JP2010067738A - 窒化ガリウム系半導体材料を用いた荷電粒子検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度制御や放射線損傷の問題を解決することができ、しかも従来よりも検出感度が高く、作製が容易な荷電粒子検出器を提供する。
【解決手段】本発明に係る荷電粒子検出器1は、n型のSiC基板2と、SiC基板2の検出面5a側の面にバッファ層3、4を介して設けられ、バッファ層4に接していない面が検出面5aであるアンドープのGaN層5と、GaN層5の検出面5aに設けられ、GaN層5とショットキー接触する第1金属電極6と、SiC基板2の、バッファ層3に接していない面に設けられ、SiC基板2とオーミック接触する第2金属電極8とを備える。また、GaN層5の厚さは、900nm以上であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、照射された荷電粒子のエネルギー(eV)の多寡を検出する荷電粒子検出器に関し、特に、検出層としてワイドギャップ半導体である窒化ガリウム系半導体材料を用いた荷電粒子検出器に関する。
原子力分野、宇宙開発分野、医療分野、及び原子核・素粒子物理学分野等においては、放射荷電粒子をはじめとする荷電粒子のエネルギーを同定することが不可欠となっている。荷電粒子を検出する検出器には様々な種類のものが存在するが、その中でも、検出層として半導体材料を使用する半導体荷電粒子検出器(以下、単に「荷電粒子検出器」という)は、荷電粒子のエネルギーの多寡を高精度に検出することができることから、利用が進められている。
従来から使用されている荷電粒子検出器の多くは、検出層の半導体材料として、シリコンまたはゲルマニウムを使用している。しかしながら、これらの半導体材料を用いた荷電粒子検出器は、(1)温度制御(冷却)が必要で、しかも(2)放射線の積算照射によって損傷するといった問題を有しており、使用環境が制限されるとともに、ランニングコストが高くなっていた。
そこで近年では、様々な電子デバイスの材料として実用化が進められている窒化ガリウムを検出層に使用した荷電粒子検出器も検討されている(例えば、非特許文献1参照)。
ワイドギャップ半導体である窒化ガリウムは、“機械的に堅牢”、“優れた温度特性”、“放射線損傷に耐性がある”、“化学的に安定で無害”、“高速動作可能”といった物性を有しており、最近では比較的大型で高品質な結晶を得るための技術も確立されてきている。この窒化ガリウムを検出層に使用すれば、上記(1)(2)の問題を解決した荷電粒子検出器を得ることが期待できる。
J. Vaitkus et al.,"Semi-insulating GaN and its evaluation for α particle detection", Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 509, 2003, p.60-64
しかしながら、非特許文献1に記載の荷電粒子検出器は、基板として導電性を有さないサファイアを使用しているので、電極の形成が面倒であった。すなわち、この荷電粒子検出器では、検出層であるSI−GaN層を部分的にエッチング等で除去して電極を形成するいわゆるメサ構造とする必要があるので、作製工程が複雑化していた。また、SI−GaN層を部分的に除去すると、検出面(荷電粒子が照射される面)の面積が狭くなるので、同サイズの基板を用いた他の荷電粒子検出器に比べて検出感度が低下していた。
そこで、本発明は、検出層を窒化ガリウム系半導体材料とすることによって上記温度制御や放射線損傷の問題を解決することができ、しかも従来よりも検出感度が高く、作製が容易な荷電粒子検出器を提供するとともに、この荷電粒子検出器に好適な荷電粒子検出システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る荷電粒子検出器は、検出面に向かって照射された荷電粒子の多寡を検出し、電気信号として出力する荷電粒子検出器であって、n型のSiC基板と、前記SiC基板の前記検出面側の面にバッファ層を介して設けられ、前記バッファ層に接していない面が前記検出面であるアンドープのAlxGa1-xN層(ただし、0≦x<1)と、前記AlxGa1-xN層の前記検出面に設けられ、前記AlxGa1-xN層とショットキー接触する第1金属電極と、前記SiC基板の、前記バッファ層に接していない面に設けられ、前記SiC基板とオーミック接触する第2金属電極とを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、基板材料として、導電性を有しているSiCを使用しているので、検出層であるAlxGa1-xN層をエッチング等することなく容易に電極を形成することができ、しかも、検出面の面積が狭くなることもないので、同サイズの基板を用いた従来品よりも検出感度を高めることができる。
また、この構成によれば、検出層として、種々の優れた物性を有する窒化ガリウム系半導体材料を使用しているので、温度制御や放射線損傷の問題を解決することもできる。
上記荷電粒子検出器において、前記AlxGa1-xN層の厚さは900nm以上であることが好ましい。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る荷電粒子検出システムは、上記荷電粒子検出器に所定のバイアス電圧を印加しながら、検出面に向かって照射される荷電粒子のエネルギーの多寡を検出する荷電粒子検出システムであって、一端が前記第1金属電極側に接続されるとともに他端が前記第2金属電極側に接続され、前記第1金属電極を基準として前記第2金属電極に前記所定のバイアス電圧を印加する直流電圧供給手段と、前記直流電圧供給手段の他端から前記第2金属電極に向かって流れる電流の多寡を検出する電流検出手段とを備え、前記電流検出手段で検出された前記電流の多寡に基づいて、照射された荷電粒子のエネルギーの多寡を検出でき、さらに該検出の際に、前記所定のバイアス電圧を0V〜−30Vの範囲を含む任意の電圧に設定できるようにしたことを特徴とする。
この構成によれば、荷電粒子検出器に比較的大きな負のバイアス電圧を印加することにより、荷電粒子検出器内の空乏層領域を拡げることができるので、荷電粒子に対する検出感度を向上させることができる。
本発明によれば、検出層を窒化ガリウム系半導体材料とすることによって上記温度制御や放射線損傷の問題を解決することができ、しかも従来よりも検出感度が高く、作製が容易な荷電粒子検出器を提供することができる。
また、本発明によれば、この荷電粒子検出器に好適な荷電粒子検出システムを提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る荷電粒子検出器及び荷電粒子検出システムの好ましい実施形態及び諸特性について説明する。なお、以下に示す実施形態はほんの一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
[構成・作製方法]
図1に、本発明に係る荷電粒子検出器を示す。図1(A)に示すように、荷電粒子検出器1は、主に、n型(n−)のSiC基板2と、第1バッファ層3と、第2バッファ層4と、検出層であるアンドープ(u−)のGaN層5とからなり、検出面5aに照射された荷電粒子のエネルギーを検出層で検出し、それに応じた電気信号が第1金属電極6及び第2金属電極8から出力される。
n−SiC基板2は、厚さが250μmで、比抵抗が0.04〜0.06Ωcmである。n−SiC基板2の表面(検出面5a側の面)側に設けられた第1バッファ層3と第2バッファ層4は、AlN及びAlGaNをはじめとするIII−V族化合物半導体材料のヘテロ構造であり、MOCVD法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長法)で形成される。なお、第1バッファ層3及び第2バッファ層4はu−GaN層5の品質を向上させるためのもので、本発明では、第1バッファ層3と第2バッファ層4の材料は特に限定されない。また、u−GaN層5の品質が維持できるのであれば、バッファ層はいずれか一方のみでもよい。
検出層であるu−GaN層5は、MOCVD法で形成される。不純物濃度は、1015〜1016/cm3である。一般に、荷電粒子検出器の検出感度を上げるためには、逆バイアス電圧を印加した際に形成される空乏層領域を拡げるために、検出層を厚く形成することが望ましい。しかしながら、検出層を厚く形成すると、製造コストの上昇及びスループットの低下を招くとともに、検出層の品質維持が困難になってくる。そこで、以下に示す実施例では、これらの点を考慮して、検出層であるu−GaN層5の厚さを900nmと1800nmの2通りとした。
u−GaNをはじめとするIII−V族化合物半導体材料は受光素子の検出層材料としても使用されるが、受光素子の分野では受光感度を高めるために検出層を厚くする必要がないので、検出層の厚さは一般に100〜300nm程度である。すなわち、本発明に係る荷電粒子検出器1の検出層(u−GaN層5)は、受光素子の検出層に比べて、かなり厚く形成されていることになる。そして、これにより、荷電粒子に対する検出感度を高めている。なお、検出層が薄い受光素子を荷電粒子検出器に転用しただけでは、空乏層領域が拡がり得ないので、検出感度を高くすることはできない。
第1金属電極6は、厚さ1nmのNiと厚さ4nmのAuとを蒸着して形成し、その後、I−V特性を改善するために窒素雰囲気中で450℃/10分間の熱アニールを行った。この熱アニールは省略することができる。また、電極材料は、他の公知の材料(Pt、Pd等)に置き換えることもできる。形成された第1金属電極6はu−GaN層5にショットキー接触し、照射された荷電粒子は、第1金属電極6を透過して検出層であるu−GaN層5に到達する。
本実施形態では、第1金属電極6上にさらにワイヤボンディング用パッド7を蒸着により形成した。材料は、Auである。
第2金属電極8は、厚さ80nmのTiと厚さ200nmのAuとを蒸着して形成し、その後、I−V特性を改善するために窒素雰囲気中で700℃/40分間の熱アニールを行った。この熱アニールも省略することができる。形成された第2金属電極8はn−SiC基板2にオーミック接触する。
図1(A)に示す荷電粒子検出器1を、検出面5a側から見たのが図1(B)である。
本実施形態では、n−SiC基板2、u−GaN層5及びその間の各層のサイズを820μm角とし、第1及び第2金属電極6、8のサイズを500μm角とした。また、ワイヤボンディング用パッド7のサイズは120μm角とし、第1金属電極6の角部付近に配置した。第1及び第2金属電極6、8は、u−GaN層5等と同サイズにしてもよい。また、照射された荷電粒子はワイヤボンディング用パッド7を透過することができないので、検出感度を上げる観点から、ワイヤボンディング用パッド7のサイズは、ボンディングに支障が生じない範囲で小さくすることが好ましい。
図2は、本発明に係る荷電粒子検出器1を用いた荷電粒子検出システムの構成模式図である。荷電粒子検出システムは、ワイヤボンディング用パッド7(第1金属電極6)と第2金属電極8の間に、抵抗R及びコンデンサCを介して接続された直流電源(直流電圧供給手段)と、該直流電源から第2金属電極8に流れて行く電流を電圧に変換して検出する電流検出手段とを備えている。図2に示す一例において、電流検出手段は、具体的には抵抗Rと増幅器Ampとからなる。直流電源によって、第1金属電極6を基準とした負のバイアス電圧VB(逆バイアス電圧)が第2金属電極8に印加されると、u−GaN層5内にバイアス電圧VBの多寡に応じた空乏層領域が形成される。そして、照射された荷電粒子がこの空乏層領域内を通過すると、照射された荷電粒子のエネルギーに応じた量の電子正孔対が形成され、第2金属電極8側から第1金属電極6側に向かって電流Iが流れる。電流Iが流れた際の第2金属電極8の電圧は、適宜増幅された後に電圧Voutとして出力される。
つまり、図2に示す荷電粒子検出システムによれば、荷電粒子検出器1を用いて荷電粒子のエネルギーの多寡を電気信号に変換することができる。そして、この電気信号を検出することにより、照射された荷電粒子のエネルギーを測定することができる。
[特性試験]
続いて、u−GaN層の厚さを1800nm(実施例1)、及び900nm(実施例2)とした本発明に係る荷電粒子検出器について、各種試験(試験1:光応答特性、試験2:I−V特性、試験3:α線照射時の電荷分布、試験4:放射線耐性)を行った結果について説明する。試験3と4については、比較例として、シリコンを検出層とした浜松ホトニクス社製のPINフォトダイオード「S5821」についても試験を行った。ただし、図3に示すように、PINフォトダイオードと各実施例に係る荷電粒子検出器は構成が大きく異なっているので、S5821の試験結果は単なる参考に過ぎず、各実施例の試験結果と直接対比できるものではない。なお、S5821の詳細については、同社HP(http://jp.hamamatsu.com/products/sensor-ssd/pd163/pd165/pd166/S5821/index_ja.html)で確認することができる。
[特性試験1:光応答特性]
光応答特性は、図4に示す測定系で試験を行った。この試験において、荷電粒子検出器には、電源によって所定のバイアス電圧が印加されるとともに、光源であるXeランプから発せられた光を分光して得た特定波長の光が照射される。そして、照射された光に応じて荷電粒子検出器から出力される電流が、電流計で測定される。PCでは、荷電粒子検出器に照射している光の波長と、当該波長における電流量とが対応付けられて保持される。つまり、この試験によれば、検出層であるu−GaN層がどの波長の光に対して感度が高いか(電流が多く流れるか)を特定することができる。そして、これにより、検出層であるu−GaN層の品質を評価することができる。
図5(A)(B)は、それぞれ、実施例1及び実施例2に係る荷電粒子検出器の光応答特性を示すグラフである。バイアス電圧は0V、測定温度は室温である。
いずれのグラフにおいても、360nm付近がカットオフ波長であることが分かる。この値をバンドギャップエネルギーに換算すると3.44eVとなり、GaNのバンドギャップエネルギーとほぼ一致する。すなわち、この試験では、実施例1及び実施例2のいずれにおいても、高品質のu−GaN層が形成できていることが確認できた。
[特性試験2:I−V特性]
I−V特性は、図6に示す測定系で試験を行った。この試験において、荷電粒子検出器は、荷電粒子、光その他のノイズを遮断することができるテストフィクスチャ内に配置される。電源・電流計は荷電粒子検出器にバイアス電圧を印加しながら、荷電粒子検出器から出力される電流を測定する。つまり、この試験によれば、荷電粒子その他の光が照射されていないにもかかわらず流れてしまう電流(以下、「暗電流」という)の多寡を評価することができる。
図7(A)(B)は、それぞれ、実施例1及び実施例2に係る荷電粒子検出器のI−V特性を示すグラフである。測定温度は室温である。
図7(A)に示すように、実施例1に係る荷電粒子検出器では、−50Vのバイアス電圧を印加した際に流れる暗電流は僅かに10nA/cm3程度であった。そして、図示を省略しているが、バイアス電圧を−70V程度まで上げると、暗電流は急激に増加した。図7(B)に示す実施例2に係る荷電粒子検出器の試験結果においても、同じような傾向が見られた。すなわち、−20Vのバイアス電圧を印加した際に流れる暗電流は僅かに10nA/cm3程度であったが、バイアス電圧を−40V程度まで上げると暗電流は急激に増加した。
つまり、本試験では、実施例1及び実施例2のいずれにおいても、バイアス電圧を極端に上げない限り、暗電流は非常に微小であることが確認できた。
また、検出層を厚く形成した実施例1に係る荷電粒子検出器は、実施例2に係る荷電粒子検出器よりも逆バイアス耐圧が大きかった。したがって、実施例1に係る荷電粒子検出器の方が、荷電粒子を検出する際に、より大きなバイアス電圧を印加することができるので、空乏層領域が拡がり、高い検出感度が期待できる。
[特性試験3:α線照射時の電荷分布]
α線照射時の電荷分布は、図8に示す測定系で試験を行った。この試験において、荷電粒子検出器は、α線源241Amとともにセル内に配置され、電源によって所定のバイアス電圧が印加される。ここで、セルは、α線源241Amから照射されるα線以外の荷電粒子、光等が荷電粒子検出器に照射されるのを防ぐための、密閉された容器である。
エネルギーを一定(約4MeV)にしたパルス状のα線がα線源241Amから荷電粒子検出器に照射されると、荷電粒子検出器から当該α線のエネルギーに応じた電気信号(アナログ信号)が出力される。電気信号は、プリアンプで増幅された後に、整形アンプで整形され、ADC(A/D Converter)に入力される。ADCは、入力されたアナログ信号をディジタル信号に変換し、PCに出力する。PCは、入力されたディジタル信号を記憶する。なお、ディスクリミネータ及びゲートジェネレータは、相前後して照射されたパルス状α線に応じて出力される電気信号同士が混ざり合うのを防ぐためのものである。
以上の動作を繰り返し行うことにより、PCには、連続的に照射されたパルス状α線のエネルギーをA/D変換して得られたディジタル信号が逐次記憶されていく。そして、記憶されたディジタル信号群の分布から、荷電粒子検出器としての基本性能、すなわち、一定のエネルギーを有するα線の照射に対して、常に一定の出力信号を得ることができるかどうかを評価することができる。
図9(A)〜(C)は、実施例1、実施例2及び比較例に係る荷電粒子検出器にα線を照射した際の電荷分布を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸の“チャンネル”はPCに入力されたディジタル信号(α線のエネルギーをA/D変換した信号)に対応し、縦軸の“カウント”は当該ディジタル信号がPCに入力された回数を示す。照射されるα線のエネルギーは一定なので、ある1つのチャンネルに鋭いピークが現れるのが理想的である。しかしながら、実際には、α線源241Amから出力されるα線のエネルギー自体のゆらぎ等により、ある範囲(例えば、図9(B)では50〜80)のチャンネルがカウントされる。
図9(A)(B)に示すように、実施例1及び実施例2に係る荷電粒子検出器のいずれにおいても、α線を検出できることが確認できた。なお、バイアス電圧を大きくするにつれてチャンネル(α線のエネルギーに相当)が増加したのは、空乏層領域が拡がったこと、及びドリフト速度が上昇したことによると考えられる。また、特に実施例1に係る荷電粒子検出器(図9(A))において、バイアス電圧を大きくするにつれて検出されたエネルギー(チャンネル)のバラツキが大きくなったのは、暗電流が増加したためだと考えられる。
[特性試験4:放射線耐性]
放射線耐性は、電子線を照射する前のI−V特性と、電子線を照射した後のI−V特性とを比較することによって試験を行った。照射した電子線のエネルギーは、約2×1014e/cm2、約2×1015e/cm2、約3×1016e/cm2の3種類である。また、I−V特性は、図6に示す測定系で測定した。
図10(A)に示すように、実施例2に係る荷電粒子検出器では、電子線を照射しても暗電流はほとんど増加しなかった。例えば、約3×1016e/cm2という極端にエネルギーが高い電子線を照射した場合においても、バイアス電圧−5V時の暗電流の増加は僅かに2倍程度である。これに対して、シリコンを用いた従来の荷電粒子検出器(S5821)では、照射する電子線のエネルギーが上昇するにつれて、暗電流が大幅に増加した(図10(B)参照)。例えば、約3×1016e/cm2の電子線を照射することにより、バイアス電圧−5V時の暗電流は約10万倍に増加した。
この試験では、本発明に係る荷電粒子検出器は、シリコンを用いた従来の荷電粒子検出器よりも放射線耐性が優れていることが確認できた。
以上、本発明に係る荷電粒子検出器の好ましい実施形態及びその諸特性について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、検出層材料はアンドープのGaNに限定されず、適宜Al等の他のIII族元素を加えてAlxGa1-xN層(ただし、0≦x<1)としてもよい。バッファ層の材料が任意であることは前記の通りである。
また、本明細書中の用語“アンドープ”とは、意図的にドーピングを行っていないことを意味し、不純物が全く含まれていないことを意味するものではない。
本発明に係る荷電粒子検出器の一実施形態を示す模式図であって、(A)は縦断面図、(B)は検出面側から見た平面図である。 本発明に係る荷電粒子検出システムの一実施形態を示す図である。 一般的なPINフォトダイオードを模式的に表した縦断面図である。 荷電粒子検出器の光応答特性を測定するための測定系を示すブロック図である。 本発明に係る荷電粒子検出器の光応答特性を示すグラフであって、(A)は実施例1に係る荷電粒子検出器、(B)は実施例2に係る荷電粒子検出器の光応答特性である。 荷電粒子検出器のI−V特性を測定するための測定系を示すブロック図である。 本発明に係る荷電粒子検出器のI−V特性を示すグラフであって、(A)は実施例1に係る荷電粒子検出器、(B)は実施例2に係る荷電粒子検出器のI−V特性である。 荷電粒子検出器のα線検出特性を測定するための測定系を示すブロック図である。 荷電粒子検出器のα線検出特性を示すグラフであって、(A)は実施例1に係る荷電粒子検出器、(B)は実施例2に係る荷電粒子検出器、(C)は比較例に係る荷電粒子検出器のα線検出特性である。 荷電粒子検出器の電子線照射前後のI−V特性を示すグラフであって、(A)は実施例2に係る荷電粒子検出器、(B)は比較例に係る荷電粒子検出器のI−V特性である。
符号の説明
1 荷電粒子検出器
2 半導体基板
3 第1バッファ層
4 第2バッファ層
5 検出層
5a 検出面
6 第1金属電極
7 ワイヤボンディング用パッド
8 第2金属電極

Claims (3)

  1. 検出面に向かって照射された荷電粒子のエネルギーの多寡を検出し、電気信号として出力する荷電粒子検出器であって、
    n型のSiC基板と、
    前記SiC基板の前記検出面側の面にバッファ層を介して設けられ、前記バッファ層に接していない面が前記検出面であるアンドープのAlxGa1-xN層(ただし、0≦x<1)と、
    前記AlxGa1-xN層の前記検出面に設けられ、前記AlxGa1-xN層とショットキー接触する第1金属電極と、
    前記SiC基板の、前記バッファ層に接していない面に設けられ、前記SiC基板とオーミック接触する第2金属電極と、
    を備えたことを特徴とする荷電粒子検出器。
  2. 前記AlxGa1-xN層の厚さが900nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子検出器。
  3. 請求項2に記載されている荷電粒子検出器に所定のバイアス電圧を印加しながら、検出面に向かって照射される荷電粒子のエネルギーの多寡を検出する荷電粒子検出システムであって、
    一端が前記第1金属電極側に接続されるとともに他端が前記第2金属電極側に接続され、前記第1金属電極を基準として前記第2金属電極に前記所定のバイアス電圧を印加する直流電圧供給手段と、
    前記直流電圧供給手段の他端から前記第2金属電極に向かって流れる電流の多寡を検出する電流検出手段と、
    を備え、前記電流検出手段で検出された前記電流の多寡に基づいて、照射された荷電粒子のエネルギーの多寡を検出でき、さらに該検出の際に、前記所定のバイアス電圧を0V〜−30Vの範囲を含む任意の電圧に設定できるようにしたことを特徴とする荷電粒子検出システム。
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