、算出したリスク許容度と、金融商品が内包する金融リスクであるリスク度とが一致する金融商品を、案内商品として選択する。従って、記憶部104は、選択部102により決定された顧客のリスク許容度を、案内商品として選択する金融商品のリスク度として、案内商品テーブル(図7)のリスク度(7−8)列に記憶する。
次に、ステップS176で、選択部102は、円建てと外貨建てとのどちらの種別の投信を案内商品とするかを決定する。例えば、選択部102は、ポイント加算テーブル(図9)を参照して、投信(円建て)(9−10)と投信(外貨建て)(9−11)とのポイントを比較し、高い方を案内商品として決定する。記憶部104は、選択部102により決定された投信の種別を、案内商品として選択する投信の種別として、案内商品テーブル(図7)の円建て/外貨建て(7−9)列に記憶する。
次に、ステップS180で、選択部102は、投信の具体的な案内商品を選択する。その際、選択部102は、案内商品テーブル(図7)における顧客の許容するリスク度と投信の種別と、図16に示すリスク度に応じた案内商品の表とを参照する。
図16は、顧客の許容するリスク度に応じた案内商品の一例を示した説明図である。以下では、図16で示した表を、リスク度に応じた商品案内テーブルと呼称する。例えば、案内商品テーブル(図7)において、「オキ タロウ」のリスク度は3であり、円建て/外貨建て種別は円建てである。そして、リスク度に応じた商品案内テーブル(図16)において、リスク度3且つ円建ての案内商品(16−6)の中でお奨めNo.1(16−1)である、日本株オープン123を、選択部102は案内商品として選択する。なお、日本株オープン123を顧客が契約済であった場合は、お奨めNo.2(16−2)である、XXXX日本株オープン789を、選択部102は案内商品として選択してもよい。他にも、選択部102は、お奨めNo.1(16−1)と、お奨めNo.2(16−2)と、お奨めNo.3(16−3)との中からランダムで案内商品を選択してもよい。
そして、記憶部104は、選択部102が選択した投信の具体的な案内商品を記憶する。例えば、記憶部104は、案内商品テーブル(図7)において、「オキ タロウ」に対しては、「投信(日本株オープン123)」を案内商品(7−7)として記憶する。
(外貨預金の具体的な案内商品の選択)
以下では、選択部102による外貨預金の具体的な案内商品の選択について説明する。まず、ステップS184で、選択部102は、案内商品が外貨預金であるか否かを確認する。案内商品が外貨預金でない場合は、案内商品選択ロジック(図8)は後述のステップS192に進む。
案内商品が外貨預金である場合は、ステップS188で、選択部102は、案内商品テーブル(図7)を参照し、目標為替レートで設定された通貨(7−10)の外貨預金を案内商品として選択する。例えば、「スズキ タロウ(7−15)」は目標為替レートで設定された通貨(7−10)が米ドルであるので、「外貨預金(米ドル)」を、外貨預金の具体的な案内商品として選択する。なお、選択部102は、目標為替レートが設定されていない場合は、金融機関が予め定めた通貨の外貨預金を案内商品として選択してもよい。
最後に、ステップS192で、選択部102は、案内商品を選択済みであるか否かを確認する。選択部102が案内商品を選択済みでない場合は、ステップS198で、選択部102は、定期預金を案内商品として選択する。そして、記憶部104は、選択部102に選択された定期預金を、商品案内テーブル(図7)に記憶する。以上により、選択部102は案内商品を選択し、案内商品選択ロジック(図8)は終了する。
<3−2.商品情報の送信動作>
以上、案内商品の選択動作の詳細について説明した。以下では、商品情報の送信動作について詳細に説明する。特定情報受信部106が特定情報を受信すると、商品情報送信部108は、図17に一例を示す送信ロジックにより、商品情報を送信する。
図17は、商品情報送信部108の、商品情報の送信ロジックを示したフローチャートである。商品情報送信部108は、図17に示したフローに従い、記憶部104に記憶された案内商品テーブル(図7)を参照して商品情報を取引装置10に送信する。
まず、ステップS200で、商品情報送信部108は、特定情報受信部106が特定情報を受信した日または時刻における為替レートを確認し、目標為替レートを達成したか否かを確認する。
目標為替レートを達成していない場合は、ステップS204で、商品情報送信部108は、商品情報を取引装置10に送信する。その際、商品情報送信部108は、特定情報で特定される顧客について、記憶部104に記憶された案内商品テーブル(図7)と、図18に示す表とを参照し、商品情報を取引装置10に送信する。
図18は、金融商品と商品情報との対応表を示した説明図である。以下では、図18に示した表を商品情報テーブルと呼称する。例えば、普通預金(18−1)の商品情報は、商品情報テーブル(図18)に示したように、画面タイプ「A」と、顧客向けメッセージ「当行で〜(省略)〜差し上げます。」と、画像コンテンツファイル「口座開設.jpg」と、を含む。よって、特定情報により特定される顧客の案内商品が普通預金であった場合、商品情報送信部108は上述の商品情報を取引装置10に送信し、取引装置10の表示部14は図2に示したセールス画面を表示する。なお、画面タイプ(18−5)は、セールス画面の画面構成を示し、顧客向けメッセージはセールスメッセージ(2−2)を示し、画像コンテンツファイルはイメージ画像(2−1)を示す。なお、顧客向けメッセージや画像コンテンツファイルの実データは取引装置10に記憶されていてもよい。その場合、商品情報送信部108は取引装置10に案内商品を示す識別子を送信し、取引装置10は受信した識別子に対応するセールス画面を、取引装置10が記憶した顧客向けメッセージや画像コンテンツファイルで構成して表示部14に表示させてもよい。
なお、商品情報送信部108は、取引装置10だけでなく、例えば営業店端末20または役席端末24などの、金融機関の店舗に設置された情報処理装置に、表示部に表示させるために商品情報を送信してもよい。例えば、取引装置10を操作する顧客の案内商品が普通預金であった場合、商品情報送信部108は、行員向けメッセージ「口座開設セールス顧客です」を、営業店端末20または役席端末24の表示部に表示させるために送信する。他にも、特定情報受信部106が営業店端末20または役席端末24から特定情報を受信し、商品情報送信部108が営業店端末20または役席端末24に商品情報を送信してもよい。
一方で、目標為替レートを達成していた場合は、ステップS208で、商品情報送信部108は、案内商品の代わりに為替レートに関する情報を取引装置10に送信する。そして、取引装置10の表示部14は、為替レートを表示する。他にも、商品情報送信部108は、為替レートに関する情報として、例えば外貨預金や外貨建ての投信に関する商品情報を、取引装置10に送信してもよい。
以上、サーバ装置100による商品情報の送信動作について説明した。最後に図19を参照して、上記説明してきたサーバ装置100の動作について整理する。
図19は、サーバ装置100におけるデータベース相関図を示した説明図である。図19に示したように、サーバ装置100は、MCIF208およびインターネットバンキングホスト220より取得した情報に基づいて、案内商品選択ロジック(図8)により案内商品を選択し、その過程で案内商品テーブル(図7)と、ポイント加算テーブル(図9)と、リスク許容度算出テーブル(図14)とを更新する。案内商品がリスク商品である場合には、サーバ装置100は、リスク度に応じた商品案内テーブル(図16)を参照し、具体的な案内商品を選択する。また、サーバ装置100は、取引装置10より特定情報を受信した際には、商品情報テーブル(図18)を参照し、商品情報を取引装置10に送信する。
なお、更新情報送信装置28により、案内商品の候補は更新され得る。即ち、更新情報受信部110が、顧客に案内する金融商品の候補を更新する更新情報を更新情報送信装置28から受信し、選択部102は、更新情報受信部110が受信した更新情報に基づいて案内商品の候補を更新する。例えば、更新情報受信部110が更新情報送信装置28により更新情報を受信すると、選択部102は、リスク度に応じた商品案内テーブル(図16)の金融商品を更新情報に基づいて入れ替える。その他にも、更新情報送信装置28は、個人メニュー表示項目加算テーブル(図11)、優先度テーブル(図13)、または商品情報テーブル(図18)についての更新情報を受信してもよく、選択部102は、それぞれのテーブルを更新情報に基づいて更新してもよい。
<4.本発明の実施形態の効果>
以上説明したように、サーバ装置100は、顧客の現在の興味を反映した個人メニュー設定情報に基づいて案内商品を選択するため、顧客の現在の興味を反映した商品情報を顧客に提示することができる。個人メニュー設定情報には、個人メニュー画面に顧客が現在一番知りたい情報が表示されるよう、常に顧客の興味が反映されている。従って、個人メニュー設定情報に基づいて選択した金融商品は、顧客の過去の行動履歴や属性などに基づいて選択された金融商品と比較して、顧客の現在の興味に近いと言える。よって、サーバ装置100は、顧客の現在の興味に即した商品情報を顧客に提示することで、金融商品の契約率の向上に貢献することができる。
また、サーバ装置100は、取引装置10だけでなく、役席端末24や営業店端末20にも商品情報を表示させることができる。従って、行員は、顧客の現在の興味に即した金融商品の営業活動を行うことができるので、サーバ装置100は行員による契約率の向上に貢献することができる。
また、サーバ装置100は、金融商品の価格が顧客の所望する価格である場合に、当該金融商品の商品情報を顧客に提示することが出来る。金融商品の価格とは為替レートの影響を受けるものも含む。顧客が所望する価格を個人メニュー設定情報として設定しているので、当該金融商品の価格が顧客の所望する価格である場合に、顧客は何らかの契約を行うなどの行動を取る可能性が高いと言える。従って、サーバ装置100は、そのような契約のタイミングを的確に捉えて顧客に商品情報を提示し、契約を促すことができる。
また、サーバ装置100は更新情報送信装置28より受信した更新情報に基づいて、案内商品を更新することができる。従って、サーバ装置100は、キャンペーン商品や新商品を、随時案内商品の候補とすることができる。
<5.むすび>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、個人メニュー設定情報として、個人メニュー画面における項目の表示可否および表示位置に基づいて案内商品を選択したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、顧客は個人メニュー画面において項目を表示する大きさを設定できるとし、サーバ装置は項目を表示する大きさに基づいて案内商品を選択してもよい。