JP6019902B2 - 感光性樹脂組成物、感光性エレメント、レジストパターンの形成方法、及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性エレメント、レジストパターンの形成方法、及びプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物、感光性エレメント、レジストパターンの形成方法、及びプリント配線板の製造方法に関する。
従来、プリント配線板の製造分野においては、エッチングやめっき等に用いられるレジスト材料として、感光性樹脂組成物や、これを支持体に積層して保護フィルムで被覆した感光性エレメントが広く用いられている。
感光性エレメントを用いて配線板を製造する場合は、まず、保護フィルムを剥離しながら感光性エレメントを銅箔で覆われた絶縁基板等の基板上にラミネートし、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を基板上に積層する。次いで、マスクフィルム等を通して感光性樹脂組成物層をパターン露光した後、感光性樹脂組成物層の未露光部を現像液で除去することによりレジストパターンを形成させる。次に、このレジストパターンをマスクとし、レジストパターンを形成させた基板にエッチング又はめっき処理を施して回路パターンを形成させ、最終的に感光性樹脂組成物層の硬化部分(レジストパターン)を基板から剥離除去する。
こうした配線板の製造方法において、マスクフィルムを通さずにデジタルデータを用いて活性光線を画像状に直接照射する、レーザ直接描画法が実用化されている。レーザ直接描画法に用いられる光源としては、安全性や取扱い性等の面から、YAGレーザ、半導体レーザ等が用いられている。また、最近では、光源として長寿命で高出力な窒化ガリウム系青色レーザ等を使用した技術が提案されている。
更に近年、配線板における高精細化、高密度化に伴い、従来よりも微細なパターン(ファインパターン)が形成可能なDLP(Digital Light Processing)露光法と呼ばれる直接描画法が取り入れられている。一般的に、DLP露光法では青紫色半導体レーザを光源とした波長390nm〜430nmの活性光線が使用される。また、主に汎用のプリント配線板において少量多品種に対応可能な、YAGレーザを光源とした波長355nmのポリゴンマルチビームを使用した露光法も用いられている。
このようなレーザ直接描画露光法に対応すべく、様々な感光性樹脂組成物が検討されている。例えば、レーザ光源の各波長に対応可能な355nm〜430nmに極大吸収を有する増感剤が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
また、上記に関連して光感度を向上させるために、感光性樹脂組成物中に含まれる光開始剤や増感剤の量を増やすことも検討されている。しかしながら、感光性樹脂組成物中の光開始剤や増感剤の量を増やすと、感光性樹脂組成物層の表層部で局所的に光反応が進行し、感光性樹脂組成物層の底部の硬化性が低下するため、光硬化後に得られるレジストパターンの解像性及び密着性やレジスト形状が悪化するといった問題が生じる。
上記課題を解決するため、レーザ直接描画露光法に対応する感光性樹脂組成物として、特定の構造を有するアクリジン化合物を併用することで、光感度、解像性及びレジスト形状に優れた感光性樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献4及び5参照)。
一方、レーザ以外の光源として高圧水銀ランプ等を適用した直接描画法が提案されている。光源として高圧水銀ランプを適用した直接描画法としては、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯又はキセノンランプから照射される光のうち、波長350nm以下の光の少なくとも一部を除去した活性光線を用いる手法が挙げられる。
このような高圧水銀ランプ等を用いる直接描画法においては、レーザ直接描画法の露光方法と同様に、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯又はキセノンランプ等の光源を用いて露光対象物に一括露光する露光方法に比べ、スポット当たりの露光エネルギー量が小さく、生産効率が低くなる傾向がある。従って、高圧水銀ランプ等を用いる直接描画法に用いる感光性樹脂組成物には、レーザ直接描画法用と同様に感度に優れることが要求される。
特開2005−107191号公報 特開2005−122123号公報 特開2005−215142号公報 国際公開WO2009/154194号パンフレット 国際公開WO2010/103918号パンフレット
しかしながら、上記特許文献4又は5に記載されているレーザ直接描画法用の感光性樹脂組成物を、光源として高圧水銀灯等を適用し、マスクフィルム等を介さずにパターン状に露光する直接描画法に使用した場合、光感度が十分とは言えず、またいわゆるマウスバイトのようなレジスト形状の故障が発生するという課題があった。
このように、従来の感光性樹脂組成物では、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯又はキセノンランプを光源とする直接描画法に適用した場合に、得られる光硬化後のレジスト形状を良好に維持しながら、十分な光感度を得ることは困難であった。
本発明は上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯又はキセノンランプを光源とする光のうち、波長350nm以下の光の少なくとも一部が除去された活性光線を直接描画法に適用して、優れた形状のレジストパターンを形成可能なレジストパターンの形成方法を提供する。また、この形成方法に好適な感光性樹脂組成物及びプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 基板上に、(A)バインダーポリマー、(B)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、及び(C)下記一般式(1)で表される光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物層を形成する工程と、上記感光性樹脂組成物層の少なくとも一部の領域に、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯又はキセノンランプを光源とする光のうち、波長350nm以下の光の少なくとも一部が除去された活性光線を、パターン状に直接描画して光硬化部を形成する露光工程と、上記光硬化部以外の領域を除去する現像工程と、を備えるレジストパターンの形成方法である。
[式(1)中、Rはハロゲン原子、アミノ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルアミノ基を示す。mは0〜5の整数を示す。]
<2> 上記(B)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物が、トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を含む上記<1>に記載のレジストパターンの形成方法である。
これにより、マウスバイトの発生をより効果的に抑制することができる。
<3> (D)添加剤として、下記一般式(2)で表される化合物を更に含む上記<1>又は<2>に記載のレジストパターンの形成方法である。
[式(2)中、Xはメチン基又は窒素原子を示す。R、R及びRはそれぞれ独立にハロゲン原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R、R及びRのうち少なくとも1つはハロゲン原子を示す。Rは炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基を示し、nは0〜4の整数を示す。]
これにより、光感度及びレジスト形状を一層優れたものにできる。
<4> (A)バインダーポリマーと、(B)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物と、(C)下記一般式(1)で表される光重合開始剤と、を含み、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯又はキセノンランプを光源とする光のうち、波長350nm以下の光の少なくとも一部が除去された活性光線を用いて直接描画する際に用いられる、直接描画露光用の感光性樹脂組成物である。
[式(1)中、Rはハロゲン原子、アミノ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルアミノ基を示す。mは0〜5の整数を示す。]
感光性樹脂組成物が、光重合開始剤として上記一般式(1)で表される化合物を含むことで、波長350nm以下の光の少なくとも一部が除去された活性光線を用いる直接描画露光法を用いた際の課題であるマウスバイトの発生を、効果的に抑制することが可能となる。
<5> 上記(B)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物が、トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を含む上記<4>に記載の感光性樹脂組成物である。
これにより、マウスバイトの発生をより効果的に抑制することができる。
<6> (D)添加剤として、下記一般式(2)で表される化合物を更に含む上記<4>又は<5>に記載の感光性樹脂組成物である。
[式(2)中、Xはメチン基又は窒素原子を示す。R、R及びRはそれぞれ独立にハロゲン原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R、R及びRのうち少なくとも一つはハロゲン原子を示す。Rは炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基を示し、nは0〜4の整数を示す。]
これにより、光感度及びレジスト形状を一層優れたものにできる。
<7> 支持体と、該支持体上に配置された上記<4>〜<6>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物の塗膜である感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメントである。
<8> 上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンが形成された基板を、エッチング処理又はめっき処理して導体パターンを形成する工程を有するプリント配線板の製造方法である。
本発明によれば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯又はキセノンランプを光源とする光のうち、波長350nm以下の光の少なくとも一部が除去された活性光線を直接描画法に適用して、優れた形状のレジストパターンを形成可能なレジストパターンの形成方法を提供することができる。また、この形成方法に好適な感光性樹脂組成物及びプリント配線板の製造方法を提供することができる。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。更に組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書における(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート(アクリル酸エステル)及びそれに対応するメタクリレート(メタクリル酸エステル)の少なくとも一方を意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びメタクリロイル基の少なくとも一方を意味する。
<レジストパターンの形成方法>
本発明のレジストパターンの形成方法は、(i)基板上に、(A)バインダーポリマー、(B)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、及び(C)下記一般式(1)で表される光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物層を形成する工程(以下、「積層工程」ともいう)と、(ii)上記感光性樹脂組成物層の少なくとも一部の領域に、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯又はキセノンランプを光源(以下、「特定光源」ともいう)とする光のうち、波長350nm以下の光の少なくとも一部が除去された活性光線(以下、「特定活性光線」ともいう)を、パターン状に直接描画して光硬化部を形成する露光工程と、上記光硬化部以外の領域を除去する現像工程とを備える。レジストパターンの形成方法は必要に応じてその他の工程を更に備えていてもよい。
本発明の構成を有することによる効果の発現機構は、必ずしも明らかではないが、本発明者らは、一般式(1)で表される光開始剤の9位に置換するフェニル基の効果により、他の光開始剤に比べて安定なラジカルを発生しやすいため、感光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物の光感度が高くなるとともに、感光性樹脂組成物層の表層部で局所的に光反応が進行することを抑えることができると推察している。
また上記一般式(1)で表される光開始剤と同様の紫外線吸収特性を有し、一般式(1)とは異なる構造のアクリジン系光開始剤を用いた場合には、マウスバイトの発生が抑制できない。更にレーザ直接描画法に用いられる光源は単波長のレーザ光であるが、特定光源を光源とする場合、複数の波長を含む紫外線を光源として露光を行うことになる。従って単波長のレーザ光を想定して構成された感光性樹脂組成物では、十分な感度が得られず、また形成されるレジストの形状異常を十分に抑制できないと考えられる。一方、特定光源を光源とすることを想定して構成された感光性樹脂組成物では、光感度、解像性及び密着性に優れるとともに、レジスト形状に優れるレジストパターンを形成することが可能になると考えられる。
(i)積層工程
上記積層工程においては、基板上に感光性樹脂組成物層が形成される。上記基板としては特に制限されないが、通常、絶縁層と絶縁層上に形成された導体層とを備えた基板、又は合金基材等のダイパッド(リードフレーム用基材)が用いられる。なお、感光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物の詳細については後述する。
基板上に感光性樹脂組成物層を積層する方法としては、例えば、支持体上に感光性樹脂組成物層と保護フィルムとが積層された感光性エレメントから保護フィルムを除去した後、感光性エレメントの感光性樹脂組成物層を加熱しながら上記基板に圧着することにより行うことができる。これにより、基板と感光性樹脂組成物層と支持体とからなり、これらが順に積層された積層体が得られる。なお、感光性エレメントの詳細については後述する。
この積層工程は、密着性及び追従性の見地から、減圧下で行うことが好ましい。圧着の際の感光性樹脂組成物層の加熱は、70℃〜130℃の温度で行うことが好ましい。また圧着は、0.1MPa〜1.0MPa程度(1kgf/cm〜10kgf/cm程度)の圧力で行うことが好ましいが、これらの条件は必要に応じて適宜選択される。なお、感光性樹脂組成物層を70℃〜130℃に加熱すれば、予め基板を予熱処理することは必要ではないが、密着性及び追従性を更に向上させるために、基板の予熱処理を行うこともできる。
(ii)露光工程
露光工程においては、基板上に形成された感光性樹脂組成物層の少なくとも一部の領域に、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯又はキセノンランプを光源とする光から、350nm以下の光の少なくとも一部が除去された活性光線(特定活性光線)を、直接描画法により照射して、潜像としての光硬化部を形成する。この際、感光性樹脂組成物層上に存在する支持体(支持フィルム)が特定活性光線に対して透過性である場合には、支持フィルムを通して特定活性光線を照射することができるが、支持フィルムが特定活性光線に対して遮光性である場合には、支持フィルムを除去した後に感光性樹脂層に活性光線を照射する。
露光方法としては、LDI(Laser Direct Imaging)露光法やDLP(Digital Light Processing)露光法などの直接描画露光法と同様にして、特定活性光線を、マスクフィルム等を介することなく画像状に照射する方法が採用される。
露光に用いられる特定活性光線は、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯又はキセノンランプを光源(特定光源)とする光から、350nm以下の光の少なくとも一部が除去された活性光線である。カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯及びキセノンランプは通常用いられるものから適宜選択することができる。また特定光源の出力は特に制限されず、感光性樹脂組成物の構成等に応じて適宜選択できる。
上記特定光源から350nm以下の光の少なくとも一部を除去する方法としては、カットフィルタを用いる方法を挙げることができる。カットフィルタとしては350nm以下の光を除去可能であれば特に制限されず、通常用いられるカットフィルタから適宜選択して用いることができる。
(iii)現像工程
現像工程においては、上記感光性樹脂組成物層の未硬化部分の領域が基板上から除去されることで、感光性樹脂組成物層に由来する光硬化部からなるレジストパターンが基板上に形成される。感光性樹脂組成物層上に支持フィルムが存在している場合には、支持フィルムを除去してから、上記露光部分以外の未露光部分の除去(現像)を行う。現像方法には、ウェット現像とドライ現像とがあるが、ウェット現像が広く用いられている。
現像液の構成は上記感光性樹脂組成物層の構成に応じて適宜選択される。例えば、アルカリ性水溶液、水系現像液及び有機溶剤系現像液が挙げられる。
アルカリ性水溶液としては、0.1質量%〜5質量%炭酸ナトリウムの溶液、0.1質量%〜5質量%炭酸カリウムの溶液、0.1質量%〜5質量%水酸化ナトリウムの溶液、0.1質量%〜5質量%四ホウ酸ナトリウムの溶液等が好ましい。アルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層のアルカリ現像性に合わせて調節される。アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
本発明のレジストパターンの製造方法においては、現像工程において未露光部分を除去した後、必要に応じて60℃〜250℃程度の加熱又は0.2J/cm〜10J/cm程度の露光を更に行うことにより、レジストパターンを更に硬化してもよい。
上記のようにしてレジストパターンが形成された基板は、密着性及びにレジスト形状に優れるため、後述する配線板の製造方法に好ましく用いることができる。
<感光性樹脂組成物>
上記感光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物は、(A)バインダーポリマーの少なくとも1種と、(B)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の少なくとも1種と、(C)下記一般式(1)で表される光重合開始剤の少なくとも1種とを含む。上記感光性樹脂組成物は、必要に応じて(D)添加剤等のその他の成分を含んでもよい。また上記感光性樹脂組成物は、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯又はキセノンランプを光源とする光のうち、350nm以下の光の少なくとも一部が除去された活性光線を用いて直接描画する際に用いられる、直接描画露光用の感光性樹脂組成物である。
式(1)中、Rはハロゲン原子、アミノ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルアミノ基を示す。mは0〜5の整数を示す。
(A)バインダーポリマー
上記バインダーポリマーとしては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、アミドエポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。アルカリ現像性の見地からは、アクリル樹脂が好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記(A)バインダーポリマーは、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のα−位若しくは芳香族環において任意の置換基により置換された重合可能なスチレン誘導体;ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド;アクリロニトリル;ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールエーテル;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルエステル、(メタ)アクリル酸アダマンチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸;α−ブロモアクリル酸、α−クロルアクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル酸誘導体;マレイン酸;マレイン酸無水物;マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル類;フマール酸;ケイ皮酸;α−シアノケイ皮酸;イタコン酸;クロトン酸;プロピオール酸が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、((メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また(A)成分であるバインダーポリマーは、アルカリ現像性の見地から、カルボキシ基を有する構成単位を含むことが好ましい。カルボキシ基を有する構成単位を含むバインダーポリマーは例えば、カルボキシ基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記カルボキシ基を有する重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸が好ましく、中でもメタクリル酸がより好ましい。
上記バインダーポリマーがカルボキシ基を有する構成単位を含む場合、カルボキシ基を有する構成単位の含有率(バインダーポリマーの製造に使用する重合性単量体の総質量中におけるカルボキシ基を有する重合性単量体の質量割合)は、アルカリ現像性とアルカリ耐性のバランスの見地から、12質量%〜50質量%であることが好ましく、12質量%〜40質量%であることがより好ましく、15質量%〜30質量%であることが特に好ましく、15質量%〜25質量%であることが極めて好ましい。このカルボキシ基を有する構成単位の含有率が12質量%以上であると良好なアルカリ現像性が得られ、現像時間が短くなる傾向がある。また50質量%以下であると現像液耐性が向上し、更に密着性が向上する傾向がある。
また(A)成分であるバインダーポリマーは、密着性及び剥離特性の見地からスチレン又はスチレン誘導体に由来する構成単位を含むことが好ましい。
バインダーポリマーがスチレン又はスチレン誘導体に由来する構成単位を含む場合、その含有率(バインダーポリマーの製造に使用する重合性単量体の総質量中におけるスチレン又はスチレン誘導体の質量割合)は、密着性及び剥離特性を共に良好にする見地から、1質量%〜30質量%であることが好ましく、5質量%〜25質量%であることがより好ましく、5質量%〜20質量%であることが特に好ましい。密着性に優れる観点から、スチレン又はスチレン誘導体に由来する構成単位の含有率は1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることが好ましい。また、剥離性に優れる観点から、スチレン又はスチレン誘導体に由来する構成単位の含有率は30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。
更に(A)成分であるバインダーポリマーは、密着性及び解像性の見地から(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位を含むことが好ましい。
バインダーポリマーが(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位を含む場合、その含有率(バインダーポリマーの製造に使用する重合性単量体の総質量中における(メタ)アクリル酸アルキルエステルの質量割合)は、密着性及び解像性を共に良好にする見地から、40質量%〜80質量%であることが好ましく、50質量%〜80質量%であることがより好ましく、60質量%〜80質量%であることが特に好ましい。
上記(A)バインダーポリマーの重量平均分子量は、フィルム形成性、現像液耐性及びアルカリ現像性のバランスの見地から、20,000〜300,000であることが好ましく、40,000〜150,000であることがより好ましく、40,000〜120,000であることが更に好ましく、60,000〜100,000であることが特に好ましい。フィルム形成性を保つ上では、20,000以上であることが好ましく、40,000以上であることがより好ましく、60,000以上であることが更に好ましい。なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定され、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により換算された値である。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定され、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより算出される。GPCの条件は、以下の通りである。
(GPC条件)
ポンプ:日立 L−6000型[(株)日立製作所製]
カラム:Gelpack GL−R420 + Gelpack GL−R430 + Gelpack GL−R440(計3本)[以上、日立化成工業(株)製]
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:25℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI[(株)日立製作所製]
上記(A)バインダーポリマーの含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、30質量部〜80質量部とすることが好ましく、40質量部〜75質量部とすることがより好ましく、50質量部〜70質量部とすることが特に好ましい。(A)成分の含有量がこの範囲であると、感光性樹脂組成物の塗膜性及び光硬化物の強度がより良好となる。
上記感光性樹脂組成物においては、上記のようなバインダーポリマーに一般式(1)で表される光重合開始剤を組み合わせることで、現像液耐性及びアルカリ現像性のバランス並びに密着性及び剥離特性のバランスに優れる。
(B)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物
上記エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物としては、例えば、ポリアルキレンオキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、ノニルフェノキシテトラエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシオクタエチレンオキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、o−フタレート系アクリレート化合物が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記(B)成分としては、上記したような重合性化合物を特に制限無く使用できる。なかでも特定活性光線を用いて直接描画する際に問題となる、マウスバイトの発生を抑制する点では、上記ウレタンモノマーの含有率が(B)成分中に25質量%未満であることが好ましく、10質量%未満であることがより好ましく、5質量%未満であることが更に好ましく、含有しないことが特に好ましい。
上記の中でも、特定活性光線を直接描画法で用いられる際に問題となる、マウスバイトの発生を抑制する点では、トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。
上記トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物としては、EO変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート及びEO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートの少なくとも1種を含むことがより好ましい。ここでEO変性とは、(ポリ)エチレンオキシ基を有する化合物であることを意味し、(ポリ)エチレンオキシ基とは、エチレンオキシ基又は2以上のエチレン基がエーテル結合で連結したポリオキシエチレン基の少なくとも1種を意味する。
EO変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート及びEO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート中のエチレンオキシ基の総数は、本発明の効果を奏する範囲であれば特に制限無く使用できるが、1〜40であることが好ましく、3〜25であることがより好ましい。
また上記(B)成分が、トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する場合、その含有率は、上述した効果をより効果的に奏する点で、(B)成分中に、1質量%〜50質量%であることが好ましく、5質量%〜45質量%であることがより好ましく、10質量%〜30質量%であることが更に好ましい。
また(B)成分のエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物は、光感度及び剥離性をより良好にする見地から、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、及びβ−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレートからなる群より選択される少なくとも1種のo−フタレート系アクリレート化合物を含むことが好ましく、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレートを含むことがより好ましい。γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレートはFA−MECH(日立化成工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。これらは1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
(B)成分が、上記o−フタレート系アクリレート化合物を含有する場合、その含有率は、光感度、剥離特性及び塗膜性のバランスの見地から、(B)成分中に1質量%〜50質量%であることが好ましく、5質量%〜45質量%であることがより好ましく、10質量%〜30質量%であることが更に好ましい。
また(B)成分は、特定活性光線を直接描画法で用いられる際の光感度、解像性及び密着性を良好にする見地から、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種を含むことが好ましい。
ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンが挙げられる。
解像性を更に向上させる観点から、中でも2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンが好ましい。
2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
また上記(B)成分がビスフェノールAジ(メタ)アクリレート化合物を含有する場合、その含有率は、光感度及び解像性のバランスの見地から、(B)成分全体の質量中に、10質量%〜90質量%であることが好ましく、20質量%〜85質量%であることがより好ましく、30質量%〜80質量%であることが更に好ましい。
上記(B)成分は、特定活性光線を直接描画法で用いる際の、マウスバイトの発生抑制、光感度、解像性及び密着性の観点から、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種と、トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種と、o−フタレート系アクリレート化合物の少なくとも1種を含むことが好ましい。
上記(B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光重合性化合物の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、20質量部〜60質量部とすることが好ましく、30質量部〜55質量部とすることがより好ましく、35質量部〜50質量部とすることが特に好ましい。(B)成分の含有量がこの範囲であると、感光性樹脂組成物の光感度及び塗膜性がより良好となる。
上記感光性樹脂組成物においては、上記のような構成を有する(B)成分に、一般式(1)で表される光重合開始剤を組み合わせることで、マウスバイトの発生が抑制され、光感度に優れ、改造性及び密着性がより向上する。
(C)光重合開始剤
上記感光性樹脂組成物は、下記一般式(1)で表される光重合開始剤の少なくとも1種を含む。
上記一般式(1)中、Rはハロゲン原子、アミノ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルアミノ基を示す。
またRが複数存在する場合それぞれのRは同一であっても互いに異なっていてもよい。なかでも本発明の効果をより確実に得る観点から、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基であることが好ましく、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることが更に好ましく、炭素数1〜3のアルキル基であることが特に好ましい。
mは0〜5の整数を示す。なかでも本発明の効果をより確実に得る観点から、0〜3であることが好ましく、0〜2であることが好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物としては、9−フェニルアクリジン、9−(p−メチルフェニル)アクリジン、9−(p−エチルフェニル)アクリジン、9−(p−n−プロピルフェニル)アクリジン、9−(p−イソプロピルフェニル)アクリジン、9−(p−n−ブチルフェニル)アクリジン、9−(p−tert−ブチルフェニル)アクリジン、9−(p−メトキシフェニル)アクリジン、9−(p−エトキシフェニル)アクリジン、9−(p−プロポキシフェニル)アクリジン、9−(p−アミノフェニル)アクリジン、9−(p−ジメチルアミノフェニル)アクリジン、9−(p−ジエチルアミノフェニル)アクリジン、9−(p−クロロフェニル)アクリジン、9−(p−ブロモフェニル)アクリジン、9−(p−カルボキシフェニル)アクリジン、9−(m−メチルフェニル)アクリジン、9−(m−n−プロピルフェニル)アクリジン、9−(m−イソプロピルフェニル)アクリジン、9−(m−n−ブチルフェニル)アクリジン、9−(m−tert−ブチルフェニル)アクリジン、9−(m−メトキシフェニル)アクリジン、9−(m−エトキシフェニル)アクリジン、9−(m−プロポキシフェニル)アクリジン、9−(m−アミノフェニル)アクリジン、9−(m−ジメチルアミノフェニル)アクリジン、9−(m−ジエチルアミノフェニル)アクリジン、9−(m−クロロフェニル)アクリジン及び9−(m−ブロモフェニル)アクリジンが挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記一般式(1)で表される化合物は、本発明の効果をより奏する点では、9−フェニルアクリジン、9−(p−メチルフェニル)アクリジン、9−(p−エチルフェニル)アクリジン、9−(p−n−プロピルフェニル)アクリジン、9−(p−イソプロピルフェニル)アクリジン、9−(p−メトキシフェニル)アクリジン、9−(p−クロロフェニル)アクリジン、9−(p−ブロモフェニル)アクリジン、9−(m−メチルフェニル)アクリジン、9−(m−n−プロピルフェニル)アクリジン、9−(m−イソプロピルフェニル)アクリジン、9−(m−メトキシフェニル)アクリジン、9−(m−クロロフェニル)アクリジン及び9−(m−ブロモフェニル)アクリジンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、9−フェニルアクリジン、9−(p−メチルフェニル)アクリジン、9−(p−エチルフェニル)アクリジン、9−(p−n−プロピルフェニル)アクリジン、9−(p−イソプロピルフェニル)アクリジン、9−(p−クロロフェニル)アクリジン、9−(m−メチルフェニル)アクリジン、9−(m−n−プロピルフェニル)アクリジン、9−(m−イソプロピルフェニル)アクリジン及び9−(m−クロロフェニル)アクリジンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい
また、9−フェニルアクリジン、9−(p−メチルフェニル)アクリジン、9−(p−エチルフェニル)アクリジン、9−(p−n−プロピルフェニル)アクリジン、9−(p−イソプロピルフェニル)アクリジン、9−(p−クロロフェニル)アクリジン、9−(m−メチルフェニル)アクリジン、9−(m−n−プロピルフェニル)アクリジン、9−(m−イソプロピルフェニル)アクリジン又は9−(m−クロロフェニル)アクリジンであることが更に好ましい。
上記感光性樹脂組成物において、上記一般式(1)で表される化合物の含有量は、本発明の効果をより奏する観点から、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部であることが好ましく、0.05質量部〜5質量部であることがより好ましく、0.1質量部〜3質量部であることが更に好ましく、0.5質量部〜1.3質量部であることが更に好ましく、0.5質量部〜1.2質量部であることが特に好ましい。
上記感光性樹脂組成物において、上記一般式(1)で表される化合物の含有量は、光感度及び密着性に優れる点では、0.01質量部以上が好ましく、0.05質量部以上がより好ましく、0.1質量部以上が更に好ましく、0.5質量部以上が特に好ましい。また、マウスバイトの発生を抑制する点では、上記一般式(1)で表される化合物の含有量は10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、3質量部以下であることが更に好ましく、1.3質量部以下であることが更に好ましく、1.2質量部以下であることが特に好ましい。
また、上記一般式(1)で表される化合物の含有量が、1.3質量部を超えると、マウスバウトの発生は抑制可能であるが、光硬化後のレジスト形状が逆台形となる傾向があるため、この観点からは、1.3質量部以下であることが好ましい。
上記感光性樹脂組成物は、上記一般式(1)で表される化合物以外の他の光重合開始剤を含んでいてもよい。上記一般式(1)で表される化合物以外の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、及び9,10−ジペントキシアントラセン等の置換アントラセン化合物;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、及び2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;クマリン系化合物;オキサゾール系化合物;ピラゾリン系化合物;トリアリールアミン系化合物;1,6−ビス(9−アクリジニル)ヘキサン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン等のビス(9−アクリジニル)アルカン誘導体が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記感光性樹脂組成物が上記一般式(1)で表される化合物以外の他の光重合開始剤を含む場合、他の光重合開始剤の含有量は、上記一般式(1)で表される化合物の含有量との合計が、(A)成分及び(B)成分の固形分総量100質量部に対して、0.01質量部〜20質量部であることが好ましく、0.1質量部〜10質量部であることがより好ましく、0.2質量部〜5質量部であることが特に好ましい。他の光重合開始剤の含有量がこの範囲であると、感光性樹脂組成物の光感度及び内部の光硬化性がより良好となる。
上記感光性樹脂組成物においては、マウスバイトをより低減させる点では、ビス(9−アクリジニル)アルカン及びビス(9−アクリジニル)アルカン誘導体の含有率が、上記一般式(1)で表される化合物の含有量に対して、50質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましく、0質量%であることが特に好ましい。
上記感光性樹脂組成物は、光重合開始剤として上記一般式(1)で表される化合物を1種単独で、(A)成分及び(B)成分の固形分総量100質量部に対して、0.1質量部〜1.1質量部含むことが好ましい。
(D)添加剤
上記感光性樹脂組成物は、光感度及びレジスト形状の見地から、添加剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。添加剤として具体的には、下記一般式(2)で表される化合物の少なくとも1種であることが好ましい。
上記一般式(2)中、Xはメチン基又は窒素原子を示す。本発明の効果をより確実に得る観点から、メチン基であることが好ましい。
、R及びRはそれぞれ独立にハロゲン原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R、R及びRのうち少なくとも一つはハロゲン原子を示す。R、R及びRのうち少なくとも二つはハロゲン原子を示すことが好ましく、すべてがハロゲン原子であることがより好ましい。上記ハロゲン原子としては、Cl(塩素)、Br(臭素)、F(フッ素)等が挙げられる。なかでも光感度をより良好にする見地から、Brであることが好ましい。上記炭素数1〜5のアルキル基としては直鎖状でも分岐状でもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。また、これらのアルキル基は、本発明の効果を阻害しない範囲で任意の置換基を更に有していてもよい。
は炭素数1〜5のアルキル基、アリール基、複素環基、アミノ基又は炭素数1〜5のアルキルアミノ基を示す。なかでも光感度及びレジスト形状の観点から、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。
nは0〜4の整数を示す。なかでも光感度及びレジスト形状の観点から0〜3が好ましく、0〜1がより好ましい。
上記一般式(2)で表される化合物として具体的には、トリブロモメチルフェニルスルホン、2−トリブロモメチルスルホニルピリジン等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。これらの化合物は市販されているものを用いてもよく、例えば、BMPS(住友精化(株)製、製品名)が商業的に入手可能である。
また上記感光性樹脂組成物が添加剤として上記一般式(2)で表される化合物を含む場合、その含有量は、光感度、解像性及びフィルムの安定性の見地から、(A)成分及び(B)成分の固形分総量100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部であることが好ましく、0.05質量部〜5質量部であることがより好ましく、0.2質量部〜3質量部であることが特に好ましい。この含有量が0.01質量部以上であると、光感度がより向上する傾向がある。また10質量部以下であると、未露光の感光性樹脂組成物層が青色化することを抑制できる傾向がある。
上記感光性樹脂組成物においては、一般式(1)で表される光重合開始剤と一般式(2)で表される添加剤とを組み合わせることで、光感度により優れ、改造性及び密着性がより向上し、更にマウスバイトの発生がより効果的に抑制される。
また上記感光性樹脂組成物は必要に応じて、その他の成分を更に含むことができる。その他の成分としては、マラカイトグリーン、ビクトリアピュアブルー、ブリリアントグリーン、及びメチルバイオレット等の染料、ロイコクリスタルバイオレット、ジフェニルアミン、ベンジルアミン、トリフェニルアミン、ジエチルアニリン及びo−クロロアニリン等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、重合禁止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを挙げることができる。これらは、1種単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
その他の成分の含有量は特に制限されない。上記感光性樹脂組成物がその他の成分を含む場合、例えば(A)成分及び(B)成分の固形分総量100質量部に対して各々0.01〜20質量部程度含有することができる。
上記感光性樹脂組成物は必要に応じて、溶剤の少なくとも1種を含んでいてもよい。溶剤としては通常用いられる溶剤から適宜選択することができる。具体的にはメタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のグリコールエーテルアセテート系溶剤、トルエン等の炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル等グリコールエーテル系溶剤などを挙げることができる。溶剤は1種単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記感光性樹脂組成物は、上記必須成分を上記溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解して固形分30質量%〜60質量%程度の溶液(以下、「塗布液」ともいう)として用いることができる。
上記塗布液は、例えば以下のようにして感光性樹脂組成物層を形成することに用いることができる。上記塗布液を後述する支持フィルムや金属板などの支持体の表面上に塗布し、乾燥させることにより、上記感光性樹脂組成物の塗膜である感光性樹脂組成物層を支持体上に形成することができる。
金属板としては、銅、銅系合金、ニッケル、クロム、鉄、ステンレス等の鉄系合金が挙げられ、好ましくは銅、銅系合金、鉄系合金などが挙げられる。
形成される感光性樹脂組成物層の厚みは、その用途により異なるが、乾燥後の厚みで1μm〜200μm程度であることが好ましく、5μm〜100μmであることがより好ましく、10μm〜50μmであることが特に好ましい。この厚みが1μm以上であると工業的な塗工が容易になる傾向がある。また200μm以下であると本発明の効果がより大きく、また感度がより向上し、レジスト底部の光硬化性がより良好になる傾向がある。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記のようなレーザ以外の光源として高圧水銀ランプ等の特定光源を適用した直接描画法露光方法に好適に使用することができる。即ち、本発明の好適な実施形態の一つは、直接描画露光用の感光性樹脂組成物であって、上記感光性樹脂組成物が、(A)バインダーポリマーと、(B)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物と、(C)上記一般式(1)で表される光重合開始剤と、を含み、波長350nm以下の光の少なくとも一部を除去した活性光線を用いて直接描画する際に用いられる、直接描画露光用の感光性樹脂組成物である。また本発明の実施形態は、(A)バインダーポリマーと、(B)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物と、(C)上記一般式(1)で表される光重合開始剤とを含む感光性樹脂組成物の上記特定活性光線を用いる直接描画露光法における応用を含む。
<感光性エレメント>
本発明の感光性エレメントは、支持体と、上記支持体上に形成された上記感光性樹脂組成物の塗膜である感光性樹脂層とを備える。感光性エレメントは、必要に応じて設けられる保護フィルム等のその他の層を更に備えてもよい。
上記支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。なかでも透明性の見地からは、ポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。
上記支持体(以下、「支持フィルム」ともいう)の厚みは、1μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜50μmであることがより好ましく、1μm〜30μmであることが更に好ましい。支持体の厚みが1μm以上であることで、支持フィルムを剥離する際に支持フィルムが破れることを抑制できる。また100μm以下であることで解像性が低下することを抑制することができる。
上記感光性エレメントは、必要に応じて、感光性樹脂層の支持体に対抗する面とは反対側の面(表面)を被覆する保護フィルムを更に備えてもよい。上記保護フィルムとしては、感光性樹脂層に対する接着力が、支持フィルムの感光性樹脂層に対する接着力よりも小さいものが好ましく、また、低フィッシュアイのフィルムが好ましい。
具体的に、保護フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。市販のものとしては、王子製紙社製アルファンMA−410、E−200C、信越フィルム社製等のポリプロピレンフィルム、帝人社製PS−25等のPSシリーズなどのポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられる。なお、保護フィルムは上記支持体と同一のものでもよい。
保護フィルムの厚みは、1μm〜100μmであることが好ましく、5μm〜50μmであることがより好ましく、5μm〜30μmであることが更に好ましく、15μm〜30μmであることが特に好ましい。保護フィルムの厚みが1μm以上であることで、保護フィルムを剥がしながら、感光性樹脂層及び支持フィルムを基板上にラミネートする際、保護フィルムが破れることを抑制できる。また100μm以下であることで生産性が向上する。
上記感光性エレメントは、例えば以下のようにして製造することができる。(A)バインダーポリマーと、(B)重合性化合物と、(C)特定の光重合開始剤とを溶剤に溶解して、固形分30質量%〜60質量%程度の塗布液を調製する工程と、上記塗布液を支持体上に塗布して塗布層を形成する工程と、上記塗布層を乾燥して感光性樹脂組成物層を形成する工程と、を含む製造方法で製造することができる。
上記塗布液の支持体上への塗布は、例えば、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータの公知の方法により行うことができる。
また上記塗布層の乾燥は、塗布層から溶剤の少なくとも一部を除去することができれば特に制限はない。例えば、70℃〜150℃にて、5分間〜30分間程度行うことが好ましい。乾燥後、感光性樹脂層中の残存溶剤量は、後の工程での溶剤の拡散を防止する観点から、2質量%以下とすることが好ましい。
上記感光性エレメントにおける感光性樹脂層の厚みは、用途により適宜選択することができるが、乾燥後の厚みで1μm〜200μmであることが好ましく、5μm〜100μmであることがより好ましく、10μm〜50μmであることが更に好ましい。
感光性樹脂層の厚みが1μm以上であることで、工業的な塗工が容易になり、生産性が向上する。また200μm以下であることで、密着性及び解像性が向上する。
<配線板の製造方法>
本発明の実施形態である配線板の製造方法は、上記レジストパターン製造方法によって、レジストパターンが形成された基板を、エッチング処理又はめっき処理して導体パターンを形成する工程を含む。上記配線板の製造方法は、必要に応じて、レジスト除去工程等のその他の工程を含んでもよい。
本発明においては、基板の導体層上に形成されたレジストパターンをマスクとして、基板上に設けられた導体層にエッチング処理又はめっき処理が行われる。エッチング処理及びめっき処理は公知の方法から適宜選択して用いることができる。
基板としては通常用いられるものから適宜選択して用いることができる。例えば、絶縁層と上記絶縁層の少なくとも一方の面上に導体層を設けたものが用いられる。
エッチング処理を行う場合、導体層のエッチングには塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液を用いることができる。なかでもエッチファクターが良好な点から塩化第二鉄溶液を用いることが好ましい。
まためっき処理を行う場合、めっき処理の方法としては、電解めっき処理であっても、無電解めっき処理であってもよいが、無電解めっき処理が好ましい。無電解めっき処理としては、例えば、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっき等の銅めっき、ハイスローはんだめっき等のはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケル等のニッケルめっき、ハード金メッキ、ソフト金メッキ等の金メッキが挙げられる。これらは公知の方法を適宜用いることができる。
上記エッチング処理又はめっき処理の後、基板上のレジストパターンは除去されることが好ましい。レジストパターンは、例えば、上記レジストパターンの形成方法における現像工程に用いたアルカリ性水溶液よりも更に強アルカリ性の水溶液により剥離、除去することができる。この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1質量%〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液、1質量%〜10質量%水酸化カリウム水溶液が用いられる。なかでも、1質量%〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液を用いることが好ましく、1質量%〜5質量%水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液を用いることがより好ましい。
まためっき処理を行った場合、レジストパターンを除去した後、更にエッチング処理を行って、不要な導体層を除去することでプリント配線板を製造することができる。
エッチング処理の方法は、除去すべき導体層に応じて適宜選択される。例えば、エッチング液としては、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液及び過酸化水素エッチング液が挙げられ、これらの中では、エッチファクターが良好な点から塩化第二鉄溶液を用いることが好ましい。
上記プリント配線板の製造方法によって製造されるプリント配線板は、多層プリント配線板であってもよく、また小径スルーホールを有していてもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、プリント配線板の製造に好適に使用することができる。即ち、本発明の好適な実施形態は、(A)バインダーポリマーと、(B)光重合性化合物と、(C)光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物であって、上記(C)光重合開始剤が、上記式(1)で表される化合物を含む、感光性樹脂組成物のプリント配線板の製造への応用を含む。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(合成例1)
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、質量比6:4であるメチルセロソルブ及びトルエンの配合物400gを加え、窒素ガスを吹き込みながら撹拌して、80℃まで加熱した。一方、共重合単量体としてメタクリル酸100g、メタクリル酸メチル250g、アクリル酸エチル100g及びスチレン50gと、アゾビスイソブチロニトリル0.8gとを混合した溶液(以下、「溶液a」という)を用意し、80℃に加熱された質量比6:4であるメチルセロソルブ及びトルエンの上記配合物に溶液aを4時間かけて滴下した後、80℃で撹拌しながら更に2時間保温した。更に、質量比6:4であるメチルセロソルブ及びトルエンの配合物100gにアゾビスイソブチロニトリル1.2gを溶解した溶液を、10分かけてフラスコ内に滴下した。滴下後の溶液を撹拌しながら80℃で更に3時間保温した後、30分間かけて90℃に昇温した。90℃で更に2時間保温した後、冷却して(A)成分であるバインダーポリマー溶液(以下、「A−1」ともいう)を得た。このバインダーポリマー溶液に、アセトンを加えて不揮発成分(固形分)が50質量%になるように調製した。得られたバインダーポリマーの重量平均分子量は80,000であった。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。GPCの条件は、以下に示す。
(GPC条件)
ポンプ:日立 L−6000型[(株)日立製作所製]
カラム:Gelpack GL−R420 + Gelpack GL−R430 + Gelpack GL−R440(計3本)[以上、日立化成工業(株)製]
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:25℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI[(株)日立製作所製]
[実施例1〜4及び比較例1]
(感光性樹脂組成物の調製)
下記表1に示す材料を、同表に示す配合量(単位:g)で混合することにより、実施例1〜4及び比較例1に係る感光性樹脂組成物の溶液を調製した。なお、表1に示す(A)成分の配合量は、固形分(不揮発分)量であり、「−」は配合していないことを示す。
表1に示す材料の略号は、以下のとおりである。
BPE−500:2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン(新中村化学工業(株)製、製品名)
FA−137M:トリメチロールプロパントリス(ヘプタオキシエチレンエーテルメタクリレート)(日立化成工業(株)製)
FA−MECH:γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート(日立化成工業(株)製、製品名)
BMPS:トリブロモメチルフェニルスルホン(住友精化(株)製、製品名)
9−X:9−(p−メチルフェニル)アクリジン(常州市強力電子新材料有限公司製) 9−Y:9−(m−メチルフェニル)アクリジン(常州市強力電子新材料有限公司製) 9−Z:9−(p−クロロフェニル)アクリジン(常州市強力電子新材料有限公司製) 9−PA:9−フェニルアクリジン(新日鐵化学(株)製)
N−1717:1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン((株)ADEKA製、製品名)
(感光性エレメントの調製)
次いで、上記で得られた感光性樹脂組成物の溶液を、16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名G2−16、帝人(株)製)上に、均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に感光性樹脂組成物層を形成した。次いで感光性樹脂組成物層を、ポリエチレン製保護フィルム(商品名:NF−13、タマポリ(株)製)で保護し、感光性樹脂組成物積層体である感光性エレメントを得た。
得られた感光性エレメントの感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は、30μmであった。
銅箔(厚み35μm)を両面に積層したガラスエポキシ材である銅張積層板(日立化成工業(株)製商品名MCL−E−67)の銅表面を、#600相当のブラシを持つ研磨機(三啓(株)製)を用いて研磨し、水洗後、空気流で乾燥した。得られた銅張積層板を80℃に加温し、その銅表面上に上記で得られた感光性エレメントの感光性樹脂組成物層を、保護フィルムを剥がしながら110℃のヒートロールを用い1.5m/分の速度でラミネートして、試験基板1〜4及びC1をそれぞれ得た。
得られた試験基板について、以下の評価を行なった。評価結果を表2に示した。
(光感度の評価)
上記で得られた試験基板のポリエチレンテレフタレートフィルム上に日立41段ステップタブレットを置いて、DXP−3350((株)オーク製作所製、ダイレクト露光装置:高圧水銀ランプから照射される活性光線にレンズでフィルタをかけることにより、350nm以下の波長をカットしている。350nm以上の光は、DMDを使用し基板に露光される)を用いて、14mJ/cmで露光した。露光後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、30℃で1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を40秒間スプレーする現像処理により、未硬化部分を除去した。次いで、銅張積層板上に形成された光硬化膜(硬化樹脂層)のステップタブレットの段数を目視判断で求めることにより、感光性樹脂組成物の光感度を評価した。光感度は、ステップタブレットの段数で示され、このステップタブレットの段数が高いほど、光感度が高いことを示す。
(密着性の評価)
密着性は、上記感光性樹脂組成物層をラミネートした銅張積層板に密着性評価用パターンとしてライン幅/スペース幅が5/400〜200/400(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールデータを、DXP−3350((株)オーク製作所製、ダイレクト露光装置)を用いて、露光量が14mJ/cmとなるように直接描画法で露光した。光感度の評価と同様の条件で現像処理を行った後、光学顕微鏡を用いて形成されたレジストパターンを観察し、剥がれ及びよれがなく残った最も小さいライン幅の値により密着性(μm)を評価した。密着性の評価は数値が小さいほど良好な値である。
(解像性の評価)
解像性は、上記感光性樹脂組成物層をラミネートした銅張積層板に解像性評価用パターンとしてライン幅/スペース幅が400/5〜500/200(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールデータを、DXP−3350((株)オーク製作所製、ダイレクト露光装置)を用いて、露光量が14mJ/cmとなるように直接描画法で露光した。光感度の評価と同様の条件で現像処理を行った後、光学顕微鏡を用いて形成されたレジストパターンを観察し、未露光部が完全に除去された最も小さいスペース幅の値により解像性(μm)を評価した。解像性の評価は数値が小さいほど良好な値である。
(マウスバイトの評価)
マウスバイトは、上記密着性の評価に用いたレジストパターンのうち、ライン幅/スペース幅が45/400(単位:μm)部分をS−2100A型走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製)にて観察し、以下の評価基準に従って評価した。
A:レジストの裾部分にマウスバイトが観察されなかった。
B:レジストの裾部分にマウスバイトがわずかに観察された。
C:レジストの裾部分にマウスバイトが明確に観察された。
表2から明らかなように、実施例1〜4は光感度が高く、密着性、解像度及びレジスト形状が良好である。これに対し、比較例1はマウスバイトが発生しレジスト形状が不良である。従って、光感度に優れ、レジスト形状が良好な感光性樹脂組成物、並びに、それを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法を提供することが可能である。
(比較例2〜6)
実施例1〜4及び比較例1で得られた試験基板1〜4及びC1について、露光機としてParagon−9000m(波長355nmの半導体レーザを光源とする直接描画露光装置(日本オルボテック(株)製、レーザ直接描画装置)を用いたことと、露光量を22mJ/cmとしたこと以外は、上記と同様にして評価した。その結果、いずれの試験基板においてもマウスバイトの評価はB又はCであった。
(比較例7〜11)
下記表3に示す感光性樹脂組成物をそれぞれ用いたこと以外は、上記比較例2〜6と同様にして評価した。その結果、いずれの試験基板においてもマウスバイトの評価はB又はCであった。
以上から、一般式(1)で表される化合物を光重合開始剤として含む感光性樹脂組成物を用いても、特定活性光線以外のレーザ光による直接描画露光法では、マウスバイトが発生し、良好なレジスト形状が得られないことが分かる。

Claims (4)

  1. 基板上に、(A)バインダーポリマー、(B)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、及び(C)下記一般式(1)で表される光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物層を形成する工程と、
    前記感光性樹脂組成物層の少なくとも一部の領域に、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯又はキセノンランプを光源とする光のうち、波長350nm以下の光の少なくとも一部が除去された活性光線を、パターン状に直接描画して光硬化部を形成する露光工程と、
    前記光硬化部以外の領域を除去する現像工程と、
    を備えるレジストパターンの形成方法。


    [式(1)中、Rはハロゲン原子、アミノ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキルアミノ基を示す。mは0〜5の整数を示す。]
  2. 前記(B)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物が、トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を含む請求項1に記載のレジストパターンの形成方法。
  3. (D)添加剤として、下記一般式(2)で表される化合物を更に含む請求項1又は請求項2に記載のレジストパターンの形成方法。


    [式(2)中、Xはメチン基又は窒素原子を示す。R、R及びRはそれぞれ独立にハロゲン原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R、R及びRのうち少なくとも1つはハロゲン原子を示す。Rは炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基を示し、nは0〜4の整数を示す。]
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンが形成された基板を、エッチング処理又はめっき処理して導体パターンを形成する工程を有するプリント配線板の製造方法。
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