JP6011890B2 - 混合物の分離方法及び分離装置 - Google Patents
混合物の分離方法及び分離装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6011890B2 JP6011890B2 JP2014536894A JP2014536894A JP6011890B2 JP 6011890 B2 JP6011890 B2 JP 6011890B2 JP 2014536894 A JP2014536894 A JP 2014536894A JP 2014536894 A JP2014536894 A JP 2014536894A JP 6011890 B2 JP6011890 B2 JP 6011890B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- particles
- liquid
- mixture
- particle
- magnetic susceptibility
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29B—PREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
- B29B17/00—Recovery of plastics or other constituents of waste material containing plastics
- B29B17/02—Separating plastics from other materials
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B03—SEPARATION OF SOLID MATERIALS USING LIQUIDS OR USING PNEUMATIC TABLES OR JIGS; MAGNETIC OR ELECTROSTATIC SEPARATION OF SOLID MATERIALS FROM SOLID MATERIALS OR FLUIDS; SEPARATION BY HIGH-VOLTAGE ELECTRIC FIELDS
- B03C—MAGNETIC OR ELECTROSTATIC SEPARATION OF SOLID MATERIALS FROM SOLID MATERIALS OR FLUIDS; SEPARATION BY HIGH-VOLTAGE ELECTRIC FIELDS
- B03C1/00—Magnetic separation
- B03C1/02—Magnetic separation acting directly on the substance being separated
- B03C1/28—Magnetic plugs and dipsticks
- B03C1/288—Magnetic plugs and dipsticks disposed at the outer circumference of a recipient
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B03—SEPARATION OF SOLID MATERIALS USING LIQUIDS OR USING PNEUMATIC TABLES OR JIGS; MAGNETIC OR ELECTROSTATIC SEPARATION OF SOLID MATERIALS FROM SOLID MATERIALS OR FLUIDS; SEPARATION BY HIGH-VOLTAGE ELECTRIC FIELDS
- B03C—MAGNETIC OR ELECTROSTATIC SEPARATION OF SOLID MATERIALS FROM SOLID MATERIALS OR FLUIDS; SEPARATION BY HIGH-VOLTAGE ELECTRIC FIELDS
- B03C1/00—Magnetic separation
- B03C1/32—Magnetic separation acting on the medium containing the substance being separated, e.g. magneto-gravimetric-, magnetohydrostatic-, or magnetohydrodynamic separation
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B03—SEPARATION OF SOLID MATERIALS USING LIQUIDS OR USING PNEUMATIC TABLES OR JIGS; MAGNETIC OR ELECTROSTATIC SEPARATION OF SOLID MATERIALS FROM SOLID MATERIALS OR FLUIDS; SEPARATION BY HIGH-VOLTAGE ELECTRIC FIELDS
- B03C—MAGNETIC OR ELECTROSTATIC SEPARATION OF SOLID MATERIALS FROM SOLID MATERIALS OR FLUIDS; SEPARATION BY HIGH-VOLTAGE ELECTRIC FIELDS
- B03C2201/00—Details of magnetic or electrostatic separation
- B03C2201/18—Magnetic separation whereby the particles are suspended in a liquid
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29B—PREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
- B29B17/00—Recovery of plastics or other constituents of waste material containing plastics
- B29B17/02—Separating plastics from other materials
- B29B2017/0203—Separating plastics from plastics
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29K—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
- B29K2023/00—Use of polyalkenes or derivatives thereof as moulding material
- B29K2023/04—Polymers of ethylene
- B29K2023/06—PE, i.e. polyethylene
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29K—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
- B29K2023/00—Use of polyalkenes or derivatives thereof as moulding material
- B29K2023/10—Polymers of propylene
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/62—Plastics recycling; Rubber recycling
Description
本発明は、磁化率が異なる2種以上の物質を含む混合物の分離方法及び分離装置に関する。
反磁性の固体物質を、又は、磁化率が低い常磁性の固体物質を常磁性の支持液体に入れて磁場勾配を有する磁場(以下、勾配磁場)を印加すると、支持液体中にて物質が安定に浮く現象は、磁気アルキメデス効果として知られている。安定浮遊高さ又は位置にて、物質に働く重力、浮力、及び鉛直方向の磁気アルキメデス力が釣り合っており、物質に働く鉛直方向の力は(理想的には)ゼロになる。
鉛直方向の磁気アルキメデス力Fz、つまり、物質に直接働く磁気力と支持液体から受ける磁気浮力との差は、以下の式で表される。
Fz=(χ−χf)B∂B/∂z/μ0
ここで、Bは磁場(磁束密度)であり、座標zは、鉛直方向に沿って与えられ、∂B/∂zは、鉛直方向の磁場勾配(磁束密度勾配)である。χは、物質の磁化率(体積磁化率)、χfは、液体の磁化率(体積磁化率)、μ0は、真空中の透磁率である。
Fz=(χ−χf)B∂B/∂z/μ0
ここで、Bは磁場(磁束密度)であり、座標zは、鉛直方向に沿って与えられ、∂B/∂zは、鉛直方向の磁場勾配(磁束密度勾配)である。χは、物質の磁化率(体積磁化率)、χfは、液体の磁化率(体積磁化率)、μ0は、真空中の透磁率である。
支持液体中における物質の浮遊高さ又は浮遊位置は、その磁化率と密度(比重)に依存することから、磁気アルキメデス効果を用いて複数種類の固体物質を含む混合物を種類別に分離することができる。例えば、特開2002−59026号公報には、磁気アルキメデス効果を利用して、複数種類の反磁性プラスチック粒子からなる混合物を粒子の種類別に分別する混合物の分別方法が開示されている(特許文献1)。
特許文献1の実施例1では、シンジオタクチックポリプロピレン(SPP)、スチレン−ブタジエン共重合体(SB)、ポリスチレン(PS)及びスチレン−アクリロニトリル共重合体(SA)の混合ペレットを、常磁性の支持液体である塩化マンガン水溶液中に懸濁させて、鉛直成分の磁場勾配を有する勾配磁場を印加することで、支持液体中にて、これらペレットを種類別に異なる高さに浮遊させている(特許文献1の図2参照)。特許文献1の実施例2では、ポリメチルメタクリレート(PMMA)及びポリエチレンテレフタレート(PET)の混合ペレットを、塩化マンガン水溶液中に懸濁させて勾配磁場を印加することで、支持液体中にて、これらペレットを種類別に異なる高さに浮遊させている(特許文献1の図3参照)。
特許文献1に記載の発明のような、鉛直方向の磁気アルキメデス力を利用した従来の分離方法では、磁化率の値が近く、さらには密度の値も近い2種以上の物質が混合物に含まれている場合、これら物質を種類別に異なる高さに浮遊させて分離することは困難である。印加された勾配磁場に対する物質の理論的な浮遊高さの差が非常に小さい(例えば、物質の粒径よりも小さい)と、それら物質は、実際には支持液体中にて混在した状態で浮いてしまう。
さらに、鉛直方向の磁気アルキメデス力を利用した従来の分離方法では、磁化率の値が近く、支持液体の比重と比較して小さい比重を有する2種以上の物質が混合物に含まれている場合にも、これら物質を種類別に異なる高さに浮遊させて分離することは困難である。このような場合、勾配磁場を印加しても、これら物質は、支持液体の液面に混在して浮いたままとなる。鉛直方向の磁気アルキメデス力を大きくすることで、このような混合物を分離することは可能ではある。しかしながら、支持液体中の物質に加わる磁気アルキメデス力を大きくするために勾配磁場を印加する磁石を強力にすると、分離装置の製造コストやランニングコストが増加する。
磁気アルキメデス効果を得るために用いる支持液体としては、常磁性無機塩の水溶液が広く使用されている。常磁性無機塩の濃度を高くして、支持液体の磁化率を大きくすることで、支持液体中の物質に加わる磁気アルキメデス力は大きくなる。しかしながら、常磁性無機塩の濃度が高くなると、支持液体の粘性が増加してその取り扱いが困難になる。小さい比重を有する物質を含む混合物を分離するケースでは、支持液体の物質は粘性による影響を受けやすいので、常磁性無機塩の濃度の増加に伴う支持液体の比重の増加は好ましくない。
また、鉛直方向の磁気アルキメデス力を利用した従来の分離方法では、分離された物質間の浮遊高さの差が短いという問題がある。特許文献1の実施例1と実施例2では、分離された反磁性プラスチック粒子の浮遊高さは、1〜2cm程度しか離れていないので、分離された反磁性プラスチック粒子を種類別に回収するのは容易ではない。
本発明は、上記の問題を解決するものであり、磁化率の値が近く、さらには密度の値も近い2種以上の物質が混合物に含まれている場合や、磁化率の値が近く、混合物が入れられる液体の比重と比較して小さい比重を有する2種以上の物質が混合物に含まれている場合にて、勾配磁場を用いて混合物を種類別に分離できる混合物の分離方法及び分離装置を提供する。また、本発明は、このような場合にて、勾配磁場を用いて混合物から特定の種類の物質を分離できる混合物の分離方法及び分離装置を提供する。さらに、本発明は、鉛直方向の磁気アルキメデス力を利用した従来の分離方法よりも、勾配磁場を用いて種類別に分離された物質を種類別に回収することを容易に行える、又は、勾配磁場を用いて混合物から分離された特定の物質を回収することを容易に行える混合物の分離方法及び分離装置を提供する。
本発明の混合物の分離方法は、磁化率が異なる物質で形成された第1粒子と第2粒子を含む混合物を、液体を利用して粒子の種類別に分離する、或いは、前記第1粒子又は前記第2粒子を、液体を利用して前記混合物から分離する混合物の分離方法において、前記第1粒子は、反磁性体又は常磁性体で形成されており、前記第2粒子は、反磁性体又は常磁性体で形成されており、前記液体の磁化率は、前記第1粒子の磁化率と前記第2粒子の磁化率の間の値であり、磁場勾配が水平成分を有する磁場が印加された前記液体に前記混合物を送って、前記第1粒子と前記第2粒子とを前記液体の液面に浮かせる第1工程、又は、前記混合物を前記液体に入れて、前記液体の液面に浮いた状態の前記第1粒子と前記第2粒子とに磁場勾配が水平成分を有する磁場を印加する第2工程を含む。
本発明の混合物の分離装置は、磁化率が異なる物質で形成された第1粒子と第2粒子を含む混合物を、粒子の種類別に分離する、或いは、前記第1粒子又は前記第2粒子を前記混合物から分離する混合物の分離装置において、液体が貯留される分離槽と、前記分離槽内の前記液体に前記混合物を送る混合物導入手段と、磁場勾配が水平成分を有する磁場を前記液体に印加する磁場生成手段とを備えており、前記第1粒子は、反磁性体又は常磁性体で形成されており、前記第2粒子は、反磁性体又は常磁性体で形成されており、前記液体の磁化率は、前記第1粒子の磁化率と前記第2粒子の磁化率の間の値であり、前記磁場が前記液体に印加された状態にて、前記液体に送られた前記第1粒子と前記第2粒子とが、前記液体の液面に浮く。
本発明の混合物の分離方法又は分離装置では、前記磁場は、鉛直軸回りに回転対称性を有しており、前記磁場が印加されると、前記第1粒子と前記第2粒子の一方には、前記磁場の中心軸に向かう力が作用し、前記第1粒子と前記第2粒子の他方には、前記磁場の中心軸から離れる力が作用してよい。
本発明の混合物の分離方法又は分離装置では、前記第1粒子及び前記第2粒子は反磁性体で形成されてよく、又は、前記第1粒子及び前記第2粒子は常磁性体で形成されてよい。また、前記第1粒子と前記第2粒子は、前記液体よりも比重が小さい物質で形成されてよい。さらに、前記液体は水又は水溶液であり、前記第1粒子と前記第2粒子は、前記液体よりも比重が小さい反磁性プラスチックで形成されてよい。
本発明の混合物の分離方法では、前記混合物は、反磁性体又は常磁性体である第3粒子を更に含んでおり、前記第1粒子の磁化率は、前記第2粒子の磁化率よりも小さく、前記第3粒子の磁化率は、前記第2粒子の磁化率よりも大きく、前記第1又は第2工程を行って前記混合物から前記第1粒子を分離した後に、前記液体の磁化率を、前記第2粒子の磁化率と前記第3粒子の磁化率の間の磁化率に調整する工程、前記第1又は第2工程を行って前記混合物から前記第1粒子を分離した後に、前記第2粒子の磁化率と前記第3粒子の磁化率の間の磁化率を有しており、磁場勾配が水平成分を有する磁場が印加された液体に前記混合物の残部を入れて、前記第2粒子と前記第3粒子とをその液体の液面に浮かせる工程、或いは、前記第1又は第2工程を行って前記混合物から前記第1粒子を分離した後に、前記第2粒子の磁化率と前記第3粒子の磁化率の間の磁化率を有する液体に前記混合物の残部を入れて、その液体の液面に浮いた状態の前記第2粒子と前記第3粒子とに、磁場勾配が水平成分を有する磁場を印加する工程が含まれてよい。
本発明の混合物の分離方法では、前記混合物は、反磁性体又は常磁性体である第3粒子を更に含んでおり前記第1粒子の磁化率は、前記第2粒子の磁化率よりも小さく、前記第3粒子の磁化率は、前記第1粒子の磁化率よりも小さく、前記第1又は第2工程を行って前記混合物から前記第2粒子を分離した後に、前記液体の磁化率を、前記第1粒子の磁化率と前記第3粒子の磁化率の間の磁化率に調整する工程、前記第1又は第2工程を行って前記混合物から前記第2粒子を分離した後に、前記第1粒子の磁化率と前記第3粒子の磁化率の間の磁化率を有しており、磁場勾配が水平成分を有する磁場が印加された液体に前記混合物の残部を入れて、前記第1粒子と前記第3粒子とをその液体の液面に浮かせる工程、或いは、前記第1又は第2工程を行って前記混合物から前記第2粒子を分離した後に、前記第1粒子の磁化率と前記第3粒子の磁化率の間の磁化率を有する液体に前記混合物の残部を入れて、その液体の液面に浮いた状態の前記第1粒子と前記第3粒子とに、磁場勾配が水平成分を有する磁場を印加する工程が含まれてよい。
本発明では、液体の磁化率を、混合物に含まれる第1粒子の磁化率と第2粒子の磁化率の間の値とし、液体中のこれら粒子に、磁場勾配が水平成分を有する磁場が印加される。磁場の印加によって、第1粒子と第2粒子は液体の液面に浮いた状態で反対向きに水平に又は横に移動する。或いは、磁場が印加されると、第1粒子及び第2粒子の一方は液面に浮いた状態で水平に又は横に移動するが、第1粒子及び第2粒子の他方は、印加された磁場の影響を受けず、例えば液面に浮いて静止したままとなる。本発明では、このようにして水平方向について種類別に異なる場所又は領域に第1粒子と第2粒子が配置又は集められるので、鉛直方向の磁気アルキメデス力を利用した従来の分離方法と比較して、混合物は、第1粒子と第2粒子とにより離れて分離される。さらに、本発明では、第1粒子と第2粒子が液面に浮いていることから、鉛直方向へのこれら粒子の分布が抑制されている。故に、本発明によれば、第1粒子と第2粒子を種類別に回収することが、或いは、第1粒子及び第2粒子の一方を他方の粒子が混ざらないように回収することが容易になる。
本発明では、混合物に含まれる第1粒子と第2粒子の磁化率に顕著な差がなく、さらには、密度にも顕著な差がない場合でも、印加された磁場に起因した第1粒子と第2粒子の動きが異なるので、これら粒子を種類別に分離すること、或いは、混合物から第1粒子又は第2粒子を分離することができる。本発明では、第1粒子と第2粒子の磁化率の値が近く、さらには、第1粒子と第2粒子の比重が液体の比重と比較して小さいことから、第1粒子と第2粒子とが液面に浮く場合でも、勾配磁場に起因した第1粒子と第2粒子の動きが異なるので、これら粒子を種類別に分離すること、或いは、混合物から第1粒子又は第2粒子を分離することができる。
反磁性体又は常磁性体の第3粒子が混合物に更に含まれており、第3粒子の磁化率が第1粒子の磁化率と第2粒子の磁化率の間の範囲外である場合、本発明では、第1粒子の磁化率と第2粒子の磁化率の間の磁化率を有する液体を用いて第1粒子及び第2粒子の一方を混合物から分離した後に、第1粒子及び第2粒子の他方の磁化率と第3粒子の磁化率の間の磁化率を有する液体を用いて、混合物の残部を第1粒子及び第2粒子の他方と第3粒子とに分離する。或いは、混合物の残部から第1粒子及び第2粒子の他方又は第3粒子を分離する。これにより、本発明を用いて、混合物を種類別に分離すること、或いは、混合物から第1、第2、又は第3粒子を分離することができる。
本発明によれば、磁気アルキメデス効果を利用して鉛直方向に分離する従来の分離方法及び分離装置をと比較して、印加する勾配磁場の大きさやその磁場勾配を小さくすること、又は、混合物が入れられる液体の磁化率を小さくことができる(濃度の低い水溶液や水が利用できる)。
本発明の混合物の分離方法及び分離装置の実施形態について詳細に説明する。本発明では、磁化率が異なる物質で形成された第1粒子と第2粒子を含む混合物が液体に入れられて、当該液体中のこれら粒子に磁場が印加される。印加される磁場の磁場勾配は、水平成分を有している。このような勾配磁場が印加されると、以下の式で与えられる水平方向の力Fixが、第1粒子と第2粒子の各々に働く。
Fix=(χi−χf)B∂B/∂x/μ0
ここで、Bは、磁場(磁束密度)であり、座標xは、水平方向(磁場勾配の水平成分)に沿って与えられ、∂B/∂xは、水平方向の磁場勾配(磁束密度勾配)である。χiは、第1粒子又は第2粒子の磁化率(体積磁化率)であり、添字i(=1 or 2)は、第1粒子又は第2粒子を示す。χfは、液体の磁化率(体積磁化率)であり、μ0は、真空中の透磁率である。以下、この磁気力Fixを、水平方向の磁気アルキメデス力と称する。
Fix=(χi−χf)B∂B/∂x/μ0
ここで、Bは、磁場(磁束密度)であり、座標xは、水平方向(磁場勾配の水平成分)に沿って与えられ、∂B/∂xは、水平方向の磁場勾配(磁束密度勾配)である。χiは、第1粒子又は第2粒子の磁化率(体積磁化率)であり、添字i(=1 or 2)は、第1粒子又は第2粒子を示す。χfは、液体の磁化率(体積磁化率)であり、μ0は、真空中の透磁率である。以下、この磁気力Fixを、水平方向の磁気アルキメデス力と称する。
本発明では、第1粒子は、反磁性体又は常磁性体で形成されており、第2粒子も、反磁性体又は常磁性体で形成されている。形成物質が異なることから、第1粒子と第2粒子の磁化率は異なっている。液体の磁化率χfの値は、第1粒子の磁化率χ1と第2粒子の磁化率χ2の間とされ、例えば、第2粒子の磁化率χ2が第1粒子の磁化率χ1よりも大きいとすると、
χ1<χf<χ2、χ1=χf<χ2、又は、χ1<χf=χ2
となる。
χ1<χf<χ2、χ1=χf<χ2、又は、χ1<χf=χ2
となる。
χ1<χf<χ2である場合、(χ1−χf)<0且つ(χ2−χf)>0となる。従って、第1粒子に働く水平方向の磁気アルキメデス力F1xの向きと第2粒子に働く水平方向の磁気アルキメデス力F2xの向きが異なることから、液体中の第1粒子と第2粒子は互いに離間するように横に又は水平に移動する。例えば、液体が溜められた分離槽の壁や分離槽に設けられた適当な部材に当たると、又は、移動した粒子に加わる磁気アルキメデス力Fixが小さくなって、液体の抵抗に抗じて移動できなくなると、第1粒子又は第2粒子は移動を止める。このように、液体中の第1粒子と第2粒子に互いに逆向きの水平方向の力が働いて、第1粒子と第2粒子が互いに逆向きに移動することで、混合物の第1粒子と第2粒子が種類別に分離される。液体の磁化率χfは、χf≒(χ1+χ2)/2とされるのが好ましいであろう。
χ1=χf<χ2又はχ1<χf=χ2(或いは、χ1≒χf<χ2又はχ1<χf≒χ2)である場合、(液体の磁化率χfと同じ又はほぼ同じ磁化率を有している)第1粒子と第2粒子の一方には、水平方向の磁気アルキメデス力Fixは働かない。又は、第1粒子と第2粒子の一方に働く磁気アルキメデス力Fixは、液体中にて粒子を水平移動させるほどの大きさにはならない。しかしながら、第1粒子と第2粒子の他方には、水平移動させるのに十分な大きさの磁気アルキメデス力Fixが働く。第1粒子と第2粒子の一方は、例えば、液体中にて静止したままであるのに対して、第1粒子と第2粒子の他方が水平方向の磁気アルキメデス力Fixによって横に移動することで、混合物は、第1粒子と第2粒子とに種類別に分離される。
本発明では、第1粒子及び/又は第2粒子は液体の液面に浮いた状態で、横に又は水平方向に移動する。例えば、第1粒子と第2粒子の密度(比重)は、液体の密度よりも小さくされてよい。第1粒子と第2粒子の密度が液体の密度より大きい場合でも、第1粒子と第2粒子は、液体の表面張力で液面に浮いてもよい。また、第1粒子及び第2粒子の一方の密度が液体の密度よりも大きい場合でも、磁場勾配が水平成分に加えて鉛直成分を有しており、鉛直方向(z方向)の磁気アルキメデス力:Fiz=(χi−χf)B∂B/∂z/μ0が作用することで、第1粒子及び第2粒子の一方は、液体の液面に浮いてもよい。第1粒子と第2粒子は、互いに異なる原理で液面に浮いてもよい(例えば、第1粒子は表面張力で、第2粒子は浮力により液面に浮いてもよい)。磁場勾配が水平成分に加えて鉛直成分を有している場合、鉛直方向の磁気アルキメデス力は、第1粒子及び第2粒子の他方には下向きに働くことから、磁気アルキメデス力によって、第1粒子及び第2粒子の他方について、液面での浮遊状態が妨げられないことが好ましい。
本発明は、上記のような原理で第1粒子と第2粒子を含む混合物を種類別に分離するが、例えば、分離された第1粒子と第2粒子を回収するために、液体に流れが与えられてもよい。例えば、分離された第1粒子と第2粒子を液体と共に吸引して回収する場合には、これら粒子を吸引管に導くような流れが液体に与えられるであろう。磁場勾配の水平成分と直交するような流れが、分離槽内の液体に局所的に与えられてもよい。分離槽内にて、液体が、磁場勾配の水平成分と直交する向きに全体的に流されてもよい。さらには、液体を回転させ、又は振動させることで、混合物の分離が促進されてもよい。
本発明では、第1粒子は、反磁性体又は常磁性体で形成されており、第2粒子も反磁性体又は常磁性体で形成されている。第1粒子と第2粒子の一方が常磁性体で、第1粒子と第2粒子の他方が反磁性体で形成されてもよいが、第1粒子と第2粒子が両方とも反磁性体で、又は常磁性体で形成されている場合に(さらには、第1粒子と第2粒子を形成する物質の磁化率が近い場合に)、本発明は効果的である。第1粒子又は第2粒子を形成する反磁性体としては、反磁性プラスチックやガラスなどがある。本発明は、第1粒子と第2粒子の磁化率が近い場合に効果的であり、そのような第1粒子と第2粒子の組み合わせとしては、ポリエチレン(PE)粒子とポリプロピレン(PP)粒子の組み合わせや、色が異なるガラスの組み合わせ(例えば、赤ガラスと青ガラス)が例示される。第1粒子又は第2粒子を形成する常磁性体としては、アルミニウムやチタニウム等がある。第1粒子と第2粒子を形成する物質は、互いに構造異性体の関係にあってもよい。例えば、1,6−ドデカン二酸の体積磁化率は、−8.04×10−6(SI単位系:以下に記載の体積磁化率の数値も同様)であり、その構造異性体である1,10−ドデカン二酸の体積磁化率は、−8.89×10−6であることから、1,6−ドデカン二酸粒子と1,10−ドデカン二酸粒子とからなる混合物を、本発明を用いて種類別に分離することが可能である。
本発明において、第1粒子と第2粒子の大きさや粒径は限定されないが、処理される混合物や分離された粒子の取り扱い上、数μm乃至数cmとされるのが好ましいであろう。混合物中の第1粒子又は第2粒子の大きさや粒径は均一でなくてよく、混合物中の第1粒子又は第2粒子の形状も同じでなくてもよい。例えば、本発明で処理される混合物は、第1粒子と形成する物質と第2粒子を形成する物質を含む塊(例えば、廃棄物)を破砕して得られてよい。
本発明では、液体の磁化率χfの値は、第1粒子の磁化率χ1と第2粒子の磁化率χ2の間とされる。第1粒子と第2粒子が、反磁性体又は常磁性体で形成されることから、液体は、反磁性又は常磁性を有する。本発明で使用される液体としては、例えば、常磁性無機塩の水溶液がある。常磁性無機塩には、塩化マンガン、塩化コバルト、塩化ニッケル、塩化第一鉄、硝酸コバルト、硝酸ニッケル、硝酸ガドリニウム、硝酸ジスプロシウムや硝酸テルビウムなどが用いられる。水が反磁性(体積磁化率:−9.05×10−6)を有することから、常磁性無機塩の濃度を調整することで、液体の磁化率をそれより大きくすることができる。本発明において、反磁性を有する液体として、メタノール水溶液などのアルコール水溶液や水が使用されてもよい。磁化率が水よりも小さい液体としては、塩化ナトリウム水溶液、塩化カリウム水溶液、塩化アンモニウム水溶液、硫酸アンモニウム水溶液などの反磁性無機塩の水溶液、クロロホルムやグリセリンなどがある。
第1粒子と第2粒子が何れも反磁性プラスチックで形成されている場合には、本発明の液体として水又は水溶液が用いられてよい。かなりの種類の反磁性プラスチックの比重は、水よりも小さいので、第1粒子と第2粒子は液体の液面に浮く。このような状態で、勾配磁場を印加することで、第1粒子と第2粒子をスムーズに横方向に移動させることができる。
本発明で印加される勾配磁場は、超伝導バルク磁石や超伝導電磁石を用いて生成されてよい。本発明で印加される勾配磁場は、永久磁石や常伝導電磁石を用いて生成されてもよい。第1粒子と第2粒子の少なくとも一方に水平方向の磁気アルキメデス力を作用させるために、磁場の磁場勾配は水平成分を有している。先に述べたように、磁場勾配は、水平成分に加えて鉛直成分を有していてもよい。勾配磁場は、鉛直軸回りの軸対称性を有していてよく、この場合、磁場勾配の水平成分は、勾配磁場の中心軸(鉛直軸)に直交する径方向の成分となり、液体中の第1粒子及び/又は第2粒子は互いに離間するように径方向に沿って移動する。勾配磁場の中心軸に向かう、径方向の磁気アルキメデス力が作用すると、第1粒子又は第2粒子は中心軸に集められる。反対向きの磁気アルキメデス力が作用すると、第1粒子又は第2粒子は、勾配磁場の中心軸から外に向かうように移動する。
本発明では、磁場勾配が水平成分を有する磁場を印加した状態で、液体に混合物を入れて、第1粒子と第2粒子とを液体の液面に浮かせることで、第1粒子と第2粒子に磁場が印加される工程が行われる。又は、混合物を液体に入れて、液体の液面に浮いた状態の第1粒子と第2粒子とに磁場勾配が水平成分を有する磁場が印加される工程が行われる。例えば、分離槽に貯留した液体に磁場を印加した状態で、混合物が液体に入れられてよく、又は、分離槽に貯留した液体に混合物を入れて、第1粒子と第2粒子が液体の液面に浮いた状態にて磁場が印加されてもよい。本発明において、(磁場が印加される)液体に混合物を導入する手法は限定されず、例えば、混合物が懸濁した液体が、分離槽に貯留した液体に加えられてよい。
本発明は、第1粒子と第2粒子を含む混合物から第1粒子又は第2粒子を分離するのに使用できることは明らかである。第1粒子と第2粒子に加えて、1又は複数種類の粒子が混合物に含まれる場合でも、例えば、それらの粒子が第1粒子及び第2粒子の一方と同じように振る舞えば、第1粒子及び第2粒子の他方のみを混合物から分離できる。つまり、形成物質が異なる3種類以上の粒子が混合物に含まれる場合、液体の磁化率を、磁化率が最も小さい粒子の磁化率以上、且つ磁化率が2番目に小さい粒子の磁化率以下にすることで、磁化率が最も小さい粒子が混合物から分離されてよい。或いは、液体の磁化率を、磁化率が2番目に大きい粒子の磁化率以上、且つ、磁化率が最も大きい粒子の磁化率以下にすることで、磁化率が最も大きい粒子が混合物から分離されてよい。
形成物質が異なる3種類以上の粒子が混合物に含まれる場合、特定の種類の粒子が分離された後の混合物の残部又は残渣に本発明の分離方法を適用することを、必要な回数繰り返すことで、最終的に粒子の種類別に混合物を分離できる。これらの3種類以上の粒子は、液体に浮くか、液体に浮いた状態にされる。例えば、常磁性無機塩の水溶液を本発明の液体として用いる場合には、次の分離プロセスが行われる際に常磁性無機塩を液体に追加することで、液体の磁化率の調整若しくは変更がなされてよい。この場合、分離プロセスが繰り返される度に液体の磁化率が大きくなって、磁化率が小さい粒子から順に分離される。常磁性無機塩の水溶液を本発明の液体として用いる場合には、水を液体に追加することで液体の磁化率の調整がなされてもよい。この場合、分離プロセスが繰り返される度に液体の磁化率が小さくなって、磁化率が大きい粒子から順に分離される。
混合物が、反磁性体又は常磁性体である第3粒子を更に含んでおり、第1粒子χ1の磁化率は、第2粒子の磁化率χ2よりも小さく、第3粒子の磁化率χ3は、第2粒子の磁化率χ2よりも大きいケースを考える。第1粒子や第2粒子と同じように、第3粒子は、液体に浮くか、液体に浮いた状態にされる。まず、第1粒子χ1の磁化率と第2粒子の磁化率χ2の間の磁化率χfを有しており、磁場勾配が水平成分を有する磁場が印加された液体に混合物を入れて、第1粒子と第2粒子と(第3粒子と)を液体の液面に浮かせることで、混合物から第1粒子が分離される。又は、第1粒子χ1の磁化率と第2粒子の磁化率χ2の間の磁化率χfを有する液体に混合物を入れて、液体の液面に浮いた状態の第1粒子と第2粒子と(第3粒子と)に磁場勾配が水平成分を有する磁場を印加することで、混合物から第1粒子が分離される。次に、第1粒子が除かれた混合物の残部を、第2粒子χ2の磁化率と第3粒子の磁化率χ3の間の磁化率χfを有しており、磁場勾配が水平成分を有する磁場が印加された液体に混合物を入れて、第2粒子と第3粒子とを液体の液面に浮かせることで、第2粒子と第3粒子が種類別に分離される。又は、第2粒子χ2の磁化率と第3粒子の磁化率χ3の間の磁化率χfを有する液体に混合物を入れて、液体の液面に浮いた状態の第2粒子と第3粒子とに磁場勾配が水平成分を有する磁場を印加することで、第2粒子と第3粒子が種類別に分離される。第2粒子と第3粒子の分離に用いる液体には、第1粒子の分離に用いた液体と別に準備した液体を用いてよい。又は、第2粒子の磁化率χ2と第3粒子の磁化率χ3の間の磁化率χfを有するように調整することで、第1粒子の分離に用いた液体を流用してもよい。混合物から第1粒子が分離された後に、第2粒子と第3粒子が液面に浮いた状態で、液体の磁化率が調整されてもよい。混合物の残部を第2粒子と第3粒子に分離する際には、第1粒子を分離する際に印加した勾配磁場と同じ勾配磁場が印加されなくともよく、磁場及び/又は磁場勾配の大きさは、適宜変更されてもよい。
混合物が反磁性体又は常磁性体である第3粒子を更に含んでおり、第1粒子χ1の磁化率は、第2粒子の磁化率χ2よりも小さく、第3粒子の磁化率χ3は、第1粒子の磁化率χ1よりも小さいケースを考える。第1粒子や第2粒子と同じように、第3粒子は、液体に浮くか、液体に浮いた状態にされる。まず、第1粒子χ1の磁化率と第2粒子の磁化率χ2の間の磁化率χfを有しており、磁場勾配が水平成分を有する磁場が印加された液体に混合物を入れて、第1粒子と第2粒子と(第3粒子と)を液体の液面に浮かせることで、混合物から第2粒子が分離される。又は、第1粒子χ1の磁化率と第2粒子の磁化率χ2の間の磁化率χfを有する液体に混合物を入れて、液体の液面に浮いた状態の第1粒子と第2粒子と(第3粒子と)に磁場勾配が水平成分を有する磁場を印加することで、混合物から第2粒子が分離される。次に、第2粒子が除かれた混合物の残部を、第1粒子χ1の磁化率と第3粒子の磁化率χ3の間の磁化率χfを有しており、磁場勾配が水平成分を有する磁場が印加された液体に混合物を入れて、第1粒子と第3粒子とを液体の液面に浮かせることで、第1粒子と第3粒子が種類別に分離される。又は、第1粒子χ1の磁化率と第3粒子の磁化率χ3の間の磁化率χfを有する液体に混合物を入れて、液体の液面に浮いた状態の第1粒子と第3粒子とに磁場勾配が水平成分を有する磁場を印加することで、第1粒子と第3粒子が種類別に分離される。第1粒子と第3粒子の分離に用いる液体には、第2粒子の分離に用いた液体と別に準備した液体を用いてよい。又は、第1粒子の磁化率χ1と第3粒子の磁化率χ3の間の磁化率χfを有するように調整することで、第2粒子の分離に用いた液体を流用してもよい。混合物から第2粒子が分離された後に、第1粒子と第3粒子が液面に浮いた状態で、液体の磁化率が調整されてもよい。混合物の残部を第1粒子と第3粒子に分離する際には、第2粒子を分離する際に印加した勾配磁場と同じ勾配磁場が印加されなくともよく、磁場及び/又は磁場勾配の大きさは、適宜変更されてもよい。
本発明によれば、形成物質が異なる3種類の粒子が混合物に含まれる場合でも、例えば、液体の磁化率を所望の種類の粒子の磁化率と同じ、又はそれと殆ど同じ値にすることで所望の種類の粒子を混合物から分離することができる。つまり、所望の種類の粒子には水平方向の磁気アルキメデス力を作用させず、その他の粒子を水平方向の磁気アルキメデス力で横移動させることで、所望の種類の粒子を混合物から分離することができる。
以下、本発明の実施形態である混合物の分離装置について、図を用いて説明する。添付の図面では、同一又は類似の構成要素については原則として同一の符号を付している。図1は、本発明の第1実施形態に係る混合物の分離装置の概要を示す説明図である。第1実施形態に係る混合物の分離装置は、分離槽(11)と、分離槽(11)の下側に配置された電磁石(21)とを備えている。本実施形態では、電磁石(21)は、ソレノイドコイルを用いた超伝導電磁石であり、コイル中心軸C1が鉛直になるように配置されている。電磁石(21)は、常伝導電磁石であってもよい。
図2は、分離槽(11)及び電磁石(21)を示す上面図である。図1では、分離槽(11)と電磁石(21)の断面が模式的に示されている。分離槽(11)は、非磁性のステンレス鋼やプラスチックなどの非磁性材料で形成されるのが好ましく、横長で幅狭の直方体状の外形を有しており、その上側は開放している。分離槽(11)は、その長手方向がコイル中心軸C1とほぼ直交し、コイル中心軸C1が分離槽(11)のほぼ中心を通るように、電磁石(21)の上側端面の上に配置されている。分離槽(11)の内部には、液体(31)が貯留される。
本実施形態に係る混合物の分離装置で分離される混合物は、第1粒子(○で示す)と第2粒子(●で示す)とを含んでおり、第1粒子の磁化率χ1は、第2粒子の磁化率χ2よりも小さい。液体(31)の磁化率χfは、第1粒子の磁化率χ1よりも大きく、且つ、第2粒子の磁化率χ2よりも小さい(χ1<χf<χ2)。さらに、液体(31)の磁化率χfは、これら磁化率χ1、χ2のほぼ中間の値にされている(χf≒(χ1+χ2)/2)。本実施形態では、第1粒子と第2粒子の密度(比重)は、液体(31)の密度(比重)と比較して小さく、これらは液体(31)の液面に浮く。以下で説明されるその他の実施形態においても、特に断らない限り、本実施形態と同様な混合物が処理され、本実施形態と同様な液体(31)が使用される。
本実施形態に係る混合物の分離装置は、混合物用の第1貯槽(41)を有しており、第1貯槽(41)では、分離プロセスが施される前の混合物が液体(31)に入れられた状態(液体(31)に浮いた状態)で保持されている。第1貯槽(41)と分離槽(11)とは、混合物供給用流路(43)で繋がれており、分離装置の動作中、混合物供給用流路(43)に設けられた第1ポンプ(45)が動作して、所定の流量の液体(31)と共に、混合物が第1貯槽(41)から分離槽(11)へと送られる。
本実施形態では、混合物供給用流路(43)は、分離槽(11)側にて分岐している。一方の分岐路の先にある第1放出管(47a)は、該第1放出管(47a)に近いほうの分離槽(11)の壁部(13a)と分離槽(11)の中心(又は、コイル中心軸C1)のほぼ中間に配置されている。他方の分岐路の先にある第2放出管(47b)は、該第2放出管(47b)に近いほうの分離槽(11)の壁部(13b)と分離槽(11)の中心のほぼ中間に配置されている。さらに、第1放出管(47a)と第2放出管(47b)の各々は、分離槽(11)の幅方向について、ほぼ中央に位置するように配置されている(図2参照)。第1放出管(47a)と第2放出管(47b)の下端部は、分離槽(11)の液体(31)の液面付近に配置されている。
ソレノイドコイルが生成する磁場については周知である。ソレノイドコイルを用いた電磁石(21)が動作状態であると、分離槽(11)に送られた第1粒子と第2粒子には、鉛直方向に沿ったコイル中心軸C1について軸対称性を有する(勾配)磁場が印加される。コイル中心軸C1から径方向に離れると、磁場強度が減少することから、印加される磁場の磁場勾配は、水平成分、つまり径方向成分を有している。
本実施形態では、第1放出管(47a)と第2放出管(47b)から分離槽(11)へと、液体(31)と共に放出された第1粒子には、径方向に沿った外向きの磁気アルキメデス力が作用する。第1放出管(47a)から放出された第1粒子は、液体(31)の液面に浮いた状態で、第1放出管(47a)に近い壁部(13a)に向かって移動する。第2放出管(47b)から放出された第1粒子は、液体(31)の液面に浮いた状態で、第2放出管(47b)に近い壁部(13b)に向かって移動する。分離槽(11)が幅狭に形成されていることから、幅方向について第1粒子の拡散が抑制されており、長手方向に沿った壁部(13c)(13d)に当たった第1粒子は、壁部(13c)(13d)に沿って壁部(13a)(13b)へと移動する。
一方、第1放出管(47a)と第2放出管(47b)から分離槽(11)へと、液体(31)と共に放出された第2粒子には、径方向に沿った内向きの磁気アルキメデス力が作用する。第1放出管(47a)及び第2放出管(47b)から放出された第2粒子は、液体(31)の液面に浮いた状態で、分離槽(11)の中心又はコイル中心軸C1に向かって移動する。これにより、分離槽(11)にて、混合物が第1粒子と第2粒子とに分離される。
壁部(13a)に隣接して、第1吸引管(51a)が配置されており、壁部(13b)に隣接して、第2吸引管(51b)が配置されている。これら吸引管(51a)(51b)の下端部は、分離槽(11)の液体(31)の液面付近に配置されており、壁部(13a)(13b)に向かって移動した第1粒子を液体(31)と共に吸い上げる。第1吸引管(51a)及び第2吸引管(51b)は、第1粒子回収流路(53)の一部を構成している。第1粒子回収流路(53)には、液体(31)と共に第1粒子を吸い上げるための第2ポンプ(55)が設けられている。第1粒子回収流路(53)の終端には、回収された第1粒子が液体(31)と共に保持される第2貯槽(57)が設けられている。
本実施形態では、コイル中心軸C1上又はその付近に、第3吸引管(61)が配置されている。第3吸引管(61)の下端部は、分離槽(11)の液体(31)の液面付近に配置されており、コイル中心軸C1に向かって移動した第2粒子を液体(31)と共に吸い上げる。第3吸引管(61)は、第2粒子回収流路(63)を構成している。第2粒子回収流路(63)には、液体(31)と共に第2粒子を吸い上げるための第3ポンプ(65)が設けられている。第2粒子回収流路(63)の終端には、回収された第2粒子が液体(31)と共に保持される第3貯槽(67)が設けられている。
第1放出管(47a)と第2放出管(47b)を介して第1貯槽(41)から分離槽(11)に送られる液体(31)の流量は、第1乃至3吸引管(51a)(51b)(61)を介して分離槽(11)から第2貯槽(57)及び第3貯槽(67)に送られる液体(31)の流量と同じにされて、分離槽(11)内の液体(31)の液面の高さが変動しないようにされるのが好ましい。また、これら貯槽(41)(57)(67)に溜められる液体(31)の量が一定になるように、第2貯槽(57)及び/又は第3貯槽(67)から液体(31)のみが回収されて、第1貯槽(41)に送られてもよい。また、第1放出管(47a)と第2放出管(47b)や第1乃至3吸引管(51a)(51b)(61)の鉛直方向や水平方向の位置は、調整可能にされてもよい。
図3は、本発明の第2実施形態に係る混合物の分離装置の概要を示す説明図である。図4は、当該分離装置の分離槽(15)を模式的に示す上面図である。本実施形態では、上側が開放した円筒状の分離槽(15)が使用されている。また、勾配磁場を印加する手段として、円盤状又は円柱状の超伝導バルク磁石(23)が使用されている。図3では、分離槽(15)と超伝導バルク磁石(23)の断面が模式的に示されている。超伝導バルク磁石(23)の中心軸C2は、鉛直方向に配置されており、超伝導バルク磁石(23)の上側の磁極面の上方に、分離槽(15)が同軸状に配置される。
第2実施形態では、第1実施形態と同様な混合物が処理され、第1実施形態と同様な液体(31)が使用される。第1粒子と第2粒子の密度は、液体(31)の密度と比較して小さく、これら粒子は液体(31)の液面に浮く。第2実施形態では、第1粒子と第2粒子の密度は、液体(31)の密度よりも大きいが、表面張力によって、第1粒子と第2粒子が液体(31)の液面に浮いてもよい。
分離槽(11)に送られた第1粒子と第2粒子には、鉛直方向に沿った超伝導バルク磁石(23)の中心軸C2について軸対称性を有する(勾配)磁場が印加される。円盤状の超伝導バルク磁石(23)が生成する磁場については周知である。中心軸C2から径方向に離れると、磁場強度が減少することから、印加される磁場の磁場勾配は、水平成分、つまり径方向成分を有している。
分離槽(15)の上方には、混合物が入れられるホッパ(71)が配置されている。ホッパ(71)は、超伝導バルク磁石(23)の中心軸C2又は分離槽(15)の中心軸上に配置されており、ホッパ(71)の下側から排出された混合物は、液体(31)の液面の中央領域に落ちる。ホッパ(71)から放出された第1粒子には、径方向に沿った外向きの磁気アルキメデス力が作用する。第1粒子は、液体(31)の液面に浮いた状態で、分離槽(15)の周壁部に向かって放射状に移動する。ホッパ(71)から放出された第2粒子は、液体(31)の液面に浮くと共に、液面の中央領域に集められる。これにより、分離槽(11)にて、混合物が第1粒子と第2粒子とに分離される。
分離槽(15)の周壁部の近傍には、第1粒子を回収するために、周壁の円周の1/4間隔で4本の吸引管(51a-d)が設けられている。これら吸引管(51a-d)は、液体(31)と共に第1粒子を回収する。ホッパ(71)から放出された第1粒子は、液体(31)と共に何れかの吸引管(51a-d)に直接吸引され、或いは、周壁部に当たって、さらには周壁部に沿って何れかの吸引管(51a-d)に向かって移動した後にその吸引管(51a-d)に吸引される。吸引管(51a-d)は、第1粒子回収流路(53)の一部を構成している。第1粒子回収流路(53)には、液体(31)と共に第1粒子を吸い上げるためのポンプ(55)が設けられており、第1粒子回収流路(53)の終端には、回収された第1粒子が液体(31)と共に保持される貯槽(57)が設けられている。図示を省略した流路を介して貯槽(57)から分離槽(15)に液体(31)のみが送られて、分離槽(15)に貯留される液体(31)の量は一定にされる。ホッパ(71)から分離層(15)への混合物の供給が終了し、第1粒子の回収が完了すると、分離槽(11)には、第2粒子が残される。
図5は、本発明の第3実施形態に係る混合物の分離装置の概要を示す説明図である。本実施形態でも、ソレノイドコイルを用いた電磁石(25)が使用されているが、分離槽(11)は、ソレノイドコイルの内部空間に配置されている。その点を除いて、第3実施形態の混合物の分離装置は、第1実施形態の混合物の分離装置と同様に構成されている。電磁石(25)には、超伝導電磁石が使用されるが、常伝導電磁石が使用されてもよい。
電磁石(25)は、コイル中心軸C3が水平になるように配置されており、分離槽(11)は、コイル中心Oを含み、コイル中心軸C3に垂直な平面K1で2分されるように配置されている。分離槽(11)は、その長手方向がコイル中心軸C3と平行になるように配置されている。
周知のように、ソレノイドコイルを用いた電磁石(25)の内部空間には、コイル中心軸C3にほぼ平行な磁場が生じる。磁場は、コイル中心軸C3に垂直な面内でほぼ一様であり、コイル中心O又はそれを含む平面K1から水平方向に離れるにつれて、磁場強度は小さくなる。故に、電磁石(25)によって分離槽(11)に印加される磁場は、磁場勾配を有しており、当該磁場勾配は、水平成分を有している。
分離槽(11)に液体(31)と共に混合物を放出する第1放出管(47a)と第2放出管(47b)の間に、平面K1が位置している。第1放出管(47a)と第2放出管(47b)から分離槽(11)に放出された第1粒子には、コイル中心軸C3に平行な外向きの磁気アルキメデス力が作用する。第1放出管(47a)から放出された第1粒子は、液体(31)の液面に浮いた状態で、第1放出管(47a)に近い壁部(13a)に向かって移動し、第1吸引管(51a)に吸引される。第2放出管(47b)から放出された第1粒子は、液体(31)の液面に浮いた状態で、第2放出管(47b)に近い壁面(13b)に向かって移動し、第2吸引管(51b)に吸引される。
第1放出管(47a)と第2放出管(47b)から分離槽(11)に放出された第2粒子には、コイル中心軸C3に平行な内向きの磁気アルキメデス力が作用する。第1放出管(47a)と第2放出管(47b)から放出された第2粒子は、液体(31)の液面に浮いた状態で、分離槽(11)の中心又は平面K1に向かって移動し、第3吸引管(61)に吸引される。このように、分離槽(11)内にて、混合物が第1粒子と第2粒子とに分離されて、種類別に回収される。第3実施形態に関するその他の点については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
図6は、本発明の第4実施形態に係る混合物の分離装置の概要を示す説明図である。本実施形態では、永久磁石を用いた磁石アセンブリ(27)が、分離槽(11)内の粒子に勾配磁場を印加するために使用されている。磁石アセンブリ(27)としては、例えば、図7(a)に示すようなマグネットバー(81)、又は、図7(b)に示すようなハルバッハ磁石(91)が使用されてよい。
図7(a)に示すマグネットバー(81)は、薄板状の鉄ヨーク(83)を介してN極又はS極どうしが向き合うように一列に並べられた複数の永久磁石(85)を含んでいる。複数の永久磁石(85)の各々は、例えば、円柱状に形成されている。マグネットバー(81)では、各鉄ヨーク(83)の付近又は周囲にて高磁場勾配が発生する。図7(a)に示すように、マグネットバー(81)は水平に配置され、分離槽(11)は、N極どうしが向き合うように配置された永久磁石(85)の間に配置された鉄ヨーク(83)の上方に配置される。周知のように、当該鉄ヨーク(83)を挟む2つの永久磁石(85)から等距離にある鉛直面K2について対称な磁場が分離槽(11)に印加される。分離槽(11)の両壁部(13a)(13b)の位置は夫々、分離槽(11)の下方にある鉄ヨーク(83)を挟む2つの永久磁石(85)を鉛直に2分する面L1及びL2を超えないのが好ましい。分離槽(11)内では、鉛直面K2から水平方向に離れるほど磁場は小さくなる。分離槽(11)は、破線で示すように、S極同士が向き合うように配置された2つの永久磁石(85)の間に配置された鉄ヨーク(83)の上方に配置されてもよい。
図7(b)に示すハルバッハ磁石(91)は、磁化の向きが90度ずつ異なるように水平方向に並べられた、即ち、ハルバッハ配列された複数の永久磁石(93)を含んでいる。永久磁石(93)の各々は直方体状に形成されており、それらの下方には、長尺板状の鉄ヨーク(95)が配置される。図7(b)に示すように、分離槽(11)は、N極が上側になるように配置されている永久磁石(93)の上方に配置される。周知のように、この永久磁石(93)を2分する鉛直面K3について対称な磁場が分離槽(11)内に印加される。分離槽(11)の両壁部(13a)(13b)の位置は夫々、その下方にある永久磁石(93)に隣接する2つの永久磁石(93)を鉛直に2分する面L3及びL4を超えないのが好ましい。分離槽(11)内では、鉛直面K3から水平に離れるほど磁場は小さくなる。分離槽(11)は、破線で示すように、S極が上側になるように配置されている永久磁石(93)の上方に配置されてもよい。
分離槽(11)に液体(31)と共に混合物を放出する第1放出管(47a)と第2放出管(47b)の間に、マグネットバー(81)に係る平面K2又はハルバッハ磁石(91)に係る平面K3が位置している。第1放出管(47a)と第2放出管(47b)から分離槽(11)に放出された第1粒子には、外向きの磁気アルキメデス力が作用する。第1放出管(47a)から放出された第1粒子は、液体(31)の液面に浮くと共に、第1放出管(47a)に近い壁部(13a)に向かって移動し、第1吸引管(51a)に吸引される。第2放出管(47b)から放出された第1粒子は、液体(31)の液面に浮くと共に、第2放出管(47b)に近い壁部(13b)に向かって移動し、第2吸引管(51b)に吸引される。
第1放出管(47a)と第2放出管(47b)から分離槽(11)に放出された第2粒子には、内向きの磁気アルキメデス力が作用する。分離槽(11)は、上述の平面K2又はK3で2分されるように、さらに、その長手方向が平面K2又はK3に直交するように配置されている。第1放出管(47a)と第2放出管(47b)から放出された第2粒子は、液体(31)の液面に浮くと共に、分離槽(11)の中心又は平面K2若しくはK3に向かって移動し、第3吸引管(61)に吸引される。このように、分離槽(11)内にて、混合物が第1粒子と第2粒子とに分離されて、種類別に回収される。第4実施形態に関するその他の点については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
図8は、本発明の第5実施形態に係る混合物の分離装置の概要を示す説明図である。本実施形態では、ソレノイドコイルを用いた超伝導電磁石(29)が使用されており、電磁石(29)は、そのコイル中心軸C4が水平になるように配置されている。分離槽(11)は、ソレノイドコイルの外部にて、コイル中心軸C4に沿って配置されている。電磁石(29)は、常伝導電磁石であってもよい。
第5実施形態に係る混合物の分離装置は、混合物用の第1貯槽(41)を有しており、第1貯槽(41)では、分離プロセスが施される前の混合物が液体(31)に入れられた状態で保持されている。第1貯槽(41)と分離槽(11)とは、第1ポンプ(45)が設けられた混合物供給用流路(43)で繋がれており、分離装置の動作中、所定の流量の液体(31)と共に混合物が第1貯槽(41)から分離槽(11)へと送られる。分離槽(11)の電磁石(29)側の壁部(13b)付近には、混合物供給用流路(43)を介して送られた混合物を放出する放出管(47)が配置されている。
周知のように、分離槽(11)内の粒子に印加される磁場は、分離槽(11)の長手方向に沿って、又は、コイル中心軸C4に沿って電磁石(29)から離れるほど小さくなる。分離槽(11)内の粒子に印加される磁場の磁場勾配は、水平成分を有しており、放出管(47)から分離槽(11)に放出された第1粒子には、水平な外向きの磁気アルキメデス力が作用する。放出管(47)から放出された第1粒子は、液体(31)の液面に浮くと共に、電磁石(29)側の壁面と対向する壁部(13a)に向かって移動し、第1粒子用吸引管(51)に吸引される。吸引された第1粒子は、液体(31)共に第1粒子を吸引するポンプ(55)が設けられた第1粒子回収流路(53)を介して、第1粒子用の第2貯槽(57)に送られる。
本実施形態では、液体(31)の磁化率χfが第2粒子の磁化率χ2と同じほぼ同じにされている。故に、放出管(47)から分離槽(11)に放出された第2粒子には、水平方向の磁気アルキメデス力はほとんど作用しない。分離槽(11)に放出された第2粒子は、分離槽(11)の電磁石(29)側の壁部(13b)付近にて、液体(31)の液面に浮く。分離槽(11)の電磁石(29)側の壁部(13b)付近には、第2粒子用吸引管(61)が設けられており、第2粒子は、吸引管(61)に吸引される。吸引された第2粒子は、液体(31)共に第2粒子を吸引するポンプ(65)が設けられた第2粒子回収流路(63)を介して、第2粒子用第3貯槽(67)に送られる。このように、第5実施形態に係る混合物の分離装置にて、混合物が第1粒子と第2粒子とに分離され、種類別に回収される。
上述した本発明の第1乃至第5実施形態は、第1粒子及び第2粒子を含む混合物から第1粒子又は第2粒子のみを分離及び回収するのに使用できるのは明らかである。さらに、本発明の上述した第1乃至第5実施形態に適当な変更を施すことで、形成する物質が異なる3種類以上の粒子を含む混合物についても種類別に分離し、又は、特定の種類の粒子のみを分離及び回収することができることも明らかである。
形成する物質が異なる3種類以上の粒子が混合物に含まれる場合、例えば、第2実施形態にて、液体(31)の磁化率χfを、磁化率が最も小さい第1粒子の磁化率χ1と第2粒子の磁化率χ2とのほぼ中間の値にする(χf≒(χ1+χ2)/2)。第2粒子の磁化率χ2は、第1粒子の磁化率χ1よりも大きく、第3粒子の磁化率χ3よりも小さい。第1粒子は、上述したように第1及び第2吸引管(51a-b)から回収され、それ以外の種類の粒子は、液面の中央領域に収集される。所定量の混合物が第1粒子とそれ以外の粒子に分離された後、例えば、常磁性無機塩を液体(31)に入れて(液体(31)の量は一定にされる)、分離槽(11)内の液体(31)の磁化率χfを、第2粒子の磁化率χ2と磁化率が最も大きい第3粒子の磁化率χ3とのほぼ中間の値にする(χf≒(χ2+χ3)/2)。液面の中央領域に収集された粒子の中で、第2粒子が外方に移動する。これにより、第2粒子が第1及び第2吸引管(51a-b)で回収可能となる。例えば、第2粒子回収流路(63)には、第3ポンプ(65)の下流側の流路に、当該切換弁が設けられ、その先に回収された第2粒子が送られる第2粒子用の貯槽が設けられる。このような処理を繰り返し可能なように第2実施形態の分離装置を変更することで、形成する物質が異なる3種類以上の粒子を含む混合物が種類別に分離される。
また、第2実施形態にて、分離槽(11)内の液体(31)の磁化率χfを、所望の種類の粒子の磁化率とその粒子の次に磁化率が小さい粒子のほぼ中間の値にすることで、所望の種類の粒子よりも磁化率が小さい1又は複数種類の粒子を、外方に移動させてよい。そして、移動させた粒子を第1及び第2吸引管(51a-b)から回収した後、分離槽(11)内の液体(31)の磁化率χfを、所望の種類の粒子の磁化率とその粒子の次に磁化率が大きい粒子のほぼ中間の値にすることで、所望の種類の粒子を外方に移動させることで、所望の種類の粒子のみを集めることができる。
上記実施形態の電磁石(21)、超伝導バルク磁石(23)、電磁石(25)、磁石アセンブリ(27)及び電磁石(29)は、本発明における磁場生成手段に対応する。また、上記実施形態の放出管(47)、放出管(47a-b)又はそれらを含む混合物供給用流路(43)、及びホッパ(71)は、本発明における混合物導入手段に対応する。
以下、本発明を実際に用いて、磁化率が異なる2種類の物質からなる混合物を種類別に分離した実施例について説明する。
[第1実施例]
ポリエチレン(PE)粒子とポリプロピレン(PP)粒子とからなる混合物を調製し、ガラス製の透明な容器(ビーカー)に入れられたメタノール水溶液の液面の中央付近に投入した。容器は、上側が開放した逆円錐台状の外形を有しており、容器内のメタノール水溶液の液面は、容器の底面から略2cmの高さにあった。メタノール水溶液は、水(体積磁化率:−9.05×10−6)とメタノール(体積磁化率:−6.65×10−6)とを混合することで調製され、その体積磁化率の値は、−8.45×10−6であった(磁気天秤値)。
ポリエチレン(PE)粒子とポリプロピレン(PP)粒子とからなる混合物を調製し、ガラス製の透明な容器(ビーカー)に入れられたメタノール水溶液の液面の中央付近に投入した。容器は、上側が開放した逆円錐台状の外形を有しており、容器内のメタノール水溶液の液面は、容器の底面から略2cmの高さにあった。メタノール水溶液は、水(体積磁化率:−9.05×10−6)とメタノール(体積磁化率:−6.65×10−6)とを混合することで調製され、その体積磁化率の値は、−8.45×10−6であった(磁気天秤値)。
ポリエチレン粒子とポリプロピレン粒子は、ポリエチレン塊とポリプロピレン塊を破砕して得られたものであり、粒子の大きさは1mm程度であった。ポリエチレン粒子の比重は、0.93であり、ポリプロピレン粒子の比重は、0.91であるので、メタノール水溶液の液面の中央に投入したポリエチレン粒子とポリプロピレン粒子は、メタノール水溶液に浮いた。ポリエチレンとポリプロピレンは共に反磁性体であって、ポリエチレン粒子の体積磁化率は、−8.34×10−6であり、ポリプロピレン粒子の体積磁化率は、−8.67×10−6であった。このように、ポリエチレン粒子の磁化率とポリプロピレン粒子の磁化率は非常に近い値であるが、ポリエチレンの体積磁化率は、メタノール水溶液の体積磁化率よりも大きく、ポリプロピレンの体積磁化率は、メタノール水溶液の体積磁化率よりも小さい。図9は、ポリエチレン粒子とポリプロピレン粒子とが混在した状態で液面の中央付近に浮かんだ模様を容器の上方から撮影した写真である。
次に、ポリエチレン粒子とポリプロピレン粒子とがメタノール水溶液の液面に浮かんだ状態で、円盤状の超伝導バルク磁石の上に容器を置き、勾配磁場をこれら粒子に印加した。容器は、超伝導バルク磁石の中心軸が液面又は容器の略中央を通るように、超伝導バルク磁石の上側磁極面上に置かれた。超伝導バルク磁石の半径は30mmであり、超伝導バルク磁石は、中心軸が鉛直に、つまり磁極面が水平になるように配置された。超伝導バルク磁石の磁場は、磁極面中心にて0.5Tであった。
上述したように、円盤状の超伝導バルク磁石が生成する磁場は、その中心軸について軸対称であり、水平方向、より具体的には径方向の磁場勾配を有している。メタノール水溶液よりも磁化率が小さいポリプロピレン粒子は、径方向の磁気アルキメデス力が作用して液面に浮いたまま外方に移動して、容器の壁面に当たって停止した。メタノール水溶液よりも磁化率が大きいポリエチレン粒子は、液面の中央付近に留まった。水平方向の磁場勾配を有する勾配磁場の印加によって、混在していたポリエチレン粒子とポリプロピレン粒子が種類別に分離された。図10は、ポリエチレン粒子とポリプロピレン粒子が分離された模様を容器の上方から撮影した写真である。このように、本発明が、複数種類の反磁性プラスチック粒子を含む混合物の分離に有効であることが確認された。
[第2実施例]
黄色ガラス粒子と青色ガラス粒子とからなる混合物を調製し、円筒状の容器に入った塩化マンガン水溶液の液面の中央付近に投入した。容器には、ガラス製の平皿を使用し、その底面の半径は約27mmであった。黄色ガラス粒子と青色ガラス粒子の粒径は、約600μmであった。黄色ガラス粒子及び青色ガラス粒子の密度は夫々、3.21g/cm3及び3.17g/cm3であった。黄色ガラス粒子及び青色ガラス粒子の密度は共に、塩化マンガン水溶液の密度(ほぼ1g/cm3)も大きかったが、図11の写真に示すように、黄色ガラス粒子及び青色ガラス粒子は混在した状態で、塩化マンガン水溶液の液面に表面張力で浮いた。
黄色ガラス粒子と青色ガラス粒子とからなる混合物を調製し、円筒状の容器に入った塩化マンガン水溶液の液面の中央付近に投入した。容器には、ガラス製の平皿を使用し、その底面の半径は約27mmであった。黄色ガラス粒子と青色ガラス粒子の粒径は、約600μmであった。黄色ガラス粒子及び青色ガラス粒子の密度は夫々、3.21g/cm3及び3.17g/cm3であった。黄色ガラス粒子及び青色ガラス粒子の密度は共に、塩化マンガン水溶液の密度(ほぼ1g/cm3)も大きかったが、図11の写真に示すように、黄色ガラス粒子及び青色ガラス粒子は混在した状態で、塩化マンガン水溶液の液面に表面張力で浮いた。
黄色ガラスと青色ガラスは、共に反磁性体である。磁気天秤を用いて測定したところ、黄色ガラス粒子の体積磁化率は、−9.27×10−6であり、青色ガラス粒子の体積磁化率は、−2.20×10−6であった。また、塩化マンガン水溶液の体積磁化率は、−8.0×10−6であった。このように、塩化マンガン水溶液の体積磁化率は、黄色ガラス粒子の体積磁化率と青色ガラス粒子の体積磁化率の間の値にされた。
次に、図11に示すように、黄色ガラス粒子と青色ガラス粒子が混在して塩化マンガン水溶液の液面の中央付近に浮かんだ状態で、中心軸が鉛直方向に沿うように配置された円盤状の超伝導バルク磁石の上に容器を置いた。容器の底面の中心は、超伝導バルク磁石の水平な上側磁極面のほぼ中央に配置された。超伝導バルク磁石の半径は30mmであり、超伝導バルク磁石の磁場の強度は、磁極面中心にて略3.3Tであった。
超伝導バルク磁石の上に容器を置くと、塩化マンガン水溶液よりも磁化率が小さい黄色ガラス粒子は、径方向の磁気アルキメデス力が作用することで、液面に浮いたまま外方に移動して、容器の周壁付近に集められた。塩化マンガン水溶液よりも磁化率が大きい青色ガラス粒子は、磁石の中心軸に向かって移動し、液面の中央領域に集められた。図12の写真は、混合物が黄色ガラス粒子と青色ガラス粒子とに分離された状態を容器の上方から撮影したものである。このように、反磁性の黄色ガラス粒子と青色ガラス粒子からなる混合物を、本発明を用いて種類別に分離できることが確認された。
[第3実施例]
赤色蛍光体粒子と青色蛍光体粒子とからなる混合物を用いた点と、塩化マンガン水溶液の体積磁化率が1.14×10−4である点とを除いて、第2実施例と同様な工程を行った。赤色蛍光体粒子は、Y2O3:Euで形成されており、青色蛍光体粒子は、BaMgAl10O17:Euで形成されていた。赤色蛍光体粒子と青色蛍光体粒子の平均粒径は、5μmであった。赤色蛍光体粒子と青色蛍光体粒子の比重は夫々、5.08及び3.83であった。赤色蛍光体粒子と青色蛍光体粒子は混在した状態で、塩化マンガン水溶液の液面に表面張力で浮いた。
赤色蛍光体粒子と青色蛍光体粒子とからなる混合物を用いた点と、塩化マンガン水溶液の体積磁化率が1.14×10−4である点とを除いて、第2実施例と同様な工程を行った。赤色蛍光体粒子は、Y2O3:Euで形成されており、青色蛍光体粒子は、BaMgAl10O17:Euで形成されていた。赤色蛍光体粒子と青色蛍光体粒子の平均粒径は、5μmであった。赤色蛍光体粒子と青色蛍光体粒子の比重は夫々、5.08及び3.83であった。赤色蛍光体粒子と青色蛍光体粒子は混在した状態で、塩化マンガン水溶液の液面に表面張力で浮いた。
赤色蛍光体と青色蛍光体は、共に常磁性体である。磁気天秤を用いて測定したところ、赤色蛍光体粒子の体積磁化率は、0.74×10−4であり、塩化マンガン水溶液の体積磁化率よりも小さく、青色蛍光体粒子の体積磁化率は、1.37×10−4であって、塩化マンガン水溶液の体積磁化率よりも大きかった。
赤色蛍光体粒子と青色蛍光体粒子が混在して塩化マンガン水溶液の液面の中央付近に浮かんだ状態で、円盤状の超伝導バルク磁石の上に容器を置いた。塩化マンガン水溶液よりも磁化率が小さい赤色蛍光体粒子は、径方向の磁気アルキメデス力が作用して液面に浮いたまま外方に移動して、容器の周壁付近に集められた。塩化マンガン水溶液よりも磁化率が大きい青色蛍光体粒子は、磁石の中心軸に向かって移動し、液面の中央領域に集められた。図13の写真は、混合物が赤色蛍光体粒子と青色蛍光体粒子とに分離された状態を容器の上方から撮影したものである。このように、常磁性の赤色蛍光体粒子と青色蛍光体粒子からなる混合物が、本発明を用いて種類別に分離できることが確認された。
[第4実施例]
[第4実施例]
ポリエチレン(PE)粒子と、ポリプロピレン(PP)粒子と、ポリスチレン(PS)粒子とからなる混合物を調製して、第2実施例で使用した容器に入ったメタノール水溶液の液面の中央付近に投入した。ポリエチレン粒子及びポリプロピレン粒子は、第1実施例と同じものを使用した。ポリスチレン粒子の大きさは1mm程度であり、その比重は、1.04であった。ポリスチレンは反磁性であり、ポリスチレン粒子の体積磁化率は、−8.16×10−6であった。メタノール水溶液の体積磁化率は、−8.2×10−6とされ(磁気天秤値)、ポリスチレン粒子の体積磁化率よりも小さくされ、ポリエチレン粒子とポリプロピレン粒子の体積磁化率よりも大きくされた。
ポリエチレン粒子とポリプロピレン粒子は、第1実施例と同様にメタノール水溶液の液面に浮いた。ポリスチレン粒子は、メタノール水溶液の液面に表面張力で浮いた。これら粒子がメタノール水溶液の液面の中央付近に混在して浮かんだ状態で、超伝導バルク磁石の中心軸が液面又は容器の略中央を通るように、第1実施例で使用した超伝導バルク磁石の上に容器を置き、勾配磁場をこれら粒子に印加した。メタノール水溶液よりも磁化率が小さいポリエチレン粒子とポリプロピレン粒子とは、径方向の磁気アルキメデス力が作用して液面に浮いたまま外方に移動して、容器の内壁面に当たって停止した。メタノール水溶液よりも磁化率が大きいポリスチレン粒子は、液面の中央領域に集められた。このように、本発明が、磁化率が異なる物質で形成された3種類以上の粒子を含む混合物から、特定の種類の粒子を分離できること、より具体的には、ポリエチレン粒子と、ポリプロピレン粒子と、ポリスチレン粒子とからなる混合物から、ポリスチレン粒子を分離することが確認された。
第4実施例において、ポリスチレン粒子が分離された混合物の残部又は残渣(ポリエチレン粒子とポリプロピレン粒子からなる)を回収して、この残部に対して第1実施例と同様な処理を行うことで、この残部を、ポリエチレン粒子とポリプロピレン粒子とに種類別に分離できることは明らかである。また、第4実施例において、分離されたポリスチレン粒子を回収した後、メタノール水溶液に水を加えて、その体積磁化率をポリエチレン粒子とポリプロピレン粒子の体積磁化率の間に下げることで、ポリスチレン粒子が分離された混合物の残渣をポリエチレン粒子とポリプロピレン粒子とに種類別に分離できることは明らかである。このように、ある種類の粒子を分離した後に混合物の残部について本発明の分離プロセスを適用することを必要な回数だけ繰り返すことで、3種類以上の粒子を含む混合物を粒子の種類別に分離することができる。
本発明は、廃棄物のマテリアルリサイクルに適用されてよい。例えば、上述したように、色が異なるガラスや発光色が異なる蛍光体を色別に分離できることから、本発明は、廃ガラスや蛍光体のリサイクルに適用されてよい。また、ポリエチレンとポリプロピレンなどのポリマーのリサイクルに、本発明が適用されてよい。これらポリマーは、現在、廃棄物として大量に排出されているポリマーである。しかしながら、これらポリマーを含む混合物の分離が難しいことから、このような混合物については、現在、焼却によるサーマルリサイクルのみが行われている。ポリエチレンとポリプロピレンを含む混合物に本発明を適用することで、混合物中の異物の除去やポリエチレンとポリプロピレンの個別回収が可能となり、ひいては、ポリエチレンとポリプロピレンのマテリアルリサイクルが可能となる。廃棄物のリサイクル以外にも、本発明を用いて、例えば、微量不純物を混入した材料の不純物濃度による分画、ひいては異性体の分離も可能である。
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
(11) 分離槽
(13a-d) 壁部
(15) 分離槽
(21) 電磁石
(23) 超伝導バルク磁石
(25) 電磁石
(27) 磁石アセンブリ
(29) 電磁石
(31) 液体
(41) 混合物用貯槽
(47) 放出管
(47a-b) 放出管
(51) 第1粒子用吸引管
(51a-d) 第1粒子用吸引管
(57) 第1粒子用貯槽
(61) 第2粒子用吸引管
(61a-b) 第2粒子用吸引管
(67) 第2粒子用貯槽
(71) ホッパ
(13a-d) 壁部
(15) 分離槽
(21) 電磁石
(23) 超伝導バルク磁石
(25) 電磁石
(27) 磁石アセンブリ
(29) 電磁石
(31) 液体
(41) 混合物用貯槽
(47) 放出管
(47a-b) 放出管
(51) 第1粒子用吸引管
(51a-d) 第1粒子用吸引管
(57) 第1粒子用貯槽
(61) 第2粒子用吸引管
(61a-b) 第2粒子用吸引管
(67) 第2粒子用貯槽
(71) ホッパ
Claims (12)
- 磁化率が異なる物質で形成された第1粒子と第2粒子を含む混合物を、液体を利用して粒子の種類別に分離する、或いは、前記第1粒子又は前記第2粒子を、液体を利用して前記混合物から分離する混合物の分離方法において、
前記第1粒子は、反磁性体又は常磁性体で形成されており、
前記第2粒子は、反磁性体又は常磁性体で形成されており、
前記液体の磁化率は、前記第1粒子の磁化率と前記第2粒子の磁化率の間の値であり、
磁場勾配が水平成分を有する磁場が印加された前記液体に前記混合物を送って、前記第1粒子と前記第2粒子とを前記液体の液面に浮かせる第1工程、又は、前記混合物を前記液体に入れて、前記液体の液面に浮いた状態の前記第1粒子と前記第2粒子とに磁場勾配が水平成分を有する磁場を印加する第2工程を含む混合物の分離方法。 - 前記第1工程又は前記第2工程の磁場は、鉛直軸回りに回転対称性を有しており、
前記第1粒子と前記第2粒子の一方には、前記第1工程又は前記第2工程の磁場の中心軸に向かう力が作用し、前記第1粒子と前記第2粒子の他方には、前記第1工程又は前記第2工程の磁場の中心軸から離れる力が作用する、請求項1に記載の混合物の分離方法 - 前記第1粒子及び前記第2粒子は反磁性体で形成されている、又は、前記第1粒子及び前記第2粒子は常磁性体で形成されている、請求項1又は請求項2に記載の混合物の分離方法。
- 前記第1粒子と前記第2粒子は、前記液体よりも比重が小さい物質で形成されている、請求項1乃至3の何れかに記載の混合物の分離方法。
- 前記液体は水又は水溶液であり、前記第1粒子と前記第2粒子は、前記液体よりも比重が小さい反磁性プラスチックで形成されている、請求項4に記載の混合物の分離方法。
- 前記混合物は、反磁性体又は常磁性体である第3粒子を更に含んでおり、
前記第1粒子の磁化率は、前記第2粒子の磁化率よりも小さく、前記第3粒子の磁化率は、前記第2粒子の磁化率よりも大きく、
前記第1工程又は前記第2工程を行って前記混合物から前記第1粒子を分離した後に、前記液体の磁化率を、前記第2粒子の磁化率と前記第3粒子の磁化率の間の磁化率に調整する工程、前記第1工程又は前記第2工程を行って前記混合物から前記第1粒子を分離した後に、前記第2粒子の磁化率と前記第3粒子の磁化率の間の磁化率を有しており、磁場勾配が水平成分を有する磁場が印加された液体に前記混合物の残部を入れて、前記第2粒子と前記第3粒子とをその液体の液面に浮かせる工程、或いは、前記第1工程又は前記第2工程を行って前記混合物から前記第1粒子を分離した後に、前記第2粒子の磁化率と前記第3粒子の磁化率の間の磁化率を有する液体に前記混合物の残部を入れて、その液体の液面に浮いた状態の前記第2粒子と前記第3粒子とに、磁場勾配が水平成分を有する磁場を印加する工程を含む、請求項1乃至5の何れかに記載の混合物の分離方法。 - 前記混合物は、反磁性体又は常磁性体である第3粒子を更に含んでおり
前記第1粒子の磁化率は、前記第2粒子の磁化率よりも小さく、前記第3粒子の磁化率は、前記第1粒子の磁化率よりも小さく、
前記第1工程又は前記第2工程を行って前記混合物から前記第2粒子を分離した後に、前記液体の磁化率を、前記第1粒子の磁化率と前記第3粒子の磁化率の間の磁化率に調整する工程、前記第1工程又は前記第2工程を行って前記混合物から前記第2粒子を分離した後に、前記第1粒子の磁化率と前記第3粒子の磁化率の間の磁化率を有しており、磁場勾配が水平成分を有する磁場が印加された液体に前記混合物の残部を入れて、前記第1粒子と前記第3粒子とをその液体の液面に浮かせる工程、或いは、前記第1工程又は前記第2工程を行って前記混合物から前記第2粒子を分離した後に、前記第1粒子の磁化率と前記第3粒子の磁化率の間の磁化率を有する液体に前記混合物の残部を入れて、その液体の液面に浮いた状態の前記第1粒子と前記第3粒子とに、磁場勾配が水平成分を有する磁場を印加する工程を含む、請求項1乃至5の何れかに記載の混合物の分離方法。 - 磁化率が異なる物質で形成された第1粒子と第2粒子を含む混合物を、粒子の種類別に分離する、或いは、前記第1粒子又は前記第2粒子を前記混合物から分離する混合物の分離装置において、
液体が貯留される分離槽と、
前記分離槽内の前記液体に前記混合物を送る混合物導入手段と、
磁場勾配が水平成分を有する磁場を前記液体に印加する磁場生成手段とを備えており、
前記第1粒子は、反磁性体又は常磁性体で形成されており、
前記第2粒子は、反磁性体又は常磁性体で形成されており、
前記液体の磁化率は、前記第1粒子の磁化率と前記第2粒子の磁化率の間の値であり、
前記磁場が前記液体に印加された状態にて、前記液体に送られた前記第1粒子と前記第2粒子とが、前記液体の液面に浮く混合物の分離装置。 - 前記磁場は、鉛直軸回りに回転対称性を有しており、
前記第1粒子と前記第2粒子の一方には、前記磁場の中心軸に向かう力が作用し、前記第1粒子と前記第2粒子の他方には、前記磁場の中心軸から離れる力が作用する、請求項8に記載の混合物の分離装置。 - 前記第1粒子及び前記第2粒子は反磁性体で形成されている、又は、前記第1粒子及び前記第2粒子は常磁性体で形成されている、請求項8又は請求項9に記載の混合物の分離装置。
- 前記第1粒子と前記第2粒子は、前記液体よりも比重が小さい物質で形成されている、請求項8乃至10の何れかに記載の混合物の分離装置。
- 前記液体は水又は水溶液であり、前記第1粒子と前記第2粒子は、前記液体よりも比重が小さい反磁性プラスチックで形成されている、請求項11に記載の混合物の分離装置。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012207310 | 2012-09-20 | ||
JP2012207310 | 2012-09-20 | ||
PCT/JP2013/075261 WO2014046164A1 (ja) | 2012-09-20 | 2013-09-19 | 混合物の分離方法及び分離装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2014046164A1 JPWO2014046164A1 (ja) | 2016-08-18 |
JP6011890B2 true JP6011890B2 (ja) | 2016-10-25 |
Family
ID=50341468
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014536894A Expired - Fee Related JP6011890B2 (ja) | 2012-09-20 | 2013-09-19 | 混合物の分離方法及び分離装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6011890B2 (ja) |
WO (1) | WO2014046164A1 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10096396B2 (en) * | 2014-08-25 | 2018-10-09 | The Boeing Company | Composite materials with improved electrical conductivity and methods of manufacture thereof |
WO2017190254A1 (en) * | 2016-05-06 | 2017-11-09 | Stemcell Technologies Inc. | Plate magnet |
CN107571426A (zh) * | 2017-08-02 | 2018-01-12 | 青岛科技大学 | 一种废旧塑料的分选方法及分选系统 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4187170A (en) * | 1977-01-27 | 1980-02-05 | Foxboro/Trans-Sonics, Inc. | Magnetic techniques for separating non-magnetic materials |
JP3631376B2 (ja) * | 1998-06-30 | 2005-03-23 | 株式会社東芝 | 空気から酸素を分離する方法および装置並びに火力発電システム |
JP3401487B2 (ja) * | 2000-08-23 | 2003-04-28 | 日本学術振興会 | 磁気アルキメデス効果によるプラスチック混合物の分別方法 |
JP4854842B2 (ja) * | 2000-10-20 | 2012-01-18 | 独立行政法人科学技術振興機構 | 粒子の制御方法 |
JP2003320271A (ja) * | 2002-04-26 | 2003-11-11 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 粒子の分離方法及び装置 |
JP2006212616A (ja) * | 2005-02-07 | 2006-08-17 | Tsunehisa Kimura | 磁場による異種微粒子同時配列方法 |
JP2007203205A (ja) * | 2006-02-02 | 2007-08-16 | Nippon Steel Chem Co Ltd | 分離方法及び装置 |
WO2008096302A1 (en) * | 2007-02-07 | 2008-08-14 | Koninklijke Philips Electronics N. V. | Means for the separation of magnetic particles |
EP2679310A4 (en) * | 2011-02-23 | 2016-05-18 | Ube Industries | METHOD AND APPARATUS FOR SEPARATING A MIXTURE |
-
2013
- 2013-09-19 JP JP2014536894A patent/JP6011890B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2013-09-19 WO PCT/JP2013/075261 patent/WO2014046164A1/ja active Application Filing
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPWO2014046164A1 (ja) | 2016-08-18 |
WO2014046164A1 (ja) | 2014-03-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1181982B1 (en) | Method for separation of plastic mixtures based on magneto-archimedes levitation | |
JP6011890B2 (ja) | 混合物の分離方法及び分離装置 | |
JP5700474B2 (ja) | 混合物の分離方法及び分離装置 | |
JP5704618B2 (ja) | 混合物の分離方法及び分離装置 | |
US10307767B2 (en) | Rotary drum-type magnetic separator | |
CN203076080U (zh) | 带有射流气泡发生器的磁浮分选装置 | |
JP2013517763A5 (ja) | ||
CN105624035A (zh) | 基于螺旋状毛细管的细胞磁分选装置及细胞磁分选装置方法 | |
US9308536B2 (en) | Method and apparatus for separation of mixture | |
CN203076082U (zh) | 带有气泡发生器的磁浮分选装置 | |
US6994219B2 (en) | Method for magnetic/ferrofluid separation of particle fractions | |
KR20080096656A (ko) | 중력과 자기력의 차이를 이용한 생물학적 입자 분리 장치및 방법 | |
CN203076079U (zh) | 带有微泡发生器的磁浮分选装置 | |
KR101241789B1 (ko) | 해사 및 강사 등의 쇄설성 자원으로부터 유용광물을 회수하는 방법 | |
CN111375486A (zh) | 一种通过磁悬浮技术分离电子废弃物的方法及装置 | |
US20140014559A1 (en) | Method and apparatus for separation of mixture | |
CN108452943A (zh) | 一种永磁感应式高梯度磁盘机 | |
US10449550B2 (en) | Sorting device and sorting method | |
CN102294301B (zh) | 磁性颗粒的粒径连续式气液界面跳汰磁分选装置 | |
CN102989583B (zh) | 磁性颗粒柱塞分选装置及其分选方法 | |
CN207056764U (zh) | 磁体装置以及磁选机 | |
JP2010013626A (ja) | 廃蛍光体のリサイクル方法 | |
CN100525921C (zh) | 一种磁选方法及其设备 | |
CN202962654U (zh) | 缓冲式永磁筒 | |
JP5842294B2 (ja) | 混合物の分離方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160816 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160907 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6011890 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |