JP6013360B2 - 改良溶媒界面活性剤法を用いるウイルス不活化 - Google Patents

改良溶媒界面活性剤法を用いるウイルス不活化 Download PDF

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Description

本願は2010年12月15日に出願した米国仮特許出願第61/423,512号(この内容は本明細書の一部を構成する)に対する35U.S.C.§119(e)に基づく優先権を主張する。
本明細書はタンパク質製造時のウイルス汚染物の不活化方法に関する。
治療的タンパク質を含有する医薬組成物の使用は、多くの疾患、障害または個体の健康に悪影響を及ぼす病状の治療方法として重要さが増し続けている。医薬組成物に用いられる多くのタンパク質は、典型的には哺乳動物細胞株を用いる組換え体生産、または体液からの精製によって得られる。しかしながら、そのような方法によって製造される治療的タンパク質は、個体の健康に有害な伝染性病原性ウイルスで汚染されているかもしれない。したがって、治療的タンパク質を処理してあらゆる汚染ウイルス活性を除去し、得られる医薬組成物の個体への投与が安全であることを保証することが重要である。
、現在、例えば、熱不活化、溶媒/界面活性剤(S/D)不活化、pH不活化、化学薬品不活化および/または紫外線照射不活化を含む種々の伝染性病原性ウイルスの不活化方法がある。重要なヒトの病原体のほぼすべてが溶媒および界面活性剤による膜破壊に感受性のエンベロープを有するウイルスであるので、S/D不活化が、もちろんおそらく最も広く容認された殺ウイルス法である。さらに、S/D方法は、他の殺ウイルス法に比べて処理される流体の含有物および生物活性をより良好に保存する。例えば、熱、酸性pH、化学薬品および照射を用いる不活化方法は、激烈および/または侵襲性であり、精製する治療的タンパク質を変性または不活化させる傾向があるので、問題がある。
S/D不活化方法では、有機溶媒および界面活性剤を、精製およびインキュベーションするタンパク質を含む流体と混合する。溶媒は、界面活性剤とウイルスを被包する脂質膜の凝集を促進する環境を築き、界面活性剤はこの脂質膜中の分子間の相互作用を破壊する。破壊されたら、エンベロープを有するウイルスはもはや細胞と結合して感染することができず、複製することができない(完全な脂質膜がそのような活性に必須であるため)。より高温度が膜の破壊を促進するので、この不活化は、一般的には20℃を超える温度で行なわれる。例えば、世界保健機関(WHO)のガイドラインに従って用いられる典型的条件は、0.3%のトリ(n-ブチル)ホスフェート(TNBP)および1%のポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)中で24℃で最低6時間インキュベーションするか、または0.3%のTNBPおよび1%のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)中で24℃で最低4時間インキュベーションするものである。例えば、WHO Technical Report, Annex 4 Guidelines on viral inactivation and removal procedures intended to assure the viral safety of human blood plasma products," Series No. 924, p 151-224, (2004)参照。
20℃を超える温度で溶媒/界面活性剤混合物をインキュベーションすることにはいくつかの欠点がある。第1に、より高温度での不活化は、20℃を超える温度に混合物を予備加熱すると全体の処理時間が約2〜約6時間増えるので、時間がかかる。第2に、このより高温度でのインキュベーションは、均一な加熱を促進するのに必要な攪拌と共に、タンパク質凝集物の形成を増強し、活性および/または有用なタンパク質の収率の低下をもたらす。20℃を超える温度への暴露はタンパク質の分解感受性も増加させる。本明細書は、これらの欠点に対処する試料からの伝染性病原性ウイルスを不活化する新規S/D方法を開示する。本明細書に開示する方法は、2時間未満のインキュベーション時間と20℃未満のインキュベーション温度を用いる。インキュベーション時間の減少は、組換え体生産または体液精製を通じて得られるタンパク質の処理および/または製造に必要な全体の時間を減少させる。さらに、時間と温度の両方の減少は、凝集および分解に対する感受性を低下させることによりタンパク質収率の改善をもたらす。
したがって、本明細書の局面は、以下の工程を含む、脂質コート含有ウイルスの不活化方法を開示する:
a)活性を有するタンパク質を含有する流体を得;
b)有機溶媒および界面活性剤を該流体と混合して混合物を得;
c)該混合物を、約120分間以下でインキュベーションする;
ここで、工程(b)および(c)は共に約20℃以下の温度で実施され、
インキュベーション後の混合物は、生存脂質コート含有ウイルスを実質的に含まず;
インキュベーション後のタンパク質は、工程(a)で得られる活性の少なくとも25%の活性を有する。該流体は、細胞溶解物、細胞上清、先の精製工程からの溶出物または体液でありうる。該タンパク質は細胞株を用いる組換え体生産、または体液からの精製によって得ることができる。該有機溶媒は、エーテル、アルコール、またはジアルキルホスフェートまたはトリアルキルホスフェートのようなアルキルホスフェートでありうる。該界面活性剤は、陰イオン界面活性剤または陽イオン界面活性剤、両性イオン性(両性)界面活性剤のようなイオン性界面活性剤、または非イオン性界面活性剤でありうる。該方法は、さらに、工程(c)後に該混合物から溶媒、界面活性剤および/または非生存ウイルスを除去する1工程を含んでいてもいなくてもよい。
本明細書の他の局面は、以下の工程を含む方法から得られる、脂質コート含有ウイルスを実質的に含まないタンパク質を開示する:
a)活性を有するタンパク質を含有する流体を得;
b)有機溶媒および界面活性剤を該流体と混合して混合物を得;
c)該混合物を、約120分間以下でインキュベーションする;
ここで、工程(b)および(c)は共に約20℃以下の温度で実施され、
インキュベーション後の混合物は、生存脂質コート含有ウイルスを実質的に含まず;
インキュベーション後のタンパク質は、工程(a)で得られる活性の少なくとも25%の活性を有する。
本明細書のさらなる他の局面は、以下の工程を含む、脂質コート含有ウイルスの不活化方法を開示する:
a)活性を有する第VIII因子を含有する流体を得;
b)有機溶媒および界面活性剤を該流体と混合して混合物を得;
c)該混合物を、約120分間以下でインキュベーションする;
ここで、工程(b)および(c)は共に約20℃以下の温度で実施され、インキュベーション後の混合物は、生存脂質コート含有ウイルスを実質的に含まず、インキュベーション後の第VIII因子は、工程(a)で得られる活性の少なくとも25%の活性を有する。
本明細書のさらなる他の局面は、以下の工程を含む方法から得られる、脂質コート含有ウイルスを実質的に含まない第VIII因子を開示する:
a)活性を有する第VIII因子を含有する流体を得;
b)有機溶媒および界面活性剤を該流体と混合して混合物を得;
c)該混合物を、約120分間以下でインキュベーションする;
ここで、工程(b)および(c)は共に約20℃以下の温度で実施され、
インキュベーション後の混合物は、生存脂質コート含有ウイルスを実質的に含まず;
インキュベーション後の第VIII因子は、工程(a)で得られる活性の少なくとも25%の活性を有する。
本明細書のある局面は、脂質コート含有ウイルスを開示する。ビリオンとして知られる完全なウイルス粒子は、カプシドと呼ばれるタンパク質の保護膜で取り囲まれた核酸(DNAまたはRNA)からなる。ウイルスは、エンベロープを持たないウイルスとエンベロープを有するウイルスに分類することができる。本明細書で用いている用語「脂質コート含有ウイルス」は、脂質を含有する膜またはエンベロープを含むあらゆるウイルス、例えばエンベロープウイルスを表す。エンベロープを有するウイルスは、カプシッドがリポタンパク質膜またはエンベロープで包まれている。このエンベロープは、宿主細胞表面からウイルスの「芽(buds)」として宿主細胞から誘導され、ほとんどがウイルスゲノムによってコードされていない脂質からなる。エンベロープは、標的細胞に結合し、侵入するための分子決定基を保持し、エンベロープを有するウイルスの感染力に不可欠であるが、薬剤耐性または抗原性変化を起こしにくい。エンベロープを有するウイルスの大きさは約45〜55nmから約120〜200nmの範囲である。哺乳動物細胞を感染させることができる脂質コート含有ウイルスには、ヘルペスウイルス科のウイルス、ポックスウイルス科のウイルスまたはヘパドナウイルス科のウイルスのようなDNAウイルス;フラビウイルス科のウイルス、トガウイルス科のウイルス、コロナウイルス科のウイルス、デルタウイルスウイルス、オルソミクソウイルス科のウイルス、パラミクソウイルス科のウイルス、ラブドウイルス科のウイルス、ブニヤウイルス科のウイルスまたはフィロウイルス科のウイルスのようなRNAウイルス;およびレトロウイルス科のウイルスまたはヘパドナウイルス科のウイルスのような逆転写ウイルスが含まれる。脂質コート含有ウイルスの非限定的例には、ヒト免疫不全ウイルス、シンドビスウイルス、単純ヘルペスウイルス、仮性狂犬病ウイルス、センダイウイルス、水疱性口内炎ウイルス、西ナイルウイルス、ウシウイルス性下痢ウイルス、コロナウイルス、ウマ関節炎ウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス、モロニーマウス白血病ウイルスまたはワクシニアウイルスが含まれる。
非エンベロープウイルスは、そのカプシドがリポタンパク質膜やエンベロープを欠くウイルスを表す。非エンベロープウイルスにおいてカプシドは宿主細胞への結合および侵入を仲介する。カプシドは一般的に螺旋形かまたは二十面体である。非エンベロープウイルスの大きさは約18〜26nmから約70〜90nmの範囲である。哺乳動物細胞を感染させることができる非エンベロープウイルスには、例えばパルボウイルス科のウイルス、アデノウイルス科のウイルス、ビルナウイルス科のウイルス、パピローマウイルス科のウイルス、ポリオーマウイルス科のウイルス、ピコルナウイルス科のウイルス、レオウイルス科のウイルス、カルシウイルス科のウイルスが含まれる。
本明細書の局面は、一部、活性を有するタンパク質を含有する流体を開示する。流体は、ウイルスによって汚染する可能性のあるあらゆる流体でありうる。流体の非限定的例には、例えばあらゆる精製、部分精製、または粗液体またはコロイド、例えば先の精製工程からの溶出物;組織および細胞培養抽出物、例えば細胞溶解物、細胞上清、胎盤抽出物または腹水;体液、例えば血液、血漿、血清、ミルク、唾液、精液、または活性を有するタンパク質を含む他のあらゆる流体が含まれる。
活性を有するタンパク質は、あらゆる汚染ウイルスの活性を排泄することが望ましいあらゆる目的タンパク質でありうる。本発明に記載のタンパク質は、例えば血液凝固タンパク質、アルブミン、および/または免疫グロブリンなどの血液タンパク質でありうる。血液タンパク質の非限定的例には、ADAMTS-13、α1抗プラスミン、α2抗プラスミン、抗トロンビン、抗トロンビンIII、癌凝血促進物質、エリスロポエチン、第II因子、第V因子、第VI因子、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子、第XI因子、第XII因子、第XIII因子、フィブロネクチン、フィブリノゲン、ヘパリンコファクターII、高分子量キニノーゲン、筋肉内免疫グロブリン、静脈内免疫グロブリン、プラスミノーゲン、プラスミノーゲン活性化因子阻害因子1、プラスミノーゲン活性化因子阻害因子2、プレカリクレイン、プロテインC、プロテインS、プロテインZ、プロテインZ関連プロテアーゼ阻害剤、組織因子、組織プラスミノーゲン活性化因子、ウロキナーゼまたはフォンビルブラント因子が含まれる。
本明細書に記載のタンパク質は、該タンパク質を天然に発現する生物、ギアタンパク質を発現するように遺伝子操作されたトランスジェニック生物、または該タンパク質を組換え生成する細胞株から得ることができる。生物の非限定的例には、鳥および哺乳動物、例えばマウス、ラット、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ロバ、雌牛、霊長類、およびヒトが含まれる。トランスジェニック生物の非限定的例には、目的タンパク質を発現するために遺伝子操作された本明細書に記載の生物が含まれる。生物またはトランスジェニック生物以来の本明細書に記載のタンパク質は、当該分野で知られた常套的方法を使用して、体液、組織または器官抽出物、または生物由来の他の供給源から得ることができる。例えば、血液タンパク質を得るために、生物またはトランスジェニック生物由来の全血を血清分離チューブに吸い込むことができる。血液を凝固させ、凝固血を遠心分離して、デブリをペレットにする。次に、必要になるまで得られる血清試料(すなわち上清)を等分し、および/または-20℃で保存することができる。血液採取および血清調製のための具体的プロトコルの非限定的例は、例えば、Di Lorenzo and Strasinger、BLOOD COLLECTION IN HEALTHCARE(F.A.Davis会社、2001年);およびDiana Garza & Kathleen Becan-McBride、PHLEBOTOMY HANDBOOK:BLOOD COLLECTION ESSENTIALS (Prentice Hall, 第6版, 2002)に記載されている。
あるいはまた、種々の原核生物および/または真核発現系を、本明細書に記載のタンパク質を組換え的に発現させるために用いることもできる。発現系は、限定されるものではないが、誘導性発現、非誘導性発現、構成的発現、組織特異的発現、細胞特異的発現、ウイルス介在性発現、安定に統合された発現、および一時的発現を含む種々の特性のうちのいずれかを含むことができる。そのような発現系の製造および使用方法は、当分野において知られている。
一般的には、目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを発現ベクター中にクローニングする。原核生物発現ベクターは、典型的には、複製起点、適切なプロモーターおよび/またはエンハンサーエレメント、およびリボソーム結合、ポリアデニル化、転写終止に必要な部位、および5'隣接非転写配列、および他の非転写遺伝子エレメントも含む。典型的な原核性ベクターは、例えばバクテリオファージT7プロモーターのようなプロモーターを用いるpETおよびpRSETを含む。真核発現ベクターは、典型的には、複製起点、適切なプロモーターおよび/またはエンハンサーエレメント、およびリボソーム結合、ポリアデニル化、スプライシング、転写終止に必要な部位、および5'隣接非転写配列、および他の非転写遺伝子エレメントも含む。典型的な酵母ベクターには、例えばAOX1、AUG1、GAP、およびGAL1などのプロモーターを用いるpAO、pMET、pPIC、pPICZおよびpYESが含まれる。典型的な昆虫ベクターには、例えばPH、p10、MT、Ac5、OpIE2、gp64、およびpolhなどのプロモーターを用いるpAc5、pBAC、pIB、pMIB、pMTが含まれる。典型的な哺乳類ベクターには、例えばβ-カゼイン、βラクトグロブリン、ホエイ酸プロモーター、HSVチミジンキナーゼ、初期および後期シミアンウイルス40(SV40)、レトロウイルス由来のLTR、およびマウスメタロチオネイン-1などのプロモーターを用いるpBPV、pCMV、pCMVTNT、pDNA、pDisplay、pMSG、pOG44、pQBI25、pRc/RSV、pSECTag、pSECTag2、pSG、pSV2cat、pSVK3、pSVL、pUCIG-MET、pVAX1、pWLneoおよびpXT1が含まれる。選択可能なマーカーにはアンピシリン、クロラムフェニコールトランスフェラーゼ、カナマイシン、ネオマイシンおよびテトラサイクリンが含まれる。適切な発現ベクターは当分野で知られており市販されている。
両立するベクターを表わすことができる細胞、原核細胞、真核細胞、および原核生物および真核細胞から誘導された細胞株が含まれる。原核生物株の非限定的例には、例えば、Escherichia coli、Bacillus subtilis、Bacillus licheniformis、Bacteroides fragilis、Clostridia perfringens、Clostridia difficle、Caulobacter crescentus、Lactococcus lactis、Methylobacterium extorquens、Neisseria meningirulls、Neisseria meningitidis、Pseudomonas fluorescens、およびSalmonella typhimurium由来のものが含まれる。酵母株の非限定的例には、例えばPichia pastoris、Pichia methanolica、Pichia angusta、Schizosaccharomyces pombe、Saccharomyces cerevisiae、およびYarrowia lipolytica由来のものが含まれる。植物細胞、および植物由来細胞株には、例えばZea maysなどの単子葉植物種、および例えばArabidopsis thaliana、Triticum aestivum、Lemna gibba、およびLemna minorなどの双子葉植物種由来の細胞が含まれる。昆虫細胞、および昆虫から誘導された細胞株には、例えばSpodoptera frugiperda、Trichoplusia ni、Drosophila melanogaster、およびManduca sexta由来の細胞が含まれる。昆虫細胞株の非限定的例には、High-Five, KC, Schneider's Drosophila株2(S2)、SF9およびSF21細胞株が含まれる。哺乳動物細胞および哺乳動物細胞由来の細胞株には、例えばマウス、ラット、ハムスター、ブタ、ウシ、ウマ、霊長類およびヒト由来の細胞が含まれる。哺乳動物細胞株の非限定的例には、1A3、3T3、6E6、10T1/2、APRT、BALB/3T3、BE(2)-C、BHK、BT、C6、C127、CHO、CHP3、COS-1、COS-7、CPAE、ESK-4、FB2、GH1、GH3、HeLa、HEK-293、HepG2、HL-60、IMR-32、L2、LLC-PK1、L-M、MCF-7、NB4、NBL-6、NCTC、Neuro 2A、NIE-115、NG108-15、NIH3T3、PC12、PK15、SBAC、SH-SY5Y、SK-Hep、SK-N-DZ、SK-N-F1、SK-N-SH、ST、SW-13、およびVV-1細胞株が含まれる。細胞株は、American Type Culture Collection、European Collection of Cell Cultures、および/またはGerman Collection of Microorganisms and Cell Culturesから得ることができる。
生物、トランスジェニック生物、または細胞培養系から最初に収集し、次いで本明細書に記載のタンパク質はタンパク質精製工程にかけることができる。一般的には、タンパク質精製には、より濃縮形でのタンパク質の回収、不純物を除去するための中間精製工程、さらなる不純物およびタンパク質変種を除去するためのポリッシング(polishing)が含まれる。例えば、Current Protocols in Protein Science、「Conventional chromatographic Separations」、Ch.8-9(John Wiley & Sons Inc., Hoboken, N.J., 1995)参照。通常の回収方法には、アフィニティークロマトグラフィー、ゲルろ過、沈澱法、および/またはサイズ排除クロマトグラフィーが含まれる。中間またはポリッシング工程として有用な方法には、陽イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィーおよびセラミックヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、逆相HPLC、ゲルろ過、沈殿法、ダイアフィルトレーション、アフィニティークロマトグラフィー、またはクロマトフォーカシングが含まれる。
本明細書に記載の方法は、この精製工程の間にどの時点でも実施することができる。一般的に、本明細書に記載の方法が製造工程の後半ではなく初めに行なわれる場合、より大きな試薬量とより長いインキュベーション時間が必要である。これは、最初は、処理容量がより大きく、生成物の純度が通常低いが、後になると不純物が減少し、生成物はほとんどの場合よりよく特徴づけられ、減少した容量で純度と有効性がより大きく、または、先の精製手順によりウイルス汚染が減少または軽減するためである。
本明細書の局面は、一部、有機溶媒および界面活性剤と本明細書に記載の流体を混合することにより混合物を得ることをもたらす。有機溶媒および界面活性剤と流体の混合時間は、用いる混合時間が有機溶媒および界面活性剤が該流体に充分組み込まれた混合物を生じる限り、あらゆる時間であり得る。それゆえ、該混合は、1)有機溶媒が界面活性剤と脂質コート含有ウイルスを被包するリポタンパク質エンベロープとの接触を促進し、2) 脂質コート含有ウイルスのリポタンパク質膜の分子間の相互作用を破壊することを保証するべきである。この態様の局面において、有機溶媒と界面活性剤の混合時間は、例えば1分間以下、5分間以下、または10分間以下である。この態様の他の局面において、有機溶媒と界面活性剤の混合時間は、例えば、約1分間〜約5分間、約2分間〜約5分間、約3分間〜約5分間、約1分間〜約10分間、約2分間〜約10分間、約3分間〜約10分間、約4分間〜約10分間、または約5分間〜約10分間である。本明細書に記載のごとく、有機溶媒と界面活性剤の混合は約20℃以下の温度で実施する。
単一の有機溶媒を本明細書に記載の流体と混合するか、または、複数の有機溶媒を本明細書に記載の流体と混合することができる。この態様の局面において、流体は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、または少なくとも5の有機溶媒と混合することができる。有用な有機溶媒は、界面活性剤とウイルスを被包するリポタンパク質膜の接触を促進する環境をもたらす。それゆえ、限定されるものではないが、エーテル、アルコール、ジアルキルホスフェートまたはトリアルキルホスフェートのようなアルキルホスフェートまたはそのあらゆる組み合わせを含む、そのような接触を促進するあらゆる有機溶媒を本明細書に記載の方法に用いることができる。
本明細書に記載の方法に役立つエーテルには、R1およびR2が、独立して酸素または硫黄原子を含むことができるC1-C18アルキルまたはC1-C18アルケニル、好ましくはC1-C18アルキルまたはC1-C18アルケニルである式R1-O-R2を有するものである。エーテルの非限定的例には、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、およびメチルイソブチルエーテルが含まれる。本明細書に記載の方法に役立つアルコールは、C1-C8アルキル基またはC1-C8アルケニル基を有するものが含まれる。アルコールの非限定的例には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、n-ペンタノールおよびイソペンタノールが含まれる。本明細書に記載の方法に役立つアルキルホスフェートには、C1-C18アルキル基またはC1-C18アルケニル基を有するものが含まれる(そのいずれも酸素または硫黄原子を含むことがある)。アルキルホスフェートの非限定的例には、ジアルキルホスフェート、例えばジ-(n-ブチル)ホスフェート、ジ-(t-ブチル)ホスフェート、ジ-(n-ヘキシル)ホスフェート、ジ-(2-エチルヘキシル)ホスフェート、ジ-(n-デシル)ホスフェート、またはエチルジ(n-ブチル)ホスフェート;およびトリアルキルホスフェート、例えば(トリ-(n-ブチル)ホスフェート、トリ-(t-ブチル)ホスフェート、トリ-(n-ヘキシル)ホスフェート、トリ-(2-エチルヘキシル)ホスフェートまたはトリ(n-デシル)ホスフェートが含まれる。本明細書に記載の方法に役立つ有機溶媒の他の非限定的例は、例えばWinslow, et al., Methods and Compositions for Simultaneously Isolating Hemoglobin from Red Blood Cells and Inactivating Viruses, U.S. 2008/0138790にみることができる(この内容は本明細書の一部を構成する)。
有機溶媒の濃度は、用いる濃度が界面活性剤と脂質コート含有ウイルスのリポタンパク質膜の間の凝集を促進するのに十分であるかぎり、あらゆる濃度を用いてよい。この態様の局面において、該界面活性剤は、例えば以下の最終濃度で用いられる:約0.01%(v/v)、約0.05%(v/v)、約0.075%(v/v)、約0.1%(v/v)、約0.2%(v/v)、約0.3%(v/v)、約0.4%(v/v)、約0.5%(v/v)、約0.6%(v/v)、約0.7%(v/v)、約0.8%(v/v)、約0.9%(v/v)、または約1.0%(v/v)。この態様の他の局面において、該界面活性剤は例えば以下の最終濃度で用いられる:少なくとも0.01%(v/v)、少なくとも0.05%(v/v)、少なくとも0.075%(v/v)、少なくとも0.1%(v/v)、少なくとも0.25%(v/v)、少なくとも0.5%(v/v)、少なくとも0.75%(v/v)、または少なくとも1.0%(v/v)。この態様の他の局面において、該界面活性剤は例えば以下の最終濃度で用いられる:約0.1%(v/v)〜約0.5%(v/v)、約0.1%(v/v)〜約0.75%(v/v)、約0.1%(v/v)〜約1.0%(v/v)、約0.2%(v/v)〜約0.5%(v/v)、約0.2%(v/v)、約0.2%(v/v)、約0.5%(v/v)〜約0.75%(v/v)〜約1.0%(v/v)〜約0.75%(v/v)、または約0.5%(v/v)〜約1.0%(v/v)。
界面活性剤は、液体の表面張力を低下させて分散しやすくさせ、2液体間または液体と固体間の界面張力を低下させる化合物である。単一の界面活性剤を本明細書に記載の流体と混合するか、または複数の界面活性剤を本明細書に記載の流体と混合することができる。この態様の局面において、流体を、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、または少なくとも5の界面活性剤と混合することができる。有用な界面活性剤は、脂質コート含有ウイルスのリポタンパク質膜中の分子間の相互作用を破壊する。したがって、そのような破壊を促進するあらゆる界面活性剤を本明細書に記載の方法に用いることができ、それには、限定されるものではないが、イオン性界面活性剤、両性イオン性(両性)界面活性剤、非イオン性界面活性剤またはそのあらゆる組み合わせが含まれる。
イオン性界面活性剤には、不変(サルフェート、スルホネート、ホスフェート)陰イオンまたはpH依存性(カルボン酸塩)陰イオンに基づくアニオン界面活性剤が含まれる。
アニオン界面活性剤には、限定されるものではないが以下のものが含まれる:ラウリル硫酸アンモニウムおよびラウリル硫酸ナトリウム(SDS)のようなアルキルサルフェート;ラウレス硫酸ナトリウムおよびミレス硫酸ナトリウムのようなアルキルエーテルサルフェート;ジオクチルナトリウムスルホサクシネートのようなドクセート;パーフルオロオクタンスルホネート(PFOS)およびパーフルオロブタンスルホネートのようなスルホネートフルオロ界面活性剤;アルキルベンゼンスルホネート;アルキルアリールエーテルホスフェート;アルキルエーテルホスフェート;アルキルカルボキシレート例えば脂肪酸塩およびステアリン酸ナトリウム;ラウロイルサルコシンナトリウム;およびパーフルオロノナノエートおよびパーフルオロオクタノエートのようなカルボキシレートフルオロ界面活性剤。
イオン性界面活性剤には、不変陽イオンまたはpH依存性陽イオンに基づく陽イオン界面活性剤が含まれる。陽イオン界面活性剤には、限定されるものではないが以下のものが含まれる:セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)およびセチルトリメチルアンモニウムクロリド(CTAC)のようなアルキルトリメチルアンモニウム塩;塩化セチルピリジウム(CPC);ポリエトキシレート化獣脂アミン(POEA);塩化ベンザルコニウム(BAC);塩化ベンゼトニウム(BZT);5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン;ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド;およびジオクタデシルジメチルアンモニウムブロミド(DODAB)、およびpH依存性第一級、第二級、または第三級アミン、例えば第一級アミンがpH<10で正に荷電されるか、第二級アミンがpH<4で荷電されるようになる界面活性剤、例えばオクテニジン2塩酸塩。
両性イオン性界面活性剤は、スルホネート、カルボン酸塩、またはホスフェートを有する、第一級、第二級、または第三級アミン、または第四アンモニウム陽イオンに基づく。両性イオン性界面活性剤には、限定されるものではないが、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート(CHAPS)が含まれる;スルタイン、例えばコカミドプロピルヒドロキシスルタイン;ベタイン、例えばコカミドプロピルベタイン;またはレシチン。
非イオン性界面活性剤は、変性作用が少なく、タンパク質間相互作用を保持したまま、膜タンパク質と脂質を可溶化するのに有用である。界面活性剤の非限定的例には以下のものが含まれる:ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、例えば、ポリソルベート20ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)20)、ポリソルベート40ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)40)、ポリソルベート60ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)60)、ポリソルベート61ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)61)、ポリソルベート65ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)65)、ポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)およびポリソルベート81ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)81);ポロキサマー(ポリエチレン-ポリエチレンコポリマー)、例えばポロキサマー124(PLURONIC(登録商標)L44)、ポロキサマー181(PLURONIC(登録商標)L61)、ポロキサマー182(PLURONIC(登録商標)L62)、ポロキサマー184(PLURONIC(登録商標)L64)、ポロキサマー188(PLURONIC(登録商標)F68)、ポロキサマー237(PLURONIC(登録商標)F87)、ポロキサマー338(PLURONIC(登録商標)L108)、ポロキサマー407(PLURONIC(登録商標)F127);アルキルフェノールポリグリコールエーテル;
ポリオキシエチレングリコールアルキルアリールエーテル、例えばオクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、BRIJ(登録商標)30およびBRIJ(登録商標)35;2-ドデカオキシエタノール(LUBROL(登録商標)-PX);ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル、例えばポリオキシエチレン(4-5)p-t-オクチルフェノール(TRITON(登録商標)X-45)およびポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100);ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル、例えばノノキシノール-9;フェノキシポリエトキシルエタノール、例えばノニルフェノキシポリエトキシルエタノールおよびオクチルフェノキシポリエトキシルエタノール;グルコシドアルキルエーテル、例えばオクチルグルコピラノシド;マルトシドアルキルエーテル、例えばドデシルマルトピラノシド;チオグルコシドアルキルエーテル、例えばヘプチルチオグルコピラノシド;ジギトニン;グリセロールアルキルエステル、例えばラウリン酸グリセリル;アルキルアリールポリエーテルサルフェート;アルコールスルホネート;ソルビタンアルキルエステル;コカミドエタノールアミン、例えばコカミドモノエタノールアミンおよびコカミドジエタノールアミン;スクロースモノラウレート;ドデシルジメチルアミンオキシド、およびコール酸ナトリウム。本明細書に記載の方法に有用な界面活性剤の他の非限定的例は、Winslow, et al., Methods and Compositions for Simultaneously Isolating Hemoglobin from Red Blood Cells and Inactivating Viruses、U.S. 2008/0138790;Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems (Howard C. Ansel et al.編, Lippincott Williams & Wilkins Publishers, 7th ed. 1999);Remington: The Science and Practice of Pharmacy (Alfonso R. Gennaro ed., Lippincott, Williams & Wilkins, 20th ed. 2000);Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics (Joel G. Hardman et al.編, McGraw-Hill Professional, 第10版 2001);およびHandbook of Pharmaceutical Excipients (Raymond C. Rowe et al., APhA Publications, 第4版 2003)(これらの内容は本明細書の一部を構成する)にみることができる。
界面活性剤の濃度は、用いる濃度が脂質コート含有ウイルスのリポタンパク質膜の分子間の相互作用を破壊し、ウイルスを不活化するのに十分であるかぎり、あらゆる濃度を用いてよい。この態様の局面において、該界面活性剤は、例えば以下の濃度で用いられる:約0.01%(v/v)、約0.05%(v/v)、約0.075%(v/v)、約0.1%(v/v)、約0.2%(v/v)、約0.3%(v/v)、約0.4%(v/v)、約0.5%(v/v)、約0.6%(v/v)、約0.7%(v/v)、約0.8%(v/v)、約0.9%(v/v)、約1.0%(v/v)、約2.0%(v/v)、約3.0%(v/v)、約4.0%(v/v)、約5.0%(v/v)、約6.0%(v/v)、約7.0%(v/v)、約8.0%(v/v)、約9.0%(v/v)、または約10.0%(v/v)。この態様の他の局面において、該界面活性剤は例えば以下の濃度で用いられる:少なくとも0.01%(v/v)、少なくとも0.05%(v/v)、少なくとも0.075%(v/v)、少なくとも0.1%(v/v)、少なくとも0.25%(v/v)、少なくとも0.5%(v/v)、少なくとも0.75%(v/v)、
少なくとも1.0%(v/v)、少なくとも2.5%(v/v)、少なくとも5.0%(v/v)、少なくとも7.5%(v/v)、または少なくとも10.0%(v/v)。この態様のさらに他の局面において、該界面活性剤は例えば以下の濃度で用いられる:約0.1%〜約0.5%(v/v)、約0.1%〜約1.0%(v/v)、約0.2%〜約0.5%(v/v)、約0.2%〜約1.0%(v/v)、約0.2%(v/v)〜約2.0%(v/v)、約0.5%(v/v)〜約1.0%(v/v)、約0.5%(v/v)〜約5.0%(v/v)、または約1.0%〜約10.0%(v/v)。
本明細書に記載の流体は、単一の有機溶媒および複数の界面活性剤、複数の有機溶媒および単一の界面活性剤、または複数の有機溶媒および複数の界面活性剤と混合することができる。典型的には、流体中の有機溶媒および単一の界面活性剤の最終濃度は、有機溶媒の約0.1%(v/v)〜約5%(v/v)および界面活性剤の約0.1%(v/v)〜約10%(v/v)である。複数の界面活性剤を流体と混合する場合、有機溶媒の最終濃度は、約0.1%(v/v)〜約5%(v/v)、1つの界面活性剤の最終濃度は、約0.1%(v/v)〜約10%(v/v)、約0.5%(v/v)〜約5%(v/v)、約0.5%(v/v)〜約1.0%(v/v)、および界面活性剤の残りの最終濃度は、約0.1%(v/v)〜約5%(v/v)、約0.1%(v/v)〜約1.0%(v/v)、または約0.2%(v/v)〜約4%(v/v)である。
この態様の局面において、流体は、トリ(n-ブチル)ホスフェートおよびポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)と、最終濃度が、例えば約0.1%(v/v)〜約1.0%(v/v)トリ(n-ブチル)ホスフェート、および約1.0%(v/v)〜約10.0%(v/v)ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)となるように混合される。この態様の別の局面において、流体は、トリ(n-ブチル)ホスフェートおよびポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)と、最終濃度が、例えば、約0.1%(v/v)〜約1.0%(v/v)のトリ(n-ブチル)ホスフェートおよび約1.0%(v/v)〜約10.0%(v/v)ポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)となるように混合される。
この態様の別の局面において、流体は、トリ(n-ブチル)ホスフェート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)、およびポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)と、最終濃度が、例えば約0.1%(v/v)〜約5.0%(v/v)トリ(n-ブチル)ホスフェート、約0.5%(v/v)〜約10.0%(v/v)ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)、および約0.1%(v/v)〜約5.0%(v/v)ポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)となるように混合される。この態様のさらに別の局面において、流体は、トリ(n-ブチル)ホスフェート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)、およびポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)と、最終濃度が、例えば約0.1%(v/v)〜約0.7%(v/v)トリ(n-ブチル)ホスフェート、約0.6%(v/v)〜約1.4%(v/v)ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)、および約0.1%(v/v)〜約0.7%(v/v)のポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)となるように混合される。この態様のさらに別の局面において、流体は、トリ(n-ブチル)ホスフェート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)およびポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)と、最終濃度が、例えば約0.1%(v/v)〜約0.5%(v/v)トリ(n-ブチル)ホスフェート、約0.7%(v/v)〜約1.3%(v/v)ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)、および約0.1%(v/v)〜約0.5%(v/v)ポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)となるように混合される。
この態様の別の局面において、流体は、トリ(n-ブチル)ホスフェート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)およびポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)と、最終濃度が、例えば約0.2%(v/v)〜約0.5%(v/v)のトリ(n-ブチル)ホスフェート、約0.7%(v/v)〜約1.3%(v/v)ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)、および約0.2%(v/v)〜約0.5%(v/v)ポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)となるように混合される。この態様のさらに別の局面において、流体は、トリ(n-ブチル)ホスフェート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)およびポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)と、最終濃度が、例えば約0.2%(v/v)〜約0.4%(v/v)トリ(n-ブチル)ホスフェート、約0.8%(v/v)〜約1.2%(v/v)ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)、および約0.2%(v/v)〜約0.4%(v/v)ポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)となるように混合される。この態様のさらに別の局面において、流体は、トリ(n-ブチル)ホスフェート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)およびポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)と、最終濃度が、例えば約0.3%(v/v)トリ(n-ブチル)ホスフェート、約1.0%(v/v)ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)、および約0.3%(v/v)ポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)となるように混合される。
流体と有機溶媒および界面活性剤を混合し、次いで、得られた混合物を特定温度で特定の時間インキュベーションする。インキュベーション時間は、インキュベーション後に生存脂質コート含有ウイルスを実質的に含まない混合物をもたらす限り、あらゆる時間を用いることができる。この態様の局面において、流体は、一定時間、例えば約10分間、約20分間、約30分間、約40分間、約50分間、約60分間、約70分間、約80分間、約90分間、約100分間、約110分間、または約120分間インキュベーションされる。この態様の他の局面において、流体は、一定時間、例えば約10分間以下、約20分間以下、約30分間以下、約40分間以下、約50分間以下、約60分間以下、約70分間以下、約80分間以下、約90分間、約100分間以下、約110分間、または高々約120分間インキュベーションされる。この態様のさらに他の局面において、流体は、一定時間、例えば、約10分間〜約60分間、約10分間〜約90分間、約10分間〜約120分間、約30分間〜約60分間、約30分間〜約90分間、約30分間〜約120分間、約60分間〜約90分間、約60分間〜約120分間、または約90分間〜約120分間インキュベーションされる。
本明細書の局面の一部において、流体は、有機溶媒および界面活性剤と約20℃以下の温度で混合され、該混合物は約20℃以下の温度でインキュベーションされる。インキュベーション温度は、用いる温度が温度であるという条件付きで、使用されてもよい、以下、約20℃以下の温度であり、インキュベーション後に、生存脂質コート含有ウイルスを実質的に含まない混合物が得られ、活性を有するタンパク質がインキュベーション後に回収されるかぎり、あらゆる温度を用いることができる。典型的には同一温度でインキュベーションするが、ある温度で流体を有機溶媒および界面活性剤と混合し、該混合物を異なる温度でインキュベーションすることができる。
この態様の局面において、流体を混合し、次いで混合物を例えば以下の温度でインキュベーションする:約2℃、約4℃、約6℃、約8℃、約10℃、約12℃、約14℃、約16℃、約18℃、または約20℃。この態様の他の局面において、流体を混合し、次いで例えば以下の温度でインキュベーションする2℃以下、4℃以下、6℃以下、8℃以下、10℃以下、12℃以下、14℃以下、16℃以下、18℃以下、または20℃以下。この態様のさらに他の局面において、流体を混合し、次いで混合物を例えば以下の温度でインキュベーションする:約0℃〜約2℃、約0℃〜約4℃、約0℃〜約6℃、約0℃〜約8℃、約0℃〜約10℃、約0℃〜約12℃、約0℃〜約14℃、約0℃〜約16℃、約0℃〜約18℃、または約0℃〜約20℃;約2℃〜約4℃、約2℃〜約6℃、約2℃〜約8℃、約2℃〜約10℃、約2℃〜約12℃、約2℃〜約14℃、約2℃〜約16℃、約2℃〜約18℃、または約2℃〜約20℃;約4℃〜約6℃、約8℃、約10℃、約12℃、約14℃、約16℃、約18℃、または約20℃。
ある態様において、本明細書に記載の混合物は、用いるインキュベーション時間と温度が、インキュベーション後に生存脂質コート含有ウイルスを実質的に含まず、活性を有するタンパク質を含む混合物をもたらす限り、約20℃以下のあらゆる温度であらゆる時間インキュベーションすることができる。この態様の局面において、混合物を、約20℃以下の温度で120分間以下の時間、例えば、約20℃以下の温度で90分間以下の時間、約20℃以下の温度で60分間以下の時間、または約20℃以下の温度で30分間以下の時間インキュベーションすることができる。この態様の他の局面において、混合物を、約16℃の温度で120分間以下の時間、約12℃の温度で120分間以下の時間、または約8℃の温度で120分間以下の時間インキュベーションする。この態様の他の局面において、混合物を、約0℃〜20約℃の温度で約10分間〜約120分間、約0℃〜約16℃の温度で約30分間〜約120分間、約0℃〜約12℃の温度で約30分間〜約120分間、約2℃〜約8℃の温度で約30分間〜約120分間インキュベーションする。この態様のさらに他の局面において、混合物を、約2℃〜約8℃の温度で約45分間〜約75分間、約2℃〜約8℃の温度で約60分間、約4℃の温度で約45分間〜約75分間、約4℃の温度で約60分間インキュベーションする。
本明細書の局面は、一部、インキュベーション後に生存脂質コート含有ウイルスを実質的に含まない混合物を提供する。本明細書で用いている用語「脂質コート含有ウイルスを実質的に含まない」は、生存脂質コート含有ウイルスの存在または活性を検出または確認するために使用される手段または方法によって生存脂質コート含有ウイルスが極微量しか検出または確認されず、生存脂質コート含有ウイルスがそのような極微量では人間の健康を害するには不十分であることを意味する。この態様の局面において、インキュベーション後の混合物は、脂質コート含有ウイルスを完全に含まない。用語「脂質コート含有ウイルスを完全に含まない」は、生存脂質コート含有ウイルスの存在または活性を検出または確認するために使用される手段または方法の検出範囲内で生存脂質コート含有ウイルスの存在を検出および確認することができないことを意味する。
生存脂質コート含有ウイルスを実質的に含まないか、完全に含まない流体内に含まれるタンパク質は、該ウイルスが人間の健康を害するには不十分であるので、ヒトに投与するのに安全な医薬組成物を製造するのに用いることができる。
この態様の別の局面において、インキュベーション後の混合物は、1×101 PFU/mL未満の生存脂質コート含有ウイルスを含有する。プラーク形成単位(PFU)は、単位容積当たりのプラークを形成することができるウイルス粒子の数の指標である。
不活性であるか、不完全であり、そうでなければその標的細胞に感染することができないウイルス粒子は、プラークを形成せず、数えることができないので、PFUは、粒子の絶対量の測定というよりむしろ機能的測定である。この態様の他の局面において、インキュベーション後の混合物は、例えば、1×100 PFU/mL未満の生存脂質コート含有ウイルス、1×10-1 PFU/mL未満の生存脂質コート含有ウイルス、1×10-2 PFU/mL未満の生存脂質コート含有ウイルス、または1×10-3 PFU/mL未満の生存脂質コート含有ウイルスを含む。
この態様のさらに別の局面において、インキュベーション後の混合物は、インキュベーション前に生存脂質コート含有ウイルスより低いID50を含有する。ID50は、細胞の標的ポピュレーションの50%を感染させるウイルス量である。不活性または不完全なウイルス粒子はそれらの標的細胞に感染せず、数えられないので、該値は、機能的な測定である。この態様の他の局面において、インキュベーション後の混合物は、例えば、生存脂質コート含有ウイルスのID50より少なくとも10倍低いか、生存脂質コート含有ウイルスのID50より少なくとも100倍低いか、生存脂質コート含有ウイルスのID50より少なくとも200倍低いか、生存脂質コート含有ウイルスのID50より少なくとも300倍低いか、生存脂質コート含有ウイルスのID50より少なくとも400倍低いか、生存脂質コート含有ウイルスのID50より少なくとも500倍低いか、生存脂質コート含有ウイルスのID50より少なくとも600倍低いか、生存脂質コート含有ウイルスのID50より少なくとも700倍低いか、生存脂質コート含有ウイルスのID50より少なくとも800倍低いか、生存脂質コート含有ウイルスのID50より少なくとも900倍低いか、生存脂質コート含有ウイルスのID50より少なくとも1000倍低いID50を含む。
本明細書で用いている用語「ウイルスを不活化する」または「ウイルス不活化」は、ウイルスがもはや細胞に感染し、複製し、増殖することができないプロセス、およびそれ自体でウイルス除去を表す。それゆえ、用語「ウイルス不活化」は、一般的には、感染性ウイルス汚染物を完全に含まない本明細書に記載の流体の製造方法を表す。本明細書に記載の方法を用いるあらゆる程度のウイルス不活化が望ましい。しかしながら、医薬のための厳密な安全性ガイドラインを満たすのに必要なウイルス不活化の程度を達成することが望ましい。これらのガイドラインはWHOによって示され、当業者に周知である。
生存脂質コート含有ウイルスの検出は、生存脂質コート含有ウイルスの存在または活性を定性的または定量的に測定することができるあらゆる技術によって達成することができる。典型的には、細胞培養に基づくアッセイを用いてウイルス力価を決定するが、in vivo感染性試験も用いることができる。ウイルス増幅の検出は、例えば、顕微鏡検査(はっきり目に見える細胞変性効果の場合)、PCRに基づく検出アッセイ、または抗体に基づく検出アッセイによって行うことができる。ある非限定的例は、組織培養感染性用量50(TCID50)アッセイと呼ばれるin vitro伝染性試験である。このアッセイにおいて、流体試料およびその系列希釈を、脂質コート含有ウイルスをアッセイするための宿主として用いることができる細胞を播いた96穴プレートに分注する。接種後、プレートを、ウイルスが宿主細胞中で複製させるのに十分な温度と時間インキュベーションする。インキュベーション後、細胞の感染の兆候、例えば溶解された細胞、細胞変性効果を示す細胞、またはウイルス感染を示す他のあらゆる基準を顕微鏡によって検査する。
により。陽性(ウイルス感染)および陰性(ウイルス感染なし)ウェルのパターンからウイルス力価を計算する。感染陽性兆候を示すいかなるウェルも無ければ、流体が脂質コート含有ウイルスを実質的に含まないことを示す。
別の細胞培養の基づくアッセイはプラーク試験である。該細胞培養層におけるウイルスに誘導された効果は、プラークとして肉眼で目に見えるか、見えるようになる。いかなるプラークもなければ、脂質コート含有ウイルスを実質的に含まない流体であることを示す。
本明細書は、一部、本明細書に記載の有機溶媒および界面活性剤とインキュベーションする前に得られるタンパク質活性の少なくとも25%のタンパク質活性を有する混合物をインキュベーション後にもたらす。この態様の局面において、インキュベーション後の混合物は、インキュベーション前に提供されるタンパク質活性の、例えば約25%(v/v)、約30%(v/v)、約40%(v/v)、約50%(v/v)、約60%(v/v)、約70%(v/v)、約80%(v/v)、約90%(v/v)、約100%(v/v)のタンパク質活性を有する。この態様のさらに他の局面において、インキュベーション後の混合物は、インキュベーション前に提供されるタンパク質活性の、例えば少なくとも30%(v/v)、少なくとも40%(v/v)、少なくとも50%(v/v)、少なくとも60%(v/v)、少なくとも70%(v/v)、少なくとも75%(v/v)、少なくとも80%(v/v)、少なくとも85%(v/v)、少なくとも90%(v/v)、または少なくとも95%のタンパク質活性を有する。この態様のさらに他の局面において、インキュベーション後の混合物は、インキュベーション前に提供されるタンパク質活性の、例えば、約25%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約75%〜約100%、約80%〜約100%、約85%〜約100%、約90%〜約100%、約25%〜約95%、約30%〜約95%、約40%〜約95%、約50%〜約95%、約60%〜約95%、約70%〜約95%、約75%〜約95%、約80%〜約95%、約85%〜約95%、約90%〜約95%、約25%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約75%〜約90%、約80%〜約90%、または約85%〜約90%のタンパク質活性を有する。
本明細書は、一部、インキュベーション後の混合物中に存在するタンパク質活性が、本明細書に記載の有機溶媒および界面活性剤とインキュベーションする前に得られるタンパク質活性の少なくとも25%であるものを提供する。この態様の局面において、インキュベーション後の混合物中のタンパク質活性は、インキュベーション前に得られるタンパク質活性の、例えば約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%である。この態様の他の局面において、インキュベーション後の混合物中のタンパク質活性は、インキュベーション前に得られるタンパク質活性の、例えば少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%である。この態様のさらに他の局面において、インキュベーション後の混合物中のタンパク質活性は、インキュベーション前に得られるタンパク質活性の、例えば、約25%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約75%〜約100%、約80%〜約100%、約85%〜約100%、約90%〜約100%、約25%〜約95%、約30%〜約95%、約40%〜約95%、約50%〜約95%、約60%〜約95%、約70%〜約95%、約75%〜約95%、約80%〜約95%、約85%〜約95%、約90%〜約95%、約25%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約75%〜約90%、約80%〜約90%、または約85%〜約90%である。
タンパク質の活性の検出は、限定されるものではないが、非特異的タンパク質アッセイ、例えば、UV吸収または化学薬品に基づくアッセイ(例えばBradfordアッセイ);または特異的タンパク質アッセイ、例えばin vitroアッセイ、細胞に基づくアッセイ、またはin vivoアッセイを含む、モニターするタンパク質に関連する活性を示す特性を定性的または定量的に測定することができるあらゆるアッセイにより達成することができる。本明細書に記載のタンパク質の活性を検出するのに用いる実際のアッセイは、限定されるものではないが、分析するタンパク質、インキュベーション後の混合物中のタンパク質の量、分析する特性、および当業者の好みを含む因子を考慮に入れて、当業者が決定することができる。
例えば、血液凝固カスケードに基づく発色アッセイを用いて第VIII因子活性を検出することができる。このアッセイにおいて、トロンビンで活性化された第VIII因子は、因子IXaと複合体を形成し、次いでこの複合体は第X因子を活性化する。活性化第X因子活性は、発色基を解放する発色基質の加水分解によってアクセスすることができる、様のp-ニトロ-アニリン(pNA)などの発色基を遊離する発色基質の加水分解により評価することができる。405nmで測定した1分間あたりの吸光度の変化によって決定されたpNA放出の最初の割合(dOD)は、試料中の第Xa因子活性、および第VIII因子活性に比例する。過剰の第IXa因子および第X因子を用いることにより、第X因子の活性化度は、試料中に存在するトロンビンに開裂された第VIII因子の量にのみ比例する。あるいはまた、第IXa因子活性は、第VIII因子および第X因子が過剰であり、第IXa因子活性が律速的であるように条件を変えることにより測定することができる。同様に、第X因子活性は、第VIII因子および第IXa因子が過剰であり、第X因子活性が律速的であるように条件を変えることにより測定することができる。したがって、第IXa因子および第X因子と同様に第VIII因子活性は血液凝固カスケードに基づく発色アッセイを使用して検出することができる。
別の例として、部分活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)を適用する1段階凝固アッセイを用いて第VIII因子活性を検出することができる。このアッセイにおいて、第VIII因子をCaCl2と共に含有する試料を第VIII因子欠損血漿に加えて凝固を促進し、該血漿のAPTT凝固時間に対するこの試料の効果が第VIII因子活性の指標である。未知試料の活性は、観察された第VIII因子活性を既知の第VIII因子活性試料から得られた標準曲線と比較することにより計算する。
この血液凝固アッセイは、分析するタンパク質が欠損している血漿を用いることにより血液凝固カスケード中に含まれるあらゆる他のタンパク質に用いることもできよう。
本明細書は、一部、インキュベーション後に、活性を有するタンパク質のタンパク質凝集物を実質的に含まない混合物を提供する。本明細書で用いる用語「タンパク質凝集物を実質的に含まない」は、タンパク質凝集物の存在または活性を検出または確認するために使用される手段または方法によって、活性を有するタンパク質(目的タンパク質)のタンパク質凝集物を極微量しか検出または確認することができず、そのような極微量のタンパク質凝集物がヒトの健康を害する(例えば、個体の免疫反応を引き起こす)には不十分であることを意味する。この態様の局面において、インキュベーション後の混合物は、活性を有するタンパク質のタンパク質凝集物を完全に含まない。本明細書で用いている用語「タンパク質凝集物を完全に含まない」は、タンパク質凝集物の存在または活性を検出または確認するために使用される手段または方法の検出範囲内では、活性を有するタンパク質(目的タンパク質)のタンパク質凝集物を検出または確認することができないことを意味する。活性を有するタンパク質(目的タンパク質)のタンパク質凝集物を実質的に含まないか、完全に含まない流体は、該タンパク質凝集物がヒトの健康を害するには不十分であるので、ヒトに投与するのに安全な医薬組成物を製造するのに用いることができる。
この態様の局面において、インキュベーション後の混合物は、凝集形の活性を有するタンパク質を、例えば、約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、約1%、約0.9%、約0.8%、約0.7%、約0.6%、約0.5%、約0.4%、約0.3%、約0.2%、約0.1%、約0.09%、約0.08%、約0.07%、約0.06%、約0.05%、約0.04%、約0.03%、約0.02%、または約0.01%未満有する。この態様の他の局面において、インキュベーション後の混合物は、凝集形の活性を有するタンパク質を、例えば、約1%〜約0.01%、0.9%〜約0.01%、0.8%〜約0.01%、0.7%〜約0.01%、0.6%〜約0.01%、0.5%〜約0.01%、0.4%〜約0.01%、0.3%〜約0.01%、0.2%〜約0.01%、または0.1%〜約0.01%未満有する。
タンパク質凝集物の形成の検出は、限定されるものではないが、サイズ排除クロマトグラフィーを含む、モニターする目的タンパク質と関連するタンパク質凝集物の存在または活性を定性的にまたは定量的に測定することができるあらゆるアッセイを、本明細書に記載の非特異的および/または特異タンパク質アッセイと組み合わせて達成することができる。本明細書に記載のタンパク質凝集物を検出するのに用いる実際のアッセイは、限定されるものではないが、分析するタンパク質、インキュベーション後の混合物中に存在するタンパク質の量、分析する特性、および当業者の好みを含む因子を考慮して、当業者が決定することができる。
本明細書に記載の方法は、さらに、本明細書に記載の方法に用いる有機溶媒、界面活性剤、および/または他の試薬または成分をインキュベーション後の混合物から除去する工程を含むことができる。本明細書に記載の方法の完結後に、該有機溶媒、界面活性剤および/または他の試薬または成分を除去することができる。界面活性剤を除去するために通常用いられる方法には、抽出、濾過、ダイアフィルトレーション、バッファー交換、アフィニティ、またはイオン交換クロマトグラフィー、沈殿法または凍結乾燥が含まれる。例えばCurrent Protocols in Protein Science, 「Conventional Chromatographic Separations」、Ch.8-9, (John Wiley & Sons Inc., Hoboken, N.J.)参照のこと(この内容は本明細書の一部を構成する)。除去後に残存する有機溶媒、界面活性剤、および/または他の試薬または成分の量は、ヒトに投与した時に長期または永久的な有害作用を示さない量である。
ある態様において、該有機溶媒、界面活性剤、および/または他の試薬または成分の除去後の混合物は、該有機溶媒、界面活性剤、および/または他の試薬または成分を実質的に含まない。本明細書で用いている用語「有機溶媒、界面活性剤、および/または他の試薬または成分を実質的に含まない」は、有機溶媒、界面活性剤、および/または他の試薬または成分の存在または活性を検出または確認するために使用される手段または方法によって、有機溶媒、界面活性剤、および/または他の試薬または成分が極微量しか検出または確認することができず、該有機溶媒、界面活性剤、および/または他の試薬または成分がヒトに投与したときに長期または永久的な有害作用を示さないことを意味する。この態様のある局面において、有機溶媒、界面活性剤、および/または他の試薬または成分の除去後の混合物は、有機溶媒、界面活性剤、および/または他の試薬または成分が完全に含まない。本明細書で用いている用語「有機溶媒、界面活性剤および/または他の試薬または、成分を完全に含まない」は、有機溶媒、界面活性剤、および/または他の試薬または成分の存在または活性を検出または確認するために使用される手段または方法の検出範囲内では有機溶媒、界面活性剤および/または他の試薬の存在または成分を検出または確認することができないことを意味する。有機溶媒、界面活性剤および/または他の試薬または成分を実質的に含まないか、完全に含まない混合物中に含まれるタンパク質は、有機溶媒、界面活性剤および/または他の試薬または成分の量がヒトの健康を害するには不十分であるため、ヒトに投与するのに安全な医薬組成物を製造するために用いることができる。
この態様の局面において、混合物中に残存する有機溶媒の量は、例えば、約1ppm、約3ppm、約5ppm、約10ppm、約15ppm、約20ppm、約25ppm、約30ppm、または約35ppmである。この態様の他の局面において、混合物中に残存する有機溶媒の量は、例えば、1ppm以下、3ppm以下、5ppm以下、10ppm以下、15ppm以下、20ppm以下、25ppm以下、30ppm以下、または35ppm以下である。この態様のさらに他の局面において、混合物中に残存する有機溶媒の量は、例えば、約1ppm〜約20ppm、約1ppm〜約25ppm、約1ppm〜約30ppm、約1ppm〜約35ppm、約3ppm〜約20ppm、約3ppm〜約25ppm、約3ppm〜約30ppm、または約3ppm〜約35ppmである。
この態様の局面において、混合物中に残存する界面活性剤の量は、例えば約1ppm、約3ppm、約5ppm、約10ppm、約15ppm、約20ppm、約25ppm、約30ppm、約35ppm、約40ppm、約45ppm、約50ppm、約55ppm、約60ppm、約65ppm、約70ppm、約75ppm、約80ppm、約85ppm、約90ppm、または約100ppmである。この態様の他の局面において、混合物中に残存する界面活性剤の量は、例えば、1ppm以下、10ppm以下、20ppm以下、30ppm以下、40ppm以下、50ppm以下、60ppm以下、70ppm以下、80ppm以下、90ppm以下、または100ppm以下である。この態様のさらに他の局面において、混合物中に残存する界面活性剤の量は、例えば、約1ppm〜約25ppm、約1ppm〜約50ppm、約1ppm〜約75ppm、約1ppm〜約100ppm、約5ppm〜約25ppm、約5ppm〜約50ppm、約5ppm〜約75ppm、約5ppm〜約100ppm、約10ppm〜約25ppm、約10ppm〜約50ppm、約10ppm〜約75ppm、または約10ppm〜約100ppmである。
この態様の局面において、混合物中に残存する有機溶媒の量は、35ppm以下であり、混合物中に残存する界面活性剤の量は、100ppm以下である。この態様の別の局面において、混合物中に残存する有機溶媒の量は3ppm以下であり、混合物中に残存する界面活性剤の量は10ppm以下である。混合物中に残存する有機溶媒の量は約1ppm〜約35ppmであり、混合物中に残存する界面活性剤の量は約100ppm〜約1ppmである。
この態様の別の局面において、本明細書に記載の方法は、インキュベーション後に混合物から有機溶媒を除去する工程を含まない。この態様のさらに別の局面において、本明細書に記載の方法は、インキュベーション後に混合物から界面活性剤を除去する工程を含まない。
本明細書に記載の方法は、さらに、インキュベーション後に混合物からウイルスを除去する工程を含みうる。本明細書で用いている用語「ウイルスを除去する」または「ウイルス除去」は、ウイルス粒子を混合物から効果的に抽出し、本明細書に記載の混合物からウイルスを枯渇させる方法を表す。ウイルスは生存ウイルスまたは非活化ウイルスでありうる。除去は、典型的には、サイズ排除クロマトグラフィー、または目的タンパク質がクロマトグラフィーの樹脂に結合する正吸着クロマトグラフィーによって達成される。除去後に残存するウイルスの量は、ヒトに投与したときに長期的または永続的有害作用を実質的に示さない量である。
ある態様において、ウイルスの除去後の混合物は、ウイルスを実質的に含まない。本明細書で用いている用語「ウイルスを実質的に含まない」は、ウイルスの存在または活性を検出または確認するために使用される手段または方法によってウイルスを極微量しか検出または確認することができず、そのような極微量のウイルスではヒトの健康に有害であるために不十分であることを意味する。この態様の局面において、ウイルス除去後の混合物は、ウイルスを完全に含まない。本明細書で用いている用語「ウイルスを完全に含まない」は、ウイルスの存在または活性を検出または確認するために使用される手段または方法の検出範囲内でウイルスの存在を検出し、確認することができないことを意味する。ウイルスを実質的に含まないか、完全に含まない混合物内に含まれるタンパク質は、ウイルスがヒトの健康を害するには不十分であるので、ヒトに投与するのに安全な医薬組成物を作るために用いることができる。
この態様の他の局面において、ウイルス除去後の混合物は、1×101 PFU/mL未満のウイルス、例えば、1×100 PFU/mL未満のウイルス、1×10-1 PFU/mL未満のウイルス、1×10-2 PFU/mLのウイルス、または1×10-3 PFU/mLのウイルス。
この態様のさらに他の局面において、ウイルス除去後の混合物は、ウイルスについてID50より少なく、例えば、ウイルスについてID50より少なくとも10倍少なく、ウイルスについてID50より少なくとも100倍少なく、ウイルスについてID50より少なくとも200倍少なく、ウイルスについてID50より少なくとも300倍少なく、ウイルスについてID50より少なくとも400倍少なく、ウイルスについてID50より少なくとも500倍少なく、ウイルスについてID50より少なくとも600倍少なく、ウイルスについてID50より少なくとも700倍少なく、ウイルスについてID50より少なくとも800倍少なく、ウイルスについてID50より少なくとも900倍少なく、またはウイルスについてID50より少なくとも1000倍少ない。
この態様の別の局面において、本明細書に記載の方法は、インキュベーション後に混合物からウイルスを除去する工程を含まない。
本明細書の局面は以下のように説明することもできる:
1.以下の工程を含む、脂質コート含有ウイルスの不活化方法:
a)活性を有するタンパク質を含有する流体を得;
b)有機溶媒および界面活性剤を該流体と混合して混合物を得;
c)該混合物を、約120分間以下でインキュベーションする;
ここで、工程(b)および(c)は共に約20℃以下の温度で実施され、
インキュベーション後の混合物は、生存脂質コート含有ウイルスを実質的に含まず;
インキュベーション後のタンパク質は、工程(a)で得られる活性の少なくとも25%の活性を有する。
2.以下の工程を含む方法から得られる、脂質コート含有ウイルスを実質的に含まないタンパク質:
a)活性を有するタンパク質を含有する流体を得;
b)有機溶媒および界面活性剤を該流体と混合して混合物を得;
c)該混合物を、約120分間以下でインキュベーションする;
ここで、工程(b)および(c)は共に約20℃以下の温度で実施され、
インキュベーション後の混合物は、生存脂質コート含有ウイルスを実質的に含まず;
インキュベーション後のタンパク質は、工程(a)で得られる活性の少なくとも25%の活性を有する。
3.以下の工程を含む、脂質コート含有ウイルスの不活化方法:
a)活性を有する第VIII因子を含有する流体を得;
b)有機溶媒および界面活性剤を該流体と混合して混合物を得;
c)該混合物を、約120分間以下でインキュベーションする;
ここで、工程(b)および(c)は共に約20℃以下の温度で実施され、インキュベーション後の混合物は、生存脂質コート含有ウイルスを実質的に含まず、インキュベーション後の第VIII因子は、工程(a)で得られる活性の少なくとも25%の活性を有する。
4.以下の工程を含む方法から得られる、脂質コート含有ウイルスを実質的に含まない第VIII因子:
a)活性を有する第VIII因子を含有する流体を得;
b)有機溶媒および界面活性剤を該流体と混合して混合物を得;
c)該混合物を、約120分間以下でインキュベーションする;
ここで、工程(b)および(c)は共に約20℃以下の温度で実施され、
インキュベーション後の混合物は、生存脂質コート含有ウイルスを実質的に含まず;
インキュベーション後の第VIII因子は、工程(a)で得られる活性の少なくとも25%の活性を有する。
5.該流体が、細胞溶解物、細胞上清、先の精製工程からの溶出物、または体液である1〜4の態様。
6.細胞溶解物が哺乳動物細胞株から得られる5の態様。
7.該細胞が、哺乳動物細胞株、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株である6の態様。
8.該タンパク質、または第VIII因子が組換えタンパク質である1〜4の態様。
9.該タンパク質、または第VIII因子が生物またはトランスジェニック生物由来である1〜4の態様。
10.該タンパク質が血液タンパク質である8または9の態様。
11.該血液タンパク質が血液凝固タンパク質である10の態様。
12.該血液タンパク質が、ADAMTS-13、α1抗プラスミン、α2抗プラスミン、抗トロンビン、抗トロンビンIII、癌凝血促進物質、エリスロポエチン、第II因子、第V因子、第VI因子、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子、第XI因子、第XII因子、第XIII因子、フィブロネクチン、フィブリノゲン、ヘパリンコファクターII、高分子量キニノーゲン、筋肉内免疫グロブリン、静脈内免疫グロブリン、プラスミノーゲン、プラスミノーゲン活性化因子阻害因子1、プラスミノーゲン活性化因子阻害因子2、プレカリクレイン、プロテインC、プロテインS、プロテインZ、プロテインZ関連プロテアーゼ阻害剤、組織因子、組織プラスミノーゲン活性化因子、ウロキナーゼ、またはフォンビルブラント因子である8〜10の態様。
13.該有機溶媒が、エーテル、アルコール、ジアルキルホスフェートまたはトリアルキルホスフェートである1〜12の態様。
14.該エーテルが、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、またはメチルイソブチルエーテルである13の態様。
15.該アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、n-ペンタノール、またはイソペンタノールである13の態様。
16.該ジアルキルホスフェートが、ジ-(n-ブチル)ホスフェート、ジ-(t-ブチル)ホスフェート、ジ-(n-ヘキシル)ホスフェート、ジ-(2-エチルヘキシル)ホスフェート、ジ-(n-デシル)ホスフェート、またはエチルジ(n-ブチル)ホスフェートである13の態様。
17.該トリアルキルホスフェートが、トリ-(n-ブチル)ホスフェート、トリ-(t-ブチル)ホスフェート、トリ-(n-ヘキシル)ホスフェート、トリ-(2-エチルヘキシル)ホスフェート、またはトリ-(n-デシル)ホスフェートである13の態様。
18.該有機溶媒の最終濃度が、約0.1%(v/v)〜約5.0%(v/v)、約0.1%〜約1.0%(v/v)、約0.2%(v/v)〜約0.5%(v/v)、または約0.2%(v/v)〜約0.4%(v/v)、約0.3%(v/v)である1〜17の態様。
19.該界面活性剤が、イオン性界面活性剤、両性イオン性(両性)界面活性剤、または非イオン性界面活性剤である1〜18の態様。
20.該イオン性界面活性剤が、陰イオン界面活性剤または陽イオン界面活性剤である19の態様。
21.該アニオン界面活性剤が、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、ドクセート、スルホネートフルオロ界面活性剤、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルアリールエーテルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルカルボキシレート、ラウロイルサルコシンナトリウム、またはカルボキシレートフルオロ界面活性剤である20の態様。
22.該アルキルサルフェートが、ラウリル硫酸アンモニウムまたはラウリル硫酸ナトリウム(SDS)である21の態様。
23.該アルキルエーテルサルフェートがラウレス硫酸ナトリウムまたはミレス硫酸ナトリウムである21の態様。
24.該ドクセートが、ジオクチルナトリウムスルホサクシネートである21の態様。
25.該スルホネートフルオロ界面活性剤が、パーフルオロオクタンスルホネート(PFOS)またはパーフルオロブタンスルホネートである21の態様。
26.該アルキルカルボキシレートが、脂肪酸塩またはステアリン酸ナトリウムである21の態様。
27.該カルボキシレートフルオロ界面活性剤が、パーフルオロノナノエートおよびパーフルオロオクタノエートである21の態様。
28.該陽イオン界面活性剤が、アルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジウム(CPC)、ポリエトキシレート化獣脂アミン(POEA)、塩化ベンザルコニウム(BAC)、塩化ベンゼトニウム(BZT)、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムブロミド(DODAB)、pH依存性第一級アミン、pH依存性第二級アミンまたはpH依存性第三級アミンである20の態様。
29.該アルキルトリメチルアンモニウム塩が、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)またはセチルトリメチルアンモニウムクロリド(CTAC)である28の態様。
30.該第一級アミンがpH<10で正に荷電されるか、または第二級アミンがpH<4で荷電される28の態様。
31.該陽イオン界面活性剤がオクテニジン2塩酸塩である20の態様。
32.該両性イオン性界面活性剤が、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート(CHAPS)、スルタイン、ベタインまたはレシチンである20の態様。
33.該スルタインがコカミドプロピルヒドロキシスルタインである32の態様。
34.該ベタインはコカミドプロピルベタインである32の態様。
35.該非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、ポロキサマー、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、ポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、2-ドデカオキシエタノール(LUBROL(登録商標)-PX)、ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル、フェノキシポリエトキシルエタノール、グルコシドアルキルエーテル、マルトシドアルキルエーテル、チオグルコシドアルキルエーテル、ジギトニン、グリセロールアルキルエステル、アルキルアリールポリエーテルサルフェート、アルコールスルホネート、ソルビタンアルキルエステル、コカミドエタノールアミン、スクロースモノラウレート、ドデシルジメチルアミンオキシド、またはコール酸ナトリウムである20の態様。
36.該ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステルが、ポリソルベート20ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)20)、ポリソルベート40ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)40)、ポリソルベート60ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)60)、ポリソルベート61ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)61)、ポリソルベート65ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)65)、ポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)、またはポリソルベート81ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)81)である35の態様。
37.該ポロキサマーが、ポロキサマー124(PLURONIC(登録商標)L44)、ポロキサマー181(PLURONIC(登録商標)L61)、ポロキサマー182(PLURONIC(登録商標)L62)、ポロキサマー184(PLURONIC(登録商標)L64)、ポロキサマー188(PLURONIC(登録商標)F68)、ポロキサマー237(PLURONIC(登録商標)F87)、ポロキサマー338(PLURONIC(登録商標)L108)またはポロキサマー407(PLURONIC(登録商標)F127)である35の態様。
38.該ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテルが、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、BRIJ(登録商標)30またはBRIJ(登録商標)35である35の態様。
39.該ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテルが、ポリオキシエチレン(4-5)p-t-オクチルフェノール(TRITON(登録商標)X-45)またはポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)である35の態様。
40.該ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテルがノノキシノール-9である35の態様。
41.該フェノキシポリエトキシルエタノールが、ノニルフェノキシポリエトキシルエタノールまたはオクチルフェノキシポリエトキシルエタノールである35の態様。
42.該グルコシドアルキルエーテルがオクチルグルコピラノシドである35の態様。
43.該マルトシドアルキルエーテルがドデシルマルトピラノシドである35の態様。
44.該チオグルコシドアルキルエーテルがヘプチルチオグルコピラノシドである35の態様。
45.該グリセロールアルキルエステルがラウリン酸グリセリルである35の態様。
46.該コカミドエタノールアミンがコカミドモノエタノールアミンまたはコカミドジエタノールアミンである35の態様。
47.該界面活性剤の最終濃度が、約0.1%(v/v)〜約10.0%(v/v)または約0.5%(v/v)〜約5.0%(v/v)である1〜46の態様。
48.該界面活性剤が複数の界面活性剤である1〜47の態様。
49.該複数の界面活性剤が請求項19〜46に記載のものである1〜48の態様。
50.1つの界面活性剤の最終濃度が、約0.1%(v/v)〜約10.0%(v/v)、約0.5%(v/v)〜約5.0%(v/v)、または約0.5%(v/v)〜約1.0%(v/v)であり、界面活性剤の残りの最終濃度が、約0.1%(v/v)〜約5%(v/v)、または約0.1%(v/v)〜約1.0%(v/v)、または約0.2%(v/v)〜約4%(v/v)である48または49の態様。
51.工程(c)において、該混合物を約10分間〜約90分間インキュベーションする1〜50の態様。
52.工程(c)において、該混合物を約30分間〜約60分間インキュベーションする1〜50の態様。
53.該工程(b)および(c)の両方を約0℃〜約16℃の温度で実施する1〜52の態様。
54.該工程(b)および(c)の両方を約2℃〜約12℃の温度で実施する1〜52の態様。
55.該工程(b)および(c)の両方を約2℃〜約8℃の温度で実施する1〜52の態様。
56.該工程(b)および(c)の両方を約2℃〜約4℃の温度で実施する1〜52の態様。
57.インキュベーション後の該混合物が生存脂質コート含有ウイルスを実質的に含まない1〜56の態様。
58.インキュベーション後の該混合物が生存脂質コート含有ウイルスを完全に含まない1〜56の態様。
59.インキュベーション後の該混合物が1×101 PFU/mL未満の生存脂質コート含有ウイルスを含む請求項1〜58の態様。
60.インキュベーション後の該混合物がインキュベーション前より生存脂質コート含有ウイルスに対して少なくとも100倍少ないID50を含む1〜59の態様。
61.インキュベーション後の該混合物がタンパク質凝集物を実質的に含まない1〜60の態様。
62.インキュベーション後の該混合物がタンパク質凝集物を完全に含まない1〜61の態様。
63.インキュベーション後の該混合物中の凝集物形が、活性を有するタンパク質の約1%未満、約0.9%未満、約0.8%未満、約0.7%未満、約0.6%未満、約0.5%未満、約0.4%未満、約0.3%未満、約0.2%未満または約0.1%未満である1〜62の態様。
64.インキュベーション後の該混合物中に存在するタンパク質活性が、工程(a)で得られるタンパク質活性の少なくとも50%または工程(a)で得られるタンパク質活性の少なくとも75%である1〜63の態様。
65.該流体がさらに脂質コート含有ウイルスを含む1〜64の態様。
66.該脂質コート含有ウイルスが、DNAウイルス、RNAウイルスまたは逆転写ウイルスである65の態様。
67.該DNAウイルスが、ヘルペスウイルス科のウイルス、ポックスウイルス科のウイルスまたはヘパドナウイルス科のウイルスである66の態様。
68.該RNAウイルスが、フラビウイルス科のウイルス、トガウイルス科のウイルス、コロナウイルス科のウイルス、デルタウイルスウイルス、オルソミクソウイルス科のウイルス、パラミクソウイルス科のウイルス、ラブドウイルス科のウイルス、ブニヤウイルス科のウイルスまたはフィロウイルス科のウイルスである66の態様。
69.該逆転写ウイルスが、レトロウイルス科のウイルスまたはヘパドナウイルス科のウイルスである66の態様。
70.該脂質コート含有ウイルスが、ヒト免疫不全ウイルス、シンドビスウイルス、単純ヘルペスウイルス、仮性狂犬病ウイルス、センダイウイルス、水疱性口内炎ウイルス、西ナイルウイルス、ウシウイルス性下痢ウイルス、コロナウイルス、ウマ関節炎ウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス、モロニーマウス白血病ウイルスまたはワクシニアウイルスである65の態様。
71.該方法が、さらに工程(c)後に混合物から溶媒を除去する工程を含む1〜70の態様。
72.該方法が、さらに工程(c)後に混合物から非イオン性界面活性剤を除去する工程を含む1〜71の態様。
73.該方法が、さらに工程(c)後に混合物から非生存ウイルスを除去する工程を含む1〜72の態様。
74.以下の工程を含む脂質コート含有ウイルスの不活化方法:
a)活性を有する第VIII因子を含有する流体を得、
b)該流体を、トリ(n-ブチル)ホスフェート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルおよびポリソルベート80ソルビタン(ポリオキシエチレン)と混合して混合物を得、
ここで、トリ(n-ブチル)ホスフェートの最終濃度は約0.1%(v/v)〜約5.0%(v/v)であり、ポリオキシエチレンオクチルフェニルの最終濃度は約0.5%(v/v)〜約10.0%(v/v)であり、ポリソルベート80ソルビタンの最終濃度は約0.1%(v/v)〜約5.0%(v/v)である、
c)該混合物を約120分間以下でインキュベーションする;
ここで、工程(b)および(c)は共に約20℃以下の温度で実施され、インキュベーション後の該混合物は生存脂質コート含有ウイルスを実質的に含まず、インキュベーション後の第VIII因子は工程(a)で得られる活性の少なくとも25%の活性を有する。
75.以下の工程を含む方法から得られる脂質コート含有ウイルスを実質的に含まない第VIII因子:
a)活性を有する第VIII因子を含有する流体を得、
b)該流体を、トリ(n-ブチル)ホスフェート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルおよびポリソルベート80ソルビタン(ポリオキシエチレン)と混合して混合物を得、
ここで、トリ(n-ブチル)ホスフェートの最終濃度は約0.1%(v/v)〜約5.0%(v/v)であり、ポリオキシエチレンオクチルフェニルの最終濃度は約0.5%(v/v)〜約10.0%(v/v)であり、ポリソルベート80ソルビタンの最終濃度は約0.1%(v/v)〜約5.0%(v/v)である、
c)該混合物を約120分間以下でインキュベーションする;
ここで、工程(b)および(c)は共に約20℃以下の温度で実施され、インキュベーション後の該混合物は生存脂質コート含有ウイルスを実質的に含まず、インキュベーション後の第VIII因子は工程(a)で得られる活性の少なくとも25%の活性を有する。
76.トリ(n-ブチル)ホスフェートの該濃度が約0.1%(v/v)〜約0.7%であり、ポリオキシエチレンオクチルフェニルの該濃度が約0.6%(v/v)〜約1.4%(v/v)であり、ポリソルベート80ソルビタンの該濃度が約0.1%(v/v)〜約0.7%である74または75の態様。
77.トリ(n-ブチル)ホスフェートの該濃度が約0.1%(v/v)〜約0.5%であり、ポリオキシエチレンオクチルフェニルの該濃度が約0.7%(v/v)〜約1.3%(v/v)であり、ポリソルベート80ソルビタンの該濃度が約0.1%(v/v)〜約0.5%である74または75の態様。
78.トリ(n-ブチル)ホスフェートの該濃度が約0.2%(v/v)〜約0.4%(v/v)、ポリオキシエチレンオクチルフェニルの該濃度が約0.8%(v/v)〜約1.2%(v/v)であり、ポリソルベート80ソルビタンの該濃度が約0.2%(v/v)〜約0.4%である74または75の態様。
79.トリ(n-ブチル)ホスフェートの該濃度が約0.3%(v/v)であり、ポリオキシエチレンオクチルフェニルの該濃度が約1.0%(v/v)であり、ポリソルベート80ソルビタンの該濃度が約0.3%(v/v)である74または75の態様。
80.インキュベーション後の該混合物中の凝集物形が、活性を有するタンパク質の約1%未満、約0.9%未満、約0.8%未満、約0.7%未満、約0.6%未満、約0.5%未満、約0.4%未満、約0.3%未満、約0.2%未満または約0.1%未満である74〜79の態様。
81.インキュベーション後の該混合物中に存在するタンパク質活性が、工程(a)で得られるタンパク質活性の少なくとも50%または工程(a)で得られるタンパク質活性の少なくとも75%である74〜80の態様。
82.本明細書に記載の1〜81の態様。
83.本明細書に記載の脂質コート含有ウイルスの不活化方法。
84.本明細書に記載の方法から得られる脂質コート含有ウイルスを実質的に含まない第VIII因子。
85.本明細書に記載の方法から得られる脂質コート含有ウイルスを実質的に含まないタンパク質。
以下の非限定的実施例は、現在予期される代表的な態様についてより完全な理解を促すために説明の目的でのみ提供される。これらの実施例は、本明細書に記載の脂質コート含有ウイルスを不活化する方法および該方法を用いて処理した生成物に関連するものを含む本明細書に記載の態様のいずれも限定するものではないと解釈すべきである。
実施例1
ウイルス不活化の評価
この実施例は、本明細書に記載の脂質コート含有ウイルスを不活化する方法が、インキュベーション後に、生存脂質コート含有ウイルスを実質的に含まない混合物をもたらすことを示す。
細胞培養液中にタンパク質を分泌するCHO細胞株によって生成された組換え体第VIII因子を、該培地を収集し、それを遠心分離して細胞残屑を除去することにより回収した。10℃またはそれ以下に維持された冷たい部屋中で回収した上清を希釈し、0.2μmフィルターで濾過し、固定化α第VIII因子マウスモノクローナル抗体を含むイムノアフィニティー・クロマトグラフィーカラムを通すことにより第VIII因子を捕捉し、溶出液を回収した。イムノアフィニティー・クロマトグラフィー溶出液を、負に荷電したスルホン化基を含む陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに通すことにより、第VIII因子をさらに処理した。次に、この交換カラムから回収した溶出液を約2℃または約10℃に冷却した。
次に、冷却した溶出液を3部分標本に分け、脂質コートモデルウイルスであるPseudorabies(仮性狂犬病)ウイルスを1:13の比率(例えばウイルスストック2mLにプロセスフィードを24mL)で加えた。次に部分標本を、以下のごとく溶媒/界面活性剤溶液と混合し、同じ温度に冷却した:部分標本1(0.21%(v/v)のトリ(n-ブチル)ホスフェート(TNBP)、0.7%(v/v)のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)および0.21%(v/v)のポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80);部分標本2(0.06%(v/v)のトリ(n-ブチル)ホスフェート(TNBP)、0.2%(v/v)のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)および0.06%(v/v)のポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80);および部分標本3(0.03%(v/v)のトリ(n-ブチル)ホスフェート(TNBP)、0.1%(v/v)のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)および0.03%(v/v)のポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80))。溶媒/界面活性剤溶液の成分濃度は、型通りの生産中のこれら成分の名目濃度の70%、20%および10%とそれぞれに一致する。これらの準最適濃度を用いて、不活化動力学を評価するとともに、ウイルス不活化にとって最も好ましくない条件を用いて該方法の信頼性を評価した。
S/D処理の有効性を評価するために、脂質コートウイルスのlog10減少を測定した。ウイルスのスパイクが付いた出発物質およびS/D処理中の試料を取り出し;試料中の溶媒/界面活性剤成分のウイルス不活化効果を、ウイルス力価測定前に冷細胞培養液で急速に希釈することにより止めた。log減少係数を、該スパイク出発物質の該(log)力価から最終試料の該(log)力価を引くことにより計算した。最終試料中の感染性が観察されない場合は、この計算の検出限界と考えた。
結果は、仮性狂犬病ウイルス不活化が約2℃または約10℃で約1〜約2分間以内に生じたことを示す(表1)。実験操作は、溶媒/界面活性剤成分濃度の下限またはそれ以下、およびS/D処理持続時間の下限以下で行ったので、得られた減少係数は、大規模方法のウイルス不活化能力のしっかりした評価である。これらの結果は、約10℃およびで約2℃のS/D処理が脂質エンベロープを有するウイルスをしっかり、非常に有効かつ急速に不活化したことを示す。
Figure 0006013360

実施例2
ウイルス不活化の評価
この実施例は、本明細書に記載の脂質コート含有ウイルスを不活化する方法が、インキュベーション後に、生存脂質コート含有ウイルスを実質的に含まない混合物をもたらすことを示す。
実施例1に実質的に記載のごとく、組換え第VIII因子を発現させ、精製した。次に、陽イオン交換カラムから回収した溶出液を約2℃に冷却した。
次に、冷却した溶出液を6部分標本に分け、該部分標本に脂質エンベロープを有するウイルスを1:13の比率(例えばウイルスストック2mLにプロセスフィードを24mL)で以下のごとく加えた:部分標本1および2に仮性狂犬病ウイルス(PRV)を加え、部分標本3および4にモロニーマウス白血病ウイルス(X-MuLV)を加え、部分標本5および6にウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)を加えた。次に、以下のように該部分標本を溶媒/界面活性剤溶液と混合し、約2℃に冷却した:部分標本1、3および5;0.21%(v/v)のトリ(n-ブチル)ホスフェート(TNBP)、0.7%(v/v)のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)および0.21%(v/v)のポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80);および部分標本2、4および6;
0.03%(v/v)のトリ(n-ブチル)ホスフェート(TNBP)、0.1%(v/v)のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)および0.03%(v/v)のポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)。
溶媒/界面活性剤溶液の成分濃度は、型通りの生産時のこれら成分の名目濃度の70%および10%と一致する。これらの準最適濃度を用いて、不活化動力学を評価するとともに、ウイルス不活化にとって最も好ましくない条件を用いて該方法の信頼性を評価した。
S/D処理の有効性を評価するために、3種の脂質コートウイルスそれぞれのlog10減少を測定した。ウイルスのスパイクが付いた出発物質およびS/D処理中の試料を取り出し;試料中の溶媒/界面活性剤成分のウイルス不活化効果を、ウイルス力価測定前に冷細胞培養液で急速に希釈することにより止めた。log減少係数を、該スパイク出発物質の該(log)力価から最終試料の該(log)力価を引くことにより計算した。最終試料中の感染性が観察されない場合は、この計算の検出限界と考えた。
結果は、70%の溶媒/界面活性剤溶液とインキュベーションすると、PRV、第X-MuLVおよびBVDVの不活化がすべて約2℃で約1〜2分間以内に生じたことを示す(表2)。実験操作は、溶媒/界面活性剤成分濃度の下限またはそれ以下、およびS/D処理持続時間の下限以下で行ったので、得られた減少係数は、大規模方法のウイルス不活化能力のしっかりした評価である。これらの結果は、約2℃のS/D処理が脂質エンベロープを有するウイルスをしっかり、非常に有効かつ急速に不活化したことを示す。

Figure 0006013360

実施例3
混合時間、濾過、およびタンパク質収率の評価
この実施例は、本明細書に記載の脂質コート含有ウイルスの不活化方法が、溶媒/界面活性剤成分の混合時間、ろ過時の溶媒/界面活性剤成分の保持時間、およびタンパク質ろ過収率に悪影響を与えないことを示す。
溶媒/界面活性剤成分の混合時間に対するより低い温度の影響を評価するために、50mL溶媒/界面活性剤溶液を0.3%(v/v)のTNBP、1.0%(v/v)のポリオキシエチレン(オクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)、および0.3%(v/v)のポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)を加え、4+/−(プラスマイナス)2℃で10、20または30分間攪拌して調製した。溶媒/界面活性剤溶液はすでに0.1%のポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)を含むので、この化合物の最終濃度は0.4%であった。TNBPおよびポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)の濃度を、屈折率検出器(RID)を有するC18 RP-HPLCを用いて同時に測定した。ポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)の濃度は、蒸発光散乱検出器(ELSD)を用いC1 RP-HPLCにより測定した。TNBPおよびポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)のHPLC解析には、水中の68%メタノールを用いる定組成溶離を用いる。ポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)のアッセイには、水中の60%メタノール〜100%メタノールの勾配溶出を用いる。

Figure 0006013360
これらの結果は次のことを確認する、TNBP、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)およびポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)の濃度が急速に10分間以内に安定し、4℃+/−2℃の低温は、溶媒/界面活性剤成分の混合時間に悪影響を及ぼさないことを裏付ける(表3)。
濾過工程中の溶媒/界面活性剤成分の潜在的滞留に対する温度の影響を評価するため、50mL溶媒/界面活性剤溶液を、0.3%(v/v)のTNBP、1.0%(v/v)のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)および0.3%(v/v)のポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)を添加し、4+/−2℃30分間攪拌して調製し、各成分の濃度を上記のごとく測定した。次に、溶媒/界面活性剤溶液を以下の3種の異なる温度条件下で処理した:約8時間のウォームアップ時間、22.5℃;約2時間のウォームアップ時間、22.5℃;およびウォームアップまたは予備加熱工程なし、4℃。インキュベーション時間終了時に試料を0.2μmフィルターでろ過し、次いで、TNBP、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)およびポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)濃度をHPLCで測定した。

Figure 0006013360
結果は、0.2μmフィルター上に溶媒/界面活性剤成分が保持されなかったことを示す(表4)。さらに、低いインキュベーション温度(4℃+/−2℃)は溶媒/界面活性剤成分の濾過性に悪影響を及ぼさなかった。
回収されたタンパク質活性に対する低い温度の影響を評価するため、50mL溶媒/界面活性剤溶液を、0.3%(v/v)のTNBP、1.0%(v/v)のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)および0.3%(v/v)のポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)を加え、4+/−2℃で30分間撹拌することにより調製した。次に、溶媒/界面活性剤溶液を、3つの異なる温度条件下で処理した:約8時間のウォームアップ時間、22.5℃;約2時間のウォームアップ時間、22.5℃;およびウォームアップまたは予備加熱工程なし、4℃。インキュベーション時間終了時に、試料を0.2μmフィルターで濾過し、濾過前後に第VIII因子活性は発色基質アッセイを使用して測定されました。
第VIII因子活性の発色アッセイを行なうために、溶媒/界面活性剤処理溶液の部分標本を、試料希釈バッファー(50mMのトリス、5mMのCaCl2、225mMのNaCl、0.1%のポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)、pH6.7+/−0.2)で25IU/mLに予備希釈し、次いで、第VIII因子枯渇血漿でさらに1IU/mLまで希釈した。次に、100μL予備希釈試料を、0.03M CaCl2、0.06mMリン脂質、100μLの0.3μM第IXa因子、100μLの1μM第X因子、および500μLの3.4μM発色基質CH3OCO-D-シクロヘキシルグリシル-グリシル-アルギニル-p-ニトロアニリドと混合し、第VIII因子が反応の律速成分であることを裏付けた。該混合物を37℃で90秒間インキュベーションし、次いで、分光光度計で405nmにて発色基質加水分解およびp-ニトロ-アニリン放出の速度を測定した。
測定した第VIII因子活性は0.2μm濾過工程の前後で同等であった。この結果は、低い温度が、S/D成分の非存在下で0.2μm濾過工程後の第VIII因子の回収に悪影響を及ぼさないことを確認する。

Figure 0006013360
この結果は、第VIII因子回収が評価したすべての温度条件で約100%であり、タンパク質活性が、溶媒/界面活性剤成分が存在するにもかかわらず濾過工程の前後で等価であったことを示す(表5)。
実施例4
活性を有するタンパク質を含む流体中の脂質コート含有ウイルスの不活化
この実施例は、活性を有するタンパク質を含む流体中の脂質コート含有ウイルスを不活化するための本明細書に記載の方法を示す。
回収されたタンパク質活性に対する、本明細書に記載の脂質コート含有ウイルスの不活化方法の全体的有効性を評価するために、50mL溶媒/界面活性剤溶液を、0.3%(v/v)のTNBP、1.0%(v/v)のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)、および0.3%(v/v)のポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)を加え、4+/−2℃で30分間撹拌することにより調製した。次いで、溶媒/界面活性剤溶液を3つの異なる温度条件下で処理した:約8時間のウォームアップ時間、22.5℃;約2時間のウォームアップ時間、22.5℃;およびウォームアップまたは予備加熱工程なし、4℃。インキュベーション時間終了時に、試料はイオン交換カラムクロマトグラフィーを用いて精製し、濾過の前後に、第VIII因子活性を、実質的に実施例3に記載に記載のごとく発色基質アッセイを用いて測定した。
結果は、第VIII因子の平均回収率は、4℃で2時間行った溶媒/界面活性剤処理では83.02%、22.5℃で2時間行った処理では82.83%、および22.5℃で8時間行った処理では80.93%であったことを示す(表6)。
これらの結果は、4℃で2時間行った溶媒/界面活性剤治療が活性第VIII因子の回収に顕著な影響がなかったことを確認する。さらに、第VIII因子の比活性は、インキュベーションを22.5℃の代わりに4℃で行うと、よりよく保存されるようである。溶媒/界面活性剤処理を22.5℃で行うと、比活性の約6%が失われたが、処理を4℃で行うと、第VIII因子の比活性の減少はわずか約1%であった。したがって、第VIII因子平均回収率の予期しない増加が、低温で行った溶媒/界面活性剤処理で観察された。
Figure 0006013360






実施例5
タンパク質凝集の評価
この実施例は、本明細書に記載の脂質コート含有ウイルスの不活化方法がタンパク質凝集を防いだことを示す。
タンパク質凝集物形成に対する低温のウイルス不活化工程の栄養を評価するために、溶媒/界面活性剤処理を3つの異なる温度条件下で実施した:約8時間のウォームアップ時間、22.5℃;約2時間のウォームアップ時間、22.5℃;およびウォームアップまたは予備加熱工程なし、4℃。すべての条件で、目標温度に到達した時に溶媒/界面活性剤試薬を加えた。インキュベーション時間(すべての温度条件で1時間に設定した)後、溶媒/界面活性剤成分をイオン交換クロマトグラフィーで除去し、凝集量を最終バルクで測定した。溶媒/界面活性剤条件はすべて3回繰り返した。
凝集物の測定(パーセンテージ中で表わす)は、Bio-Sep-SEC-S4000カラムを装備したHPLC系を用いるサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって行った。固定相は、15〜2,000kDaの分子量範囲のタンパク質を分離するのに適したシリカ支持体と結合した親水基を含む。溶媒/界面活性剤処理溶液から得た試料を50μg/mLに希釈し、11μLをカラムに注射した。溶出バッファーは、20mMトリス、250mM NaCl、3mM CaCl2二水和物、0.05%(v/v)のポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)、7.5%(v/v)のエチレングリコール(pHを7.0+/−0.2に調整した)であった。分離は無勾配(isocratic)移動相バッファー下で行った。検出は、285nmの励起波長および335nmの放射波長で蛍光検出器を用いて行った。反応は、得られたクロマトグラムの異なるピークに存在するタンパク質の量に比例する。凝集物のパーセンテージは、総ピーク面積(表7)に対する分画ピーク面積の比率として計算する。

Figure 0006013360
予期しないことに、4℃で行った実験では、最終バルク溶出液中の凝集物量は検出不能(<0.25%)であったが、22.5℃で行なった処理では、はるかに大きな凝集物形成が検出された(0.7%および0.6%)。凝集物は、通常、単量体形のタンパク質に対する免疫反応を増強すると認識されるので、最終バルク中の凝集物の減少は重要である。
実施例6
活性を有するタンパク質を含む流体中の脂質コート含有ウイルスの不活化
この実施例は、活性を有するタンパク質を含む流体中の脂質コート含有ウイルスを不活化するための本明細書に記載の方法を示す。
細胞培養液中にタンパク質を分泌するCHO細胞株によって生成される組換え第VIII因子を、2,500リットルのバイオリアクター中に増大させ、10℃に冷却して収集し、培地を回収し、それを遠心分離して細胞残屑を除去する。10℃またはそれ以下に維持した冷たい部屋中で、採取した上清を希釈し、0.2μmフィルターで濾過し、第VIII因子は動けなくされた固定化α-第VIII因子マウスモノクローナル抗体を含むイムノアフィニティークロマトグラフィーカラムを通して第VIII因子を捕捉し、溶出液を収集する。負に荷電したスルホン化基を含む陽イオン交換クロマトグラフィーカラムにイムノアフィニティークロマトグラフィー溶出液を通すことにより第VIII因子をさらに処理する。次に、この交換カラから収集した溶出液約8リットルを約4℃に冷却し、溶媒/界面活性剤溶液(陽イオン交換体溶出液1kg当たり溶媒/界面活性剤溶液16.6g)と約10分間混合し、同じ温度に冷却する。溶媒/界面活性剤溶液は体重で18.3:66.3:20.2の重量比でトリ(n-ブチル)ホスフェート(TNBP)、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)およびポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)を含む。これは、約0.3%(v/v)のトリ(n-ブチル)ホスフェート(TNBP)、約1.0%(v/v)ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)、および約0.3%(v/v)のポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)の最終濃度と一致する。約4℃、約120分間以下で連続混合後、溶媒/界面活性剤処理溶出液を0.2μmフィルターでろ過してウイルス残屑を除去した。ろ過した溶媒/界面活性剤処理溶出液を陰イオン交換クロマトグラフィー平衡バッファーで希釈し、さらに陰イオン交換クロマトグラフィーカラムを通して溶媒/界面活性剤成分を除去する。第VIII因子を含有する最終精製溶液を陰イオン交換クロマトグラフィー溶出分画から回収する。次に、脂質コート含有ウイルスの存在、第VIII因子活性、凝集物の量、および微量の溶媒/界面活性剤成分の極微量を、第VIII因子を含有する最終精製溶液中で測定する。
第VIII因子を含む最終精製溶液中の生存脂質コート含有ウイルスの存在または活性を分析するために、TCID50アッセイを行なった。濾過した溶媒/界面活性剤の試料を取り出し、Vero細胞培養液で1:00または1:10に希釈した。試料の連続0.5 log10希釈液をVero細胞培養液で調製し、各希釈液100μLをVero細胞を接種したマイクロタイタープレートカラムの8ウェルのそれぞれに加えた。マイクロタイタープレートは36+/−2℃で7日間、加湿CO2調節インキュベータ中でインキュベーションした。インキュベーション後、細胞の感染の兆候、例えば、溶解した細胞、細胞変性効果を示す細胞、またはウイルス感染を示すあらゆる他の基準を顕微鏡で試験した。陽性(ウイルス感染)および陰性(ウイルス感染なし)ウェルのパターンから、ウイルス力価はポアソン分布により計算し、PFU/mLおよびlog10[TCID50/mL]として表わした。いかなるウェルにも感染の陽性兆候が無ければ、処理した溶液が脂質コート含有ウイルスを実質的に含まないことを示す。
最終精製溶液中に存在する第VIII因子活性の量を分析するために、第VIII因子活性の発色アッセイを行なう。濾過した溶媒/界面活性剤の部分標本を、試料希釈バッファー(50mMトリス、5mM CaCl2、225mM NaCl、0.1%ポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)、pH、6.7+/−0.2)で約25IU/mLに予備希釈し、次いで、第VIII因子枯渇血漿でさらに1IU/mLに希釈した。次に、100μLの予備希釈試料を、0.03M CaCl2、0.06mMリン脂質、0.3μM 第IXa因子 100μL、1μM第X因子 100μL、および3.4μM発色基質CH3OCO-D-シクロヘキシルグリシル-グリシル-アルギニル-p-ニトロアニリドの500μLと混合し、第VIII因子が反応の律速成分であることを確実にした。該混合物を37℃で90秒間インキュベーションし、次いで、405nmの分光光度計の測定値により、発色基質加水分解およびp-ニトロ-アニリン放出の速度を決定した。
最終精製溶液中に存在する第VIII因子活性の量を分析するために、第VIII因子活性の1段階凝固アッセイを行った。濾過した溶媒/界面活性剤の部分標本を、試料希釈バッファー(50mMトリス、5mM CaCl2、225mM NaCl、0.1%ポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)、pH6.7+/−0.2)で約25IU/mLに予備希釈し、次いで、第VIII因子枯渇血漿でさらに1IU/mLに希釈した。次に、100μLの予備希釈試料を、100μLの第VIII因子枯渇血漿と混合した。該混合物を、37℃で3分間インキュベーションし、100μLの25mM CaCl2を加えて凝固プロセスを開始した。存在する第VIII因子の量を、APTT凝固時間値を凝固時間対第VIII因子濃度の両対数プロットを作成する計算プログラムを実行する手段により計算した標準曲線と比較することにより決定した。凝析アッセイのための凝析アナライザーおよび適切な試薬を、生理的範囲の凝析パラメーターの活性を測定するために設計する。結果は、第VIII因子の平均比活性が約6,120のUI/mgであったことを示す。この平均比活性は、約20℃〜約25℃の有機溶媒/界面活性剤混合物中で該流体をインキュベーションするウイルス不活化法を用いて処理した第VIII因子の平均比活性である5,809UI/mgより高い。
第VIII因子を含む最終精製溶液中に存在するタンパク質凝集物の量を分析するために、サイズ排除クロマトグラフィーおよびUV吸収実験を含有する溶液を実質的に実施例5に記載のごとく行った。
第VIII因子を含有する最終精製溶液中に存在する微量の溶媒/界面活性剤成分を分析するために、RP-HPLC実験を実質的に実施例3に記載のごとく行った。
最後に、本明細書の局面を具体的態様に言及して示したが、当業者は、これらの開示した態様が本明細書に記載の主題の原理を例示するのみであることを容易に理解するだろう。したがって、開示した主題は、本明細書に記載の特定の方法論、プロトコール、および/または試薬などになんら限定されないものと理解すべきでである。したがって、本明細書の精神から逸脱することなく本明細書に従って、開示した主題の種々の修飾または変更をなし、または代替構造をとることができる。最後に、本明細書で用いている用語は、特定の態様を説明するためだけのものであり、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ定義される。したがって、本発明は、示し説明した通りに限定されるものではない。
本発明を実施するために本発明者らが知っている最良の方法を含む、本発明のある態様を本明細書に記載する。もちろん、これらの記載された態様の変化は、先の説明を読むことで当業者に明らかになるだろう。本発明者は、当業者がそのような変化を適切に用いることを予期し、本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載されたものと別の方法で実施されることを意図する。したがって、本発明は、準拠法が許す特許請求の範囲に記載の主題のすべての修飾および等価物を含む。
本発明の他の態様、要素または工程のグループ分けは限定と解釈すべきではない。各グループのメンバーは、本明細書に記載の他のグループのメンバーと個々にまたはあらゆる組み合わせで言及され、クレームすることができる。グループの1またはそれ以上のメンバーは、好都合および/または特許性のためにあるグループに包含するかまたは該グループから削除することができると予期される。あらゆるそのような包含または削除が生じる場合は、本明細書は、修飾したグループを含み、特許請求の範囲で用いているすべてのマーカッシュグループの記載を満たすとみなされる。
特記しない限り、本明細書および特許請求の範囲で用いている、特性、項目、量、パラメーター、特徴、期間などを表現するすべてのメンバーは、すべての場合で用語「約」によって修飾されると理解すべきである。本明細書で用いている用語「約」は、そのように限定された特性、項目、量、パラメーター、特徴、または期間は、記載した特性、項目、量、パラメーター、特徴、または期間の値の上下+/−10%の範囲を含むことを意味する。したがって、そうでないと示さない限り、本明細書および特許請求の範囲に記載の数値パラメーターは、変動しうる近似値である。少なくとも、およびない、クレームの範囲に対する均等論の適用を制限するためではなく、各数値表示は、少なくとも報告された有効数字の数に照らして、および通常の四捨五入技術の適用により解釈されるべきである。それにもかかわらず、本発明の広い範囲を述べる数値範囲および値が近似値であるにも関わらず、特定の実施例に記載の数値範囲および値は可能な限り正確に報告される。しかしながら、あらゆる数値範囲または値は、本質的に、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じるある種の誤差を含む。本明細書に記載の値の数値範囲の記載は、単に該範囲以内にあるそれぞれの分離した数値を個々に言及する省略法の役目をはたすことを意図する。特記しない限り、数値範囲のそれぞれ個々の値は、本明細書で個々に言及しているように本明細書に組み込まれる。
用語「a」、「an」、「the」、および本発明を説明する文脈で(特に特許請求の範囲の文脈で)用いる同様の指示語は、本明細書で特記するか、文脈によって明確に否定されない限り単数と複数の両方に及ぶと理解すべきである。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書で特記するか、文脈によって明確に否定されない限りあらゆる適切な順序で行うことができる。本明細書に記載のあらゆるすべての実施例または例示的用語(例えば「例えば」)の使用は、単に本発明の理解をより容易にすることを意図しており、本来ならクレームしている本発明の範囲を限定するものはない。本明細書のいかなる用語も、本発明の実施に必須のあらゆるクレームしていない要素を示すと解釈すべきではない。
本明細書に記載の具体的態様は、用語のからなるや実質的にからなるを用いてsだらに特許請求の範囲中で限定することができる。ファイルされるか、または補正により加えられた特許請求の範囲で用いる場合、用語「からなる」は、特許請求の範囲で特定されていないあらゆる要素、工程、または成分を排除する。用語「実質的に〜からなる」は、クレームの範囲を、特定の物質または工程、および基本的および新規特性に物質的に影響を及ぼさないものに限定する。そのようにクレームした本発明の態様は、本明細書において実質的または明示的に記載され、実施可能である。
本明細書で参照し、特定されたすべての特許、特許公開公報、および刊行物は、例えば、本発明に関連して用いられるかもしれないそのような刊行物などに記載の組成物および方法論を説明および開示するためにそのすべてを参照して本明細書に個々に明示的に組み込まれる。これら刊行物は、単に本願出願日前のそれらの開示のために提供される。この点で、これら刊行物についてはいずれも、本発明者らが先行発明に基づくかまたはあらゆる他の理由でそのような開示に先行する資格がないことを承認するものと解釈すべきではない。日付に関する記載またはこれら文書の内容に関する表現はすべて、出願人に利用可能な情報に基づき、これら文書の日付または内容の正確さに関していかなる承認も構成しない。

Claims (9)

  1. 以下の工程を含む、脂質コート含有ウイルスの不活化方法:
    a)活性を有する第VIII因子を含有する流体を得;
    b)トリ-(n-ブチル)ホスフェート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルおよびポリソルベート80ソルビタンモノオレエートを該流体と混合して混合物を得、ここで、トリ-(n-ブチル)ホスフェートの最終濃度は0.1%(v/v)〜5.0%(v/v)であり、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルの最終濃度は0.5%(v/v)〜10.0%(v/v)であり、ポリソルベート80ソルビタンモノオレエートの最終濃度は0.1%(v/v)〜5.0%(v/v)であるついで
    c)該混合物を、120分間以下でインキュベーションする;
    ここで、工程(b)および(c)は共に2℃〜8℃の温度で実施され、
    インキュベーション後の混合物は、生存脂質コート含有ウイルスを実質的に含まず;
    インキュベーション後の第VIII因子は、工程(a)で得られる活性の少なくとも25%、少なくとも50%、または少なくとも75%の活性を有する。
  2. トリ(n-ブチル)ホスフェートの該濃度が0.3%(v/v)であり、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルの該濃度が1.0%(v/v)であり、ポリソルベート80ソルビタンモノオレエートの該濃度が0.3%(v/v)である、請求項1記載の方法。
  3. 該流体が、細胞溶解物、細胞上清、先の精製工程からの溶出物、または体液である請求項1に記載の方法。
  4. 第VIII因子が組換え第VIII因子である請求項1記載の方法。
  5. 工程(c)において、該混合物を10分間〜90分間または30分間〜60分間インキュベーションする、請求項1記載の方法。
  6. 該工程(b)および(c)の両方を2〜4℃の温度で実施する、請求項1記載の方法。
  7. インキュベーション後の該混合物がインキュベーション前より生存脂質コート含有ウイルスに対して少なくとも100倍少ないID50を含み、1×101 PFU/mL未満の生存脂質コート含有ウイルスを含み、生存脂質コート含有ウイルスを実質的に含まず、および/または生存脂質コート含有ウイルスを完全に含まない請求項1記載の方法。
  8. 該脂質コート含有ウイルスが、DNAウイルス、RNAウイルスまたは逆転写ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、シンドビスウイルス、単純ヘルペスウイルス、仮性狂犬病ウイルス、センダイウイルス、水疱性口内炎ウイルス、西ナイルウイルス、ウシウイルス性下痢ウイルス、コロナウイルス、ウマ関節炎ウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス、モロニーマウス白血病ウイルス、ワクシニアウイルス;ヘルペスウイルス科のウイルス、ポックスウイルス科のウイルス、ヘパドナウイルス科のウイルス;フラビウイルス科のウイルス、トガウイルス科のウイルス、コロナウイルス科のウイルス、デルタウイルスウイルス、オルソミクソウイルス科のウイルス、パラミクソウイルス科のウイルス、ラブドウイルス科のウイルス、ブニヤウイルス科のウイルスまたはフィロウイルス科のウイルス、レトロウイルス科のウイルス、および/またはヘパドナウイルス科のウイルスである請求項1に記載の方法。
  9. 該方法が、さらに工程(c)後に混合物からトリ-(n-ブチル)ホスフェートを除去し、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルおよびポリソルベート80ソルビタンモノオレエートを除去し、および/または非生存ウイルスを除去する1またはそれ以上の工程を含む請求項1記載の方法
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