JP6017474B2 - 養殖魚類、畜産動物、ペット動物の内臓脂肪蓄積抑制用組成物、及び該内臓脂肪蓄積抑制用組成物を用いた動物用飼料 - Google Patents

養殖魚類、畜産動物、ペット動物の内臓脂肪蓄積抑制用組成物、及び該内臓脂肪蓄積抑制用組成物を用いた動物用飼料 Download PDF

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Description

本発明は、養殖魚類、畜産動物、ペット動物の体重に影響を与えずに内臓脂肪蓄積を抑制する素材、及び該素材を用いた動物用飼料に関する。
小型魚類や小動物といったペット動物において、高栄養価の飼料が与えられる反面、狭いスペースでの飼育などによる運動不足等により、肥満とそれに伴う病気等が増えている。また、牛、豚、鶏等の家畜、家禽類や、マグロ、ブリ、ハマチ、マダイ、カンパチ等の養殖魚類は、効率的な発育促進のため高タンパク、高脂質、高カロリーな飼料を投与される傾向にある。これらペット動物や畜産動物、養殖魚類に共通して、肥満等に基づく病気や生残率低下といった問題が深刻化しており、その改善が望まれている。特に養殖魚類では、天然魚と比較して必要以上に多く脂肪を蓄えていることによる生残率の低下、体重に対する内臓重量比の増加による可食歩留りの低下、更には、魚種によっては食味の低下といった課題がある。
このような背景技術における課題に対して、特許文献1には、体脂肪の蓄積量減少効果、肥満改善効果等を得るための有効成分としてココナッツの果実胚乳皮を用いた「動物用経口投与組成物及びその製造方法」が開示されている。
特許文献2には、特定魚類由来のタンパク質のバチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)由来のエンドペプチダーゼ酵素による加水分解産物の体重増加の抑制及び/又は体重減少のための使用が開示されている。特許文献2には、高脂肪(HL)であり、かつエネルギーに対するタンパク質の寄与率が80%と高い食事を受けたマウスにおいて加水分解物による内臓脂肪の減少が開示されているものの、この加水分解物は、基本的に体重増加の抑制または減少効果を有する。
特許文献3には、養殖魚に、魚粉を含有する飼料原料100重量部に対してトウガラシ0.1〜25重量部の割合で添加した飼料を飽食給餌することによって、養殖魚の体重増加率を上げるとともに、体脂肪、特に腹腔内脂肪を減少させる方法が開示されている。
特許文献4には、養殖魚の体脂肪量と脂質組成を調節することを目的とする、ドコサヘキサエン酸及び/又は共役型ドコサヘキサエン酸を含有する飼料及びそれを用いた養殖方法が開示されている。特許文献4の実施例では、21週間飼育後のニジマス内臓及び筋肉の脂質含量に及ぼす飼料の影響が評価されている。
特許文献5には、稚魚期の生残率を向上させ、成長率および肥満度においても十分満足でき、しかも、すじこ油に比べ安価な脂質源を配合したマグロ属魚類用人工配合飼料を提供することを目的とする魚頭部を主原料として採油された魚原油から調製された魚由来リン脂質画分を配合してなるマグロ属魚類稚魚用人工配合飼料が開示されている。
特許文献6には、マグロ属魚類を高い成長率、肥満率及び生残率で飼育することを可能にするマグロ属魚類用人工配合飼料およびマグロ属魚類の飼育方法を提供することを目的とする、45〜75重量%の酵素処理魚粉と、3〜10重量%の植物性極性脂質と、を少なくとも含有するマグロ属魚類を飼育するための人工配合飼料が開示されている。
特許文献7には、高品位チキンエキスを有効成分とする、抗酸化作用、抗疲労作用及び抗肥満作用を有する機能性食品又は食品素材、ならびに、これらの製造方法が開示されている。
特許文献8には、魚類から抽出され、ヒスチジンを有効成分として含むダイエット加工食品用原料及びそれを用いたダイエット加工食品が開示されている。
特許文献9には、クレアチンを有効成分とする体脂肪減少促進剤及び体脂肪減少促進用食品組成物、並びに、体脂肪減少促進方法が開示されている。
一方、非特許文献1には、ゼブラフィッシュは、魚類のみならず哺乳動物の肥満病態へ外挿性が高く、他の魚類や哺乳動物と生理代謝経路が共通している点について開示されている。
特開2006−81530号公報 特表2012−530506号公報 特許第4382795号公報 特開2002−58435号公報 特開2013−59293号公報 特開2008−220180号公報 特許第4712256号公報 特開2005−224169号公報 特開2001−131065号公報
Takehiko Oka. et al., BMC Physiology. Oct 21;10:21, 2010
従来の抗肥満作用効果を持つ素材やそれを含む飼料は、体重増加を抑制することに重きを置いており、内臓への脂肪蓄積抑制作用についてはほとんど検討されていない。また、内臓脂肪蓄積の抑制を示唆する従来の素材は、同時に体重増または体重減等の体重に対しても影響を伴うものであった。
こうした背景から、ペット動物の健康維持、また畜産動物や養殖魚類において、体重に対する影響がなく、かつ内臓への脂肪蓄積を抑制する有効な手段が望まれていた。しかしながら、特許文献1〜9には、かかる有効な手段を得るための記載や示唆は見当たらない。
本発明の目的は、飼育対象の動物の体重への影響がなく、かつ、内臓脂肪の蓄積抑制効果を有する素材としての内臓脂肪蓄積抑制用組成物及びこの内臓脂肪蓄積抑制用組成物を含む動物用飼料、並びに、この動物用飼料を用いた動物の飼育方法を提供することにある。
本発明者らは、哺乳類への遺伝学的な外挿性が高いことから、養殖魚類のみならず家畜やペット動物等への効果も効率的(省スペース、省コスト、短期間)に検証できるゼブラフィッシュを用いることで、アンセリンとクレアチンがともに含有された飼料の体重及び内臓脂肪蓄積への作用を検討した。その結果、アンセリンとクレアチンがともに含有された飼料をゼブラフィッシュに摂餌させることで、アンセリンとクレアチンの組合せ自体は体重の増減には影響を与えない一方で、肝臓における脂肪蓄積を抑制できることを見出した。内臓において肝臓はその重量比からも脂肪が蓄積される主要臓器と考えられ、肝臓脂肪蓄積抑制効果を内臓脂肪蓄積の抑制効果とした。さらにアンセリンとクレアチンをともに含有する素材を混合した飼料を摂餌させた場合も同様の効果を確認したことから、本発明を完成するに至った。
本発明にかかる飼育動物の内臓脂肪蓄積抑制用組成物は、アンセリンとクレアチンをともに有効成分として含有することを特徴とする。
また、本発明にかかる飼育動物用の飼料は、上記の内臓脂肪蓄積抑制用組成物を含むことを特徴とする。
本発明にかかる飼育方法の一態様は、上記の飼料を飼育動物に給餌、摂取させることを特徴とする。
本発明にかかる飼育方法の他の態様は、飼育動物用の飼料と、上記内臓脂肪蓄積抑制用組成物とを併用して飼育動物に与え、摂取させることを特徴とする。
本発明にかかる飼育動物の飼育用セットは、飼育動物用の飼料と、該飼料と別に用意された上記の内臓脂肪蓄積抑制用組成物とを有することを特徴とする。
本発明によれば、養殖魚類、畜産物およびペット動物等の飼育動物に対して、体重の増減や発育等に影響を与えずに、内臓脂肪の蓄積を抑制できる素材を提供することができる。本発明によって、以下の効果が提供可能である。
(1)養殖魚類や畜産動物、およびペット動物等の内臓脂肪蓄積の抑制。
(2)養殖魚類や畜産動物の内臓疾患の予防、低減による生残率の向上。
(3)ペット動物等の内臓疾患の予防、低減による健康維持。
(4)畜産や魚類養殖における、可食歩留りを維持向上した効率的な生産ならびに高品質な食肉の提供。
実施例1における試験期間中のゼブラフィッシュの体重推移を示す。平均値±標準偏差で表記、*は肥満コントロール群とp<0.05(Dunnett-test)、**はp<0.01(Dunnett-test)で有意差があることを示す。 実施例1の肝臓組織の顕微鏡画像において脂肪蓄積の見られた部位の面積割合を示す。平均値±標準偏差で表記、**は肥満コントロール群と有意差(p<0.01, Dunnett-test)があることを示す。 実施例2における試験期間中のゼブラフィッシュの体重推移を示す。平均値±標準偏差で表記、**は肥満コントロール群と有意差(p<0.01, Dunnett-test)があることを示す。 実施例2の肝臓組織の顕微鏡画像において脂肪蓄積の見られた部位の面積割合を示す。平均値±標準偏差で表記、**は肥満コントロール群と有意差(p<0.01, Dunnett-test)があることを示す。 実施例3における試験期間中のゼブラフィッシュの体重推移を示す。平均値±標準偏差で表記、*は肥満コントロール群と有意差(p<0.05, Dunnett-test)があることを示す。 実施例3の肝臓組織の顕微鏡画像において脂肪蓄積の見られた部位の面積割合を示す。平均値±標準偏差で表記、**は肥満コントロール群と有意差(p<0.01, Dunnett-test)があることを示す。
本発明にかかる動物飼育飼料用の内臓脂肪蓄積抑制用組成物(以下、「素材」という)は、飼育動物の内臓脂肪蓄積を抑制する作用を得るための有効成分として、クレアチン及びアンセリンを含む。クレアチンとアンセリンを組み合わせることによって、飼育動物の体重に影響を与えることなく、内臓脂肪蓄積を抑制することができる。従って、飼育用の飼料に加えて、クレアチン及びアンセリンを併用することによって、飼料による飼育効果を損なうことなく、飼育動物の内臓脂肪の蓄積を抑制することができる。例えば、飼料が飼育動物の体重増加を目的とする、あるいは体重増加を許容する場合に、素材によって体重増が抑制されることがない。また、飼料が飼育動物の許容される幅での体重維持を目的とする場合には、素材による体重の増減がなく、かかる飼料による体重維持効果に影響を与えることがない。
従って、飼料が、飼育動物の生育に必要なカロリー源や栄養素を含み、生育に伴う体重増を目的とする場合においては、クレアチン及びアンセリンを含む素材を併用することによって、この飼料を飼育動物に与えることによる目的とする体重増を抑制せずに、内臓脂肪の蓄積を抑制することができる。タンパク質、脂質及びカロリーの少なくとも1種の含有量が高い生育効率が良い飼料を飼育動物に与え、通常であれば内臓脂肪が蓄積しやすい場合においても、クレアチン及びアンセリンを含む素材を併用することによって、高い生育効率を維持しつつ、内臓脂肪の蓄積を抑制することができる。
成体動物の生体の維持のための飼料を飼育動物に給餌する場合にも、クレアチン及びアンセリンを含む素材を併用することによって、飼料を給餌することによる目的とする飼育動物の体重の維持あるいは体重増または体重減を損なうことなく、目的とする内臓脂肪蓄積抑制効果を得ることができる。
このように、飼育動物に、アンセリンとクレアチンをともに含有することを特徴とする素材と飼料を併用して摂食させ、あるいはその素材を含有する飼料を摂食させることによって、本発明の効果が得られる。従って、本発明にかかる素材は、飼育用の飼料を用いた動物飼育における内臓脂肪蓄積防止用の補助剤として利用することができる。
本発明にかかる動物の飼育には、動物の育成、成体動物の維持等が含まれる。
飼育動物としては以下の種々の動物を挙げることができる。
養殖魚類としては、例えばマグロ、ブリ、ハマチ、マダイ、カンパチ、ギンザケ、アジ、ヒラメ、フグ、クルマエビ、ニジマス、アユ、コイ、フナ、ウナギ、ティラピア、ハクレン、ソウギョなどが挙げられる。
畜産動物としては、例えば乳牛や肉牛、豚、羊、馬、ウサギ、ニワトリ、ウズラ、アヒル、七面鳥、ダチョウなどが挙げられる。
ペット動物では、例えばイヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウス、フェレット、リクガメ、ヘビ、カメレオン、トカゲ、コキンチョウ、メジロ、フクロウ、インコ、ヨウム、マーモセット、リスザル、グッピー、プラティ、メダカ、ネオンテトラ、ゼブラフィッシュ、ディスカス、エンゼルフィッシュ、ドジョウ、シクリッド、ベタ、コリドラス、オトシン、ロリカリア、ナマズ、レインボーフィッシュ、ハゼ、ハコフグ、ザリガニ、ビーシュリンプ、ヌマエビ、テナガエビなどが挙げられる。
本発明にかかる飼料用の素材は、内臓脂肪の蓄積を抑制するための有効成分として、クレアチン及びアンセリンを含む。アンセリンとクレアチンをともに含有する素材としては、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、または哺乳類の肉、骨または皮から得られた動物性由来のエキス素材が挙げられる。素材の形態は、生の状態でも良いし、乾燥物、抽出物及び濃縮物などの加工品を用いても良い。更に、アンセリン及びクレアチンの少なくとも一方の一部または全部が精製品であってもよい。
更に、エキス素材及び濃縮物素材としては、以下のものを挙げることができる。
A:魚類、両生類、爬虫類、鳥類、または哺乳類の肉、骨または皮、もしくはその処理廃液から得られた動物性由来のエキス。
B:上記Aの肉、骨及び皮をミンチ状として抽出剤を加え、攪拌して得られる抽出液及びその濃縮物。
これらエキス及び濃縮物は、脱塩、濃縮操作、精製操作等によりさらに高濃縮、あるいは精製してもよい。また、必要に応じて乾燥して乾燥物や粉末として提供してもよい。
上記Aの方法における廃液として、魚肉を蒸煮した際に得られる煮汁、魚を水洗した際に得られる洗浄水及び魚肉のドリップなどを挙げることができる。これら廃液を、雑菌などの混入や繁殖がない条件において、加熱処理、濾過処理、減圧濃縮、凍結乾燥処理などにより濃縮及び/または乾燥を行って動物由来エキスを得ることができる。これら廃液を用いる場合、素材摂食時の嗜好性を考慮して、必要に応じて濾過などの分離処理や各種精製方法によって固形分や不要成分の除去を行ってもよい。
上記Bの方法における動物由来エキスを得る場合の抽出温度は、0〜100℃が望ましい。抽出溶媒は水に限らず、水に酸、アルカリ、無機塩などを添加したもの、含水エタノールなどの適当な有機溶媒を水に組み合わせたものが利用できる。抽出の際に得られる残渣物は、抽出液と分離し、好ましくは抽出液について脱塩処理を行う。得られた濃縮液を濃縮乾固することで当該エキスを得ることができる。
抽出剤としては、素材摂食時の嗜好性を損なわない範囲で、塩酸、酢酸、硫酸、硝酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸及びL−アスコルビン酸などの酸性水溶液、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム及び水酸化カリウムなどの塩基性水溶液、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム及び塩化カルシウムなどの塩水溶液、エタノール、アセトン及びヘキサンなどの有機溶剤を用いることができる。
素材中に含まれるアンセリンとクレアチンの配合割合は、重量%においてクレアチンを1としたときアンセリンが5.8以上57未満である。
本発明にかかる素材は、賦形剤や希釈剤等を用いて、錠剤、粉剤、顆粒剤、液剤、乳化剤などの製剤とすることができる。この製剤は、アンセリンおよびクレアチンと賦形剤とを含み、更に必要に応じて、油脂、香料、乳化剤などを配合して構成されるものであってもよい。例えば、賦形剤にはデキストリン、油脂には牛脂、香料には魚臭フレーバー、乳化剤にはグリセリン脂肪酸エステルが用いうるが、特に限定されるものではない。更に、水や、飼料用成分として許容される塩の水溶液等の液媒体中にアンセリンおよびクレアチンを含有させた液剤としてもよい。製剤中のアンセリンとクレアチンの配合割合は、アンセリンが3.0重量%〜50.0重量%、より好ましくは3.6重量%〜11.2重量%であり、クレアチンが0.05重量%〜5.0重量%、より好ましくは0.06重量%〜1.5重量%である。
本発明にかかる素材を飼育動物用の飼料に配合することによって、内臓脂肪蓄積防止効果を有する飼料を得ることができる。あるいは、飼育動物用の飼料にアンセリン及びクレアチンを配合することによって内臓脂肪蓄積防止効果を有する飼料を得ることができる。アンセリン及びクレアチンを配合するための動物用飼料については、特に限定されず、飼育動物の飼育目的に応じて選択することができる。例えば、通常用いられている市販の、あるいは目的に応じて調製された養殖魚飼育用飼料、畜産動物用飼料、ペット動物用飼料などを用いることができる。内臓脂肪蓄積防止効果を有する飼料中のアンセリン及びクレアチンの含有割合は、アンセリンが3.0重量%〜50.0重量%、より好ましくは3.6重量%〜11.2重量%であり、クレアチンが0.05重量%〜5.0重量%、より好ましくは0.06重量%〜1.5重量%の範囲にある。
本発明にかかる素材を飼育動物に給餌して摂食させる方法としては、
A:通常飼料とは別に本発明にかかる素材を用意し、これらを同時に、及び/または時間差を設けて与える方法、
B:通常飼料に本発明にかかる素材を混合した混合飼料として与える方法、並びに
C:これらの方法A及びBを併用する方法、
を挙げることができる。
また、飼育動物用の飼料と、本発明にかかる素材と、あるいはこの素材を含む飼料と、を併用して給餌する方法を用いることもでき、更には、飼育動物用の飼料と、本発明にかかる素材と、あるいはこの素材を含む飼料と、を混合したものを給餌する方法を用いることもできる。
なお、通常飼料とは、飼育動物の飼育目的のために日常的に給餌する飼育用飼料であり、生飼料及び配合飼料等の少なくとも1種が通常飼料として用いられる。通常飼料は、飼育動物の種類、飼育目的に応じて選択して使用する。
通常飼料としての配合飼料等に本発明にかかる素材を混合して用いる場合は、本発明にかかる素材を、乾燥粉末や濃縮エキスの形態で用いることが望ましい。乾燥粉末素材は例えば、CBEX(日本ハム株式会社)、マリンアクティブ10(焼津水産化学工業株式会社)を用いることができる。投与期間は4週間以上、好ましくは5週間以上が望ましい。
飼育動物への素材の投与量、すなわち飼育動物での摂食量は、飼育動物の種類、飼育目的等により異なり、適宜選択される。例えば、一般的な魚類に投与する場合は、通常、一日につき体重1kgあたりアンセリンが100mg〜5000mg、クレアチンが5.0mg〜500mg、より好ましくはアンセリンが440mg〜1343mg、クレアチンが7.7mg〜169mgの投与量が適している。これらの投与量を通常一日1回または複数回に分けて投与する。その投与量は一日の中で適宜選択することができる。
更に、内臓脂肪蓄積防止効果を有する飼料中のアンセリン及びクレアチンの配合量は、アンセリンが3.6重量%〜11.2重量%、クレアチンが0.06重量%〜1.5重量%の範囲にあることが好ましい。
また、飼育用の飼料と、内臓脂肪蓄積防止効果を有する素材とを併用して飼育を行うとき、例えば一般的な魚類に投与する場合、飼料と素材との合計量に対して、一日につき体重1kgあたりアンセリンが100mg〜5000mg、クレアチンが5.0mg〜500mg、より好ましくはアンセリンが440mg〜1343mg、クレアチンが7.7mg〜169mgの投与量が適している。これらの投与量を通常一日1回または複数回に分けて投与する。その投与量は一日の中で適宜選択することができる。先に、挙げたCの方法により飼育を行う場合にも、飼料と素材との合計量に対して、例えば一般的な魚類に投与する場合、飼料と素材との合計量に対して、一日につき体重1kgあたりアンセリンが100mg〜5000mg、クレアチンが5.0mg〜500mg、より好ましくはアンセリンが440mg〜1343mg、クレアチンが7.7mg〜169mgの投与量が適している。これらの投与量を通常一日1回または複数回に分けて投与する。その投与量は一日の中で適宜選択することができる。
以下に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
ゼブラフィッシュの成魚飼育はTHE ZEBRAFISH BOOK(by Monte Westerfield, Institute of Neuroscience, University of Oregon)に従った。AB line 株のゼブラフィッシュのメス成魚を用いて、飼育用の飼料としてアルテミアを投与した。アルテミア卵(ミヤコ化学株式会社)を3.0%塩化ナトリウム水溶液中で24時間培養し、孵化したアルテミアを含む培養液を1/10量に濃縮したものを用いた。試験期間中このアルテミア培養濃縮液を、非肥満誘導群には0.5 mL/匹/日、肥満誘導群には6.0mL/匹/日で与えた。被験物質としてアンセリン硝酸塩(シグマ社)及びクレアチン(シグマ社)をそれぞれ単独で配合した飼料を調製し、用いた。これら被験物質を配合した素材含有飼料中のアンセリンとクレアチンの重量%を表1に示す。これら素材含有飼料を、アンセリンについては4.0 mg/g体重/日、クレアチンについては0.42 mg/g体重/日の摂取量となるように、アルテミア飼料とは別に投与した。
コントロール群には被験物質の代わりにグルテンを配合した飼料を投与、摂取させた。肥満誘導群は、6週間の試験期間のうち最初の2週間は肥満誘導のみ行い、その後4週間の被験物質投与を行った。週に1回各個体の体重測定を行い、エンドポイント(6週目)に氷中で安楽死させたのち、肝臓を摘出した。摘出肝臓の凍結組織切片を常法により作製しオイルレッドO染色法により肝臓組織脂肪染色を行い、光学顕微鏡で画像を取得した。画像解析ソフトWinROOF(三谷商事株式会社)を用いて視野内の全細胞面積のうち染色部位面積の割合を定量した。
結果を図1および図2に示す。肥満(誘導)コントロール群に対して、アンセリン投与群では体重および肝臓脂肪蓄積量に有意な差は見られず、クレアチン投与群において体重および肝臓脂肪蓄積が有意に低下した。
(実施例2)
ゼブラフィッシュの成魚飼育はTHE ZEBRAFISH BOOK(by Monte Westerfield, Institute of Neuroscience, University of Oregon)に従った。AB line 株のゼブラフィッシュのメス成魚を用いて、飼育用の飼料として配合飼料を投与した。非肥満誘導群は1日あたり体重の3%重量程度の制限給餌を1日1回行い、肥満誘導群は食べなくなるまでの飽食給餌を1日3回行った。被験物質としてアンセリン硝酸塩(シグマ社)及びクレアチン(シグマ社)を混合した素材含有飼料を調製した。これら被験物質を配合した素材含有飼料中のアンセリンとクレアチンの重量%を表2に示す。この素材含有飼料を上記配合飼料とは別に、アンセリンは1.34 mg/g体重/日、クレアチンは0.14mg/g体重/日の摂取量となるように投与した。
コントロール群には被験物質の代わりにカゼインを配合した飼料を投与、摂取させた。肥満誘導群は、5週間の試験期間のうち最初から被験物質投与を行った。週に1回各個体の体重測定を行い、エンドポイント(5週目)に氷中で安楽死させたのち、肝臓を摘出した。摘出肝臓の凍結組織切片を実施例1と同様にして作製しオイルレッドO染色法により肝臓組織脂肪染色を行い、光学顕微鏡で画像を取得した。画像解析ソフトWinROOF(三谷商事株式会社)を用いて視野内の全細胞面積のうち染色部位面積の割合を定量した。
結果を図3および図4に示す。肥満(誘導)コントロール群に対して、アンセリンとクレアチンの投与群では体重増加に有意な差は見られなかった一方で、肝臓脂肪蓄積が有意に低下した。
(実施例3)
ゼブラフィッシュの成魚飼育はTHE ZEBRAFISH BOOK(by Monte Westerfield, Institute of Neuroscience, University of Oregon)に従った。AB line 株のゼブラフィッシュのメス成魚を用いて、飼料は配合飼料を投与した。非肥満誘導群は1日あたり体重の3%重量程度の制限給餌を1日1回行い、肥満誘導群は食べなくなるまでの飽食給餌を1日3回行った。被験物質としてのサケエキス、カツオエキス、およびチキンエキスを各3.9 mg/g体重/日の投与量となるように混合して内臓脂肪蓄積抑制剤としての素材を調製し素材含有飼料とした。この素材含有飼料中にサケエキス、カツオエキス、およびチキンエキスは各32.5重量%含有され、上記配合飼料とは別に投与した。これらの被験物質に含まれるクレアチンとアンセリンの含有割合(重量%)及びこれらの重量比を表3に示す。これら被験物質を配合した素材含有飼料中のアンセリンとクレアチンの重量%を表4に示す。また、試験期間中の一日あたりのアンセリンとクレアチンそれぞれの、体重1 kgあたり平均摂取量を表5に示す。
コントロール群には被験物質の代わりにカゼインを配合した飼料を投与した。肥満誘導群は、5週間の試験期間のうち最初から被験物質投与を行った。週に1回各個体の体重測定を行い、エンドポイント(5週目)に氷中で安楽死させたのち、肝臓を摘出した。摘出肝臓の凍結組織切片を実施例1と同様にして作製しオイルレッドO染色法により肝臓組織脂肪染色を行い、光学顕微鏡で画像を取得した。画像解析ソフトWinROOF(三谷商事株式会社)を用いて視野内の全細胞面積のうち染色部位面積の割合を定量した。
結果を図5および図6に示す。肥満(誘導)コントロール群に対して、各エキス投与群では体重増加に有意な差は見られなかった一方で、肝臓脂肪蓄積が有意に低下した。

Claims (13)

  1. アンセリンとクレアチンをともに有効成分として含有し、重量基準における配合割合でクレアチンを1としたとき、アンセリンを5.8以上57未満で含有することを特徴とする飼育動物の内臓脂肪蓄積抑制用組成物
  2. 賦形剤または希釈剤を含み、製剤化されている請求項1に記載の内臓脂肪蓄積抑制用組成物
  3. 請求項1または2に記載の内臓脂肪蓄積抑制用組成物を含む飼育動物用の飼料。
  4. 前記飼育動物が養殖魚類である請求項3に記載の飼料。
  5. 前記飼育動物が畜産動物である請求項3に記載の飼料。
  6. 前記飼育動物がペット動物である請求項3に記載の飼料。
  7. 請求項4から6のいずれか1項に記載の飼料を、飼料中のクレアチンの摂取量として一日あたり7.7 mg/kg体重〜169 mg/kg体重で飼育動物に給餌することを特徴とする飼育動物の飼育方法。
  8. 飼育動物用の飼料と、請求項1または2に記載の内臓脂肪蓄積抑制用組成物、あるいは、請求項3に記載の飼料と、を請求項7を満たして、併用して給餌することを特徴とする飼育動物の飼育方法。
  9. 飼育動物用の飼料と、請求項1または2に記載の内臓脂肪蓄積抑制用組成物、あるいは、請求項3に記載の飼料と、を混合したものを、請求項7を満たして給餌することを特徴とする飼育動物の飼育方法。
  10. 前記飼料と前記内臓脂肪蓄積抑制用組成物を別に用意して併用する請求項8または9に記載の飼育方法。
  11. 前記飼育動物が、養殖魚類、畜産動物またはペット動物である請求項7から10のいずれか1項に記載の飼育方法。
  12. 飼育動物用の飼料と、該飼料とは別に用意された請求項1または2に記載の内臓脂肪蓄積抑制用組成物を有することを特徴とする飼育動物の飼育用のセット。
  13. 前記飼育動物が、養殖魚類、畜産動物またはペット動物である請求項12に記載のセット。
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