以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、各図面において、同一の又は対応する構成については同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態による射出成形機の型締め時の状態を示す図である。図2は、本発明の第1実施形態による射出成形機の型開き完了時の状態を示す図である。
射出成形機10は、射出吹込成形機(インジェクションブロー成形機とも呼ばれる)である。射出成形機10は、型締め状態の射出金型12と回転金型14との間に形成されるキャビティ空間に成形材料を充填してプリフォーム2を射出成形し、得られたプリフォーム2を吹込金型13内で膨らませて成形品4をブロー成形する。
尚、図1および図2において成形品4の数は1つであるが、成形品4の多数個取りも可能である。また、プリフォーム2を延伸ピストンロッドで伸ばしながら空気を吹き込む延伸ブロー成形も可能である。
射出成形機10は、例えば、型締装置20、射出装置60、および制御装置70(図3参照)などを備える。以下、型閉じ工程における可動プラテン23の移動方向を前方、型開き工程における可動プラテン23の移動方向を後方として説明する。
型締装置20は、例えば、固定プラテン22、可動プラテン23、中間支持枠24、リヤプラテン25、タイバー26、トグル機構27、型締モータ29、および移動装置30(図3参照)などで構成される。
固定プラテン22は、フレーム11に固定されてよい。固定プラテン22の金型取付面には固定金型としての射出金型12が取り付けられる。
可動プラテン23は、フレーム11に敷設されるガイド17に沿って進退自在とされる。可動プラテン23の金型取付面には、可動金型としての吹込金型13が取り付けられる。
中間支持枠24は、固定プラテン22と可動プラテン23との間に配設され、可動プラテン23と独立にガイド17に沿って進退自在とされる。中間支持枠24は、中間金型としての回転金型14を回転自在に支持する。
回転金型14が回転軸24aを中心に180°回転する度に、回転金型14に形成される凸型14aの位置が射出金型12に形成される凹型と向かい合う位置と吹込金型13に形成される凹型と向かい合う位置との間で切り替わる。
リヤプラテン25は、可動プラテン23の後方に配設され、複数本のタイバー26を介して固定プラテン22と連結される。型締め時のタイバー26の伸びを許容するため、リヤプラテン25は、フレーム11に移動可能に載置される。
尚、本実施形態では固定プラテン22がフレーム11に固定され、リヤプラテン25がフレーム11に載置されるが、固定プラテン22がフレーム11に載置され、リヤプラテン25がフレーム11に固定されてもよい。
トグル機構27は、可動プラテン23とリヤプラテン25との間に配設される。トグル機構27は、例えば、フレーム11に対して進退自在なクロスヘッド27a、クロスヘッド27aに入力される推進力を可動プラテン23に伝達する複数のリンクとで構成される。
型締モータ29は、回転運動を直線運動に変換する運動変換部としてのボールねじ機構を含み、駆動軸28を進退させることで、クロスヘッド27aを進退させ、トグル機構27を作動させる。
型締モータ29を駆動して、クロスヘッド27aを前進させると、可動プラテン23が前進させられる。このとき、移動装置30が中間支持枠24を前進させてよい。吹込金型13が回転金型14と接触し、回転金型14が射出金型12と接触することで、型閉じが完了する。続いて、型締モータ29をさらに駆動すると、型締モータ29の推進力にトグル倍率を乗じた型締力が発生する。
また、型締モータ29を駆動して、クロスヘッド27aを後退させると、可動プラテン23が後退させられる。このとき、移動装置30が中間支持枠24を後退させる。吹込金型13が回転金型14と離間し、回転金型14が射出金型12と離間し、型開きが完了する。
次に、上記構成の射出成形機10の動作について説明する。
先ず、図1に示すように、射出装置60が型締め状態の射出金型12の凹型と回転金型14の凸型14aとの間に形成されるキャビティ空間に成形材料を充填し、プリフォーム2が射出成形される。プリフォーム2は回転金型14の凸型14aに抱き付いた状態で保持される。
その後、図2に示すように型開きが行われ、回転金型14が回転軸24aを中心に180°回転し、プリフォーム2を保持する凸型14aと、吹込金型13の凹型とが向かい合う。この状態で、型閉じおよび型締めが行われる。
次いで、図1に示すようにプリフォーム2を保持する凸型14aが圧縮空気を噴出し、圧縮空気の空気圧でプリフォーム2が吹込金型13内で膨らみ、成形品4がブロー成形される。このとき、残りの凸型14aと、射出金型12の凹型との間に形成されるキャビティ空間に成形材料が充填され、プリフォーム2が射出成形される。プリフォーム2の射出成形と、成形品4のブロー成形とは同時に行われる。
その後、図2に示すように型開きが行われ、割型である吹込金型13が分離され、成形品4が取り出される。
尚、射出金型12と吹込金型13の配置は逆でもよい。つまり、射出金型12が可動プラテン23に取り付けられ、吹込金型13が固定プラテン22に取り付けられてもよい。
図3は、図1の中間支持枠を移動させる移動装置を示す図であって、中間支持枠の型開き開始時の状態を示す図である。図4は、図3の中間支持枠の型開きの途中での状態を示す図である。図5は、図3の中間支持枠の型開き完了時の状態を示す図である。
移動装置30は、例えば、第1液圧シリンダとしての前方シリンダ31、第2液圧シリンダとしての後方シリンダ32、モータ52、液圧ポンプ53、タンク54、圧力センサ55、第1リリーフ弁56、第2リリーフ弁57、第1逆止弁58、および第2逆止弁59を有する。前方シリンダ31および後方シリンダ32は、第1部材としてのフレーム11に対して、第2部材としての中間支持枠24を移動させる。
前方シリンダ31は、液圧シリンダであって、前方シリンダ本体31a、前方シリンダ本体31a内の空間を前室と後室とに区画する前方ピストン31b、および前方ピストン31bと共に進退する前方ピストンロッド31cで構成される。
後方シリンダ32は、液圧シリンダであって、後方シリンダ本体32a、後方シリンダ本体32a内の空間を前室と後室とに区画する後方ピストン32b、および後方ピストン32bと共に進退する後方ピストンロッド32cで構成される。
前方シリンダ本体31aは後方に配設される後方シリンダ本体32aと一体とされ、後方シリンダ本体32aは固定プラテン22に取り付けられる。前方ピストン31bのストロークは、後方ピストン32bのストロークよりも短い。前方ピストンロッド31cは、前方シリンダ本体31aの後室と後方シリンダ本体32aの前室とを隔てる隔壁に形成される貫通孔に移動自在に挿通され、後方ピストン32bと接離自在に接触する。後方ピストンロッド32cの先端部は中間支持枠24に固定される。
前方シリンダ本体31aの前室と、後方シリンダ本体32aの前室とは、第1接続路34を介して接続され、同じ液圧に保たれる。また、前方シリンダ本体31aの後室と、後方シリンダ本体32aの後室とは、第2接続路35を介して接続され、同じ液圧に保たれる。
モータ52は、電動サーボモータであってよく、制御装置70からの制御信号に応じた回転方向および回転トルクで液圧ポンプ53を駆動する。制御装置70は、圧力センサ55の検出結果に基づいてモータ52を制御してよい。
液圧ポンプ53は、第1ポート53aと、第2ポート53bとを有する。第1ポート53aが第1接続路34と第1流路36を介して接続され、第2ポート53bが第2接続路35と第2流路37を介して接続される。液圧ポンプ53は、前方シリンダ31および後方シリンダ32の両方に供給する液圧を発生させる。
液圧ポンプ53は、両方向回転可能なポンプであり、モータ52の回転方向を切り替えることにより、第1ポート53aおよび第2ポート53bのいずれか一方から作動液(例えば油)を吸入し他方から吐出して液圧を発生させる。尚、液圧ポンプ53はタンク54に収容された作動液を吸引して第1ポート53aおよび第2ポート53bのいずれか一方から作動液を吐出することもできる。
圧力センサ55は、第1接続路34内の圧力を検出するためのセンサであり、検出結果を制御装置70に対して出力する。圧力センサ55で検出された圧力は、型開き開始時にはプリフォーム2を射出金型12から剥がす離型力を表す。
第1リリーフ弁56は、第1流路36内の圧力が設定値を超えた場合に開き、第1流路36内の余分な作動液をタンク54に戻して、第1流路36内の圧力を設定値以下に保つ。
第2リリーフ弁57は、第2流路37内の圧力が設定値を超えた場合に開き、第2流路37内の余分な作動液をタンク54に戻して、第2流路37内の圧力を設定値以下に保つ。
ところで、前方シリンダ本体31aの後室を前方ピストンロッド31cが貫く。そのため、前方シリンダ本体31aの後室の断面積が、前方シリンダ本体31aの前室の断面積よりも小さい。後方シリンダ本体32aにおいて同様である。これらの断面積の差に起因する作動液の循環量の過不足を調整するため、第1流路36と第2流路37との間に、第1逆止弁58および第2逆止弁59が設けられる。また、第1逆止弁58と第2逆止弁59とを接続する接続路は、ドレン流路38を介してタンク54に接続されている。
例えば前方シリンダ31が中間支持枠24を前進させるため後室を拡大し前室を縮小させる場合、前室から作動液が吐出される。前室の断面積は後室の断面積よりも大きいため、前室から吐出される作動液の液量は、後室に供給する作動液の液量よりも多い。
前方シリンダ31が中間支持枠24を前進させるとき、液圧ポンプ53は前方シリンダ31の前室から吐出された作動液を吸い込んで第2流路37に吐出するので、第2流路37に供給される作動液の量が増え、第2流路37内の液圧が高くなる。そうすると、第2流路37内の液圧が第1逆止弁58に作用し、第1逆止弁58が開く。そのため、前方シリンダ31の前室から吐出された作動液が第1逆止弁58、ドレン流路38を通ってタンク54へ戻される。したがって、作動液の循環量の過不足が調整できる。
次に、図3〜図5を参照して、上記構成の移動装置30の動作について説明する。
図3に示す型開き開始時に、液圧ポンプ53が作動液を第1接続路34に供給すると、第1接続路34の液圧が上昇する。高圧の作動液が前方ピストン31bを後方に押圧し、前方ピストンロッド31cが後方ピストン32bを後方に押圧する。同時に、高圧の作動液が後方ピストン32bを後方に押圧する。後方ピストン32bが後方に押圧されることで、後方ピストンロッド32cが中間支持枠24を後方に押圧し、中間支持枠24を後退させる推進力が生じ、プリフォーム2を射出金型12から剥がす離型力が生じる。
高圧の作動液が前方ピストン31bを後方に押圧する力は、前方ピストン31bよりも小径の前方ピストンロッド31cを介して後方ピストン32bに伝達される。そのため、後方ピストン32bにおける前方ピストンロッド31cとの接触部分に作動液の液圧よりも高い圧力が作用する。よって、前方シリンダ31がない場合に比べて、後方ピストン32bを後方に押圧する力が強く、中間支持枠24を後退させる推進力が強く、十分な離型力が発生できる。
プリフォーム2が射出金型12から剥がれた後、引き続き、液圧ポンプ53が作動液を第1接続路34に供給すると、第1接続路34で接続される前方シリンダ本体31aの前室および後方シリンダ本体32aの前室が拡大する。よって、前方ピストンロッド31cおよび後方ピストンロッド32cが後退し、中間支持枠24が後退する。これに伴って、前方シリンダ本体31aの後室および後方シリンダ本体32aの後室が縮小し、それぞれの後室の余分な作動液は第2流路37を介して液圧ポンプ53の第2ポート53bに吸入される。
図4に示すように前方ピストン31bが後退限位置(ストロークエンド)に到達した後、引き続き、液圧ポンプ53が作動液を第1接続路34に供給すると、前方シリンダ本体31aの前室は拡大せずに、後方シリンダ本体32aの前室が拡大する。前方ピストンロッド31cが停止した状態で後方ピストンロッド32cが後退し、中間支持枠24がさらに後退する。
このとき、前方シリンダ31および後方シリンダ32のうち後方シリンダ32のみが中間支持枠24を後退させる。液圧ポンプ53から第1接続路34への作動液の供給量が同じ場合、前方シリンダ本体31aの前室が拡大しない分、後方シリンダ本体32aの前室が高速で拡大し、中間支持枠24が高速で後退する。
図5に示すように型開きが完了すると、液圧ポンプ53が停止され、中間支持枠24が停止される。
このように、本実施形態によれば、後方シリンダ32の押圧動作中に前方シリンダ31の押圧動作を停止する。型開き開始時に前方シリンダ31および後方シリンダ32が中間支持枠24を後方に押圧する。よって、型開き開始時に中間支持枠24を後退させる推進力が強く、プリフォーム2を射出金型12から剥がす離型力が十分に発生できる。その後、前方シリンダ31および後方シリンダ32のうち後方シリンダ32のみが中間支持枠24を後退させる。作動液が前方シリンダ31に供給されず、後方シリンダ32にのみ供給されるので、後方ピストンロッド32cが高速で後退し、中間支持枠24が高速で後退し、型開きが短時間で完了できる。
尚、本実施形態の前方ピストンロッド31cは、型開き開始時に、後方ピストン32bと接触しているが、後方ピストン32bと離れていてもよい。型開き開始後、十分な離型力が得られず後方ピストン32bが停止していると、前方ピストンロッド31cが後退して後方ピストン32bと接触し、後方ピストン32bを後方に押圧する。よって、十分な離型力が得られる。
また、本実施形態によれば、型開き開始時に、前方シリンダ31が後方シリンダ32を介して中間支持枠24を後方に押圧する。前方シリンダ31と後方シリンダ32とが直列に並ぶので、前方シリンダ31と後方シリンダ32とで構成されるシリンダアセンブリの小径化が可能である。シリンダアセンブリは射出金型12の中心線を避けて配設されてよく、複数のシリンダアセンブリが射出金型12の中心線を中心に対称に配設されてよい。尚、シリンダアセンブリは、直列に並ぶ3つ以上の液圧シリンダで構成されてもよい。
また、本実施形態によれば、型開き開始時に、前方ピストンロッド31cが後方ピストン32bを後方に押圧すると共に、後方ピストンロッド32cが中間支持枠24を後方に押圧する。前方シリンダ本体31aと後方シリンダ本体32aとが一体とされるので、シリンダアセンブリの長さが短い。また、前方シリンダ本体31aよりも軽い前方ピストンロッド31c、および後方シリンダ本体32aよりも軽い後方ピストンロッド32cが移動できるので、液圧ポンプ53の負荷が軽減できる。
尚、前方シリンダ本体31aと後方シリンダ本体32aとは分離されてもよく、型開き開始時に、前方ピストンロッド31cが後方ピストン32bの代わりに後方シリンダ本体32aを後方に押圧してもよい。
次に、図6〜図8を参照して、第1実施形態の変形例による移動装置130の構成について説明する。図6は、第1実施形態の変形例による中間支持枠の型開き開始時の状態を示す図である。図7は、第1実施形態の変形例による中間支持枠の型開きの途中での状態を示す図である。図8は、第1実施形態の変形例による中間支持枠の型開き完了時の状態を示す図である。
移動装置130は、フレーム111に対して中間支持枠124を移動させる装置であって、第1液圧シリンダとしての上方シリンダ131および第2液圧シリンダとしての下方シリンダ132などを有する。上方シリンダ131および下方シリンダ132は、第1部材としてのフレーム111に対して、第2部材としての中間支持枠124を移動させる。
上方シリンダ131は、液圧シリンダであって、上方シリンダ本体131a、上方シリンダ本体131a内の空間を前室と後室とに区画する上方ピストン131b、および上方ピストン131bと共に進退する上方ピストンロッド131cで構成される。
下方シリンダ132は、液圧シリンダであって、下方シリンダ本体132a、下方シリンダ本体132a内の空間を前室と後室とに区画する下方ピストン132b、および下方ピストン132bと共に進退する下方ピストンロッド132cで構成される。
上方シリンダ本体131aおよび下方シリンダ本体132aは別々に固定プラテン122に取り付けられる。上方ピストン131bのストロークは、下方ピストン132bのストロークよりも短い。上方ピストンロッド131cの先端部は中間支持枠124と接離自在に接触する。下方ピストンロッド132cの先端部は中間支持枠124に固定される。
上方シリンダ本体131aの前室と、下方シリンダ本体132aの前室とは、第1接続路を介して接続され、同じ液圧に保たれる。また、上方シリンダ本体131aの後室と、下方シリンダ本体132aの後室とは、第2接続路を介して接続され、同じ液圧に保たれる。
次に、図6〜図8を再度参照して、本変形例による移動装置130の動作について説明する。
図6に示す型開き開始時に、液圧ポンプが作動液を第1接続路に供給すると、第1接続路の液圧が上昇する。高圧の作動液が上方ピストン131bを後方に押圧し、上方ピストンロッド131cが中間支持枠124と接触して中間支持枠124を後方に押圧する。同時に、高圧の作動液が下方ピストン132bを後方に押圧し、下方ピストンロッド132cが中間支持枠124と接触して中間支持枠124を後方に押圧する。中間支持枠124を後退させる推進力が生じ、プリフォームを射出金型から剥がす離型力が生じる。
上方シリンダ131および下方シリンダ132が、中間支持枠124と接触し、中間支持枠124を後方に押圧するので、上方シリンダ131がない場合に比べて、中間支持枠124を後退させる推進力が強く、十分な離型力が発生できる。
プリフォームが射出金型から剥がれた後、引き続き、液圧ポンプが作動液を第1接続路に供給すると、第1接続路で接続される上方シリンダ本体131aの前室および下方シリンダ本体132aの前室が拡大する。よって、上方ピストンロッド131cおよび下方ピストンロッド132cが後退し、中間支持枠124が後退する。
図7に示すように上方ピストン131bが後退限位置(ストロークエンド)に到達した後、引き続き、液圧ポンプが作動液を第1接続路に供給すると、上方シリンダ本体131aの前室は拡大せずに、下方シリンダ本体132aの前室が拡大する。上方ピストンロッド131cが停止した状態で下方ピストンロッド132cが後退し、中間支持枠124がさらに後退する。
このとき、上方シリンダ131および下方シリンダ132のうち下方シリンダ132のみが中間支持枠124を後退させる。液圧ポンプから第1接続路への作動液の供給量が同じ場合、上方シリンダ本体131aの前室が拡大しない分、下方シリンダ本体132aの前室が高速で拡大し、中間支持枠124が高速で後退する。
図8に示すように型開きが完了すると、液圧ポンプが停止され、中間支持枠124が停止される。
本変形例によれば、下方シリンダ132の押圧動作中に、上方シリンダ131の押圧動作を停止する。型開き開始時に、上方シリンダ131と下方シリンダ132とが中間支持枠124を後方に押圧する。よって、型開き開始時に中間支持枠124を後退させる推進力が強く、プリフォームを射出金型から剥がす離型力が十分に発生できる。その後、上方シリンダ131および下方シリンダ132のうち下方シリンダ132のみが中間支持枠124を後退させる。作動液が上方シリンダ131に供給されず、下方シリンダ132にのみ供給されるので、下方ピストンロッド132cが高速で後退し、中間支持枠124が高速で後退し、型開きが短時間で完了できる。
また、上方シリンダ131と下方シリンダ132とがそれぞれ中間支持枠124と接触し、中間支持枠124を後方に押圧する。上方シリンダ131と下方シリンダ132とが並列に並ぶので、上方シリンダ131と下方シリンダ132とで構成されるシリンダアセンブリの全長が短い。シリンダアセンブリは射出金型の中心線を避けて配設されてよく、複数のシリンダアセンブリが射出金型の中心線を中心に対称に配設されてよい。尚、シリンダアセンブリは、並列に並ぶ3つ以上の液圧シリンダで構成されてもよい。
尚、中間支持枠の移動装置は、直列に並ぶ複数の液圧シリンダと、並列に並ぶ複数の液圧シリンダとを両方を有してもよい。
[第2実施形態]
上記第1実施形態の前方シリンダおよび後方シリンダは、フレーム11に対して中間支持枠24を移動させる移動装置を構成する。これに対し、本実施形態の前方シリンダおよび後方シリンダは、可動金型から成形品を突き出すエジェクタ装置を構成する。
図9は、本発明の第2実施形態による射出成形機の型締め時の状態を示す図である。射出成形機210は、型締め状態の固定金型212と可動金型213との間に形成されるキャビティ空間に成形材料を充填して成形品を射出成形する。射出成形機210は、例えば、型締装置220、射出装置260、およびエジェクタ装置280などを備える。
型締装置220は、例えば、固定プラテン222、可動プラテン223などで構成される。固定プラテン222は、フレーム211に固定されてよい。固定プラテン222の金型取付面には固定金型212が取り付けられる。可動プラテン223は、フレーム211に敷設されるガイド217に沿って進退自在とされる。可動プラテン223の金型取付面には、可動金型213が取り付けられる。型締装置220は、フレーム211に対して可動プラテン223を進退させることで、型閉じ、型締め、型開きを行う。
射出装置260は、型締め状態の固定金型212と可動金型213との間に形成されるキャビティ空間に成形材料を充填して成形品を成形する。
エジェクタ装置280は、型開き後、可動プラテン223に対して成形品突き出し部材216を前進させることで、可動金型213から成形品を突き出す。成形品の突き出し後、エジェクタ装置280は成形品突き出し部材216を突き出し開始位置に戻す。エジェクタ装置280は、例えば、第1液圧シリンダとしての後方シリンダ281、および第2液圧シリンダとしての前方シリンダ282を有する。後方シリンダ281および前方シリンダ282は、第1部材としての可動プラテン223に対して、第2部材としての成形品突き出し部材216を移動させる。
後方シリンダ281は、液圧シリンダであって、後方シリンダ本体281a、後方シリンダ本体281a内の空間を前室と後室とに区画する後方ピストン281b、および後方ピストン281bと共に進退する後方ピストンロッド281cで構成される。
前方シリンダ282は、液圧シリンダであって、前方シリンダ本体282a、前方シリンダ本体282a内の空間を前室と後室とに区画する前方ピストン282b、および前方ピストン282bと共に進退する前方ピストンロッド282cで構成される。
後方シリンダ本体281aは前方に配設される前方シリンダ本体282aと一体とされ、前方シリンダ本体282aは可動プラテン223に取り付けられる。後方ピストン281bのストロークは、前方ピストン282bのストロークよりも短い。後方ピストンロッド281cは、後方シリンダ本体281aの前室と前方シリンダ本体282aの後室とを隔てる隔壁に形成される貫通孔に移動自在に挿通され、前方ピストン282bと接離自在に接触する。前方ピストンロッド282cの先端部は、成形品突き出し部材216と接触する。
後方シリンダ本体281aの後室と、前方シリンダ本体282aの後室とは、第1接続路を介して接続され、同じ液圧に保たれる。また、後方シリンダ本体281aの前室と、前方シリンダ本体282aの前室とは、第2接続路を介して接続され、同じ液圧に保たれる。
本実施形態によれば、前方シリンダ282の押圧動作中に、後方シリンダ281の押圧動作を停止する。突き出し開始時に、後方シリンダ281および前方シリンダ282が成形品突き出し部材216を前方に押圧する。よって、突き出し開始時に成形品突き出し部材216を前進させる推進力が強く、成形品を可動金型213から剥がす離型力が十分に発生できる。その後、後方シリンダ281および前方シリンダ282のうち前方シリンダ282のみが成形品突き出し部材216を前進させる。作動液が後方シリンダ281に供給されず、前方シリンダ282にのみ供給されるので、前方ピストンロッド282cが高速で前進し、成形品突き出し部材216が高速で前進し、成形品の突き出しが短時間で完了できる。
尚、本実施形態の後方ピストンロッド281cは、突き出し開始時に、前方ピストン282bと接触しているが、前方ピストン282bと離れていてもよい。突き出し開始後、十分な離型力が得られず前方ピストン282bが停止していると、後方ピストンロッド281cが前進して前方ピストン282bと接触し、前方ピストン282bを前方に押圧する。よって、十分な離型力が得られる。
また、本実施形態によれば、突き出し開始時に、後方シリンダ281が前方シリンダ282を介して成形品突き出し部材216を前方に押圧する。後方シリンダ281と前方シリンダ282とが直列に並ぶので、後方シリンダ281と前方シリンダ282とで構成されるシリンダアセンブリの小径化が可能である。
また、本実施形態によれば、突き出し開始時に、後方ピストンロッド281cが前方ピストン282bを前方に押圧すると共に、前方ピストンロッド282cが成形品突き出し部材216を前方に押圧する。後方シリンダ本体281aと前方シリンダ本体282aとが一体とされるので、シリンダアセンブリの長さが短い。また、後方シリンダ本体281aよりも軽い後方ピストンロッド281c、および前方シリンダ本体282aよりも軽い前方ピストンロッド282cが移動できるので、液圧ポンプの負荷が軽減できる。
尚、後方シリンダ本体281aと前方シリンダ本体282aとは分離されてもよく、突き出し開始時に、後方ピストンロッド281cが前方ピストン282bの代わりに前方シリンダ本体282aを前方に押圧してもよい。
尚、本実施形態のエジェクタ装置280は、直列に並ぶ複数の液圧シリンダ(後方シリンダ281および前方シリンダ282)を有するが、第1実施形態の変形例と同様に、並列に並ぶ複数の液圧シリンダを有してもよい。また、エジェクタ装置280は、直接に並ぶ複数の液圧シリンダと、並列に並ぶ複数の液圧シリンダとを両方を有してもよい。
[第3実施形態]
上記第1実施形態の前方シリンダおよび後方シリンダは、フレーム11に対して中間支持枠24を移動させる移動装置を構成する。これに対し、本実施形態の前方シリンダおよび後方シリンダは、固定金型に対して中間金型を移動させる移動装置を構成する。
図10は、本発明の第3実施形態による射出成形機の型締め時の状態を示す図である。射出成形機310は、型締め状態の金型装置315に形成されるキャビティ空間に成形材料を充填して成形品を射出成形する。射出成形機310は、例えば、型締装置320、および射出装置360などを備える。
金型装置315は、スタック金型装置であって、固定金型312、可動金型313、および中間金型314で構成される。中間金型314は、固定金型312に対して進退自在とされる。中間金型314は、固定金型312と可動金型313との間に配設される中間金型本体部314aと、中間金型本体部314aから前方に突出するシュノーケル部314bとを有する。尚、シュノーケル部314bは、中間金型本体部314aから側方に突出してもよい。
型締装置320は、例えば、固定プラテン322、可動プラテン323、および移動装置330などで構成される。固定プラテン322は、フレーム311に固定されてよい。固定プラテン322の金型取付面には固定金型312が取り付けられる。可動プラテン323は、フレーム311に敷設されるガイド317に沿って進退自在とされる。可動プラテン323の金型取付面には、可動金型313が取り付けられる。
型締装置320は、フレーム311に対して可動プラテン323を進退させることで、型閉じ、型締め、型開きを行う。これに伴い、移動装置330が固定金型312に対して中間金型314を進退させる。
型閉じ工程では、フレーム311に対して可動プラテン323を前進させて、可動金型313を前進させる。このとき、移動装置330が中間金型314を前進させる。可動金型313が中間金型本体部314aと接触し、中間金型本体部314aが固定金型312と接触することで型閉じが完了する。
型締め工程では、フレーム311に対して可動プラテン323を前方に押圧して、型締力を発生させる。型締め状態で、射出装置360から射出された成形材料は、シュノーケル部314bに形成されるスプルーを通り、金型装置315に形成されるキャビティ空間に充填される。キャビティ空間は、中間金型本体部314aと固定金型312との間、および、中間金型本体部314aと可動金型313との間にそれぞれ形成される。
型開き工程では、フレーム311に対して可動プラテン323を後退させて、可動金型313を後退させる。このとき、移動装置330が中間金型314を後退させる。可動金型313が中間金型本体部314aから離間し、中間金型本体部314aが固定金型312から離間することで型開きが完了する。
次に、移動装置330の構成について説明する。移動装置330は、固定金型312に対して中間金型314を移動させる装置であって、第1液圧シリンダとしての前方シリンダ331、および第2液圧シリンダとしての後方シリンダ332などを有する。前方シリンダ331および後方シリンダ332は、第1部材としての固定金型312に対して、第2部材としての中間金型314を移動させる。
前方シリンダ331は、液圧シリンダであって、前方シリンダ本体331a、前方シリンダ本体331a内の空間を前室と後室とに区画する前方ピストン331b、および前方ピストン331bと共に進退する前方ピストンロッド331cで構成される。
後方シリンダ332は、液圧シリンダであって、後方シリンダ本体332a、後方シリンダ本体332a内の空間を前室と後室とに区画する後方ピストン332b、および後方ピストン332bと共に進退する後方ピストンロッド332cで構成される。
前方シリンダ本体331aは後方に配設される後方シリンダ本体332aと一体とされ、後方シリンダ本体332aは固定プラテン322に取り付けられる。前方ピストン331bのストロークは、後方ピストン332bのストロークよりも短い。前方ピストンロッド331cは、前方シリンダ本体331aの後室と後方シリンダ本体332aの前室とを隔てる隔壁に形成される貫通孔に移動自在に挿通され、後方ピストン332bと接離自在に接触する。後方ピストンロッド332cの先端部は中間金型314に固定される。
前方シリンダ本体331aの前室と、後方シリンダ本体332aの前室とは、第1接続路を介して接続され、同じ液圧に保たれる。また、前方シリンダ本体331aの後室と、後方シリンダ本体332aの後室とは、第2接続路を介して接続され、同じ液圧に保たれる。
本実施形態によれば、後方シリンダ332の押圧動作中に、前方シリンダ331の押圧動作を停止する。型開き開始時に、前方シリンダ331および後方シリンダ332が中間金型314を後方に押圧する。よって、型開き開始時に中間金型314を後退させる推進力が強く、成形品の離型力が十分に発生できる。その後、前方シリンダ331および後方シリンダ332のうち後方シリンダ332のみが中間金型314を後退させる。作動液が前方シリンダ331に供給されず、後方シリンダ332にのみ供給されるので、後方ピストンロッド332cが高速で後退し、中間金型314が高速で後退し、型開きが短時間で完了できる。
尚、本実施形態の前方ピストンロッド331cは、型開き開始時に、後方ピストン332bと接触しているが、後方ピストン332bと離れていてもよい。型開き開始後、十分な離型力が得られず後方ピストン332bが停止していると、前方ピストンロッド331cが前進して後方ピストン332bと接触し、後方ピストン332bを後方に押圧する。よって、十分な離型力が得られる。
また、本実施形態によれば、型開き開始時に、前方シリンダ331が後方シリンダ332を介して中間金型314を後方に押圧する。前方シリンダ331と後方シリンダ332とが直列に並ぶので、前方シリンダ331と後方シリンダ332とで構成されるシリンダアセンブリの小径化が可能である。シリンダアセンブリは固定金型312の中心線を避けて配設されてよく、複数のシリンダアセンブリが固定金型312の中心線を中心に対称に配設されてよい。尚、シリンダアセンブリは、直列に並ぶ3つ以上の液圧シリンダで構成されてもよい。
また、本実施形態によれば、型開き開始時に、前方ピストンロッド331cが後方ピストン332bを後方に押圧すると共に、後方ピストンロッド332cが中間金型314を後方に押圧する。前方シリンダ本体331aと後方シリンダ本体332aとが一体とされるので、シリンダアセンブリの長さが短い。また、前方シリンダ本体331aよりも軽い前方ピストンロッド331c、および後方シリンダ本体332aよりも軽い後方ピストンロッド332cが移動できるので、液圧ポンプの負荷が軽減できる。
尚、前方シリンダ本体331aと後方シリンダ本体332aとは分離されてもよく、型開き開始時に、前方ピストンロッド331cが後方ピストン332bの代わりに後方シリンダ本体332aを後方に押圧してもよい。
尚、本実施形態の移動装置330は、直列に並ぶ複数の液圧シリンダ(前方シリンダ331および後方シリンダ332)を有するが、第1実施形態の変形例と同様に、並列に並ぶ複数の液圧シリンダを有してもよい。また、移動装置330は、直接に並ぶ複数の液圧シリンダと、並列に並ぶ複数の液圧シリンダとを両方を有してもよい。
また、本実施形態の移動装置330は、型締装置320に含まれるが、金型装置315に含まれてもよい。この場合、前方シリンダ本体331aや後方シリンダ本体332aは、固定金型312に取り付けられてよい。
[第4実施形態]
上記第1実施形態の前方シリンダおよび後方シリンダは、フレーム11に対して中間支持枠24を移動させる移動装置を構成する。これに対し、本実施形態の前方シリンダおよび後方シリンダは、固定金型に対して中間金型を移動させる移動装置を構成する。
図11は、本発明の第4実施形態による射出成形機の型締め時の状態を示す図である。射出成形機410は、型締め状態の金型装置415に形成されるキャビティ空間に成形材料を充填して成形品を射出成形する。射出成形機410は、例えば、型締装置420、および射出装置460などを備える。
金型装置415は、3枚金型装置であって、固定金型412、可動金型413、および中間金型414で構成される。固定金型412は、固定プラテン422に取り付けられる固定側取付板412a、ランナーストリッパープレート412bなどで構成される。中間金型414は、固定金型412に対して進退自在とされる。中間金型414は、固定金型412と可動金型413との間に配設され、可動金型413との間にキャビティ空間を形成する。
型締装置420は、例えば、固定プラテン422、可動プラテン423、および移動装置430などで構成される。固定プラテン422は、フレーム411に固定されてよい。固定プラテン422の金型取付面には固定金型412が取り付けられる。可動プラテン423は、フレーム411に敷設されるガイド417に沿って進退自在とされる。可動プラテン423の金型取付面には、可動金型413が取り付けられる。
型締装置420は、フレーム411に対して可動プラテン423を進退させることで、型閉じ、型締め、型開きを行う。これに伴い、移動装置430が固定金型412に対して中間金型414を進退させる。
型閉じ工程では、フレーム411に対して可動プラテン423を前進させて、可動金型413を前進させる。このとき、移動装置430が中間金型414を前進させる。可動金型413が中間金型414と接触し、中間金型414が固定金型412と接触することで型閉じが完了する。
型締め工程では、フレーム411に対して可動プラテン423を前方に押圧して、型締力を発生させる。型締め状態で、射出装置460から射出された成形材料は、固定金型412に形成されるスプルー、および固定金型412と中間金型414との間に形成されるランナーなどを通り、中間金型414と可動金型413との間に形成されるキャビティ空間に充填される。
型開き工程では、フレーム411に対して可動プラテン423を後退させて、可動金型413を後退させる。このとき、移動装置430が中間金型414を後退させる。可動金型413が中間金型414から離間し、中間金型414が固定金型412から離間することで型開きが完了する。型開きによって、スプルーやランナーと、成形品とが切り離される。
次に、移動装置430の構成について説明する。移動装置430は、固定金型412に対して中間金型414を移動させる装置であって、第1液圧シリンダとしての前方シリンダ431、および第2液圧シリンダとしての後方シリンダ432などを有する。前方シリンダ431および後方シリンダ432は、第1部材としての固定金型412に対して、第2部材としての中間金型414を移動させる。
前方シリンダ431は、液圧シリンダであって、前方シリンダ本体431a、前方シリンダ本体431a内の空間を前室と後室とに区画する前方ピストン431b、および前方ピストン431bと共に進退する前方ピストンロッド431cで構成される。
後方シリンダ432は、液圧シリンダであって、後方シリンダ本体432a、後方シリンダ本体432a内の空間を前室と後室とに区画する後方ピストン432b、および後方ピストン432bと共に進退する後方ピストンロッド432cで構成される。
前方シリンダ本体431aは後方に配設される後方シリンダ本体432aと一体とされ、後方シリンダ本体432aは固定プラテン422に取り付けられる。前方ピストン431bのストロークは、後方ピストン432bのストロークよりも短い。前方ピストンロッド431cは、前方シリンダ本体431aの後室と後方シリンダ本体432aの前室とを隔てる隔壁に形成される貫通孔に移動自在に挿通され、後方ピストン432bと接離自在に接触する。後方ピストンロッド432cの先端部は中間金型414に固定される。
前方シリンダ本体431aの前室と、後方シリンダ本体432aの前室とは、第1接続路を介して接続され、同じ液圧に保たれる。また、前方シリンダ本体431aの後室と、後方シリンダ本体432aの後室とは、第2接続路を介して接続され、同じ液圧に保たれる。
本実施形態によれば、後方シリンダ432の押圧動作中に、前方シリンダ431の押圧動作を停止する。型開き開始時に、前方シリンダ431および後方シリンダ432が中間金型414を後方に押圧する。よって、型開き開始時に中間金型414を後退させる推進力が強く、スプルーやランナーなどで固化した成形材料の離型力が十分に発生できる。その後、前方シリンダ431および後方シリンダ432のうち後方シリンダ432のみが中間金型414を後退させる。作動液が前方シリンダ431に供給されず、後方シリンダ432にのみ供給されるので、後方ピストンロッド432cが高速で後退し、中間金型414が高速で後退し、型開きが短時間で完了できる。
尚、本実施形態の前方ピストンロッド431cは、型開き開始時に、後方ピストン432bと接触しているが、後方ピストン432bと離れていてもよい。型開き開始後、十分な離型力が得られず後方ピストン432bが停止していると、前方ピストンロッド431cが前進して後方ピストン432bと接触し、後方ピストン432bを後方に押圧する。よって、十分な離型力が得られる。
また、本実施形態によれば、型開き開始時に、前方シリンダ431が後方シリンダ432を介して中間金型414を後方に押圧する。前方シリンダ431と後方シリンダ432とが直列に並ぶので、前方シリンダ431と後方シリンダ432とで構成されるシリンダアセンブリの小径化が可能である。シリンダアセンブリは固定金型412の中心線を避けて配設されてよく、複数のシリンダアセンブリが固定金型412の中心線を中心に対称に配設されてよい。尚、シリンダアセンブリは、直列に並ぶ3つ以上の液圧シリンダで構成されてもよい。
また、本実施形態によれば、型開き開始時に、前方ピストンロッド431cが後方ピストン432bを後方に押圧すると共に、後方ピストンロッド432cが中間金型414を後方に押圧する。前方シリンダ本体431aと後方シリンダ本体432aとが一体とされるので、シリンダアセンブリの長さが短い。また、前方シリンダ本体431aよりも軽い前方ピストンロッド431c、および後方シリンダ本体432aよりも軽い後方ピストンロッド432cが移動できるので、液圧ポンプの負荷が軽減できる。
尚、前方シリンダ本体431aと後方シリンダ本体432aとは分離されてもよく、型開き開始時に、前方ピストンロッド431cが後方ピストン432bの代わりに後方シリンダ本体432aを後方に押圧してもよい。
尚、本実施形態の移動装置430は、直列に並ぶ複数の液圧シリンダ(前方シリンダ431および後方シリンダ432)を有するが、第1実施形態の変形例と同様に、並列に並ぶ複数の液圧シリンダを有してもよい。また、移動装置430は、直接に並ぶ複数の液圧シリンダと、並列に並ぶ複数の液圧シリンダとを両方を有してもよい。
また、本実施形態の移動装置430は、型締装置420に含まれるが、金型装置415に含まれてもよい。この場合、前方シリンダ本体431aや後方シリンダ本体432aは、固定金型412に取り付けられてよい。
以上、射出成形機の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、置換が可能である。
例えば、上記実施形態の液圧ポンプは複数の液圧シリンダに高圧の作動液を供給するが、複数の液圧シリンダに対応して複数の液圧ポンプが設けられてもよい。
また、上記実施形態の射出成形機は、水平方向に型開閉する横型であるが、上下方向に型開閉する竪型でもよい。
また、上記実施形態の型締装置は、トグル機構を使用して型締力を発生させるが、トグル機構を使用することなく、型締モータによって発生した推進力を直接型締力として可動プラテン23に伝達してもよい。また、型締装置は、流体圧シリンダによって発生した推進力を直接型締力として可動プラテンに伝達してもよい。また、型締装置は、リニアモータによって型開閉を行い、電磁石によって型締めを行ってもよい。