JP6024574B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
画像形成装置は、後処理装置が装着されていると、プリントジョブの実行に際し、後処理の要否、後処理の条件等をユーザーが設定できるように、操作パネルに所定の画面を表示する。しかし、後処理装置は、例えば故障等によって画像形成装置から取り外される場合がある。このために、画像形成装置は、電源が投入されるごとに、後処理装置が装着されているのか装着されていないのかを、例えば後処理装置との通信に基づいて判定する初期通信処理を実行する。
画面の初期設定処理とは、具体的には、装着された後処理装置が例えばステープル綴じが可能な種類のものであれば、通常のプリント機能による枚数や濃度などのユーザーからの指定を受け付けるための表示画面とは別に、ステープル綴じの実行や機能選択などを受け付けるための表示画面を生成して操作パネルに表示させる処理である。ユーザーは、この表示画面からステープル綴じの実行指示などを行うことができる。
初期通信処理では、画像形成装置は、発信した初期通信信号に対する応答信号の受信の有無に基づいて、後処理装置の装着および非装着を判定する。画像形成装置に後処理装置が装着されている場合には、当該後処理装置が初期通信信号を受信すると、応答信号を画像形成装置に送信する。
リトライ通信は、通常、2回以上にわたって実行される。リトライ通信によっても、所定の基準時間内に応答信号を受信しない場合には、後処理装置が非装着状態であると判定する。リトライ通信については、特許文献1および2に開示されている。
例えば、穴機能を有する第1後処理装置でパンチ穴を開けられた記録シートを、ステープル綴じ機能を有する第2後処理装置に搬送し、パンチ穴を開けられた複数枚の記録シートの束を第2後処理装置でステープル綴じして出力する構成などである。
連続装着の場合、第1後処理装置が第2後処理装置の装着判定を行い、第2後処理装置が第3後処理装置の装着判定を行うようになるので、画像形成装置は、第1後処理装置を介して第2後処理装置などの他の後処理装置の判定結果を取得することができる。従って、1台の後処理装置が装着されている場合よりも連続装着の場合の方が、その判定に要する時間が長くかかることになる。
これに対して、画像形成装置に後処理装置が装着されていない場合には、最初に初期通信信号を発信してから所定の基準時間が経過しても応答信号を受信しないために、リトライ通信が複数回にわたって実行される。そして、リトライ通信によっても応答信号を受信しない場合に、後処理装置が非装着状態であると判定される。
操作パネルの初期設定処理の開始が遅れると、それだけユーザーは、電源が投入されてから操作パネルの画面上における後処理機能の選択などの入力操作を比較的長い時間にわたって待たされることになる。また、ユーザーは、後処理機能の選択などの自己の入力操作を終えていなければプリントジョブの実行指示も行えないので、それだけジョブ開始も遅れることになり、ユーザーの利便性が損なわれるおそれがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、後処理装置などの周辺機器が画像形成装置に装着される可能性を有する構成において、非装着状態であることを判定する時間を短縮して、ユーザーの利便性が損なわれることを抑制できる画像形成装置を提供することにある。
ここで、前記制御手段は、前記判定時間を、最初の初期通信信号の発信から、最後の初期通信信号に対する応答信号の受信を確認するための所定時間が経過したときまでの時間とし、前記時間間隔および前記発信回数のいずれか一方または両方を変更することにより、当該判定時間を可変設定するとしても良い。
さらに、n(但し、nは2以上の整数)個の周辺機器が装着可能であり、自装置に装着された周辺機器を第1番目の周辺機器とすると、自装置と第1番目の周辺機器との間で相互に通信が可能になると共に、第m番目(但し、mは1以上の整数かつ(n−1)以下の整数)の周辺機器に、第(m+1)番目の周辺機器が装着されている場合には、第m番目の周辺機器と第(m+1)番目の周辺機器との間で相互に通信が可能であり、第m番目の周辺機器が第(m+1)番目の周辺機器の装着確認を行い、その確認結果が通信可能な周辺機器同士間を通じて第1番目の周辺機器に通知される構成であり、前記制御手段は、初期通信処理において、第1番目の周辺機器から受信した応答信号に基づいて1個以上の周辺機器が装着状態であると判定すると、その判定結果を前記記憶手段に記憶させ、前回の初期通信処理による判定結果として前記記憶手段にp(但し、pは1以上の整数)個の周辺機器の装着状態が記憶されている場合には、q(但し、pよりも大きい整数)個の周辺機器の装着状態が記憶されている場合よりも、前記時間間隔および前記発信回数のいずれか一方または両方を減少させるとしても良い。
さらに、前記周辺機器は、当該画像形成装置からプリントアウトされるシートに対して所定の後処理を実行する後処理装置であるとしても良い。
以下に、本発明に係る画像形成装置の実施形態について、MFP(Multiple Function Peripheral)に基づいて説明する。
<MFP>
図1は、本実施形態のMFP10の正面側から見た構成を示す模式図である。
図1に示すように、MFP10は、記録シート上に画像を形成するプリント部11と、プリント部11上に設けられた画像読取部15とを備えている。MFP10の正面側部分には、各種データの入力および表示を行う操作パネル14が設けられている。
プリント部11は、画像読取部15において読み取られた原稿の画像データ、ネットワーク(例えばLAN)を介して外部の端末装置から入力される画像データ等に基づいて、モノクロの画像を、記録用紙、OHPシート等の記録シートに形成する。
感光体ドラム11aは、図1に矢印Aで示す方向に回転駆動される。帯電装置11bは、感光体ドラム11aの上部に対して左側(正面から奥側に向って左側。以下において、単に「左側」と称し、反対側を「右側」と称する)に設けられている。帯電装置11bに対して感光体ドラム11aの回転方向の下流側には、露光装置11c、現像装置11d、転写ローラー11eが順番に設けられている。
帯電された感光体ドラム11aの表面は、露光装置11cから照射されるレーザ光Lによって露光される。
露光装置11cは、画像データに対応したレーザ光Lを感光体ドラム11aの表面に照射する。これにより、感光体ドラム11aの表面上に静電潜像が形成される。
転写ローラー11eは、感光体ドラム11aの右側において、感光体ドラム11aに接触した状態で設けられており、感光体ドラム11aの回転に追従して矢印Bで示す方向に回転する。転写ローラー11eと感光体ドラム11aとの間には転写ニップTが形成されている。
感光体ドラム11a上に形成されたトナー画像は、転写ニップTを通過する記録シートSに、転写ローラー11eに印加された転写電圧によって発生する転写電界の作用によって転写される。トナー画像が転写された記録シートSは、感光体ドラム11aから剥離されて定着部11kへ搬送される。
排紙経路11mは、定着部11kを通過した記録シートSを、左側の側方に向けて搬送する。排紙経路11mを搬送される記録シートSは、排出センサー11tによって検出された後に、排出ローラー11nによって、プリント部11から左側に向って排出(プリントアウト)される。
図1に示すように、第1後処理装置21は、排出ローラー11nによって、プリント部11から排出される記録シートSを受け取ることができるように、画像読取部15の下側に配置されている。この第1後処理装置21は、本実施形態では、プリント部11からプリントアウトされた記録シートを、右側から左側方向へ水平状態で搬送する水平搬送ユニットになっている。第1後処理装置21には、記録シートSを搬送するための各種処理を実行させる第1後処理CPU21aが設けられている。
第3後処理装置23には、記録シートに対して穴開け処理に必要とされる各種処理を実行させる第3後処理CPU23aが設けられている。なお、穴開け処理に限られず、例えばステープル綴じ処理などであっても良い。
図2は、MFP10の制御系を説明するためのブロック図である。MFP10には、メインCPU12aとサブCPU12bとが設けられている。
メインCPU12aは、記録シートの搬送等を制御する。サブCPU12bは、画像読取部15、プリント部11における画像形成処理部11Aおよび定着部11kのそれぞれを制御する。メインCPU12aは、サブCPU12bを制御する。
また、メインCPU12aはメインモーター駆動回路12dを制御する。メインモーター駆動回路12dは、記録シートSの搬送等のためにプリント部11に設けられたメインモーター11xの駆動回路である。同様に、メインCPU12aは、給紙モーター駆動回路12eを制御する。給紙モーター駆動回路12eは、給紙ローラー11gを駆動する給紙モーター11yの駆動回路である。さらに、メインCPU12aは、排出モーター駆動回路12fを制御する。排出モーター駆動回路12fは、排出ローラー11nを駆動する排出モーター11zの駆動回路である。
バックアップメモリー12hは、画像形成処理の調整等のためのデータ、後述する初期通信処理によって得られるバックアップデータ等を記憶する。なお、バックアップメモリー12hには、例えばフラッシュメモリー、書き換え可能なROM、バックアップ電源に接続されたRAMなどの不揮発性の記憶手段を用いることができる。
さらに、第2後処理装置22に対して第3後処理装置23が装着されると、第2後処理CPU22aと第3後処理CPU23aとの間に第3通信ライン26が形成(確立)される。第3通信ライン26が形成されると、第2後処理CPU22aは第3後処理CPU23aとの間で相互に非同期通信(UART通信)が可能になる。
また、第2後処理CPU22aには、第1後処理CPU21aと第2通信ライン25を確立するための通信ポートと、第3後処理CPU23aと第3通信ライン26を確立するための通信ポートが設けられている。
メインCPU12aは、MFP10の電源オン時に、MFP10に、1または複数の後処理装置の装着状態、あるいは、後処理装置の非装着状態を判定するために初期通信処理を実行する。この初期通信処理では、ここでは第1後処理装置のみの装着状態(以下、「第1装着状態」とする)、第1後処理装置21と第2後処理装置22の装着状態(以下、「第2装着状態」とする)、第1後処理装置21と第2後処理装置22と第3後処理装置23の装着状態(以下、「第3装着状態」とする)、第1後処理装置21が装着されていない状態(全ての後処理装置が装着されていない状態、以下、「非装着状態」とする)のいずれであるかが判定される。
次に、メインCPU12aが実行する初期通信処理の概要について説明する。
初期通信処理では、メインCPU12aは、通信ポートPoから初期通信信号(初期通信コマンド)を発信して、所定の判定時間が経過するまでの間に応答信号を受信するかを確認する。判定時間内に応答信号を受信した場合には、後処理装置が装着されているものと判定し、応答信号に含まれる各種データに基づいて、「第1装着状態」、「第2装着状態」、「第3装着状態」のいずれであるかを判定する。また、所定の判定時間が経過するまでの間に応答信号を受信しない場合には、後処理装置が非装着状態であると判定する。
初期通信処理において、メインCPU12aの通信ポートPoから初期通信信号FSが、第1後処理CPU21aに送信されると、第1後処理CPU21aは、第1確認信号KSaを、第2通信ライン25を介して第2後処理CPU22aに送信する。
メインCPU12aは、所定の基準時間内に第1応答信号RS1を受信すると、第1応答信号RS1に含まれた「第1識別コード」および「第2識別コード」に基づいて「第2装着状態」であると判定する。これにより、メインCPU12aは、「第2装着状態」であることを示す「第2装着情報」と、受信した「第1識別コード」および「第2識別コード」とを、バックアップデータとしてバックアップメモリー12hに書き込む。
初期通信処理において、メインCPU12aが通信ポートPoから初期通信信号FSを発信すると、第1後処理CPU21aは初期通信信号FSを受信する。これにより、第1後処理CPU21aは、第2後処理装置22の装着を確認するために、第1確認信号KSaを発信する。
メインCPU12aは、第1応答信号RS1を受信すると、第1応答信号RS1に含まれた「第1識別コード」に基づいて「第1装着状態」であると判定する。これにより、メインCPU12aは、「第1装着状態」であることを示す「第1装着情報」と、「第1識別コード」とを、バックアップデータとしてバックアップメモリー12hに書き込む。
このように複数の後処理装置を連続装着とする場合、後処理装置の個数が多くなるほど、各装置での信号の入出力時の遅延やCPU間の処理速度の差による応答遅れなどの加算により、MFP10のメインCPU12aが初期通信信号FSを発信してから第1後処理装置21からの第1応答信号RS1を受信するまでに要する時間が長くなる。
一方、後処理装置が装着されていない非装着の場合には、MFP10のメインCPU12aは、初期通信信号FSを発信しても第1応答信号RS1を受信できない。
これを判定しようとすれば、上記同様にリトライ通信を何回か行えば良いが、非装着か否かが判らない以上、最大の台数が装着されている可能性を考慮して、その最大の台数に応じたリトライ回数、上記では3回とする必要が生じる。
一方で、前回の初期通信処理での判定結果が非装着ではなく装着であれば、今回の初期通信処理では、前回に判定された装着台数に応じたリトライ回数、例えば1台であれば2回、2台以上であれば3回というようにリトライ回数を設定することにより、装着台数の増加による応答遅れが生じても、装着の判定精度をより高めることができる。
なお、リトライ通信における初期通信信号FSの発信間隔(上記の基準時間)は、台数に関係なく、本実施形態1では500msである。
<メインCPUのメインルーチン>
図4は、メインCPU12aにおいて実行される制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
メインCPU12aは、MFP10の電源が投入されると、初期通信処理を実行する(図4のステップS11)。初期通信処理が実行されると、後述のようにその判定結果である「装着情報」または「非装着情報」がバックアップメモリー12hにバックアップデータとして書き込まれる。
サブCPU12bは、操作パネル14の初期設定処理に際して、メインCPU12aから「装着情報」および「識別コード」が送信されると、「識別コード」によって識別される後処理装置のそれぞれの種類に応じた表示画面、例えば「識別コード」からステープル綴じ機能を有する後処理装置が装着されていることが判ると、通常のプリント枚数の指定や濃度選択といった基本機能にパンチ穴や紙折りに関する後処理機能を加えた画面を生成して表示させる。複数の「識別コード」が送信された場合には、それぞれの「識別コード」の後処理装置の種類に応じた表示画面が生成、表示される。この画面の生成と表示が、装着された後処理装置に応じた表示画面の初期設定となる。
メインCPU12aは、初期設定処理が終了すると、ユーザーからのプリントジョブの実行指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS13)。プリントジョブの実行指示を受け付けていない場合には(ステップS13において「No」)、ステップS14〜S19をスキップして、ステップS20に進む。
後処理装置が「非装着状態」でない場合には(ステップS14において「No」)、後処理装置におけるステープル綴じなどの後処理機能がユーザーにより選択されているか否かを判断する(ステップS15)。この判断は、操作パネル14に表示される初期設定後の表示画面上におけるユーザーによる後処理機能の選択指示や、外部の端末装置からの後処理機能の選択指示の有無により行われる。
ステップS18では、プリント部11におけるプリント処理を実行するために、記録シートSの搬送処理を実行する。この場合、メインCPU12aは、サブCPU12bに対して、プリント処理に必要な動作(画像形成、定着処理等)の実行を指示し(ステップS19)、サブCPU12bは、指示されたプリント処理に必要な動作を実行する。
<初期通信処理の処理手順>
図5は、メインCPU12aが図4のステップS11で実行する初期通信処理の処理手順(サブルーチン)を示すフローチャートである。このフローチャートに基づいて、初期通信処理の処理手順について説明する。なお、本実施形態では、前述したように、基準時間を500msの一定時間に設定している。
次に、バックアップデータが「装着情報」および「非装着情報」のいずれであるかを確認する(ステップS22)。「非装着情報」の場合には(ステップS22において「Yes」)、初期通信信号FSの最大発信回数(リトライ通信のための発信回数を含む)を2回に設定する(ステップS23)。その後、ステップS31に進む。
ステップS31では、初期通信信号FSを通信ポートPoから発信するとともに、初期通信信号FSの発信回数のカウント値を1回にセットする。その後、500msの基準時間が経過したかを確認する(ステップS32)。この場合、基準時間が経過するまでの間は(ステップS32において「No」)、第1応答信号RS1を受信したかを確認する(ステップS36)。
次いで、「識別コード」と、設定された「装着情報」とをバックアップデータとしてバックアップメモリー12hに書き込む(ステップS39)。この書き込みは、前回のデータから今回のデータに更新することに行われる。その後、初期通信処理を終了して、図4のメインルーチンにリターンする。
この場合、最大発信回数は2回以上に設定されるために、初期通信信号FSの発信回数のカウント値が2回未満の場合には(ステップS33において「No」)、リトライ通信のために初期通信信号FSを再発信するとともに、発信回数のカウント値を1回だけ増加する(ステップS34)。その後、ステップS32に戻る。
本実施形態1では、メインCPU12aと第1後処理CPU21a間、第1後処理CPU21aと第2後処理CPU22a間などCPU同士間が非同期で通信される(UART通信)構成になっている。これにより、リトライ通信のために2回目の初期通信信号FSが発信された後であっても、最初の初期通信信号FSに対する第1応答信号RS1を受信することができる。
なお、上記の工場出荷時にバックアップデータが書き込まれる構成に代えて、例えばMFP10の設置時にサービスマンなどが操作パネル14から非装着または装着情報を入力する操作を行い、入力情報がバックアップデータとして書き込まれる構成としても良い。
次に、本実施形態において実行される初期通信処理の具体例について説明する。
まず、前回の初期通信処理の実行によって、バックアップメモリー12hに書き込まれたバックアップデータが「非装着情報」の場合について、図6のシーケンス図に基づいて説明する。
(1)バックアップデータが「非装着情報」の場合
バックアップデータが「非装着情報」であると、今回の初期通信処理の実行時においても「非装着状態」である蓋然性が高いことから、初期通信信号FSの最大発信回数を2回(リトライ通信のための発信回数は1回)に設定する(図5のステップS23)。
メインCPU12aは、500msの基準時間内に第1応答信号RS1を受信しなければ、リトライ通信(1回目)として、2回目となる初期通信信号FS2を発信する。この場合も、メインCPU12aは、初期通信信号FS2の発信から500msの基準時間が経過するまでの間に、第1応答信号RS1(図6の一点鎖線参照)を受信しない。メインCPU12aは、リトライ通信(1回目)による初期通信信号FS2の発信から基準時間である500ms経過時に「非装着状態」であると判定し、バックアップメモリー12hに「非装着情報」を書き込んで、初期通信処理を終了する。
前回の装着状態の判定結果を記憶していない従来相当の構成をとれば、今回の電源オン時での装着状態が全く不明なので、上記のようにリトライ通信を後処理装置の最大装着可能台数に応じた回数、例えば3回、実行して初めて非装着を判定することができる。
通常、ユーザーがMFP10の電源スイッチをオンしてMFP10を起動させるのは、プリントなどのジョブを実行させたいからであり、ユーザーがジョブの実行を操作パネル14から指示するには、操作パネル14の初期設定処理が終了している必要がある。
後処理装置が装着されていないにも関わらず、その判定のためにリトライ通信を何回も行えば、それだけユーザーは入力操作を待たされることになる。後処理装置が元々、非装着であれば、この入力操作を待つことが、MFP10の設置時からライフを通じてMFP10の寿命に至るまでの例えば数年間という長い期間に亘って繰り返されることになり、ユーザーにとって不便である。
なお、バックアップデータが「非装着情報」であるが、今回の電源オン時に、第1後処理装置21が装着されている「第1装着状態」に変わっている場合には、図6に破線で示すように、メインCPU12aは、最初の初期通信信号FS1の発信から500msの基準時間が経過するまでの間に第1応答信号RS1を受信すれば、「第1装着状態」であることを確認することができる。
さらに、バックアップデータが「非装着情報」であるが、今回の電源オン時に、「第2装着状態」に変わっている場合には、図7に示すようになる。
また、第1後処理CPU21aと第2後処理CPU22a間の処理速度差による応答遅れなどによって、第1応答信号RS1(破線)の到達が遅延し、最初の初期通信信号FS1を発信から500msの基準時間が経過するまでの間に、第1応答信号RS1を受信できなければ、リトライ通信により初期通信信号FS2(一点鎖線)が発信される。
ここで「第2装着状態」では、上記図3で説明したようにメインCPU12aは、第1後処理CPU21aからの第1応答信号RS1(一点鎖線)を最初の初期通信信号FS1の発信から600msを経過する直前に受信する場合もある。
この場合でも、2回目である初期通信信号FS2の発信から500msの基準時間が経過するまでの間に、初期通信信号FS2に対する第1応答信号RS1(一点鎖線)を受信できれば、その時点で「第2装着状態」を確認できる。
このようになれば、実際には「第2装着状態」であっても、2回目の基準時間が経過した時点で「非装着状態」と誤判定されることになる。しかしながら、「非装着状態」から「第2装着状態」に設置環境が変化することは少なく、かつ、通信エラーと遅延の長引くことの両方が同時に発生することも稀であることから、これらが重なって生じる蓋然性も低いとして、本実施形態1では、最低限である1回のリトライ通信の実行を確保して、「非装着状態」であることの判定に要する時間を短縮させることを優先させている。このことは、「第3装着状態」の場合も同様である。
バックアップデータが「第1装着情報」である場合には、今回の電源オン時も前回と同様に、1台の後処理装置21だけがそのまま装着状態になっている可能性が高いことから、初期通信信号FSの最大発信回数が「非装着状態」の2回よりも1回多い3回に設定される(図5のステップS25)。
また、極めて稀であるが最初と2回目の初期通信信号FS1とFS2の両方に対する第1応答信号RS1を通信エラーなどにより受信できなくても、3回目の初期通信信号FS3に対する第1応答信号RS1を受信できれば、第1装着状態を確認することができる。
なお、バックアップデータが「第1装着情報」であるが、今回の電源オン時に、後処理装置が「非装着状態」に変わっている場合、具体的には第1後処理装置21の故障などにより一時的に第1後処理装置21がMFP10から取り外されているような場合には、実際には第1後処理装置21が装着されていないので、初期通信信号FSを発信しても第1後処理CPU21aから第1応答信号RS1を受信できない。
次回の電源オン時には、この「非装着情報」に基づき、最大発信回数が2回に制限されて(図5のステップS23)、非装着状態の判定がなされる。
バックアップデータが「第2装着情報」または「第3装着情報」の場合も、上記の「第1装着情報」の場合と同様に、2台または3台の後処理装置が今回の電源オン時にもそのまま装着されている蓋然性が高いことから、初期通信信号FSの最大発信回数が「第1装着状態」の3回よりも1回多い4回に設定される(図5のステップS26)。
また、実際には「非装着状態」であれば、上記(2)同様に、次回以降の電源オン時には、最大発信回数が2回に制限されて、非装着状態の判定がなされる。
上記実施形態1では、第1応答信号RS1の基準時間を、初期通信信号FSの発信から500msの一定時間に設定して、初期通信信号FSの最大発信回数を、バックアップデータに基づいて変更することにより、判定時間を可変設定する構成とした。
これに対して、本実施形態2では、初期通信信号FSの最大発信回数を一定値(2回)に設定して、第1応答信号RS1の受信を確認するための基準時間(初期通信信号の発信間隔:時間間隔)を、バックアップデータに基づいて変更することにより、判定時間を可変設定する構成としている。
本実施形態2では、最大発信回数を2回に固定してメインCPU12aの処理負担を低減しつつ、リトライ通信を1回は実行することにより通信エラーに対応し、かつ基準時間を装着状態に適した時間に変更することで、応答遅れなどが生じても第1応答信号RS1を受信できるようにしている。
初期通信処理が開始されると、メインCPU12aは、前回の初期通信処理においてバックアップメモリー12hに書き込まれたバックアップデータを読み出す(図8のステップS41)。
バックアップデータが「非装着情報」でない場合には(ステップS42において「No」)、バックアップデータが「第1装着情報」であるかを確認する(ステップS44)。「第1装着情報」の場合には(ステップS44において「Yes」)、基準時間を600msに設定し(ステップS45)、ステップS49に進む。
「第1装着状態」の場合、第1後処理CPU21aによる第1応答信号RS1の発信遅れが生じるおそれがあり、これが生じない「非装着状態」の場合よりも判定時間を長くすることにより、その第1応答信号RS1をメインCPU12aで受信できる蓋然性が高くなり、誤判定を低減できるようになる。なお、判定時間が実施形態1と異なることは、次に説明する「第2装着状態」と「第3装着状態」の場合についても同様である。
このように、前回の初期通信処理の実行によって「第2装着状態」と判定された場合には、現時点でも「第2装着状態」の可能性が高い。このことから、「第2装着状態」において第1応答信号RS1が遅延した場合にも、最大発信回数を2回とする条件下で、第1応答信号RS1の受信を確認できる可能性が高い700msに設定している。この場合、判定時間は、1400msになる。
このように、前回の初期通信処理の実行によって「第3装着状態」と判定された場合には、現時点でも「第3装着状態」の可能性が高い。このことから、「第3装着状態」において第1応答信号RS1が遅延した場合にも、最大発信回数を2回とする条件下で、第1応答信号RS1の受信を確認できる可能性が高い800msに設定している。この場合、判定時間は、1600msになる。
ステップS31〜S39の処理は、実施形態1における図5のフローチャートのステップS31〜S39の処理と同様である。
すなわち、メインCPU12aから初期通信信号FSが発信されると、基準時間が経過するまでの間に第1応答信号RS1を受信したかを確認し、受信しない場合には、初期通信信号FSを最大発信回数にわたって発信する(ステップS31〜S34)。そして、第1応答信号RS1を受信した場合には、受信した第1応答信号RS1に基づいて得られる「装着情報」および「識別コード」をバックアップメモリー12hに書き込み(ステップS37〜S39)、第1応答信号RS1を受信しない場合には、「非装着情報」をバックアップメモリー12hに書き込む(ステップS35、S39)。以上により、初期通信処理を終了する。
次に、本実施形態2において実行される初期通信処理の具体例について説明する。
バックアップデータが「非装着情報」の場合には、基準時間が500msに設定され(図8のステップS43)、初期通信信号FSの最大発信回数が2回(リトライ通信の発信回数は1回)なので(図8のステップS49)、実施形態1と同じ条件で非装着状態の判定が実行される。
なお、今回の初期通信処理の実行時に、実際には「非装着状態」に変わっていると、「非装着状態」の判定に要する判定時間は、1200ms(=600ms×2)になり、比較的短時間で「非装着状態」と判定することが可能になる。
この場合には、基準時間が700msに設定される(図8のステップS47)。初期通信信号FSの最大発信回数は2回(リトライ通信は1回)である。
図9に示すように、今回の初期通信処理の実行時に、前回と同様に「第2装着状態」になっていると、通信エラーが発生しなければ、最初の初期通信信号FS1の発信から700msの基準時間が経過するまでの間に第1応答信号RS1(破線)を受信する可能性が高く、「第2装着状態」であることを判定できる。
さらに、今回の初期通信処理を実行する際に、実際には「非装着状態」に変わっていれば、「非装着状態」の判定に要する判定時間は、1400msになり、比較的短い時間で「非装着状態」と判定することが可能になる。
図10に示すように、今回の初期通信処理の実行時に、前回と同様に「第3装着状態」になっていると、通信エラーが発生しなければ、最初の初期通信信号FS1の発信から800msの基準時間が経過するまでの間に第1応答信号RS1(破線)を受信する可能性が高く、「第3装着状態」であることを判定できる。
さらに、今回の初期通信処理を実行する際に、実際には「非装着状態」に変わっていれば、「非装着状態」の判定に要する判定時間は、1600msになり、比較的短い時間で「非装着状態」と判定することが可能になる。
[実施形態3]
上記実施形態2では、初期通信信号FSの最大発信回数を一定(2回)にして、第1応答信号RS1の受信の基準時間を、バックアップデータに基づいて変更する構成とした。
図11は、本実施形態3における初期通信処理の処理手順を示すフローチャート(サブルーチン)である。このフローチャートに基づいて、本実施形態3における初期通信処理の処理手順について説明する。
次に、バックアップデータが「非装着情報」であるかを確認する(ステップS52)。「非装着情報」の場合には(ステップS52において「Yes」)、実施形態2におけるバックアップデータが「非装着情報」の場合と同様に、基準時間を500msに設定するとともに、初期通信信号FSの最大発信回数を2回(リトライ通信のための発信回数は1回)に設定する(ステップS53)。その後、ステップS31に進み、ステップS31〜S39の処理を実行する。この場合、実施形態1と同じ条件で「非装着状態」の判定が実行される。
このことを前提にして最大発信回数を3回、基準時間を600msに設定することにより、「非装着状態」の判定時間として最大1800msを確保して、その間に複数のCPU間の処理速度差による遅延や通信エラーが発生しても、第1応答信号RS1を受信できる可能性が高くなるようにしている。
このことを前提にして最大発信回数を4回、基準時間を700msに設定することにより、「非装着状態」の判定時間として最大2800msを確保して、その間に複数のCPU間の処理速度差による遅延や通信エラーが発生しても、第1応答信号RS1を受信できるようにしている。
<初期通信処理の具体例>
次に、本実施形態3において実行される初期通信処理の具体例について説明する。
バックアップデータが「非装着情報」および「第1装着情報」の場合は、実施形態2において、バックアップデータが「非装着情報」および「第1装着情報」の場合と、それぞれ同様である。
今回の初期通信処理の実行時に、前回と同様に「第2装着状態」になっていると、通信エラーが発生しなければ、通常、最初の初期通信信号FS1の発信から600msの基準時間が経過するまでの間に第1応答信号RS1(破線)の受信を確認することができる。
さらに、リトライ通信の回数が最大2回になっており、実施形態2の場合よりもリトライ通信が1回多く実行されるので、通信エラーにより第1応答信号RS1が受信できなくなる蓋然性を低減することができる。
また、実際には「非装着状態」に変わっている場合には、リトライ通信のために2回にわたって初期通信信号FS2、FS3が順次発信される。この場合には、基準時間が600msに設定されており、「非装着状態」の判定時間は1800msになる。
この場合、今回の初期通信処理の実行時に、前回と同様に「第3装着状態」になっていると、通信エラーが発生しなければ、通常、最初の初期通信信号FS1の発信から700msの基準時間が経過するまでの間に、第1応答信号RS1(破線)を受信できる可能性が高く、これを受信できれば「第3装着状態」を判定することができる。
なお、今回の初期通信処理の実行時に、前回から変わって実際には「第1装着状態」または「第2装着状態」になっている場合にも、通信エラーが発生しなければ、通常、最初の初期通信信号FS1の発信から700msの時間が経過するまでの間に、第1応答信号RS1(最も上の破線)を受信できる可能性が高くなる。
以上説明したように、本実施形態3でも、今回の初期通信処理の実行時において「非装着状態」である蓋然性が高い場合には、最初の初期通信信号FS1の発信から比較的短い時間で「非装着状態」と判定することができる。
これにより、バックアップデータが非装着情報のときには、そのまま非装着である蓋然性が高いことから、リトライ通信を1回は実行することによる最低限の判定精度を確保しつつ、初期通信処理に要する時間をできるだけ短縮することで、操作パネル14の初期設定処理の開始を早めて、ユーザーの待ち時間の低減を図ることができる。
[変形例]
(1)上記の各実施形態では、初期通信信号を複数回、時間間隔(基準時間)をあけて発信し、発信された初期通信信号に対する応答信号が受信されるのを、設定された判定時間だけ待つ構成例を説明したが、発信間隔は、一定に限られない。例えば、初期通信信号の発信回数が増えるに従って発信間隔を可変する、具体的には少しずつ短くすることなどが考えられる。
例えば、初期通信信号を複数回、一定の時間間隔で発信する構成において、判定時間を、最初の初期通信信号の発信から、最後の初期通信信号の発信後、この初期通信信号に対する応答信号の受信を確認する(待つ)ための所定時間(基準時間よりも短いまたは長い時間)が経過したときまでの時間とすることもできる。
一方で、基準時間を500msよりも短い時間、例えば400msに設定し、初期通信信号の最大発信回数を2回として、上記の所定時間を200msに設定すれば、判定時間が1000msになり、実施形態1と同様の時間を確保できる。
さらに、上記実施形態では、初期通信信号を複数回、時間間隔をあけて発信する構成例を説明したが、仮に通信エラーの発生がほとんどなく、後処理装置側のCPUに、電源オン時の割り込み処理などで一時的な応答遅れが生じる可能性があるような装置構成であれば、最初の初期通信信号だけを発信して、設定された判定時間内に応答信号の受信を確認できなければ、非装着状態と判定する構成をとることも可能であろう。
例えば、MFP10におけるプリント部11を画像形成装置と捉えた場合、画像読取部15を別途、装着可能とすれば、その画像読取部15を周辺機器とすることができる。
さらに、記録シートを収容するカセット11fとは別に、大容量の記録シートを収容すると共に画像形成時にその記録シートをMFP10に給送する給送装置を装着可能であれば、その給送装置を周辺機器としても良い。
12a メインCPU
12h バックアップメモリー
14 操作パネル
21 第1後処理装置
21a 第1後処理CPU
22 第2後処理装置
22a 第2後処理CPU
23 第3後処理装置
23a 第3後処理CPU
Claims (7)
- 1または複数の周辺機器の装着が可能であり、装着された周辺機器との間で通信が可能になる画像形成装置であって、
不揮発性の記憶手段と、
電源が投入されると、初期通信信号を発信して、設定される判定時間内に周辺機器からの応答信号を受信した場合には周辺機器が装着状態であると判定し、前記判定時間内に応答信号を受信しない場合には周辺機器が非装着状態であると判定して、その判定結果を前記記憶手段に記憶させる初期通信処理を実行する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
初期通信処理の実行に際して、前回の初期通信処理による判定結果として前記記憶手段に非装着状態が記憶されている場合には、前記判定時間を、前記記憶手段に装着状態が記憶されている場合よりも短く設定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、
前記判定時間内に、前記初期通信信号を複数回、時間間隔をあけて発信し、発信された初期通信信号に対する前記周辺機器からの応答信号が受信されるのを待つことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、
前記判定時間を、最初の初期通信信号の発信から、最後の初期通信信号に対する応答信号の受信を確認するための所定時間が経過したときまでの時間とし、
前記時間間隔および前記発信回数のいずれか一方または両方を変更することにより、当該判定時間を可変設定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、
前回の初期通信処理による判定結果として前記記憶手段に非装着状態が記憶されている場合には、前記時間間隔および前記発信回数のいずれか一方または両方を、前記記憶手段に装着状態が記憶されている場合よりも減少させることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - n(但し、nは2以上の整数)個の周辺機器が装着可能であり、
自装置に装着された周辺機器を第1番目の周辺機器とすると、自装置と第1番目の周辺機器との間で相互に通信が可能になると共に、
第m番目(但し、mは1以上の整数かつ(n−1)以下の整数)の周辺機器に、第(m+1)番目の周辺機器が装着されている場合には、第m番目の周辺機器と第(m+1)番目の周辺機器との間で相互に通信が可能であり、
第m番目の周辺機器が第(m+1)番目の周辺機器の装着確認を行い、その確認結果が通信可能な周辺機器同士間を通じて第1番目の周辺機器に通知される構成であり、
前記制御手段は、
初期通信処理において、第1番目の周辺機器から受信した応答信号に基づいて1個以上の周辺機器が装着状態であると判定すると、その判定結果を前記記憶手段に記憶させ、
前回の初期通信処理による判定結果として前記記憶手段にp(但し、pは1以上の整数)個の周辺機器の装着状態が記憶されている場合には、q(但し、pよりも大きい整数)個の周辺機器の装着状態が記憶されている場合よりも、前記時間間隔および前記発信回数のいずれか一方または両方を減少させること
を特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。 - 前記判定時間は、
前記初期通信信号の発信回数に前記時間間隔を乗じた時間であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記周辺機器は、
当該画像形成装置からプリントアウトされるシートに対して所定の後処理を実行する後処理装置であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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