JP6010052B2 - 複数のペプチド断片をアッセンブルすることによるペプチドを調製するための方法 - Google Patents

複数のペプチド断片をアッセンブルすることによるペプチドを調製するための方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリペプチドの天然型ライゲーションを使用する、複数のペプチド断片をアッセンブルすることによるペプチド又はポリペプチドを調製するための方法に関する。本発明は、本方法中で使用される中間体の調製及び本方法によって調製される前記中間体に関する。
ペプチド合成を大規模で行った場合、従来の固相法によるペプチドの合成(アミノ酸を用いてアミノ酸を)は、低収率に制限される。この制限を克服するために、化学ライゲーションによって2つのポリペプチドをアッセンブルして、より長いポリペプチドを生成することが知られている。
ポリペプチドの全合成は、明確に定義されたタンパク質の調製にますます有用である。化学ライゲーション方法は、この要求への対応を提供するが、しかしながらそれらは、それらの使用及び産業上の利用が限られていることを示す。
一般的に、これらの方法において、ライゲーションによってアッセンブルされたポリペプチドの間の結合は、天然型、すなわち、ポリペプチドの天然構造に一致することが望まれる。
既存の主要な天然型ライゲーション方法は、例えば、国際公開第96/34878号及び国際公開第98/28434号に記載されたKent及びDawsonの方法である。この方法は、チオエステルペプチド(C末端)及びシステイニルペプチドの間の化学選択的反応に基づく。それにもかかわらず、この方法の主な欠点は、複雑な化学プロセスを必要とするチオエステルペプチドの製造である。特に、S.Kentによって報告されたアッセンブリ方法(速度論的制御(kinetically Controlled Ligation)ライゲーション(KCL))によれば、A‐SAr、H‐Cys‐B‐SAlk及びH‐Cys‐C断片を合成する必要がある。しかしながら、A‐SAr型断片は、製造するのが困難であり、そして加水分解の影響を受け易いことが分かる。さらに、この方法は、3つの断片のアッセンブリ以上のことはできない。
代替方法は、国際公開第01/68565号及び国際公開第01/87920号に記載された、いわゆるStaudingerライゲーションである。これは、ホスフィノチオエステルとアジドとの反応、そしてアミド結合を形成するための結合した試薬の加水分解を含む。しかしながら、この方法は、工業規模で応用することが困難である。
国際公開第2007/037812号で記載される別の方法は、脱炭酸縮合反応におけるα‐ケト酸とアルコキシアミンとの反応に基づく。しかしながら、ケト酸は、製造及びペプチド内に組み込むことが困難な分子である。また、この第三の方法は、複雑な有機合成を行う手段を有しないペプチド合成実験室で適用することが困難である。
刊行物(D. Bang, B.L. Pentelute及びS.B.H. Kent, Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 3985-3988)では、ペプチド‐(チオフェニルエステル)とCys‐ペプチド‐チオエステルとに関連する合成経路を提案し、そして、刊行物(W. Houら、Org Lett., (2010), 22 December 2010)では、ペプチド合成のためのペプチド‐チオエステルの形成を提案する。しかしながら、これらの方法は、異なるチオエステルの反応間の競争を防ぐことができず、必然的に分離することが困難である混合物となり、従って、得られる最終産物の純度に影響を及ぼし、そして収率の低下が避けられない。
最終的に、刊行物(O. Melnyk et al., Org. Lett., 12(22), 5238-41 (2010))では、ペプチド‐ビス(スルファニルエチル(sulphanylethyl))アミノ断片を用いたペプチドの天然型ライゲーションを開示する。しかしながら、この方法は、複数の断片を有するペプチドの合成のために、これまで使用されていない。
全合成によってペプチド合成を実施することができる方法の工業規模への移行は、単純で安価な、産業衛生要件を満たす高純度品質製品を製造する方法を見つける必要がある。
上述の理由により、全合成方法を見つけることは必須であり、そしてそれは分かり易く、所望する長さ及び性質のペプチド鎖形成を合成することができ、工業規模で使用することができる。特に、N末端からC末端へと向かうアッセンブリに関する方法は、製造の容易さの質及びペプチド又は得られたポリペプチドの純度の品質を提供する。
本発明の課題を形成する、ペプチド‐チオエステル及び天然型ライゲーションの形成などの単純な方法に関するワンポット(one‐pot)方法における複数のペプチド断片のアッセンブルは、全合成方法をもたらし、そしてそれは、収束的であり、工業規模で使用でき、必要な純度基準に合致する。
本発明によれば、アッセンブリ方法は、ペプチド‐チオエステルの合成、以下の一般式:
Figure 0006010052
(式中、
iは、以下の環状ビス(2‐スルファニルエチル)アミノ基:
Figure 0006010052
(以下「SEAoff」という。)を有するC末端を有するペプチド断片を表し、及び
i‐1は、チオール官能基を有するアミノ酸残基を表す)
に対応する、環状ジスルフィド状態においてビス(2‐スルファニルエチル)アミノ官能基を有するペプチド(又はポリペプチド)とのそれらの縮合反応、並びに得られたポリペプチドの、C末端での、還元媒体における天然型化学ライゲーションに関する。
用語SEAoffは、反応性ジスルフィドの構造‐N[(CH22‐SH]2(以下「SEAon」という。)とは対照的に、非反応性環状ジスルフィドを意味することが理解される。
i-1で表されるチオール官能基を有するアミノ酸は、特に、システイン、ホモシステインから選択され、そしてこれらのアミノ酸は、ペプチド‐チオエステルとの反応の実施において、アミノ酸のチオール上のジスルフィド残基(SR’)を有することが理解される。
本発明によれば、本方法は、チオール官能基を有するアミノ酸残基を含む複数のペプチドアッセンブリ、すなわち、n断片及びチオール官能基を有するn−1アミノ酸のペプチドアッセンブリの調製につながり、以下の式:
Figure 0006010052
(式中、
1、A2、A3、...、Ai、...、Anは、ペプチド断片であり、
1、C2、C3、...、Ci-1、...、Cn‐1は、チオール官能基を有するアミノ酸残基であり、
nは、3〜50の間、好ましくは3〜20の間、又はより好ましくは3〜10の間を含み、及び
iは、2〜nの間を含む任意の整数である)
で表される。
n=3の場合、Cn‐1‐Anが、C2‐A3を表し、そしてCi‐1‐Aiが、C1‐A2を表すことが理解される。この場合、式(I)のペプチドアッセンブリは、A1‐C1‐A2‐C2‐A3の構造を有する。
本発明による方法は、以下の式のペプチド‐チオエステル:
Figure 0006010052
(式中、A1は、ペプチド断片であり、及びSRは、アルキル化チオエステル残基であり、Rは、任意により置換されたアルキルラジカルでもよい)
を、環状ジスルフィド還元剤の存在下、チオールR‐SHの作用により、ビス(2‐スルファニルエチル)アミノペプチドであるA1‐SEAoff(SEAoffは、上で定義された通りである)から調製し、
続いて、以下の構造のペプチド断片:
Figure 0006010052
(式中、C1、A2、及びSEAoffは、上で定義された通りであり、及び(SR’)は、アミノ酸C1のチオール上のジスルフィド残基を表す)
と、芳香族チオールArSHの存在下、上記ペプチドチオエステル(II)とを縮合して得られた、以下の構造の新しいペプチド断片:
Figure 0006010052
(式中、A1、C1、A2及びSEAoffは、上で定義された通りである)
を、以下の式のペプチド‐チオエステル:
Figure 0006010052
(式中、A1、C1、A2及びRは、上で定義された通りである)
に、環状ジスルフィド還元剤の存在下、チオールR‐SHの作用により、変換し、
続いて、以下の構造のペプチド断片:
Figure 0006010052
(式中、SEAoff、R’、C2及びA3は、上で定義された通りである)
と、芳香族チオールArSHの存在下、上記ペプチドチオエステル(II’)とを縮合して、以下の構造のペプチド断片:
Figure 0006010052
(式中、A1、C1、A2、C2、A3及びSEAoffは、上で定義された通りである)
を生成し、
次に、以下の構造のペプチド断片:
Figure 0006010052
(式中、A1、A2、A3、...、Ai、...、An‐1、C1、C2、C3、...、Ci‐1、...、Cn‐2及びSEAoffは、上で定義された通りである)
を得るために、n‐2回までこれら2つの操作を繰り返し、並びに
この得られたペプチド断片(IVm)と、以下の式のペプチド:
Figure 0006010052
(式中、Cn‐1及びAnは、上で定義された通りである)
との天然型ライゲーション反応を、一般式(I)の複数のペプチドアッセンブリを生成するために、環状ジスルフィド還元剤の存在下、還元により、行うこと
からなる。
発明の詳細な説明
本発明を以下の説明においてより詳細にそして非限定的に述べる。
本明細書の文脈において、「ペプチド又はポリペプチド(peptides or polypeptides)」は、ペプチド結合によって結合したアミノ酸の直鎖(2つ以上のアミノ酸数)を意味する。本願の意味の範囲内で、「ペプチド又はポリペプチド」は、従って、例えば、これらの用語の通常許容される意味に照らして、オリゴペプチド、ペプチド又はタンパク質であってもよい。本発明によるポリペプチド中に存在するアミノ酸残基は、タンパク質構成又は非タンパク質構成アミノ酸残基から選択することができる。好ましくは、それらは、20のタンパク質を構成するアミノ酸残基から選択される。
ポリペプチド表記は、N末端からC末端までである。ポリペプチド鎖に従って示すアミノ酸は、通常の1文字又は3文字表記に従って示す。アミノ酸残基は、式‐NH‐(CH‐R)‐(C=O)‐(式中、Rは、側鎖を表し、そしてそれは、アミノ酸ごとに異なる)のポリペプチド断片である。
「ペプチド断片(peptide fragment)」は、本明細書の文脈において、少なくとも1つのアミノ酸残基を含むポリペプチド部分を意味する。本願の意味の範囲内で、ペプチド断片は、従って、例えば、仮にペプチド断片が、ポリペプチドのN末端及びC末端のいずれも含まない場合、アミノ酸残基の配列(例えば、‐AHG‐又は‐Ala‐His‐Gly‐)でもよく;又は仮にペプチド断片が、ポリペプチドのN末端を含む場合、そのN末端の基を有するアミノ酸残基の配列(例えば、H‐AHG‐又はH‐Ala‐His‐Gly‐)でもよく;仮にペプチド断片が、ポリペプチドのC末端を含む場合、そのC末端の基を有するアミノ酸残基の配列(例えば、‐AHG‐OH又は‐Ala‐His‐Gly‐OH)であってもよい。
それぞれのペプチド断片は、好ましくは、20のタンパク質を構成するアミノ酸残基から選択されるアミノ酸残基のみを含むことが理解される。しかしながら、特定の実施態様によれば、配列中の内部の位置におけるペプチド断片Aiは、1つ以上の非タンパク質構成アミノ酸残基を、また含むことができ、1つ以上のペプチド断片A2...Ai...An‐1は、1つ以上の修飾アミノ酸(modified amino acid)を有することができる、修飾は、本方法の実施の前に行なうことができる。非限定的な例として、アミノ酸の修飾は、特に、カルボン酸残基(ビオチン、アセチル基、アミノオキシ酢酸残基、フルオロフォア、例えば、テトラメチルローダミン、金属キレート剤、例えば、1,4,7,10‐テトラアザシクロドデカン‐1,4,7,10‐四酢酸(DOTA)、脂質、例えば、パルミチン酸、ポリマー、例えば、α‐メトキシ‐オメガ‐カルボキシポリ(エチレングリコール)など)から選択されるラジカルから選択することができる。又は当業者に知られたタンパク質構成アミノ酸の翻訳後修飾(メチル化、リン酸化、アセチル化、グリコシル化、硫酸化、ヒドロキシル化、カルボキシメチル化、固相の取り込みのための適切な保護の担持など)、又は任意により薬剤(ベクターとして働くタンパク質)から選択されてもよい。
考慮する断片の固相合成の間に修飾を導入するために、修飾を非タンパク質構成アミノ酸、特にタンパク質構成アミノ酸誘導体を使用することによって簡単に導入することができる。例として、断片の合成を実施するために、Fmoc‐L‐Lys(ビオチン)‐OH、すなわち、その側鎖上にビオチンを担持するリジンを使用することができる。この断片は、その後、タンパク質構成アミノ酸断片を使用するものと同じ方法でアッセンブリに関与する。
本発明の実施態様によれば、ペプチド断片Aiは、2〜300の間のアミノ酸残基、好ましくは、5〜100の間のアミノ酸残基、より特に好ましくは、8〜50の間のアミノ酸残基を含む。
Rで表されるアルキルラジカルは、直鎖又は分岐の1〜12の炭素原子のアルキル原子のアルキルラジカルであり、任意によりハロゲン原子(例えば、F)、又はCO2H、SO3H、CONH2、OH、SH、アルキルオキシ、アルキルチオ、メルカプトアルキルチオラジカル、エステルラジカル又はポリエチレングリコールラジカルから選択される1つ以上の基で置換されるか、又は任意により置換フェニル、又は行われる反応を妨げない他の有機基によって置換される。チオールの一般式R‐SHは、例えば、HSCH2CH2CO2H、HSCH2CH2SO3H、HSCH2CH2SH、HSCH2CH2SCH2CH2SH、又はHSCH2Phであってもよい。
芳香族チオールは、有利には、ジスルフィド結合還元化合物から選択され、好ましくは、チオフェノール及び/又は芳香族環の置換によって得られる誘導体、例えば、4‐カルボキシメチルチオフェノール、4‐メルカプトフェニル酢酸、ジチオトレイトール、ベンジルメルカプタン及びそれらの混合物から選択される。
SEAoff還元剤は、環状ジスルフィド還元剤から選択することができる。特に、ホスフィン(例えば、トリス(2‐カルボキシエチル)ホスフィン)、又は任意の他の環状ジスルフィド還元剤、例えば、チオール(例えば、ジチオトレイトール(DTT))から選択することができる。
ペプチドA1‐SEAoffの例は、以下の式:
Figure 0006010052
で表すことができ、この例において、ペプチド断片A1は、H‐GFGQGFGGである。
ペプチド断片Anは、本発明の方法によれば、上記の一連の操作によって事前に調製されてもよい。
本発明によれば、複数のペプチド断片をアッセンブルするための方法は、以下の図1に従って表すことができる。
Figure 0006010052
すべての複数のペプチドアッセンブリ調製反応は、インサイチュで、「ワンポット(one pot)」反応において、行うことができ、特にペプチド断片nが、3に相当する場合、形成された中間体を分離する必要がないという大きな利点を有する。
本発明に従った方法は、下記のように、そして以下の例において説明するように行うことができる。
式(II)のペプチド‐チオエステルの調製は、環状ジスルフィド還元剤、例えば、特にホスフィン、例えば、トリス(2‐カルボキシエチル)ホスフィンの存在下、任意によりビス(2‐スルファニルエチル)アミノペプチド上に置換されたアルキル部分のアルキルチオール:A1‐SEAoffの反応によって有利に行われる。反応は、不活性雰囲気下(例えば、アルゴン下)、pHが1〜8の間で、好ましくはpH4で、そして20℃〜50℃の間の温度で有利に行われる。有利には、3‐メルカプトプロピオン酸が使用される。
式(II)のチオエステルと一般式(III)のペプチド断片:H‐C1(SR’)‐A2‐SEAoffとの縮合は、芳香族チオール(特に、4‐メルカプトフェニル酢酸)の存在下、不活性雰囲気下(例えば、アルゴン下)、20℃〜60℃の間の温度で操作することにより、有利に行われる。得られたペプチド断片は、次の反応において使用するために、分離する必要がない。
ペプチド断片(IVm)(A1‐C1‐A2‐C2‐A3‐..‐Ci‐1‐Ai‐..‐Cn‐2‐An‐1‐SEAoff)とペプチド(Vn)(H‐Cn‐1n)との天然型ライゲーション反応は、不活性雰囲気下(例えば、アルゴン下)、20℃〜60℃の間の温度、好ましくは、37℃の温度で操作することにより、環状ジスルフィド還元剤、そしてそれは好ましくは、ホスフィン(例えば、トリス(2‐カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP))、チオール化合物、例えば4‐メルカプトフェニル酢酸(MPAA)、ジチオトレイトール(DTT)、チオフェノール(及びその誘導体)、アルキルチオール(特に、ベンジルメルカプタン)又はこれらの化合物のいくつかの混合物、例えば、MPAA及びTCEOの作用によって行われてもよい。反応は、特に、水性媒体、例えば、リン酸緩衝液中で行われる。好ましくは、pHが5.5〜8.5の間、より好ましくは、pHが6〜8の間、そして理想的には、pHが約7で行われる。反応継続時間は、使用する試薬に依拠し、液体クロマトグラフィー分析の結果に従って監視されそして調節される。天然型ライゲーション反応において、得られたペプチド断片(IVm)を使用するために、それを分離する必要がない。環状ジスルフィド還元剤の反応は、式(Vn)のペプチドとの反応の前又は同時に式(IVm)のペプチド断片上で行うことができる。
特定の実施態様によれば、式(IVm)及び(Vn)のペプチド断片は、1つ以上の非タンパク質構成アミノ酸残基を含む。
式(IVm)及び(Vn)のポリペプチドのアミノ酸残基は、任意により、側鎖保護基によって保護することができる。保護ラジカルの保護及び除去は、分子の残りを変えない公知の方法に従って行うことができる。より特に、T. Greene及びP. Wuts, Protective groups in organic synthesis, 2nd edition, John Wiley & Sons, Inc.に記載された方法に従って行う。
ビス(2‐スルファニルエチル)アミノペプチド:A1‐SEAoffの調製は、Melnyk, O.ら、Bis(2-sulphanylethyl)amino native peptide ligation., Org. Lett., 12(22), 5238-41 (2010)に記載された方法に従って行うことができる。この方法の手順によれば、アミノ酸とポリマー樹脂担体との結合は、ポリマー樹脂をアミノ酸ハロゲン化物又はアミノ酸及び、好ましくは、PyBOP(登録商標)(ベンゾチアゾール‐1‐イル‐オキシトリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート)、BOP、PyBroP(登録商標)(ブロモ‐トリス‐ピロリジノ‐ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート)、又はHATU(2‐(1H‐7‐アザベンゾチアゾール‐1‐イル)‐1,1,3,3‐テトラメチル ウロニウム ヘキサフルオロホスフェート メタンアミニウム)及びより特に好ましくは、PyBroPから選択される活性化剤と接触することを含む。この手順は、以下、開始ペプチド断片の調製例において、より詳細に記載する。
特に、対応するペプチド‐N(CH2CH2SH)2(SEAonペプチド)は、撹拌下、0.1M重炭酸アンモニウム溶液において、周囲温度で空気によって酸化される。有利なことに、それらは、ヨウ素又はジアミド、(CH32NCON=NCON(CH32の存在下、酸化によってまた得ることができる。
式(Vn)のポリペプチドは、例えば、通常のペプチド合成方法、特に、固相合成方法によって得ることができる。それは、Org. Lett., 12(22), 5238-41(2010)に記載された、天然型ライゲーションによって得ることができる。
本発明の好ましい実施態様によれば、3つ又は4つの断片のペプチドアッセンブリは、構造A1‐C1‐A2‐C2‐A3、又はA1‐C1‐A2‐C2‐A3‐C3‐A4を調製する。
本発明の他の好ましい実施態様によれば、チオール官能基を有するCiアミノ酸は、システインCys残基である。
この場合において、本発明の好ましい実施態様によれば、構造A1‐Cys‐A2‐Cys‐A3、又はA1‐Cys‐A2‐Cys‐A3‐Cys‐A4のペプチドアッセンブリが調製される。
これらの好ましい実施態様によれば、ペプチドアッセンブリ調製図は、以下の図2に従って表すことができる。
Figure 0006010052
本発明は、また、上記方法に従って、環状ジスルフィド還元剤の存在下、チオールR‐SHの反応により、ビス(2‐スルファニルエチル)アミノペプチド:A1‐SEAoffからの式(II)のペプチド‐チオエステルの調製に関する。本発明は、また、上記のように得たペプチド‐チオエステルに関する。
本発明に従って得られた式(I)のポリペプチドは、例えば、スクリーニングの目的のために、ポリペプチドライブラリーを作製するために使用することができる。
それらは、また、1つ以上の適合するそして医薬的に許容されるアジュバント又はビヒクルと組み合わせて、医薬組成物の製造のために使用することができる。本発明に従って得ることができる医薬組成物の例として、ヒト及び動物のために使用することができる医薬品、並びにワクチン製剤を挙げることができる。それらは、また、診断キットの製造のために使用することができる。
本発明の他の課題によれば、本発明は、また以下:
‐上記式(I)のポリペプチドを製造するための方法に従ったポリペプチド又はペプチドの製造、及び
‐上記のように調製したポリペプチド又はペプチドを、純品又は1つ以上の適合するそして医薬的に許容されるアジュバントと組み合わせて含む医薬組成物
を含む医薬組成物を製造するための方法に関する。
本発明は、また、以下:
‐上記式(I)のポリペプチドを製造するための方法に従ったポリペプチド又はペプチドの製造、及び
‐診断装置のために使用するのに適合した形態での、本ポリペプチドの処方又は形成
を含む診断装置を製造するための方法に関する。
本発明による方法は、全合成において、鎖に沿って配置される、システイン(Cys)又はホモシステイン型のチオール置換を有するアミノ酸単位を含む、所望する長さ及び性質のペプチド鎖構造を合成することを可能にするのに、特に有用である。
本発明は、それが関与する収束的合成のために、工業規模において使用することができるという利点を有し、この合成法は、有利な収率、そして特に、既に開発された製品の収率の少ない損失、既に高い合成コストを提供するので、後の方法の工業化に関して、特に求められる。
本発明によれば、SEA断片は、ペプチド断片の連続ライゲーションによって、N末端からC末端のタンパク質の合成を可能にする。
N末端からC末端のアッセンブルは、C末端からN末端のアッセンブルの逆方法と比べて、大きな利点を提供し、実際、この場合、本方法は、工業合成において非常に重要であるペプチド断片の自浄作用(self‐purification)を誘導する。
他の利点によれば、本発明の方法は、ペプチド断片の合成のためにタンパク質構成アミノ酸を使用することを可能にする。従って、合成をかなり困難にするアミノ酸誘導体(例えば、ケト酸)の製造を行う必要がない。
実施例1
3つの断片のワン‐ポットアッセンブリ
1‐アルキルチオールR‐SH(R=‐(CH22COOH)及び環状ジスルフィド還元剤の存在下、A1‐SEAoffの変換による、A1‐SR(R=アルキル)に相当する、ペプチド1(H‐ILKEPVHGA‐S(CH22COOH)の合成
前駆体ペプチドH‐ILKEPVHGA‐SEAoffを、Ollivier N., Dheur J., Mhidia R., Blanpain A.,及びMelnyk O., Bis(2-sulphanylethyl)amino native peptide ligation., Org. Lett. 12(22), 5238-41 (2010)に記載されたように調製した。
トリス(2‐カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩、TCEP,HCl(921.2mg)を、0.2Mリン酸緩衝液(pH=7.3)(40ml)に溶解する。3‐メルカプトプロパン酸(MPA)(2ml)を、この溶液に添加する。溶液のpHを、5N炭酸(約3ml)で4に再調節する。
ペプチドH‐ILKEPVHGA‐SEAoff(40.31mg)を、先の溶液(40ml)に溶解する。反応媒体を、3真空/アルゴンサイクルを用いて、不活性雰囲気下に置き、37℃で恒温槽に置く。
22時間後、反応媒体を分液漏斗に移す。7%のトリフルオロ酢酸(TFA)(20滴)を含む水性溶液を、添加する。ジエチルエーテルで、4回の抽出を行う。7%TFAを含む水性溶液(10ml)を添加し、そしてジエチルエーテルで、新たに3回の抽出を行う。
RP‐HPLC(Nucleosil C18カラム 120Å、5μm、緩衝液A 0.05%TFAを含む100%水、緩衝液B 0.05%TFAを含むCH3CN/水 4/1、グラジエント:5分で緩衝液Bの0〜10%、次に150分で緩衝液Bの10〜100%、流速6ml/分、215nm)における精製前に、水相を、アルゴンを通気することによって脱気する。精製ペプチド1(H‐ILKEPVHGA‐S(CH22COOH)(18.7mg)を得る(収率=47.4%)(C477812131 MALDI‐TOF[M+H]+ 計算(モノアイソトッピク質量)1051.56;測定1051.70)。
2‐H‐C1(SR)‐A2‐SEAoff(R=tBu)に相当する、ペプチド2 H‐C(StBu)HHLEPGG‐SEAoffの合成
0.25mmol規模でのSEAoffペプチドの標準合成は、Ollivier N., Dheur J., Mhidia R., Blanpain A.,及びMelnyk O., Bis(2-sulphanylethyl)amino native peptide ligation., Org. Lett. 12(22), 5238-41 (2010)に従う。
ジスルフィド残基‐S‐t.Buを、以下の実施例2に記載した方法と類似した方法によって、Fmoc‐Cys(St.Bu)を使用して結合する。
樹脂からのペプチドの最終脱保護及び切断を、TFA/TIS/DMS/H2O(90/2.5/2.5/5/2.5容積、25ml)で、1時間30分行う。ペプチドを、冷ジエチルエーテル/ヘプタン混合物(1/1容積)から沈殿し、最小量の水に溶解し、そして凍結乾燥する。132.6mgの粗ペプチドを得る(収率=38%)。C436913104 MALDI‐TOF[M+H]+ 計算(モノアイソトピック質量)1056.42;測定1056.10。
ペプチド2の一部を、その後、精製前に酸化する。このために、断片2(122.6mg)及びI2(222.52mg、10当量)を、AcOH/水 4/1(12.5ml)に溶解する。10分間の撹拌後、希釈した反応媒体(全量=37ml)を、ジエチルエーテル(75ml)を含む分液漏斗に移す。ジエチルエーテルで3回の抽出を行う(3×75ml)。水相を凍結し、そして凍結乾燥し、94.3mgの粗ペプチドを製造する。
RP‐HPLC(Nucleosil C18カラム 120Å、5μm、215nm、緩衝液A 0.05%TFAを含む100%水、緩衝液B 0.05%TFAを含むCH3CN/水 4/1、グラジエント:5分で緩衝液Bの0〜10%、次に150分で緩衝液Bの10〜100%、流速6ml/分)精製後、40.52mgの精製ペプチドを得る(収率=33%)。C436713104 MALDI‐TOF[M+H]+ 計算(モノアイソトピック質量)1054.4;測定1054.4。
3‐A1‐SR(ペプチド1)(R=CH2CH2CO2H)+H‐C1(StBu)‐A2‐SEAoff(ペプチド2)→A1‐C1‐A2‐SEAoff
4‐メルカプトフェニル酢酸(MPAA、33.64mg、0.2mmol、芳香族チオール)を、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.3)(1ml)に溶解する。5Nの炭酸溶液(80μl)を添加して、溶液のpHを7.64に調節する。ペプチド1(10.40mg、7.5μmol)及びペプチド2(10.42mg、7.5μmol)を、先の溶液に一緒に溶解する(533μl)。反応媒体を、不活性雰囲気下、温度制御恒温槽において37℃で置く。
ライゲーションを、Xbridge BEH C18カラム(4.6×250mm、300Å、5μm)(215nm、1ml/分、30℃、緩衝液A 0.05%TFAを含む水、緩衝液B 0.05%TFAを含むCH3CN/水 4/1、30分で0〜100%のB)を有するRP‐HPLCによって監視する。このために、分析前に、反応媒体のアリコート(5μl)を、10%TFA水溶液で酸性化し、ジエチルエーテルで抽出してMPAA及びMPAを除去する。
4‐H‐C2‐A3に相当する、ペプチド3 H‐CILKEPVHGV‐NH2の合成
ペプチドH‐C2‐A3の調製は、Ollivier N., Dheur J., Mhidia R., Blanpain A.,及びMelnyk O., Bis(2-sulphanylethyl)amino native peptide ligation., Org. Lett. 12(22), 5238-41 (2010)よる刊行物において記載されている。
5‐3つの断片のワン‐ポットライゲーションのためのプロトコール
1‐C1‐A2‐C2‐A3に相当する、ペプチド4 H‐ILKEPVHGACHHLEPGGCILKEPVHGV‐NH2の合成
1‐C1‐A2‐SEAoff及びペプチド3(H‐C2‐A3
TCEP(トリス(2‐カルボキシエチル)ホスフィン)の存在下、還元によるA1‐C1‐A2‐SEAoffのA1‐C1‐A2‐SEAonへの変換
5時間30分間の反応後、TCEP,HCl(トリス(2‐カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩)(57.34mg、0.2mmol)を、0.1Mリン酸緩衝液(pH=7.3)(1ml)に溶解する。5Nの炭酸溶液(140μl)を添加して、溶液のpHを7.33に調節する。
1‐C1‐A2‐SEAon+(ペプチド3)H‐C2‐A3→A1‐C1‐A2‐C2‐A3(ペプチド4)
ペプチド3(16.17mg、11.2μm)を、先の溶液(533μl)に溶解し、その後、不活性雰囲気下、37℃で再度置いた先の反応媒体を添加する。
ライゲーションを、Xbridge BEH C18カラム(4.6×250mm、300Å、5μm)(215nm、1ml/分、30℃、緩衝液A 0.05%TFAを含む水、緩衝液B 0.05%TFAを含むCH3CN/水 4/1、30分で0〜100%のB)を有するRP‐HPLCによって監視する。このために、分析前に、反応媒体のアリコート(5μl)を、10%TFA水溶液で酸性化し、ジエチルエーテルで抽出してMPAA(4‐メルカプトフェニル酢酸)を除去する。
反応が完了したとき、反応媒体を、0.05%TFA(3ml)を含む水で希釈し、そして10%TFA水溶液(15滴)を添加する。ジエチルエーテルで5回抽出した後(5×8ml)、水相を、アルゴンを通気することにより10分間脱気する。Nucleosil C18カラム 120Å、5μm(215nm、流速6ml/分、緩衝液A 0.05%TFAを含む水、緩衝液B 0.05%TFAを含むCH3CN/水 4/1、グラジエント:5分で緩衝液Bの0〜10%、次に150分で緩衝液Bの10〜100%)を有するRP‐HPLCによって精製後、16.2.mgの精製ペプチド4を得る(59.2%)。
実施例2
1‐K1(断片1)‐MPAの合成
K1(断片1)‐SEAoffの合成
Figure 0006010052
SEA樹脂(0.5mmol、0.175mmol/g)を、ジクロロメタン(DCM)において調整する。Fmoc‐Lys(Boc)‐OH(2.342g、5mmol)をDCM及び2〜3滴のジメチルホルムアミド(DMF)に溶解して酸可溶化し、その後、溶液を樹脂に添加する。PyBrop(2.331g、5mmol)を、最小量のDCMに溶解し、その後、樹脂に添加する。ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(2.613ml、15mmol)を、その後、樹脂に添加し、そして切断を2時間行った(全量<5ml)。樹脂を、その後、DCMで3×2分間洗浄する。樹脂を、その後、10%Ac2O/5%DIEA/DCM(10ml、2分)、次に(10ml、20分)処理する。樹脂を、その後、DCMで5×2分間洗浄する。
断片1は、マイクロ波を使用せずに、Fmoc/tert‐butyl方法を使用して、ペプチド合成機(CEM μWaves,Saclay,France)で、先の樹脂(0.25mmol、0.175mmol/g)の部分上でアッセンブルする。結合を、アミノ酸(0.2M、4当量)、活性剤HBTU(0.5M、3.6当量)及び塩基DIEA(2M、8当量)と伴に行う。最終脱保護及び樹脂からのペプチドの切断を、TFA/TIS/DMS/チオアニソール/H2O(90/2.5/2.5/2.5/2.5容積、25ml)で、2時間30分間行う。ペプチドを、冷ジエチルエーテル/ヘプタン混合物(1/1容積)から沈殿し、最小量の水に溶解し、そして凍結乾燥する。288mgの粗ペプチドを得る(収率=32%)。C12021636314 LC‐MS[M+H]+ 計算(平均質量)2788.5;測定2788.1。
断片1の一部を、その後、精製前に酸化する。このために、断片1(95.7mg)を、AcOH/水 1/4(47.9ml)に溶解する。DMSO中の197mM I2(270μl、50μmol、2当量)を、先の溶液に添加する。30秒間の撹拌後、64.8mMジチオトレイトール(DTT、823μl、50μmol、2当量)を添加して、残りのI2を消費し、そしてRP‐HPLC内に直接注入する。
RP‐HPLC精製(Nucleosil C18カラム 120Å、5μm、緩衝液A 0.05%TFAを含む100%水、緩衝液B 0.05%TFAを含むCH3CN/水 4/1、グラジエント:5分で緩衝液Bの0〜20%、次に40分で緩衝液Bの20〜40%、流速6ml/分、215nm)後、25.8mgの精製ペプチドを得る(収率=27%)。C12021436314 MALDI‐TOF[M+H]+ 計算(モノアイソトッピク質量)2784.52;測定2784.6。
b‐K1(断片1)‐MPAの合成
Figure 0006010052
トリス(2‐カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP,HCl、229.63mg、0.8mmol)を、0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH=7.3)(10ml)に可溶化する。メルカプトプロパン酸(MPA、0.5ml)を添加する。NaOH 5M(340μl)を添加して、pHを3.98に調節する。
断片1 K1‐SEAoff(24.67mg、6.9μmol)を、先の溶液(10.3ml)に溶解する。反応媒体を、アルゴン雰囲気下、37℃で加熱する。反応の進行を、Xbridge BEH C18カラム(215nm、1ml/分、30℃、溶出液A 0.05%トリフルオロ酢酸(TFA)を含む水、溶出液B 0.05%TFAを含むCH3CN/水 4/1、30分で0〜100%のB)を有するRP‐HPLCによって監視する。このために、分析前に、アリコートを、10%TFA水溶液で酸性化し、Et2Oで抽出してMPAを除去する。
反応の完了後、反応媒体を、水(10ml)で希釈し、そして10%TFA水溶液(5ml)を添加する。Et2Oでの3回抽出(3×15ml)及び15分間のアルゴン通気後、RP‐HPLC精製を、Nucleosil C18カラム 120Å、5μm(215nm、流速6ml/分、周囲温度、溶出液A 0.05%TFAを含む水、溶出液B 0.05%TFAを含むCH3CN/水 4/1、5分でBの0〜10%、次に150分でBの10〜100%)で行い、9.7mgの精製K1(断片1)‐MPAを得る(41%)。
2‐StBu‐K1(断片2)‐SEAoffの合成
Figure 0006010052
樹脂SEA(0.5mmol、0.175mmol/g)を、DCMにおいて調整する。Fmoc‐Tyr‐OH(2.298g、5mmol)をDCM(<5ml)及び2〜3滴のDMFに溶解して、可溶化を助け、その後、樹脂に添加する。PyBrop(2.331g、5mmol)を、最小量のDCMに溶解し、その後、樹脂に添加する。DIEA(2.613ml、15mmol)を、その後、樹脂に添加し、そして結合を2時間行った。樹脂を、その後、DCMで4×2分間洗浄する。樹脂を、その後、10%Ac2O/5%DIEA/DCM(10ml、2分)、次に(10ml、20分)処理する。樹脂を、その後、DCMで5×2分間洗浄する。
断片2は、マイクロ波を使用せずに、Fmoc/tert‐butyl方法を使用して、ペプチド合成機(CEM μWaves,Saclay,France)で、先の樹脂(0.5mmol、0.175mmol/g)上でアッセンブルする。結合を、アミノ酸(0.2M、4当量)、活性剤HBTU(0.5M、3.6当量)及び塩基DIEA(2M、8当量)と伴に行う。洗浄溶媒(DMF)及びFmoc‐Met‐OH溶媒は、配列のメチオニンの酸化の最大限の防止のために、1%チオアニソールを含む。
樹脂を、位置2において、グルタミンの後、2に分離して(0.25mmol)、手動でFmoc‐Cys(StBu)‐OHを結合する。このために、樹脂を、DMFで4×2分間洗浄し、DMF中で秤量し、そして2に分割する。HBTU(379.3mg、1mmol)を、DMF(1100μl)に溶解する。HOBt(135mg、1mmol)を、DMF(500μl)に溶解し、HBTUに添加する。Fmoc‐Cys(StBu)‐OH(431.6mg、1mmol)を、DMF(500μl)に溶解し、そしてHBTU/HOBt混合物に添加する。DIEA(522.7μl、3mmol)を、その後、混合物に添加する。1分間の撹拌後、混合物を樹脂に添加し、そして結合を45分行う。樹脂を、その後、DMFで4×2分間洗浄する。Fmoc N末端の脱保護を、DMF中の20%ピペリジンで処理することにより行う(15分、次に5分)。樹脂を、その後、DCMで4×2分間洗浄し、次に、Et2Oで、3×2分間洗浄し、そして乾燥する。
樹脂からのペプチドの最終脱保護及び切断を、TFA/TIS/DMS/チオアニソール/H2O(90/2.5/2.5/2.5/2.5容積、25ml)で、2時間30分間行う。ペプチドを、冷ジエチルエーテル/ヘプタン混合物(1/1容積)から沈殿し、最小量の水に溶解し、そして凍結乾燥する。366.14mgの粗ペプチドを得る(収率=35.6%)。C15623141445 MALDI‐TOF[M+H]+ 計算(モノアイソトッピク分解能)3543.6;測定3542.2。
断片2の一部を、その後、精製前に酸化する。このために、断片2(67mg)を、AcOH/水 1/4(35ml)に溶解し、その後、DMSOにおいて144mM I2(223μl)を添加する。30秒間の撹拌後、AcOH/水 1/4において64.8mM DTT(503μl)を添加して、過剰のI2を消費する。溶液を脱色した後、媒体を、RP‐HPLC(Nucleosil C18カラム 120Å、5μm、2×28cm、215nm、緩衝液A 0.05%TFAを含む100%水、緩衝液B 0.05%TFAを含むCH3CN/水 4/1、グラジエント:5分で緩衝液Bの0〜10%、次に150分で緩衝液Bの10〜100%、流速6ml/分)内に注入し、11.5mgの精製ペプチドを得る(収率=17.2%)。C15622941445 LC‐MS[M+H]+ 計算(モノアイソトッピク分解能)3541.6;測定3541.9。
3‐K1(断片3)の合成
Figure 0006010052
断片3を、マイクロ波を使用しないで、Fmoc/tert‐butyl方法を使用して、ペプチド合成機(CEM μWaves、Saclay、France)で、Novasyn TGR樹脂(0.5mmol、0.25mmol/g)上でアッセンブルする。結合を、アミノ酸(0.2M、4当量)、活性剤HBTU(0.5M、3.6当量)、そして塩基DIEA(2M、8当量)で行う。
最終脱保護及び樹脂からのペプチドの切断を、TFA/EDT/H2O/TIS(94/2.5/1容積、30ml)で、2時間30分間行う。ペプチドを、冷ジエチルエーテル/ヘプタン混合物(1/1容積)から沈殿し、最小量の水に溶解し、そして凍結乾燥する。RP‐HPLC精製(Vydac C18カラム 50cm×2cm、280nm、緩衝液A 0.05%TFAを含む100%水、緩衝液B 0.05%TFAを含むCH3CN/水 4/1、グラジエント:10分で緩衝液Bの0〜20%、次に60分で緩衝液Bの20〜50%、流速30ml/分)後、272mgの精製ペプチドを得る(収率=13%)。C15823947524 MALDI‐TOF[M+H]+ 計算(モノアイソトッピク分解能)3755.6;測定3755.7.
4‐ワン‐ポットライゲーションプロトコール
ペプチド4K1(125‐209)の合成
グアニジンHCl(573.24mg、6mmol)を、0.1Mリン酸緩衝液(pH=7.3)(1ml)に溶解する。4‐メルカプトフェニル酢酸(MPAA、33.68mg、0.2mmol)を、後の溶液(1ml)に溶解する。NaOH 5M(150μl)を添加して、溶液のpHを7.53に調節する。
K1(断片1)‐MPA(9.71mg、2.8μmol)及びStBu‐K1(断片2)‐SEA(10.65mg、2.6μmol)を、先の溶液(185μl)に一緒に溶解する。反応媒体を、グローブボックスにおいて、温度制御恒温槽に37℃で置く。
ライゲーションを、Xbridge BEH C18カラム(4.6×250mm、300Å、5μm)(215nm、1ml/分、30℃、緩衝液A 0.05%TFAを含む水、緩衝液B 0.05%TFAを含むCH3CN/水 4/1、30分で0〜100%のB)を有するRP‐HPLCによって監視する。このために、分析前に、反応媒体のアリコート(1μl)を、10%TFA水溶液で酸性化し、Et2Oで抽出してMPAA及びMPAを除去する。
20時間の反応後、グアニジンHCl(573.15mg、6mmol)を、0.1Mリン酸緩衝液(pH=7.3)(1ml)に溶解する。トリス(2‐カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP,HCl、57.59mg、0.2mmol)を、後の溶液(1ml)に溶解する。5M NaOHを添加して、溶液のpHを7.27に調節する。
K1(断片3)(16.46mg、3.9μmol)を、先の溶液(185μl)に溶解し、その後、不活性雰囲気下、37℃で、再度置いた先の反応媒体に添加する。
ライゲーションを、Xbridge BEH C18カラム(4.6×250mm、300Å、5μm)(215nm、1ml/分、30℃、緩衝液A 0.05%TFAを含む水、緩衝液B 0.05%TFAを含むCH3CN/水 4/1、60分で0〜100%のB)を有するRP‐HPLCによって監視する。このために、分析前に、反応媒体のアリコート(1μl)を、10%TFA水溶液で酸性化し、Et2Oで抽出してMPAA及びMPAを除去する。C4186481221277 MALDI‐TOF[M+H]+(平均質量)計算9640.01、見かけ9639。
反応が完了したとき、反応媒体を、水(4ml)で希釈し、そして10%TFA水溶液(1ml)を添加する。Et2Oでの4回抽出(4×8ml)後、水相を、アルゴンを通気することにより、10分間脱気し、水(36ml)で希釈し、そして濾過する。フリットを、AcOH(1ml)で洗浄し、そして水(20ml)で洗浄する。混合物を、Vydac C18カラム 300Å、5μm(215nm、20ml/分、緩衝液A 0.05%TFAを含む水、緩衝液B 0.05%TFAを含むCH3CN/水 4/1、5分で緩衝液Bの0〜20%、次に80分で緩衝液Bの20〜60%)を有するRP‐HPLCで精製し、11.46mgの精製K1(125‐209)を得る(収率=39.4%)。
5‐K1(125‐209)のフォールディング
K1(125‐209)(3.99mg、0.355μmol)を、10容積%のグリセロール、1mMの還元型グルタチオン、0.2mMの酸化型グルタチオンを含む、10mM PBS緩衝液、138mM NaCl、2.7mM KCl(pH=7.4)(10ml)に溶解する。反応媒体を4℃に置く。
フォールディングを、Xbridge BEH C18カラム(4.6×250mm、300Å、5μm)(215nm、1ml/分、30℃、緩衝液A 0.1%TFAを含む水、緩衝液B 0.1%TFAを含むCH3CN/水 4/1、60分で0〜100%のB)を有するLC‐MSによって監視する。
65時間後、反応媒体を、4℃で15分間、8000rcfで、次に4℃で15分間、9000rcfで超遠心分離して、いくつかの凝集体を除去する。
反応媒体(7.6ml)を、その後、複数回移し、3000のMWCOを有する2mlのVivaspin限外濾過システムに入れ、そして12℃で3時間20分の間、12000rcfで超遠心する。一度濃縮し、反応媒体は、約800μlである。
次にそれを、3500のMWCOカット‐オフを有する透析カセットにおいて、4℃で、10容積%グリセロールを含む10mM PBS緩衝液、138mM NaCl、2.7mM KCl(pH=7.4)(1L)で、終夜透析する。
フォールディングしたK1(125‐209)を、BSA標準レンジを作製し、BCA Protein Assay kit(Pierce)を使用して、562nmでアッセイする。
実施例3
1‐K1(断片3)‐ビオチンの合成
Figure 0006010052
Fmoc‐Lys(ビオチン)‐OH(2×89mg、2×0.15mmol)を、PAL‐ChemMatrix樹脂(0.1mmol、0.43mmol/g)上で、TBTU(2×30.5mg、2×0.15mmol)及びDIEA(2×50μl、2×0.45mmol)を使用して、NMPにおいて2時間、2回結合する。NMP(3×2分)及びDMF(3×2分)で洗浄後、3‐ビオチン断片を、Fmoc/tert‐butyl方法を使用して、ペプチド合成機(INTAVIS)で、2つの50μmolカラム上でアッセンブルする。
結合を、4当量のそれぞれのアミノ酸、3.6当量のHBTU、及び8当量のDIEAを使用して行う。キャップ形成の段階を、それぞれのAc2O/DIEAとの結合後行う。合成の完了時に、樹脂をCH2Cl2、ジメチルエーテルで洗浄し(2×2分)、そして真空下で乾燥する。
最終脱保護及び樹脂からのペプチドの切断を、TFA/EDT/H2O/TIS(94/2.5/2.5/1容積、2×5ml)で2時間行う。ペプチドを、冷ジエチルエーテル/ヘプタン(1/1容積)から沈殿し、最小量の水に溶解し、そして凍結乾燥する。RP‐HPLC精製(Nucleosil C18カラム 50cm×2cm、215nm、緩衝液A 0.05%TFAを含む100%水、緩衝液B 0.05%TFAを含むCH3CN/水 4/1、グラジエント:5分で緩衝液Bの0〜15%、次に60分で緩衝液Bの15〜35%、流速6ml/分)後、36.75mgの精製ペプチドを得る(収率=8%)。C17426551555 MALDI‐TOF[M+H]+ 計算(平均質量)4112.68;測定4114.3。
2‐ワン‐ポットライゲーションプロトコール
4K1(125‐209)K‐ビオチンペプチドの合成
グアニジンHCl(573.28mg、6mmol)を、0.1Mリン酸緩衝液(pH=7.3)(1ml)に溶解する。4‐メルカプトフェニル酢酸(MPAA、33.59mg、0.2mmol)を、後の溶液(1ml)に溶解する。NaOH 5M(80μl)を添加し、溶液のpHを7.40に調節する。
K1(断片1)‐MPA(2.76mg、0.8μmol)及びStBu‐K1(断片2)‐SEA(3.30mg、0.8μmol)を、先の溶液と一緒に溶解する(57μl)。反応媒体を、グローブボックスにおいて、温度制御恒温槽で、37℃で置く。
ライゲーションを、Xbridge BEH C18カラム(4.6×250mm、300Å、5μm)(215nm、1ml/分、30℃、緩衝液A 0.05%TFAを含む水、緩衝液B 0.05%TFAを含むCH3CN/水 4/1、30分で0〜100%のB)を有するLC‐MSによって監視する。このために、分析前に、反応媒体のアリコート(1μl)を、10%TFA水溶液で酸性化し、Et2Oで抽出してMPAA及びMPAを除去する。
24時間40分の間の反応後、グアニジン,HCl(573.18mg、6mmol)を、0.1Mリン酸緩衝液(pH=7.3)(1ml)に溶解する。トリス(2‐カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP,HCl、57.80mg、0.2mmol)を、後の溶液に溶解する(1ml)。5M NaOHを添加して、溶液のpHを7.40に調節する。
K1(断片3)(5.50mg、1.2μmol)を、先の溶液(57μl)に溶解し、次に、37℃で、不活性雰囲気下に再度置いた先の反応媒体に添加する。
ライゲーションを、Xbridge BEH C18カラム(4.6×250mm、300Å、5μm)(215nm、1ml/分、30℃、緩衝液A 0.05%TFAを含む水、緩衝液B 0.05%TFAを含むCH3CN/水 4/1、60分で0〜100%のB)を有するRP‐HPLCによって監視する。このために、分析前に、反応媒体のアリコート(1μl)を、10%TFA水溶液で酸性化し、Et2Oで抽出してMPAA及びMPAを除去する。C4346741261308[M+H]+ 予測(平均質量)9994.49、測定9994.41。
反応完了時、反応媒体を水及び10%TFAを含む水溶液で希釈した。Et2Oでの抽出後、水相を、アルゴンを通気することにより脱気し、水で希釈し、濾過し、そしてVydac C18カラム 300Å、5μm(215nm、20ml/分、緩衝液A 0.05%TFAを含む水、緩衝液B 0.05%TFAを含むCH3CN/水 4/1)を有するRP‐HPLCによって精製した。
断片1及び断片2:K1(断片1)‐MPA及びStBu‐K1(断片2)‐SEAを、上記実施例2の通り調製する。
開始ペプチド断片の調製例
A)SEAonペプチド断片の合成を、Ollivier N., Dheur J., Mhidia R., Blanpain A.,及びMelnyk O., Bis(2-sulphanylethyl)amino native peptide ligation., Org. Lett. 12(22), 5238-41 (2010)に従って行う。
例示の目的で、以下のペプチド断片:
Figure 0006010052
の調製を、固相中で行う。
ペプチド断片(1a)を、グリシンで調製したプライマーサポートから得る。
ペプチド断片(1b)を、アラニンで調製したプライマーサポートから得る。
ペプチド断片(1c)を、バリンで調製したプライマーサポートから得る。
ペプチド断片(1d)を、チロシンで調製したプライマーサポートから得る。
ポリペプチドの合成を、以下:
Figure 0006010052
に要約する。
上記のように得たペプチド断片は、以下の一般式:
Figure 0006010052
を有する。
異なったポリペプチドの固相合成を、Fmoc/tert‐butyl方法を使用して、樹脂(0.1mmol規模)上で、マイクロ波ペプチド合成機(CEM μWAVES、Saclay、France)において行う。結合を、それぞれのアミノ酸の5倍モル過剰を使用して行い、活性剤HBTUを4.5倍モル過剰で使用し、そして塩基DIEAを10倍モル過剰で使用する。
最終脱保護及び樹脂からのポリペプチドの切断を、10mlのTFA/TIS/DMS/H2O混合物(92.5/2.5/2.5/2.5容積)で1時間行った。ポリペプチドを、その後、100mlのジエチルエーテル/ヘプタン混合物(1/1容積)から沈殿することによって得て、H2Oに溶解し、その後、凍結乾燥する。
それぞれのペプチド断片の純度を、HPLCによって決定する(グリシンを有するペプチド断片(1a)に関して91%、ペプチド断片(1b)に関して83%、(1c)に関して80%、及び(1d)に関して88%)。ペプチド断片のMALDI‐TOF分析は、予測したペプチド断片の構造と一致する(ペプチド断片(1a)C478113112[M+H]+ 計算1068.6Da、測定1068.5、ペプチド断片(1b)C488313112[M+H]+ 計算1082.6Da、測定1082.4、ペプチド断片(1c)C508713112[M+H]+ 計算1110.6Da、測定1110.5、ペプチド断片(1d)C548713122[M+H]+ 計算1174.6Da、測定1174.6)。
ポリペプチドの精製を、Nucleosil C18カラムおいて、TFAにおけるアセトニトリル‐H2O(80−20)で、ペプチド断片(1a)に関して30分で0〜30%のグラジエント、そしてペプチド断片(1b)及び(1c)に関して5分で0〜10%、次に25分で10〜25%のグラジエントで行う。
HPLCによって決定した純度は、ペプチド断片(1a)に関して96%(全収率=35%)、ペプチド断片(1b)に関して97%(全収率=31%)、そしてペプチド断片(1c)に関して99%(全収率=27%)である。
B)ペプチド断片(1a)、(1b)、(1c)及び(1d)のジチアゼパン(dithiazepane)への酸化
先に得られたペプチド断片(1a)、(1b)、(1c)及び(1d)を、以下の一般的な図:
Figure 0006010052
に従って酸化する。
それぞれのペプチド断片を、固相担体から、TFA/DMS/Tis/H2O溶液(92.5/2.5/2.5/2.5;v/v)の作用によって切断する。ペプチド断片を、その後、大量のジエチルエーテル/ヘプタン混合物(1/1;v/v)から沈殿し、そしてこの溶液を使用して2回洗浄する。切断段階後凍結乾燥した粗ペプチド断片を、その後、先に窒素を通気することにより10分間脱気した0.1M重炭酸アンモニウム溶液に溶解する。
その後、混合物を、周囲温度で激しく撹拌しつつ放置する。反応の進行を、ポリペプチドの還元型の完全な消失が認められるまで、MALDI‐TOF質量分析によって追跡する。ポリペプチドを、最終的に、RP‐HPLC(グラジエント 溶出液A(H2O/0.05%TFA)/溶出液B(80%アセトニトリル/20%H2O/0.05%TFA):10分で0〜10%、次に25分で10%〜25%)で精製し、その後、凍結し、そして凍結乾燥する。以下の表に、得られた結果(MALDI‐TOF分析)を要約する。
Figure 0006010052

Claims (7)

  1. 以下の式:
    Figure 0006010052
    (式中、
    1、A2、A3、...、Ai、...、Anは、ペプチド断片であり、
    1、C2、C3、...、Ci-1、...、Cn-1は、チオール官能基を有するアミノ酸残基であり、
    nは、3〜50の間を含み、
    iは、2及びnの間を含む整数である)
    で表される、n断片及びチオール官能基を有するn−1アミノ酸のペプチドアッセンブリを調製するための方法であって、
    ビス(2‐スルファニルエチル)アミノペプチド:A1‐SEAoff
    (式中、SEAoffは、以下:
    Figure 0006010052
    の環状ビス(2‐スルファニルエチル)アミノ基である)
    から出発し、
    環状ジスルフィド還元剤の存在下、チオールR‐SHの作用により、
    以下の式:
    Figure 0006010052
    (式中、A1は、ペプチド断片であり、及びSRは、アルキルチオエステル残基であり、Rは、非置換の又は置換されたアルキルラジカルでもよい)
    のペプチド‐チオエステルの調製を実施し、
    続いて、以下の構造:
    Figure 0006010052
    (式中、C1、A2及びSEAoffは、上で定義された通りであり、及び(SR’)は、アミノ酸C1のチオール上のジスルフィド残基を表す)
    のペプチド断片と、芳香族チオールArSHの存在下、前記ペプチドチオエステル(II)とを縮合して得られた、以下の構造:
    Figure 0006010052
    (式中、A1、C1、A2及びSEAoffは、上で定義された通りである)
    の新たなペプチド断片を、
    以下の式:
    Figure 0006010052
    (式中、A1、C1、A2及びRは、上で定義された通りである)
    のペプチド‐チオエステルに、環状ジスルフィド還元剤の存在下、チオールR‐SHの作用により、変換し、
    そして、以下の構造:
    Figure 0006010052
    (式中、SEAoff及びR’及びC2及びA3は、上で定義された通りである)
    のペプチド断片と、芳香族チオールArSHの存在下、前記ペプチドチオエステル(II’)とを縮合して、以下の構造:
    Figure 0006010052
    (式中、A1、C1、A2、C2、A3及びSEAoffは、上で定義された通りである)
    のペプチド断片を生成し、
    そして、n‐2回までこれらの2つの操作を繰り返して、以下の構造:
    Figure 0006010052
    (式中、A1、A2、A3、...、Ai、...、An-1、C1、C2、C3、...、Ci-1、...、Cn-1及びSEAoffは、上で定義された通りである)
    のペプチド断片を得て、
    続いて、前記得られたペプチド断片(IVm)と、以下の式:
    Figure 0006010052
    (式中、Cn-1及びAnは、上で定義された通りである)
    とを、環状ジスルフィド還元剤の存在下、還元により、天然型ライゲーション反応を実施して、一般式(I)の複数のペプチドアッセンブリを生成する
    ことを特徴とする、方法。
  2. 3又は4つの断片のペプチドアッセンブリが、A1‐C1‐A2‐C2‐A3又はA1‐C1‐A2‐C2‐A3‐C3‐A4の構造を調製することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 3つの断片のペプチドアッセンブリが、「ワンポット(one pot)」反応で調製されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 1、C2、C3、...、Ci-1、...、Cn-1が、Cys残基を表すことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. ペプチド断片A2、...、Ai、...、An-1の1つ以上が、1つ以上の修飾アミノ酸を有することができることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記ペプチド‐チオエステルと、構造(III)のペプチド断片との前記縮合が、4‐メルカプトフェニル酢酸の存在下で行われることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 医薬組成物を製造するための方法であって、以下:
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の式(I)のポリペプチドを製造するための方法に従ってポリペプチド又はペプチドを製造し、及び
    上記のように調製したポリペプチド又はペプチドを、純品又は1つ以上の適合するそして医薬的に許容されるアジュバントと組み合わせて含む医薬組成物を調製する
    ことを含むことを特徴とする、方法。
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