JP6029947B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents
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Description
しかし、着用者である幼児がファスニングテープを引っ張ったり、幼児又は成人が着用中のおむつに衣類等が引っ掛かる場合があり、ファスニングテープが意図せずに被止着領域から剥がれてしまう場合がある。
この意図しない剥がれを防止するためには、ファスニングテープの被止着領域に対する係合力を強固にすれば良いが、その場合には、おむつの交換時等の意図的に剥がす場合にも、引き剥がし難くなってしまう。
また、特許文献2には、非止着領域を形成するターゲットテープを、腹側部の幅方向中央部の両側それぞれに配置し、そのそれぞれの幅方向中央側を固定する一方、幅方向外方側を自由状態とすることで、トイレ等の狭い空間内で場所をとらずにファスニングテープを剥がせるようにする技術が記載されている。
また、特許文献3,4には、ファスニングテープを基材テープ部材と、基材テープ部材に固定されたフックテープ部材とから構成し、フックテープ部材を、複数の小片を隣接配置して構成することが記載されている。
特許文献2の技術は、トイレ等の狭い空間内で場所をとらずにファスニングテープを剥がせるようにする技術であり、意図しないファスニングテープの剥がれを効果的に防止することはできない。
特許文献3,4の技術は、剥離初期におけるフックテープ部材の接着面積が小さく、十分な初期係合力が得られないため意図しないファスニングテープの剥がれを効果的に防止することはできない。
特に、スリットの長手方向の両端が、フック部材の同方向の両端に達していないため、フック部材をひとつの部材として扱うことができ、フック材自体の強度も維持できるとともに後述する様々なメルトパターンの応用が可能となる。
本発明の一実施形態としての使い捨ておむつ1(以下、おむつ1という)は、図1及び図2に示すように、いわゆる展開型のおむつであり、肌当接面側に表面シート2、非肌当接面側に裏面シート3、前記表面シートと裏面シートの間に吸収体4を配置した縦長の吸収性本体5を有し、該吸収性本体5は、着用時に着用者の腹側に位置する腹側部1A、背側に位置する背側部1B、及び該腹側部1Aと該背側部1Bとの間に配置される股下部Cを有している。そして、吸収性本体5の背側部1Bの左右両側には一対のファスニングテープ6,6を有し、腹側部1Aの非肌当接面側に、ファスニングテープを止着する被止着領域91を有している。
尚、使い捨ておむつ1は、図1に示すように平面状に拡げた状態において、吸収性本体5と同方向に長い形状を有している。本明細書において、吸収性本体長手方向Xは、おむつを平面状に拡げた状態において、吸収性本体5の長手方向に沿う方向であり、吸収性本体幅方向Yは、おむつを平面状に拡げた状態において、吸収性本体5の幅方向に沿う方向である。
テープ基材62は、吸収性本体5を構成するシート間に固定された部分62Aと、吸収性本体5の背側部Bにおける側縁から延出して、ファスニングテープ6の一部を構成している部分とを有している。
ク部材63としては、例えば錨形や鉤形の係合突起を有するもの等を用いることができる。フック部材63としては、公知の機械的面ファスナーのオス部材を用いることもでき、例えば「マジックテープ(登録商標)」(クラレ社製)、「クイックロン(登録商標)」(YKK社製)、「マジクロス(登録商標)」(カネボウベルタッチ社製)等におけるオス部材等を用いることができる。
また、ランディングテープ91は、フック部材の係合突起に係合可能な表面構造を有するループ材からなり、腹側部1Aにおけるランディングテープ91からなる外面が、ファスニングテープ6、より具体的にはファスニングテープ6の止着部61を脱着自在に止着する被止着領域9となっている。このようなループ材としては、フック部材を押しつけることにより、フック部材を止着可能なものを特に制限なく用いることができる。ループ材としては、公知の機械的面ファスナーのメス部材を用いることができ、例えば上述した各種公知の機械的面ファスナーにおけるメス部材を用いることができる。また、腹側部1Aの外表面を、フック部材の係合突起を直接係合可能な材料、例えば係合性に富む不織布から構成することにより、これをループ材として用いることもできる。
このような作用により、本実施形態の使い捨ておむつによれば、意図しないファスニングテープ6の剥がれを効果的に防止することができる。また、フック部材63として用いた部材自体の係合力を高めて剥離抵抗性を高めたのではないため、強い係合力に頼ることなく、無理のない力で剥がすことができる。
このような効果が、一層確実に奏されるようにする観点から、スリット66の両端66eそれぞれからその延長線上にあるフック部材の端部63eまでの距離d(非スリット部66f、図3参照)は、下限値は2mm以上、好ましくは3mm以上、上限値は15mm以下、好ましくは5mm以下である。
そのため、スリット66に挟まれた個々のスリット間領域67が、個別に被止着領域9からの剥離に対する抵抗力を発現し、ファスニング部が何かに引っ掛って弱い力でも剥がれてしまうと言った意図しないファスニングテープ6の剥がれが一層効果的に防止される。
図6(a)に示すように、スリット66は、フック部材63に一本のみ形成されていても良い。但し、図6(b)〜図6(g)に示すように、複数本形成されていることが、意図しない剥がれを防止する点から好ましい。
また、スリットは直線状であることが好ましいが、例えば、図6(e)に示すようにジグザク状であっても良い。
また、複数本のスリット66を形成する場合、それら複数のスリット66は、図6(d)及び図6(e)に示すように、それぞれの長さが、ファスニングテープの基端側から先端側に向かって徐々に短くなっていることが、剥がし始めは比較的大きな力で剥がし、基端側に向かうにつれて、スリット長さが長くなるので、基端部ほど比較的弱い力でも剥がせるようになることから、装着中何かの衝撃で誤って剥がれてしまうことが抑えられ、意図したときに力を加えて、剥がれ始めるとスムーズに剥がし易いことから好ましい。図6〜図8の各図においては、右側がファスニングテープの先端6a側、左側がファスニングテープの基端6b側である。スリットの長さは、吸収性本体長手方向に配向した複数のスリットそれぞれのスリットの長手方向の長さである。
また、その場合、図8(a)に示すように、強接着領域A1が、フック部材63の吸収性本体幅方向Yの両端部に形成された幅方向強接着領域を有していることが、意図しないファスニングテープの剥がれを防止する点から一層好ましい。他方、図8(b)に示すように、強接着領域A1が、フック部材63の吸収性本体長手方向Xの両端部に形成された長手方向強接着領域を有していることが、意図的に剥がすことの容易さの点から一層好ましい。さらに図8(d)に示すように、吸収性本体幅方向Yの両端部及び吸収性本体長手方向Xの両端部に形成された強接着領域A2を有していることが、意図的に剥がすことの容易さの点から一層好ましい。
上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
<1>肌当接面側に表面シート、非肌当接面側に裏面シート、前記表面シートと裏面シートの間に吸収体を配置した縦長の吸収性本体を有し、該吸収性本体は、着用時に着用者の腹側に位置する腹側部、背側に位置する背側部、及び該腹側部と該背側部との間に配置される股下部を有し、該吸収性本体の背側部の左右両側には一対のファスニングテープを有し、腹側部の非肌当接面側に、ファスニングテープを止着する被止着領域を有する使い捨ておむつであって、
前記ファスニングテープは、テープ基材と、該テープ基材の片面に固定されて止着部を形成するフック部材とを有しており、前記フック部材に、吸収性本体長手方向に配向したスリットが形成されており、該フック部材の、吸収性本体長手方向における前後両端部に、前記スリットが延在していない非スリット部を有する使い捨ておむつ。
<2>前記スリットが、吸収性本体幅方向に間隔を設けて複数本形成されている、前記<1>記載の使い捨ておむつ。
<3>複数の前記スリットは、それぞれの長さが、前記ファスニングテープの基端側から先端側に向かって徐々に短くなるように形成されている、前記<2>記載の使い捨ておむつ。
<4>複数の前記スリットは、前記ファスニングテープの基端側から先端側にむかって間隔が狭くなるように形成されている、前記<2>又は<3>記載の使い捨ておむつ。
<5>前記フック部材は、前記テープ基材と接着された接着領域、及び該接着領域どうし間に位置し、該テープ基材と接着されていない非接着領域を有している、前記<1>〜<4>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<6>前記接着領域が、前記フック部材の吸収性本体長手方向及び吸収性本体幅方向の少なくとも一方の両端部に形成されている、前記<5>記載の使い捨ておむつ。
<7>前記接着領域が、前記フック部材の吸収性本体幅方向の両端部に形成されており且つ少なくとも一箇所以上の前記スリット間に形成されている、前記<5>記載の使い捨ておむつ。
<8>前記フック部材は、前記テープ基材と接着された接着領域として、該テープ基材に強固に接着された強接着領域と、該強接着領域に比して弱く接着された弱接着領域を有している、前記<1>〜<7>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<9>前記強接着領域が、前記フック部材の吸収性本体幅方向の両端部に形成された幅方向強接着領域を有している、前記<8>記載の使い捨ておむつ。
<10>前記強接着領域が、前記フック部材の吸収性本体長手方向の両端部に形成された長手方向強接着領域を有し、前記弱接着領域が、該長手方向強接着領域間に形成されており、且つ前記弱接着領域の接着力が、ファスニングテープの先端側から基端側に向かって漸減している、前記<8>又は<9>記載の使い捨ておむつ。
<11>前記スリットが、前記フック部材及び前記テープ基材に一体的に形成されている、前記<1>〜<10>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<12>前記スリットは、前記フック部材及びテープ基材の全体を貫通するか又は該フック部材を貫通してテープ基材の厚み方向の途中まで達するように一体的に形成されている前記<1>〜<11>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<13>前記ファスニングテープに形成されたフック部材は、シート状のベースシートと、該ベースシートの表面から起立する多数の係合突起とからなり、このようなフック部材は、錨形又は鉤形の係合突起である前記<1>〜<12>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<14>前記スリットの幅は、1mm未満であり、好ましくはスリットの幅はゼロである前記<1>〜<13>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<15>前記スリットを挟む両側部分が突き合わせた状態に接している前記<1>〜<14>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<16>前記スリットの両端それぞれからその延長線上にあるフック部材の端部までの距離dは、2〜15mmであり、より好ましくは3〜5mmである前記<1>〜<15>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<17>前記フック部材に形成されたスリットは直線状又はジグザク状である前記<1>〜<16>の何れか1に記載の使い捨ておむつ
<18>前記接着領域が、フック部材の吸収性本体長手方向又は幅方向の両端部に形成されて、フック部材の前記何れかの方向の端部に、ドライエッジとして幅が2mm以下の微小な非接着領域を有する前記<1>〜<17>何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<19>前記表面シートは、不織布や開孔フィルム等の液透過性のシート材を用いる前記<1>〜<18>の何れか記載の使い捨ておむつ。
<20>前記裏面シートは、透湿性を有しない樹脂フィルムや、微細孔を有し、透湿性を有する樹脂フィルム、撥水不織布等の不織布、これらと他のシートとのラミネート体を用いる前記<1>〜<19>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<21>前記吸収体は、解繊パルプ等の親水性繊維からなる繊維集合体又はこれに高吸収性ポリマーを保持させたものを用いる前記<1>〜<20>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 本体
6 ファスニングテープ
61 止着部
62 テープ基材
63 フック部材
64 ベースシート
65 係合突起
66 スリット
66e スリットの長手方向の端部
66f 非スリット部
67 スリット間領域
71 弾性部材
9 被止着領域
91 ランディングテープ
A 接着領域
N 非接着領域
A1 強接着領域
A2 弱接着領域
Claims (4)
- 肌当接面側に表面シート、非肌当接面側に裏面シート、前記表面シートと裏面シートの間に吸収体を配置した縦長の吸収性本体を有し、該吸収性本体は、着用時に着用者の腹側に位置する腹側部、背側に位置する背側部、及び該腹側部と該背側部との間に配置される股下部を有し、該吸収性本体の背側部の左右両側には一対のファスニングテープを有し、腹側部の非肌当接面側に、ファスニングテープを止着する被止着領域を有する使い捨ておむつであって、
前記ファスニングテープは、テープ基材と、該テープ基材の片面に固定されて止着部を形成するフック部材とを有しており、前記フック部材に、吸収性本体長手方向に配向したスリットが、吸収性本体幅方向に間隔を設けて複数本形成されており、該フック部材の、吸収性本体長手方向における前後両端部に、前記スリットが延在していない非スリット部を有し、
前記フック部材は、前記テープ基材と接着された接着領域、及び該接着領域どうし間に位置し、該テープ基材と接着されていない非接着領域を有し、
前記接着領域が、前記フック部材の吸収性本体幅方向の両端部に形成されており且つ少なくとも一箇所以上の前記スリット間に形成されている、使い捨ておむつ。 - 複数の前記スリットは、それぞれの長さが、前記ファスニングテープの基端側から先端側に向かって徐々に短くなるように形成されている、請求項1記載の使い捨ておむつ。
- 複数の前記スリットは、前記ファスニングテープの基端側から先端側にむかって間隔が狭くなるように形成されている、請求項1記載の使い捨ておむつ。
- 前記スリットが、前記フック部材及び前記テープ基材に、全体を貫通するか又は該フック部材を貫通してテープ基材の厚み方向の途中まで達するように一体的に形成されている、請求項1〜3の何れか1項記載の使い捨ておむつ。
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