JP6025734B2 - 薄層クロマトグラフィープレート - Google Patents
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Description
本発明は、紫外線に対する光学応答性が異なる二種の層を有する薄層クロマトグラフィープレート(以下、「TLCプレート」とも言う)に関する。
混合物中から特定の成分を分離、検出する方法としては、薄層クロマトグラフィー(以下、「TLC」とも言う)が知られている。TLCによる成分の分離は、例えば、分離剤層と検出対象成分との光学的な応答性の相違に基づいて、試料の展開によるスポットへの紫外線の照射や発色試薬の発色処理によって検出される。
一方で、光学異性体用分離剤には、多糖のフェニルエステル等の多糖誘導体を含有する分離剤が知られている。このような芳香族環を含む分離剤は、TLCプレートの分離剤層に用いた場合、紫外線の照射や発色試薬の発色処理では検出対象成分を検出することができないことがある。
一方で、光学異性体用分離剤には、多糖のフェニルエステル等の多糖誘導体を含有する分離剤が知られている。このような芳香族環を含む分離剤は、TLCプレートの分離剤層に用いた場合、紫外線の照射や発色試薬の発色処理では検出対象成分を検出することができないことがある。
このような問題点に対して、同一基板上に、目的物質に対する分離性を有するが光学応答性を有さない第一の分離剤層と、分離性は有さないが光学応答性を有する第二の分離剤層とが並んで形成されているTLCプレートが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このTLCプレートでは、第一の分離剤層から第二の分離剤層まで試料中の目的物質を展開させ、第一の分離剤層で分離したスポットが隣接する第二の分離剤層まで移動し、そこで光学応答性に応じて検出される。
このTLCプレートでは、試料中の、第一の分離剤層により吸着されやすいエクストラクト成分は、第二の分離剤層まで十分に到達しない場合がある。また、一般に各分離剤層における試料中の目的物質のスポットの移動速度が異なることから、第一の分離剤層におけるスポットの位置関係は第二の分離剤層まで正確に維持されないことがある。このように前記のTLCプレートは、第一の分離剤層での分離状態が正確に検出することができないことがあり、少なくともこの点について検討の余地が残されている。
本発明は、試料中の目的物質の分離と検出を一枚のプレート上で行うことができるTLCプレートを提供する。
本発明者らは、基板と分離剤層とを有するTLCプレート上に、分離剤層で分離された目的物質が浸透するための被浸透層であって、分離剤層と異なる光学応答性を有する被浸透層をさらに積層させることにより、前述の問題点を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、基板と、基板の上に積層された分離剤層と、分離剤層の上に積層され、分離剤層で分離された目的物質が浸透するための被浸透層とを有するTLCプレートであって、分離剤層は、目的物質に対する分離性と紫外線又は発色試薬に対する光学応答性とを有し、被浸透層は、分離剤層とは異なる光学応答性を有するTLCプレートを提供する。
また本発明は、前記被浸透層は、TLCプレートの展開方向において不連続に積層されているTLCプレートを提供する。
また本発明は、前記被浸透層は、前記分離剤層の上にドット状に積層されているTLCプレートを提供する。
また本発明は、前記被浸透層は、前記分離剤層の上に、TLCプレートの展開方向と交差する帯状の列として積層されているTLCプレートを提供する。
また本発明は、前記帯状の列を形成する帯は、直線、波線及びそれらの破線から選ばれるTLCプレートを提供する。
また本発明は、前記ドット状に積層されている被浸透層は、該ドットの平均径が0.01〜5mmであり、ドット同士のピッチが0.015〜5mmであるTLCプレートを提供する。
また本発明は、前記被浸透層が多孔質体を構成材料として含むTLCプレートを提供する。
また本発明は、前記分離剤層が、分離剤として光学異性体用分離剤を含むTLCプレートを提供する。
また本発明は、前記光学異性体用分離剤が、水酸基或いはアミノ基の一部又は全部が芳香族エステル基、芳香族カルバモイル基、芳香族エーテル基、及びカルボニル基のいずれかで置き換えられた多糖誘導体であるTLCプレートを提供する。
本発明のTLCプレートは、分離剤層の上に、分離された目的物質が浸透するための被浸透層が積層され、かつ、この被浸透層は分離剤層とは異なる光学応答性を有することから、光学応答性では検出できない分離剤層に存在する目的物質が被浸透層に浸透することにより、被浸透層に浸透した目的物質を光学応答性により検出することができる。また、本発明のTLCプレートでは、一枚で目的物質の分離と検出を行うことができることから、目的物質の分離と検出のために複雑な工程を必要としない。
本発明のTLCプレートは、基板と、分離剤層と、分離剤で分離された目的物質が浸透するための被浸透層とを有する。
前記基板には、TLCにおける公知の基板を用いることができる。このような基板としては、例えば、ガラス製、樹脂製、金属製、又は紙製の平板が挙げられる。基板の形状は、特に限定されないが、TLCで通常使用される長方形であることが好ましい。
本発明のTLCプレートにおける分離剤層は、目的物質に対する分離性と紫外線に対する光学応答性とを有するものであれば特に限定されない。ここで紫外線に対する光学応答性とは、蛍光等の紫外線による発光、又は紫外線の吸収を言う。基板に分離剤層が積層されたTLCプレートとしては、公知のTLCプレートから適宜に選び出すことができ、また前記の分離性と光学応答性とを有する分離剤のスラリーを基板上に塗布し、乾燥させて分離剤層を形成することによって得ることができる。
分離剤には、粒子状の分離剤を用いることができる。このような粒子状の分離剤としては、分離剤のみからなる粒子、粒子状の担体に分離剤が担持されてなる粒子、が挙げられる。
分離剤としては、前記光学応答性を有する低分子系の分離剤や高分子系の分離剤のいずれも用いることができる。低分子系の分離剤としては、例えば、配位子交換型の分離剤、電化移動(π−π)型の分離剤、水素結合型の分離剤、包接型の分離剤、イオン結合型の分離剤、インターカレート型の分離剤、クラウンエーテル又はその誘導体、及び、シクロデキストリン又はその誘導体、が挙げられる。高分子系の分離剤としては、例えば多糖誘導体、ポリアミド、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、タンパク質、及び酒石酸誘導体が挙げられる。
前記多糖誘導体としては、例えば光学異性体用分離剤に用いられる、水酸基或いはアミノ基の一部又は全部が芳香族エステル基、芳香族カルバモイル基、芳香族エーテル基、及びカルボニル基のいずれかで置き換えられた多糖誘導体が挙げられ、例えばセルロースのフェニルカルバメート誘導体、セルロースのフェニルエステル誘導体、アミロースのフェニルカルバメート誘導体、及びアミロースのフェニルエステル誘導体が挙げられる。これらの誘導体におけるフェニル基は炭素数1〜20の炭化水素、及びハロゲンからなる群から選ばれる一以上の置換基を有していてもよい。
前記担体は、多孔質体であることが、分離性能を高める観点から好ましい。前記担体としては、例えば架橋ポリスチレン、架橋アクリル系ポリマー、エポキシ重合物等の合成高分子、セルロースやそれを架橋によって強化した架橋セルロース、架橋アガロース、架橋デキストラン、及び架橋マンナン架橋体等の多糖、及び、アルミナ、シリカゲル、メソポーラスシリカゲル、ゼオライト、珪藻土、溶融シリカ、粘度鉱物、ジルコニア、金属等の無機物、が挙げられる。
分離剤の粒径は、TLCプレートにおける分離の目的に応じて決めることができ、通常、10μm以上であることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましく、20〜100μmであることがさらに好ましい。各分離剤の粒径は、通常の粒径測定装置で測定される平均粒径を採用することができるが、カタログ値であってもよい。一方、例えば合成反応のモニター用途で使用する場合などで、より分離スポットの分離度を要求する場合には、10μmよりも小さな分離剤を使用することもできる。そのような用途で用いる場合の分離剤の粒径としては、2〜8μmのものが好ましく、3〜6μmのものがより好ましく用いられる。
前記分離剤層を作製する場合では、分離剤層はTLCプレートを作製する公知の方法を用いて、例えば、前記分離剤と塗布用溶剤とを含有するスラリーを、スプレッダを用いて支持体の表面に塗布することによって、又は前記スラリーを支持体の表面に噴霧することによって、又は支持体を前記分離剤と塗布用溶剤とを含有するスラリー中に浸す(ディッピングする)ことによって形成することができる。
前記塗布用溶剤には、水、有機溶剤、及びこれらの混合溶剤を用いることができる。有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、スルホラン等のスルホン類、酢酸エチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ペンタン、ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等、芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、ブロモホルム、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等の含ハロゲン化合物類が挙げられる。
塗布用溶剤としては、好ましくは水溶性の有機溶剤と水との混合溶剤であり、より好ましくはアルコールと水の混合溶剤、さらに好ましくはエタノールと水との混合溶剤である。前記混合溶剤におけるアルコールの含有量は、0.1〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましく、20〜30質量%であることがさらに好ましい。
前記スラリーにおける塗布用溶剤の含有量は、形成される分離剤層の均一性、層の厚さ、及び、経済的な観点、から決定することができ、分離剤100質量部に対して10〜5,000質量部であることが好ましく、50〜1,000質量部であることがより好ましく、100〜300質量部であることがさらに好ましい。
前記スラリーは、形成される分離剤層の強度の向上の観点から、バインダをさらに含有することが好ましい。前記バインダには、基板の表面において分離剤の層を形成する結着性をもたらす成分を用いることができる。このようなバインダとしては、石膏やコロイダルシリカ等の無機系バインダ、ミクロフィブリル化セルロース等の有機繊維、及び、アルカリ水溶性共重合体、ヒドロキシエチルセルロースやカルボキシメチルセルロース等の増粘剤、ポリビニルアルコール、アクリル酸等の有機系バインダが挙げられる。バインダは一種でも二種以上でもよい。
前記スラリーにおけるバインダの含有量は、形成される分離剤層の強度と、分離剤層における移動相の適正な上昇速度との観点から、バインダの種類に応じて適宜に決めることができる。例えば石膏であれば、バインダの含有量は、分離剤100質量部に対して0.1〜50質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましく、10〜20質量部であることがさらに好ましい。また、例えばカルボキシメチルセルロース等の有機系のバインダであれば、バインダの含有量は、分離剤100質量部に対して0.1〜50質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましく、1〜3質量部であることがさらに好ましい。
前記被浸透層は、分離剤層とは異なる光学応答性を有する。ここで「異なる光学応答性」とは、紫外線の照射又は発色試薬の発色処理による一方の光学的応答と他方の光学的応答とが、色や明るさによって光学的に識別できる程度に異なることを言う。
また被浸透層は、分離剤層においてスポットを形成している成分の少なくとも一部が浸透する層である。
また、被浸透層を構成する材料は、TLCプレート上における分離剤層における目的物質の分離特性、即ち、移動相と分離剤層の間の目的物質の分配に影響を与えないものであることが、TLCプレート上における目的物質のスポットをブロードにしないために重要である。
このことから、被浸透層の構成材料は、例えば分離剤層で用いられる分離剤が担体に担持されたものである場合、その担体と同じものであることが好ましい。
また被浸透層は、分離剤層においてスポットを形成している成分の少なくとも一部が浸透する層である。
また、被浸透層を構成する材料は、TLCプレート上における分離剤層における目的物質の分離特性、即ち、移動相と分離剤層の間の目的物質の分配に影響を与えないものであることが、TLCプレート上における目的物質のスポットをブロードにしないために重要である。
このことから、被浸透層の構成材料は、例えば分離剤層で用いられる分離剤が担体に担持されたものである場合、その担体と同じものであることが好ましい。
前記被浸透層は、前記分離剤層の上に積層されているが、TLCプレートの展開方向において不連続に積層されていることが、分離剤層と被浸透層との相互作用であるバイパス作用を減少させ、目的物質のスポットがブロードになることを防ぎ、良好な分離を得る(以下、分離特性とも言う)観点から好ましい。本発明でいう不連続に積層されているとは、TLCプレートの展開方向に沿って、前記被浸透層が連続して積層されておらず、間隔を有して積層されていることを意味し、その間隔は等間隔であってもそうでなくてもよい。
その間隔としては、目的物質が浸透し、これを検出するのに十分な解像度を得るために、0.015mm以上であることが好ましく、0.02mm以上であることがより好ましく、0.05mm以上であることが特に好ましい。
一方、目的物質の被浸透層への拡散による分離剤層との相互作用を抑え、目的物質の良好な分離を確保するためには、4mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましく、2mm以下であることが特に好ましい。
またこの場合、本発明のTLCプレートを上面から見たとき、被浸透層で覆われている面積の割合が、目的物質が浸透し、検出するのに十分な面積を確保する観点から0.1〜90%であることが好ましく、10〜80%であることがより好ましく、20〜70%であることがさらに好ましい。
また、同様の理由で、被浸透層の空隙容積(材料内部の空隙容積(内部空隙)と材料間の空隙容積(外部空隙)を合わせたもの)の層全体の体積に占める割合が、0.1〜0.9であることが好ましく、0.2〜0.8であることがより好ましい。
その間隔としては、目的物質が浸透し、これを検出するのに十分な解像度を得るために、0.015mm以上であることが好ましく、0.02mm以上であることがより好ましく、0.05mm以上であることが特に好ましい。
一方、目的物質の被浸透層への拡散による分離剤層との相互作用を抑え、目的物質の良好な分離を確保するためには、4mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましく、2mm以下であることが特に好ましい。
またこの場合、本発明のTLCプレートを上面から見たとき、被浸透層で覆われている面積の割合が、目的物質が浸透し、検出するのに十分な面積を確保する観点から0.1〜90%であることが好ましく、10〜80%であることがより好ましく、20〜70%であることがさらに好ましい。
また、同様の理由で、被浸透層の空隙容積(材料内部の空隙容積(内部空隙)と材料間の空隙容積(外部空隙)を合わせたもの)の層全体の体積に占める割合が、0.1〜0.9であることが好ましく、0.2〜0.8であることがより好ましい。
また、本発明のTLCプレートにおける被浸透層は、前記分離剤層の上にドット状に積層されていることが好ましい。本発明でいうドット状とは、例えば円形、略円形、略楕円形、各辺が直線だけでなく曲線であるものを含む略三角形、略四角形等の略多角形等であってもよい形状の不連続な多数の点又は小区域から形成される模様であり、各ドットの大きさ、或いは密度などは特に限定されるものではない。ドットの形状は、TLCプレートにおける目的物質の分離特性を均一にする観点から、規則性を有することが好ましい。 更に、各ドットの配列も規則性を有することが好ましい。
ドットの形状としては、円形〜略円形であることが、目的物質の浸透性の観点から特に好ましく、またその配列としては、図5に示されるように、規則性を有することが上述のようにTLCプレートにおける目的物質の分離特性を均一にする観点から好ましい。
ドットの形状が円形である場合、その平均径は0.01〜5mmであることが、目的物質の浸透性及び分離特性の観点から好ましく、0.01〜4mmであることがより好ましく、0.02〜3mmであることがさらに好ましく、0.05〜1mmであることが特に好ましい。
一方、ドットの形状が円形以外のものである場合、その最大径の平均径が0.02〜6mmであることが、円形の場合と同様の理由で好ましく、0.05〜5mmであることがより好ましく、0.05〜1.5mmであることがさらに好ましい。
本発明でいう最大径とは、例えば楕円形の場合、その最も長い軸の長さを意味するが、より一般的には、平行な2つの平面で、その形状を上面から見て任意の方向に挟んだときの2つの平面間の距離の最大値である。
ドットの形状が円形である場合、その平均径は0.01〜5mmであることが、目的物質の浸透性及び分離特性の観点から好ましく、0.01〜4mmであることがより好ましく、0.02〜3mmであることがさらに好ましく、0.05〜1mmであることが特に好ましい。
一方、ドットの形状が円形以外のものである場合、その最大径の平均径が0.02〜6mmであることが、円形の場合と同様の理由で好ましく、0.05〜5mmであることがより好ましく、0.05〜1.5mmであることがさらに好ましい。
本発明でいう最大径とは、例えば楕円形の場合、その最も長い軸の長さを意味するが、より一般的には、平行な2つの平面で、その形状を上面から見て任意の方向に挟んだときの2つの平面間の距離の最大値である。
また被浸透層がドット状に積層されている場合、その各ドット間の間隔(ピッチ)は、分離剤層との相互作用を減らす観点及び浸透層に浸透する目的物質の検出の際の解像度の観点から、好ましくは0.01〜6mm、より好ましくは0.01〜4mm、さらに好ましくは0.02〜3mmであり、0.05〜1.0mmであることが特に好ましい。
ドットが円型である場合、ピッチは上記と同様の理由で、好ましくは0.01〜6mm、より好ましくは0.02〜3mmであり、さらに好ましくは0.05〜1mであり、0.06〜1mmであることが特に好ましい。
また、ドットの密度を線数(1インチ当たりのドット個数)で表すと、好ましくは5〜2000、より好ましくは10〜400であり、さらに好ましくは20〜300である。
ドットが円型である場合、ピッチは上記と同様の理由で、好ましくは0.01〜6mm、より好ましくは0.02〜3mmであり、さらに好ましくは0.05〜1mであり、0.06〜1mmであることが特に好ましい。
また、ドットの密度を線数(1インチ当たりのドット個数)で表すと、好ましくは5〜2000、より好ましくは10〜400であり、さらに好ましくは20〜300である。
本発明のTLCプレートにおける被浸透層は、上記のドット状以外にも、TLCプレートの展開方向と交差する帯状の列として積層されている態様も好ましい。このように積層されていることで、目的物質の分離特性を十分に保った上で、目的物質の被浸透層への十分な浸透を得ることができる。
前記帯状の列を形成する帯の形状としては、例えば直線、波線及びこれらの破線を挙げることができる。この帯の幅は特に制限されるものではないが、目的物質の分離特性を保ち、かつ、目的物質の検出に十分な解像度を得る観点から、0.01〜15mmであること好ましく、0.02〜10mmであることがより好ましい。
また、帯と帯の間隔については、特に制限されるものではないが、目的物質の均一な分離特性を得る観点から、等間隔であることが好ましく、その間隔としては0.01〜3mmであること好ましく、0.02〜2mmであることがより好ましい。
前記帯状の列を形成する帯の形状としては、例えば直線、波線及びこれらの破線を挙げることができる。この帯の幅は特に制限されるものではないが、目的物質の分離特性を保ち、かつ、目的物質の検出に十分な解像度を得る観点から、0.01〜15mmであること好ましく、0.02〜10mmであることがより好ましい。
また、帯と帯の間隔については、特に制限されるものではないが、目的物質の均一な分離特性を得る観点から、等間隔であることが好ましく、その間隔としては0.01〜3mmであること好ましく、0.02〜2mmであることがより好ましい。
本発明のTLCプレートにおける被浸透層は、その層を構成する材料として多孔質体を用いることができる。
そのような多孔質体は、目的物質の十分な浸透性を確保する観点から、ガス吸着法により測定される細孔容積が0.1ml/g以上であることが好ましく、0.2ml/g以上であることがより好ましく、0.3〜0.9ml/gであることが特に好ましい。
上記のような細孔容積を有する多孔質体としては、後述する好ましい多孔質体であるシリカゲルやセラミックスの市販品でカタログ値として上記範囲を満たすものを用いてもよいし、シリカを含むものであればフッ化水素水溶液やアルカリ水溶液による処理を行って調整してもよいし、セラミックスであればその造粒時の焼成条件、酸溶液での処理などを行って調整することもできる。
そのような多孔質体は、目的物質の十分な浸透性を確保する観点から、ガス吸着法により測定される細孔容積が0.1ml/g以上であることが好ましく、0.2ml/g以上であることがより好ましく、0.3〜0.9ml/gであることが特に好ましい。
上記のような細孔容積を有する多孔質体としては、後述する好ましい多孔質体であるシリカゲルやセラミックスの市販品でカタログ値として上記範囲を満たすものを用いてもよいし、シリカを含むものであればフッ化水素水溶液やアルカリ水溶液による処理を行って調整してもよいし、セラミックスであればその造粒時の焼成条件、酸溶液での処理などを行って調整することもできる。
また、多孔質体の粒径としては、これを含むスラリーの凝集を防ぐ観点から、0.1μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましく、2μm以上であることが特に好ましい。一方、多孔質体の粒径の上限値としては、これを含むスラリーを例えばスクリーン印刷する際の透過性や、被浸透層の表面の仕上がりの観点から100μm以下であることが好ましく、70μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることが特に好ましい。
多孔質体の粒径は、通常の粒径測定装置で測定される平均粒径を採用することができるが、カタログ値であってもよい。
多孔質体の粒径は、通常の粒径測定装置で測定される平均粒径を採用することができるが、カタログ値であってもよい。
本発明で用いられる多孔質体は、シリカゲル、メソポーラスシリカゲル、ゼオライト、セルロース、珪藻土、溶融シリカ、粘土鉱物、アルミナ、ジルコニアやその他のセラミックス、例えばセピオライト、アタパルジャイト、パリゴルスカイト、SiO2、MgOを主成分とするタルク、SiO2を主成分とするカオリナイト、モンモリロナイト等の各種粘土鉱物を、破砕した後、造粒し、必要に応じて酸処理を施してさらに焼成して得られるものなどが挙げられる。これらはいずれも市販品を用いることができ、カタログ値として上記の細孔容積や粒径を有するものを用いることができる。
これらのうち、上記細孔容積や粒径を有するものが好ましく用いられ、溶剤との親和性の観点から、シリカゲルを用いることが好ましい。
また、上記の多孔質体は、分離剤層と移動相の間での目的物質の分配に影響を与えないものを選択することが、TLCプレート上における目的物質のスポットをブロードにしない観点から好ましい。
これらのうち、上記細孔容積や粒径を有するものが好ましく用いられ、溶剤との親和性の観点から、シリカゲルを用いることが好ましい。
また、上記の多孔質体は、分離剤層と移動相の間での目的物質の分配に影響を与えないものを選択することが、TLCプレート上における目的物質のスポットをブロードにしない観点から好ましい。
また、本発明のTLCプレートにおける被浸透層は、その層を構成する材料が、後述する蛍光指示薬あるいは発色試薬そのものであってもよい。また、これらの蛍光指示薬あるいは発色試薬と、バインダ及び必要に応じて、例えば粒径0.1〜100μmのガラス、プラスチック、金属、およびセラミックのような支持体を混合して得られる組成物を、積層することによっても被浸透層とすることができる。
このような組成物におけるバインダの含有量は、形成される被浸透層の強度と、被浸透層における分離剤層と被浸透層との相互作用であるバイパス作用を減少させる観点から、バインダの種類に応じて適宜に決めることができる。例えば石膏であれば、バインダの含有量は、蛍光指示薬あるいは発色試薬の100質量部に対して0.1〜50質量部であることが好ましく、0.5〜30質量部であることがより好ましく、1〜20質量部であることがさらに好ましい。また、例えばカルボキシメチルセルロース等の有機系のバインダであれば、バインダの含有量は、蛍光指示薬あるいは発色試薬の100質量部に対して0.1〜50質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることがさらに好ましい。
また、前記支持体については、これを含有させる場合、蛍光指示薬あるいは発色試薬の100質量部に対して0.1〜0.9質量部であることが好ましく、0.2〜0.8質量部であることがより好ましく、0.3〜0.7質量部であることが特に好ましい。
このような組成物におけるバインダの含有量は、形成される被浸透層の強度と、被浸透層における分離剤層と被浸透層との相互作用であるバイパス作用を減少させる観点から、バインダの種類に応じて適宜に決めることができる。例えば石膏であれば、バインダの含有量は、蛍光指示薬あるいは発色試薬の100質量部に対して0.1〜50質量部であることが好ましく、0.5〜30質量部であることがより好ましく、1〜20質量部であることがさらに好ましい。また、例えばカルボキシメチルセルロース等の有機系のバインダであれば、バインダの含有量は、蛍光指示薬あるいは発色試薬の100質量部に対して0.1〜50質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることがさらに好ましい。
また、前記支持体については、これを含有させる場合、蛍光指示薬あるいは発色試薬の100質量部に対して0.1〜0.9質量部であることが好ましく、0.2〜0.8質量部であることがより好ましく、0.3〜0.7質量部であることが特に好ましい。
本発明のTLCプレートにおける被浸透層は、種々の方法によって積層することができる。例えば被浸透層は、被浸透層が多孔質体を構成材料として含む場合には、TLCプレートの分離剤層上に多孔質体を含むスラリーを塗布し、乾燥させることによって作製することができる。また、後述する蛍光指示薬あるいは発色試薬そのものや、これらとバインダ、および必要に応じて支持体を含有する組成物を被浸透層とする場合も、同じ方法を用いることができる。
また、本発明のTLCプレートにおいて、被浸透層がTLCプレートの展開方向に不連続に積層されている場合には、例えば印刷技術を用いて、被浸透層を積層することができる。
また、本発明のTLCプレートにおいて、被浸透層がTLCプレートの展開方向に不連続に積層されている場合には、例えば印刷技術を用いて、被浸透層を積層することができる。
印刷技術としては、シルクスクリーン印刷やインクジェット印刷を挙げることができる。
シルクスクリーンによる印刷では、シルクスクリーン版として、開口部の形状として上記の積層の態様で説明したものを有するもの(TLCプレートの展開方向に不連続に開口しているものや、種々の形状を有するドットや帯状の列を開口部として有しているもの)を用いることができる。シルクスクリーン印刷では、被浸透層を比較的安価で簡単な操作で積層させることができることから、好ましく用いられる。
シルクスクリーン版は、後述する多孔質体を含むスラリーを印刷インキとして用い得るものであれば、特にその材料が限定されるものではない。
一方、インクジェット印刷を用いる場合も、印刷に用いるインクとして、後述する多孔質体を含むスラリーを用いること以外は、通常用いられているインクジェット印刷の技術を用いることができる。
シルクスクリーンによる印刷では、シルクスクリーン版として、開口部の形状として上記の積層の態様で説明したものを有するもの(TLCプレートの展開方向に不連続に開口しているものや、種々の形状を有するドットや帯状の列を開口部として有しているもの)を用いることができる。シルクスクリーン印刷では、被浸透層を比較的安価で簡単な操作で積層させることができることから、好ましく用いられる。
シルクスクリーン版は、後述する多孔質体を含むスラリーを印刷インキとして用い得るものであれば、特にその材料が限定されるものではない。
一方、インクジェット印刷を用いる場合も、印刷に用いるインクとして、後述する多孔質体を含むスラリーを用いること以外は、通常用いられているインクジェット印刷の技術を用いることができる。
スラリーの塗布や上記印刷技術で積層された被浸透層の厚さ(平均厚さ)は、十分な浸透性を確保する観点や、多孔質体が例えば透明や半透明のものを用いる場合には、目的物質のスポット検出の際に分離剤層の光学応答性の影響を受けないようにするために、0.005mm以上であることが好ましく、0.01mm以上であることがさらに好ましい。
一方、被浸透層の厚さ(平均厚さ)は、目的物質のスポットの拡散の防止の観点から0.2mm以下であることが好ましく、0.15mm以下であることがさらに好ましい。
一方、被浸透層の厚さ(平均厚さ)は、目的物質のスポットの拡散の防止の観点から0.2mm以下であることが好ましく、0.15mm以下であることがさらに好ましい。
分離剤層上に被浸透層を積層するために、上記で説明した塗布や印刷の技術を用いることができるが、これらの技術においては、多孔質体を含むスラリー、蛍光指示薬あるいは発色試薬を含有する溶液、または蛍光指示薬あるいは発色試薬とバインダ及び必要に応じて支持体を含有する組成物を調製し、これを塗布液、印刷インキとして用いることができる。
多孔質体を含むスラリーを調製する際に用いる材料としては、溶剤と必要に応じてバインダが挙げられる。そのような溶剤やバインダは、分離剤層を形成する際に用いることができるものと、同じものを用いることができる。
上記蛍光指示薬としては、例えば、タングステン酸マグネシウムやマンガン含有ケイ酸亜鉛等が挙げられ、これを含有する溶液ないしスラリーを調製する際の溶剤としては、例えば、スクリーン印刷のインク溶剤として使用されるアルコール系、グリコールエーテル系、炭化水素系、ケトン、エステルといった有機溶媒を使用することができる。例えば、α-テルピオネール、ブチルカルピトールアセテート、ブチルカルビトール、トルエン、シクロヘキサン、メトルエチルケトン、メチルプロピレングリコールが挙げられる。印刷途中でスラリーの流動性を悪化させたり、スクリーンの目詰まりを引き起こしたりしないように、流動性、沸点、蒸発速度といった物性を考慮して適当な溶剤を選定する。
一方、発色試薬としては、アニスアルデヒド溶液、リンモリブデン酸溶液、ヨウ素溶液、ニンヒドリン溶液、カメレオン溶液、DNPH溶液、塩化マンガン溶液、及びブロモクレゾールグリーン溶液が挙げられる。
蛍光指示薬あるいは発色試薬とバインダ及び必要に応じて支持体を含有する組成物を用いる場合には、上記の蛍光指示薬あるいは発色試薬の溶液に上記バインダを含有する組成物を溶解乃至懸濁させて塗布液、印刷インキとすることができる。
多孔質体を含むスラリーを調製する際に用いる材料としては、溶剤と必要に応じてバインダが挙げられる。そのような溶剤やバインダは、分離剤層を形成する際に用いることができるものと、同じものを用いることができる。
上記蛍光指示薬としては、例えば、タングステン酸マグネシウムやマンガン含有ケイ酸亜鉛等が挙げられ、これを含有する溶液ないしスラリーを調製する際の溶剤としては、例えば、スクリーン印刷のインク溶剤として使用されるアルコール系、グリコールエーテル系、炭化水素系、ケトン、エステルといった有機溶媒を使用することができる。例えば、α-テルピオネール、ブチルカルピトールアセテート、ブチルカルビトール、トルエン、シクロヘキサン、メトルエチルケトン、メチルプロピレングリコールが挙げられる。印刷途中でスラリーの流動性を悪化させたり、スクリーンの目詰まりを引き起こしたりしないように、流動性、沸点、蒸発速度といった物性を考慮して適当な溶剤を選定する。
一方、発色試薬としては、アニスアルデヒド溶液、リンモリブデン酸溶液、ヨウ素溶液、ニンヒドリン溶液、カメレオン溶液、DNPH溶液、塩化マンガン溶液、及びブロモクレゾールグリーン溶液が挙げられる。
蛍光指示薬あるいは発色試薬とバインダ及び必要に応じて支持体を含有する組成物を用いる場合には、上記の蛍光指示薬あるいは発色試薬の溶液に上記バインダを含有する組成物を溶解乃至懸濁させて塗布液、印刷インキとすることができる。
被浸透層を形成する構成材料として、多孔質体を含む場合、それを含むスラリーで用いる溶剤としては、アルコール系、グリコールエーテル系、炭化水素系、ケトン、エステルといった有機溶剤を単独で用いることができる。例えば、アルコールを用いる場合には好ましくは水溶性の有機溶剤と水との混合溶剤であり、より好ましくはアルコールと水の混合溶剤である。前記混合溶剤におけるアルコールの含有量は、0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜45質量%であることがより好ましく、2〜40質量%であることがさらに好ましい。
用いることのできるアルコールとしては、例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール及び3−メチル−3−メトキシブタノールが挙げられる。
用いることのできるアルコールとしては、例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール及び3−メチル−3−メトキシブタノールが挙げられる。
前記スラリーにおける溶剤の含有量は、形成される被浸透層の均一性、層の厚さ、及び、経済的な観点から決定することができ、多孔質体100質量部に対して10〜5,000質量部であることが好ましく、50〜1,000質量部であることがより好ましく、100〜300質量部であることがさらに好ましい。
前記スラリーは、形成される被浸透層の強度の向上の観点から、バインダをさらに含有することが好ましい。前記バインダには、分離剤層上において多孔質体の層を形成する結着性をもたらす成分を用いることができる。このようなバインダとしては、石膏やコロイダルシリカ等の無機系バインダ、ミクロフィブリル化セルロース等の有機繊維、及び、アルカリ水溶性共重合体、ヒドロキシエチルセルロースやカルボキシメチルセルロース等の増粘剤、ポリビニルアルコール、アクリル酸等の有機系バインダが挙げられる。バインダは一種でも二種以上でもよい。
前記スラリーにおけるバインダの含有量は、形成される被浸透層の強度と、被浸透層に対する分離剤層からの移動相の適正な上昇速度との観点から、バインダの種類に応じて適宜に決めることができる。例えば石膏であれば、バインダの含有量は、多孔質体100質量部に対して0.1〜50質量部であることが好ましく、0.5〜30質量部であることがより好ましく、1〜20質量部であることがさらに好ましい。また、例えばカルボキシメチルセルロース等の有機系のバインダであれば、バインダの含有量は、多孔質体100質量部に対して0.1〜50質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることがさらに好ましい。
被浸透層が、多孔質体を構成材料として含む場合、紫外線の照射による光学応答性によってスポットを検出する場合には、蛍光指示薬を、多孔質体を含むスラリーに含有させることで被浸透層に光学応答性を持たせることができる。このような蛍光指示薬としては、公知の蛍光指示薬を用いることができ、例えば、前記タングステン酸マグネシウムや、マンガン含有ケイ酸亜鉛等が挙げられる。蛍光指示薬の含有量は、目的物質の分離が可能な範囲で決めることができ、一般には前記多孔質体100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、1〜8質量部であることが目的物質と被浸透層のコントラストを最適なものにする観点から特に好ましい。
また、被浸透層が、多孔質体を構成材料として含む場合には、発色反応によって試料中の目的物質のスポットを検出するために、発色試薬を、多孔質体を含むスラリーに含有させることで被浸透層に光学応答性を持たせることができる。このような発色試薬としては、公知のリンモリブデン酸、ニンヒドリン等が挙げられる。発色試薬の含有量は、目的物質の分離が可能な範囲で決めることができ、一般には前記多孔質体100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、1〜8質量部であることが目的物質と被浸透層のコントラストを最適なものにする観点から特に好ましい。
本発明のTLCプレートは、通常のTLCプレートの使用方法を用いることにより、試料中の目的物質の分離及び検出を行うことができる。
試料中の目的物質の分離及び検出は、TLCプレートの展開方向(例えば、TLCプレートとして長方形のものを用いる場合には、長手方向が好ましい)へ移動相を用いて試料を展開させる工程と、TLCプレート上の移動相を乾燥させる工程と、移動した目的物質の各成分のスポットを紫外線の照射又は発色試薬の発色処理によって検出する工程と、を含む方法によって行うことができる。
本発明のTLCプレートを用いて試料を移動相を用いて展開させると、試料中の目的物質の分離が行われると同時に、分離剤層上の被浸透層に目的物質が浸透する。
なお、本発明における目的物質は、被浸透層とは異なる光学応答性を有し、分離剤層と同じ光学応答性を有する。
試料中の目的物質の分離及び検出は、TLCプレートの展開方向(例えば、TLCプレートとして長方形のものを用いる場合には、長手方向が好ましい)へ移動相を用いて試料を展開させる工程と、TLCプレート上の移動相を乾燥させる工程と、移動した目的物質の各成分のスポットを紫外線の照射又は発色試薬の発色処理によって検出する工程と、を含む方法によって行うことができる。
本発明のTLCプレートを用いて試料を移動相を用いて展開させると、試料中の目的物質の分離が行われると同時に、分離剤層上の被浸透層に目的物質が浸透する。
なお、本発明における目的物質は、被浸透層とは異なる光学応答性を有し、分離剤層と同じ光学応答性を有する。
本発明のTLCプレートでは、試料中の目的物質のエクストラクト成分とラフィネート成分の分離と光学的な検出を、一枚のTLCプレート上で行うことができる。従来の2つの分離剤層を有するTLCプレートと比較すると、従来のプレートでは、各分離剤層における試料中の目的物質の各成分の移動速度の相違によってスポットがブロードになる問題があったが、本発明では、そのような問題が生じず、ラフィネート成分及びエクストラクト成分の両スポットを、確実に検出することができる。また本発明では、TLCプレートに複数の試料を並べて点着し、同時に展開させたときの各試料における分離状態をそれぞれ確実に検出することができる。また被浸透層に浸透した特定のスポットを含む部分(分離剤層も含む)を採取し、抽出操作を行うことによって、目的物質の各成分の分取に用いることもできる。
<実施例1>
まず、株式会社ダイセル製CHIRALPAK IA(同社の登録商標)の充填剤(「IA充填剤」とも言う)4.00gと、石膏0.60gと、2%CMC(カルボキシメチルセルロース)1110(株式会社ダイセル製)水溶液4.00gと、20%スノーテックスC(日産化学工業株式会社製)水溶液0.60gとを、水0.40g、エタノール1.60gの混合溶液に添加し、超音波を照射しながら十分に攪拌して第一のスラリーを調製した。
また、シリカゲル4.00g(ダイソー株式会社製液体クロマトグラフィー用、IR−60−5/20−U)、石膏0.20g、2%CMC(カルボキシメチルセルロース)1110(株式会社ダイセル製)水溶液6.00g、マンガン含有ケイ酸亜鉛0.08gとを、水2.02g、エタノール2.80gの混合溶液に添加し、超音波を照射しながら十分に攪拌して第二のスラリーを調製した。
これらのスラリーのうち、第一のスラリーを、TLCプレート作製用スプレッダを用いてガラス板の表面に均一に塗布し、第一のスラリー層を風乾し、真空ポンプで引きながら60℃で3時間真空乾燥することによって、第一のスラリーによる分離剤層を積層した。次に分離剤層の上に第二のスラリーをTLCプレート作製用スプレッダを用いてガラス板の表面に均一に塗布し、第二のスラリー層を風乾し、真空ポンプで引きながら60℃で3時間真空乾燥することによって、分離剤層の上に第二のスラリーの層である被浸透層を形成させ、TLCプレート1を作製した。
まず、株式会社ダイセル製CHIRALPAK IA(同社の登録商標)の充填剤(「IA充填剤」とも言う)4.00gと、石膏0.60gと、2%CMC(カルボキシメチルセルロース)1110(株式会社ダイセル製)水溶液4.00gと、20%スノーテックスC(日産化学工業株式会社製)水溶液0.60gとを、水0.40g、エタノール1.60gの混合溶液に添加し、超音波を照射しながら十分に攪拌して第一のスラリーを調製した。
また、シリカゲル4.00g(ダイソー株式会社製液体クロマトグラフィー用、IR−60−5/20−U)、石膏0.20g、2%CMC(カルボキシメチルセルロース)1110(株式会社ダイセル製)水溶液6.00g、マンガン含有ケイ酸亜鉛0.08gとを、水2.02g、エタノール2.80gの混合溶液に添加し、超音波を照射しながら十分に攪拌して第二のスラリーを調製した。
これらのスラリーのうち、第一のスラリーを、TLCプレート作製用スプレッダを用いてガラス板の表面に均一に塗布し、第一のスラリー層を風乾し、真空ポンプで引きながら60℃で3時間真空乾燥することによって、第一のスラリーによる分離剤層を積層した。次に分離剤層の上に第二のスラリーをTLCプレート作製用スプレッダを用いてガラス板の表面に均一に塗布し、第二のスラリー層を風乾し、真空ポンプで引きながら60℃で3時間真空乾燥することによって、分離剤層の上に第二のスラリーの層である被浸透層を形成させ、TLCプレート1を作製した。
TLCプレート1の幅は5cm、長さは10cmとした。TLCプレート1における分離剤層の厚さは150μm、被浸透層の厚さは20μmであった。
第一のスラリーによる分離剤層がIA充填剤による層であり、第二のスラリーによる被浸透層が前記シリカゲルの層である。また、IA充填剤の平均粒径は20μmであり、シリカゲルの平均粒径は14.4μmである。
第一のスラリーによる分離剤層がIA充填剤による層であり、第二のスラリーによる被浸透層が前記シリカゲルの層である。また、IA充填剤の平均粒径は20μmであり、シリカゲルの平均粒径は14.4μmである。
トレガー塩基(TB)のラセミ体が1%、フラバノン(FLV)のラセミ体が1%の酢酸エチル溶液の約1μLを、TLCプレート1の長手方向を縦とした時の下から約3.0cmの位置に点着した。n−ヘキサンとエタノールを体積比で9:1で含有する混合溶剤を収容した展開槽内に、試料のスポットを下にしてTLCプレート1を収容し、TLCプレート1の長手方向に試料中のトレガー塩基とフラバノンの光学異性体を展開させた。
この展開の後、TLCプレート1を冷風で乾燥し、TLCプレート1に紫外線を照射したところ、トレガー塩基のラフィネート成分RTB及びエクストラクト成分ETBのスポットと、フラバノンのラフィネート成分RFLV及びエクストラクト成分EFLVが、被浸透層上にそれぞれ淡い緑色のスポットとして確認された(図1)。
被浸透層における試料の点着位置、展開液の到達位置、及びスポットの中心位置とから、各スポットのRf値を求めたところ、トレガー塩基のラフィネート成分のRf値は約0.63であり、エクストラクト成分のRf値は約0.46であり、フラバノンのラフィネート成分のRf値は約0.41であり、エクストラクト成分のRf値は約0.33であった。
被浸透層における試料の点着位置、展開液の到達位置、及びスポットの中心位置とから、各スポットのRf値を求めたところ、トレガー塩基のラフィネート成分のRf値は約0.63であり、エクストラクト成分のRf値は約0.46であり、フラバノンのラフィネート成分のRf値は約0.41であり、エクストラクト成分のRf値は約0.33であった。
<実施例2>
実施例1で調製した第一のスラリーをTLCプレート作製用スプレッダを用いてガラス板の表面に均一に塗布し、第一のスラリー層を風乾し、真空ポンプで引きながら60℃で3時間真空乾燥することによって、第一のスラリーによる分離剤層を積層した。
次に、TLCプレートの分離剤層の上に第二のスラリーをシルクスクリーン印刷により塗布した。シルクスクリーン版として、ピッチが1.2mmで、孔径0.8mmの円形状の開口部を規則的に有するもの(図5参照)を使用した。その後、第二のスラリー層を風乾し、真空ポンプで引きながら60℃で3時間真空乾燥することによって、分離剤層の上に第二のスラリーの層である被浸透層がドット状に積層されたTLCプレート2を作製した。
TLCプレート2の幅は5cm、長さは10cmとした。TLCプレート2における分離剤層の厚さは150μm、被浸透層の厚さは20μmであった。なお、IA充填剤の平均粒径と、シリカゲルの平均粒径は実施例1と同じである。
実施例1で調製した第一のスラリーをTLCプレート作製用スプレッダを用いてガラス板の表面に均一に塗布し、第一のスラリー層を風乾し、真空ポンプで引きながら60℃で3時間真空乾燥することによって、第一のスラリーによる分離剤層を積層した。
次に、TLCプレートの分離剤層の上に第二のスラリーをシルクスクリーン印刷により塗布した。シルクスクリーン版として、ピッチが1.2mmで、孔径0.8mmの円形状の開口部を規則的に有するもの(図5参照)を使用した。その後、第二のスラリー層を風乾し、真空ポンプで引きながら60℃で3時間真空乾燥することによって、分離剤層の上に第二のスラリーの層である被浸透層がドット状に積層されたTLCプレート2を作製した。
TLCプレート2の幅は5cm、長さは10cmとした。TLCプレート2における分離剤層の厚さは150μm、被浸透層の厚さは20μmであった。なお、IA充填剤の平均粒径と、シリカゲルの平均粒径は実施例1と同じである。
実施例1と同様の操作により、TLCプレート2の長手方向に試料中のトレガー塩基とフラバノンの光学異性体を展開させた。
この展開の後、TLCプレート2を冷風で乾燥し、TLCプレート2に紫外線を照射したところ、トレガー塩基のラフィネート成分RTB及びエクストラクト成分ETBのスポットと、フラバノンのラフィネート成分RFLV及びエクストラクト成分EFLVが、被浸透層上にそれぞれ淡い緑色のスポットとして確認された(図2)。
この展開の後、TLCプレート2を冷風で乾燥し、TLCプレート2に紫外線を照射したところ、トレガー塩基のラフィネート成分RTB及びエクストラクト成分ETBのスポットと、フラバノンのラフィネート成分RFLV及びエクストラクト成分EFLVが、被浸透層上にそれぞれ淡い緑色のスポットとして確認された(図2)。
被浸透層における試料の点着位置、展開液の到達位置、及びスポットの中心位置とから、各スポットのRf値を求めたところ、トレガー塩基のラフィネート成分のRf値は約0.64であり、エクストラクト成分のRf値は約0.54であり、フラバノンのラフィネート成分のRf値は約0.45であり、エクストラクト成分のRf値は約0.34であった。
なお、TLCプレート2に紫外線を照射すると、被浸透層で積層されていない部分、すなわち分離剤層が、紫外線を吸収して黒く見えることが確認され、TLCプレート2は全体的にTLCプレート1に比べて紫外線を照射したときには黒っぽく見えることを確認した(図2)。なお、TLCプレート2では、TLCプレート1に比べると、目的成分のスポットがより明確に分かれていることを確認した。これにより、目的物質の分離特性が良好であることが確認できた。
なお、TLCプレート2に紫外線を照射すると、被浸透層で積層されていない部分、すなわち分離剤層が、紫外線を吸収して黒く見えることが確認され、TLCプレート2は全体的にTLCプレート1に比べて紫外線を照射したときには黒っぽく見えることを確認した(図2)。なお、TLCプレート2では、TLCプレート1に比べると、目的成分のスポットがより明確に分かれていることを確認した。これにより、目的物質の分離特性が良好であることが確認できた。
<実施例3>
実施例1で調製した第一のスラリーをTLCプレート作製用スプレッダを用いてガラス板の表面に均一に塗布し、第一のスラリー層を風乾し、真空ポンプで引きながら60℃で3時間真空乾燥することによって、第一のスラリーによる分離剤層を積層した。
第二のスラリーとして、実施例1で用いたもののマンガン含有ケイ酸亜鉛の含有量を0.16gに代えたものを準備した。
次に、TLCプレートの分離剤層の上に第二のスラリーをシルクスクリーン印刷により塗布した。シルクスクリーン版として、ピッチが0.6mmで、孔径0.4mmの円形状の開口部を規則的に有するもの(図5参照)を使用した。その後、第二のスラリー層を風乾し、真空ポンプで引きながら60℃で3時間真空乾燥することによって、分離剤層の上に第二のスラリーの層である被浸透層がドット状に積層されたTLCプレート3を作製した。
TLCプレート3の幅は5cm、長さは10cmとした。TLCプレート3における分離剤層の厚さは150μm、被浸透層の厚さは20μmであった。なお、IA充填剤の平均粒径と、シリカゲルの平均粒径は実施例1と同じである。
実施例1で調製した第一のスラリーをTLCプレート作製用スプレッダを用いてガラス板の表面に均一に塗布し、第一のスラリー層を風乾し、真空ポンプで引きながら60℃で3時間真空乾燥することによって、第一のスラリーによる分離剤層を積層した。
第二のスラリーとして、実施例1で用いたもののマンガン含有ケイ酸亜鉛の含有量を0.16gに代えたものを準備した。
次に、TLCプレートの分離剤層の上に第二のスラリーをシルクスクリーン印刷により塗布した。シルクスクリーン版として、ピッチが0.6mmで、孔径0.4mmの円形状の開口部を規則的に有するもの(図5参照)を使用した。その後、第二のスラリー層を風乾し、真空ポンプで引きながら60℃で3時間真空乾燥することによって、分離剤層の上に第二のスラリーの層である被浸透層がドット状に積層されたTLCプレート3を作製した。
TLCプレート3の幅は5cm、長さは10cmとした。TLCプレート3における分離剤層の厚さは150μm、被浸透層の厚さは20μmであった。なお、IA充填剤の平均粒径と、シリカゲルの平均粒径は実施例1と同じである。
実施例1と同様の操作により、TLCプレート3の長手方向に試料中のトレガー塩基とフラバノンの光学異性体を展開させた。
この展開の後、TLCプレート3を冷風で乾燥し、TLCプレート3に紫外線を照射したところ、トレガー塩基のラフィネート成分RTB及びエクストラクト成分ETBのスポットと、フラバノンのラフィネート成分RFLV及びエクストラクト成分EFLVが、被浸透層上にそれぞれ淡い緑色のスポットとして確認された(図3)。
この展開の後、TLCプレート3を冷風で乾燥し、TLCプレート3に紫外線を照射したところ、トレガー塩基のラフィネート成分RTB及びエクストラクト成分ETBのスポットと、フラバノンのラフィネート成分RFLV及びエクストラクト成分EFLVが、被浸透層上にそれぞれ淡い緑色のスポットとして確認された(図3)。
被浸透層における試料の点着位置、展開液の到達位置、及びスポットの中心位置とから、各スポットのRf値を求めたところ、トレガー塩基のラフィネート成分のRf値は約0.56であり、エクストラクト成分のRf値は約0.45であり、フラバノンのラフィネート成分のRf値は約0.47であり、エクストラクト成分のRf値は約0.34であった。
なお、TLCプレート3は、TLCプレート2に比べると紫外線を照射しても黒っぽくは見えず、目的物質のスポットをより鮮明に確認することができた。
これは、被浸透層が狭いピッチで積層されていることによると考えられる。
また、TLCプレート3では、TLCプレート1に比べると、目的成分のスポットがより円形に近い形であることを確認した。これにより、目的物質の分離特性が良好であることが確認できた。
なお、TLCプレート3は、TLCプレート2に比べると紫外線を照射しても黒っぽくは見えず、目的物質のスポットをより鮮明に確認することができた。
これは、被浸透層が狭いピッチで積層されていることによると考えられる。
また、TLCプレート3では、TLCプレート1に比べると、目的成分のスポットがより円形に近い形であることを確認した。これにより、目的物質の分離特性が良好であることが確認できた。
TLCは、カラムクロマトグラフィーによる分離条件の主な検討手段として従来より用いられており、また目的物質の分取にも用いられている。本発明は、光学的な応答によって分離状態の検出が困難であった分離剤による目的物質の分離状態を従来に比べて確実かつ簡便に検出できることから、このような分離剤の用途のさらなる拡大やこのような分離剤を用いる分離精製技術のさらなる発展に貢献することが期待される。
TB:トレガー塩基
FLV:フラバノン
FLV:フラバノン
Claims (10)
- 基板と、基板の上に積層された分離剤層と、分離剤層の上に積層され、分離剤層で分離された目的物質が浸透するための被浸透層とを有するTLCプレートであって、
分離剤層は、目的物質に対する分離性と紫外線に対する光学応答性とを有し、
被浸透層は、分離剤層とは異なる光学応答性を有する、TLCプレート。 - 前記被浸透層は、TLCプレートの展開方向に不連続に積層されている、請求項1に記載のTLCプレート。
- 前記被浸透層は、前記分離剤層の上にドット状に積層されている、請求項1又は2に記載のTLCプレート。
- 前記被浸透層は、前記分離剤層の上に、TLCプレートの展開方向と交差する帯状の列として積層されている、請求項1又は2に記載のTLCプレート。
- 前記帯状の列を形成する帯は、直線、波線及びそれらの破線から選ばれる請求項4に記載のTLCプレート。
- 前記ドット状に積層されている被浸透層は、該ドットの平均径が0.01〜5mmであり、ドット間のピッチが0.015〜5mmである、請求項3に記載のTLCプレート。
- 前記被浸透層は、多孔質体を構成材料として含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のTLCプレート。
- 前記多孔質体がシリカゲルである、請求項7に記載のTLCプレート。
- 前記分離剤層は、分離剤として光学異性体用分離剤を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のTLCプレート。
- 前記光学異性体用分離剤が、水酸基或いはアミノ基の一部又は全部が芳香族エステル基、芳香族カルバモイル基、芳香族エーテル基、及びカルボニル基のいずれかで置き換えられた多糖誘導体であることを特徴とする請求項9に記載のTLCプレート。
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