〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態について、図1を参照して説明する。図1は第1の実施の形態に係る充電システムの一例を示している。なお、図1中の矢印は、磁界または電流の向きを示している。
図1に示す充電システム2−1は本開示の給電システムおよび給電方法の一例であり、充電台4−1と電子機器6−1とを含んでいる。充電台4−1および電子機器6−1は、非接触充電機能を有し、磁界M1を生成して電子機器6−1の蓄電池8を非接触で充電する。蓄電池8の充電は、電子機器6−1の給電の一例である。磁界M1は、充電磁界または給電磁界の一例であり、時間に応じてその大きさが変動する。また、充電システム2−1は、充電台4−1で磁界M2を生成して、充電により生じた磁性材料30の磁化を消磁する。この磁界M2は、磁化を消磁する消磁磁界の一例であり、磁界M1とは極性が逆の磁界である。磁界M2は、静磁界であってもよく、交流磁界であってもよい。非接触充電はワイヤレス充電の一例であり、充電台4−1と電子機器6−1とを接点の接触を伴わずに、電気的に接続して行われる。電気的な接続には、コイル間に誘導起電力を生じさせて電力を伝送させる接続が含まれる。この非接触充電は、非接触給電の一例である。非接触充電は、たとえば磁界M1を介在させた電磁誘導により行われる。
充電台4−1は、非接触給電の1次側の給電装置または充電装置の一例であって、充電システム2−1の給電部として機能する電子機器である。充電台4−1は、コイル12に励磁電流I1を流し、磁界M1を生成する。充電台4−1は、コイル12に励磁電流I2を流して磁界M2を生成する。充電台4−1は、コイル12と、電流供給部14と、切替部16と、制御部18とを備えている。
コイル12は、磁界M1、M2を生成する手段の一例であり、電流供給部14から電流を受け、磁界M1または磁界M2を生成する。
電流供給部14は、コイル12に励磁電流I1、I2を供給する手段の一例である。電流供給部14は、たとえば、交流電流を生成し、コイル12に供給する。この交流電流は、たとえば一方向に流れる電流であって、その流量が周期的に変動する。
切替部16は、たとえば切替スイッチを含み、コイル12の接続を切替えて、コイル12と電流供給部14との接続を逆向きにする。切替部16は、蓄電池8に充電を行う間、コイル12に励磁電流I1が流れるように電流供給部14をコイル12に接続する。充電後、切替部16は、接続を切替えて、コイル12に励磁電流I2が流れるように電流供給部14をコイル12に接続する。この励磁電流I2は、励磁電流I1の電流の向きとは逆向きの電流である。この励磁電流I2は、たとえば励磁電流I1の最大電流値と同等の最大電流値を有している。
制御部18は、充電台4−1の制御手段の一例である。制御部18は、電流供給部14を駆動または停止させるための駆動信号を電流供給部14に送信する。これにより、電流供給部14からの電流の供給および停止が制御される。制御部18は、接続の切替を表す切替信号を切替部16に送信する。これにより、切替部16の接続が切替えられ、コイル12に流れる電流の向きが逆転される。制御部18が電流供給部14および切替部16を制御することにより、コイル12に磁界M2が生成され、充電により生じた磁性材料30の磁化の消磁が行われる。駆動信号および切替信号は、少なくとも判別可能な2種類の信号を含んでいればよく、たとえば5〔V〕電圧などの高電圧および0〔V〕などの低電圧を用いることができる。制御部18には、たとえば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)などのプロセッサが用いられる。
電子機器6−1は、たとえば携帯電話機、PDA(personal digital assistant)、スマートフォン、タブレット型端末装置などの携帯電子機器であって、磁界M1をコイル22により受けて、充電電流I3を生成する。充電電流I3は、給電電流の一例である。電子機器6−1は、充電電流I3を蓄電池8に充電する。電子機器6−1は、蓄電地8と、コイル22と、切替部26と、制御部28と、磁性材料30と、電子部品32とを含んでいる。
蓄電池8は、電気を蓄え電子機器6−1の電子部品32に電気を供給する手段の一例である。蓄電池8は電気を蓄え供給する機能を有していればよく、たとえばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池などが用いられる。
コイル22は、電流を生成する手段の一例であり、磁界M1を受けて、電磁誘導により充電電流I3を生成する。
切替部26は、たとえば切替スイッチを含み、コイル22の接続を切替える。切替部26は、コイル22を蓄電池8に接続し、またはコイル22を蓄電池8から切断する。
制御部28は、蓄電池8の充電を制御する手段の一例である。制御部28は、コイル22の接続の切替えを表す切替信号を切替部26に送信し、切替部26の切替えを制御する。制御部28には、たとえば、CPU、MPUなどのプロセッサが用いられる。
コイル22、切替部26、制御部28および蓄電地8は、充電装置34−1を形成する。充電装置34−1は、非接触給電の2次側の給電装置または充電装置の一例であって、充電システム2−1の受電部として機能する電子機器である。充電装置34−1は、蓄電地8を充電する。
磁性材料30は、たとえば放射ノイズを抑制するシールド板金や誘導磁場が誘導され易くする磁性体シートなどを含み、電子機器6−1の放射ノイズ対策、または誘導磁場の対策に用いられる。
電子部品32は、電子機器6−1を形成する部品の一例である。この電子部品32には、磁石を含む磁石搭載部品、地磁気センサや磁気センサなどの磁力検出集積回路、および磁性材料を含む磁性体部品などが含まれる。磁石搭載部品、磁力検出集積回路、および磁性体部品は、磁気の影響を受けこれらの部品の性能や機能が変化する。つまり、磁石搭載部品、磁力検出集積回路、および磁性体部品は、磁気に対して敏感に反応する。
次に蓄電池8の充電および磁性材料30の磁化の消磁について図2および図3を参照する。図2は蓄電池に充電を行っている充電中の充電システムを示し、図3は磁化を消磁している消磁中の充電システムを示している。
(充電中の充電システム)
切替部16は、制御部18の切替信号に基づき、励磁電流I1が流れるようにコイル12と電流供給部14とを接続する。電流供給部14は、制御部18の駆動信号に基づき、コイル12に励磁電流I1を供給する。切替部26は、制御部28の切替信号に基づき、コイル22を蓄電池8に接続する。コイル12に励磁電流I1が流れると、電磁誘導によりコイル12とコイル22間に磁界M1が生成される。この磁界M1は、電子機器6−1の内部でも発生し、コイル22には充電電流I3が流れる。充電電流I3は、コイル22に接続されている蓄電池8に供給される。この結果、蓄電池8が充電される。蓄電池8はコイル12に励磁電流I1が流れることで充電される。つまり、励磁電流I1は充電電流の一例である。磁界M1の生成により、電子機器6−1内の磁性材料30は磁化されることになる。
(消磁中の充電システム)
充電が終了すると、切替部16は、制御部18の切替信号に基づき、コイル12に励磁電流I2が流れるようにコイル12と電流供給部14とを接続する。また、切替部26は、制御部28の切替信号に基づき、コイル22を蓄電池8から切断する。コイル12に励磁電流I2が流れると、電磁誘導によりコイル12とコイル22間に磁界M2が生成される。この磁界M2により磁性材料30の磁化を消磁する。なお、励磁電流I2は、磁界M2を生じさせる消磁電流の一例である。
次に電子機器6−1または充電装置34−1の蓄電池8の給電方法について図4を参照する。図4は、給電方法の処理手順の一例を示している。
非充電状態において、充電処理が開始されると、非接触充電の検出を行う(ステップS1)。制御部18では、電子機器6−1の配置の自動検出により、または充電台4−1の手動操作の検出により、非接触充電を検出する。電子機器6−1の配置の自動検出には、たとえば充電台4−1に電子機器6−1が重ねられることによるコイル12のインダクタンスの変化が利用される。充電台4−1の手動操作の検出には、たとえば、充電台4−1に形成される操作スイッチの操作が利用される。
制御部18は電流供給部14を駆動し、切替部16を切替えると、励磁電流I1がコイル12に流れ、磁界M1が生成される。制御部28は、この磁界M1を検知し、非接触充電の検出を行う。
非接触充電が検出され(ステップS1のYes)、磁界M1が生成され、制御部28が切替部26を切替えると、コイル22が蓄電池8に接続され、非接触充電が開始される(ステップS2)。電子機器6−1が充電台4−1から離間し、非接触充電が検出されない場合(ステップS1のNo)、制御部18は、非接触充電の検出を繰り返す。
充電中、制御部18、28は充電が終了したかを判断し(ステップS3)、充電が終了していない場合(ステップS3のNo)、制御部18、28は充電を継続する。充電が終了した場合(ステップS3のYes)、制御部18、28は非接触充電を終了する(ステップS4)。非接触充電が終了すると、制御部18は磁界M1の生成を停止させ、制御部28は切替部26によりコイル22を蓄電池8から切断する。
非接触充電の終了後、制御部18は、切替部16を切替える。この切替えにより、コイル12に励磁電流I2が供給される(ステップS5)。励磁電流I2の供給により磁界M2が生成され、磁性材料30の磁化が消磁される。消磁が終わると制御部18は処理を終了する。
第1の実施の形態によれば、充電台4−1が磁界M2を生成することにより、非接触充電により生じた磁性材料30の磁化を消磁することができる。つまり、電子機器6−1の内部の磁場を非接触充電前の状態に戻すことができる。電子機器6−1の内部に存在する既述の磁石搭載部品、磁力検出集積回路、および磁性体部品の性能または機能の劣化が防止される。この結果、磁気に敏感な電子部品32の動作を安定させることができる。また、磁性体シートなどの磁性材料30の性能が、その磁化により劣化するのも防止される。
充電台4−1のコイル12と電流供給部14との間に切替部16を設けることで、充電台4−1により電子機器6−1の内部の消磁が可能になる。
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態について、図5を参照して説明する。図5は第2の実施の形態に係る充電システムの一例を示している。なお、図5に示す構成は一例であって、斯かる構成に本開示の構成が限定されるものではない。図1ないし図3と同一部分には同一符号を付してある。図5中の矢印は、磁界または電流の向きを示している。
図5に示す充電システム2−2は、本開示の給電システムおよび給電方法の一例であり、充電台4−2と、電子機器6−2とを含んでいる。充電台4−2および電子機器6−2は、既述の非接触充電機能を有し、既述の磁界M1を生成して電子機器6−2の蓄電池8を充電する。蓄電池8の充電は、電子機器6−2の給電の一例である。また、充電システム2−2は、電子機器6−2で既述の磁界M2を生成して、充電により生じた磁性材料30の磁化を消磁する。
充電台4−2は、非接触給電の1次側の給電装置または充電装置の一例であって、充電システム2−2の給電部として機能する電子機器である。充電台4−2は、コイル12に励磁電流I1を流し、磁界M1を生成する。充電台4−2は、コイル12と、電流供給部14と、制御部18とを備えている。
コイル12は、磁界M1を生成する手段の一例であり、電流供給部14から励磁電流I1を受け、磁界M1を生成する。
電流供給部14は、コイル12に励磁電流I1を供給する手段の一例である。電流供給部14は、たとえば、交流電流を生成し、生成した交流電流をコイル12に供給する。この交流電流は、たとえば一方向に流れる電流であって、その流量が周期的に変動する。電流供給部14は、コイル12に接続されている。
制御部18は、充電台4−2を制御する手段の一例である。制御部18は、既述の駆動信号を電流供給部14に送信する。これにより、電流供給部14からコイル12への電流の供給および停止が制御される。制御部18には、たとえば、CPU、MPUなどのプロセッサが用いられる。
電子機器6−2は、既述の充電装置34−1に代えて充電装置34−2を含むことを除き、第1の実施の形態の電子機器6−1と同様である。電子機器6−2は、磁界M1をコイル22により受けて、充電電流I3を生成する。また、電子機器6−2は、コイル22に励磁電流I4を流して磁界M2を生成する。
コイル22、電流供給部24、切替部26、制御部28および蓄電地8は、充電装置34−2を形成する。充電装置34−2は、非接触給電の2次側の給電装置または充電装置の一例であって、充電システム2−2の受電部として機能する電子機器である。充電装置34−2は、蓄電池8を充電する。
コイル22は、電流を生成する手段または磁界を生成する手段の一例であり、磁界M1を受けて、電磁誘導により充電電流I3を生成する。また、コイル22は、電流供給部24から励磁電流I4を受け、磁界M2を生成する。
電流供給部24は、コイル22に励磁電流I4を供給する手段の一例である。電流供給部24は、たとえば交流電流を生成し、コイル22に供給する。この交流電流は、たとえば一方向に流れる電流であって、その流量が周期的に変動する電流である。この励磁電流I4は、充電電流I3の電流の向きとは逆向きの電流である。この励磁電流I4は、たとえば励磁電流I1の最大電流値と同等の最大電流値を有している。
切替部26は、たとえば切替スイッチを含み、コイル22の接続を切替える。切替部26は、蓄電池8に充電を行う間、蓄電地8をコイル22に接続する。充電が終了すると、切替部26は、接続を切替えて、電流供給部24をコイル22に接続する。
制御部28は、充電装置34−2の制御手段の一例である。制御部28は、電流供給部24を駆動または停止させるための駆動信号を電流供給部24に送信する。これにより、電流供給部24からの電流の供給および停止が制御される。制御部28は、接続の切替を表す切替信号を切替部26に送信する。この切替信号に基づき、切替部26はコイル22の接続を切替える。制御部28が電流供給部24および切替部26を制御することにより、コイル22に磁界M2が生成され、充電により生じた磁性材料30の磁化の消磁が行われる。制御部28には、たとえば、CPU、MPUなどのプロセッサが用いられる。
その他の構成は第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
次に蓄電池8の充電および磁化の消磁について図6および図7を参照する。図6は蓄電池に充電を行っている充電中の充電システムを示し、図7は磁化を消磁している消磁中の充電システムを示している。
(充電中の充電システム)
電流供給部14は、制御部18の駆動信号に基づき、コイル12に励磁電流I1を供給する。切替部26は、制御部28の切替信号に基づき、コイル22を蓄電池8に接続する。コイル12に励磁電流I1が流れると、磁界M1が生成され、コイル22には充電電流I3が流れる。充電電流I3は、コイル22に接続されている蓄電池8に供給される。この結果、蓄電池8が充電される。
(消磁中の充電システム)
充電が終了すると、電流供給部14は、制御部18の駆動信号に基づき停止し、励磁電流I1の供給を停止する。切替部26は、制御部28の切替信号に基づき、コイル22を電流供給部24に接続する。電流供給部24は、制御部28の駆動信号に基づき励磁電流I4をコイル22に供給する。コイル22に励磁電流I4が流れると、磁界M2が生成される。この磁界M2により磁性材料30の磁化を消磁する。なお、励磁電流I4は、磁界M2を生じさせる消磁電流の一例である。
次に電子機器6−1または充電装置34−1の蓄電池8の給電方法について図8を参照する。図8は、給電方法の処理手順の一例を示している。
非充電状態において、充電処理が開始されると、非接触充電の検出を行う(ステップS11)。制御部18では、既述の自動検出または手動操作の検出により、非接触充電を検出する。制御部18は電流供給部14を駆動すると、励磁電流I1がコイル12に流れ、磁界M1が生成される。制御部28は、この磁界M1を検知し、非接触充電の検出を行う。
非接触充電が検出され(ステップS11のYes)、磁界M1が生成され、制御部28が切替部26を切替えると、コイル22が蓄電池8に接続され、非接触充電が開始される(ステップS12)。電子機器6−2が充電台4−2から離間し、非接触充電が検出されない場合(ステップS11のNo)、制御部18は、配置の検出を繰り返す。
充電中、制御部18、28は充電が終了したかを判断し(ステップS13)、充電が終了していない場合(ステップS13のNo)、制御部18、28は充電を継続する。充電が終了した場合(ステップS13のYes)、制御部18、28は非接触充電を終了する(ステップS14)。非接触充電が終了すると、制御部18は磁界M1の生成を停止させ、制御部28は切替部26によりコイル22を蓄電地8から切断し、電流供給部24に接続する。
非接触充電の終了後、制御部28は、電流供給部24を駆動し、励磁電流I4をコイル22に供給する(ステップS15)。励磁電流I4の供給により磁界M2が生成され、磁性材料30の磁化が消磁される。消磁が終わると処理を終了させる。
第2の実施の形態によれば、電子機器6−2の充電装置34−2が磁界M2を生成することにより、非接触充電により生じた磁性材料30の磁化を消磁することができる。つまり、電子機器6−2の内部の磁場を非接触充電前の状態に戻すことができる。電子機器6−2の内部に存在する既述の磁石搭載部品、磁力検出集積回路、および磁性体部品の性能または機能の劣化が防止される。この結果、磁気に敏感な電子部品32の動作を安定させることができる。また、磁性体シートなどの磁性材料30の性能が、その磁化により劣化するのも防止される。
電子機器6−2の充電装置34−2が磁界M2を生成することができる。つまり、電子機器6−2自身が消磁を行うことができる。このため、たとえば、充電途中で電子機器6−2が充電台4−2から離され、非接触充電が途中で終了した場合、たとえば非接触充電が中断した場合、電子機器6−2は充電の途中終了後に磁性材料30の磁化を消磁することが可能である。
電子機器6−2内に生じた、磁性材料30の磁化を電子機器6−2自身で消磁することが可能である。
〔第3の実施の形態〕
本発明の第3の実施の形態について、図9、図10、図11および図12を参照して説明する。図9は第3の実施の形態に係る充電システムの一例である。図10は、制御部の機能の一例を示す図である。図11は、充電システムの回路構成の一例を示す図である。図12は、電力供給回路の回路構成の一例を示す図である。なお、図9、図10、図11および図12に示す構成は一例であって、斯かる構成に本開示の構成が限定されるものではない。図1ないし図3および図5ないし図7と同一部分には同一符号を付してある。図9中の矢印は、磁界の向きを示している。図11中の矢印は、電流の向きを示している。図11では、携帯端末装置の104−1の一部の構成を省略して示している。
図9に示す充電システム102−1は、本開示の給電システムおよび給電方法の一例であり、携帯端末装置104−1および充電台106−1を含んでいる。
携帯端末装置104−1は、電子機器6−1の一例である。この携帯端末装置104−1はスピーカ112と、レシーバ114と、磁性体アクチュエータ116と、地磁気センサ118と、バイブレータ120と、磁気センサ122と、キースイッチ124と、表示装置126とを含んでいる。携帯端末装置104−1は制御部128と、メモリ部130と、電池パック132−1とを含んでいる。携帯端末装置104−1はシールド板金134を含み、シールド板金134により放射ノイズを抑制する。携帯端末装置104−1はシート状の磁性体シート136を含み、磁性体シート136により誘導磁場を誘導し易くする。シールド板金134および磁性体シート136は、磁性材料30の一例である。
スピーカ112は音声出力装置の一例であり、制御部128から音声信号を受信し、音声を外部に出力する。
レシーバ114は音声入力装置の一例であり、外部音声を音声信号に変換し、この音声信号を制御部128に出力する。
磁性体アクチュエータ116は、エネルギ変換装置の一例であり、外部から入力されたエネルギを物理的な運動に変換する。この磁性体アクチュエータ116は、たとえばカメラモジュールのオートフォーカス機能に用いられる。
地磁気センサ118は、磁場検出装置の一例であり、携帯端末装置104−1の磁気検出部として機能する。地磁気センサ118は磁場の検出に用いられる。この地磁気センサ118は、たとえば電子コンパスに用いられる。
バイブレータ120は、振動装置の一例であり、たとえばモータを回転させることで振動を生成する。つまりバイブレータ120には、電磁誘導の動力が利用される。このバイブレータ120は、たとえば、携帯端末装置104−1の所有者の呼出しに用いられる。
磁気センサ122は、磁力を検出する磁力検出装置の一例である。この磁気センサ122は、たとえばAMR(Anisotropic Magneto Resistance)などの磁気抵抗効果素子を含むAMRセンサである。この磁気センサ122は、たとえば磁気を利用した非接触スイッチとして用いられる。
キースイッチ124は、入力装置の一例である。キースイッチ124は、たとえば、キーボードを形成する。キースイッチ124は、操作に応じて操作信号を生成し、この操作信号を制御部128に出力する。キースイッチ124は、磁性材料としてたとえばドーム型板金などの導通性を有する金属を含んでいる。
表示装置126は、情報を表示する手段の一例であり、例えば、ディスプレイ装置やLED(light emitting diode)などの発光素子を含んでいる。
スピーカ112、レシーバ114、磁性体アクチュエータ116、地磁気センサ118、バイブレータ120、磁気センサ122、キースイッチ124および表示装置126は磁性材料30を含む電子部品32の一例である。また、スピーカ112、レシーバ114、磁性体アクチュエータ116、地磁気センサ118、バイブレータ120、磁気センサ122は、既述の磁気に敏感な電子部品32の一例である。
メモリ部130は、記憶装置の一例であって、例えば、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含む。ROMは、不揮発性のメモリであって、たとえばフラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )などである。ROMは、OS(Operating System)およびアプリ(アプリケーションソフトウェア:application software)などのプログラムを記憶するほか、各種のデータや設定値の記憶に用いられる。RAMは、高速なアクセスが可能なメモリであって、例えばデータや設定値の一時的記憶に用いられる。
制御部128は、携帯端末装置104−1を制御する手段の一例である。この制御部128は、たとえばCPUを含み、メモリ部130に記憶されているOSおよびアプリを実行する。制御部128は、携帯端末装置104−1に搭載された電子部品32を機能させるため、音声信号処理部142と、無線通信部144と、表示部146と、時計部148と、電源部150と、アプリ処理部152と、記憶部154と、充電部156とを含んでいる。
音声信号処理部142は、スピーカ112から出力する音声信号を処理するとともに、レシーバ114に入力された音声信号をレシーバ114から受け、この受けた音声信号を処理する。
無線通信部144は、携帯端末装置104−1で行われる無線通信を制御する。この無線通信は、セルラ通信、WLAN(Wireless Local Area Network)通信、Wi−Fi通信、Bluetooth(登録商標)通信などである。
表示部146は、文字表示、映像表示、光の点灯または、光の点滅などの表示を制御し、表示装置126にこれらの表示を表示させる。
時計部148は、時間を計測する。この時間の計測には、たとえば制御部128の動作クロックが用いられる。
電源部150は、電池パック132−1からの受電を制御する。電源部150は、電池パック132−1の電力状態を監視する。この電力状態は、たとえば電池パック132−1の電力残量の情報を含む。電源部150は、電力状態に応じて携帯端末装置104−1の消費電力量を制御する。
アプリ処理部152は、メモリ部130に記憶されているアプリケーションソフトウェアを実行する。
記憶部154は、メモリ部130への情報の書き込みおよびメモリ部130からの情報の読み込みを制御する。
充電部156は、電池パック132−1の充電の際に、電池パック132−1のMPU188(図11)と通信し、充電に用いる情報をMPU188に提供する。この情報は、たとえば地磁気センサ118の磁化情報を含んでいる。この磁化情報は、地磁気センサ118により計測された磁気の計測データに基づいて生成され、磁性材料の磁化の状態を表している。充電部156は、MPU188から電池パック132−1の充電異常に関する情報を受け、その異常の表示および警報の報知に用いられる。
携帯端末装置104−1の電池パック132−1が既述の非接触充電により充電されると、磁性材料30を含む電子部品32および磁性材料30は、既述の磁界M1により磁化される。そして磁気に敏感な電子部品32は、この磁化の影響を受ける。そこで、充電台106−1が既述の磁界M2を生じさせ、磁性材料30の磁化を消磁する。この磁化の消磁により、電子部品の動作が安定することになる。
図11に示す充電台106−1は、充電台4−1の一例である。充電台106−1は、既述の磁界M1、M2を生成する。充電台106−1は、コイル12と、電力供給回路174と、切替スイッチ176と、充電制御部178と、コンデンサ180とを含んでいる。コイル12、電力供給回路174、切替スイッチ176およびコンデンサ180は、非接触充電の1次側回路を形成している。充電台106−1は、操作部182と、表示部184と、記憶部185とを含んでいる。
コイル12は、磁界M1、M2を生成する手段の一例であり、電力供給回路174から電流を受け、磁界M1または磁界M2を生成する。
電力供給回路174は、電流供給部14の一例であり、交流電流を生成してコイル12に供給する。電力供給回路174は、たとえば図12に示すように、電源242と、整流回路244と、インバータ回路246とを含んでいる。電源242には、たとえば3相の交流電源が用いられる。電源242は、整流回路244に接続している。
整流回路244は6つのダイオード248−1、248−2、・・・248−6を含んでいる。2つのダイオード248−1、248−2、2つのダイオード248−3、248−4、2つのダイオード248−5、248−6は、それぞれ直列に接続され、一組のダイオード列を形成している。3組のダイオード列は並列に接続され、並列回路が形成されている。各ダイオード列のダイオード間には、電源242の各相が接続されている。斯かる構成により、整流回路244は、交流電流を直流電流に変換する。並列回路の両端は、インバータ回路246に接続している。
インバータ回路246は、4つのスイッチ250−1、250−2、250−3、250−4を含んでいる。各スイッチ250−1、250−2、250−3、250−4は、たとえば帰還ダイオードとトランジスタとが並列に接続される回路構成を含んでいる。2つのスイッチ250−1、250−2および2つのスイッチ250−3、250−4はそれぞれ直列に接続され、一組のスイッチ列を形成している。2組のスイッチ列は並列に接続され、並列回路が形成されている。この並列回路の両端が、整流回路244の両端に接続している。
整流回路244とインバータ回路246とを接続する電極線は、コンデンサ252を介して接続している。コンデンサ252を設置することで、インバータ回路246からインバータ回路246へ出力される電流を急激に変化させることができる。各スイッチ列のスイッチ間から電力線254−1、254−2が引き出されている。斯かる構成により、コイル12で電磁誘導を生じさせる交流電流が生成される。
切替スイッチ176は、切替部16の一例であり、充電制御部178から切替信号を受け、コイル12の接続を切替えて、コイル12に流れる電流の向きを逆転させる。切替スイッチ176の一方には、コイル12が接続され、他方には接続端1a、1b、2a、2bが形成されている。電力供給回路174の電力線254−1は接続端1a、2bに接続され、電力線254−2は接続端1b、2aに接続される。切替スイッチ176は、第1の接続として接続端1a、2aをコイル12に接続し、または第2の接続として接続端1b、2bをコイル12に接続する。
コンデンサ180は、コイル12に対して直列に接続される。このコンデンサ180は電磁誘導を介在させた充電において、直列共振コンデンサとして機能する。このコンデンサ180は、コイル22に対して並列に接続されるコンデンサ198とともに、共振回路を形成している。
操作部182は、充電制御部178に接続し、充電台106−1の操作に用いられる。操作部182はたとえば操作スイッチを含んでいる。操作部182が操作されると、操作部182は操作に応じた操作信号を充電制御部178に出力する。
表示部184は、情報を表示する手段の一例であり、例えば、ディスプレイ装置やLEDなどの発光素子を含んでいる。表示部184は充電制御部178から表示に関する表示情報を受け、その情報を表示する。
記憶部185は、既述のROMおよびRAMを含み、各種のデータや設定値の記憶に用いられる。また、記憶部185が充電制御部178の制御プログラムを格納し、充電制御部178がこの制御プログラムを実行して、充電台106−1を制御するようにしてもよい。
充電制御部178は、制御部18の一例である。充電制御部178は、既述の駆動信号を電力供給回路174に送信する。この駆動信号により電力供給回路174が駆動し、または停止する。充電制御部178は既述の切替信号を切替スイッチ176に送信する。充電制御部178は、電力供給回路174および切替スイッチ176の制御のほか、表示部18および記憶部185を制御する。充電制御部178は他の機能を含んでもよく、たとえば、時計機能を含み、時間の計測を行ってもよい。
電池パック132−1は、充電装置34−1の一例であり、たとえば充電レシーバモジュールを形成する。電池パック132−1は、コイル22と、スイッチ186と、MPU188と、電池セル190と、保護回路192と、電流検出部194と、温度検出部196と、コンデンサ198とを含んでいる。
コイル22は電流を生成する手段の一例であり、磁界M1を受けて、電磁誘導により充電電流I3を生成する。
コンデンサ198は電磁誘導を介在させた充電において、並列共振コンデンサとして機能する。
スイッチ186は、切替部26の一例であり、たとえばFET(field effect transistor)等のトランジスタを含んでいる。このスイッチ186は、たとえば電池セル190のプラス極側に設置される。
MPU188は、制御部28の一例であり、電池パック132−1の制御部を形成し、電池セル190の充電を制御する。MPU188は、既述の切替信号をスイッチ186に送信し、スイッチ186の切替えを制御する。MPU188は、温度検出部196および電流検出部194の検出情報ならびに制御部128から受信する既述の磁化情報を電池セル190の充電の制御に用いる。
電池セル190は蓄電池8の一例であり、携帯端末装置104−1の電源を形成している。
保護回路192は、過電流を防止する手段の一例であり、電池セル190と電流検出部194の間に設置される。保護回路192は、たとえば電池セル190のマイナス極側に設置される。保護回路192は、過電流が発生すると電流の流量を抑制する機能を有し、たとえばPTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスタを含んでいる。PTCサーミスタは、過電流により温度が上昇すると、急激に抵抗値が増加する特性を有している。この抵抗値の増加により、電流の流量が抑制される。また、抵抗値の変化は可逆性を有するので、過電流が解消すると、PTCサーミスタの温度が低下し、電流の流量抑制が解除される。
電流検出部194は電流を検出する手段の一例であり、保護回路192とコイル22の間に設置される。電流検出部194はたとえば電流検出抵抗を含んでいる。
温度検出部196は、温度を検出する手段の一例であり、電池セル190の近傍に設置され電池セル190の温度を検出する。温度検出部196は、たとえばサーミスタを含んでいる。
コイル22、スイッチ186、電池セル190、保護回路192および電流検出部194は、接続線202、204、206、208、210、212、214により環状に接続され、充電電流の流路を形成している。コンデンサ198はコイル22に並列に接続されている。スイッチ186、保護回路192、電流検出部194およびコンデンサ198はコイル22および電池セル190間に配置され、MPU188とともに非接触充電の受電回路216を形成している。この受電回路216が充電電流I3を受け、充電電流I3を電池セル190に供給する。
MPU188のMCU(micro controller unit)制御線C4は、コイル22とスイッチ186との間の接続線202に接続されている。MCU制御線C4は、磁界M1によるコイル22の電圧変化を検知する。
MPU188のMCU制御線C3はスイッチ186に接続している。このMCU制御線C3は、スイッチ186の制御に用いられる。
MPU188の第1の検出線(Sense 1)は、電流検出部194の一方の端部およびマイナス電極224に接続し、第2の検出線(Sense 2)は、電流検出部194の他方の端部に接続している。このため、第1の検出線(Sense 1)および第2の検出線(Sense 2)間には、電流検出部194の端子間の電圧Cvが発生する。電圧Cvは、電流検出部194を流れる電流値Bcに換算可能である。つまり、電圧Cvは、電流検出部194にかかる電圧情報の他、電流検出部194を流れる電流値Bcの情報を含んでいる。MPU188はこれらの情報を含む電圧Cvを電流検出部194から第1の検出線(Sense 1)および第2の検出線(Sense 2)により受けている。MPU188は、電圧Cvに基づいて電流値Bcを取得する。電池セル190と電流検出部194とは直列に接続されているので、MPU188は端子間の電圧Cvから電池セル190を流れる電流値Bcを得ることができる。つまり、電圧Cvは充電状態情報であって、電池セル190の充電状態を表している。この電流値Bcは電池セル190の充電の制御および充電の異常処理に用いられる。
電池セル190の充電の制御には、たとえば、定電流充電制御と定電圧充電制御とが含まれている。定電流充電制御では、電池セル190への充電が一定の電流値で行われる。定電圧充電制御では、電池セル190への充電が、一定の電圧を印加することで行われる。電池セル190の充電は、定電流充電制御により開始され、その後定電圧充電制御に切替えられる。充電の制御を切替えることで充電時間の短縮が図られる。この充電の制御の切替えは、MPU188により電流検出部194の端子間の電圧Cvに基づいて行われる。
MPU188の温度検出線(Temp)および第1の検出線(Sense 1)は、温度検出部196の異なる端部に接続される。温度検出線(Temp)および第1の検出線(Sense 1)間には、温度検出部196の電圧Vtが入力される。この電圧Vtは、電池セル190の温度Btを表す温度情報を含んでいる。温度検出部196の電圧Vtは、電池セル190の温度異常の判断に用いられる。
電池パック132−1は、プラス電極222と、マイナス電極224と、温度用端子226と、MPU制御線228とを含んでいる。プラス電極222およびマイナス電極224は、携帯端末装置104−1に電力を供給するための電力端子を形成している。温度用端子226およびMPU制御線228は、制御部128とMPU188との間を接続し、制御部128とMPU188との間の通信のための通信端子を形成している。
プラス電極222は、電池セル190のプラス極に接続し、マイナス電極224は、保護回路192を介して電池セル190のマイナス極に接続している。つまり、保護回路192は、携帯端末装置104−1への電力供給にも使用されている。また、マイナス電極224はたとえば接地される。
温度用端子226は温度検出部196および温度検出線(Temp)に接続して、電池セル190の温度情報を制御部128に供給している。この温度情報は、制御部128において、電池パック132−1の温度異常の判断に用いられる。
MPU制御線228はMPU188のMCU制御線C1に接続し、制御部128とMPU188との間の通信に用いられる。この通信には、MPU188から制御部128への充電状態の通知、制御部128からMPU188への時間情報の通知、および制御部128からMPU188への地磁気センサ118の磁化情報の通知などが含まれる。
図11に示す充電システム102−1では、充電台106−1が、交流の励磁電流I1、I2をコイル12に供給する。このため、コイル12、22間に生成される磁界M1、M2は、いずれも交流の磁界を含む磁界となる。つまり、充電および消磁には、交流磁界が用いられる。
(充電時の電流と磁場の関係)
次に、充電時の電流と磁場の関係について図13、図14および図15を参照する。図13は、充電時の電流の流れの一例を示している。図14は、充電時にコイル12に流れる電流の一例および充電時のコイル12側の磁場の一例を示している。図15は、充電時にコイル22に流れる電流の一例および充電時のコイル22側の磁場の一例を示している。なお、図13では、充電台106−1と電池パック132−1との電磁結合部分のみを示している。図14のAおよび図15のAに示す電流は、横軸を時間tとし、縦軸を電流値で示している。図14のAに示す電流は、励磁電流I1の流れる方向を正の値で表している。図15のAに示す電流は、充電電流I3の流れる方向を正の値で表している。図14のBおよび図15のBに示す磁場は、横軸を時間tとし、縦軸を磁場の極性で示している。図13中の矢印は、電流の向きを示している。
図13に示す充電台106−1には、充電時、充電台106−1側の矢印が示す向きに励磁電流I1が流れている。この場合、電池パック132−1には、電池パック132−1側の矢印が示す向きに充電電流I3が流れる。励磁電流I1は、図14のAに示すように、時間に対して電流値が変動している。電流を流す間、電流値は正の値を示している。つまり、励磁電流I1は、電流値を変動させながら一方向に流れている。励磁電流I1の変動によりコイル12側には図14のBに示すように、マイナス極性の磁場が発生する。
充電電流I3は、図15のAに示すように、時間に対して電流値が変動している。電流を流す間、電流値は正の値を示している。つまり、充電電流I3は、電流値を変動させながら一方向に流れている。このため、電池セル190を充電する際、電流の向きの反転によるロスが発生しない。コイル12側の磁場の作用および充電電流I3がコイル22を流れることにより、コイル22側には図15のBに示すように、プラス極性の磁場が発生する。コイル12側の磁場およびコイル22側の磁場により既述の磁界M1が形成される。
(消磁時の電流と磁場の関係)
次に、消磁時の電流と磁場の関係について図16、図17および図18を参照する。図16は、消磁時の電流の流れの一例を示している。図17は、消磁時にコイル12に流れる電流の一例および消磁時のコイル12側の磁場の一例を示している。図18は、消磁時にコイル22に流れる電流の一例および消磁時のコイル22側の磁場の一例を示している。なお、図16では、充電台106−1と電池パック132−1との電磁結合部分のみを示している。また、図17のAおよび図18のAに示す電流は、横軸を時間tとし、縦軸を電流値で示している。図17のAに示す電流は、励磁電流I2の流れる方向を正の値で表している。図18のAに示す電流は、電流I5の流れる方向を正の値で表している。図17のBおよび図18のBに示す磁場は、横軸を時間tとし、縦軸を磁場の極性で示している。図16中の矢印は、電流の向きを示している。
図16に示す充電台106−1には、消磁時、図16に示すように、励磁電流I1(図13)とは逆向きの励磁電流I2が流れている。電池パック132−1には、充電電流I3(図13)とは逆向きの電流I5が流れる。励磁電流I2は、図17のAに示すように、電流値は正の値を示し、電流値を変動させながら一方向に流れている。励磁電流I2の変動によりコイル12側には図17のBに示すように、プラス極性の磁場が発生する。
電流I5は、図18のAに示すように、電流値は正の値を示し、電流値を変動させながら一方向に流れている。コイル12側の磁場の作用および電流I5がコイル22を流れることにより、コイル22側には図18のBに示すように、マイナス極性の磁場が発生する。コイル12側の磁場およびコイル22側の磁場により既述の磁界M2が形成される。
電流の向きを逆向きにすることにより、充電台106−1は充電時と消磁時で磁場の極性を逆転できる。
次に、給電方法について図19を参照する。図19は、給電方法の処理手順の一例を示している。
この給電方法は、電池セル190を充電するための充電工程262と、充電により生じた磁性材料30の磁化を消磁する消磁工程264−1とを含んでいる。
(充電工程262)
充電工程262は、充電台106−1の検出処理(ステップS101)からスイッチ186のオフ状態への切替え処理(ステップS109)までの処理を含んでいる。非充電状態において、充電制御部178では、携帯端末装置104−1の配置の自動検出により、または充電台106−1の手動操作の検出により、非接触充電を検出する。自動検出および手動操作の検出には、たとえば、第1の実施の形態で既述した方法が用いられる。充電制御部178が電力供給回路174を駆動し、切替スイッチ176を切替えると、励磁電流I1がコイル12に流れ、磁界M1が生成される。MPU188がMCU制御線C4によりコイル22の電圧変化を検知し、磁界M1が検知される。MPU188は充電台106−1を検出しているかを判断する(ステップS101)。
充電台106−1を検出していない場合(ステップS101のNo)、充電台106−1の検出が繰り返される。充電台106−1を検出した場合(ステップS101のYes)、携帯端末装置104−1の制御部128へ充電状態の通知が行われる(ステップS102)。MPU188はMCU制御線C1により制御部128へ充電の状態を通知する。この状態の通知により、充電の開始が制御部128へ通知される。制御部128は、充電の状態の通知を受けて、充電状態の表示処理を行なう。この充電状態の表示処理には、たとえばLEDなどの表示装置126の点灯処理などが含まれる。
MPU188がMCU制御線C3によりスイッチ186をオンに切替え、コイル22と電池セル190とを接続し(ステップS103)、非接触充電を開始する(ステップS104)。充電時、MPU188は、充電異常の検出処理(ステップS105)および、充電終了条件が充足されたかを判定する(ステップS106)。充電終了条件を充足しているか否かは、たとえばスイッチ186を流れる充電電流I3の流量が、充電を終了させる電流値、つまり終止電流値であるか否かにより判定すれば良い。充電電流I3の流量が、充電を終了させる電流値であるか否かは、たとえば、スイッチ186の制御に用いられるMCU制御線C3の電圧の変化により判断すれば良い。充電終了条件を充足しているか否かは、充電時間Tcが予め設定した充電停止時間を経過したかにより判定してもよい。充電時間Tcは、充電開始からの時間情報であって、たとえばMPU制御線228を介して制御部128から送信される時間の情報を用いて計測される。充電時間Tcは、MPU188が時間をカウントして計測してもよい。充電終了条件を充足していない場合(ステップS106のNo)、非接触充電(ステップS104)が継続し、設定された間隔で充電異常の検出処理(ステップS105)を繰り返し、異常状態か否かを監視する。
充電終了条件を充足すると(ステップS106のYes)、MPU188は、MCU制御線C1により携帯端末装置104−1の制御部128へ充電の状態を通知する(ステップS107)。この状態の通知により、充電の終了が制御部128へ通知される。制御部128は、充電状態表示処理を停止し、表示装置126が消灯される。MPU188は非接触充電を終了し(ステップS108)、MCU制御線C3によりスイッチ186をオフに切替えコイル22と電池セル190とを切断する(ステップS109)。
(消磁工程264−1)
消磁工程264−1は、非接触充電が終了した後、充電工程262に続いて行われる。消磁工程264−1は、切替スイッチ176の切替え処理(ステップS110)から切替スイッチ176の切替え処理(ステップS116)までの処理を含んでいる。
充電制御部178は、切替スイッチ176の設定を接続端1a、2aによる第1の接続から、接続端1b、2bによる第2の接続に切替え(ステップS110)、電力供給回路174を駆動する。電力供給回路174により消磁用電力の供給が開始される(ステップS111)。コイル12では、励磁電流I2がコイル12に流れ、磁界M2が発生し、消磁動作が開始される。充電により生じた磁性材料30の磁化の消磁が開始される。消磁の開始後、充電制御部178は、消磁時間Tdを計測する。この消磁時間Tdは、消磁を開始してからの経過時間を表している。この消磁時間Tdは、たとえば制御部128から送信される時間の情報を用いて計測される。消磁時間Tdの計測は、たとえば充電制御部178が時間をカウントして計測する。また、充電制御部178は、時間の情報をMPU制御線228およびコイル12、22による電磁結合を介して制御部128またはMPU188から受信してもよい。
充電制御部178は、消磁時間Tdが設定時間Toutをタイムアウトしたかを判定する(ステップS112)。この判定は、たとえば、消磁時間Tdが設定時間Toutであるかにより判定される。消磁時間Tdが設定時間Tout未満である場合(ステップS112のNo)、消磁動作が継続する。消磁時間Tdが設定時間Tout以上になると(ステップS112のYes)、充電制御部178は、消磁用電力の供給を停止し(ステップS113)、消磁動作を終了する。なお、設定時間Toutは、記憶部185に予め設定された時間であってもよい。また、設定時間Toutは、充電開始から終了までの充電時間に基づき充電制御部178が設定した時間であってもよい。設定時間Toutが充電時間に基づき設定されると、充電時間に応じて消磁時間が設定できる。つまり、充電時間に対応して変動する磁化の量に応じて消磁時間が設定できる。
消磁動作の終了後、充電制御部178は携帯端末装置104−1内の磁場を計測する(ステップS114)。たとえば携帯端末装置104−1の磁場変化を地磁気センサ118により計測する。地磁気センサ118の計測データに基づき、既述の磁化情報として、たとえば充電前のセンサ値と充電後のセンサ値との差分情報を得る。この磁化情報は、地磁気センサ118から制御部128に送信され、MPU制御線228を介してMPU188に送信される。また、この磁化情報は、たとえばコイル12、22による電磁結合を介してMPU188から充電制御部178に送信される。
充電制御部178は、地磁気センサ118の計測値が計測範囲内であるかを判定する(ステップS115)。この判定は、たとえば磁化情報に含まれる差分情報の値が、地磁気センサ118の計測が可能な範囲内となる程度に小さいか否かで判断される。地磁気センサ118の計測値が計測範囲内にない場合(ステップS115のNo)、充電制御部178は、消磁用電力の供給開始に戻り(ステップS111)、消磁動作が繰り返される。消磁動作を繰り返すことで、充電により生じた磁化をより多く消磁させることができる。地磁気センサ118の計測値が計測範囲内である場合(ステップS115のYes)、充電制御部178は、切替スイッチ176の設定を接続端1a、2aによる第1の接続に切替え(ステップS116)、非接触充電処理を終了する。
次に、充電異常検出処理(ステップS105)について、図20を参照する。図20は、充電異常検出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。この充電異常検出処理の処理手順は、充電異常検出処理のサブルーチンの処理である。
図20に示す充電異常検出処理では、電池セル190の高温異常および低温異常、充電電流I3の過電流および過電圧、ならびに充電時間Tcの異常が判断される。MPU188は電池セル190の温度Btが高温異常であるかを判断する(ステップS121)。高温異常の判断には、温度情報としてMPU188に入力される電池セル190の温度Btが用いられる。この温度Btが電池セル190の高温度設定値Bhより高く、MPU188が高温異常であると判断すると(ステップS121のYes)、MPU188は、異常通知処理(ステップS126)に移行する。この温度Btが高温度設定値Bhより低く、MPU188が高温異常ではないと判断すると(ステップS121のNo)、MPU188は、電池セル190の温度Btが低温異常であるかを判断する(ステップS122)。
電池セル190の温度Btが電池セル190の低温度設定値Blより低く、MPU188が低温異常であると判断すると(ステップS122のYes)、MPU188は、異常通知処理(ステップS126)に移行する。この温度Btが低温度設定値Blより高く、MPU188が低温異常ではないと判断すると(ステップS122のNo)、MPU188は、充電電流I3が過電流であるかを判断する(ステップS123)。
過電流の判断には、電池セル190の電流値Bcが用いられる。電流値Bcが電池セル190の過電流設定値Coより高く、MPU188が過電流であると判断すると(ステップS123のYes)、MPU188は、異常通知処理(ステップS126)に移行する。電流値Bcが過電流設定値Coより低く、MPU188が過電流ではないと判断すると(ステップS123のNo)、MPU188は、充電電圧が過電圧であるかを判断する(ステップS124)。
過電圧の判断には、電池セル190の電圧値Bvが用いられる。この電圧値Bvが電池セル190の過電圧設定値Voより高く、MPU188が過電圧であると判断すると(ステップS124のYes)、MPU188は、異常通知処理(ステップS126)に移行する。電圧値Bvが過電圧設定値Voより低く、MPU188が過電圧ではないと判断すると(ステップS124のNo)、MPU188は、充電時間範囲かを判断する(ステップS125)。なお、この電圧値Bvは、携帯端末装置104−1がプラス電極222とマイナス電極224との間の電位差を検出することで得られる。MPU188はこの電圧値BvをMPU制御線228を介して携帯端末装置104−1側から受信する。また、MPU188をプラス電極222に接続し、第1の検出線(Sense 1)との電位差から、電圧値Bvを得てもよい。
充電時間範囲か否かの判断には、たとえば既述の充電時間Tcが用いられる。この充電時間Tcが設定充電時間To以上である場合、MPU188は充電時間Tcが充電時間範囲外であり、充電時間異常であると判断する(ステップS125のYes)。充電時間Tcが充電時間範囲外である場合、MPU188は、異常通知処理(ステップS126)に移行する。充電時間Tcが、設定充電時間To未満であり、MPU188が充電時間異常ではないと判断すると(ステップS125のNo)、充電終了条件の判定処理(ステップS106)に戻る。なお、この充電時間の判断は、充電終了条件の判定(ステップS106)をたとえば充電電流値により判定する場合に設定すれば良い。充電終了条件の判定(ステップS106)を充電停止時間により判定する場合には、設定充電時間Toよりも小さい充電停止時間を設定することで、充電の時間が異常になる前に非接触充電が終了する。充電停止時間により判定する場合には、充電時間の異常判断が省略可能である。
異常通知処理(ステップS126)では、MPU188は、充電異常を制御部128に通知し、制御部128に異常表示処理を指示し(ステップS127)、非接触充電を異常により終了させる。また、携帯端末装置104−1では、制御部128が表示装置126に充電異常を表す文字の表示、光の点灯または点滅を行わせ、充電の異常が表示される。
この充電異常検出処理は、所定の時間間隔毎に繰り返される。この時間間隔は、異常検出間隔として、たとえばMPU188に予め設定されていればよい。この充電異常検出処理は、高温度設定値Bh、低温度設定値Bl、過電流設定値Co、過電圧設定値Voおよび設定充電時間Toごとに繰り返される。高温度設定値Bh、低温度設定値Bl、過電流設定値Co、過電圧設定値Voおよび設定充電時間Toは、たとえばMPU188に予め設定されていればよい。また、この異常を判断するための設定値を携帯端末装置104−1のメモリ部130に格納し、充電異常検出処理の際に読み出すようにしてもよい。
次に、非接触充電の動作タイミングについて図21を参照する。図21は、非接触充電の動作タイミングの一例を示している。図21に示す動作タイミングでは、時刻t1は充電台106−1の検出時刻を表し、時刻t2は非接触充電の開始時刻を表している。時刻t3は充電モードの切替え時刻を表し、時刻t4は非接触充電の停止時刻を表している。時刻t5、t9は消磁動作の開始時刻を表し、時刻t6、t10は消磁動作の停止時刻を表している。また時刻t7は残留磁場の計測開始時刻を表し、t8は残留磁場の計測停止時刻を表している。
図21のAは、0〔V〕などの基準電圧に対するプラス電極222の電圧の変化を示している。非接触充電が開始される時刻t2から、充電モードが切替えられる時刻t3まで電池セル190が定電流充電制御で充電される。この定電流充電制御では、プラス電極222の電圧が急速に上昇する。時刻t3から非接触充電が停止する時刻t4まで、電池セル190が定電圧充電制御で充電される。この定電圧充電制御では、プラス電極222の電圧が一定の電圧に維持される。時刻t4後、プラス電極222の電圧は、電池セル190がフルに充電されている場合の規定電圧となる。なお、定電圧充電制御による充電は、規定電圧よりもわずかに高い電圧で行われる。
図21のBは、MCU制御線C4の電圧の変化を示している。MCU制御線C4の電圧は、時刻t1に低電圧(L)から高電圧(H)に上昇する。この電圧の変化により、充電台106−1が検出される。MCU制御線C4の電圧は、時刻t4に非接触充電が停止すると、高電圧から低電圧に低下する。
図21のCは、MCU制御線C1の電圧の変化を示している。MCU制御線C1の電圧は、時刻t2から時刻t4までの間高電圧となり、非接触充電中であることが表されている。
図21のDは、MCU制御線C3の電圧の変化を示している。MCU制御線C3の電圧は、時刻t2に低電圧から高電圧に上昇する。この電圧の変化により、スイッチ186が全オン状態、つまり全開状態になり、電池セル190が定電流で充電される。MCU制御線C3の電圧は、時刻t3から時刻t4にかけて高電圧から低電圧に徐々に低下する。この電圧の変化により、スイッチ186を流れる電流量を次第に減少させ、電池セル190の電圧が定電圧に維持される。
図21のEは、電流検出部194の端子間の電圧Cvの変化を示している。この端子間の電圧Cvは、非接触充電が開始される時刻t2に低下し、低電圧になる。時刻t3に端子間の電圧Cvが上昇を開始する。この端子間の電圧Cvの上昇を契機として、充電モードが定電圧充電制御に切替えられる。定電圧充電モードに切替え後、端子間の電圧Cvは、上昇を続け、非接触充電が終了する時刻t4後、一定の高電圧になる。
図21のFは、スイッチ186を流れる充電電流I3の流量を示している。充電電流I3の流量は、たとえば電流値として表される。充電電流I3の流量は、MCU制御線C3の電圧の変化に対応している。MCU制御線C3の制御により、時刻t2までは、スイッチ186はオフ状態になる。このとき、充電電流I3の流量は0である。MCU制御線C3の電圧が高電圧になると、スイッチ186が全オン(Full ON)、つまり全開になり、充電電流の流量は最大になる。MCU制御線C3の電圧が徐々に低下すると、スイッチ186が半オン(Half ON)、つまり半開になり、充電電流I3の流量は徐々に低下する。充電電流I3の流量が既述の終止電流値になる時刻t4には、非接触充電が停止され、スイッチ186がオフ状態になる。
図21のGは、電力供給回路174の駆動を示している。電力供給回路174は、充電のため、時刻t2から時刻t4までの間駆動する。切替スイッチ176を切替えるため、電力供給回路174は時刻t4から時刻t5の間停止した後、消磁のため、時刻t5から時刻t6の間駆動する。磁場の計測のため、電力供給回路174は時刻t6から時刻t9の間停止する。磁場の計測の結果、消磁動作を繰り返す場合、電力供給回路174は時刻t8で残留磁場の計測が終了した後、所定の待ち時間(時刻t9−時刻t8)の間、待機した後、時刻t9から時刻t10の間駆動する。なお、図21のGでは、駆動をONとして表し、停止をOFFとして表している。
図21のHは、地磁気センサ118の計測を示している。地磁気センサ118は、時刻t6に消磁動作が停止した後、所定の待ち時間(時刻t7−時刻t6)の間、待機した後、時刻t7で残留磁場の計測を開始し、時刻8に計測を終了する。図21のHでは、計測をONとして表し、停止をOFFとして表している。
図21のIは、切替スイッチ176の切替を示している。充電中を含め、時刻t1から時刻t5まで第1の接続が行われ、消磁動作が開始される時刻t5で第2の接続に切り替えられる。この第2の接続は、消磁動作を停止させる時刻t10まで維持され、時刻t10に第1の接続に切り替えられる。
この第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態で既述した効果が得られるほか、次のような効果が得られる。
消磁を行った後に、地磁気センサ118の計測結果に基づき再度の消磁を判断するので、確実に消磁が行える。
〔第4の実施の形態〕
第4の実施の形態について、図22を参照して説明する。図22は第4の実施の形態に係る充電システムの一例を示している。なお、図22に示す構成は一例であって、斯かる構成に本開示の構成が限定されるものではない。図1ないし図3、図5ないし図7、および図11と同一部分には同一符号を付してある。図22中の矢印は、電流の向きを示している。
第3の実施の形態では、充電台106−1が磁界M1とは逆向きの磁界M2を生じさせる構成であるが、第4の実施の形態では、電池パック132−2が磁界M1とは逆向きの磁界M2を生じさせ、磁性材料30の磁化を消磁する。そこで、第4の実施の形態に係る充電システム102−2は、第3の実施の形態に係る充電台106−1(図9、図11)に代えて充電台106−2を含んでいる。充電システム102−2の携帯端末装置104−2は、電池パック132−1(図9、図11)に代えて、電池パック132−2を含んでいる。
図22に示す充電台106−2は、充電台4−2の一例であり、コイル12と、電力供給回路174と、切替スイッチ176と、充電制御部178と、コンデンサ180、302とを含んでいる。コイル12、電力供給回路174、切替スイッチ176およびコンデンサ180、302は、非接触充電の1次側回路を形成している。充電台106−2は、操作部182と、表示部184と、記憶部185とを含んでいる。
切替スイッチ176は、切替部16の一例であり、充電制御部178から切替信号を受け、コイル12の接続を切替える。コイル12は電力供給回路174またはコンデンサ302に接続される。切替スイッチ176の一方には、コイル12が接続されている。また、切替スイッチ176の他方には、接続端1a、1b、2a、2bが形成されている。接続端1aには電力供給回路174の電力線254−1が接続され、接続端2aには電力供給回路174の電力線254−2が接続されている。接続端1b、2bにはコンデンサ302の異なる端部が接続されている。このコンデンサ302は、コイル12に並列に接続し、消磁の際、並列共振コンデンサとして機能する。
充電制御部178は、既述の切替信号を切替スイッチ176に送信する。この切替信号は、電力供給回路174への接続またはコンデンサ302への接続を表している。
その他の構成は、第3の実施の形態と同様である。
図22に示す電池パック132−2は、充電装置34−2の一例であり、たとえば充電レシーバモジュールを形成する。電池パック132−2は、第3の実施の形態で既述した構成のほか、電力供給回路304と、切替スイッチ306と、コンデンサ308とを含んでいる。
電力供給回路304は、電流供給部24の一例であり、コイル22に電流を供給する。電力供給回路304は、たとえば充電制御部178と同様の回路構成を備え、交流電流を生成する。電力供給回路304は、電力線312−1、312−2によりコイル22に接続している。
切替スイッチ306は切替部26の一例であり、コイル22の接続を切替える。切替スイッチ306の一方には、コイル22が接続され、他方には接続端1a、1b、2a、2bが形成されている。接続端1aには接続線202が接続され、接続端2aには接続線214が接続されている。また、接続端1bには、コンデンサ308を介して電力線312−1が接続され、接続端2bは、電力線312−2に接続されている。コンデンサ308は、コイル22に対して直列に接続され、直列共振コンデンサとして機能する。切替スイッチ306は、第1の接続として接続端1a、2aをコイル22に接続し、または第2の接続として接続端1b、2bをコイル22に接続する。
MPU188のMCU制御線C2は電力供給回路304および切替スイッチ306に接続している。MPU188は、MCU制御線C2により駆動信号を電力供給回路304に送信する。この駆動信号により電力供給回路304が駆動し、または停止する。MPU188はMCU制御線C2により切替信号を切替スイッチ306に送信する。これにより切替スイッチ306の接続が切替えられる。
その他の構成は、第3の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
図22に示す充電システム102−2では、充電台106−2が、交流の励磁電流I1をコイル12に供給し、電池パック132−2が交流の励磁電流I4をコイル22に供給する。このため、コイル12、22間に生成される磁界M1、M2は、いずれも交流の磁界を含む交流磁界となる。つまり、充電および消磁には、交流磁界が用いられる。
(充電時の電流と磁場の関係)
電池セル190の充電を行う場合、切替スイッチ176は、接続端1a、2a側に接続され、電力供給回路174がコイル12に接続される。切替スイッチ306は、接続端1a、2a側に接続され、コイル22は、電池セル190に接続される。充電時の電流と磁場の関係は、図13、図14および図15に示すように、第3の実施の形態と同様になる。
(消磁時の電流と磁場の関係)
磁化の消磁を行う場合、切替スイッチ176は、接続端1b、2b側に接続され、コンデンサ302がコイル12に接続される。切替スイッチ306は、接続端1b、2b側に接続され、コイル22は、電力供給回路304に接続される。
消磁時の電流と磁場の関係について図23、図24および図25を参照する。図23は、消磁時の電流の流れの一例を示している。図24は、消磁時にコイル22に流れる電流の一例および消磁時のコイル22側の磁場の一例を示している。図25は、消磁時にコイル12に流れる電流の一例および消磁時のコイル12側の磁場の一例を示している。なお、図23では、充電台106−2と電池パック132−2との電磁結合部分のみを示している。また、図24のAおよび図25のAに示す電流は、横軸を時間tとし、縦軸を電流値で示している。図24のAに示す電流は、励磁電流I4の流れる方向を正の値で表している。図25のAに示す電流は、電流I6の流れる方向を正の値で表している。図24のBおよび図25のBに示す磁場は、横軸を時間tとし、縦軸を磁場の極性で示している。図23中の矢印は、電流の向きを示している。
図23に示す電池パック132−2には、消磁時、図23に示すように充電電流I3(図13)とは逆向きの励磁電流I4が流れている。この場合、充電台106−2には、励磁電流I1(図13)とは逆向きの電流I6が流れる。
励磁電流I4は、図24のAに示すように、電流値は正の値を示している。また励磁電流I4の変動によりコイル22側には図24のBに示すように、マイナス極性の磁場が発生する。
コイル12側に磁場が作用することで、図25のAに示す電流I6が流れる。またコイル12側には図25のBに示すように、プラス極性の磁場が発生する。コイル12側の磁場およびコイル22側の磁場により既述の磁界M2が形成される。
電流の向きを逆向きにすることにより、充電時と消磁時では磁場の極性を逆転することができる。
次に、給電方法について図26を参照する。図26は、給電方法の処理手順の一例を示している。
この給電方法は、既述の充電工程262と、充電により生じた磁性材料30の磁化を消磁する消磁工程264−2とを含んでいる。充電工程262は、第3の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。充電台106−2の検出処理(ステップS201)からスイッチ186のオフ状態への切替え処理(ステップS209)は、第3の実施の形態の充電台106−1の検出処理(ステップS101)からスイッチ186のオフ状態への切替え処理(ステップS109)と同様である。
(消磁工程264−2)
消磁工程264−2は、非接触充電が終了した後、充電工程262に続いて行われる。消磁工程264−2は、切替スイッチ176、306の切替え処理(ステップS210)から磁場の計測値の判定(ステップS216)までの処理を含んでいる。
非接触充電が終了した後、充電制御部178は、切替スイッチ176の接続設定を接続端1a、2aによる第1の接続から、接続端1b、2bによる第2の接続に切替える。また、MPU188は、切替スイッチ306の接続設定を接続端1a、2aによる第1の接続から、接続端1b、2bによる第2の接続に切替える(ステップS210)。MPU188は、電力供給回路304を駆動させ、電力供給回路304により消磁用電力の供給を開始する(ステップS211)。斯かる処理により、コイル22では、励磁電流I4がコイル22に流れ、磁界M2が発生し、消磁動作が開始される。充電により生じた磁性材料30の磁化の消磁が開始される。また、MPU188は、消磁用の電力の供給開始後、既述の消磁時間Tdを計測する。この消磁時間Tdは、たとえばMPU制御線228を介して制御部128から送信される時間の情報を用いて計測される。消磁時間Tdは、MPU188が時間をカウントして計測してもよい。
MPU188は、消磁時間Tdが設定時間Toutをタイムアウトしたかを判定する(ステップS212)。この判定は、たとえば消磁時間Tdが設定時間Toutであるかにより判定される。消磁時間Tdが設定時間Tout未満である場合(ステップS212のNo)、消磁動作が維持される。消磁時間Tdが設定時間Tout以上になると(ステップS212のYes)、MPU188は、消磁用電力の供給を停止し(ステップS213)、切替スイッチ306の接続設定を接続端1a、2aによる第1の接続に切替える(ステップS214)。充電制御部178は、切替スイッチ176の接続設定を接続端1a、2aによる第1の接続に切替える(ステップS214)。電力の停止および切替スイッチ176、306の切り替えにより、消磁動作が終了する。なお、設定時間Toutは、MPU188に予め設定された時間であってもよい。また、設定時間Toutは、充電開始から終了までの充電時間に基づきMPU188が設定した時間であってもよい。設定時間Toutが充電時間に基づき設定されると、充電時間に応じて消磁時間が設定できる。つまり、充電時間に対応して変動する磁化の量に応じて消磁時間が設定できる。
消磁動作の終了後、MPU188は携帯端末装置104−2内の磁場を計測する(ステップS215)。つまり、携帯端末装置104−2の磁場変化を既述の地磁気センサ118により計測し、磁化情報を得る。
MPU188は、地磁気センサ118の計測値が計測範囲内であるかを判定する(ステップS216)。この判定は、たとえば磁化情報に含まれる差分情報の値が地磁気センサ118の計測が可能な範囲内となる程度に小さいか否かで判断される。地磁気センサ118の計測値が計測範囲内にない場合(ステップS216のNo)、MPU188および充電制御部178は切替えスイッチ176、306の切替えに戻り(ステップS210)、消磁動作が繰り返される。消磁動作を繰り返すことで、充電により生じた磁化をより多く、確実に消磁させることができる。地磁気センサ118の計測値が計測範囲内である場合(ステップS216のYes)、充電制御部178およびMPU188は、非接触充電処理を終了する。
次に、非接触充電の動作タイミングについて図27を参照する。図27は、非接触充電の動作タイミングの一例を示している。なお、図27に示すタイミングは一例であって、斯かるタイミングに本開示の構成が限定されるものではない。図27に示す時刻t1ないし時刻t10は既述の時刻t1ないし時刻t10と同様である。
図27のAに示すプラス電極222の電圧の変化、図27のBに示すMCU制御線C4の電圧の変化、および図27のCに示すMCU制御線C1の電圧の変化は、第3の実施の形態と同様である。図27のEに示すMCU制御線C3の電圧の変化、図27のFに示す電流検出部194の端子間の電圧Cvの変化、および図27のGに示すスイッチ186の電流値の変化は、第3の実施の形態と同様である。図27のJに示す地磁気センサ118の計測は、第3の実施の形態と同様である。
図27のDに示すMCU制御線C2の電圧の変化、図27のIに示す電力供給回路304の駆動、および図27のKに示す切替スイッチ306の切替は同じタイミングで変動している。また、図27のLに示す切替スイッチ176の切替は、切替スイッチ306の切替と同じタイミングで変動している。消磁動作を開始する時刻t5および時刻t9に、MCU制御線C2の電圧が高電圧に変わり、電力供給回路304が駆動し、切替スイッチ306が第2の接続に切替わる。消磁動作を停止する時刻t6、および時刻t10に、MCU制御線C2の電圧が低電圧に変わり、電力供給回路304が停止し、切替スイッチ306が第1の接続に切替わる。
図27のHは、電力供給回路174の駆動を示している。電力供給回路174は、充電のため、非接触充電を開始する時刻t2から非接触充電を停止する時刻t4までの間駆動する。
この第4の実施の形態によれば、第2の実施の形態で既述した効果が得られるほか、次のような効果が得られる。
消磁を行った後に、地磁気センサ118の計測結果に基づき再度の消磁を判断するので、確実に消磁が行える。
〔第5の実施の形態〕
第5の実施の形態について、図28を参照して説明する。図28は第5の実施の形態に係る充電システムの回路構成の一例を示している。なお、図28に示す構成は一例であって、斯かる構成に本開示の構成が限定されるものではない。図1ないし図3、図5ないし図7、図11、図22と同一部分には同一符号を付してある。図28中の矢印は、電流の向きを示している。
第4の実施の形態では、交流の励磁電流I1、I4により磁界M1、M2を生成する構成である。この磁界M1、M2は、時間に応じて変動する変動磁界を含んでいる。この第5の実施の形態では、交流の励磁電流I1により時間に応じて変動する磁界M1を生成し、直流の励磁電流I7により静磁界である磁界M2を生じさせ、充電により生じた磁性材料30の磁化を消磁する。そこで、第5の実施の形態に係る充電システム102−3は、第4の実施の形態に係る充電台106−2(図22)に代えて充電台106−3を含んでいる。充電システム102−3の携帯端末装置104−3は、電池パック132−2(図22)に代えて、電池パック132−3を含んでいる。
図28に示す充電台106−3は、充電台4−2の一例である。充電台106−3では、電力供給回路174の電力線254−1がコンデンサ180を介してコイル12に接続されている。電力供給回路174の電力線254−2がコイル12に接続されている。コイル12と電力供給回路174とコンデンサ180は非接触充電の1次側回路を形成している。
充電制御部178は、電力供給回路174に接続され、既述の駆動信号を電力供給回路174に送信し、電力供給回路174を駆動させ、または停止させる。また充電制御部178は、表示部184および記憶部185を制御する。充電制御部178は他の機能を含んでもよく、たとえば、時計機能を含み、時間の計測を行ってもよい。
図28に示す電池パック132−3は、充電装置34−2の一例である。電池パック132−3では2つのコイル22、324を含み、これらのコイル22、324により電池セル190の充電および磁性材料30の磁化の消磁が行われる。
電池パック132−3では、コイル22の端部が、それぞれ接続線202、214に接続されている。コイル22、コンデンサ198、スイッチ186、電池セル190、保護回路192、および電流検出部194を含むことにより、電池パック132−3には非接触充電の2次側回路が形成されている。
電池パック132−3では、電力供給回路304(図22)に代えて、電池セル190を直流電源とする電力供給回路322が形成されている。
電力供給回路322は、電流供給部24の一例であり、電池パック132−3に設置されるコイル324に直流電流を供給する。電力供給回路322は、保護回路192と、電流調整部326と、スイッチ328とを含んでいる。保護回路192は、受電のための回路および電力供給回路322で兼用される。電池パック132−3では、保護回路192が効率的に使用される。電池セル190のプラス極側には、電流調整部326とスイッチ328とが、電流調整部326、スイッチ328の順に直列に接続されている。スイッチ328および保護回路192はそれぞれコイル324に接続されている。
電流調整部326はたとえば電流調整用の抵抗を含み、電力供給回路322を流れる電流の流量を調整する。スイッチ328は、たとえばオン/オフスイッチを含み、電池セル190とコイル324との間を接続または切断する。スイッチ328は、MPU188のMCU制御線C2に接続されている。スイッチ328は、MPU188からの切替信号により電池セル190とコイル324とを接続し、または切断する。
コイル324には、その内部に鉄芯などの磁性材料の芯325が設置されている。直流電流を受け、芯325を磁化させ静磁界を発生させる。コイル324が発生させる静磁界は、磁界M2の一例である。
その他の構成は第4の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
図28に示す充電システム102−3では、充電台106−3が、交流の励磁電流I1をコイル12に供給し、電池パック132−3が直流の励磁電流I7を供給する。このため、コイル12、22間に生成される磁界M1は交流の磁界を含む磁界となる。コイル324に生成される磁界M2は直流磁界を含む静磁界となる。つまり、充電には、交流磁界が用いられ、消磁には、直流磁界が用いられる。
(充電時の電流と磁場の関係)
電池セル190は、充電制御部178が電力供給回路174を駆動させ、MPU188がスイッチ186を接続することで充電される。充電時の電流と磁場の関係は、図13、図14および図15に示すように、第3の実施の形態および第4の実施の形態と同様である。
(消磁時の電流と磁場の関係)
充電により生じた磁性材料30の磁化を消磁する場合、MPU188によりスイッチ328が操作され、電池セル190のプラス極側とコイル324とが接続される。
消磁時の電流と磁場の関係について図29および図30を参照する。図29は、消磁時の電流の流れの一例を示している。図30は、消磁時にコイル324に流れる電流の一例および消磁時のコイル324側の磁場の一例を示している。なお、図29では、電池パック132−3のコイル324および芯325を示している。また、図30のAに示す電流は、横軸を時間tとし、縦軸を電流値で示している。なお、電流値は、電流の流れる方向を正の方向として表している。図30のBに示す磁場は、横軸を時間tとし、縦軸を磁場の極性で示している。図29中の矢印は、電流の向きを示している。
電池パック132−3には、消磁時、図29に示すように励磁電流I7が流れている。この励磁電流I7は充電電流I3(図13)とは逆向きの電流である。つまり、充電電流I3が時計回りにコイル22に流れる場合、励磁電流I7は、反時計回りにコイル324に流れる。充電電流I3が反時計回りにコイル22に流れる場合、励磁電流I7は、時計回りにコイル324に流れる。
励磁電流I7は、図30のAに示すように、直流電流である。コイル324に芯325が設置されることで、芯325が磁化し、図30のBに示すように、磁場がマイナス極性となり、磁界M2が発生する。
電流の向きを逆向きにすることにより、充電時と消磁時では磁場の極性が逆転することができる。
次に、給電方法について図31を参照する。図31は、給電方法の処理手順の一例を示している。
この給電方法は、非接触充電の一例であり、充電工程262と消磁工程264−3とを含んでいる。充電工程262は、第3の実施の形態および第4の実施の形態の充電工程262(図19)と同じであるのでその説明を省略する。つまり、充電台106−3の検出処理(ステップS221)からスイッチ186のオフ状態への切替え処理(ステップS229)は、第3の実施の形態の充電台106−1の検出処理(ステップS101)からスイッチ186のオフ状態への切替え処理(ステップS109)と同様である。
(消磁工程264−3)
消磁工程264−3は、非接触充電が終了した後、充電工程262に続いて行われる。消磁工程264−3は、スイッチ328をオンにする処理(ステップS230)から計測値が計測範囲内かを判断する処理(ステップS234)までの処理を含んでいる。
充電工程262が終了した後、MPU188は、スイッチ328をオンに設定し、スイッチ328に電池セル190のプラス極側とコイル324とを接続させる(ステップS230)。斯かる接続により、電池セル190の電流がコイル324に流れ、磁界M2が発生し、消磁動作が開始される。充電により生じた磁性材料30の磁化の消磁が開始される。また、MPU188は、消磁用の電力の供給開始後、既述の消磁時間Tdを計測する。
MPU188は、消磁時間Tdが設定時間Toutをタイムアウトしたかを判定する(ステップS231)。この判定は、たとえば、消磁時間Tdが設定時間Toutであるかにより判定される。消磁時間Tdが設定時間Tout未満である場合(ステップS231のNo)、消磁動作が維持される。消磁時間Tdが設定時間Tout以上になると(ステップS231のYes)、MPU188は、スイッチ328をオフに設定して、電池セル190のプラス極側とコイル324とを切断し(ステップS232)、消磁動作を終了する。
地磁気センサ118の計測の開始(ステップS233)および地磁気センサ118の計測値が計測範囲内であるかの判定(ステップS234)は、第3の実施の形態および第4の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。地磁気センサ118の計測により消磁動作を繰り返すことで、充電により生じた磁性材料30の磁化をより多く消磁させることができる。地磁気センサ118の計測値が計測範囲内である場合(ステップS234のYes)、MPU188は、非接触充電処理を終了する。
次に、非接触充電の動作タイミングについて図32を参照する。図32は、非接触充電の動作タイミングの一例を示している。なお、図32に示すタイミングは一例であって、斯かるタイミングに本開示の構成および給電方法が限定されるものではない。図32に示す時刻t1ないし時刻t10は既述の時刻t1ないし時刻t10と同様である。
図32のAに示すプラス電極222の電圧の変化、図32のBに示すMCU制御線C4の電圧の変化、および図32のCに示すMCU制御線C1の電圧の変化は、第4の実施の形態と同様である。図32のEに示すMCU制御線C3の電圧の変化、図32のFに示す電流検出部194の端子間の電圧Cvの変化、および図32のGに示すスイッチ186の電流値の変化は、第4の実施の形態と同様である。図32のHに示す電力供給回路174の駆動、および図32のJに示す地磁気センサ118の計測は、第4の実施の形態と同様である。
図32のDに示すMCU制御線C2の電圧の変化は、第4の実施の形態と同様である。図32のIに示すスイッチ328のオンまたはオフは、MCU制御線C2の電圧と同じタイミングで変動している。
第5の実施の形態によれば、第4の実施の形態で既述した効果が得られるほか、次のような効果が得られる。
電池セル190の電力を使用し、直流電流で磁界M2を生成するので、電池パック132−3に電力供給回路304(図22)のような交流電源を設置する必要がない。
〔第6の実施の形態〕
第3の実施の形態ないし第5の実施の形態では、充電台106−1、106−2、106−3または電池パック132−1、132−2、132−3のいずれかで磁界M2を生成した。第6の実施の形態では、図33に示すように、充電システム102−4が、たとえば携帯端末装置104−2と、充電台106−1とを含み、電池パック132−2および充電台106−1の両方が磁界M2を生成する機能を含む。電池パック132−2および充電台106−1のいずれで磁界M2を生成するかは、たとえば、予め優先順位を設定しておき、電池パック132−2および充電台106−1のいずれかを優先的に用いるようにすればよい。また、充電開始前または充電中に通信によりいずれが磁界M2を生成するかをMPU188および充電制御部178間で調整してもよい。
充電台106−1により磁界M2を生成する場合、たとえば第3の実施の形態で既述した給電方法および動作タイミングで充電の処理が行われる。
電池パック132−2により磁界M2を生成する場合、たとえば第4の実施の形態で既述した給電方法および動作タイミングで充電の処理が行われる。
第6の実施の形態によれば、第3の実施の形態および第4の実施の形態で既述した効果の他、充電台106−1および携帯端末装置104−2のいずれかを選択して充電により生じた磁性材料30の磁化を磁界M2により消磁することができる。
第6の実施の形態では、充電台106−1と、携帯端末装置104−2を含んで充電システム102−4を形成したが、斯かる組み合わせは一例であり、少なくとも一方の装置で磁界M2を生じさせる構成であればどのような組み合わせであってもよい。
〔他の実施の形態〕
他の実施の形態について図34および図35を参照する。図34および図35において、磁界M1、M2中の矢印は、磁界の向きを示している。励磁電流I1、励磁電流I2、充電電流I3および励磁電流I4の矢印は、電流の向きを示している。なお、図34および図35に示す構成は一例であって、斯かる構成に本開示の構成が限定されるものではない。図1、図2、図9、図11および図22と同一部分には同一符号を付してある。なお、図34および図35では、電池パック132−1、132−2の構成の一部を省略している。
図34に示す充電システム102−5は、携帯端末装置104−5と、既述の充電台106−1とを含んでいる。
携帯端末装置104−5は、基板402を含んでいる。この基板402の一方の面側には、磁界検出型の集積回路404−1、404−2および集積回路406−1、406−2、406−3が設置されている。
集積回路404−1、404−2は、既述の電子部品32(図1)の一例であり、磁界検出機能を有し、たとえば地磁気センサ118または磁気センサ122を含んでいる。
集積回路406−1、406−2、406−3は、既述の電子部品32の一例であり、たとえば制御部128またはメモリ部130などを形成する。
基板402の一方の面側には、シールド板金134−1が設置され、集積回路406−1、406−2を包囲している。基板402の他方の面側には、シールド板金134−2が設置されている。
基板402の他方の面側には、既述の電池パック132−1が配置されている。つまり、電池パック132−1の周囲には、図34に示すように、シールド板金134−1、134−2などの磁性材料30や、集積回路404−1、404−2、406−1、406−2、406−3などの電子部品32が配置される。
充電中、充電台106−1のコイル12には、励磁電流I1が流れ、磁界M1が発生する。充電終了後、コイル12には充電時の逆励磁電流I2が流れ、コイル12とコイル22間で磁界M1とは逆極性の磁界M2が発生して、充電時に発生した磁性材料30の磁化を消磁させる。
図35に示す充電システム102−6は、携帯端末装置104−6と、充電台106−2とを含んでいる。携帯端末装置104−6では、既述の携帯端末装置104−5の電池パック132−1が電池パック132−2に取替えられている。
基板402の他方の面側には、既述の電池パック132−2が配置されている。つまり、電池パック132−2の周囲には、図35に示すように、シールド板金134−1、134−2などの磁性材料や、集積回路404−1、404−2、406−1、406−2、406−3などの電子部品32が配置される。この実施の形態では、携帯端末装置104−6側および充電台106−2側の両方で磁界M2を生成することができる。
充電中、充電台106−2のコイル12には、励磁電流I1が流れ、磁界M1が発生する。磁界M1を受け、コイル22には、充電電流I3が流れる。
(充電台106−2側で磁界M2を発生させる場合)
充電終了後、コイル12には充電時とは逆向きの逆励磁電流I2が流れ、コイル12とコイル22間で磁界M1とは逆極性の磁界M2が発生して、充電時に発生した磁性材料の磁化を消磁させる。
(携帯端末装置104−6側で磁界M2を発生させる場合)
充電完了後、電池パック132−2の内部にある電力供給回路304からコイル22に励磁電流I4を流すことにより、コイル12とコイル22間で磁界M1とは逆極性の磁界M2が発生して、充電時に発生した磁性材料の磁化を消磁させる。
これらの実施の形態によれば、既述の効果のほか、電池パック132−1の周囲に配置されたシールド板金134−1、134−2などの磁性材料の磁化が消磁でき、集積回路404−1、404−2などの電子部品の動作を安定させることができる。
以上説明した実施の形態について、その特徴事項や変形例を以下に列挙する。
(1) 上記実施の形態では、非接触給電の一例として非接触充電について説明したが、接点の接触を伴わないで電力の伝送が行われれば良く、携帯端末装置などの電子機器に対する非接触給電であってもよい。たとえば、非接触給電により受けた電力が、電子機器を構成する電子部品に直接供給されてもよい。電子機器に対する非接触給電の休止中に磁界M2を生成することで、非接触給電により生じた磁性材料の磁化を消磁することができる。
(2) 第1の実施の形態および第2の実施の形態では、設定時間により消磁動作および充電を終了させた。第1の実施の形態および第2の実施の形態は、たとえば第3の実施の形態および第4の実施の形態のように、地磁気センサ118の計測値を取得して、地磁気センサの計測値により消磁動作を繰り返す構成としてもよい。
また、第3の実施の形態ないし第6の実施の形態および他の実施の形態において、地磁気センサ118による計測を行わずに1回の消磁動作で消磁を終了させてもよい。1回の消磁動作で消磁を終了させる場合には、磁場の計測処理(ステップS114、S215、S233)および計測値の判定処理(ステップS115、S216、S234)を行わずに非接触充電を終了すれば良い。
(3) 上記実施の形態では、MPU188がMCU制御線C4により充電台を検知したが、MPU188が充電台を検知すれば何れの検出であってもよい。たとえば、制御部128側で充電台を検知し、充電台の検知情報を充電状態の通知としてMPU制御線228により制御部128から受信してもよい。斯かる構成によれば、検知情報をMPU制御線228により受信するので、MCU制御線C4を設ける必要がない。
(4) 上記実施の形態では、地磁気センサ118の計測値が計測範囲内か否かを判断したが、充電前のセンサと充電後のセンサとの差分を表す他の差分情報が一定の範囲内にあるか否かで判断してもよい。たとえば、地磁気センサ118が磁場の状態に応じて調整可能なセンサである場合、地磁気センサ118を調整するための設定値の差分が差分情報に用いられる。一例として、充電前の設定値と充電後の設定値との差分情報を用いてもよい。地磁気センサ118が充電前の設定値と充電後の設定値との差分情報を磁化情報として制御部128に送信すれば、MPU188または充電制御部178は、この差分情報を受信することができる。MPU188または充電制御部178は、受信した差分情報が設定範囲内にあるか否かを判断すればよい。
(5) 上記実施の形態では、消磁動作を行った後に地磁気センサ118による磁場計測を行ったが、充電終了後に地磁気センサの計測を行い、その判断結果に基づいて消磁動作を行ってもよい。たとえば、第4の実施の形態の消磁工程264−2に代え図36に示すように、充電工程262に続き、磁場の計測(ステップS215)を行うようにすればよい。この場合、図37に示す動作ステップが行われる。つまり、時刻t5、t6間で行われたMCU制御線C2の電圧の変化、電力供給回路304の駆動、切替スイッチ176、306の切替がスキップされる。また、第5の実施の形態の消磁工程264−3を変更して図38に示すように、充電工程262に続き、磁場の計測(ステップS233)を行うようにすればよい。この場合、図39に示す動作ステップが行われる。つまり、時刻t5、t6間で行われたMCU制御線C2の電圧の変化、スイッチ328のオン切替またはオフ切替がスキップされる。
また、第4の実施の形態の消磁工程264−2に代えて、図40に示す消磁工程264−4を行うようにしてもよい。消磁工程264−4では、切替スイッチ176、306の接続端1a、2a設定への切替え(ステップS307)が、磁場の計測値が計測範囲内である場合(ステップS306のYes)に行われる。斯かる処理手順によれば、磁場の計測により消磁動作が繰り返される場合であっても、切替スイッチ176、306の切り替え動作を2回に抑えることができる。消磁工程264−4の処理手順(ステップS301〜304)は消磁工程264−2の処理手順(ステップS210〜213)と同様である。消磁工程264−4の処理手順(ステップS305〜306)は消磁工程264−2の処理手順(ステップS215〜216)と同様である。これらの説明を省略する。
(6) 上記の実施の形態の充電工程262において、スイッチ186をオンにした後、制御部128へ状態通知してもよい。制御部128への状態通知と、非接触充電の終了と、スイッチをオフにする処理は、実行する順序を相互に変えてもよい。
(7) 上記実施の形態では、充電時に磁界M1を発生させ、消磁時に磁界M2を発生させたが、磁界M1と磁界M2は逆極性であれば良く、斯かる向きに限定されるものではない。例えば蓄電池8または電池セル190を逆向きに接続し、充電時に磁界M2の向きに磁界を発生させ、消磁時に磁界M1の向きに磁界を発生させてもよい。斯かる構成であっても、充電時に生じた磁性材料30の磁化を消磁させることができる。
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本開示の構成は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、または明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。