JP2016129993A - 防護材料 - Google Patents

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木山 幸大
Yukihiro Kiyama
幸大 木山
河合 泰功
Taiko Kawai
泰功 河合
志貴 渡邉
Yukitaka Watanabe
志貴 渡邉
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Abstract

【課題】引張強度が高く、柔軟で、単位面積当たりの有機溶剤ガスに対する吸着性能が大きい繊維状活性炭多重織物に、その繊維状活性炭多重織物から微量に発生する粉塵遮蔽する織編物を積層したを含む防護材料を提供すること。
【解決手段】乾燥目付が60〜250g/m2である繊維状活性炭多重織物に単繊維繊度が0.5〜1.5dtex、目付が20〜70g/m2、通気度が5〜500cm/cm・sである織編物を積層した防護材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、炭化可能な原料有機繊維の多重織物を炭化・賦活処理することによって得られる繊維状活性炭の多重織物に、繊維状活性炭多重織物から微量に発生する粉塵遮蔽する織編物を積層した防護材料に関するものである。
従来、炭化可能な原料有機繊維に炭化処理および賦活処理を施して繊維状活性炭を得ることが提案されている。特許文献1では編地状の繊維状活性炭編物が提案されている。これによると、柔軟で加工性に優れ、引張強度が高く、取り扱い性が良好な繊維状活性炭編物が得られる。しかしながら、昨今の活性炭布帛としての高性能化や他の材料との組み合わせにおける高次加工性といった高い要求を満足することはできないものであった。
特に、吸着性能と通気性、強度のバランスが十分ではないものであった。すなわち、単位面積当たりの有機溶剤ガスに対する吸着性能を増大しようとして繊維状活性炭編物の絶乾質量を増加させると、密度が増大し圧力損失が増し、通気性が低下してしまう結果となった。
また、連続的な工業生産を想定した場合には、焼成時のコース方向の収縮によりテンションが掛かるために繊維状活性炭編物の強度が十分でない場合には、破れたり切れたりすることが考えられた。さらに両端部がカール状として捲れたり、幅方向の収縮が不安定で一定で安定した幅の繊維状活性炭編物を得ることが困難であり、収縮の変動が大きく、絶乾質量の変動が大きく、また編目曲がりが起こり、製品の品位が劣るものであった。
特開昭58−213615号公報
本発明は従来技術の問題を解決しようとするもので、引張強度が高く、柔軟で、単位面積当たりの有機溶剤ガスに対する吸着性能が大きい繊維状活性炭多重織物に、その繊維状活性炭多重織物から微量に発生する粉塵遮蔽する織編物を積層した防護材料を提供しようとするものである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討の結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、以下の通りである。
(1)乾燥目付が60〜250g/m2である繊維状活性炭多重織物に単繊維繊度が0.5〜1.5dtex、目付が20〜70g/m2、通気度が5〜500cm/cm・sである織編物を積層した防護材料。
(2)繊維状活性炭多重織物の嵩密度が0.02〜0.19g/cm3である(1)に記載の防護材料。
(3)繊維状活性炭多重織物の引張強度が10N/5cm以上である(1)または(2)に記載の防護材料。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の防護材料を使用した防護衣服。
本発明は、炭化可能な原料有機繊維の多重織物を炭化・賦活処理することによって得られる繊維状活性炭の多重織物であって、柔軟性が高く、引張強度が高く、取り扱い性が良好で、積層加工などの加工性に富み、有機ガスの吸着性能に優れた繊維状活性炭多重織物に、その繊維状活性炭多重織物から微量に発生する粉塵遮蔽する織編物を積層した、マスクや脱臭パッド、脱臭シーツなどのメディカル用品、有害ガスから身体を守る防護服、各種の空気清浄機等に使用される防護材料に関する。
繊維状活性炭粉塵遮蔽率測定器を示した概略図である。
本発明は、繊維状活性炭を、織組織を多重織とすることで、柔軟性、引張強度、通気性、吸着性能等のバランスの良い繊維状活性炭シートを得る。織組織を多重織とした繊維状活性炭(以下、「繊維状活性炭多重織物」という場合がある)を得る工程については繊維状高分子前駆体の糸条をあらかじめ多重織にした後、炭化・賦活して繊維状活性炭多重織物とする方法が好ましい。活性炭繊維糸条を製織することにより、繊維状活性炭多重織物を得ることは、活性炭繊維糸条の強度が弱いため、工業的には製造することは極めて困難だからである。
柔軟性のある繊維状活性炭シートを得るためには、編地状の繊維状活性炭シートであることが好ましかったが、編地状であると引張強度が低く、破れや摩耗等が比較的発生しやすい。一方、織物状の繊維状活性炭シートは、引張強度は高いが、柔軟性に劣る上、単位面積当たりの有機溶剤ガスに対する吸着性能を増大しようとすると絶乾質量を増加させねばならず、その結果密度が増大し通気性、柔軟性が低下してしまう。
そこで、本発明では、繊維状活性炭を、織組織を多重織とすることで、柔軟性、引張強度、通気性、吸着性能等のバランスの良い繊維状活性炭シートを得たものである。
本発明の繊維状活性炭多重織物の乾燥目付は、60〜250g/m2であり、70〜200g/m2が好ましい。乾燥目付が60g/m2未満では吸着性能が低くなり防護性が得られず好ましくなく、250g/m2を超えると柔軟性が低下したり、防護衣に使用した場合に生理負担が大きくなり好ましくない。
本発明の繊維状活性炭多重織物の引張強度は、10N/5cm以上が好ましい。引張強度が10N/5cm未満では、例えば織編物や不織布といった他の繊維集合体と工業的に積層加工する場合に該繊維状活性炭多重織物に加わる機械的応力により破れが生じ、生産性が大幅に低下し実用的でなくなる。引張強度の上限は特に限定されるものではないが、100N/5cm程度となる。
本発明の繊維状活性炭多重織物の嵩密度は0.02〜0.19g/cm3が好ましく、0.05〜0.18g/cm3がより好ましい。嵩密度が0.02g/cm3未満では製織困難であり、また製織できても目ズレを起こしやすく、0.19g/cm3を超えると通気性、柔軟性が低くなる。
繊維状活性炭の前駆体繊維としてはフェノール系繊維、セルロース系繊維、ピッチ系繊維やPAN系繊維が知られているが、本発明の引張強度の高い繊維状活性炭多重織物を得るには、繊維状活性炭の前駆体繊維がフェノール系繊維であることが好ましい。
本発明の繊維状活性炭多重織物の厚さは、0.3〜3.0mmが好ましく、0.5〜2.5mmがより好ましい。厚さが0.3mm未満では通気性が低くなり好ましくなく、3.0mmを超えると防護衣に使用した場合に生理負担が大きくなり好ましくない。
本発明の繊維状活性炭多重織物の通気度は、100cm3/cm2・s以上が好ましい。通気度が100cm3/cm2・s未満では、フィルターに使用した場合には圧力損失の増大が、防護服に使用した場合には着用感の低下といった問題が起こり好ましくない。通気度の上限は特に限定されるものではないが、1000cm3/cm2・s以下が好ましい。1000cm3/cm2・sを超える多重織物は製織不可だからである。
本発明の繊維状活性炭多重織物の吸着性能としては、JIS K1477(2007)「繊維状活性炭試験方法」の7.8項に記載のトルエン吸着性能で30〜200g/m2が好ましく、33〜150g/m2がより好ましい。トルエン吸着性能が30g/m2未満である場合は、フィルターや防護服として使用した場合に実用性能を十分発揮できなくなる。一方、200g/m2を越えるトルエン吸着性能を有する多重織物で防護服のような衣服を成型すると、着用したときその重量により生理負担が大きくなってしまう。
本発明の繊維状活性炭多重織物を得る方法としては、以下の方法が一例として挙げられる。繊維状活性炭の前駆体繊維としてはフェノール系繊維を用い、前駆体繊維の糸条としては、ステープルから得られる紡績糸またはフィラメント糸条いずれの場合でも良く、また両者を混合した混繊糸条でもかまわない。前駆体繊維の単繊維繊度は1.1dtex〜5.5dtexが好ましく、前駆体繊維糸条の繊度は197〜885dtexが好ましく、295〜885dtexがより好ましい。糸条の繊度が197dtex未満であると、製織し炭化・賦活した後の繊維状活性炭多重織物の糸条の強度が低くなり、さらに柔軟性が不足して後加工時や使用時に裂けや破れの発生に繋がる。
前記糸条を用いて原料織地を製織するにあたって、繊維状活性炭にした後のシートの柔軟性を保持し、さらには吸着性能を保持するためには、織組織としては多重織とする必要がある。織組織が多重織ではなく平織物を重ね合わせた場合は、重ね合わせ面同士が擦れて活性炭粉末が脱落して穴が開き、実用に耐えないものとなる。摩耗性評価方法としては、JIS L1096(2010)の8.19.4 D法(アクセレロータ形法)により目視判定した。また、平織物を重ね合わせ、不織布状ホットメルト接着剤により積層加工したものは、接着加工しているため繊維状活性炭シートの柔軟性が大きく劣り、実用に耐えないものとなる。柔軟性としては、JIS L1096(2010)の8.21.2 B法(スライド法)による剛軟度が10mN・cm以下が好ましい。
得られた前駆体繊維からなる多重織物を活性炭にするには、バッチ式または連続式に炭化・賦活工程を施すことで得られる。得られる繊維状活性炭多重織物の生地特性や吸着性能の均一性を得ることや工業的生産性を考慮すると、炭化・賦活を連続的に行うことが好ましい。前駆体繊維からなる多重織物を350℃以上1000℃以下の温度の不活性雰囲気で炭化し、次いで500℃以上1000℃以下の温度で炭素と反応する水蒸気、酸素、二酸化炭素などを含む活性な雰囲気で賦活し、活性炭化する。また、場合によっては雰囲気条件を制御することにより炭化と賦活を同時に行うことも可能である。なお、賦活処理、すなわち活性炭化を行う際の最高到達温度が1000℃を越えると異常収縮などによりシワの発生を伴うことがあり、最高到達温度は1000℃以下にすることが好ましい。これにより、BET比表面積が1000〜2000m2/g未満である繊維状活性炭多重織物が得られる。
本発明の繊維状活性炭多重織物は、元来有するミクロポアの発達した細孔構造によりガスの吸着速度が速く、非常に大きな吸着性能を有するものである。しかし、フィルターや防護服として用いる場合に、本発明の繊維状活性炭多重織物が空気中の水分結露や汗等で濡れたとしても、高いガスバリア性を維持させるため、はっ水性を付与することが好ましい。水や汗等で濡れた場合の湿潤状態にも性能を維持させるためには、JIS L1092(2009)の7.2 はっ水度試験(スプレー法)によるはっ水度で2級以上の性能を有することが好ましく、4級以上を有することがより好ましい。はっ水性を付与する方法としては、はっ水剤をスプレー法により噴霧する方法やや含浸加工する方法等があり、特に限定されるものではない。はっ水剤としてはフッ素樹脂系、ワックス系、セルロース反応系、シリコン樹脂系等特に限定されるものではなく、添着量ははっ水剤固形分として好ましくは0.1〜15wt%、より好ましくは0.5〜5wt%である。添着量が0.1wt%未満でははっ水度が低く、15wt%を超えると吸着性能が低下するためである。
本発明の繊維状活性炭多重織物には、はつ油性を付与しても良い。その場合のはつ油度は、AATCC Test Method 118−2002による方法で2級以上の性能を有することが好ましく、3級以上を有することがより好ましい。2級を下回る場合、鉱物油や溶剤等で濡れたときに吸着性能が低下するためである。
本発明の繊維状活性炭多重織物は単層で使用しても良いが、繊維状活性炭多重織物を補強・保護するために両面に保護層を積層したり、さらに外層を積層したりして、吸着シートとして防護服等に使用することもできる。さらに繊維状活性炭多重織物に有機化学物質を酸化分解できる酸化剤や金属化合物触媒などを添着することも活性炭の寿命を延ばす上で有効である。前記使用法は、本発明の繊維状活性炭織物の特徴である通気性が高く、柔軟で引張強度が高く取り扱い性が良好で積層加工などの加工性に富み、有機ガスの吸着性能に優れるという特徴を有効に利用したものであり、好ましい実施形態であると言える。
本発明の織編物とは、繊維状活性炭多重織物から微量に発生する粉塵を遮蔽するものである。織編物を積層することにより、防護衣服着用者に繊維状活性炭粉塵が付着することが低減できる。
本発明の織編物の素材としては、合成繊維であれば特に限定されるものではなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル類、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612またはこれらの共重合体などのポリアミド類、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコールなどの合成ポリマーが挙げられる。中でも、耐熱性に優れることからポリエステル類、ポリアミド類が好ましい。
本発明の織編物の組織は特に限定されないが、織物の場合、例えば、平織り、綾織り、朱子織り等が好適に使用でき、その製造に用いる織機も特に限定されるものではなく、ウォータージェットルーム織機、エアージェット織機、レピア織機等の各種織機を適宜使用するとよい。また、編物の場合、例えば、緯編(平編、リブ編、両面編、パール編)、経編(トリコット編、ラッセル)等が挙げられる。本発明では特に、肌触りが良いことから、経編、特にトリコットの使用が好ましい。
本発明の織編物を構成する繊維は単繊維繊度が0.5〜1.5dtexであることが好ましく、0.6〜1.3dtexがより好ましい。単繊維繊度が前記範囲内であれば、織編物の空隙が小さくなり、繊維状活性炭粉塵が透過しにくくなるため好ましい。
本発明の織編物を構成する繊維の糸条の繊度は10〜30dtexが好ましい。糸条の繊度が前記範囲内であれば低目付を維持した状態で繊維状活性炭粉塵が透過しにくくなるため好ましい。
本発明の織編物の目付は20〜70g/m2が好ましく、30〜60g/m2がより好ましい。織編物の目付が20g/m2を下回ると、織編物が薄くなり、織編物を積層することによる効果が十分に発揮されない虞があるため好ましくない。また、織編物の目付が70g/m2を超えると防護衣服が重くなり、着用者の作業効率を低下させる虞があるため好ましくない。
本発明の織編物の厚さは0.05〜0.5mmが好ましく、0.1〜0.4mmがより好ましい。織編物の厚さが0.05mmを下回ると、織編物の厚さが十分でないため、織編物が破れやすくなるといった不具合が生じる虞がある。また織編物の厚さが0.5mmを上回ると、防護衣服内が蒸れやすくなり、着用者が不快に感じる場合があるため好ましくない。
本発明の織編物の通気度は、5〜500cm/cm・sが好ましく、8〜450cm/cm・sがより好ましく、10〜400cm/cm・sがさらに好ましい。織編物の通気度が前記範囲内であれば、防護材料の通気度を調整できるため好ましい。
本発明の織編物は水や汗等で濡れた場合に防護衣服着用者のべたつき感を抑制するために、はっ水性を付与することが好ましい。なお、織編物のはっ水度は、JIS L1092(2009)の7.2 はっ水度試験(スプレー法)で2級以上の性能を有することが好ましく、4級以上を有することがより好ましい。はっ水性を付与する方法としては、はっ水剤をスプレー法により噴霧する方法やや含浸加工する方法等があり、特に限定されるものではない。はっ水剤としてはフッ素樹脂系、ワックス系、セルロース反応系、シリコン樹脂系等特に限定されるものではなく、添着量ははっ水剤固形分として好ましくは0.1〜15wt%、より好ましくは0.5〜5wt%である。添着量が0.1wt%未満でははっ水度が低く、15wt%を超えると吸着性能が低下するためである。
本発明の織編物には、はつ油性を付与しても良い。その場合のはつ油度は、AATCC Test Method 118−2002による方法で2級以上の性能を有することが好ましく、3級以上を有することがより好ましい。2級を下回る場合、鉱物油や溶剤等で濡れてしまい、防護衣服着用者が汚染されてしまうためである。
本発明の防護材料は繊維状活性炭多重織物の上層または下層の一方、もしくは、両側に織編物が積層されていれば、製造方法は限られたものではない。また防護材料の最も外側に外層付加層を少なくともそれぞれ1層以上必要に応じて設けても良い。外層付加層の目的としては、外部から与えられる機械的な力からの繊維状活性炭多重織物を保護することと、はっ水性とはつ油性が付与されている織物、編物または不織布を適用することで、液状の有害物質に対する防護性能を向上させることが可能となる。
外層付加層としては、はっ水度がJIS L 1092(2009)に記載の7.2スプレー試験で好ましくは2級以上、より好ましくは4級以上で、はつ油度がAATCC Test Method 118で好ましくは2級以上、より好ましくは4級以上である織物、編物、または不織布などを好適に用いることができるが、柔軟性を考慮したものの使用が推奨される。繊維状活性炭多重織物と織編物からなる防護材料と外層付加層とは、あらかじめ接着剤により接着されている形態でもよいし、柔軟性を考慮し、接着せずに重ね合わせた状態で縫製加工し、防護衣服を作製してもよい。
なお、本発明の防護材料においては、前記外層付加層以外の他の層をさらに積層させることも可能である。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例はこの発明を制限するものではなく、前・後記の主旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術範囲に包含される。なお、本発明中における特性値の測定及び評価は下記のようにおこなった。
(繊度)
繊度は、JIS L1015(2010)の8.5.1(正量繊度)b)B法(簡便法)に記載の方法に準拠して求めた。ただし、表記はdtex(デシテックス)単位とした。
(目付)
目付は、JIS L1096(2010)の8.3.2(標準状態における単位面積当たりの質量)に記載の方法に準拠して測定した。
(乾燥目付)
乾燥目付は、目付をJIS L0105(2006)の5.3.2(試料又は試験片の絶乾状態)に記載の方法に準拠した条件で測定した。
(厚さ)
厚さは、JIS L1096(2010)の8.4(厚さ)a)A法(JIS法)に記載の方法に準拠して測定した。ただし、圧力は0.7kPaとした。
(嵩密度)
嵩密度は、JIS L1096(2010)の8.11(見掛比重及び気孔容積率)a)見掛比重に記載の方法に準拠して算出した。ただし、繊維状活性炭布帛の嵩密度は絶乾質量を用いて算出した。
(引張強さ)
引張強さは、JIS L1096(2010)の8.14.1(JIS法)に記載の方法に準拠して測定した。
織物の場合、たて方向とはたて糸方向をいい、よこ方向とはよこ糸方向をいう。また、編物の場合はそれぞれウェール方向、コース方向をいう。
(通気度)
通気度は、JIS L1096(2010)の8.26.1 A法(フラジール形法)に記載の方法に準拠して測定した。
(剛軟度)
剛軟度は、JIS L1096(2010)の8.21.2 B法(スライド法)に記載の方法に準拠して測定した。
(トルエン吸着性能)
トルエン吸着性能は、JIS K1477(2007)の7.8.2(平衡吸着量)に記載の方法に準拠して測定した。
(磨耗性(粉塵脱落性))
JIS L1096(2010)の8.19.4 D法(アクセレロータ形法)に記載の方法に準拠して防護材料の繊維状活性炭多重織物面を評価した。ただし、研磨紙としてCw−C−P1200を使用し、回転羽根を1000回/分の回転速度で2分間回転させたときのサンプル外観を目視判定した。(○:摩耗前後で外観に大きな変化なし、△:損傷が見られる、×:損傷が大きく、穴あきが多数見られる)
(BET比表面積)
BET比表面積はJIS K1477(2007)の7.1に記載の方法に準拠して窒素吸着量を測定し、7.1.4b)の一点法に基づく計算により算出した。
(繊維状活性炭粉塵遮蔽率)
図1に示す粒子捕集効率測定器により実施した。まず防護材料1の繊維状活性炭多重織物面を上側とした状態でダクト2内へ設置し、更にその下に回収用フィルター3を設置した状態で流量計4により計測される通過線速が10cm/secになるようバルブ5を調整し、大気を通気させた(バルブ5にはブロアー6が備えられている)。次いで、防護材料1の上流側から繊維状活性炭粉塵(繊維径15〜25μm、繊維長20〜600μm)約0.1gをダクト2内に1分間使って投下し、その後防護材料1とフィルター3の重量増加を測定し、次式により繊維状活性炭粉塵遮蔽率を算出した。
繊維状活性炭粉塵遮蔽率(%)=(防護材料1の増加重量/(防護材料1の増加重量+フィルター3の増加重量))×100
<実施例1>
単繊維繊度2.2dtex、糸条の繊度590dtexの群栄化学工業株式会社製カイノール紡績糸(品番KY−01、番手20/2Ne)を使用し、打ち込み密度経19、19本/2.54cm、緯19、19本/2.54cmの二重織物を製織した。この織物は、目付190g/m2、厚さ1.02mm、嵩密度0.19g/cm3、通気性252cm3/cm2・sであり、引張強度はたて方向361N/5cm、よこ方向348N/5cmであった。この織物を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた繊維状活性炭二重織物は、絶乾質量113g/m2、厚さ0.95mm、嵩密度0.12g/cm3、通気性203cm3/cm2・sであり、引張強度はたて方向25N/5cm、よこ方向20N/5cmと強靱なものであった。また、トルエン吸着性能は52g/m2、BET比表面積は1321m2/gと高い吸着性能を有するものであり、剛軟度は8.3mN・cmと柔軟なものであった。さらに、摩耗性(粉塵脱落性)も良好なものであった。一方、織編物としてポリエステルフィラメント(22dtex、24フィラメント、単繊維繊度0.92dtex)を用いてバックハーフ編みにより、W/inchが45、C/inchが64で、目付47g/m2、厚さ0.26mm、通気性326cm3/cm2・sのトリコット布を得た。繊維状活性炭二重織物とトリコット布を重ね合わせ、これらを縫合することにより防護材料を得た。この防護材料の繊維状活性炭粉塵遮蔽率を測定した結果、99.3%と高い値あった。
<実施例2>
単繊維繊度2.2dtex、糸条の繊度590dtexの群栄化学工業株式会社製カイノール紡績糸(品番KY−01、番手20/2Ne)を使用し、打ち込み密度経13、13本/2.54cm、緯12、12本/2.54cmの二重織物を製織した。この織物は、目付124g/m2、厚さ0.99mm、嵩密度0.13g/cm3、通気性497cm3/cm2・sであり、引張強度はたて方向242N/5cm、よこ方向226N/5cmであった。この織物を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた繊維状活性炭二重織物は、絶乾質量72g/m2、厚さ0.95mm、嵩密度0.08g/cm3、通気性410cm3/cm2・sであり、引張強度はたて方向16N/5cm、よこ方向13N/5cmと強靱なものであった。また、トルエン吸着性能は34g/m2、BET比表面積は1350m2/gと高い吸着性能を有するものであり、剛軟度は5.4mN・cmと柔軟なものであった。さらに、摩耗性(粉塵脱落性)も良好なものであった。一方、織編物としてポリエステルフィラメント(22dtex、24フィラメント、単繊維繊度0.92dtex)を用いてバックハーフ編みにより、W/inchが45、C/inchが64で、目付47g/m2、厚さ0.26mm、通気性326cm3/cm2・sのトリコット布を得た。繊維状活性炭二重織物とトリコット布を重ね合わせ、これらを縫合することにより防護材料を得た。この防護材料の繊維状活性炭粉塵遮蔽率を測定した結果、99.6%と高い値あった。
<実施例3>
単繊維繊度2.2dtex、糸条の繊度590dtexの群栄化学工業株式会社製カイノール紡績糸(品番KY−01、番手20/2Ne)を使用し、打ち込み密度経24、21、24本/2.54cm、緯23、20、23本/2.54cmの三重織物を製織した。この織物は、目付337g/m2、厚さ1.55mm、嵩密度0.22g/cm3、通気性205cm3/cm2・sであり、引張強度はたて方向647N/5cm、よこ方向626N/5cmであった。この織物を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた繊維状活性炭三重織物は、絶乾質量202g/m2、厚さ1.50mm、嵩密度0.13g/cm3、通気性152cm3/cm2・sであり、引張強度はたて方向51N/5cm、よこ方向46N/5cmと強靱なものであった。また、トルエン吸着性能は94g/m2、BET比表面積は1350m2/gと高い吸着性能を有するものであり、剛軟度は8.8mN・cmと柔軟なものであった。さらに、摩耗性(粉塵脱落性)も良好なものであった。一方、織編物としてポリエステルフィラメント(22dtex、24フィラメント、単繊維繊度0.92dtex)を用いてバックハーフ編みにより、W/inchが45、C/inchが64で、目付47g/m2、厚さ0.26mm、通気性326cm3/cm2・sのトリコット布を得た。繊維状活性炭三重織物とトリコット布を重ね合わせ、これらを縫合することにより防護材料を得た。この防護材料の繊維状活性炭粉塵遮蔽率を測定した結果、99.5%と高い値であった。
<実施例4>
単繊維繊度2.2dtex、糸条の繊度590dtexの群栄化学工業株式会社製カイノール紡績糸(品番KY−01、番手20/2Ne)を使用し、打ち込み密度経9、8、9本/2.54cm、緯9、9、9本/2.54cmの三重織物を製織した。この織物は、目付134g/m2、厚さ1.14mm、嵩密度0.12g/cm3、通気性471cm3/cm2・sであり、引張強度はたて方向236N/5cm、よこ方向247N/5cmであった。この織物を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた繊維状活性炭三重織物は、絶乾質量79g/m2、厚さ1.1mm、嵩密度0.07g/cm3、通気性431cm3/cm2・sであり、引張強度はたて方向13N/5cm、よこ方向15N/5cmと強靱なものであった。また、トルエン吸着性能は43g/m2、BET比表面積は1550m2/gと高い吸着性能を有するものであり、剛軟度は5.1mN・cmと柔軟なものであった。さらに、摩耗性(粉塵脱落性)も良好なものであった。一方、織編物としてポリエステルフィラメント(22dtex、24フィラメント、単繊維繊度0.02dtex)を用いてバックハーフ編みにより、W/inchが45、C/inchが64で、目付47g/m2、厚さ0.26mm、通気性326cm3/cm2・sのトリコット布を得た。繊維状活性炭三重織物とトリコット布を重ね合わせ、これらを縫合することにより防護材料を得た。この防護材料の繊維状活性炭粉塵遮蔽率を測定した結果、99.3%と高い値であった。
<比較例1>
単繊維繊度2.2dtex、糸条の繊度590dtexの群栄化学工業株式会社製カイノール紡績糸(品番KY−01、番手20/2Ne)を使用し、打ち込み密度経38本/2.54cm、緯38本/2.54cmの平織物を製織した。この織物は、目付195g/m2、厚さ0.60mm、嵩密度0.33g/cm3、通気性115cm3/cm2・sであり、引張強度はたて方向303N/5cm、よこ方向304N/5cmであった。この織物を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた繊維状活性炭平織物は、絶乾質量113g/m2、厚さ0.55mm、嵩密度0.21g/cm3であり、引張強度はたて方向21N/5cm、よこ方向12N/5cmと強靱なものであったが、平織物で嵩密度が大きいため通気性は82cm3/cm2・sと非常に低いものであった。また、トルエン吸着性能は50g/m2、BET比表面積は1350m2/gと高い吸着性能を有するものであり、剛軟度は8.3mN・cmと柔軟なものであった。さらに、摩耗性(粉塵脱落性)も良好なものであった。一方、織編物としてポリエステルフィラメント(22dtex、24フィラメント、単繊維繊度0.92dtex)を用いてバックハーフ編みにより、W/inchが45、C/inchが64で、目付47g/m2、厚さ0.26mm、通気性326cm3/cm2・sのトリコット布を得た。繊維状活性炭平織物とトリコット布を重ね合わせ、これらを縫合することにより防護材料を得た。この防護材料の繊維状活性炭粉塵遮蔽率を測定した結果、99.1%と高い値であった。
<比較例2>
単繊維繊度2.2dtex、糸条の繊度590dtexの群栄化学工業株式会社製カイノール紡績糸(品番KY−01、番手20/2Ne)を使用し、打ち込み密度経18本/2.54cm、緯18本/2.54cmの平織物を製織した。この織物は、目付88g/m2、厚さ0.55mm、嵩密度0.16g/cm3、通気性701cm3/cm2・sであり、引張強度はたて方向173N/5cm、よこ方向161N/5cmであった。この織物を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた繊維状活性炭平織物を2枚重ね合わせた。得られた繊維状活性炭平織物2枚重ね品は、絶乾質量104g/m2、厚さ1.0mm、嵩密度0.10g/cm3、通気性304cm3/cm2・sであり、引張強度はたて方向33N/5cm、よこ方向45N/5cmと強靱なものであった。また、トルエン吸着性能は46g/m2、BET比表面積は1264m2/gと高い吸着性能を有するものであり、剛軟度は5.3mN・cmと柔軟なものであった。しかし、平織物を2枚重ね合わせただけでは、重ね合わせ面同士が擦れて活性炭粉末が脱落して穴が開き、実用に耐えないものとなった。一方、織編物としてポリエステルフィラメント(22dtex、24フィラメント、単繊維繊度0.92dtex)を用いてバックハーフ編みにより、W/inchが45、C/inchが64で、目付47g/m2、厚さ0.26mm、通気性326cm3/cm2・sのトリコット布を得た。繊維状活性炭平織物2枚重ね品とトリコット布を重ね合わせ、これらを縫合することにより防護材料を得た。この防護材料の繊維状活性炭粉塵遮蔽率を測定した結果、99.4%と高い値であった。
<比較例3>
単繊維繊度2.2dtex、糸条の繊度590dtexの群栄化学工業株式会社製カイノール紡績糸(品番KY−01、番手20/2Ne)を使用し、打ち込み密度経18本/2.54cm、緯18本/2.54cmの平織物を製織した。この織物は、目付88g/m2、厚さ0.55mm、嵩密度0.16g/cm3、通気性701cm3/cm2・sであり、引張強度はたて方向173N/5cm、よこ方向161N/5cmであった。この織物を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた繊維状活性炭平織物を2枚重ね合わせ、アミド系樹脂よりなる不織布状ホットメルト接着剤により積層加工した。得られた繊維状活性炭平織物2枚重ね接着品は、絶乾質量123g/m2、厚さ1.02mm、嵩密度0.12g/cm3、通気性285cm3/cm2・sであり、引張強度はたて方向41N/5cm、よこ方向75N/5cmと強靱なものであった。また、トルエン吸着性能は45g/m2、BET比表面積は1063m2/gと高い吸着性能を有するものであった。しかし、平織物を2枚接着加工しているため剛軟度は15.3mN・cmと高く、柔軟性に劣り、実用に耐えないものであった。一方、織編物としてポリエステルフィラメント(22dtex、24フィラメント、単繊維繊度0.92dtex)を用いてバックハーフ編みにより、W/inchが45、C/inchが64で、目付47g/m2、厚さ0.26mm、通気性326cm3/cm2・sのトリコット布を得た。繊維状活性炭平織物2枚重ね接着品とトリコット布を重ね合わせ、これらを縫合することにより防護材料を得た。この防護材料の繊維状活性炭粉塵遮蔽率を測定した結果、99.5%と高い値であった。
<比較例4>
単繊維繊度2.2dtex、糸条の繊度295dtexの群栄化学工業株式会社製カイノール紡績糸(品番KY−04、番手20/1Ne)を使用し、22ゲージ両面丸編み機によりフライス編地を編成した。この編地は、目付230g/m2、厚さ1.60mm、密度15ウェール/2.54cm、34コース/2.54cm、嵩密度0.14g/cm3、通気性305cm3/cm2・sであり、引張強度はたて方向(ウェール方向)171N/5cm、よこ方向(コース方向)242N/5cmであった。この編地を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた繊維状活性炭編物は、絶乾質量113g/m2、厚さ1.10mm、嵩密度0.10g/cm3、通気性346cm3/cm2・sであったが、編地のため引張強度はたて方向7N/5cm、よこ方向5N/5cmと小さく、実用に耐えないものであった。また、トルエン吸着性能は52g/m2、BET比表面積は1321m2/gと高い吸着性能を有するものであり、剛軟度は5.8mN・cmと柔軟なものであった。一方、織編物としてポリエステルフィラメント(22dtex、24フィラメント、単繊維繊度0.92dtex)を用いてバックハーフ編みにより、W/inchが45、C/inchが64で、目付47g/m2、厚さ0.26mm、通気性326cm3/cm2・sのトリコット布を得た。繊維状活性炭編物とトリコット布を重ね合わせ、これらを縫合することにより防護材料を得た。この防護材料の繊維状活性炭粉塵遮蔽率を測定した結果、99.2%と高い値であった。
<比較例5>
単繊維繊度2.2dtex、糸条の繊度590dtexの群栄化学工業株式会社製カイノール紡績糸(品番KY−01、番手20/2Ne))を使用し、打ち込み密度経9、9本/2.54cm、緯9、9本/2.54cmの二重織物を製織した。この織物は、目付90g/m2、厚さ0.75mm、嵩密度0.12g/cm3、通気性883cm3/cm2・sであり、引張強度はたて方向174N/5cm、よこ方向163N/5cmであった。この織物を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた繊維状活性炭二重織物は、絶乾質量52g/m2、厚さ0.68mm、嵩密度0.08g/cm3、通気性430cm3/cm2・sであったが、絶乾質量が小さいため引張強度はたて方向12N/5cm、よこ方向9.5N/5cmとやや劣るものであった。また、トルエン吸着性能は24g/m2、BET比表面積は1350m2/gであり、絶乾質量が小さいためトルエン吸着性能に劣るものであった。剛軟度は4.8mN・cmと柔軟なものであった。さらに、摩耗性(粉塵脱落性)も良好なものであった。一方、織編物としてポリエステルフィラメント(22dtex、24フィラメント、単繊維繊度0.92detx)を用いてバックハーフ編みにより、W/inchが45、C/inchが64で、目付47g/m2、厚さ0.26mm、通気性326cm3/cm2・sのトリコット布を得た。繊維状活性炭二重織物とトリコット布を重ね合わせ、これらを縫合することにより防護材料を得た。この防護材料の繊維状活性炭粉塵遮蔽率を測定した結果、99.3%と高い値であった。
<比較例6>
単繊維繊度2.2dtex、糸条の繊度590dtexの群栄化学工業株式会社製カイノール紡績糸(品番KY−01、番手20/2Ne)を使用し、打ち込み密度経43、43本/2.54cm、緯44、44本/2.54cmの二重織物を製織した。この織物は、目付435g/m2、厚さ1.23mm、嵩密度0.35g/cm3、通気性82cm3/cm2・sであり、引張強度はたて方向841N/5cm、よこ方向788N/5cmであった。この織物を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた繊維状活性炭二重織物は、絶乾質量260g/m2、厚さ1.20mm、嵩密度0.22g/cm3、引張強度はたて方向57N/5cm、よこ方向51N/5cmと強靭なものであったが、絶乾質量が大きいため通気性は40cm3/cm2・sと非常に低いものであった。また、トルエン吸着性能は117g/m2、BET比表面積は1292m2/gと高い吸着性能を有するものであった。しかし、絶乾質量が大きいため剛軟度は11.7mN・cmと高く、柔軟性に劣るものであった。また、摩耗性(粉塵脱落性)は良好なものであった。一方、織編物としてポリエステルフィラメント(22dtex、24フィラメント、単繊維繊度0.92dtex)を用いてバックハーフ編みにより、W/inchが45、C/inchが64で、目付47g/m2、厚さ0.26mm、通気性326cm3/cm2・sのトリコット布を得た。繊維状活性炭二重織物とトリコット布を重ね合わせ、これらを縫合することにより防護材料を得た。この防護材料の繊維状活性炭粉塵遮蔽率を測定した結果、99.0%と高い値であった。
<比較例7>
単繊維繊度2.2dtex、糸条の繊度590dtexの群栄化学工業株式会社製カイノール紡績糸(品番KY−01、番手20/2Ne)を使用し、打ち込み密度経9、8、9本/2.54cm、緯9、9、9本/2.54cmの三重織物を製織した。この織物は、目付134g/m2、厚さ1.14mm、嵩密度0.12g/cm3、通気性471cm3/cm2・sであり、引張強度はたて方向236N/5cm、よこ方向247N/5cmであった。この織物を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた繊維状活性炭三重織物は、絶乾質量79g/m2、厚さ1.1mm、嵩密度0.07g/cm3、通気性431cm3/cm2・sであり、引張強度はたて方向13N/5cm、よこ方向15N/5cmと強靱なものであった。また、トルエン吸着性能は43g/m2、BET比表面積は1550m2/gと高い吸着性能を有するものであり、剛軟度は5.1mN・cmと柔軟なものであった。さらに、摩耗性(粉塵脱落性)も良好なものであった。一方、織編物としてポリエステルフィラメント(33dtex、12フィラメント、単繊維繊度2.75dtex)を用いてバックハーフ編みにより、W/inchが36、C/inchが55で、目付44g/m2、厚さ0.19mm、通気性760cm3/cm2・sのトリコット布を得た。繊維状活性炭三重織物とトリコット布を重ね合わせ、これらを縫合することにより防護材料を得た。この防護材料の繊維状活性炭粉塵遮蔽率を測定した結果、94.1%と低い値であった。
本発明は、炭化可能な原料有機繊維の多重織物を炭化・賦活処理することによって得られる繊維状活性炭の多重織物であって、柔軟性が高く、引張強度が高く、取り扱い性が良好で、積層加工などの加工性に富み、有機ガスの吸着性能に優れた繊維状活性炭多重織物に、その繊維状活性炭多重織物から微量に発生する粉塵遮蔽する織編物を積層した、マスクや脱臭パッド、脱臭シーツなどのメディカル用品、有害ガスから身体を守る防護服、各種の空気清浄機等に使用される防護材料を提供することが可能であり、産業界への寄与大である。
1:防護材料
2:ダクト
3:回収用フィルター
4:流量計
5:バルブ
6:ブロワー

Claims (4)

  1. 乾燥目付が60〜250g/m2である繊維状活性炭多重織物に単繊維繊度が0.5〜1.5dtex、目付が20〜70g/m2、通気度が5〜500cm/cm・sである織編物を積層した防護材料。
  2. 繊維状活性炭多重織物の嵩密度が0.02〜0.19g/cm3である請求項1に記載の防護材料。
  3. 繊維状活性炭多重織物の引張強度が10N/5cm以上である請求項1または2に記載の防護材料。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の防護材料を使用した防護衣服。
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