JP6023482B2 - 油性化粧料の充填ノズル - Google Patents

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Description

本発明は、口紅等の溶融充填を必要とする油性化粧料を充填するための充填ノズルに関する。
口紅等の油性化粧料は、粉体等を分散した半固形油や液体油を固化剤により固化して調製されている。油性化粧料を容器に充填する場合、容器内に充填ノズルを挿入し、溶融させた油性化粧料を充填ノズルから吐出しながら充填ノズルを引き上げる。油性化粧料は、容器内に充填されると空気や容器によって冷やされ、すぐに固化する。
ここで、充填ノズル内で油性化粧料が固化しないように、充填ノズルを加熱することが従来行われている。従来の加熱方法には以下のようなものがあった。まず、所定の間隔で離間して並べられた複数本の充填ノズルからなる充填ノズル群の両側の、充填ノズル群から5〜10cm程度離れた位置に一対の電気ヒータを配置し、このヒータからの輻射熱により充填ノズル群を加熱する方法がある。あるいは、このヒータを熱源として圧縮空気で熱風を作り、充填ノズル群に吹き付ける方法もある。これらは、充填ノズルから離れた熱源から間接的に充填ノズルを加熱する方法である。
また、特許文献1には、充填用の化粧料が通過する内筒と、この内筒の外周に配置した外筒とからなる二重構造の充填ノズルを用意し、外筒に媒体注入孔および媒体排出孔を設けて、内筒と外筒との間の空間に温調用媒体を循環させることによって、直接的に充填ノズルを加熱し、内筒内を通過する化粧料の温度を設定温度に維持する技術が記載されている。
特開平11−227718号公報
しかしながら、これら従来の加熱方法には以下のような問題があった。
充填ノズル内での油性化粧料の温度は、充填後の固化した油性化粧料の表面の仕上がり面に影響を及ぼす。特に、いわゆるパール顔料といった光輝性粉体を含む口紅の場合、充填ノズルの温度、特に充填ノズルの先端部の温度が適切に管理されないと、仕上がり面にパール顔料のムラが生じてしまい、商品価値のないものとなってしまう。具体的には、表面張力と重力により充填ノズルの先端の吐出口からわずかに露出した口紅は、充填ノズルの先端部の温度が下がると固化が早くなる。そのため、次に充填する容器内でいわゆるダマの状態でノズルから吐出され、その結果、美しい仕上がり面とならず不良品となってしまう。そのため、充填ノズルには、稼働中を通じて経時的に常に一定の温度に維持されることが求められている。複数本の充填ノズルからなる充填ノズル群で、同時に複数の容器に充填を行う場合には、全ての充填ノズルに同様のことが求められる。
しかし、充填ノズルから離れた熱源から間接的に充填ノズルを加熱する方法の場合、充填ノズル周辺の空調条件等の周辺環境の変化の影響を受けやすく、充填ノズルを経時的に一定の温度に維持しにくいという問題があった。その結果、充填後の仕上がり面にばらつきが生じ、仕上がり面にムラが生じた製品は不良品として処分せざるを得ない状況であった。また、この方法の場合、充填ノズル群のうち両端の充填ノズルは温度が低下しやすいが、中央の充填ノズルは比較的温度が安定しているといった、複数本の充填ノズル間での温度ばらつきも問題であった。さらに、この方法の場合、充填ノズル群の両側に大型の電気ヒータを配置するため、装置が大掛かりとなり、例えば充填ノズルの調整作業が困難となるなどの問題もあった。
また、特許文献1のように、それぞれの充填ノズルを温調用媒体で加熱する方法は、充填ノズルを直接的に加熱する方法であるため、充填ノズルの温度は経時的に維持しやすいが、温調用媒体の供給・排出機構を設ける必要があり、装置が大掛かりであり、充填ノズルの内部構造も複雑となる。また、温調用媒体が経時的に変質することがあり、変質すると、異物発生や粘度変化などによって、内筒と外筒との間の空間に温調用媒体の詰まりが発生するおそれがある。よって、温調用媒体を循環させる当該方法に替わる技術が求められていた。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、簡易な装置構成で、充填ノズルを経時的に一定の温度に維持しやすい、油性化粧料の充填ノズルを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、本発明の要旨構成は以下のとおりである。
本発明の油性化粧料の充填ノズルは、充填用の油性化粧料が通過する内部空間を画定し、先端に前記油性化粧料の吐出口を有する筒状ノズルと、該筒状ノズルの外周面上の少なくとも吐出口側端部領域に配設された電熱ヒータと、前記筒状ノズルの外周面上の吐出口側端部領域の温度を常時または間欠的に検出する温度センサと、該温度センサおよび前記電熱ヒータに接続されており、前記温度センサにより検出された温度に基づき、前記電熱ヒータへ電力を供給する制御部と、を有することを特徴とする。
本発明において、前記制御部は、前記温度センサにより検出される温度が所定の範囲内に収まるように、または、一定値になるように、前記電熱ヒータへの電力供給を制御することが好ましい。
本発明の充填ノズルは、前記筒状ノズルを複数有し、前記制御部は、複数の前記筒状ノズルにそれぞれ設けられた前記電熱ヒータへの電力供給を独立して制御可能であることが好ましい。
また、本発明の充填ノズルは、前記筒状ノズルの外周に配置した外筒を有し、前記電熱ヒータおよび前記温度センサは、前記筒状ノズルと前記外筒との間に配設されることが好ましい。
本発明において、前記電熱ヒータは、電熱線を樹脂フィルムで封止してなる面状ヒータであることが好ましい。この場合、前記電熱ヒータは、前記吐出口に近い位置ほど前記電熱線が密に配設されていることが好ましく、また、前記温度センサを前記電熱線とともに前記樹脂フィルムに封止してなることが好ましい。
本発明によれば、簡易な装置構成で、充填ノズルを経時的に一定の温度に維持しやすい、油性化粧料の充填ノズル制御装置を提供することができる。
本発明に従う油性化粧料の充填ノズルを含む充填装置200の正面図である。 図1に示す充填装置200の分解斜視図である。 (A)は、図1の充填装置200で用いられる充填ノズルのノズル部の断面図であり、(B)は、(A)のI−I断面図である。 図1の充填装置200に用いられる面状ヒータを示す図である。 図1の充填装置200に用いられる温度センサを示す図である。 充填装置200に用いられる充填ノズルのノズル部を図1の左側から見た図である。 本発明に従う油性化粧料の充填ノズル100の電気ブロック図である。 充填ノズルの先端の変形例を示す断面図である。
以下、図1〜7を参照して、本発明の一実施形態にかかる油性化粧料の充填ノズル100と、この充填ノズルを含む充填装置200を説明する。
本実施形態の充填ノズル100は、口紅等の油性化粧料を容器1に充填するためのノズル部10A〜10Eと、それらの温度を制御する制御部50A〜50E(図7で後述)とを含む装置である。そして、充填ノズル100を含む充填装置200は、図1〜図3に示すように、等間隔で一列に配列された5本のノズル部10A〜10Eと、これらの充填ノズルを吊下げ支持するベースブロック40と、接続ブロック60と、ホッパー62と、シリンダブロック64と、ピストンロッド66と、サーボモータ68と、バルブ切替用アクチュエータ70とを有する。
ベースブロック40には、図2に示すように、5つの穴が設けられ、これらの穴を通過した油性化粧料が各ノズル部10A〜10E内へと送られる。ベースブロック40は、接続ブロック60に取り付けられている。ホッパー62は、油性化粧料Lを収容する。ホッパー62にはヒータが設けられており、内部の化粧料Lは90℃程度で溶融し、保温された状態である。接続ブロック60には、このホッパー62とシリンダブロック64が接続されている。また、接続ブロック60には、ホッパー62からの化粧料Lを受け入れる流路(図示せず)が内部に設けられている。サーボモータ68を駆動してピストンロッド66をシリンダブロック64内に押し込むことにより、溶融した化粧料Lが接続ブロック内の流路からノズル部10A〜10Eへと送られる。なお、バルブ切替用アクチュエータ70を回転させることにより、接続ブロック内のバルブ(図示せず)が切り替わり、流路がホッパー62から化粧料Lを受け入れるモードと、サーボモータ68により流路内の化粧料Lを押し出すモードとを切り替えることができる。
容器1に対する油性化粧料の充填は、以下の手順で行われる。まず、図1に示すように、パレット2に固定した5つの棒状の容器1がノズル部10A〜10Eの直下に載置・固定される。その後、パレット2を上昇させて、ノズル部10A〜10Eが容器1内に挿入された状態とする。その後、溶融させた油性化粧料をノズル部10A〜10Eから吐出しながら、パレット2を下降させて、5つの容器1を引き下げる。すると、油性化粧料は容器1内に充填され、空気や容器1によって冷やされ、すぐに固化する。油性化粧料が充填された容器1は、ノズル部10A〜10Eの直下から、製品完成のための次工程へと搬送される。以上の動作をくり返すことで、大量の容器に油性化粧料を充填することができる。
図3〜6を参照して、図1の充填装置200で用いられるノズル部10Aを説明する。
ノズル部10Aは、筒状ノズル12と、この筒状ノズルの外周に配置した外筒32とを有する二重構造のノズルであり、筒状ノズル12および外筒32がノズルヘッド34に差し込まれている。図1および図2に示すように、ベースブロック40には筒状で内部が中空になっている雄ネジ36が取り付けられている。ノズル部のノズルヘッド34は、この雄ネジ36の中空に挿入され、さらに雌ネジであるロックナット38を閉めることにより、充填ノズル10Aはベースブロック40に固定される。
筒状ノズル12は、熱伝導性の良い素材であれば特に制限はないが、例えばステンレス、銅合金、アルミニウム合金、チタン合金等の材料からなり、充填用の油性化粧料が通過する内部空間14を画定し、先端に油性化粧料の吐出口16を有する。筒状ノズル12の寸法は特に限定されないが、口紅を一般的な棒状の容器1に充填する場合には、長さ30〜100mm程度、内径3〜5mm程度、外径4〜7mm程度の細長い形状とする。筒状ノズル12の吐出口16とは反対側の端部から、加熱・溶融された油性化粧料が内部空間14へと導入される。
また、外筒32は、例えばステンレス、耐熱性樹脂等の材料からなる。外筒32の寸法は特に限定されないが、一般的な口紅を棒状の容器1に充填する場合には、外径5〜8mm程度とする。さらに、内径を筒状ノズル12の外径よりも0.5mm程度大きくし、筒状ノズル12と外筒32との間のクリアランスを0.5mm程度確保する。口紅を充填する容器の内径は特に限定されないが、一般的には9〜12mmであるため、充填ノズル10Aの外径を上記のように設定する。
図3に示すように、ノズル部10Aには、筒状ノズル12と外筒32との間、具体的には、筒状ノズルの外周面18上に、電熱ヒータである面状ヒータ20を配設している。面状ヒータ20は、図4に示すように、ニクロム線、ステンレス箔等の電熱線22をポリイミド、フェノール樹脂等の樹脂フィルム24で封止してなる。図4に示す面状ヒータ20を筒状ノズル12の外周面18に巻きつけ、その上から外筒32を筒状ノズル12に嵌め込んでいる。面状ヒータ20を接着剤で筒状ノズル12の外周面18に貼り付けてもよい。図4に示すように、電熱線22の両端は、電線23とハンダ付け接続され、2本の電線23は、樹脂フィルム24の一部である一対のタブ25で樹脂フィルム24から出ている。電熱線22は電線23を介して供給される電力で発熱し、筒状ノズル12を加熱する。また、図4に示すように、面状ヒータ20は、下方に行くほど電熱線22が密に配設されている。面状ヒータ20を筒状ノズル12の外周面18上に配設する際には、この電熱線22が密に配設されている下方側が吐出口16に近い位置となるような姿勢とすることが好ましい。面状ヒータ20の厚みは、0.08〜0.15mm程度とする。
図3に示すように、ノズル部10Aには、筒状ノズル12と外筒32との間、具体的には、筒状ノズルの外周面18上に温度センサ26を配設する。温度センサ26は、筒状ノズル12の外周面18上の吐出口側端部領域に設けられ、当該領域の温度を常時または間欠的に検出する。温度センサ26には、図5に示すように、ポリイミド、フェノール樹脂等の樹脂フィルム30で封止して、厚みを0.05〜0.15mm程度とすることができる任意のものを選択する。温度センサ26の出力は、2本の配線28を通じて後述の制御部に伝達される。温度センサ26による温度検出は、間欠的に行う場合には例えば60ミリ秒に1回の間隔とすることが好ましい。
図3(B)に示すように、筒状ノズル12の外周面18は、その全周のうち温度センサ26を設けた箇所以外には面状ヒータ20を設けることが好ましい。筒状ノズル12の全周を均等に加熱することができるからである。または、温度センサ26を覆うように外周面18の全周に面状ヒータ20を設けてもよい。そして、図6に示すように、外筒32にはノズルヘッド34の近傍に開口部が設けられており、筒状ノズル12に巻きつけられた面状ヒータ20の一対のタブ25が、当該開口部から引き出され、電線23には電熱線22を発熱させるための電力が供給される。また、温度センサの2本の配線28も当該開口部から引き出され、制御部に繋がれる。
ノズル部10B〜10Eもノズル部10Aと同様の構造となっている。すなわち、ノズル部10B〜10Eにも、面状ヒータ20および温度センサ26がそれぞれ設けられている。
次に、図7を参照して、ノズル部10A〜10Eでの電熱ヒータの制御について説明する。図7は、充填ノズル100の電気ブロック図である。面状ヒータ20A〜20Eおよび温度センサ26A〜26Eは、それぞれ制御部50A〜50Eに接続されている。制御部50A〜50Eは、それぞれAC/DCコンバータ52A〜52Eを介して、100VのAC電源に接続されている。AC/DCコンバータ52A〜52Eでは、AC100VがDC12Vと変換されている。なお、温度センサ26A〜26Eの検出した温度をそれぞれリアルタイム表示するモニタ(図示せず)を設けてもよい。
制御部50A〜50Eには、温度センサ26A〜26Eの目標温度Tsetがそれぞれ設定されている。目標温度は、油性化粧料を仕上げ面のムラがないように充填できる適切な温度である。一般的な口紅の場合、例えば約90℃で流動性のある状態の油性化粧料が筒状ノズル12の内部空間14に導入される。そのため、温度センサ26A〜26Eの目標温度、すなわち、筒状ノズル12の吐出口近傍の温度は90〜95℃程度とすることが好ましい。
そして、制御部50A〜50Eは、温度センサ26A〜26Eにより検出された温度に基づき、面状ヒータ20A〜20Eへ電力を供給する。以下、充填ノズル10Aを例にして具体的に説明する。
まず、温度センサ26Aが検出した温度Tが、制御部50Aに伝達される。制御部50Aは、検出温度Tと目標温度Tsetとを比較する。検出温度Tが目標温度Tsetを下回った場合、制御部50Aは、AC/DCコンバータ52Aが出力した電力を面状ヒータ20Aに供給し、面状ヒータ20Aに通電する。その結果、面状ヒータ20Aは発熱する。面状ヒータ20Aが発熱することにより、筒状ノズル12の吐出口近傍の温度が変化し、その結果、温度センサ26Aにより検出される温度Tが変化する。
一方、検出温度Tが目標温度Tset以上の場合、制御部50Aは、AC/DCコンバータ52Aが出力した電力を遮断し、面状ヒータ20Aに供給しないように制御する。
そして、温度センサ26による温度検出を間欠的に行い、その都度、検出温度Tに基づく上記制御を行う。
このようなOn−Off制御により、制御部50Aは、温度センサ26Aにより検出される温度Tが一定値Tsetになるように、面状ヒータ20Aへの電力供給を制御する。その結果、検出温度Tを室温からスタートさせた場合、10数秒程度で検出温度Tは90〜95℃の目標温度Tsetへと到達し、その後は、目標温度の±1℃の範囲内に検出温度Tを維持することができる。温度センサ26Aの検出した温度をリアルタイム表示するモニタによれば、筒状ノズル12の温度管理が適切になされているかを確認できる。検出温度Tが目標温度Tsetへと到達したら、既述の充填動作を開始すればよい。なお、このOn−Off制御は、例えば60ミリ秒ごとに行なうことによって、実質的にノズル部10Aの温度を一定に管理することができる。
ノズル部10B〜10Eについても、これと同様の制御を行うことができる。すなわち、本実施形態では、制御部50A〜50Eは、5本のノズル部10A〜10Eにそれぞれ設けられた面状ヒータ20A〜20Eへの電力供給を独立して制御可能である。
以上説明した本実施形態による充填ノズル100によれば、以下のような効果を得ることができる。
まず、本実施形態では、充填ノズルを直接加熱する面状ヒータ20を用い、温度センサ26の出力に応じて面状ヒータ20への電力供給を制御するようにした。そのため、充填ノズルの温度の経時的な変動を極力抑えることができる。その結果、充填後の仕上がり面の品質を一定に保つことができる。つまり、充填後の仕上がり面にムラが生じにくい。また、大型のヒータや調温用媒体の循環装置などが不要であるため、簡易な装置構成とすることができる。
さらに、電熱式のヒータを用いたので、応答速度が速い点でも好ましい。既述のように、ヒータの電源を入れた直後は、10数秒程度で検出温度Tを目標温度Tsetに到達させることができるし、例えば、目標温度Tsetを変更した場合にも、10秒以内で検出温度Tを追随させることができる。
検出温度Tが一定値となるようにする上記のOn−Off制御によれば、充填ノズルの温度を経時的に一定として、仕上がり面にムラのない充填を行うことができる。
本実施形態は、複数本の充填ノズルのそれぞれの面状ヒータへの電力供給を独立して制御可能なので、全ての充填ノズルの目標温度を同じに設定することができる。そのため、複数本の充填ノズル間での温度ばらつきを抑制することができる。また、それぞれの充填ノズルの目標温度を異ならせることもできる。これはいわゆる多色(多種)充填を行う際に有効である。すなわち、複数の充填ノズルにおいて、適切な充填温度が異なる複数種類の油性化粧料を充填する場合、充填ノズルごとに異なる目標温度を設定すれば、全ての充填ノズルにおいて適切な充填を行うことができる。
本実施形態では、外筒32を設け、筒状ノズル12と外筒32との間に面状ヒータ20および温度センサ26を配置した。そのため、外筒32により、面状ヒータ20および温度センサ26に油性化粧料が付着し、焼き付くことを回避できる。また、外筒32により面状ヒータ20を筒状ノズル12の外周面18へと付勢することができるため、接着剤等を用いる必要がない点でも好ましい。さらに、面状ヒータ20による熱を逃がさずに筒状ノズル12に伝えることができ、温度センサ26により温度の検出も外気の影響を受けないため高精度となる。
本実施形態では、0.08〜0.15mm程度といった非常に薄い面状ヒータ20を用いたので、充填ノズルを大径化させることがない。
本実施形態では、面状ヒータ20は、吐出口16に近い位置ほど電熱線22が密に配設されている。そのため、特に温度が低下しやすい吐出口近傍を確実に加熱することができる。
以下、本発明に従う油性化粧料の充填ノズルの変形例を示す。上記実施形態では、目標温度Tsetを一定値としたが、本発明はこれに限定されず、目標温度を所定の範囲としてもよい。例えば、93〜94℃の範囲内を目標温度として設定し、制御部50は、検出温度Tが当該範囲内に収まるように、面状ヒータ20への電力供給を制御する。
上記実施形態では、面状ヒータ20を筒状ノズル12の外周面18上のうちノズルヘッド34より下の領域全体に設けたが、本発明はこれに限定されず、筒状ノズル12の外周面18上の少なくとも吐出口側端部領域に設ければよい。既述のとおり、筒状ノズル12では特に吐出口近傍での温度の低下が問題となるため、当該領域に設ければ、油性化粧料が充填ノズル内で固化することなく、しかも、充填後の仕上がり面にムラが生じにくいという効果を得ることができるからである。
上記実施形態では5本の充填ノズルの例を示したが、これに限らず、複数本でも1本でもよい。1本の充填ノズルでも、その充填ノズルの温度の経時的な変動を極力抑えることができるという効果を得ることができるからである。
上記実施形態では面状ヒータ20を用いたが、本発明はこれに限定されず、充填する容器1への充填ノズルの挿入を阻害しないサイズのものであれば、他の任意の電熱ヒータを用いることができる。例えば、電熱線を筒状ノズルの外周面上にらせん状に巻き付けてコイル状ヒータとしてもよい。
図8に、充填ノズルの先端の変形例を示す。このように、充填ノズルは、その先端において筒状ノズル12が外筒32から飛び出た構成とすることが好ましい。具体的には、筒状ノズル12の先端と外筒32の先端との距離Dが1mm程度とすることができる。既述のとおり、充填ノズル12の吐出口16からは表面張力と重力により化粧料がわずかに露出し、これが仕上がり面への悪影響の原因となりうる。図3のように、筒状ノズル12の先端と外筒32の先端とが揃っている場合、吐出口16から露出する化粧料が外筒32にまで到達するおそれがある。一方、図8においては、吐出口16から露出する化粧料が外筒32にまで到達せず、仕上がり面への悪影響をより少なくすることができる。
また、図8のように、外筒32の先端は筒状ノズル12の外径程度にまで絞り込んだ形状とすることが好ましい。外筒32のセンタリング性が向上するとともに、筒状ノズル12と外筒32との間に配設される面状ヒータおよび温度センサ(図8では省略)に吐出口16からの化粧料が付着し、焼き付くのを防ぐことができる。
上記実施形態では、温度センサ26は面状ヒータ20とは別に樹脂フィルム30で封止したが、温度センサ26を電熱線22とともに樹脂フィルムに封止して、面状ヒータと温度センサが一体となったモジュールを用いることもできる。
なお、本発明における「油性化粧料」とは、油性成分を連続相とするものであり、溶融充填後に冷却されることにより固化してなる化粧料を意味する。この油性化粧料は、水性相を含有しない非水型であっても、水性相を油相中に分散または乳化した油中水型であってもよく、例えば固化剤を3%以上含むものである。本発明は口紅のような棒状化粧料を製造するのに適しているが、容器1の形状は棒状に限定されず、皿状、ジャータイプ、チューブ、ボトル等の形状でも構わない。
本発明によれば、簡易な装置構成で、充填ノズルを経時的に一定の温度に維持しやすい、油性化粧料の充填ノズルを提供することができる。
1 容器
2 パレット
100 充填ノズル
200 充填装置
10A〜10E ノズル部
12 筒状ノズル
14 内部空間
16 吐出口
18 外周面
20(20A) 面状ヒータ
22 電熱線
23 電線
24 樹脂フィルム
25 タブ
26(26A) 温度センサ
28 配線
30 樹脂フィルム
32 外筒
34 ノズルヘッド
36 雄ネジ
38 ロックナット(雌ネジ)
40 ベースブロック
50(50A〜50E) 制御部
52A〜52E AC/DCコンバータ
60 接続ブロック
62 ホッパー
64 シリンダブロック
66 ピストンロッド
68 サーボモータ
70 バルブ切替用アクチュエータ

Claims (7)

  1. 充填用の油性化粧料が通過する内部空間を画定し、先端に前記油性化粧料の吐出口を有する筒状ノズルと、
    該筒状ノズルの外周面上の少なくとも吐出口側端部領域に配設された電熱ヒータと、
    前記筒状ノズルの外周面上の吐出口側端部領域の温度を常時または間欠的に検出する温度センサと、
    該温度センサおよび前記電熱ヒータに接続されており、前記温度センサにより検出された温度に基づき、前記電熱ヒータへ電力を供給する制御部と、
    を有することを特徴とする油性化粧料の充填ノズル。
  2. 前記制御部は、前記温度センサにより検出される温度が所定の範囲内に収まるように、または、一定値になるように、前記電熱ヒータへの電力供給を制御する請求項1に記載の充填ノズル。
  3. 前記筒状ノズルを複数有し、
    前記制御部は、複数の前記筒状ノズルにそれぞれ設けられた前記電熱ヒータへの電力供給を独立して制御可能である請求項1または2に記載の充填ノズル。
  4. 前記筒状ノズルの外周に配置した外筒を有し、
    前記電熱ヒータおよび前記温度センサは、前記筒状ノズルと前記外筒との間に配設される請求項1〜3のいずれか1項に記載の充填ノズル。
  5. 前記電熱ヒータは、電熱線を樹脂フィルムで封止してなる面状ヒータである請求項1〜4のいずれか1項に記載の充填ノズル。
  6. 前記電熱ヒータは、前記吐出口に近い位置ほど前記電熱線が密に配設されている請求項5に記載の充填ノズル。
  7. 前記温度センサを前記電熱線とともに前記樹脂フィルムに封止してなる請求項5または6に記載の充填ノズル。
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