JP6022758B2 - 搾乳器およびその機構ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、母乳を搾るための搾乳器の改良に関するものである。
母親等が母乳を搾るために使用する搾乳器は、例えば、乳房に当接させるためのラッパ部と、このラッパ部に乳房を当接することで形成される空間に負圧を作るためのポンプなどの負圧形成手段を備えている。負圧空間に吸引された母乳は、ボトルなどに落とし込むことで貯留されるようにされており、負圧形成空間と前記ポンプは通気可能に接続されている。
特に、搾乳作用を発揮するために、乳房に密着されるラッパ部の内部に負圧を形成して、吸引により母乳を搾乳しようとするだけでなく、このとき、乳房の外側から正圧を与えて、そして、この負圧と正圧の大きさや順序を調節することにより、より適切な搾乳を行うようにしたものが知られている(特許文献1参照)。
特開2009−28557
しかしながら、搾乳のためには、負圧もしくは正圧といった搾乳に要する外力の付与の順序や大きさを調整するだけでは、個々の使用者にとって、必ずしも適合した搾乳条件を作ることが出来ない。
特に、負圧の増加と減少のサイクルのスピードである負圧形成タイミングを調整することにより、さらに使用者のニーズに適合した搾乳特性を持たせる工夫もなされている。
ここで、搾乳作用に利用される負圧は、圧力の増減サイクルと負圧の大きさそのものの二つの要素で形成される。
そして、この圧力の増減サイクルと負圧の大きさを作り出す機構としては、例えば、電動のロータリポンプ等の真空ポンプや、手動の場合は、往復運動するハンドル機構と連動したダイヤフラム等の変形手段等が挙げられる。
しかしながら、搾乳作用の調整は、例えば真空ポンプの場合、ロータリポンプの回転数を調整しておこなうことから、圧力の増減サイクルと回転により作り出される負圧の大きさは同時に変化してしまう。このことは、手動ハンドルの往復動等の場合もおなじである。
したがって、従来の搾乳器では、負圧の大きさと、負圧形成タイミングとは同時に調整する構成しか知られていない。
このため、負圧の大きさは変化させないで、負圧形成タイミングを変えたい場合、あるいは負圧形成タイミングは変えないで、負圧の大きさを変化させたいというユーザの要求を満たす搾乳器がないという問題があった。
また、特許文献1の負圧は、手動レバーにより変形するダイヤフラムを利用して形成されるようになっている。負圧の形成が手動であれ、あるいはダイヤフラムポンプなどを用いたものであっても、ダイヤフラムを利用すると、図8のAに示すように、負圧の増大過程では、吸引圧の増大と減少の細かいサイクルを繰り返しながら全体として増大していく。
このため、使用者にとって、不快な吸引圧の振動となって感じられるという欠点がある。
他方、注射器のような形状の筒体内に押子を装備し、これを引くことで負圧を作り出すことができ、押子の往復動で負圧を形成するタイプのものでは、往復動を早いピッチにして、迅速に搾乳可能な負圧を得ようとする場合、Bのような曲線の特性を示す。
この機構では、初期にB1のピークが生じて、これが使用者に瞬間的な強い刺激を与え、不快の原因となる。
本発明は、上記下課題の少なくともひとつを解決するようにしたものであり、使用者の好みに応じた吸引圧と、吸引のタイミングを別々に設定できるようにした搾乳器と、これに利用できる機構ユニットを提供することを目的としている。
本発明は、使用者の乳房に当接される搾乳部に接続されており、大気圧より低い負圧状態と、この負圧状態よりも高い圧力として少なくとも大気圧状態とを交互に生じさせる圧力変更部とを備えた搾乳器において、前記搾乳部と前記圧力変更部の間には、前記圧力変更部の動作により形成される負圧を安定化させるための複数の区画を有する負圧安定化部が設けられており、前記圧力変更部の動作により形成される負圧の大きさを変更するための負圧設定部と、前記圧力変更部による負圧の増大と減少とを繰り返すサイクルの速度を変更して負圧が作用するタイミングを設定するためのタイミング設定部とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、「搾乳部」とは、例えば使用者の乳房に密着可能なようにされた中空のラッパ状部分である。この搾乳部の中空の空間に圧力変更部が接続されて、搾乳に必要とされる負圧を形成する。
前記圧力変更部には、ロータリポンプ等の真空ポンプをはじめ、手動レバーが変形部材の往復動をさせる手動式のもの、シリンジ式ポンプ等種々のものを利用できる。
本発明では、前記圧力変更部が、負圧形成時に生じる圧力変動を前記搾乳部の中空の空間に直接作用させないようにし、負圧の増大と減少は、中間に設けた前記負圧安定化部において振動などを生じることなく、安定的に維持されるようにしている。前記負圧安定化部は、前記搾乳部の前段に設けられる負圧気体の貯留空間である。
すなわち、本発明の負圧安定化部は、前記圧力変更部における負圧の増大・減少のサイクルをそのまま直接搾乳部の搾乳空間に伝えることを防止し、不要な振動等を除去して、前記圧力変更部が作り出す負圧を安定した状態とするものである。したがって、そのような機能を発揮するものであれば、いかなる形態のものでも「負圧安定部」にふくまれるものとし、例えば、所定の容積を備えるバッファ空間や、圧力変更部から導かれる気体通路の延長部において、その流路断面積を広げた一体の構成のもの等が考えられる。
この負圧安定化部は、搾乳性能に適合するように予め定められた容積でなる所定容積の気密空間を有する部分である。前記負圧安定化部は、前記圧力変更部の動きによって、容積変化の影響を受けないように不変容積である構造を採用する。前記圧力変更部の動きは、この負圧安定化部に伝えられ、この負圧安定化部で負圧の増大と減少を安定的に調整することができる。
すなわち、ロータリポンプや手動往復レバーのいかなる圧力変更機構を用いても、負圧安定化部での負圧安定を図るようにすれば、搾乳タイミングを自由に設定したうえで、所望の負圧の大きさを決めることができるのである。
好ましくは、前記負圧安定化部は所定容積を有するバッファ部で構成され、このバッファ部は、変形しにくい硬い材質で囲まれた気密空間により形成されており2000立方センチメートルから3500立方センチメートルの容積を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、前記圧力変更部による動きや振動により、前記バッファ部が変更しないようにされているから、前記バッファ部で調整される負圧の大きさが不安定に変動することがなく、搾乳に利用される負圧が安定する。
前記所定容積が、2000立方センチメートルより小さいと負圧安定化部からの排気と搾乳口に流れる吸気が同時に起こった際、負圧安定化部内が所定の圧力より小さくなる可能性がある。3500立方センチメートルを超えると負圧安定化部内にエアーが充満するまでに時間がかかり、搾乳動作を行っても、圧力が低い状態が続く可能性がある。
好ましくは、前記バッファ部は、内部が壁面で囲まれた複数の気密区画に区分されており、これら区分された前記気密区画である小部屋どうしを小さな通気孔で連通したことにより前記バッファ部全体が変形しくい構成とされたことを特徴とする。
前記バッファ部を形成する上で、比較的大きな容積を必要とする場合、内部を複数の気密区画に分けることにより、全体の剛性が向上するから、前記バッファ部がより変形しにくく丈夫になり、負圧の変動を生じにくくすることができる。
好ましくは、前記負圧設定部は、少なくとも前記圧力変更部と、前記バッファ部に接続されて、前記バッファ部の内部の圧力を調整する圧力調整弁とを有して形成されており、前記タイミング設定部は、前記バッファ部と前記搾乳部との間に設定され開弁タイミングを変更し吸引タイミングを設定する構成としたことを特徴とする。
上記構成によれば、バッファ部を利用した安定した負圧調整をするための具体的構成を実現することができる。
好ましくは、前記圧力変更部は、電気的に駆動される負圧形成機構部を有しており、この負圧形成機構部を制御する制御部が負圧の大きさ及び/または負圧変化サイクルの相違に基づく異なる運転モードとなるように前記負圧制御機構部に指示を出すことにより、複数の運転モードで運転可能とされていることを特徴とする。
上記構成によれば、実際の搾乳を行う場合に、異なるモードの搾乳動作を用意でき、使用者の好みに応じた使用が可能となる。
好ましくは、前記負圧設定部と前記タイミング設定部とが、前記制御部に接続されており、前記制御部が指示を出すことによって、前記複数の運転モードの各モードにおける負圧の大きさと、負圧形成タイミングとを別々に変更する構成としたことを特徴とする。
上記構成によれば、異なる運転モードにあっても、各運転モードの中で、負圧の大きさと負圧形成タイミングとを、使用者の好みに応じて変更することができる、
好ましくは、前記複数の運転モードとして、少なくとも搾乳準備モードと搾乳モードの二つが準備されていることを特徴とする。
上記構成によれば、実際の搾乳作業において、母乳が出る前の準備期間と、母乳が出始めてからの搾乳期間において、負圧の大きさ及び/または負圧形成タイミングと変更して、より適した運転モードを実行することができる。
好ましくは、前記負圧形成機構部の一部として、負圧を作り出すための真空ポンプを備え、この真空ポンプに複数のレギュレータを接続するとともに、各レギュレータに専用ポートを接続した弁装置を介して、前記バッファ部に接続する構成としたことを特徴とする。
上記構成によれば、複数の運転モードで専用のレギュレータを使用することができ、複数の負圧の大きさをそれぞれ独自に設定する上で有利となる。
ここで、既に説明したように、図8のAに示すダイヤフラムポンプを用いて負圧を形成する機構の負圧の増大過程では、吸引圧の増大と減少の細かいサイクルを繰り返しながら全体として増大していく。
このため、使用者にとって、不快な吸引圧の振動となって感じられるという欠点がある。
他方、注射器のような形状の筒体内に押子を装備し、これを引くことで負圧を作り出すことができ、押子の往復動で負圧を形成するタイプのものでは、往復動を早いピッチにして、迅速に搾乳可能な負圧を得ようとする場合、Bのような曲線の特性を示す。
この機構では、初期にB1のピークが生じて、これが使用者に瞬間的な強い刺激を与え、不快の原因となる。
このような課題だけを解決するためには、次の構成の発明により、その目的が達成できる。
そのような発明としては、使用者の乳房に当接される搾乳部に接続されており、大気圧より低い負圧状態と、この負圧状態よりも高い圧力として少なくとも大気圧状態とを交互に生じさせる圧力変更部とを備えた搾乳器において、前記搾乳部と前記圧力変更部の間に、前記圧力変更部の動作に伴う細かく周期的な圧力変動や、瞬間的な大きな圧力変動を吸収して、負圧増大に細かな振動を生じないよう、増大した負圧を安定して保つことができるような負圧安定化部を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、負圧安定化部を配置したことにより負圧変更部の動きないし動作をダイレクトに搾乳部の気密空間に伝えることなく、変動を静定させた状態で伝達することができる。これにより、不要な変動や一時的な極端な圧力変動に基づく使用者の不快感を低減できる。
また、搾乳作用の調整は、例えば真空ポンプの場合、例えば、ロータリポンプの回転数を調整して行うことから、圧力の増減サイクルと負圧の大きさは同時に変化してしまう。このことは、手動ハンドルの往復動等の場合もおなじである。
したがって、従来の搾乳器では、負圧の大きさと、負圧形成タイミングとは同時に調整する構成しか知られていない。
このため、負圧の大きさは変化させないで、負圧形成タイミングを変えたい場合、あるいは負圧形成タイミングは変えないで、負圧の大きさを変化させたいというユーザの要求を満たす搾乳器がないという問題があった。
このような課題に特化して解決を図るためには、次の構成の発明でその目的が達成できる。
そのような発明は、搾乳器に設けた搾乳部に接続されて、大気圧より低い負圧状態と、この負圧状態よりも高い圧力として少なくとも大気圧状態とを交互に生じさせる圧力変更部を備え、搾乳のための負圧を形成するための機構ユニットであって、前記搾乳部の負圧が形成される空間である密閉空間と前記圧力変更部の間には、前記圧力変更部の動作により形成される負圧を安定化させるための複数の区画を有する負圧安定化部が設けられており、前記圧力変更部の動作により形成される負圧の大きさを変更するための負圧設定部と、前記圧力変更部による負圧の増大と減少とを繰り返すサイクルの速度を変更して負圧が作用するタイミングを設定するためのタイミング設定部とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、前記フィルタ部および負圧安定化部で負圧が静定されて後段へ送られるので、弁の開閉等により容易にタイミング設定が可能となる。
このため、負圧の大きさは前記負圧安定化部で決定できる。これとは別に前記フィルタ部の後段に開閉弁等のタイミング設定部を設ければ、負圧の大きさの調整とは別に、タイミングだけを決定することができる。
以上説明したように、本発明によれば、使用者の好みに応じた吸引圧と、吸引のタイミングを別々に設定できるようにした搾乳器を提供することができる。
本発明の実施形態に係る搾乳器の全体の外観を示す概略斜視図。 図1の搾乳器の搾乳ユニットの概略断面図。 図1の搾乳器の圧力変更部と関連機構の構成例を示すブロック図。 図1の搾乳器に用いるバッファ部の一例を示す概略斜視図。 図1の搾乳器の搾乳動作の一例を示すフロー図。 図1の搾乳器の搾乳動作における搾乳タイミングを説明するためのグラフ。 図1の搾乳器の搾乳動作における負圧特性を説明するためのグラフ。 従来の搾乳器の搾乳動作における負圧特性を説明するためのグラフ。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
図1は本発明の実施形態に係る搾乳器の構成を示す概略斜視図である。
図1は搾乳器20の全体を示しており、図において、搾乳器20は、搾乳ユニット50と、この搾乳ユニット50とパイプ43により接続された圧力変更部を含む機構ユニット51とを備えている。
先ず、搾乳ユニット50について説明する。
図2は搾乳ユニット50の概略断面図であり、図1および図2において、搾乳ユニット50は、搾乳した母乳を貯留するための容器であるボトル47に着脱できる搾乳器本体21(以下、「本体」という)を備えている。
本体21は、例えば、全体が、比較的軽く、丈夫な合成樹脂材料により成形されており、例えば、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルサルフォン、ポリアミド、ポリプロピレン等により形成されている。
図2に示すように、本体21は、搾乳した母乳を貯留するためのボトル47と着脱する着脱部25を備えている。着脱部25は、例えば、偏平な筒状部分であって、内側に雌ネジ部25aを備えており、ボトル47の瓶口の周囲に形成された雄ネジ部と螺合されるようになっている。尚、ボトル47は、搾乳器20の専用品でもよいし、着脱部25に適合した哺乳瓶等の瓶体を利用してもよい。なお、ボトル47は、支持台48に載置されている。
図2において、本体21の着脱部25の上部には、斜めに傾斜した状態で外方に開く円錐状もしくはラッパ状の搾乳部22が設けられている。
この搾乳部22は、通気路23を構成するやや拡開した開き通路11と、開き通路11の先端側に一体に設けられ、ラッパ状に大きく拡開した開き先端部12とを備えている。これらは本体21と同じ材料で成形され、比較的高い剛性を有していて、変形しにくい。
また、開き先端部12の内側には、開き先端部12と略同じ形状とされた筒状の搾乳口変形部材13が設けられている。搾乳口変形部材13は、開き先端部12に着脱される。この搾乳口変形部材13は、シリコーンゴムやエラストマー、天然ゴム等の弾性体で形成されている。
また、搾乳口変形部材13の開き先端部12にはその全周を覆うように凸状刺激部14が設けられている。
凸状刺激部14は、密閉空間の負圧が高まった際に乳房と当接して乳房と密閉空間の密閉性を高めるとともに、乳房を押圧し、搾乳に伴う好ましい刺激を与え、マッサージ効果を発揮する。
搾乳部22の通気路23は、通気及び搾乳した母乳の通路とされ、斜め上方に向けて徐々に拡大した筒状であり、下端側は下方に曲折してボトル47側に向かうようにされている。
また、搾乳部22の通気路23の開口M1は、本体21とボトル47との着脱部25の内側に位置しており、小室弁26が取付けられている。通気路23と隣接して、もうひとつの通気路27が設けられている。
通気路27の下端開口M2は、図示されているように小室弁26で通気路23と連通しており、通気路27の上端は上方に延びて圧力伝達部30のケース31下端に連絡している。
したがって、搾乳部22の内側と、通気路23、通気路27により搾乳の際に母乳を吸引する負圧が形成される密閉空間29を形成している。
機構ユニット51内には、通気路気圧計67が配置されている。通気路気圧計67は、搾乳ユニット50の密閉空間29の任意の位置にジョイント44a等で接続された圧力測定用パイプ44を通じて、図2に示すように密閉空間29内の圧力を機構ユニット51側で測定できるようになっている。
上記小室弁26は、図2に示されているように、全体がシリコーンゴムやエラストマー、天然ゴム等の弾性体で形成されたキャップ状の形態であり、図2の両側壁26b,26cは下端に向けて互いに幅が徐々に接近するように形成された弾性体の傾斜壁となっている。両側壁26b,26cの接近した下端には、スリット26dが設けられており、搾乳した母乳が小室26aに所定量まで貯留されると、その重量や、後述するように負圧が解除された際の圧力の変化に伴い、両側壁26b,26cの先端側が開き、スリット26dが開いて、母乳はボトル47内に落とされるようになっている。また、傾斜壁の下端にスリット26dを形成したことにより、負圧時にボトル47内の空気が小室26aに入ることを防ぐ空気弁としても機能するようになっている。
本体21の通気路27の上部は、後述する筒状接続部28が一体に形成されており、その上部には、該筒状接続部28の開口の周辺部に沿って座面部18が形成されている。該座面部18は後述するケース31を着脱する際に当接・配置される部分であり、該ケース31の底面を受容するのに適合した形態の平坦な、もしくは僅かに凹状となった皿状の部分であり、その外縁にはフランジ部19が形成されている。
さらに、本体21の搾乳部22が張り出した箇所と反対側には、上方に突出する支持手段15が形成されている。支持手段15は、この実施形態では、例えば、上記した座面部18の側方の位置から上方に延びる部分であり、支柱状もしくはアーム状に起立した突出体である。支持手段15の上端は図2のケース31の上端付近に達している。この支持手段15に対して、後述するように、ケース31の蓋部材35が支持されることにより、該蓋部材35を介して、ケース31が安定的に支持されるようになっている。
圧力伝達部30のケース31は、この場合、例えば、縦方向に長い円筒体であり、その内部空間も縦方向に長い空間とされており、変形部を収容している。変形部はこの実施形態では、ケース31とは別体の独立した部材とされており、ケース31に着脱される変形部材32として構成されている。
変形部材32は、空気を通さない薄い材料で形成されていて、柔軟な性質を有しており、容易に変形が可能である。
特に、この実施形態では、変形部材32は、硬質の合成樹脂の成形品などでなる円筒ケースであるケース31の内側空間に内接する形状でなる一端が開口とされ他端が塞がれた有底円筒形の変形部材であり、例えばシリコーンやエラストマー、天然ゴム等の弾性体でなり、極めて柔軟で、伸縮の繰り返しの変形により破断等のおそれのない材料で形成されている。
変形部材32は、その上端の開口周縁部にフランジ部32aを一体に備えており、ケース31の上端開口の周縁部に載置・当接されるようになっている。
ケース31の上端開口の外縁部には、蓋部材35の下側内周35aにネジ込み等されることにより、ケース31に対して蓋部材35が着脱されるようになっている。
蓋部材35の内側において、その下端には低く下方に突出するリブ37が設けられている。
これにより、ケース31に対して、蓋部材35がネジ込みにより装着された図2の状態では、変形部材32の内側は、該変形部材32のフランジ部32aがケース31の開口周縁部の上面と蓋部材35の下面とに緊密に接触して挟まれているので、空気的に密閉された状態となる。
さらに、蓋部材35の上端には、この実施形態の場合、横方向に臨んで僅かに突出する取り付け部38を有しており、図1に示すように可撓性のパイプ43の端部に挿入することにより、該パイプ43と着脱できるようになされており、図2の状態では、パイプ43は、変形部材32の内側空間と、蓋部材35を介して連通されている。したがって、この空間は、パイプ43を介して、後述する圧力変更部を収容した機構ユニット51と通気可能に接続された二次側の空間となる。
この二次側の空間は、図2の搾乳部22の通気路23から続く小室26aを介して連通した通気路27および後述する着脱手段33を介して接続されたケース31の内部を含む一次側の空間である密閉空間29と、変形部材32により液密的に分離されている。つまり、完全に気体も液体も漏れないように気密および液密的に封止されている。
さらに、図2に示されているように、ケース31の下端は、平らな底部39の中央部が細く下方へ垂直に突出されており、内部が空洞である筒状とされた前記着脱手段としての管状突出部33が形成されている。この管状突出部33は、好ましくは、先端にいくほど徐々に外径が細くなるようにされている。
これに対応して、図2で説明した本体21の座面部18の中心付近には、筒状接続部28が形成されている。図示されているように、この筒状接続部28は、ボトル47に向かって垂直に延びて小室26aに連通している。そして、筒状接続部28の内径は、ケース31の管状突出部33の外径よりも僅かに大きくされることによって、該管状突出部33が挿入された際には、これに密接に外接するようにされており、その状態で気密状態を保つようになっている。
図2はこのようにして、管状突出部33を筒状接続部28に嵌入した状態を示しているが、さらに、蓋部材35がケース31に装着された状態では、蓋部材35の係止手段36が、支持手段15に係止されて、ケース31の装着状態を安定的に維持するようにされている。
すなわち、蓋部材35の外周縁部が横方向に延長されており、支持手段15の上端を受容する凹部等でなる係止手段36が形成されている。
これにより、変形部材32を収容したケース31の上端に対して、蓋部材35をネジ込みなどにより装着した状態において、該ケース31の管状突出部33を筒状接続部28に嵌入すると同時に、支持手段15の先端を蓋部材35の係止手段36に受容させることにより、簡単に装着できるだけでなく、装着部と係止部の2点で支持して、装着状態を安定的に保持できるものである。
図2において、後述する機構ユニット51のパイプ43を介して負圧が伝達されると、ケース31内の変形部材32内部の気圧が低下する。
このため、ケース31内で、変形部材32の外側の空間との気圧差により、変形部材32の内部空間は押し潰されるように変形し、その底部が上昇して蓋部材35側に近接する。すなわち、変形部32は、ケース31内で大きく体積を減らすので、変形部材32の外側のケース31の空間と連通している密閉空間29内は、気圧が大きく減じることになる。
すなわち、密閉空間29内では負圧が増大することから、乳房から母乳が吸引され、搾乳された母乳は通気路23内を通って、小室26aに落ちる。しかも、この時、圧力差に伴って搾乳口変形部材13の凸状刺激部14が乳房側に変形し、乳房を押圧して刺激するため、より母乳の分泌を促すことができる。
次いで、機構ユニット51の動作によりパイプ43を介して、負圧状態が解除されると、ふたたび図2のように変形部材32が、その形態を復元するよう変位する。これによりケース31内で変形部材32は体積を増大させることで、密閉空間内の気圧が高まると、母乳の吸引圧は低下する。
以上の動作を繰り返すことにより、圧力変更部としての機構ユニット51の動作は、圧力伝達部30の変形部材32の動きにより密閉空間29に伝えられ、密閉空間29の負圧が増減されることで、乳幼児の哺乳動作に近い状態を実現させ、ボトル47に搾乳した母乳を貯留させることができる。
なお、搾乳ユニット50の液密構造を簡略化して、ケース31、変形部32、支持手段15等の構造を省略し、パイプ43を通気路27内に直接挿入する構造としてもよい。
次に後述する圧力変更部を含む機構ユニット51を説明する。
図1に機構ユニット51の概略斜視図が示されている。
図1で説明したように、機構ユニット51は、搾乳ユニット50と可撓性のパイプ43により接続されている。機構ユニット51は、パイプ43とともに、圧力測定用パイプ44により、搾乳ユニット50と接続されている(図2、3参照)。
機構ユニット51は、例えば、持ち運びに便利なように、矩形のトランク状の中空な筐体52と、この筐体52の上部で開閉される蓋体53とを有している。この蓋体53を開くと、各種接続部、つまり、給電用の接続端子や、後述する起動や停止を指示するためのスイッチや、動作のモード決定、運転制御の指示に必要な各種スイッチなどの操作子、運転状態における各種の数値を示すメータや運転モードを示すランプ類などが、一目で視認できるように配置されている。これらの操作子やメータの種類はここに記載したものに限定されず、形状や配置も自由であるから図示は省略する。なお、パイプ43やパイプ44の接続部としてのジョイント(図3の符号82参照)も実際には蓋体53を開いた際に露出面に設けることができる。
筐体52の内部は、例えば図1の鎖線SL,SLで示すように縦横に示す範囲に分けて区分して使用することができ、例えば、領域R1,R2,R3,R4,R5等の領域毎に各種機構を収容することができる。
本実施形態では、例えば、一方のサイド部分であるR1には、圧力変更部に使用する真空ポンプを収容し、中央上部R2にはシーケンサ等の制御に必要とされる制御回路(制御部)を収容し、中央下部は手前側R3に後述する負圧安定化部としてのバッファ部を収容し、奥側R4には通気路の切換え弁等を収容し、他方のサイドR5には配管類等をまとめて収容している。
図3は、機構ユニットの主要な内部構造を示し、搾乳器の圧力変更部と関連機構の構成例を示すブロック図である。
機構ユニット51を開蓋した上面には、電源スイッチをはじめとして、各種スイッチ(操作子)が露出しており、これをまとめたものが操作部としての例えばタッチパネル61である。タッチパネル61による指示は、このタッチパネル61に接続された制御部62に入力される。
制御部62は、搾乳器の運転を制御するのに必要な手段であり、制御回路として、シーケンス回路や、所定のプログラムを読みこんだコンピュータを使用することができる。本実施例では、運転のためのプログラムや数値(決められた数値、もしくは書き換え可能な数値)を格納した読み出し用および書き込み用のメモリとしてのSDカード65を格納できるタイマ付IC等でなる演算部63と、この演算部63と接続されたアナログ−ディジタル変換部(AD変換部)64とを備えている。制御部62には、液晶表示装置等により形成された表示部68が接続されている。表示部68は筐体52の上面に露出して配置さえており、使用者が必要とする運転情報、その時の運転状況、過去の記録等を表示する。SDカードは、準備モードおよび搾乳モード使用時の吸引圧や吸引サイクルのデータを記録することが出来、再度使用する際に過去のデータを用いて同じ吸引圧や吸引サイクルを再現できる。
制御部62は、圧力変更部の本体としての真空ポンプ71、流路切換え弁76、バッファ部用の圧力調整バルブ80、バッファ圧力調整用のバルブ83、バッファ部用圧力計78、通気路真空計67、パイプ43に接続される吸引圧監視用の圧力計66と接続されている。その他、真空ポンプ71の後段には、第1のレギュレータ74,第2のレギュレータ75が設けられている。
筐体52内には、内部電源としてのバッテリ、好ましくは二次電池85が内蔵されており、電力により駆動される部品に必要な駆動電圧もしくは駆動電流を供給するようになっている。送電ライン煩雑となるため図示は省略する。なお、電源は外部電源を利用することもできる。
圧力変更部としての真空ポンプは、例えば、ロータリポンプを用いているが、シリンジポンプでも、ダイヤフラムポンプでもかまわない。真空ポンプ71には通気路72が接続されており、この通気路72には、分岐路73が接続されている。通気路72には第2のレギュレータ75が接続され、分岐路73には、第1のレギュレータ74が接続されている。これらレギュレータ74と75は、好ましくは、それぞれ後述する運転モードに適合した減圧を行う専用減圧器として機能するようにされている。第1及び第2のレギュレータの後段には、流路切換え弁76として、この実施形態では、「2ポート電磁弁」が配置されている。2ポート電磁弁とすることで、後述する運転モードに合わせて専用のポートを設けることができる。「電磁弁」とすることで、印加される駆動電圧に応じた弁開度を得られる。
この2ポート電磁弁76の第1のポート76aは第2のレギュレータ75に、第2のポート76bは第1のレギュレータ74に接続されており、2ポート電磁弁76の後段には、バッファ部77が接続されている。
すなわち、2ポート電磁弁76が、使用するレギュレータを第1のレギュレータ74を使用するか、第2のレギュレータ75を使用するかを選択するようになっている。これにより、バッファ部77に導入される負圧の減圧の程度を変更・調整することができる。
バッファ部77の後段には、通気路79を介してサイクル決定用開閉弁80が設定されており、開閉弁80は制御部62の指令により通気路79と通気路81とを開閉するものであり、例えば、電磁弁とされている。サイクル決定用開閉弁80として、電磁弁を用いれば、その開閉によりサイクル(タイミング)を負圧の大きさとは関係なく、独立して決定でき、印加される駆動電圧を調整することで、弁開度も調整できる。なお、サイクル決定用開閉弁80は、単なる開閉動作をする弁装置を用いても良い。
つまり、制御部62と、サイクル決定用開閉弁80とでタイミング設定部を構成できる。さらに、負圧の大きさを決定し、所望の負圧でその圧力を静定させるためのフィルタ部として、第1のレギュレータと、第2のレギュレータと2ポート電磁弁76とを設けている。
通気路81は、機構ユニット側ジョイント82によりパイプ43と接続されている。
バッファ部77は、図3で説明したように真空ポンプ71の後段で、増大する負圧を一定時間保持して、形成された負圧の圧力が微妙に変化することを安定させる役割を果たす。特に、負圧の増大過程において、このバッファ部77が設けられることで、図8で説明したような有害な圧力変動を防止することができる。また、バッファ部用圧力計78の計測結果を制御部62が読みとって、真空ポンプ71の駆動に際してフィードバック制御をかけることで、安定した負圧制御を独立して行うことができる。
したがって、制御部62と、圧力変更部の一例としての真空ポンプ71と、バッファ77とを備えることで、負圧設定部を構成することができる。
ここで、フィルタ部構成する上では、レギュレータは一つ設けて、構成を単純化してもよく、2ポート電磁弁76もこれに限らず、通気路の開閉を行うことの出来る開閉弁ならよく、またポートはひとつのものでもよい。
図4は、バッファ部77の構成例を示している。
負圧安定化部としてのバッファ部は、変形しにくい硬い材質、例えば成形しやすく、強靭で硬い材料、すなわち、圧力変化を受けて変形しないで耐えられる合成樹脂や軽量な金属等の板材で囲まれた気密空間により形成され、想定される真空ポンプ71の動作状況下で、その動作で形成される負圧を静定させ、安定した負圧値を維持できるのに十分な不変容積を備える構成となるようにする必要がある。
バッファ部77の負圧の大きさは、バッファ圧力調整用のバルブ83により、行われる。
すなわち、制御部62の指示により、バッファ部77の圧力が必要以上に高い場合バッファ圧力調整用バルブ83を開き、その開弁時間を調整することにより、所望の負圧の大きさに静定させることができる。
本実施形態では、バッファ部77の容積である不変容積は、例えば、2000立方センチメートルから3500立方センチメートルの容積とするのが好ましい。
2000立方センチメートルより小さいとバッファ部77からの排気と搾乳口に流れる吸気が同時に起こった際、バッファ部77内が所定の圧力より小さくなる可能性がある。3500立方センチメートルを超えるとバッファ部77内にエアーが充満するまでに時間がかかり、搾乳動作を行っても、圧力が低い状態が続く可能性がある。
例えば、この実施形態では2250立方センチメートルにしている。
バッファ部77の材料としては、例えば、アクリルやポリカーボネード、ABS、ナイロン、金属材料ではアルミニウム、アルミニウム合金等を使用することができる。
具体的には、中空の矩形の筐体であり、通気路72が筐体の一端に接続され、他端には、出口として通気路79が接続されている。
さらに、バッファ部77は、全体の剛性を向上させるために、多くの垂直壁と水平壁で小さく区画された小部屋77a・・・・77fを形成してある。小部屋同士は、小さな通気孔86により連通されている。
これにより、バッファ部77は外部から、あるいは内部からの力が作用しても変形したり潰れたりして、容量変化することが有効に防止される。
次に、図5を参照して搾乳動作の一例を説明する。
リモコンであるタッチパネル61の電源スイッチをオンにすると(ST1)、これから始める運転動作の開始モードとして、準備モードを停止して直ぐに搾乳モードに入るか否かを表示部68を介して使用者に聞いてくる(ST2)。
ここで、本実施形態では複数の運転モードとして、例えば、搾乳モードと、それに先立つモードとしての搾乳準備モード(以下、「準備モード」という。)とを有している。
そして、ST2では、使用者が準備モードからの運転を希望する場合には、準備モードを開始し、例えば、使用者が一定期間、搾乳器を使用している場合、あるいは既に母乳が乳口から出ている場合などには、準備モードをとばして、直接搾乳モードに移行する(ST7、後述)。
ST2で肯定結果を得た場合、準備モードを開始する(ST3)。
デフォルトで、準備モード用の負圧の大きさ(圧力)と負圧の増大・減少のサイクル速度(タイミング)を決めておいて、その値で直ぐに運転を始める。この場合、デフォルト値に合うように、制御部62は、真空ポンプ71の回転数を決めて、準備モード用の第1のレギュレータ74を起動し、流路切換え弁である2ポート電磁弁76の第2のポート76bを介して、バッファ部77に吸引圧力を導入する。あるいは、準備モード運転を開始して、フラグの存在を確認してから、負圧の大きさやタイミングを変更するか否か使用者に訊ねる(ST5)。
変更を要しない場合は、タッチパネル61からその旨指示すると、デフォルト運転を指示した旨のフラグを立てて、ST4に戻り、決められた時間の準備モード運転を行う。
ここで、準備モードにおける負圧は、機構ユニット51の通気路真空計67(図3参照)の値を見ながら制御部62が、この制御部に接続された各機器をフィードバック制御した結果の値で、30ないし250mmHg(「水銀柱」以下、同じ。)、サイクル(速度もしくはタイミング)0.3ないし2.0サイクル/秒の範囲で任意に指定できる。準備モード運転の時間は0ないし5分間(0ないし300秒)の間で任意に指定できる。
図3で説明したように、制御部62は、搾乳器の負圧の大きさと、サイクル(負圧の増大・減少変化の速度)を個別に制御できるので、使用者は個別に指定できるので便利である。
例えば、既存の搾乳器の中には、準備モード(開始モード)を速い吸引サイクルで始めて、搾乳モードでは、ゆっくりしたサイクルに設定しているものもある。このような機器では以下の欠点があることを本発明者等は見出している。
1)慣れない使用者は乳房や乳首が敏感である場合があり、準備モードではサイクルが早いと苦痛を伴う場合がある。
2)従来の機器では、サイクル速度の増大は、同時に負圧の増大になり、その結果、この点においても、敏感な使用者には不向きである場合が考えられる。
本実施形態では、サイクルと負圧とをともに減少させることもできるし、サイクルだけ早めて、しかし負圧は小さくするということもでき、その逆もできる。したがって、使用者の好みに合わせた任意の設定が可能となり極めて便利である。
図6はサイクルが遅い場合(A)と、サイクルが早い場合(B)とを示している。
ここで、負圧の最大調整可能範囲として250mmHgとした理由は、この値を超えると乳頭痛といった身体被害を及ぼす可能性があるからである。
サイクルの調整範囲を0.3ないし2.0サイクル/秒の範囲としたのは、サイクルが0.3/秒を下回ると搾乳効率が低下し、2.0/秒より速いと不快感や違和感を感じやすくなるという不都合があるからである。
図7を参照する。
本実施形態の搾乳器における負圧増大時の特性は、直線Cで示される。
すなわち、図3で説明したように、本実施形態では、バッファ部77を備えているので、準備モードを開始して、負圧が増大すると、時間の経過とともに、ほぼ正比例の状態で負圧が従来の搾乳器よりも速やかに増大し、必要な負圧に達した時点で静定する。
したがって、バッファ部77を有しないダイヤフラムAによる負圧増大時に見られる不快な振動が生じることはないし、シリンジポンプBのように、急激に負圧を増大させた場合の不要な初期ピークが生じることはない。
設定した準備モード運転の時間が終了すると(ST6)、そのまま搾乳モード、すなわち、本格的に母乳を搾乳するモードに入る(ST7)。
ここで、デフォルト値に基づいて、制御部62は、その旨真空ポンプ71の回転を決めて、回転駆動し、第1のレギユレータ74の作動を止めて、第2のレギュレータ75を起動し、2ポート電磁弁76の第1のポート76aを介して、バッファ部77に吸引圧力を導入する。
あるいは、搾乳モード運転を開始して、フラグの存在を確認してから、負圧の大きさやタイミングを変更するか否か使用者に訊ねる(ST9)。
変更を要しない場合は、タッチパネル61からその旨指示すると、デフォルト運転を指示した旨のフラグを立てて、ST8に戻り、決められた時間の搾乳モード運転を行う。
ここで、搾乳モードにおける変更可能な負圧については、準備モードと同様に、機構ユニット51の通気路真空計67(図3参照)の値を見ながら制御部62が、この制御部に接続された各機器をフィードバック制御した結果の値であり、数値範囲は、負圧サイクルも含めて準備モードと同じ範囲である。
ただし、運転時間は乳房片側に対し、0ないし10分間で、運転時間が10分間を超えないようにしたのは、超えると乳首痛を引き起こす可能性が高まるという点で不都合があるからである。
ST9において、負圧の大きさとサイクルとを個別に調整できるので、準備モードと同様な利点がある。
特に、本実施形態では、作動中に負圧の大きさと、吸引サイクルとを個別に調整することができる。
設定された運転時間が終了すると(ST10)、搾乳モードを終了して、電源がオフされる(ST11)ことで、機器が停止される。
ところで本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、圧力変更部は、手動により真空を形成する手段であってもよい。
バッファ部77は、図示した例のような形状に限るものではなく、例えば、有底の筒体や、強度を向上させるために有底の円筒体、半円筒体等であってもよい。
運転例は、変更できるし、準備モードと搾乳モード以外にも他の運転モードを備えてもよい。
例えば、必ず準備モード運転をするものであってもよいし、デフォルト値については、使用者のケース、例えば、授乳者の月齢や体格等に合わせて、複数のデオルト値が選択できるようにしてもよい。また、デフォルト値は、直近における運転履歴から設定が変更されている場合のデータと置き換えるようにしてもよい。
なお、上述の各実施形態、変形例の個別の構成は、必要により省略したり、説明しない他の構成と組み合わせたりしてもよい。
15・・・支持手段、20・・・搾乳器、21・・・(搾乳器)本体、22・・・搾乳部、23・・・通気路、28・・・筒状接続部、29・・・密閉空間、30・・・圧力伝達部、31・・・ケース、32・・・変形部(材)、33・・・(着脱手段)管状突出部、35・・・蓋部材、50・・・搾乳ユニット、51・・・機構ユニット、62・・・制御部、71・・・真空ポンプ、76・・・2ポート電磁弁、77・・・バッファ部

Claims (9)

  1. 使用者の乳房に当接される搾乳部に接続されており、大気圧より低い負圧状態と、この負圧状態よりも高い圧力として少なくとも大気圧状態とを交互に生じさせる圧力変更部とを備えた搾乳器において、
    前記搾乳部と前記圧力変更部の間には、前記圧力変更部の動作により形成される負圧を安定化させるための複数の区画を有する負圧安定化部が設けられており、
    前記圧力変更部の動作により形成される負圧の大きさを変更するための負圧設定部と、前記圧力変更部による負圧の増大と減少とを繰り返すサイクルの速度を変更して負圧が作用するタイミングを設定するためのタイミング設定部と
    を備えることを特徴とする搾乳器。
  2. 前記負圧安定化部は所定容積を有するバッファ部で構成され、このバッファ部は、変形しにくい硬い材質で囲まれた気密空間により形成されており2000立方センチメートルから3500立方センチメートルの容積を備えることを特徴とする請求項1に記載の搾乳器。
  3. 前記負圧安定化部であるバッファ部は、内部が壁面で囲まれた複数の気密区画に区分されており、これら区分された前記気密区画である小部屋どうしを小さな通気孔で連通したことにより前記バッファ部全体が変形しくい構成とされたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の搾乳器。
  4. 前記負圧設定部は、少なくとも前記圧力変更部と、前記バッファ部と、前記バッファ部の内部の圧力を調整する圧力調整弁を有しており、前記タイミング設定部は、前記バッファ部と前記搾乳部との間に設定されて開弁タイミングを変更することで負圧が作用するタイミングを設定する構成としたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の搾乳器。
  5. 前記圧力変更部は、電気的に駆動される負圧形成機構部を有しており、この負圧形成機構部を制御する制御部が負圧の大きさ及び/または負圧変化サイクルの相違に基づく異なる運転モードとなるように前記負圧制御機構部に指示を出すことにより、複数の運転モードで運転可能とされていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の搾乳器。
  6. 前記負圧設定部と前記タイミング設定部とが、前記制御部に接続されており、前記制御部に指示を出すことによって、前記複数の運転モードの各モードにおける負圧の大きさと、負圧形成タイミングとを別々に変更する構成としたことを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載の搾乳器。
  7. 前記複数の運転モードとして、少なくとも搾乳準備モードと搾乳モードの二つが準備されていることを特徴とする請求項5または6のいずれかに記載の搾乳器。
  8. 前記負圧形成機構部の一部として、負圧を作り出すための真空ポンプを備え、この真空ポンプに複数のレギュレータを接続するとともに、各レギュレータに専用ポートを接続した弁装置を介して、前記バッファ部に接続する構成としたことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の搾乳器。
  9. 搾乳器に設けた搾乳部に接続されて、大気圧より低い負圧状態と、この負圧状態よりも高い圧力として少なくとも大気圧状態とを交互に生じさせる圧力変更部を備え、搾乳のための負圧を形成するための機構ユニットであって、
    前記搾乳部の負圧が形成される空間である密閉空間と前記圧力変更部の間には、前記圧力変更部の動作により形成される負圧を安定化させるための複数の区画を有する負圧安定化部が設けられており、
    前記圧力変更部の動作により形成される負圧の大きさを変更するための負圧設定部と、
    前記圧力変更部による負圧の増大と減少とを繰り返すサイクルの速度を変更して負圧が作用するタイミングを設定するためのタイミング設定部と
    を備えることを特徴とする機構ユニット。
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