以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ遊技機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図であり、図2は実施形態におけるパチンコ遊技機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図である。
図1乃至図2において、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、遊技ホールの島(図示しない)に設置される外枠2と、外枠2に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠3と、本体枠3に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4に形成されて球が打ち込まれる遊技領域605を遊技者が視認し得る遊技窓101とその遊技窓101の下方に配置され且つ遊技の結果によって払出される球を貯留する貯留皿としての皿ユニット300とを備えた扉枠5と、を備えて構成されている。
本体枠3には、上記したように遊技盤4が着脱自在に装着し得る他に、その裏面下部に打球発射装置650と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット1100が取付けられ、本体枠3の後面開口580を覆うカバー体1250が着脱自在に設けられている。更に、扉枠5には、上記した皿ユニット300の他に、遊技窓101を閉塞するようにガラスユニット450と、ハンドル装置400とが設けられている。
図3は遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め前から見た斜視図である。本実施形態のパチンコ遊技機1における遊技盤4は、外レール602及び内レール603を有し、遊技者が操作ハンドル部410を操作することで遊技媒体としての遊技球(単に「球」とも称す)が打ち込まれる遊技領域605の外周を区画形成する枠状の前構成部材601と、前構成部材601の後側で遊技領域605を閉鎖するように配置される透明板状の遊技パネル600と、遊技パネル600の外周を覆うと共に遊技パネル600を前側から着脱可能に保持し、前構成部材601の後側に取付けられる枠状のパネルホルダ630と、遊技領域605の外側でアウト口606よりも右側の前構成部材601下部に配置された機能表示ユニット640と、を備えている。
この遊技盤4は、主に遊技パネル600の前面側に配置される表ユニット2000と、遊技パネル600の後面側に配置される裏ユニット3000と、裏ユニット3000の後側に遊技者側から視認可能に取り付けられ所定の演出画像を表示可能な液晶表示装置(演出表示装置)1400と、を更に備えている。
遊技盤4における表ユニット2000は、遊技領域605内の左右方向略中央でアウト口606の上側に配置され遊技パネル600の前面に支持されるアタッカユニット2100と、アタッカユニット2100の左側で遊技領域605の外周に沿って配置され遊技パネル600の前面に支持されるサイド装飾部材2200と、遊技領域605内の上下方向中央からやや上寄り左側に配置され遊技パネル600の前面に支持されるゲート部材2300と、遊技領域605の略中央部分に配置され遊技パネル600に支持される枠状のセンター役物2400と、を備えている。なお、符号2407は、センター役物2400の後端に取付けられ、前後方向へ貫通した枠内のほとんどを閉鎖する透明板状の奥板である。
また、遊技盤4における裏ユニット3000は、パネルホルダ630の後側に取付けられる枠状の裏前ユニット3000aと、裏前ユニット3000aの後側に取付けられる裏後ユニット3000bと、を備えている。この裏後ユニット3000bの後面には、液晶表示装置1400が脱着可能に取付けられるようになっており、裏前ユニット3000a及びセンター役物2400の枠内を通して、表示された演出画像が遊技者側から視認できるようになっている。
本実施形態の遊技盤4における裏ユニット3000は、前後に分割された形態となっており、前側の裏前ユニット3000aと後側の裏後ユニット3000bとに分かれている。この裏ユニット3000における裏前ユニット3000aは、センター役物2400よりも外側で透明な遊技パネル600の後側を装飾する裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、及び裏前下部装飾部材3040を主に備えている。また、裏ユニット3000における裏後ユニット3000bは、遊技パネル600の後側で液晶表示装置1400の外周に配置される上部可動装飾体ユニット3200、サイド可動装飾体ユニット3400、及び下部可動装飾体ユニット3600を主に備えている。なお、液晶表示装置1400は、裏後ユニット3000bにおける裏箱621を構成する裏箱本体3100の後側に着脱可能に取付けられている。
盤用基板ホルダ623は、パネルホルダ630の後側に取付固定されるものであり、図示するように、前方及び上方が開放された箱状とされ、その底部が左右方向の略中央で前側に向かって低くなるように傾斜しており、遊技パネル600の後側に排出された遊技球を受け取った上で、左右方向の略中央から下方へ排出することができるようになっている。盤用基板ホルダ623の後面には、主制御基板ボックス624が取付固定されている。
遊技盤4における遊技パネル600は、その外形が遊技領域605よりも若干大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂板により形成されている。なお、遊技パネル600の板厚は、パネルホルダ630よりも薄く、図示しない障害釘を植設しても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。
更に、遊技パネル600には、センター役物2400及びアタッカユニット2100等が備えられるように内形が所定形状で前後方向に貫通する開口部600eが複数形成されていると共に、それらを固定するための固定孔が適宜位置に形成されている。なお、これら開口部600eは、遊技パネル600の上下左右方向の外周に対して貫通しないような形状となっており、遊技パネル600の外周が繋がっているので、開口部600eによって遊技パネル600の強度が低下するのを抑制するようになっている。
図示しないが、遊技パネル600の前面(遊技領域605が形成される側)には遊技球の流下方向を変化させ、遊技球の挙動を面白くする複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されている。なお、実施形態においては、弾発された打球が通過可能とされた遊技領域605は、主として遊技パネル600の中央部分の開口部600eの上方、左方及び下方に亘って形成されている。また、透明な遊技パネル600の後面には、遊技領域605の背面を絵柄によって装飾するセル部700(可変装飾表示体)が設けられる。
図4は、前構成部材601及びセル部700を前方から見た分解斜視図である。セル部700は、透明な遊技パネル600に区画形成された遊技領域605の後方(後面)において該遊技領域605に臨ませて配置されると共に、側面を導光入射面とされ、かつ前面を導光出射面とされた透光性を有する合成樹脂製の導光板が前後方向に複数枚層状に重ね合わされてなる積層導光体701を備えている。
図5は積層導光体701の斜視図である。本実施形態の積層導光体701は、正面視で同じ形状で同じ大きさであり、同じ厚みのアクリル樹脂製よりなる前導光板702、中導光板703、後導光板704の3枚が前後方向に層状に重ね合わされてなる。各導光板702〜704は、遊技パネル600の後面において遊技領域605の外周縁に沿って配置される多角形状をなす外側面を導光入射面702a〜704aとされ、前面を導光出射面702b〜704bとされている。
また、積層導光体701の後面には、正面視で各導光板702〜704と同じ形状で同じ大きさであり、厚みは各導光板702〜704よりも薄い、黒色の樹脂製の遮光板705が配置されている。遮光板705は後方に光が漏れるのを防ぐとともに、黒色とすることで後述の背景絵柄を視認し易くするものである。
各導光板702〜704には、光の散乱によって表出する各背景絵柄が記録されると共に、各背景絵柄は互いに異なる絵柄とされている。実施形態では、各導光板702〜704の裏面に、導光印刷により各背景絵柄が記録されている。なお、各背景絵柄の記録方式は、導光印刷ではなく、彫り込みにより、背景絵柄を直接導光板702〜704の裏面に記録してもよい。
図6は前導光板702に記録された背景絵柄の一例を示す正面図である。また、図7は中導光板703に記録された背景絵柄の一例を示す正面図である。図6に示すように、前導光板702には、遊技者に春をイメージさせるように、「桜」の背景絵柄が記録されている。また、図7に示すように、中導光板703には、遊技者に夏をイメージさせるように、「橋と夜空に打ち上がる花火」の背景絵柄が記録されている。また、図示は省略するが、後導光板704には、遊技者に秋をイメージさせるように、「紅葉(モミジの葉と銀杏の葉)」の背景絵柄が記録されている。
図8はセル部700の正面図である。また、図9は遊技パネル600及びセル部700の断面図である。図8〜図9に示すように、各導光板702〜704の導光入射面702a〜704aには、各導光板702〜704に対応して設けられると共に、各導光板702〜704へそれぞれ光を入射するための各光源としての複数のLED707が回路基板上に設けられた複数のLED基板706a〜706eが配設されている。なお、各LED基板706a〜706e上のLED707の配置構成は同じである。
図10はLED基板706の正面図である。図10においてLED基板706の左側に配置されたLED群は、前導光板702の外側面に沿って配置される前導光板LED群708である。また、LED基板706の中程に配置されたLED群は、中導光板703の外側面に沿って配置される中導光板LED群709である。さらに、LED基板706の右側寄りに配置されたLED群は、後導光板704の外側面に沿って配置される後導光板LED群710である。
なお、中導光板LED群709の各LEDは、各導光板702〜704の厚み寸法が比較的薄く、各LEDが配置しずらくなることを避けるために、水平方向において前導光板LED群708の各LED及び後導光板LED群710の各LEDに対して重ならないように上下方向に位置をずらして配置してある。また、実施形態のLED707はフルカラーLEDで構成してあるが、フルカラーLEDである必要はなく、単色LEDであってもよい。
前導光板LED群708を点灯し(例えば、ピンクで点灯し)、中導光板LED群709及び後導光板LED群710を消灯することで、前導光板702の外側面から入射した光が導光印刷された背景絵柄に当って散乱し、散乱した光が前面の導光出射面702bから出射することによって「桜」の背景絵柄が表出する。なお、導光出射面702bから出射した光は、遊技パネル600を透過する。これにより、前導光板702に表出した「桜」の背景絵柄は、透明な遊技パネル600を通して遊技者に視認される。
また、上述の点灯状態から、中導光板LED群709を点灯し(例えば、花火の部分をイエローで点灯し、橋の部分をブルーで点灯し)、前導光板LED群708及び後導光板LED群710を消灯する点灯状態に切り換えることで、中導光板703の外側面から入射した光が導光印刷された背景絵柄に当って散乱し、散乱した光が前面の導光出射面703bから出射することによって「橋と夜空に打ち上がる花火」の背景絵柄が表出する。なお、導光出射面703bから出射した光は、前導光板702を透過し、さらに遊技パネル600を透過する。これにより、中導光板703に表出した「橋と夜空に打ち上がる花火」の背景絵柄は、透明な遊技パネル600を通して遊技者に視認される。
また、上述の点灯状態から、後導光板LED群710を点灯し、前導光板LED群708及び中導光板LED群709を消灯する点灯状態に切り換えることで、後導光板704の外側面から入射した光が導光印刷された背景絵柄に当って散乱し、散乱した光が前面の導光出射面704bから出射することによって「紅葉」の背景絵柄が表出する。なお、導光出射面704bから出射した光は、中導光板703及び前導光板702を透過し、さらに遊技パネル600を透過する。これにより、後導光板704に表出した「紅葉」の背景絵柄は、透明な遊技パネル600を通して遊技者に視認される。
次に、上述のセル部700を備えた実施形態のパチンコ遊技機の制御系について説明する。実施形態のパチンコ遊技機は、概略として、遊技状態を制御する主制御基板と、主制御基板から送信されたコマンド(表示コマンド)に応じて液晶表示装置1400における演出表示態様や各種報知表示態様に関わる制御と、セル部700における遊技領域の背景絵柄を刷新する制御と、扉枠5や遊技盤4の装飾用LEDに関わる制御と、出力音声出力に関わる制御と、を行う周辺制御基板と、を備えている。
[周辺制御基板]
図11は主として周辺制御基板を示す要部ブロック図である。周辺制御基板4140は、図11に示すように、主制御基板4100からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部4150と、この周辺制御部4150からの制御データに基づいて液晶表示装置1400の描画制御と、高音質の演奏を行う液晶・音制御部4160と、RTC制御部4190と、を備えている。
[周辺制御部4150]
演出制御を行う周辺制御部4150は、図11に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4150aと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種スケジューラを記憶する周辺制御ROM4150bとを備えている。周辺制御ROM4150bには、例えば、セル部700の前導光板LED群708、中導光板LED群709及び後導光板LED群710の点灯データや、液晶表示装置1400に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、表示コマンドと対応するスケジュールデータ等が複数記憶されている。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、液晶表示装置1400に描画する画面の順序が規定されている。
周辺制御MPU4150aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板4100から送信された各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤4の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートからランプ駆動基板4170に送信する。
また、実施形態の周辺制御MPU4150aは,後述の時刻を計時する時刻計時手段の時刻情報が予め定めた条件になると、1つの導光板(例えば、前導光板702)に記録された背景絵柄(「桜」)が光によって表出している状態から、これとは別の導光板(例えば、中導光板703)に記録された背景図柄(「橋と夜空に打ち上がる花火」)を表出させて、遊技領域605の背景絵柄を刷新する背景切換手段を備えている。
ランプ駆動基板4170には、周辺制御基板4140の周辺制御MPU4150aから出力された8ビット単位のシリアルの駆動信号に基いて、導光板702〜704に対して配備された各LED基板706に対して出力する8ビットのパラレル駆動信号を複数生成する駆動信号生成手段が搭載されている。
図示を省略しているが、前記駆動信号生成手段は、例えば、8ビット単位のシリアルの駆動信号についてカスケード接続され、かつクロック信号について並列に接続され、かつラッチ信号について並列に接続された複数のシリアル/パラレルICと、複数のシリアル/パラレルICのそれぞれにベースが接続された複数のトランジスタ(ドライバ)とを備え、複数のトランジスタのエミッタがアースに接続されている。また、LED点灯用の電圧と複数のトランジスタのコレクタとの間に、LED基板に実装された各LEDおよび電流制限用の各抵抗がコネクタ(図示せず)及びハーネス(図示せず)を介して接続されている。
各シリアル/パラレルICは、シフトレジスタとラッチ回路を組み合わせてなるもので、ラッチ信号をハイレベルとした上で、クロック信号の立ち上がりに同期してシリアルデータを1ビット分シフトレジスタ(8ビット構成)に取り込む。また、ラッチ信号をローレベルにすることにより、シフトレジスタの内容がラッチ回路に転送され、8ビットのパラレルデータとして出力される。さらに、さらに、クロック信号の立ち上がりに同期して、1ビットづつシリアルデータ信号を出力するものである。
このように、各シリアル/パラレルICは、8ビット単位のシリアルの駆動信号、クロック信号及びラッチ信号に基づいて前記8ビットのパラレル駆動信号を生成して前記各トランジスタに与える。各トランジスタは、前記各シリアル/パラレルICによって与えられたパラレルの各駆動信号によりオンし、LED基板706に実装された各LEDに対してLED点灯用の電圧を印加する。これにより、LED基板706に実装された各LEDに電流が流れて点灯する。
また、周辺制御MPU4150aは、各種コマンドに基づいて、遊技盤4に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データをモータ駆動基板用シリアルI/Oポートからモータ駆動基板4180に送信する。さらに、扉枠5に設けたダイヤル駆動モータ等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データと、扉枠5の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側モータ駆動発光データを枠装飾駆動アンプ基板用シリアルI/Oポートから枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して枠装飾駆動アンプ基板194に送信する。
主制御基板4100からの各種コマンドは、周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートに入力されている。また、ハンドル装置400に設けられた、ダイヤル操作部の回転(回転方向)を検出するための回転検出スイッチからの検出信号、及び押圧操作部の操作を検出するための押圧検出スイッチからの検出信号は、枠装飾駆動アンプ基板194に設けた図示しない扉側シリアル送信回路でシリアル化され、このシリアル化された操作ユニット検出データが扉側シリアル送信回路から、周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して周辺制御MPU4150aの操作ユニット検出用シリアルI/Oポートに入力されている。
遊技盤4に設けた各種可動体の原位置を検出するための各種原位置検出スイッチからの検出信号は、モータ駆動基板4180を介して周辺制御MPU4150aの遊技盤用パラレルI/Oポートに入力されている。
なお、周辺制御部4150は、周辺制御MPU4150aに内蔵されたウォッチドックタイマ(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)のほかに、図示しない、外部ウォッチドックタイマ(以下、「周辺制御外部WDT」と記載する。)も備えており、周辺制御MPU4150aは、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
[液晶・音制御部4160]
液晶表示装置1400の描画制御と高音質の演奏を行う液晶・音制御部4160は、図11に示すように、液晶表示装置1400を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)4160aと、液晶表示装置1400に表示される画面の各種のキャラクタデータを記憶するキャラROM4160cとを備えている。
なお、VDP4160aは、高音質の演奏を行う音制御部4160bを内蔵している。また、キャラROM4160cには、各種のキャラクタデータのほかに、音楽及び効果音等の音情報が記憶されている。
周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、表示コマンドと対応するスケジュールデータの先頭の画面データを周辺制御ROM4150bから抽出してVDP4160aに出力した後に、先頭の画面データに続く次の画面データを周辺制御ROM4150bから抽出してVDP4160aに出力する。このように、周辺制御MPU4150aは、スケジュールデータにおいて時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ周辺制御ROM4150bから抽出してVDP4160aに出力する。
VDP4160aは、周辺制御MPU4150aから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいてキャラROM4160cからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して液晶表示装置1400に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを生成し、この生成した描画データを液晶表示装置1400に出力する。またVDP4160aは、1画面分(1フレーム分)の描画データを液晶表示装置1400に出力すると、周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れることが可能である旨を伝えるVブランク割り込み信号を周辺制御MPU4150aに出力する。
なお、VDP4160aは、フレームバッファ方式が採用されている。この「フレームバッファ方式」とは、液晶表示装置1400の画面に描画する1画面分の描画データをフレームバッファに保持し、このフレームバッファに保持した1画面分の描画データを液晶表示装置1400に出力する方式である。
また、VDP4160aは、周辺制御MPU4150aからの音指令に基づいてキャラROM4160cから音情報を抽出し、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して本体枠3に設けたスピーカから各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行うとともに、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして枠装飾駆動アンプ基板194を介して扉枠5に設けたスピーカから各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。
[RTC制御部4190]
また、実施形態の周辺制御MPU4150aは、時刻情報取得手段として時刻情報を取得することが可能な外付けのリアルタイムクロック(以下、「RTC」という)4192を備えている。図示していないが、RTC4192は、レジスタ回路、クロック入力回路、クロック出力回路、割り込み出力回路、データ入出力回路、および、制御回路を含む。
周辺制御部4150は、電源バックアップされていないため、遊技機の電源断の場合、電源オフとなる。したがって、内蔵RTC(図示せず)は、遊技機の電源断の期間は計時情報およびカレンダー情報を失う。RTC制御部4190の外付けのRTC4192から得られる時刻情報は、演出効果を高めるための表示に用いるため、周辺制御基板4140にRTC4192が配置されている。
RTC4192は、時計・カレンダー機能を備える。時計・カレンダー機能は、年,月,日,時,分,秒をカウントする計時を行う機能である。また、必要に応じて、曜日までカウントするものを用いてもよい。RTC制御部4190はRTC4192の計時計測を正確な値に設定するために用いる装置を備えることができる。正確な時刻情報を設定するには、例えば、GPS衛星からの時刻情報を用いることができる。
RTC制御部4190には、RTC4192、および、RTC4192を駆動するための電池4194が設けられている。電池4194を備えることによって、電源基板(図示せず)の電源遮断時においてもRTC4192は計時、および、カレンダー機能を中断することがない。
電池4194としては一次電池(例えばボタン電池)であってもよいし、充電可能な二次電池、これによって、バックアップ電源を配置する必要がなく周辺制御基板4140の構成が複雑化するのを避けることができる。あるいは、電源基板にRTC4192のバックアップ電源を配置してもよい。この場合には大容量のキャパシタを用いることによって、一次電池の欠点である電池の消耗による交換作業をしなくてよい。なお、電池4194は、RAM4196のバックアップ電源としても用いられる。
RTC4192を時刻情報およびカレンダー情報の保持に限定して使用することによって、RTC4192の消費電力を大幅に減少することができ、ボタン電池などのバックアップ電源の長寿命化を図ることができる。
遊技機はRTC4192を備えることによって、年・月・日・時・分・秒(カレンダー情報と時刻情報)を特定する機能を備える。即ち、周辺制御基板4140の周辺制御MPU4150aは、遊技機の電源投入時に、RTC4192から時刻情報およびカレンダー情報を取得して、周辺制御MPU4150aの内蔵のRAMの所定エリアに設定された時刻情報記憶部およびカレンダー情報記憶部に記憶する。時刻情報およびカレンダー情報をセットした後には、RTC4192からの時刻情報およびカレンダー情報を読み出すのではなく、周辺制御MPU4150aが、時刻情報記憶部およびカレンダー情報記憶部に記憶された時刻情報およびカレンダー情報を所定の処理周期で更新する(時刻を計時する時刻計時手段)。
これによって、時刻情報やカレンダー情報を用いた演出を行う際に、その都度、RTC4192に時刻情報およびカレンダー情報を問い合わせる必要がなくなり、演出を記憶した時刻情報やカレンダー情報によって行うことができ、演出のための処理速度が低下することが防止され、従来不可能であった多様な演出を実行できる。
なお、島に設置された遊技機は、遊技機の電源のオン・オフに関わらず、遊技中は常に同一の時刻情報によって演出を行うことができ、計時結果が予め定められた時期的条件を満たすと、複数の遊技機が設置されている島(遊技機設置島)全体の前記複数の遊技機を一斉に演出を実行する構成を備えることができる。島毎に同じ演出を実行することによって、演出が実行されるタイミングを確認しやすくなり、RTC4192について狂いが生じているかどうかの判断もし易くなる。さらに、島毎に異なるデモンストレーション、島毎に時差を備えたデモンストレーションを実行できる。このように、多種多様な演出を実行することができる。
[周辺制御基板4140の各種制御処理]
次に、図11に示した、主制御基板4100(主制御MPU4100)から各種コマンドを受信する周辺制御MPU4150a(以下、単に周辺制御MPUという)が実行する各種処理について、図12〜図17を参照して説明する。図12は周辺制御MPUが実行する処理のメインルーチンを示すフローチャートである。
[メインルーチン]
パチンコ遊技機1に電源が投入されると(周辺制御内蔵WDTまたは周辺制御外部WDTにより出力されたリセット信号が入力されると)、周辺制御MPUは、メインルーチンの実行を開始する。周辺制御MPUは、まず、初期設定処理を行う(ステップS02)。この初期設定処理は、周辺制御MPU4150aを初期化する処理と、リセット後のウェイトタイマを設定する処理等を行う。
なお、周辺制御MPUは、この初期設定処理で、まず自身を初期化する処理を行うことによって、主制御基板4100から出力される遊技演出の制御に関するコマンドやパチンコ遊技機1の状態に関するコマンド等の各種コマンドを受信することができる状態となる。この周辺制御MPUを初期化する処理にかかる時間は、マイクロ秒(μs)オーダーであり、極めて短い時間で周辺制御MPUを初期化することができ、主制御基板4100の主制御MPUの初期化処理が終了するよりも早く、周辺制御基板4140は主制御基板4100から送信されるコマンドを取りこぼすことがないようになっている。
ステップS02に続いて、現在時刻情報取得処理を行う(ステップS04)。すなわち、外付けのRTC4192から現在時刻情報及びカレンダー情報を取得して、内蔵RAMの所定エリアに設定された現在時刻データ記憶部及びカレンダー情報記憶部に保存する。なお、周辺制御MPUが、RTC4192から時刻情報およびカレンダー情報を取得するのは、電源投入時の1回のみである。次いで、周辺制御MPUはセル背景絵柄決定処理を行う(ステップS06)。
[セル背景絵柄決定処理]
図13は周辺制御MPUが実行するセル背景絵柄決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。セル背景絵柄決定処理を開始すると、周辺制御MPUは内蔵RAMのカレンダー情報記憶部に記憶したカレンダー情報が、予め定めた条件1に合致しているか否かを判別する(ステップA01)。予め定めた条件1は、カレンダー情報と比較される月日情報であり、実施形態では、例えば、4月1日から6月30日迄、という条件に設定されているものとする。
カレンダー情報記憶部に記憶したカレンダー情報が、予め定めた条件1に合致していると判別した場合、実施形態では、前導光板702に記録された背景絵柄「桜」を遊技領域605に表出するものとする。周辺制御MPUはステップA02に進み、周辺制御ROM4150bに記憶された前導光板背景絵柄表示用データの先頭アドレス(例えば、AAAA)を内蔵RAMに設定された背景絵柄表示用データのアドレス記憶部にセットする(ステップA02)。
図15は、周辺制御ROM4150bに記憶された前導光板背景絵柄表示用データ、中導光板背景絵柄表示用データ及び後導光板背景絵柄表示用データの記憶状態を示す図である。なお、前導光板背景絵柄表示用データ、中導光板背景絵柄表示用データ及び後導光板背景絵柄表示用データはすべて同じ大きさである。前導光板背景絵柄表示用データは、前導光板LED群708を全点灯し、中導光板LED群709及び後導光板LED群710を消灯させるデータであり、前導光板LED群点灯データ、中導光板LED群消灯データ及び後導光板LED群消灯データにより構成されている。
次いで、周辺制御MPUはセルモードフラグに「1」をセットする(ステップA03)。ここで、セルモードフラグは、周辺制御MPUが前導光板702、中導光板703及び後導光板704のうちの何れの背景絵柄が遊技領域605に表出されているのかを識別するためのフラグであり、「1」で前導光板702の背景絵柄であることを表し、「2」で中導光板703の背景絵柄であることを表し、「3」で後導光板704の背景絵柄であることを表す。ステップA03の処理後、周辺制御MPUはメインルーチンにリターンする。
一方、ステップA01において、カレンダー情報記憶部に記憶したカレンダー情報が、予め定めた条件1に合致しないと判別した場合、周辺制御MPUはステップA04に進み、内蔵RAMのカレンダー情報記憶部に記憶したカレンダー情報が、予め定めた条件2に合致しているか否かを判別する(ステップA04)。予め定めた条件2も、カレンダー情報と比較される月日情報であり、実施形態では、例えば、7月1日から9月30日に設定されているものとする。
カレンダー情報記憶部に記憶したカレンダー情報が、予め定めた条件2に合致していると判別した場合、実施形態では、中導光板703に記録された背景絵柄「橋と夜空に打ち上がる花火」を遊技領域605に表出するものとする。周辺制御MPUはステップA05に進み、周辺制御ROM4150bに記憶された中導光板背景絵柄表示用データの先頭アドレス(例えば、BBBB)を内蔵RAMに設定された背景絵柄表示用データのアドレス記憶部にセットする(ステップA05)。
図15に示すように、中導光板背景絵柄表示用データは、前導光板LED群708を消灯し、中導光板LED群709を全点灯し、後導光板LED群710を消灯させるデータであり、前導光板LED群消灯データ、中導光板LED群点灯データ及び後導光板LED群消灯データにより構成されている。次いで、周辺制御MPUはセルモードフラグに「2」をセットし(ステップA06)、メインルーチンにリターンする。
ステップA04において、カレンダー情報記憶部に記憶したカレンダー情報が、予め定めた条件2に合致しないと判別した場合、すなわち、カレンダー情報が予め定めた条件1及び条件2に合致しない場合、換言すると、カレンダー情報が4月1日から9月30日迄という条件に合致しない場合、即ち、カレンダー情報が10月1日から3月31日迄の場合、実施形態では、後導光板704に記録された背景絵柄「紅葉(モミジの葉と銀杏の葉)」を遊技領域605に表出するものとする。周辺制御MPUはステップA07に進み、周辺制御ROM4150bに記憶された後導光板背景絵柄表示用データの先頭アドレス(例えば、CCCC)を内蔵RAMに設定された背景絵柄表示用データのアドレス記憶部にセットする(ステップA07)。
図15に示すように、後導光板背景絵柄表示用データは、前導光板LED群708を消灯し、中導光板LED群709を消灯し、後導光板LED群710を全点灯させるデータであり、前導光板LED群消灯データ、中導光板LED群消灯データ及び後導光板LED群点灯データにより構成されている。次いで、周辺制御MPUはセルモードフラグに「3」をセットし(ステップA08)、メインルーチンにリターンする。
[メインルーチンのつづき]
メインルーチンに戻ると、周辺制御MPUは、Vブランク検知フラグを0クリアする(ステップS08)。ここで、Vブランク検知フラグは、周辺制御MPUが後述する定常処理(実施形態では33.3ms毎に実行開始)の実行を開始するのか否かを判別するためのフラグであり、VDP4160aから出力されるVブランク割り込み信号により、Vブランク検知フラグが「1(実行開始)」にセットされる。
ステップS08でVブランク検知フラグを0クリアした後、周辺制御MPUは、Vブランク検知フラグが「1(実行開始)」であるか否かを判別する(ステップS10)。周辺制御MPUは、Vブランク検知フラグが「1」にセットされるまでの間、ステップS10をNOと判断する処理を繰り返すことで待機する。
VDP4160aからVブランク割り込み信号が出力されると、Vブランク割り込み信号が入力されることによってVブランク検知フラグが「1(実行開始)」にセットされる。これにより、周辺制御MPUは、ステップS10をYESと判断し、ステップS12に進み、ステップS12〜ステップS34の各処理で構成される定常処理ルーチンにおける各処理を順次実行することになる。
なお、Vブランク割り込み信号がVDP4160aから33.3ms毎に出力されるので、定常処理ルーチンは33.3ms毎に実行されるようになっている。また、周辺制御MPUが定常処理ルーチンの各処理を実行している間に、1ms割込タイマによるタイマ割り込みが周辺制御MPUにかかる。1ms割込タイマは、周辺制御MPUに内蔵されるハードウェアタイマであり、タイマ起動後に1ms毎にタイマ割り込みをかける。実施形態では、定常処理ルーチンの実行中に、32回のタイマ割り込みが周辺制御MPUにかかるように1ms割込タイマが設定されている。
定常処理ルーチンの実行中に、1msタイマ割り込みが周辺制御MPUにかかると、周辺制御MPUは、後述の1ms割込タイマ処理を実行し、1ms割込タイマ処理を終了すると、定常処理ルーチンに戻る。従って、定常処理ルーチンの実行中に、32回の1ms割込タイマ処理が行われることになる。
[定常処理]
周辺制御MPUは、定常処理を開始すると、まず、内蔵の割込タイマに1msに相当する値をセットして起動する(1ms割り込みタイマを起動する)(ステップS12)。次に、ランプデータ出力処理を実行する(ステップS14)。
ランプデータ出力処理は、扉枠5や遊技盤4に配設された装飾LEDを点灯するためのデータをランプ駆動基板4170に出力する処理であり、内蔵RAMに設定されたランプ駆動基板側送信データ領域(換言するとLED出力データ記憶部)にセットされた扉枠側発光データ並びに遊技盤側発光データを、内蔵のDMAコントローラを利用してランプ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信を行う。遊技盤側発光データは、クロック信号と同期して1ビットずつ送信開始し、遊技盤側発光データを送信し終わるとラッチ信号を出力する。前述のように、ラッチ信号のタイミングで装飾LEDが点灯する。扉枠側発光データについても同様であり、ここでは説明を省略する。なお、遊技盤側発光データには、セル部700の導光板702〜704のLED群708〜710を点灯・消灯制御する上述の背景絵柄表示用データが含まれる。
周辺制御MPUは、次に、操作部監視処理を実行する(ステップS16)。後述する、図14(ステップS42)で操作部情報記憶部に記憶されたセンサの情報から、操作部の状態、例えば、押された、押されていないを判定し、操作部の状態を演出に反映するか否か適時決定して反映する。
周辺制御MPUは、次に、表示データ出力処理を実行する(ステップS18)。表示データ出力処理では、周辺制御MPUは、液晶表示装置1400の表示パネルの1画面分の画面データをVDP4160aに出力する。1画面分の画面データとは、VDP4160aが1フレーム分の描画データをVRAM上に作成するために必要なデータのことである。
周辺制御MPUは、次に、音データ出力処理を実行する(ステップS20)。音データ出力処理では、周辺制御MPUは、音指令(出力チャンネル番号と、音楽及び効果音に対応付けされたトラック番号)をVDP4160aに出力する。
周辺制御MPUは、次に、スケジューラ更新処理を実行する(ステップS22)。スケジューラ更新処理では、VDP4160aに対して出力される画面データであって、表示コマンドに対応するスケジュールデータを構成している時系列に配列された各画面データの何番目かを指定するポインタの更新と、ランプ、音、モータを制御するために出力される制御データであって、表示コマンドに対応するスケジュールデータを構成している時系列に配列された各制御データの何番目かを指定するポインタの更新と、を行う。
周辺制御MPUは、次に、受信コマンド解析処理を実行する(ステップS24)。主制御基板4100から送信される表示コマンドは、SIO(シリアルポート)で常時受信可能になっている。表示コマンドはSTTS(ステータス)とMODE(モード)の2バイト体系であるが、それにステータスとモードを数値と見做して単純加算したサムを加えた3バイトを1パケットとした体系にて通信する。このサムによって通信コマンドの整合性を担保している。表示コマンドの受信は、1バイト受信毎に、自動起動のDMAによって内蔵RAMの受信バッファ(受信コマンド記憶部)に転送する。したがって、周辺制御MPUは、受信コマンド記憶部に記憶されている表示コマンドの解析だけを行う。
なお、表示コマンドには、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、報知表示に区分される各種コマンド、状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドがある。
周辺制御MPUは、次に、警告処理を実行する(ステップS26)。警告処理では、ステップS24の解析結果が異常(大入賞口異常球数入賞、磁石検出等)を報知するコマンドであるとき、報知データを作成する。
周辺制御MPUは、次に、時刻情報、カレンダー情報更新処理を実行する(ステップS28)。周辺制御MPUは、内蔵RAMの時刻情報記憶部およびカレンダー情報記憶部に記憶された時刻情報およびカレンダー情報を更新する。
周辺制御MPUは、次に、ランプデータ作成処理を実行する(ステップS30)。ランプデータ作成処理において、ステップS06の処理にて背景絵柄表示用データのアドレス記憶部にセットされた背景絵柄表示用データの先頭アドレス(この実施形態では、AAAA、BBBB、CCCCのうちの何れか1つとなる)から所定の大きさ分の背景絵柄表示用データをLED出力データ記憶部に転送する。
LED出力データ記憶部に転送された背景絵柄表示用データは、次回に実行される定常処理のステップS14のランプデータ出力処理にてランプ駆動基板4170に出力される。そして、周辺制御MPUにより出力されるラッチ信号により、ランプ駆動基板4170から駆動出力されてLEDが点灯することになる。
これにより、例えば、カレンダー情報が4月1日から6月30日迄の期間は、ステップS06のセル背景絵柄決定処理により前導光板702に記録された背景絵柄をセル部700に表出することが決定され、前導光板LED群708を点灯し(例えば、ピンクで点灯し)、中導光板LED群709及び後導光板LED群710を消灯することで、前導光板702に記録された「桜」の背景絵柄がセル部700において表出され、透明な遊技パネル600を通して遊技者に視認される。
ところが、カレンダー情報が7月1日になると、ステップS06のセル背景絵柄決定処理により中導光板703に記録された背景絵柄をセル部700に表出することが決定され、中導光板LED群709を点灯し(例えば、花火の部分をイエローで点灯し、橋の部分をブルーで点灯し)、前導光板LED群708及び後導光板LED群710を消灯する点灯状態に切り換えることで、中導光板703に記録された「橋と夜空に打ち上がる花火」の背景絵柄がセル部700に表出され、透明な遊技パネル600を通して遊技者に視認される。
遊技者は、遊技盤面の障害釘や液晶表示装置や大入賞口を有するアタッカ等のレイアウトは全く同じであるのに、セル部700の背景絵柄が刷新されていることに気付き、遊技盤面の雰囲気が、季節と同じように春から夏に変わるように思え、新鮮に感じるところとなる。なお、カレンダー情報が7月1日から9月30日迄の期間は、中導光板703に記録された「橋と夜空に打ち上がる花火」の背景絵柄がセル部700に表出される。
そうして、カレンダー情報が10月1日になると、ステップS06のセル背景絵柄決定処理により後導光板704に記録された背景絵柄をセル部700に表出することが決定され、後導光板LED群710を点灯し、前導光板LED群708及び中導光板LED群709を消灯する点灯状態に切り換えることで、後導光板704に記録された「紅葉(モミジの葉と銀杏の葉)」の背景絵柄がセル部700に表出され、透明な遊技パネル600を通して遊技者に視認される。
遊技者は、再び、セル部700の背景絵柄が刷新されていることに気付き、遊技盤面の雰囲気が、季節と同じように夏から秋に変わるように思え、新鮮に感じるところとなる。なお、カレンダー情報が10月1日から3月31日迄の期間は、後導光板704に記録された「紅葉(モミジの葉と銀杏の葉)」の背景絵柄がセル部700に表出される。
そして、カレンダー情報が4月1日になると、ステップS06のセル背景絵柄決定処理により前導光板702に記録された背景絵柄をセル部700に表出することが決定され、前導光板702に記録された「桜」の背景絵柄がセル部700において表出され、透明な遊技パネル600を通して遊技者に視認される。遊技者は、セル部700の背景絵柄が刷新されていることに気付き、遊技盤面の雰囲気が、季節と同じように冬から春に変わるように思え、新鮮に感じるところとなる。
また、ステップS24の処理によって解析された表示コマンドに対応するランプ用のスケジュールデータから、各LED(扉枠5や遊技盤4の盤面に配設されたLED)に出力するデータをLED出力データ記憶部に転送する。
周辺制御MPUは、次に、表示データ作成処理を実行する(ステップS32)。表示データ作成処理において、ステップS24の処理によって解析された表示コマンドに対応するVDP用のスケジュールデータから、ポインタで指定される画像データを取得し、内蔵RAMに設定された画像出力データ記憶部に転送する。
周辺制御MPUは、次に、音データ作成処理を実行する(ステップS34)。音データ作成処理において、ステップS24の処理によって解析された表示コマンドに対応するVDPの音制御部4160b用のスケジュールデータから、ポインタで指定される音指令データを取得し、内蔵RAMに設定された音指令出力データ記憶部に転送する。
ステップS34を終了すると、周辺制御MPUは、ステップS08に戻ってVブランク検知フラグを0クリアし、再度VDP4160aから出力されるVブランク割り込み信号によってVブランク検知フラグが「1(実行開始)」にセットされるまでの間、ステップS10をNOと判断する処理を繰り返すことで待機する。なお、ステップS12〜ステップS34の処理を「定常処理」という。よって、ステップS34を終了すると、定常処理を終了したことになる。
[1msタイマ割り込み処理]
次に、1msタイマ割り込み処理について説明する。図14は周辺制御MPUが実行する1msタイマ割り込み処理ルーチンを示すフローチャートである。定常処理のステップS12で起動した1msタイマがタイムアップすることにより、タイマ割り込みがかかり、周辺制御MPUは、1msタイマ割り込み処理を実行する。なお、定常処理の間隔が33.3msなので、1定常処理あたり32回の1msタイマ割り込み処理が実行されることになる。
周辺制御MPUは、1msタイマ割り込み処理を開始すると、可動体駆動処理を実行する(ステップS40)。可動体駆動処理は、例えば、ステップS24の処理によって解析された表示コマンドに対応するスケジュールデータに基づいて、遊技盤面の後方に設けられた演出用可動体のモータ駆動信号の出力を行う。
周辺制御MPUは、可動体駆動処理を終了すると、操作部情報取得処理を行う(ステップS42)。遊技者が操作可能な皿ユニット300の上部に設けられた操作部に対して配置されているセンサの情報を取得し、内蔵RAMの所定のエリアに設定された操作部情報記憶部にセンサの情報を記憶する。周辺制御MPUは、操作部情報取得処理を終えるとメインールーチンに戻る。
上述の実施形態は、カレンダー情報が予め定めた条件になると、1つの導光板に記録された背景絵柄が光によって表出している状態から、これとは別の導光板に記録された背景図柄を表出させて、遊技領域605の背景絵柄を刷新するようにしたものであるが、さらに、遊技領域605の背景絵柄を刷新に加えて液晶表示装置1400において表示される演出を変化させるようにしてもよい。この場合、新たに表出される背景絵柄の内容に対応させて液晶表示装置1400の表示パネルにおいて表示される可変表示ゲームの抽選表示用図柄あるいは表示されるキャラクタを変化させると、より斬新な雰囲気を遊技者に与えることができる。
例えば、セル部700の背景絵柄が「桜」の背景絵柄に変わる場合には、抽選表示用図柄に桜を表示するようにし、セル部700の背景絵柄が「橋と夜空に打ち上がる花火」の背景絵柄に変わる場合には、抽選表示用図柄に花火を表示するようにし、セル部700の背景絵柄が「紅葉(モミジの葉と銀杏の葉)」の背景絵柄に変わる場合には、抽選表示用図柄にモミジを表示するようにする。
前提として、主制御基板4100から一方向通信で周辺制御基板4140へ送信される表示コマンド(例えば、遊技盤面に設けられた始動口への入賞検知に起因して送信される)は背景絵柄の変化に関係なく共通とし、変えない。代わりに、周辺制御基板4140の周辺制御ROM4150bに記憶されている表示コマンドに対応するスケジュールデータを変える。すなわち、上記の季節の変化で春、夏、秋で背景絵柄(第1の導光板〜第3の導光板に記録された第1の背景絵柄〜第3の背景絵柄)を変化させる例では、表示コマンドに対応するスケジュールデータを構成している時系列に配列された各画面データを春、夏、秋の3系統を持つように周辺制御ROM4150bに記憶する。
図16は、周辺制御ROM4150bに記憶された春用スケジュールデータ、夏用スケジュールデータ及び秋用スケジュールデータの記憶状態を示す図である。図16に示すように、春用スケジュールデータは、第1の背景絵柄に対応して、例えば、表示パネルにおいて表示される「桜を含む抽選表示用図柄[図18(a)参照]」をVDP4160aに指定する画面データを含むものであり、第1のキャラクタ表示用データに相当する。
夏用スケジュールデータは、第2の背景絵柄に対応して、例えば、表示パネルにおいて表示される「花火を含む抽選表示用図柄[図18(b)参照]」をVDP4160aに指定する画面データを含むものであり、第2のキャラクタ表示用データに相当する。また、秋用スケジュールデータは、第3の背景絵柄に対応して、例えば、表示パネルにおいて表示される「モミジを含む抽選表示用図柄[図18(c)参照]」をVDP4160aに指定する画面データを含むものであり、第3のキャラクタ表示用データに相当する。また、各画面データの春、夏、秋の3系統に対応してキャラROM4160cに、春、夏、秋のキャラクタデータを記憶させておく。
[表示キャラクタ選択処理]
図17は周辺制御MPUが実行する表示キャラクタ選択処理のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、表示キャラクタ選択処理は、メインルーチンの定常処理におけるステップS32の表示データ作成処理の一処理として行われる。表示キャラクタ選択処理を開始すると、周辺制御MPUは、セルモードフラグが1であるか否かを判別する(ステップA20)。なお、セルモードフラグは、ステップS06のセル背景絵柄決定処理でセット済みであり、「1」で前導光板702の背景絵柄であることを表し、「2」で中導光板703の背景絵柄であることを表し、「3」で後導光板704の背景絵柄であることを表す。
セルモードフラグが1であると判別した場合、背景絵柄が「桜」であることになり、周辺制御MPUはステップA21に進み、春用のスケジュールデータを選択し(ステップA21)、ステップA22に進む。
一方、ステップA20にて、セルモードフラグが1でないと判別した場合、周辺制御MPUは、セルモードフラグが2であるか否かを判別する(ステップA24)。セルモードフラグが2であると判別した場合、背景絵柄が「橋と夜空に打ち上がる花火」であることになり、周辺制御MPUはステップA25に進み、夏用のスケジュールデータを選択し(ステップA25)、ステップA22に進む。
一方、ステップA24にて、セルモードフラグが2でないと判別した場合、セルモードフラグが3であって、即ち、背景絵柄が「紅葉(モミジの葉と銀杏の葉)」であることになり、周辺制御MPUはステップA26に進み、秋用のスケジュールデータを選択し(ステップA26)、ステップA22に進む。
ステップA22に進むと、周辺制御MPUは、選択したスケジュールデータからポインタで指定される画像データを取得し(ステップA22)、取得した画像データを内蔵RAMに設定された画像出力データ記憶部に転送し(ステップA23)、表示キャラクタ選択処理を抜けて表示データ作成処理ルーチンに戻る。
画像出力データ記憶部に転送された画像データは、次回に実行される定常処理のステップS18の表示データ出力処理にてVDP4160aに出力される。VDP4160aは、この入力された画面データに基づいてキャラROM4160cからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して液晶表示装置1400に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを生成し、この生成した描画データを液晶表示装置1400に出力する。
これにより、例えば、4月1日から6月30日迄の期間においては、セル部700の「桜」の背景絵柄に対応して、液晶表示装置1400の表示パネルに「桜を含む抽選表示用図柄」が表示されることになる。また、例えば、7月1日になると、セル部700の背景が「橋と夜空に打ち上がる花火」に刷新され、これに対応して合わせるように、液晶表示装置1400の表示パネルに「花火を含む抽選表示用図柄」が表示されることになる。遊技者は、セル部700の背景絵柄が刷新されていることに気付き、遊技盤面の雰囲気が新鮮に感じられると共に、液晶表示装置1400にて「花火を含む抽選表示用図柄」が演出表示されることにより、斬新さを感じるところとなる。
なお、図18は、表示パネルにおいて表示されるセル部700の背景絵柄に対応する抽選表示用図柄の例を示す図である。図18(a)は、背景絵柄の桜の花びらの集合体により抽選表示用図柄を形成したものであり、図18(b)は、抽選表示用図柄に背景絵柄の花火の柄を入れ込んだものであり、図18(c)は、抽選表示用図柄のバックに背景絵柄の紅葉を彩ったカルタのようなものである。
なお、上記(a)〜(c)のように図柄を複数種類切り替える例に加え、表示パネルの抽選表示用図柄のバックグラウンドそのものの画像も同時に切り替え表示してもよい。
また、抽選表示用図柄の変動表示方法を、
(a)花びらが散りながら、次の図柄を形成する。
(b)単純なスクロールを行う。
(c)抽選表示用図柄が水平方向の軸又は上下方向の軸を中心に回転しつつ、図柄の裏面に次の図柄が登場する。
のようにスケジュールデータを構築するようにしてもよい。これにより、遊技パネル全体のイメージが一新するので、遊技機を長い期間稼働させることができる。
[別例]
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
上述した実施形態では、遊技領域605の背景を刷新するセル部700(可変装飾表示体)を背景絵柄が記録された複数枚の導光板を重ね合わせてなる積層導光体701で構成したが、積層導光体701に代えて適用できる例として、例えば、液晶表示体、切換点灯可能な電飾体、作動切換可能であって互いに形態の異なる複数種類の可動役物を挙げることができる。