JP6023291B1 - 減速後に抵抗しなくなる減速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バネの力を油の粘性抵抗のような抵抗より大きくする必要がなく、また、ドアのバネの力をドアごとに調整しなければならない従来の欠点を解消し、あらゆるドアを静かに全閉させる減速装置を提供する。【解決手段】押しバネuuが縮んで運動体Uが減速されて停止するとき一方向動作の楔Pkで押しバネuuの復元を阻止すると、押しバネuuが運動体Uを押し戻すバネの力は最大からゼロに転じる。リンクAがバネuaの弱い力で回転し、運動体Uの進路を塞いだ当接部Gaが退避し、一旦停止した運動体Uは抵抗されずに動き出す。運動体Uの減速時に運動体Uに抵抗が作用するように減速装置を拘束して、運動体Uが減速されて略停止したとき拘束解除して運動体Uに抵抗が作用しないようにする。【選択図】図5

Description

減速後に抵抗しなくなる減速装置に関する。
ドアクローザはドアを開くときにバネを伸縮させ、ドアが閉まるときバネの復元力で勝手に閉まるようにする装置であって、全閉時に激しい衝撃音を発しないように、従来のドアクローザはバネが復元するとき油の粘性抵抗などの抵抗を作用させて、ドアがゆっくりと閉まるようにする。しかしこの方法は、バネが油の粘性抵抗などの抵抗に打ち勝って復元するため、油の粘性抵抗などの抵抗を大きくすればするほど、バネの力を大きくする必要があり、ドアを開くときにドアが重たく感じられるという欠点があった。
また、ドアに取り付く動慣性力はドアの大きさや重さによって異なるので、抵抗を予め一定の大きさに設定したドアクローザは、あらゆるドアに対応することは難しく、あるドアに対しては抵抗が小さすぎて全く減速しないし、あるドアに対しては「抵抗が大きすぎて閉まる速度がゆっくり過ぎる。」ことになり、或いは、閉まる途中で「止まったままになって、なかなか全閉しない。」という欠点があった。
特許文献1に代表される一連の研究は、ドアを開くときにドアが重たく感じられる欠点を解消するためになされたものであって、特許文献1に記載されるドアは、ドアを付勢して回転させるバネの力を、ドアが全閉する直前までは小さく、ドアが全閉する直前以後は大きくして、ドアを必要最小限のエネルギで回転させ、ドアの加速を最小限にするものである。
しかしながら、ドアに力が作用し続ける以上、ドアは加速の一途を辿り、ドアの全閉時にはドアの回転速度が最高に達するはずであって、それでも静かに全閉するのは、全閉直前に「ドアとドア枠との間の隙間を出入りする空気」の流れが大きく乱れて、空気の粘性抵抗が働くからである。
特許文献1に記載されるドアのドア面に作用する空気の粘性抵抗は、ドアの回転速度が大きくなるほど大きくなってドアを大きく減速し、ドアの回転速度がゼロになると消滅する。抵抗を予め一定の大きさに設定したドアクローザとは異なり、必要に応じて必要な大きさの抵抗がドアに勝手に働くようになる。また、従来のドアクローザのように、バネの力を油の粘性抵抗などの抵抗以上に大きくする必要がなく、バネの力は静止したドアを動き始めるようにする最小の力(静止している運動体Uが動き出すために必要な最小の力を、以後、静的付勢力と言う。)であればよいことになって、「ドアを開くときにドアが重たく感じられるという欠点」が解消される。
しかしながら、ドアはドアごとによって形や大きさが異なり、ドアを付勢するバネの力がドアごとに異なるため、バネの力をドアごとに調整しなければならない欠点があり、バネが強すぎると全く減速しないし、弱すぎると閉まる途中で「止まったままになって全閉しない。」という欠点があった。また、ドアとドア枠の間の隙間を出入りする空気の流れはドアで密閉される部屋の窓が開いているかいないかに左右され、全く減速せずに全閉する場合もあり、窓から突風が吹き込んだ場合に、ドア周辺にいる人が怪我をする危険性もあった。
本発明は特許文献1に代表される一連の研究を集大成するもので、上記の空気の粘性抵抗のように「必要に応じて勝手に発生して勝手に消滅する抵抗」と同等の抵抗を機械的に再現させるドアを提供するものであって、あらゆるドアに対しても通用するように強すぎるバネを取り付けた場合でも、ドアが減速され静かに全閉するドアを提供する。
例えば、加速しながら閉まるドアをバネで受け止めて、バネが伸縮してドアを減速し、バネが復元するときバネでドアが跳ね返されないように、バネが復元すると同時にドアからバネを切り離すものであって、ドアが一旦停止するまで減速されて「再び自動的に閉まり始めるドア」を提供するものである。或いは、ドアの慣性力に比例して摩擦面に摩擦力が働いてドアを減速し、摩擦力が働き続けてドアが動き出せないようにならないように、ドアが減速されて止まったときに、ドアを摩擦面から切り離すものである。
本発明のドアはあらゆるドアに対応するもので、バネの力が大きすぎて高速回転するドアに対しても、また、突風を受けて加速したドアに対しても、抵抗がドアの慣性力の大きさに応じて自然に発生し、自然に消滅するドアであって、如何なるドアが如何なる場合でもゆっくりと、しかも静かに全閉する。
本発明のドアは特許文献1のドアと同様に、バネの力を油の粘性抵抗のような抵抗より大きくする必要がなく、また、本発明は特許文献1の「ドアのバネの力をドアごとに調整しなければならない欠点」を解消し、あらゆるドアを静かに全閉させるものである。
特許第4690350号公報 特許第4460554号公報
本発明は、扉や蓋が次第に加速しながら閉まるときに激しい衝撃音を発しないように、閉まる直前に減速した後で再び閉まり始めて全閉するようにするために考案された減速装置に関するもので、一般的に言うと、運動する物体Aを所定の終点Eに到達する直前に減速して、略停止した後に再び動き始めるようにする減速装置あるいは緩衝装置に関するものである。
物体Aと物体Bとがあって、物体Bが静止している場合も、運動している場合も含めて、物体Aが物体Bに衝突するものとして、また、物体Bが弾性体であって物体Aと衝突して変形するとして、物体Bが弾性変形することによって、物体Aの運動エネルギが歪エネルギに変換されて物体Aを減速する。(上記弾性体は物体Bの移動に伴って変形する弾性体であって、主に引きバネV、押しバネU、捩じりバネUVなどである。)また、物体Bが弾性体でなくても、物体Bが摩擦面を押圧しながら移動すると、物体Aの運動エネルギが摩擦熱に変換されて物体Aを減速する。以後、物体Aと物体Bの片方を運動体Uとし、他方を移動体Iとする。また、移動体Iはリンク装置であって、当該リンク装置は弾性体Vの伸縮や摩擦熱を伴って運動するものである。
図1〜3において引きバネVは、図4において押しバネUは、伸縮して運動体Uを減速し、運動体Uが停止するまで伸縮し続け、運動体Uが停止すると同時に復元し始める。何もしなければ、バネが復元して運動体Uは元あった位置まで戻される。図5において、移動体Iが摩擦面Kを押圧しながら摩擦面Kに沿って摺動して運動体Uを減速し、運動体Uが停止するまで移動し続け、運動体Uが停止すると摩擦面の抵抗は運動摩擦抵抗から最大静止摩擦抵抗になり、何もしなければ、運動体Uを止まったままになる。
本発明は、弾性体Vが復元して運動体Uが進行方向と逆方向に後戻りしないようにするものであり、或いは、運動体Uが減速した後で、摩擦によるブレーキが効いたまま、止まったままに動かなくならないようにするものであって、運動体Uが減速されて略停止するとき、それまで運動体Uに働いた抵抗が運動体Uに作用しない状態になって、運動体U が再び動き始めるようにするものである。
如何にして弾性体Vが復元しても運動体Uが進行方向と逆方向に後戻りしないようにするか、或いは、如何にして、摩擦によるブレーキが効いたまま運動体Uが減速した後で止まったままにならないようにするかが課題であって、発明が解決しようとする課題は、運動体Uが減速されて略停止するとき、如何にしてそれまで運動体Uに働いた抵抗が運動体Uに作用しない状態にするかであって、減速されて停止した運動体U が再び動き始めるようにすることが課題の目的である。
本発明は、「運動体が移動体と当接して相対的に一体となって移動し、運動体と移動体とが互いに力を伝達しあって、運動体の運動エネルギを移動体或いは運動体が備える弾性体の歪エネルギに変換して、移動体が運動体に抵抗して運動体を減速する減速装置或いは緩衝装置であって、複数のリンクからなるリンク装置を形成し、上記リンク装置は、バネに付勢されるリンクを備え、運動体の減速時に上記リンクの移動或いは回転を拘束し、運動体が減速されて略停止したとき拘束解除して移動或いは回転させ、運動体と移動体との間の力の伝達を切断する解除可能な拘束手段を備えることを特徴とする減速装置或いは緩衝装置。」であって、減速された運動体が移動体から抵抗されずに加速することを特徴とする減速装置或いは緩衝装置である。
例えば図1の実施例のように、運動体の運動エネルギを弾性体の歪エネルギに変換して、運動体を減速するものと、例えば図6の実施例のように、運動体の運動エネルギを摩擦熱に変換し、運動体を減速するものがあるが、弾性体の歪の復元によって運動体が後戻りしないように、また摩擦力が効いたままで減速後に止まったままにならずに再び動き出さないように、解除可能な拘束手段を備えることが本発明の特徴である。
「上記解除可能な拘束手段は、弾性体の伸縮と復元の何れか一方に動作して一方向動作の拘束手段と伸縮時に動作せず復元時に動作する上記拘束手段を解除する拘束解除手段を備える。
上記拘束手段は解除可能であって、減速装置或いは緩衝装置は運動体の減速時に上記「バネに付勢されるリンク」の移動或いは回転を拘束して運動体Uを減速する拘束解除手段を備え、運動体Uが停止するまで拘束し続けた後に、運動体が減速されて略停止したとき上記拘束手段を解除して上記「バネに付勢されるリンク」を移動或いは回転させ、運動体と移動体との間の力の伝達を切断する。
図1において、引きバネVは運動体に抵抗して運動体を減速する弾性体でもあり、上記拘束手段を解除するバネでもあって、リンクAは上記「バネに付勢されるリンク」に該当し、図1の減速装置は、「運動体(U)が移動体(I)と当接して相対的に一体となって移動し、運動体(U)の運動エネルギを弾性体(v)の歪エネルギに変換して運動体(U)を減速する減速装置であって、上記弾性体(V)の伸縮時に運動体(U)に抵抗を伝達して、上記弾性体(V)の復元時に上記抵抗の伝達を切断するリンク(A)と、上記リンクを移動或いは回転させるバネとを備え、運動体の減速時に上記リンク(A)の移動或いは回転を運動体(U)が略停止するまで拘束し、運動体が減速されて略停止したとき上記弾性体(V)の復元によって拘束解除して上記リンク(A)を移動或いは回転させて運動体(U)と移動体(I)との間の力の伝達を切断する解除可能な拘束手段を備えることを特徴とする減速装置1。」である。減速装置1に該当する実施例は図1以外に図2,8,9,11,14,16,18,19,20,21,22,23などに示される。
図1の実施例の拘束手段を解除する手段は、「上記リンクに作用する力の作用線が上記リンクの回転軸を横切ることを特徴とする。
図1において、リンクAは引きバネVに付勢され、ラチェット爪Rは引きバネVの復元に連動して、力の作用線即ち引きバネVがリンクAの回転軸Iaを横切るようにする。引きバネVがリンクAの回転軸Iaを横切った後は、運動体Uが止まったままでも、リンクAは引きバネVが力を失うまで回転し続ける。
図4において、当接部Guは引きバネVの伸縮時に移動が拘束され復元すると同時に移動し、結果的に拘束解除されることになり、当接部Guは復元時にのみ動作する一方向動作の拘束解除手段となる。図1においては、運動体が僅かに後戻りする動作が拘束解除させるが、図4において、拘束解除の動作が運動体僅かに後戻りさせるとすれば、運動体が減速されて停止するまで、引きバネVは復元しない。図4に示す当接部Guは運動体が減速されて停止するまで移動が拘束されことになる。何故なら、運動体が後戻りして進行方向を逆転するときは運動体の運動速度はゼロであって、運動体が後戻りするまで引きバネVは引き伸ばされる。縮み始めるとき運動体Uは停止するときであるので、運動体は停止するまで減速されたことになる。図4において当接部Guが拘束解除されるときと同様に、図5においては摩擦面Gaが、図においては当接部Guが拘束解除されて移動し始めるとき運動体の後戻りを伴うようにすると、運動体は停止するまで減速されたことになる。
運動体の後戻りを伴うことによって運動体を停止するまで減速したことになる減速装置は、「運動体が移動体と当接して相対的に一体となって移動し、運動体の運動エネルギを弾性体の歪エネルギ或いは摩擦熱に変換して運動体を減速する減速装置であって、運動体と移動体との間の力を伝達しその後切断するリンクと、上記リンクを移動或いは回転させるバネとを備え、運動体が減速されて略停止したとき上記リンクを移動或いは回転させるバネとを備え、運動体の減速時に上記リンクの移動或いは回転を運動体が略停止するまで拘束し、運動体が減速されて略停止したとき上記リンクの拘束を解除して上記リンクを移動或いは回転させ、運動体と移動体との間の力の伝達を切断する解除可能な拘束手段を備えることを特徴とし、上記リンクの拘束を解除するとき、運動体の後戻りを伴う減速装置2」であって、図1,5において弾性体によって、図4,6において摩擦熱によって運動体は減速される。減速装置2に該当する実施例は図1以外に図2,4,5,6,7,8,9,10,11,16,18,19,20,21,22,23などに示される。
本発明の減速装置は運動体を停止するまで減速して再び加速させ、運動体は停止する以前に加速しない。特許文献2の閉鎖装置から一時固定手段25とダンバー23とを取り除けば本願減速装置と同じであって、バネが上記リンクの回転軸を横切れば運動体と移動体との間の力の伝達を切断する本願減速装置と同様の動作が認められる。しかしながら、特許文献2の閉鎖装置の解除可能な拘束手段は運動体を停止するまで減速するまで拘束し続ける特徴を備えず、ほとんどの場合上記リンクの拘束を解除する以前に減速せず、解除した以後にダンバー23によって減速する。特許文献2の閉鎖装置を含めて従来の閉鎖装置からダンバー23を取り除いても、確実にドアを停止するまで減速し以後確実に全閉させるドアクローザはいまだに発明されていない。
図5において、運動体UはピストンPsを介してリンクAの摩擦面Gaを押圧して、押しバネuuが縮んで運動体Uを減速する。押しバネuuがピストンPsを押し返して摩擦面Gaを押圧する力は増加の一途を辿り、運動体Uが減速して停止したとき最大になる。楔Pkは押しバネuuの復元を阻止する手段で一方向に移動して戻らない。楔Pkによって押しバネuuの復元が阻止されているので、運動体Uの動慣性力は消失したとき、静的付勢力だけが摩擦面Gaを押圧する。この状態でリンクAを図中矢印ロ方向に回転させ摩擦面GaをピストンPsから切り離すように、押しバネuuの力を設定しておくと、運動体Uが停止したと同時に「ピストンPsの前方を塞いでいたリンクA」がピストンPsの進路の外に移動する。運動体Uは再び加速する。運動体Uが停止するまで減速された後に押しバネuuが復元し始めると同時に復元が阻止され、押しバネuuが摩擦面Gaを押圧する力が最大値から激減して、それまで大きな押圧力による摩擦力で移動できなかった摩擦面Gaが、「リンクAを付勢する押しバネUaの力によって「それまで拘束されていたリンクA」が移動可能になる。
図4の当接部Guと同様に、「リンクAの先端部に設けられる摩擦面Ga」が一方向に動作する拘束解除手段である。図1において、拘束解除は運動体を減速した引きバネVの復元力によって拘束解除するが、図5において引きバネVとは別に用意された押しバネUaの力によって拘束解除する。また、図1、図4において拘束解除に運動体の後戻りが必要であるが、押しバネuuの復元を阻止したとき運動体は停止するまで減速され、拘束解除に運動体の後戻りは必要でない。
図5において、押しバネuuは運動体に抵抗して運動体を減速する弾性体であり、押しバネuaは上記拘束手段を解除するバネであって、リンクAは上記「バネに付勢されるリンク」に該当し、図5に示す減速装置は「運動体(U)が移動体(I)と当接して相対的に一体となって移動し、運動体(U)の運動エネルギを弾性体(uu)の歪エネルギに変換して運動体(U)を減速する減速装置であり、運動体(U)と移動体(I)との間の力を伝達しその後切断するリンク(A)と、上記リンク(A)を移動或いは回転させるバネ(ua)とを備え、運動体(U)の減速時に上記リンク(A)の移動或いは回転を運動体(U)が略停止するまで拘束し、運動体(U)が減速されて略停止したとき上記バネ(ua)によって上記リンク(A)の拘束を解除して上記リンク(A)を移動或いは回転させ、運動体(U)と移動体(I)との間の力の伝達を切断する解除可能な拘束手段を備えることを特徴とし、上記弾性体(uu)の復元を阻止することによって上記リンク(A)の移動或いは回転を拘束する力が上記リンク(A)を移動或いは回転させる力より小さくなって、上記リンク(A)が移動或いは回転することを特徴とする減速装置4」である。拘束解除時に上記リンク(A)の力の作用点(図5において当接部Gu、図19において接点b)に働く力は、図5において当接部Guが運動体を押し戻す力が小さくなる分だけ減少し、図19において弾性体の復元力を接点b以外で支持する分だけ増加する。
減速装置4に該当する実施例は図5、19以外に図4,13,17などに示される。
図6は、摩擦抵抗によって減速するものであるが、運動体Uが摩擦抵抗に打ち勝って当接部Guを押圧している間は、当接部Guは当該押圧力による摩擦力で図中矢印イと直角に退避する方向に移動できず。運動体Uが押し切れず停止したとき、運動体の動慣性力はゼロになり、当該押圧力が所定の大きさまで減少し、当接部Guの移動を拘束した摩擦力も減少して、予め用意した押しバネUaの力によって当接部Guは図中矢印イと直角に退避する方向に移動する。
図4、図5の減速装置は、「運動体と移動体との間の力の伝達し切断する当接部Gu」を押圧する力が所定の大きさ以下になるとき、当接部Guの移動の拘束を解除するバネを備える。図4、図5、図6の減速装置は、減速装置を構成するリンクの1つの力の作用点に働く力が所定の大きさ以下であるとき、運動体と移動体との間の力の伝達を切断するバネを備える。運動体の減速時に「運動体と移動体とが力を伝達しあう当接部」の移動を拘束し、弾性体が伸縮し、「当該当接部を運動体と移動体が互いに押し合う力」が最大値に達して運動体が略停止したとき弾性体の復元を阻止して、当該押し合う力が所定の大きさまで減少したとき、或いは摩擦抵抗によって減速された運動体が略停止して、当該押し合う力が所定の大きさまで減少したとき、当該当接部の移動の拘束を解除する一方向動作の解除可能な拘束手段を備える。運動体を弾性体で減速する場合と異なり、摩擦熱で減速する場合は、運動体が減速されて略停止したとき当接部Guを押し返す力が働かない。運動体が減速されて略停止したとき当接部Guは静止して移動しない。従って、減速装置の弾性体の復元を阻止するようなことは要らない。
図6において、摩擦面Giの摩擦抵抗と摩擦面Gpの摩擦抵抗が運動体Uを減速する。、押しバネuaは上記拘束手段を解除するバネであって、リンクAは「バネに付勢されるリンク」に該当し、図6に示す減速装置は、「運動体(U)が移動体(I)と当接して相対的に一体となって移動し、運動体(U)の運動エネルギを摩擦熱に変換して運動体(U)を減速する減速装置であって、運動体(U)と移動体(I)との間の力を伝達しその後切断するリンク(A)と、上記リンク(A)を移動或いは回転させるバネ(ua)とを備え、運動体(U)の減速時に上記リンク(A)の移動或いは回転を運動体(U)が略停止するまで拘束し、運動体(U)が減速されて略停止したとき上記リンク(A)の拘束を解除して上記リンク(A)を移動或いは回転させ、運動体(U)と移動体(I)との間の力の伝達を切断する解除可能な拘束手段を備え、運動体の減速に従い上記リンク(A)の移動或いは回転を拘束する力が上記バネ(ua)によって上記リンク(A)を移動或いは回転させる力より小さくなって、上記リンク(A)が移動或いは回転することを特徴とする減速装置3」である。拘束解除時に上記リンク(A)の力の作用点(図4において摩擦面Gi、図6において当接部Gu)に働く力は、図4において摩擦面Giに働く摩擦抵抗が小さくなる分だけ増加し、図6において運動体が当接部を押圧する力が小さくなる分だけ減少する。
減速装置3に該当する実施例は図4、6以外に図7などに示される。
性体の歪エネルギに変換して運動体を減速するものは、弾性体が復元して運動体が後戻りしないように、図1に例示するように、運動体が停止したままで弾性体が復元するものと、図5に例示するように、弾性体の復元を阻止するものとがあって、図1の場合は弾性体の復元力がなくなって、運動体に抵抗するものがなくなって、再び動き出す。図5と図6の実施例の場合、運動体が停止したままになって再び動きださなくならないように、運動体が運動体に抵抗するものから離れる。
運動体に抵抗するものがなくなるように、運動体が運動体に抵抗するものから離れるようにする動作には力が必要であり、図1に例示するように、弾性体の復元力を利用するものと、図5と図6の実施例のように、弾性体の復元力を利用しないものとがあり、利用しないものは、運動体を減速した弾性体とは別の弾性体が用意される。
拘束解除されて移動或いは回転をする動作には力が必要であって、図1に例示するように、弾性体の復元力を利用するものは、弾性体の復元によって運動体の運動方向が逆になる動作と連動する。図5と図6の実施例のように、減速した弾性体とは別の弾性体が用意されるものは運動体の運動方向が逆になる動作がおきない。
運動体に作用する抵抗の伝達を切断する動作に、図1〜3の場合は運動体の後戻りを伴い、図4〜6の場合は後戻りを伴わない。図1〜3の場合は運動体の後戻りを僅かにするために、図9に示すてこの原理で、図12に示す歯車機構で、図16に示す動滑車で、運動体の小さな後戻りをリンクの大きな動作に拡大している。
図4〜6の場合、「運動体と移動体とが伝達しあう力」の大きさが「リンクを付勢するバネ」が運動体と移動体との間の力の伝達を切断する力より大きい場合は、リンクの移動或いは回転が拘束され、小さい場合は拘束解除される。図5の実施例の場合、弾性体の復元を阻止したとき、運動体と移動体とが互いに押し合う力が激減して拘束解除され、図6の実施例の場合、運動体が止まったとき、運動体と移動体とが互いに押し合う力が最小値になり拘束解除される。
図19の減速装置は、弾性体の伸縮時に回転せずに平行移動する移動体が、弾性体の復元時に「運動体と移動体との間に働く力を伝達する当接部Gu」と異なる場所の移動を拘束することによって回転し、運動体と移動体との間の力の伝達を切断する。図1〜3の場合も、図4〜6の場合も、図19の場合も、運動体と移動体との間の力の伝達を切断する動作は、初めに運動体の僅かな後退を伴っても、その後、運動体が停止したまま、抵抗が解除されるまで続行する。
これらは、運動体が略停止したままの状態で「運動体と移動体との間の力の伝達」を切断することを特徴とするが、図18、図23に示すカム体Bは「運動体と移動体との間の力の伝達」が切断されるまで、運動体の後戻りを必要とする。
何れにしても、「運動体と移動体との間に働く力を伝達する当接部Gu」は当該当接部に働く力の作用線と略直角方向に移動して、運動体と移動体との間の力の伝達を切断することを特徴とする。図1(c)において、リンクAが回転し始めた当初は、引きバネVが運動体Uの移動方向と略平行で、ドアを押し戻す力が大きく、また、図6においてリンクAは運動体Uの推進力を軸芯線Za方向に支持し、リンクAの先端部の当接部Guが軸芯線Zaと直角方向に移動して、運動体Uの進路の外に出る。リンクは運動体が弾性体或いは摩擦面を介して作用する力を略軸芯線Z方向に支持して静止する状態に拘束され、リンクの拘束は軸芯線Z方向に略直角方向の力によって解除される。解除可能な拘束手段は、連結軸に作用する力の作用線とリンクの軸芯線とが略一直線上にあって、拘束を解除する力の方向が上記力の作用線と直角或いは略直角方向である。上記リンクは運動体と移動体との間に働く大きな力を支持し、リンクの軸心線Zと略直角方向の小さな力で移動可能であって、不安定な状態にある。この減速装置は、「上記リンクは運動体と当接する当接部を備え、減速時に運動体の推進力が上記当接部に作用し、上記当接部と上記リンクの回転軸とを通る直線(リンクの軸心線Z)と上記当接部を通る上記推進力の作用線とが略一直線上にあることを特徴とする減速装置5」である。減速装置5に該当する実施例は減速装置1,2の図1と減速装置3の図6と減速装置4の図5などに示される。
図24、図25に示す実施例は、解除可能な拘束手段を1個に限らず、複数個備える減速装置で、停止と運動を交互に繰り返す。荷物の重さに関係なくバランスをとって上下する荷台を説明する実施例でもあり、解除可能な拘束手段を手動で操作することによって、荷台の減速速度と停止を調節することが出来る。
図24において、荷台TAは運動体であり、「バネに付勢されるリンク」である車輪支軸Ibは図示しない付勢手段によって付勢され、車輪支軸Ibが荷台TAに設けられ溝MTに沿って移動する。同時に車輪支軸Ibに装着される車輪Bは固定部Wの設けられる溝Mw内を移動する。よって、車輪支軸Ibは運動体(TA)に設けられる溝MTと固定部Wに設けられる溝MWとを同時に沿って移動する。溝Mwは摺動面Kと摺動面KKとを備え、車輪Bが摺動面KKの水平部分に沿って移動するとき荷台の下降が止められ、車輪Bが図示しない付勢手段によって、図中矢印イ方向に移動して摺動面KKの水平部分から離れて摺動面Kの垂直部分に当接すると、荷台TAは重力によって下降する。図24の昇降装置は車輪Bが摺動面KKにあるとき荷台TAの下降を拘束し、摺動面KKにないとき拘束解除される。よって、車輪支軸Ibが摺動面KKの水平部分に沿って移動するとき荷台の下降が止められ、摺動面Kの垂直部分に当接すると、荷台TAは重力によって下降する。荷台TAは複数回に亘って停止と昇降動作を交互に繰り返して、減速と加速を繰り返してゆっくりと上昇或いは下降する。
図24の昇降装置は「荷台TAに設けられる溝MTと固定部Wに設けられる溝MWとを同時に沿って移動する車輪支軸Ibと、上記車輪支軸Ibを付勢するバネとを備え、上記固定部Wに設けられる溝MWは上記車輪支軸Ibの移動を拘束して荷台TAを停止させる部分と、上記車輪支軸Ibの移動を拘束せずに荷台TAを運動させる部分とを交互に配して、上記車輪支軸Ibが荷台TAに設けられる溝MTを移動して、荷台TAの減速時に上記車輪支軸Ibの移動或いは回転を荷台TAが略停止するまで拘束し、荷台TAが減速されて略停止したとき拘束解除して上記車輪支軸Ibを移動或いは回転させて荷台TAと固定部Wとの間の力の伝達を切断する解除可能な拘束手段を複数備え、荷台TAが停止と運動を交互に繰り返すことを特徴とする減速装置6。」である。一般的には「運動体に設けられる溝と固定部に設けられる溝とを同時に沿って移動するリンクと、上記リンクを付勢するバネとを備え、上記固定部に設けられる溝は上記リンクの移動を拘束して運動体を停止させる部分と、上記リンクの移動を拘束せずに運動体を運動させる部分とを交互に配して、上記リンクが運動体に設けられる溝を移動して、運動体の減速時に上記リンクの移動或いは回転を運動体が略停止するまで拘束し、運動体が減速されて略停止したとき拘束解除して上記リンクを移動或いは回転させて運動体と移動体との間の力の伝達を切断する解除可能な拘束手段を複数備え、運動体が停止と運動を交互に繰り返すことを特徴とする減速装置。」図25の実施例も減速装置6に該当する。
図26(a)においては、チェインCHの各連結軸Pのそれぞれの周りに「外周が渦巻曲線のカム体Bk」が回転自在に軸支され、プレートPLは柱CLの摺動面Kに沿って昇降する。カム体Bkは電動機に付勢されて移動し、プレートPLに設けられるチェインCHが通る溝(減速装置5の荷台TAに設けられる溝溝MTに相当する)と固定部Wに設けられ柱CL側面の摺動面K(溝MWに相当する)とを同時に沿って移動する。また、カム体Bkは摺動面Kを押圧する状態で回転が拘束されてプレートPLの落下を阻止し、拘束解除されてカム体Bkの外縁部が押圧力の作用線と直角方向に移動して押圧力の伝達を切断しながら昇降する。それぞれのカム体Bkは拘束時に摺動面K上で移動せず停止し、拘束解除時に摺動面K上から離れて移動して運動する。図26(b)においては、車輪B2と車輪B3のそれぞれの外縁部に近い円周部分に複数個の連結軸Pが等分に配され、各連結軸Pのそれぞれの周りに「外周が渦巻曲線のカム体Bk」が回転自在に軸支される。車輪B2と車輪B3は電動機によって回転し、カム体Bkは電動機に付勢されて移動し、プレートPLに設けられる外縁部に近い円周部分の溝(溝MTに相当する)と固定部Wに設けられる柱CL側面の摺動面K(溝MWに相当する)とを同時に沿って移動する。カム体Bk回転が拘束されて摺動面K上で移動せず摺動面K上で停止してからプレートPLは昇降し始め、停止状態から運動状態に移行する。拘束解除時に摺動面K上から離れて次に拘束されるまで移動してプレートPLは運動状態から停止状態に移行する。図25の減速装置5と異なり、カム体Bk(車輪支軸Ib)が拘束されるときにプレートPL(荷台TA)が加速して、拘束解除されて減速する。図26(a)は摺動面K上に停止するカム体Bkを多くして、加速と減速を繰り返すプレートPLは運動速度を一定に近づけるものである。
図26(a)(b)の減速装置は「複数個のカム体Bkのそれぞれは外縁部の形状が連結軸Pからの距離が漸次増加する渦巻曲線の形状であって、プレートPLに設けられる軌道と柱CLに設けられる摺動面Kとを同時に沿って移動し、上記カム体Bkが上記摺動面K上で停止して摺動面Kを押圧するとき上記カム体Bkの回転が拘束されてプレートPLは加速し、上記カム体Bkの回転の拘束が解除されて上記カム体Bkが上記摺動面K上から離れて運動するときプレートPLと柱CLとの間の力の伝達を切断する解除可能な拘束手段を複数備え、プレートPLが加速と減速を交互に繰り返すことを特徴とする減速装置7。」である。
運動体の移動距離は速度と時間の積分値であるので、一定速度で運動する運動体より停止と運動を交互に繰り返す運動体の方が単位時間内の移動距離が少なく移動速度も小さい。よって、停止と運動を交互に繰り返すことによって運動体を減速することができる。
一方向動作の拘束手段或いは拘束解除手段は運動体が減速されて停止するときを境にして動作或いは停止するが、一方向動作の拘束手段或いは拘束解除手段を採用しない場合は、運動体が減速されて停止するときを境にして拘束或いは拘束解除できない。バネに付勢されるリンクは減速時に回転が拘束され、或いは先端部の移動が拘束されるが、図15の実施例においてはリンクAが減速時に拘束されて静止し続けるのではなく、揺動して往復運動の折り返し時にリンクAも運動体も停止し、運動体が停止するまで減速されることになる。
図15の減速装置は、「運動体(U)が移動体(I)と当接して相対的に一体となって移動し、運動体(U)の運動エネルギを弾性体(uu)の歪エネルギに変換して運動体(U)を減速する減速装置であって、上記弾性体(uu)の伸縮時に運動体(U)に抵抗を伝達して上記弾性体(uu)の復元時に上記抵抗の伝達を切断するリンク(A)の先端部(B)と、固定部Wに設けられる摺動面Kに沿って移動する支持体(J)とを備え、上記先端部(B)が上記弾性体(uu)を伸縮させながら往運動し上記弾性体(uu)の復元により復運動して、上記先端部(B)が往運動するとき上記支持体(J)が上記先端部(B)を支持して拘束し、上記先端部(B)が復運動するとき上記支持体(J)が上記先端部(B)を支持しないようにして拘束解除する解除可能な拘束手段を備えることを特徴とする減速装置8。」である。
図15において上記支持体(J)は摺動面Kに沿って移動する回転体Jであり、上記支持体(J)は車輪Bが押しバネuuを縮めながら往運動するとき、回転せずに平行移動し、車輪Bが復運動するとき戻らず回転して上記抵抗の伝達を切断する。往運動から復運動に折り返すとき上記支持体(J)の速度がゼロであり、運動体Uも停止する。弾性体が伸縮しきったとき運動体の速度がゼロであり弾性体の復元によって上記抵抗の伝達を切断する減速装置は動体が停止するまで減速する。減速装置8に該当する実施例は図15以外に図3などに示される。
本発明の減速装置は、従来のドアクローザから油圧シリンダを取り除き小型化するものであって、安全を保障しながら快適な住環境を楽しめるドアを提供する。
また、ドアや蓋の開閉装置に限らず、質量を持つ全ての運動体に応用でき、その他多くの分野に貢献するであろう事は言うまでもない。
ラチェット爪Rが一方向動作の拘束解除手段である実施例 カム体外延部Rjが一方向動作の拘束解除手段である実施例 回転体Jが一方向動作の拘束解除手段である実施例 当接部Guが一方向動作の拘束解除手段である実施例 押しバネuuの復元を阻止する一方向動作の拘束手段を備える実施例 摩擦抵抗によって減速する実施例 一方向動作の拘束手段或いは拘束解除手段を採用しない実施例 当接部Guと回転体Jが一方向動作の拘束解除手段である実施例 運動体の小さな動作をリンクの大きな運動に変換する実施例 運動体の後戻りを伴う一方向動作の拘束手段を備える実施例 ドアが減速されて停止後再び動き出すようにするドアヒンジ 逆方向に動作する解除可能な拘束手段を備えるドアヒンジ 当接部Guが一方向動作の拘束解除手段であるドアヒンジ ピンが上下し摩擦面Gpが解除可能な拘束手段であるドアヒンジ 摩擦面Gkの後退を阻止する一方向動作の拘束手段を備える実施例 運動体の小さな動作を大きく拡大する滑車機構の実施例 押しバネUの復元を阻止して運動体が抵抗から離れる機構説明図 衝突時の衝撃が弱くても止まったままにならない実施例 バネが復元して回転軸の逆戻りを阻止する実施例。 ピニオンがラックから離脱して抵抗解除する機構の説明図 運動体がバネの復元力で停止した後に前進する機構説明図 バネの復元力で動作が切断されない一方向動作の拘束手段の説明図 一方向動作の拘束手段と拘束解除手段を備えるワンウェイクラッチ 拘束手段と拘束解除手段を複数個備える機構説明図 手動操作して任意の位置で静止するバランサー 柱に食いついて離れない昇降機の説明 ドアとドア枠とに挟まれて死亡しない回転ドアの説明図(参考図)
図1は減速装置1,2,5の実施例で、引きバネVは運動体を減速する弾性体でもあり、リンクAを付勢するバネでもある。拘束手段は運動体の減速時に上記リンクAの回転を或いはリンクAの先端部に設けられる支軸Saの移動を拘束する。引きバネVは運動体が停止するまで引伸ばされ、引きバネVが復元して運動体が後戻りすることによって上記リンクが回転し或いは支軸Saが移動して運動体と移動体との間の力の伝達を切断する。また、運動体の移動方向は略リンクAの軸心線Z方向と同じである。
図1は運動体Uの衝撃を緩和する減速装置の実施例で、運動体Uの衝撃を吸収して伸縮しきったバネが運動体Uを押し戻さずに、運動体Uは再び動き出すようになる。図1(a)は衝突以前の状態を示し、図1(b)に、運動体Uと衝突した移動体Iが上記運動体Uとが相対的に一体になって移動する状態を示す。移動体Iは移動体Iの移動に伴い変形する弾性体Vを備え、弾性体Vの弾性力は運動体Uの運動に抵抗し、図1()に示すように、運動体Uを減速して停止した後に弾性力は運動体Uの運動に抵抗しなくなる。図1(d)は、運動体Uが終点Eに向かって移動する状態を示す。
図1(b)〜(d)に示す衝突以後において、運動体Uは終点Eに向かって移動し、移動体Iは固定部Wに設けられる軌道Xに沿って図中矢印イ方向に移動する。リンクAは「移動体Iに設けられる回転軸Ia」の周りに回転自在に軸支される。引きバネVの片方の取付部は「固定部Wに設けられる支軸Sw」に固定支持され、他方の取付部は「リンクAの先端部に設けられる支軸Saに可動支持される。
図1(a)、(b)において、回転軸Iaはバネの軸心線Zv(以後、部材を支持する2つの支軸を通る直線を軸心線と言う。)上になく、バネの軸心線Zvから僅かに離れていて、バネの軸心線Zvを中間にして「移動体Iに設けられる当たりGa」と反対側にある。引きバネVは回転軸Iaを軸にリンクAを図中矢印ロ方向に回転するように付勢し、リンクAの図中矢印ロ方向の回転は当たりGaによって阻止され、リンクAは静止している。また、引きバネVは移動体Iを図中矢印イと反対方向に付勢し、固定部Wに設けられる当たりGxは、図1(a)において、移動体Iの図中矢印イと反対方向の移動を止めている。支軸IrはリンクAに設けられ、ラチェット爪RはIrの周りに回転自在に軸支される。ラチェット爪Rは図中矢印ハ方向に回転するように図示しない押しバネuuに付勢される。
移動体Iが図中矢印イ方向に向かって移動するとき、ラチェット爪Rの先端部は固定部Wに設けられる摺動面Krに沿って摺動し、ラチェット爪Rの回転は摺動面Krによって阻止される。
移動体Iは先端部に運動体Uと当接する当接部Guを備え、先端部と反対側の末端部に「軌道Xの終点Eに設けられる当たりGe」と当接する当接部Giとを備える。
図1(b)において、運動体Uは当接部Guと当接し引きバネVは引き伸ばされ、移動体Iは当たりGxから離れて図中矢印イ方向に移動する。図1(c)に示すように、運動体Uが減速して停止した後、伸縮したバネVが復元し初める。
運動体Uの運動エネルギは引きバネVの伸縮に変換され、引きバネVの伸縮量は衝突時に運動体Uが保有する運動エネルギに比例し、引きバネVはあらゆる大きさの運動エネルギに対応する。運動体Uが高速で移動体Iに衝突する場合も、低速で衝突する場合も、運動体の質量が大きい場合も小さい場合も、あらゆる場合に対して、運動体が停止するまで減速する。
運動体Uが後戻りするとき、ラチェット爪Rも移動体Iと共に後戻りして、先端部が摺動面Krに食い込み、ラチェット爪Rは図中矢印ハ方向に回転する。リンクAは当たりGaから離れて図中矢印ロと反対方向に回転する。バネの軸心線Zvが回転軸Iaを横切ると、運動体Uが後戻りすることなく止まったままでも、リンクAは、図1(d)に示すように、引きバネVの復元力がなくなるまでリンクAは図中矢印ロと反対方向に回転し続ける。図1(d)は運動体Uが僅かに後戻りした後に、引きバネVの抵抗を受けずに、運動体Uが終点Eに向かって移動する状態を示す。図示しない静的付勢力が運動体Uを図中矢印イ方向に付勢し続けているものとする。(以後、運動体Uは、移動体Iと衝突する以前に静的付勢力だけで加速しているものとする。)リンクAは緩みきった引きバネVを介して固定支軸Swに連結されるが、運動体Uの図中矢印イ方向の移動に従い図中矢印ロと反対方向に回転し続ける。
装置を初期化するには、移動体Iを当たりGxに当接するまで移動し、リンクAを当たりGaに当接するまで移動すればよい。
このように、リンクAの回転が拘束された状態のとき運動体は減速され、運動体Uの減速が終了すると、リンクAの回転の拘束は解除され、運動体Uを減速する抵抗は解除される。ラチェット爪Rは、運動体Uが減速されて停止するまでリンクAの回転を拘束し、運動体Uが運動方向を逆転し僅かに後戻りし始めると同時に、リンクAの回転の拘束を解除する。ラチェット爪Rは、運動体Uに作用するバネの力を解放する一方向動作の抵抗解除手段である。
また引きバネVが復元し始め、運動体Uの運動方向が逆転するとき、運動体Uの速度がゼロになるから、リンクAの回転の拘束を解除するとき、僅かにでも運動体Uの後戻りを伴うようにすれば、運動体Uは速度がゼロになるまで減速されることになる。その後運動体Uは、抵抗がない状態で再び動き出すようになるが、運動体Uの速度がゼロになる以前にリンクAが回転し、運動体Uが減速から加速に転じることはない。故に、運動体Uの減速の途中で拘束が解除されて、運動体Uが抵抗を受けずに加速し始めるようなことにはならない。
図2は減速装置1,2の実施例で、引きバネVは運動体を減速する弾性体でもあり、回転体Jを付勢するバネでもある。拘束手段は運動体の減速時に回転体Jの回転を或いは回転体Jの先端部に設けられる支軸Sjの移動を拘束する。引きバネVは運動体が停止するまで引伸ばされ、引きバネVが復元して運動体(U)が後戻りすることによって上記リンク(A)が回転し或いは支軸Saが移動して運動体(U)と移動体(I)との間の力の伝達を切断する。
図2の実施例においては図1の場合と同じく、図2(b)に示すように、運動体Uと衝突した移動体Iが上記運動体Uとが相対的に一体になって移動し、上記移動体Iの移動に伴い変形して弾性力が上記運動体Uに抵抗する弾性体Vを備え、上記運動体Uを減速した後に上記弾性体Vの復元力が上記運動体Uに作用しないようになって、図2(c)に示すように、上記運動体Uが終点Eに向かって移動するようにする。図2(a)は運動体Uが移動体Iに衝突する以前の状態を示す。
図2の実施例においては図1の場合と異なり、移動体Iは回転する。移動体Iは固定部Wに設けられる回転軸Iiの周りを回転自在に軸支され、図2(b),(c)に示すように、運動体Uと衝突後に運動体Uと相対的に一体となって回転軸Iiを中心に図中矢印イ方向に回転する。
また、引きバネVの取付軸の固定支持されるほうの支軸Sjが移動して、運動体Uの運動に抵抗する引きバネVの復元力が作用しないようにする。
図2において、引きバネVは移動体Iの円弧の外縁部Riに沿って摺動し、片方の取付部は移動体Iに設けられる支軸Siに可動支持され、他方の取付部は回転体Jの先端部に設けられる支軸Sjに固定支持される。回転体Jは接続軸Cの周りを回転自在に軸支され、支軸SjはリンクAの先端部に設けられる。リンクAは固定部Wに設けられる固定支軸Swの周りを回転自在に軸支され、押しバネuwに押圧されていて、リンクAを固定支軸Swを軸に図中矢印ハ方向に回転するように付勢る。図2(a)に示す衝突以前も、図2(b)に示す衝突以後に、移動体Iが回転し引きバネVが伸ばされるときも、リンクAは固定部Wに設けられる当たりGaと接触し静止している。
回転体Jの一部はカム体で、移動体外延部Riと互いに接点bで接触し、カム体の形状は、接続軸Cから外延部Rjまでの距離が漸次増加する渦巻き曲線である。
図2(a)、図2(b)において、接続軸Cは引きバネVを中間にして接点bと互いに反対側にあって、回転体Jは接続軸Cを軸に図中矢印ロ方向に回転するように付勢される。回転体Jは引きバネVの付勢によって、また移動体Iが回転軸Iiを軸に図中矢印イ方向に回転する動作によって接続軸Cを軸に図中矢印ロ方向に回転するが、接続軸Cを軸に図中矢印ロ方向に回転すると、接続軸Cが静止しているので、カム体外延部Rjは移動体外延部Riから遠ざかる。押しバネuaは回転体Jを押し返して、カム体外延部Rjは移動体外延部Riと互いに接点bで接触し続ける。移動体Iが回転軸Iiを軸に図中矢印イ方向に回転し、引きバネVが引き伸ばされている間は、回転体Jは押しバネuaに押し返され、支軸Sjは静止した状態に拘束されている。
図2(c)は運動体Uが停止した後の状態を示し、引きバネVが元に戻り始めて、運動体Uが移動体Iと共に回転軸Iiを中心に図中矢印イと反対方向に回転する状態を示している。回転体Jは接続軸Cを軸に図中矢印ロと反対方向に回転し、接続軸Cから接点bまでの距離Lbが漸次増加して、リンクAが固定支軸Swを軸に図中矢印ハと反対方向に回転する。引きバネVが接続軸Cを横切った以後は、移動体Iが回転軸Iiを軸に図中矢印イ方向に回転しなくても、回転体Jは回転し続け、移動体外延部Riはカム体外延部Rjの端部Reから離れて、引きバネVは初めの長さまで戻ることになる。引きバネVが緩んで、運動体Uは引きバネVの抵抗から開放され自由に図示しない付勢力で図中矢印イ方向に移動する。
カム体外延部Rjは、運動体Uが減速されて停止するまで回転体Jの回転を拘束し、支軸Sjの移動を拘束する。運動体Uが運動方向を逆転し僅かに後戻りし始めると同時に、支軸Sjが移動の拘束を解除して、運動体Uに作用するバネの力を解放させる。回転体Jは支軸Sjの移動を拘束する解除可能な拘束手段であって、カム体外延部Rjは一方向動作の抵抗解除手段である。
また運動方向が逆転するとき運動体Uは必ず停止するから、支軸Sjの移動の拘束を解除するとき、僅かに運動体Uの後戻りが伴うので、運動体Uは速度がゼロになるまで減速されたことになる。
運動体Uの後戻りを出来るだけ小さくするには、引きバネVが静止して待機する状態から、図1においては、回転軸Iaを横切るまでリンクAの回転を出来るだけ小さくすることであって、図2においては、接続軸Cを横切るまで回転体Jの回転を出来るだけ小さくすることである。
引きバネVが復元し始める以前に、引きバネVが図1においてはリンクAの軸心線Zaと略重なる状態であるとき、図2においては回転体Jの軸心線Zjと略重なる状態であるとき、運動体Uの後戻りは殆ど認められない。
図1、図2、次に説明する図3の実施例の何れにおいても、引きバネVの復元力は運動体Uを進行方向と逆方向に移動させる。図1、図2において運動体Uの後戻りを出来るだけ小さくするには、拘束解除する動作を小さくする必要がある。拘束解除時に、図1において支軸Saの移動を出来るだけ小さくする必要があり、 図2において支軸Sjの移動を出来るだけ小さくする必要がある。図3は拘束解除する動作が大きくても運動体Uの後戻りは小さい実施例で、図3の拘束解除の動作を小さくすれば、運動体Uの後戻りは更に小さくなる。
引きバネVの引張力は図1、図2において運動体Uの移動方向と平行であったが、図3においては、直角方向である。
図3は減速装置8の実施例で、図3において減速装置8の弾性体(uu)、リンク(A)、先端部(B)、支持体(J)はそれぞれ引きバネV、移動体I、接続軸C、回転体Jであって、接続軸Cが引きバネVを伸ばしながら往運動するとき、回転体Jは回転せずに平行移動し、接続軸Cが復運動するとき回転体Jは戻らずその場で回転して上記抵抗の伝達を切断する。移動体Iは揺動して接続軸Cの往復運動の折り返し時にリンクAも運動体も停止し、運動体が停止するまで減速されることになる。拘束手段は減速時に回転体Jの回転を拘束する。
図3において、移動体Iは回転軸Iiを軸に回動し、回転軸Iiは固定部Wに設けられた溝Mに沿って移動する。溝Mの中心線Xは回転軸Iiの軌道X である。回転体Jは接続軸Cで移動体Iと連結される「概ね3角形状の回転体」で、接続軸Cを頂点にして底辺には軌道Xから遠いほうに車輪支軸Ibが設けられ、車輪支軸Ibに車輪Bが装着される。また底辺の軌道Xから近いほうに摩擦面Gjが装着される。摺動面Kは固定部Wに設けられ、摺動面Kに立てられた垂線Yは溝Mの中心線Xと僅かに平行ではない。
図3(a)は運動体Uが移動体Iと衝突する以前の状態である。図3(b)に示すように運動体Uが移動体Iの当接部Gに当接して、回転軸Iiが溝Mに沿って図中矢印イ方向に移動すると、車輪Bと摩擦面Gjは摺動面Kに沿って図中矢印ロ方向に沿って移動し、回転体Jは回転せずに接続軸Cは摺動面Kに平行に移動する。
運動体Uが僅かに図中矢印イ方向に移動すると、接続軸Cの回転は拘束され、接続軸Cは大きく図中矢印ロ方向に移動する。運動体Uが僅かに後戻りすると、接続軸Cは大きく後戻りし、接続軸Cの回転を拘束解除する動作は大きい。
引きバネVの片方の取付部は固定部Wに設けられる支軸Swに固定支持され、他方の取付部は接続軸Cに可動支持される。図3(a)において接続軸Cは回転軸Iiを通る垂線Yから少し離れた位置にあって、図3(b)に示すように、接続軸Cが垂線Yから遠ざかるに従い引きバネVは引き伸ばされる。回転体Jは接続軸Cを軸に図中矢印ハ方向に回転しようとするが、運動体Uが強く当接部を押圧して引きバネVを引き伸ばしている間は、接続軸Cは車輪支軸Ibを通る垂線Ybと摩擦面Gjに立てた垂線Ygに挟まれる領域にあって、回転体Jは自転せず平行移動する。
図3(c)は運動体Uが減速されて停止し、引きバネVが復元し始めて、移動体Iが図中矢印イと反対方向に移動し始めて、接続軸Cが図中矢印ロと反対方向に移動し始めたときの状態を示す。
回転体Jが図中矢印ロと反対方向に移動すると、摺動面Kと摩擦面Gjとの間に摩擦が生じ、摺動面Kと摩擦面Gjとの接点bが移動しないので、回転体Jは「摺動面Kと摩擦面Gjとの接点b」を軸に図中矢印ニ方向に回転する。接続軸Cが垂線Ygから近いほど直ぐに垂線Ygを横切るが、接点bと回転軸Iiとを通る直線Zを接続軸Cが横切るまでは運動体Uは後戻りする。接続軸Cは図3(a)において接点bと回転軸Iiとを通る直線Zから少し離れた位置にあって、図3(b)において、接続軸Cが直線Zから遠ざかる。減速中に接続軸Cが大きく移動するほど運動体Uは大きく後戻りする。その後、運動体Uと無関係に回転体Jは引きバネVの復元力によって回転し続ける。
接点bと接続軸Cと結ぶ線分をリンクZj、回転軸Iiと接続軸Cと結ぶ線分をリンクZiと呼ぶことにすると、接続軸Cと直線との距離が最も小さい図3(a)においてリンクZjとリンクZiとは略一直線上にあって、互いに接続軸Cを押し合っている。運動体Uが減速するときも、減速後に拘束解除するときも、2つのリンクが一直線状であればあるほど、リンクは軸方向に大きな力を支持し、接続軸Cに軸方向と直角方向に小さな力が作用すればリンクは回転し、接続軸Cは直線Zから遠ざかる。図3においても、図1、図2においても、運動体Uの衝突時の衝撃が大きいほど引きバネVは引き伸ばされ、大きな力で解除するが、図3において、当接時に運動体に動慣性力がなく付勢力だけで動いているとしても、付勢力で僅かに移動体を移動させてバネに弾性力が蓄えられると、付勢力が非常に小さくても解除される。
図3(b)に示すように、接続軸Cが直線Zから遠ざかるときほど、バネを更に伸縮させる力は大きく必要になり、運動体Uがバネを更に伸縮させる力は小さくなる。運動体Uを減速するとき、初めは運動体Uは大きく移動し、その後小さくなる。図3においてその後大きな力をもってしても接続軸Cを直線Zから遠ざけることが出来なくなる。また、引きバネVが復元するとき、接続軸Cが直線Zから遠いほど運動体Uを押し戻し難くなるが、引きバネVの復元力が大きくなり、動慣性力がなくなった運動体Uは押し戻されやすくなる。回転体Jは元来、接点bを軸に図中矢印ニ方向に回転し易い。回転体J接点bが摺動面Kに沿って移動し、リンクZjが摺動面Kと回り対偶で連結される連結部において、リンクZjの軸心線が摺動面Kに直角或いは略直角方向であるとき、リンクZjが摺動面Kを押す力が非常に大きくても、リンクZjの軸心線に直角或いは略直角方向に力が小さな力でもリンクZjを大きく回転させることが出来る。
しかしながら、回転体Jが接点bを軸に図中矢印ニ方向に回転すると、図3(c)に示すように、接続軸Cが直線Zから遠いほど運動体Uは大きく押し戻されることになる。図3(d)は、回転体Jが接点bを軸に僅かに図中矢印ニ方向に回転すると、接点bにおいて摩擦面Gjが「摺動面Kと回転体Jとの間で摩擦がない滑走面Kj」に転じるようにした場合の実施例で、直線Zを接続軸Cが横切る以前に接点bが図中矢印ロ方向に大きく滑走して、運動体Uは移動体Iと共に図中矢印イ方向に移動するようになる。
同時に引きバネVが縮むので、接続軸Cが直線Zに近づき2つのリンクZjとZiとが一直線状に近づき、接続軸Cが直線Zを横切ると、圧縮材が座屈するときのように、一瞬にして折れ曲がり、引きバネVの片方の取付軸と他方の取付軸との間の距離を一挙に縮める。
図3(c)に破線で示す摺動面KKは、接続軸Cを垂線Ybと垂線Ygに挟まれる位置にして、接続軸Cと垂線Ygとの間の距離を小さく保つ渦線形状の摺動面であって、減速中に接続軸Cが大きく移動した場合でも、回転体Jが接点bを軸に図中矢印ニ方向に回転すると直ぐに、直線Zを接続軸Cが横切るようになり運動体Uの後戻りは小さい。
図4は、運動体Uを摩擦力によって減速し、減速後に自動的に摩擦力が取り除かれるようにした減速装置3の実施例で、摩擦面Giに働く摩擦力は運動体Uを減速し、移動体Iを回転軸Iiの周りに図中矢印ハ方向に回転させ、引きバネVによる図中矢印ハと反対方向の回転力に抵抗する。運動体Uと当接部Guとの間に働く摩擦力は移動体Iの回転を拘束する力であり、拘束手段である。引きバネの力は移動体Iの回転の拘束を解除する力であり拘束解除手段である。Iiの周りに図中矢印ハと反対方向に回転させる力であって、運動体Uが減速され低速で移動するようになると、移動体Iを回転させない力よりさせる力が上回り、移動体Iが回転して運動体Uが自由になる。
図4において、移動体Iに設けられる支軸Iiは、固定部Wに設けられる溝Mに沿って図中矢印イ方向に移動する。軌道Xは溝Mの中心線である。
図4において、移動体Iは回転軸Iiの周りを回転自在に軸支され、移動体Iは回転軸Iiを中間にして片方に「固定部Wに設けられる摺動面Kg」に沿って移動する摩擦面Giを、他方に「車輪Bを装着する車輪支軸Ib」と「運動体Uと当接離脱する当接部Gu」とを備える。引きバネVは片方の取付部を「固定部Wに設けられる支軸Sw」に固定支持され、他方の取付部は車輪支軸Ibに可動支持される。摺動面Kxは固定部Wに設けられ、軌道Xと平行である。図4(a)、図4(b)に示すように、車輪Bが摺動面Kxに沿って移動するとき、移動体Iは回転せずに平行移動する。図4(a)は移動体Iと運動体Uとが衝突した瞬間を示し、図4(b)は衝突以後の状態を示す。
摺動面Kgは軌道Xと僅かに傾斜し、図4(b)に示すように、移動体Iが図中矢印イ方向に移動すると、押しバネuuに付勢されて図中矢印ロ方向に移動し、同時に移動体Iの図中矢印イと反対方向の移動を阻止する。運動体Uが摩擦面Giを介して移動体Iに作用する押圧力は運動体Uの移動方向と直角方向であって、押圧力の作用線は回転軸Iiの近傍を通り、移動体の回転に大きく影響しない。
押しバネuuは予め縮められていて、復元力は摺動面Kgを介して摩擦面Giを押圧し続け解除されない。押しバネuuの押圧力によって摩擦面Giに、移動体Iの移動方向と反対方向に摩擦力が働き、運動体Uの運動エネルギを摩擦熱に変えて運動体Uを減速する。
摩擦面Giに働く摩擦力は移動体Iを回転軸Iiの周りに図中矢印ハ方向に回転させる力であって、図4(b)に示すように、移動体Iが図中矢印イ方向に高速で移動している間は車輪Bが摺動面Kxを押圧しながら移動し、同時に引きバネVを引き伸ばしながら移動する。図4(c)に示すように、移動体Iが減速され低速で移動するようになると、引きバネVの力が上記回転軸Iiの周りに図中矢印ハ方向に回転させる力を上回り、車輪Bが摺動面Kxから離れて、回転軸Iiの周りを図中矢印ハと反対方向に回転する。
当接部Guが回転軸Iiを中心に円運動するので、移動体Iが回転軸Iiの周りに図中矢印ハと反対方向に回転するとき、当接部Guが運動体Uの進行方向を逆転することが出来る。移動体Iが図中矢印ハと反対方向に回転するとき、運動体Uは運動方向を逆転し、逆転したとき運動速度はゼロになる。この場合は、引きバネVは引きバネVの力が運動体Uを押し戻す力になるまで引き伸ばされ、運動体Uが止まるまで引き伸ばされ、減速したことになる。その後、当接部Guは運動体の進路を塞がない領域に移動する。
当接部Guは引きバネVの伸縮時に移動せず、復元時に移動する。結果的に、当接部Guは引きバネVの伸縮時に移動が拘束され、復元時に拘束解除されて移動する。また復元方向にだけ移動する一方向動作の拘束解除手段でもある。
図5は減速装置4の実施例で、図5において、弾性体(バネuu)が縮んで運動体が減速されて停止するとき一方向動作の楔Pkで弾性体(バネuu)の復元を阻止すると、弾性体(バネuu)が運動体Uを押し戻すバネの力は最大から略ゼロに転じる。拘束手段は運動体の減速時に運動体に抵抗が作用するように当接部GaをピストンPsから移動しないようにする。運動体が減速されて略停止したとき当接部Gaに働く摩擦力が略なくなり、リンクAがバネuaの弱い力で回転し拘束手段が解除される。運動体Uの進路を塞いだ当接部Gaが退避し、運動体Uに抵抗が作用しないようになる。一旦停止した運動体Uは抵抗されずに動き出す。また、減速装置2の実施例でもあって、摩擦面GaがピストンPsから離れる瞬間に運動体Uがかでも押し戻されるようにすれば、運動体Uは停止したことになる。また、減速装置5の実施例でもあって、リンクAの軸心線Zと運動体の推進力が当接部Guに作用する推進力の作用線とが略一直線上にある。
図1〜図3の実施例では、拘束を解除する動作は「運動体Uを減速するバネ」の復元力によるもので、運動体Uの後戻りを伴う。図5の実施例に示すバネuuは伸縮しきったところで復元しないようにして、バネuuの抵抗が運動体Uに作用しないようにしている。また、図1〜3の実施例のように、「運動体Uを減速するバネ」の復元力によって「運動体Uを減速するバネ」の力を無効にする方法ではなく、図5の実施例は、別途に用意したバネuaの力で、運動体Uの前進を阻止する当接部Gaを運動体Uから引き離して、運動体Uを「バネuuの抵抗を受ける環境」から受けない環境に移転させる。
図1〜図3の実施例と図5の実施例とでは、運動体Uが減速された後に再び動き始めるようにする方法が異なるが、どちらの方法においても、拘束解除するとき、運動体Uが押し戻されるようにすれば、運動体Uは略停止した状態まで減速される。その後で、運動体Uは再び動き始めることになる。
図中Pwは固定部Wに設けられる円筒の容器Pwの断面を表している。ピストンPsは「容器Pwの中心部をくり抜いた貫通穴Pw1と貫通穴Pw2」に同時に沿って移動し、移動体Iは「容器Pwの中心部をくり抜いた貫通穴Pw3」に沿って移動する。移動体Iに設けられる接続軸Cの周りを回転自在にリンクAが軸支され、リンクAは押しバネuaによって、接続軸Cを軸に図中矢印ロ方向に回転するように付勢される。図5(a)に示すように、運動体Uが「ピストンPsの先端部に設けられる当接部Gu」に衝突する以前は、「容器Pwの中心部をくり抜いた貫通穴Pw2」に、ピストンPsとリンクAの先端部の一部とが挿入されて、リンクAの図中矢印ロ方向の回転は阻止されている。摺動面Kiは「移動体Iの一部に設けられる切欠部分」に設けられ、楔Pkが接点bで摺動面Kiと接触し、摺動面Kiに沿って、且つ押しバネukに付勢されて摺動面Kpに沿って移動する。
押しバネuuは移動体Iの末端部は押圧し、移動体Iを容器Pwの中心線Xに沿って図中矢印イと反対方向に移動するように付勢している。移動体IはリンクAを介してピストンPsを押圧し、ピストンPsに設けられる当たりGpは、図5(a)において、ピストンPsの図中矢印イと反対方向の移動を阻止している。
図5(b)は運動体Uが当接部Guに衝突した以後の状態図で、ピストンPsは図中矢印イ方向に移動し、リンクAを介して移動体Iを図中矢印イ方向に移動させる。リンクAの先端部に設けられる摩擦面GaはピストンPsに接触し、接触面には摩擦力が働き、リンクAの図中矢印ロ方向の回転は阻止される。押しバネuaの力は、運動体Uが図中矢印イ方向に移動し続けてピストンPsが摩擦面Gaを押圧している間は、摩擦面GaをピストンPsから切り離して、リンクAを図中矢印ロ方向に回転させるほどの力はないものとする。リンクAは移動体Iを図中矢印イ方向に移動させ、押しバネuuを縮める。同時に楔Pkは押しバネukに付勢されて摺動面Kiに沿って図中矢印ハ方向に移動すると同時に、摺動面Kpに沿って図中矢印ニ方向に移動する。摺動面Kiは楔Pkの前進を僅かに阻む程度に、楔Pkの前進方向と僅かに平行ではない。
接点bに働く力Fは楔Pkが押しバネukに付勢されて進行する力Fkと、押しバネuuの弾性力を支持する力Fiに分解され、楔Pkは大きな押しバネuuの力を支持しながら小さな力で切欠内を進行し、大きな押しバネuuの力をもってしても押し戻されることはなく、押しバネuuの復元を阻止する。
図5(c)は運動体Uが減速されて停止した以後の状態図である。押しバネuuがピストンPsを押し返して摩擦面Gaを押圧する力は増加の一途を辿り、運動体Uが減速して停止したとき最大になる。押しバネuaの力は一定であって、もし、押しバネuuの復元が阻止されなければ、リンクAを回転させて摩擦面GaをピストンPsから切り離すことは押しバネuuが縮めば縮むほど不可能になる。
楔Pkによって押しバネuuの復元が阻止されているので、運動体Uの動慣性力は消失したとき、静的付勢力だけが摩擦面Gaを押圧する。この状態でリンクAを図中矢印ロ方向に回転させ摩擦面GaをピストンPsから切り離すように、押しバネuuの力を設定しておくと、運動体Uが停止したと同時に「ピストンPsの前方を塞いでいたリンクA」がピストンPsの進路の外に移動する。運動体Uは再び加速する。
押しバネuuの力を大きく設定しておいたとしても、摩擦面GaがピストンPsから離れる瞬間に、ピストンPsと共に運動体Uが図中矢印イと反対方向に僅かでも押し戻されるようにすれば、運動体Uは停止せずに加速し始めることはないようになる。
ピストンPSとリンクAと楔Pkを元の位置に戻せば、装置は図5(a)に示す初期状態に戻る。
押しバネuuは「剛性が小さい押しバネuu1」と「剛性が大きい押しバネuu2」とを直列につないだものであって、非常に小さい力でも押しバネuu1が縮み、押しバネuu1が縮みきっても押しバネuu2が縮み続けるようにしている。運動体Uが「ピストンPsの先頭部の当接部Gu」に当接した直後に停止した場合でも、運動体Uに働く静的付勢力だけで押しバネuu1は縮み、図5(b)に示すように、リンクAの先端部が貫通穴Pw2から抜け出ることが出来るようになる。その後、図5(c)に示すように、リンクAが回転し、運動体Uは押しバネuuの抵抗を受けずに進み始める。
図1〜図3の場合は、運動体Uが移動体Iに当接時に動慣性力がなくなれば、弾性体Vの抵抗は解除できないが、運動体UがピストンPsの当接部Guに当接して静止する場合も、リンクAは回転し押しバネuuの抵抗を解除する。図5のように、運動体Uが移動体Iに当接するだけで動慣性力がなくても抵抗を解除するためには、抵抗を解除するため力を当接以前から別途用意しておく必要がある。
図5において、運動体Uに抵抗するバネは図1〜図4の実施例のように引きバネVではなく押しバネUである。運動体Uに抵抗するバネは引きバネVに限らず、押しバネu、或いはねじりバネuvでもよく運動体Uの運動エネルギで変形する弾性体Vであればよい。
運動体Uを減速する装置はリンク装置であって、運動体Uを減速する過程においてリンク装置は拘束状態にあって、運動体Uを減速した後に運動体Uに作用する抵抗を解除するとき、上記拘束状態は解除される。上記拘束状態は、図1,2においてバネの取付部を支持する支軸の移動が拘束される。図3においては、回転体Jの回転が拘束され回転体Jが平行移動するように拘束される。図4において移動体Iが、図5においてリンクAが回転しないように拘束される。
リンク装置が拘束された状態のままバネVが復元すると、バネVの復元力でリンク装置が反対方向に運動して、運動体Uは元の位置まで押し戻される。運動体Uは元の位置まで押し戻されずに、減速して停止した位置に留めるためには、バネVの復元を阻止するか、バネが復元しても、バネの復元力が運動体Uに作用しないようにするかである。バネの復元力が運動体Uに作用しないようにした場合は、図1〜図3のように、運動体Uはバネの抵抗を受けずに再び動き出すが、バネVの復元を阻止した場合、運動体Uが更に前進するためには、既に伸縮したバネVを更に伸縮させる必要があり、静止状態にある運動体Uが動き出すようにする力以上の力が必要になる。運動体Uが既に伸縮したバネVを更に伸縮することなく前進を始めるためには、図4、図5のように、運動体Uがリンク装置から離れて運動するようにしなければならない。
図1〜図3において、運動体Uの後戻りでリンク装置の拘束状態を解除している。運動体Uの僅かな後戻りでバネが僅かに復元すれば、その後は運動体Uの後戻りを伴わずにバネVは初めの長さまで復元する。図4、図5において、「運動体Uが押し続けるリンク装置の当接部Gu」はバネが縮んだけ大きくなった力で運動体を押し戻すが、バネの復元を阻止した場合は、バネが伸縮しきってバネの復元が始まる瞬間に運動体Uを押し戻す力が働かなくなる。運動体Uが停止してバネが復元し始めるとき、運動体Uと移動体Iとの接触部分において押し合う力が最小になり、接触部分に働く摩擦力は最小になる。このとき弱い力でも当接部Guを「運動体の進路を塞ぐ位置」から塞がない位置に移動させることが出来る。
これらのリンク装置は拘束状態では大きく動作し、拘束状態を解除する手段は、僅かに動作して自動的に拘束解除される特徴があり、図1においてラチェット爪R、図2においてカム体外延部Rj、図3において摩擦面Gj、図4において摩擦面Gi、図5において押しバネuaのように、リンク装置が逆方向に運動して初めて動作する一方向動作の解除手段が機能している。
図4において、摩擦面Giは運動体Uの動慣性力が減少し引きバネVが復元するまで車輪Bを摺動面Kxから離さない。図5において押しバネuaが予め蓄えた力は、運動体Uの動慣性力が減少し引きバネVが復元するまで機能しない。これらは運動体が後戻りしてリンク装置が逆方向に運動する前に動作するが、リンク装置が逆方向に運動するまで動作しない一方向動作の解除手段である。
図1〜図3は引きバネVが復元するまで動作しない一方向動作の解除手段であり、図4、図5は、動作して引きバネVが復元するが、バネVが復元するまで動作しない一方向動作の解除手段でもある。
本発明は運動体Uを減速した後、自動的に運動体Uに作用した抵抗を解除するリンク装置に関するものであって、運動体Uと当接離脱する当接部を備え当接部の移動と共に変形する弾性体Vを備え、リンク装置の何れかの連結軸の移動或いは「何れかの連結軸の周りを回転自在に軸支されたリンク」の回転を拘束して減速する減速装置であって、解除可能な拘束手段を備える。また、運動体Uを減速するときのリンク装置の運動方向に動作しない一方向動作の拘束解除手段を備える。
いずれの場合においても拘束状態のリンク装置は、直ぐに拘束状態が解ける不安定な状態で、図1、図2において、バネの力を支持するリンクがバネと略重なる状態で、リンクはバネの大きな力を支持してもリンクの軸心線Zと略直角方向の小さな力で移動可能であって不安定な状態にある。図3において、2つのリンクが接続軸Cを押し合うとき、2つのリンクが一直線上に配せられるとき、リンクは大きな力を支持してもリンクの軸心線Zと略直角方向の小さな力で移動可能であって不安定な状態にある。図4、図5において、運動体Uと当接部Guとは押圧力によって接着されていて、当接部Guを備えるリンクは軸心線方向に大きな力を支持しても、リンクの軸心線Zと略直角方向の小さな力で移動可能であって、不安定な状態にある。
図1においてリンクA、図2において回転体J、図5においてリンクAは軸芯線方向に大きな力を支持している。図4において摩擦面Giには回転軸Iiに向かって大きな押圧力作用し、移動体Iも軸芯線方向に大きな力を支持している。軸芯線方向に大きな力を支持しているリンクはその連結軸に軸芯線方向と直角方向に小さな力でも働けば、連結軸を大きく移動させることが出来る。解除可能な拘束手段は、連結軸に作用する力の作用線とリンクの軸芯線とが略一直線上にあって、拘束を解除する力の方向が上記力の作用線と直角或いは略直角方向であることが特徴である。
図6は減速装置3の実施例で、運動体Uと相対的に一体となって移動する移動する摩擦面Giと摩擦面Gpの摩擦抵抗によって運動体Uを減速するが、摩擦抵抗によって減速されて停止した運動体Uは停止した位置から移動せず、運動体Uと当接部Guとの間に働く摩擦力はリンクAの回転を拘束する拘束手段で、押しバネuaによって運動体Uと当接部Guとを引き離す力より小さくなると、拘束は解除されてリンクAは回転して当接部Guは運動体Uから離れる。また減速装置2の実施例でもあって、運動体Uと当接部Guとが離れるとき、運動体Uが戻されるようにすると運動体が停止するまで減速されたことになる。また、減速装置5の実施例でもあって、図6(b)に示すように、リンクAの軸心線Zaと運動体の推進力Fgの作用線とが略一直線上にある
図6に示す実施例は、減速手段に押しバネuuの伸縮抵抗と、摺動面Kに沿って移動する摩擦面Giの摩擦抵抗を採用している。摺動面Kは固定部Wに設けられ、摩擦面Giは移動体Iに設けられる。車輪Bが押しバネuuに付勢されて「移動体Iに設けられる摺動面Ki」を押圧する。移動体Iは摺動面Kに沿って図中矢印イ方向に移動する。
容器Pwは固定部Wに設けられ、図中矢印イ方向に移動可能で、容器Pwに設けられる摩擦面Gpは摺動面Kに沿って移動する。容器Pw内WWで移動体Iは図中矢印イ方向に、車輪Bは図中矢印イ方向と直角方向に移動する。
図6(a)は「リンクAの先端部に設けられる当接部Gu」が運動体Uと当接する以前の状態を示す。リンクAは押しバネuaに付勢されていて、「移動体Iに設けられる接続軸C」の周りを回転自在に軸支され、「リンクAの接続軸Cを軸とする図中矢印ロ方向の回転」は「固定部Wに設けられる車輪BB」によって阻止されている。当接部Guは運動体Uの進路Y内に拘束される。
図6(b)は、当接部Guが運動体Uと当接した以後の状態を示し、運動体Uは当接部Guを図中矢印イ方向に押し進めて、リンクAは車輪BBから離れる。当接部Guと当接した直後の運動体Uの速度が小さいとき、図6(c)に示すように、リンクAは車輪BBから離れると同時に、押しバネuaの付勢によって図中矢印ロ方向に回転する。当接部Guは運動体Uの進路Y内から外に出る。当接部Guと当接した直後の運動体Uの速度が大きいとき、図6(b)に示すように、運動体Uが当接部Guを強く押圧し、運動体Uと当接部Guとの間に大きな摩擦力が働き、リンクAは押しバネuaの付勢によって図中矢印ロ方向に回転出来ない。当接部Guは運動体Uと接触を保ち、移動体Iを図中矢印イ方向に押し進めて、摩擦面Giが摺動面Kに沿って移動して、摩擦面Giに摩擦抵抗が働き運動体Uを減速する。同時に車輪Bが摺動面Kiに沿って図中矢印ハ方向に移動して押しバネuuが伸縮し、運動体Uを減速する。
摩擦面Gpの摩擦抵抗が大きいときは、図6(b)に示すように容器Pwは移動せず、小さいときは図6(c)に示すように、容器Pwは移動して、摩擦面Gpの摩擦抵抗が運動体Uを減速する。多くの場合、移動体Iも容器Pwも同時に移動して、摩擦面Giの摩擦抵抗と摩擦面Gpの摩擦抵抗が運動体Uを減速する。
図6(c)は運動体の減速途中に、当接部Guが運動体Uから離れる状態を示す。運動体Uが停止した状態では、摩擦面Giの摩擦抵抗も摩擦面Gpの摩擦抵抗も運動体Uに作用しなくなるが、運動体Uの運動速度が減少している間は運動体Uが当接部Guを押圧する力と反対方向の力が抵抗する。運動体Uの運動速度が減少するに従い運動体Uが当接部Guを押圧する力は小さくなる。運動体Uと当接部Guとの間に働く摩擦力が、押しバネuaによって運動体Uと当接部Guとを引き離す力より小さくなると、リンクAは図中矢印ロ方向に回転して、当接部Guは運動体Uから離れる。
図5の場合は当接部Guを押圧する力が最大になった時に当接部Guを停止させて、押しバネuuの反発力が働かなくなるが、図6の場合、図5の押しバネuuように運動体を押し戻す手段がなく、当接部Guは運動体Uが当接部Guを押圧する力を支持するだけにとどまり、当接部Guに働く力は常に運動体Uが当接部Guを押圧する力だけで、運動体Uが当接部Guを押圧する力は運動体Uの減速とともに次第に減衰していく。
運動体Uに作用する抵抗は、図5の場合はバネの復元時で且つ運動体Uが停止するときに、最大値から略ゼロになるが、図6の場合は運動体Uに作用する抵抗は衝突当初に最大値で、その後徐々に減少し、運動体Uが停止するときに略ゼロになる。略ゼロのときとは、運動体Uが停止し静的付勢力だけが当接部Guに働くときであり、図5、図6において、押しバネuaの力を「静的付勢力だけが当接部Guに働くとき」にリンクAを回転させる力に設定すれば、運動体Uが停止するまで減速されることになる。
運動体Uが静止した状態で、しかも当接部Guを押圧している状態で、運動体Uと当接部Guとを引き離すように、押しバネuaの力の大きさを必要最小限に設定すると、運動体Uが略停止するまで減速されて運動体Uと当接部Guとが離れる。運動体Uの進路を塞ぐものがなくなるようになる。
運動体Uと当接部Guとが離れるとき、運動体Uが図6(b)中矢印イと反対方向に戻されるようにすると運動体が停止するまで減速されたことになるが、図6(c)に示すように、押しバネuuの復元によって、車輪Bが摺動面Kiに沿って図中矢印ハと反対方向に移動して、容器Pwが図6(c)中矢印イと反対方向に動くようにすれば、運動体Uは容器Pwが図6(c)中矢印イと反対方向に動いた分だけ押し戻されないようになる。
摩擦面Gpの摩擦抵抗が小さく摩擦面Giの摩擦抵抗が大きいとき、運動体Uが停止するまで押し続けている間は、運動体Uに摩擦面Giを移動させる力があるが、運動体Uが停止した以後は摩擦面Giを移動させる力がなく、摩擦面Giが静止したまま、車輪Bが容器Pwと共に移動し、当接部Guも図中矢印イと反対方向に移動する。図1、図2のように、復元時にバネが無効になるのではなく、図5のようにバネの復元を止めるのでもなく、図6の場合は、伸縮して運動体Uを減速し、復元して運動体Uを押し戻さず、当接部Guを後退させる。
図7(a)は減速装置2,3の実施例で、摺動面Kと車輪Bとの間に摩擦力が働き運動体Uを減速する。引きバネVはリンクAの拘束を解除バネである。車輪Bが運動体Uの進行方向とは逆方向に略平行に移動して運動体Uを後戻りさせる。拘束手段は運動体の減速時に上記リンクAの回転を拘束し、引きバネVが復元して運動体が後戻りすることによって停止させた後に運動体と移動体との間の力の伝達を切断する。
図7(a)は移動体Iが運動体Uに取付けられ、運動体Uと一緒に移動する実施例で、図7(b)は移動体Iが運動体Uの進路を塞ぎ、共に後退しながら運動体Uを減速する実施例であって、移動体I は固定部Wに設けられる摺動面Kと平行に回転せずに移動する。
運動体Uの運動エネルギを得て移動する減速装置は運動体Uに取り付いても移動体Iに取り付いても同様に運動体Uを減速する。そもそも、運動体Uも移動体Iも相対的に互いに接近して衝突しあう2つの物体であって、片方が停止している場合も双方が運動している場合も、互いに接近して衝突しあう2つの物体であって、片方を運動体Uと呼び、他方を移動体Iと呼ぶことにしている。双方が入れ替わっても、同様の減速効果を得ることができ、2つの物体の何れが運動体Uであり、または移動体Iであっても問題はない。
図7において、リンクAは「移動体Iに設けられる接続軸C」の周りを回転自在に軸支され、リンクAの先端部に設けられる車輪支軸Ibに車輪Bが装着される。 リンクAは押しバネuaによって接続軸C軸に図中矢印ロ方向に付勢され、移動体Iが図中矢印イ方向に移動して、車輪Bが「固定部Wに設けられる摺動面Kb」に沿って移動するようになる以前は、リンクAは当たりGaに当接して静止している。車輪Bが摺動面Kbに沿って移動するようになって、同時に摺動面Kに沿って図中矢印イ方向に移動するようになると、摺動面Kと車輪Bとが互いに押圧しあう。
図7(a1)、図7(b1)は、車輪Bが摺動面Kbに沿って移動する以前の状態で、運動体Uが加速して図中矢印イ方向に移動しているときの状態を示し、図7(a2)、図7(b2)は、車輪Bが摺動面Kに沿って移動するときの状態で、運動体Uが減速されている状態を示す。図7(a3)、図7(b3)は、車輪Bを摺動面Kから離して運動体Uに作用する抵抗を取り除く機構の説明図である。
車輪Bはゴムなどの弾性体からなり、図7(a2)、図7(b2)において、摺動面Kと車輪Bとが互いに押圧しあうようになると変形し、車輪Bの中心に施した貫通穴と車輪支軸Ibとの間に摩擦力が働く。車輪Bの回転速度がゼロに近づき摺動面Kと車輪Bとの間に摩擦力が働き、運動体Uを減速するだけではなく、リンクAを接続軸Cの周りに図中矢印ロと反対方向に回転させる。リンクAが図中矢印ロと反対方向に回転して、リンクAの軸芯線Zaが摺動面Kと直角に近づくに従い、摺動面Kと車輪Bとが互いに押圧しあう押圧力は無限に大きくなる。当該押圧力は摺動面Kと接続軸Cとの間の距離を押し広げる方向に働き、摺動面Kと車輪Bとの間に働く摩擦力が無限に大きくなる。摺動面Kは車輪Bを制動する摩擦面Kになり、運動体Uと移動体Iは相対的に一体になって移動する。
運動体Uを摩擦抵抗によって減速するとき、摩擦面Kは運動体Uの進行方向と略平行であって、摩擦面Kに働く押圧力は摩擦面Kに直角である。図6の実施例のように、押圧力の作用と解除の動作が、摩擦面Kに直角方向の場合は、抵抗の解除が運動体Uを後戻りさせない。しかし、図7においては、車輪Bが運動体Uの進行方向とは逆方向に略平行に移動し、摺動面Kと車輪Bとの間に働く摩擦力が大きくなるので、運動体Uを大きく減速するほど、運動体Uを大きく後戻りさせることになる。
図7(a)において、摺動面Kiは移動体Iに設けられる摺動面Kと略平行で接続軸Cを中心とする円弧の摺動面であって、車輪Bが摺動面Kに沿って移動するとき、同時に摺動面Kiに沿って移動するようにして、車輪Bの回転を止めようとするものであって、車輪Bが回らなくなるほど、リンクAが図中矢印ロと反対方向に回転していく。リンクAが図中矢印ロと反対方向に回転するほど、運動体Uの減速効果は大きくなるが、リンクAが図中矢印ロと反対方向に回転して車輪Bが運動体Uを後戻りさせる距離も大きい。リンクAの図中矢印ロと反対方向に回転に運動体Uの後戻りを伴うと、運動体を停止するまで減速したことになる。
図7(a)に示す押しバネuaはリンクAを図中矢印ロ方向に押し返して、車輪Bを摺動面Kから離すバネで、リンクAが図中矢印ロと反対方向に回転するとき縮んで押し返す力を蓄え、運動体を減速する。摺動面Kと車輪Bとの間に働く摩擦力が大きくないときは押しバネuaだけで、リンクAを図中矢印ロ方向に押し返して抵抗解除出来るが、運動体Uの減速は小さい。
車輪Bはいわゆる楔効果の楔であって、嵌まり込んでブレーキになるが、嵌まり込んだ楔を引き抜くことに難点がある。図7(a)に示す引きバネVは摺動面Kと車輪Bとの間に働く摩擦力が大きいとき、リンクAを図中矢印ロ方向に押し返して抵抗解除するためのものである。
引きバネVの両端の取り付け部は車輪支軸Ibと「リンクAAの先端部に設ける支軸S」とに支持される。リンクAAは接続軸Cの周りを回転自在に軸支され、リンクAに設けられる当たりGaaと移動体Iに設けられる当たりGiとの間を遥動し、図7(a1)において当たりGaaに当接して待機している。
図7(a2)においてリンクAが図中矢印ロと反対方向に回転し始めると、当たりGaaが接続軸Cの周りを図中矢印ロと反対方向に回転し始め、リンクAAが図中矢印ロと反対方向に回転し始めて、引きバネVは接続軸Cを横切る。その後リンクAAは回転し続け、図7(a3)において当たりGiに当接する。引きバネVは接続軸Cから大きく離れて、リンクAを図中矢印ロ方向に回転させる力が大きくなる。運動体が減速されるに従い、摺動面Kと車輪Bとの間に働く摩擦力が車輪Bを図中矢印イと反対方向に押す力が減少し、リンクAを図中矢印ロ方向に回転させる。車輪Bを摺動面Kから引き離すようになる。
リンクAの図中矢印ロ方向の回転が終了して、抵抗解除が始まる。抵抗解除の始まりが遅れるほど運動体Uは減速される。リンクAの図中矢印ロ方向の回転を遅らせる減速機を取り付ければ、リンクAがゆっくりと回転する間に運動体Uが停止する。停止した後に長い経過時間があっても問題はない。
図7(a)において、リンクAAが接続軸Cを横切る以前はリンクAの図中矢印ロ方向の回転を拘束し、接続軸Cを横切った以後はリンクAを図中矢印ロ方向に回転させる。リンクAAはリンクAの図中矢印ロと反対方向の回転によって回転し、図1のようなバネの復元による反対方向の運動を境にして動作するような一方向動作の拘束解除手段ではない。また、図5のようなバネの復元を止める一方向動作の拘束手段でもない。
一方向動作の拘束手段或いは拘束解除手段は運動体が減速されて停止するときを境にして動作或いは停止するが、一方向動作の拘束手段或いは拘束解除手段を採用しない場合は、運動体が減速されて停止するときを境にして拘束或いは拘束解除できない。
しかし、車輪Bの楔効果が瞬間的に功を奏して、リンクAが図中矢印ロと反対方向に回転すると同時に急ブレーキが効き、停止したとすると、一方向動作の拘束解除手段と同様に、運動体が後戻りする以前に運動体を停止するまで減速したことになる。
図7(b)は、接続軸Cを待機位置から移動させて、車輪Bを摺動面Kから引き離すようにする実施例で、小さな力で抵抗解除でき、車輪Bが摺動面Kに沿って殆ど移動せず摺動面Kから離れて、運動体Uの後戻りは小さい。
接続軸CはリンクAAの先端部に設けられ、リンクAAは移動体Iに設けられる回転軸Iiの周りを回転自在に軸支される。図7(b1)、図7(b2)において、リンクAAの回転が回転体J1によって拘束され、接続軸Cは待機位置に拘束される。図7(b3)において、回転体J1が回転してリンクAAの回転の拘束が解除され、リンクAAが図中矢印ハ方向に回転して、車輪Bを摺動面Kから引き離す。
回転体J1の回転が回転体J2によって拘束され、回転体J2はピストンPsが図中矢印イと反対方向に移動することよって回転する。図7(b1)、図7(b2)において、運動体UがピストンPsを図中矢印イ方向に押し進めて押しバネupを縮める。図7(b3)において、運動体Uの動慣性力が小さくなると押しバネupが復元して、ピストンPsを図中矢印イと反対方向に引き戻して回転体J2を回転させる。
ピストンPsに回転体J3が連結され、回転体J3の先端部にラチェット爪Rjが装着される。ラチェット爪Rjは「一方向動作の回転体J2を回転させる装置」で、図中矢印イ方向に移動するとき回転体J2を回転させず、押しバネupが復元して図中矢印イと反対方向に移動するとき回転体J2を回転させる。
回転体J1は「摺動面Kが車輪Bを押圧する大きな力」を軸芯線方向に支持するが、回転体J2が回転して回転体J1が回転可能になると、「当該軸芯線方向と直角方向に働く押しバネuiの小さな力」で回転する。回転体J1がリンクAAから離れて車輪Bが摺動面Kから離れると、移動体Iを止めているブレーキが解除され、移動体Iは押しバネupの復元力で図中矢印イ方向に移動する。運動体Uは押しバネupの復元力で大きく押し戻されることなく、図中矢印イ方向に移動し始める。
図8は減速装置1、2、6の実施例で、押しバネバネuuは引き戸Dを減速する弾性体でもあり、回転体Jの拘束を解除バネでもある。回転体Jの回転を当たりGiにより拘束し拘束解除に運動体Uを後戻りさせる。引き戸Dを押しバネuuが伸縮して減速し、復元して運動体が後戻りすることによって停止させた後に運動体と移動体との間の力の伝達を切断する。
図8も、減速装置の移動体Iが固定部Wに固定されるのではなく運動体U に取り付く実施例である。
図8において、移動体Iが取り付く運動体Uは図示しないレールに沿って移動する引き戸Dであって、図示しない付勢手段で付勢されて図中矢印イ方向に移動する。図8に示す移動体Iは図6に示した移動体Iと同じく固定されず、引き戸Dに設けられる溝Mに沿って移動する。軌道Xは溝Mの中心線で、引き戸Dの進行方向と平行である。
回転体Jは「移動体Iに設けられる支軸Ij」の周りを回転自在に軸支され、概ね三角形の形状である。三角形の底辺の片方の頂点は上記支軸Ijで、他方に「押しバネuuに押圧される押圧部Gj」が設けられる。また、三角形の頂点で、回転体Jの先端部に車輪支軸Ibが設けられ、車輪支軸Ibに車輪Bが装着される。
図8(a)は引き戸Dが戸当たりGdに向かって加速している状態を表し、車輪Bが「ドア枠Wに設けられる摺動面Kw」と当接する以前の状態を示す。当接部Guはドア枠Wに設けられ、車輪Bと当接離脱する。押しバネuuは初期の長さに保たれ、図8(a)において、車輪Bは当接部Guに当接する領域Yの中にはない。
図8(b)は車輪Bが当接部Guに当接する瞬間を表す。車輪Bが摺動面Kwに沿って移動した後、回転体Jが支軸Ijを軸に図中矢印ロ方向に回転し押しバネuuを縮める。車輪Bは領域Yの中に一旦入るが、引き戸Dの速度が遅い場合は、車輪Bが当接部Guに当接する以前に、図8(d)に示すように、回転体Jは押しバネuuに押し戻されて領域Yの外に出る。図8(b)は引き戸Dの速度が速い場合に、押しバネuuに押し戻される間もなく、回転体Jが当接部Guに当接した状態を示している。
図8(c)は車輪Bが当接部Guを押圧しながら図中矢印イ方向に移動する状態を示す。回転体Jの図中矢印ロ方向の回転は移動体Iに設けられる当たりGiによって阻止され、回転体Jはそれ以上回転しない。当接部Guが車輪Bを押圧し続けて、移動体Iは溝Mに沿って図中矢印イと反対方向に平行移動し、押しバネuuは縮み続けて、運動体Uを減速する。同時に、回転体Jを「支軸Ijの周りに図中矢印ロと反対方向」に押し戻す力が増加する。
支軸Ijの周りには、当接部Guが車輪Bを押圧して回転体Jを図中矢印ロ方向に回転させる力と、押しバネuuが回転体Jを図中矢印ロと反対方向に押し戻す力とが働くが、前者は引き戸Dを図中矢印イ方向に付勢する静的付勢力と、減速されて速度が小さくなっていくに従い減少する動慣性力とによるものであって、後者は押しバネuuの伸縮と共に増加する力によるものである。
引き戸の速度が大きい間は、引き戸の動慣性力が大きく働き、前者が後者より大きく、車輪Bは当接部Guに当接し続ける。引き戸の速度が小さくなり引き戸の動慣性力が小さくなって、前者の力が押しバネuuを更に伸縮し続けることが出来なくなると、図8(d)に示すように、回転体Jが図中矢印ロ方向に回転し、車輪Bは当接部Guから離れて領域Yの外に出る。引き戸Dは加速し始め、やがて戸当たりGdに当接する。
図5の場合は、ピストンPsがリンクAの摩擦面Gaを押圧している間は、接触面の摩擦力によってリンクAの回転が阻止され、摩擦力が大きければ、運動体Uの速度がゼロになって、押圧力がなくなるまで運動体に作用する抵抗が取り除かれることはないが、摩擦力が小さければ、運動体Uの速度がゼロになる以前に、押圧力があっても運動体に作用する抵抗が取り除かれることがある。図8の場合は、車輪Bと当接部Guとの接点に摩擦力は働かず、抵抗を解除する手段は両者の力の大小関係で始動する。減速の途中で引き戸Dが停止するまでにならなくても、前者が後者より小さくなると、回転体Jは図中矢印ロと反対方向に押し戻される。
回転体Jが図中矢印ロと反対方向に押し戻されるとき、引き戸Dが僅かでも図中矢印イと反対方向に戻るとしたら、その瞬間は引き戸Dの速度はゼロであり、引き戸Dは速度がゼロになるまで減速されて、その後、引き戸Dは速度がゼロから動き始めることになる。この場合は、車輪Bと当接部Guとの接点に摩擦力が働いても、また働かなくても、引き戸は速度がゼロになるまで減速されて、その後に回転体Jが回転する。
図8は図1と同様に、押しバネuuは伸縮して引き戸Dを減速し、引き戸Dに抵抗する手段でもあり、抵抗を解除する手段でもあるが、図6のように抵抗手段のバネとは別に抵抗解除手段のバネを用意しない。
もし、移動体Iが溝Mに沿って移動せず引き戸に固定され、当たりGiが引き戸Dに設けられるとすれば、回転体Jの図中矢印ロ方向の回転は当たりGiによって阻止され、押しバネuuはそれ以上は縮まない。図8(b)において、移動体Iの図中矢印イと反対方向の移動がない状態を想定すれば、車輪Bが当接部Guに当接する瞬間に移動体Iの速度は突如としてゼロになり、激しい衝突音を発することになる。図8(b)に示すように、当接部Guが弾性体Vで支持されるとすれば、弾性体Vが縮むことによって、衝撃が緩和され、同時に引き戸Dは図中矢印イ方向に移動する。
引き戸Dの動慣性力は小さくなるが、弾性体Vの復元が阻止されていない場合、弾性体Vが引き戸Dを押し返す力は増加の一途を辿り、引き戸Dが押し戻されるときは図中矢印イ方向の動慣性力はなくなっていて、弾性体Vは初めの状態まで復元する。
図5のように、一方向動作の手段が弾性体Vの復元を阻止するとすれば、弾性体Vが縮みきって蓄えられた弾性力が最大になっても、車輪Bを押し返さない。弾性力Vが最大になって、引き戸Dが押し戻されそうになるときは、引き戸の速度がゼロになるまで減速されたときで、引き戸Dに車輪Bを押し返す力がなく、回転体Jを図中矢印ロと反対方向に回す力もないときであって、「伸縮は阻止されて、それ以上大きくならない一定の大きさの押しバネuuの力」だけで車輪Bを押し返す。
引き戸の速度がゼロになった状態で、弾性体Vの復元もせず、車輪Bと当接部Guとが互いに接触しあっている状態で、回転体Jを図中矢印ロ方向に回すように、初めに押しバネuuの力を所定の大きさに設定すると、運動体Uが押し戻されることはないままに、運動体Uに働く抵抗を解除することが出来る。
図9は減速装置1,2の実施例で、引きバネVはドアDを減速する弾性体でもあり、回転体Jの拘束を解除バネでもある。回転体Jの回転を当たりGjにより拘束し運動体Uを後戻りさせて拘束解除する。
図9に示すドアDは図示しない引きバネVdに付勢されて、枢軸Oを軸に図中矢印イ方向に回動する。図9のドア枠Wに設ける緩衝機には、図1で説明した一方向動作の抵抗解除手段と、図3で説明した運動体Uの後戻りは小さくして拘束解除動作を大きくする手段を採用している。
「ドア枠Wに設けられる固定支軸Sw」の周りを回転自在にリンクAが軸支され、リンクAの先端部にはドアDと当接離脱する当接部Guと支軸Iが設けられる。支軸Iに移動体Iが連結され、移動体Iの中間部に「車輪Bを装着する車輪支軸Ib」が設けられ、車輪Bは「ドア枠Wに設けられる摺動面K」に沿って移動する。ドアDが当接部Guと当接して支軸Iが固定支軸Swを軸に図中矢印ロ方向に僅かに公転すると、車輪Bは大きく摺動面Kに沿って図中矢印ハ方向に移動する。
移動体Iの先端部に連結軸Pが設けられ、連結軸Pに「ラチェット刃を備える摺動面Kr(ただし、摺動面Kを備えるリンクも摺動面Kと言うことにする。)」が連結される。車輪Bの摺動面Kに沿う図中矢印ハ方向の移動は更に拡大されて、摺動面Krの図中矢印二方向の移動に変わる。回転体Jは「ドア枠Wに設けられる支軸Ij」の周りを回転自在に軸支され、支軸Ijを中間にして片方の端部に「引きバネVの取付部を支持する支軸Sj」と、他方の端部に「上記ラチェット刃に沿って移動するラチェット爪Rj」を備える。ラチェット爪Rjは摺動面Krの図中矢印二方向の移動を許し、図中矢印二と反対方向の移動を阻止する。
図9(a)はドアDが当接部Guに当接した瞬間の状態を示し、図9(b)はドアDが更に図中矢印イ方向に回転して、引きバネVが引き伸ばされる状態を示す。引きバネVの支軸Sjと反対側の取付部は車輪支軸Ibに支持され、引きバネVは図9(a)と図9(b)において、支軸Ijと摺動面Krの中間にあって、ラチェット爪Rjが上記ラチェット刃に沿って移動して、回転体Jの図中矢印ホと反対方向の回転は「ドア枠Wに設けられる当たりGj」によって阻止される。図9(c)はドアDが減速されて停止し、引きバネVが復元し始めた当初の状態を示す。摺動面Krが図中矢印二と反対方向に引き戻され、回転体Jが図中矢印ホ方向に回転して、引きバネVが支軸Ijを横切る。以後、回転体Jが当たりGjから離れて、図中矢印ホ方向に回転し続けて、引きバネVは初期の長さに復元される。引きバネVの抵抗は解除されてドアDは再び回転し始めるが、引きバネVの抵抗が解除される際のドアDの戻りは小さい。
図10は減速装置2,4の実施例で、押しバネuuはドアDを減速する弾性体であり、引きバネVは回転体Jの拘束を解除バネである。回転体Jの回転を当たりGjにより拘束し押しバネuuの復元を車輪BBによって阻止して運動体Uを後戻りさせて拘束解除する。
図10に示すドアDは引きバネVに付勢されて枢軸Oを軸に図中矢印イ方向に回動する。図10は図5で説明した押しバネuuの復元を阻止する減速機構を回転ドアに採用した実施例を紹介するものである。
接続軸CはドアDに設けられ、接続軸Cの周りを回転自在に回転体Jが軸支される。回転体Jは接続軸Cを中間にして片方の端部に支軸Sjを、他方の端部に車輪支軸Ibを備え設けて、車輪Bが車輪支軸Ibに装着される。引きバネVの片方の取付部は「固定部Wに設けられる支軸Sw」に固定支持され、他方の取付部は支軸Sjに可動支持される。
図10(a)において、引きバネVは接続軸Cと戸当たりGdとの中間にあって、回転体Jを「接続軸Cを軸に図中矢印ロと反対方向に」回転するように付勢し、回転体Jは「ドアDに設けた当たりGj」に当接して静止している。図10(b)において接続軸Cは枢軸Oの周りを公転し、引きバネVを横切るときを境にして、引きバネVが回転体Jを付勢する方向が逆転する。回転体Jは当たりGjから離れて図中矢印ロ方向に回転しはじめ、摺動面Kと当接する。
摺動面Kは「ドア枠Wに設けられる支軸Ik」の周りを回転自在に軸支され、押しバネuuによって付勢され、車輪Bが摺動面Kを押圧して、摺動面Kは支軸Ikを軸に図中矢印ハ方向に回転し、押しバネuuは縮められる。車輪BBは摺動面Kに沿って移動し、車輪支軸Ibbは車輪BBを装着し、「全閉時のドアD面と平行な軌道Xw」に沿って移動する。支軸IbbはリンクAを介して引きバネVVに付勢され、車輪BBは摺動面Kに沿って移動し支軸Ikから遠ざかり、摺動面Kの図中矢印ハと反対方向の回転を阻止し、押しバネuuの復元を阻止する。
図10(b)に示すように車輪Bと摺動面Kとの接点bは接続軸Cを中心に円軌道を描き、摺動面Kから見ればドアDは押し戻される。押しバネuuの縮みが止まり、摺動面Kが静止するとき、ドアDの動慣性力はなくなり、車輪B摺動面Kを押圧する力Fbは極小になり、回転体JはドアDを押し戻しながら回転する。このとき押しバネuuを更に縮めながら回転体Jが回転するとドアDの戻りはその分小さくなる。このように、ドアDは押しバネuuによって停止するまで減速されて、再び加速する。図10(c)に示すように、回転体Jが図中矢印ロ方向に回転しながら、ドアDは図中矢印イ方向に回転する。力Fbの作用線は接続軸Cを横切り、力Fbが回転体Jの図中矢印ロ方向の回転を阻止する力から促す力に転じる。車輪Bが摺動面Kからはなれて、ドアDは押しバネuuの抵抗を受けずに全閉に至る。
図11は減速装置1,2の実施例で、捩りバネVはドアDを減速する弾性体でもあり、回転体Jを付勢するバネでもあって、回転体Jの回転を阻止する拘束手段は捩りバネVの復元によって解除され捩りバネVは一挙に初期状態に復元され、運動体と移動体との間の力の伝達を切断する。
図11は、図1、図2に説明した減速機構をドアヒンジに採用したものである。ドアヒンジはピンPとピンPの回転軸Itを共に回転軸とする2枚の兆番Td,Twからなり、ピンPは2枚の兆番Td,Twに設けられる貫通穴に挿通され、2枚の兆番Td,TwはピンPの周りを回転自在に軸支され、兆番TdにドアDが取り付き、兆番Twはドア枠Wに固定される。
円盤PlはピンPの周りを回転自在に軸支され、「兆番Tdと当接離脱する当たりGt」を備える。捩りバネVの片方の取付軸は当たりGtに可動支持され、他方の取付軸はピンPに固定支持される。
回転体Jは「兆番Twに設けられる接続軸C」の周りを回転自在に軸支され、回転体Jの先端部に設けられる当たりGjはピンPに取り付く枝Pgに当接して、ピンPの図中矢印イ方向の回転を阻止する。
図11(a)はドアヒンジの立面図で、図11(a)に示す(あ)〜(あ)矢視を図11(b)に示す。図11(b)は「ドアヒンジを上から見た平面図」である。図11(b1)は兆番TdがピンPを軸に図中矢印イ方向に回転して当たりGtに当接する以前の状態図で、図11(b2)は兆番Tdが当たりGtに当接した以後の状態図で、当たりGjは枝Pgに当接してピンPが兆番Twに固定された状態であり、ピンPの図中矢印イ方向の回転が拘束され、兆番Tdが当たりGtに当接した以後は、当たりGtの公転と共に捩りバネVが捩じられて伸縮する。ドアDが減速される。
図11(b3)は捩りバネVが捩じりきってドアDが停止し、捩りバネVが復元し始める状態図で、捩りバネVの復元によって回転体Jが接続軸Cを軸に図中矢印ロ方向に回転して、当たりGjが枝Pgから離れる。「ピンPに支持される捩りバネVの他方の取付軸」はピンPと共に図中矢印イ方向に回転する。捩りバネVは一挙に初期状態に復元され、蓄えられた弾性力は消失する。その後、兆番Tdと共にピンPも回転するので、ドアDが回転しても捩りバネVは伸縮しない。ドアDは全閉に至るまで抵抗を受けずに回転する。
図11(a)において、枝Pgと回転体Jとの表示を省略する。
このようにピンPの回転を拘束すれば捩りバネVが捩じられ、ピンPの回転の拘束を解除して、ピンPが自由に回転すれば、捩りバネVは一挙に初期状態に復元され、ドアDが回転してもねじられることはなくなるが、次に、ピンPの回転の拘束を解除する機構について説明する
盤Plの外縁部にラチェット歯Rが等分に配される。ラチェット爪Rjは「回転体Jに設けられる支軸Ir」の周りを回転自在に軸支され、図11(b1)、図11(b2)において、押しバネurに付勢されてラチェット歯Rに沿って摺動する。
ラチェット歯RがピンPの周りを図中矢印イ方向に公転するとき、ラチェット爪Rjはラチェット歯Rに沿って滑走し、「捩りバネVの片方の取付軸が可動支持される当たりGt」はピンPの周りの図中矢印イ方向に公転する。図11(b1)、図11(b2)において、回転体Jは押しバネujに付勢されて兆番Twに設けられる当たりGwに当接して静止しているので、捩りバネVは捩じられドアDを減速する。枝Pgの当たりGjを接触する面は、枝Pgと回転体Jとの接点である当たりGjとを通る軸芯線Zjは「ピンPの回転軸Itを中心とする円」の略接線方向で、大きな捩りバネVの復元力を支持して、当たりGjが枝Pgに沿って移動することはない。
図11(b3)にしめすように、捩りバネVの復元によってラチェット歯Rが図中矢印イと反対方向に公転したとき、ラチェット爪Rjはラチェット歯Rに食い込んでラチェット歯Rと相対的に一体になって図中矢印イと反対方向に公転し、支軸Irも図中矢印イと反対方向に公転して、回転体Jに軸心線Zjと略直角方向に力が働いて、回転体Jは接続軸Cを軸に図中矢印ロ方向に回転する。当たりGjが枝Pgから離れ、「ピンPの図中矢印イ方向の回転の拘束」が解除される。
「ピンPの図中矢印イ方向の回転の拘束解除」にドアDの後戻りを伴うが、「ラチェット歯Rが等分に配される円盤Pl」の半径を大きくし、また、ラチェット歯Rを出来るだけ細かく多く配して、ドアDの僅かな回転によってラチェット爪Rjが数多くのラチェット歯Rを乗り越えるようにすればするほど、当該ドアDの後戻りは小さくなる。
ドアDがラチェット歯Rを回転させて減速されるときのドアDの回転角は小さく、ラチェット爪Rjが摺動するラチェット歯Rの数は少なく、円盤Plの外縁部の全円周に及ぶことはない。必要なラチェット歯Rは小さな円弧内に収容でき、円盤Plは扇状にすることが出来る。このようにして、減速機構に携わる歯車機構の動作範囲を、ドアD内やドア枠Wと取り付ける壁面内に入り込まない領域に納めることが出来る。
図12は、運動体Uの運動エネルギをバネの歪エネルギに変換して運動体U を減速するとき、バネが縮んで復元するとき、運動方向が逆転しても、力の作用方向は逆転しないことを説明する実施例である。運動体Uと移動体Iとが当接して力を伝達しあう当接部において、バネの伸縮時も復元時も運動体Uと移動体Iとは当接部を押し合い、バネが伸縮から復元に運動方向を逆転しても、押し合う力が互いに離れる方向の力になって勝手に運動体Uと移動体Iとの力の伝達が切断されることはない。
互いに噛み合う2つの歯車があって、例えば、図12に示すように、歯車G1と歯車G2とがあって、歯車G2が図中矢印ハ方向に回転すれば、歯車G1は図中矢印ロ方向に回転する。歯車G1の図中矢印ロ方向の回転を阻止すれば、歯車G2は歯車G1の周りを図中矢印イ方向に自転しながら公転する。ここで、歯車G2が図示しない捩りバネを巻きつけながら図中矢印ハ方向に回転するとすれば、歯車G1が図中矢印ロと反対方向に回転しないようにしなければ、歯車G2は公転できない。捩りバネが伸縮するときも、復元するときも、歯車G1が図中矢印ロと反対方向に回転しないようにする支持反力が働き続ける。
歯車G2の回転方向が逆転しても、支持反力の働く方向が逆転しない。
図12は、図11と同様に、捩りバネVの他方の取付軸はピンPP支持され、片方の取付軸は「兆番Tdと当接離脱する当たりGt」に支持される。歯車G1の図中矢印ロ方向の回転をラチェット爪Rjによって阻止して、歯車G2を歯車G1の周りを図中矢印イ方向に自転しながら公転させると、歯車G2は歯車G3,G4を介してピンPPを図中矢印ニ方向に回転させ、捩りバネVを伸縮させる。同時に捩りバネVの復元力を歯車G2が支持することになり、歯車G1が図中矢印ロと反対方向に回転しないようにしなければ、歯車G2は公転できない。
捩りバネが伸縮し始める当初は、歯車G1の図中矢印ロ方向の回転をラチェット爪Rjによって阻止するが、伸縮し続けて捩りバネVの復元力が大きくなると歯車G1を図中矢印ロと反対方向に回転させるようになり、ラチェット爪Rjが阻止しない方向に歯車G1が回転する。伸縮しきった捩りバネVは一挙に元に戻る。
歯車による摩擦抵抗によって歯車G1を図中矢印ロと反対方向に回転しない間だけは、捩りバネVは伸縮しドアを減速するが、捩りバネVは僅かに伸縮するだけで一挙に元に戻る。歯車G1を図中矢印ロと反対方向に回転しないようにする拘束手段と拘束を解除する手段を設けずに、捩りバネVはを大きく伸縮させて、勝手に一挙に元に戻るように、することは出来ない。本発明のようにバネの反発力で運動体Uに抵抗する減速装置は、解除可能な拘束手段なしで、運動体Uに働く抵抗を自動的に解除できない。
バネの復元時に運動方向が逆転することによって運動体に働いた抵抗を切断できるように期待するが、バネの力を支持するためにバネの取り付け部を支持する支軸の移動を拘束するが、支軸が支持する力は復元し始めるときに最大値になっても方向が変わることがなく、バネの力が増加から減少に転じるときを捉えて、支軸の移動の拘束を解除する動作に結びつけることは機械的には出来ない。
図12は、バネの力が増加から減少に転じるとき、支軸の移動の拘束を自動的に解除する実施例を示すものであるが、ドアが停止するまで減速されのではなく減速途中でバネの力が増加から減少に転じる。また、増加から減少に転じるときを自由に制御できない。
図12に示すドアヒンジは図11に示したドアヒンジと同じく、ピンPと2枚の兆番Td,Twからなり、2枚の兆番Td,TwはピンPを回転軸として共有し、2枚の兆番Td,Twのそれぞれに設けられる貫通穴にピンPが挿通され、2枚の兆番Td,TwはピンPの周りを回転自在に軸支される。兆番TdにドアDが取り付き、兆番Twはドア枠Wに固定される。
ピンPPは「ピンPの中心軸に沿ってピンPに施された貫通穴」の内部に挿通され、ピンPPはピンPの貫通穴内部で自由に回転する。である。また、ピンPはピンPPの回りに自由に回転する。円盤PlはピンPの周りを回転自在に軸支され、外延部の一部にラチェット歯Rが等分に配され、また一部は平歯車G1である。
図12(a)はドアヒンジの立面図で、図12(a)に(あ)〜(あ)矢視を図12(b)に示す。図12(b)は「ドアヒンジを上から見た平面図」である。また、図12(a)に(い)〜(い)矢視を図12(c)に示す。図12(c)は「ドアヒンジを下から見た平面図」である。
兆番TdがピンPを軸に図中矢印イ方向に回転して、当たりGtに当接する以前の状態を図12(b1)、図12(c1)に示し、兆番Tdが当たりGtに当接した以後の状態を図12(b2)、図12(c2)に示す。図12(b3)、図12(c3)はドアが減速されて、伸縮した捩りバネVが復元するときの状態を示している。
当たりGtはピンPPの回転軸Itと平行な回転軸Gtでもあり、回転軸Gtの周りを回転自在に回転体Gが軸支され、回転体Gの一部は平歯車G1と噛み合う平歯車G2であり、一部は「ピンPPに固定される平歯車G4」と噛み合う平歯車G3である。ラチェット爪Rjは「兆番Twに設けられる支軸Ir」の周りを回転自在に軸支され、図12(b1)、図12(b2)において、ラチェット歯RのピンPPの周りを図中矢印ロ方向の公転を阻止する。図12(c2)に示すように、兆番Tdが当たりGtに当接して、当たりGtがピンPPの周りを図中矢印イ方向に公転し、図12(b2)に示すように、回転体Gが回転軸Gtの周りを図中矢印ハ方向に自転しながら、ピンPPの周りを図中矢印イ方向に公転する。同時に平歯車G4がピンPPの周りを図中矢印ニ方向に自転し、ピンPPも図中矢印ニ方向に自転する。
このように、ラチェット爪Rjによって「平歯車G1のピンPPの周りの図中矢印ロ方向の回転が阻止されるとき、図12(c2)に示すように、兆番TdのピンPPの周りの図中矢印イ方向の公転」とピンPPの図中矢印二方向の自転は互いに反対方向で、捩りバネVが「兆番Tdの回転だけによる場合より大きく」捩じられることになる。
兆番Tdの回転をピンPPの回転に伝達する歯車装置において、平歯車G1の歯数は平歯車G2の歯数より多く、平歯車G3の歯数は平歯車G4の歯数より多い。歯車装置がこのようにして回転数を大きくするほど、歯車装置を回転させる力は大きく必要となりまた装置の摩擦抵抗が大きくなる。ドアDを減速する抵抗は捩りバネVの伸縮によるものだけではなく、歯車装置の摩擦抵抗によるものが追加される。
ドアが十分に減速されて停止すると、捩りバネVの復元力が極大値になり、捩りバネVが復元して、図12(b3)に示すように、平歯車G4がピンPPの周りを図中矢印ニと反対方向に自転し、平歯車G3と平歯車G2が回転軸Gtの周りを図中矢印ハと反対方向に自転する。
平歯車G2と噛み合う平歯車G1の回転が拘束されている場合は平歯車G2は自転しながら図中矢印イと反対方向に公転するが、平歯車G1がピンPの周りの図中矢印ロと反対方向の回転するとき、ラチェット爪Rjは押しバネurに付勢されてラチェット歯Rに沿って滑走し、平歯車G1の回転が拘束されていないので、平歯車G1が図中矢印ロと反対方向に自転して、平歯車G2は図中矢印ロと反対方向に自転して図中矢印イと反対方向に公転しない。ドアDは減速されて停止した位置から戻されることなく、捩りバネVの抵抗を受けないようになる。
図11においては、捩りバネVの伸縮時にラチェット爪Rjはラチェット歯Rに沿って滑走し、復元時にラチェット爪Rjはラチェット歯Rと共に回転して捩りバネVの抵抗を開放する。捩りバネVの抵抗の開放にはラチェット歯Rの逆回転が必要で、ドアDの後戻りを伴ったが、図12においては、捩りバネVの伸縮時にラチェット爪Rjはラチェット歯Rに食い込んでピンPPの回転を阻止して、復元時にラチェット爪Rjがラチェット歯Rから外れて、ピンPPの回転を許すので、捩りバネVの復元がドアの逆回転に結びつかない。図11の場合とは一方向動作の方向が逆で、捩りバネVの復元時にラチェット歯Rが回転可能になり、当該歯車機構の各歯車は自転するだけで公転しないままで、ドアDも回転しないままになる。ドアDの後戻りはない。
図12の実施例は、バネの復元を阻止する実施例とは逆で、バネの伸縮時に阻止手段が働き、バネの復元時に阻止手段を解除する。
図5において、バネの伸縮時も復元時も、押しバネuuの復元力がリンクAとピストンPsとは互いに押し合う力となり、バネの伸縮時も復元時もリンクAとピストンPsとは互いに押し合うように、図12においても、兆番Tdと当たりGtは、バネの伸縮時も復元時も互いに押し合う。伸縮時も復元時も同じ方向の互いに押し合い力によって何か変化のある動作が起きることはなく、兆番Tdと当たりGtとの間に働く力によって、自動的に兆番Tdから当たりGtを引き離すことは出来ない。
しかし、ピンPPを回転させる方向はバネの伸縮時と復元時とでは反対方向であり、ラチェット爪Rjがラチェット歯Rに作用する力の方向は勝手に逆になる。一方向動作が力の方向が逆になるとき動作するものとすると、一方向動作の抵抗解除手段は力の方向が逆になるとき、自動的に動作し、ドアDの後戻りはない。
図13は減速装置4の実施例で、捩りバネVはドアDを減速する弾性体であり、押しバネujは回転体Jを付勢するバネである。回転体Jの回転を阻止する拘束手段は捩りバネVの復元を阻止することによって解除される。捩りバネVの復元が阻止されると、捩りバネVの復元力によって当たりGtが回転体Jを押圧する力がなくなり、回転体Jと当たりGtとの間に働く摩擦力が突如として、押しバネUjによって回転体Jが回転し当たりGiから離れる。解除され捩りバネVは一挙に初期状態に復元され、運動体と移動体との間の力の伝達を切断する。
図13に示す実施例は、図5に説明した減速機構をドアヒンジに採用するものであって、「ドアを減速するときに伸縮したバネの復元」を阻止して、ドアと減速装置とが接触する当接部において互いに押し合う力が極小地になるとき、ドアが減速装置から切り離されるようにするものである。
図13に示すドアヒンジは図11に示したドアヒンジと同じく、ピンPと2枚の兆番Td,Twからなり、兆番Tdと兆番TwはピンPを回転軸として共有し、兆番Tdと兆番Twとのそれぞれに設けられる貫通穴にピンPが挿通され、兆番Tdと兆番TwはピンPの周りを回転自在に軸支される。兆番TdにドアDが取り付き、兆番Twはドア枠Wに固定される。
図13は、図11と同様に、捩りバネVの片方の取付軸は「兆番Tdと当接離脱する当たりGt」に可動支持され、他方の取付軸は兆番Twに固定支持される。
図13(a)はドアヒンジの立面図で、図13(b)はドアヒンジを下から見た平面図でピンPの周りを回転自在に軸支される円盤Plの動作説明図である。図13(c)は「兆番Tdに設けられる支軸Ij」の周りを回転自在に軸支される回転体Jの側面図である。
兆番TdはピンPを軸に図中矢印イ方向に回転して、当たりGtに当接する以前の状態を図13(a1)、図13(b1)、図13(c1)に示し、兆番Tdが当たりGtに当接した以後の状態を図13(b2)、図13(c2)に示す。図13(a2)、図13(b3)はドアDが減速されたあとで、回転体Jが当たりGtから離れたときの状態を示している。
回転体Jは支軸Ijを中間にして片方は当たりGtと当接離脱し、他方は兆番Tdに設けられる当たりGiと当接離脱する。回転体Jは押しバネUjによって、支軸Ijを軸に図中矢印ロ方向に回転するように付勢され、図13(c1)に示すように、兆番Tdが当たりGtに当接する以前は当たりGiと当接して図中矢印ロ方向の回転は阻止される。兆番Tdが当たりGtに当接すると同時に、図13(c2)に示すように、回転体Jが当たりGiから離れて図中矢印ロ方向の回転は可能となる。
当たりGtは円盤Plに取り付く。ラチェット爪Rjは「兆番Twに設けられる支軸Ir」の周りを回転自在に軸支され、押しバネurに付勢されて、先端部は「円盤Plの外縁部に設けられるラチェット歯R」に沿って移動する。図13(b1)、図13(b2)に示すように、ラチェット爪Rjは、当たりGtがピンPを軸に図中矢印イ方向に回転することを許して捩りバネVが伸縮し、当たりGtが図中矢印イと反対方向に回転することを阻止して捩りバネVの復元を阻止する。
図13(a2)、図13(b3)に示すように、ドアDが減速されて停止し、捩りバネVの復元が阻止されると、捩りバネVの復元力によって当たりGtが回転体Jを押圧する力がなくなり、回転体Jと当たりGtとの間に働く摩擦力が突如として激減する。押しバネUjによって回転体Jが図中矢印ロ方向に回転し当たりGiから離れる。ドアDは当たりGtによって回転が阻まれることなく、全閉に至るまでは抵抗を受けずに回転可能となる。
図14は減速装置1の実施例で、捩りバネVはドアDを減速する弾性体でもあり、ピンPを付勢してピンPの回転を拘束する拘束手段を解除するバネでもある。捩りバネVの伸縮時にピンPの上端の摩擦面Gpとそれと平行な摩擦面Gwと接触してピンPの回転を阻止し、捩りバネVは復元とともに短くなってを摩擦面Gpと摩擦面Gwとが離れる。拘束解除され捩りバネVは一挙に初期状態に復元され、運動体と移動体との間の力の伝達を切断する。
図14に採用される捩りバネVは捩じられると長さが短くなるバネで、片方の取付軸は「兆番Tdと当接離脱する当たりGt」に可動支持され、他方の取付軸はピンPに固定して支持される。当たりGtはピンPの周りを回転自在に軸支され、ピンPに沿ってピンPの軸方向へ移動しない。
図14に示すドアヒンジは図11に示したドアヒンジと同じく、ピンPと2枚の兆番Td,Twからなり、兆番Tdと兆番TwはピンPを回転軸として共有し、兆番Tdと兆番Twとのそれぞれに設けられる貫通穴にピンPが挿通され、兆番Tdと兆番TwはピンPの周りを回転自在に軸支される。兆番TdにドアDが取り付き、兆番Twはドア枠Wに固定される。
図14(a)はドアヒンジの立面図で、図14(b)はドアヒンジを下から見た平面図で、当たりGtと捩りバネVの動作説明図である。図14(a1)、図14(b1)は兆番Tdが当たりGtに当接する瞬間の状態を示す。ピンPの上端に「ピンPの回転軸Ipと直角に交わる摩擦面Gp」が取り付き、摩擦面Gpは「摩擦面Gpと平行な摩擦面Gw」と接触している。図14(a2)、図14(b2)に示すように、兆番Tdが当たりGtに当接してピンPを軸に図中矢印イ方向に回転して捩りバネVが捩じられ、ピンPは回転すると同時に上昇する。
摩擦面Gpと接触する摩擦面Gwは「兆番Twに沿ってピンPの軸方向に上下する移動体I」に取り付く。兆番Twと移動体Iとの摺動面に摩擦が働くようにしていて、摩擦面Gpは摩擦面Gwを押圧しながら回転しながら上昇し、摩擦面Gwは摩擦面Gwの回転を減速する。
図14(a3)、図14(b3)に示すように、ドアDが減速されて停止すると同時に、捩りバネVが復元し、ピンPは図中矢印イと反対方向に回転して下降する。兆番Twと移動体Iとの摺動面に働く摩擦が摩擦面Gwをその場に留めて、摩擦面Gpは摩擦面Gwから離れる。摩擦面Gpは面に働く摩擦力と直角方向のピンPの軸方向に移動する。以後、ドアDと兆番Tdと当たりGtと捩りバネVとピンPは1つになって、摩擦面Gwの抵抗を受けずに回転する。図14の場合も図12の場合と同様にドアDの後戻りはない。
図12のように、ドアDが停止するときを境にして摩擦面Gpの運動方向が逆転することによって、兆番Twに沿って上昇し下降しない移動体Iが一方向動作の抵抗解除手段となる。また、図13のように取付軸を可動支持する当たりGtの公転を阻止する手段がなくても、可動支持される取付軸は公転せずに、固定支持される取付軸を固定するピンPが回転して捩りバネVが緩むことになる。
図15は減速装置8の実施例で、リンクAは揺動し往復運動するが、移動体IIは摺動面Kに沿ってリンクAとともに往運動しても復運動しない。支持体は回転体Jであって、減速時に運動体が停止するまで車輪Bを回転体Jから離れないように拘束する拘束手段を備える。押しバネuuの復元によって車輪Bが回転体J(支持体)から離れて拘束手段は解除される。運動体は停止するまで減速されることになる。
図15において、移動体Iは固定部Wに設けられる軌道Xに沿って図中矢印イ方向に回転せずに平行移動する。リンクAは「移動体Iに設けられる接続軸C」の周りを回転自在に軸支され、「リンクAの先端部に設けられる車輪支軸Ib」に車輪Bが装着される。図15(a)は運動体Uが移動体Iに衝突する以前の状態図で、リンクAは押しバネuuによって付勢され、接続軸Cを軸に図中矢印ロ方向の回転は固定部Wに設けられる当たりGによって止められ、移動体Iと共に静止して待機している。摺動面Kは固定部Wに設けられ、待機中のリンクAの軸芯線Zaとの交差角度Θは直角より僅かに大きい鈍角である。移動体IIは摺動面Kに沿って回転せずに平行移動し、摺動面Kと接する部分は摩擦面Gkである。回転体Jは「移動体IIに設けられる支軸Ig」の周りを回転自在に軸支され、車輪Bと当接離脱する当接部Gbを備える。
移動体IIは、運動体Uが移動体Iに衝突して運動体Uと移動体Iが相対的に一体になって、リンクAが回転せずに図中矢印イ方向に移動するとき、車輪Bが当接部Gbと当接する位置に待機している。図中矢印ニ方向は、衝突時の運動体Uの速度が遅い場合の車輪支軸Ibの軌跡であって、運動体Uの速度が遅い場合、車輪Bは当接部Gbと当接せずに、当たりGの周りを公転する。運動体Uと移動体Iは相対的に一体になって、抵抗を受けずに図中矢印イ方向に進む。
衝突時の運動体Uの速度が速い場合、車輪Bが当たりGからはなれて図中矢印ニ方向移動する間もなく、当接部Gbと当接する。以後、当接部Gbを押圧しながら、移動体IIを摺動面Kに沿って図中矢印ハ方向に移動させる。車輪Bが当接部Gbを押圧する力Fbは回転体Jを図中矢印ホ方向に回転させ押しバネUjを縮める。車輪Bが図中矢印ニ方向に移動して車輪Bが回転体Jから離れることはなくなり、図15(b)に示すように、リンクAは図中矢印ロと反対方向に回転して、押しバネuuを縮める。
運動体Uの運動エネルギは押しバネuuの歪エネルギと摺動面Kと摩擦面Gkとの間の摩擦熱に変換されて、運動体Uは減速する。図15(b)を運動体Uと移動体Iとが減速されて停止したときの状態図とすると、運動体が前進しようとする力が極小になり、押しバネuuに蓄えられる復元力が極大になっている状態で、リンクAがまさに図中矢印ロ方向に回転し始めるときである。リンクAの往復運動の折り返し時にはリンクAの回転速度がゼロであり、運動体Uは後戻りしなくても停止する。運動体U停止するまで押しバネuuは伸縮し、復元するとき運動体U停止する。押圧力Fbは極小になり、押しバネujによって回転体Jが図中矢印ホと反対方向に回転することも手伝って、リンクAは強力な押しバネuuの復元力で図中矢印ロ方向に回転し、車輪Bは当接部Gbから離れて、運動体Uと移動体Iは抵抗を受けずに図中矢印イ方向に進む。
リンクAの往復運動の折り返し時に移動体IIは摺動面Kと摩擦面Gkとの間の最大静止摩擦力によって図中矢印ハと反対方向に戻らない。車輪Bと当接部Gbとが離れずに、リンクAの図中矢印ロ方向の回転に伴って移動体IIも図中矢印ハと反対方向に移動すると、運動体Uは移動体Iと衝突したときの位置まで戻され、移動体IIは減速時に図中矢印ハと反対方向に移動しても、バネの復元時に後戻りを阻止する一方向動作の抵抗解除手段なければいけないが、摺動面Kと摩擦面Gkとのの摩擦があれば、一方向動作になる。
図16以降にドアを減速して一旦停止した後に、再び動き出すようにする減速装置について、その他の実施例を紹介する。図16の減速装置も、「バネを押し込んでも押し返されないようにする機構」を備える。
図16は減速装置1、2の実施例で、引きバネVはドアDを減速する弾性体でもあり、回転体Jの回転を拘束する拘束手段を解除するバネでもある。引きバネVは復元とともリンクAの先端部とラックKoとが噛み合いリンクAが回転して引きバネVは一挙に初期状態に復元され、運動体と移動体との間の力の伝達を切断する。
図16に示す減速装置は図1、図2の引きバネVの取付軸を大きく移動させてバネが一瞬にして緩む減速機構と、図3、図9のように、ドアの僅かな回転を減速装置のリンクの大きな動作に変換する減速機構を採用している。
図1において、ドアが減速されてバネが復元し押し戻されるとき、取付軸Saが大きく移動してドアに作用した抵抗が解除されるが、図1(c)において、リンクAが回転し始めた当初は、引きバネVが移動体I の移動方向と略平行で、ドアを押し戻す力が大きく、ラチェット爪Rが回転して、「ラチェット爪Rの支軸Ia」が公転してドアを押し戻す方向に移動するとともに、ドアが押し戻されることになる。図16はドアが押し戻される距離を図1の実施例よりも小さくするために考案されたもので、図16(c)に示すように、引きバネVが回転体Jの回転軸Cを横切ると、直ぐに第2のラチェット爪Rrによって移動体SSが引き戻されないようにしている。引きバネVが回転軸Cを横切った後は、ラチェット爪Rと関係なく、リンクAは勝手に回転するのであって、引きバネVが回転軸Cを横切った直後に移動体I の移動を止めてしまってもリンクAは勝手に回転する。
図16において、運動体Dと移動体Sは図中矢印ロ方向に「固定部Wに設けられる所定の軌道Zm」に沿って移動し、移動体Sに設けられる支軸Isに動滑車Bsが装着される。移動体SSは「固定部Wに設けられる所定の軌道Zss」に沿って移動し、移動体SSに設けられる接続軸Cの周りを回転体Jが回転自在に軸支される。リンクAは「回転体Jに設けられる連結軸P」の周りを回転自在に軸支される。リンクAは押しバネUaによって付勢され、リンクAの先端部に装着されるラチェット爪が、「固定部Wに設けられるラックKo」を押圧して、リンクAの先端部がラックKoに沿って摺動する。ラックKOには鋸歯が施され、鋸歯はリンクAの先端部が図中矢印イ方向に移動することを許して、図中矢印イと反対方向に移動することを阻止する。引きバネVは片方の取付軸を固定部Wに設けられる支軸Svに固定支持し、他方の取付軸を連結軸Pに可動支持する。
図16(a)は運動体Dが「静止して待機する移動体S」に当接する以前の状態を示す。引きバネVは移動体SSに設けられる当たりGjと接続軸Cとの間にあって、回転体Jは当たりGjに当接して静止する。図16(b)は運動体Dが移動体Sに当接して運動体と相対的に一体になって移動し、動滑車Bsが紐Nを押圧して引きバネVを引き伸して、運動体Dを減速する状態を示す。
図16(c)は、運動体Dの速度がなくなって運動体Dが停止した状態を示し、引きバネVが復元して移動体SSを図中矢印イと反対方向に引き戻しながら、「リンクAの先端部とラックKoとの接点b」を中心に、リンクAが図中矢印ハ方向に回転する。
連結軸Pが当該接点bを中心に図中矢印ハ方向に公転することによって、引きバネVは接続軸Cを横切り、引きバネVが回転体Jを付勢する方向が逆転する。引きバネVが接続軸Cを横切ると、移動体SSが止まったままでも回転体Jは回転し続ける。移動体SSを止めた状態にすると、リンクAの回転に関係なく回転体Jは回転し続ける。図16(c)に示すように、第二のラチェット爪Rrは「移動体SSに設けられる支軸In」の周りを回転自在に軸支され、引きバネVが接続軸Cを横切った直後に、ラックKoのラチェット歯に食い込んで移動体SSを止めた状態にする。回転体Jが図中矢印ニ方向に回転し続けて、引きバネVの復元力がなくなる。運動体Dを減速した抵抗が自動的に取り除かれる。運動体Dは図中矢印ロ方向に移動し始める。
運動体Dの速度がなくなって停止すると、引きバネVの復元力は最大になるが、図16(a)に示すように、回転体Jの軸芯線Zjが引きバネVと略重なる状態にあるほど、連結軸Pは軸芯線Zj方向に大きな引きバネVの引張力を支持する。連結軸Pに働く力の作用線が回転体Jの軸芯線Zj上にある状態であるほど、大きな力を支持するが、軸芯線Zj方向と直軸芯線Zj方向と直角方向に小さな力が働くと、回転体Jが容易に回転する状態であって、回転体Jが大きく回転して、軸芯線Zj方向と引きバネVとが直交する状態に近づくほど、当該大きな力が回転体Jに伝達されないようになる。
本発明は、運動体の移動によって運動するリンク装置においては、運動体が弾性体或いは摩擦面を介して作用する力を略軸芯線Z方向に支持して静止する状態に拘束されるリンクを備え、軸芯線Z方向に略直角方向の力によって拘束解除されるものであって、静止する状態にあるリンクが僅かに移動或いは回転すると、その後自動的に大きく移動或いは回転することを特徴とする。
図16の実施例においても、運動体Dに働く動慣性力が減少する分は、引きバネVに復元力に蓄えられる。運動体Dが減少して速度がなくなるまで、引きバネVは引き伸ばされ、復元力が蓄えられる。引きバネVが引き伸ばされる量は、運動体Dの動慣性力の大きさに従って変化し、動慣性力が大きいほど、大きく減速する。引きバネVはあらゆる大きさの動慣性力に対応する。本発明の減速装置は、あらゆる大きさの衝撃に対応して緩和する特徴がある。
紐Nは片方の取付軸を「固定部Wに設けられる支軸Sn」に固定支持し、他方の取付軸は「移動体SSに設けられる支軸Inに可動支持される。紐の中間部は「固定部Wに設けられる支軸Svに装着される滑車Bn」の周りを迂回する。
図16(b)に示すように、運動体Dが移動体Sに当接して運動体と相対的に一体になって移動するとき、動滑車Bsが紐Nを押圧して、運動体Dの僅かな移動は移動体SSの大きな移動に変換される。引きバネVを引き伸して、引きバネVが僅かに縮んでも運動体Dを大きく後戻りさせない。
図12のように、歯車機構によって僅かな回転を大きな回転数に変換するように、動滑車Bsと紐Nによって、運動体Dの僅かな移動を移動体SSの大きな移動にすることが出来る。
図17は減速装置4の実施例で、押しバネUはドアDを減速する弾性体であり、引きバネVは回転体Jを付勢するバネであり、引きバネVjは押しバネUの復元を阻止する手段である。回転体Jの図中矢印ロ方向の回転を阻止する拘束手段は車輪Bが摺動面Kを押圧する力であって、増加の一途をたどり、動慣性力で押す力と押しバネUが押し返す力が釣り合うとき車輪Bは停止し復元が始まる。車輪Bが摺動面Kを押し返す力の大きさは最高値になるが、引きバネVの復元を阻止することによって激減し、引きバネVが回転体Jの回転を拘束する拘束手段を解除する。運動体と移動体との間の力の伝達を切断する。
図17に示す実施例も、図5に示した実施例と同様に、ドアDの動慣性力を押しバネUで吸収してドアDを減速し、押しバネUが復元してドアDが跳ね返されないように、縮んだ押しバネUの復元を阻止して、ドアDが行く手を阻んだ当たりGから離れる進路をとってドアDが再び動き始めるようにしている。
図17(a)と図17(b)とは別々の減速装置で、図17(a)の装置においては、「ドアDに設けられる接続軸C」の周りを回転体Jが回転自在に軸支され、回転体Jの先端部に装着される車輪Bが「ドア枠Wに設けられる摺動面K」と当接して「ドア枠Wに設けられる押しバネU」が縮んで、ドアDが減速する。図17(b)の装置においては、「ドアDに設けられる接続軸CC」の周りを回転体Jdが回転自在に軸支され、回転体Jdの先端部に装着される車輪Bjが「ドア枠Wに設けられる摺動面K」と当接して「ドアDに設けられる押しバネU」が縮んで、ドアDが減速する。
図17(a)においても図17(b)においても、回転体Jは当たりGcから離れる方向に引きバネVによって付勢され、車輪Bが摺動面Kに当接する以前は、図17(a)において「固定部Wに設けられる摺動面Kb」に沿って移動し、図17(b)において「ドアDに設けられる摺動面Kb」に沿って移動し、回転体Jの回転は阻止される。図17(a)において、ドアDが枢軸Oを軸に図中矢印ロ方向に回転し、車輪Bが摺動面Kbから離れて、摺動面Kに当接する。図17(b)において、ドアDが枢軸Oを軸に図中矢印ロ方向に回転し、車輪Bjが固定部Wに設けられる摺動面Kbに沿って移動して、車輪Bが摺動面Kbから離れて、摺動面Kに当接する。
図17において、車輪Bが摺動面Kを押圧する力の作用線Fbと引きバネVとは接続軸Cを間に挟んで互いに反対側にあって、車輪Bが摺動面Kを押圧する力引きバネVの回転体J或いはJcを回転させる力を上回る場合は回転体Jが当たりGcを押圧する。引きバネVの力の大きさは予め決められ、車輪Bが摺動面Kを押圧する力は押しバネUが車輪Bを押し返す力であって、減速とともにドアDの動慣性力が減少しても押しバネUが縮み続ける間は、車輪Bが摺動面Kを押圧する力は増加の一途をたどり、車輪Bが摺動面K上に留まり拘束される結果になる。動慣性力で押す力と押しバネUが押し返す力が釣り合うとき、車輪Bは停止し、ドアDが減速されて停止し動慣性力がゼロになると、引きバネVの伸縮がとまり、復元が始まる。車輪Bが摺動面Kを押圧する力の大きさは最高値になり、車輪Bが摺動面K上に留まり続けて、ドアDを大きく押し戻す。
押しバネUが縮んで復元力を蓄えるが、摺動面Kは押しバネUの復元を阻止する一方向動作の逆転防止手段を備え、ドアが停止すると同時に、押しバネUの復元が阻止されて、摺動面Kが車輪Bを押し返さないようになる。引きバネVの回転体J或いはJcを回転させる力車輪Bが摺動面Kを押圧する力を上回り、回転体Jが当たりGcから離れる方向に回転する。車輪Bは摺動面Kから離れて、図17(a)においてはドアDの進行を阻むものがなくなる。図17(b)においても車輪Bjが押しバネUの抵抗を受けずに摺動面Kwに沿って移動し、ドアDは抵抗を受けずに加速し始める。
図6においてリンクAと同様に、図17において回転体Jは、バネの伸縮時に、回転を拘束され、ドアDの動慣性力を軸芯線Z方向に支持して静止する。バネの復元時に、回転体Jの軸芯線Zj方向と直角方向の小さな力で回転の拘束は解除される。このようにして、ドアDに押しバネUの抵抗が伝達されないようになる。
図18は減速装置1、2の実施例で、押しバネUはドアDを減速する弾性体でもあり、回転体Jの回転を拘束する拘束手段を解除するバネでもある。押しバネが縮む減速時にはカム体Bが回転して運動体Dと移動体Sとが相対的に一体になるがカム体BBが回転せず押しバネUを縮める。押しバネが復元する時にはカム体BBが回転してカム体Bを逆回転させて運動体Dと移動体Sとが離反する。運動体と移動体との間の力の伝達を切断する。
図18は、ドアDを減速しながら伸縮するバネを、減速以前からバネを予め伸縮させて待機するもので、低速で閉回転するドアDが減速装置の移動体Sに当接して直ぐに停止する場合でも、止まったまま動かなくならないようにするものである。
ドアDの動慣性力が働かない状態で、「止まったドアを閉回転させる静的付勢力」だけで移動体Sを押圧するとき、移動体Sバネを伸縮させて移動した後に止まった位置は、バネの復元力と当該静的付勢力とが釣り合ったところであって、バネの力が静的付勢力以上の大きさでは移動体Sは戻らない。止まったドアDが動き出すようにするには、バネの力に移動体S戻す力だけでなく、移動体を戻しながらバネの復元力を取り除く力が必要で、バネの復元を阻止する場合でも、ドアDの回転を阻止している当たりGを移動させる力が必要である。ドアDが高速で閉回転して移動体Sに当接して停止する場合は、ドアDの動慣性力でバネが止まったドアDが動き出すようにするまで伸縮するかもしれないが、高速と言わないまでもある程度高速でなければ、バネをそこまで伸縮させない。
「ドアを閉回転させる付勢力」だけで低速に移動するドアに対して、図18(a)はバネが伸縮し始めることもないようにするもので、図18(b)は、ドアがバネを伸縮し始めても、予め伸縮させて待機するバネが復元して、「バネの復元力がドアに働かないようにする動作」が始まるようにするものである。
図18において、運動体Dと移動体Sは固定部Wに設けられる軌道Zmに沿って移動し、移動体Sに2つの支軸I設けられ、それぞれの支軸Iには外周が渦線であるカム体Bとカム体BBとが取付き、カム体Bは運動体Dの側面に沿って移動するもので、カム体BBは「軌道Zmと平行に固定部Wに設けられる摺動面Ko」に沿って移動するものである。
摺動面Koは軌道Zmに沿う方向に移動しないが、軌道Zmに直角方向に平行移動する。摺動面Koは押しバネUkによって付勢され、カム体BBを押圧して常にカム体BBと接触を保つようにしている。カム体BBが回転して「カム体BBと摺動面Koとの接点bb」と支軸Iとの間の距離が変化するが、当該距離の変化に応じて摺動面Koと支軸Iとの間の距離が変化する。
摺動面Koとカム体BBの「外周が渦線である部分」とには鋸歯が施され、鋸歯はカム体BBが回転せずに図中矢印ロ方向に移動することを許して、図中矢印ロと反対方向に移動するときカム体BBが回転するようにしている。
図18(a1)は運動体Dが移動体Sに当接する以前の待機状態を示す。運動体Dは図示しない付勢手段によって図中矢印ロ方向に移動する。移動体Sには押しバネUによって、「運動体Dを図中矢印ロ方向に移動させる力」以上の力が働く。移動体Sは車輪Baで支持される。
車輪Baは回転体Jの先端部に設けられる支軸Ijに装着され、回転体Jは固定部Wに設けられる固定支軸Swの周りを回転自在に軸支され、バネVjに付勢されて当たりGjを押圧して静止する。
図18(a2)は運動体Dが低速で移動する場合の状態図で、運動体Dが図中矢印ロ方向に移動して、車輪Baが運動体Dの側面Kdに沿って移動して、回転体Jが当たりGjから離れる状態を示す。同時に車輪Baは移動体Sに設けられる摺動面Ksに沿って移動する。摺動面Ksが車輪Baを押圧する力Fjの作用線は固定支軸Swを間に挟んで当たりGjの反対側にあって、回転体Jは固定支軸Swを軸に図中矢印ニ方向に回転する。移動体Sは押しバネUによって、図中矢印ロと反対方向に移動し、カム体BBが摺動面Koに沿って移動して図中矢印ハ方向に回転する。カム体Bはカム体BBの回転に伴って回転し、運動体側面Kdに接触しない場所に移動する。運動体Dはカム体Bと接触することなく移動し続ける。押しバネU(弾性体)は運動体Dを減速しない。
図18(b1)は運動体Dが高速で移動する場合の状態図で、車輪Baが摺動面Ksに沿って移動する間もなく、また、カム体Bが運動体側面Kdに接触しない場所に移動する前に、運動体Dがカム体Bと接触する状態を示す。カム体Bが運動体側面Kdに沿って移動して図中矢印ハ方向に回転して、運動体Dと移動体Sとが相対的に一体になる。カム体BBが回転せず摺動面Koに沿って図中矢印ロ方向に移動し、押しバネUを縮める。押しバネU(弾性体)は運動体Dを減速する。
図18(b2)は運動体Dと移動体Sが押しバネUを縮めながら図中矢印ロ方向に移動し続けて一旦停止したときの状態図である。一旦停止したとき押しバネUが運動体Dと移動体Sとを図中矢印ロと反対方向に押し返す力が、運動体Dを図中矢印ロ方向に移動させる図示しない付勢手段の力と釣り合えば、運動体Dと移動体Sも止まったままになる。
しかし、図18(b1)に示す運動体Dと移動体Sとが相対的に一体になる段階で、押しバネUの力は「運動体Dを図中矢印ロと反対方向に移動させる力」以上であって、図18(b2)に示す一旦停止したときは、押しバネUが更に縮んでいるので、運動体Dと移動体Sとを図中矢印ロと反対方向に押し返すようになる。
カム体BBが摺動面Koに沿って図中矢印ロと反対方向に移動して図中矢印ハと反対方向に回転して、カム体Bも図中矢印ハと反対方向に回転して運動体側面Kdから離れる。運動体Dは移動せず、移動体Sだけが図中矢印ロと反対方向に移動して押しバネUが復元する。運動体Dが図中矢印ロと反対方向に移動して、移動体Sから離れて回転体Jを図中矢印イと反対方向に回転させると、装置は図18(a1)に示す初期状態に復帰する。
カム体Bとカム体BBは共通の支軸Iの周りを回転自在に軸支される。何れも外周が渦線であって、カム体Bは運動体Dと接触したり離れたりし、カム体BBは摺動面Koと接触したり離れたりして、カム体Bを運動体Dと接触したり離れたりさせる。「カム体Bが運動体側面Kdを押圧する力の作用線Fb」と支軸Iとの間の距離Lが小さいほど、即ち「カム体Bが運動体側面Kdを押圧する接点b」と支軸Iとを通る直線(カム体Bの軸芯線Zb)と力の作用線Fbとが重なる状態に近づくほど、カム体Bは軸芯線Zb方向に大きな押圧力を支持し、力の作用線Fb方向と直角方向の小さな力で回転するが、小さな力は運動体Dの移動方向であって、その直角方向の押圧力が運動体Dの移動方向に平行で反対方向の摩擦力を発生させている。
図18のカム体Bも図1に示したリンクAと同様に、軸芯線Z方向に大きな力を支持して、軸芯線Zと直角方向の小さな力で回転する。本発明の減速装置は、軸芯線Z方向に大きな力を支持して、軸芯線Zと直角方向の小さな力で回転するリンクを備えるリンク装置である。或いは、作用線方向と直角方向の力で移動する連結軸を備えるリンク装置である。
図19は運動体Uと相対的に一体となって移動する移動する摩擦面Giと摩擦面Gpの摩擦抵抗によって運動体Uを減速するが、摩擦抵抗によって減速されて停止した運動体Uは停止した位置から移動せず、運動体Uと当接部Guとの間に働く摩擦力はリンクAの回転を拘束する拘束手段で、押しバネuaによって運動体Uと当接部Guとを引き離す力より小さくなると、拘束は解除されてリンクAは回転して当接部Guは運動体Uから離れる。また減速装置2の実施例でもあって、運動体Uと当接部Guとが離れるとき、運動体Uが戻されるようにすると運動体が停止するまで減速されたことになる。また、減速装置5の実施例でもあって、図6(b)に示すように、リンクAの軸心線Zaと運動体の推進力Fgの作用線とが略一直線上にある
図19(a)、図19(b)、図19(c)の実施例は、押しバネUが運動体を減速する弾性体でもあり、回転体Jを付勢するバネでもあって、図4の実施例のように、移動体Sが運動体Dと相対的に一体となって平行移動しながらバネを伸縮させ、バネが復元して移動体が後戻りするとき、「移動体Sの回転の中心から離れた部分」の後戻りを拘束して移動体Sが回転するようにして、運動体Dに作用するバネの抵抗を解除するもので、減速装置3の実施例でもあり、減速装置1の実施例でもあって、抵抗解除にバネの復元を利用する。図19(d)の実施例は、図5の実施例のように、バネの復元を阻止したとき、運動体Dと移動体Sとが互いに当接部bを押し合う力が激減して、予め用意した押しバネUJの付勢力で当接部bを移動させるものである。いずれの場合も減速装置5の実施例でもあって、減速時に運動体の推進力Fgの回転体Jの軸心線Zとが略一直線上にあるように拘束して、拘束解除時に回転体Jの回転を拘束する力よりが回転体Jを回転させる力が上回って回転体Jが回転して拘束解除する。拘束解除時の回転体Jの回転に後戻りが必要なので減速装置2の実施例でもある。
図19(a1)、図19(b1)、図19(c1)、図19(d1)は、バネの復元力を切断する直前の状態図であり、図19(a2)、図19(b2)、図19(c2)、図19(d2)は直後の状態図である。
運動体Dは「固定部Wに設けられる軌道Zmに沿って図中矢印ロ方向に移動する。回転体Jは接続軸Cの周りを回転自在に軸支され、接続軸Cは図19(a)、図19(b)、図19(c)において運動体Dに設けられ、図19(d)において移動体Sに設けられる。移動体Sは回転体Jを介して、接点bで運動体Dと当接して「運動体Dを減速するバネ」を伸縮させる。
図19(a)、図19(b)、図19(c)において回転体Jが「運動体Dが備える摺動面Ks」を接点bで押圧する力の作用線Fbは接続軸Cと当たりGjとの間を通り、回転体Jは押しバネUの伸縮時に回転しない。「移動体Sを介して接点bを押圧するバネは」は「運動体Dを減速するバネ」で、図19(a)、図19(b)、図19(d)において押しバネUであり、図19(c)において引きバネVである。これらのバネが復元するまでは、移動体Sは回転せずに平行移動する。
図19(a1)、図19(b1)、図19(c1)において「運動体Dを減速するバネ」の復元時に、「移動体Sの片方の端部であり、接点bから離れた接続軸CC」の後戻りが阻止され、図19(a2)、図19(b2)、図19(c2)に示すように、移動体Sは接続軸CCを中心に回転する。移動体Sとともに摺動面Ksが回転して、「摺動面Ksが接点bで回転体Jを押圧する力の作用線Fb」は接続軸Cを横切り、接続軸Cから離れる。回転体Jは回転し、接点bが摺動面Ksに沿って大きく移動する。移動体Sと運動体Dとの間に介在する回転体Jが「運動体Dを減速するバネ」の力を運動体に伝えなくなり、運動体Dは抵抗を受けずに図中矢印ロ方向に移動し始める。
「接続軸CCの後戻り阻止する手段」は一方向動作で、移動体Sが図中矢印ロ方向に平行移動するとき、図19(a1)において、外周が渦線であるカム体Bが図中矢印ハ方向に回転し、図19(b1)において、楔Bが「固定部Wに設けられる摺動面Kw」と「図中矢印ロ方向に回転せず移動する移動体SS」との間に割り込み、図19(c1)において、「接続軸CCに装着されるラチェット爪Ra」が「固定部Wに設けられるラチェット歯Ko」に噛み合って、「運動体Dを減速するバネ」が復元しても接続軸CCの後戻りが阻止される。
図19(d1)において、回転体Jが「運動体Dが備える摺動面Ks」を接点bで押圧する力の作用線Fbは接続軸Cを通り、押しバネUの伸縮時には回転体Jは回転しない。移動体Sは固定部Wに設けられる固定支軸Swの周りを回転自在に軸支され、図中矢印イ方向に回転しながら押しバネUを縮めて運動体Dを減速する。楔Bが移動体Sに設けられる摺動面Ksに沿って図中矢印ハ方向に移動して移動体Sの戻り回転を阻止するが、移動体Sの戻り回転によって楔Bは戻されない。押しバネUが復元する直前では押しバネUの復元力が最大に達して運動体Dを押し返しているが、押しバネUの復元が阻止された瞬間に押しバネUの復元力が接点bから運動体Dに伝わらなくなり、押圧力Fdは静的付勢力だけになって激減する。押しバネUJの付勢力で当接部bは容易に移動する。弾性体の復元によって拘束解除されるが、運動体Dの後戻りを伴わない。
図19のいずれの減速装置においても、回転体Jは軸芯線Zj方向に「運動体Dを減速するバネ」の復元力を支持し、回転体Jの先端部の接点bが軸芯線Zjと直角方向に移動して、「運動体Dを減速するバネの力」を伝達しなくなる。図1において、リンクAは引きバネVの復元力を軸芯線Za方向に支持し、リンクAの先端部の支軸Saが軸芯線Zaと直角方向に移動して、「運動体Dを減速するバネの力」を伝達しなくなる。図5において、リンクAは押しバネuuの復元力を軸芯線Za方向に支持し、リンクAの先端部の当接部Gaが軸芯線Zaと直角方向に移動して、「運動体Dを減速するバネの力」を伝達しなくなる。図9において、移動体Iは「車輪Bが摺動面Kを押圧る力Fb」を軸芯線Zi方向に支持し、「車輪Bと摺動面Kとの接点b」が軸芯線Ziと直角方向に移動して、「運動体Dを減速するバネの力」を伝達しなくなる。
図6において、運動体Uの運動エネルギは摩擦熱に変換されて、運動体Uが減速されて停止後に、運動体Uを押し戻す力が作用しなくなるが、リンクAは運動体Uの推進力を軸芯線Za方向に支持し、リンクAの先端部の当接部Guが軸芯線Zaと直角方向に移動して、運動体Uの進路の外に出る。図12においては、バネの復元を阻止するのではなく、バネの伸縮時にラチェット爪Rjがラチェット歯RのピンPPの周りの公転を拘束して、捩りバネVをさせて、拘束解除して捩りバネVを復元させる。ラチェット爪Rjは円盤Plの接線方向に働く回転力をラチェット爪Rjの軸芯線Zr方向に支持し、ラチェット爪Rjの先端部の爪が軸芯線Zrと直角方向に移動して、「運動体Dを減速するバネの力」を伝達しなくなる。図14において、摩擦面Gpは面でピンPの回転力を支持し、面と直角方向に移動して、「運動体Dを減速するバネの力」を伝達しなくなる。
何れにおいても、運動体から移動体へ、或いは移動体から運動体へ力を伝達する部分であり、且つ、当該力の伝達が切断されるようにする部分は、当該力の作用線と直角方向に移動する。いずれにおいても認められる共通の特徴である。
図20は減速装置1、2の実施例で、引きバネVは運動体Dを減速する弾性体であり、押しバネUは回転体Jの回転を拘束する拘束手段を解除するバネである。平歯車BをラックKoから離れないように拘束する力は「平歯車BとラックKoの噛み合い部分に働く摩擦力」であり、拘束解除する力は「押しバネUによって平歯車BをラックKoから離そうとする離反力Fv」であって、両者の力の大小関係の逆転で拘束解除される。
回転体の軸芯線ZjとラックKoとが平行なときと交差角度Θが鋭角から直角の時、引きバネVの復元より、平歯車Bが図中矢印イと反対方向に回転して運動体Dが図中矢印ロと反対方向に後戻りし、しかも、回転体Jは押しバネUによって図中矢印ハ方向に回転できないので、車輪BがラックKoから離れる。(交差角度Θが鈍角であるとき、回転体Jが図中矢印ハと反対方向に回転しても押しバネUによって戻されるので、平歯車BがラックKoから離れない。)また、「平歯車BとラックKoの噛み合い部分に働く摩擦力」が「押しバネUによって平歯車BをラックKoから離そうとする離反力Fv」を下回って、平歯車BがラックKoから離れる。交差角度Θが鋭角であるとき、運動体Dが前進するとき、平歯車BがラックKoと噛み合いラックKoから離れないように拘束し、運動体Dが停止して僅かに後退するとき、拘束解除されて、平歯車BがラックKoから離れて空転する。引きバネVの復元に運動体の後戻りを伴うので、運動体Dは停止するまで減速する(0145)。
図20は、ラックKoに噛み合った平歯車 Bが外れる機構についての動作説明図である。一般に2つの歯車が噛み合う歯と歯の間では、歯車の周方向に働く回転力を伝えあい、径方向に摩擦力が働く。図20は噛み合う歯と歯が互いに、回転力の作用線方向と直角の径方向に相対的に移動して離れ、回転力の伝達が切断される。
運動体Dは図示しない付勢手段Fdによって、固定部Wに設けられる軌道Zmに沿って移動する。運動体Dに設けられる接続軸Cの周りを回転体Jが回転自在に軸支され、回転体Jの先端部に設けられる車輪支軸Ibに平歯車Bが装着される。回転体Jは押しバネUによって付勢され、平歯車BがラックKoから離れる方向に付勢している。引きバネVの片方の取付軸は回転体Jに設けられる支軸Sjに固定支持され、他方の取付軸は平歯車Bに設けられる支軸Sbに可動支持される。
平歯車BがラックKoに沿って図中矢印ロ方向に移動しながら、図中矢印イ方向に回転するとき、引きバネVは平歯車Bに設けられる巻付部Kbに巻き付けられて引き伸ばされる。交差角度Θは回転体Jの軸芯線ZjとラックKoとが交差する角度Θで、図20(a2)において、ラックKoで区分される領域で平歯車Bを含む領域で且つ、軸芯線Zjで区分される領域で平歯車Bの進行方向に対して後方である領域の角度Θとする。
平歯車BとラックKoとの接点bにおいて、平歯車Bの回転の周方向の押圧力によって径方向に摩擦力が生じる。図20(a1)は、軸芯線ZjとラックKoとが平行なときを示し、「平歯車BとラックKoの噛み合い部分に働く摩擦力」が「押しバネUによって平歯車BをラックKoから離そうとする離反力Fv」を上回って、平歯車BがラックKoから離れない状態を示している。(平歯車Bが減速して略停止すると、摩擦力が離反力Fvを下回って、平歯車BがラックKoから離れる。)
引きバネVが復元力するとき、平歯車Bは図中矢印イと反対方向に回転し、ラックKoに沿って図中矢印ロと反対方向に移動する。
図20(a2)は、交差角度Θが鋭角であるときを示し、車輪BがラックKoから離れようとして回転体Jが図中矢印ハと反対方向に回転すると、平歯車Bは僅かに図中矢印イ方向に回転し、接続軸C(運動体D)は図中矢印ロと反対方向に移動する。運動体Dが図中矢印ロ方向に移動し、平歯車B図中矢印イと反対方向に回転している間は、引きバネVの復元力によって平歯車Bが図中矢印イと反対方向に回転しようとしても、運動体Dが図中矢印ロと反対方向に後戻りしない限り、車輪BがラックKoから離れない。
図20(a1)に示すように、軸芯線ZjとラックKoとが平行なとき、運動体Dが図中矢印ロと反対方向に後戻りしなくても、車輪BがラックKoから離れることが出来るが、交差角度Θが鋭角から直角に近づくに従い、運動体Dが図中矢印ロと反対方向に大きく後戻りして、車輪BがラックKoから離れる。(平歯車Bが図中矢印イと反対方向に回転して運動体Dが図中矢印ロと反対方向に後戻りし、しかも、回転体Jは押しバネUによって付勢され、平歯車BがラックKoから離れる方向に付勢しているので(0141)、回転体Jが図中矢印ハ方向に回転できない。車輪BがラックKoから離れる。)図20(a4)に示すように、交差角度Θが鈍角であるとき、回転体Jが図中矢印ハと反対方向に回転しても押しバネUによって戻されるので、平歯車BがラックKoから離れない。
図20(a3)は交差角度Θが直角であるときを示し、交差角度Θが直角以上に大きくならないように当たりGjを設ける。
交差角度Θが鋭角であれば、運動体Dが後退しない限り、平歯車BがラックKoから離れない。運動体Dが後退しない前進する以上、引きバネVを巻きつけることになり運動体Dは減速する。引きバネVを巻きつけることが出来なくなるときは、運動体Dが前進しようとする力と引きバネVが運動体Dを引き戻そうとする力が釣り合ったときで、引きバネVも運動体Dも静止する。即ち交差角度Θが鋭角であれば、運動体Dは停止するまで減速する。停止して僅かに後退して、平歯車BがラックKoから離れて空転し、引きバネVが一挙に緩む。運動体Dは引きバネVの抵抗から開放される。
交差角度Θが鋭角であるとき、運動体Dが前進するとき、平歯車BがラックKoと噛み合いラックKoから離れないように拘束し、運動体Dが停止して僅かに後退するとき、拘束解除されて、平歯車BがラックKoから離れて空転する。
しかしながら、図20(b1)に示す位置から図20(b2)に示す位置に運動体Dが前進するときのように、交差角度Θが鋭角から更に減少するようになる場合は、運動体Dが後退するとき、交差角度Θが鋭角から増加して平歯車BがラックKoから離れない。回転体Jが図中矢印ハ方向に回転しながら運動体Dが後退し、平歯車BがラックKoから離れない。運動体Dが後退するとき回転体Jが図中矢印ハ方向の回転を阻止されて、或いは押しバネUによって付勢されて、平歯車BがラックKoから離れる。
図20(a2)に示す「回転体J に設けられる摺動面KK」と「摺動面KKに沿って移動する車輪BB」と「先端部に車輪BBを装着し引きバネVjに付勢されて、「運動体Uに設けられる支軸Ij」の回りを回転する回転体JJ」とからなる逆止装置は、図17(a)に説明した逆止装置で、運動体Dが前進するとき、回転体Jが図中矢印ハと反対方向の回転を許し、運動体Dが後退するとき回転体Jが図中矢印ハ方向の回転を阻止する。
図20(b)において、運動体Dが進行するに従い、ラックKoが軌道Zmに直角に近づく。運動体Dが図20(b1)に示す位置から図20(b2)に示す位置に軌道Zmに沿って図中矢印ロ方向に移動し、平歯車Bが曲線のラックKoに沿って移動すればするほど、交差角度Θが増加する。運動体Dが前進し続ける力がなくなる以前に平歯車BがラックKからより離れ難い状態になる。
図20(b2)に示すように、ラックKoが軌道Zmに直角に近づくほど、運動体Dの進行に大きく抵抗する。また、運動体Dが大きくより後退しなければ平歯車BがラックKから離れないようになる。「運動体Dが前進し続ける力」がなくなって、後退し始めなければ平歯車BがラックDから離れない。図20(b)において、図20(a2)に示す逆止装置の図示は省略する。
図21は減速装置1、2の実施例で、引きバネVは運動体Dを減速する弾性体でもあり、回転体Jの回転を拘束する拘束手段を解除するバネでもある。ラチェット歯車BがラックKoに沿って図中矢印ロ方向に移動して図中矢印イ方向に回転し、引きバネVは平歯車Bに設けられる巻付部Kbに巻き付けられて引き伸ばされる。ラチェット歯車Bが図中矢印イ方向の回転するときラチェット爪Raはラチェット歯車Bのラチェット歯と噛み合わずにをラチェット歯車Bの回転を阻止しないが、ラチェット歯車Bの図中矢印イと反対方向の回転には噛み合ってラチェット歯車BをラックKoから離す。
図21は「運動体を減速したバネ」の復元力を利用する実施例で、運動体が一旦停止した後にバネが復元するとき、運動体が後退せずに進行方向に進み始めるようにするものである。
図21において、回転体Jは、移動体Sに設けられる接続軸Cの周りを回転自在に軸支され、先端部に設けられる車輪支軸Ibにラチェット歯車Bが装着される。回転体Jは押しバネUに付勢され、ラチェット歯車BがラックKの歯と噛み合うようにしている。ラックKとラックKKは、ラチェット歯車Bを間に挟んで固定部Wに設けられ、ラックKの歯とラックKKの歯は互いに平行で、互いに向き合って対面している。ラチェット歯車BはラックKの歯とラックKKの歯と同時に噛み合うことがない。
運動体Dと図示しない付勢手段Fdに付勢されて、移動体Sと相対的に一体になりながら固定部Wに設けられる軌道Zmに沿って図中矢印ロ方向に移動する。引きバネVの片方の取付軸は回転体Jに設けられる支軸Cに固定支持され、他方の取付軸はラチェット歯車Bに設けられる支軸Sbに可動支持される。
図21(a1)は、運動体Dが図中矢印ロ方向に移動している間の状態図である。ラチェット歯車BがラックKoに沿って図中矢印ロ方向に移動して、図中矢印イ方向に回転し、引きバネVは平歯車Bに設けられる巻付部Kbに巻き付けられて引き伸ばされる。
回転体JJは、移動体Sに設けられる接続軸Cの周りを回転自在に軸支され、回転体JJの先端部に設けられる車輪支軸Iaにラチェット爪Raが装着される。ラチェット爪Raは押しバネUrによって、ラチェット歯車Bのラチェット歯を押圧してラチェット歯車Bに沿って移動するが、ラチェット歯車Bが図中矢印イ方向に回転する間は、ラチェット歯車Bのラチェット歯と噛み合わずに、ラチェット歯車Bの図中矢印イ方向の回転を阻止しない。
図21(a2)は、運動体Dが減速されて停止し、引きバネVが復元してからの状態図である。ラチェット歯車Bが図中矢印イと反対方向に回転して、ラチェット歯車Bのラチェット歯と噛み合ってラチェット歯に沿って移動し、ラックKから離れてラックKKに沿って図中矢印ロ方向に進み始める。ラチェット爪Raの押しバネUrの付勢方向の回転は回転体Jに設けられる当たりGrによって制限され、ラチェット歯車BがラックKKに乗り移ってからは、回転体JJは左右に遥動して、ラチェット歯車Bのラチェット歯と噛み合ったラチェット爪Raの先端部はラチェット歯車Bのラチェット歯と当接と離反を繰り返し、ラチェット歯車Bの図中矢印イと反対方向の回転を阻止しない。
図21の実施例はその他の実施例と異なり、バネが復元した後、運動体Dがバネと絶縁されるのではなく、バネとの関係を保って新たな行動を起こすものであるが、バネの復元時にリンク装置が切り替わる動作は図5の場合と同様であり、ラチェット歯車Bの歯とラックKの歯とが噛み合う部分において、ラチェット歯車Bは周方向に押圧力を支持するが、当該押圧力によって径方向に生じる摩擦力は、ラチェット歯車Bの逆転と同時に消滅し、ラチェット歯車Bが径方向に容易に移動してラックKから離れる。
図22(b)は減速装置1、2の実施例で、ワンウェイクラッチに弾性体を取り付けて減速手段として採用しても、運動体Dと移動体Sの間の力の伝達を切断しない。円盤PLの図中矢印イ方向の回転を減速するバネで、支軸Iの周りにカム体が反時計回りに回転するように付勢する図示しないバネVVが取り付けられ、摺動面Kが移動しないようにしている場合を考えると、円盤PLの図中矢印イ方向の回転に伴いバネVVが伸縮して減速し円盤PLの図中矢印イ方向の回転を減速する。バネVVが復元してもカム体の1つが逆回転して円盤PLが僅かに戻るだけにとどまる。
図22は、回転運動を直線往復運動に変換して、回転軸を中心にして回転する運動体Dを減速する、或いは直線往復運動を回転運動に変換して、回転運動を直線往復運動に変換して、直線運動する運動体Dを減速する実施例を示すものである。
図22(a)において運動体Dは、「固定部Wに設けられる摺動面KK」に沿って図中矢印ロ方向に移動する。運動体Dは、「摺動面KKに沿う面の反対側」にラチェット歯を設けるラックDである。図22(b)において図示しない運動体Dは、枢軸Oを軸に回転する円盤PLを図中矢印イ方向に回転させる回転体である
図22(a)において、移動体Sは「固定部Wに設けられる固定支軸Sw」の周りを回転自在に軸支され、先端部車輪支軸Ibを設けて、車輪支軸Ibにラチェット歯車Bが装着される。図22(a1)において、ラチェット歯車BはラックDのラチェットはと噛み合って待機している。
引きバネVの片方の取付軸は移動体Sに固定支持され、他方の取付軸はラチェット歯車Bに可動支持される。図22(a2)において、ラチェット歯車BはラックDの図中矢印ロ方向の移動に伴って図中矢印イ方向に回転し、引きバネVは車輪支軸Ibの回りに巻きつけられて伸縮する。ラックDはラチェット歯車Bを介して移動体Sを当たりGsに当接させて静止させる。ラチェット爪Raは「回転体Jの先端部に設けられる支軸Ia」の周りを回転自在に軸支され、ラチェット歯車Bと噛み合わずにラチェット歯車Bの外縁部に沿って摺動して「ラチェット歯車Bの図中矢印イ方向の回転」を許して、ラチェット歯車Bと噛み合って「ラチェット歯車Bの、図中矢印イと反対方向の回転」を阻止する。
回転体Jは「移動体Sに設けられる接続軸C」の周りを回転自在に軸支され、押しバネUjに付勢されて当たりGjに当接して静止している。
図22(a3)はラックDが停止後に引きバネVが復元して、ラチェット爪Raはラチェット歯車Bと噛み合って「ラチェット歯車Bの、図中矢印イと反対方向の回転」を阻止しようとする。
回転体Jは「移動体Sに設けられる接続軸C」の周りを回転自在に軸支され、ラチェット歯車Bがラチェット爪Raと噛み合って図中矢印イと反対方向に回転し、回転体Jが接続軸Cを軸に図中矢印二方向に回転する状態を示す。回転体Jの先端部がラックDを押圧して移動体Sが図中矢印ハと反対方向に回転し、ラチェット歯車BがラックDから離れる。
図22(a2)において、引きバネVの復元力はラチェット歯車Bを介してラックD に伝達され、ラチェット歯車Bの周方向の力がラックDを押し戻す。図22(a3)において、移動体Sが図中矢印ハと反対方向に回転して、「ラチェット歯車BとラックDのラチェット歯との接触面」に沿ってラチェット歯車Bが径方向に移動して、引きバネVの復元力がラックDに伝達されないようになる。
図22(b)は一方向だけに駆動し逆方向には空転するワンウェイクラッチを採用する実施例を示す。枢軸Oを軸に回転する円盤PLの円Ro上に等分に支軸Iが配され、支軸Iに外周が渦線であるカム体Bが装着される。移動体Kは摺動面Kを備え摺動面KKに沿って移動し、摺動面KKは固定部Wに設けられる固定支軸Swの周りを回転自在に軸支され、押しバネUに付勢されてカム体Bを押圧する。摺動面Kと摺動面KKとの間に摩擦力は小さいとする。
カム体Bは摺動面Kと接点bで接触し、図22(b1)に示すように円盤PLが図中矢印イと反対方向に回転するとき、カム体Bは支軸Iの周りを反時計回りに回転して、接点bと支軸Iとの間の距離が減少する。カム体Bと摺動面Kとの間の摩擦は減少する。摺動面Kは移動しない。
図22(b)に示すように円盤PLが図中矢印イ方向に回転するとき、カム体Bは支軸Iの周りを時計回りに回転する。接点bがカム体Bの外縁部に沿って移動しながら、接点bと支軸Iとの間の距離を増加させ、楔効果によってカム体Bが摺動面Kを押圧する。カム体Bと摺動面Kとの間の摩擦は増加して、円盤PLの回転は移動体Kの直線運動に変換される。図22(b2)に示すように移動体Kは図中矢印ロ方向だけに駆動する。
このように、ワンウェイクラッチは摺動面Kの動作方向を一方に制限するが、摺動面Kを図中矢印ロと反対方向に押し戻すバネVが取り付けられて、円盤PLの図中矢印イ方向の回転を減速する場合を考えると、当該バネVが復元して摺動面Kが図中矢印ロと反対方向に押し戻されるとき、カム体Bは時計回りに回転して、円盤PLが時計回りに回転して逆回転して、図示しない運動体を逆戻りさせることになる。ワンウェイクラッチをそのまま減速手段として採用すると、運動体Dと移動体Sの間の力の伝達を切断しない。
摺動面Kを図中矢印ロと反対方向に押し戻すバネVではなく、カム体を付勢するバネで、支軸Iの周りにカム体が反時計回りに回転するように付勢する図示しないバネVVが取り付けられる場合を考えると、摺動面Kが移動しないようにして円盤PLを図中矢印イ方向に回転させると、カム体Bが時計回りに回転して、バネVVが伸縮して円盤PLを減速する。バネVVが復元してカム体Bが反時計回りに回転すると、当該バネVが復元して摺動面Kが図中矢印ロと反対方向に押し戻されるとき、カム体Bは時計回りに回転して、図22(b1)に示して説明したように円盤PLが図中矢印イと反対方向に僅かに回転した後、カム体Bは円盤PLから離れる。
図23(b)は減速装置1、2の実施例で、運動体Dが図中矢印ロ方向に移動すると、カム体Bの「外周が渦線である部分」が摺動面Kdに沿って移動して図中矢印ハ方向に自転し、カム体Bの「外周が渦線である部分」が摺動面Kdを押圧する力が増加し、運動体Dと移動体Sとが相対的に一体になり図中矢印ロ方向に移動する。引きバネVは引き伸ばされる。図23(b2)に示すように、引き伸ばされた引きバネVが縮んで、移動体Sが図中矢印イ方向に移動するが、移動体Sが図中矢印イ方向に移動する瞬間には、カム体Bは摺動面Kdと摺動面Koとに接している。摺動面Koは移動しないが、摺動面Kdは図中矢印イ方向に移動し、カム体Bは図中矢印ニ方向に自転する。カム体Bと摺動面Kdとの接点bと支軸Iとの間の距離は減少し、摺動面Kdから離れる。以後、運動体Dは移動しない。
図23はワンウェイクラッチを力の伝達が自動的に切断される減速装置に改造するものである。図12で説明したように、バネの復元時に運動方向が変わっても、バネの力を支持する力の作用方向は逆転しない。ワンウェイクラッチにバネを取り付けると、運動体Dの動慣性力を吸収して伸縮したバネが復元するとき、運動体Dを押し戻すようになる。図23はワンウェイクラッチを改造して、バネを取り付けても運動体Dを押し戻されないように、バネの復元力が運動体に伝達されないようにするものである。
図23(a)に示すカム体Bは、円盤PLの外縁部付近に枢軸Oとの距離を同じくして等分に配される支軸Iに装着され、「外周が渦線である部分」と「外周が円周である部分」とを備える。円周の摺動面Koが固定部Wに設けられ、摺動面Koと「運動体Dに設けられる摺動面Kd」はカム体Bを間に挟んで対面する。摺動面Koは「外周が円周である部分」と接触を保ち、摺動面Kdと摺動面Koとの間に挟まれるカム体Bは1つ或いは2つに限られ、それ以外のカム体は摺動面Koと接触するが、摺動面Kdと接触しない。
カム体Bの「外周が円周である部分」が摺動面Koに沿って移動して回転し、カム体Bは起立状態と倒伏状態との間を遥動する。それぞれのカム体の両側に、カム体Bが起立状態と倒伏状態とにおいて静止する図示しない当たりが設けられる。図23(a1)に示すように、運動体Dが図中矢印ロ方向に移動するとき、図示しない当たりによって、カム体Bを摺動面Kdと接触する程度に起立して静止し、待機するようにしている。カム体Bが図示しない当たりに当接した後も、少し回転し続けられるように、図示しない当たりは図示しないバネで支持されていて、運動体Dとともに摺動面Kdが図中矢印ロ方向に移動するとき、カム体Bの「外周が渦線である部分」が摺動面Kdに沿って移動し、カム体Bが更に図中矢印ハ方向に更に少しだけ自転できる。カム体Bの「外周が渦線である部分」と摺動面Kドアとの接点bと支軸Iとの間の距離が増加し、カム体Bが摺動面Kdを押圧する力は大きくなり、円盤PLが図中矢印イ方向に回転するようになる。引きバネVは引き伸ばされ、運動体Dは減速する。
図23(a1)に示すようにバネの伸縮時には、円盤PLが枢軸Oを軸に図中矢印イ方向に回転し、摺動面Koと「外周が円周である部分」が接触するすべてのカム体Bは図中矢印ハ方向に自転して起立する。カム体Bの「外周が渦線である部分」が円盤PLの外部に突出する。
また、図23(a2)に示すように、バネの復元時には円盤PLが図中矢印イと反対方向に回転し、図中矢印ハと反対方向に自転して倒伏する。カム体Bの「外周が渦線である部分」が円盤PL内部に収容される。
運動体Dが減速して停止すると同時に、図23(a2)に示すように、引き伸ばされた引きバネVが復元し、円盤PLが図中矢印イと反対方向に回転する。引きバネVが復元し、円盤PLが図中矢印イと反対方向に回転する瞬間には、カム体Bの1つが摺動面Kdと接している。円盤PLが図中矢印イと反対方向に回転する少しの間は、自転せずに運動体Dを少しだけ図中矢印ロと反対方向に移動させて、すぐに摺動面Kdから離れる。その他のカム体Bは、摺動面Koに沿って移動して図中矢印ハと反対方向に自転して、倒伏状態になり摺動面Kdと接触しない。
バネの伸縮時には、摺動面Koに沿って移動する「外周が円周である部分」の回転方向も図中矢印ハ方向であって、「外周が渦線である部分」が摺動面Kdに沿って移動して回転する方向と同じであって、カム体は回転するが、バネの復元時には互いに反対方向であって、カム体は回転しない。いずれの場合もある程度は摺動面Koに沿って「外周が円周である部分」が滑りながら移動する。
バネの復元時に摺動面Kdと接触するカム体Bの1つか2つだけが自転しないようになるが、摺動面Kdは移動可能で摺動面Koは回転不能であるので、当該カム体を摺動面Kdが図中矢印ハ方向に回転させる力が、摺動面Koが図中矢印ハと反対方向に回転させる力より強くなり、カム体Bが摺動面Kdから離れ、運動体Dは自由になる。
図23(b)は図23(a)に示した円盤PLの半径が無限大になって、円弧の摺動面Koが直線になったものであって、運動体Dの直線運動を移動体の回転ではなく直線運動に伝えるものである。
運動体Dは固定部Wに設けられる軌道Zmに沿って移動し、移動体Sは運動体Dと平行に固定部Wに設けられる摺動面Koに沿って移動する。図23(a)に示したカム体Bが移動体Sに装着され、運動体Dに設けられる摺動面Kdと摺動面Koとがカム体Bを間に挟んで対面する。摺動面Koは押しバネUkによって付勢され、カム体Bの「外周が円周である部分」を押圧して常に接触を保つようにしている。
運動体Dが図中矢印ロ方向に移動して、カム体Bの「外周が渦線である部分」が摺動面Kdに沿って移動する以前から、図23(b1)に示すように、カム体Bの「外周が渦線である部分」が摺動面Kdに沿って移動するように待機している。
図23(b1)に示すように、運動体Dが図中矢印ロ方向に移動すると、カム体Bの「外周が渦線である部分」が摺動面Kdに沿って移動して図中矢印ハ方向に自転し、カム体Bの「外周が渦線である部分」が摺動面Kdを押圧する力が増加し、運動体Dと移動体Sとが相対的に一体になり図中矢印ロ方向に移動する。引きバネVは引き伸ばされる。
運動体Dの運動エネルギの全てが引きバネVの歪エネルギに変換されると、運動体Dは図中矢印ロ方向に移動する力はなくなり、引きバネVが移動体Sを引き戻す力は最大になる。
図23(b2)に示すように、引き伸ばされた引きバネVが縮んで、移動体Sが図中矢印イ方向に移動するが、移動体Sが図中矢印イ方向に移動する瞬間には、カム体Bは摺動面Kdと摺動面Koとに接している。摺動面Koは移動しないが、摺動面Kdは図中矢印イ方向に移動し、カム体Bは図中矢印ニ方向に自転する。カム体Bと摺動面Kdとの接点bと支軸Iとの間の距離は減少し、摺動面Kdから離れる。以後、運動体Dは移動しない。
バネの伸縮時には、運動体Dが図中矢印ロ方向に運動し続けるほど、カム体Bが図中矢印ハ方向に回転して、カム体Bが摺動面Kdを押圧する力が大きくなる。カム体Bが摺動面Kdを押圧する力が大きいほどカム体Bは更に自転しないようになり、カム体Bの「外周が円周である部分」が摺動面Koに沿って滑りながら移動する。
図23(c)は、一般的なカム式のワンウェイクラッチに、一方向動作の円周の摺動面Koを取付けたもので、円周の摺動面Koは図23(a)に示した「固定部Wに設けられる円弧の摺動面Ko」と異なり、枢軸Oを軸に図中矢印イ方向に回転可能で、図中矢印イと反対方向の回転は「図示しない一方向動作の阻止手段」で阻止される。
図23(c)に示すカム体Bは、外輪PLに枢軸Oとの距離を同じくして等分に配される支軸Iに装着され、「外周が渦線である部分」と「外周が円周である部分」とを備える。「外周が渦線である部分」は図示しないバネによって付勢され、内輪PO外周部を押圧して、内輪PO外周部に沿って摺動する。「外周が円周である部分」は円周の摺動面Koに沿って摺動する。
摺動面Kは固定部Wに設けられ、ラックDは摺動面Kと外輪PL外縁部に沿って移動する。外輪PLはラックDに沿って移動するピニオンである。摺動面Kdと摺動面Kとの間に摩擦力が働かない。摺動面Kdは抵抗なく移動する。
図23(c1)において、内輪POが図中矢印イ方向に回転すると、カム体Bが図中矢印ハ方向に回転してカム面と内輪POとの接触面圧が高くなり、カム面と内輪POとの接触面との間に滑りが生じなくなって外輪PLへ動力を伝達する。円周の摺動面Koは「外周が円周である部分」と共に図中矢印イ方向に回転し、外輪PLが図中矢印イ方向に回転して、ラックDに設けられる摺動面Kdが図中矢印ロ方向に移動して、押しバネUを縮める。
図23(c2)において、縮んだ押しバネUが復元して摺動面Kdが図中矢印ロと反対方向に移動し、外輪PLが図中矢印イと反対方向に回転する。カム体Bが「図中矢印イと反対方向の回転が阻止された摺動面Ko」に沿って摺動して図中矢印ハと反対方向に回転する。カム面と内輪POとの接触面圧が低くなり、滑って動力伝達を切断する。
カム体Bのカム面が内輪POを押圧する力の作用線Fbがカム体Bの回転軸Iの近くを通るほど、僅かな回転力で内輪POを強く押圧し、外輪PLへ動力を伝達する。カム体Bは「カム面と内輪POとの接点b」において、押圧力を「カム体Bの回転軸I」に向かう方向に支持し、接点bを押圧力の作用方向と直角方向に移動して、力の伝達を切断する。カム体Bは運動体に抵抗を伝達して、自動的に抵抗を切断する手段であり、運動体の運動方向を一方向に制限する解除可能な拘束手段でもある。
図1の場合は、引きバネVが回転軸Iaを横切った時点で、バネの力の伝達が切断されるのではないがカム体Bが内輪POから離れた瞬間にバネの力の伝達が切断される。図1の場合は、引きバネVが回転軸Iaを横切った以後に、運動体Uが止まった状態で、バネの力の伝達が徐々に切断されるが、カム体Bが内輪POから離れるまで運動体Uが関与してバネの力の伝達が切断される。
図24は減速装置6の実施例で拘束手段は車輪Bが摺動面KKにあるとき荷台TAと車輪支軸Ibの下降方向の移動を拘束する。図24は荷物を載せて上下に昇降する荷台TAの昇降装置の説明図で、荷台TAは引きバネVに付勢されていて引きバネVの力が重力を上回れば上昇し、下回れば下降する。荷台TAの昇降装置は天井に取り付けられ、荷台TAは複数回に亘って停止と昇降動作を交互に繰り返して、減速と加速を繰り返してゆっくりと上昇或いは下降する。荷台TAは複数回停止するが、何れの停止後においても、自動的に昇降動作が始まり、荷台TAは途中で止まったままになることはない。
荷台TAの停止後に自動的に昇降動作が始まる一連の動作は、その他の実施例に認められる1回だけの「減速後に自動的に再び動き始める一連の動作」と同様である。
昇降装置は荷台TAと、天井に取り付けられ荷台TAと同長の固定部Wと、2つの同長のリンクAb、リンクAkとからなる4節回転機構のリンク装置で、リンク装置の連結軸Swb,Swj,Cb,Cjは平行四辺形を形成し、荷台TAは常に水平に保たれる。
図24(a)は動作説明図で、符号の添え数字の0から5は荷台TAの高さを低い順に5段階に分けたものであって、例えば、リンクAb3は荷台TAが5段階の3の高さにあるときのリンクAを表す。図24(b)は荷台TAが下降するときの状態図で、図24(c)は上昇するときの状態図である。図中矢印イ方向は各リンクが下降するときの回転方向で、図中矢印ロ方向は各リンクが下降するときの回転方向である。
溝MTは荷台TAに設けられ、車輪支軸Ibが溝MTに沿って移動する。同時に車輪支軸Ibに装着される車輪Bは固定部Wの設けられる溝Mw内を移動する。溝Mwはジグザグの車輪Bの通路であって、摺動面Kと摺動面KKとを備える。摺動面Kと摺動面KKは互いに対面して、それぞれ水平部分と垂直部分とを備える階段状の摺動面である。
図24(b)に示すように荷台TAが下降するとき、車輪支軸Ibは図示しない付勢手段によって図中矢印イ方向に付勢される。車輪Bが摺動面KKの水平部分に沿って移動するとき荷台の下降が止められ、車輪Bが図示しない付勢手段によって、図中矢印イ方向に移動して摺動面KKの水平部分から離れて、摺動面KKの垂直部分に当接すると、荷台TAは重力によって下降する。図24の昇降装置は車輪Bが摺動面KKにあるとき荷台TAの下降を拘束し、摺動面KKにないとき拘束解除される。
このように車輪Bが階段状の摺動面KKに沿って上から下に移動して、同時に車輪支軸Ibが停止と移動を交互に繰り返しながら図中矢印イ方向に移動して、荷台TAは停止と下降を繰り返しながら下降を続ける。車輪Bが摺動面KK0にあるとき、荷台TAはこれ以上に下降しない。
図24(c)に示すように、荷台TAが上昇するとき、車輪支軸Ibは図示しない付勢手段によって、図中矢印ロ方向に付勢される。車輪Bが摺動面Kの水平部分に沿って移動するとき荷台の上昇が止められ、車輪Bが図中矢印ロ方向に移動して摺動面Kの水平部分から離れて、摺動面Kの垂直部分に当接すると、車輪支軸Ibを付勢する図示しない付勢手段とは別に設けられる付勢手段Vによって、荷台TAは上昇する。
このように車輪Bが階段状の摺動面Kに沿って下から上に移動して、同時に車輪支軸Ibが停止と移動を交互に繰り返しながら溝MTに沿って図中矢印ロ方向に移動して、荷台TAは停止と上昇を繰り返しながら上昇し続ける。車輪Bが摺動面K5にあるとき、荷台TAはこれ以上に上昇しない。また下降もしない。
車輪Bが摺動面Kあるいは摺動面KKの次の水平部分に乗り移るとき或いは次の垂直部分に当接するとき、直角に衝突するほど車輪Bは停止し、斜めに滑走するほど減速されずに加速に転じる。その他の実施例と同様に、車輪Bが摺動面Kあるいは摺動面KKを押圧する力と直角方向に移動するときほど、荷台TAが上昇或いは下降しないように拘束される時間が長くなる。図5において、リンクAの先端部Gaに軸芯線Za方向の押圧力Fgが作用し、押圧力Fgによる軸芯線Zaと直角方向の摩擦力がなくなると同時に、リンクAの先端部Gaが押しバネuaに付勢されて軸芯線Zaと直角方向に移動するように、図24においても、摺動面Kあるいは摺動面KKを押圧して停止する車輪Bは、荷物の動慣性が減少して押圧力が減少すると、図示しない付勢手段に付勢されて、摺動面Kあるいは摺動面KKから離れる。
荷台TAを下げる方向の力が強く車輪支軸Ibを図中矢印イ方向に付勢する図示しない付勢手段の力が弱い場合、車輪Bが摺動面KKの水平部分に沿って移動した後の水平部分から離れて、摺動面KKの垂直部分に当接することなく、もう一段下の水平部分に移動して摺動面KKから離れることはない。車輪支軸Ibを図中矢印イ方向に早く移動させれば荷台TAは重力によって早く下降する。荷台TAを下げる方向の力が弱い場合で、車輪Bが摺動面KKの水平部分に一旦停止して再び動き出すまで、車輪Bが垂直部分に当接して長時間待機するなら確かに減速するが、車輪Bが一瞬にして溝MTの片方の端部からから他方の端部に移動した場合、一瞬に落下する荷台TAを減速しない。
車輪支軸Ibをゆっくりと移動するように図示しない付勢手段の力を調節することは難しく、車輪支軸Ibを手動で移動するようにすると、車輪支軸Ibをゆっくり動かせると荷台TAはゆっくりと下降し、早く動かすと早く下降する。
荷台TAを下げる場合と同様に上げる場合も、車輪Bが摺動面Kから離れないようになりやすく、車輪支軸Ibをゆっくりと移動するように図示しない付勢手段の力を調節することは難しい。車輪支軸Ibを手動で移動するようにすると、車輪支軸Ibをゆっくり動かせると荷台TAはゆっくりと上昇し、早く動かすと早く上昇する。
荷台TAが下降するときも、上昇するときも、車輪支軸Ibに作用する大きな動慣性力は、動慣性力の作用方向と直行する溝MTと摺動面K或いは摺動面KKによって支持され荷台TAを停止させる。しかも車輪支軸Ibは溝MTに沿って容易に移動することが出来る。
摺動面KKの水平部分は荷台TAを下げる方向の大きな力を支持し、車輪支軸Ibを水平方向に小さな力で移動することが出来、荷台TAに積載する荷物の重さが非常に大きい場合でも、非常に大きな力でなければ車輪支軸Ibを水平方向に移動させることが出来ないようにはならない。また、摺動面Kの水平部分は荷台TAを上げる方向に大きな力を支持して、車輪支軸Ibを水平方向に小さな力で移動することが出来る。荷台TAを上昇させるバネの力が過剰に大きくしても、非常に大きな力でなければ車輪支軸Ibを水平方向に移動させることが出来ないようにはならない。
積載する荷物の重量は不定で、あらゆる重さの荷物を上昇させるため出来るだけ強いバネを採用した場合には、軽い荷物に対して強すぎることになるが、バネが強すぎても、車輪支軸Ibを手動で移動させる力は格別大きい必要はない。車輪支軸Ibを手動で動かせている動作は、軽々と重たい荷物を上げているように見えるが、バネの力で上げているのであって、人力で上げているわけではない。
バネが強すぎるまま上がった荷台TAを手動で下げる場合、車輪Bは摺動面Kに沿って、「荷台TAが上昇するときと反対方向」に移動するが、摺動面Kの垂直部分に当接するごとに荷台TAが停止し、荷台TAを下げる必要がある。
荷台TAが上昇するときと下降するときとでは車輪支軸Ibを移動させる方向が互いに反対方向であるので、車輪支軸Ibを移動させる方向が切り替わるたびに、バネの強さが切り替わるようにすればよい。上がった荷台TAを手動で下げる場合は強すぎるバネを弱すぎるバネに切り替えて、下がった荷台TAを手動で上げる場合は弱すぎるバネを強すぎるバネに切り替えればよい。
リンクAjの連結軸Swjの周りの荷台TAの重力による回転モーメントは、リンクAjを「回転軸Swjを水平の回転軸として回転する蓋D」に置き換えて考えて、連結軸Swjの周りの荷台TAの重力による回転モーメントと同様であって、回転軸Swjの周りの重力による回転モーメントは蓋Dの回転と共に変化し、蓋Dが起立したとき最小で、倒伏したとき最大になる。
引きバネVの片方の取り付け軸は紐Nの端部Neに可動支持され、他方の取り付け軸はリンクAvの先端部に設けられる支軸Svに固定支持される。端部Neと反対側の紐Nの端部Nsは「リンクAJに設けられる支軸SJ」に支持され、紐Nの端部Nsから接点bまでは、「リンクAJに設けられ回転軸Swjからの距離が漸次増加する摺動面Kj」に接触して渦線状であり、接点bから端部Neまでは直線状である。
荷台TAが上昇してリンクAJが図中矢印イと反対方向に回転するほど、直線状である紐Nと回転軸Swjとの間の距離Lvは増加し、引きバネVの力は減少する。摺動面Kjは連結軸Swjの周りの「荷台TAの重力による回転モーメント」と引きバネVの力と距離Lvとの積が釣り合うように設計されている。リンクAvは連結軸Swjの周りを回転自在に軸支され、固定部Wに設けられる当たりG0と当たりG5との間を遥動し、設計よりも荷物が重いときは、リンクAjを距離Lvが増加する方向に回転させて、軽いときは減少させる方向に回転させる。
図2の昇降装置は、手動操作して荷物の重さに関係なく荷台Taの任意の高さで静止するようにする装置でもあり、自動的に停止と昇降或いは下降を繰り返すようにして減速する装置でもある。
図25において、ボスBは滑り軸受Qに取り付き滑り軸受QはドアDに取り付く。「ピンOPの円柱外周部に設ける溝M」は引きバネVに付勢されて、ドアDが閉まるとともに回転せずに下降し、ボスBは同一平面Wo上で枢軸Oの周りを円運動する。ボスBは円運動しながら溝Mに沿って下から上に移動するが、溝Wが固定部Wに固定されて上下しないと想定すると、ボスBがドアDに設けられる上下方向の仮想の溝に沿って上昇し、ドアDが閉まるとともにピンOPの周りを回りながら溝Mに沿って下から上に移動することになる。減速装置5の荷台TAがドアDであって、車輪支軸IbがボスBとすると、ボスB(車輪支軸Ib)は引きバネV(車輪支軸Ibを付勢するバネ)に付勢されてドアD(荷台TA)に設けられる仮想の溝(溝MT)と固定部Wに設けられる溝M(溝MW)とを同時に沿って移動する。また、溝Mの幅はボスBの直径d以上で、ボスBは溝Mの減速面側Mrと加速面側Maとに交互に当接しながら、ドアDは停止と加速を交互に繰り返し、溝Mのなかを最上端部Meに向かって下から上へジグザグに進んでいることから、溝M(溝MW)はボスB(車輪支軸Ib)の移動を拘束してドアD(荷台TA)を停止させる部分(減速面側Mr)と、上記車輪支軸Ib(B)の移動を拘束せずにドアD(荷台TA)を運動させる部分(加速面側Ma)とを交互に配して、図25は、「ボスB(車輪支軸Ib)がドアD(荷台TA)に設けられる仮想の溝(溝MT)を移動してドアD(荷台TA)の減速時にボスB(車輪支軸Ib)の移動或いは回転をドアD(荷台TA)が略停止するまで拘束し、ドアD(荷台TA)が減速されて略停止したとき拘束解除してボスB(車輪支軸Ib)を移動或いは回転させてドアD(荷台TA)と固定部Wとの間の力の伝達を切断する解除可能な拘束手段を複数備え、ドアD(荷台TA)が停止と運動を交互に繰り返す減速装置6。」である。
図25は、図24と同じく運動体が停止と加速を繰り返して減速していく実施例を示すもので、図24の車輪Bが階段状の摺動面Kに沿ってジグザグに移動したのと異なり、図25の車輪Bは平坦なスロープに沿ってジグザグに移動する。
図25(a)は上から見た平面図、図25(b)は立面図、図25(c)は(あ)〜(あ)断面図、図25(d)はピンOPの円柱外周部に設ける溝Mの姿図、図25(e)はピンOPの円柱外周部の展開図である。
図25において、ドアDの回転軸のピンOPは上下に移動可能で、「ピンOPの周りを回転自在に軸支される滑り軸受Q」に取り付く。ドアDは枢軸Oを軸に捩じりバネVdに付勢されて図中矢印ロ方向に回転し、「滑り軸受Qに挿通されるピンOP」は引きバネVに付勢されて図中矢印イ方向に移動する。ボスBは滑り軸受Qに取り付き、ボスBは「ピンOPの円柱外周部に設ける溝M」に沿って移動する。
図25に示す蝶番は、図25(b)に示すように、滑り軸受Qを中間にして上側のスプライン軸受QQ1と下側のスプライン軸受QQ2とこれらを挿通するピンOPとからなり、滑り軸受QはドアDに取り付き、上下2つのスプライン軸受QQはドア枠Wに取り付いている。捩じりバネVdとスラスト軸受QsとはピンOPを挿通し、捩じりバネVdはドアDを付勢し、片方の取付軸はドア枠Wに固定支持され、他方の取付軸は滑り軸受Qを介してドアDに可動支持される。スラスト軸受QsはドアDと滑り軸受Qとが下降しないように支持している。
引きバネVはピンOPを引き降ろす方向(図中矢印イ方向)に付勢し、片方の取付軸はドア枠Wに固定支持され、他方の取付軸はピンOPの下端部に設けられる支軸Svに可動支持される。
紐Nはドアを開いて、ピンOPを引き上げるためにあるもので、紐Nの片方はドアDに設けられる支軸Sdに取付けられ、紐Nの途中は水平滑車Bk1と鉛直滑車Bk2に沿って移動し、紐Nの他方はピンOPの上端部に設けられる支軸Snに取付けられる。
ピンOPの両端付近は加工部OP1,OP2であって、スプライン軸受QQに沿って移動する部分にスプライン加工が施され、上下2つのスプライン軸受QQはピンOPの回転軸方向の移動を許容するが、ピンOPの回転を阻止する。ピンOPの中間部はスプライン加工が施されない円柱部OP3であって、円柱部OP3の周りを滑り軸受Qが回転自在に軸支される。滑り軸受QはピンOPの相対的な回転と回転軸方向の移動とを許容する。
図25(c)に示すように、ボスBは滑り軸受Qに植え付けられ、ボスBは滑り軸受けQ内面から突起する円柱である。溝Mは円柱部OP3に施され、溝Mの幅はボスBの直径d以上で、深さはボスBが滑り軸受けQ内面から突き出た高さh以上である。
図25(c)に示すように、ボスBは滑り軸受けQの外周に沿って移動し、同一平面Wo上で枢軸Oの周りを円運動する。ピンOPはドアDが全開するとき紐Nによって、ボスBが溝Mの最下端部Msに当接して静止するまで引き上げられ、引きバネVを引き伸ばす。ドアDが閉まるとともに、引きバネVによってピンOPは下降し、全閉時には、図25(b)に示すように、ボスBが溝Mの最上端部Meに当接して静止するまで引き下げられる。
図25(e)はボスBの水平移動と溝Mの上下方向の平行移動を示し、図25(a)においてドアDがD30の位置にあるときのボスBと溝Mを、図25(e)においてはボスB30と溝M30で表し、図25(a)においてドアDがD10の位置にあるときのボスBと溝Mを、図25(e)においてはボスB10と溝M10で表す。
引きバネVが緩むことなくピンOPを下へ引き、ボスBが上下しないので、図25(e)に示すB30が示すように、ボスBは常に溝Mの加速面側Maを摺動し、加速面側Maから離れようとしない。しかし、ドアDが急激に回転して、ボスBが図中矢印ロ方向にすばやく移動すると、引きバネVをもってしてもスプライン加工部の摩擦などによって溝Mの下降が遅れて、ボスBが加速面側Maから離れて、図25(e)に示すB25が示すように、減速面側Mrに当接する。
ボスBは減速面側Mrに当接すると図中矢印ロ方向に移動出来ず、ドアDは回転を停止するが、溝Mは図中矢印イ方向に移動可能で、引きバネVが縮んで溝Mは図中矢印イ方向に移動し、ボスBは溝Mの加速面側Maに移転する。ドアDは急加速して停止しても、直ぐに動き出せるようになり、ドアが途中で止まったままになることはない。
ボスBは溝Mの減速面側Mrと加速面側Maとに交互に当接しながら、ドアDは停止と加速を繰り返す。ボスBは溝Mのなかを最上端部Meに向かって下から上へジグザグに進んでいることになる。
図25(e)において水平距離Loはドアの全回転によるボスBの全移動距離を示し、垂直距離Hoは概ねボスBが溝Mに沿って移動する全移動距離を示す。水平距離Loが小さく垂直距離Hoが長いほど、溝MはピンOPの軸芯線Zpと平行に近づく。平行に近づくほど、減速効果は大きく、更に溝Mの幅員が小さいほど、また引きバネVが弱くピンOPの下降が遅れるほど、ドアDが急激に回転してボスBが溝Mの加速面側Maから離れて減速面側Mrへ移ることが起きやすくなる。
このように、減速から減速解除の切り替わりにおいて、ドアの動慣性力はボスBが溝Mを押圧する力であって、ボスBが押圧力の作用方向と直角方向に移動して減速解除されている。図23と図24は引きバネVを取り払った状態で、ピンOPを手動で動かす場合は、ボスBは常に溝Mの加速面側Maを摺動し、ピンOPを止めればドアDも止まり、ドアDの速度はピンOPを動かす速度に従う。溝MがピンOPの軸芯線Zpと平行に近づくほど、ボスBは「溝Mを押圧する方向」と直角方向に小さな力で移動する。図24のようにピンOPを水平の回転軸と考えてドアDを蓋と考えると、蓋が重くても軽くても、また捩りバネVdが余分強い力であっても殆ど関係なく、小さな手の力で蓋を上下できるようになる。
図26は減速装置7の実施例で、拘束手段は運動体の停止時にカム体Bk摺動面K上で移動しないように拘束する。拘束解除して移動できるようにして運動体を自由にする。
図26は、「外縁部の形状が渦線形状であるカム体Bk」を車輪に複数付けて柱CLに抱き着いて昇降する昇降機に関するもので、カム体Bkが柱の摺動面Kを押圧する力によって昇降機の落下を阻止し、カム体Bkの外縁部が押圧力の作用線と直角方向に移動して押圧力の伝達を切断しながら昇降する。
プレートPLは昇降機に取り付き、柱CL側面の摺動面Kに沿って上下に移動する。プレートPLに設けられる各支軸Iのそれぞれに、車輪B、駆動歯車Bm、従動歯車Bgが装着され、駆動歯車Bmは電動機によって回転し、図中矢印イ方向に回転するときプレートPLは柱CLに沿って上昇し、図中矢印イと反対方向に回転するときプレートPLは柱CLに沿って下降する。
図26(a)において、駆動歯車Bmと従動歯車BgとをチェインCHで連結し、チェインCHは柱CL側面の摺動面Kと平行であって、チェインCHの各連結軸Pのそれぞれの周りに「外周が渦巻曲線のカム体Bk」が回転自在に軸支される。
図26(b)において、従動歯車Bg2と従動歯車Bg3は互いに反対方向に回転し、従動歯車Bg2は駆動歯車Bmと直接連結され、従動歯車Bg3は従動歯車Bg3を介して駆動歯車Bmと連結される。従動歯車Bg2と従動歯車Bg3のそれぞれに回転軸を同じくして、車輪B2と車輪B3が取り付き、車輪B2と車輪B3のそれぞれの外縁部に近い円周部分に複数個の連結軸Pが等分に配され、各連結軸Pのそれぞれの周りに「外周が渦巻曲線のカム体Bk」が回転自在に軸支される。
各カム体Bkは等分に配され、形と大きさが同じであって、外縁部の形状は連結軸Pからの距離が漸次増加する渦巻曲線の形状である。各カム体Bkが摺動面Kに沿って移動するとき、プレートPLの上昇時においても下降時においても、各カム体Bkが摺動面Kに近づきながら接触するとき、「カム体Bkと摺動面Kとの接点b」と連結軸Pとの間の距離が減少しながら回転し、摺動面Kに遠ざかりながら離れるとき、接点bと連結軸Pとの間の距離が増加しながら回転する。
各カム体Bkが摺動面Kに沿って移動するとき、上昇時においても下降時においても、プレートPLに働く重力によって、「当該接点bと連結軸Pとの間の距離が増加する図中矢印ハ方向」に回転しながら摺動面Kを押圧する。図26(a)において、支軸Iと支軸Ibとの間の距離は一定であり、図26(b)において、支軸I2と支軸I3との間の距離は一定であって、カム体BKが図中矢印ハ方向に回転すればするほど、接点bと連結軸Pとの間の距離が増加し、押圧力Fbが大きくなってプレートPLの下降に抵抗する。
図27はドアと戸あたりの間に指或いは体が挟まれないように、体が挟まれても死亡しないようにする回転ドアを説明するもので、「閉まる直前で開く方向に退避可能な構造」を特徴とする。ドアが回転するすべての範囲ではなく、ドアが閉まる直前の範囲だけでドアが開く方向に退避可能に回転できるようにしたものである。
図27(b)に示すように、ドアDが接続軸Cdの周りを図中矢印イ方向に回転するとき、「ドアDの接続軸Cdより枢軸Oから遠い部分(う)」が人を押す場合、「ドアDの接続軸Cdより枢軸Oから近い部分(え)」の重量による動慣性力でドアDが接続軸Cdの周りを図中矢印イ方向に回転し、ドアDとドア枠Nとの間に体が挟まれる前にドアに押し倒されることはない。ドアDとドア枠Nとの間に体が挟まれて、体が挟まれて押しつぶされることもなく、ドアが停止して止まったままになる。
図中一点鎖線Xは界壁の壁芯を示しNはドア枠を示す。枢軸Oは固定部Wに設けられ、プレートPLは枢軸Oを中心に回転し、ドアDは「プレートPLに設けられる接続軸Cdに回転自在に軸支される。プレートPLは図示しない電動機の力で、図中矢印ロ方向に360度連続回転する。
説明を簡単にするために、プレートPLに取り付くドアDは1枚とする。ドアDが体を挟む位置はドアDが界壁Xを横切る位置の2箇所である。ドアDが界壁Xを横切る直前を(い)の範囲とし、その他を(あ)の範囲とする。(あ)の範囲はドアDが接続軸Cdの周りを回転不能に軸支される範囲で、体をドアに押されてもドアはそのまま回り続ける。(い)の範囲はドアDが接続軸Cdの周りを回転可能に軸支される範囲で、体をドアに押されると、ドアDが接続軸Cdの周りを図中矢印イ方向に回転して、体を押し倒すことも、もドアはそのまま回り続ける。ある。
図27(a)は(あ)の範囲でドアDが回転する状態 を、図27(b)は(い)の範囲でドアDとドア枠Nとの間に体が挟まれる状態を、図27(c)は電動機が停止し、プレートPLが停止してドアが停止した状態を示す。
回転体JはプレートPLに設けられる接続軸Cjの周りを回転自在に軸支され、回転体Jの先端部に車輪支軸Ibが設けられ、車輪支軸Ibに車輪Bが装着される。
図27(a)に示すように、ドアDの回転軸側の側面には窪みKdが施され、回転体Jは押しバネUに付勢されて、車輪Bが窪みKdに嵌り込んで窪みKdを押圧する。ドアDは接続軸Cと窪みKd窪みKdの接点bの2箇所で固定支持され、ドアDとドア枠Nとの間に体が挟まれない通常運転においては、ドアDはプレートPLに固定された状態を維持して回転する。
摺動面体Kは枢軸Oの周りを回転自在に軸支され、枝KAが取り付く。枝KAは引きバネVに付勢されて、当たりGkを押圧した状態で静止する。摺動面体Kは外縁部に2つの摺動面K1と摺動面K2とを備え、2つの摺動面K1と摺動面K2は枢軸Oを中心とする円に沿っていて、摺動面K1の円の半径は摺動面K2の円の半径より大き。摺動面K1の円の半径と摺動面K2の円の半径との差は車輪Bの直径以上であって、摺動面K2は窪みK2を形成し車輪Bは窪みK2内に収容される。
図27(a)に示すように、通常運転において、摺動面K1が(あ)の範囲に設けられ、摺動面K2が(い)の範囲に設けられた状態で、枝KAを介して固定部Wに固定される。車輪Bが摺動面K1に沿って移動するとき、窪みKdに嵌り込んだ車輪Bは摺動面K1にはさまれて、窪みKdがら脱出できない状態で、(あ)の範囲で、ドアDが接続軸Cdを中心に回転できない。
図27(b)に示すように、車輪Bが摺動面K2に沿って移動するとき、窪みKdに嵌り込んだ車輪Bは、窪みKdがら退避して窪みK2内に収容できる状態になり、(い)の範囲で、ドアDが接続軸Cdを中心に開く方向(図中矢印イ方向)に回転できる。車輪Bが(い)の範囲を通過するとき、通常運転時には車輪Bは押しバネUの付勢によって窪みKd内にあって、ドアDが接続軸Cdを中心に回転しない。
図27(b)に示すように、ドアDとドア枠Nとの間に体が挟まれた非常時においては、ドアDを接続軸Cdを中心に図中矢印イ方向に回転させる力が働いて、車輪Bが窪みKd内の摺動面Kドアに沿って移動して窪みKdがら退避して窪みK2内に収容される。押しバネUが縮んで回転体Jが接続軸Cjを軸に図中矢印二方向に回転する。車輪Bが窪みKd内から離れることによって、ドアDが接続軸Cdを中心に回転する。ドアDとドア枠Nとの間に体を挟む力はなくなり、死亡事故は避けられる。
図27(c)に示すように、窪みKd内から離れた車輪Bが摺動面K2に沿って移動し摺動面K2の端部K2sに係止され、プレートPLは急停止するとき、プレートPLを回転させる電動機が運転停止してブレーキがかかるようになるが、ドアの動慣性によって、プレートPLは車輪Bを介して摺動面体Kと相対的に一体になって枢軸Oを軸に回転続ける。プレートPLはが当たりGkから離れて引きバネVが引き伸ばされ、ドアの動慣性力を吸収する。ドアDは停止し、電動機にブレーキが掛かり続けるので停止したままの状態が継続する。
U,D 運動体、ドア
B 車輪
C 接続軸
b 接点
G 当たり
I 移動体、回転軸
I,S 移動体
J 回転体
K 摺動面
L 長さ
O 枢軸
P 連結軸、ピン
R ラチェット
U 運動体、押しバネ
V 引きバネ
W 固定部
X 軌道
Z 軸芯線、軌道

Claims (10)

  1. 運動体(U)と相対的に一体となって移動する移動体(I)が弾性体(V)を伸縮させて運動体(U)を減速させる装置であって、上記弾性体(V)はリンク(A)を介して移動体(I)と固定部(W)とを連結し、上記リンク(A)は移動体(I)と固定部(W)の片方に設けられる回転軸(Ia)の周りを回転自在に軸支され、上記弾性体(V)は片方の取付軸を上記リンク(A)に設けられる可動取付軸(Sa)に可動支持し、他方の取付軸を移動体(I)と固定部(W)の他方に設けられる固定取付軸(Sw)に固定支持して、上記弾性体(V)が伸縮しきって運動体(U)を停止するまで上記可動取付軸(Sa)を移動体(I)と固定部(W)の片方に設けられる当たり(Ga)に当接して静止するようにして上記可動取付軸(Sa)の移動を拘束する拘束手段を備える装置であり、上記弾性体(V)の伸縮時に動作せず復元時にのみ動作する一方向動作部材(R)を備えて、上記弾性体(V)が復元して運動体(U)が後戻りする動作に連動して上記一方向動作部材(R)が上記可動取付軸(Sa)を移動させ上記拘束手段を解除することを特徴とし、上記弾性体(V)が上記回転軸(Ia)を横切ることによって運動体(U)と移動体(I)との間の力の伝達を切断する装置。
  2. 弾性体(uu)の片方の取付軸を移動体(I)に可動支持し、他方の取付軸を固定部(W)に固定支持して、リンク(A)を介して運動体(U)と相対的に一体となって移動する移動体(I)が上記弾性体(uu)を伸縮させて運動体(U)を減速させる装置であって、上記リンク(A)は運動体(U)と接触する当接部(Ga)を備え、上記弾性体(uu)が伸縮しきって運動体(U)を停止するまで運動体(U)が上記当接部(Ga)を押圧する押圧力によって上記当接部(Ga)に生じる摩擦力が上記当接部(Ga)を運動体(U)から離れないように拘束する拘束手段と、上記弾性体(V)の復元時に上記当接部(Ga)を移動させて運動体(U)から離して上記拘束手段を解除する拘束解除バネ(ua)と、上記弾性体(uu)の伸縮時に動作せず復元時にのみ動作する一方向動作部材(Pk)とを備えることを特徴とし、上記弾性体(V)の復元時に上記一方向動作部材(Pk)が上記弾性体(uu)の復元を阻止して上記当接部(Ga)に上記弾性体(uu)の復元力が作用しないようにすることによって、上記当接部(Ga)が上記拘束解除バネ(ua)の力によって運動体(U)から離れて運動体(U)と移動体(I)との間の力の伝達を切断する装置。
  3. リンク(J)を介して運動体(D)が固定部(W)が備える弾性体(V)を伸縮しながら移動して運動体(U)が減速する装置であって、上記弾性体(V)の片方の取付軸は上記リンク(J)の先端部に設けられる当接部(Gu)と当接離脱し、他方の取付軸は固定部(W)に固定支持され、上記リンク(J)は運動体(D)に設けられる支軸(Ij)の周りに回転自在に軸支され、上記リンク(J)の上記当接部(Gu)が上記片方の取付軸を押圧する押圧力によって上記弾性体(V)は伸縮し、上記当接部(Gu)が上記片方の取付軸から離れないように拘束する拘束手段を備える装置で、上記当接部(Gu)が上記片方の取付軸から離れるように上記リンク(J)を付勢する拘束解除バネ(uu)を備え、上記押圧力によって上記当接部(Gu)が移動する方向は上記拘束解除バネ(uu)の力によって上記当接部(Gu)が移動する方向と反対方向であって、上記押圧力による上記当接部(Gu)の上記反対方向の移動を阻止する当たり(Gj)を備えて、上記弾性体(uu)の伸縮時に作用せず復元時にのみ作用する一方向動作部材(BB)が上記弾性体(V)の復元時に上記弾性体(uu)の復元を阻止して上記当接部(Gu)に上記弾性体(uu)の復元力が作用しないようにすることによって、上記当接部(Gu)が上記拘束解除バネ(uu)の力によって上記片方の取付軸から離れて運動体(D)と固定部(W)との間の力の伝達を切断する装置。
  4. リンク(A)を介して運動体(U)と相対的に一体となって移動する移動体(I)が固定部(W)に設けられる摺動面(K)に沿って摩擦熱を発生しながら移動して、運動体(U)の運動エネルギを上記摩擦熱に変換して運動体(U)が減速する装置であって、上記リンク(A)に設けられる当接部(Gu)は運動体(U)が略停止するまで運動体(U)と接触して運動体(U)と移動体(I)との間の力を伝達し、運動体(U)が上記当接部(Ga)を押圧する押圧力によって上記当接部(Gu)に生じる摩擦力が上記当接部(Ga)を運動体(U)から離れないように拘束する拘束手段を備える装置で、上記リンク(A)は上記当接部(Gu)を移動させて運動体(U)から離脱させる拘束解除バネ(ua)に付勢され、減速途中の運動体(U)が略停止するときに上記拘束解除バネ(ua)が上記当接部(Ga)を移動させて運動体(U)から離すようにして上記拘束手段を解除する装置であり、上記拘束解除バネ(ua)の力を所定の大きさに設定し、運動体(U)の減速に伴って上記押圧力と上記摩擦力とが減少する途中において、上記当接部(Gu)が運動体(U)から離れないようにする上記摩擦力の大きさより上記当接部(Gu)を運動体(U)から離脱させる上記拘束解除バネ(ua)の上記所定の大きさが大きくなるとき、上記当接部(Gu)が運動体(U)から離脱して運動体(U)と移動体(I)との間の力の伝達を切断することを特徴とする装置。
  5. 運動体(U)と相対的に一体となって移動する移動体(I)が固定部(W)に設けられる摺動面(Kg)に沿って摩擦熱を発生しながら移動して、運動体(U)の運動エネルギを上記摩擦熱に変換して運動体(U)が減速する装置であって、移動体(I)に設けられる当接部(Gu)は運動体(U)が略停止するまで運動体(U)と接触して運動体(U)と移動体(I)との間の力を伝達し、運動体(U)が上記当接部(Gu)を押圧する押圧力による移動体(I)の移動を移動体(I)が装着する車輪(B)が摺動面(Kx)に沿って移動することによって拘束し、上記当接部(Gu)を運動体(U)から離れないように拘束する拘束手段を備える装置で、移動体(I)は上記当接部(Gu)を移動させて運動体(U)から離脱させる拘束解除バネ(V)に付勢され、減速途中の運動体(U)が略停止するときに上記拘束解除バネ(V)が上記当接部(Gu)を移動させて運動体(U)から離すようにして上記拘束手段を解除する装置であり、上記拘束解除バネ(V)の力を所定の大きさに設定し、運動体(U)の減速に伴って上記押圧力が減少する途中において、上記当接部(Gu)が運動体(U)から離れないようにする上記押圧力の大きさより上記当接部(Gu)を運動体(U)から離脱させる上記拘束解除バネ(V)の力の大きさが大きくなるとき、上記当接部(Gu)が運動体(U)から離脱して運動体(U)と移動体(I)との間の力の伝達を切断する装置で、上記押圧力による上記当接部(Gu)の移動を阻止する摺動面(Kx)を備えることを特徴とする装置。
  6. 上記当接部(Ga,Gu)の移動に運動体(U)の後戻りが伴い、運動体(U)を停止するまで減速することを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載する装置。
  7. 運動体(U)が移動体(I)と当接して相対的に一体となって移動し、運動体(U)の運動エネルギを弾性体(uu)の歪エネルギに変換して運動体を減速する装置であって、移動体(I)に設けられる接続軸Cの周りを回転自在に軸支され上記弾性体(uu)の伸縮時に運動体(U)が略停止するまで上記弾性体(uu)の復元力を運動体(U)に伝達し上記弾性体(uu)の復元時に上記抵抗の伝達を切断するリンク(A)と、固定部(W)に設けられる摺動面(K)に沿って移動する支持体(II)とを備え、上記リンク(A)の先端部(B)が支持体(II)を介して固定部(W)に設けられる摺動面(K)に沿って移動して、上記先端部(B)の移動に伴い弾性体(uu)が伸縮し運動体(U)が減速する装置であって、上記支持体(II)は上記先端部(B)と当接離脱し、上記先端部(B)を排出可能な当接部(Gb)と上記リンクの復運動時に上記支持体(II)が後戻りしないようにする一方向動作手段とを備え、上記当接部(Gb)は上記弾性体(uu)を伸縮させて上記リンクが往運動する時に先端部(B)を収容して運動体(U)を減速し、上記弾性体(uu)が復元するとき後戻りせずに先端部(B)を排出することを特徴とし、上記先端部(B)が固定部(W)に支持されることなく上記弾性体(uu)が復元して、運動体(U)と移動体(I)との間の力の伝達を切断する装置。
  8. 回転体(J)を介して運動体(D)と相対的に一体となって移動する移動体(S)が弾性体(U)を伸縮させて運動体(U)を減速させる装置であって、
    上記回転体(J)は運動体(D)に設けられる接続軸(C)の周りに回転自在に軸支され、移動体(S)に設けられる摺動面(Ks)に沿って移動する先端部を備え、上記接続軸(C)を中心とする上記回転体(J)の片方の回転を阻止するに当たり(Gj)が運動体(D)に設けられ、運動体(D)が上記先端部を介して移動体(S)に伝達する押圧力の作用線(Fb)が上記接続軸(C)と上記当たり(Gj)との間を通って上記回転体(J)は自立して運動体(U)と移動体(S)との間の力を伝達し、上記作用線(Fb)が上記接続軸(C)を横切って上記回転体(J)は上記接続軸(C)を中心に転倒して運動体(U)と移動体(S)との間の力の伝達を切断することを特徴とする装置で、
    上記回転体(J)が自立を維持して上記左右2本の弾性体(U)を均等に伸縮させながら移動体(S)が固定部(W)に設けられる軌道(Zm)に沿って回転せずに平行移動するようにする拘束手段と、上記左右2本の弾性体(U)の伸縮に伴う移動体(S)往運動に動作せず上記左右2本の弾性体(U)の復元に伴う移動体(S)の復運動に動作する一方向動作手段(B)とを備え、上記一方向動作手段(B)が移動体(S)の復運動に連動して、移動体(S)の上記先端部と上記摺動面(Ks)の接点(b)と異なる位置に設けられる上記接続軸(CC)の後戻りを阻止して上記拘束手段が解除され、移動体(S)が接続軸(CC)を中心に回転し、上記先端部が上記摺動面(Ks)に沿って移動して上記作用線(Fb)が上記接続軸(C)を横切るようにする装置。
  9. 付勢手段(V)によって上昇或いは重力によって下降する荷台(TA)に設けられる溝(MT)と固定部(W)に設けられる溝(MW)とを同時に沿って移動する車輪支軸(Ib)と、上記車輪支軸(Ib)を付勢して上記荷台の溝(MT)に沿って移動させる付勢手段とを備え、上記荷台の溝(MT)は荷台(TA)の下降或いは上昇方向と略直行し、上記固定部の溝(MW)は荷台(TA)の下降或いは上昇方向と略直行する水平部分と上記水平部分に連続して荷台(TA)の下降或いは上昇方向と略平行する垂直部分とを交互に配し、上記車輪支軸Ibが上記荷台の溝(MT)に沿って移動しながら上記水平部分を移動するとき荷台(TA)の下降或いは上昇は拘束され、上記垂直部分を移動するとき荷台(TA)の下降或いは上昇が可能となって、荷台(TA)の下降或いは上昇に抵抗する上記水平部分と抵抗しない上記垂直部分を上記固定部の溝(MW)が複数備えることを特徴とする装置で、荷台(TA)が停止と運動を交互に繰り返して上昇或いは下降する装置。
  10. 柱(CL)に沿って昇降するプレート(PL)には互いに間の距離が一定である右支軸(I)と左支軸(Ib)とが設けられ、柱(CL)は上記右支軸(I)と上記左支軸(Ib)との中間にあって、上記右支軸(I)と上記左支軸(Ib)のそれぞれに装着される右車輪(B)と左車輪(Bg)はそれぞれ柱(CL)の両側面に設けられる右摺動面(K)と左摺動面(K)に沿って移動し、上記右車輪(B)と上記左車輪(Bg)の少なくとも片方の車輪(Bg)は駆動輪であって、上記片方の車輪(Bg)が駆動して上記プレート(PL)が柱(CL)に沿って昇降する装置で、上記片方の車輪(Bg)の外縁部に近い円周部分に複数個の連結軸(P)を等分に配し、上記複数個の連結軸(P)のそれぞれの周りに外縁部の形状が上記連結軸(P)からの距離が漸次増加する渦巻曲線であるカム体(Bk)が回転自在に軸支されて、上記片方の車輪(Bg)が駆動して複数個の上記カム体(Bk)のそれぞれが上記右摺動面(K)と上記左摺動面(K)の何れかの摺動面(K)に順次当接してその後離脱する装置であって、上記カム体(Bk)のそれぞれは上記何れかの摺動面(K)に近づいて接触するとき、上記何れかの摺動面(K)と上記カム体(Bk)の外延部との接点(b)と上記連結軸(P)との間の距離が増加する方向に回転しながら上記何れかの摺動面(K)を押圧して上記接点(b)上に静止し、上記プレート(PL)の下降を制動することを特徴とし、上記何れかの摺動面(K)から遠ざかって離脱するとき上記何れかの摺動面(K)を押圧する押圧力の伝達が切断される装置。
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