本発明の各実施形態を説明する前に、本発明の各実施形態に関わる技術について以下に簡単に説明する。
[物理チャネル]
EUTRAおよびAdvanced EUTRAで使用される主な物理チャネル(または物理シグナル)について説明を行なう。チャネルとは信号の送信に用いられる媒体を意味し、物理チャネルとは信号の送信に用いられる物理的な媒体を意味する。物理チャネルは、EUTRA、およびAdvanced EUTRAにおいて、今後追加、または、その構造やフォーマット形式が変更または追加される可能性もあるが、変更または追加された場合でも本発明の各実施形態の説明には影響しない。
EUTRAおよびAdvanced EUTRAでは、物理チャネルのスケジューリングについて無線フレームを用いて管理している。1無線フレームは10msであり、1無線フレームは10サブフレームで構成される。さらに、1サブフレームは2スロットで構成される(すなわち、1スロットは0.5msである)。また、物理チャネルが配置されるスケジューリングの最小単位としてリソースブロックを用いて管理している。リソースブロックとは、周波数軸を複数サブキャリア(例えば12サブキャリア)の集合で構成される一定の周波数領域と、一定の送信時間間隔(1スロット)で構成される領域で定義される。
同期シグナル(Synchronization Signals)は、3種類のプライマリ同期シグナルと、周波数領域で互い違いに配置される31種類の符号から構成されるセカンダリ同期シグナルとで構成され、プライマリ同期シグナルとセカンダリ同期シグナルの信号の組み合わせによって、基地局装置を識別する504通りのセル識別子(物理セルID(Physical Cell Identity; PCI))と、無線同期のためのフレームタイミングが示される。移動局装置は、セルサーチによって受信した同期シグナルのセルIDを特定する。
物理報知情報チャネル(Physical Broadcast Channel; PBCH)は、セル内の移動局装置で共通に用いられる制御パラメータ(報知情報やシステム情報)を通知する目的で送信される。物理報知情報チャネルで通知されない報知情報は、物理下りリンク制御チャネルで無線リソースが通知され、物理下りリンク共用チャネルによってレイヤ3メッセージ(システムインフォメーション)で送信される。報知情報として、セル個別の識別子を示すセルグローバル識別子(Cell Global Identifier; CGI)、ページングによる待ち受けエリアを管理するトラッキングエリア識別子(Tracking Area Identifier; TAI)、ランダムアクセス設定情報(送信タイミングタイマーなど)、共通無線リソース設定情報などが通知される。
下りリンク基準信号は、その用途によって複数のタイプに分類される。例えば、セル固有基準信号(Cell-specific reference signals; CRS)は、セル毎に所定の電力で送信されるパイロット信号であり、所定の規則に基づいて周波数領域および時間領域で周期的に繰り返される下りリンク基準信号である。移動局装置は、セル固有基準信号を受信することでセル毎の受信品質を測定する。また、移動局装置は、セル固有基準信号と同時に送信される物理下りリンク制御チャネル、または物理下りリンク共用チャネルの復調のための参照信号としても下りセル固有基準信号を使用する。セル固有基準信号に使用される系列は、セル毎に識別可能な系列が用いられる。
また、下りリンク基準信号は下りリンクの伝搬路変動の推定にも用いられる。伝搬路変動の推定に用いられる下りリンク基準信号のことをチャネル状態情報基準信号(Channel State Information Reference Signals; CSI-RS)あるいはCSI基準信号と称する。また、移動局装置毎に個別に設定される下りリンク基準信号は、UE specific Reference Signals(URS)またはDedicated RS(DRS)と称され、物理下りリンク制御チャネル、または物理下りリンク共用チャネルの復調に用いられる。
物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel; PDCCH)は、各サブフレームの先頭からいくつかのOFDMシンボルで送信され、移動局装置に対して基地局装置のスケジューリングに従った無線リソース割り当て情報や、送信電力の増減の調整量を指示する目的で使用される。移動局装置は、下りリンクデータや下りリンク制御データであるレイヤ3メッセージ(ページング、ハンドオーバーコマンドなど)を送受信する前に自局宛の物理下りリンク制御チャネルを監視(モニタ)し、自局宛の物理下りリンク制御チャネルを受信することで、送信時には上りリンクグラント、受信時には下りリンクグラント(下りリンクアサインメント)と呼ばれる無線リソース割り当て情報を物理下りリンク制御チャネルから取得する必要がある。なお、物理下りリンク制御チャネルは、上述したODFMシンボルで送信される以外に、基地局装置から移動局装置に対して個別(dedicated)に割り当てられるリソースブロックの領域で送信されるように構成することも可能である。
物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel; PUCCH)は、物理下りリンク共用チャネルで送信されたデータの受信確認応答(Acknowledgement/Negative Acknowledgement; ACK/NACK)や下りリンクの伝搬路情報(チャネル状態情報)の通知、上りリンクの無線リソース割り当て要求(無線リソース要求)であるスケジューリングリクエスト(Scheduling Request; SR)を行なうために使用される。チャネル状態情報(CSI)は、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、PTI(Precoding Type Indicator)、RI(Rank Indicator)を含む。各Indicatorは、Indicationと表記される場合もあるが、その用途と意味は同じである。
物理下りリンク共用チャネル(Physical Downlink Shared Channel; PDSCH)は、下りリンクデータのほか、ページングや物理報知情報チャネルで通知されない報知情報(システムインフォメーション)をレイヤ3メッセージとして移動局装置に通知するためにも使用される。物理下りリンク共用チャネルの無線リソース割り当て情報は、物理下りリンク制御チャネルで示される。
物理上りリンク共用チャネル(Physical Uplink Shared Channel; PUSCH)は、主に上りリンクデータと上りリンク制御データを送信し、下りリンクの受信品質やACK/NACKなどの制御データを含めることも可能である。また、上りリンクデータの他、上りリンク制御情報をレイヤ3メッセージとして基地局装置に通知するためにも使用される。また、下りリンクの場合と同様に物理上りリンク共用チャネルの無線リソース割り当て情報は、物理下りリンク制御チャネルで示される。
上りリンク基準信号(Uplink Reference Signal)(上りリンクパイロット信号、上りリンクパイロットチャネルとも呼称する)は、基地局装置が、物理上りリンク制御チャネルPUCCHおよび/または物理上りリンク共用チャネルPUSCHを復調するために使用する復調基準信号(Demodulation Reference Signal; DMRS)と、基地局装置が、主に、上りリンクのチャネル状態を推定するために使用するサウンディング基準信号(Sounding Reference Signal; SRS)が含まれる。また、サウンディング基準信号には、周期的サウンディング基準信号(Periodic SRS)と非周期的サウンディング基準信号(Aperiodic SRS)とがある。
物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel; PRACH)は、プリアンブル系列を通知するために使用されるチャネルであり、ガードタイムを有する。プリアンブル系列は、64種類のシーケンスを用意して6ビットの情報を表現するように構成されている。物理ランダムアクセスチャネルは、移動局装置の基地局装置へのアクセス手段として用いられる。移動局装置は、物理上りリンク制御チャネル未設定時の無線リソース要求や、上りリンク送信タイミングを基地局装置の受信タイミングウィンドウに合わせるために必要な送信タイミング調整情報(タイミングアドバンス(Timing Advance; TA)とも呼ばれる)を基地局装置に要求するために物理ランダムアクセスチャネルを用いる。
具体的には、移動局装置は、基地局装置より設定された物理ランダムアクセスチャネル用の無線リソースを用いてプリアンブル系列を送信する。送信タイミング調整情報を受信した移動局装置は、報知情報によって共通的に設定される(またはレイヤ3メッセージで個別に設定される)送信タイミング調整情報の有効時間を計時する送信タイミングタイマーを設定し、送信タイミングタイマーの有効時間中(計時中)は送信タイミング調整状態、有効期間外(停止中)は送信タイミング非調整状態(送信タイミング未調整状態)として上りリンクの状態を管理する。レイヤ3メッセージは、移動局装置と基地局装置のRRC(無線リソース制御)層でやり取りされる制御平面(Control−plane)のメッセージであり、RRCシグナリングまたはRRCメッセージと同義の意味で使用される。なお、それ以外の物理チャネルは、本発明の各実施形態に関わらないため詳細な説明は省略する。
[測定]
図12は、EUTRAにおける、移動局装置2ならびに基地局装置1の無線リソース管理(radio resource management; RRM)測定設定管理方法について説明するためのシーケンスチャート図である。
図12の例において、基地局装置1は、自局が運用する周波数としてF1とF2という異なる2つの周波数を使用可能であるとし、移動局装置2と基地局装置1は、周波数F1において無線接続が確立された状態(無線リソース制御接続状態(Radio Resource Control Connected:RRC_Connected))である。ここで、基地局装置1は、移動局装置2に対して通信中のセル(在圏セル)並びにその他セル(周辺セル)の受信品質を測定させるために測定設定を含むメッセージ(以降、測定設定メッセージと称する)を送信する(ステップS1201)。測定設定メッセージには、測定される周波数(周波数F1と周波数F2)毎に少なくとも一つの測定設定情報が含まれている。測定設定情報は、測定IDと、測定対象(measurement object)と、測定対象に対応する測定対象IDと、測定イベントを含んだ報告設定と、報告設定に対応する報告設定IDとで構成される。一つの測定対象IDに対し複数の報告設定IDがリンクされるように構成されていても良い。同様に、複数の測定対象IDに対して一つの報告設定IDがリンクされるように構成されていても良い。
例えば、2つの測定対象(周波数F1と周波数F2)と3つの報告設定が通知され、前記測定対象と報告設定との組み合わせに対して3つの測定IDが設定される場合について図13を用いて説明する。
基地局装置1は、測定対象として、周波数F1と周波数F2に、それぞれ識別子0と1を測定対象IDとして割り当てて移動局装置2に通知する。また、基地局装置1は、報告設定として、報告設定1と報告設定2と報告設定3に、それぞれ識別子0,1,2を報告設定IDとして割り当てて移動局装置2に通知する。さらに基地局装置1は、前記測定対象の識別子と前記報告設定の識別子との組み合わせに対して紐付けされる(リンクされる)測定IDを移動局装置2に通知する。
図13では、測定ID#0として、識別子0の測定対象(周波数F1)と識別子0の報告設定との組み合わせが指定されている。同様に、識別子0の測定対象(周波数F1)と識別子1の報告設定との組み合わせが測定ID#1に指定され、識別子1の測定対象(周波数F2)と識別子2の報告設定との組み合わせが測定ID#2に指定されている。
また、測定イベント情報とは、例えば、在圏セルのセル固有基準信号の受信品質が所定の閾値よりも下回った/上回ったとき、周辺セルのセル固有基準信号の受信品質が在圏セルよりも下回ったとき、周辺セルの受信品質が所定の閾値よりも上回ったとき、などの条件を示す測定イベントと、当該条件を判定するために用いるパラメータから構成される情報である。パラメータには、閾値、オフセット値、測定イベントの成立に必要な時間などの情報が設定される。非特許文献3では、例えば測定イベントA1として、サービングセルの受信品質が閾値よりも良くなった場合に報告することが定義されている。また、測定イベントA3として、隣接セルの受信品質が、サービングセルの受信品質にオフセット値を加えたものよりも良くなった場合に報告することが定義されている。また、測定イベントA4として、隣接セルの受信品質が、閾値よりも良くなった場合に報告することが定義されている。
移動局装置2は、ステップS1202において、基地局装置1から設定された測定設定情報を内部情報として保存してから測定処理を開始する。具体的には、移動局装置2は前述のように測定IDと測定対象IDと報告設定IDとを一つにリンクされるよう対応付けて管理し、各IDに対応する測定情報を基に測定を開始する。これらの3つのIDが一つにリンクされている場合、有効とみなして関連する測定を開始し、これらの3つのIDが一つにリンクされていない場合(いずれかのIDが設定されていない場合)、無効とみなして関連する測定は開始されない。そして、誤り無く測定設定情報を設定できた場合、移動局装置2は、ステップS1203において測定設定の完了を示すメッセージ(測定設定完了メッセージ)を基地局装置1へ送信する。
そして、移動局装置2において、設定された測定イベントのいずれかがパラメータに従い条件を満たした場合、当該測定イベントがトリガ(trigger)されたとして、測定報告メッセージを基地局装置1に対して送信する(ステップS1204)。測定報告メッセージには、少なくともトリガされた測定イベントの報告設定IDにリンクした測定IDと、必要であれば関連するセルの測定結果が設定されて報告される。基地局装置1は測定IDがどの測定イベントの報告設定IDにリンクしているかを把握しているため、移動局装置2は測定報告メッセージで報告設定IDを通知する必要はない。
以上の事項を考慮しつつ、以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明の実施形態の説明において、本発明の実施形態に関連した公知の機能や構成についての具体的な説明が、本発明の実施形態の要旨を不明瞭にすると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について以下に説明する。
図1は、本発明の実施形態による基地局装置1の一例を示すブロック図である。本基地局装置1は、受信部101、復調部102、復号部103、制御部104、符号部105、変調部106、送信部107、ネットワーク信号送受信部108、上位レイヤ109で構成される。
上位レイヤ109は、下りリンクトラフィックデータと下りリンク制御データを符号部105へ出力する。符号部105は、入力された各データを符号化し、変調部106へ出力する。変調部106は、符号部105から入力された信号の変調を行なう。また、変調部106において変調された信号は、下りリンク基準信号が多重され、周波数領域の信号としてマッピングされる。送信部107は、変調部106から入力された信号を時間領域の信号へ変換し、変換した信号を既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行なうと共に送信する。下りリンク制御データが配置される下りリンクデータチャネルは、典型的にはレイヤ3メッセージ(RRC(Radio Resource Control)メッセージ)を構成する。
また、受信部101は、移動局装置2(図2参照)からの受信信号をベースバンドのデジタル信号に変換する。受信部101で変換されたデジタル信号は、復調部102へ入力されて復調される。復調部102で復調された信号は、続いて復号部103へ入力されて復号される。復号部103は、受信信号を上りリンクトラフィックデータと上りリンク制御データに適切に分離し、それぞれ上位レイヤ109へ出力する。
これら各ブロックの制御に必要な基地局装置制御情報は、上位レイヤ109より制御部104へ入力され、制御部104からは、送信に関連する基地局装置制御情報が送信制御情報として、符号部105、変調部106、送信部107の各ブロックに、受信に関連する基地局装置制御情報が受信制御情報として、受信部101、復調部102、復号部103の各ブロックに適切に入力される。
一方、ネットワーク信号送受信部108は、複数の基地局装置1間(または制御局装置(MME)、ゲートウェイ装置(Gateway)、MCE)と基地局装置1との間の制御メッセージの送信または受信を行なう。制御メッセージはネットワーク回線を経由して送受信される。制御メッセージは、S1インターフェースやX2インターフェースやM1インターフェースやM2インターフェースと呼ばれる論理インターフェース上でやり取りされる。図1において、その他の基地局装置1の構成要素は本実施形態に関係ないため省略する。
図2は、本発明の実施形態に係る移動局装置2の一例を示すブロック図である。本移動局装置2は、受信部201、復調部202、復号部203、測定部204、制御部205、ランダムアクセス処理部206、符号部207、変調部208、送信部209、上位レイヤ210で構成される。
受信に先立ち、上位レイヤ210は、移動局装置制御情報を制御部205に出力する。制御部205は、受信に関する移動局装置制御情報を受信制御情報として、受信部201、復調部202、復号部203、測定部204へ適切に出力する。受信制御情報は、受信スケジュール情報として、復調情報、復号化情報、受信周波数帯域の情報、各チャネルに関する受信タイミング、多重方法、無線リソース配置情報などの情報が含まれている。
受信部201は、受信制御情報で通知された周波数帯域で、図示しない一つ以上の受信機を通じて、後述する基地局装置1から信号を受信し、受信した信号をベースバンドのデジタル信号に変換して、復調部202へ出力する。また、受信部201は受信した基準信号を測定部204へ出力する。復調部202は、受信信号を復調して復号部203へ出力する。復号部203は、受信制御情報に基づき復調された信号を正しく復号し、下りリンクトラフィックデータと下りリンク制御データに適切に分離し、それぞれ上位レイヤ210へ出力する。測定部204は、受信した基準信号のRSRPやRSRQやCSIなどを測定し、測定結果を上位レイヤ210へ出力する。
また、送信に先立ち、上位レイヤ210は、制御部205へ移動局装置制御情報を出力する。制御部205は、送信に関する移動局装置制御情報を送信制御情報として、ランダムアクセス処理部206、符号部207、変調部208、送信部209へ適切に出力する。送信制御情報は、送信信号の上りリンクスケジューリング情報として、符号化情報、変調情報、送信周波数帯域の情報、各チャネルに関する送信タイミング、多重方法、無線リソース配置情報などの情報が含まれている。
上位レイヤ210は、符号部207へ上りリンクトラフィックデータと上りリンク制御データを上りリンクチャネルに応じて適切に出力する。符号部207は送信制御情報に従い、各データを適切に符号化し、変調部208に出力する。変調部208は、符号部207で符号化された信号の変調を行なう。また、変調部208は、変調された信号に対して下りリンクリファレンスシグナルを多重し、周波数バンドにマッピングする。
送信部209は、変調部208から出力された周波数バンドの信号を時間領域の信号へ変換し、変換した信号を既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行なうと共に図示しない1つ以上の送信機から送信する。
図2において、その他の移動局装置2の構成要素は本実施形態に関係ないため省略してある。
次に、基地局装置と移動局装置との間の無線インターフェースプロトコルの構造を示す。図3はユーザ平面(user plane; U-plane)の無線プロトコル構造(radio protocol architecture)を示すブロック図である。また、図4は制御平面(control plane; C-plane)の無線プロトコル構造を示すブロック図である。ユーザ平面は、ユーザデータ送受信のためのプロトコルスタック(protocol stack)であり、制御平面は、制御信号送受信のためのプロトコルスタックである。
図3及び図4において、第1の階層(レイヤ1)である物理層(Physical layer; PHY)では、異なる物理階層間、すなわち、送信側と受信側の物理層間で前述の物理チャネルを用いて通信がおこなわれる。物理層は、上位にある媒体アクセス制御(Medium Access Control; MAC)層にトランスポートチャネル(Transport channel)を介して連結されており、このトランスポートチャネルを介して物理層はMAC層に情報転送サービス(information transfer service)を行なう。
第2の階層(レイヤ2)のMAC層では、論理チャネル(logical channel)とトランスポートチャネルのマッピング、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)によるエラー訂正、論理チャネル間の優先度に基づいた転送処理などがおこなわれる。MAC層は、論理チャネルを介して上位階層である無線リンク制御(Radio Link Control; RLC)層と連結される。
第2の階層のRLC層は、データ転送の信頼性をサポートする。RLC層にはデータの送信方法に応じて透過モード(Transparent Mode; TM)、非応答モード(Unacknowledged Mode; UM)及び応答モード(Acknowledged Mode; AM)の3種類の動作モードが存在する。AMでは、ARQによるエラー訂正やプロトコルエラー検出などがおこなわれる。
第2の階層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は、IPパケットヘッダサイズを減らすヘッダ圧縮(header compression)やデータの暗号化、暗号の復号化などを行なう。
第3階層(レイヤ3)の無線リソース制御(Radio Resource Control; RRC)層は、制御平面でのみ定義される。RRC層は、NAS(non-access stratum)やAS(access stratum)関連情報の報知や、RRC接続の管理(Establishment/maintenance/release)、無線ベアラ(Radio Bearer; RB)の設定(configuration)、再設定(re-configuration)及び解放(release)、モビリティ(ハンドオーバ)、測定の管理とレポート、QoS管理などを行なう。
RRC層の上位に位置するNAS層は、セッション管理やモビリティ管理などを行なう。
ここで、基地局装置1のMAC層およびRRC層は、上位レイヤ109の一部として存在する。また、移動局装置2のMAC層は、ランダムアクセス処理部206および上位レイヤ209の一部として存在し、移動局装置2のRRC層は、測定部204および上位レイヤ209の一部として存在する。
続いて、本実施形態における測定設定(Measuement Configuration)について、図5を用いて説明を行なう。
本実施形態における測定設定は、前述の従来のRRM測定設定と同様に、測定IDと、測定対象(measurement object)と、測定対象に対応する測定対象IDと、測定イベントを含んだ報告設定と、報告設定に対応する報告設定IDとで構成される。さらに本実施形態では、測定対象の設定にチャネル状態情報基準信号の設定を含むことができるように定義する。
例えば、図5では、同じ周波数に対して2つの測定対象が定義されている。チャネル状態情報基準信号設定を含まないものと、1つ以上のチャネル状態情報基準信号設定を含むものである。さらに測定設定には、2つの報告設定が含まれ、前記測定対象と報告設定との組み合わせに対して3つの測定IDが設定されている。
図5では、測定ID#0として、識別子0の測定対象(周波数F1)と識別子0の報告設定との組み合わせが指定される。同様に、識別子0の測定対象(周波数F1)と識別子1の報告設定との組み合わせが測定ID#1に指定され、識別子1の測定対象(周波数F1、チャネル状態情報基準信号設定1、チャネル状態情報基準信号設定2)と識別子0の報告設定との組み合わせが測定ID#2に指定される。
続いて、測定部204について、図6を用いて説明を行なう。
測定部204はRRC層基準信号測定部61とPHY層基準信号測定部62とを含む。PHY層基準信号測定部62は、受信部201から入力される基準信号のRSRPやRSRQ、チャネル状態などを測定し、RRC層基準信号測定部61へ通知する。RRC層基準信号測定部61は、上位レイヤ210から通知される測定設定によって設定された測定対象において、PHY層基準信号測定部62から通知された個々の測定結果を必要であれば平均化し、報告設定に合致するか否かの判断をおこない、測定結果を上位レイヤ210へ通知する。ここで、測定部204は、上位レイヤ210から通知される(基地局装置1から通知される)測定設定の測定対象にチャネル状態情報基準信号設定が含まれない場合、報告設定をRRM測定のための設定とみなしてサービングセルおよび隣接セルのセル固有基準信号の測定を行ない、チャネル状態情報基準信号設定が含まれる場合、報告設定をチャネル状態情報基準信号管理測定のための設定とみなしてサービングセルで設定されるチャネル状態情報基準信号の測定を行なうように制御される。
すなわち、図5で示した測定設定の例では、測定ID#0と測定ID#2は同じ周波数で同じ報告設定であるが、報告設定で指定されるサービングセルと隣接セルの定義が変更される。測定ID#0では従来のRRM測定と同様、測定対象の周波数においてサービングセルおよび隣接セルのセル固有基準信号を検出して測定するが、測定ID#2では測定対象で設定された周波数のサービングセルにおいて、測定対象で設定されるチャネル状態情報基準信号(CSI基準信号設定1、CSI基準信号設定2)を2つの独立した隣接セルの基準信号とみなして測定する。さらに測定ID#2において、報告設定に前述の測定イベントA1や測定イベントA3などのサービングセルの受信品質が条件に含まれる場合、前記測定対象で指定される周波数におけるサービングセルのセル間協調通信で利用され、下りリンクの伝搬路情報の取得のために用いられるチャネル状態情報基準信号をサービングセルの基準信号として設定する。前記測定対象で指定される周波数におけるサービングセルのセル間協調通信で利用され、下りリンクの伝搬路情報の取得のために用いられるチャネル状態情報基準信号が存在しない場合、当該測定(測定ID#2)を行なわないようにしてもよい。ここで、前記下りリンクの伝搬路情報の取得のために用いられるチャネル状態情報基準信号が複数設定されている場合には、最も受信品質の高いチャネル状態情報基準信号を設定してもよいし、最も受信品質の低いチャネル状態情報基準信号を設定してもよいし、すべてのチャネル状態情報基準信号の受信品質を平均したものを受信品質としてもよいし、RRCシグナリングにより基地局装置から使用されるチャネル状態情報基準信号を指定されてもよい。また、前記下りリンクの伝搬路情報の取得のために用いられるチャネル状態情報基準信号は、PhysicalConfigDedicatedなどの物理パラメータ設定で指定されてもよく、新たに設定されるパラメータ設定(csi−RS−Config−r11など)で指定されてもよく、チャネル状態情報のフィードバックのための設定(cqi−ReportConfigなど)で指定されてもよい。
また、チャネル状態情報基準信号設定は、測定に必要となる物理パラメータ(配置情報など)が測定対象の設定に含まれるように通知されてもよいし、物理パラメータ(配置情報など)はPhysicalConfigDedicatedやPhysicalConfigDedicatedSCell−r10の情報要素を用いて、複数のチャネル状態情報基準信号設定を識別可能な識別子とともに通知され、前記識別子が測定対象の設定に含まれるように通知されてもよい。
続いて、本実施形態の通信システムにおける測定手順について、図7を用いて説明を行なう。
図7において、まず、基地局装置1は移動局装置2に対して、RRCメッセージを用いて測定設定情報を含む測定設定を通知する(ステップS71)。
ステップS71で測定設定情報を通知された移動局装置2は、通知された測定設定情報を内部情報として保存し、測定設定情報に基づいて測定処理を開始する(ステップS72)。具体的には、移動局装置2は測定IDと測定対象の識別子と報告設定の識別子とを一つに紐付けして管理して測定する。測定IDに紐付けられた測定対象の識別子と報告設定の識別子が存在する場合、設定を有効とみなして前記紐付けられた測定対象の測定をおこない、測定IDに紐付けられた測定対象の識別子あるいは報告設定の識別子のどちらかあるいは両方が存在しない場合、設定を無効とみなして前記測定IDに関連する測定はおこなわない。そして、誤り無く測定設定情報を設定できた場合、移動局装置2は、基地局装置1に測定設定完了を通知する(ステップS73)。ここで、移動局装置2は、チャネル状態情報基準信号管理測定のための測定設定メッセージを従来のRRM測定のメッセージと共通にするために、測定対象の設定にチャネル状態情報基準信号の設定が含まれる場合に、測定設定の一部パラメータを無効として扱ってもよいし、矛盾する設定がされた場合に測定設定を無効とみなしてもよい。例えば、RRM測定の測定設定では、測定に用いる受信品質の指定(triggerQuantity)として基準信号受信電力(RSRP)と受信信号受信品質(RSRQ)を選択できるが、チャネル状態情報基準信号を用いる測定でRSRPのみが用いられる通信システムでは、測定対象の設定にチャネル状態情報基準信号の設定が含まれる場合に、前記triggerQuantityの設定を無視するようにしてもよいし、triggerQuantityの設定がRSRQであれば測定設定を無効とみなすようにしてもよい。
RRC層基準信号測定部61は、測定ID毎に、測定対象の設定にチャネル状態情報基準信号設定が含まれるか否かを判断して、当該測定IDの測定で使用する基準信号を選択する。さらに、RRC層基準信号測定部61は、測定対象の設定にチャネル状態情報基準信号設定が含まれる場合には、サービングセルの基準信号と隣接セルの基準信号の定義を変更する(ステップS74)。
その後、移動局装置2は、基準信号の測定を開始し、報告設定の条件を満たす場合に、基地局装置1に対して、RRCメッセージを用いて測定報告を送信する(ステップS75)。測定報告には、少なくとも測定IDが含まれ、測定対象に1以上のチャネル状態情報基準信号設定が含まれている場合には、前記複数のチャネル状態情報基準信号設定を識別可能な識別子が測定報告に含まれるようにしてもよい。この場合、測定報告のためのメッセージを従来のメッセージ(MeasResults)と共通にするために、前記識別子を物理セル識別子(physCellId)として基地局装置1に報告してもよい。
また、測定報告のためのメッセージを従来のメッセージ(MeasResults)と共通にするために、測定報告にサービングセルの受信品質情報(measResultPCell)が含まれる場合、測定対象の設定にチャネル状態情報基準信号設定が含まれなければ、従来と同様に、measResultPCellにサービングセルのセル固有基準信号の受信品質を設定し、測定対象の設定にチャネル状態情報基準信号設定が含まれれば、measResultPCellにチャネル状態情報基準信号の受信品質を設定するようにしてもよい。ここで、measResultPCellの測定に用いられるチャネル状態情報基準信号は、サービングセルのセル間協調通信で利用され、下りリンクの伝搬路情報の取得のために用いられるチャネル状態情報基準信号であって、前記下りリンクの伝搬路情報の取得のために用いられるチャネル状態情報基準信号が複数設定されている場合には、最も受信品質の高いチャネル状態情報基準信号を設定してもよいし、最も受信品質の低いチャネル状態情報基準信号を設定してもよいし、すべてのチャネル状態情報基準信号の受信品質を平均したものを受信品質としてもよいし、RRCシグナリングにより基地局装置から使用されるチャネル状態情報基準信号を指定されてもよい。また、前記受信品質は既定の1あるいは複数のアンテナポートの受信電力の平均値としてもよいし、最良値としてもよいし、最低値としてもよい。また、前記下りリンクの伝搬路情報の取得のために用いられるチャネル状態情報基準信号は、PhysicalConfigDedicatedなどの物理パラメータ設定で指定されてもよく、新たに設定されるパラメータ設定(csi−RS−Config−r11など)で指定されてもよく、チャネル状態情報のフィードバックのための設定(cqi−ReportConfigなど)で指定されてもよい。前記測定報告を受信した基地局装置1は、測定報告に含まれる測定IDからmeasResultPCellがセル固有基準信号の受信品質であるのかチャネル状態情報基準信号の受信品質であるのかを判断することができる。また、測定対象の設定にチャネル状態情報基準信号設定が含まれるか否かに依らず、measResultPCellにサービングセルのセル固有基準信号の受信品質を設定するようにしてもよい。
移動局装置2から測定報告を受信した基地局装置1は、ステップS76において、前記測定報告に含まれる測定IDから、報告された前記測定報告が従来のRRM測定の報告であるのかチャネル状態情報基準信号管理測定の報告であるのかを識別する。また、前記測定報告に測定値が含まれる場合には、前記測定報告に含まれる測定IDから、セル固有基準信号の測定値であるのかチャネル状態情報基準信号の測定値であるのかを判断する。また、チャネル状態情報基準信号設定を識別するための識別子が物理セル識別子として報告される通信システムでは、前記測定報告に物理セル識別子が含まれる場合には、前記測定報告に含まれる測定IDから、隣接セルの物理セル識別子であるのかチャネル状態情報基準信号設定の識別子であるのかを判断する。
上述のように、測定対象の設定にチャネル状態情報基準信号設定が含まれるか否かに基づいて、移動局装置2において、測定する基準信号の選択、および報告設定の解釈の変更を行ない、基地局装置1において、測定報告の解釈の変更を行なうことによって、新たにチャネル状態情報基準信号管理測定専用のメッセージを定義することなく、従来のRRM測定の仕組みへの少ない変更で、チャネル状態情報基準信号管理測定の仕組みを追加することができる。
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では測定対象の設定にチャネル状態情報基準信号設定が含まれるか否かで測定に用いる基準信号を選択する例を示したが、本実施形態では測定対象の設定にチャネル状態情報基準信号設定が含まれる場合において、報告設定に含まれる情報に基づいて測定に用いる基準信号を選択する例を示す。
本実施形態の説明で用いる通信システム(基地局装置1および移動局装置2)は、第1の実施形態における、図1、および図2とそれぞれ同様であるので詳細な説明は繰り返さない。
続いて、本実施形態における測定設定について、図8を用いて説明を行なう。
本実施形態における測定設定は、前述の従来のRRM測定設定と同様に、測定IDと、測定対象(measurement object)と、測定対象に対応する測定対象IDと、測定イベントを含んだ報告設定と、報告設定に対応する報告設定IDとで構成される。さらに本実施形態では、測定対象の設定にチャネル状態情報基準信号の設定を含み、報告設定に1ビットの識別ビットを含むように定義する。
例えば、図8では、測定設定に、チャネル状態情報基準信号設定を含む2つの測定対象が定義されている。さらに測定設定には、2つの報告設定が含まれ、報告設定1には識別ビット0と識別ビット1の2種類がある。
図8では、測定ID#0として、識別子0の測定対象(周波数F1、CSI基準信号設定)と識別子0の報告設定(報告設定1、識別ビット0)との組み合わせが指定されている。同様に、識別子1の測定対象(周波数F2、CSI基準信号設定)と識別子1の報告設定(報告設定2、識別ビット0)との組み合わせが測定ID#1に指定され、識別子0の測定対象(周波数F1、CSI基準信号設定)と識別子2の報告設定(報告設定1、識別ビット1)との組み合わせが測定ID#2に指定されている。
続いて、測定部204について、図9を用いて説明を行なう。
測定部204はRRC層基準信号測定部91とPHY層基準信号測定部92とを含む。PHY層基準信号測定部92は、受信部201から入力される基準信号のRSRPやRSRQ、チャネル状態などを測定し、RRC層基準信号測定部91へ通知する。RRC層基準信号測定部91は、上位レイヤ210から通知される測定設定によって設定された測定対象において、PHY層基準信号測定部92から通知された個々の測定結果を必要であれば平均化し、報告設定に合致するか否かの判断をおこない、測定結果を上位レイヤ210へ通知する。ここで、測定部204は、上位レイヤ210から通知される(基地局装置1から通知される)測定設定の報告設定の識別ビットが0である場合、報告設定をRRM測定のための設定とみなしてサービングセルおよび隣接セルのセル固有基準信号の測定を行ない、識別ビットが1である場合、報告設定をチャネル状態情報基準信号管理測定のための設定とみなしてサービングセルで設定されるチャネル状態情報基準信号の測定を行なうように制御される。あるいは、報告設定に識別ビットが含まれる場合、サービングセルで設定されチャネル状態情報基準信号の測定を行ない、識別ビットが含まれない場合、サービングセルおよび隣接セルのセル固有基準信号の測定を行なうように制御してもよい。また、識別ビットが1であっても測定対象の設定にチャネル状態情報基準信号設定が含まれない場合はサービングセルおよび隣接セルのセル固有基準信号を測定するようにしてもよい。また、識別ビットはブール型(boolean)であってもよい。すなわち、0と1の代わりに真(true)と偽(false)の2値としてもよい。また、識別ビットは列挙型(enumerated)のデータの一部であってもよい。
図8で示した測定設定の例では、測定ID#0と測定ID#2は同じ周波数で同じ報告設定であるが、測定ID#0では従来のRRM測定と同様、測定対象の周波数においてサービングセルおよび隣接セルのセル固有基準信号を検出して測定するが、測定ID#2では測定対象で設定された周波数のサービングセルにおいて、同測定対象で設定されるチャネル状態情報基準信号(CSI基準信号設定1、CSI基準信号設定2)を2つの独立した隣接セルの基準信号とみなして測定する。さらに測定ID#2において、報告設定に前述の測定イベントA1や測定イベントA3などサービングセルの受信品質が条件に含まれる場合、前記測定対象で指定される周波数におけるサービングセルのセル間協調通信で利用され、下りリンクの伝搬路情報の取得のために用いられるチャネル状態情報基準信号をサービングセルの基準信号として設定する。前記測定対象で指定される周波数におけるサービングセルのセル間協調通信で利用され、下りリンクの伝搬路情報の取得のために用いられるチャネル状態情報基準信号が存在しない場合、当該測定(測定ID#2)を行なわないようにしてもよい。ここで、前記下りリンクの伝搬路情報の取得のために用いられるチャネル状態情報基準信号が複数設定されている場合には、最も受信品質の高いチャネル状態情報基準信号を設定してもよいし、最も受信品質の低いチャネル状態情報基準信号を設定してもよいし、すべてのチャネル状態情報基準信号の受信品質を平均したものを受信品質としてもよいし、RRCシグナリングにより基地局装置から使用されるチャネル状態情報基準信号を指定されてもよい。また、受信品質は既定の1あるいは複数のアンテナポートの受信電力の平均値としてもよいし、最良値としてもよいし、最低値としてもよい。また、前記下りリンクの伝搬路情報の取得のために用いられるチャネル状態情報基準信号は、PhysicalConfigDedicatedなどの物理パラメータ設定で指定されてもよく、新たに設定されるパラメータ設定(csi−RS−Config−r11など)で指定されてもよく、チャネル状態情報のフィードバックのための設定(cqi−ReportConfigなど)で指定されてもよい。
また、チャネル状態情報基準信号設定は、測定に必要となる物理パラメータ(配置情報など)が測定対象の設定に含まれるように通知されてもよいし、物理パラメータ(配置情報など)はPhysicalConfigDedicatedやPhysicalConfigDedicatedSCell−r10の情報要素を用いて、複数のチャネル状態情報基準信号設定を識別可能な識別子とともに通知され、前記識別子が測定対象の設定に含まれるように通知されてもよい。
続いて、本実施形態の通信システムにおける測定手順について、第1の実施形態と同様に図7を用いて説明を行なう。
図7において、まず、基地局装置1は移動局装置2に対して、測定設定を通知する(ステップS71)。
ステップS71で測定設定を通知された移動局装置2は、通知された測定設定を内部情報として保存する(ステップS72)。具体的には、移動局装置2は測定IDと測定対象の識別子と報告設定の識別子とを一つに紐付けして管理して測定する。測定IDに紐付けられた測定対象の識別子と報告設定の識別子が存在する場合、設定を有効とみなして前記紐付けられた測定対象の測定をおこない、測定IDに紐付けられた測定対象の識別子あるいは報告設定の識別子のどちらかあるいは両方が存在しない場合、設定を無効とみなして前記測定IDに関連する測定はおこなわない。そして、誤り無く測定設定情報を設定できた場合、移動局装置2は、基地局装置1に測定設定完了を通知する(ステップS73)。ここで、移動局装置2は、チャネル状態情報基準信号管理測定のための測定設定メッセージを従来のRRM測定のメッセージと共通にするために、識別ビットが1である場合に、測定設定の一部パラメータを無効として扱ってもよいし、矛盾する設定がされた場合に測定設定を無効とみなしてもよい。例えば、RRM測定の測定設定では、測定に用いる受信品質の指定(triggerQuantity)として基準信号受信電力(RSRP)と受信信号受信品質(RSRQ)を選択できるが、チャネル状態情報基準信号を用いる測定でRSRPのみが用いられる通信システムでは、識別ビットが1である場合に、前記triggerQuantityの設定を無視するようにしてもよいし、triggerQuantityの設定がRSRQであれば測定設定を無効とみなすようにしてもよい。
RRC層基準信号測定部91は、測定ID毎に、報告設定の識別ビットを確認して、当該測定IDの測定で使用する基準信号を選択する。さらに、識別ビットが1である場合には、サービングセルの基準信号と隣接セルの基準信号の定義を変更する(ステップS74)。
その後、移動局装置2は、基準信号の測定を開始し、報告設定の条件を満たす場合に、基地局装置1に対して、RRCメッセージを用いて測定報告を送信する(ステップS75)。測定報告には、少なくとも測定IDが含まれ、識別ビットが1である場合には、前記チャネル状態情報基準信号設定を識別可能な識別子が測定報告に含まれるようにしてもよい。この場合、測定報告のためのメッセージを従来のメッセージ(MeasResults)と共通にするために、前記識別子を物理セル識別子(physCellId)として基地局装置1に報告してもよい。
また、測定報告のためのメッセージを従来のメッセージ(MeasResults)と共通にするために、測定報告にサービングセルの受信品質情報(measResultPCell)が含まれる場合、識別ビットが0であれば、従来と同様に、measResultPCellにサービングセルのセル固有基準信号の受信品質を設定し、識別ビットが1であれば、measResultPCellにチャネル状態情報基準信号の受信品質を設定するようにしてもよい。ここで、measResultPCellの測定に用いられるチャネル状態情報基準信号は、サービングセルのセル間協調通信で利用され、下りリンクの伝搬路情報の取得のために用いられるチャネル状態情報基準信号であって、前記下りリンクの伝搬路情報の取得のために用いられるチャネル状態情報基準信号が複数設定されている場合には、最も受信品質の高いチャネル状態情報基準信号を設定してもよいし、最も受信品質の低いチャネル状態情報基準信号を設定してもよいし、すべてのチャネル状態情報基準信号の受信品質を平均したものを受信品質としてもよいし、RRCシグナリングにより基地局装置から使用されるチャネル状態情報基準信号を指定されてもよい。また、前記受信品質は既定の1あるいは複数のアンテナポートの受信電力の平均値としてもよいし、最良値としてもよいし、最低値としてもよい。また、前記下りリンクの伝搬路情報の取得のために用いられるチャネル状態情報基準信号は、PhysicalConfigDedicatedなどの物理パラメータ設定で指定されてもよく、新たに設定されるパラメータ設定(csi−RS−Config−r11など)で指定されてもよく、チャネル状態情報のフィードバックのための設定(cqi−ReportConfigなど)で指定されてもよい。前記測定報告を受信した基地局装置1は、測定報告に含まれる測定IDからmeasResultPCellがセル固有基準信号の受信品質であるのかチャネル状態情報基準信号の受信品質であるのかを判断することができる。また、識別ビットの値に依らず、measResultPCellにサービングセルのセル固有基準信号の受信品質を設定するようにしてもよい。
移動局装置2から測定報告を受信した基地局装置1は、ステップS76において、前記測定報告に含まれる測定IDから、報告された前記測定報告が従来のRRM測定の報告であるのかチャネル状態情報基準信号管理測定の報告であるのかを識別する。また、前記測定報告に測定値が含まれる場合には、前記測定報告に含まれる測定IDから、セル固有基準信号の測定値であるのかチャネル状態情報基準信号の測定値であるのかを判断する。また、チャネル状態情報基準信号設定を識別するための識別子が物理セル識別子として報告される通信システムでは、前記測定報告に物理セル識別子が含まれる場合には、前記測定報告に含まれる測定IDから、隣接セルの物理セル識別子であるのかチャネル状態情報基準信号設定の識別子であるのかを判断する。
上述のように、報告設定に基準信号選択のための識別ビットが含まれ、この識別ビットに基づいて、移動局装置2において、測定する基準信号の選択、および報告設定の解釈の変更を行ない、基地局装置1において、測定報告の解釈の変更を行なうことによって、第1の実施形態同様、新たにチャネル状態情報基準信号管理測定専用のメッセージを定義することなく、従来のRRM測定の仕組みへの少ない変更で、チャネル状態情報基準信号管理測定の仕組みを追加することができる。さらにチャネル状態情報基準信号が設定されている場合であっても必要に応じてセル固有基準信号の測定とチャネル状態情報基準信号の測定とを切り替えることができる。
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では測定対象の設定にチャネル状態情報基準信号設定が含まれる場合において、報告設定に含まれる情報に基づいて測定に用いる基準信号を選択する第2の実施形態とは別の例を示す。
本実施形態の説明で用いる通信システム(基地局装置1および移動局装置2)は、第1の実施形態における、図1、および図2とそれぞれ同様であるので詳細な説明は繰り返さない。
続いて、本実施形態における測定設定について、図10を用いて説明を行なう。
本実施形態における測定設定は、前述の従来のRRM測定設定と同様に、測定IDと、測定対象(measurement object)と、測定対象に対応する測定対象IDと、測定イベントを含んだ報告設定と、報告設定に対応する報告設定IDとで構成される。さらに本実施形態では、測定対象の設定にチャネル状態情報基準信号の設定を含み、報告設定の測定イベントとして新たにチャネル状態情報基準信号管理測定のための測定イベントを含むことができるように定義する。
例えば、図8では、測定設定に、チャネル状態情報基準信号設定を含む2つの測定対象が定義されている。さらに測定設定には、3つの報告設定が含まれ、報告設定1と報告設定2は、セル固有基準信号を用いた測定を行なう従来からの測定イベントであり、報告設定3は、新たに定義したチャネル状態情報基準信号管理測定のための測定イベントである。
図8では、測定ID#0として、識別子0の測定対象(周波数F1、CSI基準信号設定)と識別子0の報告設定1との組み合わせが指定されている。同様に、識別子1の測定対象(周波数F2、CSI基準信号設定)と識別子1の報告設定2との組み合わせが測定ID#1に指定され、識別子0の測定対象(周波数F1、CSI基準信号設定)と識別子2の報告設定3との組み合わせが測定ID#2に指定されている。
続いて、測定部204について、図11を用いて説明を行なう。
測定部204はRRC層基準信号測定部1101とPHY層基準信号測定部1102とを含む。PHY層基準信号測定部1102は、受信部201から入力される基準信号のRSRPやRSRQ、チャネル状態などを測定し、RRC層基準信号測定部1101へ通知する。RRC層基準信号測定部1101は、上位レイヤ210から通知される測定設定によって設定された測定対象において、PHY層基準信号測定部1102から通知された個々の測定結果を必要であれば平均化し、報告設定に合致するか否かの判断をおこない、測定結果を上位レイヤ210へ通知する。ここで、測定部204は、上位レイヤ210から通知される(基地局装置1から通知される)測定設定の報告設定の測定イベントがセル固有基準信号の測定を行なう従来の測定イベントである場合、サービングセルおよび隣接セルのセル固有基準信号の測定を行ない、測定設定の測定イベントがチャネル状態情報基準信号の測定を行なう測定イベントである場合、サービングセルで設定されるチャネル状態情報基準信号の測定を行なうように制御される。ここで、チャネル状態情報基準信号の測定を行なう測定イベントとしては、チャネル状態情報基準信号の受信品質が報告設定で設定される閾値を超える場合に報告(Configured CSI RS becomes better than threshold)や、チャネル状態情報基準信号の受信品質が報告設定で設定される閾値を下回る場合に報告(Configured CSI RS becomes worse than threshold)や、セル間協調通信で使用される(下りリンクの伝搬路情報の取得のために用いられる)チャネル状態情報基準信号の受信品質が報告設定で設定される閾値を越える/下回る場合に報告などが挙げられる。前記セル間協調通信で使用されるチャネル状態情報基準信号は、PhysicalConfigDedicatedなどの物理パラメータ設定で指定されるチャネル状態基準信号であってもよいし、新たに設定されるパラメータ設定(csi−RS−Config−r11など)で指定されるチャネル状態基準信号であってもよいし、チャネル状態情報のフィードバックのための設定(cqi−ReportConfigなど)で指定されるチャネル状態基準信号であってもよい。この場合、必ずしも測定対象にチャネル状態基準信号設定が含まれる必要はない。また、前記受信品質は、既定の1あるいは複数のアンテナポートの受信電力の平均値としてもよいし、最良値としてもよいし、最低値としてもよい。
図10で示した測定設定の例では、測定ID#0と測定ID#2は同じ測定対象であるが、測定ID#0では、従来の測定イベントとして、測定対象の周波数においてサービングセルおよび隣接セルのセル固有基準信号を検出して測定するが、測定ID#2では測定対象で設定された周波数のサービングセルにおいて、同測定対象で設定されるチャネル状態情報基準信号(CSI基準信号設定1、CSI基準信号設定2)を測定する。
また、チャネル状態情報基準信号設定は、測定に必要となる物理パラメータ(配置情報など)が測定対象の設定に含まれるように通知されてもよいし、物理パラメータ(配置情報など)はPhysicalConfigDedicatedやPhysicalConfigDedicatedSCell−r10の情報要素を用いて、複数のチャネル状態情報基準信号設定を識別可能な識別子とともに通知され、前記識別子が測定対象の設定に含まれるように通知されてもよい。
続いて、本実施形態の通信システムにおける測定手順について、第1の実施形態と同様に図7を用いて説明を行なう。
図7において、まず、基地局装置1は移動局装置2に対して、測定設定を通知する(ステップS71)。
ステップS71で測定設定を通知された移動局装置2は、通知された測定設定を内部情報として保存する(ステップS72)。具体的には、移動局装置2は測定IDと測定対象の識別子と報告設定の識別子とを一つに紐付けして管理して測定する。測定IDに紐付けられた測定対象の識別子と報告設定の識別子が存在する場合、設定を有効とみなして前記紐付けられた測定対象の測定をおこない、測定IDに紐付けられた測定対象の識別子あるいは報告設定の識別子のどちらかあるいは両方が存在しない場合、設定を無効とみなして前記測定IDに関連する測定はおこなわない。そして、誤り無く測定設定情報を設定できた場合、移動局装置2は、基地局装置1に測定設定完了を通知する(ステップS73)。ここで、移動局装置2は、チャネル状態情報基準信号管理測定のための測定設定メッセージを従来のRRM測定のメッセージと共通にするために、測定設定の測定イベントがチャネル状態情報基準信号の測定を行なう測定イベントである場合に、測定設定の一部パラメータを無効として扱ってもよいし、矛盾する設定がされた場合に測定設定を無効とみなしてもよい。例えば、RRM測定の測定設定では、測定に用いる受信品質の指定(triggerQuantity)として基準信号受信電力(RSRP)と受信信号受信品質(RSRQ)を選択できるが、チャネル状態情報基準信号を用いる測定でRSRPのみが用いられる通信システムでは、測定設定の測定イベントがチャネル状態情報基準信号の測定を行なう測定イベントである場合に、前記triggerQuantityの設定を無視するようにしてもよいし、triggerQuantityの設定がRSRQであれば測定設定を無効とみなすようにしてもよい。
RRC層基準信号測定部1101は、測定ID毎に、報告設定の測定イベントを確認して、当該測定IDの測定で使用する基準信号を選択する。(ステップS74)。
その後、移動局装置2は、基準信号の測定を開始し、報告設定の条件を満たす場合に、基地局装置1に対して、RRCメッセージを用いて測定報告を送信する(ステップS75)。測定報告には、少なくとも測定IDが含まれ、チャネル状態情報基準信号管理測定の測定イベントである場合には、前記チャネル状態情報基準信号設定を識別可能な識別子が測定報告に含まれるようにしてもよい。この場合、測定報告のためのメッセージを従来のメッセージ(MeasResults)と共通にするために、前記識別子を物理セル識別子(physCellId)として基地局装置1に報告してもよい。
また、測定報告のためのメッセージを従来のメッセージ(MeasResults)と共通にするために、測定報告にサービングセルの受信品質情報(measResultPCell)が含まれる場合、測定イベントがセル固有基準信号の測定イベントであれば、従来と同様に、measResultPCellにサービングセルのセル固有基準信号の受信品質を設定し、測定イベントがチャネル状態情報基準信号の測定イベントであれば、measResultPCellにチャネル状態情報基準信号の受信品質を設定するようにしてもよい。ここで、measResultPCellの測定に用いられるチャネル状態情報基準信号は、サービングセルのセル間協調通信で利用され、下りリンクの伝搬路情報の取得のために用いられるチャネル状態情報基準信号であって、前記下りリンクの伝搬路情報の取得のために用いられるチャネル状態情報基準信号が複数設定されている場合には、最も受信品質の高いチャネル状態情報基準信号を設定してもよいし、最も受信品質の低いチャネル状態情報基準信号を設定してもよいし、すべてのチャネル状態情報基準信号の受信品質を平均したものを受信品質としてもよいし、RRCシグナリングにより基地局装置から使用されるチャネル状態情報基準信号を指定されてもよい。また、前記受信品質は既定の1あるいは複数のアンテナポートの受信電力の平均値としてもよいし、最良値としてもよいし、最低値としてもよい。また、前記下りリンクの伝搬路情報の取得のために用いられるチャネル状態情報基準信号は、PhysicalConfigDedicatedなどの物理パラメータ設定で指定されてもよく、新たに設定されるパラメータ設定(csi−RS−Config−r11など)で指定されてもよく、チャネル状態情報のフィードバックのための設定(cqi−ReportConfigなど)で指定されてもよい。前記測定報告を受信した基地局装置1は、測定報告に含まれる測定IDからmeasResultPCellがセル固有基準信号の受信品質であるのかチャネル状態情報基準信号の受信品質であるのかを判断することができる。また、測定イベントに依らず、measResultPCellにサービングセルのセル固有基準信号の受信品質を設定するようにしてもよい。
移動局装置2から測定報告を受信した基地局装置1は、ステップS76において、前記測定報告に含まれる測定IDから、報告された前記測定報告が従来のRRM測定の測定イベントの報告であるのかチャネル状態情報基準信号管理測定の測定イベントの報告であるのかを識別する。また、前記測定報告に測定値が含まれる場合には、前記測定報告に含まれる測定IDから、セル固有基準信号の測定値であるのかチャネル状態情報基準信号の測定値であるのかを判断する。また、チャネル状態情報基準信号設定を識別するための識別子が物理セル識別子として報告される通信システムでは、前記測定報告に物理セル識別子が含まれる場合には、前記測定報告に含まれる測定IDから、隣接セルの物理セル識別子であるのかチャネル状態情報基準信号設定の識別子であるのかを判断する。また、前記測定報告はRRM測定の報告とは異なる形式のメッセージとして基地局装置1へ通知されてもよい。
上述のように、報告設定にチャネル状態情報基準信号を用いる測定イベントが含まれ、移動局装置2において、測定イベントの種類に基づいて、測定する基準信号の選択を行なうことによって、第1の実施形態同様、新たにチャネル状態情報基準信号管理測定専用のメッセージを定義することなく、従来のRRM測定の仕組みへの少ない変更で、チャネル状態情報基準信号管理測定の仕組みを追加することができる。さらにチャネル状態情報基準信号が設定されている場合であっても測定イベントに基づいてセル固有基準信号の測定とチャネル状態情報基準信号の測定とを切り替えることができる。
なお、上述の第1から第3の実施形態の説明で用いた「受信品質」とは、基準信号受信電力(Reference Signal Received Power; RSRP)であってもよいし、基準信号受信品質(Reference Signal Received Quality; RSRQ)であってもよいし、パスロスやそれ以外の測定値(SIR、SINR、RSSI、BLER)などを指すものであってもよいし、またはこれらの測定値の複数を組み合わせたものであってもよい。
また、上記各実施形態で、チャネル状態情報基準信号が測定に用いられる基準信号に設定される場合であっても、測定報告にサービングセルのセル固有基準信号の受信品質の測定結果を含めたり、RRM測定やチャネル状態情報基準信号管理測定の開始の条件としてセル固有基準信号の受信品質を用いたりするなどの理由で、セル固有基準信号の測定も行なわれてもよい。
また、本発明に係る実施形態で示される各パラメータの名称は、説明の便宜上呼称しているものであって、実際に適用されるパラメータ名称と本発明のパラメータ名称とが異なっていても、本発明が主張する発明の趣旨に影響するものではない。
以上、本発明に係る実施形態の説明を行なってきたが、本発明における基地局装置や移動局装置に関しては、基地局装置および移動局装置の各部の機能またはこれらの機能の一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各実施形態で示した制御を行なってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上記各実施形態に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
以上、本発明の実施形態について特定の具体例に基づいて詳述してきたが、本発明の趣旨ならびに特許請求の範囲は、これら特定の具体例に限定されないことは明らかである。すなわち、本明細書の記載は例示説明を目的としたものであり、本発明に対して何ら制限を加えるものではない。