JP6024436B2 - 排熱回収ボイラ支持装置のスライド基礎構造及びその構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、排熱回収ボイラ支持装置のスライド基礎構造及びその構築方法に関するものである。
コンバインドサイクル発電プラントは、ガスタービンで発電を行うと共に、ガスタービンから排出された排ガスを排熱回収ボイラ(HRSG:Heat Recovery Steam Generator )に導いて排ガス中の熱を回収して蒸気を発生させ、蒸気タービンでも発電を行うものである。一般に、コンバインドサイクル発電プラントは、発電効率が高いことに加えて負荷応答性が高く、急激な電力需要の増加に対応できるという利点がある。
前記排熱回収ボイラとしては、排ガスを横方向に導く横形の排熱回収ボイラ(特許文献1、2等参照)がある。このような横形の排熱回収ボイラでは、横方向に延設されたボイラを、該ボイラの長手方向に所要の間隔を有して配置した複数の門型架構からなる支持装置により吊り下げて支持している。
従来から用いられている門型架構は、ボイラケーシング及び該ボイラケーシング内に配置される伝熱管群等からなるボイラの重量を吊り下げて支持するための天井バックステーと、該天井バックステーの両端下部に配置して天井バックステーに作用する荷重を基礎に伝える左右の側面バックステーからなるラーメン構造となっており、地震水平力に対して、天井バックステー及び側面バックステーの剛性によって転倒モーメントに耐える強度を保持している。
特開平09−303707号公報 特開2003−222304号公報
従来の排熱回収ボイラの支持構造は、一例を図5に示すように、ボイラ1を構成するボイラケーシング2の幅方向(図5の左右方向)に延設してボイラケーシング2の上部に配置される天井バックステー3と、前記ボイラケーシング2の幅方向である左右外部に立設して前記天井バックステー3の両端部を支持する側面バックステー4を有する門型架構5が設置してあり、この門型架構5はボイラ1の長手方向(図5の紙面に対して鉛直の方向)に所要の間隔を有して複数配置されている。図5中、6はボイラケーシング2の下側において左右の側面バックステー4を互いに接続する下側バックステーである。
前記ボイラ1の長手方向中心位置に設けられる門型架構5の側面バックステー4の下端は基礎に固定されており、一方、長手方向中心位置以外に設けられる門型架構5の側面バックステー4の下端は、図5に示すスライド基礎構造7を介して基礎8に対してスライド可能に支持されている。前記ボイラ1は内部のガス温度の変化により長手方向へ熱伸縮するため、前記側面バックステー4の下端がスライド基礎構造7を介してボイラの長手方向へスライドすることにより、前記ボイラ1の熱伸縮を許容するようにしている。
スライド基礎構造7は、前記基礎8に水平に固定され、上面が低摩擦係数を有する材料である例えばフッ素樹脂(テフロン:登録商標)により加工されたベースプレート9の上面を、前記側面バックステー4の下端に設けた滑り板10が滑るようになっている。
前記ボイラケーシング2及び該ボイラケーシング2内に備えられる伝熱管群11等からなるボイラ1の重量は、図示しない吊下材を介して前記天井バックステー3に吊り下げて支持されている。このため、天井バックステー3にはスパンの二乗に比例する曲げモーメントが作用し、天井バックステー3は図5中破線で示すように中間部が下方へ突出するように湾曲した変形を生じる。この時、天井バックステー3と側面バックステー4は門型に溶接したラーメン構造を有する剛体となっているため、前記天井バックステー3の湾曲変形によって前記側面バックステー4には破線で示すように中間部が外方へ張り出す二次的な曲げモーメントが発生する。この二次的な曲げモーメントは、側面バックステー4の下端部の相互間隔が拘束されることによって生じる。特に、側面バックステー4の下側を連結している下側バックステー6と基礎8の上面との高さの間隔が大きい場合には、前記門型架構5は上下中間部が外側へ膨らんだ樽型に変形する。
門型架構5が樽型に変形すると、前記側面バックステー4の下端は門型の内側へ傾くようになり、このために、側面バックステー4の下端に設けた滑り板10は傾斜し、基礎8に設けたベースプレート9に対して片当たりとなる。
前記滑り板10がベースプレート9に片当たりすると、スライド面における極部面圧が増加し、前記滑り板10がベースプレート9上を安定して滑ることができなくなり、更に、片当たりによって滑り板10とベースプレート9との間に生じた隙間に塵や砂等が入り込むことにより、益々滑りにくくなり、このために、前記ボイラ1の熱伸縮に対応した門型架構5のスライドが困難になり、前記ボイラ1に応力が発生する可能性がある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなしたもので、ボイラ設置後における天井バックステー及び側面バックステーの変形により側面バックステー下端の滑り板がベースプレートに対して傾いた際に、該滑り板の傾きに一致するようベースプレートの傾きを調節できるようにして、滑り板とベースプレートの面による滑りにより門型架構が安定してスライドできるようにした排熱回収ボイラ支持装置のスライド基礎構造及びその構築方法を提供しようとするものである。
本発明は、ガスを横方向に導く横形の排熱回収ボイラの長手方向複数箇所に、天井バックステーと該天井バックステーの両端を支持する側面バックステーを有して前記天井バックステーにより前記ボイラの重量を吊り下げて支持する門型架構を配置し、該門型架構の前記側面バックステーの下端を前記ボイラの長手方向の熱伸縮を許容するように基礎上にスライド可能に支持している排熱回収ボイラ支持装置のスライド基礎構造であって、
前記側面バックステーの下端に該側面バックステーと直交する滑り面を下側に有する滑り板と、
該滑り板に対応して前記基礎に凹ませて形成したコンクリート製の支持空間と、
前記滑り板の滑り面よりも大きい面積の滑り面を上側に有して前記滑り板を支持するベースプレートと、該ベースプレートの下面に、前記ボイラの長手方向と直交する幅方向及び下方に延び且つ前記ボイラの長手方向へ間隔を隔てて固定した複数の補強プレートを有して前記支持空間に配置される支持構造体と、
該支持構造体の下面と前記支持空間の底面との間に配置して前記支持構造体の傾きを調整可能な楔機構と、
前記支持空間の内部に前記楔機構と支持構造体を配置し、且つ該支持構造体の補強プレート上に前記側面バックステーの滑り板を載置して設置した門型架構の天井バックステーにボイラを吊り下げることにより前記側面バックステーが湾曲することで傾いた前記滑り板に対し、ベースプレートの傾きが一致するように前記支持構造体の傾きを楔機構により調整した状態において、前記支持空間及び前記支持構造体の補強プレート相互間にコンクリートを打設して形成したコンクリート固化体と、
を有することを特徴とする排熱回収ボイラ支持装置のスライド基礎構造、に係るものである。
上記排熱回収ボイラ支持装置のスライド基礎構造において、前記ベースプレートの上側の滑り面における前記ボイラの長手方向と直交する幅方向端部には、前記滑り板が幅方向へ移動するのを規制するストッパを設けていることが好ましい。
又、上記排熱回収ボイラ支持装置のスライド基礎構造において、前記ベースプレートの下面には、前記ボイラの長手方向に延び且つ前記補強プレートよりも下方へ突出したシェアキーを有することが好ましい。
又、上記排熱回収ボイラ支持装置のスライド基礎構造において、前記基礎に設けた支持空間の底部に、前記シェアキーを収容できる凹部を有することは好ましい。
本発明は、ガスを横方向に導く横形の排熱回収ボイラの長手方向複数箇所に、天井バックステーと該天井バックステーの両端を支持する側面バックステーを有して前記天井バックステーにより前記ボイラの重量を吊り下げて支持する門型架構を配置し、該門型架構の前記側面バックステーの下端を前記ボイラの長手方向の熱伸縮を許容するように基礎上にスライド可能に支持している排熱回収ボイラ支持装置のスライド基礎構造の構築方法であって、
基礎に設けた支持空間内に楔機構を配置し、
該楔機構の上部に、ベースプレートの下面に補強プレートを備えた支持構造体を載置し、
前記支持構造体の前記ベースプレート上に、門型架構の側面バックステー下端に備えた滑り板を載置して前記門型架構を設置し、
前記門型架構の天井バックステーにボイラを吊り下げて支持し、
前記滑り板の滑り面に対して前記ベースプレートの滑り面が一致するように前記楔機構を操作して前記支持構造体の傾きを調節し、
続いて、前記支持空間の内部及び前記支持構造体の補強プレート相互間にコンクリートを打設してコンクリート固化体を形成する
ことを特徴とする排熱回収ボイラ支持装置のスライド基礎構造の構築方法、に係るものである。
本発明によれば、門型架構の側面バックステー下端の滑り板がベースプレートに対して傾いた際に、滑り板の傾きに一致するようベースプレートの傾きを調節してコンクリート固化体で固定したので、滑り板の下面とベースプレートの上面が片当たりする問題を解消し、滑り板とベースプレートの面の滑りにより門型架構の安定したスライドが可能になるという優れた効果を奏し得る。
(a)は本発明の排熱回収ボイラ支持装置のスライド基礎構造の一例を示す斜視図、(b)は(a)をI方向から見た側面図である。 (a)は図1(a)をII方向から見た正面図、(b)は(a)の作動を示す正面図である。 本発明におけるスライド基礎構造の構築方法の一例を示す正面図である。 本発明を適用した排熱回収ボイラの一例を示す側面図である。 ラーメン構造の門型架構を備えた従来の排熱回収ボイラの問題を説明するための正面図である。
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図4は本発明を適用した排熱回収ボイラの一例を示すもので、図5と同一の符合を付した部分は同一物を表わしている。ボイラケーシング2はガス入口Aとガス出口Bを有してガスを横方向に導くようにした横形のボイラ1を構成している。前記ボイラケーシング2の上部にはボイラケーシング2の幅方向に延設された天井バックステー3を設け、ボイラケーシング2の幅方向側面の外部には前記天井バックステー3の両端部を支持する側面バックステー4を立設することで門型架構5を構成している。そして、前記門型架構5をボイラケーシング2の長手方向(図4の左右方向)に所要の間隔を有して複数配置することでボイラ1の支持装置が構成されている。
前記ボイラケーシング2の内部には、ガス入口Aから導入されるガスの流れ方向上流側より、例えば、バーナ12、伝熱パネル11a,11b,11c,11d,11eによる伝熱管群11が設けられており、又、前記伝熱管群11に接続された気水分離ヘッダ13がボイラケーシング2の上部に設けられている。
前記ボイラケーシング2と、該ボイラケーシング2内に備えられる伝熱管群11等、及びボイラケーシング2の上部に設けられる気水分離ヘッダ13等からなるボイラ1の重量は、図示しない吊下材を介して前記門型架構5の天井バックステー3に吊り下げて支持している。
図4において、前記ボイラ1の長手方向中心位置に設けられる門型架構5の側面バックステー4の下端は、基礎8に対して固定部14により固定されており、一方、長手方向中心以外に設けられる門型架構5の側面バックステー4の下端は、本発明のスライド基礎構造15を介して基礎8に対してスライド可能に支持されている。
上記スライド基礎構造15は、一例を図1(a)、(b)、図2(a)、(b)、図3に示す如く、前記側面バックステー4の下端に、下側の滑り面16aが前記側面バックステー4と直交した矩形の滑り板16が固定されており、該滑り板16は側面バックステー4に設けたリブプレート17によって補強されている。
前記基礎8における前記門型架構5の側面バックステー4に設けた滑り板16と対応する位置には、前記滑り板16よりも広い開口面積を有して凹ませたコンクリート製の支持空間18が形成されている。
図中、21は前記滑り板16を支持する支持構造体であり、該支持構造体21は、前記滑り板16の滑り面16aよりも大きい面積の滑り面19aを上側に有するベースプレート19と、該ベースプレート19の下面に、幅方向及び下方へ延び且つ前記ボイラ1の長手方向へ間隔を隔てて複数固定された補強プレート20を備えている。上記滑り面16a,19aの少なくともいずれか一方は低摩擦係数を有する材料である例えばフッ素樹脂(テフロン:登録商標)により加工されていることが好ましい。
前記支持構造体21を構成するベースプレート19の滑り面19aにおける幅方向端部には、前記滑り板16が嵌合して該滑り板16の幅方向への移動を規制する板状のストッパ22,22'が設けられている。更に、前記板状のストッパ22,22'の幅方向外側における前記補強プレート20に対応した位置にはリブ23が固定されてストッパ22,22'を補強している。又、前記補強プレート20の幅方向端面の下側部分には、前記補強プレート20の端面部分を相互に固定して補強する補強板24を設けている。そして、上記補強板24の上縁とベースプレート19の下面との間には、補強プレート20の相互間と外部とを連通する開口25が形成されている。
又、前記支持構造体21のベースプレート19の下面には、前記ボイラ1の長手方向に延び且つ前記補強プレート20よりも下方へ突出したシェアキー26を設けている。該シェアキー26は、支持構造体21の前記長手方向前後端部において前記ベースプレート19と補強プレート20に固定された所定幅の端面板26aと、前後の端面板26a間を繋ぐように前記長手方向に延びて前記ベースプレート19と各補強プレート20に固定された連結板26bとにより構成している。
更に、前記支持構造体21の補強プレート20の下面20aと前記支持空間18の底面18aとの間に配置して、前記支持構造体21の傾きを調整するようにした楔機構27を設けている。
前記支持空間18は、該支持空間18の底面18aに楔機構27を配置し、該楔機構27の上部に前記支持構造体21を配置した際に、前記ベースプレート19の滑り面19aが基礎8の表面8aよりも僅かに突出する深さで形成されている。又、前記支持空間18の底面18aには、前記シェアキー26が余裕をもって収容される溝条の凹部28が形成されている。
以下に、上記排熱回収ボイラ支持装置のスライド基礎構造15の構築方法について説明する。
図3に示すように、前記基礎8に設けた支持空間18の底面18aに、前記凹部28を挟んで幅方向に対応するように、且つ、図1(b)に示すように長手方向に所要の間隔を隔てた位置に楔機構27を配置する。
続いて、前記楔機構27上に支持構造体21の補強プレート20の下面20aを当接させて載置する。この時、楔機構27は、楔27aの外側端部を内側へ打ち込むことにより楔機構27の高さが高められるようになっている。
続いて、前記支持構造体21のベースプレート19の滑り面19aにおけるストッパ22,22'間に、前記門型架構5の側面バックステー4の下端に備えた滑り板16の滑り面16aを当接させるように載置して前記門型架構5を設置する。
次に、図4に示すように、前記門型架構5の天井バックステー3にボイラ1を吊り下げて設置する。
天井バックステー3にボイラ1の重量が作用すると、天井バックステー3はスパンの二乗に比例する曲げモーメントによって、図5に破線で示したように、中間部が下方へ突出するように湾曲した変形を生じる。更に、前記天井バックステー3と側面バックステー4は門型に溶接したラーメン構造を有する剛体となっているため、前記天井バックステー3の湾曲により、前記側面バックステー4には破線で示すように中間部が外方へ張り出す二次的な曲げモーメントが発生し、門型架構5は樽型に変形する。門型架構5が樽型に変形すると、前記側面バックステー4の下端は門型の内側へ傾くようになるため、図2(a)に示す如く、側面バックステー4の下端に設けた滑り板16は幅方向で上下に傾き、前記ベースプレート19の滑り面19aに対して滑り板16は片当たりとなり、滑り板16の滑り面16aとベースプレート19の滑り面19aとの間の幅方向内側(ボイラ1側)に傾斜した隙間Sが生じる。
このため、前記隙間Sが生じた側(図2(a)の右側)の楔機構27の楔27aに力Pを与えて打ち込むことにより前記支持構造体21の傾きは調節され、図2(b)に示すように支持構造体21のベースプレート19の滑り面19aは滑り板16の滑り面16aに一致する。
続いて、図2(b)に示すように、前記支持空間18の内部及び前記支持構造体21の補強プレート20相互間にコンクリートを打設してコンクリート固化体29を形成する。この時、前記補強プレート20端部に設けた補強板24の上辺とベースプレート19の下面との間には、開口25が形成されているので、補強プレート20の相互間及び凹部28にもコンクリートを容易に打設してコンクリート固化体29を形成することができる。
上記したように、前記基礎8に設けた支持空間18の底面18aに配置した楔機構27上に支持構造体21を載置し、該支持構造体21のベースプレート19上に、前記門型架構5の側面バックステー4の下端に備えた滑り板16を載置することにより前記門型架構5を設置し、該門型架構5の天井バックステー3にボイラ1を吊り下げて設置する。すると、下側バックステー6により連結された門型架構5は樽型に変形し、側面バックステー4の下端の滑り板16はベースプレート19に対して傾くようになる。
このように、門型架構5にボイラ1を吊り下げて設置することで滑り板16が傾いた後に、この滑り板16の傾きに一致するように支持構造体21のベースプレート19の傾きを調節し、その後、支持空間18にコンクリートを打設してコンクリート固化体29を形成するようにしたので、滑り板16の滑り面16aとベースプレート19の滑り面19aとは片当たりする問題が解消され、滑り板16とベースプレート19は面によって滑るようになるので、門型架構5の安定したスライドが可能になる。
又、前記側面バックステー4から滑り板16を介してスライド基礎構造15に対し幅方向へ作用する負荷は、前記ストッパ22,22'とシェアキー26により強固に支持される。
尚、本発明の排熱回収ボイラ支持装置のスライド基礎構造及びその構築方法は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 ボイラ
3 天井バックステー
4 側面バックステー
5 門型架構
6 下側バックステー
8 基礎
15 スライド基礎構造
16 滑り板
16a 滑り面
18 支持空間
18a 底面
19 ベースプレート
19a 滑り面
20 補強プレート
20a 下面
21 支持構造体
22,22' ストッパ
26 シェアキー
27 楔機構
29 コンクリート固化体

Claims (5)

  1. ガスを横方向に導く横形の排熱回収ボイラの長手方向複数箇所に、天井バックステーと該天井バックステーの両端を支持する側面バックステーを有して前記天井バックステーにより前記ボイラの重量を吊り下げて支持する門型架構を配置し、該門型架構の前記側面バックステーの下端を前記ボイラの長手方向の熱伸縮を許容するように基礎上にスライド可能に支持している排熱回収ボイラ支持装置のスライド基礎構造であって、
    前記側面バックステーの下端に該側面バックステーと直交する滑り面を下側に有する滑り板と、
    該滑り板に対応して前記基礎に凹ませて形成したコンクリート製の支持空間と、
    前記滑り板の滑り面よりも大きい面積の滑り面を上側に有して前記滑り板を支持するベースプレートと、該ベースプレートの下面に、前記ボイラの長手方向と直交する幅方向及び下方に延び且つ前記ボイラの長手方向へ間隔を隔てて固定した複数の補強プレートを有して前記支持空間に配置される支持構造体と、
    該支持構造体の下面と前記支持空間の底面との間に配置して前記支持構造体の傾きを調整可能な楔機構と、
    前記支持空間の内部に前記楔機構と支持構造体を配置し、且つ該支持構造体の補強プレート上に前記側面バックステーの滑り板を載置して設置した門型架構の天井バックステーにボイラを吊り下げることにより前記側面バックステーが湾曲することで傾いた前記滑り板に対し、ベースプレートの傾きが一致するように前記支持構造体の傾きを楔機構により調整した状態において、前記支持空間及び前記支持構造体の補強プレート相互間にコンクリートを打設して形成したコンクリート固化体と、
    を有することを特徴とする排熱回収ボイラ支持装置のスライド基礎構造。
  2. 前記ベースプレートの上側の滑り面における前記ボイラの長手方向と直交する幅方向端部には、前記滑り板が幅方向へ移動するのを規制するストッパを設けていることを特徴とする請求項1に記載の排熱回収ボイラ支持装置のスライド基礎構造。
  3. 前記ベースプレートの下面には、前記ボイラの長手方向に延び且つ前記補強プレートよりも下方へ突出したシェアキーを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の排熱回収ボイラ支持装置のスライド基礎構造。
  4. 前記基礎に設けた支持空間の底部に、前記シェアキーを収容できる凹部を有することを特徴とする請求項3に記載の排熱回収ボイラ支持装置のスライド基礎構造。
  5. ガスを横方向に導く横形の排熱回収ボイラの長手方向複数箇所に、天井バックステーと該天井バックステーの両端を支持する側面バックステーを有して前記天井バックステーにより前記ボイラの重量を吊り下げて支持する門型架構を配置し、該門型架構の前記側面バックステーの下端を前記ボイラの長手方向の熱伸縮を許容するように基礎上にスライド可能に支持している排熱回収ボイラ支持装置のスライド基礎構造の構築方法であって、
    基礎に設けた支持空間内に楔機構を配置し、
    該楔機構の上部に、ベースプレートの下面に補強プレートを備えた支持構造体を載置し、
    前記支持構造体の前記ベースプレート上に、門型架構の側面バックステー下端に備えた滑り板を載置して前記門型架構を設置し、
    前記門型架構の天井バックステーにボイラを吊り下げて支持し、
    前記滑り板の滑り面に対して前記ベースプレートの滑り面が一致するように前記楔機構を操作して前記支持構造体の傾きを調節し、
    続いて、前記支持空間の内部及び前記支持構造体の補強プレート相互間にコンクリートを打設してコンクリート固化体を形成する
    ことを特徴とする排熱回収ボイラ支持装置のスライド基礎構造の構築方法。
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