図1は、本発明の一実施形態に係る画像表示装置の機能ブロック図を示す。画像表示装置100は、表示部101及び制御部102を含む。制御部102は、電圧発生回路104と、電圧印加制御回路105と、電圧印加部103とを有する。
電圧発生回路104は、表示部101に印加する電圧を発生する。本発明の一実施形態においては、電圧発生回路104は、表示部101の後述する各電極に印加する電圧を生成する。例えば、0V及び180Vの電圧を生成してもよい。ただし、電圧発生回路104が生成する電圧は、0V及び180Vの電圧に限定されることはなく、3つ、4つなど複数の電圧を生成してもよい。また、0V、180Vは例示であって、表示部101の特性に合わせた値とすることができる。
電圧印加制御回路105は、電圧発生回路104により生成された電圧を表示部101の電極に印加する制御を行なう。すなわち、表示部101に所望の表示がされるように、表示部101の電極に印加する電圧を制御する。例えば、表示部101の各電極に印加する電圧を、電圧発生回路104により生成される電圧の中から選択する。電圧印加制御回路105により選択された結果は、制御信号として電圧印加部103に供給される。
電圧印加部103は、電圧印加制御回路105から供給される制御信号に従い電圧発生回路104により生成された電圧を表示部101の各電極に印加する。本発明の一実施形態において、電圧印加部103及び電圧発生回路104は、駆動ICに含まれてもよい。駆動ICは、例えば、0V及び180Vの電圧を生成してもよい。ただし、電圧発生回路104が生成する電圧は、0V及び180Vの電圧に限定されることはなく、3つ、4つなど複数の電圧を生成してもよい。また、0V、180Vは例示であって、表示部101の特性に合わせた値とすることができる。
表示部101は、ツイストボールを含む材料に電圧を印加するための電極を有し、電極に印加された電圧によって、ツイストボールを回転させる。ツイストボールは、異なる着色領域に異なる帯電極性を有するので、ツイストボールの回転により、所望の表示が行なわれる。
図2は、表示部101の構造の一例の分解斜視図であり、図3は、表示部101の部分断面図である。図2に示すように、表示部101は、第1フィルム層202及び共通電極204を含む共通電極層201と、第2フィルム層206と、ツイストボール層208と、第3フィルム層212と、絶縁層216及び表示電極214を含む表示電極層213と、配線層218と、第4フィルム層220とを有しており、表示部101は複数の層構造となっている。図2及び図3において、同一又は類似の構成には同一の参照番号を付与する。尚、図3において、第1フィルム層202と、絶縁層216と、配線層218と、第4フィルム層220との記載は省略している。
共通電極層201は、第1フィルム層202と第1フィルム層201上に配置された共通電極204とを有する。
第1フィルム層202は、透明な材料により形成された絶縁性を有するフィルムである。第1フィルム層202の材料としては、透明性を有する材料であれば特に限定されることはない。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、シクロオレフィンコポリマー、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂を使用することができる。
共通電極204は、透明電極である。共通電極204の材料としては、例えば、ITO、IZO、SnO2、カーボンナノチューブ、PEDOT/PSSやZnO:Alなどの透明な導電性材料を使用することができる。また、透明なフィルムに、Al、Cu、Ag、カーボン等の導電性材料を用いてメッシュ状に電極が共通電極層204に形成されていてもよい。共通電極204には、電圧印加部103から所定の電圧、例えば、GND電圧が印加される。あるいは、後に説明するように、第1の電位(例えば、180V)を有する電圧と第2の電位(例えば、0V)を有する電圧とが交互に印加されてもよい。
第2フィルム層206は、透明な材料により形成されたフィルムである。第2フィルム層206は、絶縁性を有していなくてもよいが、共通電極層204が導電性であるので、第2フィルム層206は絶縁性を有していることが好ましい。第2フィルム層206の材料としては、透明性を有する材料であれば特に限定されることはない。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、シクロオレフィンコポリマー、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂を使用することができる。また、第2フィルム層206は、ラミネート加工が可能なベースフィルム材料とシーラントフィルム材料が積層された基材であることが好ましい。ベースフィルム材料としては、ラミネート加工時の加熱圧着による耐熱性を考慮して、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂を使用してもよい。シーラントフィルム材料としては、無延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用してもよい。また、ポリウレタン、ポリアクリル、エポキシ樹脂、シリコーン等の熱シール性を有する材料からなる塗膜等を用いてもよい。
ツイストボール層208は、低極性溶媒209と複数のツイストボール210とを含むエラストマーシートとして形成される。具体的には、エラストマー材料を用いて形成されるエラストマーシートに、複数のツイストボール210を分散させた後、エラストマーシートを低極性溶媒中に浸漬させてエラストマーシートを低極性溶媒で膨潤させて形成する。これにより、ツイストボール210が低極性溶媒209により覆われ、ツイストボール210が回転可能となる。
エラストマー材料としては、熱硬化型樹脂を挙げることができ、例えば、シリコーン樹脂、微架橋したアクリル樹脂、微架橋したスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂などを使用することができる。低極性溶媒は、エラストマーシートに膨潤されて使用される。このような低極性溶媒として、例えば、ジメチルシリコーンオイル、イソパラフィン系溶媒、直鎖パラフィン系溶媒、ドデカン、トリデカンなどを使用することができる。
ツイストボール210は、50μm以上1000μm以下、好ましくは100μm以上700μm以下、より好ましくは200μm以上500μm以下の直径を有する略球体である。ツイストボール210は、また、異なる少なくとも2色に着色された少なくとも2つの着色領域を有し、異なる着色領域が異なる帯電極性を有する双極性球状粒子である。例えば、正(+)に帯電した黒色相と負(−)に帯電した白色相とを有する。但し、色相は上述の黒色/白色に限定されず、例えば、有色彩相/白色相(例えば、黒色/白色、赤色/白色など)或いは有色彩相/有色彩相(例えば、黒色/赤色、青色/赤色など)であってもよい。
ツイストボール210の色相を形成させる着色剤としては、後述する重合性樹脂成分を含有する流動性分散媒体に不溶性又は均一に分散される染料又は顔料であれば、特に限定されず、適宜選択して使用することができる。使用される着色剤の添加量は、その着色粒子の用途等によっても所望される色調が異なり、また、後述する着色連続相中での分散性等から、本発明においては、着色連続相中の重合硬化成分である全重合性樹脂成分100重量部当たり、0.1重量部〜80重量部で、好ましくは2〜10重量部の範囲で適宜好適に添加することができる。
ツイストボール210は、例えば、マイクロチャンネル製造方法において製造することができる。すなわち、重合性樹脂成分を含有する油性又は水性の流動性分散媒体中に、この媒体不溶性の着色剤を含有する2色に分相させた着色連続相中の重合性樹脂成分を異なる極性に帯電する重合性モノマーで形成させて、第1マイクロチャンネルに移送させる。次いで、この着色連続相を、第2マイクロチャンネル内を流れる水性又は油性の球状粒子化相中に、連続又は不連続的に順次吐出させる。球状粒子化相中に吐出された吐出物は、マイクロチャンネル内での一連の吐出・分散・移送中に球状粒子化されながら、球状粒子化相中で順次球状化される。この球状化された粒子中の重合性樹脂成分を紫外線照射下及び/又は加熱下で重合硬化させることにより、異なる2色に着色された2つの着色領域を有し、異なる着色領域が異なる帯電極性を有する双極性2色相球状粒子であるツイストボール210が形成される。
本発明のツイストボール210に用いる重合性樹脂成分、又は重合性モノマーとして、重合性モノマーの官能基又は置換基の種類によって、ツイストボール210の帯電性がそれぞれ負(−)帯電性と正(+)帯電性とを示す傾向にあるモノマー種を挙げることができる。従って、少なくとも2種以上の複数種のモノマーを本発明のツイストボール210の重合性樹脂成分として使用する場合には、その(+)及び(−)帯電性を示す傾向を踏まえて、好ましくは、同種帯電性の傾向にあるモノマー同士を複数組み合わせて適宜好適に使用することができる。
図4(a)〜(c)は、ツイストボール210の回転を説明する図である。図4において、図2及び図3を参照して説明した表示部101の構成と同一又は類似の構成には同一の参照番号を付与する。図4において、共通電極204側を視認側とする。尚、ここでは、共通電極204にGND電圧を印加し、表示電極214に負(−)極性又は正(+)極性の電圧を印加するものとして、ツイストボール210の動作を説明する。ツイストボール210の少なくとも2つの着色領域は、異なる正負の帯電状態であれば、どちらの帯電状態であってもよい。
ツイストボール210は、正(+)に帯電した黒色相210aと負(−)に帯電した白色相210bとを有する。但し、色相は上述の黒色/白色に限定されない。ツイストボール210の2つの着色領域は、互いに異なる正負の帯電状態であれば、どちらの帯電状態であってもよい。ツイストボール210が、正(+)に帯電した黒色相210aと負(−)に帯電した白色相210bとを有する場合、ツイストボール208層を挟持する共通電極204及び表示電極214に電圧が印加されると、これにより発生する電位差により、図4(a)〜(c)に示すように、ツイストボール210の正(+)に帯電した黒色相210aと負(−)に帯電した白色相210bとが、それぞれの帯電極性とは逆の極性の電圧を印加された電極と対向するようにツイストボール210が回転する。共通電極204側から観察したとき、共通電極204にGND電圧が印加されている状態で、表示電極214に負(−)の極性の電圧が印加されていると、図4(a)に示すように、ツイストボール210の白色相210bが共通電極204と対向して表示部101に「白」が表示されている状態となる。図4(b)に示すように、表示電極214に正(+)の極性の電圧が印加されると、ツイストボール210の黒色相210aが共通電極204と対向して「黒」が表示されている状態となる。即ち、表示部101の表示が白の表示から黒の表示に書き換わる。さらに、図4(c)に示すように、表示電極214に負(−)の極性の電圧が印加されると、ツイストボール210の白色相210bが共通電極204と対向して「白」が表示されている状態となる。即ち、表示部101の表示が黒の表示から白の表示に書き換わる。
なお、上述の説明において共通電極204にはGND電圧を印加したが、これに限定されない。共通電極204には、共通電極204と表示電極214との電位差の絶対値が一定値以上(例えば、180V)であって、該電位差の極性が負(図4a、図4c)、または正(図4b)であればGND以外の電圧が印加されてもよい。出力電圧が2値レベル(Hレベル又はLレベル)の駆動ICを用いる場合は、共通電極204の電位を交互にHレベル又はLレベルに制御し、同時に表示電極214の電位としてLレベル又はHレベルを適宜選択することによって、共通電極204と表示電極214との間に所定の電位差を発生させることで白表示又は黒表示を得ることができる。
第3フィルム層212は、透明な材料により形成されたフィルムであり、第2フィルム層206と同様の材料により形成される。ただし、表示部101において、第3フィルム層212の材料と第2フィルム層206の材料は同じである必要はない。
図3に示すように、ツイストボール層208は、第2フィルム層206と第3フィルム層212との間に挟持されて、第2フィルム層206と第3フィルム層212とをラミネート加工することによって密封されてもよい。また、第2フィルム層206及び第3フィルム層212とツイストボール層208とのそれぞれの間に、エポキシ樹脂などの熱硬化樹脂を使用したシール材を介して、ツイストボール層208を第2フィルム層206及び第3フィルム層212で挟持してもよい。
表示電極層213は、絶縁層216と絶縁層216上に配置された表示電極214を有する。表示電極214は、図3に示す表示電極214a及び214bのように、表示部101において所望の表示をするために、所望の形状にパターニングされてもよい。
絶縁層216は、絶縁性を有するフィルムであり、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、シクロオレフィンコポリマー、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂などの絶縁性樹脂が使用されてもよい。絶縁性樹脂は単体で使用されてもよく、2種類以上に樹脂を組み合わせて使用してもよい。絶縁層216には、表示電極214と後述する配線層218とを電気的に接続する貫通電極(図示せず)が形成される。
表示電極214は、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、凸印刷法その他印刷法により、絶縁層216の上に、Au、Al、Ni、Cuなどの金属、ITO、IZO、SnO2、ZnO:Alなどの透明導電体、導電剤を溶媒或いは合成樹脂バインダに混合したもの等の導電性材料を配置して形成される。
この表示電極214には、後述の配線を介して、電圧印加部103により電圧が印加される。これにより、表示電極214と共通電極204との間に電位差が発生し、方向222から見た場合に、表示電極214の部分が画像表示領域として見ることが可能となる。したがって、図3に示す表示電極214a及び214bの下の領域が表示領域(セグメント)となる。
配線層218は、絶縁性の樹脂材料などのフィルムに設けられた貫通電極(図示せず)を介して表示電極214と接続する配線(図示せず)が形成されたフィルムである。絶縁性の樹脂材料としては、上述した樹脂材料等を用いることができる。
第4フィルム層220は、絶縁性の樹脂材料などにより形成される。絶縁性の樹脂材料としては、上述した樹脂材料等を用いることができる。
尚、方向222から見た場合に、表示電極214以外の部分の色がツイストボール210の色相の一つと同等となるように、共通電極204にさらにマスク層を設けたり、表示電極層213の表示電極214以外の部分に、共通電極204との間で一定の電圧が印加されるように、背景用の電極が設けられたりしていてもよい。
図5は、ツイストボールを表示媒体とする画像表示装置100をセグメント駆動型のタイマーとして実装した場合の表示部101の表示電極214の一例の配置図である。図5に示すように、ツイストボールを表示媒体とする画像表示装置をセグメント駆動型のタイマーとして実装した場合、表示部には、例えば、1秒桁〜10時間桁を示す表示電極が配置されている。ここでは、1秒桁〜10時間桁の各桁において、白色の合計7つの領域に矩形の表示電極が、全体として「8」字形を成して配置され、表示電極の領域以外の領域は黒色の背景となっている。これにより、電圧印加制御部103により、各桁の表示電極への電圧の印加を制御することにより、0から9の数字を表示することが可能となる。図5ではタイマーの各表示桁を7つの領域に分けて表示を行う7セグメントディスプレイとしたが、各表示桁は7つの領域とは限らず、24個などの任意の数の領域から構成されていてもよい。
図5に示したタイマー表示においては、1秒桁の表示の表示期間を1つの単位時間とする。即ち、1秒桁は1秒ごとに表示が変化し得るので、1秒桁の表示を行う単位時間は1秒となる。同様に、10秒桁の表示は単位時間の10倍である10秒、1分桁の表示は単位時間の60倍である1分、10分桁の表示は単位時間の600倍である10分、1時間桁の表示は単位時間の3600倍である1時間、10時間桁の表示は単位時間の36000倍である10時間ごとに表示が変化する。また、タイマー表示において、白表示及び黒表示の書き換えの頻度は、7セグメントの各セグメントによって異なる。ここで、書き換え頻度とは、所定時間においてセグメント表示が白表示から黒表示に、又は黒表示から白表示に書き換わる頻度を示す。図5に示した表示電極の1秒桁を示す後述の図10を参照すると、例えば、図10の表示電極aに対応する表示領域の書き換え頻度は4回である。
一般的なツイストボールを表示媒体とする画像表示装置では、表示を書き換える期間(以下、書き込み期間という)と表示を保持する期間(以下、表示保持期間という)とに応じて電圧の印加を行なう。表示保持期間とは、表示部101の表示を保持する所定の期間である。ここで、セグメント型タイマーの表示が維持される表示画素の所定の表示保持期間は1秒桁の表示の期間、即ち1秒である。所定の表示保持期間を超えて表示が連続して保持される場合は、保持される期間の間、表示保持期間が連続して繰り返される。即ち、所定の表示保持期間を超えて表示が連続して保持される場合、その表示が保持される期間は、所定の表示保持期間の整数倍となる。書き込み期間とは、表示保持期間の直前の所定の期間であり、表示部に表示を書き込むための所定の電圧が共通電極と表示電極とに所定の回数印加される。ここで、セグメント型タイマーの場合、表示が書き換わる表示部101の書き込み期間は、1秒桁の表示の期間、即ち1秒である。書き込み期間には、共通電極と表示電極との間に所定の大きさの電位差が生じるように共通電極と表示電極とに電圧を印加し、表示保持期間には、各電極に電圧を印加せずにツイストボールのメモリー性に依存してその表示を維持している。しかしながら、ツイストボールを表示媒体とする画像表示装置をセグメント駆動型のタイマーとして実装した場合、最も頻繁に表示が変更される桁、例えば、図5に示した1秒桁を示すセグメントの一部に滑らかな秒表示ができないという問題があることが判明した。また、表示部の1秒桁を示すセグメントの一部のコントラストが悪化するという問題があることが判明した。また、表示桁毎に電圧印加時間が異なるため、ツイストボールのメモリー性が弱い場合、各桁間で表示ムラがでるという問題も判明した。
本願発明者は、前述した問題の発生を抑制するために検討を進めた結果、書き込み期間においては、共通電極と表示電極との間に所定の大きさの電位差が複数回生じるように、共通電極と表示電極とに所定の電圧を印加し、表示保持期間においても、書き込み期間と同様に、共通電極と表示電極との間に電位差が複数回生じるように、共通電極と表示電極との間に所定の電圧を印加することに想到し、以上に述べた問題を抑制ができることを確認した。以下、本願発明者が想到した本願発明について説明する。尚、以下、「共通電極と表示電極とに所定の電圧を印加して共通電極と表示電極との間に電位差を生じさせる」ことを、「共通電極と表示電極との間にパルスを印加する」と記載する場合がある。
本願発明の画像表示装置においては、表示部101の表示を保持する所定の期間である表示保持期間の単位時間に、表示を保持するための所定のパルスが共通電極204と表示電極214との間に所定の回数、例えばm回(mは、2以上の整数)印加される。ここで、前述のように、画像表示装置がセグメント型タイマーである場合、表示が維持される表示画素の所定の表示保持期間の単位時間は1秒桁の表示の期間、即ち1秒である。一表示保持期間を超えて表示が連続して保持される場合、その表示が保持される期間は、一表示保持期間の整数倍となる。また、表示保持期間の直前の所定の期間である書き込む期間には、表示部101に表示を書き込むための所定のパルスが共通電極204と表示電極214との間に所定の回数、例えば、n回(nは2以上の整数)印加される。ここで、セグメント型タイマーの場合、表示が書き換わる表示部101の書き込み期間は、1秒桁の表示の期間、即ち1秒である。表示部101の表示を保持するための所定のパルスの大きさと表示部101に表示を書き込むための所定のパルスの大きさとは、同じであってもよく、互いに異なってもよい。また、mとnとは同じ数であってもよく、互いに異なる数であってもよい。mとnとが互いに異なる数である場合、例えば、m<nであってもよい。
mとnとが同じ数である場合10秒桁以上を表示するセグメントにおいては、コントラストが良好であり、各桁間で表示ムラのない表示を得ることができる。一方、mとnとが互いに異なる数である場合、例えば、m<nである場合、表示の表示期間が短い1秒桁を表示するセグメントにおいて、白表示又は黒表示の表示に偏りがあるなどの一部のセグメントで良好な表示を得ることができる。
図6は、本発明の画像表示装置100を図5に示したようなセグメント駆動型のタイマーとした場合、白の書き込み期間、黒の書き込み期間、白の表示保持期間及び黒の表示保持期間の1つの単位時間内において表示部101の共通電極204及び表示電極214に印加される電圧の印加パターンの一例を示す図である。前述したように、本発明の画像表示装置100がセグメント駆動型のタイマーであれば、書き込み期間及び表示保持期間の単位時間は、1秒間となる。
本発明の画像表示装置100の表示部101に所望の画像を表示するため、電圧印加部103により、共通電極204と表示電極214との間にパルスを印加する。本発明の一実施形態においては、画像表示装置100の共通電極及び表示電極214に、それぞれ第1の電位、例えば180Vの電圧(Hレベル)、又は、第2の電位、例えば、0V(Lレベル)の電圧が、図6に示すように印加される。但し、共通電極204及び表示電極214に印加する電圧の電位は、0V、又は180Vに限定されず、共通電極214にGND電圧を印加し、表示電極214には、GND電圧に対して表示部101に所望の画像が表示できる程度の電位差を発生させる、極性が互いに反対であり且つ絶対値が等しい電圧を適宜印加してもよい。共通電極204及び表示電極214に印加する電圧の電位は、電圧表示部101の特性、及び、電圧発生回路104及び電印加部103の仕様に合わせて適宜調整することができる。
図6において、パルス幅(電圧の印加時間)は20msとし、1つの書き込み期間又は表示保持期間、即ち、単位時間当たりに共通電極204と表示電極214との間にパルスを24回印加するパターンを示す。但し、パルス幅は、20msに限定されるわけではなく、10ms〜100msの範囲であることが好ましい。パルス幅が10msを下回ると、ツイストボールを回転させるのに十分な電位差の作用が生じず、100msを上回ると、人の目にフリッカが視認されてしまう可能性がある。また、パルスの印加回数も24回に限定されるわけではなく、パルス幅に応じて、適宜調整することが可能である。但し、セグメント型タイマーでは、表示色の書き換えと表示色の維持とに要するパルスの印加が終了する時間は、書き込み期間又は表示保持期間以内である必要がある。パルスの印加期間が書き込み期間又は表示保持期間を超えると、表示の書き換え又は保持が1秒以内に終了しないため、1秒桁では秒表示の遅れが発生して正確な時間表示ができなくなる。印加される1つのパルスのパルス幅及びパルスとパルスとの間の1つのパルス間隔(パルスの休止期間)の和とパルスの印加回数との積が、1つの書き込み期間又は表示保持期間、即ち、単位時間のほとんどの時間、特に50%以上100%以下であることが好ましい。パルスの印加期間が、単位時間の50%未満の場合は、表示の書き換えが不十分となることがあり、100%を越えると上述のように秒表示の遅れが発生する。
表示部101において、あるセグメントに白の表示を行なう場合は、図6に示すように、共通電極204に、白の書き込み期間中の間、即ち、単位時間(1秒)の間、Hレベルである第1の電位(180V)の電圧とLレベルである第2の電位(0V)の電圧とを、Hレベル、Lレベル、・・・の順に20msずつ交互に48回連続して印加し、表示電極214には、第2の電位(0V)の電圧を白の書き込み期間中の間、常に印加する。また、セグメントに黒を表示する場合は、図6に示すように、共通電極204には、黒の書き込み期間中の間、即ち、単位時間(1秒)の間、Hレベルの第1の電位(180V)の電圧とLレベルの第2の電位(0V)の電圧とを、Hレベル、Lレベル、・・・の順に20msずつ交互に48回連続して印加し、表示電極214には、第1の電位(180V)の電圧を黒の書き込み期間中の間、常に印加する。
図7は、白の書き込み期間及び黒の書き込み期間において、Hレベル又はLレベルの電圧を図6に示すパターンに従って共通電極204及び表示電極214に印加した際の、共通電極204と表示電極214との間に印加したパルスの波形を示す。即ち、図6に示した白の書き込み期間及び黒の書き込み期間において、共通電極204と表示電極214との間には、図7に示すようなパルスが20msごとに印加される。ここで、パルスの幅を20msとしたのは、パルス幅が100msを上回る場合、フリッカが生じて視認性が悪くなる虞があるためである。また、白又は黒の書き込み期間に複数のパルスを印加することにより、異なる表示部分に対応したセグメントの表示色を擬似的に同時に書き換えることができるため、違和感のない滑らかな秒表示を実現することができる。
図5に示したようなセグメントにおいて、白の書き込みを行って白を1秒表示した後にさらに白の表示を維持する白の表示保持期間、及び、セグメントに黒の書き込みを行って黒を1秒表示した後にさらに黒の表示を維持する黒の表示保持期間においても、書き込み期間と同様に、共通電極204及び表示電極214にそれぞれ第1の電位(180V)の電圧、及び/又は第2の電位(0V)の電圧を印加する。
例えば、白の書き込みを行った後にさらに白の表示を維持する場合、白の表示保持期間において、図6に示すように、白の書き込み期間と同様に、共通電極には、Hレベルである第1の電位(180V)の電圧とLレベルである2の電位(0V)の電圧とを、Hレベル、Lレベル、・・・の順に20msずつ交互に48回連続して印加し、表示電極214には、第2の電位(0V)の電圧を白の表示保持期間中の間、常に印加する。逆に、黒の書き込みを行った後、さらに黒の表示を維持する場合、黒の表示保持期間において、図6に示すように、黒の書き込み期間と同様に、共通電極にはHレベルの第1の電位(180V)の電圧とLレベルの第2の電位(0V)の電圧とを、Hレベル、Lレベル、・・・の順に20msずつ交互に48回連続して印加し、表示電極214には、第2の電位(0V)の電圧を黒の表示保持期間中の間、常に印加する。
図8(a)は、前述したような、白の書き込みを行った後にさらに白の表示を維持する場合の白の書き込み期間及び白の表示保持期間において、共通電極204と表示電極214との間に印加されたパルスの波形図である。図8(b)は、黒の書き込みを行った後にさらに黒の表示を維持する場合の黒の書き込み期間及び黒の表示保持期間において、共通電極204と表示電極214との間に印加されたパルスの波形図である。即ち、白の表示保持期間及び黒の表示保持期間において、図6に示したように、共通電極204と表示電極214とにHレベル及びLレベルの電圧を印加した際、共通電極204と表示電極214との間には、図8(a)及び図8(b)に示すような波形のパルスが20msごとに印加される。なお、以後において、図8(a)に示す、白の表示保持期間において、共通電極204と表示電極214との間に印加されるパルスの波形を保持波形1とし、図8(b)に示す、黒の表示保持期間において、共通電極204と表示電極214との間に印加されるパルスの波形を保持波形1´とする。
図6、図7、及び図8(a)、(b)に示すように、白の表示保持期間及び黒の表示保持期間において、白の書き込み期間及び黒の書き込み期間中に共通電極204と表示電極214との間に印加するパルスと同じパルスである保持波形1又は保持波形1´のパルスを共通電極204と表示電極214との間に印加すると、セグメント駆動型のタイマーである画像表示装置100の一部のセグメントのコントラストが改善する。以下に、本発明の一実施形態に係る画像表示装置100の表示部101において、書き込み期間に共通電極204と表示電極214との間に印加するパルスと同じパルスを有する保持波形1又は保持波形1´のパルスを、表示保持期間に共通電極204と表示電極214との間に印加した際における、表示部101のセグメントのコントラストの測定例を説明する。
(測定例1)
それぞれ正と負に帯電した黒色と白色の2色に着色された双極性球状粒子であるツイストボールが分散されたシートであるツイストボール層を作製し、一方が一様な透明電極が形成されたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムであり、視認側にARコートが施されたアクリル板が貼付された第1のフィルムと他方が7セグメントの表示電極にパターニングしたアルミ電極が形成されたPETフィルムである第2のフィルムとの間に該ツイストボール層を配置して、第1のフィルムと第2のフィルムとで該ツイストボール層を挟持したツイストボール表示素子に、外部電源より電極間にツイストボールの応答時間である200msよりも長い時間直流電圧を印加して、一定の表示色(例えば黒色)とした。次に、第1フィルム上に形成された共通電極に第1の電位(180V)であるHレベルの第1電圧と第2の電位(0V)であるLレベルの第2電圧とを20msずつ交互に48回連続して印加し、第2のフィルム上に形成された各セグメントの表示電極には第1電圧又は第2電圧を適宜選択して印加し、黒の表示から白の表示、又は白の表示から黒の表示の表示書換えにより時計表示を行なった。ここで、表示電極の領域以外の領域は黒色の背景とし、0から9の数字を白の表示とした。尚、表示書換えがない表示保持期間のセグメントの表示電極についても、書き込み期間と同じように共通電極及び表示電極に第1電圧又は第2電圧を印加して表示の上書きを行なった。測定例1の条件では、書き込み期間のセグメントにおいて、20ms毎に共通電極と表示電極との間にパルスが印加されるように、共通電極及び表示電極に第1電圧及び第2電圧を選択して印加したため、書き込み期間のセグメントの共通電極と表示電極との間に印加されるパルスの波形図は、図7に示したような波形図となった。また、表示保持期間のセグメントの共通電極と表示電極との間に印加されたパルスの波形図は、図8(a)、(b)に示したような保持波形1又は保持波形1´のようになった。尚、使用したツイストボール素子の厚さは約300μmであった。
以上に述べた条件で、図5に示したセグメント駆動型のタイマーのようにツイストボール表示素子で時計表示を行ったところ、表示の書き換え頻度の少ない10秒桁以上を表示するセグメントにおいて、コントラストの低下のない良好な表示が得られた。
一方、表示書き換えがない表示保持期間中のセグメントの表示電極について、パルスを印加する書き込み期間とは異なり、表示保持期間の間に対応するセグメントの共通電極と表示電極とに印加される電圧の電位差を0Vとしたところ、全ての桁を表示するセグメントにおいて、コントラストが5以下に低下し、桁間および桁内のセグメントの表示で表示ムラが生じた。これは、書き込み期間の後に表示保持期間に移行した直後はツイストボールに蓄積された電荷がすぐには消失しないため、ツイストボールに印加する書き込みの電界とは逆方向の電界が加わり、表示のメモリー性が弱くなったからであると考えられる。
図9は、測定例1の条件で時計表示を行ったツイストボール表示素子において、1時間桁を表示するセグメントの経過時間ごとの白反射率及び黒反射率の測定結果とコントラストの測定結果を示す図である。ここでは、白黒反射濃度計MODELR700(伊原電子工業株式会社)を用いて、白反射率及び黒反射率を測定した。図9を参照すると、表示保持期間のセグメントの表示電極についても、表示書き換えと同様のパルスを印加して表示の上書きを行なったことによって、1時間桁を表示するセグメントにおいて、コントラストが7程度の良好な表示が得られ、17時間が経過してもコントラストの低下がほとんどなかった。1時間桁を含む表示の書き換え頻度の少ない10秒桁以上を表示するセグメントにおいても、1時間桁と同様に良好なコントラストの表示が得られた。また、表示保持期間において、書き込み期間と同様にパルスを印加して表示の上書きを行なったことによって、書き換え頻度の少ない10秒桁以上を表示するセグメントにおいて、各桁間の表示ムラが改善された。
しかしながら、測定例1の条件で時計表示を行ったツイストボール表示素子において、書き換え頻度の多い1秒桁を表示するセグメントのうち、特定の表示電極に対応するセグメントで、表示のコントラストが経時的に低下するという問題が発生した。
図10は、測定例1の条件で時計表示を行ったツイストボール表示素子の1秒桁を表示するセグメントの平面図である。図11は、図10に示した1秒桁を表示するセグメントの各表示電極a〜gにおいて、0乃至9の数字を表示するためにパルスを印加するときの制御及び表示の視認性の結果を示す表である。「○」は表示電極と共通電極との間に白色を表示するパルスを印加し、「●」は表示電極と共通電極との間に黒色を表示するパルスを印加することを表す。
図10に示すように、1秒桁を示すセグメントにおいて、a〜gのそれぞれの符号により示される表示電極が配置されている。例えば、0を表示するためには、表示電極a〜fと共通電極との間に、白色を表示するためのパルスを印加し、表示電極gと共通電極との間に、黒色を表示するためのパルスを印加する。これにより、表示電極gの部分は背景と同化し、表示電極a〜fの部分が全体として数字の0の形状に見える。
しかしながら、図11に示すように、図10における表示電極a及びcに対応するセグメントは、上述した測定例1の条件では、良好な表示特性を得ることができなかった。これは、表示電極a及びcでは、白の表示と黒の表示との表示に偏りがあるためであると考えられる。表示電極a及びcでは、白の表示が連続して表示される際、白の書き込み期間及び白の表示保持期間において、同じ極性のパルスが長時間印加され続けるため、ツイストボールに過剰な電荷が蓄積される。その後、黒の書き込み期間において白の表示保持期間に印加されたパルスとは逆極性のパルスが共通電極と表示電極とに印加されても、逆極性のパルス印加の直後は、逆極性のパルスの電荷と白の表示保持期間でツイストボールに蓄積した過剰な電荷とが互いの電荷を打ち消しあうため、ツイストボールは、黒の書き込みのためのパルスの印加から遅れて回転を始めることになる。そのため、1秒桁の最小の表示期間である単位時間における電圧の印加のみでは、ツイストボールが完全に回転を終えることができなくなり、黒の表示が不完全になると考えられる。図11から分かるように、表示電極a及びcでは、白の表示保持期間が連続した後の黒の書き込み期間の直後が再度白の書き込み期間となっている。白の表示保持期間が連続した後の黒の書き込み期間の黒の表示が不完全であるため、直後の白の書き込み期間における白の表示も不完全なものとなり、結果として、表示電極a及びcに対応するセグメントのコントラストが悪化してしまったと考えられる。
尚、10秒桁以上の各桁については、上述した測定例1の条件で、1秒桁とは異なり、良好な表示特性を得ることができた。これは、例えば10秒桁では、黒の表示期間が単位時間の10倍であり、黒の表示の書き込み期間(1秒)の後に9秒間の黒の表示保持期間が続くため、黒の表示の不完全さが解消され、これにより直後の白の書き込み期間における黒から白への書き換えが良好に行われるためと考えられる。また、表示保持期間が連続して、ツイストボールに過剰な電荷が溜まることがあっても、直前の表示色とは異なる表示色を表示する際に、少なくとも一つの表示期間において、直前に表示されていた表示色の表示期間に印加されていたパルスとは逆極性のパルスが10秒間印加されるため、ツイストボールの回転に十分な電圧が印加され、ツイストボールが完全に回転することができる。
また、図10における1秒桁の表示電極eでは、3〜7の数字を表示する際、黒の書き込み期間と黒の表示保持期間とが連続した後に白の書き込み期間があり、この白の書き込み期間の直後に再度黒の書き込み期間がある。1秒桁の表示電極eでは、連続した黒の表示保持期間において、同じ極性のパルスが印加され続けたため、ツイストボールの過剰な電荷が蓄積して、白の書き込み期間においてツイストボールの回転が遅くなり、黒の表示から白の表示への書き込みが遅くなることから、表示の尾引きが発生してスムーズな表示書き換えができないという問題も生じた。
本願発明者は、前述したような1秒桁を表示するセグメントで発生した問題を抑制するための検討を進め、表示保持期間において、共通電極と表示電極との間に印加するパルスの印加回数を直前の書き込み期間における共通電極と表示電極との間に印加するパルスの印加回数よりも減らすことに想到した。すなわち、表示保持期間において、共通電極と表示電極との間で電位差の発生する回数を、書き込み期間よりも減少させることに想到した。その結果、以上に述べた1秒桁を表示するセグメントで発生した問題を抑制ができることを確認した。以下、説明する。
図12は、本発明の画像表示装置100を図5に示したようなセグメント駆動型のタイマーとした場合、白の表示保持期間及び黒の表示保持期間の1つの単位時間において表示部101の共通電極204及び表示電極214に印加される電圧の印加パターンの一例を示す図である。図12において、各電圧の印加時間は20msとするが、各電圧の印加時間は、20msに限定されるわけではなく、10ms〜100msの範囲であることが好ましい。但し、印加される1つのパルスのパルス幅及びパルスとパルスとの間の1つのパルス間隔(パルスの休止期間)の和とパルスの印加回数との積が単位時間(1秒)を越えないように、電圧パルス幅又はパルスの印加回数を選択する。パルスの印加期間が単位時間を越えると、タイマーによる1秒の表示期間が1秒を超えてしまい、1秒桁では秒表示の遅れが生じるためである。
本発明の画像表示装置100の共通電極204及び表示電極214には、それぞれ第1の電位、例えば180Vの電圧(Hレベル)、又は、第2の電位、例えば、0V(Lレベル)の電圧が、図12に示すように印加される。但し、共通電極204及び表示電極214に印加する電圧の電位は、0V、又は180Vに限定されず、共通電極214にGND電圧を印加し、表示電極214には、GND電圧に対して表示部101に所望の画像が表示できる程度の電位差を発生させる、極性が互いに反対であり且つ絶対値が等しい電圧を適宜印加してもよい。共通電極204及び表示電極214に印加する電圧の電位は、電圧表示部101の特性、及び、電圧発生回路104及び電印加部103の仕様に合わせて適宜調整することができる。
図12を参照すると、白の表示保持期間において、共通電極204には、Hレベルである第1の電位(180V)の電圧とLレベルである第2の電位(0V)の電圧とを、Hレベル、Lレベル、・・・の順に20msずつ交互に48回連続して印加し、表示電極214には、Lレベルである第2の電位(0V)の電圧とHレベルである第1の電位(180V)の電圧とを、Lレベル、Lレベル、Hレベル、Lレベル、・・・の順に20msずつ48回連続して印加する。尚、白の表示保持期間の直前の白の書き込み期間では、図6に示した白の書き込み期間と同様に、共通電極204には、Hレベルである第1の電位(180V)の電圧とLレベルである第2の電位(0V)の電圧とを、Hレベル、Lレベル、・・・の順に20msずつ交互に48回連続して印加し、表示電極214には、第2の電位(0V)の電圧を白の書き込み期間中の間、常に印加する。
一方、黒の表示保持期間において、共通電極204には、Hレベルの第1の電位(180V)の電圧とLレベルの第2の電位(0V)の電圧とを、Hレベル、Lレベル、・・・の順に20msずつ交互に48回連続して印加し、表示電極214には、Hレベルの第1の電位(180V)の電圧とLレベルの第2の電位(0V)の電圧とを、Hレベル、Hレベル、Lレベル、Hレベル、・・・の順に20msずつ48回連続して印加する。尚、黒の表示保持期間の直前の黒の書き込み期間では、図6に示した黒の書き込み期間と同様に、共通電極204には、Hレベルである第1の電位(180V)の電圧とLレベルである第2の電位(0V)の電圧とを、Hレベル、Lレベル、・・・の順に20msずつ交互に48回連続して印加し、表示電極214には、第1の電位(180V)の電圧を黒の書き込み期間中の間、常に印加する。
図13(a)は、セグメントに白の書き込みを行った後にさらに白の表示を維持する白の表示保持期間において、図12に示したように共通電極204と表示電極214とにHレベル及びLレベルの電圧を印加した際の、共通電極204と表示電極214との間に印加したパルスの波形図である。即ち、白の表示保持期間において、図12に示したように、共通電極204と表示電極214とにHレベル及びLレベルの電圧をそれぞれ印加した際、共通電極204と表示電極214との間には、図13(a)に示すような波形のパルスが60msごとに印加される。図13(a)に示す白の表示保持期間において、共通電極204と表示電極214との間に印加されるパルスの波形を保持波形3とする。「保持波形3」の「3」は、パルス間隔、即ち、共通電極204と表示電極214との間に電位差が発生しないパルスの休止期間が、パルス幅、即ち、共通電極204と表示電極214との間に電位差が発生している期間の長さの3倍となっていることを表す。尚、図13(a)の白の書き込み期間において、共通電極204と表示電極214との間に印加されるパルスの波形は、図7に示した白の書き込み期間のパルスと同じである。
図13(b)は、セグメントに黒の書き込みを行った後にさらに黒の表示を維持する黒の表示保持期間において、図12に示したように共通電極204と表示電極214とにHレベル及びLレベルの電圧を印加した際の、共通電極204と表示電極214との間に印加したパルスの波形図である。即ち、黒の表示保持期間において、図12に示したように、共通電極204と表示電極21とにHレベル及びLレベルの電圧をそれぞれ印加した際、共通電極204と表示電極214との間には、図13(b)に示すような波形のパルスが60msごとに印加される。図13(b)に示す、黒の表示保持期間において、共通電極204と表示電極214との間に印加されるパルスの波形を保持波形3´とする。「保持波形3´」の「3」についても、パルス間隔が、パルス幅の3倍となっていることを表す。尚、図13(b)の黒の書き込み期間において、共通電極204と表示電極214との間に印加されるパルスの波形は、図7に示した黒の書き込み期間のパルスと同じである。
図13(a)では、白の表示保持期間において、60msおきに共通電極204と表示電極214との間にパルスが印加される保持波形3のパルスを示したが、本発明はこれに限定されない。図14(a)に示す保持波形4のように、80msおきに共通電極204と表示電極214との間にパルスが印加されるように、共通電極204と表示電極214とにセグメントの表示に適切な電圧をそれぞれ印加してもよく、図14(b)に示す保持波形5のように、100msおきに共通電極204と表示電極214との間にパルスが印加されるように、共通電極204と表示電極214とにセグメントの表示に適切な電圧を印加してもよい。尚、「保持波形4」の「4」は、パルス間隔が、パルス幅の4倍となっていることを表し、「保持波形5」の「5」は、パルス間隔が、パルス幅の5倍となっていることを表す。
図示はしないが、黒の表示保持期間において、80msおきに共通電極204と表示電極214との間に電位差が生じるように共通電極204と表示電極214とに印加する電圧を制御する場合、黒の表示保持期間において、共通電極204と表示電極214との間には、図13(b)に示したような極性のパルスが、図13(b)とは異なり80msごとに印加される。また、黒の表示保持期間において、100msおきに共通電極204と表示電極214との間に電位差が生じるように共通電極204と表示電極214とに印加する電圧を制御する場合、黒の表示保持期間において、共通電極204と表示電極214との間には、図13(b)に示したような極性のパルスが、図13(b)とは異なり100msごとに印加される。
図12、図13(a)、(b)、及び図14(a)、(b)に示すように、白の表示保持期間及び黒の表示保持期間において、白の書き込み期間及び黒の書き込み期間中に共通電極204と表示電極214との間に印加するパルスのパルス間隔、即ち、表示電極と共通電極とに電位差が略発生しない期間の時間長とは異なるパルス間隔を有するパルスを共通電極204と表示電極214との間に印加すると、セグメント駆動型のタイマーである画像表示装置100の一部のセグメントのコントラストが改善する。以下に、本発明の画像表示装置100の表示部101において、書き込み期間に共通電極204と表示電極214との間に印加するパルスのパルス間隔とは異なるパルス間隔を有するパルスを、表示保持期間に共通電極204と表示電極214との間に印加した際における、表示部101のセグメントのコントラストの測定例を説明する。
(測定例2)
測定例2では、測定例1と同様に、表示書き換えがない表示保持期間のセグメントの表示電極について、表示書き換えと同じ電位の電圧を印加して表示の上書きを行なった。測定例2では、表示保持期間のセグメントにおいて、60ms毎に共通電極と表示電極との間に電位差が生じるように、表示保持期間のセグメントの共通電極及び表示電極に第1の電位(180V)でHレベルの第1電圧又は第2の電位(0V)でLレベルの第2電圧を適宜選択して20msずつ連続して印加したこと以外は、測定例1と同じ条件でツイストボール表示素子を用いた時計表示を行った。測定例2の条件では、表示保持期間のセグメントの共通電極と表示電極との間に印加されるパルスの波形図は、例えば、図13(a)、(b)に示したような保持波形3及び保持波形3´になる。
(測定例3)
測定例3では、測定例1と同様に、表示書き換えがない表示保持期間のセグメントの表示電極について、表示書き換えと同じ電位の電圧を印加して表示の上書きを行なった。測定例3では、表示保持期間のセグメントにおいて、80ms毎に共通電極と表示電極との間に電位差が生じるように、表示保持期間のセグメントの共通電極及び表示電極に第1電圧又は第2電圧を適宜選択して印加したこと以外は、測定例1又は測定例2と同じ条件でツイストボール表示素子を用いた時計表示を行った。測定例3の条件では、例えば、白の表示保持期間のセグメントの共通電極と表示電極との間に印加されるパルスの波形図は、図14(a)に示したような保持波形4になる。
(測定例4)
測定例4では、測定例1と同様に、表示書き換えがない表示保持期間のセグメントの表示電極について、表示書き換えと同じの電位の電圧を印加して表示の上書きを行なった。測定例4では、表示保持期間のセグメントにおいて、100ms毎に共通電極と表示電極との間に電位差が生じるように、表示保持期間のセグメントの共通電極及び表示電極に第1電圧又は第2電圧を適宜選択して印加したこと以外は、測定例1、測定例2又は測定例3と同じ条件でツイストボール表示素子を用いた時計表示を行った。測定例4の条件では、例えば、白の表示保持期間のセグメントの共通電極と表示電極との間に印加されるパルスの波形図は、図14(b)に示したような保持波形5になる。
以上に述べた測定例2〜測定例4の条件で、ツイストボール表示素子でタイマー表示を行ったところ、表示の書き換え頻度の少ない1秒桁を表示するセグメントにおいて、測定例1の条件下の表示よりも表示書き換えが高速で視認性が良く、コントラストの低下のない良好な表示が得られた。
図15は、前述の測定例1〜測定例4の条件におけるツイストボール表示素子の1秒桁を表示するセグメントにおいて、図10に示した1秒桁の表示電極a、c、eに対応するセグメントの白反射率、黒反射率、及びコントラストを示す。測定例1〜測定例4において、1秒桁の表示は秒単位で切り替わるため、測定は1秒以内に行った。図15に示すコントラストは、1秒桁を表示する表示電極a、b、cに対応するセグメントの白反射率、黒反射率及びコントラストを3回測定した平均値である。図16は、1秒桁を表示する表示電極cに対応するセグメントの白反射率、黒反射率及びコントラストを、測定例1〜測定例4のそれぞれについて、3回測定した際の平均値のグラフである。白反射率及び黒反射率は、白黒反射濃度計MODELR700(伊原電子工業株式会社)を用いて測定した。図15及び図16を参照すると、特に、測定例2の条件下では、測定例1の条件下で問題が生じていた表示電極a、c、eに対応するセグメントの表示が良好になったことが分かる。特に、図16を参照すると、測定例2の条件下で、測定例1の条件下で生じていた表示電極cのセグメントの表示が著しく改良され、良好になったことが分かる。
図15及び図16に示すように、表示電極a、cに対応するセグメントの表示のコントラストは、測定例2の条件、即ち、表示保持期間におけるセグメントの共通電極と表示電極との間に印加されるパルスの波形図が保持波形3のようになるときに最大となった。これは、表示電極a、cに対応するセグメントの表示保持期間において、測定例2の条件下での共通電極と表示電極とに印加した電圧の印加時間、即ち、共通電極と表示電極との間に印加したパルス印加回数が最適であり、ツイストボールに過剰な電荷が蓄積しなかったためだと考えられる。
また、ツイストボール表示素子の1分桁を表示するセグメントにおいて、上述の測定例1及び測定例2の条件下で、図17の3aとして示した表示電極に対応するセグメントの白反射率、黒反射率、及びコントラストを測定した。この測定結果を図18に示す。また、図19は、図18に示した表示電極3aの白反射率、黒反射率、及びコントラストを示すグラフである。測定に際しては、分桁の表示は30分程度の間行った。図18及び図19に示す黒反射率、白反射率及びコントラストは、表示電極3aの黒反射率、白反射率及びコントラストを3回測定した際の平均値である。尚、白反射率及び黒反射率は、白黒反射濃度計MODELR700(伊原電子工業株式会社)を用いて測定した。
図18及び図19を参照すると、秒桁の場合とは異なり、測定例2、即ち、表示保持期間のセグメントの共通電極と表示電極との間に保持波形3のパルスが印加される場合の方が、保持波形1のパルスが印加される場合よりもコントラストが低くなった。これは、1秒桁を表示するセグメントよりも1分桁のセグメントの表示書き換え周期が著しく長くなるために、共通電極と表示電極との間に電位差が生じない期間が長くなると、即ち、共通電極と表示電極との間に印加されるパルスの印加回数が減少すると、表示保持期間における電圧印加時間が減り、表示保持期間中にツイストボールのメモリー性が弱まり、ツイストボールが回転して反射率が減衰しまうことが原因であると考えられる。
前述したとおり、秒桁を表示する特定のセグメント(例えば、表示電極a、c、eに対応するセグメント)と書き換え頻度が秒桁よりも少ない他の桁を表示するセグメントとでは、表示保持期間において、共通電極と表示電極とに印加する電圧の好ましい印加時間、即ち、共通電極と表示電極との間に印加するパルスの好ましい印加回数が異なる場合がある。したがって、表示保持期間におけるパルスの印加回数を、電圧印加制御回路105などで制御することによって、秒桁の該特定のセグメントと書き換え頻度が秒桁よりも少ない他の桁とで別々に調整することで、表示むらのない時計表示が実現できる。
(比較例1)
比較例1では、表示書き換えがない表示保持期間のセグメントの表示電極に対して、共通電極と電位差が生じないように第1電圧又は第2電圧を印加したことを除いて、測定例1と同じ条件でツイストボール表示素子を用いた時計表示を行った。比較例1の条件では、例えば、白の書き込み期間及び白の表示保持期間のセグメントの共通電極と表示電極とに印加されるパルスの波形図は、図20に示すような波形のようになる。
この結果、1秒桁を表示するセグメントの秒表示において、白の表示から黒の表示及び黒の表示から白の表示の書き換えは、ほとんど同時に終了していて滑らかな秒表示が実現できていたものの、表示保持期間では、表示のコントラストが低下し、良好な表示が得られなかった。このとき、1秒桁の表示電極a、cに対応するセグメントの白反射率はほとんど変化しないものの、黒反射率が上昇してコントラストが低下した。例えば、測定例2において表示電極aに対応するセグメントのコントラストが6.7であったのに対し、本比較例1の場合は2.3に低下した。
比較例2では、表示書き換え期間において、共通電極に第1の電位(180V)の電圧と、第2の電位(0V)の電圧とを100msずつ交互に5回連続して印加し、各セグメントに対応する表示電極には第1の電位または第2の電位の電圧を選択して100msずつ印加して黒の表示から白の表示、又は、白の表示から黒の表示の表示書き換えを行ない、且つ、表示書換えがない表示保持期間においても、共通電極と表示電極とに表示書き換え期間と同様に、同一の電位の電圧を100msずつ印加して表示の上書きを行なったことを除いて、測定例1と同じ条件でツイストボール表示素子を用いた時計表示を行った。
この結果、1秒桁を表示するセグメントの秒表示において、白の表示から黒の表示及び黒の表示から白の表示の書き換えは、測定例1乃至測定例4の場合ほど短時間ではないがほぼ同時に終了していて滑らかな秒表示が実現できていたものの、書き換えの最中に白黒のフリッカが生じて視認性が若干低下した。パルス幅が100msよりも大きな場合、例えばパルス幅が150msの場合は、表示書き換えの最中に白黒のフリッカが生じて視認性が著しく低下した。保持表示期間においても、パルス幅が100msより大きな場合は表示のちらつきが生じて良好な表示が得られなかった。表示のちらつきは、100ms以下、好ましくはパルス幅が30ms以下になると目立たなくなった。
上述の測定例1乃至測定例4におけるツイストボール表示素子の視認性及びコントラストの測定結果を参照すると、該ツイストボール表示素子を本発明の画像表示装置100の表示部101として実装する場合、本発明の画像表示装置100において所望の表示を行う際に、同じ表示を一定期間維持する間も、共通電極と表示電極との間に電位差を複数回生成させることによって、即ち、共通電極と表示電極との間にパルスを印加することによって、表示中の画像のコントラストの低下を抑制し、各桁間の表示ムラを低減することが可能となる。