JP6009106B2 - システム同定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、システム同定装置に関するものである。
従来のインパルス応答によるシステム同定装置として、例えば非特許文献1にはHo−Kalmanの方法に基づくものが開示されている。この方法では、線形離散時間システム(A,B,C,D)で記述される動的システムのインパルス応答(G,G,G,…)に基づいて、Gからシステムの直達項Dを決定すると共に、G,G,…からブロックハンケル行列Hklを生成する。次に、ブロックハンケル行列Hklを特異値分解し、有意な値を持つ特異値の個数をシステム次元として決定して、特異値分解の結果と決定したシステム次元から、拡大可観測行列O及び拡大可到達行列Cを算出する。最後に、拡大可観測行列O及び拡大可到達行列Cに基づいてシステム行列A,B,Cを算出することで、動的システムを記述する線形離散時間システム(A,B,C,D)を同定している。
また、従来のインパルス応答によるシステム同定装置の他の例として、例えば特許文献1にはプラント・モデリング装置が開示されている。このプラント・モデリング装置では、動的システムのインパルス応答(G,G,G,…)に対して上記Ho−Kalmanの方法を適用するが、システム次元の決定方法として次の2種類を選択的に適用している。第1のシステム次元の決定方法は、特異値と当該特異値に対応する次数の関係をグラフィック端末に対数スケールで表示し、有意な値を持つ特異値の個数、つまりシステム次元を作業者が決定する方法である。第2のシステム次元の決定方法は、特異値の変化率と観測ノイズに基づく評価関数を適用し、当該評価関数を最小とする次元をシステム次元として自動的に決定する方法である。
このようなインパルス応答によるシステム同定装置では、有意な値を持つ特異値の個数からシステム次元を決定している。
特開昭61−267102号公報
片山徹著、「システム同定−部分空間法からのアプローチ−」、朝倉書店、2004年2月、p.102−107
しかしながら、上記従来の技術によれば、現実のインパルス応答から算出したブロックハンケル行列の特異値は、なだらかな単調減少となる場合が多数存在し、この場合は有意な値を持つ特異値と、無視できる微小な値となる特異値との境界が不明確となる。そのため、第1のシステム次元の決定方法による従来のシステム同定装置では、システム次元の決定が作業者の判断に依存し、常に最適なシステム次元を決定しているとは限らず、またはシステム次元の決定に試行錯誤が必要になる、という問題があった。
また、このような問題に対応する方法として、特許文献1では第2のシステム次元の決定方法を適用しているが、本手法でも評価関数の与え方によって決定されるシステム次元が変化するため、システム次元の決定が評価関数の与え方に依存し、本手法でも常に最適なシステム次元を決定しているとは限らず、またはシステム次元の決定に関して試行錯誤が必要であり、問題を解決するには至っていない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、現実のインパルス応答から算出したブロックハンケル行列の特異値がなだらかな単調減少となり、有意な値を持つ特異値と無視できる微小な値となる特異値との境界が不明確となる場合においても、システム次元の決定から試行錯誤を排除し、常に最適なシステム次元を決定し、動的システムを記述する線形離散時間システムの同定が可能なシステム同定装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、同定対象とする動的システムのインパルス応答を入力とするシステム同定装置であって、前記インパルス応答から前記動的システムを記述する線形離散時間システムの直達項を同定して出力する直達項同定部と、前記インパルス応答からブロックハンケル行列を生成して出力するブロックハンケル行列生成部と、前記ブロックハンケル行列生成部から出力される前記ブロックハンケル行列の特異値分解により、前記ブロックハンケル行列の左特異ベクトルを列ベクトルとする第1の直交行列、前記ブロックハンケル行列の右特異ベクトルを列ベクトルとする第2の直交行列及び前記ブロックハンケル行列の特異値を出力する特異値分解部と、前記第1の直交行列、前記第2の直交行列、前記特異値及び指定されたシステム次元の探索範囲に基づいて、当該探索範囲に属する各次元に対する前記線形離散時間システムのシステム行列のうち前記直達項以外のシステム行列を同定して、当該システム行列及び前記直達項に基づいて算出した前記線形離散時間システムのシステム特性と前記動的システムの実際のシステム特性との比較から、システム次元を決定して出力するシステム次元決定部と、前記第1の直交行列、前記第2の直交行列、前記特異値及び前記システム次元決定部から出力される前記システム次元に基づいて、前記線形離散時間システムのシステム行列のうち前記直達項以外のシステム行列を同定するシステム行列同定部と、を備え、前記直達項同定部で同定した前記直達項及び前記システム行列同定部で同定した前記システム行列を前記線形離散時間システムとして出力することを特徴とする。
この発明によれば、同定対象とする動的システムにおいて、現実のインパルス応答から算出したブロックハンケル行列の特異値がなだらかな単調減少となり、有意な値を持つ特異値と無視できる微小な値となる特異値との境界が不明確となる場合においても、システム次元の決定から試行錯誤を排除し、常に最適なシステム次元の決定及び動的システムを記述する線形離散時間システムの同定が可能となる、という効果を奏する。
図1は、実施の形態1にかかるシステム同定装置の全体構成を示すブロック線図である。 図2は、実施の形態1にかかるシステム同定装置において、システム入出力の時間波形を示す概略図である。 図3は、実施の形態1にかかるシステム同定装置において、ブロックハンケル行列の特異値と次元の関係を示す概略図である。 図4は、実施の形態1にかかるシステム同定装置において、システム次元決定部の内部構成と動作を示すブロック線図である。 図5は、実施の形態1にかかるシステム同定装置において、同定した線形離散時間システムの推定インパルス応答とシステムの実際のインパルス応答との誤差2乗和ノルムと、次元との関係を示す概略図である。 図6は、実施の形態2にかかるシステム同定装置において、動的システムを打撃加振した場合のシステム入出力の時間波形を示す概略図である。 図7は、実施の形態2にかかるシステム同定装置において、動的システムを打撃加振した場合のシステム入出力を、当該システムのインパルス応答に変換する手順を示すブロック線図である。 図8は、実施の形態2にかかるシステム同定装置において、システム次元決定部の内部構成と動作を示すブロック線図である。 図9は、実施の形態3にかかるシステム同定装置において、動的システムの周波数応答を、当該システムのインパルス応答に変換する手順を示すブロック線図である。 図10は、実施の形態4にかかるシステム同定装置の全体構成を示すブロック線図である。
以下に、本発明にかかるシステム同定装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかるシステム同定装置の実施の形態1の全体構成を示すブロック線図である。図2は、本実施の形態にかかるシステム同定装置において、システム入出力の時間波形を示す概略図である。図1に示すシステム同定装置10では、同定対象とする動的システムのインパルス応答g(jT)(j=0,1,2,…)を入力とする。このインパルス応答g(jT)(j=0,1,2,…)は、図2に示すように、時刻0では振幅が1となり、当該時刻以外では振幅が0となる理想的なインパルス入力で動的システムへのシステム入力11を構成した場合における時刻0以降のシステム出力12で与えられる。
システム同定装置10では、こうして得られた動的システムのインパルス応答g(jT)(j=0,1,2,…)から、直達項同定部1によって動的システムを記述する線形離散時間システムの直達項Dを同定し、更にブロックハンケル行列生成部2によってブロックハンケル行列Hklを生成する。
特異値分解部3では、ブロックハンケル行列生成部2から出力されるブロックハンケル行列Hklを特異値分解し、ブロックハンケル行列Hklの左特異ベクトルを列ベクトルとする第1の直交行列U、ブロックハンケル行列Hklの右特異ベクトルを列ベクトルとする第2の直交行列V及びブロックハンケル行列Hklの特異値σ(i=1,2,3,…)を出力する。
システム次元決定部4では、特異値分解部3から出力される第1の直交行列U、第2の直交行列V及び特異値σ(i=1,2,3,…)と、作業者が指定したシステム次元の探索範囲n=(n,n,…,n)(ただしn<n<…<n)に基づいて、当該探索範囲に属する次元n(i=1,2,…,a)のそれぞれに対して動的システムを記述する線形離散時間システムの直達項Dを除くシステム行列を同定する。更に、当該システム行列及び直達項同定部1から出力される直達項Dに基づいて、当該探索範囲に属する次元n(i=1,2,…,a)のそれぞれに対して線形離散時間システムの推定インパルス応答を算出し、動的システムの実際のインパルス応答(図1における動的システムのシステム特性)との比較から、システム次元nを決定する。
システム行列同定部5では、特異値分解部3から出力される第1の直交行列U、第2の直交行列V及び特異値σ(i=1,2,3,…)と、システム次元決定部4から出力されるシステム次元nに基づいて、線形離散時間システムの直達項Dを除くシステム行列A,B,Cを同定する。
システム同定装置10では、直達項同定部1で同定した直達項D及びシステム行列同定部5で同定したシステム行列A,B,Cを、動的システムを記述する線形離散時間システムとして最終的に出力する。
図3は、本実施の形態にかかるシステム同定装置10において、ブロックハンケル行列Hklの特異値σと次元(i=1,2,3,…)の関係を示す概略図である。図4は、本実施の形態にかかるシステム同定装置10において、システム次元決定部4の内部構成と動作を示すブロック線図である。図5は、本実施の形態にかかるシステム同定装置10において、同定した線形離散時間システムの推定インパルス応答と動的システムの実際のインパルス応答との時間領域における誤差2乗和ノルム||eni||と、次元n(i=1,2,…,a)との関係を示す概略図である。なお、図4において、「i=1」の処理、「i++」の処理及び「i≦a」の判断は、システム特性推定部32またはシステム次元推定部33が担ってもよいし、図示しない他の構成が担ってもよい。
図3に示すように、動的システムのインパルス応答g(jT)(j=0,1,2,…)から生成したブロックハンケル行列Hklの特異値σは、理想的なインパルス応答では次元(i=1,2,3,…)に対して、例えば特異値分布21に示す関係となる。
この場合、有意な値を持つ特異値の個数を明確に規定することができ、当該個数が動的システムのシステム次元nに対応する(図3の場合はシステム次元n=4)。一方、観測ノイズ等の影響を受ける現実のインパルス応答に基づいて算出した特異値σは、次元(i=1,2,3,…)に対して例えば特異値分布22に示す関係となるため、有意な値を持つ特異値と無視できる微小な値となる特異値との境界が不明確となり、常に最適なシステム次元nを決定しているとは限らず、またはシステム次元nの決定に関して試行錯誤が必要になるという問題がある。
そこで、システム次元決定部4は、図4に示すように再帰的システム行列推定部31により、作業者が指定したシステム次元の探索範囲n=(n,n,…,n)(ただしn<n<…<n)に属する第1の次元nに関して、第1の次元nよりも1段階低い第2の次元ni−1に対応したシステム行列Ad,ni−1,Bd,ni−1,Cd,ni−1の同定結果と、特異値分解部3から出力される第1の直交行列U、第2の直交行列V、及び特異値σ(i=1,2,3,…)のうち、それぞれ第2の次元ni−1よりも大きく、第1の次元n以下となる左特異ベクトルu、右特異ベクトルv及び特異値σ(j=ni−1+1,ni−1+2,…,n)を用いて、再帰的手法によって第1の次元nに対応するシステム行列Ad,ni,Bd,ni,Cd,niを同定する。
システム次元決定部4が、探索範囲n=(n,n,…,n)(ただしn<n<…<n)の中で第1の次元nよりも1段階低い第2の次元ni−1に対応したシステム行列Ad,ni−1,Bd,ni−1,Cd,ni−1の同定結果と、第1の直交行列U、第2の直交行列V及び特異値σ(i=1,2,3,…)からそれぞれ第2の次元ni−1よりも大きく第1の次元n以下となる左特異ベクトルu、右特異ベクトルv及び特異値σ(j=ni−1+1,ni−1+2,…,n)と、を用いて、再帰的手法により第1の次元nに対応するシステム行列Ad,ni,Bd,ni,Cd,niを同定する再帰的システム行列推定部31を備えるシステム同定装置10は、現実の動的システムに対して一致度の高いシステム次元を決定するための演算量を低減することが可能である。
次に、システム特性推定部32は、システム次元の探索範囲n=(n,n,…,n)(ただしn<n<…<n)に属するそれぞれの次元に対して、再帰的システム行列推定部31から出力されるシステム行列Ad,ni,Bd,ni,Cd,ni及び直達項同定部1から出力される直達項Dに基づいて、同定した線形離散時間システムの推定インパルス応答を算出する。そして、iに1を加算し、i≦aの場合には再帰的システム行列推定部31により、システム行列Ad,ni,Bd,ni,Cd,niを同定し、i>aの場合にはシステム次元推定部33の処理に進む。
システム次元推定部33は、システム特性推定部32から出力される線形離散時間システムの推定インパルス応答と動的システムの実際のインパルス応答(図4における動的システムのシステム特性)との時間領域における誤差2乗和eni(i=1,2,…,a)を算出し、図5に示すように誤差2乗和ノルム分布41が誤差2乗和ノルムしきい値42以下となる次元のうち、最小の次元をシステム次元nとして決定して出力する(図5の場合はシステム次元n=n)。
すなわち、システム次元決定部4が、探索範囲n=(n,n,…,n)に属する各次元に対して、線形離散時間システムのシステム特性を推定インパルス応答として算出して出力するシステム特性推定部32と、システム特性推定部32から出力される線形離散時間システムの推定インパルス応答と動的システムの実際のインパルス応答との時間領域における誤差2乗和ノルムがしきい値以下となる次元のうち最小の次元をシステム次元として決定して出力するシステム次元推定部33と、を備えるシステム同定装置10は、現実のインパルス応答から算出したブロックハンケル行列の特異値がなだらかな単調減少となり、有意な値を持つ特異値と無視できる微小な値となる特異値との境界が不明確となる場合においても、システム次元の決定から試行錯誤を排除し、現実の動的システムに対して時間領域で一致度の高いシステム次元の決定と、動的システムを記述する線形離散時間システムの同定が可能となる。
次に、動作について説明する。同定対象とする動的システムが下記の式(1)に示す1入力P出力のn次元線形離散時間システムで記述できるとする。上記の動的システムへのシステム入力u(jT)を、図2に示すシステム入力11、つまり理想的なインパルス入力となるように下記の式(2)で構成すると、下記の式(1)に対応するシステム出力y(jT)、つまり図2に示すシステム出力12は下記の式(3)となり、動的システムのインパルス応答g(jT)(j=0,1,2,…)は、時刻0以降のシステム出力12で与えられる。
Figure 0006009106
ただし、状態ベクトルx∈Rであり、システム入力u∈Rであり、システム出力y∈Rであり、システム行列A∈Rn×n,B∈R,C∈RP×n,D∈Rであり、インパルス応答列g(jTs)(j=0,1,2,…)である。
Figure 0006009106
Figure 0006009106
図1に示すように、本実施の形態にかかるシステム同定装置10は、上記で得られた動的システムのインパルス応答g(jT)(j=0,1,2,…)を入力とし、直達項同定部1において上記の式(1)にて動的システムを記述する線形離散時間システムの直達項Dを下記の式(4)で同定し、更にブロックハンケル行列生成部2によって下記の式(5)で与えられるブロックハンケル行列Hklを生成する。
Figure 0006009106
Figure 0006009106
次に、特異値分解部3によって、ブロックハンケル行列生成部2から出力されるブロックハンケル行列Hklを特異値分解し、下記の式(6)で与えられるブロックハンケル行列Hklの左特異ベクトルuを列ベクトルとする第1の直交行列U、ブロックハンケル行列Hklの右特異ベクトルvを列ベクトルとする第2の直交行列V及びブロックハンケル行列Hklの特異値σ(i=1,2,3,…)を出力する。
Figure 0006009106
ただし、第1の直交行列U=[u … ukP]∈RkP×kPであり、第2の直交行列V=[v … u]∈Rl×lであり、ブロックハンケル行列 kl の特異値σ≧σ≧…≧σ≧σn+1≧σn+2≧…であり、Σは下記の式(7)で表される。
Figure 0006009106
対象とする動的システムのシステム次元nは、ブロックハンケル行列Hklの特異値において有意な値を持つものはn個であり、それらに比してn+1個目以降は十分小さく、無視できる微小な値であるとする下記の式(8)の関係に基づいて決定することができる。
Figure 0006009106
図3に示すように、動的システムのインパルス応答g(jT)(j=0,1,2,…)から生成したブロックハンケル行列Hklの特異値σは、理想的なインパルス応答では次元(i=1,2,3,…)に対して例えば特異値分布21に示す関係となる。この場合、有意な値を持つ特異値の個数を明確に規定することができ、当該個数から動的システムのシステム次元nを決定することができる(図3の場合はシステム次元n=4)。
一方、観測ノイズ等の影響を受ける現実のインパルス応答に基づいて算出した特異値σは、次元(i=1,2,3,…)に対して例えば特異値分布22に示す関係となるため、有意な値を持つ特異値と、無視できる微小な値となる特異値との境界が不明確となる。したがって、従来の手法では常に最適なシステム次元nを決定しているとは限らず、またはシステム次元nの決定に関して試行錯誤が必要になるという課題があった。そこで、本実施の形態のシステム同定装置10では、「時間領域において実際のインパルス応答に最も適合する」という前提の下、システム次元決定部4において最適なシステム次元nを決定する。
システム次元決定部4は、図1に示すように特異値分解部3から出力される第1の直交行列U、第2の直交行列V及び特異値σ(i=1,2,3,…)と、作業者が指定したシステム次元の探索範囲n=(n,n,…,n)(ただしn<n<…<n)に基づいて、当該探索範囲に属する次元n(i=1,2,…,a)のそれぞれに対して動的システムを記述する線形離散時間システムの直達項Dを除くシステム行列を同定する。
更に、当該システム行列及び直達項同定部1から出力される直達項Dに基づいて、当該探索範囲に属する次元n(i=1,2,…,a)のそれぞれに対して同定した線形離散時間システムの推定インパルス応答を算出し、動的システムの実際のインパルス応答(図1における動的システムのシステム特性)との比較から、システム次元nを決定する。具体的には図4に示すように、再帰的システム行列推定部31によって、作業者が指定したシステム次元の探索範囲n=(n,n,…,n)(ただしn<n<…<n)に属する第1の次元nに関して、第1の次元nよりも1段階低い第2の次元ni−1に対応したシステム行列Ad,ni−1,Bd,ni−1,Cd,ni−1の同定結果と、特異値分解部3から出力される第1の直交行列U、第2の直交行列V及び特異値σ(i=1,2,3,…)のうち、それぞれ第2の次元ni−1よりも大きく、第1の次元n以下となる左特異ベクトルu、右特異ベクトルv及び特異値σ(j=ni−1+1,ni−1+2,…,n)とを用いて、次式に示す再帰的手法によって第1の次元nに対応するシステム行列Ad,ni,Bd,ni,Cd,niを同定する。まず、第1の次元nに対応する拡大可観測行列は下記の式(9)にて表される。
Figure 0006009106
第1の次元nに対応する拡大可到達行列は下記の式(10)にて表される。
Figure 0006009106
そして、第1の次元nに対応するシステム行列Ad,ni,Bd,ni,Cd,niは下記の式(11)にて表される。
Figure 0006009106
次にシステム特性推定部32において、システム次元の探索範囲n=(n,n,…,n)(ただしn<n<…<n)に属する次元nのそれぞれに対して、再帰的システム行列推定部31から出力されるシステム行列Ad,ni,Bd,ni,Cd,ni及び直達項同定部1から出力される直達項Dに基づいて、上記の式(1)に対するシステム入力u(jT)として上記の式(2)を適用することで、同定した線形離散時間システムの推定インパルス応答g ni(jT)(j=0,1,2,…)を算出する。
なお、本明細書中で、「g」は「g」の上に「^(サーカムフレックス)」が配置された文字の代替表記である。
システム次元推定部33は、システム特性推定部32から出力される線形離散時間システムの推定インパルス応答g ni(jT)(j=0,1,2,…)と動的システムの実際のインパルス応答g(jT)(j=0,1,2,…)(図4における動的システムのシステム特性)との時間領域における誤差2乗和eni(i=1,2,…,a)を下記の式(12)で算出する。
Figure 0006009106
この誤差2乗和ノルム||eni||を最小とする次元nが「時間領域において実際のインパルス応答に最も適合する」システム次元nとなる。一方、実際のノルム||eni||は、観測ノイズが白色性であれば、そのノイズレベルによらず次元nの増加に伴って単調減少し、図5に示すように所定の次元(図5の場合はn)以上でほぼ一定値となる。そこで、ここでは、システム次元nの推定値が必要以上に高次元となることを避けるため、下記の式(13)で与えられる誤差2乗和ノルムしきい値42を規定し、誤差2乗和ノルム分布41が誤差2乗和ノルムしきい値42以下となる次元のうち、最小の次元をシステム次元nとして決定して出力する(図5の場合はシステム次元n=n)。
Figure 0006009106
最後に、システム行列同定部5において、特異値分解部3から出力される第1の直交行列U、第2の直交行列V及び特異値σ(i=1,2,3,…)と、システム次元決定部4から出力されるシステム次元nと、に基づき、線形離散時間システムの直達項Dを除くシステム行列A,B,Cを下記の式(14)で同定する。
Figure 0006009106
システム同定装置10は、システム行列同定部5で同定したシステム行列A,B,C及び直達項同定部1で同定した直達項Dを、動的システムを記述する線形離散時間システムとして最終的に出力する。
このように、本実施の形態のシステム同定装置10により、現実のインパルス応答から算出したブロックハンケル行列Hklの特異値σ(i=1,2,3,…)がなだらかな単調減少となり、有意な値を持つ特異値と同定において無視できる微小な値となる特異値との境界が不明確となる場合においても、システム次元nの決定から試行錯誤を排除し、現実の動的システムに対して時間領域で一致度の高いシステム次元nの決定及び動的システムを記述する線形離散時間システムの同定が可能となる。
また、再帰的システム行列推定部31により、現実の動的システムに対して一致度の高いシステム次元nを決定するための演算量を低減することが可能となる。
なお、本実施の形態のシステム同定装置10では、線形離散時間システムのシステム特性を推定インパルス応答として算出し、当該インパルス応答と動的システムの実際のインパルス応答との時間領域における誤差2乗和ノルム分布41が誤差2乗和ノルムしきい値42以下となる次元のうち、最小の次元をシステム次元nとして決定している。しかしながら、本発明はこれに限定されず、線形離散時間システムのシステム特性を推定周波数応答として算出し、当該周波数応答と動的システムのインパルス応答をフーリエ変換した実際の周波数応答との周波数領域における誤差2乗和に基づいて、システム次元nを決定してもよい。この場合、更に動的システムの実際の周波数応答に基づいて重み関数を決定し、線形離散時間システムの推定周波数応答と動的システムの実際の周波数応答との周波数領域における誤差2乗値に当該重み関数を乗じた値の加算値に基づいて、システム次元nを決定してもよい。
実施の形態2.
本実施の形態では、動的システムの打撃加振によって得られる現実のシステム入出力も適用可能にすると共に、現実の動的システムが安定であることが明確である場合に安定システムに限定して同定することができるシステム同定装置について説明する。
動的システムのインパルス応答を得るための方法としては、対象とする動的システムをインパルスハンマによって打撃加振し、そのときのシステム出力を計測する方法が最も一般的である。しかしながら、打撃加振によって与えられる現実のシステム入力は正弦半波状となるため、真のインパルス入力とは異なる。したがって、当該入力によって得られるシステム出力も、動的システムの真のインパルス応答とは異なるものとなるため、当該システム出力をそのままHo−Kalmanの方法に適用することはできない、という問題があった。
加えて、従来のインパルス応答によるシステム同定装置では、同定結果として得られる線形離散時間システム(A,B,C,D)の安定性は全く考慮されていないため、現実の動的システムが安定であるにも関わらず、不安定システムとして同定される場合がある、という問題もあった。
本実施の形態では、上記問題に鑑み、動的システムの打撃加振によって得られる現実のシステム入出力も適用可能にすると共に、現実の動的システムが安定であることが明確である場合に、安定システムに限定して同定することができるシステム同定装置を得ることを目的とする。
本実施の形態において、システム同定装置の全体構成を示すブロック線図は実施の形態1の図1と同一であり、ブロックハンケル行列Hklの特異値σと次元(i=1,2,3,…)の関係を示す概略図は実施の形態1の図3と同一であり、同定した線形離散時間システムの推定システム出力と動的システムの実際のシステム出力との時間領域における誤差2乗和ノルム||eni||と、次元n(i=1,2,…,a)との関係を示す概略図は実施の形態1の図5と同一である。
図6は、本実施の形態のシステム同定装置において、動的システムを打撃加振した場合のシステム入出力の時間波形を示す概略図である。図7は、本実施の形態のシステム同定装置において、動的システムを打撃加振した場合のシステム入出力を、当該システムのインパルス応答に変換する手順を示すブロック線図である。このとき、図7のインパルス応答変換部52の出力である動的システムのインパルス応答が、図1の直達項同定部1及びブロックハンケル行列生成部2の入力となる。同定対象とする動的システムを打撃加振した場合のシステム入力11及びシステム出力12を入力とし、図7に示すシステム入力印加時刻特定部51及びインパルス応答変換部52並びに図1のシステム同定装置10全体を併せて、打撃加振によるシステム同定装置50とする。
図6に示すように、本実施の形態の打撃加振によるシステム同定装置50では、同定対象とする動的システムを打撃加振した場合のシステム入力11及びシステム出力12に基づいて、当該システムを記述する線形離散時間システムを同定する。このシステム入力11及びシステム出力12は、図7に示すようにシステム入力印加時刻特定部51によって、システム入力11が有意な値を持つ複数の時刻が特定される。次に、インパルス応答変換部52によって、システム入力印加時刻特定部51から出力される複数の時刻に対応するシステム入力の加算値をインパルス入力振幅とし、システム入力印加時刻特定部51から出力される複数の時刻の最大値をインパルス入力印加時刻として、インパルス入力印加時刻以降のシステム出力をインパルス入力振幅で除した信号を、動的システムのインパルス応答として出力する。
インパルス応答に対応する情報が動的システムを打撃加振したときのシステム入力11及びシステム出力12であり、システム入力11が有意な値を持つ複数の時刻を特定するシステム入力印加時刻特定部51と、システム入力印加時刻特定部51から出力される複数の時刻に対応するシステム入力の加算値をインパルス入力振幅とし、システム入力印加時刻特定部51から出力される複数の時刻の最大値をインパルス入力印加時刻として、インパルス入力印加時刻以降のシステム出力を前記インパルス入力振幅で除した信号を前記インパルス応答として出力するインパルス応答変換部52と、を備え、同定対象とする動的システムを打撃加振した場合のシステム入力11及びシステム出力12並びに探索範囲n=(n,n,…,n)(ただしn<n<…<n)を入力として、線形離散時間システムを同定する打撃加振によるシステム同定装置50は、動的システムを打撃加振して得られる現実のシステム入出力から、当該システムを記述する線形離散時間システムを同定することが可能である。
図8は、本実施の形態のシステム同定装置において、システム次元決定部4aの内部構成と動作を示すブロック線図である。図8において、図4と同一符号を付したものは、実施の形態1と同一または同等の構成要素である。図8に示すように、本実施の形態のシステム次元決定部4aでは、作業者が指定したシステム次元の探索範囲n=(n,n,…,n)(ただしn<n<…<n)に属する次元nのそれぞれに対して、再帰的システム行列推定部31で同定したシステム行列Ad,niに基づいて、システム安定性評価部34が線形離散時間システムの安定性を評価する。なお、図8において、「i=1」の処理、「i++」の処理及び「i≦a」の判断は、システム特性推定部32またはシステム次元推定部33が担ってもよいし、図示しない他の構成が担ってもよい。
システム特性推定部32は、システム安定性評価部34において安定システムと判断された次元に対して、再帰的システム行列推定部31から出力されるシステム行列Ad,ni,Bd,ni,Cd,ni及び直達項同定部1から出力される直達項Dに基づいて、同定した線形離散時間システムに関して現実のシステム入力11に対応する推定システム出力を算出する。
システム次元決定部4aが、探索範囲n=(n,n,…,n)(ただしn<n<…<n)に属する各次元に対して線形離散時間システムの安定性を評価するシステム安定性評価部34を備え、安定システムとなる次元に対応する線形離散時間システムのシステム特性からシステム次元を決定するシステム同定装置10は、現実の動的システムが安定システムであることが明確である場合に、安定システムに限定してシステムを記述する線形離散時間システムを同定することが可能である。
システム次元推定部33は、システム特性推定部32から出力される線形離散時間システムの推定システム出力と動的システムの実際のシステム出力12(図8における動的システムのシステム特性)との時間領域における誤差2乗和eni(n:安定システムとなる次元)を算出し、図5に示すように誤差2乗和ノルム分布41が誤差2乗和ノルムしきい値42以下となる次元のうち、最小の次元をシステム次元nとして決定して出力する(図5の場合はシステム次元n=n)。
次に、動作について説明する。同定対象とする動的システムが、1入力P出力のn次元線形離散時間システムとして上記の式(1)で記述できるとする。この動的システムを打撃加振した場合のシステム入力u(jT)は、例えば図6に示すシステム入力11のような時間波形となり、この場合のシステム入力u(jT)は下記の式(15)で与えられる。
Figure 0006009106
このとき、上記の式(1)に対応するシステム出力y(jT)、つまり図6に示すシステム出力12は下記の式(16)となるため、システム出力y(jT)から直接的にインパルス応答g(jT)(j=0,1,2,…)を求めることが困難となる。
Figure 0006009106
そこで、本実施の形態の打撃加振によるシステム同定装置50では、打撃加振における加振時間は微小であるという前提の下、図6に示す現実のシステム入力11が図2のような理想的なインパルス入力で近似される。具体的には、図7に示すシステム入力印加時刻特定部51によって、システム入力u(jT)に重畳するノイズレベルによって規定される比率しきい値とシステム入力u(jT)の最大値とを乗じた下記の式(17)をシステム入力しきい値13とし、システム入力u(jT)がシステム入力しきい値13以上となる時刻を、システム入力u(jT)が有意な値を持つ複数の時刻j’T(図6の場合はj’=−2,−1,0)として特定する。
Figure 0006009106
システム入力印加時刻特定部51が、比率しきい値とシステム入力の最大値とを乗じた値をシステム入力しきい値13とし、システム入力がシステム入力しきい値13以上となる時刻を、システム入力が有意な値を持つ複数の時刻として特定する打撃加振によるシステム同定装置50は、動的システムを打撃加振して得られる現実のシステム入力から、システム入力が有意な値を持つ加振時刻を正確に抽出することが可能である。
次にインパルス応答変換部52によって、システム入力印加時刻特定部51から出力される複数の時刻j’Tに対応して、システム入力u(jT)の加算値をインパルス入力振幅aとして下記の式(18)で、システム入力印加時刻特定部51から出力される複数の時刻j’Tの最大値をインパルス入力印加時刻j”T(図6の場合はj”=0)として下記の式(19)で導出し、動的システムのインパルス応答g(jT)(j=0,1,2,…)を、インパルス入力印加時刻j”T以降のシステム出力y(jT)をインパルス入力振幅aで除した信号として下記の式(20)で算出する。
なお、本明細書中で、「a」は「a」の上に「(チルダ)」が配置された文字の代替表記である。
Figure 0006009106
Figure 0006009106
Figure 0006009106
本実施の形態では、動的システムを打撃加振した場合のシステム入出力に基づいて、上記の式(20)で得られた動的システムのインパルス応答g(jT)(j=0,1,2,…)を、図1に示すシステム同定装置10への入力とする。本実施の形態においては、図1に示すように、システム同定装置10では、上記の式(20)で得られた動的システムのインパルス応答g(jT)(j=0,1,2,…)を入力とし、直達項同定部1において動的システムを記述する上記の式(1)の線形離散時間システムの直達項Dを上記の式(4)で同定すると共に、ブロックハンケル行列生成部2によって、下記の式(21)で与えられるブロックハンケル行列Hklを生成する。次に特異値分解部3によって、ブロックハンケル行列生成部2から出力されるブロックハンケル行列Hklを特異値分解し、上記の式(6)で与えられるブロックハンケル行列Hklの第1の直交行列U、第2の直交行列V及び特異値σ(i=1,2,3,…)を出力する。
Figure 0006009106
システム次元決定部4aは、図8に示すように再帰的システム行列推定部31によって、作業者が指定したシステム次元の探索範囲n=(n,n,…,n)(ただしn<n<…<n)に属する次元nのそれぞれに関して、上記の式(9)〜(11)に示す再帰的手法によって対応するシステム行列Ad,ni,Bd,ni,Cd,niを同定する。
システム安定性評価部34は、作業者が指定したシステム次元の探索範囲n=(n,n,…,n)(ただしn<n<…<n)に属する次元nのそれぞれに対して、再帰的システム行列推定部31で同定したシステム行列Ad,niに基づいて、線形離散時間システムの安定性を下記の数式(22)により評価する。
Figure 0006009106
次に、システム特性推定部32において、システム安定性評価部34で安定システムと判断された次元に対して、再帰的システム行列推定部31から出力されるシステム行列Ad,ni,Bd,ni,Cd,ni及び直達項同定部1から出力される直達項Dに基づいて、上記の式(1)に対して現実のシステム入力u(jT)(例えば式(15))を適用した場合の推定システム出力y ni(jT)を算出する。
なお、本明細書中で、「y」は「y」の上に「^(サーカムフレックス)」が配置された文字の代替表記である。
システム次元推定部33は、システム特性推定部32から出力される線形離散時間システムの推定システム出力y ni(jT)と動的システムの実際のシステム出力y(jT)(図8における動的システムのシステム特性)との時間領域における誤差2乗和eni(n:安定システムとなる次元)を下記の式(23)で算出する。
Figure 0006009106
この誤差2乗和ノルム||eni||を最小とする次元nが「時間領域において実際のシステム出力に最も適合する」安定なシステム次元nとなる。ここでは、図5に示すように誤差2乗和ノルム分布41が上記の式(13)で与えられる誤差2乗和ノルムしきい値42以下となる次元のうち、最小の次元をシステム次元nとして決定して出力する(図5の場合はシステム次元n=n)。
最後に、システム行列同定部5において、特異値分解部3から出力される第1の直交行列U、第2の直交行列V及び特異値σ(i=1,2,3,…)と、システム次元決定部4aから出力されるシステム次元nと、に基づき、線形離散時間システムの直達項Dを除くシステム行列A,B,Cを上記の式(14)で同定して、直達項同定部1で同定した直達項D及びシステム行列同定部5で同定したシステム行列A,B,Cを、動的システムを記述する線形離散時間システムとして出力する。
このように、本実施の形態の打撃加振によるシステム同定装置50により、現実のシステム入出力をインパルス応答に変換し、当該インパルス応答から算出したブロックハンケル行列Hklの特異値σ(i=1,2,3,…)がなだらかな単調減少となり、有意な値を持つ特異値と同定において無視できる微小な値となる特異値との境界が不明確となる場合においても、システム次元nの決定から試行錯誤を排除し、現実の動的システムに対して時間領域で一致度の高いシステム次元nの決定及び動的システムを記述する線形離散時間システムの同定が可能となる。
また、再帰的システム行列推定部31により、現実の動的システムに対して一致度の高いシステム次元nを決定するための演算量を低減することが可能となる。
更に、動的システムを打撃加振して得られる現実のシステム入出力から、システム入力が有意な値を持つ加振時刻を正確に抽出し、これに基づいて動的システムのインパルス応答に変換することで、動的システムを打撃加振した場合の現実のシステム入出力から、当該システムを記述する線形離散時間システムを正確に同定することが可能となる。
加えて、システム安定性評価部34により、現実の動的システムが安定システムであることが明確である場合に、安定システムに限定した線形離散時間システムの同定が可能となる。
なお、本実施の形態の打撃加振によるシステム同定装置50では、線形離散時間システムのシステム特性を推定システム出力として算出し、当該システム出力と動的システムの実際のシステム出力との時間領域における誤差2乗和ノルム分布41が誤差2乗和ノルムしきい値42以下となる次元のうち、最小の次元をシステム次元nとして決定している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、線形離散時間システムのシステム特性を推定周波数応答として算出し、当該周波数応答と動的システムのシステム入出力を変換して得られるインパルス応答に対して当該インパルス応答をフーリエ変換した実際の周波数応答との周波数領域における誤差2乗和に基づいて、システム次元nを決定してもよい。
この場合、更に動的システムの実際の周波数応答に基づいて重み関数を決定し、線形離散時間システムの推定周波数応答と動的システムの実際の周波数応答との周波数領域における誤差2乗値に当該重み関数を乗じた値の加算値に基づいて、システム次元nを決定してもよい。
本実施の形態によれば、動的システムの打撃加振によって得られる現実のシステム入出力も適用可能にすると共に、現実の動的システムが安定であることが明確である場合に、安定システムに限定して同定することができるシステム同定装置を得ることができる。
実施の形態3.
本実施の形態では、インパルス応答に対応する情報が動的システムの周波数応答である場合について説明する。本実施の形態において、システム同定装置の全体構成を示すブロック線図は実施の形態1の図1と同一であり、ブロックハンケル行列Hklの特異値σと次元(i=1,2,3,…)の関係を示す概略図は実施の形態1の図3と同一であり、同定した線形離散時間システムの推定周波数応答と動的システムの実際の周波数応答との周波数領域における誤差2乗和ノルム||eni||と次元n(i=1,2,…,a)の関係を示す概略図は、実施の形態1の図5と同一である。また、本実施の形態において、システム次元決定部は実施の形態2の図8に示すシステム次元決定部4aと同一である。
図9は、本実施の形態のシステム同定装置において、動的システムの周波数応答を、当該システムのインパルス応答に変換する手順を示すブロック線図である。このとき、図9の逆フーリエ変換部61の出力である動的システムのインパルス応答が、図1の直達項同定部1及びブロックハンケル行列生成部2の入力となる。動的システムの周波数応答を入力とし、図9に示す逆フーリエ変換部61及び図1のシステム同定装置10からなるシステム同定装置を周波数応答によるシステム同定装置60とする。本実施の形態の周波数応答によるシステム同定装置60では、同定対象とする動的システムの周波数応答に基づいて、当該システムを記述する線形離散時間システムを同定する。この動的システムの周波数応答は、図9に示すように逆フーリエ変換部61によって逆フーリエ変換され、動的システムのインパルス応答として出力される。
インパルス応答に対応する情報が動的システムの周波数応答であり、周波数応答の逆フーリエ変換により対応するインパルス応答を出力する逆フーリエ変換部61を備え、同定対象とする動的システムの周波数応答及び探索範囲n=(n,n,…,n)(ただしn<n<…<n)を入力として、線形離散時間システムを同定する周波数応答によるシステム同定装置60は、動的システムの周波数応答から、当該システムを記述する線形離散時間システムを同定することが可能である。
次に、動作について説明する。同定対象とする動的システムは、1入力P出力のn次元線形離散時間システムとして上記の式(1)で記述できるとする。この動的システムの(複素)周波数応答H(kΔf)(k=0,1,2,…,N−1)が与えられた場合、図9に示す逆フーリエ変換部61によって下記の式(24)で逆フーリエ変換し、動的システムのインパルス応答g(jT)(j=0,1,2,…)を得る。
Figure 0006009106
ただし、サンプリング周期T=T/Nであり、サンプリング周波数fs=1/T=N/Tであり、周波数分解能Δf=1/Tであり、時刻t=jT=jT/Nであり、周波数f=kΔf=k/Tである。
本実施の形態では、動的システムの周波数応答H(kΔf)(k=0,1,2,…,N−1)に基づいて、上記の式(24)で得られた動的システムのインパルス応答g(jT)(j=0,1,2,…)を、システム同定装置10への入力とする。本実施の形態においては、図1に示すように、システム同定装置10では、上記の式(24)で得られた動的システムのインパルス応答g(jT)(j=0,1,2,…)を入力とし、直達項同定部1において動的システムを記述する上記の式(1)の線形離散時間システムの直達項Dを式(4)で同定すると共に、ブロックハンケル行列生成部2によって下記の式(25)で与えられるブロックハンケル行列Hklを生成する。
Figure 0006009106
次に、特異値分解部3によって、ブロックハンケル行列生成部2から出力されるブロックハンケル行列Hklを特異値分解し、上記の式(6)で与えられるブロックハンケル行列Hklの第1の直交行列U、第2の直交行列V及び特異値σ(i=1,2,3,…)を出力する。
システム次元決定部4aは、図8に示すように再帰的システム行列推定部31によって、作業者が指定したシステム次元の探索範囲n=(n,n,…,n)(ただしn<n<…<n)に属する次元nのそれぞれに関して、上記の式(9)〜(11)に示す再帰的手法によって対応するシステム行列Ad,ni,Bd,ni,Cd,niを同定する。
システム安定性評価部34は、作業者が指定したシステム次元の探索範囲n=(n,n,…,n)(ただしn<n<…<n)に属する次元nのそれぞれに対して、再帰的システム行列推定部31で同定したシステム行列Ad,niに基づいて、線形離散時間システムの安定性を上記の式(22)で評価する。
次に、システム特性推定部32において、システム安定性評価部34で安定システムと判断された次元に対して、再帰的システム行列推定部31から出力されるシステム行列Ad,ni,Bd,ni,Cd,ni及び直達項同定部1から出力される直達項Dに基づいて、線形離散時間システムの推定周波数応答H^ni(kΔf)(k=0,1,2,…,N−1)を算出する。
なお、本明細書中で、「H^ni」は「Hni」の上に「^(サーカムフレックス)」が配置された文字の代替表記である。
本実施の形態の周波数応答によるシステム同定装置60では、「周波数領域において実際の周波数応答に最も適合する」という前提の下、システム次元推定部33において最適なシステム次元nを決定する。具体的には、動的システムの実際の周波数応答H(kΔf)(k=0,1,2,…,N−1)に基づいて、例えば高ゲインかつ低周波領域に重みを持たせた下記の式(26)のような重み関数W(kΔf)(k=0,1,2,…,N−1)を決定し、システム特性推定部32から出力される線形離散時間システムの推定周波数応答H^ni(kΔf)と動的システムの実際の周波数応答H(kΔf)(図8における動的システムのシステム特性)との周波数領域における誤差2乗値に対して、重み関数W(kΔf)を乗じた値の加算値eni(n:安定システムとなる次元)を下記の式(27)で算出する。
Figure 0006009106
Figure 0006009106
この重み付き誤差2乗和ノルム||eni||を最小とする次元nが、「重み関数に応じて、周波数領域において実際の周波数応答に最も適合する」安定なシステム次元nとなる。ここでは、図5に示すように誤差2乗和ノルム分布41が、上記の式(13)で与えられる誤差2乗和ノルムしきい値42以下となる次元のうち、最小の次元をシステム次元nとして決定して出力する(図5の場合はシステム次元n=n)。
最後に、システム行列同定部5において、特異値分解部3から出力される第1の直交行列U、第2の直交行列V、及び特異値σ(i=1,2,3,…)と、システム次元決定部4aから出力されるシステム次元nに基づき、線形離散時間システムの直達項Dを除くシステム行列A,B,Cを、上記の式(14)で同定して、直達項同定部1で同定した直達項D及びシステム行列同定部5で同定したシステム行列A,B,Cを、動的システムを記述する線形離散時間システムとして出力する。
このように、本実施の形態の周波数応答によるシステム同定装置60により、現実の周波数応答をインパルス応答に変換し、当該インパルス応答から算出したブロックハンケル行列Hklの特異値σ(i=1,2,3,…)がなだらかな単調減少となり、有意な値を持つ特異値と同定において無視できる微小な値となる特異値との境界が不明確となる場合においても、システム次元nの決定から試行錯誤を排除し、現実の動的システムに対して周波数領域で重み関数に応じて一致度の高いシステム次元nの決定及び動的システムを記述する線形離散時間システムの同定が可能となる。
また、再帰的システム行列推定部31により、現実の動的システムに対して一致度の高いシステム次元nを決定するための演算量を低減することが可能となる。
更に逆フーリエ変換に基づいて、動的システムの周波数応答をインパルス応答に変換することで、動的システムの現実の周波数応答から、当該システムを記述する線形離散時間システムを正確に同定することが可能となる。
加えて、システム安定性評価部34により、現実の動的システムが安定システムであることが明確である場合に、安定システムに限定した線形離散時間システムの同定が可能となる。
なお、本実施の形態の周波数応答によるシステム同定装置60では、線形離散時間システムのシステム特性を推定周波数応答として算出し、当該周波数応答と動的システムの実際の周波数応答との周波数領域における重み付き誤差2乗和ノルム分布41が誤差2乗和ノルムしきい値42以下となる次元のうち、最小の次元をシステム次元nとして決定している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、線形離散時間システムのシステム特性を推定インパルス応答として算出し、当該インパルス応答と動的システムの周波数応答を逆フーリエ変換して得られる実際のインパルス応答との時間領域における誤差2乗和に基づいて、システム次元nを決定してもよい。
システム次元決定部4aが、探索範囲n=(n,n,…,n)(ただしn<n<…<n)に属する各次元に対して、線形離散時間システムのシステム特性を推定周波数応答として算出して出力するシステム特性推定部32と、システム特性推定部32から出力される線形離散時間システムの推定周波数応答とインパルス応答をフーリエ変換した実際の周波数応答との周波数領域における誤差2乗和ノルムがしきい値42以下となる次元のうち最小の次元をシステム次元として決定して出力するシステム次元推定部33と、を備えるシステム同定装置は、現実のインパルス応答から算出したブロックハンケル行列の特異値がなだらかな単調減少となり、有意な値を持つ特異値と無視できる微小な値となる特異値との境界が不明確となる場合においても、システム次元の決定から試行錯誤を排除し、現実の動的システムに対して周波数領域で一致度の高いシステム次元の決定と、動的システムを記述する線形離散時間システムの同定が可能となる。
システム次元推定部33が、フーリエ変換した実際の周波数応答に基づいて重み関数を決定し、システム特性推定部32から出力される線形離散時間システムの推定周波数応答と動的システムの実際の周波数応答との周波数領域における誤差2乗値に対して、重み関数を乗じた値の加算値を算出して、加算値のノルムがしきい値以下となる次元のうち最小の次元をシステム次元として決定して出力するシステム同定装置は、現実のインパルス応答から算出したブロックハンケル行列の特異値がなだらかな単調減少となり、有意な値を持つ特異値と無視できる微小な値となる特異値との境界が不明確となる場合においても、システム次元の決定から試行錯誤を排除し、現実の動的システムに対して周波数領域で重み関数に応じて一致度の高いシステム次元の決定と、動的システムを記述する線形離散時間システムの同定が可能となる。
実施の形態4.
本実施の形態では、同定対象とする動的システムがDCサーボモータである場合について説明する。
図10は、本発明にかかるシステム同定装置の実施の形態4の全体構成を示すブロック線図である。本実施の形態のシステム同定装置70は、DCサーボモータ71と、周波数応答変換部72と、周波数応答によるシステム同定装置60と、制御系またはフィルタパラメータ設計部73とを備える。周波数応答によるシステム同定装置60は、実施の形態3において図1及び図9を用いて説明したものと同一である。
本実施の形態では、DCサーボモータ71の入力電流[Arms]として、例えばサインスイープを入力し、これをシステム入力とする。また、角速度[rad/s]をシステム出力として取得する。システム入出力は、周波数応答変換部72により、周波数応答H(kΔf)に変換される。周波数応答変換部72は、例えばFFT(Fast Fourier Transform)などにより下記の式(28)に基づいて周波数応答を出力する。
Figure 0006009106
周波数応答によるシステム同定装置60は、この動的システムの周波数応答及びシステム次元の探索範囲を入力とし、DCサーボモータ71の入力電流[Arms]から角速度[rad/s]までの動的システムを記述する線形離散時間システムを同定して制御系またはフィルタパラメータ設計部73に出力する。このとき、システム次元の探索範囲は、ni=(1,2,…,50)のように、予測されるシステム次元に対して十分な幅をとって設定すればよい。
周波数応答によるシステム同定装置60では、現実の動的システムに対して一致度の高いシステム次元の決定と、動的システムを記述する線形離散時間システムの同定とを可能とするため、当該線形離散時間システムをサーボモータの制御系またはフィルタのパラメータ設計に利用することができる。
以上のように、本発明にかかるシステム同定装置は、インパルス応答によるシステム同定装置として有用である。
1 直達項同定部、2 ブロックハンケル行列生成部、3 特異値分解部、4,4a システム次元決定部、5 システム行列同定部、10,70 システム同定装置、11 システム入力、12 システム出力、13 システム入力しきい値、21 (理想的なインパルス応答における)特異値分布、22 (現実のインパルス応答における)特異値分布、31 再帰的システム行列推定部、32 システム特性推定部、33 システム次元推定部、34 システム安定性評価部、41 誤差2乗和ノルム分布、42 誤差2乗和ノルムしきい値、50 打撃加振によるシステム同定装置、51 システム入力印加時刻特定部、52 インパルス応答変換部、60 周波数応答によるシステム同定装置、61 逆フーリエ変換部、71 DCサーボモータ、72 周波数応答変換部、73 制御系またはフィルタパラメータ設計部。

Claims (10)

  1. 同定対象とする動的システムのインパルス応答を入力とするシステム同定装置であって、
    前記インパルス応答から前記動的システムを記述する線形離散時間システムの直達項を同定して出力する直達項同定部と、
    前記インパルス応答からブロックハンケル行列を生成して出力するブロックハンケル行列生成部と、
    前記ブロックハンケル行列生成部から出力される前記ブロックハンケル行列の特異値分解により、前記ブロックハンケル行列の左特異ベクトルを列ベクトルとする第1の直交行列、前記ブロックハンケル行列の右特異ベクトルを列ベクトルとする第2の直交行列及び前記ブロックハンケル行列の特異値を出力する特異値分解部と、
    前記第1の直交行列、前記第2の直交行列、前記特異値及び指定されたシステム次元の探索範囲に基づいて、当該探索範囲に属する各次元に対する前記線形離散時間システムのシステム行列のうち前記直達項以外のシステム行列を同定して、当該システム行列及び前記直達項に基づいて算出した前記線形離散時間システムのシステム特性と前記動的システムの実際のシステム特性との比較から、システム次元を決定して出力するシステム次元決定部と、
    前記第1の直交行列、前記第2の直交行列、前記特異値及び前記システム次元決定部から出力される前記システム次元に基づいて、前記線形離散時間システムのシステム行列のうち前記直達項以外のシステム行列を同定するシステム行列同定部と、を備え、
    前記直達項同定部で同定した前記直達項及び前記システム行列同定部で同定した前記システム行列を前記線形離散時間システムとして出力することを特徴とするシステム同定装置。
  2. 前記システム次元決定部が、
    前記探索範囲に属する各次元に対して、前記線形離散時間システムのシステム特性を推定インパルス応答として算出して出力するシステム特性推定部と、
    前記システム特性推定部から出力される前記線形離散時間システムの前記推定インパルス応答と前記動的システムの実際のインパルス応答との時間領域における誤差2乗和ノルムがしきい値以下となる次元のうち最小の次元をシステム次元として決定して出力するシステム次元推定部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム同定装置。
  3. 前記システム次元決定部が、
    前記探索範囲に属する各次元に対して、前記線形離散時間システムのシステム特性を推定周波数応答として算出して出力するシステム特性推定部と、
    前記システム特性推定部から出力される前記線形離散時間システムの推定周波数応答と前記インパルス応答をフーリエ変換した実際の周波数応答との周波数領域における誤差2乗和ノルムがしきい値以下となる次元のうち最小の次元をシステム次元として決定して出力するシステム次元推定部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム同定装置。
  4. 前記システム次元推定部が、
    前記フーリエ変換した前記実際の周波数応答に基づいて重み関数を決定し、
    前記システム特性推定部から出力される前記線形離散時間システムの推定周波数応答と前記動的システムの前記実際の周波数応答との周波数領域における誤差2乗値に対して、当該重み関数を乗じた値の加算値を算出して、当該加算値のノルムがしきい値以下となる次元のうち最小の次元をシステム次元として決定して出力することを特徴とする請求項3に記載のシステム同定装置。
  5. 前記しきい値は、誤差2乗和許容値と誤差2乗和ノルムの最小値の積により規定されることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載のシステム同定装置。
  6. 前記システム次元決定部が、
    前記探索範囲の中で第1の次元よりも1段階低い第2の次元に対応したシステム行列の同定結果と、前記第1の直交行列、前記第2の直交行列及び前記特異値からそれぞれ前記第2の次元よりも大きく前記第1の次元以下となる左特異ベクトル、右特異ベクトル及び特異値と、を用いて、再帰的手法により前記第1の次元に対応するシステム行列を同定する再帰的システム行列推定部を備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム同定装置。
  7. 前記インパルス応答に対応する情報が前記動的システムを打撃加振したときのシステム入力及びシステム出力であり、
    前記システム入力が有意な値を持つ複数の時刻を特定するシステム入力印加時刻特定部と、
    前記システム入力印加時刻特定部から出力される複数の時刻に対応するシステム入力の加算値をインパルス入力振幅とし、前記システム入力印加時刻特定部から出力される複数の時刻の最大値をインパルス入力印加時刻として、当該インパルス入力印加時刻以降のシステム出力を前記インパルス入力振幅で除した信号を前記インパルス応答として出力するインパルス応答変換部と、を備え、
    前記同定対象とする前記動的システムを打撃加振した場合のシステム入力及びシステム出力並びに前記探索範囲を入力として、前記線形離散時間システムを同定することを特徴とする請求項1に記載のシステム同定装置。
  8. 前記システム入力印加時刻特定部が、
    比率しきい値とシステム入力の最大値とを乗じた値をシステム入力しきい値とし、システム入力がシステム入力しきい値以上となる時刻を、システム入力が有意な値を持つ複数の時刻として特定することを特徴とする請求項7に記載のシステム同定装置。
  9. 前記インパルス応答に対応する情報が前記動的システムの周波数応答であり、
    前記周波数応答の逆フーリエ変換により対応するインパルス応答を出力する逆フーリエ変換部を備え、
    前記同定対象とする前記動的システムの周波数応答及び前記探索範囲を入力として、前記線形離散時間システムを同定することを特徴とする請求項1に記載のシステム同定装置。
  10. 前記システム次元決定部が、
    前記探索範囲に属する各次元に対して前記線形離散時間システムの安定性を評価するシステム安定性評価部を備え、
    安定システムとなる次元に対応する前記線形離散時間システムのシステム特性からシステム次元を決定することを特徴とする請求項1に記載のシステム同定装置。
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