図1に本発明の一実施形態に係る食事指導仲介システムの構成を示す。食事指導仲介システム100は、食事指導のサービスを受ける側の複数のユーザ1〜nが利用する各端末5-1〜5-nと、食事指導のコメントを提供する側の複数の指導者1〜mが利用する各端末6-1〜6-mと、当該各側の端末の間のマッチングを行い、マッチングされたユーザ及び指導者の端末間での食事指導のやりとりを仲介するマッチングサーバ10と、を備える。
本発明の手順の概要は以下の通りである。
手順1.マッチングサーバ10から各ユーザ端末5-1〜5-n及び各指導者端末6-1〜6-mへのアプリケーションのダウンロードを行う
手順2.各ユーザ端末5-1〜5-n上のアプリケーションから、各ユーザの登録を行う
手順3.各指導者端末6-1〜6-m上のアプリケーションから、各指導者の登録を行う
手順4.ユーザ登録情報から、マッチングサーバ10がユーザの目的・本気度判定を行う
手順5.指導者登録情報から、マッチングサーバ10が指導スキル・コーチングスキル判定を行う
手順6.上記手順4,5で判定された目的とスキルを用いてマッチングサーバ10が両者のマッチングを行う
手順7.ユーザは食事画像をマッチングサーバ10にアップロードし、上記マッチングによって決定された指導者へアドバイス依頼を行う
手順8.上記指導者は食事内容を元に、アドバイスを記載し、ユーザへ返信を行う
手順9.ユーザは受けた指導に関する評価を、マッチングサーバ10へ送信する
なお、以上の手順はダウンロードする専用アプリケーションの代わりに、マッチングサーバ10が提供する専用ウェブサイトにおいて、ユーザ及び指導者の各側が端末より情報登録を行いログインすること等によって実施されてもよい。なおまた、「手順9」は、食事指導の各回において実施するよう設定しておくことが好ましいが、所定回数・期間ごとに間引いて、あるいは特定条件に合致する場合のみにおいて、実施するようにしてもよい。
図2は、マッチングサーバ10の機能ブロック図である。図2では、図1で説明した各ユーザ端末5-1〜5-nのうちの任意の1端末を代表させてユーザ端末5として、また各指導者端末6-1〜6-mのうちの任意の1端末を代表させて指導者端末6として併記してある。
マッチングサーバ10は、それぞれの主要な機能として、「手順2」の登録を受け付けると共に「手順4」の判定を行うユーザ管理部20と、「手順3」の登録を受け付けると共に「手順5」の判定を行う指導者管理部30と、「手順6」を担うマッチング部40と、「手順7,8,9」を担うサービス仲介部50と、を備える。
なお、サービス仲介部50はまた、図中において両方向矢印及び単方向矢印で示しているように、本発明によるサービスを実施するに際して、各ユーザ端末5及び各指導者端末6とマッチングサーバ10とのインターフェースを担い、「手順7,8,9」を担うほか、ユーザ管理部20及び指導者管理部30における所定処理の際における端末との間のデータ送受信の仲介をも担う。
ユーザ管理部20は、ユーザ登録部21、グレード設定部22、本気度算出部23及び目的カテゴリ分類部24と、当該各部21,22,23,24の定めた情報をユーザ毎に記録するユーザDB(ユーザデータベース)25と、を含む。当該各部の概要は次の通りであり、本気度算出部23及び目的カテゴリ分類部24が前述の「手順4」を担う。
ユーザ登録部21は、各ユーザ端末5から当該食事指導を受けるユーザの登録を受け付ける(前述の「手順2」)。当該登録の際に、個人情報など所定の情報をユーザより受け取る。ユーザ登録部21ではまた逆に、登録したユーザの退会すなわち登録解除も受け付ける。
グレード設定部22は、各ユーザに対して利用する食事指導サービスの料金グレードを選択させるための所定項目を提示し、各ユーザより選択結果を受け取る。当該所定項目はその例を後述するように、サービス利用におけるいわゆる「コース」の各々に対応する。
本気度算出部23は、各ユーザの指導サービス利用状況に基づいて、そのサービス利用に関する本気度、すなわちユーザが当該指導サービスをどの程度熱心に利用しているか数値化したもの、を算出する。目的カテゴリ分類部24は、所定項目からユーザに選択させた回答を当該ユーザから受信して、あるいはユーザ情報を解析して自動で、各ユーザが当該食事指導を受ける目的を所定項目の中から特定する。
指導者管理部30は、指導者登録部31及びスキル評価部32と、当該各部31,32の定めた情報を指導者毎に記録する指導者DB(指導者データベース)35と、を含む。当該各部の概要は次の通りである。
指導者登録部31は、各指導者端末6から当該食事指導を行う指導者の登録を受け付ける(前述の「手順3」)。当該登録の際に、個人情報など所定の情報を指導者より受け取る。指導者登録部31ではまた逆に、登録した指導者の退会すなわち登録解除も受け付ける。
スキル評価部32は、(1)指導者より入力された食事指導に関連する所定事項、(2)食事指導を実施したユーザから受け付けた指導者の指導サービスに関する評価、(3)食事指導を実施したユーザの指導サービスの利用状況、特に当該指導サービスの継続利用状況、の少なくとも1つに基づいて、各食事指導者のスキルを評価する。なお、(1)の所定事項には例えば、食事指導の経歴・実績や、食事指導の能力を問うための所定の試験問題への解答や、所定ユーザを想定してのサンプル食事画像に対して実際に入力させる指導コメント、等が含まれる。
スキル評価部32はさらに、前述の「手順5」を担い、当該スキル評価をより詳細に行うことでより好ましいマッチングを実現するための構成として、指導スキル算出部33及びコーチングスキル算出部34を含み、それぞれ指導スキル値及びコーチングスキル値を算出する。指導スキル値は食事指導の正確さを表し、コーチングスキル値はユーザが食事指導を受けようとする動機付けを促す度合いを表す。これらについては後述する。
マッチング部40は、ユーザDB25及び指導者DB35を参照してユーザと指導者とのマッチングを行い、当該マッチング結果をマッチングテーブル45に記録する(前述の「手順6」)。
サービス仲介部50は、当該マッチングテーブル45に記録されたマッチング結果に従う形で、所定のユーザ端末5と指導者端末6との間で食事指導の実施を仲介する。当該仲介により、ユーザがアップロードする食事画像に対して、指導者がコメントを与え、当該コメントをユーザが評価する、といったサービス提供及びサービス品質維持管理に必要な一連の事項(前述の「手順7,8,9」)が遂行される。
当該仲介するサービスの内容自体(サービス品質維持管理の部分は除く)に関しては、非特許文献1,2等に開示のものを含む周知のものを採用してよいが、少なくとも前述の「手順7」及び「手順8」をその内容に含むものとする。なお、「手順7」では食事画像に加えて、当該ユーザの当該時点あるいは当該時点の近い過去におけるバイタルデータ(身長、体重、体脂肪率、脈拍、血圧、血液検査結果、健康診断結果など)や、その目標値を入力して、指導者側に伝達するようにしてもよい。
サービス仲介部50はさらに、当該仲介の際の各処理の実施や、ユーザ管理部20及び指導者管理部30が必要とする各種情報の取得のための構成として、履歴取得部51、コメント形式統一部52、定型コメント送信部53、課金処理部54及び支払処理部55を含む。
履歴取得部51は、サービス仲介部50を介してなされるユーザ・指導者間の食事指導のやりとりの全てを履歴として取得する。すなわち、いずれのユーザといずれの指導者との間でいずれの日時においてどのような食事指導(指導後のユーザによる評価等、当該指導サービスに関連ないし付随するやりとりも含む)が実施されたか、という履歴を取得する。当該取得によって、ユーザ管理部20及び指導者管理部30において所望の情報が参照可能となる。
定型コメント送信部53は、いわゆる「ボット」であり、指導者のコメントの代わりに、予め用意されている定型文を食事指導を受けるユーザへ向けて送信する。当該定型文は季節、時間帯、ユーザの目的カテゴリなどの条件毎に所定数用意しておき、当該食事指導の際に該当する条件の定型文の中からランダムに選んで送信してよい。
課金処理部54及び支払処理部55は、それぞれ食事指導サービスを利用及び提供したユーザ及び指導者に対して、周知の電子商取引等の手法によって、サービス内容に応じた所定料金に対応する課金処理及び支払処理を行う。当該処理は対象期間毎に定期的に実施されてもよいし、個別に提供された食事指導毎に実施されてもよい。
マッチング部40によるマッチングの一実施形態を例を用いて説明する。当該説明の前提として、グレード設定部22では前述の所定項目の一例として、ユーザの支払うサービス利用料金に応じた品質のサービスを提供すべく、3段階の「コース」の中からユーザに選択させるものとする。以降における本発明の説明のため、当該一例としての3段階の各々の名称及び内容を以下のように定めることとする。
プレミアム…最高料金を課し、最高品質サービスを提供するコース
ライト …通常料金を課し、通常品質サービスを提供するコース
無料 …料金は課さず、所定制限のもとでサービスを提供するコース
なお、サービス品質のほか、利用可能なサービス回数にも同様の差異を設けておいてもよい。例えば、プレミアム及びライトであれば無制限で毎食時、無料であれば所定の日のみ毎食時でその他の日は利用不可、などとしてもよい。
ここで、上記プレミアム、ライト及び無料の各コース(料金グレード)を選択したユーザをそれぞれ、プレミアムユーザ、ライトユーザ及び無料ユーザと呼ぶこととする。ユーザDB25には各ユーザが当該選択したグレードと、本気度算出部23の算出した本気度と、目的カテゴリ分類部24の特定した目的と、が記録されている。また、指導スキル算出部33及びコーチングスキル算出部34が指導スキル値及びコーチングスキル値を算出し、指導者DB35に各値が記録されているものとして、マッチングの一実施形態の概要は例えば以下の通りである。
(1)プレミアムユーザ・ライトユーザに対しては、ユーザの本気度に応じて、指導スキル値の高い順に、あるいは高い側をより優先(「より優先」に関しては補足事項説明にて後述し、以下同様)して、指導者を割り当てることでマッチングを行う。これにより、熱意あるユーザほどさらに正確な食事指導コメントが提供され、全体として効率のよいサービスを提供することができる。
また、上記指導スキル値の高さの考慮に加えてさらに、コーチングスキルの低い順に、あるいは低い側を優先してマッチングするようにしてもよい。これは、無料ユーザに対しては以下(2)に説明するようにコーチングスキル値の高い指導者をマッチングさせるので、コーチングスキル値の高い指導者を確保しておく観点に基づく。
(2)無料ユーザに対しては、コーチングスキル値の高い順に、あるいは高い側をより優先して、指導者を割り当てることでマッチングを行う。
すなわち、無料ユーザについては、オンラインサービス一般の問題として、いわゆる出会い目的等のシステム本来の目的に合わない使用者がいることも想定される。従って、ライトユーザへ変わる可能性があるユーザとそうでないユーザとの区別を設けることがシステム上、好ましい。すなわち、ライトユーザ(あるいはプレミアムユーザ)へ変わる(グレード設定部22でそのように再設定する)可能性が高い、本気度の高いユーザについては、コーチングスキル値の比較的高い指導者を割り当てることが望ましい。こうして、動機付けをより強く与えて実際に再設定することを促すことで、サービス利用の活性化を図ることができる。
なお、上記コーチングスキル値の高さの考慮に加えてさらに、提供するコメント自体の正確さを加味してより動機付けを促す観点から、指導スキル値の高い順に、あるいは高い側を優先してマッチングするようにしてもよい。
以上の(1)及び(2)のマッチングにおける補足事項を説明する。
(1)において、指導スキル値の高さ及びコーチングスキル値の低さの両者を考慮してマッチングを行う場合、両方の値の所定の重み付け和などによる総合スキル値を利用して、当該総合スキル値の高い側の指導者から順に、あるいは高い側を優先して、マッチングを行えばよい。例えば、指導スキル値をxとし、コーチングスキル値をyとし、重み付け用の定数係数をa,b (a>0, b>0)とすると、以下の(式1)で求めた総合スキル値zを利用してもよい。
z = ax − by …(式1)
なお、上記(式1)の総合スキル値は、コーチングスキル値yが小さいほど高くなるので、実際の指導者の何らかの「スキル」を表すよりむしろ、マッチングのためのスコアとしての意味合いを有する。
また、(2)においてコーチングスキル値の高さと指導スキル値の高さとの両方を考慮する場合も、上記(式1)と同定義の文字を用いることとして、総合スキル値zを以下の(式2)などから求めて同様にマッチングを行えばよい。なお、(式1)や(式2)以外の手法で総合スキル値を求めてもよい。
z = ax + by …(式2)
(1)及び(2)における指導スキル値、コーチングスキル値又は総合スキル値の高い又は低い側を「優先して」マッチングするとは、スキル値の高低の順番をそのまま用いて順番通りにマッチングする以外にも、次のような手法も可能である旨を表す。
すなわち、指導者をスキル値の高低によって所定基準でグループ分けし、また、ユーザを本気度の高低によって所定基準でグループ分けし、スキル値及び本気度によって対応するグループ内でマッチングを行ってもよい。高い側を優先してマッチングする場合であって、ユーザが本気度「高」であれば、スキル値が「高」のグループ内のいずれかの指導者からランダムに、あるいは当該グループ内の指導者のうち食事指導スケジュールの混雑具合が少ない方から、マッチングさせるようにしてもよい。
なお、マッチングの確定にはマッチングサーバ10の自動決定したマッチング結果に応じた食事指導依頼要求をマッチングされた指導者の端末6に送信してから、当該指導者の承諾返信をマッチングサーバ10で受信することを要する。当該指導者が(忙しい等の事情で)承諾しない旨の返信を行った場合、当該指導者を除いた形で再度マッチングを行うことで、スキル値が当該指導者の次の順位である等の指導者に対して食事指導依頼を送信し、以降いずれかの指導者より承諾返信を得るまで同様の処理を繰り返すこととなる。
(1)及び(2)のマッチングは、目的カテゴリ分類部24を利用しているのであれば、マッチングを行うユーザにおける目的カテゴリ分類部24で得た目的に対応する各種スキル値を参照して、行う。例えばマッチングを行うユーザがスポーツ目的の食事指導を受けようとしているであれば、指導者の各種スキル値は、スポーツ指導に関する値を参照して、以上のマッチングを行う。
次に、本気度算出部23の詳細を、各実施形態として説明する。なお、以下の第1〜第3実施形態のいずれかのみを実施する代わりに、任意の複数を組み合わせて実施してもよく、当該組み合わせる場合は、本気度算出部23は各実施形態における本気度の重み付け和などとして本気度を算出してもよい。
第1実施形態では、本気度算出部23は、ユーザの本発明の食事指導提供アプリケーションの使用頻度(履歴取得部51にて取得可能)から、本気度を算出する。
ユーザのアプリケーションの使用頻度とは、具体的には食事画像のアップロード数・食事画像のバリエーション・アップロード時間のばらつき等の指標である。単位期間あたりの画像のアップロード数が多く、食事画像のバリエーションが豊富であるほど、本気度が高いとみなせる。またアップロード時間のばらつきも朝・昼・晩の時間に近いほど本気度が高いとみなせる。従って、当該各指標に基づいて所定の計算式で本気度を算出することができる。
ここで画像のバリエーション判定には、画素ごとに差分をとって、平均二乗誤差を計算する等の一般的な画像類似度判定アルゴリズム等を用いれば良い。類似していない画像が多いほど、ばらつきが大きく、バリエーションが豊富であるとみなせる。
第2実施形態では、本気度算出部23は、ユーザの撮影した食事画像の撮影場所(履歴取得部51にて取得可能)により判定を行う。食事画像撮影時にGPS情報を付与するよう本発明のアプリケーションに設定しておき、予め登録した個人情報の住所の位置と一致(撮影位置が所定範囲内に存在)していれば、より本気度が高いとみなせる。また予めアンケートで、食事を主に行う場所を入力させておいても良い。
この情報の一致率によって、ユーザの本気度を計算する。例えば、住居として想定される所定位置を中心とした所定範囲内で撮影された食事画像の数が、全ての食事画像のうちどの程度の割合であるか求め、当該割合から本気度を算出してもよい。なお、個人情報の住所や、アンケートによる食事場所についての入力は、ユーザ登録部21にて予め受け付けておくことができる。
第3実施形態では、本気度算出部23は、ユーザが端末5上に保有する有料・無料アプリケーションの種類(履歴取得部51にて、あるいはユーザ登録部21にて登録の際の追加情報として自動的にあるいはユーザ承諾を得た上で、取得可能)から、判定を行う。例えば、有料アプリケーションが少なく、殆ど無料アプリケーションしか持たない場合、上記におけるお試しユーザから有料ユーザへの変更の可能性は少ないとみなすことができ、反対に有料アプリケーションが多い場合は、お試しユーザからライト・プレミアムユーザへの変更可能性が高く本気度も高いとみなせる。
なお、第1及び第2実施形態による本気度の算出は、所定回数・所定期間の当該食事指導サービスの利用実績が必要となるので、登録直後のユーザにおいては算出することができない。従って、登録直後のユーザは第3実施形態で算出するか、あるいは所定の初期値を与えるようにしてもよい。
次に、目的カテゴリ分類部24の詳細を、各実施形態として説明する。
第1実施形態では、目的カテゴリ分類部24は、いくつかの目的別カテゴリを予め準備しておき、ユーザに選択させる。このようなカテゴリとしては、例えば以下のようなものを採用してもよい。
1.スポーツのための食事管理
2.ダイエットのための食事管理
3.糖尿病等の疾病管理のための食事管理
さらに、同様に予め準備しておくことでサブカテゴリを選ばせるのも良い。サブカテゴリとしては例えば以下のようなものを採用してもよい。この場合、サブカテゴリまで一致することでユーザの分類が行われることとなる。
1.スポーツ
マラソン等の持久力系・短距離走等の瞬発系
2.ダイエット
どのくらいの期間で行うか?
3.疾病管理
糖尿病等、どの疾病であるか?
第2実施形態では、目的カテゴリ分類部24はユーザの行動履歴(適宜ユーザより承諾等を得たうえで、履歴取得部51あるいはユーザ登録部21にて取得可能)を利用することで、カテゴリを自動判定する。
ユーザの行動履歴としては例えばアプリケーションのダウンロード履歴等がある。一般的なスマートフォンのアプリケーションマーケットは、スポーツ・健康&フィットネス・医療等のカテゴリにアプリケーションが分類されている。従って、ユーザがダウンロードしたアプリケーションの種類を数え上げ、予め定められたいずれのカテゴリのアプリケーションが最多であるかを調べることで、ユーザの食事指導サービス利用の目的カテゴリを自動判定できる。例えばスポーツ系のアプリケーションが多い場合、スポーツに関心が高いとみなすことができ、目的カテゴリもスポーツである旨を自動で定めることができる。
次に、指導スキル算出部33の詳細を各実施形態として説明する。
第1実施形態では、指導スキル算出部33は、指導者が入力する指導者自身の個人属性から算出を行う。例えば指導者の資格取得年数や、指導歴等によって、点数付けを行うことで指導スキル値を算出することができる。
当該個人属性の入力に際しては、指導者が各質問項目に対して選択形式で回答可能な所定の質問様式を用意しておき、指導者の端末6側へ提示することで回答を受け付ければよい。この際、質問項目を目的カテゴリ分類部24で利用するのと同種類の目的カテゴリのそれぞれに対応する内容として設けておけば、目的カテゴリ別の点数付けが可能となる。さらに、個別の目的カテゴリに対応しない一般的な質問も設けて、個別の目的カテゴリの最終的な点数は、一般的質問での点数と個別目的カテゴリ質問での点数との重み付けによって求めてもよい。
第2実施形態では、指導スキル算出部33は、ユーザの評価(履歴取得部51にて取得可能)によって、指導スキル値の算出を行う。この場合、各指導者につき各回の食事指導後に前記「手順9」で受けた評価結果(いわゆる「アンケート」)の蓄積に基づいて算出することができる。
当該アンケートは、所定の評価項目毎に所定段階(例えば5段階のいずれか)を選択させるような質問様式を用意しておき、ユーザの端末5側へ提示することによってその回答を得ることができる。ユーザに関しては目的カテゴリ分類部24において食事指導を利用する目的カテゴリが判別しているので、目的カテゴリ毎のアンケート結果を利用することで、各指導者につき目的カテゴリ毎の指導スキル値を算出することができる。この際、質問項目は目的カテゴリ毎に特化した内容を設けておいてもよい。
なお、当該アンケートを得る前提として、指導者はマッチングサーバ10を利用して食事指導を行っている必要がある。登録直後の指導者に関しては、アンケート結果が存在しないため、所定期間あるいは所定指導回数に渡って次のようにアンケートを蓄積してから指導スキル値を求めてもよい。
すなわち、登録直後以降上記アンケート蓄積に達するまでの指導者は、最低ランクに対応する指導スキル値の所定値(及びコーチングスキル値に関する何らかの所定値)を初期値として与え、前述の総合スキル値が既存のアンケート蓄積済みの指導者と比較して最低ランクとなるようにすることにより、最初の指導の際には無料ユーザを指導するようなマッチングがなされるようにする。以降、指導を継続するにつれ後述する更新処理がなされ、当該更新によって相応の指導スキル値に達すれば、ライト・プレミアムユーザへ指導を行うためのマッチングもなされるようになる。
第3実施形態では、指導スキル算出部33は、指導者の指導に対するいわゆる「テスト」を送信して実施し、当該解答の返信を得て採点することにより指導スキル値を算出する。このため、食事指導に関する所定の試験問題を提示してその解答を得て採点してもよい。当該試験問題は選択式として、指導スキル算出部33が所定の正解との一致を見ることで自動採点するようにしてもよい。
あるいは、別種類の「テスト」として、想定する所定ユーザの情報(バイタルデータ・食事指導利用の目的カテゴリが何であるか等)と共に実際の食事画像を指導者の端末6側へ提示して、コメントを返信させ、当該実際のコメントから自動採点を行ってもよい。また、上記選択式と当該コメント返答式を組み合わせて「テスト」としてもよい。
コメント返答式では具体的には、正解キーワード付きの食事画像を用いて、実際のコメントを記載して返信させ、採点結果を指導スキル値となす。実際のコメント内に正解キーワードがどの程度含まれているかによって、採点を行う。さらに、ユーザの目的カテゴリごとに、食事画像と正解キーワードを用意することによって、目的カテゴリ毎の指導スキル値を求めることが可能であり、指導者の得意分野等を判定することも可能である。
このような正解キーワード付き食事画像は、例えば以下の手段1〜3によって容易に準備したうえで、手段4のようにしてテストに用いることができる。
手段1.既に登録済みユーザの撮影した食事画像と、実際にマッチングサーバ10の提供サービスを介して指導者が与えたコメントを抜き出す。
手段2.抜き出した上記コメントを形態素に分解し、正解キーワードを抽出する。
手段3.上記「手段1及び2」をスポーツ・病気・ダイエット等の目的カテゴリごとに行えば、指導スキル算出用画像(テスト用画像)が目的カテゴリごとに得られる。
手段4.テスト用食事画像及び当該食事画像を送付した想定のユーザ情報(バイタルデータ、目的など)をテスト対象の指導者に提示してコメントを返答させ、当該コメントを形態素解析し、上記「手段2」で抽出された複数の正解キーワードに一致するものがどれだけ存在するか調べる。例えば、正解キーワードが10語あって、形態素解析の結果の中に当該キーワードのうち8語が存在すれば、正解率8割とし、当該正解率に基づく指導スキル値が求まる。
なお、上記「手段1,2及び3」は、形態素解析を除いて、マッチングサーバ10の管理者などによって別途マニュアル入力によってなされる必要がある。この場合、当該目的カテゴリにおいて指導スキル値が高く、十分な指導実績のある指導者を管理者が選択して、当該スキルの高い指導者が担当したいずれかのサービスにおける食事画像において付与したコメントを選ぶようにすることが好ましい。正解キーワードについては、食事指導の正確さに関連するものを同じく管理者が選ぶようにする。こうして、既にマッチングサーバ10にて提供されたサービスの記録(履歴取得部51が保持)の中から、管理者は適切なテストを作成することができる。
こうして、当該正解キーワード付き食事画像は2以下の種類の用途に使用することができる。
・予めこの画像を蓄えておき、指導者を最初に登録する際のスキル判定に利用する(スキル判定教材としての利用)
・新しくアップロードされた食事画像を、指導力を判定したい指導者と、信頼された指導者の両方に提示することで、指導力を判定する
次に、コーチングスキル算出部34の詳細を各実施形態として説明する。
第1実施形態では、コーチングスキル算出部34は、指導スキル算出部33の第3実施形態と同様に「テスト」を指導者に対して与えてその解答を返信させ、採点することによってコーチングスキル値を算出する。ただし、コーチングスキル値はユーザの動機付け能力の指標であるので、「テスト」内容を指導スキル算出部33の第3実施形態の場合から以下のように変更する。
所定の試験問題を利用する場合、食事指導に関するものではなくコーチングに関するものを用いる。
ユーザ情報及び食事画像に対するコメントを利用する場合、「正解キーワード」については動機付けに関連するものを選ぶようにする。
第2実施形態では、コーチングスキル算出部34は、当該指導者が実際に食事指導を行ったユーザの離サービス率からコーチングスキル値を算出する。この際、離サービス率が高いほど、コーチングスキル値を低く算出する所定変換式を用いる。
離サービス率は、次のように求まる。すなわち、履歴取得部51の記録を参照し、当該指導者の指導した全ユーザ(人数=A人とする)と、当該全ユーザのうち当該時点においてマッチングサーバ10に食事指導サービスからすでに辞退し、登録解除しているユーザ(人数=B人とする)と、を知ることができるので、「離サービス率=B/A」として求めることができる。登録解除から所定期間(例えば1年)以上経過した辞退ユーザは、上記A及びBの値を求める際に除外してもよい。
また、履歴取得部51の記録を参照し、各ユーザの目的カテゴリを参照することで、上記離サービス率の計算は目的カテゴリ毎に可能であるので、コーチングスキル算出部34は目的カテゴリ毎にコーチングスキル値を算出できる。
第3実施形態では、コーチングスキル算出部34は、指導者のコーチング経験等の個人情報に基づいてコーチングスキル値を算出する。当該個人情報は指導者登録部31で指導者の登録を受け付ける際に取得することができる。
当該登録の際に、コーチング経験が何年であるか、また、何人であるか等の、算出に利用する所定入力項目を設けておき、所定変換式にてコーチングスキル値を算出すればよい。ここで、当該所定入力項目も、目的カテゴリ毎の項目を設けることで、例えばスポーツ栄養指導に関して何年、また健康維持栄養指導に関して何年、といったような項目を設けることで、目的カテゴリ毎にコーチングスキル値を算出できる。
以上、その詳細に関して説明した、ユーザ側における本気度算出部23による本気度の算出及び目的カテゴリ分類部24の目的カテゴリ設定、また、指導者側における指導スキル算出部33及びコーチングスキル算出部34により、前述の一実施形態のようなマッチング部40によるマッチングが可能となる。
すなわち、当該各部によって、指導者の目的カテゴリごとのスキル値及びコーチングスキル値が得られ、また、ユーザの目的カテゴリ及び本気度が得られている。従って、ユーザの選択した目的カテゴリにおいて、マッチング部40は前述の一実施形態のように指導者とユーザのマッチングを行うことができる。
なお、マッチング部40の前述の一実施形態の概要における追加処理として、次を行ってもよい。すなわち、当該目的カテゴリにおけるユーザに指導者を割り当てるための指導者のスキル値(前述の総合スキル値)において、さらに各指導者と当該ユーザとの相性を加味してもよい。例えば、ユーザ及び指導者のそれぞれの登録時において、個人情報ないし個人プロフィールを入力させてユーザ登録部21及び指導者登録部31でそれぞれ受け取ることとし、当該入力の中に相性の度合いを算出できるような所定項目を設けておけばよい。例えば、出身地、年齢、性別、趣味などを入力させ、その一致率を相性を表す値として、当該相性の分だけ所定計算式によってスキル値を増加させるようにすればよい。
図3は、以上説明した一実施形態におけるマッチングがなされる際の、ユーザ及び指導者の立場での流れを説明するための図である。上記一実施形態においては各部の各実施形態を説明したが、当該各実施形態は任意に選択可能である。図3では、各立場での流れを追いながら、当該各部の実施形態の好適な組み合わせの1つを紹介する。まず、ユーザサイドの流れについては以下の通りである。
○欄C10に示すように、ユーザは最初に、本発明のマッチングを実施して指導サービスを受けるためのアプリケーションを自身の端末5にダウンロードし、インストールする。ここで欄C11に示すように、アプリケーション自体は無料であってよい。
○欄C12に示すように、ダウンロードされたアプリケーションを使用して、ユーザは自身の登録を行う。例えば、個人情報として名前・出身地・誕生日・住所・年齢・性別を必須の入力項目としてもよく、ユーザ登録部21がこれを受け付ける。なお、欄C13に示すように、個人情報が別途入手可能であれば、本サービス登録の際に入力させなくともよい。
○さらに欄C14に示すように、ユーザはコースの選択を行い、グレード設定部22にて当該選択を受け付ける。ここでは前述の例と同様に、欄C20,C22,C24として示す無料・ライト・プレミアムの3種類より選択する。サービス仲介部50を介して、それぞれ以下のようなサービスを受けることとなる。
・欄C21に示すように、無料ユーザには複数の指導者からのコメントが付与されるが、いわば「お試しコース」であり、指導者が固定されているとは限らない。無料ユーザは、指導者の評価を行う。当該評価は所定のランク付け評価として例えば5段階であってもよい。また、指導者に対して支払処理部55を介して支払われる指導料(無料ユーザ指導による報酬部分)は低廉である。
・欄C23に示すように、中程度サービス利用者としてのライトユーザには、ユーザが望むのであれば指導者を提示された中から指名することで、固定の指導者からのコメントが付与される。比較的スキルの高くない指導者(中程度スキルの指導者)からのコメントが多い。
・欄C25に示すように、最高サービス利用者としてのプレミアムユーザには、ユーザが望むのであれば指導者を提示された中から指名することで、固定の指導者からのコメントが付与される。比較的スキルの高い指導者からのコメントが多い。欄C25に具体的に示すように、さらにいくつかの目的別コースを準備する。ユーザはこれらの目的別コースを選択することで、それぞれのコースにあったスキルを持つ指導者の指導コメントを受けることができる。
すなわち、目的カテゴリ分類部24の適用は、全てのユーザとする代わりに、プレミアムユーザのみ、あるいはプレミアムユーザ及びライトユーザのみ、といった限定を設けてもよい。当該限定によって、料金グレードに応じたサービス品質の差別化を図ることができる。なお、指導者側については、全ての指導者に対して目的カテゴリ分類部24の所定の目的カテゴリ毎にそのスキル値を求めておく必要がある。
○続いてユーザの本気度を算出することで、各コースにおいて欄C26の(1)〜(3)に示すように、指導者側にユーザの本気度その他の情報を把握させ、戦略的な指導を促すようにする。当該通知は指導者がマッチングサーバ10を利用する際に随時参照可能とし、以下のユーザリストを用いて通知してもよい。なお、ここでは、登録直後のユーザにおいて第3実施形態による本気度の算出を想定している。本気度の更新は後述する。
(1)無料ユーザの本気度を算出するためには、ユーザがアプリケーションをダウンロードした端末内のその他アプリケーションの有料・無料の別を調査し、有料アプリケーションの割合を調べる。当該割合の高い順にユーザを並べ、マッチングの際に参照するためのユーザリストを(ユーザDB25内の1つの加工されたデータとして)本気度算出部23が作成する。
(2)ライトユーザについても上記と同様にユーザリストを作成する。
(3)プレミアムユーザについては、ユーザのアプリケーションカテゴリから、興味のあるカテゴリを判定し、コースをレコメンドしても良い。プレミアムではコースごとにユーザリストが生成される。
続いて、指導者サイドの流れは次の通りである。
●欄C30に示すように、指導者登録部31にて指導者(栄養士等)の登録を受け付ける。
●当該登録の際、欄C31に示すように、資格・経験の有無についての登録を行う。例えば、管理栄養士・栄養士の資格の有無及び名前・出身地・誕生日・住所・年齢・性別・出産経験の有無を必須入力項目としてもよい。指導経験の有無では、プレミアムでの各目的カテゴリの指導経験について記載を行う。
●欄C32に示すように、スキル評価部32(指導スキル算出部33及びコーチングスキル算出部34)によって、指導者に対してスキルの判定テストを行いその結果を求める。スキル判定では、前述のように例えば資格・経験の有無・プロフィール情報から、各ユーザ・目的カテゴリに対するスキルの結果を数値で判定する。
●欄C33〜C35に示すように、マッチング部40は、スキルが一定値以下の場合、「初級」として無料ユーザの指導に割り当て、一定以上の場合は「中級」又は「上級」としてライト・プレミアムへの指導を行うように指導者を割り振る。すなわち、前述のマッチングの概要では説明を省略したが、無料コースを対応する指導者のグループと、当該グループとは別途にライト・プレミアムコースをする指導者のグループ(各コースでさらに分けてもよい)と、を分ける方が好ましい。当該グループ分けしたうえで、前述のようにして各グループ内でマッチングを行ってもよい。
続いて、マッチング及びマッチングに従って食事指導がなされた後の手順の詳細は各コースにつき以下の通りである。
図4は無料コースのマッチングを説明するための概念図である。欄C40,C41に示すように予めユーザ登録及び本気度の算出を行ったうえで、無料コースにおけるマッチングは以下の手順で、各回の食事指導においてなされる。
(手順M1)ユーザの本気度に応じて、前述の「初級」グループの指導者のうちスキルの高い指導者が割り当てる。なお、無料コースにおいては、実際の指導者を割り当てる代わりに、定型コメント送信部53を利用することにより、指導者のいわゆる「ボット」を割り当ててもよい。
なお、当該「ボット」は、スキル値の最低の側の所定数の指導者とみなして、実際の指導者に追加する形で(「初級」グループの指導者に「ボット」が所定数含まれるとみなして)マッチングしてもよいし、食事指導を継続的に行うに際して、各ユーザにおいて所定頻度で当該「ボット」が表れるようにしてもよい。当該所定頻度をユーザの本気度が低いほど高くなるように所定方式で設定してもよい。
(手順M2)食事指導コメントを受けて、利用者が指導者の評価を、例えば5段階評価などで行う。
また、上記手順によって各回の食事指導を継続するにつれ、本気度は更新される。すなわち、食事指導を受けるための食事画像のアップロードを日常的に行うと、特に第1実施形態で算出される本気度が増加し、逆の傾向であれば減少する。これは、有料会員(ライトユーザ・プレミアムユーザ)への移行(グレード設定部22での再設定)の可能性が高いとみなせるため、よりよいサービスを提供して移行を促すためである。
なお、ユーザの登録直後は食事指導履歴が存在しないため、本気度算出部23は前述の第3実施形態で本気度を算出して暫定的に指導者を割り当て、履歴が所定量蓄積されれば第1及び/又は第2実施形態で本気度を算出すればよい。この際、過去全ての履歴を用いるのではなく、所定期間に渡る過去(例えば過去1か月のみ等)の履歴を用いてもよい。
こうして、図4の欄C41の本気度算出の結果、欄C50の「興味本位」(本気度が低い側)と欄C51の「目的はあるがお試し」(本気度が高い側)のように、ユーザの意図を概ね推定できる。さらに画像アップロード履歴を解析して本気度を更新することで、欄C60に示すような画像数が少なく意欲が少ないユーザはC64に示すように「ボット」を多く割り当ててもよい。その他の欄C61〜C63に示すようなある程度の意欲が認められるユーザには、欄C65に示すように、より意欲を向上させるようなサービスを提供してよい。
ライトコースのマッチングは、食事指導の各回において以下の手順に従えばよい。
(手順L1)特にユーザが希望しなければ、ユーザの本気度に応じて、スキルの高い栄養士が「中級」(中級・上級合同であってもよい)グループの指導者の中から割り当てられる。一方、ユーザが自身に適した指導者を自身で選択することを希望する場合、当該希望に応じて割り当てるため、以下のようにすることができる。
すなわち、指導者の検索機能をユーザに利用可能とさせ、指導者の資格、指導歴、運動経験、などの検索キーで自身の希望に応じた指導者を選択可能なようにする。図5は当該検索結果としてユーザに提示される画面の例である。ここでは、検索条件に合致し、かつスキルの高い指導者の順(1位〜5位)を「選択順位」として示している。当該スキル値の計算には、前述のユーザ・指導者間の相性を考慮してもよい。あるいは、検索条件に合致し、かつ前述のユーザ・指導者間の相性を表す値が大きい順を、当該「選択順位」としてユーザに提示してもよい。
(手順L2)マッチングされた指導者からの食事指導コメントを受けて、利用者が指導者の評価を、例えば5段階評価などで行う。
なお、食事指導を継続し、ライトコースのユーザがプレミアムコースにアップグレードした(グレード設定部22にて再設定を受けた)場合には、スキル評価部32は当該ユーザを担当した指導者のスキル値に所定の加算処理を施す。
なおまた、食事指導の継続に従って、ライトコースのユーザの本気度も、無料コースについて説明したのと同様にして更新される。
プレミアムコースのマッチングは、食事指導の各回において上記ライトコースの(手順L1)及び(手順L2)と同様にすればよい。ここで、指導者は「上級」(中級・上級合同であってもよい)グループ内から選ぶ。ただし、ライトコースとの差別化として、指導者の得意とする目的カテゴリをユーザが指定することをさらに可能として、上記手順を取るものとする。図6はプレミアムコースにおけるユーザが検索を行った際に、提示される画面の例である。また、本気度が更新されることは、無料コース及びライトコースの場合と同様である。
次に、マッチングサーバ10におけるユーザの本気度及び指導者のスキル値の値の更新処理について具体的に説明する。本気度の更新内容は以下の通りであり、当該本気度の更新は、日ごとなど、所定期間毎に行えばよい。
本気度算出部23は更新の際には本気度の算出に第1実施形態を利用することができ、この場合、画像数・画像のバリエーション・画像のアップロード時間によってその値を求める。ここで、所定周期として1日毎に本気度を更新するとする。この場合、画像数は本気度の更新周期以上の所定周期で収集したものを測定する。従って例えば、1日毎に本気度を更新するのであれば、1週間単位で画像数を測定する。
画像バリエーションについては、当該画像収集期間の全ての食事画像の内、2つを抽出して、画素間の二乗平方和(SSD)を計算し、当該2つの期間内の全ての平均として求めた二乗平方和の値によって、本気度を計算することができる。なお、二乗平方和(SSD)の他、絶対誤差(SAD)や、その他の特徴量を抽出するものなど、画像間の類似度の指標となるものを用いて同様にしてよい。
あるいは、食事指導の際にユーザ又は指導者に食事内容をメニュー名として入力させ、画像収集期間内に得られた当該メニューの種類の豊富さを上記画像のバリエーションに代わるものとして採用してもよい。この際、メニュー名は選択項目として設けておき、テキスト入力せずとも項目選択で入力可能としておいてもよい。
画像のアップロード時間は、前回のアップロード時間との間隔によってそのばらつきの少なさによって本気度を評価する。3〜4時間間隔で食事がとられることが多いことを考慮して、例えば朝食から昼食への間隔の所定値を3時間とすると、朝9時に食事画像がアップロードされた場合、12時を昼食がアップロードされるべき基準時となる。当該基準時からどの程度離れた時間に食事画像がアップロードされたかによって評価する。
例えばユーザが食事したのが、13時であったとすれば、13-12=1となる。14時であった場合は14-12=2となる。これらの差からばらつきスコアを求める一例として、例えば、当該差を二乗して平方根をとり、逆数にすると、それぞれ1、0.5となり、これらをスコアとしてもよいし、差の絶対値をスコアとするなどその他の求め方を用いてもよい。さらに休憩の15時、夕食の18時についても同様に評価する。
あるいは、所定の過去期間に渡ってのアップロード時間間隔の分布を取得して、その標準偏差をアップロード時間のばらつきの指標とし、ばらつきの少ないほど本気度が高くなるよう所定方式をさだめてもよい。
また、第2実施形態で本気度を算出する場合や、第1及び第2実施形態で本気度を算出する場合も、同様に所定の過去期間に渡っての値によって更新することができる。
また、スキル値の更新に関しては上記各コースのマッチングにおいて説明した通りの、食事指導毎に得られるユーザからの評価と、指導者登録の際にスキル評価部32で「テスト」として行うものと同種のものを定期的に実施して、所定の重み付け和等によりその総合スコアを求めることで、本気度と同様に日ごとなど所定期間毎に更新することが可能となる。あるいはユーザ評価と「テスト」のうち片方のみで更新してもよい。
スキル値の更新と、更新後のマッチングによって、指導者もよりよい指導を行うことでグレードの高いコースの指導が可能となるので、そのような指導を行う動機付けが得られることとなる。
以上のようにして、本気度及びスキル値は当該食事指導サービスを提供する時点における最新の状態に保たれたうえで、各食事指導時のマッチングがなされる。ただし、ライトコース以上であれば前述のように、ユーザによる指導者の直接指定も可能となるが、当該指定に際して検索などを利用する際には、最新状態の検索結果が提供されることとなる。
以上の例では、無料・ライト・プレミアムの3コースとして説明したが、ライト又はプレミアムに一致する「有料」のコースによって、無料・有料の2コースで実施してもよい。特に、無料コースのユーザを有料への移行に促す部分のみを以上説明した方式で実装して、有料コースについては所定スキル値の条件を満たす指導者を割り当てることのみを課す簡素な形式によっても本発明は実施可能である。
また同様に、無料・ライト・プレミアムの3コースよりもさらに有料コースの種類を増すことで、多彩な料金グレードの設定を行うようにしても、本発明は実施可能である。この場合、料金グレードがより高くなるコースへユーザが再登録を行った場合に、指導者のスキル値を増加させるようにすればよい。
次に、マッチング部40によるマッチングの別の一実施形態を説明する。当該実施形態の概要は次の通りである。すなわち、1人のユーザの食事指導の際に、以上説明してきたマッチング実施形態においてそのスキル値に基づいてただちに1人の指導者を割り当てるのとは異なり、複数の候補としてのn人の指導者を選んだうえで、その中からランダムに1人を割り当てる。
食事指導が継続されユーザの本気度が更新され、ユーザのモチベーション向上の結果として本気度が上昇するにつれ、当該候補として割り当てる人数のnが減少していき、最終的にはユーザ対指導者の1対1のマッチングとなる。
当該nの漸減措置は、モチベーションの高い利用者ほど悪意の可能性が低くなると想定されることによるものである。また、n人で同時に1人のユーザの指導を行うとした場合に、同等の報酬を全体に割り振れば、nの母数が少なければ少ないだけ指導者への報酬も大きくなる。また、n人で指導を行うことで、モチベーションの低い可能性の高い利用者については、いわゆる出会い等の悪意ある目的をある程度制限することができる。また、利用者の求めるサービス品質によって、n人のスキル平均値を変化させれば、効率的な運用が可能となる。
従って、当該別の一実施形態はその効果として、以上説明してきたマッチング実施形態と概ね同様であり、無料ユーザの有料コース移行への動機付けを促すことと、指導者がよりよい指導の実施することを促すこと、を奏することができる。
図7は、当該別の一実施形態のマッチングの概念図である。本実施形態の手順は以下の通りである。
(手順1)ユーザの本気度の算出と、指導者のスキル値の算出とを行う。
すなわち、欄C70,C71に示すように前述の実施形態と概ね同様(異なる場合として、グレード設定部22を利用しない場合がある)にユーザ管理部20が機能して、ユーザ登録からコース設定、目的カテゴリ設定、本気度算出を行い、グレード設定部22を利用する場合であれば、欄C72,C73,C74に示すように所定のコース分けがなされる。ここでは前述の例と同内容で、無料・ライト・プレミアムへのコース分けを例として採用する。
一方、指導者側についても前述の実施形態と同様に指導者管理部30が機能して、指導者登録、スキル値算出がなされている。ただし、当該別実施形態では、コーチングスキル算出部34は必ずしも利用しなくともよく、スキル値に指導スキル値を採用してよい。
(手順2)算出された利用者の本気度に応じて、マッチング部40が指導者の数nを変更して設定する。例えば、1/(0.1×本気度)のような指数で、指導者の数を変更する。この場合本気度1で、10人、本気度10で1人となる。
(手順3)コースごとにわけてサービスを提供する場合、(無料・ライト・プレミアムのように)コースごとに、利用者一人あたりに割り振る指導者の平均の指導スキル値を予め決めておき、指導者の指導スキル値の平均がコースごとに一定になるように指導者の割り当てを調節する。また、各コース内でユーザにn人の指導者を割り当てる際も、当該n人のスキル値の平均が当該コースのスキル値の平均から大きく逸脱しないように、n人を選ぶものとする。
あるいは、登録されている指導者を、有している指導スキル値で順位づけして、人数割合などによる所定区分で上位〜下位に分けたうえで、マッチング部40が自動的に各コースに割り当ててもよい。この場合、当該所定区分分けによって各コースの指導者の平均の指導スキル値が定まる。コース内でn人を割り当てる際は、同様にn人の平均スキル値が当該コースの平均スキル値から大きく逸脱しないようにする。
なお、コース分けを実施しない場合、当該(手順3)は不要であり、グレード設定部22は省略される。
(手順4)前述の実施形態の場合におけるのと同様の指導者の指導スキル値及びユーザの本気度の更新処理を行う。
以上の手順によって、グループ分けを実施した場合であれば、例えば無料コースのユーザにおいて、本気度が向上するにつれて、図7の欄C76,C77,C78に示すように順次割り当てられるn人の数が漸減していくこととなる。
ユーザ・指導者双方の立場から見たマッチングサーバ10について整理すると以下のようになる。
・利用者から見たマッチングサーバ10
利用者は食事画像をマッチングサーバ10にアップロードする。アップロードした画像について、食事内容の改善等について、一人ないし複数の指導者からコメントが返ってくる。
・指導者から見たマッチングサーバ10
指導者には、自分が受け持っているユーザの食事画像が1日に1回ないし複数回送信されてくる。指導者は当該写真に対してコメントを記載し、指導を行う。
・マッチングサーバ10の内部処理(マッチング部40)
各ユーザに対して、担当を行う指導者を複数(n人)割り当て、これによって同時に、指導者も複数のユーザの担当ないし担当候補となる。
一実施形態では、ユーザがサービスを利用する日毎にランダムに複数n人指導者の中から1人を選ぶマッチングを実施することで、ユーザ・指導者間の食事画像等・コメントの送受信が行われる。当該送受信は前述の「n人」ではない実施形態と同様である。
また一実施形態では、ユーザがサービスを利用する場合、複数n人の全ての指導者に対してマッチングを実施することで、n人の全ての指導者に食事画像等が送信され、n人の全ての指導者がコメントを返信する。当該送受信において、当該ユーザとn人のうちの1人の指導者との間の送受信は前述の「n人」ではない実施形態と同様であるが、ユーザはn人の全員からのコメントを受信することとなる。n人の指導者は、互いに他の指導者のコメントは参照できない。
さらに、図7の欄C76の代わりとして欄C79に示すような、いわゆる「ボット」をおりまぜてもよい。「ボット」をまぜる場合、「ボット」のスキル値に所定の最低値を与えたうえで、そのような仮想的な指導者が複数存在しているものとみなして、マッチングを実施すればよい。この場合、「n人」の中に、ユーザの本気度如何によって、前述の実施形態で説明したのと同様の定型コメント送信部53を起動するものが仮想的に含まれることとなる。
さらにユーザから見た人格(コメントにおいて受け取る印象など)を統一するために、マッチングサーバ10側で仮想人格を準備してもよい。コメント形式統一部52が当該仮想人格を実現し、仮想人格に相当する、言い回し・顔文字等の単語を保存しておく仮想人格単語データベースを有し、指導者の行ったコメントに、形態素解析を施したうえでこの仮想人格単語を付与ないし置換することで、仮想人格を装うことができる。
コメント形式統一部52は、上記手法でコメントをフィルタリングしてからユーザへと送信する。こうして例えば、文末の所定パターン「です」「ですね」「だ」「である」等を全て対応する所定パターン「です」に統一したり、顔文字・絵文字などを全て削除する、などの処理が行われる。なお、コメント形式統一部52は例えば以下に開示の「くだけた表現の自動生成技術」などによって実現されてもよい。
[オンライン]http://www.rbbtoday.com/article/2009/12/03/64176.html