JP6027411B2 - 造影剤供給装置及び造影剤供給方法 - Google Patents
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また、上記陽性造影剤以外の血管造影用の造影剤としては、陰性造影剤がある。陰性造影剤は、X線の吸収量の小さい物質である空気、酸素、及び炭酸ガス等により構成されている。
炭酸ガスは、ヨード造影剤のような副作用がなく、安全性が高いが、描写能がヨード造影剤の描写能よりも劣っていた。
これにより、現在、炭酸ガスよりなる造影剤は、透析シャント造影、肝血管造影、後腹膜気腹造影、気縦隔造影、及び脳室造影等、多くの造影検査に使用されつつある。
また、血液から分離した炭酸ガスは、分岐枝管に流入しにくいため、微細な血管を診断することができないという課題がある。
このような、炭酸ガスよりなる造影剤の投与で本来足りる患者に、いきなりマイクロバブル化された炭酸ガスを含んだ造影剤を投与することは、医薬品である等張液を不要に消費することになり、好ましくない。
さらに、医療従事者は、上記2種類の装置の操作に習熟しなければならないという不都合がある。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る造影剤供給装置の斜視図である。
図1を参照するに、第1の実施の形態の造影剤供給装置10は、造影剤供給装置本体11と、造影剤供給用注射筒13と、三方弁14(三方コック)と、パージ用ライン15と、分岐ライン16と、継手18と、カテーテル19と、を有する。
収容部23−1は、第1の容器25、第2の容器26、造影剤供給ライン28の一部(具体的には、後述する第1の造影剤供給ライン28−1)、ガス状造影剤輸送ライン31、液体輸送ライン33、第1のガス輸送ライン34、第1の圧力計36、第3のバルブ38、第2の圧力計41、第1の逆止弁42、第2の逆止弁44、第4のバルブ46、気泡部48、切り替え手段50、第3の逆止弁52、及び流量調整部53を収容する容器である。
このように、収容部23−1に対して着脱可能な蓋部23−2を設けることにより、部材の交換(例えば、第1及び第2の容器25,26の交換)や収容部23−1内に収容された造影剤供給装置本体11の構成要素のメンテナンス等を容易に実施することができる。
筐体23の大きさは、第1及び第2の容器25,26の大きさ等に依存するが、筐体23の幅W1,W2及び高さHは、例えば、幅W1が30〜45cm、幅W2が15〜30cm、高さHが8〜15cmの範囲内で適宜選択することができる。
また、第1の容器25の内容積が300mLよりも大きいと、第1の容器25のサイズが大きくなることで、造影剤供給装置本体11が大型化するため、好ましくない。
このような使い捨てカートリッジを使用することで、第1の容器25の交換作業を医療従事者にて簡単に行うことができる。また、第1の容器25の内容積を小さくすることが可能となるので、造影剤供給装置本体11の小型化を図ることができる。
また、炭酸ガスAとしては、例えば、圧縮された炭酸ガス、或いは液化された炭酸ガスを用いることができる。また、第1の容器25内の圧力は、例えば、1〜10MPaの範囲内で設定することができる。
第1の容器25内に充填された炭酸ガスAは、ガス状造影剤輸送ライン31により輸送される。
第2の容器26は、等張液を含む液体(以下、「液体B」という)が充填されている。第1の実施の形態の液体Bとしては、例えば、等張液、具体的には生理食塩水を用いることができ、等張液に予め炭酸ガスを溶解させた状態のものも用いることができる。
第2の容器26の内容積が5mLよりも小さいと、液状造影剤(液体B、及び炭酸ガスAの気泡よりなる造影剤)の患者(使用先)への供給量が不足して、造影検査を行うことができなくなるため、好ましくない。
また、第2の容器26の内容積が300mLよりも大きいと、第2の容器26のサイズが大きくなることで、造影剤供給装置本体11が大型化するため、好ましくない。
第1の造影剤供給ライン28−1は、筐体23内に収容されている。第1の造影剤供給ライン28−1は、その一端がガス状造影剤輸送ライン31の他端、及び液状造影剤輸送ライン49の他端と接続されており、他端が接続部29と接続されている。
このように、第1の造影剤供給ライン28−1の材料としてオーステナイト系ステンレス鋼を用いることにより、第1の造影剤供給ライン28−1のオートクレーブ滅菌(具体的には、例えば、処理温度が120℃、処理時間が20分、処理容器内の圧力が0.1MPaの条件で行う熱滅菌)を実施することができる。
なお、第1の造影剤供給ライン28−1の材料として、エタノールや過酸化水素水を用いた溶剤滅菌、或いは紫外線滅菌に耐えることが可能な材料を用いてもよい。
これにより、第2の造影剤供給ライン28−2は、接続部29を介して、第1の造影剤供給ライン28−1と接続されている。
造影剤供給ライン28を介して、造影剤供給用注射筒13に供給された造影剤(液状造影剤またはガス状造影剤)は、造影剤供給用注射筒13内に充填される。
つまり、ガス状造影剤輸送ライン31は、第1の容器25の外部にガス状造影剤Cを輸送する。
このため、第1のガス輸送ライン34の接続位置と気泡部48との間に位置する液体輸送ライン33は、炭酸ガスAと液体Bとを混合させる機能を有する。
第1の圧力計36は、第5のバルブ35と第1の容器25との間に位置するガス状造影剤輸送ライン31に設けられている。第1の圧力計36は、第1の容器25から導出される炭酸ガスAの圧力を測定する。
このように、第5のバルブ35と第1の容器25との間に位置するガス状造影剤輸送ライン31に第1の圧力計36を設けることにより、第1の容器25内の圧力を測定することが可能となるため、炭酸ガスAの使用量、及び第1の容器25の交換時期を把握することができる。
フィルター37は、第1の容器25から導出された炭酸ガスAに含まれる不純物を除去する。フィルター37としては、例えば、ろ過精度が0.2μmとされた滅菌用メンブレンフィルターを用いるとよい。
このように、第3のバルブ38と第2の容器26との間に位置する液体輸送ライン33に第2の圧力計41を設けることにより、第2の容器26内の圧力を測定することが可能となるため、液体Bの使用量、及び第2の容器26の交換時期を把握することができる。
このように、マイクロバブルの状態、すなわち炭酸ガスAの気泡の大きさを1〜500μmの範囲内とすることにより、気液二相流の状態となることを抑制することが可能となるため、患者の造影診断を精度良く行うことができる。
図3B及び図3Cにおいて、図3Aに示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。また、図3Dにおいて、図3Cに示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
具体的には、図3Aに示すように、配管の一部に絞り部を設けた絞り管62を用いることにより、気泡化部48に導入した炭酸ガスの気泡を微細化することができる。
図3Aの構成とすることにより、気泡化部48の洗浄が容易に実施できる。配管の内径R1が4〜5mmである場合、絞り管62の最も径の細い絞り部分の内径R2は1〜2mmとするが好ましい。
なお、網目状の板66は、絞り管62内壁に固定されない状態で充填されても、絞り管62の内壁に固定されていても構わない。
液状造影剤輸送ライン49は、第2のバルブ50−1(切り替え手段50の構成要素の1つ)を介して、気泡化部48から導出された液状造影剤Dを輸送する。つまり、液状造影剤輸送ライン49は、気泡化部48の外部に液状造影剤Dを輸送する。
造影剤供給ライン28へのガス状造影剤C及び液状造影剤Dの供給を停止する際には、第1及び第2のバルブ50−1,50−2を閉じる。
また、造影剤供給ライン28へガス状造影剤Cを供給したい場合には、第2のバルブ50−2が閉じた状態で、第1のバルブ50−1を開ける。
さらに、造影剤供給ライン28へ液状造影剤Dを供給したい場合には、第1のバルブ50−1が閉じた状態で、第2のバルブ50−2を開ける。
流量調整部53は、筐体23内に位置する造影剤供給ライン28に設けられている。流量調整部53は、造影剤供給ライン28を介して、造影剤供給用注射筒13に供給するガス状造影剤Cの流量または液状造影剤Dの流量を調整する。
筐体23を携帯可能な大きさにすると共に、筐体23を含む造影剤供給装置本体11の重さを1〜3kgの範囲内とすることにより、容易に造影剤供給装置本体11を運ぶことができる。これにより、様々な場所で、造影剤供給装置本体11を使用することができる。
外筒13−1は、筒状とされており、開放端とされていない一端と、開放端とされた他端と、を有する。外筒13−1の外周面には、目盛り(図示せず)が設けられている。
筒先13−2は、外筒13−1とガスケット13−4とで形成される空間内を充填する造影剤(ガス状造影剤Cまたは液状造影剤D)を外筒13−1の外部に導出可能なように、外筒13−1の一端に設けられている。
造影剤供給用注射筒13内に、造影剤を供給する際、外筒13−1内に空間が形成されないように(言い換えれば、外筒13−1とガスケット13−4の先端面が接触するように)、外筒13−1内に押し子13−3を目一杯押し込む。
その後、造影剤の供給に応じて、徐々に外筒13−1から押し子13−3を引き出すことで、造影剤供給用注射筒13内に、造影剤(ガス状造影剤Cまたは液状造影剤D)を充填する。
造影剤供給用注射筒13内に造影剤(ガス状造影剤Cまたは液状造影剤D)が充填された状態において、ガスケット13−4は、外筒13−1内に収容された該造影剤と接触している。
三方弁14は、造影剤(ガス状造影剤Cまたは液状造影剤D)がパージ用ライン15に流れないように、該造影剤を造影剤供給用注射筒13に供給するか、或いは、該造影剤が造影剤供給用注射筒13側に流れないように、該造影剤をパージ用ライン15に流すかの切り替えを行う。
カテーテル19は、継手18を介して、分岐ライン16と接続されている。患者に造影剤を投与する際、カテーテル19は、患者と接続される。
第1の実施の形態では、重篤な腎障害のある患者(例えば、腎腫瘍を有する患者や透析をしている患者等)や造影剤アレルギーを有する患者であって、該患者がガス状造影剤C及び液状造影剤Dのうち、どちらの造影剤が適しているか分からない場合には、最初に、ガス状造影剤Cを投与して、造影検査を実施し、良好に検査が行えた場合には、これで検査を終了する。
ガス状造影剤Cでは良好な造影検査ができなかった場合には、作業者(医師)の判断に基づき、患者に液状造影剤Dを投与することで、造影検査を行う。
始めに、造影剤供給装置本体11内に炭酸ガスAよりなるガス状造影剤Cが充填された第1の容器25を予め準備する。この段階において、第1の容器25は、ガス状造影剤輸送ライン31の一端と接続されている。
具体的には、第2のバルブ50−2、第3のバルブ38、及び第4のバルブ46を閉じ、第1のバルブ50−1、及び第5のバルブ35を開け、さらに流量調整部53を通過したガス状造影剤Cがパージ用ライン15に流れ、かつ該ガス状造影剤Cが造影剤供給用注射筒13に流れないように三方弁14を動作させた後、ガス状造影剤輸送ライン31、第1の造影剤供給ライン28−1、及びパージ用ライン15にガス状造影剤Cを流すことでパージ処理を行う。
この段階において、押し子13−3は、外筒13−1内に空間が形成されないように(言い換えれば、外筒13−1とガスケット13−4の先端面が接触するように)、外筒13−1内に目一杯押し込まれている。
このとき、ガス状造影剤Cの供給に応じて、徐々に外筒13−1から押し子13−3を引き出すことで、造影剤供給用注射筒13内に、ガス状造影剤Cを充填する。
次いで、造影剤供給用注射筒13内にガス状造影剤Cを十分に充填した後、カテーテル19の先端を患者に接続する。
なお、ガス状造影剤Cの供給速度は、X線造影描写を確認しながら調節する。
なお、筺体23外に位置するカテーテル19以外の構成要素、すなわち、造影剤供給用注射筒13、パージ用ライン15、継手18、及び第2の造影剤供給ライン28−2は、ガス状造影剤Cを投与したときのものを交換せず、液状造影剤Dの投与の際、そのまま用いることができる。
始めに、第1のバルブ50−1を閉じ、第2のバルブ50−2、第3のバルブ38、第4のバルブ46、及び第5のバルブ35を開け、さらに流量調整部53を通過した液状造影剤Dがパージ用ライン15に流れ、かつ該液状造影剤Dが造影剤供給用注射筒13に流れないように三方弁14を動作させることで、第1の造影剤供給ライン28−1、液体輸送ライン33、第1のガス輸送ライン34、及び液状造影剤輸送ライン49をパージ処理する。
この段階において、押し子13−3は、外筒13−1内に空間が形成されないように(言い換えれば、外筒13−1とガスケット13−4の先端面が接触するように)、外筒13−1内に目一杯押し込まれている。
このとき、液状造影剤Dの供給に応じて、徐々に外筒13−1から押し子13−3を引き出すことで、造影剤供給用注射筒13内に液状造影剤Dを充填する。また、分岐ライン16、継手18及びカテーテル19内を液状造影剤Dで置換する。
次いで、造影剤供給用注射筒13内に液状造影剤Dを十分に充填した後、カテーテル19の先端を患者に接続する。
なお、液状造影剤Dの供給速度は、X線造影描写を確認しながら調節する。以上で液状造影剤Dを使用した造影検査を終了する。
図5は、第2の実施の形態の造影剤供給装置の概略構成を示すブロック図である。図2において、図1及び図2に示す第1の実施の形態の造影剤供給装置10と同一構成部分には、同一符号を付す。
第2のガス輸送ライン77は、液体輸送ライン33を流れる液体Bに炭酸ガスAを輸送するラインである。
第2のガス輸送ライン77の材料としては、第1の実施形態で説明した第1のガス輸送ライン34と同じものを用いることができる。
第6のバルブ78は、第2のガス輸送ライン77に設けられている。
これにより、第1のガス輸送ライン34のみを有する場合と比較して、液体Bと炭酸ガスAとを効率良く混合させることができる。
Claims (9)
- 炭酸ガスが充填された第1の容器と、
等張液を含む液体が充填された第2の容器と、
前記第1の容器の外部に前記炭酸ガスよりなるガス状造影剤を輸送するガス状造影剤輸送ラインと、
前記第2の容器から導出した前記液体中に、前記第1の容器から導出した前記炭酸ガスの気泡を発生させて、前記液体及び前記炭酸ガスの気泡よりなる液状造影剤を生成する気泡化部と、
前記第2の容器から前記液体を前記気泡化部に輸送する液体輸送ラインと、
前記ガス状造影剤輸送ラインから分岐し、かつ前記液体輸送ラインに前記炭酸ガスを輸送する第1のガス輸送ラインと、
前記気泡化部の外部へ前記液状造影剤を輸送する液状造影剤輸送ラインと、
使用先に前記液状造影剤または前記ガス状造影剤を供給する造影剤供給ラインと、
前記ガス状造影剤輸送ラインを介して、前記ガス状造影剤を前記造影剤供給ラインに供給するか、或いは、前記液状造影剤輸送ラインを介して、前記液状造影剤を前記造影剤供給ラインに供給するかを切り替える切り替え手段と、
を有することを特徴とする造影剤供給装置。 - 前記ガス状造影剤輸送ラインから分岐し、前記液体輸送ラインを流れる前記液体に前記炭酸ガスを輸送する第2のガス輸送ラインを有することを特徴とする請求項1記載の造影剤供給装置。
- 前記第1の容器、前記第2の容器、及び前記気泡化部を収容する筐体を有することを特徴とする請求項1または2記載の造影剤供給装置。
- 前記造影剤供給ラインは、前記ガス状造影剤輸送ライン及び前記液状造影剤輸送ラインと接続されており、
前記切り替え手段は、前記ガス状造影剤輸送ラインに設けられた第1のバルブと、前記液状造影剤輸送ラインに設けられた第2のバルブと、
を有することを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の造影剤供給装置。 - 前記第1及び第2の容器の内容積が、5〜300mLの範囲内であることを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の造影剤供給装置。
- 前記気泡化部は、所定の方向に延在する絞り管、オリフィス、及びスタティックミキサーのうち、少なくとも1つよりなることを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の造影剤供給装置。
- 前記造影剤供給ラインから分岐したパージ用ラインを有することを特徴とする請求項1ないし6のうち、いずれか1項記載の造影剤供給装置。
- 前記ガス状造影剤輸送ラインに、前記第1の容器から導出される前記炭酸ガスの圧力を測定する第1の圧力計と、
前記液体輸送ラインに、前記第2の容器から導出される前記液体の圧力を測定する第2の圧力計と、
を有することを特徴とする請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載の造影剤供給装置。 - 造影剤供給装置内に炭酸ガスよりなるガス状造影剤を充填する工程と、
前記造影剤供給装置内で等張液を含む液体、及び前記液体中に存在する前記炭酸ガスの気泡よりなる液状造影剤を生成する工程と、
前記ガス状造影剤及び前記液状造影剤のうち、いずれか一方の造影剤をカテーテルに供給する工程と、
を含むことを特徴とする造影剤供給方法。
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