JP6027154B2 - 光学フィルタおよび光学素子用パッケージ - Google Patents

光学フィルタおよび光学素子用パッケージ Download PDF

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Description

本発明は、所定の波長帯域の光を透過する光学フィルタおよびこの光学フィルタを備える光学素子用パッケージに関する。
撮像素子、発光素子または受光素子等の光学素子を用いた光学系には、光を集光する光学レンズや、所定の波長帯域の光を透過し、その他の波長帯域の光は透過しないバンドパス型の光学フィルタ等各種の光学部材が使用される。
例えば、撮像素子を用いる場合、撮像素子に入射する光を人間の眼が知覚することができる波長帯域(可視光帯域)に限定する光学フィルタが、光学レンズと撮像素子との間に配置される。このような光学フィルタは、可視光帯域よりも長い波長を有する近赤外光と、可視光帯域よりも短い波長を有する紫外光の透過を阻止するように構成される。
特許文献1記載の光学フィルタは、透明基板の表面に樹脂層からなる光吸収構造体を設け、光吸収構造体の表面に無機膜を積層した反射構造体を設けた構造を有している。
特開2012−137647号公報
特許文献1記載の光学フィルタの積層構造では、透明基板上に光吸収構造体を形成したのち、反射構造体を形成することになるが、反射構造体の形成時に加熱されることで、樹脂層から水分が発生し、発生した水分によって反射構造体の屈折率が変動してしまい、所望の光学特性を得ることができないという問題がある。
本発明の目的は、屈折率の変動がなく所望の光学特性が得られる光学フィルタおよび光学素子用パッケージを提供することである。
本発明の1つの態様に係る光学フィルタは、透明基板と、該透明基板の一方主面上に設けられる、予め定める波長帯域の光を反射する、無機材料からなる反射膜と、該反射膜の前記透明基板とは反対側に設けられる、無機材料からなる中間膜と、該中間膜の前記反射膜とは反対側に設けられる、前記予め定める波長帯域の少なくとも一部の波長の光を吸収する、樹脂材料を含む吸収膜と、を備え、前記反射膜の屈折率をn1とし、前記中間膜の屈折率をn2とし、前記吸収膜の屈折率をn3としたとき、n1<n2<n3であるとともに、前記中間膜の前記吸収膜側の表面が凹凸を有することを特徴としている。
また、本発明の1つの態様に係る光学素子用パッケージは、撮像素子、発光素子または受光素子のいずれかの光学素子が収容される凹部を有する基板と、レンズホルダであって、光学レンズ、上記の光学フィルタならびに該レンズおよび該光学フィルタを保持するレンズ保持部を有し、前記凹部を塞ぐように前記基板に固定されるレンズホルダと、を含むことを特徴としている。
本発明の1つの態様に係る光学フィルタによれば、屈折率の変動がなく所望の光学特性が得られる。
本発明の1つの態様に係る光学素子用パッケージによれば、上記の光学フィルタを備えることにより、光学特性に優れた光学素子用パッケージが得られる。
本発明の第1実施形態である光学フィルタ1の構成を示す断面図である。 無機反射膜と中間層との界面を示す断面図である。 本発明の第2実施形態である光学フィルタ1Aの構成を示す断面図である。 本発明の第3実施形態である光学素子用パッケージ10および電子装置20の外観を示す上面図である。 図4のA−A線を切断面線とする縦断面図である。
図1は、本発明の第1実施形態である光学フィルタ1の構成を示す断面図である。光学フィルタ1は、透明基板2と、無機反射膜3と、中間膜4と、樹脂吸収膜5と、反射防止膜6とを備え、透明基板2の一方主面上にこの順に積層されている。無機反射膜3の屈折率をn1とし、中間膜4の屈折率をn2とし、樹脂吸収膜5の屈折率をn3としたとき、n1<n2<n3である。中間膜4の屈折率が、無機反射膜3と樹脂吸収膜5の光学アドミッタンスの中間の値となっている。なお、無機反射膜3の屈折率n1は、無機反射膜3全体の光学アドミッタンスの屈折率である。つまり、無機反射膜3は、後述するように、複数の低屈折率無機誘電体層3aと複数の高屈折率無機誘電体層を交互に積層した積層体であるから、無機反射膜3の屈折率n1は各層の屈折率の平均値としている。
透明基板2は、透過する光の波長選択性がない、光透過性を有する基板であれば、金属酸化物やガラス等の無機材料から成っていてもよく、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂材料から成っていてもよい。
透明基板2の厚みは、光学フィルタ1に求められる機械的強度や総厚みを考慮して適宜設定すればよく、例えば、0.05〜0.5mmである。
無機反射膜3は、透明基板2の一方主面に設けられ、予め定める波長帯域の光を反射する反射膜であって、無機材料からなる。光学フィルタ1に要求されるフィルタ特性が、可視光帯域の透過である場合、無機反射膜3は、透過させるべき可視光帯域以外の波長帯域である、近赤外光の波長帯域および紫外光の波長帯域の光を反射するように構成される。
図2に示すように、無機反射膜3は、例えば、相対的に屈折率が低い低屈折率無機誘電体層3aと、相対的に屈折率が高い高屈折率無機誘電体層3bとが交互に積層されてなる。無機反射膜3によって透過を阻止したい波長帯域の中心波長をλとしたとき、低屈折率無機誘電体層3aおよび高屈折率無機誘電体層3bの層厚みをλ/4に設定することで、透過しようとする光と各層の界面で反射する光との干渉を利用して、波長λを中心とする波長帯域の光を無機反射膜3で反射させ、これらの波長帯域の光の透過を阻止することができる。当該波長帯域以外の波長帯域の光は、無機反射膜3を透過することになる。したがって、λを近赤外光の波長帯域および紫外光の波長帯域とすることで、無機反射膜3は、近赤外光および紫外光を反射してその透過を阻止し、近赤外光の波長帯域および紫外光の波長帯域以外の波長帯域である可視光帯域の光を透過する。
無機反射膜3は、近赤外光および紫外光を反射してその透過を阻止することができれば
、どのような構成であってもよいが、例えば、低屈折率無機誘電体層3aは酸化ケイ素(SiO)誘電体層からなり、高屈折率無機誘電体層3bは酸化チタン(TiO)誘電体層からなる。酸化ケイ素誘電体層の屈折率はn=1.45と相対的に低屈折率であり、酸化チタン誘電体層の屈折率はn=2.30と相対的に高屈折率である。
なお、SiOおよびTiO以外にも、反射によって透過を阻止しようとする波長帯域に応じて、Al、ZrO、Ta、Nb等の無機材料を用いてもよい。
無機反射膜3は、上記のように所望の波長帯域の光を反射し、光の干渉を利用して透過を阻止しようとするものであるので、低屈折率無機誘電体層3aと高屈折率無機誘電体層3bとの界面における反射を高精度に制御する必要がある。そのためには、各誘電体層の表面を平坦とし、層表面の凹凸を小さくするのが好ましい。各誘電体層の表面が大きな凹凸を有すると、反射光が所望の方向に反射されず干渉が生じなくなってしまうおそれがある。
凹凸が小さく平坦な表面を有する誘電体層を形成する方法として、蒸着やスパッタリング等の物理気相成長法(PVD)、化学気相成長法(CVD)等がある。無機反射膜3における各誘電体層表面の凹凸は、形成条件にもよるが、例えば表面粗さで5nm〜10nmである。なお、表面粗さは、表面粗さ計を用いてJIS94の測定方法により算出した。
後述するように、中間膜4を構成する材料として酸化ケイ素を用いる場合、無機反射膜3と中間膜4との接合強度を向上するために、無機反射膜3の中間膜4側の最外層、すなわち中間膜4と直接的に接合する層は、中間膜4と同じ酸化ケイ素誘電体膜とすることが好ましい。
低屈折率無機誘電体層3aと高屈折率無機誘電体層3bを積層する積層数は、所望する透過阻止率を満たすものであればよく、例えば10〜50層であり、無機反射膜3の膜厚は、例えば2μm〜5μmである。具体的には、低屈折率無機誘電体層3aはシリカからなり、高屈折率無機誘電体層3bは、チタニアからなる。両層ともに、蒸着で形成されている。
中間膜4を説明する前に樹脂吸収膜5について説明する。樹脂吸収膜5は、中間膜4の無機反射膜3とは反対側に設けられる、無機反射膜3が透過を阻止しようとする予め定める波長帯域の少なくとも一部の波長の光を吸収する。上記のように無機反射膜3は、光を膜内で反射させ、光の干渉を利用して予め定める波長帯域の光の透過を阻止しようとするものであるが、予め定める波長帯域において、所望の透過阻止率(不透過率)を得るのは困難である。特に透過させるべき波長帯域と透過を阻止すべき波長帯域の境界近傍では、透過を十分に阻止しようとすると透過させるべき波長帯域の光も透過が阻止されたり、十分に透過させようとすると透過を阻止すべき波長帯域の光が透過してしまうなど、無機反射膜3のみでは、透過帯域と不透過帯域との境界で急峻な透過特性を得ることは難しい。
無機反射膜3において、低屈折率無機誘電体層3aと高屈折率無機誘電体層3bの積層数を増加させるほど、急峻で優れた透過特性を得ることができるが、積層数を増加させると、無機反射膜3の膜厚が厚くなり、光学フィルタ1の厚みが厚くなってしまう。また、積層数を増加させると、膜応力が大きくなり光学フィルタ1に変形や反りが生じてしまう。
樹脂吸収膜5は、透過を阻止すべき波長帯域の光の少なくとも一部を吸収することによ
り、無機反射膜3と併せて、より急峻で優れた透過特性を得ることができる。例えば、上記のように、透過すべき波長帯域の光を十分に透過させることを優先すると、透過を阻止すべき波長帯域の光が透過してしまう。樹脂吸収膜5によって、透過を阻止すべき波長帯域の光のうち、特に透過帯域との境界近傍の波長の光を吸収することによって、光学フィルタ1としては、より急峻で優れた透過特性を得ることができる。また、無機反射膜3では、不透過帯域の全体にわたって十分に透過を阻止することができない場合には、樹脂吸収膜5によって不透過帯域全体にわたる波長の光を吸収するようにしてもよい。
樹脂吸収膜5は、樹脂材料と、この樹脂材料中に分散された色素または金属錯体と、を含んでなる構成であることが好ましい。色素または金属錯体は、これら化合物の種類ごとに吸収可能な波長が異なっている。したがって、樹脂材料中に分散させる色素または金属錯体を適宜選択することで、樹脂吸収膜5で吸収する光の波長を制御することができる。
樹脂材料は、可視光帯域で吸収が無いものが好ましく、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂またはポリイミド樹脂等が用いられる。樹脂材料に分散される色素は、染料または顔料として使用される化合物を用いることができる。染料または顔料も、可視光帯域で吸収が無いものが好ましく、近赤外帯域で吸収率の高いものが好ましい。
染料としては、例えば、フタロシアニン系化合物、アゾ化合物系化合物、ポリメチン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、キノン系化合物、ジイモニウム系化合物、チオール金属錯体系化合物等の化合物を用いることができる。吸収すべき波長帯域が狭い場合は、これらの染料のうちの1種を選択して樹脂材料に分散させてもよく、吸収すべき波長帯域が広い場合は、吸収波長の異なる複数種類の染料を選択して樹脂材料に分散させてもよい。
顔料としては、例えば、インジウムとスズの複合酸化物であるITOを微粒子化したものを用いることができる。ITOは、可視光帯域において透過率が高く、近赤外帯域の光を吸収する。顔料は、染料とは異なり粒子状態で樹脂層に分散されるので、粒子による透過光の散乱等を防ぐために、より小さい粒子径とするのが好ましい。
紫外帯域の光を吸収する化合物としては、無機顔料である酸化チタン、酸化亜鉛等を用いることができ、有機材料であるベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、トリアジン等を用いることができる。
樹脂吸収膜5の形成方法は、未硬化の樹脂を分散または可溶化した溶媒に、上記の近赤外光吸収剤、紫外光吸収剤を分散させた塗工液を、スピンコート法、スプレー法、ディッピング法等によって、予め形成された中間膜4の表面に塗工し、乾燥、加熱等を経て樹脂を硬化させる。
樹脂吸収膜5の膜厚が厚いほど光の吸収率は高いが、光学フィルタ1の厚みが厚くなってしまうので、樹脂吸収膜5の膜厚は、例えば0.5μm〜10μmである。
中間膜4は、無機反射膜3と樹脂吸収膜5との間に設けられる無機材料膜で、無機反射膜3の屈折率をn1とし、樹脂吸収膜の屈折率をn3としたとき、n1<n2<n3を満たす屈折率n2を有する。
上記のように、透明基板2上に、無機反射膜3、中間膜4、樹脂吸収膜5の順に積層することで、樹脂吸収膜5が、無機反射膜3および中間膜4よりも後に形成される。これによって、樹脂吸収膜5形成後に加熱されることが無いので、樹脂吸収膜5からの水分の発生を抑制することができ、無機反射膜3の屈折率の変動を抑制することができる。
単に無機反射膜3上に後から樹脂吸収膜5を形成した場合、すなわち中間膜4を設けなかった場合、樹脂吸収膜5の水分の発生は抑制できるが、無機反射膜3と樹脂吸収膜5との界面における光の反射により可視光帯域の光の透過率が低くなる。
無機反射膜3、中間膜4、樹脂吸収膜5の各膜の屈折率が上記のような大小関係を満たすことにより、樹脂吸収膜5と中間膜4との界面における光の反射、中間膜4と無機反射膜3との界面における光の反射は、無機反射膜3と樹脂吸収膜5との界面における光の反射よりも小さくなるので、樹脂吸収膜5からの水分の発生を抑制するとともに、可視光帯域の光の透過率が低下することを防止することができる。
光学フィルタ1は、透明基板2上に、無機反射膜3、中間膜4、樹脂吸収膜5の順に積層されていることにより、屈折率の変動がなく所望の光学特性を得ることができる。
無機反射膜3、中間膜4、樹脂吸収膜5の各屈折率n1、n2、n3は、n1<n2<n3を満たすものであればよいが、例えば、無機反射膜3の屈折率n1は、1.1〜1.3であり、中間膜4の屈折率n2は、1.35〜1.45であり、樹脂吸収膜5の屈折率n3は、1.50〜1.55である。
中間膜4は、屈折率が上記のような大小関係を満足すればどのような構成であってもよいが、例えば、複数の酸化ケイ素粒子が互いに結合して成る酸化ケイ素粒子膜であってもよい。無機反射膜3の低屈折率無機誘電体層として、酸化ケイ素からなる誘電体層について説明したが、中間膜4の酸化ケイ素膜は、低屈折率無機誘電体層3aとしての酸化ケイ素よりも表面の凹凸が大きい。特に樹脂吸収膜5側の表面を、大きな凹凸を有する表面とすることが好ましい。
樹脂吸収膜5側の表面を、大きな凹凸を有する表面とすることで、樹脂吸収膜5の樹脂材料が、表面の凹部に入り込み、アンカー効果によって中間膜4と樹脂吸収膜5との接合強度が向上する。
大きな凹凸を有する表面を得る中間膜4の形成方法としては、例えば、ゾルゲル法が挙げられる。酸化ケイ素粒子膜を形成する場合は、金属アルコキシドであるTEOS(Tetra Ethoxy Silane)のアルコール溶液中でTEOS加水分解、縮重合させてゾルを形成し、無機反射膜3の表面に塗布する。塗布後に加熱して酸化ケイ素粒子を含むゲルを形成し、さらに加熱して酸化ケイ素粒子同士が互いに結合された粒子膜が得られる。反応条件や加熱条件を適宜設定することで、所望の粒子径が得られる。本実施形態の光学フィルタ1においては、例えば、平均粒径が0.5μm以上5μm以下の酸化ケイ素粒子からなる中間膜4を得る。中間膜4の樹脂吸収膜5側表面の表面粗さは、20nm〜50nmであり、無機反射膜3の酸化ケイ素誘電体膜の表面粗さよりも大きい。
本実施形態の光学フィルタ1は、樹脂吸収膜5の表面にさらに反射防止膜6を設けている。反射防止膜6は、光学フィルタ1の最外層に配置され、光学フィルタ1を透過する光が光学フィルタ1の表面で反射されないように設けられる。反射防止膜6は、例えば、単層のフッ素樹脂からなる。本実施形態の光学フィルタ1は、反射防止膜6により、外部から光学フィルタ1内での水分の浸入を防止することができる。
図3は、本発明の第2実施形態である光学フィルタ1Aの構成を示す断面図である。本実施形態の光学フィルタ1Aは、透明基板2の他方主面上にも透明基板2と、無機反射膜3と、中間膜4と、樹脂吸収膜5と、反射防止膜6とがこの順に積層される。他方主面上の無機反射膜3、中間膜4、樹脂吸収膜5および反射防止膜6は、それぞれ一方主面上の
無機反射膜3、中間膜4、樹脂吸収膜5および反射防止膜6と同じ構成の膜である。本実施形態の光学フィルタ1Aは、透明基板2を挟んで各膜が対称に設けられている。第1実施形態の光学フィルタ1では、透明基板2の一方側に膜応力が集中するので、変形または反りが生じ易い。本実施形態の光学フィルタ1Aは、透明基板2の両側にそれぞれ同じ構成の膜が設けられているので、透明基板2おいて膜応力が相殺され、光学フィルタ1Aに変形や反りは生じない。
なお、第2実施形態の光学フィルタ1Aの片側の各膜の膜厚は、第1実施形態の光学フィルタ1の各膜の半分である。すなわち、光学フィルタ1の各膜の厚みを半分して2つに分け、透明基板2の両側にそれぞれ配置したのが光学フィルタ1Aであると言える。したがって、光学フィルタ1の総厚みと、光学フィルタ1Aの総厚みとは、同じであり、光学フィルタ1Aの厚みが、光学フィルタ1よりも厚くはならない。
図4は、本発明の第3実施形態である光学素子用パッケージ10および電子装置20の外観を示す上面図であり、図5は、図4のA−A線を切断面線とする縦断面図である。
光学素子用パッケージ10は、光学素子11を収容するキャビティ(凹部)を有する基板9と、キャビティを塞ぐように基板9に固定されるレンズホルダ8と、を備える。レンズホルダ8は、光学レンズ7と、上記の光学フィルタ1(1A)と、これらを保持するレンズ保持部8bと、を含む。
基板9は、セラミック材料または有機材料から成る絶縁層に配線導体が形成された配線基板であり、光学素子11と電気的に接続するとともに外部装置とも電気的に接続する。
基板9は、板状の第1基板9aと中央に貫通孔を有する第2基板9bとが積層されてなる。第2基板9bの貫通孔と第1基板9aの主面とでキャビティが構成され、光学素子11が収容される。なお、基板9は、中央部分にキャビティが形成された1つの絶縁層からなるものであってもよく、3つ以上の基板が積層されていてもよい。
電子装置20は、光学素子用パッケージ10と、光学素子11と、を備える。光学素子11は、撮像素子、発光素子または受光素子のいずれかであり、ボンディングワイヤ12等の接続部材によって基板9と電気的に接続される。光学素子11と基板9との電気的接続には、ボンディングワイヤ以外に金バンプまたはハンダ等を使用しても良い。
レンズホルダ8のレンズ保持部8bは、光学レンズ7の光軸が光学素子11を通るように光学レンズ7および光学フィルタ1を保持する。光学レンズ7としては、凸レンズ、凹レンズまたはフレネルレンズ等の各種形状のレンズを使用するができる。光学レンズ7は、収容される光学素子11の種類に応じて各種の光学機能を備えていればよく、例えば光学素子11が撮像素子または受光素子の場合は、外部から入射する外光を撮像素子表面に集束させ、光学素子11が発光素子の場合は、発光素子から出射される出射光を集束、発散または平行化させる機能を備える。
図4,4に示すレンズ保持部8bは、概略、立方体形状または直方体形状を有し、下面が開放され、上面8aに貫通孔が設けられ、この貫通孔に嵌るように光学レンズ7が保持される。光学フィルタ1は、光学レンズ7と光学素子11との間に位置するように、レンズ保持部8bの下方に保持される。レンズ保持部8bの形状は特に限定されず、例えば、上記のように立方体形状または直方体形状であってもよく、円筒形状であってもよく、半球形状やドーム形状等であってもよい。
レンズ保持部8bの側壁の下端が、基板9の上面の外周部分に、接着剤等によって固定
される。
光学素子11が撮像素子の場合、光学レンズ7によって集束される外光が、光学フィルタ1を通過し、近赤外帯域および紫外帯域の光は光学フィルタ1によって透過が阻止され、可視光帯域の光が透過されて撮像素子に到達する。
所望の光学特性が得られる光学フィルタ1を備えることにより、光学特性に優れた光学素子用パッケージ10および電子装置20を実現することができる。
1 光学フィルタ
1A 光学フィルタ
2 透明基板
3 無機反射膜
4 中間膜
5 樹脂吸収膜
6 反射防止膜
7 光学レンズ
8 レンズホルダ
8a 上面
8b レンズ保持部
9 基板
9a 第1基板
9b 第2基板
10 光学素子用パッケージ
11 光学素子
12 ボンディングワイヤ
20 電子装置

Claims (5)

  1. 透明基板と、
    該透明基板の一方主面上に設けられる、予め定める波長帯域の光を反射する、無機材料からなる反射膜と、
    該反射膜の前記透明基板とは反対側に設けられる、無機材料からなる中間膜と、
    該中間膜の前記反射膜とは反対側に設けられる、前記予め定める波長帯域の少なくとも一部の波長の光を吸収する、樹脂材料を含む吸収膜と、を備え、
    前記反射膜の屈折率をn1とし、前記中間膜の屈折率をn2とし、前記吸収膜の屈折率をn3としたとき、n1<n2<n3であるとともに、前記中間膜の前記吸収膜側の表面が凹凸を有することを特徴とする光学フィルタ。
  2. 前記中間膜は、複数のシリカ粒子が互いに結合して成ることを特徴とする請求項記載の光学フィルタ。
  3. 前記反射膜は、酸化ケイ素からなる誘電体層と酸化チタンからなる誘電体層とが交互に積層されて成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学フィルタ。
  4. 前記吸収膜は、前記樹脂材料と、該樹脂材料中に分散された、前記波長の光を吸収する色素または金属錯体とを含んでなることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の光学フィルタ。
  5. 撮像素子、発光素子または受光素子のいずれかの光学素子が収容される凹部を有する基板と、
    レンズホルダであって、光学レンズ、請求項1〜のいずれか1つに記載の光学フィルタならびに該レンズおよび該光学フィルタを保持するレンズ保持部を有し、前記凹部を塞ぐように前記基板に固定されるレンズホルダと、を含むことを特徴とする光学素子用パッケージ。
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