JP6026157B2 - 硬質皮膜の成膜方法 - Google Patents

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Description

本発明は硬質皮膜、硬質皮膜を有する金型及び工具に関する。
近年、自動車製造の分野において、安全性の向上や、車体の軽量化を目的として高張力鋼板が多用される傾向にある。
高張力鋼板は高張力、高強度を有するために、従来用いられてきたプレス鋼板に比べて、プレス成形加工時に高い加圧力が必要となる。従って、高張力鋼板のプレス加工においては、プレス用金型にかかる負担が著しく大きくなるために、金型が摩耗しやすく、金型寿命が短いという問題がある。
金型の摩耗を抑制し、金型寿命を延ばす方法として、金型表面に硬質被膜を形成することにより、金型の表面硬度を高める方法が知られている。炭化チタン(TiC)被膜は、硬度が高く金型の表面に形成する被膜として期待されている。
TiC膜の形成方法として化学気相堆積(CVD)法と物理気相堆積(PVD)法とが知られている。CVD法により形成されたTiC膜は、密着性に優れているとされている。しかし、CVD法の場合には1000℃程度の温度で成膜を行う必要があるため、金型母材に歪みや熱変形が生じるという問題がある。PVD法は、比較的低温で成膜を行うことができるが、CVD法の場合と比べてTiC膜の密着性が低くなる。
PVD法においてTiC膜と金型母材との密着性を向上させる方法として、TiC膜と金型母材との間に窒化チタン(TiN)膜及び炭窒化チタン(TiCN)膜を形成する方法が検討されている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2008−207219号公報
しかしながら、プレス用金型の表面に形成する被膜には、金型母材との密着性だけでなく、硬度及び弾性率等の特性も必要とされる。前記従来の方法により、TiC膜と金型母材との密着性は向上するが、最表面のTiC膜の硬度及び弾性率等をさらに向上させることが求められている。
また、PVD法の場合にはドロップレットと呼ばれる数μm〜数十μのパーティクルが発生し、被膜の中に取り込まれる現象が発生しやすい。ドロップレットが発生すると、被膜の硬度及び弾性率等が低下したり、表面粗度が大きくなったりする。
これらの問題は、プレス用金型だけでなく、硬度及び耐摩耗性が要求される工具等においても生じうる。
本発明は、PVD法を用いてTiC膜を形成する場合に生じるおそれがあるこれらの問題を解決し、母材との密着性だけでなく硬度及び弾性率等の特性に優れ且つドロップレットを低減した硬質被膜並びに硬質被膜を有する金型及び工具等を実現できるようにすることを目的とする。
本発明に係る硬質皮膜は、母材の表面に形成され、母材側から順次設けられた金属窒化物層と、炭窒化チタン層と、炭化チタン層とを備え、炭化チタン層は、(200)結晶面と、(111)結晶面とを有し、下記の式1〜3を満たす。
h(200)/h(111)≧1.0・・・式1
0<d(200)≦1.5・・・式2
0<d(111)≦1.0・・・式3
但し、h(200)は、TiC層の表面をX線回析した際に得られる、(200)結晶面のピーク高さであり、h(111)は(111)結晶面のピーク高さであり、d(200)は(200)結晶面のピークの半価幅であり、d(111)は(111)結晶面のピークの半価幅である。
本発明の硬質皮膜は、母材との密着性に優れているだけでなく、(200)結晶面の配向比が高く、且つ(200)結晶面及び(111)結晶面における結晶性に優れたTiC膜を備えている。このため、TiC膜の硬度及び弾性率が大きく、金型及び工具等の耐久性を大きく向上させることができる。
本発明の硬質皮膜は、硬度が30GPa以上で、弾性率が310GPa以上であってもよい。
本発明の硬質皮膜は、表面に存在する面積が5μm2以上のドロップレットが90個/mm2以下であってもよい。
本発明の硬質皮膜において、金属窒化物層は、窒化チタン層又は窒化クロム層としても、母材側から順に設けられた窒化クロム層及び窒化チタン層としてもよい。
本発明のプレス用金型は、本発明の硬質皮膜を有している。
本発明の工具は、本発明の硬質皮膜を有している。
本発明に係る硬質皮膜、硬質皮膜を有する金型及び工具によれば、母材との密着性だけでなく硬度及び弾性率等の特性に優れ且つドロップレットを低減した硬質皮膜及びTiC膜を有する金型及び工具を実現できる。
本実施形態のプレス用金型の一部分を示す断面図である。 本実施形態のプレス用金型の一部分を示す断面図である。 磁場分布の評価するための座標系を示す図である。 ビード引き抜き試験に用いる金型を示す図である。 ビード引き抜き試験の実施方法を示す図である。 磁場分布の測定モデルを示す図である。
以下の実施形態においては、プレス用金型を例に説明を行うが、本実施形態の硬質被膜は、プレス用金型の表面に形成するだけでなく、工具等の表面に形成することもできる。
図1は、本実施形態のプレス用金型の断面構成を示している。本実施形態のプレス用金型は、金型母材111の表面に、硬質被膜112が形成されている。
金型母材111には、プレス用金型として従来から用いられている各種材料を用いることができる。具体的には、SKD11及びSKD61等のダイス鋼、SKH51等の高速度鋼、SK5及びSKS3等の各種工具鋼、超硬材、並びにSUS440C、SUS420J2及びSUS304等のステンレス鋼材等を用いることができる。これらの中では、特に、高温焼き戻しにより、2次硬化が起こるSKD11等のダイス鋼及びSKH51等の高速度鋼が高い硬度が得られバックアップ力強化による耐摩耗性向上の点から好ましい。
また、金型母材111における硬質被膜112が形成される表面は、算術平均表面粗度Raが0.1μm以下であることが好ましい。物理気相堆積(PVD)法により形成した硬質被膜112は、緻密で平滑性の高い被膜であるため、金型母材111表面の表面状態が硬質被膜112の表面状態として反映されやすい。このため、金型母材111の表面粗度をこのような範囲とすることにより、硬質被膜112の表面における滑り性をより向上させることができる。
硬質被膜112は、図1に示すように、金型母材111側から順次形成された金属窒化物層113、窒炭化チタン(TiCN)層114及び炭化チタン(TiC)層115を有している。金属窒化物層113は、窒化チタン(TiN)層又は窒化クロム(CrN)層等とすることができる。
金型母材111側に金属窒化物層113を設け、金属窒化物層113とTiC層115との間にTiCN層114を設けることにより硬質被膜112全体としての密着性が向上する。金属窒化物層113とTiC層115との間のTiCN層114は、TiCxy(但し、x+y=1、x<1、xはTiN層表面から遠ざかるにつれて1に近づくように徐々に増大する)からなることが好ましい。TiCN層114をCとNとの比率が徐々に変化する傾斜組成を有する層とすることにより、金属窒化物層113とTiC層115との密着性をより向上させることができる。
金属窒化物層113は、図2に示すように金型母材111側から順次形成されたCrN層113aとTiC層113bとの積層体としてもよい。
硬質被膜112の厚さは、特に限定されないが、被膜の内部応力バランスを維持してより高い密着力を確保する観点から、12μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましい。また、金属窒化物層113及びTiCN層114の厚さの合計は、硬質被膜112の密着性をより高く維持する観点から、2μm〜8μm程度とすることが好ましく、3〜5μm程度とすることがより好ましい。また、金属窒化物層113及びTiCN層114の厚さの合計は、硬質被膜112の密着性をより高く維持する観点から、2μm〜8μm程度とすることが好ましく、3〜5μm程度とすることがより好ましい。TiC層115の膜厚も特に限定されないが、1μm以上であることが好ましい。
なお、図1及び図2において硬質被膜112を構成する各層の境界を明確に記載しているが、製法及び膜厚等によっては、各層の境界が明確には特定できない場合もある。また、TiCN層114は、CとNの比率が連続的に変化している方が、膜内における剥離等が生じにくくなり好ましい。しかし、ステップ状に変化していてもよい。
プレス用金型の耐久性は硬質被膜112の最表面に設けられたTiC層115の特性により大きく変化する。TiC膜の特性は、TiCの結晶面により影響を受ける。本願発明者らは、TiC膜の硬度及び弾性率に、(200)面の(111)面に対する結晶配向比((200)/(111))及び結晶性が与える影響について検討した。その結果、(200)/(111)が大きく、且つ(200)面及び(200)面の結晶性が良好な場合に、TiC膜の硬度及び弾性率が大きくなることを見出した。
具体的には、以下の式1〜3を満たすTiC層115を形成することにより、TiC層115の硬度及び弾性率を大きく改善でき、プレス用金型の耐久性を向上させることができる。
h(200)/h(111)≧1.0 ・・・ 式1
0<d(200)≦1.5 ・・・ 式2
0<d(111)≦1.0 ・・・ 式3
但し、h(200)は(200)X線解析により得られる結晶面のピーク高さであり、h(111)は(111)結晶面のピーク高さであり、d(200)は(200)結晶面のピークの半価幅であり、d(111)は(111)結晶面のピークの半価幅である。h(200)、h(111)、d(200)及びd(111)は、実施例において詳細に説明するX線回折法により求めることができる。
h(200)/h(111)は、大きい方がよい。具体的には、h(200)/h(111)は、1.2以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましい。また、上限は特に限定されない。d(200)は、1.2以下であることが好ましく、1.0以下であることがより好ましい。d(111)は、0.9以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましい。半価幅の下限は特に限定されないが、理論的に0よりも大きくなる。
プレス用金型として十分な耐久性を示すために、TiC層115は十分な硬度と弾性率を有していることが好ましい。具体的に、TiC層115の硬度は、30GPa以上であることが好ましい。TiC層115の弾性率は280GPa以上であることが好ましく、290GPa以上であることがより好ましく、300GPa以上であることがさらに好ましい。硬度及び弾性率は、実施例において詳細に説明するナノインデンテーション法により測定することができる。
また、TiC層115の表面は十分に平滑であることが好ましい。具体的には、TiC層115の表面における最大粗さは10nm未満であることが好ましく、8nm以下であることがより好ましく、5nm以下であることがさらに好ましい。最大粗さは、実施例において詳細に説明する走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いた方法により測定することができる。
さらに、TiC層115はできるだけドロップレットが発生していないことが好ましい。具体的には、TiC層115の1mm2あたりにおける面積が5μm2以上のドロップレットの数は90個以下であることが好ましく、70個以下であることがより好ましく、50以下であることがさらに好ましい。ドロップレットの数は、実施例において詳細に説明する実体顕微鏡を用いた方法により測定することができる。
硬質被膜112は金型母材111と十分な密着性を有していることが好ましい。具体的には、硬質被膜112のスクラッチ強度は30Nよりも大きいことが好ましく、35N以上であることがより好ましく、40N以上であることがさらに好ましい。スクラッチ強度は、実施例において詳細に説明するスクラッチ試験により測定することができる。
硬質被膜112を形成した金型は十分なビード引き抜き特性を有していることが好ましい。具体的には、ビード引き抜き破断加圧荷重が30kNよりも大きいことが好ましく、31N以上であることがより好ましく、33kN以上であることがさらに好ましい。ビード引き抜き破断加圧荷重は、実施例において詳細に説明するビード引き抜き試験により測定することができる。
硬質被膜112は、金型母材111の熱による歪み及び変形の発生を抑えるために、金型母材111が高温に曝されることがない条件において形成する。高速度鋼又はダイス鋼等により形成された金型母材111の焼き戻し温度以下で形成できることが好ましい。従って、硬質被膜112は物理気相堆積(PVD)法により形成する。特に、イオン源にカソーディックアーク装置を用いるカソーディックアークイオンプレーティング法が好ましい。
成膜装置は、例えばチャンバーと、チャンバー内に設けられた、カソードと、アノードと、ワークホルダとを有している。カソードはターゲットホルダであり、その表面にはターゲットが固定されている。アノードはカソードの周りを囲むように設けられている。ワークホルダは回転テーブルであり、ワークホルダの上にはワーク(基板)が載置されている。チャンバー内にヒーターが設置されており、載置したワークを任意の温度に加熱することができる。
カソードとアノードとの間にはアーク電源が接続されており、カソードとアノードとの間にアーク放電を発生させることができる。ワークホルダにはバイアス電源が接続されており、ワークにバイアス電圧を印加することができる。アーク放電を発生させることにより、ターゲットを蒸発させイオン化することができる。ワークに印加されたバイアス電圧によりイオンを加速させてワークの表面に被着させることができる。
カソードには磁力発生源である磁石又は電磁コイルが設けられている。磁石又は電磁コイルによりカソードからワークまで延びる磁力線が形成されている。アーク放電により発生した電子(e)の一部は、磁力線に巻き付くように運動を行い、この電子がチャンバー内のガス分子と衝突することにより、チャンバー内に導入されたガスがプラズマ化する。磁力線がワークまで延びているため、発生したイオンを効率良くワークまで到達させることができる。ターゲットをチタンとし、チャンバー内に窒素ガスを導入すれば、TiN膜を形成できる。チャンバー内を窒素ガスと炭化水素ガスとの混合ガスとすればTiCN膜を形成できる。チャンバー内を炭化水素ガスとすればTiC膜を形成できる。ターゲットをクロムとし、チャンバー内に窒素ガスを導入すれば、CrN膜を形成できる。
ワークの表面に密度が高い被膜を形成するためには、ワークの表面に供給された原子に、安定した原子配列を形成するために十分なエネルギーを供給することが重要である。ワークの表面において原子に十分なエネルギーを供給する方法として、ワークの温度を高くすることが考えられる。しかし、プレス用金型の場合には、金型母材であるワークの熱変形等を抑える必要があり、ワークの温度を十分に高くすることは困難である。ワークの加熱以外に十分なエネルギーを供給する方法として、ワークに到達するイオンのエネルギーを大きくすることが考えられる。ワークに到達するイオンのエネルギーを大きくする方法として、カソードからワークへ向かう磁場(垂直磁場)の強度を大きくすることが考えられる。垂直磁場の強度を大きくすることにより、ワークに到達するイオンの密度が向上し、ワークに到達したイオンのエネルギーの指標である基板電流密度も大きくなる。
このように成膜においては、ターゲット中心からワーク方向への磁場強度を高めることが好ましい。しかし、発生した磁力線は反対極側へ戻ろうとする性質がある。この傾向は磁力発生源の中心から外側に位置するほど、顕著となり磁力線は短い軌跡で反対極へ戻ろうとする。従って、ターゲットの周囲ではワーク方向からそれていき、ワークへ届くイオン量が減少し、基板電流密度を高めることができない。
本願発明者らは、水平磁場を制御することにより、ワーク方向への磁束密度を2〜4倍向上させることを見出した。図3に示すような、ターゲットの主面と直交し、ワーク側に延びる方向をX方向(垂直方向)とし、ターゲットの動径方向をr方向(水平方向)とする座標系を考える。ターゲットの中心をX=0,r=0とし、ターゲットの半径をRとし、Xのプラス側にワークがあるとする。X=2R,r=2Rの位置における磁束密度を1.8mT以上、10mT以下で、r方向の磁力ベクトル(r成分磁力ベクトル)のX方向の磁力ベクトル(X成分磁力ベクトル)に対するベクトル比(|Z/r|)を2.5以下とすれば、カソードから発生したイオンを拡散させることなく、ワーク方向へ導くことが可能となる。これにより、基板電流密度を高めることが可能となり、密度が高い被膜を形成することができる。また、h(200)/h(111)を大きくし、且つd(200)及びd(111)の値も小さく抑えることができる。
カソード電流の値は高い方が好ましく、120A以上とすることが好ましく、130A以上とすることがより好ましく、140A以上とすることがさらに好ましい。カソード電流が高い方が、カソードから発生したイオンを拡散させることなくワーク方向に向かわせる効果が大きく、ドロップレットの生成量に対するイオンの生成量が相対的に多くなり、被膜を占めるドロップレットの割合を抑えることができる。一方、ワークの温度上昇を500℃以下に抑えるためにはカソード電流を高くしすぎないことが好ましい。このため、カソード電流を300A以下とすることが好ましく、280A以下とすることがより好ましい。ワークの電流密度はワークに到達するイオンのエネルギーによって決まるが、高い方が好ましい。具体的には、1.0mA/cm2以上とすることが好ましく、1.2mA/cm2以上とすることがより好ましい。
チャンバー内の圧力がある程度高い方がイオンの密度が上昇し、h(200)/h(111)が大きくなると期待される。しかし、d(200)及びd(111)の低下を抑えるためには、高くしすぎない方が好ましい。このため、チャンバー内の圧力は、2.0Pa以上が好ましく、2.5Pa以上がより好ましい。また、3.5Pa以下が好ましく、3.0Pa以下がより好ましい。
TiC層を成膜する際にチャンバー内に導入する炭化水素ガスは、特に限定されないが、メタン(CH4)、エタン(C26)、プロパン(C38)、ブタン(C410)、ペンタン(C512)、ヘキサン(C614)、ヘプタン(C716)、オクタン(C818)、ノナン(C920)、デカン(C1022)などのCnn+2の化学式で表記できるアルカン、エチレン(C24)、プロピレン(C36)、ブテン(C48)、ペンテン(C510)、ヘキセン(C612)などのCn2n(n≧2)の化学式で表記できるアルケン、アセチレン(C22)、プロピン(C34)などのCn2n(n≧2)の化学式で表記できるアルキン、及びベンゼン(C66)、トルエン(C65CH3)、ジメチルベンゼン(C6426)、トリメチルベンゼン(C6339)等の芳香族炭化水素等を用いることができる。これらの炭化水素は単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。
本実施形態においては、母材がプレス用金型の金型母材である例を示した。しかし、母材は、耐摩耗性及び硬度等が要求される、パンチ、ドリル、エンドミル、タップ、転造ダイス等の冷間成型工具、カッター、裁断刃、打ち抜き等の工具及び加工装置等の母材であってもよい。焼き入れ等により硬度の調整を行う工具等の母材についても、母材を高温に曝すことなく形成できる本実施形態の硬質被膜は非常に有用である。工具の母材の表面に本実施形態の硬質皮膜を形成することにより、被膜の剥離が生じにくく且つ磨耗等が生じにくい工具が実現できる。
(評価方法)
−結晶構造−
被膜の結晶構造は、X線回折装置(リガク社製:RINT2500 VHF)を用いて測定した。X線入射角は2°とし、回折角(2θ)は20°〜120°の範囲でX線回折スペクトルを測定した。ターゲットには銅を用いた。TiCの(200)面のピーク強度をh(200)、半価幅をd(200)とし、(111)面のピークの強度をh(111)、半価幅をd(111)とした。
−物理特性−
被膜の硬度及び弾性率(ヤング率)は、ナノインデンテーション装置(Hysitron社製:TI-950 Triboindenter)により測定した。ダイヤモンドの圧子は稜線角が115°の三角錐のBerkovich型とし、ダイヤモンド圧子の押し込み加重を1000μNとして荷重−変位曲線を求め、得られた荷重−変位曲線から硬度及び弾性率を算出した。
−粗さ形状−
被膜の粗さ形状はナノインデンテーション装置(Hysitron社製:TI-950 Triboindenter)を走査型プローブ顕微鏡として用いて測定した。プローブの荷重を70nNとし、成膜後に1〜10μmの粒子径のダイヤモンドを用いラッピングを行った試料について、0.01〜3Hzのスキャン速度で走査した。10μmの範囲について往復の走査を行い、往路と復路との平均値から最大粗さを求めた。
−スクラッチ特性−
被膜のスクラッチ特性は、スクラッチ試験装置(CSEM社製:Revetest Scratch Tester)により測定した。試験は、日本機械学会基準JSME S010(1996)に準拠して行った。
−ビード引き抜き特性−
被膜を形成したプレス用金型のビード引き抜き特性は、以下のようにして測定した。図4に示すオス側金型311及びメス側金型312からなるプレス用金型310を準備した。図5に示すように、20×300×1.4mmの高張力鋼材SPFC980Y(100k級ハイテン)からなる鋼板315を、プレス用金型310に挟み込んだ。鋼板315を挟み込んだプレス用金型310を小型プレス機にセットし、徐々に加圧しながら、挟み込まれた鋼板315の一端を500mm/minの一定速度で引っ張った。鋼板315が破断した際の小型プレス機の加圧荷重Pを破断加圧荷重とした。
−ドロップレット−
被膜表面のドロップレットは、実体顕微鏡(Leica社製: M165C)を用いて目視により測定した。測定範囲は1.6mm×1mmの範囲とし、投影面積が5μm2以上のものをドロップレットとしてカウントした。
−磁場の分布−
ターゲットにおける磁場の分布は、図6に示すように、X軸、Y軸、Z軸における磁場をガウスメーター(電子磁気工業社製:GM−301)により測定することにより求めた。測定値からX、Y、Zの各成分磁力ベクトルを算出した。Z軸成分をr方向成分に置き換えた。Y成分の占める割合は3%以下であるため、磁束密度Bは、((X成分磁力ベクトル)2+(r成分磁力ベクトル)20.5とした。
(実施例1)
まず、図6に示した形状及び寸法で、その表面がRa=0.05μm程度に鏡面仕上げされたSKD11からなるオス側金型母材及びメス側金型母材のセットを準備した。
オス側金型母材及びメス側金型母材の表面に、アークイオンプレーティングを用いた成膜装置を用いて、アークイオンプレーティング法により被膜を形成した。具体的にはまず、成膜装置のワークホルダの上に、オス側金型母材及びメス側金型母材を載置した。ターゲットには純チタン(JIS2種)を用いた。続いて、チャンバー内を3×10-3Paまで減圧した。オス側金型母材及びメス側金型母材の温度はヒーターによりそれぞれ450℃とした。続いて、ガス導入口からアルゴン(Ar)ガスを供給しつつ、排気することによりチャンバー内の圧力を所定の圧力に維持し、ワークとチャンバーの間で放電させることにより、アルゴンボンバードを行い、金型母材の表面をクリーニングした。
次に、Arガスの供給を止めた後、供給ガスを窒素ガスとし、圧力は2.7Paに維持した。同時に、アーク放電を発生させ、Tiからなるターゲットを蒸発させた。蒸発したTi及び窒素は、アーク放電によりイオン化し、バイアス電圧が印加されたオス側金型母材及びメス側金型母材に向けて供給され、それぞれの表面にTiN層を形成した。TiN層の成膜後、供給ガスを徐々に窒素ガスからメタンガスに切り換え、TiCN層を形成した。TiCN層の成膜後に供給ガスをメタンガスのみとし、TiC層の形成を行った。得られた被膜のTiN層の厚さは約1μmであり、TiCN層の厚さは約2μmであり、TiC層の厚さは約1μmであった。
成膜の際のカソード電流は160Aとした。X成分磁力ベクトルは1.3mT、Y成分磁力ベクトルは0mT、Z成分(r方向成分)磁力ベクトルは2.7mTとし、磁束密度は3.0mTとし、ベクトル比は2.08とした。なお、磁力ベクトルのプラスの値はN極、マイナスの値はS極を表す。
TiC層を成膜する際におけるワーク側電流密度は1.3mA/cm2であった。得られた被膜のh(200)/h(111)は2.4であり、d(200)は0.94、d(111)は0.38であった。また、硬度は34.5GPa、弾性率は315.8GPaであり、最大粗さは4nmであった。スクラッチ試験により膜剥がれが生じた荷重は41.3Nであり、ビード引き抜き試験における破断荷重は33kNであった。ドロップレットの数は38個/mm2であった。
(実施例2)
チャンバー内の圧力を3.0Paとした以外は、実施例1と同様にして被膜の形成を行った。TiC層を成膜する際におけるワーク側電流密度は1.0mA/cm2であった。得られた被膜のh(200)/h(111)は1.2であり、d(200)は1.1、d(111)は0.90であった。また、硬度は30.3GPa、弾性率は290.0GPaであり、最大粗さは8nmであった。
(比較例1)
成膜の際のカソード電圧を150Aとし、X成分磁力ベクトルは0.6mT、Y成分磁力ベクトルは0.1mT、Z成分磁力ベクトルは1.6mTとし、磁束密度は1.7mTとし、ベクトル比は2.67とした。他の条件は実施例1と同じにして被膜の形成を行った。TiC層を成膜する際におけるワーク側電流密度は0.5mA/cm2であった。得られた被膜のh(200)/h(111)は0.8であり、d(200)は1.7、d(111)は1.6であった。また、硬度は29.8GPa、弾性率は277.5GPaであり、最大粗さは16nmであった。スクラッチ試験により膜剥がれが生じた荷重は29.6Nであり、ビード引き抜き試験における破断荷重は30kNであった。ドロップレットの数は95個/mm2であった。
(比較例2)
チャンバー内の圧力を4.0Paとし、カソード電圧を160Aとした以外は、比較例1と同様にして被膜の形成を行った。TiC層を成膜する際におけるワーク側電流密度は0.6mA/cm2であった。得られた被膜のh(200)/h(111)は0.90であり、d(200)は2.2、d(111)は2.0であった。また、硬度は13.3GPa、弾性率は130.0GPaであり、最大粗さは11nmであった。
(比較例3)
チャンバー内の圧力を3.5Paとし、カソード電流を160Aとした以外は、実施例1と同様にして被膜の形成を行った。TiC層を成膜する際におけるワーク側電流密度は0.8mA/cm2であった。得られた被膜のh(200)/h(111)は1.0であり、d(200)は1.3、d(111)は1.1であった。また、硬度は22.1GPa、弾性率は199.2GPaであり、最大粗さは10nmであった。
各実施例及び実施形態における評価結果を表1にまとめて示す。h(200)/h(111)が大きく、d(200)及びd(111)が小さい被膜を形成した実施例1、2は、比較例と比べて硬度及び弾性率が大きく、プレス用金型として適している。また、最大粗さも小さくなった。さらに、ドロップレットも少なく、スクラッチ試験、ビード引き抜き試験の結果も優れていた。
Figure 0006026157
本発明に係る硬質皮膜、硬質皮膜を有する金型及び工具は、硬質被膜と母材との密着性が優れているだけでなく硬度及び弾性率等の特性に優れており、金型及び工具等の分野において有用である。
111 金型母材
112 被膜
113 金属窒化物層
113a CrN層
113b TiN層
114 TiCN層
115 TiC層
310 プレス用金型
311 オス側金型
312 メス側金型
315 鋼板

Claims (9)

  1. 母材の表面に、炭化チタン層をイオンプレーティング法により形成する炭化チタン層成膜工程を備え、
    前記炭化チタン層成膜工程は、基板電流密度を調整することにより、(200)結晶面と、(111)結晶面とを有し、下記の式1〜3を満たす炭化チタン層を形成する、硬質皮膜の成膜方法
    h(200)/h(111)≧1.0 ・・・ 式1
    0<d(200)≦1.5 ・・・ 式2
    0<d(111)≦1.0 ・・・ 式3
    但し、h(200)は、前記炭化チタン層の表面をX線回析した際に得られる、前記(200)結晶面のピーク高さであり、h(111)は前記(111)結晶面のピーク高さであり、d(200)は前記(200)結晶面のピークの半価幅であり、d(111)は前記(111)結晶面のピークの半価幅である。
  2. 前記炭化チタン層成膜工程は、チャンバー内に、アーク放電を発生させるカソード及びアノードと、前記母材を固定するワークホルダとが設けられ、前記カソードは、その表面にターゲットが固定され、且つ前記母材まで延びる磁力線を発生させる磁力発生源を有する成膜装置を用い、
    前記ターゲットの主面と直交し、前記母材側に延びる方向をX方向とし、前記ターゲットの動径方向をr方向とする座標系において、X=2R、r=2Rの位置(但し、前記ターゲットの中心をX=0、r=0とし、Rは前記ターゲットの半径である。)における磁束密度が1.8mT以上、10mT以下で、r方向の磁力ベクトルのX方向の磁力ベクトルに対するベクトル比が2.5以下の条件で成膜する、請求項1に記載の硬質皮膜の成膜方法。
  3. 硬度が30GPa以上で、弾性率が310GPa以上の硬質皮膜を形成する、請求項1又は2に記載の硬質皮膜の成膜方法
  4. 前記炭化チタン層の表面に存在する面積が5μm2以上のドロップレット90個/mm2以下とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬質皮膜の成膜方法。
  5. 前記炭化チタン層成膜工程よりも前に、前記母材の表面に金属窒化物層を成膜する金属窒化物層成膜工程と、金属窒化物層を成膜した母材の表面に炭窒化チタン層を成膜する炭窒化チタン層成膜工程とを備えている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬質皮膜の成膜方法。
  6. 前記金属窒化物層は、窒化チタン層又は窒化クロム層である請求項に記載の硬質皮膜の成膜方法。
  7. 前記金属窒化物層は、前記母材側から順に設けられた窒化クロム層及び窒化チタン層である請求項に記載の硬質皮膜の成膜方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬質皮膜の成膜方法により、プレス金型の表面に硬質皮膜を成膜する工程を備えている、プレス金型の製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬質皮膜の成膜方法により、工具の表面に硬質皮膜を成膜する工程を備えている、工具の製造方法。
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