JP5785177B2 - ポリペプチドのネイティブライゲーション法 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、ポリペプチドのネイティブ(native)ライゲーションの方法に関する。本発明はまた、ネイティブライゲーション法を実行するために有用な機能化されたポリペプチド、及びこれらの機能化されたポリペプチドの製造方法に関する。本発明はまた、機能化されたポリペプチドの製造方法を実行するために有用な、アミン化合物及び機能化された樹脂に関する。
技術背景
1つずつのアミノ酸の慣用的な固相法によるポリペプチドの合成は、合成されたポリペプチドが大きいサイズであると低収率によって制限される。この制限を解消するためには、より長いポリペプチドを製造するために、化学的ライゲーションによる2つのポリペプチドのアセンブリが知られている。
一般的に、ライゲーションによってアセンブリされるポリペプチド間の結合が天然型であることが望ましい、すなわち、ポリペプチドの天然の構造に対応することが望ましい。
現在では、ネイティブライゲーションの主な方法は、例えば文献WO 96/34878及びWO 98/28434に記載されているKent及びDawsonの方法である。この方法は、(C-末端)チオエステルペプチドとシステイニルペプチドとの間の化学選択的反応に基づいている。この方法の主な欠点は、チオエステルペプチドの製造が複雑な化学工程を必要とすることである。
別の方法は、WO 01/68565及びWO 01/87920に記載されているいわゆるStaudingerライゲーションである。この方法は、アミド結合を形成するための、ホスフィノチオエステルとアジドとの反応、及び組み合わされた試薬の加水分解を含む。この方法は、工業的スケールで適用するのは難しい。
WO 2007/037812に記載第3の方法は、脱炭酸縮合の反応におけるα-ケト酸とアミンとの反応に基づいている。しかしながら、ケト酸は、製造し、ペプチドに組み込むには難しい分子である。更に、この第3の方法は、複雑な有機合成を行う手段を備えていないペプチド合成研究室において適用するのは難しい。
よって、工業的スケールを含む、実行にするには効率的でかつより簡便である、ポリペプチドのネイティブライゲーションの新規方法を開発する真の要求が存在する。
本発明は、第1に、式:
(III) X1-X"-X2
[式中、X1及びX2は、各々、ペプチドフラグメントを示し、X"は、チオール官能基を含むアミノ酸残基を示す。]
のポリペプチドを製造する方法であって、式:
(I) X1-N(CH2CH2SH)2
のポリペプチドと、式:
(II) H-X"-X2
のポリペプチドとのライゲーション反応の少なくとも1つのステップを含む、方法に関する。
ある実施態様によれば、ライゲーション反応は、ジスルフィド結合を還元する少なくとも1つの化合物の存在下で、式:
Figure 0005785177
のポリペプチドを、式(II)のポリペプチドに接触させることによって行われる。
ある実施態様によれば、X2は、式:
(IV) X2'-(Xi"-Xi')i=3・・・n
(nは、3以上の整数であり、各Xi"は、3〜nの整数iについて、チオール官能基を含むアミノ酸残基を表し、各Xi'は、2〜nの整数iについて、ペプチドフラグメントを表す。)
のペプチドフラグメントを示し;当該方法は、式(I)のポリペプチドと式(II)のポリペプチドとのライゲーションステップの前に、1〜n-2の含む整数iについて、ライゲーション反応のn-2ステップ、ライゲーション反応のj-番目のステップの連続を含み、ライゲーション反応は、式:
(VII) H-(Xi"-Xi')i=(n-j)・・・n
のポリペプチドを形成するための、式:
(V) H-Xn-j"-Xn-j'-N(CH2CH2SH)2
(ここで、Xn-j"のアミン官能基及び/又はチオール官能基は、保護されている)
のポリペプチドと、式:
(VI) H-(Xi"-Xi')i=(n-j+1)・・・n
のポリペプチドとのライゲーション反応であり、式(VII)のポリペプチドは、ライゲーション反応の最後に残基Xn-j"のチオール官能基の脱保護を経る。
ある実施態様によれば、式(V)のポリペプチドと式(VI)のポリペプチドとのライゲーション反応のn-2ステップの1以上は、式:
Figure 0005785177
のポリペプチドを、式:
(VI) H-(Xi"-Xi')i=(n-j+1)・・・n
(jは、1〜n-2の整数である)
のポリペプチドと、ジスルフィド結合を還元する少なくとも1つの化合物の存在下で接触させることによって行われる。
本発明はまた、式:
Figure 0005785177
(X2は、ペプチドフラグメントを示し、X"は、チオール官能基を含むアミノ酸残基を示す)
の環状ポリペプチドの製造法に関し、当該方法は、式:
(XI) H-X"-X2-N(CH2CH2SH)2
のポリペプチドとそれ自体とのライゲーション反応の少なくとも1つのステップを含む。
ある実施態様によれば、ライゲーション反応は、式:
Figure 0005785177
のポリペプチドを、ジスルフィド結合を還元する少なくとも1つの化合物と接触させることによって行われる。
先に記載の方法のいずれかの実施態様によれば、ライゲーション反応又はライゲーション反応(複数)は、液相中、好ましくは6.5〜8.5のpHで行われ、より特に好ましくは7〜8のpHで行われ、理想的には7.5に近いpHで行われる。
先に記載の方法のいずれかの実施態様によれば、ライゲーション反応又はライゲーション反応(複数)は、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン、4-メルカプトフェニル酢酸、ジチオトレイトール、ベンジルメルカプタン及びそれらの混合物から選択されるジスルフィド結合を還元する少なくとも1つの化合物の存在下で行われる。
本発明は、更に、式:
(I) X1-N(CH2CH2SH)2
又は
Figure 0005785177
(X1はペプチドフラグメントを示す)
のポリペプチドに関する。
ある実施態様によれば、X1は、2〜300アミノ酸残基、好ましくは5〜100アミノ酸残基、より特に好ましくは8〜50アミノ酸残基を含む。
本発明は、ペプチド合成の少なくとも1ステップ及びC-末端官能基化の1ステップを含む、式:
(I) X1-N(CH2CH2SH)2
(X1はペプチドフラグメントを示す)
のポリペプチドの製造法にも関する。
ある実施態様によれば、ペプチド合成のステップは、官能基化ステップに先行し;ペプチド合成のステップは、好ましくは、そのC-末端カルボン酸官能基を除いて、そのアミン及びカルボン酸官能基上に保護基を含む、式:
(IX) X1-OH
のポリペプチドを供給する;そして、官能基化のステップは、以下:
−式(I)のポリペプチドを形成するための、式(IX)のポリペプチドと、式:
(VIII) NH(CH2-CH2-S-G12
(G1は保護基であり、当該保護基は好ましくはチオエーテル、チオエステル又はジスルフィド官能基を形成し、より特に好ましくはトリフェニルメチル基である)
のアミン化合物との液相中での反応;
−場合により式(I)のポリペプチドの脱保護
を含む。
本発明の対象は、主骨格及びNH-(CH2CH2-S-Trt-)2官能基又はNH-(CH2CH2-S-Trt-CO-NH-)2官能基を含む、ポリペプチドの固相合成のためのポリマー樹脂支持体であって、Trtは、場合により1以上の置換基、特に、塩素、メトキシ、メチル、フッ素及びシアノから選択される置換基によって置換されたトリフェニルメチル基を示し;当該NH-(CH2CH2-S-Trt-)2官能基は、2つのトリフェニルメチル基によって当該主骨格に結合されるか、又は当該NH-(CH2CH2-S-Trt-CO-NH-)2官能基は、2つのアミン基によって当該主骨格に結合されている、支持体でもある。
本発明の対象は、主骨格及びG2-AA-N-(CH2CH2-S-Trt-)2官能基又はG2-AA-N-(CH2CH2-S-Trt-CO-NH-)2官能基を含む、ポリペプチドの固相合成のためのポリマー樹脂支持体であって、Trtは、場合により1以上の置換基、特に、塩素、メトキシ、メチル、フッ素及びシアノから選択される置換基によって置換されたトリフェニルメチル基を示し;AAは、場合により1以上の保護基を有するアミノ酸を示し;G2は、水素原子又はアミン官能基を保護する基を示し;当該G2-AA-N-(CH2CH2-S-Trt-)2官能基は、2つのトリフェニルメチル基によって当該主骨格に結合されるか、又は当該G2-AA-N-(CH2CH2-S-Trt-CO-NH-)2官能基は、2つのアミン基によって当該主骨格に結合されている、支持体でもある。
上記のポリマー樹脂支持体の実施態様によれば、当該主骨格は、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、セルロース、ポリエチレン、ポリエステル、ラテックス、ポリアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリエチレングリコール-ポリスチレンコポリマー、ポリエチレングリコール-ポリアクリルアミドコポリマー、及びその誘導体から選択される。
本発明の対象は、ポリペプチドの固相合成のためのポリマー樹脂支持体の製造方法であって、
−ポリマー樹脂を供給し;
−当該ポリマー樹脂を、式:
(VIII') NH(CH2-CH2-S-H)2
のアミン化合物との反応によって官能基化すること、
を含む、方法でもある。
ポリマー樹脂支持体の製造方法のある実施態様にしたがって、当該方法は、ポリマー樹脂の官能基化のステップの前に、以下:
−式:
(VIII) NH(CH2-CH2-S-G12
(G1は保護基であり、当該保護基は好ましくはチオエーテル、チオエステル又はジスルフィド官能基を形成し、より特に好ましくはトリフェニルメチル基である)
のアミン化合物を供給し;
−式(VIII')のアミン化合物を得るために上記アミン化合物を脱保護すること
を含む。
式(I)のポリペプチドの製造方法のある実施態様によれば、
−官能基化ステップはペプチド合成のステップに先行し;
−官能基化ステップは、以下:
主骨格及び上記のNH-(CH2CH2-S-Trt-)2官能基又はNH-(CH2CH2-S-Trt-CO-NH-)2官能基を含むポリマー樹脂支持体にアミノ酸を結合して、プライマー支持体を供給し;あるいは
主骨格及び上記のG2-AA-N-(CH2CH2-S-Trt-)2官能基又はG2-AA-N-(CH2CH2-S-Trt-CO-NH-)2官能基を含むポリマー樹脂支持体である、プライマー支持体を供給すること
を含み、
−ペプチド合成のステップは、プライマー支持体上でのアミノ酸のカップリングの連続を含む。
この方法のある実施態様によれば、ポリマー樹脂支持体へのアミノ酸の結合は、ポリマー樹脂支持体を、アミノ酸ハライド又はアミノ酸及び好ましくはPyBOP、BOP、PyBROPから選択される、より特に好ましくはPyBROPである活性化剤と接触させることを含む。
本発明は、式:
Figure 0005785177
(X1はペプチドフラグメントを示す)
のポリペプチドの製造法であって、式:
(I) X1-N(CH2CH2SH)2
のポリペプチドの、好ましくは空気と接触させて、又はI2もしくはジアミドの存在下で、緩衝液中での、酸化ステップを含み、当該酸化ステップは、好ましくは、上記の方法に従って式(I)のポリペプチドの製造ステップによって先行される、方法にも関する。
式(III)又は(X)のポリペプチドの製造法のある実施態様によれば、後者は、上記の式(I)のポリペプチドの製造法に従う式(I)及び/又は(V)又は(XI)のポリペプチドの製造ステップを含むか、あるいは、上記の式(I')のポリペプチドの製造法に従う式(I')及び/又は(V')又は(XI')のポリペプチドの製造ステップを含む。
本発明はまた、以下:
−上記の式(III)又は(X)のポリペプチドの製造方法に従うポリペプチドを製造し;そして
−1以上の薬学的に許容されるアジュバントでこのポリペプチドを製剤化すること
を含む、医薬組成物の製造法にも関する。
本発明はまた、以下:
−上記の式(III)又は(X)のポリペプチドの製造方法に従うポリペプチドを製造し;そして
−このポリペプチドを診断的使用に好適な形態で製剤化すること
を含む、診断装置の製造法にも関する。
本発明は、式:
(VIII') NH(CH2CH2-S-Trt)2
(Trtはトリフェニルメチル基を示す)
のアミン化合物にも関する。
本発明は、当該分野の技術状況の欠点を解消することができる。より具体的には、工業的スケールでの実施を含み、以前の方法よりも効率的かつより簡便である、ポリペプチドのネイティブライゲーションの方法を提供する。
このことは、ビス(メルカプトエチル)アミノ基を有するC-末端で修飾されたポリペプチドがN-末端にシステイン(又はチオール官能基を含む別のアミノ酸)を有するポリペプチドと反応して、天然型のアミド結合を形成する、反応スキームの開発によって達成される。
ある特定の実施態様によれば、本発明はまた、以下に掲載の有利な特徴の1つ、又は好ましくは数個を有する。
−本発明のライゲーションの方法は、場合により、特に1つのライゲーションが行われる時に非保護のポリペプチド樹脂を使用する。保護ポリペプチドの使用は、その低溶解性、及びそれに加えて、追加のコスト及び分解の可能性をもたらすライゲーション後の脱保護のステップを必要とするので、困難である。逆に言えば、それゆえ、本発明は、特に、1つのライゲーションが行われる時には、保護ポリペプチドに関連した欠点を避けることができる。本発明の方法は、ライゲーション時点で、ライゲーション後の脱保護を行う必要なく元の結合の形成を直接に導く。
−本発明の方法は、ペプチド合成の慣用的技術を用いて導入することが容易である、化学的に安定な官能基で修飾されたポリペプチドの使用に基づく。
−本発明は、ペプチドフラグメントの合成のためのタンパク新生アミノ酸の使用を可能にする。したがって、合成をかなり複雑にするアミノ酸誘導体(例えばケト酸)の製造の頼りを有する必要がない。
−ポリペプチド試薬のアセンブリは、例えばFmoc/tert-ブチル化学の標準的な方法で行うことができる。したがって、本発明の方法は、現在利用できる自動化された工業的合成方法に匹敵する。アミノ酸及び好適な固体支持体は大容積でかつ低コストで現在利用できる。
−本発明は、ペプチド及びタンパク質の溶解性に匹敵する、水溶性媒体中でのライゲーションを提供する。
−本発明のライゲーション反応は、7.5に近いpH、すなわち複雑なポリペプチド又はタンパク質に匹敵する条件下で、効率的に実行することができる。
−本発明のライゲーション反応は、ポリペプチドの自己ライゲーションの可能性、よって環状ポリペプチドの製造の可能性を提供する。
図1は、実施例7に従うポリペプチド3cを得るための、ポリペプチド1cとポリペプチド2とのネイテイィブライゲーションのRP-HPLC(逆相高速液体クロマトグラフィ)によるモニタリングを示す。下のプロットは、t=10分時点に相当し;中央のプロットは、t=18時間に相当し;そして、上のプロットは、t=43時間時点に相当する。 図2aは、実施例7に従うポリペプチド3dを得るための、ポリペプチド1dとポリペプチド2とのネイテイィブライゲーションのRP-HPLC(逆相高速液体クロマトグラフィ)によるモニタリングを示す。プロットAは、t=0時点に相当し;プロットBは、t=1時間に相当し;プロットCは、t=3時間時点に相当し;プロットDは、t=5時間時点に相当し;そして、プロットEは、t=22時間時点に相当する。 図2bは、実施例7に従うポリペプチド3dを得るための、ポリペプチド1dとポリペプチド2とのネイテイィブライゲーションのRP-HPLC(逆相高速液体クロマトグラフィ)によるモニタリングを示す。プロットAは、t=0時点に相当し;プロットBは、t=1時間に相当し;プロットCは、t=3時間時点に相当し;プロットDは、t=5時間時点に相当し;そして、プロットEは、t=22時間時点に相当する。 図2cは、t=22時間時点で得られたポリペプチド3dのピークのデコンボリューションされた(deconvoluted)マススペクトルを示す(図2b)。 図3aは、実施例7に従うポリペプチド3fを得るための、ポリペプチド1fとポリペプチド2とのネイテイィブライゲーションのRP-HPLC(逆相高速液体クロマトグラフィ)によるモニタリングを示す。プロットAは、t=0時点に相当し;プロットBは、t=1時間に相当し;プロットCは、t=3時間時点に相当し;プロットDは、t=6時間時点に相当し;そして、プロットEは、t=27時間時点に相当する。 図3bは、実施例7に従うポリペプチド3fを得るための、ポリペプチド1fとポリペプチド2とのネイテイィブライゲーションのRP-HPLC(逆相高速液体クロマトグラフィ)によるモニタリングを示す。プロットAは、t=0時点に相当し;プロットBは、t=1時間に相当し;プロットCは、t=3時間時点に相当し;プロットDは、t=6時間時点に相当し;そして、プロットEは、t=27時間時点に相当する。 図3cは、実施例7に従うポリペプチド3fを得るための、ポリペプチド1fとポリペプチド2とのネイテイィブライゲーションのRP-HPLC(逆相高速液体クロマトグラフィ)によるモニタリングを示す。プロットAは、t=0時点に相当し;プロットBは、t=1時間に相当し;プロットCは、t=3時間時点に相当し;プロットDは、t=6時間時点に相当し;そして、プロットEは、t=27時間時点に相当する。 図3dは、t=27時間時点で得られたポリペプチド3fのピークのデコンボリューションされた(deconvoluted)マススペクトルを示す(図3c)。
本発明のより詳細な非限定的な説明は以下のとおりである。
「ポリペプチド」は、本願の文脈において、ペプチド結合によって互いに結合されたアミノ酸残基(2以上の数)の直鎖を意味する。したがって、本願の意味において「ポリペプチド」は、例えばオリゴペプチド、ペプチド又はタンパク質という用語の一般的に受け入れられた定義に従うオリゴペプチド、ペプチド又はタンパク質でよい。本発明に従うポリペプチド中に存在するアミノ酸残基は、タンパク新生又は非-タンパク新生アミノ酸残基から選択される。好ましくは、それらは、20個のタンパク新生アミノ酸残基から選択される。
ポリペプチドの表記は、N-末端からC-末端までである。ポリペプチド鎖に沿って存在するアミノ酸残基は、一般的な1文字又は3文字コードに従って帰属される。アミノ酸残基は、式:-NH-(CH-R)-(C=O)-(Rは、隣の1アミノ酸とは異なる側鎖を示す)のポリペプチドフラグメントである。
「ペプチドフラグメント」は、本願の文脈において、少なくとも1つのアミノ酸残基を含むポリペプチドの部分を意味する。そのため、本願の意味において、ペプチドフラグメントは、ペプチドフラグメントがポリペプチドのN-末端もC-末端も含まない場合には、例えば、アミノ酸残基の配列(例えば、-AHG-、又は-Ala-His-Gly-)でよい;あるいは、ペプチドフラグメントがポリペプチドのN-末端を含む場合には、そのN-末端(例えば、H-AHG-、又はH-Ala-His-Gly-)に基を有するアミノ酸残基の配列でよい;あるいは、ペプチドフラグメントがポリペプチドのC-末端を含む場合には、そのC-末端(例えば、-AHG-OH、又は-Ala-His-Gly-OH)に基を有するアミノ酸残基の配列でよい。
ポリペプチドのネイティブライゲーション
本発明は、式:
(III) X1-X"-X2
[式中、X1及びX2は、各々、ペプチドフラグメントを示し、X"は、チオール官能基を含むアミノ酸残基を示す。]
のポリペプチドを製造する方法であって、式:
(I) X1-N(CH2CH2SH)2
のポリペプチドと、式:
(II) H-X"-X2
のポリペプチドとのライゲーション反応の少なくとも1つのステップを含む、方法を提供する。
式(I)のポリペプチドは、ペプチドフラグメントX1(前記ペプチドフラグメントは当該ポリペプチドのN-末端を含む)及び(C-末端位においてアミノ酸残基の(C=O)末端に結合された)C-末端での官能基-N(CH2CH2SH)2を含む。
ペプチドフラグメントX1は、形態Y1-AA1AA2・・・AAnにある。Y1は、N-末端基、好ましくは水素原子であるが、場合により当業者に公知の1級又は2級アミンに置換するための任意の基、例えば、アシル基、及び特にアセチル基でもよい。nは、2以上の整数である。各AAiは、アミノ酸残基を示す。
式(I)のポリペプチドの例は、式:
Figure 0005785177
のポリペプチド1a(以下の実施例3参照)である。
本例において、ペプチドフラグメントX1は、H-GFGQGFGGである。
式(I)のポリペプチドは、好ましくは、2〜300アミノ酸残基を含み、好ましくは5〜100アミノ酸残基を含み、より特に好ましくは8〜50アミノ酸残基を含む。
式(II)のポリペプチドは、水素原子及びN-末端に残基X"を含む。残基X"は、チオール官能基を含むアミノ酸残基である。このチオール官能基は、特に、β-アミノチオール官能基(この場合には、残基X"は好ましくはシステイン残基を示す)、又はγ-アミノチオール官能基(この場合には、残基X"は好ましくはホモシステイン残基を示す)でよい。
以下の記載において、特定の実施態様にしたがって、X"は、システイン残基(Cys)を示すとして読める。
上で使用した標記にしたがって、X2は、N-末端残基を除いて、式(II)のポリペプチドのC-末端及びこのポリペプチドのアミノ酸残基のすべてを含む、ペプチドフラグメントを示す。
ペプチドフラグメントX2は、形態AA2'AA3'・・・AAn'-Y2である。Y2は、末端基であり、好ましくは-OH又は-NH2基、又は-OR又は-NRR'基であり、R及びR'は、それぞれ、アルキル又はアリール基を示す。nは、2以上の整数である。各AAi'はアミノ酸残基を示す。
式(II)のポリペプチドは、好ましくは、2〜300アミノ酸残基を含み、好ましくは5〜100アミノ酸残基を含み、より特に好ましくは8〜50アミノ酸残基を含む。
式(II)のポリペプチドは、例えば、ペプチド合成の一般的な方法、特に固相合成法によって得られる。先のネイティブライゲーションの手段によっても得られる(以下参照)。
式(I)及び式(II)のポリペプチドの各々は、好ましくは、20個のタンパク新生アミノ酸残基から選択されるアミノ酸残基のみを含む。しかしながら、特定の実施態様によれば、式(I)及び(II)のポリペプチドは、1以上のタンパク新生アミノ酸残基を含む。
式(I)及び(II)のポリペプチドのアミノ酸残基は、場合により、側鎖を保護する基によって保護することができる。
ライゲーション反応を正確に行うためには、式(I)のポリペプチド上の2つの遊離のチオール基の存在が不可欠である。ライゲーションは、ペプチドフラグメントX1がペプチドフラグメントX"-X2にアミド結合によって連結されるので、ネイティブであると言われる。
式(II)のポリペプチドを、式:
Figure 0005785177
のポリペプチドと接触させることによって上記のライゲーション反応を行うことができる。ただし、ジスルフィド結合を還元する化合物、例えば、4-メルカプトフェニル酢酸(MPAA)、ジチオスレイトール(DTT)、チオフェノール(及びそれらの誘導体)、及びアルキルチオール(特に、ベンジルメルカプタン)、又はホスフィン、例えばトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)を反応中に用いることを条件とする。これらの化合物の数個の組合せの使用も好適であり、例えばMPAA及びTCEPの使用である。
実際に、式(I')のポリペプチドは、インサイチュで還元され、ライゲーション反応のための式(I)のポリペプチドを供給する。
一般的に、試薬として式(I')のポリペプチドから出発するライゲーション反応は、式(I)のポリペプチドとの直接的なライゲーション反応よりも、実施するにはより実用的である。実際に、式(I)のポリペプチドは、式(I')のポリペプチドに、特に、空気の酸素の作用下で、自然に酸化する傾向を有する。例えば、凍結形態で保存されるときに、開状形態の式(I)のポリペプチドは、長期にわたって酸化することができる。言い換えれば、式(I)のポリペプチドの調製は、一般的に、式(I')のポリペプチドを部分的に必然的に含む。これらの2つの形態の存在は、特徴付け及び精製を複雑にすることがある。これは、式(I')のポリペプチドを式(II)のポリペプチドに接触させることによってライゲーション反応を行い、式(I')のポリペプチドの環状末端を有するポリペプチドが、インサイシュで式(I)の開状ポリペプチドに還元される、ことがより簡便であり得るためである。
同様の理由により、ライゲーション反応が式(I')のポリペプチドを式(II)のポリペプチドに接触させることによって直接に行われるときでさえ、ジスルフィド結合を還元する上記の化合物の1以上が反応中に使用される場合には好ましい。
好ましくは、MPAAが存在するときには、1〜500mMの濃度で、例えば、反応中に約200mMの濃度で使用される。
好ましくは、TCEPが存在するときには、1〜200mMの濃度で、例えば、反応中に約80mMの濃度で使用される。
ポリペプチド(I)のN-末端アミノ酸残基がチオール官能基を含む場合には、後者は、ライゲーション中に保護されなければならない、あるいは、式(I)のポリペプチドの環化の競争反応が存在するだろう。例えば、チオール及びアルファアミンを同時に保護するチアゾリジン型の保護を使用することができる。
ライゲーション反応は、好ましくは、液相中で行い、特に水性媒体、例えば、リン酸バッファ中で行う。好ましくは、この反応は、6.5〜8.5のpHで行われ、より特に好ましくは7〜8のpHで行われ、理想的には7.5に近いpHで行われる。
ライゲーション反応は、好ましくは、0〜50℃の温度で行われ、理想的には、約37℃の温度で行われる。反応時間は、試薬の選択及び他の反応条件に依って調整される。好適な時間は、反応中の液体クロマトグラフィ−マススペクトル分析の結果にしたがって調整することもできる。好適な時間は、典型的には、数時間から数日であろう。
式(I)及び(II)のポリペプチドのそれぞれは、好ましくは、反応中、0.01〜50mMの濃度で存在する。反応中の式(I)のポリペプチドと式(II)のポリペプチドとのモル濃度比は、好ましくは、2:3〜3:2である。
上記のライゲーション反応には、例えば液体クロマトグラフィ又は任意の他の通常の技術によって得られた式(III)のポリペプチドの精製ステップが続く。
数個の連続的ネイティブライゲーションでのポリペプチドの製造
本発明はまた、上記の連続した数個のライゲーション反応を用いてポリペプチドを製造することができる。このことは、大きなポリペプチド、例えば約100超アミノ酸残基を含むポリペプチドを得るために好適であるかもしれない。実際に、このような場合には、直接合成による式(I)及び(II)のポリペプチドの製造は、低収率を有することがあり、そのため、例えば約50未満のアミノ酸残基を含むポリペプチドが直接的に合成されるように、2以上の連続的ライゲーションを使用することが有利である。
例として、2つの連続的なライゲーションの使用は、約50超のアミノ酸残基を含むポリペプチドの直接的合成を必要とせずに、約150アミノ酸残基を含むポリペプチドを取得させる;3つの連続的なライゲーションの使用は、約50超のアミノ酸残基を含むポリペプチドの直接的合成を必要とせずに、約200アミノ酸残基を含むポリペプチドを取得させる。
したがって、本発明の方法によって、n-1の連続的ライゲーションを用いて、式(III)のポリペプチド(ここで、ペプチドフラグメントX2は、形態X2'-X3"-X3'-・・・-Xn"-Xn'であり(nは、3以上の整数であり;各Xi'はiについて2〜nの整数であり、残基X"、すなわちチオール官能基を含むアミノ酸残基、特に具体的な実施態様に従うシステイン残基である)を得ることができる。言い換えれば、得られたポリペプチドは、この場合、式:
(III') X1-X"-X2'-X3"-X3'-・・・-Xn"-Xn'
を有する。
この第1ライゲーション反応は、一方で、式:
(Va) H-Xn-1"-Xn-1'-N(CH2CH2SH)2
のポリペプチドを、他方で式:
(VIa) H-Xn"-Xn'
のポリペプチドを含む。
このライゲーション反応は、前項に記載の反応と厳密に同じである。それは、式:
(VIb) H-Xn-1"-Xn-1'-Xn"-Xn'
のポリペプチドの製造を導く。
アミノ酸残基Xn-1"のチオール官能基又はN-末端アミン官能基(又はチオール官能基及び当該アミン官能基)は、ライゲーション中の式(Va)のポリペプチドにおいて保護されなければならない、あるいは式(Va)のポリペプチドの環化の競争反応が存在するだろう。チアゾリジン型の保護は、例えばこのために使用することができる。
ライゲーション反応の最後には、アミノ酸残基Xn-1"のチオール官能基は、以下のライゲーション反応を可能にするために、式(VIb)のポリペプチドにおいて保護されなければならない。
第2のライゲーション反応は、一方では、式:
(Vb) H-Xn-2"-Xn-2'-N(CH2CH2SH)2
のポリペプチドを、他方では、先に記載の式(VIb)のポリペプチドを含む。次いで、式(Vb)のポリペプチドと式(VIb)のポリペプチドとのライゲーション反応には、以下のライゲーション反応の前に、アミノ酸残基Xn-2"のチオール官能基の脱保護が続く。
以下のライゲーション反応は、同一の種類である。一般的に、ライゲーション反応番号j(iは、1〜n-2の整数である)は、式:
(VII) H-(Xj "-Xj 'i=(n-j)・・・n
のポリペプチドを形成するための、式:
(V) H-Xn-j "-Xn-j '-N(CH2CH2SH)2
のポリペプチド、及び式:
(VI) H-(Xj "-Xj 'i=(n-j)・・・n
のポリペプチドを含む。
最後に、最後の(すなわち、n-1番目)ライゲーション反応は、式:
(III) X1-X"-X2、すなわち
(III') X1-X"-X2'-X3"-X3'-・・・-Xn"-Xn'
のポリペプチドを形成するための、式:
(I) X1-N(CH2CH2SH)2
のポリペプチド、及び式:
(II) H-X"-X2(本明細書では、H-X"-X2'-X3"-X3'-・・・-Xn"-Xn'を示す)
のポリペプチドを含む。
各連続的ライゲーション反応は、「ポリペプチドのネイティブライゲーション」の項で記載したように実施することができる。具体的には、ジスルフィド結合を還元する上記の化合物の1以上の存在下で、式(VI)のポリペプチドを式:
Figure 0005785177
のポリペプチドに接触させることによって、ライゲーション反応番号j(jは、1〜n-2の整数を含む)を行うのが有利であろう。式(V')のポリペプチドは次いでインサイチュで還元され、ライゲーション反応のための式(V)のポリペプチドを供給する。
ネイティブ自己ライゲーションによる環状ポリペプチドの製造
上記のネイティブライゲーションのために使用した原則は、ポリペプチドのネイティブ自己ライゲーション(ポリペプチドの一方の末端と、同一ポリペプチドの他方の末端とのライゲーション)による、環状ポリペプチドを製造するためにも使用することができる。一般的に、よって、本発明は、式:
(XI) H-X"-X2-N(CH2CH2SH)2
のポリペプチドそれ自体のライゲーション反応による、式:
Figure 0005785177
(ここで、X2は、ペプチドフラグメントを示し、X"は、チオール官能基を含むアミノ酸残基を示す)
の環状ポリペプチドの製造方法を目的とする。
式(XI)のポリペプチドは、好ましくは、2〜300アミノ酸残基、好ましくは5〜100アミノ酸残基、より特に好ましくは8〜50アミノ酸残基を含む。
式(XI)のポリペプチドは、N-末端に水素原子及び残基X"を含み、X"は上記の意味を有する。X2は、この場合、形態AA1AA2・・・AAn(nは1以上の整数であり、各AAiはアミノ酸残基を示す)のペプチドフラグメントを示す。
式(XI)のポリペプチドは、好ましくは、20個のタンパク新生アミノ酸残基から選択されるアミノ酸残基のみを含む。しかしながら、特定の実施態様によれば、式(IX)のポリペプチドは、1以上の非-タンパク新生アミノ酸残基を含む。
式(IX)のポリペプチドのアミノ酸残基は、場合により、側鎖を保護する基によって保護され得る。
式(XI'):
Figure 0005785177
のポリペプチドを、好ましくは上に記載されているジスルフィド結合を還元する少なくとも1つの化合物と接触させることによって、上記のライゲーション反応を行うことができる。実際に、式(XI')のポリペプチドは、次いで、インサイチュで還元され、ライゲーション反応のための式(XI)のポリペプチドを供給する。
一般的に、ライゲーション反応が式(XI)のポリペプチドから出発して直接に実行されるときでさえ、ジスルフィド結合を還元する上記の化合物の1以上が反応中に使用されるならば好ましい。
一般的に、式(XI)のポリペプチドの環化は、反応が十分に希釈条件下で実行される場合には、多量体化を争うことによって影響を受けない。例えば0.01〜50mM、典型的には約1mM(場合により多重体化の重大な危険性がある場合には0.01〜0.1mM)を含む式(XI)のポリペプチドの濃度を使用することができる。
さらに、ライゲーション反応の実施の好ましい条件は、式(I)及び(II)のポリペプチドから出発する反応について上記の条件と同じである。
上記のライゲーション反応の後には、得られた式(X)の環状ポリペプチドの、例えば液体クロマトグラフィ又は任意の他の一般的な技術による精製ステップが続く。
式(I)、(V)及び(XI)のポリペプチドの製造方法
式(I)、(V)及び(XI)のポリペプチドは、上記のライゲーション反応の実施に有用である化合物である。したがって、本発明の対象は、式(I)(又は、式(V)又は(XI))のこれらのポリペプチド、及びそれらが製造され得る方法でもある。
式(I)(又は、式(V)又は(XI))のポリペプチドの製造方法は、2つの主なステップを含む:
−ペプチド合成のステップ;及び
−C-末端官能基化のステップ。
本発明は、この方法の2つの主な変形を提供する。第1の変形によれば、ペプチド合成は官能基化に先行する。第2の変形によれば、ペプチド合成は官能基化に続く。第2の変形は、より高い収率を得ることを可能にし、工業的スケールでの実施にはより簡便である。
第1の変形によれば、第1のステップ(ペプチド合成のステップ)は、式:
(IX) X1-OH
のポリペプチドを得ることを可能にする。
ペプチド合成のこのステップは、当業者に公知の任意の方法に従って実行することができる。特に、液相又は好ましくは固相で行うことができる。
概略的には、ペプチド合成は、プライマー(最初のアミノ酸、又はアミノ酸の先の付加から起こるペプチドフラグメント)から出発するアミノ酸のカップリングと、脱保護との連続を含む。より正確には、ペプチド合成は、連続的に以下を含むことができる:
(a) 非保護N-末端を有するペプチドフラグメントの供給、及びそのN-末端で保護されたアミノ酸の供給;
(b) ペプチドフラグメントのN-末端での、アミノ酸とペプチドフラグメントとのペプチド結合の確立;
(c) 以下のステップ(a)のペプチドフラグメントの供給するための、結合されたアミノ酸のN-末端の脱保護。
固相ペプチド合成の場合に、ペプチドフラグメント(プライマー)は、そのC-末端で固体支持体に結合される。固体支持体は、好ましくは、不溶性又は可溶性粒子(ビーズ)の形態のポリマーである。例えば、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、セルロース、ポリエチレン、ポリエステル、ラテックス、ポリアミド、ポリジメチルアクリルアミドに基づく樹脂、及びそれら由来の樹脂を使用することができる。固体支持体としてシリカゲル又はガラスビーズを使用することもできる。
ペプチドフラグメント及び固体支持体は、「リンカー」と称される好適な官能基を介して互いに連結される。したがって、第1に、合成されるべきポリペプチドのC-末端に相当するアミノ酸は、(カップリング中にアミノ酸のアミン官能基を保護し、次いで以下の反応に利用できるようにそれを脱保護する)固体支持体のリンカー官能基上に固定され、当該支持体は、第1プライマーを構成し、次いで以下のアミノ酸が上記の反応の連続にしたがって添加される。
さまざまなカップリング反応の過程において、トリアゾール(例えば、1-ヒドロキシ-ベンゾトリアゾール又は1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール)、又は非-求核アニオンのホスホニウム又はウロニウム塩(例えば、HBTU、HATU、TBTU又はPyBOP)の存在下で、活性化合物、特に、カルボジイミド(例えば、ジシクロへキシルカルボジイミド又はジイソプロピルカルボジイミド)を使用する;あるいは酸ハライド、例えば酸フッ化物の形態で活性化されたアミノ酸を使用するのは有益である。
固相合成の場合には、及び最後のアミノ酸カップリング反応が一旦実施されると、その固体支持体からのポリペプチドの分離(又は切断)の反応が提供される。
異なったカップリング反応の過程では、アミノ酸のN-末端は、有利に、保護基、好ましくは、Fmoc基(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)又はt-Boc基(tert-ブトキシカルボニル)又はNSC基(2-(4-ニトロフェニルスルホニル)エトキシカルボニル)で保護される。
同様に、アミノ酸残基の側鎖は、様々なカップリング反応中に、好ましくは、1以上の好適な保護基、例えばカルボン酸官能基を含む鎖についてはtert-ブチル基で保護される。
この場合には、最後のアミノ酸カップリング反応が一旦行われると、側鎖の脱保護反応が提供される。しかしながら、官能基化ステップを参酌すると、C末端でのCOOH官能基の任意の保護とは別に)保護のすべてを維持することが好ましい、ことに留意されたい。
ペプチド合成のステップの最後には、式(IX)のポリペプチドが官能基化される。
官能基化ステップは、連続的に、以下を含む。
−式(IX)のポリペプチドのN-末端の、保護基、好ましくはカルバメート、アミド又はアルキル基のファミリーから選ばれる保護基、特にtert-ブトキシカルボニル(t-Boc)、Fmoc(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)、トリフルオロアセチル又はトリフェニルメチル基による任意の保護、
−また、場合により、式(IX)のポリペプチドのアミノ酸残基の側鎖の官能基、及び特にアミノ酸官能基(好ましくは、上記の保護基の手段による)及びカルボン酸官能基(好ましくは、tert-ブチル基の手段による)、の保護、
−あるいは、及びより簡便な態様によれば、式(IX)のポリペプチドは、C-末端のCOOH官能基の選択的脱保護を提供することによってアミン及びカルボン酸官能基のすべてが保護される形態で直接的に供給され得る、
−式(IX)のポリペプチドと式:
(VIII) NH(CH2-CH2-S-G12
(G1は保護基である)
のアミンとのカップリング、
−場合によりポリペプチドの脱保護。
式(VIII)のアミン化合物に関して、G1は、好ましくはチオエーテル、チオエステル(例えばアセチル)又はジスルフィド(例えば、tert-ブチルスルフェニル)官能基から選択される。より特に好ましくは、G1は、トリフェニルメチル基礎である。この場合に、アミン化合物は、ビス({2-[トリフェニルメチルスルファニル]エチル})アミンである。式(VIII)のアミン化合物の調製方法に関して、以下の実施例1を参照することができる。
活性化剤、例えば、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、又はブロモ-トリスピロリジノホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート(PyBROP)、又はハロゲン化誘導体(特に、アミノ酸フッ化物又はアミノ酸クロリド)の形態で活性化されたC-末端アミノ酸自体は、有利にカップリング反応中に存在し、後者は、当業者に公知の試薬を用いてインサイチュで行うことができるか、又は形成することができる。アミノ酸のハライドの中で、アミノ酸フッ化物が好ましく、1,3,5-トリフルオロトリアジンとの反応によって予備形成されるか、あるいはTFFH(テトラメチルフルオロホルムアミジニウム・ヘキサフルオロホスフェート)の酸との反応でインサイチュで形成される。
一般的に、当業者に公知のアミノ酸のカルボン酸官能基を活性化することができる任意の試薬は、例えばHBTU、TBTU、HATU、BOP等を挙げることができる(例えば、Chemical approaches to the synthesis of peptides and proteins by Lloyd-Williams, P., Albericio, F., Giralt, E., 1997, CRC Pressを参照されたい)。PyBOP、PyBROP、BOP又はより一般的にはホスホニウムが好ましい。
官能基ステップの最後には、式(I)のポリペプチドが得られる。この段階では、例えば液体クロマトグラフィによる当該化合物の精製ステップを提供することが有益である。
式(I)のポリペプチドの製造方法の第2の変形にしたがって、官能基化ステップは、ペプチド合成のステップに先行する。この第2の変形は、固相において適用される。したがって、この実施態様では、官能基化ステップは、先に官能基化された固体支持体からプライマー固体支持体を作製することからなる。
溶解性又は非溶解性ポリマーは、固体支持体として使用され、当該非溶解性ポリマーは、好ましくは粒子(ビーズ)の形態である。例えば、ポリスチレン(好ましくは)に基づく樹脂、又はポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、セルロース、ポリエチレン、ポリエステル、ラテックス、ポリアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリエチレングリコール-ポリスチレンコポリマー、ポリエチレングリコール-ポリアクリルアミドコポリマーに基づく樹脂、あるいはそれら由来の樹脂を使用することができる。
さらに、固体支持体は、好ましくはクロロ-トリフェニルメチル(又はクロロトリチル)基であるリンカー基を有し、トリフェニルメチルは、場合により、特に塩素、メトキシ、メチル、フッ素及びシアノから選択される1以上の置換基で置換される。
固体支持体の例として、トリチルクロリド、2-クロロトリチルクロリド、4-メチルトリチルクロリド又は4-メトキシトリチルクロリドリンカー基を有するポリスチレン樹脂が挙げられる。この種の固体支持体は、例えばGlycopepから商業的に入手可能である。
別の実施態様によれば、固体支持体は、トリチル基型の基、すなわち、OH-Trt-CO-NH-基であるリンカー基であり、ここで、トリフェニルメチル(Trt)は、場合により、特に、置換基である塩素、メトキシ、メチル、フッ素及びシアノから選択される1以上の置換基で置換される。かかるリンカー基を有する固体支持体は、例えば、Quibell, JACS 1995, 117, 11656-11668に記載され、例えば、ポリエチレングリコール固体支持体のChemMatrix(登録商標)の範囲で商業的に入手可能である。
この種の固体支持体の使用は、固体支持体の活性化の予備ステップを必要とする:
−Br-Trt-CO-NH-形態でのリンカー基を修飾するための臭素化剤(特に臭化アセチル)、あるいは
−Cl-Trt-CO-NH-形態でのリンカー基を修飾するための塩素化剤(特にオキサリルクロリド)のいずれかでの活性化。
この種の活性化ステップは、例えばHarre et al., Reactive & Functional Polymers 1999, 41, 111-114に記載されている。
あるいは、樹脂は、Singh, S et al., J. Org. Chem. 2004, 69, 4551-4554にしたがって、BF3・Et2Oの存在下で、アミンNH(CH2-CH2-SH)2と直接に反応させることができる。
この種の固体支持体の使用は、ポリスチレン型の樹脂よりも長いポリペプチドを調製するためにより好適である、ポリエチレングリコール又はポリエチレングリコールポリスチレン型の樹脂の骨格の使用を可能にする。
好ましくは、粒子は、1〜1000μmのDv50を有する。Dv50は、粒子サイズ分布の50パーセンタイルとして定義される、すなわち、粒子の50%はDv50未満のサイズを有し、50%はDv50より大きいサイズを有する。一般的に、Dv50は、粒子の粒度分析プロフィール(容量分布)を特徴とし、レーザ粒度分布(200μm未満のサイズについて)によって又は篩い分け(200μm超のサイズについて)によって決定することができる。
官能基化固体支持体は、式:
(VIII') NH(CH2-CH2-SH)2
のアミン化合物を上記の固体支持体にカップリングさせることによって調製される。アミン化合物(VIII')は、それ自体、上記式(VIII)(G1は保護基である)のアミン化合物の脱保護によって得られる。
カップリングは、二級アミンの非マスキングのリスクを制限するために酸媒体中で行われ、これは二次的反応をもたらすことになる。
過剰のトリチルクロリドは、好ましくは例えばメタノールで中和される。次いで、形成されたHClを中和するための塩基を加えることが重要である。
官能基化固体支持体の調製は、式(I)のポリペプチドを製造する方法の第2の変形の不可欠な部分を形成することができる。あるいは、官能基化固体支持体は、式(I)のポリペプチドの製造方法の第2の変形に関連して使用できるように、予め及び別個に調製することができる。
官能基化固体支持体は、(ポリスチレン、ポリエチレングリコール-ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、セルロース、ポリエチレン、ポリエステル、ラテックス、ポリアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリエチレングリコール-ポリスチレンコポリマー、ポリエチレングリコール-ポリアクリルアミドコポリマー型、又は必要ならばそれらの誘導体の)主骨格、及び、出発の固体支持体がトリチルアルコール型である場合には、2つのTrt基によって当該主骨格に結合されたNH-(CH2CH2-S-Trt-)2基、又は2つのNH官能基によって当該主骨格に結合されたNH-(CH2CH2-S-Trt-CO-NH-)2基を含む、ポリマー樹脂支持体である。
上記において、Trtは、場合により特に置換基である塩素、メトキシ、メチル、フッ素及びシアノから選択される1以上の置換基によって置換された、トリフェニルメチル基を示す。
したがって、このポリマー樹脂支持体は、遊離のチオール官能基を本質的に欠き、二級アミン官能基(ジスルファニルエチルアミン官能基)を有する。
次いで、アミノ酸は、官能基化固体支持体に結合される。
好ましくは、アミノ酸は、好ましくは2-(4-ニトロフェニルスルホニル)エトキシカルボニル(NSC)基又はFmocから選択される塩基の存在下で不安定である保護基によってそのN-末端で保護される。
好ましくは、アミノ酸は、その側鎖に存在する官能基のいくつか又はすべて(好ましくはすべて)、特に、カルボン酸、アミン、アルコール、フェノール、グアニジン(アルギニンにいついて)及びイミダゾール(ヒスチジンについて)官能基について保護基を含む。この種の保護基は、当業者に知られている。例えば、文献Protective groups in organic synthesis, 第2版, T. Greene and P. Wuts, John Wiley & Sons, Inc.を参照されたい。
好ましくは、アミノ酸は、PyBOP又はBOP、又はより特に好ましくはPyBOPの存在下で、あるいはハライド、特にフッ化物の形態(すなわち、フッ素原子は、アミノ酸残基のアシル基に結合される)で活性化される。
アミノ酸は、官能基化固体支持体上に存在する二級アミン官能基と反応して、アミド結合を形成する。アミノ酸の結合後に、後者の脱保護は場合により行ってもよい。
したがって、官能基化ステップの最後に、G2-NH-CHR-CO-N(CH2CH2-S-Trt-)2基(Rは、アミノ酸側鎖を示す)、これはG2-AA-N(CH2CH2-S-Trt-)2基(AAは、アミノ酸残基を示す)とも称され、これらの基は2つのTrt基によって主骨格に結合されている;あるいは、2つのNH官能基によって主骨格に結合されているG2-AA-N(CH2CH2-S-Trt-CO-NH-)2基を含むポリマー樹脂支持体、いわゆるプライマー支持体が得られる。
Trtは、場合により、特に置換基である塩素、メトキシ、メチル、フッ素及びシアノから選択される1以上の置換基で置換されたトリフェニルメチル基を言う。さらに、G2は、アミノ酸のアルファアミン基が脱保護されているか否かに因って、水素原子、又はアミン官能基の保護基を示す。最後に、アミノ酸残基AAの側鎖Rの官能基は、有利には、上記のように、保護され得る。
このようにして得られた(保護基を有しているか又は有さない)プライマー支持体は、このようなわけで、本発明の目的でもある。
次いで、ペプチド合成のステップを、第1の実施態様に関連して上記と同様に行われ、最初のプライマーは活性化された支持体に結合されたアミノ酸によって供給される。
最後のアミノ酸の結合反応が一旦行われると、ポリペプチドの、その固体支持体からの分離(又は切断)反応が提供される。必要ならば、式(I)のポリペプチドが得られた後で、好適な脱保護が提供される。第1の変形と同様に、この段階で、例えば液体クロマトグラフィによって化合物の精製ステップを提供することが有利である。
式(I')、(V')及び(XI')のポリペプチドの製造方法
上記の式(I')、(V')及び(XI')のポリペプチドは、空気中での酸化、例えば約pH 8での重炭酸アンモニウム緩衝液中で、それぞれ、式(I)、(V)及び(XI)のポリペプチドから出発して非常に簡便に得られる。別の有利な選択肢は、ヨードI2又はジアミドH2NCO-N=N-CONH2を用いることからなる。
適用
本発明にしたがって得られた式(I)のポリペプチドは、例えばスクリーニングの目的で、ポリペプチドのバンクを作製するために使用され得る。
それらはまた、1以上の薬学的に許容される添加剤(1以上の薬学的に許容されるビヒクルを含む)と一緒に、医薬組成物を製造するために使用され得る。本発明にしたがって得られる医薬組成物の例として、医薬品及びワクチン調製物が挙げられる。
それらは、診断キットを製造するためにも使用され得る。
以下の実施例は本発明を限定することなく本発明を例証する。
実施例1は、化合物ビス({2-[トリフェニルメチルスルファニル]エチル})アミン(式(VIII)の化合物)の調製に関する。
実施例2及び3は、上記(液相合成)の式(I)のポリペプチドの製造方法のための第1の変形体に従う、式:H-GFGQGFGG-N(CH2CH2SH)2(上の一般式(I)に従う配列番号1)のポリペプチド1aの製造をもたらす。
実施例4及び5は、ジスルファニルエチルアミン官能基を有する官能基化樹脂の製造をもたらす。
実施例6は、上記の官能基化樹脂からの、第1のアミノ酸が固定されるいわゆる「プライマー」支持体の調製に関する。
実施例7は、上記(液相合成)の式(I)のポリペプチドを製造する方法の第2の変形体に従う、ポリペプチド1c(H-ILKEPVHGG-N(CH2CH2SH)2)(配列番号2)、1d(H-ILKEPVHGA-N(CH2CH2SH)2)(配列番号3)、1e(H-ILKEPVHGV-N(CH2CH2SH)2)(配列番号4)及び1f(H-ILKEPVHGY-N(CH2CH2SH)2)(配列番号5)の調製に関する。
実施例8は、各々のポリペプチド3c(配列番号9)、3d(配列番号9)及び3f(配列番号11)を供給するための、各々のポリペプチド1c、1d及び1fと、一般式(II)に相当する式:H-CILKEPVHGV-NH2(配列番号6)のポリペプチド2とのライゲーションに関する。
実施例9は、上記(液相合成)の式(XI)のポリペプチドを製造する方法の第2の変形体に従う、上の一般式(XI)に相当する化合物である、ポリペプチド1g(H-CJJJLEPGG-N(CH2CH2SH)2)(配列番号7)の合成;及び、上の一般式(X)に相当する環状ペプチドを供給するためのこのポリペプチドの環化に関する。
実施例10は、ポリペプチド1c、1d、1e及び1fのジチアゼパン(上の一般式(I’)に相当する化合物)への酸化に関する。
実施例11は、ポリペプチド5(配列番号18)を供給するための、ポリペプチド1cとN-末端ホモシステインを有するポリペプチド4(配列番号17)とのライゲーションに関する。
実施例12、13及び14は、それぞれ、ポリペプチド6(配列番号19)、ポリペプチド7(配列番号20)及びポリペプチド8(配列番号21)の合成に関する。
実施例15は、ポリペプチド7-8(配列番号22)を形成するための、ポリペプチド7とポリペプチド8とのライゲーションに関し、実施例16は、フラグメント7-8のN-末端システイン上に存在するチアゾリジンの脱保護後にポリペプチド6-7-8(配列番号23)を形成するための、ポリペプチド6とポリペプチド7-8とのライゲーションに関する。そのため、これは、2つの連続ライゲーションを有する構築である。最終ポリペプチド6-7-8は、配列:
Figure 0005785177
の線状ポリペプチドであり、太字のシステインはライゲーションに関連するシステインである。
実施例1:ビス({2-[トリフェニルメチルスルファニル]エチル})アミンの調製
1.50gのビス(2-クロロエチル)アミン(8.4mmol)及び4.65gのトリフェニルメタンジオール(2当量、16.8mmol)をフラスコに入れ、不活性雰囲気下に置いた。磁気撹拌しなgら、25mLの無水ジメチルホルムアミド(DMF)を加え、反応混合物を氷冷浴中で冷却した。4当量の1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-7-エン(DBU)を当該混合物に滴下した。その混合物を3時間周囲温度で撹拌し、反応を薄層クロマトグラフィ(TLC)(溶出液:シクロヘキサン/酢酸エチル/トリエチルアミン:8/2/0.1)でモニターした。この後、溶媒をロータリーエバポレーターで留去した。次いで、得られた白色固体を50mLのジクロロメタン(DCM)に溶解し、生成物を5%KH2PO4水溶液で3回抽出した。次いで、生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶出液:シクロヘキサン/酢酸エチル/トリエチルアミン(TEA):8/2/0.1)で精製し、1.46gの白色のアモルファス固体を得た(収率:28%)。
生成物の分析は以下のとおりである。
Figure 0005785177
実施例2:ポリペプチドH-GFGQGFGG-OH(配列番号8)の合成
1gのワング樹脂(チャージ:1.1mmol/g)を反応器に入れ、DMF中で30分間溶媒和した。平行して、不活性雰囲気下でのフラスコ中で、3.27gのFmoc-Gly-OH(10当量、11mmol)を100mLの無水ジクロロメタン/DMF混合物(99/1、v/v)に溶解した。857μLのジイソプロピルカルボジイミド(5当量、5.50mmol)の5mLの無水ジクロロメタン溶液を、不活性雰囲気下で加え、当該アミノ酸溶液に0℃で加えた。反応混合物をこの温度で30分間攪拌した。この後、溶媒を留去し、得られた白色固体を5mLのDMFに溶解した。この溶液を0.1当量のDMAP(12.2mg、0.1mmol)の1mLのDMFを含む樹脂に加え、次いで、反応混合物を1時間攪拌した。樹脂を次いで濾過し、5mLのDMF、5mLのジクロロメタンで洗浄し、真空下で乾燥した。樹脂の最終チャージ(0.95mmol/g、86%)を、DMF中の20%ピペリジン溶液でアリコートを脱保護中に放出されたジベンゾフルベン-ピペリジン生成物のUV定量によって決定した。
ポリペプチドの固相合成は、マイクロウェーブペプチド合成装置(CEMμWAVES、Saclay、フランス)上で、先に調製したFmoc-Gly-ワング樹脂(0.5mmolのスケール)上でのFmoc/tert-ブチル法を用いて行った。カップリングは、各アミノ酸の5倍モル過剰を用いて、活性化剤HBTU(O-ベンソトリアゾール-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)を4.5倍モル過剰を用いて、塩基DiEA(ジイソプロピルエチルアミン)を10倍モル過剰用いて行った。ポリペプチドの最終的な脱保護及び樹脂からの切断は、30mLのTFA(トリフルオロ酢酸)/TIS(トリイソプロピルシラン)/H2O混合物(容積で95/2.5/2.5)で1時間行った。次いで、ポリペプチドをジエチルエーテル/ヘプタン混合物(容積で1/1)での沈殿によって得、H2Oに溶解し、次いで凍結乾燥した。ポリペプチド(79%)の純度は、HPLC(液体クロマトグラフィ)及びキャピラリー電気泳動によって決定した。主なポリペプチドのLC-MS分析は、予測されたポリペプチドの構造と一致した(C33H43N9O10、計算値726.32Da[M+H]+、観測値726.50Da)。
実施例3:ポリペプチド1a(H-GFGQGFGG-N(CH 2 CH 2 SH) 2 )(配列番号1)の液相合成
102mgのポリペプチドH-GFGQGFGG-OH(配列番号8)(0.14mmol)を無水ジメチルホルムアミド(DMF)の最小量に溶解し、39μLのトリエチルアミン(TEA)(2当量、0.28mmol)を当該溶液に加えた。攪拌しながら、42μLの二炭酸ジ-tert-ブチルジカルボン酸(Boc2O)(1.3当量、0.18mmol)を反応混合物に加え、無水DMFを加えることによって当該溶液をホモジナイズした。反応はHPLCでモニターした。
174.2mgのビス({2-[トリフェニルメチルスルファニル]エチル})アミン(2当量、0.28mmol)を先の反応混合物に加えた。32μLのDiEA(1.3当量、0.18mmol)及び94.7mgのベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)(1.3当量、0.18mmol)を反応混合物に加えた。結合はHPLCでモニターした。次いで、この結合ステップから得られるポリペプチドを沈殿させ、大量の冷ジエチルエーテルで洗浄した。次いで。当該ポリペプチドをDMFの最小量に溶解し、沈殿させ、ジエチルエーテルで2回目の洗浄を行った。
12.2mLのTFA/TIS/水混合物(95/2.5/2.5)を保護されたポリペプチドに添加した。当該溶液は直ちに黄色に変わり、直ぐに色が消えた。30分後、当該ポリペプチドを300mLの冷ジエチルエーテル/ヘプタン混合物(1/1)で沈殿させた。当該溶液を遠心し、次いで当該ポリペプチドを上記混合物で2回洗浄した。当該ポリペプチドを水に溶解し、次いで凍結乾燥した。生成物を次いでプレパラティブTLC(グラジエント:0〜40%のバッファBで40分、流速:6mL/分)で精製した。60mgの精製ポリペプチドを凍結乾燥後に得た(総収率=50%)。
生成物の分析は以下のとおりである。
Figure 0005785177
マススペクトル分析:LC-MS(C37H52N10O9S2、[M+H]+計算値845.34Da、観測値845.42Da)。
実施例4:二級アミン ビス({2-[トリフェニルメチルスルファニル]エチル})アミンの脱保護
12.5mLのTFA/TIS混合物(97.5/2.5)を77.75mgのビス({2-[トリフェニルメチルスルファニル]エチル})アミン(0.125mmol)に注いだ。反応混合物を30分間攪拌した。次いで、当該溶液をロータリエバポレーターで乾燥するまで濃縮し、白色固体を得た。得られた固体(式(VIII')の化合物)をシクロへキサンに溶解し、乾燥するまでの濃縮した;この操作を2回繰り返した。
実施例5:脱保護アミンとクロロトリチル樹脂とのカップリング
893mgの樹脂(参照番号01-64-0074下でMerckによって販売されている、1%のジビニルベンゼンを有するスチレンコポリマーの骨格上のトリチルクロリド樹脂、200〜400メッシュ、1.4mmol/g)を反応器(1.25mmol)に加えた。アルゴン下で、実施例4にアミンを5mLの無水DMFに溶解し、ガスタイトシリンジを用いて当該樹脂上に置いた。反応器をアルミニウムホイル下で終夜攪拌した。40.5μLのメタノール(1mmol)及び116.5μLのルチジン(1mmol)を樹脂に加えた。30分の溶媒和後に、樹脂を、2x2分のDMF、2x2分のMeOH、2x2分のDMF、2x2分の5%DIEAのDMF溶液、及び最後に2x2分のDMFで洗浄した。クロラニル及びエルマン比色分析試験は、樹脂上の二級アミンの存在及び遊離チオールの不存在を明らかにした。
実施例5の官能基化樹脂を得る方法は、以下の一般的なスキームに相当する。
Figure 0005785177
実施例6:プライマー支持体(第1アミノ酸を有する官能基化された樹脂)を供給するための実施例5由来の官能基化樹脂上のアミノ酸のカップリング
0.5mmolのFmoc-AA-F(Fmoc基によって保護され、酸フルオリドの形態で活性化された、アミノ酸)を2mLの無水DCMに溶解し、実施例5の樹脂(0.125mmol)に加えた。次いで、82.4μLのN-メチルモルホリン(0.75mmol)を加えた。反応を周囲温度で2時間攪拌した。次いで、当該樹脂を無水DCMで5x2分、DMFで3x2分、洗浄した。クロラニル及びエルマン比色分析試験は、当該樹脂上の二級アミン及び遊離チオールの不存在を示した。
樹脂の最後のチャージは、20%のピペリジンのDMF溶液での脱保護中に放出されたジベンゾフルベン-ピペリジン生成物の290nmでのUV-VISアッセイによって決定した。
本実施例は、4個の異なったアミノ酸:グリシン、アラニン、バリン及びチロシンで行った。
0.15mmol/gのチャージはグリシンについて得た;0.124mmol/gのチャージはアラニンについて得た;0.115mmol/gのチャージはバリンについて得た;0.107mmol/gのチャージはチロシンについて得た。
固体支持体への最初のアミノ酸のカップリングについて、PyBOP、PyBrop、HBTU等の他のカップリング剤を使用することができることに留意されたい。PyBropは、最も良い結果を与え、(実験的には実用的でない)酸フルオリドを使用する予備活性化の必要なく、アミノ酸の直接的な使用を可能にする、ことを見出した。
実施例7:ポリペプチド1c(H-ILKEPVHGG-N(CH 2 CH 2 SH) 2 )、1d(H-ILKEPVHGA-N(CH 2 CH 2 SH) 2 )、1e(H-ILKEPVHGV-N(CH 2 CH 2 SH) 2 )、及び1f(H-ILKEPVHGY-N(CH 2 CH 2 SH) 2 )の固相合成
グリシンを用いる実施例6で調製したプライマー支持体から、ポリペプチド1c(配列番号2)を得た。
アラニンを用いる実施例6で調製したプライマー支持体から、ポリペプチド1d(配列番号3)を得た。
バリンを用いる実施例6で調製したプライマー支持体から、ポリペプチド1e(配列番号4)を得た。
チロシンを用いる実施例6で調製したプライマー支持体から、ポリペプチド1f(配列番号5)を得た。
当該ポリペプチドの合成は以下のように纏められる。
Figure 0005785177
実施例7で得たポリペプチドは以下の一般式:
Figure 0005785177
を有する。
様々なポリペプチドの固相合成は、マイクロウェーブペプチド合成装置(CEMμWAVES、Saclay、フランス)上で、実施例6からの各々の樹脂(0.1mmolのスケール)上でのFmoc/tert-ブチル方法を用いて行った。カップリングは各アミノ酸の5倍モル過剰を用いて行い、活性化剤HBTUを4.5倍モル過剰で用い、塩基DiEAを10倍モル過剰で用いた。
樹脂からのポリペプチドの最終脱保護及び切断は、10mLのTFA/TIS/DMS/H2O混合物(体積で92.5/2.5/2.5/2.5)で1時間行った。その後、当該ポリペプチドを100mLのジエチルエーテル/ヘプタン混合物(体積で1/1)中で沈殿によって得、H2Oに溶解し、次いで凍結乾燥した。
各ポリペプチドの純度は、HPCLで決定した(グリシンを有するポリペプチド1cについては91%、ポリペプチド1dについては83%、ポリペプチド1eについては80%、ポリペプチド1fについては88%)。当該ポリペプチドのMALDI-TOF分析は、予測したポリペプチドの構造と一致した(ポリペプチド1c C47H81N13O11S2、[M+H]+計算値1068.6Da;観測値1068.5;ポリペプチド1d C48H81N13O11S2、[M+H]+計算値1082.6Da;観測値1082.4;ポリペプチド1e C50H87N13O11S2、[M+H]+計算値1110.6Da;観測値1110.5);ポリペプチド1f C54H87N13O12S2、[M+H]+計算値1174.6Da;観測値1174.6)。
当該ポリペプチドは、ポリペプチド1cについては30分間の0〜30%のグラジエント、及びポリペプチド1d及び1eについては5分間の0〜10%のグラジエント、次いで25分間の10〜25%のグラジエントを行いながら、TFA中のアセトニトリル-H2O(80-20)中で、ヌクレオシルC18カラムで精製した。
HPLCによって決定した純度は、ポリペプチド1cについては96%、全体収率は35%、ポリペプチド1dについては97%、全体収率は31%、ポリペプチド1eについては99%、全体収率は27%であった。
実施例8:ポリペプチド1c、1d、及び1fと、ポリペプチド2(H-CILKEPVHGV-NH 2 )とのライゲーション
実施例7で得たポリペプチド1c、1d及び1fとポリペプチド2(配列番号6)との各々のライゲーションは、以下のスキームに従っておこなった。
Figure 0005785177
これらのライゲーションは、ポリペプチド3c(H-ILKEPVHGGCILKEPVHGV-NH2、配列番号9)、3d(H-ILKEPVHGACILKEPVHGV-NH2、配列番号10)及び3f(H-ILKEPVHGYCILKEPVHGV-NH2、配列番号11)の各々を得させた。
ポリペプチド1cのライゲーション。
336mgのMPAA(2mmol、200mM)及び234mgのTCEP(800μmol、80mM)を10mLを0.1Mリン酸バッファ(pHを7.5に調整)に溶解した。10.2mgのポリペプチド1cを混合物(7.2μmol、0.72mM)に溶解し、この溶液を15.3mgのポリペプチド2 H-CILKEPVHGV-NH2(10.6mmol、1.06mM)に加えた。この混合物をアルゴン下に置き、次いで37℃で攪拌した。次いで生成物をRP-HPLCで精製して、5.9mgのポリペプチド3c(32%)を得た。
ポリペプチド1dのライゲーション。
最初に、MPAA/TCEP・HCl溶液を調製した。33.52mgのMPAA及び57.54mgのTCEP・HClを1.5mLのポリプロピレンチューブに秤量した。pH=7.3の1mLの0.1Mリン酸バッファ及び140μLの6M NaOHを加え、完全に粉末を溶解した。更なる20μLの6M NaOHを加え、溶液をpH=7.05に調整した。
実際のライゲーション反応のために、5.99mgのポリペプチド1d及び9.05mgのポリペプチド2を同一の5-mLのガラスフラスコに秤量した。600μLの上記溶液を加えた。当該反応混合物をアルゴン下で3バキューム/アルゴンサイクルにおき、次いで37℃にサーモスタット制御の湯浴に入れ、磁気攪拌子を用いて攪拌した。
26.5時間後に、反応混合物を15-mLのポリプロピレンチューブに移した。反応フラスコを3.4mLのバッファA(0.05vol.%のTFAを含む水)で濯ぎ、15-mLのチューブに移した。4回抽出(4x4mL)をエーテルで行った。150μLの、水に10%で含むTFAを加えることによって水相を更に酸性にした。エーテルによる4回の新たな抽出(4x4mL)を繰り返した。
次いで、水相をプレパラティブHPLC(周囲温度、230nm、ヌクレオシルC18カラム120 A-5μm、バッファA(0.05vol.%のTFAを含む水)、バッファB(アセトニトリル/水 0.05vol.%のTFAを含む体積で4/1)、流速 3mL/分、15分でグラジエント0〜15%B、次いで283分で15〜100%B、注入された体積 4mL)で注入した。
凍結乾燥後、8.5mgのライゲーション生成物を回収した(収率=77%)。
C93H156N26O23S、[M+H]+計算値2038.16;観測値2038.07。
アラニンについてのエナンチオ純度の決定:1.76%のD-エナンチオマー。
ポリペプチド1fのライゲーション。
最初に、MPAA/TCEP・HCl溶液を調製した。33.63mgのMPAA及び57.37mgのTCEP・HClを1.5mLのポリプロピレンチューブに秤量した。pH=7.3の1mLの0.1Mリン酸バッファ及び140μLの6M NaOHを加え、完全に粉末を溶解した。6M NaOHで、溶液のpHを7.05に調整した。
ライゲーション反応を正確にするために、3.97mgのポリペプチド1e及び5.75mgのポリペプチド2を同一の5-mLのガラスフラスコに秤量した。374μLの上記溶液を加えた。当該反応混合物をアルゴン下で3バキューム/アルゴンサイクルにおき、次いで37℃にサーモスタット制御の湯浴に入れ、磁気攪拌子を用いて攪拌した。
44.5時間後に、78.6μL(30当量)の、6NソーダでpH=7.0に調整したリン酸バッファ中の1M TCEP・HCl溶液を加えた。
4.5日後、反応混合物を15-mLのポリプロピレンチューブに移した。反応フラスコを3.5mLのバッファAで濯ぎ、150μLの、水に10%で含むTFAで酸性にし、また当該チューブに移した。3回抽出(3x5.5mL)をエーテルで行った。
次いで、水相をプレパラティブHPLC(周囲温度、230nm、ヌクレオシルC18カラム120 A-5μm、バッファA(0.05%TFAを含む100%水)、バッファB(0.05%TFAを含む、アセトニトリル/水 4/1)、流速 3mL/分、15分でグラジエント0〜15%B、次いで283分で15〜100%B、注入された体積 4mL)で注入した。
凍結乾燥後、3.80mgのライゲーション生成物を回収した(収率=54%)。
C99H160N26O24S、[M+H]+計算値2130.18;観測値2130.2。
Tyrについてのエナンチオ純度の決定:1.25%のD-エナンチオマー。
図1〜3dは、ポリペプチド1c、1d及び1fのライゲーションのためのライゲーション反応のモニタリングを説明する。
実施例9:ポリペプチド1gの固相合成及び当該ポリペプチドの環化
ポリペプチド1g(配列番号7)をポリペプチド1cで合成した。
ポリペプチド1gの固相合成は、マイクロウェーブペプチド合成装置上でFmoc/tert-ブチル法(50μmolスケール)を用いて行った。カップリングは、活性化剤としてHBTU(4.5当量)、及び塩基としてDIEA(10当量)の存在下で行った。合成の最後に、樹脂をジクロロメタン(2x5mL)、エチルエーテル(2x5mL)で洗浄し、乾燥した。5mLのTFA/TIS/H2O/DMS混合物(体積で9.25/0.25/0.25/0.25)を用いて、当該ポリペプチドの最終脱保護及び切断を1時間行った。ポリペプチドを50mLのエチル/ヘプタン混合物(1/1)中で沈殿させ、水に溶解し、次いで凍結乾燥した。
ポリペプチド1g:C39H61N13O10S3、MALDI-TOF分析[M+H]+計算値968.19;観測値968.2。
以下のスキームにしたがって、ポリペプチド1gを環化して、ポリペプチド3cを得た。
Figure 0005785177
環化に用いた条件は、ポリペプチド1cのポリペプチド2へのライゲーションの用いた条件と同一である。
33.64mgのMPAA(200mM)及び22.9mgのTCEP(80mM)を、1mLの、6M NaOH溶液でpH7.5に調整した0.1Mリン酸バッファに溶解した。
1.0mg(0.76μmol)のポリペプチド1gを混合物(764μL、1mM)に溶解し、アルゴン下におき、次いで37℃で攪拌した。反応は、もっぱら、環状ポリペプチド3c(配列番号12)の形成をもたらした。
ポリペプチド3g:シクロ(CHHLEPGG);C35H49N12O10S3、MALDI-TOF分析[M+H]+計算値831.1;観測値831.1。
実施例10:ポリペプチド1c、1d、1e及び1fのジチアゼパン(配列番号13、14、15及び16)への酸化
ポリペプチド1c、1d、1e及び1fは、実施例7で得られたものである。これらのポリペプチドは、以下の一般的なスキームに従って酸化した。
Figure 0005785177
各ポリペプチドは、TFA/DMS/TiS/H2O溶液(92.5/2.5/2.5/2.5;v/v)の作用によって固体支持体から切断した。次いで、当該ポリペプチドを大量のジエチルエーテル/ヘプタン混合物(1/1;v/v)中で沈殿させ、この溶液を用いて2回洗浄した。次いで、切断ステップ後に凍結乾燥した粗ポリペプチドを、窒素でバブリングすることによって10分間予め脱気した0.1Mの重炭酸アンモニウム溶液に溶解した(1mg/mL)。
次いで、混合物を周囲温度で激しく攪拌した。問題のポリペプチドの還元形態が完全になくなるまで、反応の進行をMALDI-TOFマススペクトルでモンターした。ポリペプチドを最後にRP-HPLC(グラジエントA(H2O/0.05%TFA)/溶出B(80%アセトニトリル/20%H2O/0.05%TFA);0〜10%で10分、次いで10%〜25%で25分)で精製し、ついで凍結乾燥した。
以下の表に得られた結果(MALDI-TOF分析)を纏めた。
Figure 0005785177
実施例11:ポリペプチド1cとポリペプチド4とのライゲーション
ポリペプチド1c(配列番号2)を、N-末端システインがホモセリンで置換されている以外はポリペプチド2と同一である、ポリペプチド4(配列番号17)にライゲートした。この反応は、ポリペプチド5(配列番号18)を得させた。反応スキームを以下に示す。
Figure 0005785177
33.6mgのMPAA(0.2mmol、200mM)及び57.4mgのTCEP(0.2mmol、200mM)を1mLの0.1Mリン酸バッファ(pHを7.35に調整)に溶解した。6.15mgのポリペプチド1c(4.4μmol、7mM)及び9.35mgのポリペプチド4(H-ホモCysILKEPYHGV-NH2)(6.55μmol、10.5mM)を当該混合物(624μL)に溶解した。当該混合物をアルゴン下におき、37℃で攪拌した。次いで、生成物をRP-HPLCによって精製し、3.3mgのポリペプチド5を得た(29%)。C91H152N26O23S、MALDI-TOF分析(モノアイソトピック)[M+H]+計算値2010.12;観測値2009.5。
実施例12:ポリペプチド6(配列番号19)の合成
ポリペプチド6は以下の配列を有する。
Figure 0005785177
実施例5に記載の樹脂(0.5mmol、0.175mmol/g)をジクロロメタンで調整した。Fmoc-Lys(Boc)-OH(2.342g、5mmol)を、溶解を助けるためにジクロロメタン及び数滴のDMFに溶解し、次いで当該樹脂に加えた。PyBrop(2.331g、5mmol)を最小量のジクロロメタンに溶解し、次いで当該樹脂に加えた。次いで、DIEA(2.613mL、15mmol)を当該樹脂に加え、カップリングを2時間行った。次いで、当該樹脂をジクロロメタンで3x2分洗浄した。次いで、当該樹脂を10% Ac2O/5% DiEA/ジクロロメタン(10mL、2分)で処理し、次いで(10mL、20分)処理した。次いで、当該樹脂をジクロロメタンで5x2分洗浄した。
ポリペプチド6を、Fmoc/tert-ブチル法を用いて、ペプチド合成装置(CEMμWaves、Saclay、フランス)で先の樹脂の一部(0.25mmol、0.175mmol/g)の上でアセンブリした。カップリングは、アミノ酸(0.2M、4当量)、活性化剤HBTU(0.5M、3.6当量)及び塩基DIEA(2M、8当量)を用いて行った。樹脂からの当該ポリペプチドの最終脱保護及び切断は、TFA/TIS/DMS/チオアニソール/H2O(体積で90/2.5/2.5/2.5/2.5、25mL)を用いて2.5時間行った。当該ポリペプチドを冷ジエチルエーテル/ヘプタン混合物(体積で1/1)中で沈殿させ、最少量の水に溶解し、凍結乾燥した。288mgの粗ペプチドを得た(収率=32%)。C120H216N36O31S4、LC-MS[M+H]+計算値(平均質量)2788.5;観測値2788.1。
次いで、ポリペプチド6の一部を精製前に酸化した。このために、ポリペプチド6(49.8mg)をAcOH/水 4/1(2mL)に溶解した。それを、ヨウ素のAcOH/水 4/1(25mL、「10当量」)溶液に少しずつ加え、反応混合物を水(60mL)を含む分離漏斗に移した。エーテルでの3回の抽出を行った(3x60mL)。水相を凍結乾燥して、44.1mgの粗ペプチドを得た。
RP-HPLC(カラム:Atlantis dC18 OBD 5μm、19x100mm、210-300nm、バッファA 0.05%TFAを含む100%水、バッファB 0.05%TFAを含むCH3CN/水 4/1、グラジエント:20〜40%のバッファBで40分、流速:25mL/分)による精製後、7.2mgの純粋なペプチドを得た(収率=14.5%)。C120H214N36O31S4、LC-MS[M+H]+計算値(平均質量)2786.52;観測値2786.33。
実施例13:ポリペプチド7(配列番号20)の合成
ポリペプチド7は以下の配列を有する。
Figure 0005785177
実施例5に記載の樹脂(0.5mmol、0.175mmol/g)をジクロロメタンで調整した。溶解を助けるためにFmoc-Tyr-OH(2.298g、5mmol)をジクロロメタン(<5mL)及び数滴のDMFに溶解し、次いで当該樹脂に加えた。PyBrop(2.331g、5mmol)を最小量のDCMに溶解し、次いで当該樹脂に加えた。次いで、DIEA(2.614mL、15mmol)を当該樹脂に加え、カップリングを2時間行った。次いで、当該樹脂をジクロロメタンで4x2分洗浄した。次いで、当該樹脂を10% Ac2O/5% DiEA/DCM(10mL、2分)で処理し、次いで(10mL、20分)処理した。次いで、当該樹脂をジクロロメタンで5x2分洗浄した。
ポリペプチド7を、Fmoc/tert-ブチル法を用いて、ペプチド合成装置(CEMμWaves、Saclay、フランス)で先の樹脂の一部(0.5mmol、0.175mmol/g)の上でアセンブリした。カップリングは、アミノ酸(0.2M、4当量)、活性化剤HBTU(0.5M、3.6当量)及び塩基DIEA(2M、8当量)を用いて行った。洗浄溶媒(DMF)及びFmoc-Met-OHの溶媒は、配列のメチオニンの酸化を最大に避けるために1%のチオアニソールを含んだ。
Boc-L-Thz-OHを手動で結合させるために、当該樹脂を位置2でのグルタミン(0.25mmol)後に2つに分けた。これをするために、当該樹脂をDMFで4x2分間洗浄し、DMF中で秤量し、2つに分けた。HBTU(379.3mg、1mmol)をDMF(1100μL)に溶解した。HOBt(135mg、1mmol)をDMF(500μL)に溶解し、HBTUに加えた。Boc-L-Thz-OH(233.29mg、1mmol)をDMF(500μL)に溶解し、HBTU/HOBt混合物に加えた。次いで、DIEA(522.7μL、3mmol)を当該混合物に加えた。1分間攪拌し、次いで当該混合物を樹脂に加え。カップリングを45分間行った。次いで、樹脂をDMFで4x2分、ジクロロメタンで4x2分、Et2Oで3x2分で洗浄し、乾燥した。
樹脂からの当該ポリペプチドの最終脱保護及び切断は、TFA/TIS/DMS/チオアニソール/H2O(体積で90/2.5/2.5/2.5/2.5、25mL)を用いて2.5時間行った。当該ポリペプチドを冷ジエチルエーテル/ヘプタン混合物(体積で1/1)中で沈殿させ、最少量の水に溶解し、凍結乾燥した。369mgの粗ペプチドを得た(収率=37.6%)。C153H223N41O44S4、MALDI-TOF[M+H]+計算値(モノアイソトピック分解)3467.54;観測値3466.0。
次いで、ポリペプチド7の一部を精製前に酸化した。このために、フラグメント2(51.8mg)をCH3CN(2.38mL)に溶解し、0.2Mリン酸バッファpH=7.3(9.50mL)を加えた。10mMのジアミド水溶液(1.32mL、1当量)溶液を滴下した。15分間の攪拌後、反応混合物をバッファA(1.8mL)で希釈し、RP-HPLC(カラム:Atlantis dC18 OBD 5μm、19x100mm、210-300nm、バッファA 0.05%TFAを含む100%水、バッファB 0.05%TFAを含むCH3CN/水 4/1、グラジエント:20〜40%のバッファBで40分、流速:25mL/分)に注入し;11.2mgの純粋なペプチドを得た(収率=21.6%)。C153H221N41O44S4、LC-MS[M+H]+計算値(平均質量)3467.97;観測値3467.38。
実施例14:ポリペプチド8(配列番号21)の合成
ポリペプチド8は以下の配列を有する。
Figure 0005785177
ポリペプチド8を、Fmoc/tert-ブチル法を用いて、ペプチド合成装置(CEMμWaves、Saclay、フランス)でNovasynTGR樹脂(0.5mmol、0.25mmol/g)上でアセンブリした。カップリングは、アミノ酸(0.2M、4当量)、活性化剤HBTU(0.5M、3.6当量)及び塩基DIEA(2M、8当量)を用いて行った。樹脂からの当該ポリペプチドの最終脱保護及び切断は、TFA/EDT/H2O/TIS(体積で94/2.5/2.5/1、30mL)を用いて2.5時間行った。当該ポリペプチドを冷ジエチルエーテル/ヘプタン混合物(体積で1/1)中で沈殿させ、最少量の水に溶解し、凍結乾燥した。RP-HPLC(Vydac C18カラム 50cmx2cm、280nm、バッファA 0.05%TFAを含む100%水、バッファB 0.05%TFAを含むCH3CN/水 4/1、グラジエント:0〜20%のバッファBで10分、次いで20〜50%のバッファBで60分、流速:30mL/分)による精製後、272mgの純粋なペプチドを得た(収率=13%)。C158H239N47O52S4、LC-MS[M+H]+計算値(モノアイソトピック分解)3755.6;観測値3755.7。
実施例15:ポリペプチド7-8(配列番号22)を得るためにポリペプチド7とポリペプチド8との(グローブボックス中での)ライゲーション
MPAA(33.70mg)及びTCEP・HCl(57.30mg)を4MグアニジンHClを含む0.1Mリン酸バッファpH=7.3(1mL)に溶解した。当該溶液のpHを5Nソーダ(200μL)で7.2に調整した。ポリペプチド7(8.5mg)及び8(18.25mg、2当量)を同一のチューブに秤量し、前の溶液(309μL)に溶解した。反応混合物を37℃の水浴に置いた。24時間後、反応混合物を同一の溶液(300μL)で希釈した。
25時間後、56mMのO-メチルヒドロキシルアミンのpH=3.93の0.1M酢酸塩バッファ(1.52mL)を加えた。反応混合物のpHを酢酸(35μL)でpH=4.15に調整した。37℃で20時間後、反応混合物をグローブボックスか取り出した。MPAAをEt2O(3x6mL)で抽出した。RP-HPLC(Uptisphere 5C4カラム 27.5cmx1cm、215nm、バッファA 0.05%TFAを含む100%水、バッファB 0.05%TFAを含むCH3CN/水 4/1、グラジエント:0〜20%のバッファBで3分、次いで20〜50%のバッファBで57分、流速:6mL/分)による精製前に、反応混合物をグローブボックスか取り出した。MPAAをTCEP・HCl(3x6mL)で20分間処理した。4.4mgの純粋なペプチド7-8を得た(収率=25.4%)。C306H451N87O96S6、MALDI-TOF[M+H]+計算値(平均質量)7077.8;観測値7078.5。
実施例16:ポリペプチド6-7-8(配列番号23)を得るためにポリペプチド6とポリペプチド7-8との(グローブボックス中での)ライゲーション
MPAA(33.74mg)及びTCEP.HCl(57.54mg)を4MのグアニジンHCl(1mL)を含むpH=7.3の
0.1Mのリン酸バッファに溶解した。溶液のpHを5Nソーダ(220μL)で7.2に調整した。ポリペプチド7-8(3.85mg)及び6(2.89mg、1.7当量)を同一チューブに秤量し、上記の溶液(115μL)で溶解した。反応混合物を37℃の水浴に入れた。
24時間後、ライゲーション生成物、すなわち、配列の6-7-8のポリペプチド:
Figure 0005785177
の形成を観察した。
C418H648N122O127S7、MALDI-TOF[M+H]+計算値(平均質量)9640.01;観測値9640.1。

Claims (23)

  1. 式:
    (III) X1-X"-X2
    [式中、X1及びX2は、各々、ペプチドフラグメントを示し、X"は、チオール官能基を含むアミノ酸残基を示す。]
    のポリペプチドを製造する方法であって、式:
    (I) X1-N(CH2CH2SH)2
    のポリペプチドと、式:
    (II) H-X"-X2
    のポリペプチドとのライゲーション反応の少なくとも1つのステップを含む、方法。
  2. 前記ライゲーション反応が、ジスルフィド結合を還元する少なくとも1つの化合物の存在下で、式:
    Figure 0005785177
    のポリペプチドを、式(II)のポリペプチドに接触させることによって行われ、式(I')のポリペプチドはライゲーション反応のための式(I)のポリペプチドにインサイシュで還元される、請求項1記載の方法。
  3. X2が、式:
    (IV) X2'-(Xi"-Xi')i=3・・・n
    のペプチドフラグメントを示し、
    nが3以上の整数であり、
    3〜nの整数のiについて、各Xi"はチオール官能基を有するアミノ酸残基を示し、
    2〜nの整数のiについて、各Xi'はペプチドフラグメントを示し、
    以下:
    式(I)のポリペプチドと式(II)のポリペプチドとのライゲーション反応のステップの前に、ライゲーション反応のn-2ステップの連続、1〜n-2の整数jについてライゲーション反応のj番目ステップが、式:
    (V) H-Xn-j "-Xn-j '-N(CH2CH2SH)2
    (式中、残基Xn-j "のアミン官能基及び/又はチオール官能基は保護されている)
    のポリペプチドと、式:
    (VI) H-(Xj "-Xj 'i=(n-j+1)・・・n
    のポリペプチドとのライゲーション反応によって、当該ライゲーション反応の最後に残基Xn-j "のチオール官能基の脱保護を経る、式:
    (VII) H-(Xj "-Xj 'i=(n-j)・・・n
    のポリペプチドを形成するステップを含む、請求項1又は2記載の方法。
  4. 式(V)のポリペプチドと式(VI)のポリペプチドとのライゲーション反応のn-2ステップの1以上が、式:
    Figure 0005785177
    のポリペプチドを、式:
    (VI) H-(Xj "-Xj 'i=(n-j+1)・・・n
    (式中、jは、1〜n-2の整数である)
    のポリペプチドと、ジスルフィド結合を還元する少なくとも1つの化合物の存在下で接触させることによって行われる、請求項3記載の方法。
  5. 式:
    Figure 0005785177
    (式中、X2はペプチドフラグメントを示し、X"はチオール官能基を含むアミノ酸残基を示す。)
    の環状ポリペプチドを製造する方法であって、式:
    (XI) H-X"-X2-N(CH2CH2SH)2
    のポリペプチドとそれ自体とのライゲーション反応の少なくとも1つのステップを含む、方法。
  6. 前記ライゲーション反応が、式:
    Figure 0005785177
    のポリペプチドを、ジスルフィド結合を還元する少なくとも1つの化合物と接触させることによって行われ、式(XI')のポリペプチドはライゲーション反応のための式(XI)のポリペプチドにインサイシュで還元される、請求項5記載の方法。
  7. 前記ライゲーション反応又はライゲーション反応(複数)が、中性の水溶液中で行われる、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 前記ライゲーション反応又はライゲーション反応(複数)が、ジスルフィド結合を還元する、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン、4-メルカプトフェニル酢酸、ジチオスレイトール、ベンジルメルカプタン及びそれらの混合物から選択される、少なくとも1つの化合物の存在下で行われる、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. 式:
    (I) X1-N(CH2CH2SH)2
    のポリペプチド、又は式:
    Figure 0005785177
    のポリペプチド(X1は、ペプチドフラグメントを示し、基-N(CH2CH2SH)2又は
    Figure 0005785177
    は、C-末端位にあるペプチドフラグメントX1のアミノ酸残基のC=O末端に結合される。)。
  10. X1が、2〜300アミノ酸残基を含む、請求項9記載のポリペプチド
  11. 式:
    (I) X1-N(CH2CH2SH)2
    (X1は、ペプチドフラグメントを示し、基-N(CH2CH2SH)2は、C-末端位にあるペプチドフラグメントX1のアミノ酸残基のC=O末端に結合される。)
    のポリペプチドの製造方法であって、ペプチド合成の少なくとも1ステップ及びC-末端官能基化の1ステップを含む、方法。
  12. ペプチド合成のステップが官能基化のステップに先行し、ペプチド合成の当該ステップが、式:
    (IX) X1-OH
    のポリペプチドを供給し;そして、官能基化の当該ステップが以下:
    式(IX)のポリペプチドを、液相中で、式:
    (VIII) NH(CH2-CH2-S-G12
    (G1は保護基である)
    のアミン化合物と反応させて、式(I)のポリペプチドを形成し;
    場合により式(I)のポリペプチドを脱保護すること、
    を含む、請求項11記載の方法。
  13. 主骨格及びNH-(CH2CH2-S-Trt-)2官能基又はNH-(CH2CH2-S-Trt-CO-NH-)2官能基を含む、ポリペプチドの固相合成のためのポリマー樹脂支持体であって、Trtは、場合により1以上の置換基によって置換されたトリフェニルメチル基を示し;当該NH-(CH2CH2-S-Trt-)2官能基は、2つのトリフェニルメチル基によって当該主骨格に結合されるか、又は当該NH-(CH2CH2-S-Trt-CO-NH-)2官能基は、2つのアミン基によって当該主骨格に結合されている、支持体。
  14. 主骨格及びG2-AA-N-(CH2CH2-S-Trt-)2官能基又はG2-AA-N-(CH2CH2-S-Trt-CO-NH-)2官能基を含む、ポリペプチドの固相合成のためのポリマー樹脂支持体であって、Trtは、場合により1以上の置換基によって置換されたトリフェニルメチル基を示し;AAは、場合により1以上の保護基を有するアミノ酸を示し;G2は、水素原子又はアミン官能基を保護する基を示し;当該G2-AA-N-(CH2CH2-S-Trt-)2官能基は、2つのトリフェニルメチル基によって当該主骨格に結合されるか、又は当該G2-AA-N-(CH2CH2-S-Trt-CO-NH-)2官能基は、2つのアミン基によって当該主骨格に結合されている、支持体。
  15. 前記主骨格が、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、セルロース、ポリエチレン、ポリエステル、ラテックス、ポリアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリエチレングリコールポリスチレンコポリマー、ポリエチレングリコール-ポリアクリルアミドコポリマー骨格、及びその誘導体から選択される、請求項13又は14記載の方法。
  16. ポリペプチドの固相合成のためのポリマー樹脂支持体の製造方法であって、
    ポリマー樹脂を供給し;
    当該ポリマー樹脂を、式:
    (VIII') NH(CH2-CH2-S-H)2
    のアミン化合物との反応によって官能基化すること、
    を含む、方法。
  17. 前記ポリマー樹脂の官能基化のステップの前に、
    式:
    (VIII) NH(CH2-CH2-S-G12
    (G1は、保護基を示す)
    のアミン化合物を供給し;
    当該アミン化合物を脱保護して、式(VIII')のアミン化合物を得ること、
    を含む、請求項16記載の方法。
  18. 前記官能基化のステップが、ペプチド合成のステップに先行し;
    前記官能基化のステップが以下:
    プライマー支持体を供給するために、アミノ酸を、請求項13又は15記載のポリマー樹脂支持体に結合し;又は
    請求項14記載のポリマー樹脂支持体であるプライマー支持体を供給すること
    を含み、
    ペプチド合成の当該ステップが、当該プライマー支持体上のアミノ酸の結合の連続を含む、請求項11記載の方法。
  19. アミノ酸の前記ポリマー樹脂支持体への結合が、当該ポリマー樹脂支持体をアミノ酸ハライド又はアミノ酸及び活性化剤に接触させることを含む、請求項18記載の方法。
  20. 式:
    Figure 0005785177
    (X1は、ペプチドフラグメントを示し、
    Figure 0005785177
    はC-末端位にあるペプチドフラグメントX1のアミノ酸残基のC=O末端に結合される)
    のポリペプチドの製造方法であって、
    式:
    (I) X1-N(CH2CH2SH)2
    のポリペプチドの酸化ステップを含む、方法。
  21. 請求項11、12、18又は19に記載の方法に従って式(I)及び/又は(V)又は(XI)のポリペプチドを製造するステップ、又は請求項20記載の方法に従って式(I')及び/又は(V')又は(XI')のポリペプチドを製造するステップを含む、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
  22. 医薬組成物の製造方法であって、以下:
    請求項1〜8及び21のいずれか1項記載の方法に従ってポリペプチドを製造し、及び
    1以上の薬学的に許容されるアジュバントと一緒に当該ポリペプチドを製剤化すること、
    を含む、方法。
  23. 請求項1で定義される式(III)のポリペプチド又は請求項3で定義される式(IV)のポリペプチドを診断的使用のために好適な形態で含む製剤の製造方法であって、以下:
    請求項1〜8及び21のいずれか1項記載の方法に従って当該ポリペプチドを製造し、及び
    診断的使用のために好適な形態で当該ポリペプチドを製剤化すること、
    を含む、方法。
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