JP6026820B2 - バイフォーカルレンズのディップコーティング方法 - Google Patents

バイフォーカルレンズのディップコーティング方法 Download PDF

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Description

本発明は、バイフォーカルレンズを浸漬槽に浸漬させて行うバイフォーカルレンズのディップコーティング方法に関するものである。
眼鏡用レンズの一つにバイフォーカルレンズがある。このバイフォーカルレンズは、小玉と呼称される近方視部を有する二重焦点レンズである。前記小玉は、レンズ面の一部が部分的に前方に突出する形状に形成されている。この小玉のセグメントトップと呼ばれている上端部は、正面視において上に向けて凸になる円弧状に形成されることが多い。
従来のバイフォーカルレンズにハードコート膜を設けるためには、ディップコーティング法によってハードコート液を塗布し、その後、このハードコート液を加熱して硬化させることによって行っている。ディップコーティング法は、ハードコート液が貯留された浸漬槽にバイフォーカルレンズを浸漬させ、しかる後に引き上げることによって行う。
眼鏡用レンズを浸漬槽に浸漬させるときは、例えば特許文献1に記載されているように、レンズを立てた状態で行う。特許文献1に開示されているディップコーティング方法は、レンズをホルダーに立てて載せ、このホルダーとともに浸漬槽内に浸漬させて行われる。
バイフォーカルレンズを用いるディップコーティング法としては、例えば特許文献2に記載されている方法がある。この方法は、バイフォーカルレンズを浸漬槽から引き上げる速度を通常より遅くして実施する。
特開平7−234301号公報 特開2002−228989号公報
しかしながら、バイフォーカルレンズに特許文献1に開示されたようなディップコーティング方法を適用すると、バイフォーカルレンズを浸漬槽から引き上げるときに余剰のハードコート液が前記セグメントトップから流れて下りるようになる。バイフォーカルレンズがハードコート液の液面より上に出された後にハードコート液がセグメントトップから流れると、図9に示すように、このハードコート液の流れた痕跡1がレンズ面2に残存してしまう。図9において、符号3はバイフォーカルレンズを示し、4は小玉を示し、5はセグメントトップを示す。前記痕跡1は、ハードコート液が硬化しても消えることがない。このため、この痕跡1が形成されたバイフォーカルレンズ3は不良品になる。
特許文献2に開示されている方法では、引き上げステップに要する時間が長くなるために生産性が低くなってしまうという問題と、ハードコート膜の膜厚が薄くなってしまうという問題があった。
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、セグメントトップから塗布液が流れた痕跡が残ることがなく、かつ生産性よく充分な膜厚のコーティング膜を形成できるバイフォーカルレンズのディップコーティング方法を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係るバイフォーカルレンズのディップコーティング方法は、小玉のセグメントトップが正面視において円弧状に形成されたバイフォーカルレンズを塗布液が貯留された浸漬槽に浸漬させる浸漬ステップと、前記バイフォーカルレンズを前記浸漬槽から引き上げる引き上げステップとを有し、前記浸漬ステップと前記引き上げステップは、バイフォーカルレンズの周方向の角度を規制する第1の条件と、バイフォーカルレンズの傾斜角度を規制する第2の条件とが満たされるように行われ、前記第1の条件は、前記バイフォーカルレンズを正面から見て前記セグメントトップが上下方向に延びるとともにセグメントトップの下端を通る接線が鉛直方向または略鉛直方向に延びることであり、前記第2の条件は、前記バイフォーカルレンズを光軸と直交する水平方向から見て小玉を有するレンズ面の下端を通る接線が鉛直方向または略鉛直方向に延びることであり、前記引き上げステップは、前記第1の条件と前記第2の条件とが満たされる状態を保ちながら前記バイフォーカルレンズを前記浸漬槽から引き上げて実施されることを特徴とする。
本発明は、前記発明において、前記第1の条件が満たされるように周方向の角度が設定されたバイフォーカルレンズにおける前記セグメントトップの下端は、前記バイフォーカルレンズを眼鏡フレームの形状に形成した状態において鼻側となるセグメントトップの一端であることを特徴とする。
本発明は、前記発明において、前記第2の条件を満たす前記バイフォーカルレンズの鉛直方向に対する傾斜角度は、レンズ面の曲率と外径とに基づいて予め定めた角度に設定されることを特徴とする。
本発明は、上記発明において、前記浸漬ステップは、複数のバイフォーカルレンズを水平方向に並べて一つの保持装置に前記第1および第2の条件が満たされるように保持させた状態でこの保持装置とともに前記浸漬槽に浸漬させることによって行われ、前記引き上げステップは、前記保持装置とともに前記複数のバイフォーカルレンズを前記浸漬槽から引き上げることによって実施され、前記浸漬ステップおよび前記引き上げステップは、上方から見て隣り合うバイフォーカルレンズどうしが互いに離間するとともに、前記バイフォーカルレンズどうしの間に上方および下方に向けて前記バイフォーカルレンズによって遮られることなく解放される空間が形成される状態で実施されることを特徴とする。
本発明によれば、引き上げステップにおいて、前記セグメントトップを伝って流れた余剰の塗布液は、セグメントトップにおける鉛直方向の下方を指向する下端から重力によって速やかに下方へ流れ出る。このバイフォーカルレンズの下端部の傾斜角度(鉛直方向に対して傾斜する角度)は、下方に向かうにしたがって漸次小さくなる。すなわち、セグメントトップから流れ出た余剰の塗布液は、レンズ面に滞留し難く、レンズ面の下端に向けて速やかに濡れ拡がるようになる。このように余剰の塗布液が速く流れるために、引き上げ速度を特に遅くする必要はなく、この結果、塗布液がレンズ面上に充分に保持されるようになる。
したがって、本発明によれば、セグメントトップから塗布液が流れた痕跡が残ることがないとともに、生産性よく充分な膜厚のコーティング膜を形成できるバイフォーカルレンズのディップコーティング方法を提供することができる。
本発明に係るバイフォーカルレンズのディップコーティング方法を説明するためのフローチャートである。 本発明を実施するために用いるバイフォーカルレンズの正面図である。 図2におけるIII−III線断面図である。 第1の条件を満たすように小玉を位置付けた状態を示すバイフォーカルレンズの正面図である。 浸漬ステップと引き上げステップとを説明するための断面図である。 第2の条件を満たすように傾斜させたバイフォーカルレンズの下端部を拡大して示す断面図である。 ディップコーティング用レンズ保持装置の斜視図である。 レンズ保持装置の一部を拡大して示す側面図である。 ハードコート液が流れた痕跡を説明するためのバイフォーカルレンズの正面図である。
以下、本発明に係るバイフォーカルレンズのディップコーティング方法の一実施の形態を図1〜図8によって詳細に説明する。
本発明に係るバイフォーカルレンズのディップコーティング方法を実施するにあたっては、先ず、図1に示すフローチャートの浸漬ステップS1が実施される。そして、所定の時間が経過した後に引き上げステップS2が実施され、その後に硬化ステップS3が実施される。
<浸漬ステップ>
前記浸漬ステップS1は、図2および図3に示すようなバイフォーカルレンズ11を図4に示すような浸漬槽12に後述する所定の姿勢とした状態で浸漬させて行う。
前記バイフォーカルレンズ11は、凸曲面からなるレンズ面13に小玉14が形成されたものである。
前記小玉14は、図3に示すように、前記レンズ面13の一部を部分的に前方に突出させた形状に形成されている。この小玉14の上端を構成するセグメントトップ15は、上方を指向する平坦面によって形成されている。このセグメントトップ15は、図2に示すように、正面視において、予め定めた曲率半径の円弧状に形成されている。この曲率半径は、約40mm〜60mm程度である。図2は、左眼用のバイフォーカルレンズ11を示している。このため、図2に示す小玉14は、鼻側(図2において左側)に偏る位置に設けられている。
前記浸漬槽12は、バイフォーカルレンズ11を傾斜させて浸漬可能なもので、塗布液16が貯留されている。塗布液16は、例えばバイフォーカルレンズ11にハードコート膜を形成する場合にはハードコート液が用いられる。
ハードコート液は、例えば、以下のように調製することができる。すなわち、マグネティックスターラーを備えたガラス製の容器にγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン17質量部、メタノール30質量部、および、水分散コロイダルシリカ(固形分40質量%、平均粒子径15nm)28質量部を加え充分に混合し、5℃で24時間攪拌を行う。次に、プロピレングリコールモノメチルエーテル15質量部、シリコ−ン系界面活性剤0.05質量部、および、硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネ−トを1.5質量部加え、充分に撹拌した後、濾過を行うことによって、ハードコーティング液が調製される。
また、このハードコート液は、粘度が2〜10cps程度であるものを用いることができる。
バイフォーカルレンズ11を浸漬槽12内に浸漬させるにあたっては、以下の二つの条件が満たされる状態で行う。
第1の条件は、バイフォーカルレンズ11の周方向の角度を規制するための条件である。この第1の条件は、図4に示すように、前記バイフォーカルレンズ11を正面から見て前記セグメントトップ15が上下方向に延びるとともにセグメントトップ15の下端15aを通る接線L1が鉛直方向または略鉛直方向に延びることである。この実施の形態における前記セグメントトップ15の下端15aは、前記バイフォーカルレンズ11を眼鏡フレームの形状に形成した状態において鼻側となるセグメントトップ15の一端である。
前記「略鉛直方向」とは、前記接線L1が鉛直方向に対して±5度程度、多くても±10度程度傾斜させることが可能であることを意味する。
第2の条件は、バイフォーカルレンズ11の傾斜角度θ(図5参照)を規制するための条件である。第2の条件は、図5に示すように、前記バイフォーカルレンズ11を光軸Cと直交する水平方向から見て小玉14を有するレンズ面13の下端13aを通る接線L2が鉛直方向または略鉛直方向に延びることである。前記接線L2は、例えば鉛直方向に対して5度程度傾斜させることができる。ここでいう「略鉛直方向」とは、前記接線L2が鉛直方向に対して±5度程度、多くても±10度程度傾斜させることが可能であることを意味する。
この第2の条件を満たす傾斜角度θは、バイフォーカルレンズ11のレンズ面13の曲率(ベースカーブ)と外径とに基づいて決まる。代表的なバイフォーカルレンズ11に対する傾斜角度θを以下の表1に示す。
Figure 0006026820
表1には、バイフォーカルレンズ11の外径と、レンズ面13の曲率とに対する傾斜角度θが示してある。バイフォーカルレンズ11は、レンズ面13が球面で、Index1.5のものである。レンズ面13の曲率は、5.5BCの場合と、6.0BCの場合と、8.0BCの場合とがある。
表1から判るように、本発明を実施するためには、前記傾斜角度θを約19度〜約37度とすることが望ましい。
<引き上げステップ>
引き上げステップS2は、上述したように浸漬槽12内に浸漬されたバイフォーカルレンズ11を浸漬槽12の上方に引き上げるステップである。この引き上げステップS2は、バイフォーカルレンズ11を浸漬槽12内に浸漬させたときと同一の状態(前記第1、第2の条件が満たされる状態)に保ち、上方へ所定の速度で引き上げて行う。この引き上げ速度は、バイフォーカルレンズ11ではない他のレンズ(図示せず)を使用する場合と同等の速度に設定することができる。引き上げ速度は、例えば、20cm/分とすることができる。
この引き上げステップS2において、バイフォーカルレンズ11が塗布液16の液面から上に出ると、レンズ面13上の余剰の塗布液16がレンズ面13に沿って流れ下りる。前記セグメントトップ15を伝って流れた余剰の塗布液16は、セグメントトップ15における鉛直方向の下方を指向する下端15aから重力によって速やかに効果的に下方へ流れ出る。
レンズ面13の下端部の傾斜角度(鉛直方向に対して傾斜する角度)は、下方に向かうにしたがって漸次小さくなる。すなわち、セグメントトップ15から流れ出た余剰の塗布液16は、レンズ面13に滞留し難く、レンズ面13の下端13aに向けて速やかに濡れ拡がるようになる。このように余剰の塗布液16が速く流れるために、引き上げ速度を特に遅くする必要はなく、この結果、塗布液16がレンズ面13上に充分に保持されるようになる。
したがって、この実施の形態によれば、セグメントトップ15から塗布液16が流れた痕跡が残ることがなく歩留まりが向上するとともに、生産性よく充分な膜厚のコーティング膜を形成できるバイフォーカルレンズ11のディップコーティング方法を提供することができる。
この実施の形態による前記セグメントトップ15の下端15aは、バイフォーカルレンズ11の鼻側となるセグメントトップ15の一端である。この一端とレンズ面13の外周縁との間の距離は、セグメントトップ15の他端とレンズ面13の外周縁との間の距離より短い。このため、バイフォーカルレンズ11を眼鏡フレームの形状に形成するときに前記一端の近傍でバイフォーカルレンズ11が切除されるようになる。
この結果、セグメントトップ15の下端15aから流れ出た余剰の塗布液16の痕跡がレンズ面13の下端13a付近に形成されたとしても、この痕跡は、このバイフォーカルレンズ11を眼鏡フレームの形状に形成することによって除去される。
このため、この実施の形態によれば、前記痕跡に起因する不良品が生じ難くなるから、歩留まりがさらに向上するバイフォーカルレンズ11のディップコーティング方法を提供することができる。
<硬化ステップ>
上述したように浸漬槽12から引き上げられたバイフォーカルレンズ11は、図示していない硬化装置に送られる。
硬化装置は、バイフォーカルレンズ11を予め定めた硬化時間だけ予め定めた硬化温度に保持する。前記硬化時間は、例えば60分程度とし、前記硬化温度は、例えば100℃程度とすることができる。この実施の形態によるディップコーティング方法によれば、バイフォーカルレンズ11のレンズ面13に厚みが約3μmのハードコート膜を形成することができる。
<ディップコーティング用レンズ保持装置>
バイフォーカルレンズ11を上述した第1、第2の条件が満たされるように保持するためには、図7および図8に示すようなディップコーティング用レンズ保持装置21を用いることによって容易に行うことができる。図7および図8において、前記図1〜図6によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図7および図8に示すディップコーティング用レンズ保持装置21は、バイフォーカルレンズ11を保持した状態で前記浸漬槽12内にバイフォーカルレンズ11とともに浸漬させられるものである。この実施の形態によるレンズ保持装置21は、水平方向(図7においては左上から右下に斜めに向かう方向)に並ぶ複数のレンズ保持部22と、これらのレンズ保持部22を支持する枠体23とによって構成されている。前記レンズ保持部22は、バイフォーカルレンズ11を保持するためのものである。なお、図7においては、水平方向に並ぶ複数のレンズ保持部22のうち両端に位置するもののみを描いてある。
複数のレンズ保持部22どうしの間隔は、上方から見て隣り合うバイフォーカルレンズ11どうしが互いに離間するように形成されている。
前記枠体23は、載置用の脚部24と、この脚部24に支柱25を介して支持された支持用ブラケット26とを備えている。支持用ブラケット26は、レンズ保持部22が並ぶ水平方向に延びている。
前記レンズ保持部22は、バイフォーカルレンズ11の外周部を着脱可能に支持する第1〜第3のアーム31〜33と、これらのアーム31〜33を支持する支持部材34とを備えている。
前記第1〜第3のアーム31〜33のうち、バイフォーカルレンズ11の下端部を支える第1のアーム31と、バイフォーカルレンズ11における前記枠体23の支持用ブラケット26に近い側部を支える第2のアーム32は、前記支持部材34に固定されている。
第3のアーム33は、前記支持部材34に回動可能に支持されている。また、第3のアーム33は、回動軸部に設けられた捩りコイル35ばねのばね力によって、先端がバイフォーカルレンズ11を押す方向に付勢されている。さらに、第3のアーム33には、作業者(図示せず)が前記捩りコイルばね35のばね力に抗して第3のアーム33を揺動させるための操作用レバー36が設けられている。
バイフォーカルレンズ11は、第3のアーム33を捩りコイルばね35のばね力に抗して揺動させた状態で第1のアーム31の上に載せられる。そして、このバイフォーカルレンズ11は、第3のアーム33が前記ばね力によりバイフォーカルレンズ11の外周部に押し付けられることによって、第1〜第3のアーム31〜33によって挟まれて保持される。
前記支持部材34は、前記支持用ブラケット26に取付用ボルト37によって取付角度を調節可能に取付けられている。この取付角度とは、第1〜第3のアーム31〜33に保持されたバイフォーカルレンズ11の光軸Cが水平に対して傾斜する方向の取付角度である。すなわち、レンズ保持部22は、バイフォーカルレンズ11を保持する複数のアーム31〜33を用いて構成されているとともに、鉛直方向に対する傾斜角度を調整可能に構成されている。
この実施の形態によるレンズ保持部22は、上述した第1の条件と第2の条件とが満たされるようにバイフォーカルレンズ11を保持するものである。すなわち、前記支持部材34は、図8に示すように、第1〜第3のアーム31〜33に保持されたバイフォーカルレンズ11を光軸Cと直交する水平方向から見た状態において、前記小玉14を有するレンズ面13の下端を通る接線L2が鉛直方向または略鉛直方向に延びるように、前記支持用ブラケット26に固定されている。
バイフォーカルレンズ11をレンズ保持部22に保持させるにあたっては、図7に示すように、バイフォーカルレンズ11を正面から見た状態で前記セグメントトップ15が上下方向に延びるとともにセグメントトップ15の下端15aを通る接線L1が鉛直方向または略鉛直方向に延びるように行う。
この実施の形態によるディップコーティング用レンズ保持装置21の前記第1〜第3のアーム31〜33は、バイフォーカルレンズ11の周方向の角度を規制する前記第1の条件と、バイフォーカルレンズ11の傾斜角度を規制する前記第2の条件とが満たされるように保持するものである。
このため、レンズ面13の下端13aを通る接線L1が鉛直方向または略鉛直方向となるようにバイフォーカルレンズ11を保持する作業を簡単に行うことができる。この結果、この実施の形態によるレンズ保持装置21を使用することによって、レンズ面13の曲率が異なるバイフォーカルレンズ11に能率よく塗布液16をコーティングすることが可能になる。
この実施の形態による前記枠体23は、水平方向に並ぶ複数のレンズ保持部22を有している。前記各レンズ保持部22は、前記バイフォーカルレンズ11を保持する複数のアーム31〜33を用いて構成されているとともに、鉛直方向に対する傾斜角度を調整可能に構成されている。前記レンズ保持部22どうしの間隔は、上方から見て隣り合うバイフォーカルレンズ11どうしが互いに離間するように形成されている。
このため、この実施の形態によれば、各レンズ保持部22の取付角度をレンズ面13の曲率や外径に対応させて調節できるから、前記曲率や外径が異なる複数のバイフォーカルレンズ11をレンズ保持部22によって簡単に保持することができる。
また、上方から見て隣り合うバイフォーカルレンズ11どうしが互いに離間するから、バイフォーカルレンズ11の着脱を他のバイフォーカルレンズ11に干渉されることなく容易に行うことができる。
しかも、このようにバイフォーカルレンズ11どうしが上方から見て互いに離間していると、バイフォーカルレンズ11どうしの間に塗布液16が流れ易くなるような空間S(図8参照)が形成される。このため、バイフォーカルレンズ11を浸漬槽12から引き上げるときにレンズ面13から余剰な塗布液16が速やかに流れるようになるから、品質が高いコーティングを行うことができる。
この実施の形態によるレンズ保持装置21を使用して本発明に係るディップコーティング方法を実施したところ、下記の表2に示すような結果が得られた。表2は、バイフォーカルレンズの小玉部下からの痕跡発生率を示すものである。この表2には、実施例と比較例とについてハードコート膜に前記痕跡が発生する割合がバイフォーカルレンズ11のレンズ面13の曲率毎に示してある。表2に示す比較例は、バイフォーカルレンズ11を光軸が水平になるようにレンズ保持装置21に保持させてディップコーティングを行ったものである。
表2に示すデータを得るために用いたバイフォーカルレンズ11は、Index1.5のものである。このバイフォーカルレンズ11の小玉14のサイズd(図2参照)は25mmである。レンズ面13の曲率(凸面ベースカーブ)は、5.5BCと、6.0BCと、8.0BCとである。表2に示す実施例と比較例のデータを作成するにあたっては、各曲率毎に10枚のバイフォーカルレンズ11を使用して行った。
Figure 0006026820
表2から判るように、本発明によるコーティング方法を採ることによって、従来は80%以上の高い発生率で発生していた痕跡が全ての曲率のバイフォーカルレンズにおいて発生することがなくなった。
11…バイフォーカルレンズ、12…浸漬槽、13…レンズ面、14…小玉、15…セグメントトップ、15a…セグメントトップの下端、21…ディップコーティング用レンズ保持装置、22…レンズ保持部、23…枠体、31…第1のアーム、32…第2のアーム、33…第3のアーム、S1…浸漬ステップ、S2…引き上げステップ、S3…硬化ステップ、L1,L2…接線。

Claims (4)

  1. 小玉のセグメントトップが正面視において円弧状に形成されたバイフォーカルレンズを塗布液が貯留された浸漬槽に浸漬させる浸漬ステップと、
    前記バイフォーカルレンズを前記浸漬槽から引き上げる引き上げステップとを有し、
    前記浸漬ステップと前記引き上げステップは、バイフォーカルレンズの周方向の角度を規制する第1の条件と、バイフォーカルレンズの傾斜角度を規制する第2の条件とが満たされるように行われ、
    前記第1の条件は、前記バイフォーカルレンズを正面から見て前記セグメントトップが上下方向に延びるとともにセグメントトップの下端を通る接線が鉛直方向または略鉛直方向に延びることであり、
    前記第2の条件は、前記バイフォーカルレンズを光軸と直交する水平方向から見て小玉を有するレンズ面の下端を通る接線が鉛直方向または略鉛直方向に延びることであり、
    前記引き上げステップは、前記第1の条件と前記第2の条件とが満たされる状態を保ちながら前記バイフォーカルレンズを前記浸漬槽から引き上げて実施されることを特徴とするバイフォーカルレンズのディップコーティング方法。
  2. 請求項1記載のバイフォーカルレンズのディップコーティング方法において、前記第1の条件が満たされるように周方向の角度が設定されたバイフォーカルレンズにおける前記セグメントトップの下端は、前記バイフォーカルレンズを眼鏡フレームの形状に形成した状態において鼻側となるセグメントトップの一端であることを特徴とするバイフォーカルレンズのディップコーティング方法。
  3. 請求項1または請求項2記載のバイフォーカルレンズのディップコーティング方法において、
    前記第2の条件を満たす前記バイフォーカルレンズの鉛直方向に対する傾斜角度は、レンズ面の曲率と外径とに基づいて予め定めた角度に設定されることを特徴とするバイフォーカルレンズのディップコーティング方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちいずれか一つに記載のバイフォーカルレンズのディップコーティング方法において、
    前記浸漬ステップは、複数のバイフォーカルレンズを水平方向に並べて一つの保持装置に前記第1および第2の条件が満たされるように保持させた状態でこの保持装置とともに前記浸漬槽に浸漬させることによって行われ、
    前記引き上げステップは、前記保持装置とともに前記複数のバイフォーカルレンズを前記浸漬槽から引き上げることによって実施され、
    前記浸漬ステップおよび前記引き上げステップは、上方から見て隣り合うバイフォーカルレンズどうしが互いに離間するとともに、前記バイフォーカルレンズどうしの間に上方および下方に向けて前記バイフォーカルレンズによって遮られることなく解放される空間が形成される状態で実施されることを特徴とするバイフォーカルレンズのディップコーティング方法。
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