JP6023497B2 - ワイドギャップ半導体のバンドギャップ電子物性測定方法及びワイドギャップ半導体のバンドギャップ電子物性測定装置 - Google Patents

ワイドギャップ半導体のバンドギャップ電子物性測定方法及びワイドギャップ半導体のバンドギャップ電子物性測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、ワイドギャップ半導体のバンドギャップ電子物性測定方法及び測定装置に関する。
次世代の多機能デバイス用半導体において、バンドギャップ電子物性はデバイス特性に直結する極めて重要なファクターであり、その測定技術は重要である。超高速大容量データ通信が可能な携帯移動体通信や高度交通システムの実現に向けて、窒化物半導体の高周波パワーデバイスは開発途上にある。その実用化には、窒化物半導体ウエハの製造工程とデバイス特性の両面を結びつけるウエハの点欠陥レベルの品質管理が極めて重要となる。そこで、バンドギャップ電子物性の測定技術として、例えば、非特許文献1には、半導体の表面にPtなどの貴金属によりショットキー電極を形成するSiやGaAs等のバンドギャップ電子物性測定技術が開示されている。
Simon M. Sze,"Physics of Semiconductor Devices" 2nd Edition, Chapter5."Metal-Semiconductor Contacts" (p.145-311),JohnWiley & Sons, 1981 (published simultaneously in Canada)
しかし、特許文献1の技術では、物性測定に必要な良好なショットキーダイオードが作製できないため、GaN、ZnOなどのワイドギャップ半導体のバンドギャップ電子物性は十分に測定することができない。
また、測定するワイドギャップ半導体に良好なショットキー特性を示す電極形成プロセスが必要であるが、評価後に電極を除去できないので、そのウエハはデバイスの製造に使用することができなくなり、高価なウエハを評価のみに使用するとともに、インラインプロセスとして適用できないという問題があった。
そこで、本発明は、精度が高い測定が可能で評価後に電極を容易に除去できるワイドギャップ半導体のバンドギャップ電子物性の測定方法及び測定装置を実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、板状のワイドギャップ半導体または測定に用いる単色光に対し透光性を有する基板に形成されたワイドギャップ半導体のバンドギャップ電子物性測定方法であって、前記ワイドギャップ半導体の表面に接触し、ショットキー電極として作用する第1電極と、擬似的オーミック電極として作用する第2電極と、を形成する水銀プローブを用意し、前記水銀プローブは、バンドギャップ電子物性を測定する複数の測定箇所にドット状に形成された複数個の第1電極をそれぞれ形成し、各第1電極をそれぞれ取り囲むように前記ワイドギャップ半導体の表面全面に前記第2電極を一体的に形成したものであり、前記水銀プローブにより、前記ワイドギャップ半導体にパルス電圧を印加し、前記ワイドギャップ半導体のバンドギャップ内準位に電荷注入を行い、前記ワイドギャップ半導体に対し、前記水銀プローブが接触する面の反対側の面から、光励起を生じさせる波長及び強度の単色光を照射し、前記パルス電圧印加後の単色光照射環境下でのインピーダンスを測定し、このインピーダンスに基づいて、照射した前記単色光の波長と、キャパシタンス又はコンダクタンスの変化率との対応関係により前記ワイドギャップ半導体の複数箇所のバンドギャップ電子物性を同時に評価する、という技術的手段を用いる。
請求項1に記載の発明によれば、ワイドギャップ半導体への単色分光照射による欠陥準位からの光励起に伴うフォトキャパシタンスの過渡応答を利用してワイドギャップ半導体に残存する欠陥準位情報を検出・分析することができる。これにより、ワイドギャップ半導体の深い準位や価電子帯情報などのバンドギャップ電子物性測定を高感度に行うことができる。
また、水銀プローブの電極を用いることにより、水銀は仕事関数が大きく良好なショットキー電極として作用する第1電極を形成可能であり、大きな表面張力を有する液体電極を形成することができるため、再現性が高いバンドギャップ電子物性測定が可能である。ワイドギャップ半導体にあらかじめ電極を形成する必要がなく、更に非侵襲であるため、バンドギャップ電子物性測定後に、簡単に元の状態に戻すことができる。これにより、例えば、ウエハ製造プロセスで欠陥準位を測定し、得られた欠陥準位情報を次の結晶成長条件に反映させたり、デバイス特性と欠陥準位の関係を1:1で対応付けるという、欠陥準位のインラインプロセス評価が可能となる。
数箇所のバンドギャップ電子物性を同時に評価することにより、ワイドギャップ半導体の面内の欠陥準位マッピングを行うことができる。
請求項に記載の発明では、請求項1に記載のワイドギャップ半導体のバンドギャップ電子物性測定方法において、前記ワイドギャップ半導体は、窒化物からなる、という技術的手段を用いる。
現状、窒化物系の半導体は他の半導体に比べ欠陥が多く結晶性が低いため、バンドギャップ電子物性測定の重要性は高い。本発明のワイドギャップ半導体のバンドギャップ電子物性測定方法は、請求項に記載の発明のように、バンドギャップが広い窒化物からなるワイドギャップ半導体に好適に適用することができる。
請求項に記載の発明では、板状のワイドギャップ半導体または測定に用いる単色光に対し透光性を有する基板に形成されたワイドギャップ半導体のバンドギャップ電子物性測定装置であって、前記ワイドギャップ半導体の表面に接触し、ショットキー電極として作用する第1電極と、擬似的オーミック電極として作用する第2電極と、を形成する水銀プローブと、前記水銀プローブにより前記ワイドギャップ半導体にパルス電圧を印加可能な電圧パルス発生手段と、前記ワイドギャップ半導体に対し、前記水銀プローブが接触する面の反対側の面から単色光を波長が可変で照射可能な単色光照射手段と、前記ワイドギャップ半導体のインピーダンスを検出するインピーダンス測定手段と、を備え、前記水銀プローブは、バンドギャップ電子物性を測定する複数の測定箇所にドット状に形成された複数個の第1電極をそれぞれ形成し、各第1電極をそれぞれ取り囲むように前記ワイドギャップ半導体の表面全面に前記第2電極を一体的に形成したものであり、前記パルス電圧印加後の単色光照射環境下でのインピーダンスを測定し、このインピーダンスに基づいて、照射した前記単色光の波長と、キャパシタンス又はコンダクタンスの変化率との対応関係により前記ワイドギャップ半導体の複数箇所のバンドギャップ電子物性を同時に評価する、という技術的手段を用いる。
請求項に記載の発明によれば、ワイドギャップ半導体への単色分光照射による欠陥準位からの光励起に伴うフォトキャパシタンスの過渡応答を利用してワイドギャップ半導体に残存する欠陥準位情報を検出・分析することができる。これにより、ワイドギャップ半導体の深い準位や価電子帯情報などのバンドギャップ電子物性測定を高感度に行うことができる。
また、水銀プローブの電極を用いることにより、水銀は仕事関数が大きく良好なショットキー電極として作用する第1電極を形成可能であり、大きな表面張力を有する液体電極を形成することができるため、再現性が高いバンドギャップ電子物性測定が可能である。ワイドギャップ半導体にあらかじめ電極を形成する必要がなく、更に非侵襲であるため、バンドギャップ電子物性測定後に、簡単に元の状態に戻すことができる。これにより、例えば、ウエハ製造プロセスで欠陥準位を測定し、得られた欠陥準位情報を次の結晶成長条件に反映させたり、デバイス特性と欠陥準位の関係を1:1で対応付けるという、欠陥準位のインラインプロセス評価が可能となる。
数箇所のバンドギャップ電子物性を同時に評価することにより、ワイドギャップ半導体の面内の欠陥準位マッピングを行うことができる。
ワイドギャップ半導体材料を備えた評価試料の断面説明図である。 評価装置の構成を示す説明図である。 水銀プローブの第1電極及び第2電極の構成を示す説明図である。 バンド構造の測定方法を示す説明図である。 本発明で測定可能なバンド構造の概念図である。 実施例1に係るGaNの容量−電流特性を示す説明図である。 実施例1に係るGaNの測定例であり、入射光エネルギーとキャパシタンスの変化量の関係を示す説明図である。 実施例2に係るInGaNの測定例であり、入射光エネルギーとキャパシタンスの変化量の関係を示すスペクトルの測定電圧(深さ領域)依存性を示す説明図である。 水銀プローブの変更例を示す説明図である。
本発明の実施形態について、サファイア基板上に形成されたGaN薄膜のバンドギャップ電子物性評価を例に図を参照して説明する。
まず、評価対象となるワイドギャップ半導体を用意する。本実施形態では、図1(A)に示すように、サファイア基板11上にud(undope)−GaN膜12を介してn−GaN膜13を積層して形成された評価試料1を用意した。
図2に示すように、評価装置2は、水銀プローブ20、電圧パルス発生部21、インピーダンス測定部22、単色光照射部23及び制御部24を備えている。
水銀プローブ20の構成は、電極構成を除き、水銀を電極として用いてC−V(容量−電圧)特性の測定に用いられる公知の水銀プローブの構成を採用することができる。
図3に示すように、水銀プローブ20は、ワイドギャップ半導体表面、ここではn−GaN膜13に接触し、ショットキー電極として作用する第1電極20aと、擬似的オーミック電極として作用する第2電極20bと、を形成する。水銀は仕事関数が大きいため、第1電極20aを良好なショットキー電極として作用する電極として形成可能である。
第1電極20a及び第2電極20bの形状は任意であるが、本実施形態では、第1電極20aは中心部に円形のドット状に形成され、第2電極20bは第1電極20aを取り囲むようにリング状に形成されている。各電極をこのように構成することにより、電界集中がなく一様となるため、測定精度を向上させることができ、好ましい。
なお、第1電極20aは楕円や多角形でもよいし、第2電極20bはC型の形状や矩形状などでもよい。
第1電極20aと第2電極20bとの間隔は、水銀プローブ20の大きさを小さくするとともに、測定時のワイドギャップ半導体の抵抗成分を小さくするという観点からできるだけ小さくすることが好ましい。
第1電極20aとワイドギャップ半導体との界面に形成される電子空乏層容量を高精度で測定できるように、第1電極20aの面積に対する第2電極20bの面積比を大きく維持したまま、第1電極20aの面積を小さくすることで接合容量を低減することが好ましく、例えば、第1電極20aをφ0.1〜2mmに形成し、第2電極20bの面積を第1電極20aの面積の30倍以上に形成することが好ましい。例えば、接合容量を1.0nF以下とすることにより、分解能10fFの高分解能測定を可能とする。
電圧パルス発生部21は、水銀プローブ20により所定の電圧パルスをワイドギャップ半導体、ここではn−GaN膜13に印加する。
インピーダンス測定部22は、水銀プローブ20により形成される第1電極20aと第2電極20bとの間のインピーダンスを測定することにより、ワイドギャップ半導体のインピーダンス変化を測定する。
単色光照射部23は、ワイドギャップ半導体に対し、水銀プローブ20が接触する面の反対側の面から単色光(例えば、波長領域300〜2000nm)を照射可能に構成されている。単色光照射部23は、例えば、ハロゲン光源、モノクロメータ及びフィルターを備えており、GaNの第1電極20aに対応する領域に、所定の波長、強度の単色光を所定のタイミングで照射する。ここで、単色光を集光し、第1電極20aとワイドギャップ半導体との界面に照射される強度を高めるために、集光用レンズやコリメータなどを備えることもできる。
制御部24は、電圧パルス発生部21、インピーダンス測定部22及び単色光照射部23を制御し、条件設定部/測定制御部25、演算部26などを備えている。
条件設定部/測定制御部25は、単色光照射部23に対して光照射のタイミング、波長、強度を設定制御し、電圧パルス発生部21に対して電圧パルスの強度(パルス電圧)、パルス期間、印加タイミングを制御し、インピーダンス測定部22に対しては、インピーダンス測定のタイミング等を制御する。
演算部26は、インピーダンス測定部22で測定されたインピーダンスの値を収集し、照射光データ(エネルギー換算値)、電圧パルスの印加タイミング、強度などのデータを得て、インピーダンスとの対応関係を演算・検出する。
次に、評価装置2による評価試料1の測定方法について説明する。
まず、評価試料1をn−GaN膜13が下向きになるように図示しない保持部材により保持した後に、下方から水銀プローブ20を接触させて、ワイドギャップ半導体表面に第1電極20a及び第2電極20bを形成する。
なお、評価試料1をn−GaN膜13が上向きになるように保持し、上方から水銀プローブ20を接触させる構成を採用することもできる。
次に、図5(A)に示すような光を遮断した状態で、第2電極20bと第1電極20aとの間にゼロバイアス、もしくは、順方向電圧パルスを数マイクロ秒から数十秒印加することで、n−GaN膜13のバンドギャップ内準位に電荷注入を行う。ここで、陽極は第1電極20a、陰極は第2電極20bである。パルスの電圧値、パルス幅などは、評価対象である半導体材料への電荷注入性に応じて設定することができる。
パルス電圧印加後、第2電極20bと第1電極20aに印加する電圧を測定電圧とし、光励起を生じさせる所定の波長及び強度の単色光を水銀プローブ20が接触する面の反対側の面、つまり、サファイア基板11側からn−GaN膜13の第1電極20aに対応する領域に、一定時間(例えば、n−GaN膜13のキャパシタンスCが飽和するのに要する時間)照射する。n−GaN膜13に単色光を照射すると、図6に示すようなバンドギャップ内で、浅い準位が短時間に熱励起し、続いて光学励起が発生する。この光学励起は、本実施形態において測定しようとするバンドギャップの深い準位からの励起を含んでいる。
インピーダンス測定部22は、図5(C)に示すような、この熱励起及び光励起に基づくn−GaN膜13のキャパシタンスCの時間応答を測定する。
以上の測定により、所定の波長の光照射に対するキャパシタンスの比の関係(変化率)が得られる。図5(B)に示すように、照射する単色光の波長を、例えば1600〜300nmの範囲で、低エネルギー側から高エネルギー側に変更して繰り返し測定し、各分光波長毎に光励起に伴うフォトキャパシタンスの過渡応答特性を測定することにより、演算部26により、入射光のエネルギーとキャパシタンスの変化率との関係を得ることができる。入射光のエネルギーが欠陥準位に、キャパシタンスの変化率が欠陥濃度にそれぞれ対応する。これにより、半導体材料のバンドギャップ内準位を、エネルギー的に浅い方向から深い方向へ順次検出することができる。
キャパシタンスの変化率を、インピーダンスの測定周波数を変えて測定し、測定周波数依存性を調べることにより、バンドギャップ内準位情報が適切に得られる測定周波数を設定し、高キャリア濃度のn−GaN膜13のバンドギャップ内準位情報を評価することができる。また、測定電圧を可変することで膜厚深さ方向分布が測定評価できる。
また、発光性欠陥, 非発光性欠陥のいずれも検出できる。
そして、水銀プローブ20では吸引機構(図示せず)で水銀を除去し、水銀プローブ20を評価試料1の下方に移動させ、測定を終了する。
本測定方法によれば、1×1018cm−3程度の高キャリア濃度を有するワイドギャップ半導体においてもバンドギャップ電子物性測定が可能である。これにより、1×1016〜1×1018cm−3という広いキャリア濃度範囲内のワイドギャップ半導体のバンド構造解析が可能となり、GaNのようにバンドギャップが広い(0.8〜3.4eV)窒化物半導体の全域に亘って測定できる。高キャリア濃度の測定が可能となることから、従来技術では測定が困難であった半導体表面部のバンドギャップ物性情報を検出できる。
また、水銀プローブ20を用いることにより、水銀は仕事関数が大きく良好なショットキー電極として作用する第1電極20aを形成可能であり、大きな表面張力を有する液体電極を形成することができるため、再現性が高いフォトキャパシタンス測定が可能である。ワイドギャップ半導体に電極を形成する必要がなく、更に非侵襲であるため、バンドギャップ電子物性測定後に、簡単に元の状態に戻すことができる。これにより、例えば、ウエハ製造プロセスで欠陥準位を測定し、得られた欠陥準位情報を次の結晶成長条件に反映させたり、デバイス特性と欠陥準位の関係を1:1で対応付けるという、欠陥準位のインラインプロセス評価が可能となる。
(実施例1)
サファイア基板上に1μmのud−GaN膜を介して3μmのn−GaN膜を積層して形成された評価試料を用意した。ここで、n−GaN膜は、キャリア濃度1×1017cm−3以下でSiがドープされたGaN膜である。
水銀プローブにより逆バイアスを印加したときのキャパシタンスを測定して容量−電圧特性を評価すると、図6に示すように、容量−電圧特性は、右下がりの直線関係を示した。容量からは空乏層がどこまで伸びているかがわかるため、この容量−電圧特性から、電圧を何Vに設定すればn−GaN膜のどの領域を測定しているかがわかるので、測定領域について適切な測定条件を決めた。また、得られた直線の傾きからキャリア濃度を算出することができるため、キャリア濃度のデプスプロファイルから測定電圧に対応する測定領域のキャリア濃度|Nd−Na|を得た。
ここで、X切片より、ビルトインポテンシャルVbiは、0.99eVと算出され、第1電極とn−GaN膜とにより良好なショットキーダイオードが形成されていることが確認された。
次にハロゲン光源を用いて1600〜300nmの単色分光をサファイア基板面から照射し、各分光波長毎に光励起に伴うフォトキャパシタンスの過渡応答特性を測定し、その飽和値から入射光エネルギー(eV)とフォトキャパシタンスΔC/Cの変化量の関係のスペクトルを得た。図7に、入射光エネルギー(eV)とフォトキャパシタンスΔC/Cの変化量の関係のスペクトルの測定周波数依存性を示す。ここで、キャパシタンスCは、基準状態(暗状態かつ、非電荷注入状態)での値であり、2|Nd−Na|ΔC/Cは、欠陥準位濃度(cm-3)を示すものである。測定条件は、キャリア注入の電圧パルスはパルス電圧0V、パルス幅1.0sとし、測定電圧は−2V、インピーダンス測定周波数は100kHzとした。第1電極/n−GaN界面であるショットキー接合面積は5.97×10−3cmである。
図7に示すように、5つのエネルギー準位(T1〜T5)とその濃度というバンドギャップ電子物性を高感度で検出することができた。
(実施例2)
図8に、サファイア基板上に形成されたInGaN膜について、入射光エネルギーとキャパシタンスの変化量の関係のスペクトルの測定電圧依存性を示す。測定試料は、MOCVD法によりサファイア基板にn−GaN:Si(300nm、ドナー濃度1×1018cm−3)/n−GaN:Si(3μm)を堆積後にud−InGaN厚膜(〜100nm)を形成したものであり、In組成は約10%である。測定電圧は、−5、−3、−1Vの3水準とした。その他の測定条件は実施例1と同様である。なお、図中の測定電圧−5、−3Vの測定結果は縦軸のレンジを5倍に拡大したものを示す。
測定電圧が−5、−3、−1Vの順、つまり、表面に近いほど、伝導帯下〜1.8eVと〜2.8eV付近に存在する2つの欠陥準位の準位密度が増加する傾向が認められ、InGaN表面層のバンドギャップ準位測定も可能であることがわかった。これにより、キャパシタンスの変化率を、測定電圧を変えて測定し、測定電圧依存性を調べることにより、表面層のバンドギャップ準位情報が適切に得られる測定電圧を設定し、表面層のバンドギャップ準位情報を評価することができることが確認された。
(変更例)
現状、窒化物系の半導体は他の半導体に比べ欠陥が多く結晶性が低いため、バンドギャップ電子物性測定の重要性は高く、本発明の測定方法及び装置を好適に用いることができる。
本発明の測定方法及び装置は、上述のGaNやInGaNに限定されるものではなく、バンドギャップが0.8eVを超えるようなワイドギャップ半導体に好適に適用することができる。例えば、AlN、BN、AlGaNなどの窒化物系、ZnO、SnO、TiOなどの酸化物系、ダイアモンド、SiC、グラフェンなどの炭化物系、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムAlq3などの有機物系の半導体などを挙げることができる。また、SiC、ZnOなど板状に形成可能なものは、基板上に形成することなくバルクの状態でも測定可能である。
基板として、サファイア、SiO、ガラスなどからなるものを用いることができる。ここで、基板材料のバンドギャップは評価する半導体膜よりも広い。
本発明の測定方法及び装置によれば、p型、n型いずれのワイドギャップ半導体も評価することができる。p型半導体を評価する場合は、第1電極20aが陽極、第2電極20bが陰極となるように構成する。
複数の水銀プローブ20を用意し、ワイドギャップ半導体の異なる位置でバンドギャップ電子物性を同時に評価することにより、ワイドギャップ半導体の面内の欠陥準位マッピングを行うことができる。また、図9に示すように、第2電極20bを全面に形成し、測定箇所のみ第1電極20aを配置するような構成も採用することができる。
[実施形態の効果]
本発明のワイドギャップ半導体のバンドギャップ電子物性測定方法及び測定装置によれば、ワイドギャップ半導体への単色分光照射による欠陥準位からの光励起に伴うフォトキャパシタンスの過渡応答を利用してワイドギャップ半導体に残存する欠陥準位情報を検出・分析することができる。これにより、ワイドギャップ半導体の深い準位や価電子帯情報などのバンドギャップ電子物性測定を高感度に行うことができる。
また、水銀プローブ20を用いることにより、水銀は仕事関数が大きく良好なショットキー電極として作用する第1電極20aを形成可能であり、水銀は仕事関数が大きく、大きな表面張力を有する液体電極を形成することができるため、再現性が高いバンドギャップ電子物性評価が可能である。ワイドギャップ半導体にあらかじめ電極を形成する必要がなく、更に非侵襲であるため、バンドギャップ電子物性測定後に、簡単に元の状態に戻すことができる。これにより、例えば、ウエハ製造プロセスで欠陥準位を測定し、得られた欠陥準位情報を次の結晶成長条件に反映させるという、欠陥準位のインラインプロセス評価が可能となる。
1…評価試料
2…評価装置
11…サファイア基板
12…ud−GaN膜
13…n−GaN膜
20…水銀プローブ
20a…第1電極
20b…第2電極
21…電圧パルス発生部(電圧パルス発生手段)
22…インピーダンス測定部(インピーダンス測定手段)
23…単色光照射部(単色光照射手段)
24…制御部
25…条件設定部/測定制御部
26…演算部

Claims (3)

  1. 板状のワイドギャップ半導体または測定に用いる単色光に対し透光性を有する基板に形成されたワイドギャップ半導体のバンドギャップ電子物性測定方法であって、
    前記ワイドギャップ半導体の表面に接触し、ショットキー電極として作用する第1電極と、擬似的オーミック電極として作用する第2電極と、を形成する水銀プローブを用意し、
    前記水銀プローブは、バンドギャップ電子物性を測定する複数の測定箇所にドット状に形成された複数個の第1電極をそれぞれ形成し、各第1電極をそれぞれ取り囲むように前記ワイドギャップ半導体の表面全面に前記第2電極を一体的に形成したものであり
    前記水銀プローブにより、前記ワイドギャップ半導体にパルス電圧を印加し、前記ワイドギャップ半導体のバンドギャップ内準位に電荷注入を行い、
    前記ワイドギャップ半導体に対し、前記水銀プローブが接触する面の反対側の面から、光励起を生じさせる波長及び強度の単色光を照射し、
    前記パルス電圧印加後の単色光照射環境下でのインピーダンスを測定し、このインピーダンスに基づいて、照射した前記単色光の波長と、キャパシタンス又はコンダクタンスの変化率との対応関係により前記ワイドギャップ半導体の複数箇所のバンドギャップ電子物性を同時に評価することを特徴とするワイドギャップ半導体のバンドギャップ電子物性測定方法。
  2. 前記ワイドギャップ半導体は、窒化物、酸化物、または有機物からなることを特徴とする請求項1に記載のワイドギャップ半導体のバンドギャップ電子物性測定方法。
  3. 板状のワイドギャップ半導体または測定に用いる単色光に対し透光性を有する基板に形成されたワイドギャップ半導体のバンドギャップ電子物性測定装置であって、
    前記ワイドギャップ半導体の表面に接触し、ショットキー電極として作用する第1電極と、擬似的オーミック電極として作用する第2電極と、を形成する水銀プローブと、
    前記水銀プローブにより前記ワイドギャップ半導体にパルス電圧を印加可能な電圧パルス発生手段と、
    前記ワイドギャップ半導体に対し、前記水銀プローブが接触する面の反対側の面から単色光を波長が可変で照射可能な単色光照射手段と、
    前記ワイドギャップ半導体のインピーダンスを検出するインピーダンス測定手段と、を備え、
    前記水銀プローブは、バンドギャップ電子物性を測定する複数の測定箇所にドット状に形成された複数個の第1電極をそれぞれ形成し、各第1電極をそれぞれ取り囲むように前記ワイドギャップ半導体の表面全面に前記第2電極を一体的に形成したものであり
    前記パルス電圧印加後の単色光照射環境下でのインピーダンスを測定し、このインピーダンスに基づいて、照射した前記単色光の波長と、キャパシタンス又はコンダクタンスの変化率との対応関係により前記ワイドギャップ半導体の複数箇所のバンドギャップ電子物性を同時に評価することを特徴とするワイドギャップ半導体のバンドギャップ電子物性測定装置。
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