JP6011474B2 - 車両用冷却装置 - Google Patents

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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Description

本発明はエンジンに供給する空気を冷却するインタークーラを備えた車両に用いる車両用冷却装置に関する。
従来、特許文献1に記載の自動車用冷却ラジエータが知られている。この特許文献1に記載の車両は過給された空気を吸入する水冷式の内燃機関(エンジンとも言う)と車両用空調装置を備えている。エンジンの前方には、3個の冷却器(ラジエータともいう)が設けられている。この冷却器は車両用空調装置のための凝縮器と、エンジン冷却水のための冷却器である高温ラジエータ4と、インタークーラを冷却する冷却流体のための冷却器(再クーラまたは低温ラジエータと言う)とから成る。
しかし、近年においてはインタークーラを冷却する要求が更に高まり、以下に述べる構造が、文献としては見出されていないものの、実際の車両に搭載されて実用化されている。この構成を、図11〜図13に基づいて説明する。
この実用化されている車両は、冷却装置として、車両のフロント部にエンジンクーリングモジュール(ECM;Engine Cooling Moduleとも言う)が配置されている。インタークーラ(Charge Air cooler)は水冷式であり、以下においてWCACと略称することもある。
このWCACを備えた従来の車両の一つは、エンジン40を冷却するエンジン冷却回路とは独立した低水温回路7を持っている。図11は、上記従来の車両におけるECMの配置を示している。図12は、図11の従来の構成における低温水回路7内の流れを示している。また、図13は、図11の構成における具体的なインタークーラ冷却水の流れを示している。
図11に示すように、車両前方から順に凝縮器2、WCAC用のメイン低温ラジエータ3、エンジン冷却用の高温ラジエータ4、冷却ファン5が配置されている。更に、メイン低温ラジエータ3の性能を補うために、車両のタイヤハウス前に1つまたは複数のサブ低温ラジエータ1を搭載している。
特開昭63−162328号公報
上記ECMの低水温回路7の水流れは、図12および図13に示すように、メイン低温ラジエータ3、サブ低温ラジエータ1、水冷インタークーラ6a、6b(まとめて水冷インタークーラ6とも言う)の順で流れている。水冷インタークーラ6は、図13のように2つの並列接続された水冷インタークーラ6a、6bから成る。低水温回路7にはリザーブタンク71とウォータポンプ72とが接続されている。2つの3気筒をV型に配置したエンジン40は上述のように二つの並列に接続された水冷インタークーラ6a、6bを有する。
図11の構成は、加速レスポンスの悪化を防止するためのインタークーラ冷却水の流れを形成していると推定される。特許文献1のような構成では、主に市街地走行やアイドル時では、車両用空調装置が装備されていると、凝縮器2の放熱によりメイン冷温ラジエータ3前の空気温が上昇する。そのためエンジン40の吸気冷却性能が維持できず車両の加速レスポンスが悪化する。
つまり、メイン冷温ラジエータ3の出口水温が下がらず、その結果、水冷インタークーラ6に低温の冷却水が供給されず、車両加速時に充分な吸気冷却ができず、加速レスポンスが悪化するといった課題がある。これに対し、図11、図12の冷却回路は、メイン低温ラジエータ3の横に外気が矢印Y11のように流れるサブ低温ラジエータ1を設けて冷却水を冷やすため、車両用空調装置の熱負荷(凝縮器2の放熱量)の影響を受けにくくなる。
このように、現在実用化され公用されている図11ないし図13の構成は、上述の効果を発揮するが、今後、より高い排気量の過給機付のエンジン40が用いられると、低温ラジエータ1、3の熱負荷を決定する過給気の流量がより多くなる。これにより、低温ラジエータ1、3の放熱量が上がり、エンジン冷却用の高温ラジエータ4前における空気温が上昇することで、エンジン冷却性能の確保が困難となり、所望の性能達成が破綻するおそれがある。
以上まとめると、凝縮器2の放熱によりメイン冷温ラジエータ3前の空気温が上昇する。そのためエンジン40の吸気冷却性能が維持できず車両の加速レスポンスが悪化する。つまり、メイン冷温ラジエータ3の出口水温が下がらず、その結果、水冷インタークーラ6に低温の冷却水が供給されず、車両加速時に充分な吸気冷却ができず、車両の加速レスポンスが悪化する。
より高い排気量の過給機付のエンジン40が用いられると、低温ラジエータ1、3の熱負荷を決定する過給気の流量が多くなる。これにより、低温ラジエータ1、3の放熱量が上がり、エンジン冷却用の高温ラジエータ4前の空気温が上昇することで、エンジン冷却性能確保が困難となり、所望の性能達成が破綻するおそれがある。
本発明は、高温ラジエータの冷却性能を確保すると共に、車両用空調装置作動時の加速レスポンスおよび吸気冷却性能を維持することができる車両用冷却装置を得ることを目的とする。
従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、本発明のひとつの車両用冷却装置は、車両のエンジン(40)に供給される空気をインタークーラ冷却水にて冷却する水冷インタークーラ(6)と、車両の車室内を空調する車両用空調装置の凝縮器(2)とを備える。かつ、凝縮器(2)を流れる風の後流側に配置されインタークーラ冷却水が流れるメイン低温ラジエータ(3)と、メイン低温ラジエータ(3)を流れる風の後流側に配置されエンジン(40)を冷却するエンジン冷却水が流れる高温ラジエータ(4)とを備える。また、凝縮器(2)を通過しない風と熱交換してインタークーラ冷却水を冷却するサブ低温ラジエータ(1)と、水冷インタークーラ(6)、サブ低温ラジエータ(1)、メイン低温ラジエータ(3)を順に一巡して構成される低温水回路(7)とを備える。更に、低水温回路(7)に設けられ、サブ低温ラジエータ(1)からメイン低温ラジエータ(3)をバイパスして水冷インタークーラ(6)にインタークーラ冷却水を戻す流路と、サブ低温ラジエータ(1)からメイン低温ラジエータ(3)を通過して水冷インタークーラ(6)にインタークーラ冷却水を戻す流路とを切替える流路切替弁(9)を備える。なおかつ、流路切替弁(9)を制御する制御手段(10)を備える。
この発明においては、メイン低温ラジエータ(3)の風流れ後方に高温ラジエータ(4)が配置されているため、メイン低温ラジエータ(3)の温度状態が高温に成ると、後方の高温ラジエータ(4)の性能が発揮されない。そこで、水冷インタークーラ(6)を流れる冷却水がサブ低温ラジエータ(1)を通り、メイン低温ラジエータ(3)をバイパスするように流す構成を採用している。これにより、高排気量の過給機付のエンジン(40)が使用された場合等でも、水冷インタークーラ(6)を流れる冷却水がサブ低温ラジエータ(1)を通り、メイン低温ラジエータ(3)をバイパスする。よって、メイン低温ラジエータ(3)が高温にならない。従って、高温ラジエータ(4)の冷却性能を確保できる。また、凝縮器(2)に妨げられない風を受けてインタークーラ冷却水を冷却するサブ低温ラジエータ(1)を設けて冷却水を冷やしている。そのため、車両用空調装置の熱負荷の影響を受けにくくなり、車両用空調装置が作動して凝縮器(2)の温度が上昇した場合においても、加速レスポンスおよび吸気冷却性能を維持することができる。
次に、本発明の一つでは、制御手段(10)は、性能判定手段(ステップS2、S42)と、温度判定手段(ステップS3、S43)とを備える。性能判定手段(ステップS2、S42)は、高温ラジエータ(4)の冷却性能の余裕度合いを判定して冷却性能の余裕がある場合と余裕が無い場合とを判定する。温度判定手段(ステップS3、S43)は、メイン低温ラジエータ(3)にインタークーラ冷却水を流した場合と流さずにメイン低温ラジエータ(3)をバイパスしてインタークーラ冷却水を流した場合とのメイン低温ラジエータ(3)の温度状態を判定する。そして、性能判定手段(ステップS2、S42)と温度判定手段(ステップS3、S43)との判定結果に基づいて、制御手段(10)が流路切替弁(9)を制御する。
この発明においては、高温ラジエータ(4)に関して冷却性能の余裕がある場合と余裕がない場合とを判定することができる。また、メイン低温ラジエータ(3)にインタークーラ冷却水を流した場合と、バイパスして流さなかった場合とのメイン低温ラジエータ(3)の温度状態、ひいては高温ラジエータ(4)前の空気温度またはインタークーラ冷却水の温度を判定することができる。それにより、高温ラジエータ(4)の冷却性能判定結果とメイン低温ラジエータ(3)の温度判定結果に基づいて、流路切替弁(9)を制御して、高温ラジエータ(4)の冷却性能の余裕の有無に合致したインタークーラ冷却水の流れを形成できる。
次に、本発明の一つにおいては、更に、エンジン冷却水の温度(TwE)を実測または推定するエンジン冷却温度決定手段となるステップ(S1)を有する。性能判定手段(ステップS2、S42)は、エンジン冷却温度決定手段により決定されたエンジン冷却水の温度(TwE)が、予め定めた所定エンジン冷却水温度(TwEp)より高い場合に、高温ラジエータ(4)の冷却性能に余裕が無いと判定する。一方、エンジン冷却温度決定手段により決定されたエンジン冷却水の温度(TwE)が、所定エンジン冷却水温度(TwEp)以下の場合に、高温ラジエータ(4)の冷却性能に余裕が有ると判定する。
これによれば、エンジン冷却温度決定手段により決定されたエンジン冷却水の温度(TwE)と、予め定めた所定エンジン冷却水温度(TwEp)との比較を行う。そして、この比較により容易に高温ラジエータ(4)の冷却性能に余裕が無い場合と、冷却性能に余裕が有る場合とを判定ことができる。
次に、次に、本発明の一つにおいては、温度判定手段(ステップS3、S43)は、メイン低温ラジエータ(3)前の空気温度の測定値または推定値(Ta1)と、サブ低温ラジエータ(1)を通過したサブ低温ラジエータ(1)の出口水温(Tw2)とを比較する。この比較により、メイン低温ラジエータ(3)にインタークーラ冷却水を流した場合と流さずにメイン低温ラジエータ(3)をバイパスしてインタークーラ冷却水を流した場合とのメイン低温ラジエータ(3)の温度状態を判定する。
この発明によれば、メイン低温ラジエータ(3)にインタークーラ冷却水を流した場合と流さずにメイン低温ラジエータ(3)をバイパスしてインタークーラ冷却水を流した場合とのメイン低温ラジエータ(3)の温度状態を判定することができる。ひいては高温ラジエータ(4)前の空気温度またはインタークーラ冷却水の温度を判定することができる。それにより、流路切替弁9を制御して、高温ラジエータ4の冷却性能の余裕の有無に合致したインタークーラ冷却水の流れを形成できる。
次に、本発明の一つにおいては、温度判定手段(ステップS3、S43)は、メイン低温ラジエータ(3)の出口水温(Tw3)と、サブ低温ラジエータ(1)を通過したサブ低温ラジエータ(1)の出口水温(Tw2)の大きさの比較をおこなう。この比較により、メイン低温ラジエータ(3)にインタークーラ冷却水を流した場合と流さずにメイン低温ラジエータ(3)をバイパスしてインタークーラ冷却水を流した場合とのメイン低温ラジエータ(3)の温度状態を判定する。
この発明によれば、メイン低温ラジエータ(3)にインタークーラ冷却水を流した場合と流さずにメイン低温ラジエータ(3)をバイパスしてインタークーラ冷却水を流した場合とのメイン低温ラジエータ(3)の温度状態を判定することができる。ひいては高温ラジエータ(4)前の空気温度またはインタークーラ冷却水の温度を判定することができる。それにより、流路切替弁(9)を制御して、高温ラジエータ(4)の冷却性能の余裕の有無に合致したインタークーラ冷却水の流れを形成できる。
なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号ないし説明は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を分かり易く示す一例であり、発明の内容を限定するものではない。
本発明の第1実施形態における車両用冷却装置を成すクーリングモジュールの各ラジエータの配置を示す配置図である。 図1のサブ低温ラジエータとメイン低温ラジエータとのインタークーラ冷却水の流れを示す冷却水系統図である。 上記実施形態における車両の想定走行条件と各ラジエータの要求放熱量および冷却性能との関係を示す表である。 上記実施形態において、制御手段で実行されるフローチャートである。 上記実施形態において、高温ラジエータの冷却性能に余裕がない場合の説明図である。 上記実施形態において、高温ラジエータの冷却性能に余裕がない場合の別の局面を示す説明図である。 上記実施形態において、高圧ラジエータの冷却性能に余裕がある場合の説明図である。 上記実施形態における、高圧ラジエータの冷却性能に余裕がある場合の別の局面を示す説明図である。 本発明の第2実施形態における風の流れと低温ラジエータに流れるインタークーラ冷却水の流れを説明する説明図である。 上記第2実施形態における制御を説明するフローチャートである。 従来公知のクーリングモジュールの各ラジエータの配置とインタークーラ冷却水の流れを示す配置図である。 上記従来の低温水回路におけるインタークーラ冷却水の流れを示す冷却水系統図である。 図12の従来構成における具体的なインタークーラ冷却水の流れを示す配管構成図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部を説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1ないし図8を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態における車両用冷却装置を成すクーリングモジュールの各ラジエータの配置を示し、天方向から見下ろした状態を図示している。
車両の走行風は図1の矢印Y11方向に沿って流れる。車両の走行風を直接的に受けるようにサブ低温ラジエータ(SLTR)1と車両用空調装置の凝縮器(CON)2とが配置されている。凝縮器2は車両用空調装置の冷凍サイクルを構成し、図示しない圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させるものである。
凝縮器2の風流れ下流側には、メイン低温ラジエータ(MLTR)3が配置され、メイン低温ラジエータ3の下流側には、図示しないエンジン40を冷却する高温ラジエータ(HTR)4と冷却ファン5とが配置されている。
図2は、図1のサブ低温ラジエータ1とメイン低温ラジエータ3とのインタークーラ冷却水の流れを示している。車両のエンジン40(図1)に供給される空気をインタークーラ冷却水にて冷却する水冷インタークーラ6はWCACとして図示されている。水冷インタークーラ6から出たインタークーラ冷却水は、低温水回路7の配管を経由してサブ低温ラジエータ1に流れ込む。
サブ低温ラジエータ1から出たインタークーラ冷却水は、メイン低温ラジエータ3とウォータポンプ8を通って水冷インタークーラ6に戻る。水冷インタークーラ6はターボ等の過給機用に吸入空気を冷却する。ここで、インタークーラについて説明する。
ターボ等を総じて「過給機」と言い、これは過剰に吸入空気量を増やし、そのために燃料も増やすが、燃焼を促進し出力を増大化させる。ターボは排気の流速を、スーパーチャージャはエンジン40の回転力を利用しどちらも出力増大を狙っている。空気は冷やすことにより、より多くエンジン40内に送ることができ、エンジン40の圧縮比を高く設定できる。この冷やす作業を水冷で行うのが水冷インタークーラ6である。
エンジン冷却水は、最低でも80℃程度あるのに対し、吸気の空気温度は40〜50℃程度である。よって、インタークーラ冷却水が流れる低温水回路7と、エンジン冷却水が流れる図示しない高温水回路とは別回路に成っている。
図1のように、凝縮器2を流れる風を受けて水冷インタークーラ6を冷却するインタークーラ冷却水が流れるメイン低温ラジエータ3の後ろに高温ラジエータ4が配置されている。そして、メイン低温ラジエータ3を流れる風を受けてエンジン冷却水を高温ラジエータ4が冷却している。
凝縮器2に妨げられない風(走行風等)を受けてインタークーラ冷却水を冷却するサブ低温ラジエータ1が設けられている。水冷インタークーラ6からサブ低温ラジエータ1とメイン低温ラジエータ3とを通り水冷インタークーラ6に戻る低温水回路7が図2のように形成されている。
低水温回路7に設けられサブ低温ラジエータ1からメイン低温ラジエータ3をバイパスして水冷インタークーラ6にインタークーラ冷却水を戻す流路切替弁9が三方弁として構成されて配置されている。この流路切替弁9は、制御装置10(制御手段10とも言う)を成すエンジンECU(電子制御ユニット)によって制御される。制御手段10は、エンジンECU内のコンピュータ等のハードウエアおよびソフトウエアで構成される。
図3は、車両の想定走行条件と各ラジエータ1、3、4の要求放熱量および冷却性能との関係を示している。図3において、LTR(低温ラジエータ)とあるのはサブ低温ラジエータ1とメイン低温ラジエータ3とを示している。HTR(高温ラジエータ)と有るのは高温ラジエータ4を示している。
車両の想定走行条件は、3つの場合に区別して説明される。第1区分は、山道等を登る登坂、貨物車やトレーラハウス等を牽引するトーイング(towing)、および高速道路等を走行する高速走行である。
第2区分は、市街地を比較的低速で走行する市街地走行である。第3区分は、アクセルを一杯まで踏み込んで過給する空気量をマックス(Vmax)とした状態を示し、この場合は車速も第1区分の高速走行時よりも大きくなる。
上記各区分1〜3での低温水回路7内のメインおよびサブからなる低温ラジエータ1、3に要求される要求放熱量は、第1区分では中となり、第2区分では小となり、第3区分では大となる。また、エンジン40を冷却する高温ラジエータ4の冷却性能の余裕度は、第1区分は余裕無しとなる。そして、第2区分では余裕有りとなり、第3区分では走行風量が多いため余裕有り(但し、車両用空調装置が運転されておらず(A/C off)、凝縮器2の発熱がない場合)となる。
従って、第1区分は、高温ラジエータ4を充分に冷却し、高温ラジエータ4の冷却性能を優先すべき区分と成り、第2区分と第3区分とは、水冷インタークーラ6を充分に冷却し、吸気冷却性能を優先すべき区分となる。
第1実施形態では、高温ラジエータ4の冷却性能の余裕度合いを判定して、冷却性能の余裕がある場合と余裕がない場合とに区別する高温ラジエータ4の性能判定手段(後述のステップS2)を設けている。これによれば、高温ラジエータ4の冷却性能を優先すべきか、水冷インタークーラ6による吸気冷却性能を優先すべきかが判明する。
図4を用いて、制御手段10内で実行される制御が説明される。図4において、制御がスタートすると、ステップS1において、エンジン冷却水温度TwEを決定する。これは周知のエンジン冷却水温センサからの実測値を用いることができる。
また、予め実験等で車種毎に決定されメモリに格納されている所定エンジン冷却水温TwEpを読み取る。更に、メイン低温ラジエータ3前の空気温度の測定値または推定値Ta1を決定する。空気温度Ta1の決定は、空気温度センサの値を読み取っても、推定しても良い。しかし、この第1実施形態では、空気温度センサの値を読み取ってメイン低温ラジエータ3前の空気温度Ta1を決定するものとして、以下に説明する。
更に、ステップS1において、図2のサブ低温ラジエータ1とメイン低温ラジエータ3との間のインタークーラ冷却水の水温Tw2、つまり、サブ低温ラジエータ1の出口における冷却水温度Tw2の決定を行う。これは、サブ低温ラジエータ1の出口に設けた冷却水温度センサの値を採用できる。
ステップS1の後にステップS2に進み、エンジン冷却水温度TwEと、読み取った所定エンジン冷却水温TwEpとの大小関係を判定する。なお、エンジン冷却水温度を実測または推定するエンジン冷却温度決定手段を制御手段10内に有する。これは、例えば既存のエンジン冷却水温度センサが検出した値を読み取ることで実現できる。
エンジン冷却水温度TwEが所定エンジン冷却水温TwEpよりも大きいときは、ステップS3に進む。エンジン冷却水温度TwEが所定エンジン冷却水温TwEpよりも大きいときは、図3において、高温ラジエータ4の冷却性能に余裕がない第1区分の状態であることを示している。
ステップS3では、メイン低温ラジエータ3前の空気温度Ta1よりもサブ低温ラジエータ1出口の冷却水温度Tw2のほうが小さいか(Tw2<Ta1か?)否かを判定する。メイン低温ラジエータ3前の空気温度Ta1よりもサブ低温ラジエータ1出口の冷却水温度Tw2のほうが小さい場合は、メイン低温ラジエータ3による高温ラジエータ4前における空気の冷却が見込まれる。そのため、ステップS4にてサブ低温ラジエータ1を通過したインタークーラ冷却水をメイン低温ラジエータ3に流す。
前述のように、ステップS3において、メイン低温ラジエータ3前の空気温度Ta1よりもサブ低温ラジエータ1出口の冷却水温度Tw2のほうが小さいか否かを判定している。その結果、NOと判定され、メイン低温ラジエータ3前の空気温度Ta1以上のサブ低温ラジエータ1出口の冷却水温Tw2が認められる場合(Tw2≧Ta1の場合)がある。この場合は、メイン低温ラジエータ3にインタークーラ冷却水を流すことによる高温ラジエータ4前空気の冷却が見込まれないどころか、高温ラジエータ4前の空気が加熱されてしまう。そのため、ステップS5において、流路切替弁9を制御して、サブ低温ラジエータ1からメイン低温ラジエータ3をバイパスさせてインタークーラ冷却水を水冷インタークーラ6に流し、高温ラジエータ4の冷却性能を確保する。
以上の状態を、図5および図6にて説明する。図5は、高温ラジエータ4の冷却性能に余裕がなく、高温ラジエータ4の冷却性能の確保が困難な場合(高温ラジエータ4の冷却を優先する必要がある場合)を示している。この図5において、メイン低温ラジエータ3前の空気温度Ta1よりもサブ低温ラジエータ1出口の冷却水温度Tw2の方が小さい場合(ステップS4)におけるインタークーラ冷却水の流れを示している。
図6は、高温ラジエータ4の冷却性能に余裕がなく、高温ラジエータ4の冷却性能の確保が困難な場合(高温ラジエータ4の冷却を優先する必要がある場合)の別の状態(局面)を示している。この図6において、メイン低温ラジエータ3前の空気温度Ta1がサブ低温ラジエータ1出口の冷却水温度Tw2以下の場合(ステップS5)におけるインタークーラ冷却水の流れを示している。
ステップS3は、メイン低温ラジエータ3前の空気温度Ta1とサブ低温ラジエータ1出口の冷却水温度Tw2との比較を行っている。この比較から、メイン低温ラジエータ3にインタークーラ冷却水を流した場合と、流さずにメイン低温ラジエータ3をバイパスしてインタークーラ冷却水を流した場合との、高温ラジエータ4前の空気温度を予測判定している。この高温ラジエータ4前の空気温度は、高温ラジエータ4の冷却性能に影響を与える。
ステップS3においてYESの場合(Tw2<Ta1となる図5の場合)は、高温ラジエータ4前における空気の冷却が見込まれる。従って、インタークーラ冷却水のバイパスは行わない。ステップS3においてNOの場合(Tw2≧Ta1となる図6の場合)は、高温ラジエータ4前空気の冷却が見込まれないどころか高温ラジエータ4前空気が昇温する。従って、インタークーラ冷却水のバイパスを行なう。
制御手段10は、高温ラジエータ4の性能判定手段(ステップS2)と温度判定手段(ステップS3)の判定結果に基づいて、流路切替弁9を制御している。そして、インタークーラ冷却水がメイン低温ラジエータ3内を流れるべきか、メイン低温ラジエータ3をバイパスすべきかを判定し、流路切替弁9に制御信号を与える。
次に、ステップS2において、エンジン冷却温度決定手段により決定されたエンジン冷却水の温度TwEが、予め定めた所定エンジン冷却水温度TwEp以下である場合には、高温ラジエータ4の冷却性能に余裕があると判定し、ステップS6に進む。
高温ラジエータ4の冷却性能に余裕があると判定されたステップS6の場合に、メイン低温ラジエータ3前の空気温度の測定値Ta1と、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1出口の冷却水温度Tw2とから、流路切替弁9を制御する。
具体的には、ステップS6において、YESと判定され、メイン低温ラジエータ3前の空気温度の測定値または推定値Ta1の方が、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1出口の冷却水温度Tw2より低い場合には、ステップS7に進む。ステップS7においては、インタークーラ冷却水の冷却性能が確保できる場合であると判定し、ステップS7において、サブ低温ラジエータ1からメイン低温ラジエータ3を経由して水冷インタークーラ6にインタークーラ冷却水を戻す。これにより、インタークーラ冷却水温を低減し、従来技術と同等の吸気冷却性能を維持できる。
ステップS6において、NOと判定され、メイン低温ラジエータ3前における空気温度の測定値Ta1が、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1出口の冷却水温度(Tw2)以上の場合には、ステップS8に進む。ステップS8においては、インタークーラ冷却水の水温上昇を防止するため、バイパス回路7b(図2)を使用して、サブ低温ラジエータ1から直接的に水冷インタークーラ6にインタークーラ冷却水を戻す。
次に、図7および図8を用いて、上記フローチャートの各場合について説明する。図7は、高圧ラジエータの冷却性能に余裕がある場合を示している。かつ、メイン低温ラジエータ3前の空気温度の測定値または推定値Ta1と、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1出口の冷却水温度Tw2との関係が、Tw2>Ta1であるステップS7の場合を示している。そして、この場合の、風の流れと低温ラジエータに流れるインタークーラ冷却水の流れを説明している。
すなわち図7は、ステップS7の処理が行われた結果を示している。この場合は、サブ低温ラジエータ1を通過したインタークーラ冷却水をメイン低温ラジエータ3を通して更に冷却した後に水冷インタークーラ6へ送る。これにより、インタークーラ冷却水の冷却水温をメイン低温ラジエータ3で更に低減し、従来技術と同等程度の吸気冷却性能を維持することができる。
図8は、高圧ラジエータ4の冷却性能に余裕がある場合を示している。かつ、メイン低温ラジエータ3前の空気温度Ta1と、サブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2との関係が、Tw2≦Ta1であるステップS8の場合を示している。そして、この場合の、風の流れと低温ラジエータ1、3に流れるインタークーラ冷却水の流れを説明している。
すなわち図8は、ステップS8の処理が行われた結果を示している。この場合は、サブ低温ラジエータ1を通過したインタークーラ冷却水がバイパス回路7bにて直接的に水冷インタークーラ6へ流れる。これにより、メイン低温ラジエータ3での水温上昇を防止して、従来技術と同等の車両の加速レスポンスを維持することができる。
(第1実施形態の作用効果)
上記第1実施形態の車両用冷却装置においては、車両のエンジン40に供給される空気をインタークーラ冷却水にて冷却する水冷インタークーラ6と、車両の車室内を空調する車両用空調装置の凝縮器2とを備える。かつ、凝縮器2を流れる風の後流側に配置されインタークーラ冷却水が流れるメイン低温ラジエータ3と、メイン低温ラジエータ3を流れる風の後流側に配置されエンジン40を冷却するエンジン冷却水が流れる高温ラジエータ4とを備える。また、凝縮器2を通過しない風と熱交換してインタークーラ冷却水を冷却するサブ低温ラジエータ1と、水冷インタークーラ6、サブ低温ラジエータ1、メイン低温ラジエータ3を順に一巡して構成される低温水回路7とを備える。更に、低水温回路7に設けられ、サブ低温ラジエータ1からメイン低温ラジエータ3をバイパスして水冷インタークーラ6にインタークーラ冷却水を戻す流路と、サブ低温ラジエータ1からメイン低温ラジエータ3を通過して水冷インタークーラ6にインタークーラ冷却水を戻す流路とを切替える流路切替弁9を備える。なおかつ、流路切替弁9を制御する制御手段10を備える。
これによれば、メイン低温ラジエータ3の風流れ後方に高温ラジエータ4が配置されているため、メイン低温ラジエータ3の温度状態が高温に成ると、後方の高温ラジエータ4の性能が発揮されない。そこで、水冷インタークーラ6を流れる冷却水がサブ低温ラジエータ1を通り、メイン低温ラジエータ3をバイパスするように流す構成を採用している。これにより、高排気量の過給機付のエンジン40が使用された場合等でも、水冷インタークーラ6を流れる冷却水がサブ低温ラジエータ1を通り、メイン低温ラジエータ3をバイパスする。よって、メイン低温ラジエータ3が高温にならない。
従って、高温ラジエータ4の冷却性能を確保できる。また、凝縮器2に妨げられない風を受けてインタークーラ冷却水を冷却するサブ低温ラジエータ1を設けて冷却水を冷やしている。このため、車両用空調装置の熱負荷の影響を受けにくくなり、車両用空調装置が作動して凝縮器2の温度が上昇した場合においても、加速レスポンスおよび吸気冷却性能を維持することができる。
次に、上記第1実施形態においては、制御手段10は、性能判定手段となるステップS2、S42と温度判定手段となるステップS3、S43とを備える。性能判定手段は、高温ラジエータ4の冷却性能の余裕度合いを判定して冷却性能の余裕がある場合と余裕が無い場合とを判定する。温度判定手段は、メイン低温ラジエータ3にインタークーラ冷却水を流した場合と流さずにメイン低温ラジエータ3をバイパスしてインタークーラ冷却水を流した場合とのメイン低温ラジエータ3の温度状態を判定する。そして、性能判定手段と温度判定手段との判定結果に基づいて、制御手段10が流路切替弁9を制御する。
これによれば、高温ラジエータ4に関して冷却性能の余裕がある場合と余裕がない場合とを判定することができる。また、メイン低温ラジエータ3にインタークーラ冷却水を流した場合と、バイパスして流さなかった場合とのメイン低温ラジエータ3の温度状態、ひいては高温ラジエータ4前の空気温度またはインタークーラ冷却水の温度を判定することができる。それにより、高温ラジエータ4の冷却性能判定結果とメイン低温ラジエータ3の温度判定結果に基づいて、流路切替弁9を制御して、高温ラジエータ4の冷却性能の余裕の有無に合致したインタークーラ冷却水の流れを形成できる。
次に、上記第1実施形態においては、更に、エンジン冷却水の温度TwEを実測または推定するエンジン冷却温度決定手段を成すステップS1を有する。性能判定手段となるステップS2、S42は、エンジン冷却温度決定手段により決定されたエンジン冷却水の温度TwEが、予め定めた所定エンジン冷却水温度TwEpより高い場合に、高温ラジエータ4の冷却性能に余裕が無いと判定する。一方、エンジン冷却温度決定手段により決定されたエンジン冷却水の温度TwEが、所定エンジン冷却水温度TwEp以下の場合に、高温ラジエータ4の冷却性能に余裕が有ると判定する。
これによれば、エンジン冷却温度決定手段により決定されたエンジン冷却水の温度TwEと、予め定めた所定エンジン冷却水温度TwEpとの比較により容易に高温ラジエータ4の冷却性能に余裕が無い場合と、冷却性能に余裕が有る場合とを判定ことができる。
次に、上記第1実施形態においては、温度判定手段となるステップS3、S43は、メイン低温ラジエータ3前の空気温度の測定値または推定値Ta1と、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2とを比較する。この比較により、メイン低温ラジエータ3にインタークーラ冷却水を流した場合と流さずにメイン低温ラジエータ3をバイパスしてインタークーラ冷却水を流した場合とのメイン低温ラジエータ3の温度状態を判定する。
これによれば、メイン低温ラジエータ3にインタークーラ冷却水を流した場合と流さずにメイン低温ラジエータ3をバイパスしてインタークーラ冷却水を流した場合とのメイン低温ラジエータ3の温度状態を判定できる。ひいては高温ラジエータ4前の空気温度またはインタークーラ冷却水の温度を判定することができる。それにより、流路切替弁9を制御して、高温ラジエータ4の冷却性能の余裕の有無に合致したインタークーラ冷却水の流れを形成できる。
次に、上記第1実施形態では、性能判定手段を成すステップS2、S42が、高温ラジエータ4の冷却性能に余裕が無いと判定した場合において、制御手段10は、次の制御を行う。つまり、メイン低温ラジエータ3前の空気温度の測定値または推定値Ta1の方が、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2よりも大きいかどうか判定している。そして大きい場合に、サブ低温ラジエータ1からメイン低温ラジエータ3を介して水冷インタークーラ6にインタークーラ冷却水を戻す。
これによれば、メイン低温ラジエータ3前の空気温度の測定値または推定値Ta1の方が、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2よりも大きいか否かを判定している。そして大きい場合に、メイン低温ラジエータ3内にインタークーラ冷却水を流して高温ラジエータ4前の空気温度を低減させ、高温ラジエータ4の冷却性能が確保されるのを補助することができる。
また、性能判定手段となるステップS2、S42が、高温ラジエータ4の冷却性能に余裕が無いと判定した場合において、制御手段10は、次の制御を行う。つまり、メイン低温ラジエータ3前の空気温度の測定値または推定値Ta1の方が、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2以下である場合に、バイパス制御が行われる。この制御は、サブ低温ラジエータ1からメイン低温ラジエータ3をバイパスして水冷インタークーラ6にインタークーラ冷却水を戻す。
これによれば、メイン低温ラジエータ3前の空気温度の測定値または推定値Ta1の方が、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2以下であるか否かを判定している。そして以下である場合に、メイン低温ラジエータ3内をインタークーラ冷却水を流した場合の高温ラジエータ4前の空気温度の上昇を考慮して、メイン低温ラジエータ3をバイパスさせる。それにより、高温ラジエータ4の冷却性能の確保を優先させることができる。
次に、上記第1実施形態では、性能判定手段となるステップS2、S42が、高温ラジエータ4の冷却性能に余裕が有ると判定した場合において、制御手段10は、次の制御を行う。つまり、メイン低温ラジエータ3前の空気温度の測定値または推定値Ta1の方が、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2より小さい場合に、次の判定を行う。つまり、メイン低温ラジエータ3によるインタークーラ冷却水の冷却が確保できる場合であると判定する。そして、サブ低温ラジエータ1からメイン低温ラジエータ3を介して水冷インタークーラ6にインタークーラ冷却水を戻す。
これによれば、メイン低温ラジエータ3前の空気温度の測定値または推定値Ta1の方が、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2より小さいか否かを判定している。そして小さい場合に、メイン低温ラジエータ3をインタークーラ冷却水が流れるようにしている。その理由は、メイン低温ラジエータ3内にインタークーラ冷却水を流せばインタークーラ冷却水の冷却効果が増すためである。これにより、吸気冷却性能の確保を優先させることができる。
また、性能判定手段となるステップS2、S42が、高温ラジエータ4の冷却性能に余裕が有ると判定した場合において、制御手段10は、次の制御を行う。つまり、メイン低温ラジエータ3前の空気温度の測定値または推定値Ta1が、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2以上であるかどうか判定する。そして以上である場合に、メイン低温ラジエータ3によるインタークーラ冷却水の冷却が確保し難い場合であると判定する。そして、サブ低温ラジエータ1からメイン低温ラジエータ3をバイパスして水冷インタークーラ6にインタークーラ冷却水を戻す。
これによれば、メイン低温ラジエータ3前の空気温度の測定値または推定値Ta1が、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2以上であるか否かを判定している。そして以上である場合に、メイン低温ラジエータ3をインタークーラ冷却水がバイパスするようにして、インタークーラの冷却を維持している。その理由は、メイン低温ラジエータ3にインタークーラ冷却水を流してもインタークーラ冷却水の冷却効果が無く逆効果であるためである。これにより、車両加速時におけるレスポンス性能を従来技術と同等レベルに維持することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以降の各実施形態においては、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。なお、第2実施形態以下については、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明が援用される。
図9は、本発明の第2実施形態における風の流れと低温ラジエータ1、3に流れるインタークーラ冷却水の流れを示している。図9および図10を用いて、本発明の第2実施形態における制御を説明する。第2実施形態は、サブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2とメイン低温ラジエータ3にインタークーラ冷却水を流した際のメイン低温ラジエータ3の出口水温Tw3との比較で、バイパスするかしないかの流路を流路切替弁9にて切り替えるものである。
図10において制御がスタートすると、基本作動を所定時間実行する。この基本作動とは、水冷インタークーラ6からサブ低温ラジエータ1とメイン低温ラジエータ3を介してインタークーラ冷却水を流して、水冷インタークーラ6に戻すことである。このステップS40の作動を所定時間実行した後にステップS41に進む。なお、水冷インタークーラ6からサブ低温ラジエータ1とメイン低温ラジエータ3を介してインタークーラ冷却水を流す作動はそのまま継続していてもよい。
ステップS41では、エンジン冷却水温度TwEを決定する。これは周知のエンジン冷却水温センサからの実測値を用いることができる。また、予め実験等で車種毎に決定されメモリに格納されている所定エンジン冷却水温TwEpを読み取る。
かつ、サブ低温ラジエータ1とメイン低温ラジエータ3との間のインタークーラ冷却水の水温、つまり、サブ低温ラジエータ1出口の冷却水温度Tw2の決定を行う。更に、メイン低温ラジエータ3の出口水温Tw3を決定する。これらの水温Tw2、Tw3の決定は、ステップS40の基本作動後の水温センサの値を実測する。
ステップS41の後にステップS42に進み、エンジン冷却水温度TwEと、読み取った所定エンジン冷却水温TwEpとの大小関係を判定する。エンジン冷却水温度TwEが所定エンジン冷却水温TwEpよりも大きいときは、ステップS43に進む。エンジン冷却水温度TwEが所定エンジン冷却水温TwEpよりも大きいときは、図3において、高温ラジエータ4に冷却性能に余裕がない第1区分の状態であることを示している。
次の、ステップS43では、サブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2とメイン低温ラジエータ3にインタークーラ冷却水を流した際のメイン低温ラジエータ3の出口水温Tw3との比較を行う。
ステップS43において、メイン低温ラジエータ3の出口水温Tw3よりもサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2のほうが小さいか否かを判定する。メイン低温ラジエータ3の出口水温Tw3よりもサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2のほうが小さい場合は、インタークーラ冷却水をメイン低温ラジエータ3に流し続け、バイパスさせない。その理由は、メイン低温ラジエータ3による高温ラジエータ4前の空気の冷却が見込まれるためである。このため、ステップS44にて、サブ低温ラジエータ1を通過したインタークーラ冷却水をメイン低温ラジエータ3に流す。
ステップS43において、メイン低温ラジエータ3の出口水温Tw3よりもメイン低温ラジエータ3の出口水温Tw2のほうが小さいか否かを判定した結果、NOと判定された場合Tw2≧Tw3)は、メイン低温ラジエータ3で放熱した場合である。
このように、メイン低温ラジエータ3の出口水温Tw3以上のサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2である場合は、メイン低温ラジエータ3による高温ラジエータ4前空気の冷却が見込まれない。そのため、ステップS45において、流路切替弁9を制御して、メイン低温ラジエータ3をバイパスさせてインタークーラ冷却水を流している。
次に、ステップS42において、エンジン冷却温度決定手段により決定されたエンジン冷却水の温度TwEが、予め定めた所定エンジン冷却水温度TwEp以下である場合には、高温ラジエータ4の冷却性能に余裕があると判定し、ステップS46に進む。
ステップS46では、メイン低温ラジエータ3の出口水温Tw3と、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2とから、流路切替弁9を制御する。
具体的には、ステップS46において、YESと判定され、メイン低温ラジエータ3の出口水温Tw3の方が、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2より低い場合には、ステップS47に進む。ステップS47においては、インタークーラ冷却水の冷却性能が確保できる場合であると判定し、サブ低温ラジエータ1からメイン低温ラジエータ3を経由して水冷インタークーラ6にインタークーラ冷却水を戻す。
ステップS46において、NOと判定され、メイン低温ラジエータ3の出口水温Tw3が、サブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2以上の場合には、ステップS48に進む。ステップS48においては、インタークーラ冷却水の水温上昇を防止するため、サブ低温ラジエータ1からメイン低温ラジエータ3をバイパスして直接的に水冷インタークーラ6にインタークーラ冷却水を戻す。
(第2実施形態の作用効果)
上記第2実施形態においては、図11、図12、図13に示した従来構成と比較して以下に述べる作用効果を有する。温度判定手段となるステップS3、S43は、メイン低温ラジエータ3を通過したメイン低温ラジエータ3の出口水温Tw3と、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2の大きさの比較を行う。そして、この比較により、次の制御を行う。つまり、メイン低温ラジエータ3にインタークーラ冷却水を流した場合と流さずにメイン低温ラジエータ3をバイパスしてインタークーラ冷却水を流した場合とのメイン低温ラジエータ3の温度状態を判定する。
これによれば、メイン低温ラジエータ3にインタークーラ冷却水を流した場合と流さずにメイン低温ラジエータ3をバイパスしてインタークーラ冷却水を流した場合とのメイン低温ラジエータ3の温度状態が判定される。ひいては高温ラジエータ4前の空気温度またはインタークーラ冷却水の温度を判定することができる。それにより、流路切替弁9を制御して、高温ラジエータ4の冷却性能の余裕の有無に合致したインタークーラ冷却水の流れを形成できる。
次に、上記第2実施形態においては、性能判定手段となるステップS2、S42が、高温ラジエータ4の冷却性能に余裕が無いと判定した場合において、制御手段10は、次の制御を行う。つまり、メイン低温ラジエータ3を通過したメイン低温ラジエータ3の出口水温Tw3の方が、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2よりも大きいかどうか判定する。そして、大きい場合に、サブ低温ラジエータ1からメイン低温ラジエータ3を介して水冷インタークーラ6にインタークーラ冷却水を戻す。
これによれば、メイン低温ラジエータ3を通過したメイン低温ラジエータ3の出口水温Tw3の方が、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2よりも大きいか否かを判定している。そして大きい場合に、メイン低温ラジエータ3内にインタークーラ冷却水を流して高温ラジエータ4前の空気温度を低減させ、高温ラジエータ4の冷却性能が確保されるのを補助することができる。
また、性能判定手段となるステップS2、S42が、高温ラジエータ4の冷却性能に余裕が無いと判定した場合において、制御手段10は、次の制御を行う。メイン低温ラジエータ3を通過したメイン低温ラジエータ3の出口水温Tw3の方が、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2以下であるか判定する。そして、出口水温Tw2以下である場合に、サブ低温ラジエータ1からメイン低温ラジエータ3をバイパスして水冷インタークーラ6にインタークーラ冷却水を戻す。
これによれば、メイン低温ラジエータ3を通過したメイン低温ラジエータ3の出口水温Tw3の方が、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2以下であるか否かを判定している。そして以下である場合に、メイン低温ラジエータ3内にインタークーラ冷却水を流した場合の高温ラジエータ4前の空気温度の上昇を考慮して、メイン低温ラジエータ3をバイパスさせる。それにより、高温ラジエータ4の冷却性能の確保を優先させることができる。
更に、性能判定手段となるステップS2、S42が、高温ラジエータ4の冷却性能に余裕が有ると判定した場合において、制御手段10は、次の制御を行う。つまり、メイン低温ラジエータ3の出口水温Tw3の方が、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2より小さい場合に、メイン低温ラジエータ3によるインタークーラ冷却水の冷却が確保できる場合であると判定する。そして、サブ低温ラジエータ1からメイン低温ラジエータ3を介して水冷インタークーラ6にインタークーラ冷却水を戻す。
これによれば、メイン低温ラジエータ3の出口水温Tw3の方が、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2より小さいか否かを判定している。そして小さい場合に、メイン低温ラジエータ3をインタークーラ冷却水が流れるようにしている。その理由は、メイン低温ラジエータ3内にインタークーラ冷却水を流せばインタークーラ冷却水の冷却効果が増すためである。これにより、吸気冷却性能の確保を優先させることができる。
次に上記第2実施形態においては、性能判定手段となるステップS2、S42が、高温ラジエータ4の冷却性能に余裕が有ると判定した場合において、制御手段10は、次の制御を行う。つまり、メイン低温ラジエータ3を通過したメイン低温ラジエータ3の出口水温Tw3が、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2以上であるか判定する。そして、以上である場合に、メイン低温ラジエータ3によるインタークーラ冷却水の冷却性能が確保し難い場合であると判定する。そして、サブ低温ラジエータ1からメイン低温ラジエータ3をバイパスして水冷インタークーラ6にインタークーラ冷却水を戻す。
これによれば、メイン低温ラジエータ3を通過したメイン低温ラジエータ3の出口水温Tw3が、サブ低温ラジエータ1を通過したサブ低温ラジエータ1の出口水温Tw2以上であるか否かを判定している。そして以上である場合に、メイン低温ラジエータ3をインタークーラ冷却水がバイパスするようにして、インタークーラの冷却を維持している。その理由は、メイン低温ラジエータ3内にインタークーラ冷却水を流してもインタークーラ冷却水の冷却効果が無く逆効果であるためである。これにより、車両加速時のレスポンス性能を従来技術と同等レベルに維持することができる。
他の実施形態)
上述の実施形態では、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものである。
上記実施形態においては、メイン低温ラジエータ3前の空気温度Ta1を推定する場合は、車両外部の温度である外気温Tam、凝縮器2内の冷媒温度、および、車速を考慮して推定できる。
1 サブ低温ラジエータ
3 メイン低温ラジエータ
9 流路切替弁
ステップS2、S42 高温ラジエータの性能判定手段
ステップS3、S43 メイン低温ラジエータの温度状態を判定する温度判定手段
Ta1 空気温度
TwE エンジン冷却水の温度
TwEp 予め定めた所定エンジン冷却水温度
Tw2 サブ低温ラジエータの出口水温
Tw3 メイン低温ラジエータの出口水温

Claims (13)

  1. 車両のエンジン(40)に供給される空気をインタークーラ冷却水にて冷却する水冷インタークーラ(6)と、
    前記車両の車室内を空調する車両用空調装置の凝縮器(2)と、
    前記凝縮器(2)を流れる風の後流側に配置され、前記インタークーラ冷却水が流れるメイン低温ラジエータ(3)と、
    前記メイン低温ラジエータ(3)を流れる風の後流側に配置され、前記エンジン(40)を冷却するエンジン冷却水が流れる高温ラジエータ(4)と、
    前記凝縮器(2)を通過しない風と熱交換して前記インタークーラ冷却水を冷却するサブ低温ラジエータ(1)と、
    前記水冷インタークーラ(6)、前記サブ低温ラジエータ(1)、前記メイン低温ラジエータ(3)を順に一巡して構成される低温水回路(7)と、
    前記低水温回路(7)に設けられ、前記サブ低温ラジエータ(1)から前記メイン低温ラジエータ(3)をバイパスして前記水冷インタークーラ(6)に前記インタークーラ冷却水を戻す流路と、前記サブ低温ラジエータ(1)から前記メイン低温ラジエータ(3)を通過して前記水冷インタークーラ(6)に前記インタークーラ冷却水を戻す流路とを切替える流路切替弁(9)と、
    前記流路切替弁(9)を制御する制御手段(10)と、を備えたことを特徴とする車両用冷却装置。
  2. 前記制御手段(10)は、性能判定手段(ステップS2、S42)と、温度判定手段(ステップS3、S43)とを備え、
    前記性能判定手段(ステップS2、S42)は、前記高温ラジエータ(4)の冷却性能の余裕度合いを判定して、前記冷却性能の余裕がある場合と余裕が無い場合とを判定し、
    前記温度判定手段(ステップS3、S43)は、前記メイン低温ラジエータ(3)に前記インタークーラ冷却水を流した場合と流さずに前記メイン低温ラジエータ(3)をバイパスして前記インタークーラ冷却水を流した場合との前記メイン低温ラジエータ(3)の温度状態を判定し、
    前記性能判定手段(ステップS2、S42)と前記温度判定手段(ステップS3、S43)との判定結果に基づいて、前記制御手段(10)が前記流路切替弁(9)を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用冷却装置。
  3. 更に、前記エンジン冷却水の温度(TwE)を実測または推定するエンジン冷却温度決定手段(ステップS1)を有し、
    前記性能判定手段(ステップS2、S42)は、前記エンジン冷却温度決定手段により決定された前記エンジン冷却水の温度(TwE)が、予め定めた所定エンジン冷却水温度(TwEp)より高い場合に、前記高温ラジエータ(4)の冷却性能に余裕が無いと判定し、前記エンジン冷却温度決定手段により決定された前記エンジン冷却水の温度(TwE)が、前記所定エンジン冷却水温度(TwEp)以下の場合に、前記高温ラジエータ(4)の冷却性能に余裕が有ると判定することを特徴とする請求項2に記載の車両用冷却装置。
  4. 前記温度判定手段(ステップS3、S43)は、前記メイン低温ラジエータ(3)前の空気温度の測定値または推定値(Ta1)と、前記サブ低温ラジエータ(1)を通過した前記サブ低温ラジエータ(1)の出口水温(Tw2)との比較により、前記メイン低温ラジエータ(3)に前記インタークーラ冷却水を流した場合と流さずに前記メイン低温ラジエータ(3)をバイパスして前記インタークーラ冷却水を流した場合との前記メイン低温ラジエータ(3)の温度状態を判定することを特徴とする請求項2または3に記載の車両用冷却装置。
  5. 前記性能判定手段(ステップS2、S42)が、前記高温ラジエータ(4)の冷却性能に余裕が無いと判定した場合において、
    前記制御手段(10)は、前記メイン低温ラジエータ(3)前の空気温度の測定値または推定値(Ta1)の方が、前記サブ低温ラジエータ(1)を通過した前記サブ低温ラジエータ(1)の出口水温(Tw2)よりも大きい場合に、前記サブ低温ラジエータ(1)から前記メイン低温ラジエータ(3)を介して前記水冷インタークーラ(6)に前記インタークーラ冷却水を戻すことを特徴とする請求項4に記載の車両用冷却装置。
  6. 前記性能判定手段(ステップS2、S42)が、前記高温ラジエータ(4)の冷却性能に余裕が無いと判定した場合において、
    前記制御手段(10)は、前記メイン低温ラジエータ(3)前の空気温度の測定値または推定値(Ta1)の方が、前記サブ低温ラジエータ(1)を通過した前記サブ低温ラジエータ(1)の出口水温(Tw2)以下である場合に、前記サブ低温ラジエータ(1)から前記メイン低温ラジエータ(3)をバイパスして前記水冷インタークーラ(6)に前記インタークーラ冷却水を戻すことを特徴とする請求項4に記載の車両用冷却装置。
  7. 前記性能判定手段(ステップS2、S42)が、前記高温ラジエータ(4)の冷却性能に余裕が有ると判定した場合において、
    前記制御手段(10)は、前記メイン低温ラジエータ(3)前の空気温度の測定値または推定値(Ta1)の方が、前記サブ低温ラジエータ(1)を通過した前記サブ低温ラジエータ(1)の出口水温(Tw2)より小さい場合に、前記メイン低温ラジエータ(3)による前記インタークーラ冷却水の冷却が確保できる場合であると判定し、前記サブ低温ラジエータ(1)から前記メイン低温ラジエータ(3)を介して前記水冷インタークーラ(6)に前記インタークーラ冷却水を戻すことを特徴とする請求項4に記載の車両用冷却装置。
  8. 前記性能判定手段(ステップS2、S42)が、前記高温ラジエータ(4)の冷却性能に余裕が有ると判定した場合において、
    前記制御手段(10)は、前記メイン低温ラジエータ(3)前の空気温度の測定値または推定値(Ta1)が、前記サブ低温ラジエータ(1)を通過した前記サブ低温ラジエータ(1)の出口水温(Tw2)以上である場合に、前記メイン低温ラジエータ(3)による前記インタークーラ冷却水の冷却が確保し難い場合であると判定し、前記サブ低温ラジエータ(1)から前記メイン低温ラジエータ(3)をバイパスして前記水冷インタークーラ(6)に前記インタークーラ冷却水を戻すことを特徴とする請求項4に記載の車両用冷却装置。
  9. 前記温度判定手段(ステップS3、S43)は、前記メイン低温ラジエータ(3)を通過した前記メイン低温ラジエータ(3)の出口水温(Tw3)と、前記サブ低温ラジエータ(1)を通過した前記サブ低温ラジエータ(1)の出口水温(Tw2)の大きさの比較により、前記メイン低温ラジエータ(3)に前記インタークーラ冷却水を流した場合と流さずに前記メイン低温ラジエータ(3)をバイパスして前記インタークーラ冷却水を流した場合との前記メイン低温ラジエータ(3)の温度状態を判定することを特徴とする請求項2または3に記載の車両用冷却装置。
  10. 前記性能判定手段(ステップS2、S42)が、前記高温ラジエータ(4)の冷却性能に余裕が無いと判定した場合において、
    前記制御手段(10)は、前記メイン低温ラジエータ(3)を通過した前記メイン低温ラジエータ(3)の出口水温(Tw3)の方が、前記サブ低温ラジエータ(1)を通過した前記サブ低温ラジエータ(1)の出口水温(Tw2)よりも大きい場合に、前記サブ低温ラジエータ(1)から前記メイン低温ラジエータ(3)を介して前記水冷インタークーラ(6)に前記インタークーラ冷却水を戻すことを特徴とする請求項9に記載の車両用冷却装置。
  11. 前記性能判定手段(ステップS2、S42)が、前記高温ラジエータ(4)の冷却性能に余裕が無いと判定した場合において、
    前記制御手段(10)は、前記メイン低温ラジエータ(3)を通過した前記メイン低温ラジエータ(3)の出口水温(Tw3)の方が、前記サブ低温ラジエータ(1)を通過した前記サブ低温ラジエータ(1)の出口水温(Tw2)以下である場合に、前記サブ低温ラジエータ(1)から前記メイン低温ラジエータ(3)をバイパスして前記水冷インタークーラ(6)に前記インタークーラ冷却水を戻すことを特徴とする請求項9に記載の車両用冷却装置。
  12. 前記性能判定手段(ステップS2、S42)が、前記高温ラジエータ(4)の冷却性能に余裕が有ると判定した場合において、
    前記制御手段(10)は、前記メイン低温ラジエータ(3)の出口水温(Tw3)の方が、前記サブ低温ラジエータ(1)を通過した前記サブ低温ラジエータ(1)の出口水温(Tw2)より小さい場合に、前記メイン低温ラジエータ(3)による前記インタークーラ冷却水の冷却が確保できる場合であると判定し、前記サブ低温ラジエータ(1)から前記メイン低温ラジエータ(3)を介して前記水冷インタークーラ(6)に前記インタークーラ冷却水を戻すことを特徴とする請求項9に記載の車両用冷却装置。
  13. 前記性能判定手段(ステップS2、S42)が、前記高温ラジエータ(4)の冷却性能に余裕が有ると判定した場合において、
    前記制御手段(10)は、前記メイン低温ラジエータ(3)を通過した前記メイン低温ラジエータ(3)の出口水温(Tw3)が、前記サブ低温ラジエータ(1)を通過した前記サブ低温ラジエータ(1)の出口水温(Tw2)以上である場合に、前記メイン低温ラジエータ(3)による前記インタークーラ冷却水の冷却性能が確保し難い場合であると判定し、前記サブ低温ラジエータ(1)から前記メイン低温ラジエータ(3)をバイパスして前記水冷インタークーラ(6)に前記インタークーラ冷却水を戻すことを特徴とする請求項9に記載の車両用冷却装置。
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