本発明の第1の実施形態について図1を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施形態の水面の観測システムの構成の概要を示したものである。
第1の実施形態の水面の観測システムは送信ユニット10と、受信ユニット20と、サーバーユニット30と、端末ユニット40からなる。各ユニットは通信網50を介して接続されている。
送信ユニット10は、位置認識部11と、送受信部12と、投光部13と、制御部14と、記憶部15と、水位計測部16からなる。送信ユニット10とは観測のための信号を発信するユニットのことをいう。観測のための信号とは、例えば、本実施形態では投光部13から送出する光のことを指す。
位置認識部11は全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)を利用して、自ユニットの位置の認識を行い、位置情報の提供を行う。また、位置認識部11は地磁気センサーを備え電子コンパス機能を有しており、自ユニットがどの方位を向いているかを認識することができる。本実施形態の位置情報は経度と緯度の数値とする。位置情報はユニットの位置を特定できるものであれば他の形式でもよい。送受信部12は通信網50を介して他のユニットと通信信号の送受信を行う。投光部13は半導体レーザーまたはLED(Light Emitting Diode)などを備えており、観測のための信号の光を送出することができる。本実施形態ではより強い観測用の信号光を得やすい半導体レーザーを用いることにする。投光部13は水平方向および上下方向に駆動機構を備えている。また、垂直方向へも可動な駆動機構を備えている。これらの駆動機構により、投光部13が光を送出する方向は、水面との角度、水平方向で可変となっている。
制御部14は複数または単数のマイクロプロセッサーおよびメモリからなる。制御部14は位置認識部11に自ユニットの位置情報の取得、送受信部12への情報の送受信、投光部13へのレーザーの制御、記憶部15への情報の読み書き、水位計測部16へのデータ取得の指示等、送信ユニット10の制御全般を行う機能を有する。
記憶部15は半導体メモリやハードディスク等、または、その組み合わせからなり、自ユニットの位置情報、他ユニットから受信した情報、制御用のプログラムなどが記憶されている。水位計測部16は水面との距離を計測する水位計を備えている。水位計の例としては超音波方式があげられる。超音波方式の水位計は、超音波の発信部と受信部を備えており、水位計から発せられた超音波が水面で反射して戻ってくるまでの時間から、水面と水位計との距離を算出する。超音波方式は水面の異物等の影響を受けにくいため、水面の観測システムでの水位計測に適している。水位計としては光学式や接触式のものを用いることもある。
受信ユニット20は、位置認識部21と、送受信部22と、受光部23と、制御部24と、記憶部25と、水位計測部26からなる。受信ユニット20とは、観測のための信号を受信し、電気信号等へ変えて電子情報として提供できる機能を持ったユニットをいう。
位置認識部21は全地球測位システムを利用して、自ユニットの位置の認識を行い、位置情報を提供する。また、地磁気センサーによる電子コンパス機能を有しており、自ユニットの方位を認識することができる。送受信部22は通信網50を介して他のユニットと通信信号の送受信を行う。受光部23はフォトダイオードを備えており、送信ユニット10の投光部13から発せられた光を受光することができる。受光した光は受光部23において電気信号に変換され、電子情報として提供できる形にされる。受光方向は水面からの高さ、角度、水平方向で可変となっている。制御部24は複数または単数のマイクロプロセッサーおよびメモリからなる。制御部24は位置認識部21への自ユニットの位置情報の取得、送受信部22への情報の送受信、記憶部25の情報の読み書き、水位計測部26へのデータ取得の指示など自ユニットの制御全般を行う機能を有する。また、制御部24は受光部23から送られてくる測定データの処理を行う。記憶部25は半導体メモリやハードディスクおよびその組み合わせからなり、自ユニットの位置情報、他ユニットからの指示に関する情報、制御用のプログラムなどが記憶されている。水位計測部26は水面との距離を計測する水位計を備えている。本実施形態では送信ユニット10の水位計測部16で用いた水位計と同一の超音波式のものとする。水位計は他の方式のものを用いてもよい。
サーバーユニット30は制御部31、記憶部32、送受信部33からなる。サーバーユニット30はシステム全体に関わる情報の管理、制御等を行う。
制御部31は各ユニットから送受信部33が受信する情報の処理、および、各ユニットへの指示に関する情報の処理を行う。また、サーバーユニット30は記憶部32および送受信部33の制御を行う。記憶部32には各ユニットに関する情報や測定データが保存されている。送受信部33は通信網50を介して他のユニットとの通信を行う。サーバーユニット30は、水面の観測システム専用に設けても良いが、コンピューターシステムの一部分が、本観測システムに用いられていても良い。コンピューターシステムの一部分が用いられる際は、制御部31、記憶部32、送受信部33は他の用途向けと共用となることがある。
端末ユニット40は制御部41と、記憶部42と、表示部43と、操作部44と、送受信部45からなる。端末ユニット40は、利用者が水面の観測システムにアクセスし、操作や観測結果の閲覧等を行うのに用いられる。端末ユニット40の例としてはノートパソコン、デスクトップパソコン、携帯電話、スマートフォン、タブレット型パソコン、携帯情報端末などの情報端末があげられ、いずれも外部機器との通信機能を有したものである。
制御部41は他ユニットから送られてきた情報や操作メニューの表示部43への表示、端末ユニット40の各部の制御などを行う。記憶部42には端末の制御プログラムや他のユニットから送られてきた観測結果等の情報が保存される。記憶部42には他のユニットの操作用のプログラムが保存されていることもある。他ユニットの操作用のプログラムは観測を行う毎に、サーバーユニット30等から提供される方法としてもよい。表示部43は他ユニットから送られてきたデータや操作メニューなどを表示する機能を有する。操作部44はキーボードやマウスなどの入力装置で構成される。操作部44は独立には設けられずにタッチパネル方式で表示部43と一体となっていることがある。送受信部45は通信網50を介して他のユニットとの通信を行う。
各ユニット間の通信は通信網50を介して行われる。各ユニットから基地局までの通信は無線方式により行っている。例えば、第3.5世代通信システムであるHSPA(High Speed Packet Access) 規格に従った通信やLTE(Long Term Evolution)方式などを用いる。基地局間は無線方式や光通信等の有線方式、また、その組み合わせにより通信回線が構築されている。
送信ユニット10や受信ユニット20には駆動のための電源が搭載されている。電源には蓄電池、燃料電池、太陽光発電パネルなどが用いられる。また、電源は1種類ではなく複数の組み合わせのことがある。
第1の実施形態の水面の観測システムにおいて、水面の状態の観測が行われる際の動作について図2と図3を参照しながら説明する。図2と図3は水面の観測の際のフローの概略を示したものである。
送信ユニット10および受信ユニット20が水面60の上に浮いている。作業者が端末ユニット40の操作部44から水面の状況の観測の開始を選択したとする(ステップ101)。端末ユニット40の制御部41は操作部44において観測の開始が選択されたことを検知すると、送受信部45から通信網50を介して、サーバーユニット30へ、観測の開始の情報を送信する(ステップ102)。サーバーユニット30は観測の開始の情報を通信網50を介して送受信部33で受信する。サーバーユニット30の制御部31は送信ユニット10および受信ユニット20に対して位置情報を要求する指示を送受信部33から送る(ステップ103)。
送信ユニット10は通信網50を介して位置情報の要求を送受信部12で受ける。送信ユニット10の制御部14は位置認識部11に対して、自ユニットの位置情報の確認を要求する。位置認識部11は自ユニットの位置を確認すると(ステップ104)、位置情報を制御部14へと伝達する。位置情報を受け取った制御部14は送受信部11からサーバーユニット30へ位置情報を送信する(ステップ105)。受信ユニット20は通信網50を介してサーバーユニット30からの位置情報の要求を送受信部22で受ける。受信ユニット20の制御部24は位置認識部21に対して、自ユニットの位置情報の確認を要求する。位置認識部21は自ユニットの位置を確認すると(ステップ106)、位置情報を制御部24へと伝達する。位置情報は送信ユニット10で扱われるものと同一形式であり、本実施形態では緯度と経度とする。位置情報を受け取った制御部24は送受信部21からサーバーユニット30へ位置情報を送信する(ステップ107)。
サーバーユニット30で送受信部33が通信網50を介して、送信ユニット10および受信ユニット20の各々の位置情報を受信する。制御部31は受信した送信ユニット10および受信ユニット20の位置情報を記憶部32に保存する。制御部31は送信ユニット10と受信ユニット20の位置情報から、送信ユニット10と受信ユニット20の位置と観測地点の距離を計算する。観測地点はあらかじめ設定されて記憶部32に保存されているか、作業者により端末ユニット40で入力された地点が記憶部32に保存されている。例えば、観測地点は送信ユニット10と受信ユニット20の中間地点とする。制御部31は観測地点と送信ユニット10の距離から投光部13の角度、高さ、方向について決定し、記憶部32に保存する。次に制御部31は観測地点と受信ユニット20の距離から受光部23の角度、高さ、方向についても決定し、記憶部32に記憶する(ステップ108)。制御部31は記憶部32に保存した、投光部13の角度、高さ、方向に関する情報を、送受信部33から送信ユニット10に対して送信する。また、制御部31は記憶部32に保存した、受光部23の角度、高さ、方向に関する情報を、送受信部33から受信ユニット20に対して送信する(ステップ109)。
送信ユニット10の送受信部12は、通信網50を介して投光部13の角度、高さ、方向に関する情報を受信する。制御部14は受信した、投光部13の角度、高さ、方向に関する情報を、記憶部15に保存する。制御部14は記憶した、投光部13の角度、高さ、方向に関する情報を基づいて、投光部13を制御して情報の通りに設定する。設定が終わると、制御部14は投光部13に対してレーザーを発光させる(ステップ110)。
受信ユニット20の送受信部22は、通信網50を介して受光部23の角度、高さ、方向に関する情報を受信する。制御部24は受信した、受光部23の角度、高さ、方向に関する情報を、記憶部25に保存する。制御部24は記憶した、受光部23の角度、高さ、方向に関する情報に基づいて、受光部23を制御して情報の通りに設定する。設定が終わると、制御部24は受光部23に対して、受光の開始をさせる(ステップ111)。送信ユニット10の投光部13からの光を、受信ユニット20の受光部23が受光する(ステップ112)。受光部23は検出した光を電気信号に変え、制御部24は電気信号から光の強度を求めて、記憶部25に保存する。制御部24は記憶部25に光の強度を保存すると、光の強度を送受信部22からサーバーユニット30へと送信する(ステップ113)。
サーバーユニット30の送受信部33は、通信網50を介して、受光ユニット20で受光した光の強度の情報を受信する(ステップ114)。制御部31は光の強度を記憶部32に保存する。制御部31は光の強度と、水面に何も無い通常時の光の強度を比較し、異なる場合は異物が水面にあると判定する(ステップ115)。通常時の光の強度は、投光部と受光部の距離、角度、高さに応じたデータテーブルとして記憶部32に保存されている。制御部31は観測結果を記憶部32に、観測日時、測定地点の位置情報とともに保存する。
サーバーユニット30の制御部31は記憶部32に観測日時、観測地点、観測結果の情報を保存すると、端末ユニット40に対して、記憶部32に保存した観測日時、観測地点、観測結果の情報を送信する(ステップ116)。端末ユニット40の送受信部45は通信網50を介して観測日時、観測地点、観測結果の情報を受信する。制御部41は記憶部42に観測日時、観測地点、観測結果の情報を保存するとともに(ステップ117)、表示部43に観測日時、観測地点、観測結果の情報を表示する(ステップ118)。
サーバーユニット30の制御部31は記憶部32への観測結果等の保存を終えると、送受信部32から、送信ユニット10および受信ユニット20に対して観測が終了した信号を送信する(ステップ119)。送信ユニット10は通信網50を介して、送受信部12で観測が終了した信号を受信する(ステップ120)。制御部14は投光部13を制御して、レーザー光の送出を停止させる(ステップ121)。受信ユニット20は通信網50を介して、送受信部22で観測が終了した信号を受信する(ステップ122)。制御部24は受光部23を制御して、受光を終了する(ステップ123)。以上で、水面の観測は終了となる。
本実施形態における投光部13と受光部23の高さおよび角度の決定方法の例について図4を用いて説明する。図4は投光部13からレーザー光96が水面60で反射し、その反射光97が受光部23に到達するまでの概略を示したものである。
観測地点91を地点M、投光部13のレーザーの送出部94をL、受光部23の受光面95をDとする。レーザーの送出部94であるLの箇所を水面60に投影した地点92を地点A、受光部23の受光面95であるDの箇所を水面60に投影した地点93を地点Bとする。レーザー光96の光軸に沿ったLMと水面60に沿ったAMのなす角度98をTAとする。また、観測地点91の地点Mで水面60から反射した反射光97に沿ったMLと水面60に沿ったMBのなす角度99をTBとする。MLと受光部95の受光軸は平行であるとする。受光軸とは受光面95に垂直な方向のことをいう。レーザーの送出部Lと地点Aの間の高さをLA、受光センサーDと地点Bの間の高さをDBとする。また、本実施形態の送信ユニット10および受光ユニット20では、投光部13および受光部23の稼動できる高さの最大値はともにHまでと仕様で決まっているとする。
観測地点の地点Mが決定されるとすると、角度TAおよびTBと、高さLAおよびDBは次のように決まる。
地点Mが地点Aと地点Bの中間地点より地点Aよりのときは、高さDBを高さHとする。
このとき角度TBはH=MB×tanTBを満たすように求められる。次に水面60へ入射するレーザー光96と、水面で反射した反射光97が各々水面60となす角度が等しいと仮定する。この仮定によりTA=TBが成り立つものとする。このとき、高さLAはLA=AM×tanTA=AM×tanTBから求めることができる。
地点Mが地点Aと地点Bの中間点であるとき、すなわちAMとMBが等しいとき、高さLA、高さDBはともに高さHとして設定する。また、角度TAおよびTBが等しいと仮定する。このとき、H=AM×tanTAまたはH=MB×tanTBを満たすように角度TAまたはTBが求められる。
地点Mが地点Aと地点Bの中間地点より地点Bよりのときは、高さLAを高さHとする。
このとき角度TAはH=AM×tanTAを満たすように求められる。TA=TBが成り立つと仮定し、高さLBはLB=MB×tanTB=MB×tanTAから求められる。
実際の観測時、各々ユニット内での投光部13と受光部23の高さは、水面60からの高さが上記で計算した高さになるように、水位計の計測結果を基に補正された値となる。また、投光部13と受光部23は、上記で求めた角度でレーザー光96の送信、反射光97の受信が出来る角度に設定される。
上記の第1の実施形態において、観測日時、観測地点、観測結果の情報の情報をサーバーユニット30から端末ユニット40へ自動的に送信したが、観測終了の情報のみが送信される形でもよい。その場合は、端末ユニット40から観測結果の要求がされたときに、観測日時、観測地点、観測結果の情報がサーバーユニット30から送信される。
また、サーバーユニット30の制御部31が投光部13や受光部23の角度、高さ、方向を決定するのではなく、サーバーユニットからは観測地点の位置情報が、送信ユニット10および受信ユニット20に送られる形としてもよい。この場合、サーバーユニット30は送信ユニット10および受信ユニット20に対して相手のユニットの位置情報も送る。送信ユニット10の制御部15は、観測地点までの距離と、自ユニットの位置情報と、受信ユニット20の位置情報と、水面からの距離を基に投光部13の角度、高さ、方向を決定する。受信ユニット20の受光部23の角度、高さ、方向は、制御部24が観測地点までの距離と、自ユニットの位置情報と、送信ユニット10の位置情報と、水面からの距離基に決定する。
本実施形態では端末ユニット40で開始の設定がされる形を示したが、あらかじめ開始時間等が設定されていて、設定に基づいて自動的に開始される形としてもよい。
第1の実施形態の水面の観測システムを用いると、送信ユニットと観測ユニットの間の地点で観測が可能となり、広い範囲での観測を行うことができ利便性と効率が向上する。また、観測データの閲覧や観測時の操作を離れた場所で行うことができ利便性と効率が向上する。
次に本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、1箇所の観測地点のみであったが、第2の実施形態では複数の地点での観測を行う。第2の実施形態の水面の観測システムの構成は、図1に概要が示された第1の実施形態と同一である。第2の実施形態の水面の観測システムにおいて、水面の状態の確認が行われる際の動作について図5と図6と図7を参照しながら説明する。図5と図6と図7は水面の観測の際のフローの概略を示したものである。
送信ユニット10および受信ユニット20が水面60の上に浮いている。作業者が端末ユニット40の操作部44から水面の状況を観測する観測点の数を入力し(ステップ131)、観測開始を選択したとする。端末ユニット40の制御部41は操作部44において観測の開始が選択されたことを検知すると、送受信部45から通信網50を介して、サーバーユニット30へ、観測地点数と観測の開始の情報を送信する(ステップ132)。サーバーユニット30は観測地点数と観測開始の情報を、通信網50を介して送受信部33で受信する。サーバーユニット30の制御部31は送信ユニット10および受信ユニット20に対して位置情報を要求する指示を送受信部33から送る(ステップ133)。
送信ユニット10は通信網50を介して位置情報の要求を送受信部12で受ける。送信ユニット10の制御部14は位置認識部11に対して、自ユニットの位置情報の確認を要求する。位置認識部11は自ユニットの位置を確認すると、位置情報を制御部14へと伝達する(ステップ134)。位置情報を受け取った制御部14は送受信部11からサーバーユニット30へ位置情報を送信する(ステップ135)。受信ユニット20は通信網50を介してサーバーユニット30からの位置情報の要求を送受信部22で受ける。受信ユニット20の制御部24は位置認識部21に対して、自ユニットの位置情報の確認を要求する。位置認識部21は自ユニットの位置を確認すると、位置情報を制御部24へと伝達する(ステップ136)。位置情報を受け取った制御部24は送受信部21からサーバーユニット30へ位置情報を送信する(ステップ137)。
サーバーユニット30の送受信部33が通信網50を介して、送信ユニット10および受信ユニット20の各々の位置情報を受信する。制御部31は受信した送信ユニット10および受信ユニット20の位置情報を記憶部32に保存する。制御部31は送信ユニット10と受信ユニット20の位置情報から、送信ユニット10と受信ユニット20の位置との距離を計算する。制御部31は開始時に入力された観測点の数を基に、観測地点を決定する。例えば、送信ユニット10と受信ユニット20の間に等間隔で入力された数の観測地点が並ぶように設定する。制御部31は各々の観測地点と送信ユニット10の距離から投光部13の角度、高さ、方向について決定し、記憶部32に保存する。また、制御部31は観測地点と受信ユニット20の距離から受光部23の角度、高さ、方向についても決定し、記憶部32に記憶する(ステップ138)。制御部31は記憶部32に保存した、観測地点ごとの投光部13の角度、高さ、方向に関する情報を、送受信部33から送信ユニット10に対して送信する。また、制御部31は記憶部32に保存した、観測地点ごとの受光部23の角度、高さ、方向に関する情報を、送受信部33から受信ユニット20に対して送信する(ステップ139)。
送信ユニット10の送受信部12は、通信網50を介して観測地点ごとの投光部13の角度、高さ、方向に関する情報を受信する。制御部14は受信した、観測地点ごとの投光部13の角度、高さ、方向に関する情報を、記憶部15に保存する(ステップ140)。受信ユニット20の送受信部22は、通信網50を介して、観測地点ごとの受光部23の角度、高さ、方向に関する情報を受信する。制御部24は受信した、観測地点ごとの受光部23の角度、高さ、方向に関する情報を、記憶部25に保存する(ステップ141)。サーバーユニット30の制御部31は記憶部32に保存した観測地点のうち、1つの地点について観測する指示を該当する観測地点の情報とともに、送信部33から送信ユニット10および受信ユニット20へ送信する(ステップ142)。観測地点の情報としては、観測地点ごとの角度、高さ、方向に関する情報に関連づけられた番号または位置情報など個別の観測地点を特定できる情報が使われる。
送信ユニット10の送受信部12が通信網50を介して、サーバーユニット30から観測の指示情報を受信する(ステップ143)。制御部14は記憶した、投光部13の角度、高さ、方向に関する情報のうち、指示を受けた該当地点の投光部13の角度、高さ、方向情報に基づいて、投光部13を制御して情報の通りに設定する。設定が終わると、制御部14は投光部13に対してレーザーを発光させる(ステップ144)。受信ユニット20の送受信部22が通信網50を介して、サーバーユニット30から観測の指示情報を受信する(ステップ145)。制御部24は記憶した、受光部23の角度、高さ、方向に関する情報のうち、指示を受けた該当地点の情報に基づいて、受光部23を制御して情報の通りに設定する。設定が終わると、制御部24は受光部23に対して、受光を開始させる(ステップ146)。送信ユニット10の投光部13からの光を、受信ユニット20の受光部23が受光する(ステップ147)。受光部23は検出した光を電気信号に変え、制御部24は電気信号から光の強度を求めて、記憶部25に保存する。制御部24は記憶部25への保存が終わると、記憶部25に保存した光の強度を、送受信部22からサーバーユニット30へと送信する(ステップ148)。
サーバーユニット30の送受信部33は、通信網50を介して、受光ユニット20で受光した光の強度の情報を受信する(ステップ149)。制御部31は光の強度を記憶部32に保存する。制御部31は光の強度と、水面に何も無い通常時の光の強度を比較し、異なる場合は異物が水面にあると判定する。通常時の光の強度は、投光部と受光部の距離、角度、高さに応じたデータテーブルとして記憶部32に保存されている。制御部31は観測結果を記憶部32に、観測日時、測定地点の位置情報とともに保存する(ステップ150)。
まだ、測定していない観測地点が存在する場合(ステップ151)は、ステップ140に戻り、制御部31は送受信部32から、1つの地点の観測指示を送信ユニット10および受信ユニット20に送信し、上記の動作を繰り返す。ステップ151において、全ての観測地点の観測を終えている場合は、ステップ152へと進む。
サーバーユニット30の制御部31は端末ユニット40に対して、記憶部32に保存した観測日時、観測地点、観測結果の情報を送信する(ステップ152)。端末ユニット40の送受信部45は通信網50を介して観測日時、観測地点、観測結果の情報を受信する。制御部41は記憶部42に観測日時、観測地点、観測結果の情報を保存するとともに(ステップ153)、表示部43に観測日時、観測地点、観測結果の情報を表示する(ステップ154)。
サーバーユニット30の制御部31は、端末ユニット40への観測結果等の送信を終えると、送受信部32から、送信ユニット10および受信ユニット20に対して観測が終了した信号を送信する(ステップ155)。送信ユニット10は通信網50を介して、送受信部12で観測が終了した信号を受信する(ステップ156)。制御部14は投光部13を制御して、レーザー光の送出を停止する(ステップ157)。受信ユニット20は通信網50を介して、送受信部22で観測が終了した信号を受信する(ステップ158)。制御部24は受光部23を制御して、受光を終了する(ステップ159)。以上で、水面の観測は終了となる。
サーバーユニット30から端末ユニット40への観測結果の情報の送信は、観測地点1箇所について観測が終わるごとに行われてもよい。また、多数の観測地点がある場合には、3地点の観測が終了するごとのように、複数地点の観測が終了するごとに送信されるような設定としてもよい。
第2の実施形態の水面の観測システムを用いると、送信ユニットと観測ユニットの間の地点で観測地点を選択して実施することが可能であり、広い範囲での観測をより自由に実施することが可能である。その結果、利便性や観測の効率が向上している。また、観測データの閲覧や観測時の操作を離れた場所で行うことができ利便性や効率が向上している。
次に本発明の第3の実施形態について図8を参照しながら説明する。図8は第3の実施形態における水面の観測システムの構成の概略を示したものである。第3の実施形態の水面の観測システムは、サーバーユニットを持たず端末装置が各ユニットの制御を行う。
本実施形態における水面の観測システムは送信ユニット10と、受信ユニット20と、端末ユニット40からなる。各ユニットは通信網50を介して接続されている。
送信ユニット10は、位置認識部11と、送受信部12と、投光部13と、制御部14と、記憶部15と、水位計測部16からなる。位置認識部11、送受信部12、投光部13、記憶部15、水位計測部16は第1の実施形態と同一の構成、機能となっている。
制御部14は位置認識部11に自ユニットの位置情報の取得、送受信部12への情報の送受信、投光部13へのレーザーの制御、記憶部15の情報の読み書き、水位計測部16へのデータ取得の指示等、送信ユニット10の制御全般を行う機能を有する。また、端末ユニット40から受ける、観測地点の位置情報に基づいて、投光部13の高さ、角度、方向を決定し、投光部13を制御する機能を有する。
受信ユニット20は、位置認識部21と、送受信部22と、受光部23と、制御部24と、記憶部25と、水位計測部26からなる。位置認識部21、送受信部22、受光部23、記憶部25、水位計測部26は第1の実施形態と同一の構成、機能となっている。
制御部24は位置認識部21に自ユニットの位置情報の取得、送受信部22への情報の送受信、受光部23への制御、記憶部25の情報の読み書き、水位計測部26へのデータ取得の指示等、受信ユニット20の制御全般を行う機能を有する。また、端末ユニット40から受ける、観測地点の位置情報に基づいて、受光部23の高さ、角度、方向を決定し、投光部23を制御する機能を有する。
端末ユニット40は制御部41と、記憶部42と、表示部43と、操作部44と、送受信部45からなる。
制御部41は他ユニットから送られてきた情報や操作メニューの表示部43への表示などや端末ユニット40の各部の制御を行う。また、制御部は観測地点の決定、他のユニットへ観測の指示、観測に関する各情報の処理を行う機能を有する。記憶部42には端末ユニット40および他のユニットの操作プログラム、他のユニットから送られてきた情報、観測結果などが保存されている。表示部43は操作メニューや観測結果などを表示する機能を有する。操作部44はキーボードやマウスなどの入力装置で構成される。操作部44は独立には設けられずにタッチパネル方式で表示部43と一体となっていることがある。送受信部45は通信網50を介して他のユニットとの通信を行う。
各ユニット間の通信は無線方式で行う。例えば、第3.5世代通信システムであるHSPA規格に従った通信やLTE方式を用いる。
第3の実施形態の水面の観測システムにおいて、水面の観測が行われる際の動作について図9と図10と図11を参照しながら説明する。図9と図10と図11は第3の実施形態において、水面を観測する際のフローの概略を示している。
送信ユニット10および受信ユニット20が水面60の上に浮いている。作業者が端末ユニット40の操作部44から水面の状況を観測する観測点の数を入力し(ステップ161)、観測開始を選択したとする。端末ユニット40の制御部41は操作部44において観測の開始が選択されたことを検知すると、送受信部45から通信網50を介して、送信ユニット10および受信ユニット20に対して位置情報を要求する指示を送受信部45から送る(ステップ162)。
送信ユニット10は通信網50を介して位置情報の要求を送受信部12で受ける。送信ユニット10の制御部14は位置認識部11に対して、自ユニットの位置情報の確認を要求する。位置認識部11は自ユニットの位置を確認すると、位置情報を制御部14へと伝達する。位置情報を受け取った制御部14は送受信部11から端末ユニット40へ位置情報を送信する(ステップ164)。受信ユニット20は通信網50を介して端末ユニット40からの位置情報の要求を送受信部22で受ける。受信ユニット20の制御部24は位置認識部21に対して、自ユニットの位置情報の確認を要求する。位置認識部21は自ユニットの位置を確認すると、位置情報を制御部24へと伝達する。位置情報を受け取った制御部24は送受信部21から端末ユニット40へ位置情報を送信する(ステップ164)。
端末ユニット40の送受信部45が通信網50を介して、送信ユニット10および受信ユニット20の各々の位置情報を受信する。制御部41は受信した送信ユニット10および受信ユニット20の位置情報を記憶部42に保存する。制御部41は送信ユニット10と受信ユニット20の位置情報から、送信ユニット10と受信ユニット20の位置との距離を計算する。制御部41は開始時に入力された観測点の数を基に、観測地点を決定する。例えば、送信ユニット10と受信ユニット20の間に等間隔で入力された数の観測地点が並ぶように設定する。制御部41は決定した、観測地点の位置情報を記憶部42に保存する(ステップ165)。
端末ユニット40の制御部41は送信ユニット10に対して、観測地点の位置情報と受信ユニット20の位置情報を、送受信部45から送信する。また、制御部41は受信ユニット20に対して、観測地点の位置情報と、送信ユニット10の位置情報を、送受信部45から送信する(ステップ166)。送信ユニット10の送受信部12は、通信網50を介して観測地点の位置情報と受信ユニット20の位置情報を受信する。制御部14は受信した、観測地点の位置情報と受信ユニット20の位置情報を記憶部15に保存する(ステップ167)。受信ユニット20の送受信部22は、通信網50を介して観測地点の位置情報と送信ユニット10の位置情報を受信する。制御部24は受信した、観測地点の位置情報と送信ユニット10の位置情報を記憶部25に保存する(ステップ168)。
端末ユニット40の制御部41は、送信ユニット10および受信ユニット20に対し、観測地点のうち1地点の位置情報とともに観測を開始する指示を、送受信部45から送信する(ステップ169)。送信ユニット10は送受信部12で、観測開始の指示と観測地点の位置情報を受信する(ステップ170)。制御部14は、観測地点の位置情報、受信ユニット20の位置情報、自ユニットの位置情報から、投光部13の高さ、角度、方向を決定する(ステップ171)。投光部13の高さ、角度、方向の決定方法は、第1の実施形態に記載した方法とする。この場合、受信ユニット20側の受光部23の設定可能な高さは記憶部15に保存されている。制御部14は決定した投光部13の高さ、角度、方向の情報を記憶部15に保存する。制御部14は決定した高さ、角度、方向に基づいて、投光部13を制御し、決定した高さ、角度、方向に投光部13を制御し、レーザー光を送出させる(ステップ172)。受信ユニット20の送受信部22は、観測開始の指示と観測地点の位置情報を受信する(ステップ173)。制御部24は、観測地点の位置情報、送信ユニット10の位置情報、自ユニットの位置情報から、受光部23の高さ、角度、方向を決定する(ステップ174)。受光部23の高さ、角度、方向の決定方法は、第1の実施形態に記載した方法とする。この場合、送信ユニット10側の投光部13の設定可能な高さは既に記憶部25に保存されている。制御部24はした受光部23の高さ、角度、方向を記憶部25に保存する。制御部24は決定した高さ、角度、方向に基づいて、受光部23を制御し、決定した高さ、角度、方向に受光部23を制御し、受光を開始させる(ステップ175)。送信ユニット10の投光部13からの光を、受信ユニット20の受光部23が受光する(ステップ176)。受光部23は検出した光を電気信号に変え、制御部24は電気信号から光の強度を求めて、記憶部25に保存する。制御部24は記憶部25に光の強度を保存し終わると、光の強度を送受信部22から端末ユニット40へと送信する(ステップ177)。
端末ユニット40の送受信部45は、通信網50を介して、受光ユニット20で受光した光の強度の情報を受信する(ステップ178)。制御部41は受信した光の強度を記憶部42に保存する。制御部41は受信した光の強度と、水面に何も無い通常時の光の強度を比較し、異なる場合は異物が水面にあると判定する。通常時の光の強度は、投光部と受光部の距離、角度、高さに応じたデータテーブルとして記憶部42に保存されている。制御部41は送信ユニット10および受信ユニット20の位置情報と、観測指示を出した地点の位置情報を基に、データテーブルから該当データを検出して、測定結果と比較して判定する。制御部41は観測結果を記憶部42に、観測日時、測定地点の位置情報とともに保存する(ステップ179)。
まだ、測定していない観測地点がある場合は(ステップ180)、ステップ169に戻り、制御部41は送受信部45から、観測の終わっていない中の1つの地点について観測を開始し、上記の動作を繰り返す。全ての観測地点の観測を終えている場合は、次のステップ181に進む。
端末ユニット40の制御部41は、観測日時、観測地点、観測結果の情報を記憶部42に保存する(ステップ181)。制御部41は、観測日時、観測地点、観測結果の情報を、表示部43に表示する(ステップ182)。制御部41は送受信部45から、送信ユニット10および受信ユニット20に対して観測が終了した信号を送信する(ステップ183)。送信ユニット10は通信網50を介して、送受信部12で観測が終了した信号を受信する(ステップ184)。制御部14は投光部13を制御して、レーザー光の送出を停止する(ステップ185)。受信ユニット20は通信網50を介して、送受信部22で観測が終了した信号を受信する(ステップ186)。制御部24は受光部23を制御して、受光を終了する(ステップ187)。以上で、水面の観測は終了となる。
観測結果の表示は観測が全て終わってからではなく、1箇所の測定地点の観測が終わるごとでもよい。また、観測地点が多数ある場合は、複数の地点が終わるごとでもよい。全ての観測が終わってから観測結果が表示される方法であっても、途中で観測結果の表示を要求された場合には、既に終了している地点の観測結果が表示される形にしてもよい。
第3の実施形態の水面の観測システムを用いると、送信ユニットと観測ユニットの間の地点で観測地点を選択して実施することが可能であり、広い範囲での観測をより自由に実施することが可能である。その結果、利便性や観測の効率が向上している。また、観測データの閲覧や観測時の操作を離れた場所で行うことができ利便性が向上している。サーバーユニットを必要としないため、システム構築が容易となる。
本発明の第4の実施形態について図12を参照して詳細に説明する。図12は第4の実施形態における構成の概要を示している。第4の実施形態の水面の観測システムは、動力機構を有しており、送信ユニットと受信ユニットが位置を変えることができるため、より広範囲の測定が可能となっている。
本実施形態の水面の観測システムは送信ユニット10と、受信ユニット20と、サーバーユニット30と、端末ユニット40からなる。各ユニットは通信網50を介して接続されている。
送信ユニット10は、位置認識部11と、送受信部12と、投光部13と、制御部14と、記憶部15と、水位計測部16と、動力部17からなる。位置認識部11と、送受信部12と、投光部13と、記憶部15と、水位計測部16の構成、機能は第1の実施形態の送信ユニット10に関する記載と同一である。
制御部14は位置認識部11に自ユニットの位置情報の取得、送受信部12への情報の送受信、投光部13へのレーザーの制御、記憶部15の情報の読み書き、水位計測部16へのデータ取得の指示、動力部17の制御など自ユニットの制御全般を行う機能を有する。動力部17は、スクリューを備えており、送信ユニット10は自力で移動できる。また、回転方向の制御も可能である。
受信ユニット20は、位置認識部21と、送受信部22と、受光部23と、制御部24と、記憶部25と、水位計測部26と、動力部27からなる。位置認識部21と、送受信部22と、受光部23と、記憶部25と、水位計測部26の構成、機能は第1の実施形態の記載受光ユニット20に関する記載と同一である。
制御部24は位置認識部21に自ユニットの位置情報の取得、送受信部22への情報の送受信、受光部23への受光センサーの制御、記憶部25の情報の読み書き、水位計測部26へのデータ取得、動力部27の制御など自ユニットの制御全般を行う機能を有する。動力部27は、スクリューを備えており、受信ユニット20は自力で移動できる。また、回転方向の制御も可能である。
また、サーバーユニット30、端末ユニット40、通信網50の構成や機能については第1の実施形態の記載と同一である。
送信ユニット10や受信ユニット20には駆動のための電源が搭載されている。電源には蓄電池、燃料電池、太陽光発電パネルなどが用いられる。また、電源は1種類ではなく複数の組み合わせのことがある。
第4の実施形態の水面の観測システムにおいて、水面の観測が行われる際の動作について図13と図14と図15を参照して説明する。図13と図14と図15は第4の実施形態において、水面の観測を行う際のフローの概略を示している。
送信ユニット10および受信ユニット20が水面60の上に浮いている。作業者が端末ユニット40の操作部44で観測開始を選択したとする(ステップ191)。端末ユニット40の制御部41は操作部44において観測の開始が選択されたことを検知すると、送受信部45から通信網50を介して、サーバーユニット30へ、観測の開始の情報を送信する(ステップ192)。サーバーユニット30は観測の開始の情報を通信網50を介して送受信部33で受信する。サーバーユニット30の制御部31は送信ユニット10および受信ユニット20に対して位置情報を要求する指示を送受信部33から送る(ステップ193)。
送信ユニット10は通信網50を介して位置情報の要求を送受信部12で受ける。送信ユニット10の制御部14は位置認識部11に対して、自ユニットの位置情報の確認を要求する。位置認識部11は自ユニットの位置を確認すると、位置情報を制御部14へと返す。位置情報を受け取った制御部14は送受信部11からサーバーユニット30へ位置情報を送信する(ステップ194)。
受信ユニット20は通信網50を介してサーバーユニット30からの位置情報の要求を送受信部22で受ける。受信ユニット20の制御部24は位置認識部21に対して、自ユニットの位置情報の確認を要求する。位置認識部21は自ユニットの位置を確認すると、位置情報を制御部24へと返す。位置情報を受け取った制御部24は送受信部21からサーバーユニット30へ位置情報を送信する(ステップ195)。
サーバーユニット30で送受信部33が通信網50を介して、送信ユニット10および受信ユニット20の各々の位置情報を受信する。制御部31は受信した送信ユニット10および受信ユニット20の位置情報を記憶部32に保存する。制御部31は送信ユニット10と受信ユニット20の現在の位置情報から、観測可能な範囲の判断を行い、判断結果を記憶部32に保存する。サーバーユニット30の制御部31は、端末ユニット40に対して観測可能な範囲に関する情報を送受信部33から送信する(ステップ196)。観測可能な範囲とは、送信ユニット10および受信ユニット20が現在位置から移動することにより観測可能となる範囲を含む。
端末ユニット40の送受信部45は、通信網50を介して、観測可能な範囲に関する情報を受信する。制御部41は記憶部42に観測可能な範囲に関する情報を保存するとともに、表示部43に観測可能な範囲を表示する。作業者が操作部44で複数または1つの測定地点を選択すると(ステップ197)、制御部41は選択された測定地点の位置情報を記憶部42に保存する。制御部41は、サーバーユニット30に対して選択された観測地点の位置情報を送受信部45から送信する(ステップ198)。
サーバーユニット30の送受信部33は通信網50を介して観測地点の位置情報を受信する。制御部31は観測地点の位置情報を記憶部32に保存する。制御部31は観測点ごとの送信ユニット10および受信ユニット20の位置を決定し、観測地点の位置情報に関連づけて記憶部32に保存する。また、制御部31は観測地点ごとに受信ユニット10の投光部13および受信ユニット20の受光部23の高さ、角度、方向を決定し、記憶部32に観測地点の位置情報等と関連づけて保存する。異なる観測地点でも、送信ユニット10と受信ユニット20の両方のユニットの位置、またはどちらか一方のユニットの位置が変わらないことがある。制御部31は記憶部32に保存した、観測地点ごとの送信ユニット10の位置情報と投光部13の角度、高さ、方向に関する情報を、送受信部33から送信ユニット10に対して送信する。また、制御部31は記憶部32に保存した、観測地点ごとの受信ユニット20の位置情報と受光部23の角度、高さ、方向に関する情報を、送受信部33から受信ユニット20に対して送信する(ステップ199)。
送信ユニット10の送受信部12は、通信網50を介して観測地点ごとの自ユニットの位置情報と投光部13の角度、高さ、方向に関する情報を受信する。制御部14は受信した、観測地点ごとの自ユニット位置情報と投光部13の角度、高さ、方向に関する情報を、記憶部15に保存する(ステップ200)。受信ユニット20の送受信部22は、通信網50を介して、観測地点ごとの自ユニットの位置情報と受光部23の角度、高さ、方向に関する情報を受信する。制御部24は受信した、観測地点ごとの自ユニットの位置情報と受光部23の角度、高さ、方向に関する情報を、記憶部25に保存する(ステップ201)。
サーバーユニット30の制御部31は記憶部32に保存した観測地点のうち、1つの地点について観測する指示を該当する観測地点の情報とともに、送信部33から送信ユニット10および受信ユニット20へ送信する(ステップ202)。
送信ユニット10の送受信部12が通信網50を介して、サーバーユニット30から観測の指示情報を受信する(ステップ203)。制御部14は自ユニットの現在の位置と観測地点に対応した観測時の自ユニットの位置情報を比較し(ステップ204)、一致しない場合は、動力部17を制御して、観測時の位置まで自ユニットを移動させる。移動後に、ステップ204を再度、繰り返す。ステップ204で、制御部14が移動の完了、もしくは、観測時の自ユニットの位置と現在の位置が一致したと認識したときは、次のステップに移る。制御部14は記憶部15に保存している観測地点に対応する投光部13の角度、高さ、方向情報に基づいて、投光部13を制御して情報の通りに設定する。設定が終わると、制御部14は投光部13に対してレーザーを発光させる(ステップ206)。
受信ユニット20の送受信部22が通信網50を介して、サーバーユニット30から観測の指示情報を受信する(ステップ207)。制御部24は現在の位置と観測時の自ユニットの位置情報を比較し(ステップ208)、一致しない場合は、動力部27を制御して、観測時の位置まで移動させる(ステップ209)。移動後は、ステップ208から繰り返す。ステップ208で制御部24が移動の完了、もしくは、観測時の自ユニットの位置と現在の位置が一致したと認識したときは、次のステップに移る。制御部24は記憶部25に保存している観測地点に対応する受光部23の角度、高さ、方向の情報に基づいて、受光部23を制御して情報の通りに設定する。設定が終わると、制御部24は受光部23に対して受光を開始させる(ステップ210)。
送信ユニット10の投光部13からの光を、受信ユニット20の受光部23が受光する(ステップ211)。受光部23は検出した光を電気信号に変え、制御部24は電気信号から光の強度を求めて、記憶部25に保存する。制御部24は記憶部25に光の強度を保存し終わると、光の強度を送受信部22からサーバーユニット30へと送信する(ステップ212)。
サーバーユニット30の送受信部33は、通信網50を介して、受光ユニット20で受光した光の強度の情報を受信する(ステップ213)。制御部31は光の強度を記憶部32に保存する。制御部31は光の強度と、水面に何も無い通常時の光の強度を比較し、異なる場合は異物が水面にあると判定する。通常時の光の強度は、投光部と受光部の距離、角度、高さに応じたデータテーブルとして記憶部32に保存されている。制御部31は観測結果を記憶部32に、観測日時、測定地点の位置情報とともに保存する(ステップ214)。まだ、測定していない観測地点がある場合は(ステップ215)、サーバーユニット30の制御部31は、測定が未了の地点のうち1つの地点の観測指示を送信ユニット10および受信ユニット20に送信し、ステップ202から繰り返す。ステップ215で全ての観測地点の観測が行われている場合は、ステップ216へと進む。
サーバーユニット30の制御部31は端末ユニット40に対して、記憶部32に保存した観測日時、観測地点、観測結果の情報を送信する(ステップ216)。端末ユニット40の送受信部45は通信網50を介して観測日時、観測地点、観測結果の情報を受信する。制御部41は記憶部42に観測日時、観測地点、観測結果の情報を保存するとともに(ステップ217)、表示部43に観測日時、観測地点、観測結果の情報を表示する(ステップ218)。
サーバーユニット30の制御部31は送受信部32から、送信ユニット10および受信ユニット20に対して観測が終了した信号を送信する(ステップ219)。送信ユニット10は通信網50を介して、送受信部12で観測が終了した信号を受信する(ステップ220)。制御部14は観測が終了した信号を確認すると、投光部13を制御して、レーザーのスイッチをきる(ステップ221)。受信ユニット20は通信網50を介して、送受信部22で観測が終了した信号を受信する(ステップ222)。制御部24は観測が終了した信号を確認すると、受光部23を制御して、受光を終了する(ステップ223)。以上で、水面の観測は終了となる。
サーバーユニット30から端末ユニット40への観測結果の情報の送信は、観測地点1箇所について観測が終わるごとに行われてもよい。また、多数の観測地点がある場合には、3地点の観測が終了するごとのように、複数地点の観測が終了するごとに送信されるような設定としてもよい。
第4の実施形態の水面の観測システムを用いると、送信ユニットと観測ユニットを移動しより広い範囲での観測を自由に実施することが可能であり、利便性や観測の効率が向上している。また、観測データの閲覧や観測時の操作を離れた場所で行うことができ、データの収集や閲覧の利便性や効率が向上する。
本発明の第5の実施形態について図16を参照して詳細に説明する。図16は第5の実施形態における観測システムの構成の概要について示している。第5の実施形態における観測システムは、観測用の投光部および受光部を水面下に有しており水中での観測を実施することができる。
本実施形態の水面の観測システムは送信ユニット70と、受信ユニット80と、サーバーユニット30と、端末ユニット40からなる。各ユニットは通信網50を介して接続されている。
送信ユニット70は、位置認識部71と、送受信部72と、制御部73と、記憶部74と、投光部75と、水位計測部76と、動力部77からなる。
位置認識部71は全地球測位システムを利用して、自ユニットの位置の認識を行う。また地磁気センサーを用いた電子コンパス機能を有しており、自ユニットの方向を認識することができる。送受信部72は通信網50を介して他のユニットと通信信号の送受信を行う。制御部73は複数または単数のマイクロプロセッサーおよびメモリからなる。制御部73は位置認識部71に自ユニットの位置情報の取得、送受信部72への情報の送受信、記憶部74の情報の読み書き、投光部75へのレーザーの制御指示等を行う。また、制御部73は水位計測部76へ水面との距離の計測の指示、動力部77の制御等も行い自ユニットの制御全般を行う機能を有する。記憶部74は半導体メモリやハードディスクおよびその組み合わせからなり、自ユニットの位置情報、他ユニットからの指示に関する情報、制御用のプログラムなどが記憶されている。投光部75は半導体レーザーを備えており、観測用の光を送信することができる。投光部75は水面よりも下になる位置に設置されている。また、投光部75は上下方向および水平方向の駆動機構を備えており、観測時のレーザー照射の深さおよびレーザー照射の水面に水平な面での向きは可変となっている。水位計測部76は水面との距離を計測する水位計を備えている。水位計としての例としては超音波方式があげられる。動力部77は、スクリューを備えており、送信ユニット70は自力で移動できる。また、回転方向の制御も可能である。
受信ユニット80は、位置認識部81と、送受信部82と、制御部83と、記憶部84と、受光部85と、動力部86からなる。
位置認識部81は全地球測位システムを利用して、自ユニットの位置の認識を行う。また地磁気センサーを用いた電子コンパス機能を有しており、自ユニットの方向を認識することができる。送受信部82は通信網50を介して他のユニットと通信信号の送受信を行う。制御部83は複数または単数のマイクロプロセッサーおよびメモリからなる。制御部83は位置認識部81に自ユニットの位置情報の取得、送受信部82への情報の送受信、記憶部84への情報の読み書き、受光部85への受光センサーの制御などの指示を行う。また、制御部83は水位計測部86での水面との距離の計測の指示、動力部87の制御等を行い自ユニットの制御全般を行う機能を有する。記憶部84は半導体メモリやハードディスクおよびその組み合わせからなり、自ユニットの位置情報、他ユニットからの指示に関する情報、制御用のプログラムなどが記憶されている。受光部85はフォトダイオードを備えた受光センサーを有しており、観測用の光を受光し電気信号へと変換することができる。受光部85での受光向きは水面に水平な面での方向で可変となっている。また、受光の深さも可変である。水位計測部86は水面との距離を計測する水位計を備えている。水位計としての例としては超音波方式があげられる。動力部87は、スクリューを備えており、受信ユニット80は自力で移動できる。また、回転方向の制御も可能である。
サーバーユニット30、端末ユニット40、通信網50の構成や機能は第1の実施形態に記載しているものと同一である。
送信ユニット70や受信ユニット80には駆動のための電源が搭載されている。電源には蓄電池、燃料電池、太陽光発電パネルなどが用いられる。また、電源は1種類ではなく複数の組み合わせのことがある。
第5の実施形態の観測システムにおいて、水面の観測が行われる際の動作について図17と図18と図19を参照して説明する。図17と図18と図19は第5の実施形態において水面の観測を行う際のフローの概略を示している。
送信ユニット70および受信ユニット80が水面60の上に浮いている。作業者が端末ユニット40の操作部44で観測開始を選択したとする(ステップ231)。端末ユニット40の制御部41は操作部44において観測の開始が選択されたことを検知すると、送受信部45から通信網50を介して、サーバーユニット30へ、観測の開始の情報を送信する(ステップ232)。サーバーユニット30は観測の開始の情報を通信網50を介して送受信部33で受信する。サーバーユニット30の制御部31は送信ユニット70および受信ユニット80に対して位置情報を要求する指示を送受信部33から送る(ステップ233)。
送信ユニット70は通信網50を介して位置情報の要求を送受信部72で受ける。送信ユニット70の制御部73は位置認識部71に対して、自ユニットの位置情報の確認を要求する。位置認識部71は自ユニットの位置を確認すると、位置情報を制御部73へと返す。位置情報を受け取った制御部73は送受信部72からサーバーユニット30へ位置情報を送信する(ステップ234)。受信ユニット80は通信網50を介してサーバーユニット30からの位置情報の要求を送受信部82で受ける。受信ユニット80の制御部83は位置認識部81に対して、自ユニットの位置情報の確認を要求する。位置認識部81は自ユニットの位置を確認すると、位置情報を制御部83へと返す。位置情報を受け取った制御部83は送受信部82からサーバーユニット30へ位置情報を送信する(ステップ235)。
サーバーユニット30で送受信部33が通信網50を介して、送信ユニット70および受信ユニット80の各々の位置情報を受信する。制御部31は受信した送信ユニット70および受信ユニット80の位置情報を記憶部32に保存する。制御部31は送信ユニット70と受信ユニット80の現在の位置情報から、観測可能な範囲の判断を行い、判断結果を記憶部32に保存する。サーバーユニット30の制御部31は、端末ユニット40に対して観測可能な範囲に関する情報を送受信部33から送信する(ステップ236)。観測可能な範囲とは、送信ユニット70および受信ユニット80が現在位置から移動することにより観測可能となる範囲を含む。
端末ユニット40の送受信部45は、通信網50を介して、観測可能な範囲に関する情報を受信する。制御部41は記憶部42に観測可能な範囲に関する情報を保存するとともに、表示部43に観測可能な範囲を表示する。作業者が操作部44から複数または1つの測定地点を選択すると(ステップ237)、制御部41は選択された測定地点の位置情報を記憶部42に保存する。また、観測地点の選択と同時に観測時の水面からの深さの選択が行われると、位置情報とともに深さに関する情報が記憶部42に保存される。制御部41は、サーバーユニット30に対して選択された観測地点の位置情報と深さに関する情報を送受信部45から送信する(ステップ238)。
サーバーユニット30の送受信部33は通信網50を介して観測地点の位置情報を受信する。制御部31は観測地点の位置情報を記憶部32に保存する。制御部31は観測点ごと送信ユニット70および受信ユニット80の位置を決定し、観測地点の位置情報に関連づけて記憶部32に保存する。また、制御部31は観測地点ごとに受信ユニット70の投光部75および受信ユニット80の受光部85の深さ、方向を決定し、記憶部32に観測地点の位置情報等と関連づけて保存する。異なる観測地点でも、送信ユニット70と受信ユニット80の両方のユニットのどちらか一方の位置が変わらないことがある。制御部31は記憶部32に保存した、観測地点ごとの送信ユニット70の位置情報と投光部75の深さ、方向に関する情報を、送受信部33から送信ユニット70に対して送信する。また、制御部31は記憶部32に保存した、観測地点ごとの受信ユニット80の位置情報と受光部85の深さ、方向に関する情報を、送受信部33から受信ユニット80に対して送信する(ステップ239)。
送信ユニット70の送受信部72は、通信網50を介して観測地点ごとの自ユニットの位置情報と投光部75の深さ、方向に関する情報を受信する。制御部73は受信した、観測地点ごとの自ユニットの位置情報と投光部75の深さ、方向に関する情報を、記憶部74に保存する(ステップ240)。受信ユニット80の送受信部82は、通信網50を介して、観測地点ごとの自ユニットの位置情報と受光部85の深さ、方向に関する情報を受信する。制御部83は受信した、観測地点ごとの自ユニットの位置情報と受光部85の深さ、方向に関する情報を、記憶部84に保存する(ステップ241)。
サーバーユニット30の制御部31は記憶部32に保存した観測地点のうち、1つの地点について観測する指示を該当する観測地点の情報とともに、送信部33から送信ユニット70および受信ユニット80へ送信する(ステップ242)。
送信ユニット70の送受信部72が通信網50を介して、サーバーユニット30から観測の指示情報を受信する(ステップ243)。制御部73は自ユニットの現在の位置と観測時の自ユニットの位置情報を比較し(ステップ244)、一致しない場合は動力部77を制御して、観測時の自ユニットの位置まで移動させる(ステップ245)。移動後はステップ244に戻り、再度、自ユニットの位置の判定を繰り返す。ステップ244で制御部73が移動の完了、もしくは、観測時の位置と現在の位置が一致したと認識したときは、次のステップに移る。制御部73は記憶部74に保存している観測地点に対応した投光部75の深さ、方向情報に基づいて、投光部75を制御して情報の通りに設定する。投光部75の深さは水位計測部76で測定される水面60からの距離の情報を用いて、水面60から投光部75の深さが、送られてきた情報通りになるように設定される。投光部75が所定の深さに設定されると、制御部73は投光部75に対してレーザーを発光させる(ステップ246)。
受信ユニット80の送受信部22が通信網50を介して、サーバーユニット30から観測の指示情報を受信する(ステップ247)。制御部84は自ユニットの現在の位置と観測時の自ユニットの位置情報を比較し(ステップ248)、一致しない場合は動力部87を制御して、観測時の自ユニットの位置まで移動させる(ステップ249)。移動の完了後は、ステップ248に戻り、自ユニットの位置の判定を繰り返す。ステップ248において、制御部83が移動の完了、もしくは、観測時の位置と現在の位置が一致したと認識したときは、次のステップに移る。制御部83は記憶部84に保存している観測地点に対応した受光部85の深さ、方向の情報に基づいて、受光部85を制御して情報の通りに設定する。受光部85の深さは水位計測部86で測定される水面60からの距離の情報を用いて、水面60から受光部85の深さが、送られてきた情報通りになるように設定される。設定が終わると、制御部83は受光部85に対して受光を開始させる(ステップ250)。
送信ユニット70の投光部75からの光を、受信ユニット80の受光部85が受光する(ステップ251)。受光部85は検出した光を電気信号に変え、制御部83は電気信号から光の強度を求めて、記憶部84に保存する。制御部83は記憶部84に光の強度を保存し終わると、光の強度を送受信部82からサーバーユニット30へと送信する(ステップ252)。
サーバーユニット30の送受信部33、通信網50を介して、受光ユニット80で受光した光の強度の情報を受信する(ステップ253)。制御部31は光の強度を記憶部32に保存する。制御部31は光の強度と、水面に何も無い通常時の光の強度を比較し、異なる場合は異物が水中にあると判定する。通常時の光の強度は、投光部と受光部の距離に応じたデータテーブルとして記憶部32に保存されている。制御部31は観測結果を記憶部32に、観測日時、測定地点の位置情報とともに保存する(ステップ254)。まだ、観測が完了していない地点が残っている場合は(ステップ255)、ステップ242に戻り、測定が完了していない地点のうち1つの地点の観測が行われる。ステップ255で全ての観測地点の観測を終えている場合は、ステップ256へ進む。
サーバーユニット30の制御部31は端末ユニット40に対して、記憶部32に保存した観測日時、観測地点、観測結果の情報を送信する(ステップ256)。端末ユニット40の送受信部45は通信網50を介して観測日時、観測地点、観測結果の情報を受信する。制御部41は記憶部42に観測日時、観測地点、観測結果の情報を保存するとともに(ステップ257)、表示部43に観測日時、観測地点、観測結果の情報を表示する(ステップ258)。
サーバーユニット30の制御部31は送受信部32から、送信ユニット70および受信ユニット80に対して観測が終了した信号を送信する(ステップ259)。送信ユニット70は通信網50を介して、送受信部72で観測が終了した信号を受信する(ステップ260)。制御部73は観測の終了の信号を確認すると、投光部75を制御して、レーザーのスイッチをきる(ステップ261)。受信ユニット80は通信網50を介して、送受信部82で観測が終了した信号を受信する(ステップ262)。制御部83は観測の終了の信号を確認すると受光部85を制御して、受光を終了する(ステップ263)。以上で、観測は終了となる。
サーバーユニット30から端末ユニット40への観測結果の情報の送信は、観測地点1箇所について観測が終わるごとに行われてもよい。また、多数の観測地点がある場合には、3地点の観測が終了するごとのように、複数地点の観測が終了するごとに送信されるような設定としてもよい。
第5の実施形態の観測システムを用いると、送信ユニットと観測ユニットの間の地点で観測が可能であり、広い範囲での観測を行うことができ利便性と効率が向上する。観測データの閲覧や観測時の操作を離れた場所で行うことができるため、データの収集や閲覧の利便性や効率が向上する。また、水面付近の水中の状況を観測することができ、表面の影響を受けないデータの取得が可能となる。表層だけにあり、船舶の運行等には実効的に影響を与えない表層の影響を除外した観測を行うことが可能となり、観測データが充実する。
第1から第5の実施形態では、受信ユニットは受光した光の強度を記憶部に保存した後にサーバーユニットへと送信しているが、記憶部に保存することなくサーバーユニットへ送信する方法としてもよい。また、受信ユニットに保存された光の強度は1つの地点または数地点の測定が終わるごとに消去される方法としてもよい。送信ユニットおよび受信ユニットが記憶部に保存している観測地点ごとの位置情報、設定情報についても1つの地点あるいは数地点の観測が終わるごとに消去されるか、新たな情報によって上書きされる方法としてもよい。これらの送信ユニットおよび受信ユニットに保存された観測に関する設定情報や観測結果は、サーバーユニットからの消去指示に応じて消去される方法や一定時間ごとに消去される方法としてもよい。
第1から第5の実施形態では各ユニットは通信網を介して接続されていたが、各ユニットが直接通信を行う方法でもよい。例えば、サーバーユニットと端末ユニットが信号ケーブルで接続されている場合や、直接、無線方式で通信を行う場合もある。また、通信網を介して接続する方法と、各ユニットが直接通信を行う方法が組み合わされていてもよい。
各ユニットの制御や操作を行うプログラムを、通信網を介して、更新できるようにしてもよい。例としては、通信回線や各種の記憶媒体からプログラムがサーバーユニットに保存され、他のユニットに送信される形があげられる。通信網を介して他のシステムから最新のプログラムが提供される形としてもよい。端末装置で観測結果を確認する方法について説明したが、観測結果を通信網等を介して、他のシステムに提供できる形としてもよい。
第1から第5の実施形態の観測システムは必要に応じて、地図データベースや地形データベースと接続されていることがある。データベースの利用に関してはサーバーユニットや端末ユニットにデータベースシステムのデータの一部が保存されて使用される。この場合は観測ごとに、データベースシステムから最新のデータが提供される形でもよい。
第1から第5の実施形態の観測システムは海洋、河川、運河、湖沼、農業や工業用水などの公共水域や、水道や下水の浄水施設などで利用することができる。工場内の浄水施設や、海洋や河川等での養殖施設、水田等でも利用することができる。また、屋外での利用に限らず、野菜工場の栽培施設の水質管理等にも利用することができる。移動方法をスクリューから車輪方式に変更すれば、水上用としてだけでなく畑等や工場内の環境の観測システムに利用することもできる。
第1から第5の実施形態で用いたレーザー光やLED光等の光源は、可視光だけでなく紫外光や赤外光を利用することもできる。反射光の強度を異物の判断の有無に利用する例を示したが、偏光観察法を利用しても良い。偏光観察法では、反射光を受光し偏光成分ごとの光量比を求める。光量比は通常の水面と油膜等の異物があるときの水面とで異なるため、異物の有無の判定に利用することができる。また、超音波や電波等を観測対象に応じて使い分けて利用してもよい。
第1から第5の実施形態の観測システムおいて送信ユニットや受信ユニットにカメラを設けて、観測地点付近の状況を通信網を介して送信し、端末ユニットを通して目視で確認できるようにしてもよい。この場合、夜間での観察に対応するために赤外線カメラ等が用いられることもある。
第1から第5の実施形態の観測システムでは送信ユニットや受信ユニットの位置認識に全地球測位システムを用いたが、位置認識には他の方法を用いてもよい。例えば複数の無線基地局の電波から自ユニットの位置を算出する方法などを用いることができる。
第1から第5の実施形態の観測システムでは、各ユニットが通信網を介して必要な情報を相互に送受信して利用する。必要な情報を他のユニットから通信網等を通して必要に応じて得るため、自ユニットには機能を満たすのに必要な情報のみを確保する形態とすることがある。また、個別の利用に関しては通信網やシステムの構成を意識する必要はない。このような形態をクラウドシステムと呼ぶことがある。
次の本発明の第6の実施形態について図20を参照しながら説明する。図20は第6の実施形態における観測システムの構成を示したものである。
本実施形態の観測システムは、送信ユニット301と、受信ユニット302と、観測時の設定を判断する判断手段303と、観測データを取得する手段304からなる。送信ユニット301は観測用の信号を送信する手段305を有し、受信ユニット302は観測の対象307を介して観測用の信号を受信する手段306を有している。観測時の設定を判断する判断手段303は送信ユニット301および受信ユニット302の位置関係から送信ユニット301および受信ユニット302の観測時の設定を判断する手段を有する。情報を伝達し観測データを取得する手段304は送信ユニット301および受信ユニット302へ判断結果に基づく情報を伝達し観測データを取得する手段を有する。
本実施形態の観測システムを用いると、送信ユニットと受信ユニットの間の地点で観測が可能となり、広い範囲での観測を行うことができ観測の利便性や効率が向上する。また、観測データの閲覧や観測時の操作を離れた場所で行うことができ利便性や効率が向上する。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)観測用の信号を送信する手段を有する送信ユニットと、観測の対象を介して前記観測用の信号を受信する手段を有する受信ユニットと、前記送信ユニットと前記受信ユニットの位置関係から前記送信ユニットと前記受信ユニットの観測時の設定を判断する判断手段と、前記送信ユニットおよび前記受信ユニットへ前記判断に基づく情報を伝達し観測データを取得する手段を有することを特徴とする観測システム。
(付記2)前記観測用の信号を送信する手段および前記観測用の信号を受信する手段の設定により複数地点を測定する手段を有することを特徴とする付記1記載の観測システム。
(付記3)前記受信ユニットが、観測の対象から反射してきた観測用の信号を受信し、反射してきた観測用の信号の強度を求める手段を有することを特徴とする付記1または2いずれかに記載の観測システム。
(付記4)前記観測用の信号が光であることを特徴とする付記1から3いずれかに記載の観測システム。
(付記5)前記観測の対象が水面であることを特徴とする付記1から4いずれかに記載の観測システム。
(付記6)前記観測の対象が水中であることを特徴とする付記1または2いずれかに記載の観測システム。
(付記7)前記送信ユニットおよび前記受信ユニットが移動手段を有することを特徴とする付記1から6いずれかに記載の観測システム。
(付記8)前記受信ユニットで受信する観測用の信号の強度を基に、観測の対象での油膜または異物の有無を判断する手段を有することを特徴とする付記1から7いずれかに記載の観測システム。
(付記9)観測用の信号を送信する手段を有する送信ユニットと観測用の信号を受信する手段を有する受信ユニットの位置を認識し、認識された位置に基づいて前記送信ユニットと前記受信ユニットの設定を判断し、判断された設定に基づいて前記受信ユニットおよび前記送信ユニットを設定し、前記送信ユニットが観測用の信号を送信し、観測の対象を介して前記信号を前記受信ユニットが受信することを特徴とする観測方法。
(付記10)前記観測用の信号が観測の対象へ向けて発せられ、観測の対象物から反射してきた観測用の信号を受信し、反射してきた観測用の信号を受信することを特徴とする付記9に記載の観測方法。
(付記11)前記観測用の信号が光であることを特徴とする付記9または10いずれか記載の観測方法。
(付記12)前記観測の対象が水面であり、受信した観測用の信号の強度を基に水面上の油膜または異物の有無が判断されることを特徴とする付記9から11いずれかに記載の観測方法。