<第1の実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本第1の実施形態における撮像装置の概略構成を示したブロック図である。図1において、撮像装置10は、イメージセンサ100と、撮像IF(インターフェース)部200と、画像処理部300と、表示処理部400と、表示デバイス401と、カードIF(インターフェース)部500と、記録媒体501と、DRAMコントローラ600と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)601と、CPU700と、被写体検出部800と、を備えている。
撮像装置10内の撮像IF部200、画像処理部300、表示処理部400、カードIF部500、DRAMコントローラ600、CPU700、および被写体検出部800は、データバス900を介してそれぞれ接続され、例えば、DMA(Direct Memory Access)によってDRAMコントローラ600に接続されたDRAM601からのデータの読み出し、およびDRAM601へのデータの書き込みを行う。
撮像装置10は、1回の撮影で異なる画角の2つの画像を同時に撮影することができる。以下の説明においては、撮像装置10が撮影する2つの異なる画角の画像が、ズームレンズを広角側(ワイド側)にしたのと同様の状態で撮影されるワイド側の画像(以下、「ワイド側画像」という)と、ズームレンズを望遠側(テレ側)にしたのと同様の状態で撮影されるテレ側の画像(以下、「テレ側画像」という)とを、同時に撮影するものとする。
イメージセンサ100は、図示しないズームレンズによって結像された被写体の光学像を光電変換するCCD(Charge Copled Device:電荷結合素子)イメージセンサや、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサに代表される固体撮像装置である。イメージセンサ100は、被写体光に応じた画素信号を、入力画像データとして撮像IF部200に出力する。
イメージセンサ100は、全ての画素信号を出力する駆動モード(以下、「スチルモード」という)や、画素信号を加算して出力する駆動モード(以下、「画素加算モード」という)など、複数の駆動モードで駆動することができる。イメージセンサ100内には、イメージセンサ100の駆動モードの設定を行うレジスタ101を備えている。イメージセンサ100の駆動は、CPU700がレジスタ101に対して駆動モードを設定することによって変更することができる。
なお、イメージセンサ100の駆動モードを変更する構成は、図1に示したレジスタ101を使用する構成のみに限定されるものではなく、例えば、イメージセンサ100の入力端子の状態に応じて駆動モードを変更するなど、様々な構成が考えられる。
撮像IF部200は、イメージセンサ100から入力された入力画像データを取り込み、前処理、リサイズ処理、切り出し処理などの処理を施し、処理した結果の画像データを、DRAM601に転送する(書き込む)。撮像IF部200は、前処理部201と、第1の転送部202と、第2の転送部203と、を備えている。撮像IF部200に備えた第1の転送部202と第2の転送部203とによって、異なる画角の2つの画像を生成するためのそれぞれの画像データを、DRAM601に転送する(書き込む)。
前処理部201は、イメージセンサ100から入力された入力画像データに、キズ補正やシェーディング補正などの前処理を施し、前処理した結果の画像データ(以下、「前処理画像データ」という)を、第1の転送部202および第2の転送部203のそれぞれに出力する。
第1の転送部202および第2の転送部203のそれぞれは、前処理部201から入力された前処理画像データに対して、リサイズ処理や切り出し処理などの画角を変更する処理を施し、処理した結果の画像データを、DRAM601に転送する(書き込む)。より具体的には、撮像装置10においてワイド側画像とテレ側画像とを同時に撮影する際、第1の転送部202が前処理画像データに対して画角を変更する処理を行って、ワイド側の画角に変更した画像データ(以下、「ワイド側画像データ」という)を、DRAM601に転送する(書き込む)。また、第2の転送部203が前処理画像データに対して画角を変更する処理を行って、テレ側の画角に変更した画像データ(以下、「テレ側画像データ」という)を、DRAM601に転送する(書き込む)。なお、第1の転送部202および第2の転送部203が行う画角を変更する処理に関する詳細な説明は、後述する。
なお、第1の転送部202および第2の転送部203のそれぞれ(特に、第2の転送部203)が、画角を変更する処理を行う際には、後述する被写体検出部800が検出した主要被写体の位置や大きさの情報を利用して、適切な位置で適切な大きさの画角に変更することもできる。
また、撮像装置10において通常の撮影を行う際には、第1の転送部202が前処理画像データに対して処理を行った画像データを、DRAM601に転送する(書き込む)。なお、撮像装置10における通常の撮影動作は、従来の撮像装置と変わらないため説明は省略する。
画像処理部300は、DRAM601に記録されているワイド側画像データおよびテレ側画像データを取得し(読み出し)、ノイズ除去、YC変換処理、リサイズ処理、JPEG圧縮処理、およびMPEG圧縮処理やH.264圧縮処理等の動画圧縮処理などの各種の画像処理を施して、表示用の画像データや記録用の画像データを生成する。また、画像処理部300は、DRAM601に記録されている記録用の画像データを取得し(読み出し)、JPEG伸張処理、MPEG伸張処理やH.264伸張処理等の動画伸張処理などの各種の画像処理を施して、表示用の画像データを生成する。また、画像処理部300は、生成した表示用の画像データおよび記録用の画像データを、DRAM601に転送する(書き込む)。
画像処理部300内には、画像処理回路301と画像処理回路302との2つの画像処理回路を備えている。撮像装置10において通常の撮影を行う際には、画像処理回路301が画像処理を行って生成した表示用の画像データや記録用の画像データを、DRAM601に転送する(書き込む)。
また、撮像装置10においてワイド側画像とテレ側画像とを同時に撮影する際には、画像処理回路301が、ワイド側画像データに対して画像処理を行って生成した表示用の画像データや記録用の画像データを、DRAM601に転送する(書き込む)。また、画像処理回路302がテレ側画像データに対して画像処理を行って生成した表示用の画像データや記録用の画像データを、DRAM601に転送する(書き込む)。なお、画像処理回路301および画像処理回路302が行う画像処理に関する詳細な説明は、後述する。
表示処理部400は、DRAM601に記録されている表示用の画像データを取得し(読み出し)、取得した表示用の画像データにOSD(On−Screen Display)表示用のデータを重畳する処理などの表示処理を施す。そして、表示処理後の画像データを、表示デバイス401に出力する。
表示デバイス401は、TFT(薄膜トランジスター:Thin Film Transistor)液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示デバイスであり、表示処理部400から出力された表示処理後の画像データに応じた画像を表示する。
なお、表示デバイス401は、テレビなどの外部ディスプレイであってもよい。また、図1においては、表示デバイス401も撮像装置10の構成要素としているが、表示デバイス401は、撮像装置10に着脱可能な構成であってもよい。
カードIF部500は、DRAM601に記録されている記録用の画像データを取得し(読み出し)、記録媒体501に記録させる。また、カードIF部500は、記録媒体501に記録している画像データを読み出し、読み出した画像データを、DRAM601に転送する(書き込む)。
記録媒体501は、SDメモリカード(SD Memory Card)やコンパクトフラッシュ(CompactFlash:CF(登録商標))などの記録媒体であり、カードIF部500から出力された記録用の画像データを記録する。また、カードIF部500によって記録している画像データが読み出される。なお、図1においては、記録媒体501も撮像装置10の構成要素としているが、記録媒体501は、撮像装置10に着脱可能な構成である。
DRAMコントローラ600は、データバス900に接続されている撮像装置10内の複数の構成要素からのDRAM601へのアクセス要求、例えば、DMAアクセス要求に応じて、接続されているDRAM601へのデータの転送(書き込み)、およびDRAM601からのデータの取得(読み出し)を行う。
DRAM601は、DRAMコントローラ600によってアクセス制御されるメモリである。DRAM601は、撮像装置10内のそれぞれの構成要素の処理過程における様々なデータを記録する。
CPU700は、撮像装置10の構成要素、すなわち、撮像装置10全体を制御する。例えば、撮像装置10における撮影動作や再生動作に応じて、撮像装置10内の各構成要素の動作を制御する。また、CPU700は、撮像装置10が撮影動作を行う際に、イメージセンサ100に備えたレジスタ101に対して、イメージセンサ100の駆動モードを設定する。また、例えば、CPU700は、撮像装置10が撮影動作を行う際に、図示しないズームレンズを広角側(ワイド側)や望遠側(テレ側)、またはその中間の状態に制御する。
被写体検出部800は、撮影された主要被写体の位置や大きさを検出する。被写体検出部800は、画像の中の特徴点を検出する機能(顔検出や器官(目や鼻など)検出等)や、一旦検出した注目部分を追尾する機能(ブロックマッチングに代表される動きベクトル検出や、色成分の追尾等)を備え、これらの機能によって主要被写体の位置や大きさを検出する。被写体検出部800は、検出した主要被写体の位置や大きさの情報を、DRAM601に転送する(書き込む)。
なお、被写体検出部800が検出した主要被写体の位置や大きさの情報を、直接、CPU700に出力する構成や、撮像IF部200内の第1の転送部202および第2の転送部203のそれぞれに出力する構成であってもよい。
このような構成によって撮像装置10は、異なる画角の2つの画像(ワイド側画像とテレ側画像)を同時に撮影する。
次に、撮像装置10においてワイド側画像とテレ側画像とを同時に撮影する動作について説明する。図2は、本第1の実施形態の撮像装置10において異なる画角の画像の生成に関わる構成要素の概略構成を示したブロック図である。図2には、図1に示した撮像装置10の構成要素の内、ワイド側画像とテレ側画像とを同時に撮影する動作に関わる、イメージセンサ100と、撮像IF部200と、画像処理部300と、データバス900とのみを示している。
図2に示したように、撮像装置10では、撮像IF部200に備えた第1の転送部202が、画角を変更する処理の機能として「水平垂直リサイズ処理機能」を備え、第2の転送部203が、画角を変更する処理の機能として「切り出し処理機能」を備えている。以下の説明においては、撮像装置10が動画を撮影する場合について説明する。撮像装置10における動画の撮影は、以下の手順で行われる。
(手順1):まず、ズームレンズを広角側(ワイド側)にした状態で、被写体の光学像をイメージセンサ100に結像する。イメージセンサ100は、結像した被写体光に応じた画素信号(入力画像データ)を撮像IF部200に出力する。
(手順2):撮像IF部200は、イメージセンサ100から入力された入力画像データに対して、まず、前処理部201が前処理を施し、前処理画像データを第1の転送部202および第2の転送部203のそれぞれに出力する。その後、第1の転送部202は、前処理部201から入力された前処理画像データに対して水平垂直リサイズ処理を施し、ワイド側画像データをDRAM601に記録する(書き込む)。また、第2の転送部203は、前処理部201から入力された前処理画像データに対して切り出し処理を施し、テレ側画像データをDRAM601に記録する(書き込む)。
(手順3):画像処理部300は、DRAM601に記録されているワイド側画像データおよびテレ側画像データに対してH.264の動画圧縮処理を施したワイド側およびテレ側の表示用の画像データ(以下、「表示動画データ」という)と記録用の画像データ(以下、「記録動画データ」という)とを生成し、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。
なお、画像処理部300が動画圧縮処理を行う際、上述したように、画像処理回路301および画像処理回路302のそれぞれは、ワイド側画像データまたはテレ側画像データのいずれか一方の画像データに対してのみ動画圧縮処理を行い、表示動画データと記録動画データとをそれぞれ生成するが、以下の説明において表示動画データと記録動画データとを区別せずに表す場合には、単に「動画データ」という。
その後、表示処理部400が、DRAM601に記録されている表示動画データを表示デバイス401に表示させる。このとき、表示処理部400は、ワイド側またはテレ側のいずれか一方の表示動画データのみを表示デバイス401の全面に表示させることができる。また、表示処理部400は、ワイド側およびテレ側の2つの表示動画データを同時に、例えば、表示デバイス401の左右に分割して表示させることもできる。
また、カードIF部500が、DRAM601に記録されている記録動画データを記録媒体501に記録させる。このとき、カードIF部500は、ワイド側およびテレ側の2つの記録動画データを、それぞれ関連した別のファイルとして記録媒体501に記録させることができる。また、カードIF部500は、ワイド側およびテレ側の2つの記録動画データを結合(マージ)して1つのファイルとして記録媒体501に記録させることもできる。また、カードIF部500は、ワイド側またはテレ側のいずれか一方の記録動画データのみを記録媒体501に記録させることもできる。
このような手順によって、撮像装置10では、ズームレンズを広角側(ワイド側)にした状態で撮影した入力画像データから、ワイド側画像データとテレ側画像データとの2つの画角の画像データを生成し、画像処理部300で2つの画像データに対してそれぞれ動画圧縮処理を行うことによって、ワイド側の動画データとテレ側の動画データとを生成する。そして、ワイド側とテレ側との2つの表示動画データを表示デバイス401に表示しながら、ワイド側とテレ側との2つの記録動画データを記録媒体501に記録(保存)する。これにより、被写体が大きく動いている場合でも、撮影者(ユーザ)が被写体を見失うことなく撮影することができる。
ここで、撮像装置10においてワイド側画像とテレ側画像とを同時に撮影する際の各構成要素の動作について、それぞれの構成要素が処理する画像の大きさ(サイズ)、すなわち、処理する画像データの画素数に着目して説明する。撮像装置10に備えた各構成要素の動作は、主要被写体の大きさに応じたテレ側画像の画角の大きさ(サイズ)、すなわち、ワイド側画像から切り出すテレ側画像の画角に含まれる画像データの画素数の違いによって異なる。
図3〜図5は、本第1の実施形態の撮像装置10において異なる画角の画像を生成する各処理段階の画素数の関係の一例を説明する図である。図3〜図5のそれぞれには、テレ側画像の画角の大きさによって異なる各構成要素の動作の違いを示している。なお、図3〜図5は、イメージセンサ100の有効画素数が1800万画素(18Mpixel)である場合において、撮像装置10が、イメージセンサ100の入力画像データから200万画素(2Mpixel)のワイド側の動画データおよびテレ側の動画データを生成する一例である。
最初に、図3を参照して、テレ側画像として切り出すテレ側画像データの画素数と、撮像装置10が生成するテレ側の動画データの画素数(2Mpixel)とが同じ画素数である場合における、各処理段階の画像データの画素数の関係を説明する。まず、撮像装置10がワイド側の動画データを生成する際に各構成要素が処理する画像データの画素数の関係について説明する。
撮像装置10によるワイド側の動画データの生成では、イメージセンサ100を、全ての画素信号を出力するスチルモードで駆動して、図3(a)に示したイメージセンサ100の有効画素の全体の領域Aの入力画像データ(18Mpixel)を、撮像IF部200に出力させる(図3(b)参照)。
その後、撮像IF部200は、イメージセンサ100から入力された入力画像データ(18Mpixel)に対して前処理部201によって前処理を施し、前処理画像データ(18Mpixel)を第1の転送部202に出力する。そして、第1の転送部202が前処理画像データに対して水平垂直リサイズ処理を行って、図3(c)に示したように、画素数を変更したワイド側画像データを、DRAM601に記録する(書き込む)。より具体的には、第1の転送部202が、18Mpixelの前処理画像データの水平方向を1/3に縮小し、垂直方向を1/3に縮小する水平垂直リサイズ処理を行って、2Mpixelのワイド側画像データに変更して、DRAM601に記録する(書き込む)。
その後、画像処理部300は、撮像IF部200が水平垂直リサイズ処理したワイド側画像データ(2Mpixel)に対して動画圧縮処理を施して、図3(d)に示したような2Mpixelのワイド側の動画データを生成し、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。より具体的には、画像処理回路301が、第1の転送部202が水平垂直リサイズ処理した2Mpixelのワイド側画像データに対してH.264の動画圧縮処理を施し、2Mpixelのワイド側の動画データを生成して、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。ここで生成された2Mpixelのワイド側の動画データが、その後、表示デバイス401に表示されたり、記録媒体501に記録(保存)されたりする。
続いて、撮像装置10がテレ側の動画データを生成する際に各構成要素が処理する画像データの画素数の関係について説明する。撮像装置10によるテレ側の動画データの生成では、イメージセンサ100の有効画素の全体の領域Aから、図3(a)に示したように、例えば、中心部分の2Mpixelを切り出した領域Bの入力画像データを処理する。
撮像IF部200では、前処理部201が前処理を施した領域Aに対応した18Mpixelの前処理画像データが第2の転送部203にも出力される。そして、第2の転送部203は、前処理画像データに対して切り出し処理を行って、図3(c)に示したように、領域Bに対応したテレ側画像データを、DRAM601に記録する(書き込む)。より具体的には、第2の転送部203が、18Mpixelの前処理画像データの中心部分を切り出して2Mpixelのテレ側画像データを生成し、DRAM601に記録する(書き込む)。
その後、画像処理部300は、撮像IF部200が切り出し処理したテレ側画像データ(2Mpixel)に対して動画圧縮処理を施して、図3(d)に示したような2Mpixelのテレ側の動画データを生成し、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。より具体的には、画像処理回路302が、第2の転送部203が切り出し処理した2Mpixelのテレ側画像データに対してH.264の動画圧縮処理を施し、2Mpixelのテレ側の動画データを生成して、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。ここで生成された2Mpixelのテレ側の動画データが、その後、表示デバイス401に表示されたり、記録媒体501に記録(保存)されたりする。
次に、図4を参照して、テレ側画像として切り出すテレ側画像データの画素数が、撮像装置10が生成するテレ側の動画データの画素数(2Mpixel)よりも少ない画素数である場合、すなわち、ワイド側画像に写っている主要被写体が小さい場合における、各処理段階の画像データの画素数の関係を説明する。
なお、ワイド側画像に写っている主要被写体が小さい場合において、撮像装置10がワイド側の動画データを生成する際に各構成要素が処理する画像データの画素数の関係は、図3に示した関係と同様である。従って、図4を参照した撮像装置10によるワイド側の動画データの生成に関する説明は省略する。
続いて、ワイド側画像に写っている主要被写体が小さい場合において、撮像装置10がテレ側の動画データを生成する際に各構成要素が処理する画像データの画素数の関係について説明する。
ワイド側画像に写っている主要被写体が小さい場合における撮像装置10によるテレ側の動画データの生成では、イメージセンサ100の有効画素の全体の領域Aから、図4(a)に示したように、例えば、中心部分の1Mpixelを切り出した領域Cの入力画像データを処理する。このとき、第2の転送部203は、前処理部201が前処理を施した領域Aに対応した18Mpixelの前処理画像データに対して切り出し処理を行って、図4(c)に示したように、領域Cに対応したテレ側画像データを、DRAM601に記録する(書き込む)。より具体的には、第2の転送部203が、18Mpixelの前処理画像データの中心部分を切り出して1Mpixelのテレ側画像データを生成し、DRAM601に記録する(書き込む)。
その後、画像処理部300は、撮像IF部200が切り出し処理したテレ側画像データ(1Mpixel)に対して、撮像装置10が生成するテレ側の動画データの画素数(2Mpixel)への拡大処理を行いながら動画圧縮処理を施して、図4(d)に示したような2Mpixelのテレ側の動画データを生成し、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。より具体的には、画像処理回路302が、第2の転送部203が切り出し処理した1Mpixelのテレ側画像データを2Mpixelのテレ側画像データに変換する拡大処理を行う。そして、画像処理回路302は、拡大処理後の2Mpixelのテレ側画像データに対してH.264の動画圧縮処理を施し、2Mpixelのテレ側の動画データを生成して、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。ここで生成された2Mpixelのテレ側の動画データが、その後、表示デバイス401に表示されたり、記録媒体501に記録(保存)されたりする。
次に、図5を参照して、テレ側画像として切り出すテレ側画像データの画素数が、撮像装置10が生成するテレ側の動画データの画素数(2Mpixel)よりも多い画素数である場合、すなわち、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合における、各処理段階の画像データの画素数の関係を説明する。まず、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合において、撮像装置10がワイド側の動画データを生成する際に各構成要素が処理する画像データの画素数の関係について説明する。
ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合における撮像装置10によるワイド側の動画データの生成では、図5(a)に示したイメージセンサ100の有効画素の全体の領域Aの入力画像データ(18Mpixel)を撮像IF部200に出力する際に、イメージセンサ100を、画素信号を加算して出力する画素加算モードで駆動する。なお、イメージセンサ100の駆動モードの画素加算モードへの変更(設定)は、イメージセンサ100が入力画像データを出力する前に、CPU700が行う。これにより、イメージセンサ100は、図5(b)に示したように、画素加算を行うことによって18Mpixelから画素数を減らした入力画像データを、撮像IF部200に出力する。より具体的には、イメージセンサ100が、18Mpixelの入力画像データの水平方向を1/2に縮小し、垂直方向を1/2に縮小する画素加算を行って、4.5Mpixelに変更した入力画像データを、撮像IF部200に出力する。なお、この場合においても、イメージセンサ100が撮像した画角は変わらない。
その後、撮像IF部200は、イメージセンサ100から入力された入力画像データ(4.5Mpixel)に対して前処理部201によって前処理を施し、前処理画像データ(4.5Mpixel)を第1の転送部202に出力する。そして、第1の転送部202が前処理画像データに対して水平垂直リサイズ処理を行って、図5(c)に示したように、画素数を変更したワイド側画像データを、DRAM601に記録する(書き込む)。より具体的には、第1の転送部202が、4.5Mpixelの前処理画像データの水平方向を1/1.5に縮小し、垂直方向を1/1.5に縮小する水平垂直リサイズ処理を行って、2Mpixelのワイド側画像データに変更して、DRAM601に記録する(書き込む)。
その後、画像処理部300は、撮像IF部200が水平垂直リサイズ処理したワイド側画像データ(2Mpixel)に対して動画圧縮処理を施して、図5(d)に示したような2Mpixelのワイド側の動画データを生成し、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。より具体的には、画像処理回路301が、第1の転送部202が水平垂直リサイズ処理した2Mpixelのワイド側画像データに対してH.264の動画圧縮処理を施し、2Mpixelのワイド側の動画データを生成して、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。ここで生成された2Mpixelのワイド側の動画データが、その後、表示デバイス401に表示されたり、記録媒体501に記録(保存)されたりする。
続いて、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合において、撮像装置10がテレ側の動画データを生成する際に各構成要素が処理する画像データの画素数の関係について説明する。
ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合における撮像装置10によるテレ側の動画データの生成では、イメージセンサ100の有効画素の全体の領域Aから、図5(a)に示したように、例えば、中心部分の6Mpixelを切り出した領域Dの入力画像データを処理する。なお、撮像IF部200には、イメージセンサ100が画素加算を行うことによって4.5Mpixelに画素数を減らした入力画像データが入力されるため、撮像IF部200は、イメージセンサ100から切り出す6Mpixelの領域Dに対応する、画素加算後の領域の入力画像データに対して処理を行う。従って、第2の転送部203は、前処理部201が前処理を施した領域Aに対応した4.5Mpixelの前処理画像データに対して切り出し処理を行って、図5(c)に示したように、領域Dに対応した1.5Mpixelのテレ側画像データを、DRAM601に記録する(書き込む)。より具体的には、第2の転送部203が、4.5Mpixelの前処理画像データの中心部分から、領域Dを水平方向におよび垂直方向にそれぞれ1/2に縮小した領域に対応した領域を切り出して1.5Mpixelのテレ側画像データを生成し、DRAM601に記録する(書き込む)。
その後、画像処理部300は、撮像IF部200が切り出し処理したテレ側画像データ(1.5Mpixel)に対して、撮像装置10が生成するテレ側の動画データの画素数(2Mpixel)への拡大処理を行いながら動画圧縮処理を施して、図5(d)に示したような2Mpixelのテレ側の動画データを生成し、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。より具体的には、画像処理回路302が、第2の転送部203が切り出し処理した1.5Mpixelのテレ側画像データを2Mpixelのテレ側画像データに変換する拡大処理を行う。そして、画像処理回路302は、拡大処理後の2Mpixelのテレ側画像データに対してH.264の動画圧縮処理を施し、2Mpixelのテレ側の動画データを生成して、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。ここで生成された2Mpixelのテレ側の動画データが、その後、表示デバイス401に表示されたり、記録媒体501に記録(保存)されたりする。
このように、撮像装置10では、テレ側画像として切り出すテレ側画像データの画素数に応じて、イメージセンサ100の駆動モードを変更する。これにより、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい、すなわち、テレ側画像として切り出すテレ側画像データの画素数が多い場合でも、実際に画像処理を行う画素数を減らすことができる。
なお、テレ側画像として切り出すテレ側画像データの画素数に関わらず、常にイメージセンサ100の駆動モードを変更する、つまり、常に画素加算モードでイメージセンサ100を駆動することも考えられる。しかし、この場合には、テレ側画像データの画素数が、撮像装置10が生成するテレ側の動画データの画素数(2Mpixel)よりも少ない画素数であっても、つまり、ワイド側画像に写っている主要被写体が小さくても、入力画像データの画素数がイメージセンサ100によって減らされることになる。このため、テレ側の動画データは、画素数が減らされた入力画像データから切り出したテレ側画像データに基づいて生成されることになり、テレ側画像の画質が低下してしまう。このことから、テレ側画像として切り出すテレ側画像データの画素数が、撮像装置10が生成するテレ側の動画データの画素数とが同じまたは少ない場合には、イメージセンサ100の駆動モードを変更しない方が、画質の観点で有利である。
なお、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合においては、図3に示したテレ側画像データの画素数がテレ側の動画データの画素数と同じ画素数である場合や、図4に示したテレ側画像データの画素数がテレ側の動画データの画素数よりも少ない画素数である場合と同様に、イメージセンサ100を駆動することもできる。つまり、テレ側画像として切り出すテレ側画像データの画素数が、撮像装置10が生成するテレ側の動画データの画素数よりも多い画素数である場合においても、イメージセンサ100の駆動モードを変更せずにスチルモードで駆動し、イメージセンサ100の有効画素の全体の領域Aの入力画像データ(18Mpixel)から、テレ側の動画データを生成することもできる。
しかし、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合においては、上述したように、イメージセンサ100の駆動モードを画素加算モードに変更してテレ側の動画データを生成する方が望ましい。これは、第2の転送部203が備えている画角を変更する処理の機能が切り出し処理機能のみであるため、第2の転送部203が切り出し処理を行ってDRAM601に記録する(書き込む)テレ側画像データの画素数が多くなってしまい、次に画像処理を行う画像処理回路302の処理負荷が増大してしまうからである。このため、イメージセンサ100の駆動モードを画素加算モードに変更して、図5(b)に示したように、第2の転送部203が切り出し処理を行ってDRAM601に記録する(書き込む)テレ側画像データの画素数を少なくした方が、画像処理を行う際の負荷が増大せず、画像処理回路302の処理負荷の観点で有利である。
ここで、仮に、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合において、イメージセンサ100の駆動モードを変更せずに、すなわち、イメージセンサ100をスチルモードで駆動した場合における、各処理段階の画像データの画素数の関係を説明する。まず、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合において、撮像装置10がワイド側の動画データを生成する際に各構成要素が処理する画像データの画素数の関係について説明する。
ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合における撮像装置10によるワイド側の動画データの生成において、イメージセンサ100を、全ての画素信号を出力するスチルモードで駆動して、図5(e)に示したイメージセンサ100の有効画素の全体の領域Aの入力画像データ(18Mpixel)を、撮像IF部200に出力させる(図5(f)参照)。なお、図5(e)に示したイメージセンサ100における領域Aは、図5(a)に示したイメージセンサ100における領域Aと同じである。
その後、撮像IF部200は、イメージセンサ100から入力された入力画像データ(18Mpixel)に対して前処理部201によって前処理を施し、前処理画像データ(18Mpixel)を第1の転送部202に出力する。そして、第1の転送部202が、18Mpixelの前処理画像データの水平方向を1/3に縮小し、垂直方向を1/3に縮小する水平垂直リサイズ処理を行って、図5(g)に示したように、画素数を変更した2Mpixelのワイド側画像データを生成し、DRAM601に記録する(書き込む)。
その後、画像処理部300において、画像処理回路301が、第1の転送部202が水平垂直リサイズ処理した2Mpixelのワイド側画像データに対してH.264の動画圧縮処理を施し、図5(h)に示したような2Mpixelのワイド側の動画データを生成して、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。
続いて、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合において、撮像装置10がテレ側の動画データを生成する際に各構成要素が処理する画像データの画素数の関係について説明する。撮像装置10によるテレ側の動画データの生成においても、図5(a)に示した領域Dと同じ、例えば、中心部分の6Mpixelを切り出した領域Dの入力画像データを処理する。
撮像IF部200においては、第2の転送部203が、18Mpixelの前処理画像データの中心部分の切り出し処理を行って、図5(g)に示したように、領域Dに対応した6Mpixelのテレ側画像データを生成し、DRAM601に記録する(書き込む)。
その後、画像処理部300は、撮像IF部200が切り出し処理したテレ側画像データ(6Mpixel)に対して、撮像装置10が生成するテレ側の動画データの画素数(2Mpixel)への縮小処理を行いながら動画圧縮処理を施して、図5(h)に示したような2Mpixelのテレ側の動画データを生成し、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。より具体的には、画像処理回路302が、第2の転送部203が切り出し処理した6Mpixelのテレ側画像データを2Mpixelのテレ側画像データに変換する縮小処理を行う。そして、画像処理回路302は、縮小処理後の2Mpixelのテレ側画像データに対してH.264の動画圧縮処理を施し、2Mpixelのテレ側の動画データを生成して、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。
このように、撮像装置10では、イメージセンサ100の駆動モードを画素加算モードに変更することによって、イメージセンサ100で入力画像データを縮小する代わりに、画像処理回路302が縮小処理を行うことによって、同様のテレ側の動画データ(2Mpixel)を生成することができる。
しかし、図5(c)と図5(g)とを比べてわかるように、画像処理回路302が画像処理するテレ側画像データの画素数は、図5(g)の方、つまり、イメージセンサ100の駆動モードを変更せずにテレ側の動画データを生成する方が多くなる。これは、画像処理回路302の処理負荷が増大するばかりではなく、撮像装置10のデータバス900を介したDMAアクセスによってDRAM601に転送されるテレ側画像データの量が多いことを表している。より具体的には、第2の転送部203がDRAM601に記録する(書き込む)テレ側画像データ(1.5Mpixel)と、画像処理回路302がDRAM601から取得する(読み出す)テレ側画像データ(1.5Mpixel)とを合わせると、イメージセンサ100の駆動モードを変更した場合は3Mpixelであるのに対して、イメージセンサ100の駆動モードを変更しない場合は、6Mpixel+6Mpixelの12Mpixelとなる。このように、テレ側画像データの量が多いと、撮像装置10における連写間隔の低下や、動画撮影のコマ落ちや、消費電力の増大などの問題となってしまう可能性がある。従って、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合には、イメージセンサ100の駆動モードを変更しないでテレ側の動画データを生成する図5(e)〜図5(h)に示した関係の処理よりも、イメージセンサ100の駆動モードを変更してテレ側の動画データを生成する図5(a)〜図5(d)に示した関係の処理の方が、画像処理回路302の処理負荷の観点や、撮像装置10の性能の観点で有利である。すなわち、イメージセンサ100の駆動モードを変更してテレ側の動画データを生成することによって、撮像装置10における連写間隔の低下や、動画撮影のコマ落ちや、消費電力の増大などの撮像装置10の性能の低下を抑えることができる。
このように、撮像装置10では、テレ側画像として切り出すテレ側画像データの画素数が多い場合には、イメージセンサ100の駆動モードを変更することによって、画像処理回路302の処理負荷の観点や、撮像装置10の性能の観点で有利な状態で、テレ側画像を生成することができる。ただし、上述したように、テレ側画像として切り出すテレ側画像データの画素数が、撮像装置10が生成するテレ側の動画データの画素数とが同じまたは少ない場合を考えた場合、イメージセンサ100の駆動モードを画素加算モードに変更すると、画質の観点では不利になってしまう可能性がある。このことから、本第1の実施形態の撮像装置10では、テレ側画像として切り出すテレ側画像データの画素数が、撮像装置10が生成するテレ側の動画データの画素数よりも多い画素数である場合に、イメージセンサ100の駆動モードを画素加算モードに変更する一例を説明したが、イメージセンサ100の駆動モードを変更すると判断するためのテレ側画像データの画素数の閾値は、処理負荷の観点、性能の観点、および画質の観点を考慮して決定することが望ましい。従って、撮像装置10は、今回説明した判断基準を適用した構成のみに限定されるものではなく、例えば、テレ側画像として切り出すテレ側画像データの画素数が、予め定めた画素数以上である場合に、イメージセンサ100の駆動モードを画素加算モードに変更すると判断する構成であってもよい。
上記に述べたとおり、本第1の実施形態の撮像装置10では、ワイド側画像とテレ側画像とを同時に撮影する際に、ワイド側画像に写っている主要被写体の大きさに応じて、イメージセンサ100から入力画像データを読み出すための駆動モードを変更する。より具体的には、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合には、イメージセンサ100の駆動モードを、スチルモードから画素加算モードに変更する。これにより、従来の撮像装置では、主要被写体の大きさに依存して、特に、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きいと、ワイド側画像から切り出して画像処理を行うテレ側画像の画素数が増大し、画像データの転送や画像処理の負荷が大きくなってしまっていたが、本第1の実施形態の撮像装置10では、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合であっても、ワイド側画像から切り出して画像処理を行うテレ側画像の画素数の増大を抑えることができ、画像データの転送や画像処理の負荷を低減することができる。このことにより、本第1の実施形態の撮像装置10では、画像処理の処理時間が延びることなく、ワイド側画像とテレ側画像とを同時に撮影することができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態の撮像装置について説明する。本第2の実施形態の撮像装置は、図1に示した第1の実施形態の撮像装置10に備えたイメージセンサ100と撮像IF部200のみが異なる。従って、本第2の実施形態の撮像装置の説明においては、第1の実施形態の撮像装置10と異なる構成要素および動作のみを説明し、第1の実施形態の撮像装置10と同様の構成要素および動作に関する詳細な説明は省略する。なお、以下の説明においては、本第2の実施形態の撮像装置を撮像装置20とし、第1の実施形態の撮像装置10に備えたイメージセンサ100と異なるイメージセンサをイメージセンサ110とし、第1の実施形態の撮像装置10に備えた撮像IF部200と異なる撮像IF部を撮像IF部210として説明する。また、撮像装置20に備えた第1の実施形態の撮像装置10と同様の構成要素には、同一の符号を付加して説明する。
ここで、撮像装置20において、第1の実施形態の撮像装置10と同様に、ワイド側画像とテレ側画像との同時撮影に関わる構成について説明する。図6は、本第2の実施形態の撮像装置20において異なる画角の画像の生成に関わる構成要素の概略構成を示したブロック図である。図6には、撮像装置20においてワイド側画像とテレ側画像とを同時に撮影する動作に関わる、イメージセンサ110、撮像IF部210、および画像処理部300の各構成要素と、データバス900とを示している。
イメージセンサ110は、第1の実施形態の撮像装置10に備えたイメージセンサ100と同様に、図示しないズームレンズによって結像された被写体の光学像を光電変換し、被写体光に応じた画素信号を、入力画像データとして撮像IF部210に出力する。
イメージセンサ110は、イメージセンサ110内に備えたレジスタ111を設定することによって、全ての画素信号を出力するスチルモードや、画素信号をライン毎に加算または間引いて出力する駆動モード(以下、「ライン加算モード」という)など、複数の駆動モードで駆動することができる。イメージセンサ110の駆動モードは、第1の実施形態の撮像装置10に備えたイメージセンサ100と同様に、CPU700がレジスタ111に対して駆動モードを設定することによって変更することができる。
なお、イメージセンサ110の駆動モードを変更する構成は、図6に示したレジスタ111を使用する構成のみに限定されるものではなく、例えば、イメージセンサ110の入力端子の状態に応じて駆動モードを変更するなど、様々な構成が考えられる。また、イメージセンサ110は、第1の実施形態の撮像装置10に備えたイメージセンサ100と同様に、画素信号を画素毎に加算して出力する画素加算モードで駆動することができるものであってもよい。
撮像IF部210は、第1の実施形態の撮像装置10に備えた撮像IF部200と同様に、イメージセンサ110から入力された入力画像データを取り込み、前処理、リサイズ処理、切り出し処理などの処理を施した結果の画像データを、DRAM601に転送する(書き込む)。撮像IF部210は、前処理部201と、第1の転送部202と、第2の転送部213と、を備えている。
前処理部201および第1の転送部202のそれぞれは、第1の実施形態の撮像装置10に備えた撮像IF部200内の前処理部201および第1の転送部202のそれぞれと同じであるため、説明は省略する。
第2の転送部213は、第1の実施形態の撮像装置10に備えた撮像IF部200内の第2の転送部203と同様に、前処理部201から入力された前処理画像データに対して、リサイズ処理や切り出し処理などの画角を変更する処理を施した結果の画像データを、DRAM601に転送する(書き込む)。図6に示したように、第2の転送部213は、画角を変更する処理の機能として「切り出し処理機能」と「水平リサイズ処理機能」とを備えている。
なお、撮像IF部210においても、第1の実施形態の撮像装置10に備えた撮像IF部200と同様に、撮像装置20においてワイド側画像とテレ側画像とを同時に撮影する際、第1の転送部202が前処理画像データに対して水平垂直リサイズ処理を行ったワイド側画像データと、第2の転送部213が前処理画像データに対して水平リサイズ処理を行ったテレ側画像データとを、それぞれDRAM601に転送する(書き込む)。なお、第1の転送部202および第2の転送部213が行う画角を変更する処理に関する詳細な説明は、後述する。
次に、撮像装置20においてワイド側画像とテレ側画像とを同時に撮影する動作について説明する。なお、撮像装置20において動画を撮影する手順は、第1の実施形態の撮像装置10で動画を撮影する手順において、対応するそれぞれの構成要素の動作を置き換えることで同様に考えることができるため、説明は省略する。
ここで、撮像装置20においてワイド側画像とテレ側画像とを同時に撮影する際の各構成要素の動作について、それぞれの構成要素が処理する画像データの画素数に着目して説明する。撮像装置20に備えた各構成要素の動作は、第1の実施形態の撮像装置10に備えた各構成要素の動作と同様に、主要被写体の大きさに応じたテレ側画像の画角の大きさ(サイズ)、すなわち、ワイド側画像から切り出すテレ側画像の画角に含まれる画像データの画素数の違いによって異なる。
図7は、本第2の実施形態の撮像装置20において異なる画角の画像を生成する各処理段階の画素数の関係の一例を説明する図である。図7は、テレ側画像として切り出すテレ側画像データの画素数が、撮像装置20が生成するテレ側の動画データの画素数よりも多い画素数である場合、すなわち、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合における、各処理段階の画像データの画素数の関係を示している。なお、図7は、イメージセンサ110の有効画素数が1800万画素(18Mpixel)である場合において、撮像装置20が、イメージセンサ110の入力画像データから200万画素(2Mpixel)のワイド側の動画データおよびテレ側の動画データを生成する一例である。
なお、テレ側画像データの画素数が、撮像装置20が生成するテレ側の動画データの画素数と同じ画素数(2Mpixel)である場合や、撮像装置20が生成するテレ側の動画データの画素数(2Mpixel)よりも少ない画素数である場合における各処理段階の画像データの画素数の関係は、図3や図4に示した第1の実施形態の撮像装置10における各処理段階の画像データの画素数の関係と同様であるため、説明は省略する。
図7を参照して、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合における、各処理段階の画像データの画素数の関係を説明する。まず、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合において、撮像装置20がワイド側の動画データを生成する際に各構成要素が処理する画像データの画素数の関係について説明する。
ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合における撮像装置20によるワイド側の動画データの生成では、図7(a)に示したイメージセンサ110の有効画素の全体の領域Aの入力画像データ(18Mpixel)を撮像IF部210に出力する際に、イメージセンサ110を、画素信号をライン毎に加算または間引いて出力するライン加算モードで駆動する。なお、イメージセンサ110の駆動モードのライン加算モードへの変更(設定)は、第1の実施形態の撮像装置10と同様に、イメージセンサ110が入力画像データを出力する前に、CPU700が行う。これにより、イメージセンサ110は、図7(b)に示したように、ライン加算またはライン間引きを行うことによって18Mpixelから画素数を減らした入力画像データを、撮像IF部210に出力する。より具体的には、イメージセンサ110が、18Mpixelの入力画像データの垂直方向を1/2に縮小するライン加算またはライン間引きを行って、9Mpixelに変更した入力画像データを、撮像IF部210に出力する。なお、この場合においても、イメージセンサ110が撮像した画角は変わらない。
その後、撮像IF部210は、イメージセンサ110から入力された入力画像データ(9Mpixel)に対して前処理部201によって前処理を施し、前処理画像データ(9Mpixel)を第1の転送部202に出力する。そして、第1の転送部202が前処理画像データに対して水平垂直リサイズ処理を行って、図7(c)に示したように、画素数を変更したワイド側画像データを、DRAM601に記録する(書き込む)。より具体的には、第1の転送部202が、9Mpixelの前処理画像データの水平方向を1/3に縮小し、垂直方向を1/1.5に縮小する水平垂直リサイズ処理を行って、2Mpixelのワイド側画像データに変更して、DRAM601に記録する(書き込む)。
その後、画像処理部300は、撮像IF部210が水平垂直リサイズ処理したワイド側画像データ(2Mpixel)に対して動画圧縮処理を施して、図7(d)に示したような2Mpixelのワイド側の動画データを生成し、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。より具体的には、画像処理回路301が、第1の転送部202が水平垂直リサイズ処理した2Mpixelのワイド側画像データに対してH.264の動画圧縮処理を施し、2Mpixelのワイド側の動画データを生成して、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。ここで生成された2Mpixelのワイド側の動画データが、その後、表示デバイス401に表示されたり、記録媒体501に記録(保存)されたりする。
続いて、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合において、撮像装置20がテレ側の動画データを生成する際に各構成要素が処理する画像データの画素数の関係について説明する。
ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合における撮像装置20によるテレ側の動画データの生成では、イメージセンサ110の有効画素の全体の領域Aから、図7(a)に示したように、例えば、中心部分の6Mpixelを切り出した領域Dの入力画像データを処理する。なお、撮像IF部210には、イメージセンサ110がライン加算またはライン間引きを行うことによって9Mpixelに画素数を減らした入力画像データが入力されるため、撮像IF部210は、イメージセンサ110から切り出す6Mpixelの領域Dに対応する、ライン加算またはライン間引き後の領域の入力画像データに対して処理を行う。従って、第2の転送部213は、前処理部201が前処理を施した領域Aに対応した9Mpixelの前処理画像データに対して切り出し処理および水平リサイズ処理を行って、図7(c)に示したように、領域Dに対応した1.8Mpixelのテレ側画像データを、DRAM601に記録する(書き込む)。より具体的には、第2の転送部213が、9Mpixelの前処理画像データの中心部分から、領域Dをライン加算またはライン間引きして垂直方向を1/2に縮小した3Mpixelの領域を切り出して、さらに水平方向のみ3/5に縮小する水平リサイズ処理を行って、1.8Mpixelのテレ側画像データに変更して、DRAM601に記録する(書き込む)。
その後、画像処理部300は、撮像IF部210が水平リサイズ処理したテレ側画像データ(1.8Mpixel)に対して、撮像装置20が生成するテレ側の動画データの画素数(2Mpixel)への拡大処理を行いながら動画圧縮処理を施して、図7(d)に示したような2Mpixelのテレ側の動画データを生成し、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。より具体的には、画像処理回路302が、第2の転送部213が水平リサイズ処理した1.8Mpixelのテレ側画像データを2Mpixelのテレ側画像データに変換する拡大処理を行う。そして、画像処理回路302は、拡大処理後の2Mpixelのテレ側画像データに対してH.264の動画圧縮処理を施し、2Mpixelのテレ側の動画データを生成して、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。ここで生成された2Mpixelのテレ側の動画データが、その後、表示デバイス401に表示されたり、記録媒体501に記録(保存)されたりする。
上記に述べたとおり、本第2の実施形態の撮像装置20でも、第1の実施形態の撮像装置10と同様に、ワイド側画像とテレ側画像とを同時に撮影する際に、ワイド側画像に写っている主要被写体の大きさに応じて、イメージセンサ110から入力画像データを読み出すための駆動モードを変更する。より具体的には、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合には、イメージセンサ110の駆動モードを、スチルモードからライン加算モードに変更する。これにより、本第2の実施形態の撮像装置20でも、第1の実施形態の撮像装置10と同様に、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合であっても、ワイド側画像から切り出して画像処理を行うテレ側画像の画素数の増大を抑えることができ、画像データの転送や画像処理の負荷を低減することができる。このことにより、本第2の実施形態の撮像装置20では、画像処理の処理時間が延びることなく、ワイド側画像とテレ側画像とを同時に撮影することができる。
また、本第2の実施形態の撮像装置20では、撮像IF部210内の第2の転送部213に水平リサイズ処理機能を備えている。そして、第1の実施形態の撮像装置10では、イメージセンサ100を画素加算モードで駆動して入力画像データを水平方向および垂直方向に縮小していたのに対し、本第2の実施形態の撮像装置20では、イメージセンサ110で入力画像データを垂直方向に縮小し、撮像IF部210内の第2の転送部213で水平方向に縮小することによって、ワイド側画像データとテレ側画像データとを生成する。これにより、本第2の実施形態の撮像装置20では、第1の実施形態の撮像装置10と同様の効果を得つつ、同時に撮影するワイド側画像とテレ側画像との水平方向の画質を向上させることができる。
なお、本第2の実施形態の撮像装置20では、イメージセンサ110で入力画像データを垂直方向に縮小し、撮像IF部210内の第2の転送部213で水平方向に縮小する構成について説明したが、イメージセンサ110で入力画像データを水平方向に縮小し、撮像IF部210内の第2の転送部213で垂直方向に縮小する構成にすることもできる。ただし、一般的に、水平方向のリサイズ回路は、垂直方向のリサイズ回路よりも回路規模が小さい。このため、本第2の実施形態の撮像装置20のように、イメージセンサ110で入力画像データを垂直方向に縮小し、撮像IF部210内の第2の転送部213で水平方向に縮小する構成の方が、ワイド側画像とテレ側画像との水平方向の画質を向上した上で、撮像IF部210の回路規模の増大を抑えることができる。
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態の撮像装置について説明する。本第3の実施形態の撮像装置は、図1に示した第1の実施形態の撮像装置10に備えた撮像IF部200のみが異なる。従って、本第3の実施形態の撮像装置の説明においては、第1の実施形態の撮像装置10と異なる構成要素および動作のみを説明し、第1の実施形態の撮像装置10と同様の構成要素および動作に関する詳細な説明は省略する。なお、以下の説明においては、本第3の実施形態の撮像装置を撮像装置30とし、第1の実施形態の撮像装置10に備えた撮像IF部200と異なる撮像IF部を撮像IF部220として説明する。また、撮像装置30に備えた第1の実施形態の撮像装置10と同様の構成要素には、同一の符号を付加して説明する。
ここで、撮像装置30において、第1の実施形態の撮像装置10と同様に、ワイド側画像とテレ側画像との同時撮影に関わる構成について説明する。図8は、本第3の実施形態の撮像装置30において異なる画角の画像の生成に関わる構成要素の概略構成を示したブロック図である。図8には、撮像装置30においてワイド側画像とテレ側画像とを同時に撮影する動作に関わる、イメージセンサ100、撮像IF部220、および画像処理部300の各構成要素と、データバス900とを示している。
撮像IF部220は、第1の実施形態の撮像装置10に備えた撮像IF部200と同様に、イメージセンサ100から入力された入力画像データを取り込み、前処理、リサイズ処理、切り出し処理などの処理を施した結果の画像データを、DRAM601に転送する(書き込む)。撮像IF部220は、前処理部201と、第1の転送部202と、第2の転送部223と、を備えている。
前処理部201および第1の転送部202のそれぞれは、第1の実施形態の撮像装置10に備えた撮像IF部200内の前処理部201および第1の転送部202のそれぞれと同じであるため、説明は省略する。
第2の転送部223は、第1の実施形態の撮像装置10に備えた撮像IF部200内の第2の転送部203と同様に、前処理部201から入力された前処理画像データに対して、リサイズ処理や切り出し処理などの画角を変更する処理を施した結果の画像データを、DRAM601に転送する(書き込む)。図8に示したように、第2の転送部223は、画角を変更する処理の機能として「切り出し処理機能」と「水平垂直リサイズ処理機能」とを備えている。なお、水平垂直リサイズ処理機能は、第1の転送部202の水平垂直リサイズ処理機能と同様である。
なお、撮像IF部220においても、第1の実施形態の撮像装置10に備えた撮像IF部200と同様に、撮像装置30においてワイド側画像とテレ側画像とを同時に撮影する際、第1の転送部202が前処理画像データに対して水平垂直リサイズ処理を行ったワイド側画像データと、第2の転送部223が前処理画像データに対して水平垂直リサイズ処理を行ったテレ側画像データとを、それぞれDRAM601に転送する(書き込む)。なお、第1の転送部202および第2の転送部223が行う画角を変更する処理に関する詳細な説明は、後述する。
次に、撮像装置30においてワイド側画像とテレ側画像とを同時に撮影する動作について説明する。なお、撮像装置30において動画を撮影する手順は、第1の実施形態の撮像装置10で動画を撮影する手順において、対応するそれぞれの構成要素の動作を置き換えることで同様に考えることができるため、説明は省略する。
ここで、撮像装置30においてワイド側画像とテレ側画像とを同時に撮影する際の各構成要素の動作について、それぞれの構成要素が処理する画像データの画素数に着目して説明する。撮像装置30に備えた各構成要素の動作は、第1の実施形態の撮像装置10に備えた各構成要素の動作と同様に、主要被写体の大きさに応じたテレ側画像の画角の大きさ(サイズ)、すなわち、ワイド側画像から切り出すテレ側画像の画角に含まれる画像データの画素数の違いによって異なる。
図9は、本第3の実施形態の撮像装置30において異なる画角の画像を生成する各処理段階の画素数の関係の一例を説明する図である。図9は、テレ側画像として切り出すテレ側画像データの画素数が、撮像装置30が生成するテレ側の動画データの画素数よりも多い画素数である場合、すなわち、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合における、各処理段階の画像データの画素数の関係を示している。なお、図9は、イメージセンサ100の有効画素数が2400万画素(24Mpixel)である場合において、撮像装置30が、イメージセンサ100の入力画像データから200万画素(2Mpixel)のワイド側の動画データおよびテレ側の動画データを生成する一例である。
なお、テレ側画像データの画素数が、撮像装置30が生成するテレ側の動画データの画素数と同じ画素数(2Mpixel)である場合や、撮像装置30が生成するテレ側の動画データの画素数(2Mpixel)よりも少ない画素数である場合における各処理段階の画像データの画素数の関係は、図3や図4に示した第1の実施形態の撮像装置10における各処理段階の画像データの画素数の関係と同様であるため、説明は省略する。
図9を参照して、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合における、各処理段階の画像データの画素数の関係を説明する。まず、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合において、撮像装置30がワイド側の動画データを生成する際に各構成要素が処理する画像データの画素数の関係について説明する。
ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合における撮像装置30によるワイド側の動画データの生成では、図9(a)に示したイメージセンサ100の有効画素の全体の領域Eの入力画像データ(24Mpixel)を撮像IF部220に出力する際に、イメージセンサ100を、画素信号を加算して出力する画素加算モードで駆動する。なお、イメージセンサ100の駆動モードの画素加算モードへの変更(設定)は、第1の実施形態の撮像装置10と同様に、イメージセンサ100が入力画像データを出力する前に、CPU700が行う。これにより、イメージセンサ100は、図9(b)に示したように、画素加算を行うことによって24Mpixelから画素数を減らした入力画像データを、撮像IF部220に出力する。より具体的には、イメージセンサ100が、24Mpixelの入力画像データの水平方向を1/2に縮小し、垂直方向を1/2に縮小する画素加算を行って、6Mpixelに変更した入力画像データを、撮像IF部220に出力する。なお、この場合においても、イメージセンサ100が撮像した画角は変わらない。
その後、撮像IF部220は、イメージセンサ100から入力された入力画像データ(6Mpixel)に対して前処理部201によって前処理を施し、前処理画像データ(6Mpixel)を第1の転送部202に出力する。そして、第1の転送部202が前処理画像データに対して水平垂直リサイズ処理を行って、図9(c)に示したように、画素数を変更した2Mpixelのワイド側画像データを生成し、DRAM601に記録する(書き込む)。
その後、画像処理部300において、画像処理回路301が、第1の転送部202が水平垂直リサイズ処理した2Mpixelのワイド側画像データに対してH.264の動画圧縮処理を施し、図9(d)に示したような2Mpixelのワイド側の動画データを生成して、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。ここで生成された2Mpixelのワイド側の動画データが、その後、表示デバイス401に表示されたり、記録媒体501に記録(保存)されたりする。
続いて、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合において、撮像装置30がテレ側の動画データを生成する際に各構成要素が処理する画像データの画素数の関係について説明する。
ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合における撮像装置30によるテレ側の動画データの生成では、イメージセンサ100の有効画素の全体の領域Eから、図9(a)に示したように、例えば、中心部分の9Mpixelを切り出した領域Fの入力画像データを処理する。なお、撮像IF部220には、イメージセンサ100が画素加算を行うことによって6Mpixelに画素数を減らした入力画像データが入力されるため、撮像IF部220は、イメージセンサ100から切り出す9Mpixelの領域Fに対応する、画素加算後の領域の入力画像データに対して処理を行う。従って、第2の転送部223は、前処理部201が前処理を施した領域Eに対応した6Mpixelの前処理画像データに対して切り出し処理および水平垂直リサイズ処理を行って、図9(c)に示したように、領域Fに対応した2Mpixelのテレ側画像データを、DRAM601に記録する(書き込む)。より具体的には、第2の転送部223が、6Mpixelの前処理画像データの中心部分から、領域Fを水平方向におよび垂直方向にそれぞれ1/2に縮小した2.25Mpixelの領域を切り出して、さらに水平垂直リサイズ処理を行って、2Mpixelのテレ側画像データに変更して、DRAM601に記録する(書き込む)。
その後、画像処理部300において、画像処理回路302が、第2の転送部223が水平垂直リサイズ処理した2Mpixelのテレ側画像データに対してH.264の動画圧縮処理を施し、図9(d)に示したような2Mpixelのテレ側の動画データを生成して、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。ここで生成された2Mpixelのテレ側の動画データが、その後、表示デバイス401に表示されたり、記録媒体501に記録(保存)されたりする。
なお、本第3の実施形態の撮像装置30に備えた撮像IF部220内の第2の転送部223は、上述したように、画角を変更する処理の機能として「水平垂直リサイズ処理機能」を備えている。このため、本第3の実施形態の撮像装置30においては、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合に、テレ側画像データの画素数がテレ側の動画データの画素数と同じ画素数である場合や、テレ側画像データの画素数がテレ側の動画データの画素数よりも少ない画素数である場合と同様に、イメージセンサ100を駆動することもできる。つまり、テレ側画像として切り出すテレ側画像データの画素数が、撮像装置30が生成するテレ側の動画データの画素数よりも多い画素数である場合においても、イメージセンサ100の駆動モードを変更せずにスチルモードで駆動し、イメージセンサ100の有効画素の全体の領域Eの入力画像データ(24Mpixel)から、テレ側の動画データを生成することもできる。
これにより、本第3の実施形態の撮像装置30では、イメージセンサ100の画素加算モードで縮小した入力画像データに基づいて生成したワイド側画像およびテレ側画像よりも、ワイド側画像とテレ側画像とのそれぞれの画質を向上させることができる。
ここで、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合において、イメージセンサ100の駆動モードを変更せずに、すなわち、イメージセンサ100をスチルモードで駆動して動画データを生成する場合における、各処理段階の画像データの画素数の関係を説明する。まず、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合において、撮像装置30がワイド側の動画データを生成する際に各構成要素が処理する画像データの画素数の関係について説明する。
ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合における撮像装置30によるワイド側の動画データの生成において、イメージセンサ100を、全ての画素信号を出力するスチルモードで駆動して、図9(e)に示したイメージセンサ100の有効画素の全体の領域Eの入力画像データ(24Mpixel)を、撮像IF部220に出力させる(図9(f)参照)。なお、図9(e)に示したイメージセンサ100における領域Eは、図9(a)に示したイメージセンサ100における領域Eと同じである。
その後、撮像IF部220は、イメージセンサ100から入力された入力画像データ(24Mpixel)に対して前処理部201によって前処理を施し、前処理画像データ(24Mpixel)を第1の転送部202に出力する。そして、第1の転送部202が、24Mpixelの前処理画像データに対して水平垂直リサイズ処理を行って、図9(g)に示したように、画素数を変更した2Mpixelのワイド側画像データを生成し、DRAM601に記録する(書き込む)。
その後、画像処理部300において、画像処理回路301が、第1の転送部202が水平垂直リサイズ処理した2Mpixelのワイド側画像データに対してH.264の動画圧縮処理を施し、図9(h)に示したような2Mpixelのワイド側の動画データを生成して、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。
続いて、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合において、撮像装置30がテレ側の動画データを生成する際に各構成要素が処理する画像データの画素数の関係について説明する。撮像装置30によるテレ側の動画データの生成においても、図9(a)に示した領域Fと同じ、例えば、中心部分の9Mpixelを切り出した領域Fの入力画像データを処理する。
撮像IF部220においては、第2の転送部223が、24Mpixelの前処理画像データに対して切り出し処理および水平垂直リサイズ処理を行って、図9(g)に示したように、領域Fに対応した2Mpixelのテレ側画像データを生成し、DRAM601に記録する(書き込む)。
その後、画像処理部300において、画像処理回路302が、第2の転送部223が水平垂直リサイズ処理した2Mpixelのテレ側画像データに対してH.264の動画圧縮処理を施し、図9(h)に示したような2Mpixelのテレ側の動画データを生成して、再度、DRAM601に記録する(書き込む)。
このように、撮像装置30では、イメージセンサ100の駆動モードを画素加算モードに変更することによって、イメージセンサ100で入力画像データを縮小する代わりに、第2の転送部223が水平垂直リサイズ処理を行うことによって、同様のテレ側画像データを生成することができる。
しかも、図9(c)と図9(g)とを比べてわかるように、画像処理回路302が画像処理するテレ側画像データの画素数は、イメージセンサ100の駆動モードに関わらず同じである。従って、本第3の実施形態の撮像装置30では、イメージセンサ100の駆動モードに関わらず、画像処理回路302が画像処理を行う際の処理負荷は変わらない。
上記に述べたとおり、本第3の実施形態の撮像装置30では、撮像IF部220内の第2の転送部223に水平垂直リサイズ処理機能を備えている。これにより、第1の実施形態の撮像装置10では、入力画像データを水平方向および垂直方向に縮小する際に、イメージセンサ100を画素加算モードで駆動することのみで対応していたのに対し、本第3の実施形態の撮像装置30では、イメージセンサ100の駆動モードを変更しなくても、撮像IF部220内の第2の転送部223で水平方向および垂直方向に縮小して、ワイド側画像データとテレ側画像データとを生成することができる。これにより、本第3の実施形態の撮像装置30では、ワイド側画像に写っている主要被写体が大きい場合であっても、イメージセンサ100の駆動モードに関わらず、ワイド側画像から切り出して画像処理を行うテレ側画像の画素数の増大を抑えることができ、画像データの転送や画像処理の負荷を低減することができる。このことにより、本第3の実施形態の撮像装置30では、画像処理の処理時間が延びることなく、ワイド側画像とテレ側画像とを同時に撮影することができる。
また、本第3の実施形態の撮像装置30では、イメージセンサ100の駆動モードを変更せずにスチルモードで駆動することによって、イメージセンサ100を画素加算モードで駆動して生成したワイド側画像およびテレ側画像よりも、ワイド側画像とテレ側画像とのそれぞれの画質を向上させることができる。
なお、本第3の実施形態の撮像装置30では、イメージセンサ100を画素加算モードで駆動した方が、撮像装置30の消費電力の観点では有利であると考えられる。これは、イメージセンサ100を画素加算モードで駆動すると、イメージセンサ100で入力画像データを水平方向および垂直方向に縮小することができるため、イメージセンサ100が出力する入力画像データの量が少なくなり、イメージセンサ100と撮像IF部220内の前処理部201との間の処理負荷を軽減させることができると考えられるからである。そして、イメージセンサ100と前処理部201との間の処理負荷が軽減したことを利用して、撮像装置30の消費電力を低減することができると考えられるからである。例えば、撮像装置30が一定の周期でワイド側画像およびテレ側画像と生成する場合では、イメージセンサ100の出力ポートであるLVDS(Low Voltage Differential Signaling)ポートの内、一部のポートをOFFすることによって、イメージセンサ100と前処理部201との間の信号の変化を少なくしたり、一定の周期を満たす範囲内で撮像IF部220内のクロックレートを落としたりすることによって、撮像装置30の消費電力を低減することができると考えられる。
従って、本第3の実施形態の撮像装置30では、生成するワイド側画像とテレ側画像とのそれぞれの画質を優先するか、撮像装置30の消費電力の低減を優先するかによって、イメージセンサ100の駆動モードを選択することができる。
上記に述べたとおり、本発明を実施するための形態によれば、画角の異なる複数の画像(実施形態においては、ワイド側画像とテレ側画像との2つの画像)を同時に撮影する際に、ズームレンズを広角側(ワイド側)にした状態で、被写体の光学像をイメージセンサに結像させる。そして、本発明を実施するための形態によれば、広角側(ワイド側)の画像に撮影される主要被写体の大きさに応じて、イメージセンサが結像した被写体光に応じた画素信号を読み出すためのイメージセンサの駆動モードを変更する。これにより、本発明を実施するための形態では、特に、ワイド側の画像に写っている主要被写体が大きいときに、テレ側の画像を生成するために切り出す画像データの画素数が増大し、画像データの転送や画像処理の負荷が大きくなってしまうことを回避することができる。このことにより、本発明を実施するための形態では、ワイド側の画像に写っている主要被写体の大きさに関わらず、テレ側の画像を生成するための画像処理の処理時間が延びることなく、画角の異なる複数の画像を同時に撮影することができる。これにより、例えば、運動会の徒競走やF1(Formula One)などの自動車レースのように、大きく動いている被写体を撮影する場合でも、撮影者(ユーザ)が被写体を見失うことなく撮影することができ、被写体が大きく写った画像を得ることができる。また、本発明を実施するための形態では、画像データの転送負荷や画像処理の処理負荷の増大によって発生する連写間隔の低下や、動画撮影におけるコマ落ちや、消費電力の増大などの性能の低下を抑えることができる。
また、本発明を実施するための形態によれば、イメージセンサが結像した被写体光に応じた画素信号を読み出すためのイメージセンサの駆動モードを変更することによって、生成する画角の異なる複数の画像のそれぞれの画質を優先するか、撮像装置の消費電力の低減を優先するかを選択することができる。
なお、本実施形態において説明したイメージセンサ100の有効画素数、撮像IF部200内の第1の転送部202および第2の転送部203が生成するワイド側の動画データおよびテレ側の動画データの画素数やリサイズ率、画像処理部300が生成するワイド側の動画データおよびテレ側の動画データの画素数は、一例を示すものであり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれは、いかなる画素数やリサイズ率であっても同様に、本発明の考え方を適用することができる。また、本実施形態において説明したワイド側の領域の位置(例えば、イメージセンサ100の有効画素の全体)や、テレ側の領域(例えば、中心部分)も、一例を示すものであり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれは、いかなる領域や位置であっても同様に、本発明の考え方を適用することができる。
また、本実施形態においては、異なる画角の2つの動画を同時に撮影する場合について説明したが、撮像装置が異なる画角の2つの静止画を同時に撮影する場合においても、各処理段階の画素数が異なるのみで、同様に考えることができる。例えば、撮像装置10では、撮像IF部200内の第1の転送部202と第2の転送部203とのそれぞれが出力するワイド側画像データおよびテレ側画像データの画素数や、画像処理部300内の画像処理回路301と画像処理回路302とのそれぞれが静止画用の画像処理を施して出力する表示用のワイド側画像およびテレ側画像と、記録用のワイド側画像およびテレ側画像との画素数を、それぞれ静止画に対応した画素数とすることによって、上述した動画を撮影するときの動作と同様に考えることができる。
また、本実施形態においては、撮像装置に備えた画像処理部300内に2つの画像処理回路(画像処理回路301および画像処理回路302)を備え、それぞれの画像処理回路が、ワイド側画像データまたはテレ側画像データに対して画像処理を行う構成について説明した。しかし、画像処理部300内に備える画像処理回路の構成や数は、本発明を実施するための形態に示した構成のみに限定されるものではない。例えば、画像処理部300内に1つの画像処理回路を備え、時分割で画像処理を行うことによって、ワイド側画像データおよびテレ側画像データのそれぞれに対応した表示用の画像データや記録用の画像データを生成する構成であってもよい。
また、本実施形態においては、撮像装置に被写体検出部800を備え、被写体検出部800が撮影された主要被写体の位置や大きさを検出し、第1の転送部および第2の転送部のそれぞれ(特に、第2の転送部203)が、被写体検出部800が検出した主要被写体の位置や大きさの情報を利用して、適切な位置で適切な大きさの画角に変更する構成について説明した。しかし、第1の転送部および第2の転送部のそれぞれ(特に、第2の転送部203)が画角を変更するための構成は、本発明を実施するための形態の構成に限定されるものではない。例えば、表示デバイス401がタッチパネルである場合、ワイド側画像を表示デバイス401に表示した状態で、撮影者(ユーザ)がワイド側画像から切り出すテレ側画像の画角を指定する構成であってもよい。
なお、本実施形態における水平方向と垂直方向とを逆に考えた場合であっても同様に、本発明の考え方を適用することができる。
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。