JP6020346B2 - 繊維状活性炭多重織物 - Google Patents

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本発明は、炭化可能な原料有機繊維の多重織物を炭化・賦活処理することによって得られる繊維状活性炭の多重織物に関するものである。
従来、炭化可能な原料有機繊維に炭化処理および賦活処理を施して繊維状活性炭を得ることが提案されている。特許文献1では編地状の繊維状活性炭編物が提案されている。これによると、柔軟で加工性に優れ、引張強度が高く、取り扱い性が良好な繊維状活性炭編物が得られる。しかしながら、昨今の活性炭布帛としての高性能化や他の材料との組み合わせにおける高次加工性といった高い要求を満足することはできないものであった。
特に、吸着性能と通気性、強度のバランスが十分ではないものであった。すなわち、単位面積当たりの有機溶剤ガスに対する吸着性能を増大しようとして繊維状活性炭編物の絶乾質量を増加させると、密度が増大し圧力損失が増し、通気性が低下してしまう結果となった。
また、連続的な工業生産を想定した場合には、焼成時のコース方向の収縮によりテンションが掛かるために繊維状活性炭編物の強度が十分でない場合には、破れたり切れたりすることが考えられた。さらに両端部がカール状として捲れたり、幅方向の収縮が不安定で一定で安定した幅の繊維状活性炭編物を得ることが困難であり、収縮の変動が大きく、絶乾質量の変動が大きく、また編目曲がりが起こり、製品の品位が劣るものであった。
特開昭58−213615号公報
本発明は従来技術の問題を解決しようとするもので、通気性が高く、引張強度が高く、単位面積当たりの有機溶剤ガスに対する吸着性能が大きい繊維状活性炭多重織物を提供しようとするものである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討の結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、以下の通りである。
(1)本発明は、繊維状活性炭多重織物である。言い換えれば、織組織を多重織とした繊維状活性炭である。
燥目付が60〜250g/mであることを特徴とする(1)に記載の繊維状活性炭多重織物。
)引張強度が10N/5cm以上である(1)または(2)に記載の繊維状活性炭多重織物。
)(1)から(3)のいずれか1つに記載の繊維状活性炭多重織物を使用した防護衣服。
)繊維状活性炭の前駆体繊維の糸からなる多重織物を、バッチ式または連続式に炭化・賦活加工する(1)から(3)のいずれか1つに記載の繊維状活性炭多重織物の製造方法。
本発明は、炭化可能な原料有機繊維の多重織物を炭化・賦活処理することによって得られる繊維状活性炭の多重織物であって、通気性が高く、引張強度が高く、取り扱い性が良好で、積層加工などの加工性に富み、有機ガスの吸着性能に優れた繊維状活性炭多重織物に関する。詳しくは、本発明はマスクや脱臭パッド、脱臭シーツなどのメディカル用品、有害ガスから身体を守る防護服、各種の空気清浄機、あるいは液相で使う各種の吸着エレメント、電気反応場例えば各種の電池の電極や電気槽用の電極等に使用される繊維状活性炭多重織物に関する。特に、本繊維状活性炭多重織物をシート材料や成形品と積層、貼付等で組み合わせた加工を施す際に、破れや摩耗といった損傷が少なくかつ通気性の高い繊維状活性炭多重織物に関する。
本発明は、繊維状活性炭を、織組織を多重織とし、それにより柔軟性、引張強度、通気性、吸着性能等のバランスの良い繊維状活性炭シートを得る。織組織を多重織とした繊維状活性炭(以下、「繊維状活性炭多重織物」という場合がある)を得る工程については繊維状高分子前駆体の糸をあらかじめ多重織にした後、炭化・賦活して繊維状活性炭多重織物とする方法が好ましい。活性炭繊維糸を製織することにより、繊維状活性炭多重織物を得ることは、活性炭繊維糸の強度が弱いため、工業的には製造することは極めて困難だからである。
柔軟性のある繊維状活性炭シートを得るためには、編地状の繊維状活性炭シートであることが好ましかったが、編地状であると引張強度が低く、破れや摩耗等が比較的発生しやすい。一方、織物状の繊維状活性炭シートは、引張強度は高いが、柔軟性に劣る上、単位面積当たりの有機溶剤ガスに対する吸着性能を増大しようとすると絶乾質量を増加させねばならず、その結果密度が増大し圧力損失が増してしまい通気性が低下してしまう。
そこで、本発明では、繊維状活性炭を、織組織を多重織し、それにより柔軟性、引張強度、通気性、吸着性能等のバランスの良い繊維状活性炭シートを得たものである。
本発明の繊維状活性炭多重織物の嵩密度は0.02〜0.19g/であり、0.05〜0.18g/が好ましい。嵩密度が0.02g/未満では製織困難であり、また製織できても目ズレを起こしやすく好ましくなく、0.19g/を超えると通気性が低くなり好ましくない。
本発明の繊維状活性炭多重織物の乾燥目付は、60〜250g/mであり、70〜200g/mが好ましい。乾燥目付が60g/m未満では吸着性能が低くなり防護性が得られず好ましくなく、250g/mを超えると防護衣に使用した場合に生理負担が大きくなり好ましくない。
本発明の繊維状活性炭多重織物の引張強度は、10N/5cm以上が好ましい。引張強度が10N/5cm未満では、例えば織編物や不織布といった他の繊維集合体と工業的に積層加工する場合に該繊維状活性炭多重織物に加わる機械的応力により破れが生じ、生産性が大幅に低下し実用的でなくなる。引張強度の上限は特に限定されるものではないが、100N/5cm程度となる。
繊維状活性炭の前駆体繊維としてはフェノール系繊維、セルロース系繊維、ピッチ系繊維やPAN系繊維が知られているが、本発明の引張強度の高い繊維状活性炭多重織物を得るには、繊維状活性炭の前駆体繊維がフェノール系繊維であることが好ましい。
本発明の繊維状活性炭多重織物の厚さは、0.3〜3.0mmが好ましく、0.5〜2.5mmがより好ましい。厚さが0.3mm未満では通気性が低くなり好ましくなく、3.0mmを超えると防護衣に使用した場合に生理負担が大きくなり好ましくない。
本発明の繊維状活性炭多重織物の通気度は、100cm/cm・s以上が好ましい。通気度が100cm/cm・s未満では、フィルターに使用した場合には圧力損失の増大が、防護服に使用した場合には着用感の低下といった問題が起こり好ましくない。通気度の上限は特に限定されるものではないが、5000cm/cm・s以下が好ましい。5000cm/cm・sを超える多重織物は製織不可だからである。
本発明の繊維状活性炭多重織物の吸着性能としては、JIS K1477「繊維状活性炭試験方法」の7.8項に記載のトルエン吸着性能で30〜250g/mが好ましく、33〜250g/mがより好ましい。トルエン吸着性能が30g/m未満である場合は、フィルタや防護服として使用した場合に実用性能を十分発揮できなくなる。一方、250g/mを越えるトルエン吸着性能を有する多重織物で防護服のような衣服を成型すると、着用したときその重量により生理負担が大きくなってしまう。
本発明の繊維状活性炭多重織物を得る方法としては、以下の方法が一例として挙げられる。繊維状活性炭の前駆体繊維としてはフェノール系繊維を用い、前駆体繊維の糸としては、ステープルから得られる紡績糸またはフィラメント糸いずれの場合でも良く、また両者を混合した混繊糸でもかまわない。前駆体繊維の単繊維繊度は1.1dtex〜5.5dtexが好ましく、前駆体繊維糸の繊度は197〜885dtexが好ましく、295〜885dtexがより好ましい。糸の繊度が197dtex未満であると、製織し炭化・賦活した後の繊維状活性炭多重織物の密度が緻密となって十分な通気性が得られず、さらに柔軟性が不足して後加工時や使用時に裂けや破れの発生に繋がる。
前記糸を用いて原料織地を製織するにあたって、繊維状活性炭にした後のシートの通気性を保持し、さらには吸着性能を保持するためには、織組織としては多重織とする必要がある。織組織が多重織ではなく平織物を重ね合わせた場合は、重ね合わせ面同士が擦れて活性炭粉末が脱落して穴が開き、実用に耐えないものとなる。摩耗性評価方法としては、JIS L1096(2010)の8.19.4 D法(アクセレロータ形法)により目視判定した。また、平織物を重ね合わせ、不織布状ホットメルト接着剤により積層加工したものは、接着加工しているため繊維状活性炭シートの柔軟性が大きく劣り、実用に耐えないものとなる。柔軟性としては、JIS L1096(2010)の8.21.2 B法(スライド法)による剛軟度が10mN・cm以下が好ましい。
得られた前駆体繊維からなる多重織物を活性炭にするには、バッチ式あるいは連続式に炭化・賦活工程を施すことで得られる。得られる繊維状活性炭多重織物の生地特性や吸着性能の均一性を得ることや工業的生産性を考慮すると、炭化・賦活を連続的に行うことが好ましい。前駆体繊維からなる多重織物を350℃以上1000℃以下の温度の不活性雰囲気で炭化し、次いで500℃以上1000℃以下の温度で炭素と反応する水蒸気、酸素、二酸化炭素などを含む活性な雰囲気で賦活し、活性炭化する。また、場合によっては雰囲気条件を制御することにより炭化と賦活を同時に行うことも可能である。なお、賦活処理、すなわち活性炭化を行う際の最高到達温度が1000℃を越えると異常収縮などによりシワの発生を伴うことがあり、最高到達温度は1000℃以下にすることが好ましい。これにより、BET比表面積が1000〜3000m/gである繊維状活性炭多重織物が得られる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例はこの発明を制限するものではなく、前・後記の主旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術範囲に包含される。なお、本発明中における特性値の測定及び評価は下記のようにおこなった。
(繊度)
JIS L1015(2010)の8.5.1(正量繊度)b)B法(簡便法)に記載の方法に準拠して求めた。ただし、表記はdtex(デシテックス)単位とした。
(目付)
JIS L1096(2010)の8.3.2(標準状態における単位面積当たりの質量)に記載の方法に準拠して測定した。
(絶乾質量)
JIS L0105(2006)の5.3.2(試料又は試験片の絶乾状態)に記載の方法に準拠して測定した。
(厚さ)
JIS L1096(2010)の8.4(厚さ)a)A法(JIS法)に記載の方法に準拠して測定した。ただし、圧力は0.7kPaとした。
(嵩密度)
JIS L1096(2010)の8.11(見掛比重及び気孔容積率)a)見掛比重に記載の方法に準拠して算出した。ただし、繊維状活性炭布帛の嵩密度は絶乾質量を用いて算出した。
(引張強さ)
JIS L1096(2010)の8.14.1(JIS法)に記載の方法に準拠して測定した。
織物の場合、たて方向とはたて糸方向をいい、よこ方向とはよこ糸方向をいう。また、編物の場合はそれぞれウェール方向、コース方向をいう。
(通気度)
JIS L1096(2010)の8.26.1 A法(フラジール形法)に記載の方法に準拠して測定した。
(剛軟度)
JIS L1096(2010)の8.21.2 B法(スライド法)に記載の方法に準拠して測定した。
(トルエン吸着性能)
JIS K1477(2007)の7.8.2(平衡吸着量)に記載の方法に準拠して測定した。
(磨耗性(粉塵脱落性))
JIS L1096(2010)の8.19.4 D法(アクセレロータ形法)に記載の方法に準拠して評価した。ただし、研磨紙としてCw−C−P1200を使用し、回転羽根を1000回/分の回転速度で2分間回転させたときのサンプル外観を目視判定した。
○:摩耗前後で外観に大きな変化なし
△:損傷が見られる
×:損傷が大きく、穴あきが多数見られる
<実施例1>
単繊維繊度2.2dtex、糸の繊度590dtexの群栄化学工業株式会社製フェノール系繊維(KY−84)を使用し、打ち込み密度経19、19本/2.54cm、緯19、19本/2.54cmの二重織物を製織した。この織物は、目付190g/m、厚さ1.02mm、嵩密度0.19g/cm、通気性252cm/cm・sであり、引張強度はたて方向361N/5cm、よこ方向348N/5cmであった。この織物を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた繊維状活性炭二重織物は、絶乾質量113g/m、厚さ0.95mm、嵩密度0.12g/cm、通気性203cm/cm・sであり、引張強度はたて方向25N/5cm、よこ方向20N/5cmと強靱なものであった。また、トルエン吸着性能は52g/m、BET比表面積は1321m/gと高い吸着性能を有するものであり、剛軟度は8.3mN・cmと柔軟なものであった。さらに、摩耗性(粉塵脱落性)も良好なものであった。
<実施例2>
単繊維繊度2.2dtex、糸の繊度590dtexの群栄化学工業株式会社製フェノール系繊維(KY−84)を使用し、打ち込み密度経13、13本/2.54cm、緯12、12本/2.54cmの二重織物を製織した。この織物は、目付124g/m、厚さ0.99mm、嵩密度0.13g/cm、通気性497cm/cm・sであり、引張強度はたて方向242N/5cm、よこ方向226N/5cmであった。この織物を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた繊維状活性炭二重織物は、絶乾質量72g/m、厚さ0.95mm、嵩密度0.08g/cm、通気性410cm/cm・sであり、引張強度はたて方向16N/5cm、よこ方向13N/5cmと強靱なものであった。また、トルエン吸着性能は34g/m、BET比表面積は1350m/gと高い吸着性能を有するものであり、剛軟度は5.4mN・cmと柔軟なものであった。さらに、摩耗性(粉塵脱落性)も良好なものであった。
<実施例3>
単繊維繊度2.2dtex、糸の繊度590dtexの群栄化学工業株式会社製フェノール系繊維(KY−84)を使用し、打ち込み密度経24、21、24本/2.54cm、緯23、20、23本/2.54cmの三重織物を製織した。この織物は、目付337g/m、厚さ1.55mm、嵩密度0.22g/cm、通気性205cm/cm・sであり、引張強度はたて方向647N/5cm、よこ方向626N/5cmであった。この織物を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた繊維状活性炭三重織物は、絶乾質量202g/m、厚さ1.50mm、嵩密度0.13g/cm、通気性152cm/cm・sであり、引張強度はたて方向51N/5cm、よこ方向46N/5cmと強靱なものであった。また、トルエン吸着性能は94g/m、BET比表面積は1350m/gと高い吸着性能を有するものであり、剛軟度は8.8mN・cmと柔軟なものであった。さらに、摩耗性(粉塵脱落性)も良好なものであった。
<比較例1>
単繊維繊度2.2dtex、糸の繊度590dtexの群栄化学工業株式会社製フェノール系繊維(KY−84)を使用し、打ち込み密度経36本/2.54cm、緯34本/2.54cmの平織物を製織した。この織物は、目付173g/m、厚さ0.60mm、嵩密度0.29g/cm、通気性115cm/cm・sであり、引張強度はたて方向303N/5cm、よこ方向304N/5cmであった。この織物を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた繊維状活性炭平織物は、絶乾質量107g/m、厚さ0.55mm、嵩密度0.20g/cmであり、引張強度はたて方向21N/5cm、よこ方向12N/5cmと強靱なものであったが、平織物で嵩密度が大きいため通気性は82cm/cm・sと非常に低いものであった。また、トルエン吸着性能は50g/m、BET比表面積は1350m/gと高い吸着性能を有するものであり、剛軟度は8.3mN・cmと柔軟なものであった。さらに、摩耗性(粉塵脱落性)も良好なものであった。
<比較例2>
単繊維繊度2.2dtex、糸の繊度590dtexの群栄化学工業株式会社製フェノール系繊維(KY−84)を使用し、打ち込み密度経18本/2.54cm、緯18本/2.54cmの平織物を製織した。この織物は、目付88g/m、厚さ0.55mm、嵩密度0.16g/cm、通気性701cm/cm・sであり、引張強度はたて方向173N/5cm、よこ方向161N/5cmであった。この織物を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた繊維状活性炭平織物を2枚重ね合わせた。得られた繊維状活性炭平織物2枚重ね品は、絶乾質量104g/m、厚さ1.0mm、嵩密度0.10g/cm、通気性304cm/cm・sであり、引張強度はたて方向33N/5cm、よこ方向45N/5cmと強靱なものであった。また、トルエン吸着性能は46g/m、BET比表面積は1264m/gと高い吸着性能を有するものであり、剛軟度は5.3mN・cmと柔軟なものであった。しかし、平織物を2枚重ね合わせただけでは、重ね合わせ面同士が擦れて活性炭粉末が脱落して穴が開き、実用に耐えないものとなった。
<比較例3>
単繊維繊度2.2dtex、糸の繊度590dtexの群栄化学工業株式会社製フェノール系繊維(KY−84)を使用し、打ち込み密度経18本/2.54cm、緯18本/2.54cmの平織物を製織した。この織物は、目付88g/m、厚さ0.55mm、嵩密度0.16g/cm、通気性701cm/cm・sであり、引張強度はたて方向173N/5cm、よこ方向161N/5cmであった。この織物を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた繊維状活性炭平織物を2枚重ね合わせ、アミド系樹脂よりなる不織布状ホットメルト接着剤により積層加工した。得られた繊維状活性炭平織物2枚重ね接着品は、絶乾質量123g/m、厚さ1.02mm、嵩密度0.12g/cm、通気性285cm/cm・sであり、引張強度はたて方向41N/5cm、よこ方向75N/5cmと強靱なものであった。また、トルエン吸着性能は45g/m、BET比表面積は1063m/gと高い吸着性能を有するものであった。しかし、平織物を2枚接着加工しているため剛軟度は15.3mN・cmと高く、柔軟性に劣り、実用に耐えないものであった。
<比較例4>
単繊維繊度2.2dtex、糸の繊度295dtexの群栄化学工業株式会社製フェノール系繊維(KY−04)を使用し、22ゲージ両面丸編み機によりフライス編地を編成した。この編地は、目付230g/m、厚さ1.60mm、密度15ウェール/2.54cm、34コース/2.54cm、嵩密度0.14g/cm、通気性305cm/cm・sであり、引張強度はたて方向(ウェール方向)171N/5cm、よこ方向(コース方向)242N/5cmであった。この編地を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた繊維状活性炭編物は、絶乾質量113g/m、厚さ1.10mm、嵩密度0.10g/cm、通気性346cm/cm・sであったが、編地のため引張強度はたて方向7N/5cm、よこ方向5N/5cmと小さく、実用に耐えないものであった。また、トルエン吸着性能は52g/m、BET比表面積は1321m/gと高い吸着性能を有するものであり、剛軟度は5.8mN・cmと柔軟なものであった。
〔産業上の利用可能性〕
本発明の繊維状活性炭多重織物は、通気性が高く、引張強度が高く、単位面積当たりの有機溶剤ガスに対する吸着性能が大きい繊維状活性炭シートを提供することが可能である。さらには、工業生産時の連続的な炭化・賦活工程においても安定した収縮により、品質および品位の優れた繊維状活性炭多重織物を提供することが可能であり、産業界への寄与大である。

Claims (5)

  1. 維状活性炭多重織物。
  2. 燥目付が60〜250g/mであることを特徴とする請求項1に記載の繊維状活性炭多重織物。
  3. 引張強度が10N/5cm以上である請求項1または2に記載の繊維状活性炭多重織物。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の繊維状活性炭多重織物を使用した防護衣服。
  5. 繊維状活性炭の前駆体繊維の糸からなる多重織物を、バッチ式または連続式に炭化・賦活加工する請求項1から3のいずれか1項に記載の繊維状活性炭多重織物の製造方法。
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