JP6016014B2 - Light emitting device, light emitting device unit, and light emitting device package - Google Patents
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Description
この発明は、発光素子、これを含む発光素子ユニットおよび発光素子ユニットを樹脂パッケージで覆った発光素子パッケージに関する。 The present invention relates to a light emitting element, a light emitting element unit including the light emitting element, and a light emitting element package in which the light emitting element unit is covered with a resin package.
1つの先行技術に係る発光素子は、特許文献1に開示されている。この発光素子では、サファイアの基板の上に、バッファ層を介してn型層が積層されており、n型層では、その表面の一部にn側電極が積層され、当該一部から外れた領域に、発光する層を含む層が積層されている。発光する層を含む層上には、p型層が形成されている。p型層上の一定領域には、Agからなる第1金属層が形成され、第1金属層の表面は、SiO2膜で被覆されている。SiO2膜上には、Auからなる第2金属層が形成されており、第2金属層は、SiO2膜に形成された貫通孔に入り込んで第1金属層に接触している。第1金属層および第2金属層は、p側電極を構成している。
A light-emitting element according to one prior art is disclosed in
Agを含む層では、Agがイオン化してn側電極へ移動すること(マイグレーション)が懸念される。Agのマイグレーションが生じると、n側電極とp側電極との間で短絡が生じる虞がある。
この発明は、Agを含む層におけるAgのマイグレーションを抑制することができる発光素子、これを含む発光素子ユニットおよび発光素子ユニットを樹脂パッケージで覆った発光素子パッケージを提供する。
In a layer containing Ag, there is a concern that Ag ionizes and moves to the n-side electrode (migration). When Ag migration occurs, a short circuit may occur between the n-side electrode and the p-side electrode.
The present invention provides a light emitting element capable of suppressing Ag migration in a layer containing Ag, a light emitting element unit including the light emitting element package, and a light emitting element package in which the light emitting element unit is covered with a resin package.
請求項1記載の発明は、n型窒化物半導体層と、前記n型窒化物半導体層に積層された発光層と、前記発光層に積層されたp型窒化物半導体層と、前記n型窒化物半導体層に接続されたn型電極と、前記p型窒化物半導体層に接続されたp型電極とを含み、前記p型電極が、Agを含む第1金属膜と、前記第1金属膜の前記p型窒化物半導体層とは反対側の全表面に接し、Alを含み、前記第1金属膜よりも厚い第2金属膜とを有するp型電極を含む、発光素子である。
The invention according to
この構成によれば、Agよりもイオン化傾向が高く(イオンになりやすく)マイグレーションしにくいAlが、Agを含む第1金属膜に接しているので、Alが優先的にイオン化されることによってAgがイオン化されにくくなる。また、Agがイオン化されたとしても、Alのイオン化によって放出された電子によってAgイオンを還元できる。特に、Alを含む第2金属膜が、第1金属膜のp型窒化物半導体層とは反対側の全表面に接していることから、第1金属膜におけるAgのイオン化の抑制や、Agイオンの還元の促進を効果的に実現できる。これにより、Agのマイグレーションを抑制することができる。 According to this configuration, Al, which has a higher ionization tendency than Ag (is likely to become ions) and is difficult to migrate, is in contact with the first metal film containing Ag. It becomes difficult to be ionized. Moreover, even if Ag is ionized, Ag ions can be reduced by electrons emitted by ionization of Al. In particular, since the second metal film containing Al is in contact with the entire surface of the first metal film opposite to the p-type nitride semiconductor layer, it is possible to suppress the ionization of Ag in the first metal film, and the Ag ions. It is possible to effectively promote the reduction of. Thereby, Ag migration can be suppressed.
請求項2記載の発明は、前記p型電極が、前記第1金属膜と前記p型窒化物半導体層との間に配置された透明導電膜をさらに含む、請求項1に記載の発光素子である。この構成によれば、発光層からの光を、透明導電膜を透過させて第1金属膜で反射させ、再び透明導電膜を透過させてn型窒化物半導体層から放出させることができる。
請求項3記載の発明は、前記第2金属膜が、前記透明導電膜に接しないように形成されている、請求項2に記載の発光素子である。この構成によれば、第2金属膜と透明導電膜との接触に起因して第2金属膜のAlにガルバニック腐食が生じることを防止できる。
The invention according to
A third aspect of the present invention is the light emitting element according to the second aspect, wherein the second metal film is formed so as not to contact the transparent conductive film. According to this configuration, galvanic corrosion can be prevented from occurring in Al of the second metal film due to contact between the second metal film and the transparent conductive film.
請求項4記載の発明は、前記第2金属膜が、前記第1金属膜の前記p型窒化物半導体層とは反対側の表面と整合するパターンに形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光素子である。この構成によれば、第2金属膜は、第1金属膜のp型窒化物半導体層とは反対側の全表面に接することができる。
請求項5記載の発明は、前記p型電極が、前記第2金属膜の前記第1金属膜とは反対側の表面を覆い、Alの拡散を防止する拡散防止膜をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光素子である。この構成によれば、第2金属膜におけるAlの拡散を防止することができる。
According to a fourth aspect of the present invention, the second metal film is formed in a pattern that matches the surface of the first metal film opposite to the p-type nitride semiconductor layer. It is a light emitting element as described in any one. According to this configuration, the second metal film can be in contact with the entire surface of the first metal film on the side opposite to the p-type nitride semiconductor layer.
According to a fifth aspect of the present invention, the p-type electrode further includes a diffusion preventing film that covers a surface of the second metal film opposite to the first metal film and prevents Al from diffusing. It is a light emitting element as described in any one of -4. According to this configuration, diffusion of Al in the second metal film can be prevented.
請求項6記載の発明は、前記第2金属膜の前記第1金属膜とは反対側を覆う金属膜被覆部を有し、前記n型電極および前記p型電極を互いに絶縁する絶縁膜をさらに含み、前記n型電極が、前記金属膜被覆部上に配置されたn側外部接続部を含み、前記p型電極が、前記第2金属膜に電気的に接続され前記金属膜被覆部上に配置されたp側外部接続部を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発光素子である。
The invention according to
この構成によれば、n側外部接続部およびp側外部接続部の両方が金属膜被覆部上に配置されているので、サブマウント基板に対して発光素子における金属膜被覆部側を対向させることによって、サブマウント基板に発光素子をフリップチップ接続することができる。
請求項7記載の発明のように、前記絶縁膜が、SiO2、SiONおよびSiNのうちの一種以上を含んでいることが好ましい。
According to this configuration, since both the n-side external connection portion and the p-side external connection portion are disposed on the metal film covering portion, the metal film covering portion side of the light emitting element is opposed to the submount substrate. Thus, the light-emitting element can be flip-chip connected to the submount substrate.
Preferably, the insulating film contains one or more of SiO 2 , SiON, and SiN.
そして、請求項8記載の発明のように、主面を有するサブマウント基板と、前記p型窒化物半導体層を前記サブマウント基板の主面に対向させて当該サブマウント基板に接合された前記発光素子とを含む、発光素子ユニットを構成することができる。また、請求項9記載の発明のように、前記発光素子ユニットと、前記発光素子ユニットを収容した樹脂パッケージとを含む、発光素子パッケージを構成することができる。
The submount substrate having a main surface and the light emission bonded to the submount substrate with the p-type nitride semiconductor layer opposed to the main surface of the submount substrate as in the invention of
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る発光素子1の模式的な平面図である。図2は、図1の切断面線II−IIにおける断面図である。図3は、図1の切断面線III−IIIにおける断面図である。図4は、発光素子1の模式的な斜視図である。
発光素子1は、基板2と、n型窒化物半導体層3と、発光層4と、p型窒化物半導体層5と、n型電極35と、p型電極40と、絶縁膜8と、絶縁管層9と、バリア層15と、接合層16とを備えている。n型電極35は、n型窒化物半導体層3に接続されており、n側外部接続部10と、第1コンタクト11とを有している。p型電極40は、p型窒化物半導体層5に接続されており、透明導電膜6と、第1金属膜7と、第2金属膜42と、拡散防止膜43と、p側外部接続部12と、第2コンタクト13と、エッチングストップ層14とを有している。
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
FIG. 1 is a schematic plan view of a
The light-emitting
基板2上に、n型窒化物半導体層3、発光層4、p型窒化物半導体層5、透明導電膜6、第1金属膜7、第2金属膜42と、拡散防止膜43および絶縁膜8が、この順番で積層されている。
基板2は、発光層4の発光波長(たとえば450nm)に対して透明な材料(たとえばサファイア、GaNまたはSiC)からなり、所定の厚さを有している。基板2は、その厚さ方向から見た平面視において、図2における左右方向に長手方向を有し、図2における奥行き方向に短手方向を有する矩形形状に形成されている(図1参照)。基板2の長手方向寸法は、たとえば、約1000μmであり、基板2の短手方向寸法は、たとえば、約500μmである。基板2では、図2における下面が表面2Aであり、図2における上面が裏面2Bである。表面2Aは、光が取り出される光取出し面である。裏面2Bは、基板2におけるn型窒化物半導体層3との接合面である。基板2の裏面2Bには、n型窒化物半導体層3側へ突出する凸部17が複数形成されている。複数の凸部17は、離散配置されている。具体的には、複数の凸部17は、基板2の裏面2Bにおいて、互いに間隔を空けて行列状に配置されていてもよいし、千鳥状に配置されていてもよい。各凸部17は、SiNで形成されていてもよい。
On the
The
n型窒化物半導体層3は、基板2上に積層されている。n型窒化物半導体層3は、基板2の裏面2Bの全域を覆っている。n型窒化物半導体層3は、n型の窒化物半導体(たとえば、GaN)からなっていて、発光層4の発光波長に対して透明である。「発光波長に対して透明」とは、具体的には、たとえば、発光波長の透過率が60%以上の場合をいう。n型窒化物半導体層3について、図2において基板2の裏面2Bを覆う下面を表面3Aといい、表面3Aとは反対側の上面を裏面3Bということにする。基板2の厚さ方向(n型窒化物半導体層3の厚さ方向でもある)から見た平面視において、n型窒化物半導体層3の裏面3Bの端部には、表面3A側へ凹んだ段付部分3Cが形成されている。
N-type
発光層4は、n型窒化物半導体層3上に積層されている。発光層4は、n型窒化物半導体層3の裏面3Bにおいて段付部分3C以外の全域を覆っている。発光層4は、この実施形態では、Inを含む窒化物半導体(たとえばInGaN)からなり、その厚さは、たとえば、約100nmである。発光層4の発光波長は、たとえば440nm〜460nmである。
The
p型窒化物半導体層5は、発光層4と同一パターンで発光層4上に積層されている。そのため、平面視において、p型窒化物半導体層5の領域は、発光層4の領域と一致している。p型窒化物半導体層5は、p型の窒化物半導体(たとえば、GaN)からなっていて、発光層4の発光波長に対して透明である。このように、n型半導体層であるn型窒化物半導体層3とp型半導体層であるp型窒化物半導体層5とで発光層4を挟んだ発光ダイオード構造が形成されている。p型窒化物半導体層5の厚さは、たとえば、約200nmである。この場合、n型窒化物半導体層3、発光層4およびp型窒化物半導体層5の全体の厚さは、たとえば、約4.5μmである。
The p-type
透明導電膜6は、p型窒化物半導体層5と同一パターンでp型窒化物半導体層5上に積層されている。透明導電膜6は、ZnO(酸化亜鉛)またはITO(酸化インジウム錫)からなり、発光層4の発光波長に対して透明である。この実施形態では、透明導電膜6は、ITOからなる。透明導電膜6の厚さは、たとえば約100nm〜200nmである。また、平面視における透明導電膜6は、たとえば、約500μmの短辺と約1000μmの長辺とを有する長方形状である。
The transparent
第1金属膜7は、透明導電膜6と同一パターンで透明導電膜6上に積層されている。そのため、p型窒化物半導体層5上に積層された透明導電膜6は、第1金属膜7とp型窒化物半導体層5との間に配置されている。
第1金属膜7は、Agと、Pd(パラジウム)、Nd(ネオジム)およびBi(ビスマス)の少なくともいずれかとを含む合金からなる。各材料の配合比率は、Agが98%程度であり、Pd、NdおよびBiの少なくともいずれかが数%程度である。このようなAgを含む合金からなる第1金属膜7は、導電性が良好である。第1金属膜7の厚さは、たとえば約100nmである。
The
The
第2金属膜42は、Al(アルミニウム)またはAlの合金からなる。この実施形態の第2金属膜42は、Alからなる。第2金属膜42は、第1金属膜7と同一パターンで第1金属膜7上に積層されている。つまり、第2金属膜42は、第1金属膜7のp型窒化物半導体層5とは反対側の表面7Aと整合するパターンに形成されている。そのため、第2金属膜42は、第1金属膜7のp型窒化物半導体層5とは反対側の全表面(第1金属膜7の表面7Aの全域)に接している。また、第2金属膜42は、第1金属膜7の表面7Aの全域に接しているものの、表面7Aからはみ出していないので、第1金属膜7の下の透明導電膜6に接していない。そのため、第2金属膜42と透明導電膜6との接触に起因して第2金属膜42のAlにガルバニック腐食が生じることを防止できる。第2金属膜42の厚さは、たとえば約100nmである。
The
拡散防止膜43は、TiW(チタンタングステン)、TiN(チタンナイトライド)、TaN(タンタルナイトライド)またはWN(タングステンナイトライド)からなる。この実施形態の拡散防止膜43は、TiWからなる。拡散防止膜43は、第2金属膜42と同一パターンで第2金属膜42上に積層されている。拡散防止膜43は、第2金属膜42の第1金属膜7とは反対側の表面42Aを覆っていて、第2金属膜42に含まれたAlの拡散を防止する機能を有している。拡散防止膜43の厚さは、たとえば約10nmである。
The
絶縁膜8は、SiO2(酸化シリコン)、SiON(窒化酸化シリコン)およびSiN(窒化シリコン)のうちの一種以上を含む絶縁性材料で形成されている。絶縁膜8は、拡散防止膜43上に積層されている。絶縁膜8は、拡散防止膜43の表面43A(換言すれば、第2金属膜42の第1金属膜7とは反対側)の全域を覆う金属膜被覆部8Aと、平面視における金属膜被覆部8Aの端部から基板2側へ延びる延設部8Bとを一体的に有している。延設部8Bは、平面視における発光層4、p型窒化物半導体層5、透明導電膜6、第1金属膜7、第2金属膜42および拡散防止膜43のそれぞれの外側端面と、n型窒化物半導体層3の段付部分3Cとを全域に亘って覆っている。発光層4の外側端面は、発光層4においてn型窒化物半導体層3およびp型窒化物半導体層5の間から露出した端面4Aである。
The insulating
絶縁管層9は、絶縁性材料(ここでは、絶縁膜8と同じ材料)で形成されている。絶縁管層9は、絶縁膜8の金属膜被覆部8Aから連続しており、基板2の厚さ方向に沿って基板2側へ延びる管状の層であり、絶縁膜8の一部とみなすことができる。この実施形態では、絶縁管層9は、直線的な円管状であり、その外側の直径は、30μm以上50μm以下であり、その厚さは10μm〜20μm程度である。絶縁管層9は、拡散防止膜43、第2金属膜42、第1金属膜7、透明導電膜6、p型窒化物半導体層5および発光層4を貫通して、n型窒化物半導体層3の厚さ途中まで到達している。
The insulating
絶縁管層9は、複数設けられており、複数の絶縁管層9は、平面視において離散して配置されている。具体的に、複数の絶縁管層9は、平面視において、均等に分散配置されている。
複数の絶縁管層9は、図1に示すように、平面視において交差する2方向(基板2の長手方向および短手方向)に沿って行列状に規則配列されていてもよいし、平面視で千鳥状に配列されていてもよい。この実施形態では、絶縁管層9の数は、15であり、3行5列の行列状に配置されている。この場合、行方向が基板2の短手方向に一致し、列方向が基板2の長手方向に一致している。
A plurality of insulating
As shown in FIG. 1, the plurality of insulating
図2を参照して、n側外部接続部10は、絶縁膜8の金属膜被覆部8A上において図2における左側に偏った領域に積層されている。n側外部接続部10は、平面視において、図1および図2における左右方向(基板2の長手方向)において長手の矩形状に形成されており、平面視における絶縁膜8(金属膜被覆部8A)の半分以上の領域を占めていて、当該領域における絶縁膜8に接触している(図1参照)。n側外部接続部10は、導電性材料(たとえば、Al(アルミニウム)やAg(銀))からなる。n側外部接続部10の厚さは、100nm以上であり、好ましくは、約350nmである。図1を参照して、n側外部接続部10は、図1において左右方向に延びる1対の長手縁10Aと、1対の長手縁10Aと直交して延びる1対の短手縁10Bとを含んでいる。長手縁10Aおよび短手縁10Bは、平面視におけるn側外部接続部10の外形(輪郭)を規定する辺である。
Referring to FIG. 2, n-side
平面視において、複数の絶縁管層9のうち、1つの絶縁管層9は、矩形状のn側外部接続部10の重心位置Gに配置されていて、残りの絶縁管層9は、重心位置Gを基準(対称の中心)として点対称となるように配置されている。また、複数の絶縁管層9は、n側外部接続部10の長手縁10Aおよび短手縁10Bに沿って配置された第1縁側絶縁管層9Aを含んでいる。図1では、12個の第1縁側絶縁管層9Aが、全体で矩形の額縁状をなしていて、n側外部接続部10の外形線(長手縁10Aおよび短手縁10B)を縁取るように外形線に隣接して配置されている。
In plan view, one insulating
第1コンタクト11は、導電性材料(ここでは、n側外部接続部10と同じ材料)で形成されている。第1コンタクト11は、n側外部接続部10と同じ材料で形成されている場合、n側外部接続部10と一体化していてもよく、n側外部接続部10の一部と考えることもできる。第1コンタクト11は、n側外部接続部10から連続しており、基板2の厚さ方向に沿って基板2側へ延びる柱状に形成されている。この実施形態では、第1コンタクト11は、直線状の円柱形状である。第1コンタクト11は、複数設けられている。この実施形態では、第1コンタクト11は、絶縁管層9と同じ数(15個)だけ設けられている。
The
図2を参照して、各第1コンタクト11は、絶縁膜8を貫通して、対応する絶縁管層9の中空部分に埋め込まれている。この状態で、各第1コンタクト11は、絶縁膜8(金属膜被覆部8A)および絶縁管層9を通って、n型窒化物半導体層3に接続されている。第1コンタクト11は、絶縁管層9を通ることによって、拡散防止膜43、第2金属膜42、第1金属膜7、透明導電膜6、p型窒化物半導体層5および発光層4から分離絶縁されている。つまり、絶縁膜8(絶縁管層9を含む)は、n型電極35(第1コンタクト11)と、p型電極40(透明導電膜6、第1金属膜7、第2金属膜42および拡散防止膜43)とを互いに絶縁している。
Referring to FIG. 2, each
n型窒化物半導体層3に対する円柱形状の第1コンタクト11の接触部18は、円形状である。接触部18の直径は、たとえば20μm以上40μm以下であってもよく、第1コンタクト11の寸法誤差や隣り合う第1コンタクト11の間隔の誤差を踏まえると、好ましくは、30μm程度である。接触部18の直径を20μmよりも小さくすると、接触部18における電気抵抗(接触抵抗)が増大する。
The
第1コンタクト11(第1コンタクト11をn側外部接続部10の一部とする場合には、n側外部接続部10)は、Al、TiW、Ti(チタン)、Pt(プラチナ)およびAuSn(金錫)を、n型窒化物半導体層3に近い側(基板2側)からこの順番で積層することによって構成されていてもよい。
図1を参照して、平面視において、円管状の絶縁管層9の円中心と、絶縁管層9の中空部分に埋め込まれた円柱状の第1コンタクト11の円中心とは、一致している。したがって、平面視において、複数の第1コンタクト11は、複数の絶縁管層9と同じ配列パターンで配列されている。つまり、複数の第1コンタクト11は、平面視において、行列状をなすように、均等に分散配置されている。
The first contact 11 (when the
With reference to FIG. 1, in a plan view, the circle center of the tubular insulating
図2を参照して、p側外部接続部12は、この実施形態では、n側外部接続部10と同じ材料からなり、絶縁膜8(金属膜被覆部8A)上において図2における右側に偏った領域に積層されている。p側外部接続部12は、平面視において、n側外部接続部10よりも小さいが、たとえば、n側外部接続部10と同じ厚さを有している。p側外部接続部12は、n側外部接続部10の長手方向(図1および図2における左右方向)に対して直交する方向(図2の紙面に直交する方向)に長手である(図1参照)。絶縁膜8上において、左側に偏って形成されたn側外部接続部10と、右側に偏って形成されたp側外部接続部12とは、たとえば約60μmの距離を隔てることによって分離絶縁されている。
Referring to FIG. 2, in this embodiment, the p-side
第2コンタクト13は、導電性材料(ここでは、p側外部接続部12と同じ材料)で形成されている。第2コンタクト13は、p側外部接続部12から連続しており、基板2の厚さ方向に沿って基板2側へ延びる柱状に形成されている。第2コンタクト13は、複数(ここでは、3つ)設けられている。複数の第2コンタクト13は、p側外部接続部12の長手方向(図2の紙面に直交する方向)に沿って並んでいる(図1参照)。各第2コンタクト13は、絶縁膜8を貫通している。
The
第2コンタクト13(第2コンタクト13をp側外部接続部12の一部とする場合には、p側外部接続部12)は、Al、TiW、Ti、PtおよびAuSnを、基板2側からこの順番で積層することによって構成されていてもよい。
エッチングストップ層14は、拡散防止膜43上において、平面視で各第2コンタクト13と一致する位置に積層されており、平面視において第2コンタクト13よりも大きく形成されている。エッチングストップ層14は、導電性材料で形成されており、具体的には、Cr(クロム)およびPt(白金)を拡散防止膜43側からこの順番で積層することで構成されている。エッチングストップ層14は、拡散防止膜43と第2コンタクト13とに挟まれている。第2コンタクト13は、エッチングストップ層14を介して拡散防止膜43に接続されている。そのため、第2コンタクト13につながったp側外部接続部12は、第2コンタクト13、エッチングストップ層14および拡散防止膜43を介して、第2金属膜42に電気的に接続されている。
The second contact 13 (when the
The
バリア層15は、n側外部接続部10上に、n側外部接続部10と同一パターンで積層されているとともに、p側外部接続部12上に、p側外部接続部12と同一パターンで積層されている。バリア層15は、Ti(チタン)およびPtをn側外部接続部10およびp側外部接続部12側からこの順番で積層して構成されている。
接合層16は、n側外部接続部10上のバリア層15上に、n側外部接続部10と同一パターンで積層されているとともに、p側外部接続部12上のバリア層15上に、p側外部接続部12と同一パターンで積層されている。接合層16は、たとえば、Ag、TiもしくはPtまたはこれらの合金からなる。接合層16は、半田またはAuSn(金錫)からなってもよい。この実施形態では、接合層16は、AuSnからなる。バリア層15によって、接合層16からn側外部接続部10およびp側外部接続部12へのSn(錫)の拡散が抑えられている。
The
The
接合層16において、n側外部接続部10上およびp側外部接続部12上のバリア層15と接する面が下面であり、この下面とは反対側の上面を接合面16Aということにする。n側外部接続部10側の接合層16の接合面16Aと、p側外部接続部12側の接合層16の接合面16Aとはいずれも平坦面であり、同じ高さ位置(基板2の厚さ方向における位置)において面一になっている。前述したようにn側外部接続部10とp側外部接続部12とが分離絶縁されているので、n側外部接続部10側の接合層16と、p側外部接続部12側の接合層16とは、分離絶縁されている。
In the
n型窒化物半導体層3において段付部分3Cを除く部分と、発光層4と、p型窒化物半導体層5と、透明導電膜6と、第1金属膜7と、第2金属膜42と、拡散防止膜43とは、平面視において一致していて、図1および図2の左右方向(基板2の長手方向)に長手の矩形状である(図1参照)。n型窒化物半導体層3、発光層4、p型窒化物半導体層5、透明導電膜6、第1金属膜7、第2金属膜42および拡散防止膜43のそれぞれは、絶縁管層9および第1コンタクト11が形成されていない領域では、基板2の長手方向における全域に亘って存在している(図3参照)。平面視において、n側外部接続部10、p側外部接続部12、バリア層15および接合層16は、発光層4(p型窒化物半導体層5、透明導電膜6、第1金属膜7、第2金属膜42と、拡散防止膜43)の内側に位置している(図1参照)。
A portion of n-type
この発光素子1では、n側外部接続部10とp側外部接続部12との間に順方向電圧を印加すると、p側外部接続部12からn側外部接続部10へ向かって電流が流れる。電流は、p側外部接続部12からn側外部接続部10へ向かって、第2コンタクト13、エッチングストップ層14、拡散防止膜43、第2金属膜42および第1金属膜7を、この順番で流れる。第1金属膜7は、導電性が良好なので、電流は、第1金属膜7において平面視における全域に広がり、その後、透明導電膜6、p型窒化物半導体層5、発光層4、n型窒化物半導体層3および第1コンタクト11を、この順番で流れる。このように電流が流れることによって、n型窒化物半導体層3から発光層4に電子が注入され、p型窒化物半導体層5から発光層4に正孔が注入され、これらの正孔および電子が発光層4で再結合することにより、波長440nm〜460nmの青色の光が発生する。この光は、n型窒化物半導体層3および基板2をこの順で透過して基板2の表面2Aから取り出される。
In the
この際、発光層4からp型窒化物半導体層5側に向かう光も存在し、この光は、p型窒化物半導体層5および透明導電膜6をこの順で透過して、透明導電膜6と第1金属膜7との界面で反射される。反射した光は、透明導電膜6、p型窒化物半導体層5、発光層4、n型窒化物半導体層3および基板2をこの順で透過して基板2の表面2Aから取り出される。つまり、発光層4からの光を、透明導電膜6を透過させて第1金属膜7で反射させ、再び透明導電膜6を透過させてn型窒化物半導体層3から放出させることができる。
At this time, there is also light traveling from the light-emitting
また、第1金属膜7で反射されずに、絶縁管層9内を進む光も存在し、この光は、絶縁管層9および絶縁膜8を透過して、絶縁膜8とn側外部接続部10およびp側外部接続部12との界面で反射される。反射した光は、絶縁膜8、絶縁管層9、透明導電膜6、p型窒化物半導体層5、発光層4、n型窒化物半導体層3および基板2を透過して基板2の表面2Aから取り出される。つまり、この発光素子1は、第1の反射電極層としての第1金属膜7のほかに、第2の反射電極層としてのn側外部接続部10およびp側外部接続部12を備えている。第1および第2電極層10,12が反射電極層としての機能を有すためには、第1および第2電極層10,12の厚さは、100nm以上である必要がある。
There is also light that travels through the insulating
前述したように、基板2の裏面2Bには、複数の凸部17が形成されている。これらの凸部17によって、n型窒化物半導体層3側から基板2へ向かって様々な角度から基板2の裏面2Bに入射される光が基板2の裏面2Bで全反射することを抑制できる。これにより、n型窒化物半導体層3から基板2へ向かう光が、n型窒化物半導体層3と基板2との界面においてn型窒化物半導体層3側へ反射することが抑制される。また、各凸部17は、n型窒化物半導体層3内で乱反射することでとどまっている光を基板2側へ導くこともできる。よって、光の取り出し効率が向上する。
As described above, the plurality of
以上のように、発光素子1では、第2金属膜42がAlを含んでいる。Alは、Agよりもイオン化傾向が高く(イオンになりやすく)、イオン化したときにマイグレーション(移動)しにくい。また、Alは、Agよりもイオン化傾向が高くマイグレーションしにくい材料の中でも、Agイオンを還元できる程度にAgとの間でイオン化傾向の差が大きく、さらに、半導体形成プロセスで使いやすい材料である。
As described above, in the
このようなAlを含む第2金属膜42が、Agを含む第1金属膜7に接しているので、Alが優先的にイオン化されることによってAgがイオン化されにくくなる。また、Agがイオン化されたとしても、Alのイオン化によって放出された電子によってAgイオンを還元できる。特に、Alを含む第2金属膜42が、第1金属膜7のp型窒化物半導体層5とは反対側の全表面(表面7Aの全域)に接していることから、第1金属膜7におけるAgのイオン化の抑制や、Agイオンの還元の促進を効果的に実現できる。これにより、第1金属膜7(特に表面7Aの端縁)におけるAgのマイグレーションを抑制することができる。
Since the
Agイオンの還元させるためには、前述したように、第1金属膜7および第2金属膜42のそれぞれの厚さを、同程度(たとえば約100nm)としていればよいが、第2金属膜42を第1金属膜7よりも厚くすれば、Agイオンの還元効率を高めることができる。なお、第1金属膜7は、約10nmの厚さがあれば、光を反射させることができる。
図5A〜図5Hは、図2に示す発光素子の製造方法を示す図解的な断面図である。
In order to reduce Ag ions, the
5A to 5H are schematic cross-sectional views showing a method for manufacturing the light-emitting element shown in FIG.
まず、図5Aに示すように、基板2の裏面2Bに、SiNからなる層(SiN層)を形成し、レジストパターン(図示せず)をマスクとするエッチングにより、このSiN層を、複数の凸部17に分離する。次いで、基板2を反応容器(図示せず)内に配置して反応容器内にガス(シランガス等)を流すことによって、基板2の裏面2B上に半導体層をエピタキシャル成長させる処理が行われる。その際、ガスの流量比を変えることで、基板2の裏面2B上に、n型窒化物半導体層3、発光層4およびp型窒化物半導体層5を、この順番で連続的に形成することができる。
First, as shown in FIG. 5A, a SiN layer (SiN layer) is formed on the
次いで、図5Bに示すように、たとえばリフトオフ法を用いて、透明導電膜6をパターン形成する。なお、エッチングによって透明導電膜6を形成してもよい。透明導電膜6は、各絶縁管層9(図1および図2参照)と一致する位置に、透明導電膜6を貫通する貫通穴19を有するパターンに形成され。各貫通穴19からp型窒化物半導体層5が露出することになる。
Next, as shown in FIG. 5B, the transparent
次いで、透明導電膜6の上、および、p型窒化物半導体層5において各貫通穴19からが露出された部分の上の全域に亘って、Agの合金(第1金属膜7の材料)の層(第1層)を形成する。さらに、当該第1層の上の全域に亘って、Al(第2金属膜42の材料)の層(第2層)を形成し、当該第2層の上の全域に亘って、TiW(拡散防止膜43の材料)の層(第3層)を形成する。これらの第1層、第2層および第3層に対して、図5Cに示すように、透明導電膜6と同一パターンのレジストパターン20をマスクとするドライエッチングを施す。これにより、第1層、第2層および第3層の各層が選択的に一括除去される。除去後に残った第1層が、第1金属膜7となって、透明導電膜6上に、透明導電膜6と同一パターンで形成される。また、除去後に残った第2層が、第2金属膜42となって、第1金属膜7上に、第1金属膜7と同一パターンで形成される。また、除去後に残った第3層が、拡散防止膜43となって、第2金属膜42上に、第2金属膜42と同一パターンで形成される。第1金属膜7、第2金属膜42および拡散防止膜43のそれぞれには、平面視で透明導電膜6の各貫通穴19と一致する位置に、貫通穴19と同じ大きさの貫通穴21が形成されている。
Next, an Ag alloy (material of the first metal film 7) is formed on the transparent
次いで、図5Dに示すように、レジストパターン20を除去してから、別のレジストパターン22を第1金属膜7上に形成する。レジストパターン22には、平面視で第1金属膜7の各貫通穴21と一致する位置に、貫通穴21と同じ大きさの開口23が形成されている。開口23は、平面視で同じ位置にある貫通穴19,21に連続している。また、平面視において、レジストパターン22は、n型窒化物半導体層3の段付部分3Cが位置する予定の部分には存在しない。
Next, as shown in FIG. 5D, after removing the resist
次いで、レジストパターン22をマスクとするドライエッチングにより、p型窒化物半導体層5、発光層4およびn型窒化物半導体層3のそれぞれを選択的に除去する。これにより、平面視においてレジストパターン22の各開口23と一致する位置には、p型窒化物半導体層5および発光層4を貫通して、n型窒化物半導体層3の厚さ途中まで到達するトレンチ24(この実施形態では円筒状のトレンチ)が形成され、n型窒化物半導体層3に段付部分3Cが形成される。各トレンチ24は、平面視で同じ位置にある開口23および貫通穴19,21に連続している。平面視で同じ位置で連続する貫通穴19,21およびトレンチ24は、1つのトレンチ25を構成している。トレンチ25は、平面視で絶縁管層9と一致する複数(ここでは、15個)の分散した位置に形成されている。各トレンチ25は、この実施形態では、基板2の厚さ方向に直線的に延びる円筒状であり、その断面の円形状は、基板2の厚さ方向におけるいずれの位置でも同じ大きさである。各トレンチ25は、拡散防止膜43、第2金属膜42、第1金属膜7、透明導電膜6、p型窒化物半導体層5および発光層4を貫通して、n型窒化物半導体層3の厚さ途中まで到達している。トレンチ25の半導体層表面(p型窒化物半導体層5の表面)からの深さ(基板2の厚さ方向における寸法)は、たとえば、約1.5μmである。また、拡散防止膜43、第2金属膜42、第1金属膜7、透明導電膜6、p型窒化物半導体層5および発光層4のそれぞれにおいて平面視で段付部分3Cと一致する部分(図5C参照)は、ドライエッチングによるトレンチ25の形成と同時に除去されている。
Next, each of p-type
次いで、レジストパターン22を除去してから、図5Eに示すように、第1金属膜7上において平面視で第2コンタクト13(図2参照)と一致する予定の位置に、たとえばリフトオフ法を用いて、エッチングストップ層14を形成する。
次いで、図5Fに示すように、第1金属膜7上およびエッチングストップ層14上に、たとえばCVD法によって、SiNからなる層(SiN層)26を形成する。SiN層26は、各トレンチ25内に埋め尽くされるとともに、平面視における発光層4、p型窒化物半導体層5、透明導電膜6、第1金属膜7、第2金属膜42および拡散防止膜43のそれぞれの外側端面と、n型窒化物半導体層3の段付部分3Cとを全域に亘って覆うように形成される。SiN層26において、拡散防止膜43上およびエッチングストップ層14上にある部分は、絶縁膜8の金属膜被覆部8Aとなり、平面視における発光層4、p型窒化物半導体層5、透明導電膜6、第1金属膜7、第2金属膜42および拡散防止膜43のそれぞれの外側端面と、n型窒化物半導体層3の段付部分3Cとを覆っている部分は、延設部8Bとなる。また、SiN層26において、トレンチ25内に埋め込まれた部分は、絶縁管層9を形成することになる。
Next, after removing the resist
Next, as shown in FIG. 5F, a layer (SiN layer) 26 made of SiN is formed on the
次いで、図5Gに示すように、絶縁膜8上に、レジストパターン27を形成する。レジストパターン27には、平面視で各第1コンタクト11(図2参照)と一致する予定の位置に、開口28が形成されていて、平面視で各第2コンタクト13(図2参照)と一致する予定の位置に、開口29が形成されている。
次いで、レジストパターン27をマスクとするドライエッチングにより、絶縁膜8と、各トレンチ25内のSiN層26とを選択的に除去する。これにより、平面視においてレジストパターン27の各開口28と一致する位置の絶縁膜8およびSiN層26がレジストパターン27側から除去される。このドライエッチングの条件は、n型窒化物半導体層3がエッチングされない条件になっている。そのため、各開口28におけるエッチングは、トレンチ25の底面におけるn型窒化物半導体層3の手前でストップする。これにより、平面視においてレジストパターン22の各開口28と一致する位置には、絶縁膜8およびSiN層26を貫通してn型窒化物半導体層3まで到達するトレンチ30が形成される。
Next, as shown in FIG. 5G, a resist pattern 27 is formed on the insulating
Next, the insulating
トレンチ30は、基板2の厚さ方向に延びる円筒状であり、その断面の円形状は、基板2の厚さ方向における全域に亘って同じ大きさである。トレンチ30は、第1コンタクト11と同じ数(ここでは、15個)形成されていて、各トレンチ30は、いずれかのトレンチ25の内側に配置されている。各トレンチ25がn型窒化物半導体層3の厚さ途中まで到達しているので、各トレンチ30も、n型窒化物半導体層3の厚さ途中まで到達している。各トレンチ30の底では、n型窒化物半導体層3が露出されている。各トレンチ25内に埋め尽くされたSiN層26は、トレンチ30が形成されることによって、絶縁管層9となる。
The
ここでのドライエッチングによって、平面視においてレジストパターン27の各開口29と一致する位置の絶縁膜8がレジストパターン27側から除去される。各開口29におけるエッチングは、エッチングストップ層14で停止する。つまり、エッチングストップ層14が、その直下にある拡散防止膜43をドライエッチングから保護するので、拡散防止膜43までエッチングされてしまうことを防止できる。その結果、平面視においてレジストパターン27の各開口29と一致する位置には、絶縁膜8を貫通してエッチングストップ層14まで到達するトレンチ31が形成される。トレンチ31は、第2コンタクト13と同じ数(ここでは、3個)だけ形成され、これらのトレンチ31は、平面視における基板2の短手方向(図5Gの紙面に直交する方向)において等間隔で並んでいる。
By this dry etching, the insulating
次いで、レジストパターン27を除去してから、図5Hに示すように、たとえば蒸着により、Alからなる層(Al層32)を絶縁膜8上の全域に形成する。Al層32は、各トレンチ30内および各トレンチ31内に埋め尽くされる。トレンチ30内のAl層32は、第1コンタクト11となり、トレンチ31内のAl層32は、第2コンタクト13となる。
Next, after removing the resist pattern 27, as shown in FIG. 5H, a layer made of Al (Al layer 32) is formed over the entire region of the insulating
次いで、絶縁膜8上のAl層32上の全域に、たとえばスパッタ法によって、Tiからなる層(Ti層)と、Ptからなる層(Pt層)とをAl層32側からこの順番で積層する。これにより、Ti層およびPt層の積層構造からなるバリア層15がAl層32上に形成される。
次いで、バリア層15上の全域に、たとえば電解めっき法によって、AuSnからなる層(AuSn層)を形成する。AuSn層は、接合層16である。
Next, a layer made of Ti (Ti layer) and a layer made of Pt (Pt layer) are laminated in this order from the
Next, a layer made of AuSn (AuSn layer) is formed over the entire area of the
次いで、レジストパターン(図示せず)をマスクとして用いるエッチングにより、絶縁膜8上のAl層32、バリア層15および接合層16のそれぞれを、平面視における基板2の長手方向において、第2コンタクト13と、第2コンタクト13に最も近い第1コンタクト11との間で二分する(図5H参照)。これにより、図2に示すように、絶縁膜8上のAl層32において、平面視で全ての第1コンタクト11を覆う部分が、n側外部接続部10となり、平面視で全ての第2コンタクト13を覆う部分が、p側外部接続部12となる。n側外部接続部10およびp側外部接続部12は、分離絶縁された状態で絶縁膜8上に形成されている。n側外部接続部10が形成されることでn型電極35が完成し、p側外部接続部12が形成されることでp型電極40が完成する。以上の結果、発光素子1が完成する。
Next, by etching using a resist pattern (not shown) as a mask, each of the
発光素子1は、たとえば、基板2の元基板としての1枚のウエハ(図示せず)上に多数同時に形成される。そこで、必要に応じてウエハを研削・研磨して厚みを調整した後に、ウエハを、レーザスクライバ等を用いてダイシングすると、最終的に図1〜図4に示す構造の発光素子1が個別に切り出される。
第1コンタクト11が埋め込まれるトレンチ30は、第1コンタクト11と同じ大きさの円形状の断面を有しており、その直径(内径)は、20μm以上40μm以下である。これに対し、第2コンタクト13が埋め込まれるトレンチ31は、平面視においてトレンチ30よりも大きい(図1参照)。そのため、前述したように、絶縁膜8上にAl層32を形成する際に(図5H参照)、各トレンチ31内にAl層32を埋め尽くすと、絶縁膜8には、各トレンチ31の跡90が凹みとなって現れ、最終的には、第2電極12上の接合層16の接合面16Aにも現れる(図4参照)。しかし、複数のトレンチ31は、基板2の短手方向において間隔を隔てているので(図1参照)、これらのトレンチ31が1列につながっている場合に比べて、各トレンチ31の跡90は、とても小さく目立たない。そのため、第2電極12上の接合層16の接合面16Aはほとんど平坦になる。
For example, a large number of
The
図6は、サブマウントの構造を図解的に示す断面図である。
図6に二点鎖線で示すように、発光素子1は、接合層16によってサブマウント50に接合され、発光素子1およびサブマウント50は、発光素子ユニット64を構成する。
サブマウント50は、サブマウント基板51と、絶縁層52と、電極層53と、接合層54とを備えている。
FIG. 6 is a cross-sectional view schematically showing the structure of the submount.
As shown by a two-dot chain line in FIG. 6, the
The
サブマウント基板51はたとえばSiからなる。絶縁層52は、たとえばSiO2からなり、サブマウント基板51の主面51A(図6における上面)の全域を覆っている。
電極層53は、たとえばAlからなる。電極層53は、絶縁層52上において分離された2つの領域に設けられており、図6では、2つの電極層53が、左右に隔てた状態で絶縁層52上に形成されている。2つの電極層53のうち、図6における左側の電極層53を第1マウント電極層53Aといい、図6における右側の電極層53を第2マウント電極層53Bということにする。第1マウント電極層53Aと第2マウント電極層53Bとは、第1電極11および第2電極12の間隔とほぼ等しい間隔、たとえば、60μm程度の間隔を隔てて分離絶縁されて配置されている。
The
The
接合層54は各電極層53上に積層されている。接合層54は、この実施形態では、サブマウント基板51側のTi層55と、Ti層55上に積層されたAu層56とを含む2層構造である。接合層54において電極層53に接触している面とは反対側の面(図6における上面)が、表面54Aとされる。表面54Aは、平坦面であり、各電極層53上の接合層54の表面54Aは、面一になっている。
The
図7は、サブマウントの模式的な平面図である。
平面視において、第1マウント電極層53A上の接合層54は、発光素子1のn側外部接続部10上の接合層16と同じ大きさであり、第2マウント電極層53B上の接合層54は、発光素子1のp側外部接続部12上の接合層16と同じ大きさである(図1参照)。
FIG. 7 is a schematic plan view of the submount.
In plan view, the
図8Aは、発光装置の構造を図解的に示す断面図である。
図8Aを参照して、発光装置60は、発光素子ユニット64(発光素子1およびサブマウント50)と、支持基板61とを含んでいる。
支持基板61は、絶縁性材料で形成された絶縁基板62と、絶縁基板62の両端から露出するように設けられて、発光素子1と外部とを電気的に接続する金属製の一対のリード63とを有している。絶縁基板62は、たとえば平面視矩形に形成されており、その対向する一対の辺に沿って一対のリード63がそれぞれ帯状に形成されている。各リード63は、絶縁基板62の一対の端縁に沿って、上面から側面を渡って下面に至るように折り返され、横向きU字形断面を有するように形成されている。
FIG. 8A is a cross-sectional view schematically showing the structure of the light-emitting device.
With reference to FIG. 8A, the
The
発光素子ユニット64の組立に際しては、たとえば、サブマウント50を、図8Aに示すように、接合層54の表面54Aが上を向くような姿勢にする。また、図2に示す発光素子1を、接合層16の接合面16Aが下を向くような姿勢(図2とは上下が逆の姿勢)にし、図8Aの姿勢にあるサブマウント50に対して上から対向させる。このとき、発光素子1では、p型窒化物半導体層5がサブマウント50のサブマウント基板51の主面51Aに対して上から対向している。
When assembling the light emitting
発光素子1をサブマウント50に接近させると、図8Aに示すように、発光素子1の接合層16の接合面16Aと、サブマウント50の接合層54の表面54Aとが面接触する。具体的には、n側外部接続部10側の接合層16の接合面16Aが、第1マウント電極層53A側の接合層54の表面54Aに対して面接触し、p側外部接続部12側の接合層16の接合面16Aが、第2マウント電極層53B側の接合層54の表面54Aに対して面接触する。この状態でリフロー(熱処理)を行えば、n側外部接続部10と第1マウント電極層53Aとが接合層16,54を介して接合され、かつp側外部接続部12と第2マウント電極層53Bとが接合層16,54を介して接合される。接合層16と接合層54とが融解・固着して互いに接合すると、発光素子1が、電極層53および接合層54を介してサブマウント50のサブマウント基板51に接合され、サブマウント50にフリップチップ接続される。n側外部接続部10およびp側外部接続部12の両方が金属膜被覆部8A上に配置されているので、サブマウント基板51に対して発光素子1における金属膜被覆部8A側を対向させることによって、サブマウント基板51に発光素子1をフリップチップ接続することができる。フリップチップ接続の結果、発光素子1とサブマウント50とが一体化した発光素子ユニット64が得られる。
When the
前述したように、第2電極12上の接合層16の接合面16Aには、各トレンチ31の跡90があるがとても小さいので、この接合面16Aは、ほとんど平坦である(図4参照)。そのため、この接合面16Aと、第2マウント電極層53B側の接合層54の表面54Aとの面接触に対して、各トレンチ31の跡90が影響を与えることはなく、これらの接合面16Aおよび表面54Aは、ほぼ全域に亘って面接触している。また、発光素子1側のn側外部接続部10とp側外部接続部12とが、約60μmという十分な距離を隔てていて、サブマウント50側の第1マウント電極層53Aと第2マウント電極層53Bとが、同様に十分な距離を隔てている。そのため、多少の取り付け誤差があっても、n側外部接続部10が第2マウント電極層53Bに接続されたり、p側外部接続部12が第1マウント電極層53Aに接続されたりすることがないので、発光素子1をサブマウント50に確実にフリップチップ接続できる。
As described above, the
サブマウント50のサブマウント基板51を絶縁基板62の一表面に対向させることで、発光素子ユニット64は、当該絶縁基板62に接合される。そして、n側外部接続部10に接続された第1マウント電極層53Aと、第1マウント電極層53A側のリード63とが、ボンディングワイヤ65によって接続される。また、p側外部接続部12に接続された第2マウント電極層53Bと、第2マウント電極層53B側のリード63とが、ボンディングワイヤ65によって接続される。これにより、発光素子ユニット64と支持基板61とが一体化されて発光装置60が完成する。
The light emitting
図8Bに図解的な斜視図を示すように、支持基板61は、長尺形状(帯状)に形成されていてもよく、このような長尺な支持基板61の表面に、複数の発光素子ユニット64が実装されてLED(発光ダイオード)バーを構成していてもよい。図8Bには、支持基板61の一表面に複数の発光素子ユニット64が直線状に一列に配列された発光装置60が示されている。このような発光装置60は、たとえば、液晶表示装置のバックライト用光源として用いることができる。なお、支持基板61上の複数の発光素子ユニット64は、直線状に一列に配列されている必要はなく、2列に配列されていてもよいし、千鳥状に配列されていてもよい。また、各発光素子ユニット64上に、蛍光体を含んだ封止樹脂をポッティングしてもよい。
As shown in the schematic perspective view of FIG. 8B, the
図9は、発光素子ユニット64を用いた発光素子パッケージの模式的な斜視図である。
発光素子パッケージ70は、図8Aに示した構造の発光装置60と樹脂パッケージ71と封止樹脂72とを含んでいる。
樹脂パッケージ71は、樹脂が充填されたリング状のケースであり、その内側に発光素子ユニット64を収容して(覆って)側方から包囲して保護した状態で、支持基板61に固定されている。樹脂パッケージ71の内壁面は、発光素子ユニット64の発光素子1から出射された光を反射させて外部へ取り出すための反射面71aを形成している。この実施形態では、反射面71aは、内方に向かうに従って支持基板61に近づくように傾斜した傾斜面からなり、発光素子1からの光を光取り出し方向(基板2の法線方向)に向かって反射するように構成されている。
FIG. 9 is a schematic perspective view of a light emitting device package using the light emitting
The light emitting
The
封止樹脂72は、発光素子1の発光波長に対して透明な透明樹脂(たとえば、シリコーンやエポキシなど)からなり、発光素子1およびボンディングワイヤ65などを封止している。または、この透明樹脂に蛍光体を混合してもよい。発光装置60が青色発光し、蛍光体として黄色発光のものを配置すると、自然発光が得られる。
図9には、支持基板61上に一つの発光素子ユニット64が実装されている構造を示したが、むろん、支持基板61上に複数個の発光素子ユニット64が共通に実装されていて、それらが封止樹脂72によって共通に封止されていてもよい。
The sealing
FIG. 9 shows a structure in which one light emitting
以上のほかにも、この発明はさらに種々の実施形態をとり得る。たとえば、前述の実施形態では、第1コンタクト11が円柱形状を有する例を示したが、第1コンタクト11は多角柱形状を有していてもよい。また、第1コンタクト11は、その軸直角断面形状が軸方向に沿って一様である必要はなく、たとえば、接触部18から離れるに従って断面積が大きくなるように設計されていてもよい。また、前述の実施形態では、窒化物半導体としてGaNを例示したが、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)などの他の窒化物半導体が用いられてもよい。窒化物半導体は、一般には、AlxInyGa1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)と表わすことができる。
In addition to the above, the present invention can take various embodiments. For example, in the above-described embodiment, the example in which the
1 発光素子
3 n型窒化物半導体層
4 発光層
5 p型窒化物半導体層
6 透明導電膜
7 第1金属膜
7A 表面
8 絶縁膜
8A 金属膜被覆部
10 n側外部接続部
12 p側外部接続部
35 n型電極
40 p型電極
42 第2電極膜
42A 表面
43 拡散防止膜
51 サブマウント基板
51A 主面
64 発光素子ユニット
70 発光素子パッケージ
71 樹脂パッケージ
DESCRIPTION OF
Claims (9)
前記n型窒化物半導体層に積層された発光層と、
前記発光層に積層されたp型窒化物半導体層と、
前記n型窒化物半導体層に接続されたn型電極と、
前記p型窒化物半導体層に接続されたp型電極とを含み、
前記p型電極が、Agを含む第1金属膜と、前記第1金属膜の前記p型窒化物半導体層とは反対側の全表面に接し、Alを含み、前記第1金属膜よりも厚い第2金属膜とを有するp型電極を含む、発光素子。 an n-type nitride semiconductor layer;
A light emitting layer stacked on the n-type nitride semiconductor layer;
A p-type nitride semiconductor layer stacked on the light emitting layer;
An n-type electrode connected to the n-type nitride semiconductor layer;
A p-type electrode connected to the p-type nitride semiconductor layer,
The p-type electrode includes a first metal layer containing Ag, the contact with the entire surface opposite to the p-type nitride semiconductor layer of the first metal film, look including the Al, than the first metal film A light emitting device including a p-type electrode having a thick second metal film.
前記n型電極が、前記金属膜被覆部上に配置されたn側外部接続部を含み、
前記p型電極が、前記第2金属膜に電気的に接続され前記金属膜被覆部上に配置されたp側外部接続部を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発光素子。 A metal film covering portion that covers a side of the second metal film opposite to the first metal film, and further includes an insulating film that insulates the n-type electrode and the p-type electrode from each other;
The n-type electrode includes an n-side external connection portion disposed on the metal film covering portion;
The light emitting device according to claim 1, wherein the p-type electrode includes a p-side external connection portion that is electrically connected to the second metal film and disposed on the metal film covering portion. .
前記p型窒化物半導体層を前記サブマウント基板の主面に対向させて当該サブマウント基板に接合された請求項1〜7のいずれか一項に記載の発光素子と
を含む、発光素子ユニット。 A submount substrate having a main surface;
The light emitting element unit containing the light emitting element as described in any one of Claims 1-7 with which the said p-type nitride semiconductor layer was made to oppose the main surface of the said submount board | substrate, and was joined to the said submount board | substrate.
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