<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示制御装置の一例としてのスマートフォン10の外観構成を概略的に示す正面図である。図2は、図1に示すスマートフォン10のハードウェア構成を概略的に示す構成図である。
図1に示すように、スマートフォン10は、例示的に、矩形の薄形筐体12と、タッチパネル14と、スピーカ16と、マイクロフォン18と、ハードキー22と、を備えて構成されている。
図1に示すように、薄形筐体12の一方の面には、タッチパネル14が例えば多くの部分を占めるように構成されている。該タッチパネル14が搭載されている面(正面)には、スピーカ16、マイクロフォン18及びハードボタン20が設けられている。また、筐体10Aの側面や底面には、ハードキー22、図1では不図示の音声出力端子24Aなどの外部インターフェイス24(図2参照)が設けられる。さらに、筐体10Aの背面には、図1では不図示のカメラ26(図2参照)が設けられている。
図2に示すように、スマートフォン10では、上記各構成要素が内部の中央処理装置28に接続されている。中央処理装置28にはさらに、例示的に、移動体通信用アンテナ30A、移動体通信部30、無線LAN通信用アンテナ32A、無線LAN通信部32、及び記憶部34が接続されている。
タッチパネル14は、表示装置、入力装置及び指紋読取装置の機能を備え、例示的に、表示機能を担うディスプレイ(表示画面)14Aと、入力機能を担うタッチセンサ14Bと、指紋読取機能を担う指紋センサ14Cと、で構成される。
ディスプレイ14Aは、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示デバイスにより構成される。
タッチセンサ14Bは、ディスプレイ14Aの上面に配置された、接触操作(接触)を検出するための素子及びその上に積層された透明な操作面を備えて構成される。タッチセンサ14Bの接触検知方式としては、静電容量式、抵抗膜式(感圧式)、電磁誘導式など既知の方式のうちの任意の方式を採用することができる。
指紋センサ14Cは、ハードボタン20に接触した指の指紋を読み取る検出手段である。指紋センサ14Cの指紋読取方式としては、特に限定されないが、例えば、上記ハードボタン20上に指が置かれたときの指紋の凹凸による電極の電荷の変化量に基づいて指紋画像を生成する(指紋を読み取る)方式を採用することができる。指紋センサ14Cは、タッチセンサ14Bと一体化しても別体として設けてもよい。
なお、以下、話を簡便にするため、表示装置としてのディスプレイ14Aについても入力装置としてのタッチセンサ14Bについても、単に「タッチパネル14」と称する。
図3は、図1に示すスマートフォン10の機能的構成図である。図3に示すように、スマートフォン10は、機能的に、記憶部34と、表示部40と、検出部42と、接触キー特定部43と、文字入力部46と、備えて構成されている。ここで、スマートフォン10の制御部44と、文字入力部46と、は中央処理装置28が後述する記憶部34に格納された文字入力プログラムPを実行することによりそれぞれ機能する。
記憶部34は、仮想キーボード情報34A、仮想キーボード表示領域情報34B、入力文字表示領域情報34C及び文字入力プログラムPを記憶・保持する機能ブロックである。
図4は、仮想キーボード表示領域情報34Bおよび入力文字表示領域情報34Cで規定される各範囲の一例を視覚的に示した図である。
図4に示すように、仮想キーボード表示領域情報34Bは、文字入力画面60において仮想キーボード50が表示される領域を示す情報であり、その領域の範囲又は位置は、スマートフォン10の全体の形状、文字入力画面60の形状、仮想キーボード50の表示範囲・表示位置などに基づく。仮想キーボード50が表示される領域は、具体的には、その形状が横(左右)に長い長方形である。ただし、仮想キーボード50が表示される領域は、例えば、その形状が長方形以外の四角形やその他の多角形、円形(楕円形を含む)などであってもよい。
また、入力文字表示領域情報34Cは、文字入力画面60において入力された文字が表示される領域を示す情報であり、その領域の範囲又は位置は、スマートフォン10の全体の形状、文字入力画面60の形状、仮想キーボード50の表示範囲・表示位置などに基づく。文字入力画面60において入力された文字が表示される領域は、具体的には、その形状が縦(上下)に長い長方形である。ただし、仮想キーボード50が表示される領域は、例えば、その形状が長方形以外の四角形やその他の多角形、円形(楕円形を含む)などであってもよい。
さらに、仮想キーボード情報34Aは、後述する図5に示す英語入力可能なフルキーボード型の仮想キーボード50の情報である。この仮想キーボード50には、後述する図5に示すように、複数の文字キー52Aと複数のその他のキー52Bとを含む各種のキー52が配置されている。仮想キーボード情報34Aには、例えば各種のキー52の種別情報や各キー52の配置情報が含まれる。各文字キー52Aは、例えば「A」、「B」・・・「X」、「Y」、又は、「Z」の文字に対応し、当該文字を入力するためのものである。各その他のキー52Bは、例えば既に入力されている文字を削除したり仮想キーボード50を英語版から日本語版に切り替えたりするためのもの等である。また、文字キー52Aは、子音に対応するキーと母音に対応するキーを含み、文字キー52AはJIS規格に準拠したキー配列となっており、母音の位置が散在している。
また、記憶部34は、接触物51(ユーザの指やスタイラスなどを含む。以下、「指」である場合を代表例として説明する。)に対して予め設定された設定情報を記憶・保持する機能ブロックである。具体的には、記憶部34は、ユーザの指の指紋情報とユーザ識別情報とを対応付けた情報(設定情報)を記憶・保持する。
図3に戻って、表示部40は、図2に示す中央処理装置28による記憶部34内の文字入力プログラムPの実行により生成される文字入力画面を表示する機能ブロックである。
検出部42は、接触物51の表示部40への接触位置を検出する機能ブロックである。検出部42は、具体的には、操作面に対して接触する動作を検出することで、操作入力を受け付け、その接触位置を検出する。そして、検出部42は、当該接触位置情報を中央処理装置28に与える。指の動作は、接触点の位置または領域を示す座標情報として検出され、座標情報は、例えば、タッチパネル14の短辺方向及び長辺方向の二軸上の座標値として表される。また、検出部42は、接触物の表面に形成された紋様、つまり、ユーザの指の指紋などを検出する機能ブロックである。
接触キー特定部43は、表示部40において接触されたキーを特定する機能ブロックである。具体的には、接触キー特定部43は、仮想キーボード50の各キー52の表示位置と接触物51の表示部40への接触位置とを照合して接触されたキーを特定する。
制御部44は、仮想キーボード50を表示部40に表示する機能ブロックである。また、制御部44は、仮想キーボード50の子音に対応するキー(第1キー)へ接触があった場合、接触された第1キーに対して予め割り付けられた母音を含むキー群をさらに表示する機能ブロックである。具体的には、検出部42は、接触物51が仮想キーボード50へ接触したことを検出した場合、接触キー特定部43は、仮想キーボード50の各キー52の表示位置と接触物51の表示部40への接触位置とを照合して接触されたキーを特定する。そして、制御部44は、接触キー特定部43が仮想キーボード50の特定の子音キー(W,S,Z,D,R,F,T,G,Y,H,B,N,K,M,P等)(以下、特定子音キー)へ接触があったと判断した場合、接触された当該キーに対して予め割り付けられた母音キーを含むキー群をさらに表示する(図7以降で詳述)。
また、制御部44は、表示部40に対する、接触された当該キーに対して予め割り付けられた母音キーを含むキー群を表示させる位置及び範囲の少なくともいずれか一つを制御する。具体的には、制御部44は、上記キー群を表示する際又はその後に、上記キー群が表示部40に表示される仮想キーボード50に重ならないように、記憶部34に記憶・保持されている仮想キーボード表示領域情報34Bおよび入力文字表示領域情報34Cに基づいて、表示部40に対する、上記キー群の表示させる位置及び範囲の少なくともいずれか一つを制御する。また、制御部44は、上記キー群が、表示部40に表示される仮想キーボード50に重ねられて表示される場合、接触物51によって上記キー群の表示が隠れてしまわないように、上記キー群の表示させる位置及び範囲の少なくともいずれか一つを制御する(図10で詳述)。
さらに、制御部44は、検出部42が検出した接触物の表面に形成された紋様、つまり、ユーザの指の指紋などに基づき、接触物51を判定する。また、制御部44は、記憶部34が保持する設定情報に基づき、接触物51を判定する。例えば、制御部44は、検出部42が検出した上記紋様と、記憶部34が保持する設定情報と、に基づいてどのユーザの指が表示部40に接触したのかを判定する。
文字入力部46は、仮想キーボード50の複数のキー52のうち、接触されたキーに対応する文字を入力する機能ブロックである。また、文字入力部46は、仮想キーボード50において接触された特定子音に対応するキー(第1キー)に対して予め割り付けられた母音を含むキー群の少なくとも一つ以上のキーうち、接触されたキーに対応する文字を文字入力画面60に入力する機能ブロックである。
図5は、本発明の第1実施形態に係る表示制御装置の制御部44により表示部40に表示される文字入力画面60の一例を示す図である。この文字入力画面60は、中央処理装置28が例えばスマートフォン10のメールソフトウェア等と共に文字入力プログラムPを実行したときに表示される。
文字入力画面60には、例えば、画面下部に仮想キーボード情報34Aに基づいた仮想キーボード50が配置され、画面上部に入力文字表示領域62が配置される。入力文字表示領域62は、文字入力部46で入力された文字が表示される領域である。ユーザは、この文字入力画面60にて、入力文字表示領域62を見ながら仮想キーボード50を操作して文字入力を行い、メール等を作成する。
図6は、本発明の第1実施形態に係る表示制御装置において、特定子音キーに対して予め割り付けられた母音を含むキー群を表示する処理フローの一例を示すフローチャートである。
まず、制御部44は、表示部40に仮想キーボード50を表示する(図6のステップS1)。
次に、検出部42は、接触物51の表示部40への接触の有無を検出する。(図6のステップS2)。
検出部42が、接触物51の表示部40への接触が有ったと判定した場合(ステップS2において「YES」の場合)は、図6のステップ3に進む。一方で、検出部42が、接触物51の表示部40への接触が無かったと判定した場合(ステップS2において「NO」の場合)は、本処理フローは終了する。
ステップS2において、接触物51の表示部40への接触が有ったと判定された場合(ステップS2において「YES」の場合)は、検出部42は、接触物51の表示部40への接触位置を検出する(図6のステップS3)。
次に、接触キー特定部43は、仮想キーボード50の各キー52の表示位置と上記接触位置とを照合して接触されたキーを特定する(図6のステップS4)。
次に、接触キー特定部43が仮想キーボード50の特定子音に対応するキー(第1キー)への接触の有無を検出する(図6のステップS5)。
接触キー特定部43が仮想キーボード50の特定子音に対応するキー(第1キー)へ接触があったと判断した場合(ステップS5において「YES」の場合)は、図6のステップ6に進む。一方で、接触キー特定部43が仮想キーボード50の特定子音に対応するキー(第1キー)へ接触が無かったと判断した場合(ステップS5において「NO」の場合)は、図6のステップ7に進む。
接触キー特定部43が仮想キーボード50の特定子音に対応するキー(第1キー)へ接触があったと判断した場合(ステップS5において「YES」の場合)は、制御部44は、接触された特定子音キーに対して予め割り付けられた母音を含むキー群をさらに表示する(図6のステップS6)
次に、表示された母音を含むキー群の母音キーに接触がある(図6のステップS8)と、文字入力部46は子音と母音を組み合わせた文字を文字入力画面60に入力する(図6のステップS9)。
一方、ステップS5において、接触キー特定部43が仮想キーボード50の特定子音に対応するキー(第1キー)へ接触が無かったと判断した場合(ステップS5において「NO」の場合)、たとえば、ユーザが仮想キーボード50の母音に対応するキーへ接触した場合は、文字入力部46は、接触されたキーに対応する文字を文字入力画面60に入力する(図6のステップS7)。当該入力後、本処理フローは終了する。なお、図6に示すステップS1〜S9は必ずしもこのステップ通りに実行されなくてもよく、適宜変更されてよい。
(キー群の表示例)
図7乃至図9は、本発明の第1実施形態に係る表示制御装置の制御部44により表示部40に表示されるキー群70,80A,80B,90A,90Bの一例を示す図である。特に、図7乃至図9は、制御部44が、当該キー群70,80,90を仮想キーボード50に重ならないように表示する場合の一例を示す図である。
キー群の表示例として、図7を用いて母音のみからなるキー群70を表示する例を挙げる。図7に示すように、ユーザの接触物(指)51が表示部40(仮想キーボード50)の「H」キーに接触した場合、制御部44により表示部40に表示されるキー群70は、仮想キーボード50に重ならないように表示される。ここで、キー群70は、母音キー(「a」,「i」,「u」,「e」,「o」)72のみで構成されており、左から「a」キー、「i」キー、「u」キー、「e」キー、「o」キーの順で一列に並ぶように構成されている。尚、図7において母音キーの並び順はこれに限定されるものではない。例えば、左から「e」キー、「i」キー、「a」キー、「u」キー、「o」キーの順で一列に並ぶように構成してもよい。
次に、キー群の他の表示例として、図8及び図9を用いて接触された子音および母音からなるキー群80A,80B,90A,90Bを表示する例を挙げる。
図8(A)に示すように、ユーザの接触物(指)51が表示部40(仮想キーボード50)の「H」キーに接触した場合、制御部44により表示部40に表示されるキー群80Aは、仮想キーボード50に重ならないように表示される。ここで、キー群80Aは、子音キー(「h」キー)84及び当該子音キーに対して予め割り付けられた母音キー(「a」,「i」,「u」,「e」,「o」)82を含んで構成されている。また、キー群80Aに含まれる母音キーは、左から「a」キー、「i」キー、「u」キー、「e」キー、「o」キーの順で一列に並ぶように構成されている。さらに、キー群80Aに含まれる子音キー(「h」キー)は、上記した一列に並ぶ母音キーの下部、具体的には「u」キーの下部、に配置されている。キー群80Aに母音の他に子音を含めることにより、ユーザが表示部40(仮想キーボード50)のどのキー(図8(A)では「H」キー)に接触したかを、ユーザが容易に把握できる。
図8(B)は、図8(A)と同様に、ユーザの接触物(指)51が表示部40(仮想キーボード50)の「H」キーに接触した場合、制御部44により表示部40に表示されるキー群80Bは、仮想キーボード50に重ならないように表示される。ここで、キー群80Bは、子音キー(「h」キー)84及び当該子音キーに対して予め割り付けられた母音キー(「a」,「i」,「u」,「e」,「o」)82を含んで構成されている。また、キー群80Bに含まれる母音キーは、左から「a」キー、「i」キー、「u」キー、「e」キー、「o」キーの順で一列に並ぶように構成されている。さらに、キー群80Bに含まれる子音キー(「h」キー)は、上記した一列に並ぶ母音キーの上部、具体的には「u」キーの上部に配置されている。キー群80Bに母音の他に子音を含めることにより、ユーザが表示部40(仮想キーボード50)のどのキー(図8(B)では「H」キー)に接触したことをユーザが容易に把握できる。さらに、キー群80Bに含まれる子音キー(「h」キー)は、上記した一列に並ぶ母音キーの上部に配置されていることにより、図8(A)における一例に比べてユーザの接触物(指)51からの距離が近くなるため、ユーザが希望する母音の入力がより容易になる。尚、図8(A)及び図8(B)において母音キーの並び順はこれに限定されるものではない。例えば、左から「e」キー、「i」キー、「a」キー、「u」キー、「o」キーの順で一列に並ぶように構成してもよい。
次に、図9(A)は、図7、図8(A)及び図8(B)と同様に、ユーザの接触物(指)51が表示部40(仮想キーボード50)の「H」キーに接触した場合、制御部44により表示部40に表示されるキー群90Aは、仮想キーボード50に重ならないように表示される。ここで、キー群90Aは、子音キー(「h」キー)94及び当該子音キーに対して予め割り付けられた母音キー(「a」,「i」,「u」,「e」,「o」)92を含んで構成されている。また、キー群90Aに含まれる5つの母音キーは、図9(A)に示すように、1つの子音キーを上部から包み込むように、且つ、開口部が下方向を向くコの字型となるように配置されている。
次に、図9(B)は図9(A)と同様に、ユーザの接触物(指)51が表示部40(仮想キーボード50)の「H」キーに接触した場合、制御部44により表示部40に表示されるキー群90Bは、仮想キーボード50に重ならないように表示される。ここで、キー群90Bは、子音キー(「h」キー)94及び当該子音キーに対して予め割り付けられた母音キー(「a」,「i」,「u」,「e」,「o」)92を含んで構成されている。また、キー群90Bに含まれる5つの母音キーは、図9(B)に示すように、1つの子音キーを下方向から囲い込むように、且つ、開口部が上方向を向くコの字型となるように配置されている。図7及び図8における一例では、キー群70、80A及び80Bに含まれる母音キー72、82は、左から「a」キー、「i」キー、「u」キー、「e」キー、「o」キーの順で一列に並ぶように構成されているが、図9(A)及び図9(B)における一例ではキー群90A、Bは、1つの子音キーを上部から包み込むように、且つ、開口部が下方向を向くコの字型となるように、又は1つの子音キーを下方向から囲い込むように、且つ、開口部が上方向を向くコの字型となるように構成されているため、母音キーがより纏められて表示されるため、ユーザがキー群における母音の位置を把握し易くなる。尚、図9(A)及び図9(B)において母音キーの並び順はこれに限定されるものではない。例えば、当該コの字の左下から「e」キー、「i」キー、「a」キー、「u」キー、「o」キーの順で一列に並ぶように構成してもよい。
以上、本発明の第1実施形態のスマートフォン10によれば、表示部40に表示された仮想キーボード50の各キー52の表示位置と表示部40への接触位置とを照合して接触されたキーを特定し、制御部44は、仮想キーボード50の子音に対応するキーへ接触があったと判断された場合、接触された当該キーに対して予め割り付けられた母音を含むキー群をさらに表示する。この結果、母音の入力を簡易にし、文字入力を容易かつ迅速に実行可能とすることにより操作性を向上させることにつなげることができる。
また、図7乃至図9に示すように、子音キーの接触後に、母音キーが連続した位置に表示され、および/または任意の位置に纏まって表示されることで、母音キーを探す手間が省ける。また、図7乃至図9に示すように、仮想キーボード50の子音キーに接触があった場合、キー群を仮想キーボード50に重ならないように表示する。結果として、キー群の表示の後ユーザが仮想キーボード50の他のキー52に接触することを希望する場合に、仮想キーボード50の各キー52が見易く、探し易いため、操作性が向上される。
<第2実施形態>
第2実施形態は、制御部44がキー群100を、仮想キーボード50に重ねて表示する点で、制御部44がキー群70,80,90を、仮想キーボード50に重ならないように表示する第1実施形態とは異なる。第2実施形態に係るスマートフォン10では、制御部44によりキー群100A,100B,100C,100Dが表示部40に表示される表示処理について、図6に示すフローチャートと同様の流れの処理を行う。第2実施形態について、図10乃至図13を用いて説明する。
図10乃至図14は、本発明の第2実施形態に係る表示制御装置の制御部44により表示部40に表示されるキー群100A,100B,100C,100Dの一例を示す図である。特に、図10乃至図14は、図7乃至図9とは異なり、制御部44が、当該キー群100A,100B,100C,100Dを仮想キーボード50に重ねるように表示する場合の一例を示す図である。
キー群の表示例として、図10を用いて、母音及び子音からなるキー群100Aを仮想キーボード50に重ねて表示する例を挙げる。図10に示すように、ユーザの接触物(指)51が表示部40(仮想キーボード50)の「H」キーに接触した場合、制御部44により表示部40に表示されるキー群100Aは、仮想キーボード50に重なるように表示される。キー群100Aは、子音キー(「h」キー)104及び当該子音キー104に対して予め割り付けられた母音キー(「a」,「i」,「u」,「e」,「o」)102を含んで構成されている。また、図10に示すように、キー群100Aは、接触物(ユーザの指)51には重ならないように表示位置、表示範囲が制御されている。
具体的には、制御部44は、表示部40に対する、接触された子音キー(仮想キーボード50の「H」キー)52に対して予め割り付けられた母音キー(「a」,「i」,「u」,「e」,「o」)102を含むキー群を表示させる位置及び範囲の少なくともいずれか一つを接触物51の表示部40への接触位置に応じて制御する。すなわち、制御部44は、検出部42が検出する、接触物51の表示部40への接触位置に対応する接触位置情報に応じて制御する。より具体的には、制御部44は、上記キー群を表示部40に表示する際に又はその後に、接触物51の表示部40への接触位置に応じて、表示部40に対する、上記キー群の表示させる位置及び範囲の少なくともいずれか一つを制御する。この結果、制御部44は、上記キー群の少なくとも一部が仮想キーボード50に重ねられた状態で表示される場合であっても、接触物51によって上記キー群の表示が隠れてしまうことを防ぐことができる。
キー群の表示例として、図11を用いて、母音及び子音からなるキー群100Bを仮想キーボード50に重ねて表示する例を挙げる。具体的には、キー群100Bを仮想キーボード50に重ねて表示する際に、仮想キーボード50の子音キー上にキー群100Bに含まれるキーであって、仮想キーボード50の子音キーに対応するキーを重ねて表示する例である。図11は、図10と同様にユーザの接触物(指)51が表示部40(仮想キーボード50)の子音「H」キーに接触した場合、制御部44により表示部40に表示されるキー群100Bは、仮想キーボード50に重なるように表示される。キー群100Bは、子音キー(「h」キー)104及び当該子音キー104に対して予め割り付けられた母音キー(「a」,「i」,「u」,「e」,「o」)102を含んで構成されている。また、図11に示すように、キー群100Bが表示される際、当該キー群100Bの子音「h」キーが、仮想キーボード50の子音「H」キーにちょうど重なるように、キー群100Bが表示される。
具体的には、制御部44は、キー群100Bを仮想キーボード50に重ねて表示する際に、仮想キーボード50の子音「H」キー上に、当該キー群100Bに含まれるキーであって、子音「H」キーに対応するキー、すなわち、当該キー群100Bの子音「h」キーを重ねて表示する。制御部44が上記のように表示制御することにより、ユーザが表示部40(仮想キーボード50)のどのキー(図11では「H」キー)に接触したかをユーザが容易に把握できる。
キー群の表示例として、図12を用いて、母音及び子音からなるキー群100Cを仮想キーボード50に重ねて表示する例を挙げる。図12に示すように、ユーザの接触物(指)51が表示部40(仮想キーボード50)の「H」キーに接触した場合、制御部44により表示部40に表示されるキー群100Cは、仮想キーボード50に重なるように表示される。キー群100Cは、子音キー(「h」キー)104、当該子音キー104に対して予め割り付けられた母音キー(「a」,「i」,「u」,「e」,「o」)102、画面(キー群)取消キー(Cキー)108、及びバックスペースキー(BSキー)106を含んで構成されている。
具体的には、キー群100Cを仮想キーボード50に重ねて表示する際に、仮想キーボード50の子音キー上にキー群100Cに含まれるキーであって、仮想キーボード50の子音キーに対応するキーを重ねて表示する例である。図12は、図11と同様にユーザの接触物(指)51が表示部40(仮想キーボード50)の子音「H」キーに接触した場合、制御部44により表示部40に表示されるキー群100Cは、仮想キーボード50に重なるように表示される。また、図12に示すように、キー群100Cが表示される際、当該キー群100Cの子音「h」キーが、仮想キーボード50の子音「H」キーにちょうど重なるように、キー群100Cが表示される。ここで、ユーザの接触物(指)51がキー群100Cの画面(キー群)取消キー(Cキー)108に接触すると、キー群110Cの表示を消去する。
キー群の表示例として、図13を用いて、母音及び子音からなるキー群100Dを仮想キーボード50に重ねて表示する例を挙げる。図12に示すように、ユーザの接触物(指)51が表示部40(仮想キーボード50)の「H」キーに接触した場合、制御部44により表示部40に表示されるキー群100Dは、仮想キーボード50に重なるように表示される。キー群100Dは、子音キー(「h」キー)104、当該子音キー104に対して予め割り付けられた母音キー(「a」,「i」,「u」,「e」,「o」)102、画面(キー群)取消キー(Cキー)108、及びバックスペースキー(BSキー)106を含んで構成されている。なお、図13に示すように、キー群100Dに含まれる母音キーは、左から「a」キー、「i」キー、「u」キー、「e」キー、「o」キーの順で一列に並ぶように構成されている。
具体的には、キー群100Dを仮想キーボード50に重ねて表示する際に、仮想キーボード50の子音キー上にキー群100Dに含まれるキーであって、仮想キーボード50の子音キーに対応するキーを重ねて表示する例である。図13は、図11及び図12と同様にユーザの接触物(指)51が表示部40(仮想キーボード50)の子音「H」キーに接触した場合、制御部44により表示部40に表示されるキー群100Dは、仮想キーボード50に重なるように表示される。また、図13に示すように、キー群100Dが表示される際、当該キー群100Dの子音「h」キーが、仮想キーボード50の子音「H」キーにちょうど重なるように、キー群100Dが表示される。ここで、ユーザの接触物(指)51がキー群100Dの画面(キー群)取消キー(Cキー)108に接触すると、キー群100Dの表示を消去する。
なお、上述したとおり、制御部44は、表示部40に対する、接触された子音キー(仮想キーボード50の「H」キー)52に対して予め割り付けられた母音キー(「a」,「i」,「u」,「e」,「o」)102を含むキー群を表示させる位置及び範囲の少なくともいずれか一つを接触物51の表示部40(仮想キーボード50)への接触位置(検出部42が検出する、接触物51の表示部40への接触位置に対応する接触位置情報)に応じて制御する点について、説明をしたが、さらに、接触物51の表示部40への接触位置が変化した場合(ユーザが指を表示部40上でスライドさせた場合)には、制御部44は、キー群が上記ユーザの指の動きに合わせて移動するように制御するように構成されていてもよい。
第1及び第2実施形態では、制御部44が表示部40にキー群を表示する処理について説明してきたが、第3乃至第6実施形態では、表示制御装置の文字入力部46による文字入力処理について説明する。第3乃至第6実施形態に係るスマートフォン10において、制御部44によりキー群を表示部40に表示する表示処理については、図6に示すフローチャートと同様の流れの処理を行う。第3〜第6実施形態のそれぞれは、第1〜第2実施形態と組み合わせて又は別個に実施される。また、第3〜第6実施形態のそれぞれが組み合わされる場合があってもよい。
<第3実施形態>
文字入力の一例として、一度のキー群表示で一文字を入力する例を挙げる。第3実施形態について、図14を用いて説明する。図14は、本発明の第3実施形態に係る表示制御装置の文字入力部46による文字入力処理の一例を示す図である。
図14に示すように、ユーザの接触物(指)51が仮想キーボード50の子音「H」キーに接触する(T1)と、文字入力部46は、子音「h」を入力文字表示領域62に入力するとともに、制御部44が表示部40にキー群110Aを表示する。キー群110Aは、例示的に、母音キー(「a」,「i」,「u」,「e」,「o」)112Aと、子音キー(「h」)114Aと、画面(キー群)取消キー(Cキー)118A、バックスペースキー(BSキー)116Aと、を備えて構成されている。次に、ユーザの接触物(指)51が仮想キーボード50の母音「a」キーに接触する(T2)すると、文字入力部46は、子音「h」と母音「a」とに基づいてひらがなの「は」を入力文字表示領域62(文字入力画面60)に入力する。この後、制御部44は、キー群110Aの表示を消去する。尚、ユーザの接触物(指)51が画面(キー群)取消キー(Cキー)118Aに接触した場合、キー群110Aの表示は消去される。
次に、図14に示すように、ユーザの接触物(指)51が仮想キーボード50の子音「K」キーに接触する(T3)と、文字入力部46は、子音「k」を入力文字表示領域62に入力するとともに、制御部44が表示部40にキー群110Bを表示する。キー群110Bは、例示的に、母音キー(「a」,「i」,「u」,「e」,「o」)112Bと、子音キー(「k」)114Bと、画面(キー群)取消キー(Cキー)118B、バックスペースキー(BSキー)116Bと、を備えて構成されている。次に、ユーザの接触物(指)51が仮想キーボード50の母音「i」キーに接触する(T4)すると、文字入力部46は、子音「k」と母音「i」とに基づいてひらがなの「き」を入力文字表示領域62に入力する。以上、接触T1〜T4の結果、日本語の「はき」が入力文字表示領域62に入力される。この後、制御部44は、キー群110Bの表示を消去する。尚、上記ユーザ操作の途中において、ユーザの接触物(指)51が画面(キー群)取消キー(Cキー)118Bに接触した場合、キー群110Bの表示は消去される。
なお、図14に示すように、制御部44は、キー群110Aの表示を消去した後、キー群110Bをキー群110Aとは異なる位置に表示しているが、キー群110Aを消去した後、同じ位置においてキー群110Bを表示するように制御してもよい。また、制御部44は、キー群110Aの表示を消去した後、キー群110Bを表示しているが、これに限られず、制御部44は、キー群110Aの表示を維持したまま(キー群110Aの表示を消去せずに)、キー群110Aの表示位置とは異なる位置にキー群110Bを表示してもよい。
以上、本発明の第3実施形態のスマートフォン10によれば、表示部40に表示された仮想キーボード50の各キー52の表示位置と表示部40への接触位置とを照合して接触されたキーを特定し、制御部44は、仮想キーボード50の子音に対応するキーへ接触があったと判断された場合、接触された当該キーに対して予め割り付けられた母音を含むキー群をさらに表示し、文字入力部46により上記キー群のうち、接触されたキー(たとえば母音キー)に対応する文字が入力される。この結果、母音の入力を簡易にし、文字入力を容易かつ迅速に実行可能とすることにより操作性を向上させることができる。また、一文字入力するごとに、キー群を表示するため、入力間違えをすることなく、確実に文字入力を行うことができる。
<第4実施形態>
文字入力の一例として、一度のキー群表示で複数文字の入力を実行する例を挙げる。第4実施形態について、図15を用いて説明する。図15は、本発明の第4実施形態に係る表示制御装置の文字入力部46による文字入力処理の一例を示す図である。特に、図15(A)及び(B)は、入力文字表示領域62に文字が入力される一例を示した図である。図15(C)は、ユーザの接触物(指)51が表示部40に接触する一例を示した図である。
図15(C)に示すように、ユーザの接触物(指)51が仮想キーボード50の子音「H」キーに接触すると、図15(A)に示すように、文字入力部46は、子音「h」を入力文字表示領域62に入力するとともに、制御部44が表示部40にキー群120を表示する。キー群120は、例示的に、母音キー(「a」,「i」,「u」,「e」,「o」)122と、子音キー(「h」)124とを備えて構成されている。仮想キーボード50の子音「H」キーへの接触に続いて、図15(C)の矢印A1に示すように、ユーザの接触物(指)51がキー群120の母音「a」キーに接触すると、図15(A)に示すように、文字入力部46は、子音「h」と母音「a」とに基づいてひらがなの「は」を入力文字表示領域62に入力する。これにより、日本語の「は」が入力文字表示領域62に入力される。
次に、図15(C)に示すように、ユーザの接触物(指)51がキー群120の子音「h」キーに接触すると、図15(B)に示すように、文字入力部46は、子音「h」を入力文字表示領域62に入力する。そして、キー群120の子音「h」キーへの接触に続いて、ユーザが接触物(指)51を表示部40上でスライドし、図15(C)の矢印A2に示すように、ユーザの接触物(指)51がキー群120の母音「i」キーに接触すると、図15(B)に示すように、文字入力部46は、子音「h」と母音「i」とに基づいてひらがなの「ひ」を入力文字表示領域62に入力する。これにより、結果として日本語の「はひ」が入力文字表示領域62に入力される。この後、制御部44は、キー群120の表示を消去する。
以上、本発明の第4実施形態のスマートフォン10によれば、第3実施形態と同様な効果が得られる他、ユーザは接触物(指)51を表示部40上で連続的に接触させて文字を入力することができる。特に、ユーザが片手で文字入力をする際に、入力回数が半減するため、操作性がより向上する。
<第5実施形態>
文字入力の一例として、仮想キーボード50において、接触があった子音キーの周辺に配置された少なくとも一つ以上の子音キーを含むキー群を表示し、文字入力を行う例を挙げる。第5実施形態について、図16を用いて説明する。図16は、本発明の第5実施形態に係る表示制御装置の文字入力部46による文字入力処理の一例を示す図である。
図16に示すように、ユーザの接触物(指)51が仮想キーボード50の子音「H」キーに接触する(T11)と、文字入力部46は、子音「h」を入力文字表示領域62に入力するとともに、制御部44が表示部40にキー群130Aを表示する。キー群130Aは、例示的に、母音キー(「a」,「i」,「u」,「e」,「o」)132Aと、子音キー(「h」)134Aと、バックスペースキー(BSキー)136Aと、を備えて構成されている。ここで、ユーザが実際に入力したかったキーが、仮想キーボード50の「H」キーではなく、「J」キーだった場合、ユーザは入力文字表示領域62に入力された子音「h」を削除し、改めて「J」キーに接触するために、ユーザは仮想キーボード50のBSキー136Aに接触する(T12)。これに対し、制御部44は、入力文字表示領域62に入力された子音「h」を削除するとともに、キー群130Aの表示を消去し、表示部40にキー群130Bを表示する。キー群130Bは、例示的に、仮想キーボード50におけるキー「H」キー及び子音キー「H」キーに隣接するキー(「T」,「G」,「Y」,「U」,「J」)に対応するキー(「h」,「t」,「g」,「y」,「u」,「j」)134Bと、バックスペースキー(BSキー)136Bと、を備えて構成されている。このように、ユーザは、仮想キーボード50において隣接する各キーについては接触間違え(入力間違え)を起こすことが多いため、制御部44は、先に入力されたキー(実際にはユーザが入力を希望していなかったキー)に隣接する各キー(ユーザが入力を希望していたと考えられるキー)をキー群130Bとして表示する。なお、制御部44は、表示部40においてキー群130Bをキー群130Aよりも拡大して表示するように制御する。これにより、ユーザが入力を希望していたと考えられるキーをより探し易くなり、接触が容易となる。
以上、本発明の第5実施形態のスマートフォン10によれば、第3実施形態と同様な効果が得られる他、制御部44が、実際にはユーザが入力を希望していなかったキーに隣接する、ユーザが入力を希望していたと考えられる各キーをキー群130Bとして表示することでユーザが実際に希望したキーに接触することが容易になる。
<他の変形例>
なお、上記各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更/改良(たとえば、各実施形態を組み合わせること、各実施形態の一部の構成を省略すること)され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
例えば、上記各実施形態に係る表示制御装置は、スマートフォン10を一例に挙げたが、タッチパネルを搭載した電子機器であれば特に限定されず、例えばタブレット型端末やゲーム専用機、マルチメディア端末、現金自動預け払い機等であってもよい。また、仮想キーボード50は、英語入力可能なフルキーボード型のキーボードである場合を説明したが、子音に続いて母音を入力可能な仮想キーボードであれば特に制限はなく、日本語及び英語以外の言語を入力可能な仮想キーボードであってもよい。
また、上記各実施形態に係る表示制御装置では、メールソフトウェア等と共に文字入力プログラムPを実行したときを例に挙げたが、文書作成用ソフトウェアや表計算ソフトウェア等、他のソフトウェアと共に起動されてもよい。
さらに、表示部40への接触物は指51である場合を説明したが、例えば指を含まない手のひらであってもよい。また、接触物は、足や舌等のユーザの体の他の部位であってもよい。この場合、制御部44は、足や舌等の紋様に基づき、接触物を判定してもよい。
制御部44は、キー群に含まれる各キーの数には特に制限はない。さらに、制御部44は、キー群に含まれるキーの数についてキー群を表示する際に、またはそのあとに、増減するような制御を行ってもよい。またさらに、制御部44は仮想キーボード50の各キー52を拡大表示させるように制御してもよい。この場合、拡大表示させるキー52の数に特に制限はない。
BSキー82は、既に入力されている文字を1つ削除するためのキーである場合を説明したが、既に入力されている文字を2つ以上削除するためのキーであってもよく、例えば既に入力されている文節を削除するためのキーであってもよい。
キー群に画面(キー群)取消キー(Cキー)を含む表示例(実施形態)について、図12乃至図14を用いて説明を行った。しかしながら、画面(キー群)取消キー(Cキー)を含む表示例(実施形態)はこれらには限定されず、図7乃至図11、図15、図16のキー群において採用されてもよい。