複数種類のゲーム機にて同一ゲームをプレイできる環境を構築することはユーザの利便性の面では好ましい。しかし、ゲーム機の種類の組み合わせによっては不都合が生じることがある。例えば、業務用のゲーム機には、ゲーム店舗等に出向かないとプレイできず、かつ店舗等の営業時間外ではプレイが不可能であるといった制約が存在する。一方、家庭用の据え置き型のゲーム機、パーソナルコンピュータ、あるいは携帯電話機等のモバイル機器ではユーザがその都合に合わせて気軽にプレイすることができる。このような差が存在すると、ユーザは、相対的に制約の少ないゲーム機に偏ってゲームをプレイするようになり、相対的に制約が多いゲーム機の利用が減退するおそれがある。
そこで、本発明は複数種類のゲーム機にて同一のゲームをプレイすることができる環境を用意した場合でも、各種類のゲーム機の利用状況を適切に調和させることが可能なゲームシステム等を提供することを目的とする。
本発明に係るゲームシステム(1)は、所定のゲームをプレイ可能な第1のゲーム機(3)と、前記第1のゲーム機のゲームと同一のゲームをプレイ可能な第2のゲーム機(7)とを含み、それらのゲーム機がネットワーク(5)に接続されたゲームシステムであって、前記第1のゲーム機に対する各ユーザの利用状況を判別する利用状況判別手段(24、S11〜S17)と、各ユーザによる前記第2のゲーム機の利用に対して、前記第1のゲーム機の利用状況に応じた制限が課されるように、各ユーザによる前記第2のゲーム機の利用を制御する利用制御手段(25、S31〜S35)とを備えたものである。
本発明に係るゲームのプレイ制御方法は、所定のゲームをプレイ可能な第1のゲーム機(3)と、前記第1のゲーム機のゲームと同一のゲームをプレイ可能な第2のゲーム機(7)とを含み、それらのゲーム機がネットワーク(5)に接続されたゲームシステム(1)に適用されるゲームのプレイ制御方法であって、前記第1のゲーム機に対する各ユーザの利用状況を判別する手順(S11〜S17)と、各ユーザによる前記第2のゲーム機の利用に対して、前記第1のゲーム機の利用状況に応じた制限が課されるように、各ユーザによる前記第2のゲーム機の利用を制御する手順(S31〜S35)と、を備えたものである。
本発明に係るゲームシステムのコンピュータプログラム(PG)は、ネットワーク(5)に接続された複数のコンピュータ装置(2、3、4)の群を有し、前記複数のコンピュータ装置の群には、所定のゲームをプレイ可能な第1のゲーム機(3)として機能する第1のコンピュータ装置、及び前記第1のゲーム機のゲームと同一のゲームがプレイ可能な第2のゲーム機(7)として機能する第2のコンピュータ装置(3、4)が含まれたゲームシステム(1)に適用されるコンピュータプログラムであって、前記複数のコンピュータ装置の群に含まれる少なくとも一つのコンピュータ装置(2)を、前記第1のゲーム機に対する各ユーザの利用状況を判別する利用状況判別手段(24、S11〜S17)、及び各ユーザによる前記第2のゲーム機の利用に対して、前記第1のゲーム機の利用状況に応じた制限が課されるように、各ユーザによる前記第2のゲーム機の利用を制御する利用制御手段(25、S31〜S35)、として機能させるように構成されたものである。
本発明によれば、ユーザによる第2のゲーム機の利用に対して、第1のゲーム機の利用状況に応じた制限が課されるように第2のゲーム機の利用が制御される。そのため、第1のゲーム機の利用状況が相対的に少ないといった理由により第1のゲーム機の利用を促す必要性が比較的高い場合には第2のゲーム機の利用に対する制限を強化し、第1のゲーム機の利用状況が相対的に多いといった理由により第1のゲーム機の利用を促す必要性が比較的低い場合には第2のゲーム機の利用に対する制限を緩和するといった制御が可能となる。それにより、第1のゲーム機の利用状況と第2のゲーム機の利用状況とを適切に調和させることができる。
本発明において、「同一のゲーム」の概念は、ユーザからみて同一として認識される程度にゲーム内容が一致していれば足り、プログラムのレベルでゲーム内容が完全に一致していることまでは必ずしも要しない。例えば、ゲームタイトル、ゲームに登場するキャラクタ、ゲームの進め方、操作方法、評価方法等が一致していれば、ユーザに同一のゲームとして認識させることができる。第2のゲーム機における利用の制限は、第2のゲーム機において制限が課されない場合と比較して、その利用できる範囲に何らかの制限が存在することを意味する。例えば、プレイ可能なステージ、レベル、プレイ時間等を制限することが可能である。この場合の制限は、第1のゲーム機における利用の範囲に対する制限を必ずしも意味しない。さらに、第2のゲーム機の利用に対して制限が課されない場合の利用範囲それ自体が、第1のゲーム機における利用範囲に対して制限されていてもよい。例えば、第1のゲーム機にてプレイできるゲームの範囲に対して、第2のゲーム機にてプレイできるゲームの最大範囲が狭く設定されていてもよい。言い換えれば、「同一ゲーム」の概念は、第1のゲーム機にてプレイ可能なゲームと第2のゲーム機にてプレイ可能なゲームとの完全一致を必ずしも要せず、少なくともその一部において同一性が維持された範囲が存在していれば「同一のゲーム」とみなしてよい。第1のゲーム機に関する各ユーザの「利用状況」は、各ユーザが第1のゲーム機をどの程度利用しているかを意味する概念である。第1のゲーム機に対する各ユーザの利用回数、利用時間、利用の頻度、利用に際して支払った金額等を指標として利用の多少を区別することにより利用状況を判別することができる。
本発明において、前記利用制御手段は、前記第1のゲーム機の利用が相対的に多い場合には、該第1のゲーム機の利用が相対的に少ない場合よりも前記第2のゲーム機の利用に対する制限が緩和されるように前記利用を制御するものとしてもよい。これによれば、第1のゲーム機の利用が相対的に多いと判別された場合には第2のゲーム機の利用に対する制限を緩和して第2のゲーム機の利用を促し、第1のゲーム機の利用が相対的に少ないと判別された場合には第2のゲーム機の利用に対する制限を強化してユーザを第1のゲーム機へと誘導することができる。
本発明において、前記利用状況判別手段は、各ユーザによる前記第1のゲーム機の利用状況を所定の期間毎に判別し、前記利用制御手段は、一の期間における前記第1のゲーム機の利用状況に応じて、当該一の期間に対する次回以降の期間における前記第2のゲーム機の利用を制御するものとしてもよい。この場合には、第1のゲーム機の利用状況が期間毎に判別され、その判別結果に応じた利用の制限が次回又はそれ以降の期間に適用されるので、ユーザが第2のゲーム機をその利用に対する制限が比較的緩和され、又は制限が課されない状態で利用し続けたい場合には、第1のゲーム機を適度にかつ定期的に利用し続けることが必要となる。これにより、第1のゲーム機の利用状況と第2のゲーム機の利用状況とを適切かつ継続的に調和させることができる。
本発明において、前記利用制御手段は、前記第1のゲーム機の利用が相対的に多い場合には、該第1のゲーム機の利用が相対的に少ない場合よりも前記第2のゲーム機を利用可能な時間が長くなるように、前記第2のゲーム機を利用できる時間を前記第1のゲーム機の利用状況に応じて制限するものとしてもよい。これによれば、第1のゲーム機の利用状況に応じて第2のゲーム機を利用できる時間を変化させることにより、第2のゲーム機の利用に対する制限を変化させることができる。この場合、時間の制限は、利用可能な時間帯を制限する態様でもよいし、利用可能な時間長のみを制限する態様でもよい。
本発明においては、前記第1のゲーム機として業務用のゲーム機(3)が設けられ、前記第2のゲーム機として、前記ユーザが個人的に利用可能なユーザ端末装置(4)にてプレイ可能なゲーム機(7)が設けられてもよい。業務用のゲーム機はその設置場所までユーザが出向かなければ利用できない制約がある一方、ユーザ端末装置を利用してゲームをプレイする際にはそのような制約がない。そのため、ユーザは、ユーザ端末装置を利用したゲームを好んでプレイするおそれがある。したがって、ユーザ端末装置を利用するゲーム機を第2のゲーム機として設定し、業務用のゲーム機の利用状況に応じて第2のゲーム機の利用を制限すれば、業務用のゲーム機を利用する動機付けをユーザに与え、ユーザ端末装置を利用したゲーム機に対する利用の偏りを抑え、又は解消することができる。
さらに、上記の形態において、前記第2のゲーム機は、前記ユーザ端末装置を遠隔入出力装置として利用しつつ前記ゲームの演算処理を前記ネットワークに接続されたサーバ装置(2B)にて実行するように構成されたゲーム機であってもよい。さらにその一形態として、前記サーバ装置には、前記第1のゲームにて前記ゲームをプレイさせるために利用されるアプリケーションプログラムとしてのゲーム用プログラムを動作させることにより、前記第1のゲーム機のゲームと同一のゲームを前記ユーザ端末装置のユーザにプレイさせる仮想ゲーム機制御手段(26)が設けられ、前記遠隔入出力装置としての前記ユーザ端末装置と前記仮想ゲーム機制御手段との組み合わせによって前記第2のゲーム機が実現されてもよい。このような構成のゲーム機では、比較的処理負担が大きい演算処理をサーバ装置側で担当するため、ユーザ端末装置は、処理能力が比較的低い携帯型の端末装置等でも相応の環境でユーザにゲームをプレイさせることができる。そのため、ユーザ端末装置を利用したゲームのプレイをユーザがより好むおそれがある。このような場合に本発明を適用すれば、ユーザ端末装置を利用したゲーム機に対する利用の偏りを抑え、又は解消する作用効果をより効果的に発揮させることができる。
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
以上に説明したように、本発明によれば、第1のゲーム機の利用を促す必要性が比較的高い場合には第2のゲーム機の利用に対する制限を強化し、第1のゲーム機の利用を促す必要性が比較的低い場合には第2のゲーム機の利用に対する制限を緩和するといったように、第1のゲーム機の利用状況に応じて第2のゲーム機の利用に対する制限を制御することができるので、第1のゲーム機の利用状況と第2のゲーム機の利用状況とを適切に調和させることが可能である。
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムを説明する。本形態では、ゲーム店舗にて運営される業務用(商業用)のゲーム機が第1のゲーム機として設定される一方で、ユーザが個人的に利用するパーソナルコンピュータ(以下、PCと表記する。)等のユーザ端末装置を遠隔入出力装置として利用するネットワーク型のゲーム機が第2のゲーム機として設定され、第2のゲーム機の利用、すなわち第2のゲーム機によるゲームのプレイに対して、第1のゲーム機の利用状況に応じた制限が課されるように、第2のゲーム機の利用が制御される例である。
まず、図1を参照して、ゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、サーバ群2と、サーバ群2に所定のネットワーク5を介して接続可能な多数のゲーム機3と、同じくサーバ群2にネットワーク5を介して接続可能な多数のユーザ端末装置4とを含む。サーバ群2は本発明のサーバ装置として機能するコンピュータ装置の集合である。そのサーバ群2には、第1のゲーム機としてのゲーム機3及び第2のゲーム機における遠隔入出力装置としてのユーザ端末装置4に対して提供すべき機能に応じて、ゲームサーバ部2A、仮想ゲーム機サーバ部2B等といった各種のサーバ部が含まれている。サーバ部2A、2Bが提供する機能については後述する。なお、サーバ部2A、2B…のそれぞれは、単一の物理的なサーバユニットによって構成されてもよいし、複数の物理的なサーバユニットを組み合せた論理的な装置として構成されてもよい。
ゲーム機3は、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる業務用(商業用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機3は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的に、所定の施設の一例としてのゲーム店舗6に設置されるコンピュータ装置である。なお、店舗6には一以上の適宜数のゲーム機3が設置される。図1では、ゲーム機3を区別せずに描いているが、そのハードウエア構成やゲームの内容は適宜に選択されてよい。ゲーム機3は、特定のゲームに適合する物理的構成(例えば操作部等)を備えた専用機として構成されてもよいし、ソフトウエアの書き換えにより種々のゲームに対応可能な汎用機として構成されてもよい。
一方、ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ(以下、PCと表記する。)4a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4bがユーザ端末装置4として利用される。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、サーバ群2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。
ネットワーク5は、サーバ群2の各サーバ部2A、2B…に対してゲーム機3及びユーザ端末装置4をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、サーバ群2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。ユーザ端末装置4も適宜の構成によりインターネット5Aに接続される。なお、ゲーム機3と店舗6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3がサーバ群2と通信可能に接続されてもよい。サーバ群2のサーバ部2A、2B…は、LAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続されてもよい。
ゲームサーバ部2Aは、ゲーム機3及びユーザ端末装置4のそれぞれのユーザに対して、所定のゲームをプレイするために必要な各種のサービスを提供する。例えば、ゲームサーバ部2Aは、ゲーム機3等からユーザの認証情報(一例としてユーザの識別情報及びパスワード)を受け取ってそのユーザを認証するサービス、ユーザのゲームのプレイ履歴(プレイの日付、プレイ回数、プレイ時間等)やプレイの結果(進行状況、成績、スコア、獲得アイテム等)を記録したプレイデータをゲーム機3から受け取って保存し、あるいはゲーム機3のユーザに提供するサービス、ネットワーク5を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングさせるサービス、ネットワーク5を介してゲーム機3のプログラムあるいはデータを更新するサービス等を提供することができる。なお、ユーザの識別情報は、ユーザを一意に識別できるものであればよい。例えば、ユーザ毎にユニークに設定されるユーザID、ユーザが所持するカード等の記憶媒体に記録された媒体ID等がユーザの識別情報として利用される。
一方、仮想ゲーム機サーバ部2Bは、ゲーム機3にてプレイ可能なゲームと同一のゲームをユーザ端末装置4のユーザにプレイさせるサービスを提供する。そのサービスの実現のため、仮想ゲーム機サーバ部2Bは、サーバ用のオペレーティングシステム上にゲーム機3と同一のアプリケーション動作環境を構築し、その動作環境にてゲーム機3で利用されるアプリケーションプログラムとしてのゲーム用アプリケーションプログラムを動作させる。そのプログラムを実行することにより、仮想ゲーム機サーバ部2Bは、ユーザ端末装置4からユーザの入力操作の情報を受け取り、その情報を参照しつつゲームの進行に必要な演算処理を実行する。さらに、仮想ゲーム機サーバ部2Bは、演算処理の結果として得られたゲーム画像や音声のデータをユーザ端末装置4に送信し、ユーザ端末装置4の表示装置や音声再生装置にゲーム画像やゲーム音声を出力させる。つまり、仮想ゲーム機サーバ部2Bは、ユーザ端末装置4を遠隔入出力装置として利用した仮想的なゲーム機を生じさせ、その仮想的なゲーム機の制御の下でユーザ端末装置4のユーザにゲーム機3と同一のゲームをプレイさせる機能を備えている。ユーザ端末装置4のユーザは、仮想ゲーム機サーバ部2Bを介して、ゲーム機3と同様にゲームサーバ部2Aが提供する上述したサービスを享受することができる。したがって、ユーザ端末装置4のユーザは、ゲーム機3のユーザと同様に、ゲームサーバ部2Aのサービスを利用して他のユーザと共通のゲームに参加し、対戦プレイや協力プレイを楽しむことができる。
さらに、図示を省略したが、サーバ群2には、ユーザ端末装置4からアクセスするユーザに対して各種のWebサービスを提供するサーバ部、ユーザに対して、有償サービスを提供する対価としての料金を徴収するサービスを提供するサーバ部も設けられている。Webサービスとしては、例えば、Webサイトを通じてゲームに関する各種の情報をユーザに提供するゲーム情報サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービスといったサービスがある。また、課金サービスは、例えば、ユーザ毎の仮想通貨の口座をサーバ群2上に開設し、ユーザが現金やクレジットカード等の決済手段を利用して所定の代金を支払うと、その代金に相当する量の仮想通貨をそのユーザの口座に加算される。一方、ユーザが有償サービスを利用する場合には、そのユーザの口座から利用料金に相当する量の仮想通貨を消費する、といった手法により実現される。ゲームのプレイ料金もその利用料金の一種に含まれている。したがって、ユーザは自己の口座に保持されている仮想通貨を消費させることによりゲームのプレイ料金を支払うことが可能である。ユーザ端末装置4を利用してゲームをプレイする場合には、その仮想通貨によりプレイ料金の支払いが求められる。つまり、ユーザ端末装置4を利用したゲームのプレイも、ゲーム機3のゲームと同様に有償制である。
次に、図2を参照して、ユーザ端末装置4を利用したゲームのプレイを、業務用のゲーム機3の利用状況に応じて制限する仕組みの概要を説明する。なお、図2では、ゲーム機3をアーケードゲーム機3、ユーザ端末装置4と仮想ゲーム機サーバ部2B(より詳しくはゲームの演算処理を担当する論理的装置)とによって実現されるゲーム機を仮想ゲーム機7とそれぞれ表示しているが、以下の説明でもこれらの表現を適宜に使用する。ユーザU(図ではユーザU1〜U3を例示する。)がアーケードゲーム機3にてゲームをプレイすると、そのプレイ結果等を保存したプレイデータPDがユーザU毎に生成され、それらのプレイデータPDがアーケードゲーム機3からゲームサーバ部2Aに提供される。プレイデータPDは、ユーザの識別情報と対応付けて所定の記憶手段に記憶される。なお、ゲームサーバ部2Aは、複数の種類のゲームに対応しているため、実際のプレイデータPDは、ゲームの種類毎に作成されるが、ここではアーケードゲーム機3及び仮想ゲーム機7のそれぞれでプレイが可能な一種類のゲームに対応したプレイデータPDを対象として説明する。ちなみに、ゲームの種類は、ゲームの異同を識別するための概念であり、例えばゲームのタイトル、バージョン等に応じて適宜に区分される。
ゲームサーバ部2Aは、各ユーザのプレイデータPDに記録されているプレイ履歴を参照して、各ユーザUのアーケードゲーム機3の利用状況を所定の集計期間毎に判別する。利用状況は、アーケードゲーム機3にてゲームをプレイした回数、時間、頻度といった種々の指標を用いて判別することができる。アーケードゲーム機3にてユーザが消費したプレイ料金の額(合計額)を指標に用いて利用状況を判別することもできる。ここでは、ユーザUがアーケードゲーム機3にてゲームをプレイした日数(プレイ日数)Daを利用状況の判別の指標として用いることとする。プレイ日数DaはユーザU毎に判別される。また、プレイ日数Daの集計期間は、例えば週単位又は月単位といった適宜の長さに設定される。ここでは一例として集計期間を週単位とする。
ユーザU毎のプレイ日数Daが判別されると、次にそのプレイ日数Daに基づいてユーザU毎にランクが決定される。ランクとしては、所定の閾値Dth1、Dth2(ただし、Dth1>Dth2)を境としてランクA、B及びCの三段階が設定されている。プレイ日数Daが第1閾値Dth1以上のユーザUはランクA、プレイ日数Daが第1閾値Dth1未満でかつ第2閾値Dth2以上のユーザUはランクB、プレイ日数Daが第2閾値Dth2未満のユーザUはランクCである。
決定されたランクはユーザUのプレイデータPDに記録される。ランクの情報はプレイ日数Daが更新される毎、つまり集計期間毎に更新される。ユーザUのランクが決定されると、そのランクに基づいて仮想ゲーム機7を利用したゲームのプレイに対する制限が設定される。プレイの制限は、一日のうちで、仮想ゲーム機7にてゲームをプレイすることが禁止される時間帯(禁止時間帯)を設けることにより実現される。例えば、ランクBのユーザUに対しては、昼間の時間帯が禁止時間帯となるように制限が設定され、夜間の時間帯は制限が解除された許可時間帯となる。ランクCのユーザUに対しては、朝方から深夜24時までの時間帯が禁止時間帯として設定され、深夜24時を過ぎて朝方の時間帯のみが許可時間帯となる。ランクAのユーザUに対して制限が設定されない。つまり、ランクAのユーザUは、一日24時間何時でも仮想ゲーム機7にてゲームをプレイすることができる。ユーザUが仮想ゲーム機7によるゲームのプレイを要求した場合、ゲームサーバ部2Aでは、そのユーザUのプレイデータPDに記録されているランクが判別され、続いて、現在の時刻が、ユーザUのランクに対して設定された許可時間帯又は禁止時間帯のいずれに属するかが判別される。そして、許可時間帯であれば仮想ゲーム機7によるゲームのプレイが許可され、禁止時間帯であれば仮想ゲーム機7によるゲームのプレイが禁止される。
以上の仕組みによれば、一の集計期間において、ユーザUがアーケードゲーム機3にてゲームをプレイした日数Daが相対的に多い場合には、そのユーザUがより上位にランク付けされ、次の集計期間において仮想ゲーム機7でゲームをプレイ可能な時間が長くなるように仮想ゲーム機7の利用に対する制限が緩和される。一方、ユーザが仮想ゲーム機7に偏ってゲームをプレイしているとランクが低下し、仮想ゲーム機7でゲームをプレイ可能な時間が短くなるように仮想ゲーム機7の利用に対する制限が強化される。つまり、アーケードゲーム機3の利用が相対的に多い場合には、その利用が相対的に少ない場合よりも仮想ゲーム機7の利用に対する制限が緩和される。
仮想ゲーム機7によるゲームのプレイは、アーケードゲーム機3が設置された店舗6までユーザUが出向く必要がない点において、プレイに対する制約が比較的少ないと考えられる。そのため、ユーザUは、仮想ゲーム機7によるゲームのプレイを好んで選択するおそれがある。しかし、上記のように制限を設定すれば、仮想ゲーム機7に偏ってゲームをプレイし続けるユーザUがランクCに設定され、そのユーザUは深夜24時以降でかつ朝方までの時間帯にしか仮想ゲーム機7を利用することができない。そのような状態を解消するには、ユーザUは店舗6に出向いてアーケードゲーム機3を利用する必要がある。しかも、ユーザUのランクは集計期間毎に更新されるので、一の集計期間に関して上位のランクを獲得しても、その後にアーケードゲーム機3によるゲームのプレイを怠れば、いずれランクが低下して仮想ゲーム機7の利用に対する制限が再度強化される。したがって、アーケードゲーム機3を定期的に利用しようとする強い動機付けをユーザUに与えることができる。それにより、各ユーザUによるアーケードゲーム機3の利用状況と仮想ゲーム機7の利用状況とを適切に調和させることができる。
なお、図2の例においては、ランクB及びランクCに対する許可時間帯がアーケードゲーム機3の稼動状況と関連付けて設定されている。一般的に、店舗6には営業時間が設定されており、営業時間外はユーザUがアーケードゲーム機3にてゲームをプレイすることができない。したがって、アーケードゲーム機3の稼動率(ここでは営業時間に対して、ユーザUが実際にゲームをプレイしている時間が占める率)を高めるためには、仮想ゲーム機7の利用を店舗6の営業時間外に制限し、営業時間内は仮想ゲーム機7の利用を制限して店舗6にユーザUを誘導することが好ましい。そこで、図2の例では、店舗6の一般的な営業時間帯をアーケードゲーム機3の稼動時間帯として設定する一方で、営業時間外の時間帯をアーケードゲーム機3の休止時間帯として設定し、ランクB及びランクCのユーザUに対する仮想ゲーム機7の利用の許可時間帯をアーケードゲーム機3の休止時間帯と重なるように設定している。これにより、各ユーザUによるアーケードゲーム機3の利用状況と仮想ゲーム機7の利用状況とをさらに適切に調和させることができる。ただし、仮想ゲーム機7の利用に対する許可時間帯及び禁止時間帯の設定はそのような例に限らず、ランクが下がるほど制限が強化、つまり利用できる時間長が短縮されるものとすれば、適宜に変更が可能である。
集計期間の始期及び終期はユーザ間で共通して設定されてもよいし、少なくとも一部のユーザと他のユーザとの間で異なる時期に設定されてもよい。例えば、週単位でランクを更新する場合、一部のユーザ群は日曜午前0時を集計期間の始期とし、他のユーザ群は土曜午前0時を集計期間の始期とするといった設定が可能である。あるいは、ユーザが居住する地域間に時差が存在する場合には、それぞれの地域の日時に合わせて集計期間が設定されてもよい。
次に、図3を参照して、仮想ゲーム機7の利用を制御するためのゲームシステム1の制御系の要部を説明する。なお、以下では図1及び図2で示した参照符号を適宜に使用することがある。図3に示すように、ゲームサーバ部2Aには、ゲームサービス管理部21及び記憶部22が設けられている。ゲームサービス管理部21は、ゲームサーバ部2Aのコンピュータハードウエア(CPU及びその動作に必要な内部記憶装置としてのメモリを含む。)と所定のサーバ用コンピュータプログラムPGとの組み合わせによって実現される論理的装置である。ゲームサービス管理部21は、上述した各種のゲームサービス(ユーザの認証やマッチング等のサービス)をアーケードゲーム機3及び仮想ゲーム機7に対して提供する。ゲームサービス管理部21には、さらなる論理的装置として、プレイデータ管理部23、ランク制御部24及び制限管理部25が設けられている。
プレイデータ管理部23は、アーケードゲーム機3又は仮想ゲーム機サーバ部2Bからの求めに応じてプレイデータPDを記憶部22に保存し、プレイデータPDをゲーム機3又は仮想ゲーム機サーバ部2Bに提供する。ランク制御部24は所定の集計期間毎にユーザのランクを決定する処理を担当する。制限管理部25は、仮想ゲーム機サーバ部2Bからのプレイ要求に応答してユーザに仮想ゲーム機を利用したゲームのプレイを許可すべきか否かを決定する処理を担当する。ランク制御部24及び制限管理部25の処理の手順は後述する。
記憶部22はハードディスクアレイ等の記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には、ゲームサーバ部2Aをゲームサービス管理部21として機能させるためのサーバ用プログラムPG及び各種のデータが記録される。図3では、記憶部22に記録されるべきデータとして、一のユーザに対応したプレイデータPDが例示されている。上述したように、プレイデータPDには、ユーザのプレイ履歴の情報及びランクの情報が含まれる。プレイ履歴の情報には、ユーザがアーケードゲーム機3にてゲームをプレイした履歴、及び仮想ゲーム機7にてゲームをプレイした履歴が互いに区別できるようにして記録される。プレイデータPDは、アーケードゲーム機3又は仮想ゲーム機7にて所定の区切りまでゲームがプレイされる毎に、それらのゲーム機3、7からゲームサーバ部2Aに提供され、記憶部22のプレイデータPDを更新するようにして記憶部22に保存される。つまり、記憶部22に保持されているプレイデータPDはユーザがゲームをプレイする毎に最新のデータに更新される。なお、記憶部22は、ゲームサーバ部2Aの一部として図示したが、ゲームサーバ部2Aとは異なるファイルサーバ部等に保持され、ゲームサービス管理部21により適宜に参照可能とされてもよい。
一方、仮想ゲーム機サーバ部2Bには仮想ゲーム機制御部(仮想ゲーム機制御手段)26が設けられている。仮想ゲーム機制御部26は、仮想ゲーム機サーバ部2Bのコンピュータハードウエア(CPU及びその動作に必要な内部記憶装置としてのメモリを含む。)と所定のサーバ用コンピュータプログラム(不図示)との組み合わせによって実現される論理的装置である。仮想ゲーム機制御部26は、上述したように、アーケードゲーム機3と同様の仮想的なゲーム機7を生成し、ユーザ端末装置4から取得したユーザの操作情報に従って仮想ゲーム機7を動作させてゲームに必要な演算制御等を実行し、演算結果としてのゲーム画像等をユーザ端末装置4に提供する主体となる論理的装置である。また、仮想ゲーム機制御部26は、ゲームサーバ部2Aのゲームサービスをユーザ端末装置4のユーザに提供するために、ゲーム機3と同様にゲームサーバ部2Aのゲームサービス管理部21に適宜にアクセスする。それにより、ユーザ端末装置4のユーザもアーケードゲーム機3のユーザと同様にゲームサーバ部2Aの処理に従ってユーザ認証を受け、マッチングサービス等を利用することができる。
なお、ゲーム機3には、コンピュータハードウエア(CPU及びその動作に必要な内部記憶装置としてのメモリを含む。)と所定のゲーム用アプリケーションプログラムとの組み合わせによって実現される論理的装置としてゲーム制御部31が設けられる。ゲーム制御部31は、ゲーム機3にてユーザにゲームをプレイさせるために必要な各種の演算処理を実行するとともに、必要に応じてゲームサービス管理部21にアクセスしてプレイデータの送受信等を実行する。一方、ユーザ端末装置4には、ゲーム入出力制御部(図ではゲームIO制御部と表記する。)41が設けられる。ゲーム入出力制御部41は、ユーザ端末装置4のコンピュータハードウエア(CPU及びその動作に必要な内部記憶装置としてのメモリを含む。)と所定のアプリケーションプログラムとの組み合わせによって実現される論理的装置である。ゲーム入出力制御部41は、ユーザ端末装置4を仮想ゲーム機制御部26に対する入出力端末装置として動作させるために必要な処理を実行する。
次に、図4及び図5を参照して、仮想ゲーム機7の利用をユーザ毎に制御するためにゲームサーバ部2Aにて実行される処理を説明する。図4は、ゲームサーバ部2Aのランク制御部24が実行するランク決定処理を示している。ランク制御部24は、所定の集計期間が到来する毎に図4の処理を繰り返し実行する。なお、ランク決定処理はユーザ毎に行われるが、図4は一のユーザに対応した処理を示している。ランク制御部24は、図4のランク決定処理を開始すると、まずユーザのプレイデータPDに記録されているプレイ履歴の情報を参照して、今回の集計期間におけるユーザのプレイ日数Daを集計する(ステップS11)。この場合のプレイ日数Daはアーケードゲーム機3にてゲームがプレイされた日数である。一日に一回でもアーケードゲーム機3にてゲームがプレイされたならば、その日はプレイ日数Daの集計対象に含まれる。
次に、ランク制御部24は、プレイ日数Daが第1閾値Dth1以上か否かを判別し(ステップS12)、第1閾値Dth1以上であればユーザのランクをランクAとして決定する(ステップS13)。一方、ステップS12にてプレイ日数Daが第1閾値Dth1未満であった場合、ランク制御部24はプレイ日数Daが第2閾値Dth2以上か否かを判別する(ステップS14)。第2閾値Dth2以上であれば、ランク制御部24はユーザのランクをランクBとして決定する(ステップS15)。一方、ステップS14にてプレイ日数Daが第2閾値Dth2未満であった場合、ランク制御部24は、ユーザのランクをランクCとして決定する(ステップS16)。ステップS14〜S16にてランクが決定された後、ランク制御部24は、ユーザのプレイデータPDに記録されているランクの情報に、新たなランクを記録する(ステップS17)。その後、ランク制御部24は図4の処理を終える。以上の処理が集計期間毎に実行されることにより、ユーザのプレイデータPDには直近の集計期間内におけるアーケードゲーム機3の利用状況に応じたランクが記録される。
図5は、ユーザのランクに応じて仮想ゲーム機7の利用を制御するために仮想ゲーム機サーバ部2B及びゲームサーバ部2Aがそれぞれ実行するプレイ制限制御処理を示している。なお、図5の処理は、ユーザがユーザ端末装置4から仮想ゲーム機サーバ部2Bを介してゲームサーバ部2Aにアクセスし、そのゲームサービス管理部21によるユーザ認証を受けた後の処理である。ユーザがユーザ端末装置4から仮想ゲーム機サーバ部2Bに対してゲームのプレイを指示した場合、仮想ゲーム機サーバ部2Bの仮想ゲーム機制御部26は図4のプレイ制限制御処理を開始し、まず、ゲームサーバ部2Aに対してゲームのプレイを要求する(ステップS21)。
ゲームサーバ部2Aの制限管理部25は、仮想ゲーム機サーバ部2Bからのプレイ要求に対応して図5のプレイ制限制御処理を開始し、まずプレイを要求しているユーザのプレイデータPDを参照してそのユーザのランクを判別する(ステップS31)。次に、制限管理部25は、現在の時刻が、ユーザのランクに対して設定された許可時間帯に属しているか否かを判別する(ステップS32)。許可時間帯であると判断された場合、制限管理部25は、仮想ゲーム機サーバ部2Bに通知すべき処理結果を「プレイ許可」に設定する(ステップS33)。一方、ステップS32にて許可時間帯ではないと判断された場合、制限管理部25は、仮想ゲーム機サーバ部2Bに通知すべき処理結果を「プレイ禁止」に設定する(ステップS33)。その後、制限管理部25は、ゲームのプレイを要求した仮想ゲーム機制御部26に対して、ステップS33又はS34で設定した処理結果を通知する(ステップS35)。以上により制限管理部25は図5の処理を終える。
仮想ゲーム機制御部26は、ステップS21のプレイ要求後、ゲームサーバ部2Aから送られる処理結果を取得し(ステップS22)、プレイ許可が通知されたか否かを判別する(ステップS23)。プレイ許可が通知された場合、仮想ゲーム機制御部26は、ユーザにゲームをプレイさせるために必要な各種の処理(例えば、ユーザのプレイデータPDをゲームサーバ部2Aから取得する処理、マッチングを要求する処理等)を開始させ(ステップS24)、その後、図5の処理を終える。一方、プレイ禁止が通知された場合、仮想ゲーム機制御部26は、ゲームの処理を開始させることなく、ユーザ端末装置4を介してユーザにプレイ不可能である旨を通知し(ステップS25)、その後、図5の処理を終える。
以上の形態においては、ランク制御部24が図4のステップS11〜S17の処理を実行することにより本発明の利用状況判別手段として機能し、制限管理部25が図5のステップS31〜S35の処理を実行することにより本発明の利用制御手段として機能する。ただし、ただし、本発明における利用状況判別手段、及び利用制御手段は、サーバ装置を構成する一又は複数のコンピュータ装置のハードウエア資源とコンピュータプログラムとによって実現されるべき論理的装置に限定されず、第1又は第2のゲーム機の少なくともいずれか一方として機能するコンピュータ装置のハードウエア資源とコンピュータプログラムとによって実現されてもよいし、少なくともいずれか一方のゲーム機として機能するコンピュータ装置及びサーバ装置として機能するコンピュータ装置のそれぞれのハードウエア資源と、それらのコンピュータ装置に実装されるべきコンピュータプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。例えば、図2に示したランク設定の情報をアーケードゲーム機3に提供して、そのアーケードゲーム機3にてユーザのランクを決定することにより、アーケードゲーム機3のコンピュータ装置を利用状況判別手段として機能させることができる。また、仮想ゲーム機7を利用したゲームのプレイが要求された場合、仮想ゲーム機サーバ部2Bに対してプレイデータPDを提供するとともに、図2のプレイ制限設定の情報を提供し、仮想ゲーム機サーバ部2B(またはその仮想ゲーム機制御部26)にてユーザによるゲームのプレイを許可すべきか否かを判別することにより、仮想ゲーム機サーバ部2Bのコンピュータ装置を利用制御手段として機能させることもできる。
本発明は上述した形態に限定されることなく、適宜に変更又は変形した形態にて実施することができる。例えば、上記の形態では、所定の集計期間におけるアーケードゲーム機3のプレイ日数Daを集計してユーザによる第1のゲーム機の利用状況を判別したが、これに代え、又は加えて、ユーザのプレイ回数、プレイ時間、プレイ料金の支払額等を指標として利用状況を判別してもよい。また、ユーザによる第2のゲーム機の利用の制限は、上記の形態のようにプレイそのものを禁止する時間帯を設定する例に限らず、第2のゲーム機を利用したゲームのプレイに対して何らかの制限を課すものであればよい。例えば、第2のゲーム機にて選択可能なゲームのモード、レベル等に制限を生じさせ、第2のゲーム機にて利用可能なデータに制限を生じさせる、といった設定が可能である。このような場合、第2のゲーム機の利用に対する制限は、時間を限って課されることを必ずしも必須とせず、時間を限ることなく課されるものであってもよい。
上記の形態では、第1のゲーム機に対するユーザの所定期間内における利用状況に応じてユーザをランク付けし、そのユーザのランクに応じて第2のゲーム機の利用に関する制限を変化させたが、第1のゲーム機の利用状況に応じて第2のゲーム機の利用を制限する手法にそのような例に限られない。例えば、ユーザが第2のゲーム機によるゲームのプレイを要求した場合、その時点から過去の所定期間内における第1のゲーム機の利用状況を判別し、その判別結果に応じて、利用が相対的に多い場合には少ない場合よりも制限が緩和されるように、制限内容を動的に変化させてもよい。つまり、利用状況を予め定められた期間毎に判別する例に限らず、利用状況を随時判別するものとしてもよい。また、利用の制限も予め定められた態様から選択する例に限らず、利用状況に応じて適切な制限内容を随時設定するものとしてもよい。また、第1のゲーム機の利用状況を予め定めた期間毎に判別する場合において、その判別結果に基づく第2のゲーム機の利用の制限は、判別された期間の次の期間に限って適用されなくてもよい。例えば、上記の形態において一の集計期間におけるプレイ日数Daの判別結果に応じた利用の制限が、次々回又はそれ以降の集計期間に適用されてもよい。
上記の形態では、一のユーザにおける第1のゲーム機の利用状況に応じてそのユーザによる第2のゲーム機の利用の制限を制御したが、第1のゲーム機の利用状況の判別と、第2のゲーム機の利用に対する制限とはユーザ毎に個別に制御されることを必ずしも必須としない。例えば、第1のゲーム機の群を対象として各ユーザの利用状況を判別し、その判別結果に基づいて、各ユーザによる第2のゲーム機の利用に対して一律的な制限を設定してもよい。例えば、第1のゲーム機の群における平均的な稼動率を各ユーザによる利用状況を判別する指標として取得し、その稼動率が相対的に高い場合には第2のゲーム機の利用に対する制限を緩和し、稼動率が相対的に低い場合には第2のゲーム機の利用に対する制限を強化する、といった制御が行われてもよい。
本発明において、第1のゲーム機は業務用のゲーム機に限らず、ユーザの利用を適宜に促す必要がある各種のゲーム機を第1のゲーム機として設定することができる。例えば、時間を定めて有償でユーザに貸与されるゲーム装置(PC、携帯型端末装置等を含む。)を第1のゲーム機として設定し、その第1のゲーム機の利用状況に応じて第2のゲームの利用に対する制限を制御してもよい。第2のゲーム機は、上記の形態のように、ユーザ端末装置を遠隔入出力装置として利用しつつゲームの演算処理をサーバ装置側で実行する仮想的なゲーム機に限定されない。ゲームの演算処理の少なくとも一部を自ら実行する機能又は性能を備えた適宜のコンピュータ装置を第2のゲーム機として設定して本発明を適用することができる。第1のゲーム機及び第2のゲーム機のいずれもゲームを有償でプレイさせるゲーム機に限らず、ネットワークに接続可能な適宜のゲーム機を第1のゲーム機又は第2のゲーム機として設定することができる。
本発明に係るコンピュータプログラムは、記録媒体に記憶された状態で提供されてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータに本発明に係るコンピュータプログラムをインストールして実行することにより、そのコンピュータを利用して本発明のユーザインタフェース装置を実現することができる。コンピュータプログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。