JP6021721B2 - 造粒小麦粉 - Google Patents

造粒小麦粉 Download PDF

Info

Publication number
JP6021721B2
JP6021721B2 JP2013079748A JP2013079748A JP6021721B2 JP 6021721 B2 JP6021721 B2 JP 6021721B2 JP 2013079748 A JP2013079748 A JP 2013079748A JP 2013079748 A JP2013079748 A JP 2013079748A JP 6021721 B2 JP6021721 B2 JP 6021721B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flour
granulated
particle size
wheat flour
wheat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013079748A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014200208A (ja
Inventor
育之 吉岡
育之 吉岡
榊原 通宏
通宏 榊原
広希 米田
広希 米田
徹弥 光岡
徹弥 光岡
典子 坂本
典子 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshin Seifun Group Inc
Nisshin Foods Inc
Original Assignee
Nisshin Seifun Group Inc
Nisshin Foods Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Seifun Group Inc, Nisshin Foods Inc filed Critical Nisshin Seifun Group Inc
Priority to JP2013079748A priority Critical patent/JP6021721B2/ja
Publication of JP2014200208A publication Critical patent/JP2014200208A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6021721B2 publication Critical patent/JP6021721B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cereal-Derived Products (AREA)

Description

本発明は、各種食品の製造に使用することができる新規な造粒小麦粉に関する。
小麦粉は、小麦の胚乳部分を挽いたもので、ケーキやクッキー等の製菓用原料、天ぷらやフライ等の揚げ物用の衣材用原料、打ち粉、ルーやソースの材料、食パンや菓子パン等のパン用原料、うどんや中華麺等の麺用原料などの用途に用いられている。小麦粉の粒径は、製粉方法によっても異なるが、一般的には、薄力粉の場合で、0〜17μmが7質量%、17〜35μmが45質量%、35μm以上が48質量%程度であり、強力粉の場合で、0〜17μmが1質量%、17〜35μmが9質量%、35μm以上が90質量%程度とされている(特許文献1)。
従来の小麦粉には、飛散しやすく、粉塵となって調理場周辺を汚しやすいという問題があった。また従来の小麦粉には、保管中や取扱い中に粒子同士が固まってダマになりやすく、そのため計量しにくくなったり、または水に溶解しにくくなるという問題があった。従って、従来の小麦粉を調理に使用する場合には、ダマを除去するため、予め篩にかけたり、またはダマをつぶしたりしておくことが好ましい。しかし一方で、このような篩やダマをつぶす作業を行うと、さらに粉の飛散が拡大するという悪循環に陥る。そのため、家庭などで比較的少量の調理を行おうとする場合には、従来の小麦粉を用いることは大変煩雑な作業となっていた。作業中における粉の飛散やダマの生成が少ない小麦粉として、特許文献2には、粒径150μ以下が90%以上であり、かつ20μ以下の粒子を20積算%以下とした小麦粉が提案されている。
小麦粉を澱粉等のバインダーとともに造粒して得られる造粒小麦粉が知られている。特許文献3には、水に対する溶解性が向上した小麦粉主体の粉末原料として、小麦粉の一部をα化小麦粉またはα化澱粉に置換え、それらを糊液(バインダー)を用いて流動造粒して得られた即席粒状食品が提案されている。特許文献4には、小麦粉及び又は澱粉類にα化澱粉を加えて攪拌下で混合造粒して得られた顆粒粉をから揚げ粉に使用することで、良好な食感のから揚げが得られたことが記載されている。
特開平10−084858号公報 特開2001−000098号公報 特開昭58−209944号公報 特開2005−333861号公報
飛散やダマの生成がより少ない小麦粉、特に、振出容器に入れて保存しても、ダマができにくく且つ粉が容器に付着したり振出口に詰まることがなく、容器から直接振出して使用することができ、しかも振出しても粉塵が飛散しにくい小麦粉が求められている。そこで本発明者らは、飛散やダマの生成が少なく取扱い性に優れた小麦粉の提供を課題として、鋭意検討を行った。
その結果、本発明者らは、小麦粉に加水後、非加熱条件下で造粒して得られた特定の粒径を有する造粒小麦粉が、従来の小麦粉としての用途に何ら制限を加えることなく、しかも飛散が抑えられ且つダマの生成の少ないことを見出した。
すなわち、本発明は、小麦粉を含む原料粉と水とを非加熱条件下で造粒することによって得られた造粒小麦粉であって、粒径が150μm未満の粉を30〜80体積%、および粒径150μm以上の粉を70〜20体積%含有する造粒小麦粉を提供する。
本発明の造粒小麦粉は、ダマの生成や作業中における粉の飛散が少なく、取扱い性に優れている。特に、本発明の小麦粉は、振出容器に入れて保存した場合でも、ダマができにくく且つ粉が容器に付着したり振出口に詰まることがないため、容器から直接振出して使用することができ、しかも振出しても粉塵が飛散することが少ないという利点を有する。さらに本発明の造粒小麦粉は、小麦粉と水から、加熱処理の必要なしに簡便な手順で造粒することができるという利点を有する。
本発明の造粒小麦粉は、小麦粉を含む原料粉と水とを非加熱条件下で造粒することによって製造される。本発明の造粒小麦粉は、通常の小麦粉に比べて大径粒子を含む特定の粒度分布を有する。
上記小麦粉の原料となる小麦としては、硬質系小麦、軟質系小麦、中間質系小麦、普通系小麦、デュラム小麦などのいかなる系統に属する小麦であってもよく、またそれらに属する何れの品種の小麦であってもよい。例えば、カナダ産のウェスタンレッドスプリング(CW)、米国産のダークノーザンスプリング(DNS)、ハードレッドウィンター(HRW)、オーストラリア産のプライムハード(PH)等の硬質系小麦;日本産の普通系小麦;オーストラリア産のスタンダードホワイト(ASW)等の中間質系小麦;米国産ウエスタンホワイト(WW)等の軟質系小麦;デュラム小麦などを挙げることができるが、これらに限定されない。上記に挙げた小麦は、いずれかの品種もしくは系統を単独で使用してもよく、または2種以上の異なる品種もしくは系統を併用してもよい。
本発明の造粒小麦粉の製造に使用される小麦粉は、上記に挙げた小麦を製粉して得られる小麦粉であればよく、強力小麦粉、準強力小麦粉、中力粉麦粉、薄力小麦粉のいずれであってもよく、またはそれらの混合物であってもよい。好ましくは、当該小麦粉は薄力小麦粉である。また、当該小麦粉は、通常の製粉工程によって得られる小麦粉であってもよく、またはその小麦粉をさらに分級して所定の粒径に調整した小麦粉であってもよい。造粒工程で目的とする粒度分布を有する造粒小麦粉を効率よく得ることができるという観点からは、予め粒径を調整した小麦粉を造粒に供することが望ましい。好ましくは、造粒に供する小麦粉は、粒径45μm未満の粉を40体積%未満含有する小麦粉であり、さらに好ましくは、粒径45μm未満の粉を40体積%未満、且つ粒径45〜150μmの粉を60〜85体積%含有する小麦粉である。小麦粉の粒径は、通常の方法で製粉された一般的に入手できる小麦粉を、必要に応じて篩分けや分級装置などにかけることによって調整することができる。
本発明の造粒小麦粉の製造に使用される上記原料粉は、本発明の効果を阻害しない限り、上記小麦粉以外の他の粉体原料、例えば小麦粉以外の穀粉、澱粉、賦形剤、色素粉末などを含んでいてもよい。しかし、造粒物が小麦粉の本来の性質を保つことができ、かつ造粒物を従来の小麦粉と同様の用途に適用しやすくなることから、上記原料粉における上記小麦粉以外の粉体原料の含有量はより少ないほうが好ましい。したがって好ましくは、上記原料粉中における当該他の粉体原料の含有量は、小麦粉および他の粉体原料を含めた原料粉全体の5質量%未満である。より好ましくは、上記原料粉には上記小麦粉以外の粉体原料は含まれていない。言い換えると、上記原料粉中における上記小麦粉の含有量は、好ましくは95質量%超であり、より好ましくは上記原料粉は全て上記小麦粉である。
本発明の造粒小麦粉は、上記小麦粉を含む原料粉に加水して造粒することによって製造される。当該造粒は、非加熱条件下で行われる。本明細書において、非加熱条件とは、処理工程中に上記原料粉のα化度を5%以上増加させない温度条件をいう。例えば、原料粉が小麦粉の場合、造粒前の小麦粉のα化度が6%であれば、非加熱条件下で造粒された小麦粉の造粒後のα化度は11%未満である。このような非加熱条件とは、例えば、処理工程中に加熱手段を用いて外部から加熱することがないか、または当該加熱の時間が短く、原料粉のα化をほとんど引き起こさない条件であり得る。また例えば、当該非加熱条件とは、処理工程中に加熱手段を用いた外部からの加熱がないかまたは当該加熱の時間が短く、かつ処理工程中における内的な熱の発生も少なく、原料粉のα化をほとんど引き起こさない条件であり得る。本明細書において、原料粉のα化度とは、従来法であるβ−アミラーゼ・プルラナーゼ法により測定した値である。
本発明の造粒小麦粉を造粒するための造粒方法としては、上述した非加熱条件を達成できる方法であれば特に限定されないが、転動造粒、流動層造粒、攪拌造粒などが採用できる。造粒工程の例としては、上記原料粉を縦型のミキサーで攪拌しながら徐々に加水して造粒する工程や、上記原料粉をフィーダー型の横型ミキサーで攪拌移送しながら、移送途中に噴霧装置等で加水し、混合と移送を同時に行いながら造粒する工程などが挙げられるが、これらに限定されない。後述する所望の粒度分布を有する造粒小麦粉が簡便に得られる点からは、攪拌造粒が好ましい。上記に挙げた各造粒方法は、いずれも市販の造粒装置を用いることで実施することができる。
造粒の際に上記原料粉へ添加する水の量は、上記原料粉100質量部に対して25〜40質量部が好ましく、30〜40質量部がより好ましく、33〜37質量部がさらに好ましい。当該原料粉が全て小麦粉であれば、水の量は小麦粉100質量部に対して、好ましくは25〜40質量部、より好ましくは30〜40質量部、さらに好ましくは33〜37質量部である。当該水の量が当該原料粉100質量部に対して25質量部未満であるか逆に40質量部を超えると、得られた造粒小麦粉が、比重が過度に大きくまたは小さくなり、いずれの場合も水への溶解性が低下する。当該原料粉へ水を添加する方法は、当該原料粉全体に均等に加水できる方法であればよく、例えば、当該原料粉と水を少量ずつ攪拌しながら混合する方法、当該原料粉の全量を攪拌しながら水を少量ずつ添加する方法、当該原料粉に水を噴霧する方法などが挙げられる。このような原料粉の攪拌、および水の添加や噴霧には、市販の混合装置やミキサー、または特公昭第61−021693号公報に記載の連続式粉粒体混合装置、特開第2009−034038号公報に記載の粉粒体処理装置(但し熱処理を付加しない設定で使用する)などを利用することができる。
上記水は、上記造粒の際に、原料粉同士を結合させて造粒するためのバインダーとして働く。したがって、上記造粒工程においては、水以外のバインダー、例えば、糊液、α化澱粉、α化穀粉、デキストリン、ガム類などの造粒に通常使用されるバインダーは使用する必要はなく、好ましくは使用されない。また、本発明で使用される上記原料粉においては、当該α化澱粉、α化穀粉、デキストリン、ガム類などのバインダーとなり得る材料は、含有量が5質量%未満、好ましくは3質量%未満、より好ましくは2質量%未満であり、さらに好ましくは含まれていない。バインダーとして水を使用することにより、本発明で得られた造粒小麦粉は、その性質がバインダーに影響されることなく小麦粉の本来の性質を保つことができる。
なお、本明細書において、前述したバインダーとなり得るα化澱粉およびα化穀粉とは、α化度が50%以上、好ましくは70%以上の澱粉および穀粉をいう。また本明細書において上述した原料粉に含まれる小麦粉とは、α化処理が加えられていない小麦粉であって、好ましくはα化度が10%以下の小麦粉である。
次いで、上記手順で造粒された小麦粉を乾燥させる。乾燥は、造粒小麦粉の水分含量が10〜13質量%程度になるまで行えばよい。例えば、自然乾燥や通風乾燥、気流乾燥などにより、造粒小麦粉の水分含量が上記範囲になるまで乾燥させればよい。好ましくは、当該乾燥工程は、非加熱条件下で行われる。当該非加熱条件の定義は上述したとおりである。さらに好ましくは、上記手順で造粒および乾燥して製造された本発明の造粒小麦粉のα化度は、造粒前の原料粉のα化度(%)+5%を超えない。
上記手順で得られた造粒小麦粉には、所望されない大粒径の造粒物が混入することがある。したがって必要に応じて、当該大粒径の造粒物を、ピンミル、ハンマーミル、気流式粉砕機等の公知の手段で粉砕して、得られた造粒小麦粉の粒径を調整してもよい。あるいは、篩分けなどにより、上記手順で得られた造粒小麦粉の粒径を調整してもよい。
以上の手順で製造された本発明の造粒小麦粉は、粒径が150μm未満の粉を30〜80体積%、粒径150μm以上の粉を70〜20体積%含有する。好ましくは、本発明の造粒小麦粉は、粒径が150μm未満の粉を35〜65体積%、粒径150μm以上の粉を65〜35体積%含有する。またさらに好ましくは、本発明の小麦粉の50%累積粒径は、105〜200μmである。本明細書において、造粒小麦粉の粒径とは、レーザー回折・散乱法により測定したときに算出される粒子径をいい、また50%累積粒径とは、上記算出された粒径の、体積の積算値50%での値をいう。
本発明の造粒小麦粉は、その用途に応じて、その他の粉体と混合された小麦粉組成物として提供されてもよい。当該その他の粉体としては、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラムセモリナ等の通常の小麦粉;ライ麦粉、米粉、コーンフラワー、大麦粉、豆粉等の穀粉類;タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉等の澱粉類、およびこれらのα化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、アセチル化澱粉、架橋処理澱粉等の加工澱粉類;糖類;卵粉、卵白粉;増粘剤;油脂類;乳化剤;賦形剤;流動化剤;調味料、香辛料等;活性グルテン;酵素剤、などが挙げられる。上記小麦粉組成物中における本発明の造粒小麦粉の配合量は、当該小麦粉組成物の用途によって異なるが、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは20〜80質量%である。
本発明の造粒小麦粉は、調理材料として好適である。例えば、本発明の造粒小麦粉は、ケーキやクッキー等の製菓用、天ぷらやフライ等の揚げ物の衣材の製造用、ベーカリー生地や麺生地の付着防止用の打ち粉、ルーやソースの材料、料理のとろみ付け材などとして、使用することができる。
また本発明の造粒小麦粉は、好ましくは、振出容器に充填されて提供され、当該振出容器から振出して使用される。振出容器としては、例えば粉チーズ容器や香辛料容器のような、1つまたは複数の粉振出し用の小孔を有する容器であればよい。本発明の造粒小麦粉は、振出容器に入れて保存した場合でもダマができにくく且つ粉が容器に付着したり振出口に詰まることがない。したがって、当該振出容器に充填された本発明の造粒小麦粉は、容易に計量容器に振出して所要量を計量することができ、または容易に容器から直接他の食材に振りかけることができる。また本発明の造粒小麦粉は、飛散しにくいため、容器から振出しても粉塵が生じることなく、調理場を汚さない。
次に本発明をさらに具体的に説明するために実施例を掲げるが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(製造例1〜7)
小麦粉(薄力粉:日清製粉製「フラワー」;粒径45μm未満=55体積%、粒径45〜150μm=42体積%)5kgを、特開第2009−034038号公報に記載のものと同様の混合装置に供給し、蒸気による加熱処理は行わずに、小麦粉を連続的に攪拌しながら表1の量の水を添加して造粒し、次いで気流式乾燥装置(ホソカワミクロン製;ドライマイスター)を使用して送気温度:110℃、排気温度:35〜50℃、乾燥時間:2〜3秒の条件にて乾燥した。得られた造粒小麦粉の粒径を、マイクロトラックMT3000II(日機装株式会社)を用いたレーザー回折・散乱法により測定した。造粒小麦粉の粒径の分布および50%累積粒径は表1のとおりであった。また、原料小麦粉および製造例1〜7の各造粒小麦粉のα化度を下記参考例1記載の手順で測定した。α化度は原料小麦粉で約2%、製造例1〜7で3.5〜4.1%であった。
(製造例8)
小麦粉として市販の薄力粉(日清製粉製「フラワー」)から、篩を用いて粒径を45μm未満=24体積%、および45〜150μm=74体積%に調整したものを用いた以外は、製造例4と同じ条件にて造粒小麦粉を得、粒径を測定した。得られた造粒小麦粉の粒径の分布および50%累積粒径は表1のとおりであった。原料小麦粉および製造例8の造粒小麦粉のα化度を下記参考例1記載の手順で測定した。α化度は原料小麦粉で約2%、製造例8で3.6%であった。
(製造例9〜10)
小麦粉(薄力粉:日清製粉製「フラワー」;粒径45μm未満=55体積%、粒径45〜150μm=42体積%)5kgを、特公昭第61−021693号公報に記載のものと同様の混合装置に供給し、連続して攪拌しながら表1の量の水を添加して造粒した。造粒物を乾燥した後、ピンミルを用いて粉砕し、表1記載の粒径の造粒小麦粉を得た。造粒小麦粉の粒径の分布および50%累積粒径は製造例1と同様の手順で測定した。原料小麦粉および製造例9〜10の各造粒小麦粉のα化度を下記参考例1記載の手順で測定した。α化度は原料小麦粉で約2%、製造例9と10でそれぞれ3.8と4.4%であった。
(製造例11)
小麦粉(薄力粉:日清製粉製「フラワー」)4.9kgおよびα化澱粉(α化コーンスターチ:三和澱粉製コーンアルファーY)100g(原料粉全体の2質量%)を混合し、よく攪拌した。この原料粉を用いた以外は、製造例4と同じ条件にて造粒小麦粉を得、粒径を測定した。得られた造粒小麦粉の粒径の分布および50%累積粒径は表1のとおりであった。
(製造例12)
小麦粉(薄力粉:日清製粉製「フラワー」)4.75kgおよびα化澱粉(α化コーンスターチ:三和澱粉製コーンアルファーY)250g(原料粉全体の5質量%)を混合し、よく攪拌した。この原料粉を用いた以外は、製造例1〜7と同じ条件にて造粒小麦粉を得た。得られた造粒小麦粉の粒子径の分布は表1のとおりであった。
(製造例13)
小麦粉(薄力粉:日清製粉製「フラワー」;粒径45μm未満=55体積%、粒径45〜150μm=42体積%)5kgを、特開第2009−034038号公報に記載のものと同様の混合装置に供給し、連続して加熱蒸気を装置中に吹込みながら、表1の量の水を添加して、湿熱条件下で造粒を行った。さらに気流式乾燥装置(ホソカワミクロン製;ドライマイスター)を使用して送気温度:110℃、排気温度:35〜50℃、乾燥時間:2〜3秒の条件にて乾燥し、製造例1と同様の手順で粒径を測定した。得られた造粒小麦粉の粒径の分布および50%累積粒径は表1のとおりであった。原料小麦粉および製造例13の造粒小麦粉のα化度を下記参考例1記載の手順で測定した。α化度は原料小麦粉で約2%、製造例13で13.6%であった。
(参考例1)小麦粉α化度の測定
小麦粉のα化度は、β−アミラーゼ・プルラナーゼ法に従って下記手順にて測定した。
(A)試薬
0.8M酢酸−酢酸Na緩衝液
10N水酸化ナトリウム溶液
2N酢酸溶液
酵素溶液:β−アミラーゼ(ナガセ生化学工業(株)#1500)0.017g及びプルラナーゼ(林原生物化学研究所、No.31001)0.17gを上記0.8M酢酸−酢酸Na緩衝液に溶かして100mlとしたもの。
失活酵素溶液:上記酵素溶液を10分間煮沸させて調製。
ソモギー試薬およびネルソン試薬(還元糖量の測定用試薬)
(B)測定方法
1)湿熱処理小麦粉をホモジナイザーで粉砕し、100メッシュ以下とした。この粉砕した湿熱処理小麦粉0.08〜0.10gをガラスホモジナイザーに取った。
2)これに脱塩水8.0mlを加え、ガラスホモジナイザーを10〜20回上下させて分散を行った。
3)2本の25ml容目盛り付き試験管に上記2)の分散液を2mlずつ取り、1本は0.8M酢酸−酢酸Na緩衝液で定容し、試験区とした。
4)他の1本には、10N水酸化ナトリウム溶液0.2mlを添加し、50℃で3〜5分間反応させ、完全に糊化させた。その後、2N酢酸溶液1.0mlを添加し、pHを6.0付近に調整した後、0.8M酢酸−酢酸Na緩衝液で定容し、糊化区とした。
5)上記3)および4)で調製した試験区および糊化区の試験液をそれぞれ0.4mlとり、それぞれに酵素溶液0.1mlを加えて、40℃で30分間酵素反応させた。同時に、ブランクとして、酵素溶液の代わりに失活酵素溶液0.1mlを加えたものも調製した。酵素反応は途中で反応液を時々攪拌させながら行った。
6)上記反応済液0.5mlにソモギー試薬0.5mlを添加し、沸騰浴中で15分間煮沸した。煮沸後、流水中で5分間冷却した後、ネルソン試薬1.0mlを添加・攪拌し、15分間放置した。
7)その後、脱塩水8.00mlを加えて攪拌し、500nmの吸光度を測定した。
(C)α化度の算出
下式によりα化度を算出した。
α化度(%)=(試験溶液の分解率)/(完全糊化試験溶液の分解率)×100
=(A−a)/(A’−a’)×100
式中、A、A’、aおよびa’は下記のとおりであった。
A =試験区の吸光度
A’=糊化区の吸光度
a =試験区のブランクの吸光度
a’=糊化区のブランクの吸光度
(試験例1)飛散試験
製造例1〜13の各造粒小麦粉を、それぞれ市販の粉チーズ用容器に120g毎充填し、水平に設置した平滑な平面の上に振出しを行った。振出しは、平面中央に設けた目印の直上30cmから行い、粉の残量が100gになるまで続けた。次いで、再度同じ容器に120gまで粉を充填し、別の平面に振出しを行った。このように各造粒小麦粉について振出しを計10回行った。その後、振出された造粒小麦粉の平面上での飛散範囲を計測し、前記目印から最も離れた小麦粉までの距離を求めた。10回の計測結果の平均値を表1に示す。なお、参考例として市販の小麦粉(日清製粉製「フラワー」)での結果を示す。
(試験例2)ダマ試験
製造例1〜13の各造粒小麦粉を200gずつ、10個のポリエチレン製のチャック付き袋に充填し、できるだけ空気を押し出した後に密閉した。各袋を室温で5日保存後、開封して22メッシュの篩を通し、篩上に残った重量をダマとした。10サンプルの平均値を表1に示す。なお、参考例として市販の小麦粉(日清製粉製「フラワー」)での結果を示す。
(試験例3)溶解性試験
製造例1〜13の各造粒小麦粉を10gずつ、10個のボウルにはった25℃の水道水100mL中に投入し、ホイッパー(60rpm)で攪拌し、ほぼ均一に分散するまでの時間を計測した。10サンプルの平均値を表1に示す。なお、参考例として市販の小麦粉(日清製粉製「フラワー」)の結果を示す。
Figure 0006021721
(試験例4)ハンドリング試験
製造例4の造粒小麦粉を市販の粉チーズ容器に充填した。この容器を片手で持ち上げて、振出し用の小孔から粉を鮭の切り身の上に振出した。その結果、粉が小孔に詰まることなく、また粉が周辺に飛散することなく、切り身の両面に薄く均一に粉を付着させることができた。

Claims (15)

  1. 小麦粉と水のみを、小麦粉100質量部に対して水25〜40質量部の量で、非加熱条件下で造粒することによって得られた造粒小麦粉であって、粒径が150μm未満の粉を30〜80体積%、および粒径150μm以上の粉を70〜20体積%含有する造粒小麦粉。
  2. 粒径が150μm未満の粉を35〜65体積%含有する、請求項1記載の造粒小麦粉。
  3. 50%累積粒径が105〜200μmである、請求項1又は2記載の造粒小麦粉。
  4. 非加熱条件が小麦粉のα化度を5%以上増加させない温度条件である、請求項1〜のいずれか1項記載の造粒小麦粉。
  5. 造粒が攪拌造粒である、請求項1〜のいずれか1項記載の造粒小麦粉。
  6. 小麦粉が粒径45μm未満の粉を40体積%未満含有する小麦粉である、請求項1〜のいずれか1項記載の造粒小麦粉。
  7. 造粒後にさらに粒径を調整して得られたものである、請求項1〜のいずれか1項記載の造粒小麦粉。
  8. 請求項1〜のいずれか1項記載の造粒小麦粉を振出容器に充填してなる振出用小麦粉。
  9. 小麦粉と水のみを非加熱条件下で造粒する工程を含む造粒小麦粉の製造方法であって、水の量が小麦粉100質量部に対して25〜40質量部であり、かつ得られた造粒小麦粉が、粒径が150μm未満の粉を30〜80体積%、および粒径150μm以上の粉を70〜20体積%含有するものである、方法。
  10. 得られた造粒小麦粉が、粒径が150μm未満の粉を35〜65体積%含有する、請求項記載の方法。
  11. 得られた造粒小麦粉の50%累積粒径が105〜200μmである、請求項又は10記載の方法。
  12. 非加熱条件が小麦粉のα化度を5%以上増加させない温度条件である、請求項11のいずれか1項記載の方法。
  13. 造粒が攪拌造粒である、請求項12のいずれか1項記載の方法。
  14. 小麦粉が粒径45μm未満の粉を40体積%未満含有する小麦粉である、請求項13のいずれか1項記載の方法。
  15. 造粒後に得られた造粒小麦粉の粒径を調整することをさらに含む、請求項14のいずれか1項記載の方法。
JP2013079748A 2013-04-05 2013-04-05 造粒小麦粉 Active JP6021721B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013079748A JP6021721B2 (ja) 2013-04-05 2013-04-05 造粒小麦粉

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013079748A JP6021721B2 (ja) 2013-04-05 2013-04-05 造粒小麦粉

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014200208A JP2014200208A (ja) 2014-10-27
JP6021721B2 true JP6021721B2 (ja) 2016-11-09

Family

ID=52351241

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013079748A Active JP6021721B2 (ja) 2013-04-05 2013-04-05 造粒小麦粉

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6021721B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2015118697A1 (ja) * 2014-02-10 2017-03-23 日清フーズ株式会社 容器入り小麦粉
WO2017163555A1 (ja) * 2016-03-22 2017-09-28 株式会社日清製粉グループ本社 小麦粉組成物の製造方法
JP6632960B2 (ja) * 2016-12-07 2020-01-22 オルガノフードテック株式会社 澱粉の製造方法
CN111436562B (zh) * 2018-12-29 2022-12-23 丰益(上海)生物技术研发中心有限公司 一种小麦粉组合物
WO2020213117A1 (ja) 2019-04-18 2020-10-22 日清フーズ株式会社 改質小麦粉
JP7320052B2 (ja) * 2019-04-18 2023-08-02 株式会社日清製粉ウェルナ ソース用食品素材
CN113747792A (zh) * 2019-04-18 2021-12-03 日清富滋株式会社 烘焙食品用混合料
JP7254910B2 (ja) * 2019-04-18 2023-04-10 株式会社日清製粉ウェルナ 打ち粉用組成物
CN116963610A (zh) 2021-04-28 2023-10-27 株式会社日清富滋 改性小麦粉的制造方法、裹衣油炸食品用面衣材料和裹衣油炸食品的制造方法
EP4331378A1 (en) 2021-04-28 2024-03-06 Nisshin Seifun Welna Inc. Modified starchy powder production method, fried food batter material, and fried food production method

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5157846A (en) * 1974-11-14 1976-05-20 Okawara Mfg Tenpurayo komugikono karyutaino seizohoho
JPS58209944A (ja) * 1982-05-29 1983-12-07 Q P Corp 即席粒状食品の製造方法
JP3075984U (ja) * 2000-08-30 2001-03-16 株式会社高敏 粉状物や粒状物等の収納振り出し容器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014200208A (ja) 2014-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6021721B2 (ja) 造粒小麦粉
JP6483651B2 (ja) 容器入り小麦粉
JP6093045B2 (ja) 容器入り小麦粉
JP5179461B2 (ja) 具材の旨みを逃さない衣材用ミックス
JP6022114B1 (ja) 容器入り小麦粉
JP6753928B2 (ja) 容器入り揚げ物用ミックス
JP5191981B2 (ja) 具材の旨みを逃さない衣材用ミックス
JP5965297B2 (ja) 薄力小麦粉
JP2022124937A (ja) 揚げ物衣用ミックス
JP5972207B2 (ja) 造粒小麦粉
JP5069969B2 (ja) 湿熱処理小麦粉、該小麦粉を用いたソース類またはフラワーペースト類用食品素材およびソース類またはフラワーペースト類
JP7231981B2 (ja) 馬鈴薯澱粉及び馬鈴薯澱粉組成物
JP7258780B2 (ja) 馬鈴薯澱粉
JP7316007B1 (ja) 粒状米粉加工物の製造方法、及び粒状米粉加工物
WO2019156098A1 (ja) 馬鈴薯澱粉及び馬鈴薯澱粉組成物
WO2020213118A1 (ja) 油ちょう食品用衣材
WO2020213117A1 (ja) 改質小麦粉
CN111669978A (zh) 马铃薯淀粉和马铃薯淀粉组合物
JP7323461B2 (ja) 馬鈴薯澱粉
JP2020156469A (ja) 微細米粉、その製造方法及びその用途
WO2020213121A1 (ja) ソース用食品素材
JP2017035096A (ja) 容器入り小麦粉

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150630

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160927

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161004

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6021721

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250