[0076] 参照数字表示に関連して本明細書で使用される用語「約」は、その参照数字表示の参照数字表示の+/−10%までを意味する。例えば、用語「約50」単位は、45単位〜55単位の範囲を網羅する。
[0077] 本明細書で使用される動詞「囲む」は、標的対象の約1センチメートル以内であることを意味する。例えば、歯を囲む口腔組織は、歯の約1cm以内である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、歯の約1cm以内にある炎症を予防または最小化するのに有用である。
[0078] 本明細書で使用される用語「患者」は、歯科矯正治療を含む医療行為を受けることができる任意の生存対象を指す。患者は、例えばヒトなどの哺乳類であってよい。患者は成人患者または小児患者であってよい。いくつかの実施形態では、患者は、光治療、例えば本明細書に記載される口腔内装置を使用して口腔内的に患者に施される光を受ける生存対象であってよい。
[0079] 本明細書で使用される用語「根区域」は、歯根の解剖学的長さおよび幅を含む患者の生体構造の一部分、ならびに歯が位置する歯槽骨に歯を付着させるのを容易にする末梢組織の少なくとも一部分を指す。末梢組織は、歯周靭帯および歯周靭帯が配置され、歯を囲む骨性の窩を含み得る。根区域は、歯の種類により歯ぐき線から約10mm〜約22mmの深さまで延在する組織を含み得る。根区域は、文脈が特に明確に示さない限り、各歯の根区域の特定の距離以内(例えば約0.1cm〜約3cm以内)の領域も含み得る。根区域の寸法は、特定の対象の歯に応じて変動し得る。本明細書における根区域への言及は、文脈が特に明確に示さない限り、根区域の少なくとも一部分または根区域の全体を含み得る。
[0080] 口腔内光処置装置
[0081] 本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、歯槽軟組織、例えば歯槽粘膜を光(例えば約10〜約200mW/cm2の強度を有する)に曝露することに関する。光を施すことにより、歯の移動速度を変更する、治癒速度を高める、または1つ以上の他の歯科矯正利益をもたらすことができる。例えば、光を摘出部位に施すことにより、治癒の速度を増加し、歯のその部位への移動を遅くすることができる。本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、光を患者の歯槽軟組織の1つ以上の部分に施すように構成される口腔内光療法装置を含む。そのような装置は、歯科矯正治療の前、治療中、もしくは治療後、および/または口腔手術の前、手術中、もしくは手術後に使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、装置は、1日1分〜60分間、患者に光を施すために使用され得る。他の実施形態では、装置は、数分、数時間、1日、数週間、数ヶ月、または数年患者の口腔粘膜と接触することができ、装置のエミッタのうちの1つ以上が、その期間中少なくともしばらくの間光を照射することができる。
[0082] いくつかの実施形態では、装置は任意のヒト患者の歯槽軟組織に適合するように構成され、他の実施形態では、装置は特定のヒト患者の歯槽軟組織に適合するように構成され得る。例えば、装置は、例えばCTスキャン(例えば円錐状ビームCTスキャン)から得た情報、患者の顎のモデル、口腔内のデジタルスキャンモデル、および/または患者の顎の写真を使用して、任意のヒト患者または特定のヒト患者の特定の歯の幾何学形状に適合するように構成され得る。より具体的には、患者の口内に位置付けられる装置内のLEDの設置は、例えば前述の方法のうちの1つ以上から得た情報に基づき、CAD/CAM設計アプリケーションを使用して、注文設計することができる。他の実施形態では、標準的な装置は、一般的にヒト患者の口腔解剖学的特徴に適合するように構成される装置一式から選択され得る。いくつかのそのような実施形態では、標準的な装置は、特定のヒト患者の特徴に適合するように調節され得る。
[0083] いくつかの実施形態では、装置は、注文線量、例えば特定の患者用に注文された線量に基づき光療法を施すように構成される。若い患者は高齢の患者より骨密度があまり高くない場合がある。患者の骨の密度は、光療法を施す前に、例えばコンピュータ断層撮影法(CT)、一実施形態では、円錐状ビームCTを使用して測定され得る。いくつかの実施形態では、患者の骨密度は、患者の歯を照射し、歯に浸透する光の量を測定することにより(例えば図18Aに記載されるものに類似する、または図18Aに記載されるものなどの装置を使用して)、測定され得る。患者の骨密度が決定されたら、所望の歯の移動を実現するために、最適な光の線量が決定され得る。
[0084] いくつかの実施形態では、装置が患者の歯槽軟組織と接触しているときの患者の快適さを改善し、かつ/または患者の口内に装置を位置付けるための咬合パッドを含み得る。
[0085] いくつかの実施形態では、装置は、患者の歯および/または頬および口唇(lanial)頬、舌などの筋肉組織に力を加える器具と組み合わせて使用され得る。いくつかの実施形態では、本発明の装置は、患者に力を加える2つ以上の器具と組み合わせて使用される。1つ以上の力を歯ぐき領域に加え、患者の歯槽軟組織に光を口腔内的に施すことにより、歯の移動速度を増加し、口腔組織の治癒速度を増加し、他の歯科矯正利益をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、加えられる力のうちの1つ以上は強い力である。いくつかの実施形態では、力を加える器具のうちの1つ以上は、機能的器具である。強い力および機能的器具が本明細書において開示される。
[0086] 他の実施形態では、装置は歯科矯正器具と組み合わせて使用され得る。
[0087] いくつかの実施形態では、装置は、患者にビタミンDを送達するように構成される器具または他の好適な輸送体と組み合わせて使用され得る。ビタミンD治療は患者のビタミンD血液血清レベルを上昇させ、口腔内光治療と組み合わされるとき、歯の移動速度を増加し、口腔組織の治癒速度を増加し、他の歯科矯正利益をもたらすことができる。ビタミンD治療が本明細書において開示される。
[0088] いくつかの実施形態では、本発明の装置は、患者の歯など、患者の口腔組織に力を加える1つ以上の器具、または患者にビタミンDを送達するように構成される器具(または他の好適な輸送体)と組み合わせて使用され得る。本様式では、患者は、光治療およびビタミンD治療を受け、例えば1つ以上の歯に力も加えられる。
[0089] 図1および図2は、本発明の口腔内光療法装置の概略図である。図1に示されるように、装置は、パネル1、2、3、4、5、および6を含む。パネル1、2、および3は、上顎の1つ以上の歯の根区域付近に配置されるように構成される。いくつかの実施形態では、パネル1、2、および3は、上頬側歯槽軟組織に隣接して配置されるように構成され得る。例えば、一実施形態では、パネル1、2、および3は上頬側歯槽軟組織と接触する一方、他の実施形態では、パネル1、2、および3は、上頬側歯槽軟組織とは接触しないが、上頬側歯槽軟組織の特定の距離以内(例えば0.1cm〜3cm以内)にある。歯槽軟組織は、例えば歯槽粘膜を含み得る。他の実施形態では、パネル1、2、および3は、上舌側歯槽軟組織に隣接して配置されるように構成され得る。例えば、一実施形態では、パネル1、2、および3は上舌側歯槽軟組織と接触する一方、他の実施形態では、パネル1、2、および3は、上舌側歯槽軟組織とは接触しないが、上舌側歯槽軟組織の特定の距離以内(例えば0.1cm〜3cm以内)にある。同様に記載すると、いくつかの実施形態では、パネル1、2、および3は上顎根区域の後方に配置されるように構成され得る一方で、他の実施形態では、パネル1、2、および/または3は上顎根区域の前方に配置されるように構成され得る。同様に、パネル4,5、および/または6は、前方および/または後方下顎根区域に隣接して配置されるように構成され得る。
[0090] 他の実施形態では、パネル(または装置の他の部分)は、本明細書に記載される様々な領域または区域のいずれかに配置され得る。例えば、いくつかの実施形態では、パネルは、上頬側または上舌側の歯槽軟組織と接触するか、またはその特定の距離以内(例えば0.1cm〜3cm以内)にあるように本明細書において記載されるが、他の実施形態では、パネルは、下頬側または下舌側の歯槽軟組織と接触し、かつ/またはその特定の距離以内(例えば0.1cm〜3cm以内)にあるように構成される。さらに他の実施形態では、装置は、少なくとも第1の部分が上頬側または上舌側の歯槽軟組織と接触するか、またはその特定の距離以内(例えば0.1cm〜3cm以内)にあるように構成され、第1の部分が上部歯槽軟組織と接触するか、またはそれから特定の距離以内にあるとき、少なくとも第2の部分が下頬側または下舌側の歯槽軟組織と接触するか、またはその特定の距離以内(例えば0.1cm〜3cm以内)にあるように構成される複数のパネルを含み得る。
[0091] いくつかの実施形態では、装置は、上顎または下顎根区域にのみ隣接して配置されるように構成される。例えば、一実施形態では、装置は上顎または下顎根区域と接触する一方で、他の実施形態では、装置は、上顎または下顎根区域と接触しないが、上顎または下顎根区域から特定の距離以内(例えば0.1cm〜3cm以内)にある。同様に記載すると、図1は上部分と下部分を含む装置を示すが、他の実施形態では、装置は上部分のみまたは下部分のみを有する。6枚のパネルを備える装置が示されるが、他の実施形態では、装置は1枚以上のパネルを備えることができる。例えば、単一のパネルは、上顎および/または下顎根区域の少なくとも一部分またはその全体を覆うように構成され得る。他の実施形態では、1枚以上のパネルは、各歯の根区域に隣接して配置され得る。例えば、一実施形態では、1枚以上のパネルは各歯の根区域と接触する一方で、他の実施形態では、1枚以上のパネルは、各歯の根区域と接触しないが、各歯の根区域から特定の距離以内(例えば0.1cm〜3cm以内)にある。
[0092] いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるパネルは、大半の歯根の解剖学的寸法(例えば長さ)のうちの少なくとも一部を覆うが、個々の患者の軟組織および骨構造のばらつきは、パネルが一部の歯根の先端範囲を覆うのを阻む可能性がある。そのような場合において、歯の先端部分が受けるエネルギー密度は低い可能性がある。しかしながら、いくつかの実施形態では、パネルは、そのような先端部分(複数可)の方向に光を指向するように構成されるか、またはそうでなければパネルの先端部分の強度を高めるように構成される埋込型LEDアレイを含む。
[0093] 図2に示される実施形態などのいくつかの実施形態では、装置は、装置の第1の部分が前方根区域に隣接して配置され、装置の第2の部分が後方根区域に隣接して配置されるように、歯を包むように構成される。そのような実施形態では、装置が作動しているとき、歯の移動を自由にするために、装置は解剖学的歯冠上で解放される。例えば、一実施形態では、装置の第1の部分が前方根区域と接触し、かつ/または装置の第2の部分が後方根区域と接触する一方、他の実施形態では、装置の第1の部分は前方根区域と接触せず、かつ/または装置の第2の部分は、後方根区域と接触しないが、装置の第1の部分および/または第2の部分は、それぞれ、前方根区域または後方根区域から特定の距離(例えば0.1cm〜3cm以内)にある。
[0094] 図3Aは、線X−Xに沿って取った図1の装置の断面図である。装置10は、パネル40に収められた1本以上のワイヤ12、反射裏張り20、回路30、および1つ以上のエミッタ32を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のエミッタ32は、装置が患者の口内にあるとき、1つ以上のエミッタ32が曝され、例えば患者の歯槽軟組織に接触することができるように、パネル40内に部分的に収められ得る。パネル40は、シリコーンなどの透明で可撓性であり、かつ/または柔軟なポリマーから構成され得る。他の実施形態では、パネル40は、アクリルなどの剛性プラスチックであり得る。パネル40は、装置が患者によって装着されるとき、患者の口の特定の領域を覆うように成形され得る。例えば、パネル40は、患者の歯根の少なくとも4つを覆うのに十分な幅および長さを有し得る。パネル42の部分は、患者に快適さをもたらし、装置をフランジ区域に適合させるように、円形および/または涙形の形状を有することができる。パネル42の部分は、鋭くまたは尖った端であると患者の口の前庭を刺激するか、またはその深さが不快であるため、そのような端を含まない任意の形状を有することができる。
[0095] いくつかの実施形態では、パネル40は装置に少なくとも部分的に収められ、マウスガードまたは透明な歯科用アライナーに類似する形状を有することができ、口内で使用するのに好適な任意の材料から構築され得る。この様式において、パネル40に収められた構成成分はまた、装置に少なくとも部分的に収められる。いくつかの実施形態では、パネル40は、装置に完全に収められる。パネル40およびその中に収められた構成成分は、唾液または別の流体がパネル40と接触できないように、装置内に流体的に封止され得る。この様式でパネル40を封止することにより、安全上の利益をもたらし、口腔内装置の寿命を延長することができ、かつ/または保守作業が少なくて済む。例えば、パネル40が装置内に流体的に封止されない場合、装置は流体およびパネル40からの他の蓄積物を清掃するために頻繁な保守作業を必要とし得る。
[0096] エミッタ32は、光を放射するように動作可能である任意の好適なデバイスであり得る。エミッタ32は、例えば発光ダイオード(LED)であり得る。いくつかの実施形態では、エミッタ32は、光を放射する光ファイバ(またはその一部分)である。いくつかの実施形態では、エミッタ32は、光入力に接続され、1つ以上の光ファイバから光入力を受信するデバイスである。パネル40は、本明細書に開示されるLED、および光ファイバエミッタの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、エミッタ32は、約620nmの波長を有する単色光を放射することができる。他の実施形態では、エミッタ32は、約850nmの波長を有する単色光を放射することができる。また他の実施形態では、エミッタ32は、約600nm〜約1200nmの範囲の波長を有する光を放射する、2つ以上の波長の光を放射する、波長の範囲を通過する、かつ/または広域スペクトル光もしくは任意の好適な波長または複数の波長を放射するように構成され得る。エミッタ32は、本明細書に記載される任意の波長または特性を有する光を放射するように構成され得る。光のそのような波長および特徴は、本明細書により詳細に記載される。
[0097] エミッタ32は、任意の好適な様式でパネル40内に位置付けられ、配列され得る。エミッタ32は、例えば、装置が患者によって装着されるとき、それらが口の特定の領域を覆い、それに光を照射するように配列され得る。一例では、各エミッタ32は、異なる歯根にわたって位置付けられ、それに光を照射する。別の例では、エミッタ32は、エミッタ一式が患者の口の第1の領域(例えば歯根)にわたって位置付けられ、それに光を照射するように、一緒に一式にまとめられる一方で、別のエミッタ一式は、患者の口の第2の異なる領域(例えば別の歯根)にわたって位置付けられ、それに光を照射する。この様式では、装置および各対応するパネル40内のエミッタ32は、歯科矯正治療の特定の必要性が合致するように特定の患者用に特別注文することができる。本明細書に記載されるように、パネル、即ちエミッタ32は、歯槽軟組織または歯根と接触するか、またはそれから特定の距離以内にあってよい。エミッタ32によって放射される光線量は、エミッタ32と組織または根との間の距離にわたって生じ得るエネルギーの損失によりエミッタ32が歯槽軟組織または歯根に近ければ歯の移動の調節により有効であり得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、エミッタ32によって放射される光の出力密度は、本明細書に記載されるように、組織または根と接触して、かつ/またはそれから特定の距離以内にエミッタ32を位置付けることにより最大にすることができる。
[0098] いくつかの実施形態では、図3Bに示されるように、光放射アレイ1001は、第1の部分1002と、第2の部分1003とを有する。光放射アレイ1001の第1の部分1002は、第2の部分1003の光エミッタ密度より大きい光エミッタ密度を含むように構成される。いくつかの実施形態では、光放射アレイ1001の第1の部分1002は、光マットの一部分に密織を含む。光放射アレイ1001の第1の部分1002(または光マット)は、アレイの先端部分に配置され得る。出力の増加が短い延在を少なくとも部分的に補うため、光マットの密織によって生じる頂点での出力密度の増加により、フランジへの短い延在が可能となる。
[0099] 図3Aを再び参照すると、回路30は、例えば可撓性回路であり得る。いくつかの実施形態では、回路30は、1つ以上のエミッタ32の作動を制御するように作動可能なコントローラ(図示せず)を含む。他の実施形態では、回路30は、口腔内または口腔外コントローラなどのコントローラに結合され得る。いくつかの実施形態では、コントローラは、1つ以上のエミッタ32のそれぞれを独立して制御することができる。例えば、回路30を使用して、コントローラは、動作可能/停止状態、強度、周波数、パルス、時間負荷率、および/または1つ以上のエミッタ32の任意の他の好適なパラメータを集合的に、かつ/または個別に制御することができる。装置の使用中にこれらのパラメータのうちの任意の1つを変更することができる。エミッタ32のうちの1つ以上の電源を入れることにより、コントローラは1つ以上のエミッタ32が光を放射することを可能にし、それによって、骨の再形成および/または歯の移動を促進する。エミッタ32のうちの1つ以上の電源を切ることにより、コントローラは、骨の再生が光によって促進されなかったとき、その区域の歯の移動を最小化する。いくつかの実施形態では、パネル40内の1つ以上のエミッタ32が動作中であり得る一方、パネル40内の1つ以上の他のエミッタ32は停止している。いくつかの実施形態では、装置を使用しているとき、1つ以上のエミッタ32は動作可能状態で開始することができ、しばらくして停止状態に切り替わる。光の強度を増加または減少させることにより、コントローラは、患者への光の線量を増加または減少させることができる。光の線量は、強度および時間に基づくため、場合によっては、光の強度を高めることにより、光が患者に施される必要がある時間量を減少させることができる。実際問題として、治療結果をもたらすために、最小時間と強度の両方の生物学的閾値がある。コントローラは、この閾値でまたはそれを超えてエミッタ32を作動させることができる。いくつかの実施形態では、パネル40内の1つ以上のエミッタ32から放射された光の強度を増加させることができる一方、パネル40内の1つ以上の他のエミッタ32から放射された光の強度を減少させることができる。この増加および減少は、例えば装置の使用中に起こり得る。
[0100] コントローラは、より高いピーク強度が実現され得るように、周波数および時間負荷率を制御することができる。高ピーク強度は、より厚い組織および/または光の線量がより深く施される必要があるときに有用であり得る。いくつかの実施形態では、パネル40内の第1のエミッタは、パネル40内の第2のエミッタが標的とする骨領域よりも歯槽軟組織の下の深い骨領域に隣接して配置され、それを標的とすることができる。これらの実施形態では、コントローラは、第1のエミッタが第2のエミッタより高いピーク強度を有する光を放射するように、第1のエミッタをプログラムし、制御することができる。時間負荷率の制御はエミッタを過熱からも保護する。例えば、コントローラは、エミッタ32が1秒の1/400秒間動作し、1秒の3/400秒間停止しているように、1つ以上のエミッタ32を25%の時間負荷率および周波数100Hzで作動させることができる。停止時間でエミッタ32を冷却することができ、それによって、高温に関連する任意の性能低下の可能性を回避する。
[0101] 本明細書に開示されるように、コントローラは、パネル40内の各エミッタ32の様々な光放射特徴を個別にかつ選択的に制御することができ、結果として、各エミッタ32はパネル40内の他のエミッタ32から独立して作動することができる。具体的には、パネル40内の各エミッタ32は、必要であれば、異なる特徴を有する光を放射することができる。したがって、パネル40は、2つ以上の波長の光、または複数の異なる特徴を有する光を照射することができる。他の実施形態では、コントローラは、パネル40内のエミッタ32の様々な光放射特徴を集合的に制御することができる。場合によっては、パネル40内の全てのエミッタ32は、それらが同じ特徴を有する光を放射するように制御される。しかしながら、これらのエミッタ32は、装置の他のパネル内のエミッタから独立して作動し、制御され得る。例えば、エミッタ32は約850nmの波長を有する光を放射することができる一方で、別のパネル(例えば図1に示されるパネル3)内のエミッタは約650nmの波長を有する光を放射することができる。したがって、放射された光の特徴は、装置内のパネルごとに変動することができる。他の場合では、パネル40内のエミッタ32は集合体を形成することができ、各集合体内のエミッタは集合的に制御される。例えば、パネル40はエミッタ32の2つの集合体を含むことができ、第1のエミッタの集合体は第1の波長の光を放射することができ、第2のエミッタの集合体は第2の異なる波長の光を放射することができる。パネル40およびその中のエミッタ32は、有効量の光または光線量が患者に施され、口内の特定の領域が標的とされるように、特定の患者用に特別注文することができる。この特別注文は、例えば口の1領域が口の別の領域とは異なる置仮治療を受けるときに有用であり得る。
[0102] いくつかの実施形態では、装置は、バッテリ(図示せず)などの内部電源を含み得る。他の実施形態では、装置は、回路30が外部電源に接続され得るように、ポートを含み得る。
[0103] いくつかの実施形態では、回路30は、装置の温度、患者の歯槽軟組織、および/または患者の根区域を検出するために、1つ以上のセンサ(図示せず)を含み得る。例えば、サーミスタまたは類似する温度測定デバイスは、エミッタ32(例えばLEDアレイ)およびパネル40の温度を監視するため、ならびに患者の口内の温度を測定するために回路30に設置され得る。この情報は、温度関連情報を取得する、ならびに患者の遵守性を監視する方法として機能し得る。回路が口内に設置されるとき(即ち、回路30および装置の残りのパネルからの回路)、および装置が光を放射するとき、エミッタの温度は治療前の周囲温度から正常な体温付近まで上昇する。温度の変化を監視することにより、コントローラは、温度が上昇し、体温に近づいた期間に基づき、エミッタ32が口内にある期間を監視することができる。代替えとして、図18A〜図18Cを参照してより詳細に記載されるように、光検出器は、歯槽軟組織からの光の反射率を測定するために、回路30内に、および/またはエミッタ32と共に設置され得る。この構成は、患者の遵守性を監視する方法として機能することができ、また装置が患者の口内にない限りエミッタ32が作動しないことを確実にする二重安全機構としても機能する。
[0104] 反射裏張り20は、エミッタ20によって放射された光が所望の方向、一実施形態では、実質的には一方向(例えば特定の方向の約1〜約10°)に指向されるように作動可能である金属箔または他の好適な反射材料であり得る。例えば、反射裏張り20は、光が患者の歯槽軟組織または根区域(例えば骨および根を含む歯槽軟組織の下の領域)に向かって指向されるように、装置の裏側を画定し得る。
[0105] ワイヤ12は、装置を歯槽軟組織および/または歯肉に適合させるように作動可能である超弾性ワイヤであり得る。いくつかの実施形態では、ワイヤ12は、1つ以上の歯を移動させるように作動可能な力など、比較的大きな歯科矯正力および/または成形外科力を生成することができる。力は、例えば、約10〜約1000グラムの力であり得る。いくつかの実施形態では、力は、強い力である。他の実施形態では、装置は、歯科矯正ブレス、保持装置、および/または任意の他の好適な機能的器具など、別個の口腔内装置の一部分および/またはそれに結合され得る。いくつかのそのような実施形態では、別個の口腔内装置は、力を生成するワイヤ12と併せてまたはそれの代わりに力を生成することができる。
[0106] 図4〜6は、本発明の装置の概略図である。図4に示されるように、いくつかの実施形態では、1つ以上のエミッタ132は、1つ以上の歯160の根に配置され得る。他の実施形態では、図5に示されるように、1つ以上のエミッタ232は、1つ以上の歯260の根間に配置され得る。そのような実施形態では、歯260の根区域が光に曝露されるのを防止するために、マスクが装置および/または各歯260根区域に適用され得る。本明細書に開示されるように、マスクは、マスクによって覆われた区域に光がほとんどまたは全く達しないように、1つ以上のエミッタ132から照射された光を遮断する。マスクは歯用マスクであり得る。マスクは、不透明および/または反射性であり得る。いくつかの実施形態では、光が遮断されることが所望される位置でマスクが装置の外表面に設置され、接着され得るように、マスクは接着表面を含む。いくつかの実施形態では、マスクはシールの形態である。マスクの接着表面は、1つ以上のパネル(またはその一部分)に接着し、かつ/またはそれを覆うことができる。いくつかの実施形態では、マスク(またはその一部分)の対向する外表面は、マスクが装置に接着され、装置が患者の口内にあるとき、歯槽軟組織(例えば歯槽粘膜)と接触し得る。いくつかの実施形態では、歯260の根区域が光に曝露されるのを防止するために、2つ以上のマスクが装置および/または各歯260の根区域に適用され得る。いくつかのそのような実施形態では、2種類以上のマスクが適用され得る。例えば、不透明なマスクと反射性マスクの両方が装置に適用され得る。
[0107] 他の実施形態では、図6に示されるように、1つ以上のエミッタ332が上顎縫合線、例えば上顎縫合線の正中線を照明するように作動可能であり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のエミッタ332は、成形外科力が上顎縫合に加えられる前、加えられている間、および/または加えられた後に上顎縫合線にむかって指向される光を放射する。成形外科力は、例えば急速上顎拡大(RME)器具などの歯科矯正器具によって加えることができる。RME器具は、上顎の骨の拡張のために上顎抱合線を開き、拡張するために(歯のみが移動する歯科矯正拡大とは逆に)、患者の臼歯に成形外科力を加えることができる。光療法は、上顎骨が成長し、骨の拡張により生じた隙間が埋められる速度を促進するこれらの実施形態において使用することができる。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、骨の充填を促進する、および/または歯科矯正器具が取り外された後の上顎弓の再発または狭窄の可能性を減少させるのに有用である。いくつかの実施形態では、1つ以上のエミッタ332は、骨再生が光療法を通して刺激されるように、口蓋の正中線に向かって指向される光を放射する。いくつかの実施形態では、図6に示される装置は、RME器具または他の似た固定歯科矯正拡張器の周囲に合うように特別注文される。いくつかの実施形態では、図6に示される装置は、上顎抱合線を照明する1つ以上のエミッタ332、ならびに歯槽軟組織を照明する1つ以上の他のエミッタを含む。
[0108] エミッタ132、232、および/または332は、図3Aに示されるエミッタ32に類似する様式で作動することができる。
[0109] 図7は、実施形態に従う装置の概略図である。装置は、パネル401、402、403、404、光源410、1つ以上の光ファイバケーブル420、およびコントローラ430を含む。パネル401、402、403、および/または404は、上顎および/または下顎の根区域に隣接して配置されるように構成され得る。例えば、一実施形態では、パネル401、402、403、および/または404は、上顎および/または下顎の根区域と接触する一方、他の実施形態では、パネル401、402、403、および/または404は、上顎および/または下顎の根区域と接触しないが、上顎および/または下顎の根区域から特定の距離以内(例えば0.1cm〜3cm以内)にある。そのような構成は、口腔内に電子機器を設置する必要性を排除することができる。
[0110] 光源410は光を放射するように作動可能であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、光源410は、単色光を出力することができる。例えば、光源410は、レーザ、LED、および/または任意の他の好適な光源であり得る。光源410は、約600nm〜約1200nmの範囲の波長を有する光を放射する、2つ以上の波長の光出力を放射する、波長の範囲を通過する、および/または広域スペクトル光出力もしくは任意の好適な波長または複数の波長を放射するように構成され得る。光源410は、本明細書に記載される任意の波長または特性を有する光を出力することができる。
[0111] 光は、1本以上の光ファイバ420を介して光源410からコントローラ430に輸送され得る。コントローラ430は、例えば光学スイッチであり得る。コントローラ430は、1本以上の光ファイバ420を介して光源410からパネル401、402、403、および/または404に光を選択的に伝送するように作動可能であり得る。例えば、コントローラ430は、パネル401、402、403、および/もしくは404に送達される光の動作可能/停止状態、強度、周波数、パルス、時間負荷率、ならびに/または任意の他の好適なパラメータを集合的に、かつ/または個別に制御することができる。コントローラ430は、図3Aに示されるコントローラに類似して作動することができる。
[0112] いくつかの実施形態では、2本以上の光ファイバ420が各パネルに指向され得る。光ファイバは、図4および図5に示され、それらを参照して記載される装置に類似して、根領域に隣接して(例えば0.1cm〜3cm)または根領域で終結することができる。よって、各光ファイバは、光源410から根区域に光を指向することができる。2本以上のファイバ420を提供することにより、供給源410からの光は、根区域の特定の部分を照明するように指向および/または制御され得る。この方式では、コントローラ430は、図3、図4および図5に示され、それらを参照して記載されるエミッタ32、132、および/または232に類似して、1つ以上の歯の根領域に光を選択的に適用することができる。
[0113] 図8は、実施形態に従う装置の概略図である。装置は、パネル501、502、光源510、光ファイバリボン520、およびコントローラ530を含む。パネル501および502は、上顎の根区域ならびに下顎の根区域に隣接して配置されるように構成され得る。本明細書に開示されるように、パネル501および502は、例えば最初に上顎の根区域に隣接して配置することができ、次いで、上顎の歯科矯正治療が完了した後、パネル501および502は、上顎から取り外され、それらが下顎の根区域に隣接して配置されるように下顎に設置され得る。一実施形態では、パネル501、502は、上顎および/または下顎の根区域と接触する一方、他の実施形態では、パネル501、502は、上顎および/または下顎の根区域と接触しないが、上顎および/または下顎の根区域から特定の距離以内(例えば0.1cm〜3cm以内)にある。そのような構成は、口腔内に電子機器を設置する必要性を排除することができる。
[0114] パネル501、502は、上部分542を画定し得る。上部分542の断面は、患者に快適さをもたらし、装置を上顎および下顎のフランジ区域に適合させるように、円形および/または涙形の形状(図3Aに示されるパネル42の部分に類似する)であってよい。例えば、本明細書に開示されるように、装置は、パネル501、502の上部分542が上部フランジ区域に適合するように上顎に装着され得、次いで、装置は上顎から取り外されて、逆さに反転され、次いで、上部分542がこの時点で下部フランジ区域に配置されるように下顎に設置される。この様式では、パネル501、502の上部分542は、患者の口の上部および下部フランジ区域の両方に合致し、適合するように構成される。いくつかの実施形態では、パネル501、502は、例えば装置が上顎から取り外され、装置を反転させることなく下顎に設置されるように、円形および/または涙形形状の断面を有する下部分541も画定することができる。ここで、上部分542とは対照的に、下部分541は、下部フランジ区域に合致するように配置され、構成される。
[0115] パネル501、502の部分541、542は、鋭くまたは尖った端であると患者の口の前庭を刺激するか、またはその深さが不快であるため、そのような端を含まない任意の形状を有することができる。いくつかの実施形態では、部分541および/または542は、患者に不快さをもたらすであろう力を分散し、圧点を最小化する形状または断面形状を有する。いくつかの実施形態では、部分541および/または542は、パネル501、502の残りの部分よりも厚い断面を有する。この様式では、部分541および/または542は、繊細な粘膜軟組織をそらし、患者にあまりまたは全く不快さを与えずにフランジを完全に延在させる。より具体的には、部分541および/または542は、頬側組織を歯槽から離れてそらすことができる。
[0116] 光源510は、図7を参照して、光源410と同じ様式で光を放射するように作動可能であり得る。光は、光ファイバリボン520を介して光源510からコントローラ530に輸送され得る。コントローラ530は、図7を参照して、コントローラ430と同じ様式で光ファイバリボン520を介して光源510からパネル501および/または502に光を選択的に伝送するように作動可能であり得る。例えば、コントローラ530は、パネル501および/または502に送達される光の動作可能/停止状態、強度、周波数、パルス、時間負荷率、ならびに/または任意の他の好適なパラメータを集合的に、かつ/または個別に制御することができる。
[0117] 光ファイバリボン520は、リボン520のうちの1本以上の光ファイバが各パネル501、502に電気的に接続され、かつ/またはそれに指向されるように、図8に示されるように装置に結合され得る。例えば、リボン520の光ファイバのうちの1つ以上は、図4および図5に示され、それらを参照して記載される装置に類似して、根領域に隣接して(例えば0.1cm〜3cm)または根領域で終結することができる。よって、リボン520の各光ファイバは、図7を参照して、光ファイバ420と同じ様式で、光源510から根区域に光を指向することができる。リボン520の光ファイバは、パネル501、502を光学的に一緒に結合するように構成され得る。光ファイバリボン520は、例えば1つ以上の束でその中に1本以上の光ファイバを有することができる。例えば、リボン520は、治療に使用される特定の光放射技術またはパターンに応じて、各パネル501、502に1本のファイバ〜500本の範囲のファイバを有することができる。光ファイバリボン520は、リボンが装置から患者の口の外側まで快適に延在することができるように、任意の好適な形状および/または寸法を有し得る。例えば、リボン520は約0.5cm〜約1.0cmの幅を有することができる。図8の装置は、パネル501および502の両方に電気的に結合される単一リボンを有するように図示され、記載されるが、他の実施形態では、装置は2本以上のリボンを含む。例えば、一実施形態では、装置は2本のリボンを含む。いくつかの実施形態では、1本のリボンはパネル501に電気的に接続され得、もう一方のリボンはパネル502に別個に電気的に接続され得る。いくつかの実施形態では、リボン520は、織光ファイバ布地である。より具体的には、この実施形態では、リボン520は、布地に織られる1本以上の光ファイバから構成され得る。いくつかの実施形態では、織光ファイバ布地からの光は、約90°で放射される、または布地のパネルに対して垂直に放射される。図8の装置と共に使用することができる織光ファイバ布地の例としては、LightMat(登録商標)が挙げられ、これはLumitex,Inc.(http://www.lumitex.com/)から市販されている。
[0118] 本明細書に開示されるように、図8の装置は、上顎または下顎のいずれかに設置され得る。いくつかの実施形態では、図8の装置は、歯科矯正治療中に設置される。例えば、治療の開始時に、装置は、装置の上部分542が上部フランジ区域に配置されるように上顎に設置され得る。次いで、治療中しばらく経って、患者は上顎から装置を取り外し、残りの治療として下顎に装置を設置することができる。一実施形態では、装置は、装置の下部分541が下部フランジ区域内に配置されるように下顎に設置され得る。この実施形態では、装置は、表が上のままである。しかし、別の実施形態では、装置は、装置の上部分542が下部フランジ区域内に配置されるように下顎に設置され得る。換言すると、患者が自分の上顎から装置を取り外した後、患者は、装置が上下逆となるように装置を180°回転させ、下顎に装置を設置することができる。この実施形態では、上部分542は上と下のフランジ区域の両方に合致する。
[0119] いくつかの実施形態では、装置は、患者の口に対して装置の位置または配向を決定することができる位置センサなどの電子デバイスを含む。より具体的には、装置が下顎への設置のために上下逆(例えば180°回転させる)に向きをかえられる実施形態では、装置は、歯科矯正治療中の患者の口腔内の装置の位置または配向を決定する電子デバイスを含み得る。例えば、センサは、装置が上顎または下顎に装着されているか否かを決定することができる。そのような電子デバイスは、歯科矯正治療中の遵守性の監視に有用であり得る。いくつかの実施形態では、電子デバイスは、1つ以上のスイッチ、センサ、および/または同等物であり得る。
[0120] 図1〜図8を参照して本明細書に図示され、記載される装置のいずれも、本明細書に記載される任意の様式で作動し、機能することができる任意の数のパネルを有することができる。必ずしも図示されないが、いくつかの実施形態では、パネルは一緒に結合され、かつ/または1つ以上のユニット内に封入することができる。例えば、図7のパネル403および404は、上歯に合致するマウスガードに類似し、一緒に結合され、かつ/または単一ユニット内に封入することができる。パネル401および402は、同様に、下歯に合致するマウスガードに類似する、一緒に結合され、かつ/または単一ユニット内に封入することができる。光放射パネルを含むマウスガードの例は、図30〜図37および図43〜図50に示される。患者の上歯に対して位置付けられるマウスガードが図37に示されるが、マウスガードは、患者の下歯に対しても位置付けられることに留意するべきである。別の例では、パネル403および404は、パネル403の少なくとも一部分がパネル404の一部分と重複するように一緒に結合され得る。この例のパネル403は、パネル404と同じ波長で、または異なる波長で光を放射することができる。さらに、電力出力および光治療強度は、1つ以上のパネルを層状に重ねるまたは重複させることにより高めることができる。
[0121] いくつかの実施形態では、本明細書に記載される口腔内装置のいずれも、マイクロプロセッサ、メニュー方式ソフトウェア、およびLCDスクリーンのうちの1つ以上を格納する携帯型コントローラを含み得る。コントローラは、1回以上の光療法セッションおよびその継続時間を計算し、かつ/または監視するようにプログラムされ得る。ユーザインターフェースは、例えば患者が完了したセッションの数および各セッションにおける残り時間が分かるように患者にセッション情報を表示することができる。コントローラは、例えばUL承認電力供給含む任意の好適な電力供給を使用することができる。いくつかの実施形態では、口腔内装置は、4つの治療アレイを含み得、その各々は、可撓性プリント回路基板と、起伏のあるヒートシンクおよび赤外線伝播レンズ、一実施形態では、プラスチックレンズに載置され、コントローラに取り付けられる伝導性ケーブルを有するLED一式とを含み得る。
[0122] 図9は、実施形態に従う装置の概略図である。装置は患者の口腔内光療法用に構成され得る。装置は、パネル601、602、光源610、および光ファイバ620を含む。パネル601、602、603、および604は、例えば図1〜8を参照して本明細書に記載される類似する様式で、上顎の根区域ならびに下顎の根区域に隣接して配置されるように構成され得る。より具体的には、パネル601および602は上顎(または下顎)の前方根区域に隣接して配置され得、パネル603および604は、上顎(または下顎)の後方根区域に隣接して配置され得る。換言すると、パネル601、602、603、604は、上顎根区域および下顎根区域のそれぞれの前方(パネル601、602に関して)および後方(パネル603、604に関して)に配置されるように構成され得る。この様式では、使用中、パネル601、602は、パネル603、604に向かう方向に光を放射するように構成され得、パネル603、604は、パネル601、602に向かう方向に光を放射するように構成され得る。パネル601、602、603、および604は、例えば最初にそれぞれ上顎の前方または後方の根区域に隣接して配置することができ、次いで、上顎の歯科矯正治療が完了した後、パネル601、602、603、および604は、上顎から取り外され、それらがそれぞれ下顎の前方または後方の根区域に隣接して配置されるように下顎に設置され得る。一実施形態では、パネル601、602、603、および604は、上顎および/または下顎の根区域と接触する一方、他の実施形態では、パネル601、602、603、および604は、上顎および/または下顎の根区域と接触しないが、上顎および/または下顎の根区域から特定の距離以内(例えば0.1cm〜3cm以内)にある。いくつかの実施形態では、パネル601、602は、上頬舌側および/または下頬舌側の歯槽軟組織に隣接して(例えば、接触するか、またはその特定の距離以内に)配置されるように構成され得、パネル603、604は、上舌側および/または下舌側の歯槽軟組織に隣接して配置されるように構成され得る。そのような構成は、口腔内に電子機器を設置する必要性を排除することができる。
[0123] パネルは、例えば図1〜図8を参照して記載されるものを含む、本明細書に記載されるいずれかのパネルの1つ以上に関して類似するか、またはそれと同一であってよい。各パネル601、602、603、604は、光源610に延在する光ファイバ620の束と関連付けられている。より具体的には、各パネル601、602、603、604は、光ファイバ620の束を介して光源610のエミッタ632と関連付けられている。この様式では、各パネル601、602、603、604、およびそれぞれのパネルが結合される任意のハウジング(図9には図示せず)は、光源610のエミッタ632に光学的に結合される。
[0124] 光源610は、図7を参照すると光源410、および/または図8を参照すると光源510と同じ様式で光を放射するように動作可能であり得る。光源610は、例えば、1つ、2つ、3つ、または4つ以上(例えば10)のLED(例えば、図9に示されるLED612、614、616、618を含む)を含み得る。例えばLED612、614、616、618を含む光源610の少なくとも一部分は、装置の外部ハウジングに配置され得、パネル601、602、603、604が本明細書に記載される根区域に隣接して口腔内に配置されるとき、その少なくとも一部分は経口外に配置されるように構成される。例えば、装置の外部ハウジングは、パネル601、602、603、604が本明細書に記載される根区域に隣接して口腔内に配置されるとき、患者の唇によって形成される開口部を通して延在することができる。
[0125] 装置は、それを通して1つ以上の開口部652を画定するマニホールド650を含み得る。マニホールド650の各開口部652は、開口部652の少なくとも一部分が漏斗形状であるように、先細りの表面部分654を含み得る。光源610(例えばLED612、614、616、618のうちの1つ)とパネルのうちの1つ(例えばパネル601)との間に延在する光ファイバ620の束は、マニホールド650の開口部652を通して配置することができる。図10に図示されるように、束の光ファイバ620の端は、LED612上に据え付けられるか、またはそれに隣接する。例えば、いくつかの実施形態では、束の光ファイバ620の端は、LEDパッケージ(例えば、図12に示される、例えばLED612を含み得るLEDパッケージ632)また他の好適な光源上に据え付けられる。LEDパッケージ(または他のエミッタ)632に近接するマニホールド650の開口部652の部分のうちの少なくとも1つ、またはLEDパッケージ(または他のエミッタ)632は、光ファイバ束の直径以下の直径を有し得る。例えば、図12に示されるように、光ファイバ束620、およびLEDパッケージ632に近接するマニホールド650の開口部652のそれぞれは、直径Dを有する。漏斗形状のマニホールドを使用することにより、光ファイバ620をより小さい束の群に編成することが可能となり、それによって、かさばった搭載フェルールのいずれの必要性を排除する。マニホールド650を介した光ファイバ620のそのような編成は、本明細書にさらに詳細に記載されるように、個々のパネル601、602、603、604を指定することも行う。
[0126] 光は、光ファイバ620を介して光源610のLED(例えばLED612、614、616、618)からパネル601、602、603、および/または604に輸送され得る。例えば、コントローラ(図9に図示せず)は、パネル601、602、603、および/または604に送達される光の動作可能/停止状態、強度、周波数、パルス、時間負荷率、ならびに/または任意の他の好適なパラメータを集合的に、かつ/または個別に制御することができる。
[0127] 光ファイバ620は、光ファイバ620の束が各パネル601、602、603、604に電気的に接続され、かつ/またはそれに指向されるように、図9に示されるように装置に結合され得る。例えば、光ファイバ620は、光ファイバ620の近位端が光源610およびマニホールド650のうちの少なくとも1つに結合されるか、またはそれに隣接するように、かつ光ファイバ620の遠位端が1つ以上のパネル601、602、603、および/または604に結合されるか、またはそれに隣接するように結合され得る。1つ以上の光ファイバ620(即ち、光ファイバのうちの1つ以上の遠位端)は、図4および5に示され、それらを参照して記載される装置に類似して、根領域に隣接して(例えば0.1cm〜3cm)または根領域で終結することができる。よって、各光ファイバ620は、図7を参照して、光ファイバ420と同じ様式で、光源610から根区域に光を指向することができる。光ファイバ620は、パネル601、602、603、および/または604を一緒に光学的に結合するように構成され得る。光ファイバ620は、任意の適切な数のファイバで束ねることができる。例えば、各パネル601、602、603、および/または604は、治療に使用される特定の光放射技術またはパターンに応じて、1本のファイバ〜500本のファイバの範囲の束を伴うことができる。光ファイバ620は、ファイバがパネルから患者の口の外側に配置される光源610まで快適に延在することができるように、任意の好適な形状および/または寸法を有し得る。光ファイバ620は、例えば約0.5cm〜約1.0cmの集合幅を有する。カラー622は、ファイバの束を一まとめにするために光ファイバ620の束のうちの1つ以上を周囲に配置することができる。図9〜12に示される装置は、例えば歯科矯正治療中に上顎または下顎のいずれかに設置され得る。
[0128] 図13は、実施形態に従う装置の概略図である。装置は患者の口腔内光療法用に構成され得る。装置は、例えば図9〜図12を参照して本明細書に記載される装置を含む、本明細書に記載される他の口腔内光療法装置の1つ以上の観点において類似するか、またはそれと同一であってよい。装置は、口腔内ハウジング780と、口腔内ハウジングが口腔内に配置されるとき、ハウジングの少なくとも一部分が口腔外に配置されるように口腔内ハウジングの前部分から延在する外部ハウジング790とを含む。
[0129] 口腔内ハウジング780は、1つ以上のパネル701、702、703、704を含む。パネル701、702、703、704は、光放射アレイ、ファイバマット、有機LED(「OLED」)、または前述の任意の好適な組み合わせを含み得る。パネル701、702、703、704は、パネル601、602、603、604を参照して、本明細書に記載される任意の様式で患者の口腔内に配置されるように構成され得る。
[0130] 口腔内ハウジング780は、顎の前方根区域(または頬側歯槽軟組織)に隣接して位置付けられるように構成されるパネル701、702と、顎の後方根区域(または舌側歯槽軟組織)に隣接して位置付けられるように構成されるパネル703、704との間に接続され得る。いくつかの実施形態では、口腔内ハウジング780は、パネル701の下部分(図13に図示せず)とパネル704の下部分(図13に図示せず)との間、および同様に、パネル702の下部分(図13に図示せず)とパネル703の下部分(図13に図示せず)との間に延在するように構成される下部分を含む。この様式では、口腔内ハウジング780は、パネル701、702、703、704を含む、口腔内ハウジングの下部分および口腔内ハウジングの上部分により画定される陥凹部分782、783を含み得る。陥凹部分782、783は、患者の歯列の少なくとも一部分を受容するように、またはその周囲に配置されるように構成され得る。より具体的には、陥凹部分782、783は、パネル701、702、703、704を含む口腔内ハウジングの上部分が上顎および/もしくは下顎の歯槽軟組織または根区域に隣接して配置される、および/またはそれと接触するように、口腔内ハウジングの下部分の患者の歯列の少なくとも一部分を受容するのに十分な深さを有するように構成される。
[0131] 光ファイバ720は、1つ以上の光ファイバが各パネル701、702、703、704に電気的に接続され、かつ/またはそれに指向されるように、パネル701、702、703、704と、外部ハウジング790(例えば装置が使用されているとき、口腔の外側に留まるように構成される外部ハウジングの前部分)に配置される光源(図13に図示せず)との間に延在する。例えば、光ファイバ720のうちの1つ以上は、図4および7に示され、それらを参照して記載される装置に類似して、根領域に隣接して(例えば0.1cm〜3cm)または根領域で終結することができる。よって、各光ファイバ720は、図7を参照して記載される光ファイバ420と同じ様式で、光源から根区域に光を指向することができる。光ファイバ720は、パネル701、702、703、704の任意の組み合わせを一緒に光学的に結合するように構成され得る。装置は、任意の好適な数の光ファイバを有することができる。例えば、装置は、治療に使用される特定の光放射技術またはパターンに応じて、各パネル701、702、703、704に1本のファイバ〜500本の範囲のファイバを有することができる。光ファイバ720は、マニホールド750によって光源に接続され得る。マニホールドは、図10〜図12を参照して記載されるマニホールド650の1つ以上の観点において類似するか、またはそれと同一であってよく、よって、本明細書に詳細に記載されない。
[0132] 光源は、図9〜図12を参照して本明細書に記載される光源610の1つ以上の観点において類似するか、またはそれと同一であってよく、よって、本明細書に詳細に記載されない。光源は光を放射するように作動可能であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、光源は、単色光を出力することができる。例えば、光源は、レーザ、LED、および/または任意の他の好適な光源であり得る。光源は、約600nm〜約1200nmの範囲の波長を有する、または本明細書に開示される任意の波長もしくは複数の波長範囲の光を放射する、2つ以上の波長の光出力を放射する、波長の範囲を通過する、および/または広域スペクトル光出力もしくは任意の好適な波長または複数の波長を放射するように構成され得る。光源は、本明細書に記載される任意の波長または特性を有する光を出力することができる。
[0133] 外部ハウジング790は、図14に示されるように、電源792および電子回路794を含む。電源792は、例えば再充電可能なバッテリを含むバッテリであり得る。電子回路794は、回路基板を含み得る。電子回路794および任意の関連する電子機器は、即ち、歯科矯正治療中に装置を制御するように構成され得る。例えば、電子回路は、光源および/また光ファイバ720の作動状態、波長、強度、周波数、または光放射の継続時間のうちの少なくとも1つを制御するように構成される。装置は治療中に外部構成成分へのいかなる物理的接続を必要としないため(例えば、外部光源、外部コントローラ、または外部電源への接続を必要としない)、装置は自己完結型と特徴付けされ得る。
[0134] 装置は、装置が真っ直ぐにもしくは上下逆(例えば180°回転した)位置または配向であるか否か(即ち、装置が上顎または下顎に関して配向されるか否か)を決定するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、外部ハウジング790は、位置センサ、ジャイロスコープ、および加速度センサのうちの少なくとも1つを含む。ジャイロスコープおよび/または加速度センサは、装置の位置(または配向)を決定するように構成される1つ以上のセンサを含み得る。
[0135] いくつかの実施形態では、装置は、図15に示されるように、充電スタンド770も含むシステムに含まれる。充電スタンド770は、装置の少なくとも一部分(例えば、口腔内ハウジング780および/または外部ハウジング790の少なくとも一部分)、接続アセンブリ772、およびディスプレイ776を受容するように構成される受容部分774を画定する。接続アセンブリ772は、外側ハウジング790に配置される電源792の充電(また再充電)を容易にするように構成される。いくつかの実施形態では、接続アセンブリ772は、電源792の充電を容易にするために、装置の接続アセンブリ796に結合するための物理的またはワイヤ接続を提供する。例えば、接続アセンブリ772は、装置または充電スタンド770のうちの1つに配置されるソケット、および装置または充電スタンドのうちのもう一方に配置される対応するプラグを含み得る。いくつかの実施形態では、接続アセンブリ772は、電源792を無線で充電するように構成される。例えば、接続アセンブリ772は、電源792を誘導的に充電するように構成され得る。充電スタンド770のディスプレイ776は、器具および/または充電スタンドに関連する情報を表示するように構成される。例えば、ディスプレイ776は、電源792の充電の状態または量に関連する情報、治療プロトコルに関連するパラメータ、および/または充電スタンド770または装置のうちの1つを使用するための説明書を表示するように構成され得る。いくつかの実施形態では、充電スタンド770は、装置と一方向または双方向通信するように構成される。この様式では、治療プロトコルおよび/または治療歴(例えば処方された治療プロトコルの患者の使用状況また遵守性)に関連する情報は、最新情報が装置と充電スタンドとの間で伝達されるため、治療プロトコルおよび/または治療歴に対する任意の変更を含む更新情報を含む。
[0136] 図16は、実施形態に従う装置の概略図である。装置は患者の口腔内光療法用に構成され得る。装置は、1つ以上の観点において類似してよく、装置の1つ以上の観点に関して類似するまたは同一の構成成分、および図13〜図15を参照して本明細書に記載されるものを含む、本明細書に記載される関連する構成成分を含む。例えば、装置は、口腔内ハウジング880および外部ハウジング890を含む。口腔内ハウジング880は、口腔内に配置されるように構成される。外部ハウジング890は、外部ハウジングの少なくとも一部分が患者の唇によって形成される開口部を通して延在することができ、かつ口腔内ハウジングが口腔内に配置されるとき、外部ハウジングの少なくとも一部分が口腔の外側に配置されるように口腔内ハウジング880の前方から延在する。
[0137] 口腔内ハウジング880は、本明細書に記載される任意の好適な様式で口腔内に位置付けられるように構成され得る。口腔内ハウジング880は、上顎および/もしくは下顎の前方根区域(ならびに/または頬側歯槽軟組織)に隣接して配置されるように構成される第1の光放射アレイ801と、上顎および/もしくは下顎の舌側根区域(ならびに/または舌側歯槽軟組織)に隣接して配置されるように構成される第2の光放射アレイ802とを含む。例えば、図16に概略的に示される上面図から、口腔内ハウジング880は、U字型または馬蹄型の形状に類似する形状を有し得る。よって、つまり、第1の光放射アレイ801は、口腔内ハウジング880のU字型形状の外側部分に配置され、第2の光放射アレイ802は、口腔内ハウジングのU字型形状の内側部分に配置される。この様式では、使用中、光放射アレイ801、802は、光放射アレイ803、804に向かう方向に光を放射するように構成され得、光放射アレイ803、804は、光放射アレイ801、802に向かう方向に光を放射するように構成され得る。
[0138] 光放射アレイ801、802は、口腔内ハウジング880が構築される材料に少なくとも部分的に埋め込まれる。口腔内ハウジング880は、例えばシリコーン、または別の柔らかい、例えば柔軟な材料を含む、任意の好適な材料から構築され得る。例えば、光放射アレイ801、802は、口腔内ハウジング880が構築される材料に少なくとも部分的に埋め込まれるLED、OLED、光放射半導体、またはそれらの任意に好適な組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、光放射アレイ801、802は、口腔内ハウジング880材料に完全に埋め込まれる。
[0139] 口腔内ハウジング880は、図13を参照して陥凹部分782に関して記載されるものと類似する様式で陥凹部分882を画定することができ、よって、陥凹部分782は本明細書において詳細に記載されない。
[0140] 外部ハウジング890は、電源892、電子回路894、および配向感知機構(図16に図示せず)を含む。この様式では、装置は、自己完結型と特徴付けされ得る。電源892(例えばバッテリ)は、電子回路894を介して光放射アレイ801、802に電力を提供するように構成される。電子回路894は、例えば歯科矯正治療中に装置を制御するように構成され得る。配向感知機構は、装置の位置または配向、例えば装置が上顎に対する位置付けに関して真っ直ぐであるか、または下顎に対する位置付けに関して上下逆であるかを判断するように構成される。配向感知機構は、位置センサ、ジャイロスコープ(例えば半ジャイロスコープ(semi−gyroscope))、および加速度センサのうちの少なくとも1つを含み得る。
[0141] 装置は、図13〜図15を参照して本明細書に記載される装置と類似する様式で、充電スタンド770などの充電スタンドと共に使用されるように構成され得る。
[0142] 図13〜図16に関して記載される装置は、充電スタンド(例えば充電スタンド770)と共に使用するために構成されるように記載されてきたが、他の実施形態では、自己完結型装置は、電源を充電する、かつ/または装置による光の放射を制御するために異なって構成され得る。例えば図17を参照すると、装置は、口腔内に配置されるように構成される口腔内ハウジング980と、口腔内ハウジングが口腔内に配置されるとき、外部ハウジングの少なくとも一部分が口腔の外側であるように、患者の唇によって形成される開口部を通して延在するように構成される外部ハウジング990とを含む。口腔内ハウジング980は、1つ以上の観点において類似してよく、本明細書に記載される口腔内光療法用の任意の口腔内ハウジングまたは装置のものに類似するか、またはそれと同一である構成成分を含み得る。外部ハウジング990は、1つ以上の観点において類似してよく、本明細書に記載される外部ハウジング790および890のものに類似するか、またはそれと同一である構成成分を含み得る。
[0143] 外部ハウジング990の電源(図17に図示せず)は、コネクタ972(例えばUSBミニまたはマイクロプラグ)を介して充電されるように構成される。装置は、スマートフォン(例えばiPhone(登録商標)またはAndroid(商標)系デバイス)を含む携帯電話などの外部電子デバイスと電子的に連結されるか、または組み合わせることができる。装置は、Bluetooth(登録商標)または他の無線接続などを介して外部電子デバイスとの無線双方向通信用に構成され得る。例えば、装置は、外部電子デバイスに患者の使用状況および/または治療プロトコルの遵守性に関連する情報を伝送するように構成され得、医学的治療、例えば歯科矯正治療に関連する外部電子デバイスから情報を受信するように構成され得る。外部電子デバイスに読み込まれるアプリケーションは、装置を使用する歯科矯正治療を監視し制御するため、および/または患者の使用状況履歴および/または処方された治療プロトコル遵守履歴を記録し、見直すために使用され得る。
[0144] いくつかの実施形態では、ある実施形態に従う装置は、装置によって患者の歯周組織(例えば上顎および/もしくは下顎の根区域ならびに/または歯槽軟組織の一部分)に照射される、それによって吸収される、または反射される光の量、例えばその強度もしくは継続時間を検出するように構成される。この様式では、例えば、ある実施形態に従う装置は、本明細書に記載されるように、処方された歯科矯正治療プロトコルの患者の遵守性を評価するように構成され得る。図18Aを参照すると、ある実施形態に従う装置は、本明細書に記載されるいずれの光放射アレイに類似するまたは同一であり得る放射アレイ1101と、1つ以上の光検出器1102を含み得る。いくつかの実施形態では、光放射アレイ1101は、上顎および/もしくは下顎の根区域ならびに/または歯槽軟組織の一部分の区域、もしくはそれに関連する区域を照明するように作動可能である1つ以上のエミッタを含む。光検出器のうちの1つ以上のセンサなどの光検出器1102の少なくとも一部分は、光放射アレイ1101によって放射される光(即ち、光子)の伝達、または歯槽軟組織(および関連する歯槽)からのその反射率を検出するために、口腔内に位置付けされるように構成される。例えば、光検出器1102またはそのセンサは、口腔内の宮殿(palatial)表面上に位置付けることができ、口腔の外側に配置される光検出器の一部分と電気通信にあってよい。歯科矯正治療中の光検出器1102による光伝達の検出は、数秒毎に光検出器を起動させる。装置は、光の減衰が光検出器によって既定の期間内に検出されない場合、電源が切れるように構成され得る。装置は、光の検出履歴、および検出の欠如のため電源が切られた装置の記録を保存するように構成され得る。そのような使用状況情報は、患者が処方された歯科矯正治療プロトコルに遵守しているか否かを決定するために使用され得る。この構成は、装置が患者の口内にない限り、光放射アレイ1101が作動しないことを確実にする二重安全機構としても機能する。この構成は、本明細書に記載されるように、情報が患者に施される光療法の使用状況をカスタマイズするために使用され得る場合、患者の骨密度ついての情報を得るためにも使用され得る。前述の遵守評価機構は、本明細書に記載される口腔内光療法用の任意の装置に含まれるか、またはその中に組み込むことができる。
[0145] 別の例では、図18Bを参照すると、ある実施形態に従う装置は、装置によって患者の歯周組織(例えば上顎および/もしくは下顎の根区域ならびに/または歯槽軟組織の一部分)に照射される、それによって吸収される、または反射される光の量、例えばその強度もしくは継続期間を検出するように構成される。例えば、装置は、根区域が曝露される光の量または線量から根区域に照射される、それによって吸収される、または反射されるエネルギー密度を決定するように構成され得る。装置は、装置によって放射される光の量が、本明細書に記載されるように、患者の歯周組織に照射される、それによって吸収される、または反射される検出された光の量、強度、および/または継続時間(またはエネルギー密度)に基づき調節されるべきであるか否かを決定するようにも構成される。
[0146] いくつかの実施形態では、装置は、第1のフランジ1110とおよび第2のフランジ1116を有するマウスピースを含む。第1のフランジ1110は、1つまたは複数の光エミッタ1111を含み、マウスピースが患者の口腔内に配置されるとき、上顎および/もしくは下顎の根区域ならびに/または歯槽軟組織の第1の部分(一般的に組織Tと称される)の頬側に隣接して配置されるように構成される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の光エミッタ1111は、第1のフランジ内に少なくとも部分的に、または完全に収められ得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の光エミッタ1111は、第1のフランジの表面上に配置される。1つまたは複数の光エミッタ111は、それから放射された光が上顎および/もしくは下顎の根区域ならびに/または歯槽軟組織の第1の部分に指向されるように位置付けられる。1つまたは複数の光エミッタ111は、経路1113などを介してコントローラ1114と電気通信にあるように構成される。この様式では、コントローラ1114は、1つまたは複数の光エミッタ1111による光の放射に影響を及ぼすパラメータ(例えば継続時間、強度、および波長)を制御することができる。
[0147] マウスピースの第2のフランジ1116は、1つ以上の光検出器1112を含み、マウスピースが患者の口腔内に配置される(および第1のフランジが上顎および/もしくは下顎の根区域ならびに/または歯槽軟組織の第1の部分の頬側に隣接して配置される)とき、上顎および/もしくは下顎の根区域ならびに/または歯槽軟組織の、第1の部分に対向する第2の部分の宮殿(palatial)側または舌側に隣接して配置されるように構成される。光検出器1112は、第2のフランジ1116内に少なくとも部分的に、または完全に収められ得る。光検出器1112は、第1の部分と第2の部分との間の上顎および/もしくは下顎の根区域ならびに/または歯槽軟組織を通過する光を受信するように構成される。光検出器1112は、経路1118などを介してコントローラ1114と電気通信にあるように構成される。光検出器1112は、光検出器1112によって受信される光に関連する情報をコントローラ1114に伝達するように構成される。例えば、光検出器1112は、受信した光の強度に関連する情報をコントローラ1114に伝達することができる。
[0148] コントローラ1114は、例えば患者の組織を通した標的光伝達を実現するために、1つまたは複数の光エミッタ1111による光放射のパラメータが調節されるべきであるか否かを決定するためのアルゴリズムを実行するように構成される。例えば、コントローラ1114は、光検出器1112によって受信され、コントローラ1114に伝達された光に関連する情報、ならびに1つまたは複数の光エミッタ1111による光放射に関連する1つ以上の既知のパラメータ(例えば継続時間、強度、および波長)に基づくアルゴリズムを実行することができる。コントローラ1114は、前述の決定に基づき、1つまたは複数の光エミッタ1111による光放射の1つ以上のパラメータを調節するように構成され得る。コントローラ1114によって調節されるか、または制御され得る光放射のパラメータは、1つまたは複数のエミッタ1111によって放射される光の強度、1つまたは複数の光エミッタ1111による光の放射の継続時間、1つ以上の光の波長、または強度、継続時間、および波長のうちの1つ以上を含む。
[0149] いくつかの実施形態では、コントローラ1114は、装置のマウスピースが上顎または下顎の根区域に対して(例えば隣接して)位置付けられるか否かを決定するように構成される。例えば、コントローラ1114は、1つまたは複数の光エミッタ1111に、既知の強度、継続時間、または波長で光を放射させることができる。次いで、コントローラ1114は、根区域を通して光の伝達に関連する情報を光検出器1112から受信し、次いで、受信した情報に基づき、光が上顎根区域または下顎根区域を通して伝達されたか否かを決定することができる。換言すれば、コントローラ1114は、光検出器1112によって受信された光伝達が第1の値範囲内である場合、マウスピースが上顎に対して位置付けられたか、または光検出器1112によって受信された光伝達が第2の値範囲内である場合、マウスピースが下顎に対して位置付けられたか否かを決定することができる。
[0150] いくつかの実施形態では、装置は、下顎および上顎のそれぞれに対して処方された治療計画前またはその開始時に較正されるように構成される。この様式では、マウスピースは上顎に対して位置付けられ、次いで、光は1つまたは複数の光エミッタ1111によって放射され、上顎根区域を通して伝達される光に基づくエネルギー密度は光検出器1112によって検出される。上顎に関して、本明細書においてI
比率と称される光伝達または反射率(場合によっては)の値は以下のように計算することができ、I
送達は、エミッタによって放射された光の値(例えば、mW/cm
2で測定される強度)であり、I
伝達は、光検出器によって受信された光の値(例えば、mW/cm
2で測定される強度)である。
同様に、下顎に関して、I
比率は以下のように計算することができる。
[0151] I
比率は、例えば、少なくとも一部光子出力密度に基づき得る。コントローラ1114は、I
比率値(即ち、
および/または
)を保存するように構成され得る。この様式では、装置は、マウスピースが上顎または下顎に対して最適に位置付けられるか否かを決定するために、保存した値を参照することができる。図18Aを参照して本明細書に記載される類似する様式では、装置は、歯科矯正治療計画の継続時間全体を通して患者の遵守性を監視するように構成され得る。使用中、各I
比率値は、以下の計算に従い患者の許容範囲に基づき調節され得る:
±%許容範囲。いくつかの実施形態では、コントローラ1114は、I
送達強度を選択的に変更する(例えば増加または減少する)ことなどにより、所望のI
伝達を実現するためにI
送達を調節するように構成される。
[0152] I比率は、mW/cm2で測定されるように本明細書に記載されるが、いくつかの実施形態では、I比率は、所望の照明パラメータまたは特性に見合う異なる測定単位を使用して測定され得る。例えば、I比率は、光波長(例えばナノメートルで)に対して測定され得る。この様式では、コントローラ1114は、例えば患者の組織に吸収され、かつ/または発色団によって伝達された波長の変化によって表される、細胞の光吸収状態を分析するように構成され得る。
[0153] 図18Cを参照すると、ある実施形態に従う装置は、上顎および/もしくは下顎の根区域ならびに/または歯槽軟組織の一部分に向かって放射される光の量、強度、波長、および/または継続時間を制御し、上顎および/もしくは下顎の根区域ならびに/または歯槽軟組織を通過する光の量、強度、波長、および/または継続時間を検出するように構成される。装置は、例えば図18Aおよび18Bを参照して本明細書に記載される装置など、本明細書に記載される任意の他の装置の構成成分と多くの点において類似する、もしくはそれと同一である構成成分と多くの点において類似する、またはそれと同一である、あるいはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、装置は、根区域の頬側に配置されるように構成される第1のフランジ1120と、根区域の宮殿(palatial)もしくは舌側に配置されるように構成される第2のフランジ1126とを有するマウスピースを含む。
[0154] 1つ以上の光エミッタ(例えば複数の光エミッタ)1121は、第1のフランジ1120に配置される。1つ以上の光エミッタ1121は、個々に指定可能な(または制御可能な)区画1123を含む。1つ以上の光エミッタ1121の区画により光の放射に影響を及ぼすパラメータ(例えば強度、継続時間、および/または波長)は、1つ以上の光エミッタの異なる区画と別個にかつ独立して制御され得る。換言すると、1つ以上の光エミッタ1121によって放射された光の強度、継続時間、および/または波長は、1つ以上の光エミッタの様々な区画1123の間で変動し得る。第2のフランジ1126は、1つ以上の光検出器(例えば複数の光検出器1122)を含む。複数の光検出器1122は、2つ以上の離散した光検出器1124を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の光検出器1122は、1つ以上の光エミッタ1121の区画1123の数に等しいいくつかの光検出器1124を含む。この様式では、各光検出器1124は、1つ以上の光エミッタ1121の対応する区画1123によって放射され、区画1123と光検出器1124との間の根区域を通過する光を受信するように構成され得る。この様式では、1つ以上の光エミッタ1121の各区画による光放射は、歯槽の寸法が変動し得る異なる患者の治療目標および/または生体構造の多様性に適応するように調節され得る。これらの調節は、対応する光検出器1124により受信された光に少なくとも一部基づき得る。
[0155] いくつかの実施形態では、図18A〜図18Cを参照して本明細書に記載される装置など、光伝達または反射を感知するための光検出器を含む装置は、初期較正を行うように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、装置を較正するために、患者は、口腔の上弓に装置を設置する。装置は、内部配向感知機構(例えばジャイロスコープ)を使用して、その配向(即ち、表が上または上下逆)を記録する。1つ以上のLEDなどの光源が起動される。1つ以上の光ファイバは、それらの遠位端で受信機および光検出器として機能し、これらは光子もしくは光の伝達もしくは反射率を決定するように構成される。光源の起動および受信機/光検出器ファイバによる光伝達または反射率の決定は、2回または3回など繰り返される。光伝達または反射率の平均値が計算され、計算された平均値が歯科矯正治療中の閾値または範囲として使用される。検出された光の量が閾値または範囲と一致しなくなる場合、装置は、歯科矯正治療を停止するように動作を停止する。
[0156] いくつかの実施形態では、装置は、患者の口腔内の湾曲および/または患者の組織の他の身体的特質に合うように成形される口腔内ハウジングを含む。例えば図20〜22を参照すると、ある実施形態に従う装置は、患者の頬側歯槽軟組織に隣接して配置されるように構成される前部分1282と、患者の舌側歯槽軟組織に隣接して配置されるように構成される後部分1284とを含む口腔内ハウジング1280を含む。正中線Mは、それぞれ、口腔内ハウジング1280の前部分と後部分1282、1284の左側と右側(本明細書においてウイングまたはフランジとも称される)を分ける。いくつかの実施形態では、左側と右側の高さは、通常の門歯根の長さおよび小臼歯の長さを含む長さに対応するように構成される。犬歯に隣接するように構成される側面の一部分は、側面の異なる(例えば門歯)部分と比較してわずかに延在しないか、またはそれより短くてよい。例えば、頬側歯槽軟組織に隣接して配置されるように構成される第1の光放射アレイまたはマット(図20〜図22に図示せず)は、2本の臼歯の幅と実質的に等しい長さを有することができる。例えば、舌側歯槽軟組織に隣接する歯の宮殿(palatial)側に配置されるように構成される第2の対応する光放射アレイまたはマットは、第1の光放射アレイと類似する長さを有することができる。口腔内ハウジング1280は、第1および第2の側面に対して、例えば上硬口蓋に対して垂直に移動するように構成され得る宮殿(palatial)部分またはウイング1288を含み得る。
[0157] 口腔内ハウジング1280は、それぞれが、口腔内ハウジングの前部分1282の下表面から延在する(例えば下方向に)第1の部分と、口腔内ハウジングの後部分1284の下表面から延在する(例えば下方向に)第2の部分と、セグメント1286の第1の部分の端と第2の部分の端との間に延在する第3の部分とを含む、1つ以上の明確なセグメント1286を含む。この様式では、セグメント1286(咬合パッドとも称される)は、口腔内ハウジング1280が本明細書に記載されるように口腔内に配置されるとき、各セグメントに隣接する1つ以上の歯冠の少なくとも一部分の周囲に配置されるように構成される。セグメント1286は、口腔内ハウジング1280の前部分1282に対して相互から側方に離間する。この様式では、口腔内ハウジング1280が本明細書に記載されるように口腔内に配置されるとき、セグメント1286または咬合パッドは、全ての歯より少ない歯冠の周囲に配置される。いくつかの実施形態では、患者の歯の第1の数がセグメント1286によって覆われ、第1の数より多い第2の数はセグメントによって覆われない。例えば、各セグメント1286は、1つまたは2つの歯冠の周囲に配置されるのに十分な高さ、幅、および/または深さを有し得る。使用中、患者は、口腔内に口腔内ハウジング1280の一部分を維持するなどのために、歯科矯正治療中にセグメント1286を噛みしめることができる。本明細書に記載されるセグメントまたは咬合パッドを使用することにより、装置の表面積に関連するかさを減少し、よって患者の快適さを増強するようにも機能する。
[0158] セグメント1286は、口腔内ハウジング1280の前部分および後部分1282、1284と類似する、もしくは同一の、または異なる材料から構築され得る。例えば、口腔内ハウジング1280の前部分および後部分1282、1284は、シリコーンなどの柔らかい、例えば柔軟な材料から構築され得、セグメント1286は、硬く、あまり柔軟ではない材料、例えば柔らかいシリコーンなどの柔らかい材料を外側被覆したシリコーンから構築され得る。
[0159] 図20〜図22に図示される実施形態では、口腔内ハウジング1280は、3つの咬合パッドセグメントを含む。第1のセグメントは、正中線Mに沿って前部分および後部分1282、1284の下表面から延在する。第2および第3のセグメントは、正中線Mに対向する口腔内ハウジング1280の左側および右側の端で前部分および後部分1282、1284の下表面から延在する下表面から延在する。しかしながら、他の実施形態では、セグメントは、前部分および後部分1282、1284の下表面に沿って異なる位置から延在することができる。例えば、図23に示されるように、装置は、口腔内ハウジングによって画定される正中線(図23に図示せず)で口腔内ハウジングの前部分および後部分の下表面から延在するセグメントを含む口腔内ハウジング1380と、正中線に対向する口腔内ハウジングの正中線と、それぞれ、左端および右端との間の1つ以上の位置から、口腔内ハウジングの前部分および後部分の下表面から延在する1つ以上のセグメントとを含み得る。
[0160] いくつかの実施形態では、装置の少なくとも一部分は、患者の身体の一部分に向かって付勢され、これは、例えば患者の口腔に対して装置の位置を維持するのに役立ち得る。図24に示されるように、装置は、根区域と頬側粘膜との間の顎の根区域に隣接して配置されるように構成される第1の部分1401と、顎の根区域の宮殿(palatial)側に隣接して配置されるように構成される第2の部分1402とを含み得る。第1の部分1401は、根区域に向かう第1の方向に付勢され、第2の部分1402は、根区域に向かう第2の反対方向に付勢される。より具体的には、第1の部分1401は、第1の部分の自由端が矢印A1により示される第1の方向に向かって移動され、かつ/または第1の方向の根区域に圧力を加えられるようにバネ押しされ、第2の部分1402の自由端は、矢印A2により示される第2の方向に向かって移動され、かつ/または第2の方向の根区域に圧力を適用できるようにバネ押しされる。いくつかの実施形態では、第1の部分1401および/または第2の部分1402によって適用される圧力は、患者の組織の少なくとも一部分をずらすのに十分である。第1および第2の部分1401および1402は、根区域に隣接して、例えば歯冠の真上に配置される接合部で旋回するように構成され得る。
[0161] 別の例では、図25に示されるように、装置は、正中線Mによって分けられる右側フランジ1501と左側フランジ1502を有する口腔内ハウジング1580を含み得る。右側フランジ1501および左側フランジ1502はそれぞれ、顎の根区域に隣接して配置されるように構成される。右側フランジ1501は、根区域に向かう第1の方向に付勢される。右側フランジ1501は、1つ以上のヒンジ(例えば図25に示される2つのヒンジ1503、1505)によって装置に結合され、口腔内ハウジング1580の右側フランジ1501内に埋め込まれる1本以上のワイヤ(例えば2本のニチノールまたは他の超弾性ワイヤ、それぞれ図25に示されるそれぞれのヒンジを伴う)を含む。例えば、ヒンジ1503、1505は水平軸の周囲を移動することができ、ニチノールワイヤ1504、1506は、ヒンジの水平軸に対して実質的に垂直な軸に沿って口腔内ハウジング1580のシリコーンに埋め込むことができる。ワイヤ1504、1506は、根区域に向かって付勢されるように構成される。そのようなものとして、ワイヤ1504、1506は、右側フランジの先端部分に対して押圧され、右側フランジ1501を根区域の組織に対して押圧させる。左側フランジ1502は、右側フランジ1501に類似して構成され得る。いくつかの実施形態では、ヒンジ1503、1505および/またはワイヤ1504、1506は、1本以上の歯を移動させるように作動可能である力など、比較的大きな歯科矯正力および/または成形外科力をもたらすことができる。
[0162] 別の例では、実施形態に従う装置は図26に図示される。装置は、第1の端と第2の端との間に延在する上部分1681と、第1の端と第2の端との間に延在する下部分1682とを有する口腔内ハウジング1680を含む。上部分および下部分1681、1682はそれぞれ、口腔内の根区域に隣接して配置されるように構成される。上部分および下部分1681、1682は、患者の歯列の湾曲に実質的に対応するように構成される湾曲を有する(例えばU字型または馬蹄形状である)。上部分1681の第1の端は、保形部材1687によって下部分1682の第1の端に結合される。保形部材1687は、例えば形状記憶特徴を有する湾曲した堅いプラスチック材料を含み得る。保形部材1687は、上部分1681の第1の端が口腔内ハウジング1680の下部分1682の第1の端から離れて矢印A3によって示される第1の方向に移動され、下部分1682の第1の端が口腔内ハウジング1680の上部分1681の第1の端から離れて矢印A4によって示される第2の方反対向に移動される開口構成に向かって付勢される。上部分1681の第2の端は、類似する保形部材1687によって下部分1682の第2の端に結合される。そのようなものとして、上部分1681の第2の端および下部分1682の第2の端は、開口構成に向かって相互から離れて付勢される。この様式では、口腔内ハウジング1680の上部分および下部分1681、1682は、患者の顎が開いているとき、それらのそれぞれの根部分に隣接したままであるように構成される。保形部材1687によって加えられる付勢力は、上部分1681および/または下部分1682の少なくとも一部分の据え付けを患者の頬/歯槽前庭の深部に向かって移動させるのに十分であるが、そのような力のみでは、患者の顎を開かせるには不十分な場合がある。
[0163] 実施形態に従う装置は図27に図示される。装置は、実質的にU字型または馬蹄形状の口腔内ハウジングを含む。口腔内ハウジングは、柔らかいシリコーンから構築され得る。ワイヤ1787(ニチノールまたは他の超弾性ワイヤ)または他の保形部材は、口腔内ハウジングに埋め込まれる。ワイヤの第1の端は口腔内ハウジング1780の第1の端1782に配置され、ワイヤの第2の端は口腔内ハウジングの第2の対向する端1784に配置される。ワイヤの第1および第2の端は、口腔内ハウジングの第1の端および口腔内ハウジングの第2の端が相互に向かう方向に移動される(または移動され得る)ように、内方向に付勢される。換言すると、ワイヤは、口腔内ハウジング1780の第1および第2の端1782、1784が配置される、図27の実線によって示される口腔内ハウジングの正中線Mから第1の距離の開口位置から、第1および第2の端1782、1784が配置される、図27の点線によって示される口腔内ハウジングの正中線Mから第1の距離より短い第2の距離の閉鎖位置まで移動するように付勢される。この様式では、ワイヤは、口腔内ハウジングの一部分(例えば左側部分および右側部分ならびに/または光放射パネル)に、根区域の舌側または宮殿(palatial)側に向かって根区域の頬側に軽く圧力を加える。またこの様式では、口腔内ハウジング1780は、歯根に対して口腔軟組織の一部分をずらすように構成される。
[0164] いくつかの実施形態では、図28に示されるように、装置は、相互から離れて、例えば図27を参照して示され、記載される方向と反対の方向に口腔内ハウジング1880の第1および第2の端1882、1884をそれぞれ付勢するように構成されるワイヤ1887(例えばニチノールまたは他の超弾性ワイヤ)または他の保形部材を有する口腔内ハウジング1880を含み得る。換言すると、ワイヤ1887は、第1および第2の端1882、1884が配置される、図28の実線によって示される口腔内ハウジングの正中線Mから第1の距離の閉鎖位置から、第1および第2の端1882、1884が配置される、図28の点線によって示される口腔内ハウジングの正中線Mから第1の距離より長い第2の距離の開口位置まで移動するように付勢される。この様式では、ワイヤは、口腔内ハウジングの一部分(例えば左側部分および右側部分ならびに/または光放射パネル、図28には図示せず)に、根区域の頬側に向かって、またはその方向に根区域の舌側または宮殿(palatial)側に軽く圧力を加えるように構成される。またこの様式では、口腔内ハウジング1880は、歯根に対して口腔軟組織の一部分を移動させるように構成される。
[0165] ワイヤ1887は、任意の好適な位置で口腔内ハウジング1880内に配置され得る。例えば、図28に示されるように、ワイヤ1887は、口腔内ハウジング1880の内側湾曲に隣接して位置付けられ得る。しかしながら、他の実施形態では、ワイヤ1987は、図29に示されるように、口腔内ハウジング1980の外側湾曲に隣接して位置付けられ得る。ワイヤ1987は、例えばワイヤ1987が相互から離れて、例えば図27を参照して示され、記載される方向と反対の方向、および図28を参照して示され、記載される方向に類似する方向に口腔内ハウジング1980の第1および第2の端1982、1984をそれぞれ付勢するように構成され得る点で、ワイヤ1887に関して多くの点で類似してよい。換言すると、ワイヤ1987は、図28を参照して本明細書に記載されるように、類似した様式で閉鎖位置(図29の実線により示される)から開口位置(図28の点線により示される)に移動するように付勢される。よって、ワイヤ1987は、口腔内ハウジング1980の一部分に、根区域の舌側または宮殿(palatial)側に軽く側方にかつ外方向に直接圧力を適用させるように構成される。
[0166] 図27よび28に示される装置は、保形部材としてワイヤ(例えばニチノールワイヤ)を含むように記載されるが、他の実施形態では、異なる保形部材(または付勢部材)が装置に含まれ得る。例えば、保形部材は、外側被覆されたプラスチック挿入部を含み得る。
[0167] 本発明の実施形態に従う口腔内装置2000が図43および44に図示される。装置2000は、本明細書において記載される口腔内装置と同じもしくは多くの点で類似する構成成分と同じもしくは多くの点で類似するか、またはそれを含み得る。口腔内装置2000は、患者の口腔内に配置されるように構成される口腔内ハウジング2080を含む。いくつかの実施形態では、口腔内ハウジング2080は、上顎、下顎、または上顎と下顎のそれぞれに対して患者の口腔内に位置付けされるように構成される。口腔内ハウジング2080は、少なくとも1つの光放射パネル2002を含む。光放射パネル2002は、LEDなどの1つ以上の光エミッタ2004を含み得る。口腔内装置2000は、本明細書に記載される任意の好適な様式で光を照射するように構成され得る。いくつかの実施形態では、例えば、口腔内装置2000は、約60mW/cm2の密度で光を照射するように構成され得る。
[0168] 光放射パネル2002は、3つの平行列に1つ以上の光エミッタ2004を含むように図示されるが、他の実施形態では、1つ以上の光エミッタは、光放射パネルおよび/または口腔内ハウジングに対して異なって(例えば1つ以上の縦列、1つ以上の対角線列、ランダムパターン、または任意の他の好適な構成で)位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、光放射パネル2002は、口腔内ハウジング2080内に少なくとも部分的に収められる。例えば、光放射パネル2002は、口腔内ハウジング2080内に埋め込むことができる。口腔内ハウジング2080は、例えば柔らかいシリコーン材料を含む、任意の好適な材料から構築され得る。口腔内ハウジング2080は、本明細書に記載されるように、コントローラなどの電子デバイス(図43〜図44に図示される)に電気的に結合されるように構成される。図44に示されるように、口腔内ハウジング2080は、テザー2020によって電子デバイスに結合され得る。
[0169] 口腔内装置2000は、本明細書に記載される任意のそのような治療を含む歯科矯正治療に使用するために構成され得る。いくつかの実施形態では、例えば、口腔内装置2000は、患者の上顎の少なくとも一部分を約3分間、患者の下顎の少なくとも一部分を約3分間、または患者の上顎と下顎のそれぞれを約3分間照射するために使用される。
[0170] 本発明の実施形態に従う口腔内装置2100が図45〜図50に図示される。装置2100は、本明細書において記載される口腔内装置と同じもしくは多くの点で類似する構成成分と同じもしくは多くの点で類似するか、またはそれを含み得る。口腔内装置2100は、患者の口腔内(例えば口の中)に配置されるように構成される口腔内ハウジング2180と、口腔内ハウジング2180に結合された口腔外ハウジング2190(本明細書において「くちばし」とも称される)とを含む。口腔外ハウジング2190は、口腔内ハウジング2180の前部分に結合される。例えば、口腔外ハウジング2190は、突出部2188によって口腔内ハウジング2180に結合され得る。この様式では、口腔内ハウジング2180が患者の口腔内に配置されるとき、突出部2188は、口腔外ハウジング2190の少なくとも一部分が患者の口腔の外側に配置されるように、患者の口の開口部を通して、例えば患者の唇の間の開口部を通して延在する。またこの様式では、口腔内ハウジング2180が患者の口内に配置されるとき、口腔外ハウジング2190またはくちばしは、口腔内ハウジング2180および/または突出部2188によって患者の口に対して支持され得る。口腔外ハウジング2190は、本明細書により詳細に記載されるように、装置2100の1つ以上の電子構成成分を少なくとも部分的に収めるように構成される。
[0171] 口腔内装置2100は、患者の上顎と下顎のそれぞれに対して光療法に有用であるように構成される。換言すると、口腔内装置2100は、装置が直立位置にあるとき、患者の上顎に対して光療法を施すように構成され得、装置が反転位置にあるとき、患者の下顎に対して光療法を施すように構成され得る。そのようなものとして、口腔内ハウジング2180は、患者の上顎および下顎のそれぞれに対して患者の口腔内に配置されるように構成され得る。口腔内装置2100および口腔内ハウジング2180は、上顎に対して配向されるように構成されるときには直立位置にあるように記載され、下顎に対して配向されるように構成されるときには反転位置にあるように記載されるが、他の実施形態では、口腔内装置2100および口腔内ハウジング2180は、下顎に対して配向されるように構成されるときには直立位置にあり、上顎に対して配向されるように構成されるときには反転位置にあることに留意するべきである。
[0172] 口腔内装置2100は、装置の配向を決定するように構成され得る。つまり、口腔内装置2100は、口腔内ハウジング2180が直立または反転位置にあるかを決定するように構成され得る。例えば、口腔内装置2100は、口腔内ハウジング2180が直立または反転位置にあるかを決定するように構成されるジャイロスコープ(図47に図示せず)を含む。ジャイロスコープは、装置2100の口腔外ハウジング2190内に配置されるか、またはさもなければそれに結合される。
[0173] 装置2100は、少なくとも1つのバッテリ、または他の好適な電源を含む。例えば、図47に示されるように、第1のバッテリ2194および第2のバッテリ2195は、装置2100の口腔外ハウジング2190に結合される。例えば、バッテリ2194、2195は、口腔外ハウジング2190に配置され得る。各バッテリ2194、2195は、本明細書により詳細に記載されるように、口腔内ハウジング2180内に配置される1つ以上の光放射パネル(図52に概略的に図示される)に電力を提供するように構成され得る。第1のバッテリ2194は、例えば再充電可能なリチウムイオンバッテリを含み得る。第2のバッテリ2195は、誘導的に充電するために構成され得る。例えば、第2のバッテリ2195は、Qi系充電コイルを含み得る。
[0174] マイクロプロセッサ2196は、装置2100口腔外ハウジング2190に結合される。マイクロプロセッサ2196は、口腔外ハウジング2190に配置され得る。マイクロプロセッサ2196は、口腔内装置2100の患者の使用に関連する情報を保存するように構成される。例えば、マイクロプロセッサ2196は、例えば治療プログラムに含まれる1つ以上の治療セッションのスケジュール、治療セッション中の装置2100の配向、治療セッションの継続時間、および治療セッションと1つ以上の前の治療セッションとの間の継続時間を含む、患者の治療プログラムおよび治療プログラム中の装置2100の使用に関連する情報を保存するように構成され得る。マイクロプロセッサ2196は、患者の口腔内装置2100の使用状況が患者の治療プログラムに従っているか否かを決定するようにも構成され得る。換言すると、マイクロプロセッサ2196は、患者の使用履歴(例えば患者の上顎および/または下顎に適用された治療セッションの数、治療セッションの継続時間、任意の治療セッションが中断されたか否かなど)が、治療プログラムからの任意の偏差を特定することを含む、患者の治療プログラムによって指定された治療セッションのスケジュールに従っているか否かを決定するように構成され得る。患者の遵守性に関するマイクロプロセッサ2196の決定は、少なくとも一部近接検出器から受信された情報に基づき得る。例えば、近接検出器は、装置が患者の口内に完全に設置されたときに起動されるように構成され得る。マイクロプロセッサ2196は、患者の使用状況および/または外部デバイス備える装置2100の遵守性に関連する情報を伝達するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ2196は、Bluetooth(登録商標)または別の好適な無線機構を介して、外部デバイス(例えば、携帯電話、携帯情報端末、コンピュータ、携帯用電子デバイスなど)に使用状況および/または遵守情報を伝達するように構成される。例えば図47に示されるように、Bluetooth(登録商標)通信モジュール2198は、口腔外ハウジング2190内に配置され得る。
[0175] 口腔外ハウジング2190は、治療セッションの状況の表示をもたらすように構成される通信機構(図47に図示せず)を含む。用語「表示」は、特に文脈が明確に示さない限り、本明細書において、単数形(「indicium」)または複数形(「indicia」)を含むように使用される。表示は、可聴表示(例えば、音、ビープ音、告示など)、触知表示(例えば、振動など)、または視覚表示(例えば、光、メッセージ表示など)のうちの1つ以上を含み得る。より具体的には、例えば、口腔外ハウジング2190は、治療セッションの状況、または段階を示すように構成される光表示を含む。光表示は、治療セッションの第1段階中には光を表示せず、治療セッションの第2段階中には点滅もしくはパルス光を表示し、および/または治療セッションの第3段階中には点灯表示するように構成される。光表示は、例えば、治療セッションの開始時に第1の既定の継続時間(例えば2分30秒、2分45秒、または2分10秒)の間点灯表示するように構成され得る。光表示は、治療セッションがその終わりに近いという患者へのシグナルとして、第1の既定の継続時間後、第2の既定継続時間(例えば10、15、または30秒)の間、点滅またはパルス光を表示するように構成され得る。光表示は、治療セッションが終了したとき(例えば治療セッションの開始から3分後)、光を表示しないように構成され得、装置2100は光を照射しない。
[0176] いくつかの実施形態では、口腔外ハウジング2190は、口腔内ハウジングが患者の口腔内に配置されるとき、口腔外ハウジングの少なくとも一部分が患者に見えるように、十分な長さを有する(例えば口腔内ハウジング2080と係合される口腔外ハウジングの第1の端2191と、口腔外ハウジングの第2の対向する端2193(即ち、口腔内ハウジングが患者の口腔内に配置されるとき、患者の口腔から最も遠い口腔外ハウジングの端)との間)。換言すると、口腔内ハウジング2180が患者の口腔内に配置されるとき、例えば口腔外ハウジングの第2の端2193を含む口腔外ハウジング2190の少なくとも一部分は、患者の視野内ある。この様式では、光表示は、光表示が治療セッション中、患者の視野内にあるような様式で、口腔外ハウジング2190に結合され得る。
[0177] 本明細書に記載されるように、口腔内ハウジング2180は、上顎、下顎に対して患者の口腔内に位置付けられるように構成されるか、または上顎および下顎のそれぞれに対して位置付けるために反転可能である。口腔内ハウジング2180は、例えば、図13〜図15および43〜図44を参照して本明細書に記載される口腔内ハウジングを含む、本明細書に記載される口腔内ハウジングの1つ以上に関して類似してよく、それの1つ以上の点において類似する、または同一である構成成分を含み得る。したがって、口腔内ハウジング2180は、詳細に記載されない。
[0178] 口腔内ハウジング2180は、下部分2182と、上部分2186とを含む。下部分2182は第1の平面を有し、上部分2186は第1の平面とは異なる第2の平面を有する。例えば、口腔内ハウジング2180が治療セッションに関して患者の口腔内に配置されるとき、上部分2186は実質的に垂直であり得、下部分2182は実質的に水平であり得る。この様式では、上部分2186は、患者の歯の側面の部分に隣接して、および/または歯槽粘膜に隣接して配置され得、下部分2182は、患者の歯の咬合面に隣接して配置され得る。例えば、下部分2182は、治療セッション中に噛みしめるための患者用の咬合パッドとして構成され得る。
[0179] 図46に示されるように、口腔内ハウジング2180の下部分2182は、突起部2184を含む。突起部2184は、口腔内ハウジング2180の正中線に沿って配置され、下部分2182の第1の平面に対して上昇する。突起部2184は、口腔内ハウジング2180が患者の口腔内に配置されるとき、患者による口腔内ハウジング2180の患者の口腔内への位置付けを容易にする。例えば、口腔内ハウジング2180は、突起部2184が患者の前中央門歯間に配置されるように、患者の口腔内に位置付けされるように構成される。歯および歯周組織に関連する患者の自己受容性は、口腔内ハウジング2180の突起部2184の部分に関して患者への感覚フィードバックを可能にするだろう。この様式では、突起部2184は、口腔内の口腔内ハウジング2180を中央に置き、よって、患者の口の両側の歯槽または他の口腔組織に対する光療法治療の対称性を促進することを容易にする。換言すると、光療法の根区域への対称的な施工を促進するために、口腔内ハウジング2180は、矢状面に沿って、または矢状面の(即ち+/−)5°以内に据え付けられる口腔内ハウジング2180の正中線により位置付けられ得、突起部2184は、そのような位置のそのような獲得を容易にすることができる。
[0180] 上部分2186は、第1(または左側)のフランジ2187と、第2(または右側)のフランジ2189とを含む。フランジ2187、2189はそれぞれ、口腔軟組織を先端方向にずらすように構成される。より具体的には、フランジ2187、2189はそれぞれ、患者の歯槽から離れて頬組織をずらすように構成される。いくつかの実施形態では、上部分2186の内面2185は、口腔内ハウジング2180が患者の口内に配置され、フランジ2187、2189が頬側組織をずらすとき、患者の歯槽組織から離間することができる。いくつかの実施形態では、上部分2186の内面2185の少なくとも一部分は、口腔内ハウジング2180が患者の口内に配置され、フランジ2187、2189が頬側組織を移動するとき、患者の歯槽組織に接触することができる。
[0181] 口腔内ハウジング2180は、例えば弾性材料(例えば柔かいシリコーン)を含む、任意の好適な材料から構築され得る。より具体的には、いくつかの実施形態では、口腔内ハウジングは、医療等級の射出形成された高可撓性シリコーンから製作され得る。突起部2184は、口腔内ハウジング2180と同じ材料、または口腔内ハウジング2180の下部分2182と少なくとも同じ材料から構築され得る。この様式では、患者が上顎と下顎を一緒に咬合するとき、突起部2184を含む口腔内ハウジング2180の下部分2182は、患者の歯の咬合面によって加えられる圧力によりわずかに変形する場合がある。それでもなお、下部分2182および/または突起部2184の任意のわずかな変形にも関わらず、突起部2184は、患者がその位置が分かるべき十分な寸法のものである。
[0182] 口腔内ハウジング2180は、少なくとも1つの光放射パネル2102(図52に概略的に図示される回路2130)を含む。光放射パネル2102は、複数のLEDなどの1つ以上の光エミッタ2132と、可撓性回路2130とを含み得る。口腔内装置2100は、患者の歯槽および/または根区域を照射するために本明細書に記載される任意の好適な様式で、光を照射するように構成され得る。LEDまたは他の好適な光エミッタ(複数可)は、本明細書に記載される任意の構成を含む、任意の好適な構成で光放射パネル2102に含まれ得る。いくつかの実施形態では、光放射パネル2102は、口腔内ハウジング2180内に少なくとも部分的に収められる。例えば、光放射パネルは、口腔内ハウジング2180内に(例えば口腔内ハウジング2180の上部分2186の内面2185に埋め込むことができる。本明細書に記載されるように、口腔内ハウジング2180は柔らかいシリコーン材料から構築され得る。この様式では、光放射パネル、よってパネルに含まれる任意のLEDまたは光エミッタは、口腔内ハウジング2180が患者の口腔内に配置されるとき、光放射パネルが患者の口腔組織の一部分を係合するのを防止するようにシリコーン材料に埋め込むことができる。光放射パネル2102は、口腔内ハウジング2180の上部分2186に結合されるか、またはそれに埋め込むための、任意の好適な寸法を有し得る。例えば、図52に示されるように、光放射パネル2102は、高さD1より高い高さD1および幅D2を有し得る。いくつかの実施形態では、例えば、パネル2102は、約31.9mmの高さ、および約92.5mmの幅を有する。パネル2102の高さD1の一部分は、口腔内ハウジング2180の左側および右側のフランジ2187、2189から下方向に延在する下部突出部を含み得る。突出部は、高さD3および幅D4を有し得る。いくつかの実施形態では、例えば、突出部は、6.9mmの高さ、および約12mmの幅を有する。パネル2102の寸法の特定の例が提供されるが、そのような寸法は単に例として提示され、限定されない。
[0183] 口腔内ハウジング2180は、口腔内ハウジング2180の外表面が患者の歯槽軟組織から離間されるように、患者の口腔内に配置されるように構成され得る。この様式では、口腔内ハウジング2180は、治療セッション中、患者の歯槽軟組織から離間するように(即ち、接触しない)構成される。いくつかの実施形態では、例えば、口腔内ハウジング2180の少なくとも一部分は、患者の歯の少なくとも一部分にわたって配置されるように構成され得る。口腔内ハウジング2180が患者の口内に配置されるとき、口腔内ハウジング2180の第1の部分は、患者の歯の部分の周囲に配置され、口腔内ハウジング2180の第2の部分は、歯槽軟組織に近接して配置され、離間される。
[0184] いくつかの実施形態では、口腔内ハウジング2180が治療セッション中に患者の口内に配置されるとき、口腔内ハウジング2180の少なくとも一部分(例えば、第1の部分)は、患者の歯の少なくとも一部分に嵌め込まれるか、さもなければぴったり適合するように構成される。例えば、口腔内ハウジング2180の少なくとも一部分は、図24および/または25を参照して本明細書に記載されるものと類似する様式で付勢され得る。いくつかの実施形態では、口腔内ハウジング2180は、患者の口の開口を容易にするように構成される1つ以上の開創器を含み得る。いくつかの実施形態では、口腔内ハウジング2180の少なくとも一部分は、口腔内ハウジング1280が治療セッションのために患者の口内に配置されるとき、歯槽軟組織の少なくとも一部分に接触するように構成され得る。いくつかの実施形態では、口腔内ハウジング2180の少なくとも一部分は、口腔内ハウジング2180が治療セッション中に患者の口内に配置されるとき、歯槽軟組織に接触しないが、特定の距離以内(例えば0.1cm〜3cm以内)にあるように構成される。
[0185] 図49〜図51を参照すると、口腔外ハウジング2190は、例えば装置2100が患者によって使用されていないとき、外部スタンド2170上に配置されるかさもなければそれに結合されるように構成され得る。外部スタンド2170は、例えば携帯用ケース、充電キャディもしくは充電スタンドなど、または前述の組み合わせであり得る。
[0186] スタンド2170は、基部2178と、蓋2176とを含み、蓋が閉鎖位置にあるとき(図49〜図51に示される)、基部2178と蓋2176によって形成され、それらとの間に画定される。蓋2176は、任意の好適な結合機構を使用して、例えば図49〜図51に示されるヒンジを使用して基部2178に結合され得る。この様式では、蓋2176は、便宜的にその閉鎖位置と開口位置(図示せず)との間で移動可能である。基部2178は、口腔内ハウジング2180の少なくとも一部分を受容するように構成される第1の陥凹2172と、口腔外ハウジング2190の少なくとも一部分を受容するように構成される第2の陥凹2174とを画定することができる。第1の陥凹2172の外周は、例えば口腔内ハウジング2180の外形に一致し得る。第2の陥凹2174の外周は、例えば口腔外ハウジング2190の外形に一致し得る。
[0187] 外部スタンド2170は、装置2100がスタンドに配置されるか、またはさもなければスタンドに結合されるとき、装置2100を充電するように構成され得る。この様式では、口腔外ハウジング2190が充電スタンドに結合されるとき、バッテリ2194は再充電され得る。いくつかの実施形態では、例えば、スタンド2170は、例えば第2のバッテリ2195を誘導的に充電することにより、本明細書に記載される装置2100を誘導的に充電するように構成される。いくつかの実施形態では、口腔外ハウジング2190の第2の端2193は、外部スタンド2170の補足または嵌合コネクタ(図45〜図51に図示せず)に結合されるように構成されるコネクタ(図45〜図51に図示せず)を含む。
[0188] 口腔内装置2100は、口腔内ハウジング2180が患者の口内に配置されるとき(即ち、治療セッションに好適な様式で)を決定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、例えば、口腔内装置2100は、患者の口腔軟組織からの光の反射を検出するように構成されるセンサ(図45〜図49に図示せず)を含む。センサは、例えば、可撓性回路2130に含まれるか、または埋め込まれる近接検出器を含み得る。そのような近接検出器は、例えば任意の好適な容量検出デバイスを含み得る。光放射パネル2102は、例えば近接検出器からのフィードバックに基づき、例えば外部スタンド2170から装置2100を取り外すとき、その中に含まれるLEDが点滅するか、またはパルスを発するように構成され得る。LEDは、既定の速度で点滅するか、またはパルスを発するように構成され得る。
[0189] 患者の口の口腔軟組織に向かってパルスを発するまたは点滅するLEDから放射された光の少なくとも一部分は、口腔内ハウジング2180に反射され、それによって、センサまたは他の光反射検出機構(一般的に「反射センサ」と称される、図45〜図49に示されない)によって検出される。反射センサは、口腔内ハウジング2180の左側に結合された光放射アレイ2102の一部分、および口腔内ハウジング2180の右側に結合された光放射アレイ2102の一部分の機能性を評価するように構成される。この様式では、反射センサは、患者に対して装置2100を作動させる前に、口腔内ハウジング2180の左側および右側のそれぞれに対して装置2100の任意の誤作動の検出を容易にする。好適な反射閾値は、光放射アレイ2102のLEDが適切に作動していることを決定するために、反射率を測定するように確立され得る。装置2100は、反射センサが口腔軟組織からの光反射を検出したとき、口腔組織の照射を開始する(即ち、治療セッションを始める)ように構成され得る。いくつかの実施形態では、反射センサが口腔軟組織からの光反射を検出したとき(例えば、既定の閾値で、またはそれを上回って)、反射センサは、治療セッションを開始するためにシグナルをマイクロプロセッサ2196に伝達するように構成される。
[0190] 口腔内装置2100は、本明細書に記載される任意の治療を含む歯科矯正治療に使用するために構成され得る。いくつかの実施形態では、例えば、口腔内装置2100は、患者の上顎の少なくとも一部分を約3分間、患者の下顎の少なくとも一部分を約3分間、または患者の上顎と下顎のそれぞれを約3分間照射するのに有用である。より具体的には、治療プログラムの1つでは、口腔内装置2100は、。光療法治療セッションを施すのに有用であり、これは患者の口の上弓および患者の口の下弓のそれぞれ(または逆も同様)が口腔組織に関連し、1日3分間連続的に、1日合計6分間の治療セッションである。
[0191] 治療セッション中、例えば、装置2100は、12ジュール/cm2を使用して光療法を施すように構成される。いくつかの実施形態では、12ジュール/cm2は、3分間の継続時間の間、150mW/cm2の強度で施される。そのようなものとして、口腔組織と接触する、または口腔組織から特定の距離以内のLED(よって摂氏43度の最大限度を下回る)は、摂氏約41度の熱閾値を下回って維持される傾向がある。いくつかの実施形態では、12ジュール/cm2は、約600mW/cm2の強度で約20秒間、または約1W/cm2の強度で約12秒間など、より高い強度で施すことができる。他の実施形態では、光は、約60〜12mW/cm2の強度で施される。
[0192] 光は、治療セッション中、850nm(±5nm)の波長で放射される。いくつかの実施形態では、光は、治療セッション中、850nm(±5nm)の波長で放射される。換言すると、LEDは、レーザのように単一波長ではなく、波長のブレンドで光を放射することができる。LEDによるピーク光放射波長(λ最大)は、855nmである。治療セッションは、4〜12ヶ月の期間を含むがこれに限定されない、任意の好適な期間の間施すことができる。そのような治療プログラムは、例えば、所望の歯科矯正結果を実現するために患者が歯科矯正器具(例えばブレス)を使用する必要性が予想される平均期間の継続時間を2年から6ヶ月に短縮することができる。前述の治療プログラムおよび/または本明細書に記載される任意の治療プログラムは、本明細書に記載される光療法なしで施される歯科矯正治療の継続時間を約50パーセント〜約75パーセントまで短縮することができる。
[0193] 口腔内ハウジング(例えば口腔内ハウジング780、880、980、1280、1680、1780、1880、1980、2080、2180)は、患者の歯の上弓または下弓のうちの少なくとも1つに類似する弓形状を有するように本明細書に図示され、記載されてきたが、他の実施形態では、光療法装置は、別の好適な構成を有する口腔内ハウジングを含み得る。例えば、図53を参照すると、患者の口腔組織(例えば、口腔粘膜および/または根区域)に光療法を施すように構成される口腔内装置2200は、口腔内ハウジング2280と、口腔内ハウジングに結合された口腔外ハウジング2290とを含む。口腔外ハウジングは、図45〜47を参照して本明細書に記載される口腔外ハウジング2190に多くの点で類似するか、または同一であってよく、したがって、本明細書に詳細に記載されない。口腔内ハウジング2280は、口腔外ハウジング2290に結合されているように示され、記載されるが、他の実施形態では、口腔内ハウジング2280は、口腔外ハウジング2290の構成成分の機能を行うように構成される別個の電子デバイスに(例えば、図44に関して示され、記載されるように、光ファイバケーブル(複数可)または他の電子テザーを介して)電気的に結合されるように構成され得る。
[0194] 口腔内ハウジング2280は、光放射アレイ2202を含む。光放射アレイ2202は、本明細書に記載される光放射アレイと同じであるか、またそれに関して多くの点で類似してよく、よって、図53に関して詳細に記載されない。口腔内ハウジング2280は、光放射アレイ2202が患者の歯の上弓および/または下弓の舌側に完全に配置されるように、口腔内に受容されるように構成され得る。口腔内ハウジング2280は、実質的に円形の外形を画定することができる。例えば、口腔内ハウジング2280は、球形、ディスク形状などであってよい。記述目的のため、口腔内ハウジング2280は、アイスキャンディーに類似する形状を有し、それに類似する患者の口内に配置され得る。この様式では、光放射アレイ2202は、光放射アレイ2202が図53の矢印A1、A2、A3、A4、A5、およびA6によって示される中心軸Aから放散される方向に患者の口腔組織(例えば、口腔粘膜および/または根区域)に向かって光を放射するように、口腔内ハウジング2280の外周に隣接して配置され得る。いくつかの実施形態では、口腔内ハウジング2280の少なくとも一部分は、口腔内ハウジング2280が患者の口内に配置されるとき、歯槽軟組織の少なくとも一部分と接触するように構成され得る。いくつかの実施形態では、口腔内ハウジング2280の少なくとも一部分は、口腔内ハウジング2280が患者の口内に配置されるとき、歯槽軟組織と接触しないが、それから特定の距離以内(例えば0.1cm〜3cm以内)にあるように構成される。
[0195] 口腔内装置は、患者の歯の上弓および/または下弓に光療法を施すように構成されるように本明細書に図示され、記載されてきたが、いくつかの実施形態では、口腔内装置は患者の口腔粘膜(例えば歯槽)の一部分または区画に光療法を施すように構成される。例えば、図54を参照すると、いくつかの実施形態では、装置2300は、患者の3つもしくは4つの歯〜患者の歯の4分の1に、または患者の歯の弓の1つに光療法を施すように構成される。そのような口腔内装置は、インプラント学および/または口腔手術の場合において有益であり得る。
[0196] 装置2300は、患者の口腔内に配置されるように構成される口腔内ハウジング2380を含む。口腔内ハウジング2380は、第1のセグメント2382、第2のセグメント2384、および第1のセグメントと第2のセグメントに結合された第3のセグメント2386を画定する。治療セッションのために口腔内ハウジング2380が患者の口腔内に配置されるとき、口腔内ハウジングの第1のセグメント2382は、患者の歯と患者の頬側粘膜との間に(例えば垂直に)配置されるように構成され、第2のセグメント2384は、患者の歯の歯冠の舌側に(例えば垂直に)配置されるように構成され、第3のセグメント2386は、患者の歯の咬合面に隣接して、および/または咬合面上に(例えば水平に)配置されるように構成される。第2のセグメント2384は、口腔内ハウジング2380が患者の頬に向かって傾くのを阻害するのに十分な高さ(即ち、咬合面から根区域の方向に測定される)を有する。
[0197] いくつかの実施形態では、成形可能な材料の層2381は、口腔内ハウジング2380の第3のセグメント2386の咬合に面した表面上に配置される。指定された歯の成形可能な歯型は、層2381を使用して作製され、よって、ハウジングが患者によって後に口腔内に再度挿入されるとき(例えば後続の治療セッションのために)、口腔内ハウジング2380の設置を容易にすることができる。
[0198] 可撓性回路2330は、口腔内ハウジング2380の第1のセグメント2382内に配置される。可撓性回路2330は、本明細書に記載される任意の様式で、光療法を患者の歯に施すように構成された光放射アレイ2302を含む。例えば、可撓性回路2330は、15個のLEDを含む光放射アレイ2302、または光療法を受ける歯当り15個のLEDを含み得る。光放射アレイ2302は、600〜1200nmの範囲内の光を施す、または放射するように構成されるLEDを含み得る。口腔内ハウジング2380の可撓性回路2330は、センサ2387を含む。センサ2387は、図3Aを参照して本明細書に示され、記載されるセンサと同一であるか、または多くの点でそれに類似し得る。センサ2387は、装置2300、患者の歯槽軟組織、および/または患者の根区域の温度を検出するように構成され得る。例えば、サーミスタまたは類似する温度測定デバイスは、光放射アレイ2302の温度を監視する、ならびに患者の口内の温度を測定するために、回路2330に設置され得る。この情報は、温度関連情報を取得する、ならびに患者の遵守性を監視する方法として機能し得る。口腔内ハウジング2380、よって回路2330が口に設置されるとき、かつ装置2300が光を放射するとき、光放射アレイ2302の温度は、治療前の周囲温度から正常な体温近くに上昇する。温度の変化を監視することにより、本明細書により詳細に記載されるコントローラ2314は、温度が上昇し、体温に近い期間に基づき、光放射アレイ2302が口腔内にある期間を監視することができる。
[0199] いくつかの実施形態では、回路2330は、第1のセグメントおよび/または光放射アレイ2302によって放射された光の、患者の口腔粘膜および/または根区域との接触、またはそれらから特定の距離以内(例えば0.1cm〜3cm以内)の近接を検知するように構成されるセンサ(または近接検出器)を含む。この様式では、コントローラ2314は、口腔内ハウジング2380が患者の口腔内に配置されたことを検知することができ、したがって、治療セッションが開始できることを決定することができる。
[0200] 図57を参照すると、口腔内ハウジング2380は、例えば有線または無線接続を介して、外部電子デバイスに結合されるように構成される。外部電子デバイスは、例えば治療セッション中に光放射アレイ2302を作動するために、電力を口腔内ハウジング2380に提供または輸送するように構成され得る。外部電子デバイスは、光放射アレイ2302の作動を制御するようにも構成され得る。
[0201] いくつかの実施形態では、外部電子デバイスは、コントローラ2314である。口腔内ハウジング2380は、コントローラ2314に着脱可能に結合可能であり得る。いくつかの実施形態では、口腔内ハウジング2380は使い捨てであり、コントローラ2314は再使用可能である。この様式では、口腔内ハウジング2380は、既定の使用回数後、および/または既定の期間後に廃棄することができ、第2の口腔内ハウジング(図示せず)は、任意に、コントローラ2314と共に使用することができる。コントローラ2314は、例えばUSBケーブルなどのケーブル2315を介して医療等級のUSB充電器などの充電器2317に電気的に結合され得る。
[0202] コントローラ2314は、本明細書に記載される任意のコントローラ(例えば、コントローラ430、1114)に多くの点で類似するか、または同一であってよい。コントローラ2314は、装置2100の口腔外ハウジング2190内に配置されるものと同一またはそれに類似する多くの構成成分も含み得る。例えば、コントローラ2314は、マイクロプロセッサを含み得る。マイクロプロセッサは、本明細書に記載される任意のマイクロプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ2196)と同一であるか、または多くの点でそれに類似し得るため、本明細書に詳細に記載されない。コントローラ2314は、治療プロトコルで事前構成され得る。コントローラ2314は、治療セッションを開示するためのボタン2318を含む。ボタン2318は、例えば治療セッションを一時停止または停止するようにも構成され得る。
[0203] コントローラ2314は、コントローラ、口腔内ハウジング2380、および/または治療プログラムの状況の表示を患者に提供するように構成され得るLEDインジケータ2316を含む。LEDインジケータ2316は、治療セッションの状況または段階を示すように構成されるという点で、例えば本明細書に記載される口腔外ハウジング2190の通信機構に類似するか、または同一であってよい。いくつかの実施形態では、LEDインジケータ2316は、治療セッションの第1段階中には光を表示せず、治療セッションの第2段階中には点滅もしくはパルス光を表示し、および/または治療セッションの第3段階中には点灯表示するように構成される。LEDインジケータ2316は、例えば、治療セッションの開始時に第1の既定の継続時間(例えば2分30秒、2分45秒、または2分10秒)の間点灯表示するように構成され得る。LEDインジケータ2316は、治療セッションがその終わりに近いという患者へのシグナルとして、第1の既定の継続時間後、第2の既定継続時間(例えば10、15、または30秒)の間、点滅またはパルス光を表示するように構成され得る。LEDインジケータ2316は、治療セッションが終了したとき(例えば治療セッションの開始から3分後)、光を表示しないように構成され得、装置2100は患者に光を照射しない。
[0204] いくつかの実施形態では、外部電子デバイス2314は、携帯電話(例えばiPhone(登録商標)などのスマートフォン、iPad(登録商標)などのタブレット)、携帯情報端末などの個人用電子デバイスである。口腔内ハウジング2380は、コネクタ2319を使用して、デバイス2314に結合され得る。デバイス2390が例えばスマートフォンを含む実施形態では、スマートフォンは、コントローラが行うように構成される任意の動作または機能を行うように構成され得る。例えば、デバイス2314は、口腔内ハウジング2380に電力を提供するように構成され得る。別の例では、デバイス2314は、患者にインターフェースを提供し、光放射アレイ2302を制御し、かつ/または患者および/もしくは医師による後続の情報の評価のために使用状況の情報(例えば遵守情報)を記録するように構成されたアプリケーションを含み得る。
[0205] いくつかの実施形態では、システムは、本明細書に記載されるように、第1の期間の間、患者に光療法を施すように構成された第1の部分と、本明細書に記載されるように、第1の期間とは異なる第2の期間の間、患者に光療法を施すように構成された第2の部分とを含む。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、各装置の少なくとも一部分が患者の口内に配置されるように構成されるように、複数の装置(または口腔内ハウジング)を含む。大多数の各装置は、本明細書に記載される任意の装置または口腔内ハウジングを含み得る。例えば,システムは、第1の口腔内装置と、第1の口腔内装置とは異なる第2の口腔内装置とを含み得る。第1の装置は、T0で始まる第1の期間で患者に光療法の施工を始めるように構成される。T0は、光療法の開始を表す(例えば,患者が第1の装置を割り当てられた、および/または第1の装置の毎日の使用を開始した日付に相当する)。少なくとも一部の患者に関して、T0は、上顎密着日および/または歯科矯正治療(例えば従来の頬側固定歯科矯正ブラケット治療)の開始日も表すことができる。第1の装置は、光療法の施工前の患者の歯の位置または構成に基づき選択され得る。第1の装置は、これに限定されないが約850nmなどの第1の波長で光を施すように構成される。
[0206] 第2の装置は、T0の後の、T>0で始まる第2の期間で患者に光療法を施すように構成される。いくつかの実施形態では、第2の装置は、光療法の少なくとも一部分の施工後、患者の歯の位置に基づき患者に光療法を施すように最適に構成される。例えば、第2の装置は、第1の装置の光放射アレイとは異なって構成される光放射アレイを含み得る。第2の装置は、これに限定されないが,約620nmなどの第1の波長とは異なる第2の波長で光を施すように構成され得る。この様式では、第2の装置は、少なくとも一部、第1の装置と組み合わせて施される光療法中、およびT0とT>0との間の期間中に生じた歯の移動に基づき選択され得る。例えば、第1の装置は、光療法プログラムの開始時、および第1の期間の間に患者によって使用され得、第2の装置は、光療法プログラムの開始約3ヶ月後の開始時、および第2の期間の間に患者によって使用され得る。システムは、光療法を施すように構成された2つ、3つ、4つ以上の装置など、任意の好適な数の装置を含み得る。例えば、システムは、T0で開始される光療法を施すように構成される第1の装置と、T1で開始される光療法を施すように構成される第2の装置と、T2で開始される光療法を施すように構成される第3の装置とを含み得る。
[0207] 別の例では、システムは、第1の光放射アレイ(例えば第1の部分)および第2の光放射アレイ(例えば第2の部分)を有する装置を含み得る。第1の光放射アレイは、これに限定されないが、約850nmなどの第1の波長で光を施すように構成され得る。第2の光放射アレイは、これに限定されないが、約620nmなどの第1の波長とは異なる第2の波長で光を施すように構成され得る。第1の光放射アレイおよび第2の光放射アレイは、単一の口腔内ハウジングに含まれ得る。第1の期間の間、第1の波長で、および第2の期間の間、第2の波長で光を放射するように構成される第1の部分を含むシステムは、少なくとも、患者の治療区域における骨ミネラル化の増加開始に役立ち得る高光波長から低光波長への移行を光療法プログラム中に可能にするため、有益である。骨ミネラル化におけるそのような増加は、歯科矯正治療後の移動した歯のより安定した結果を確保にするのを容易にすることができる。
[0208] いくつかの実施形態では、本明細書に記載される光療法装置は、本明細書により詳細に記載される機能的歯科用器具と組み合わせて使用するために構成される。他の実施形態では、光療法装置は、本明細書により詳細に記載される機能的器具など、患者の歯に力を加えるように構成された機能的器具と一体的に形成される。例えば図57を参照すると、ある実施形態に従うシステム2400は、歯の移動を調節するように構成される。システム2400は、1つ以上の光エミッタ(例えば光ファイバケーブル(複数可))2420と、歯科矯正ブラケットシステム2490とを含む。光エミッタ2420は、図7に示される光ファイバケーブル420を含むがこれに限定されない、本明細書に記載される任意の光エミッタと同一であるか、またはそれに類似し得る。光エミッタ2420は、ブラケットシステム2490に結合される。例えば、光エミッタ2420は、ブラケットシステム2490の1つ以上のブラケット2492、ブラケットシステム2490の1本以上のワイヤ2494、または前述の任意の組み合わせに結合され得る。この様式では、別個の口腔内ハウジングは、患者の歯、根区域、および/または口腔粘膜に対する光エミッタ2420の位置を維持する必要がない。光エミッタ2420は、光源2402に結合可能である。光源2402は、本明細書に記載される任意の光源を含む(図7に示される光源402など)、任意の好適な光源であり得る。
[0209] 歯の移動を調節するための方法
[0210] 歯の移動を調節するための方法が本明細書において提供される。そのような方法は、有効量の光を患者に施すことを含み、有効量の光は、本発明の装置のエミッタから照射される。いくつかの実施形態では、装置の少なくとも一部分は、光が施されるとき、歯槽軟組織(例えば歯槽粘膜)と接触する。いくつかの実施形態では、装置の少なくとも一部分は、光が施されるとき、歯槽軟組織と接触しないが、特定の距離以内(例えば0.1cm〜3cm以内)にある。本明細書により詳細に記載されるように、光は、本発明の口腔内装置のうちの任意の1つを使用して施される。いくつかの実施形態では、本方法は、力、一実施形態では強い力を必要とする患者の1つ以上の歯に、それを加えることを可能にすることも含み、光は、力が加えられる前、加えられている間、または加えられた後に施される。
[0211] 本発明の他の実施形態は、有効量の光を患者に施すことを含む、歯根吸収を低減する、最小化する、または予防するための方法を提供し、有効量の光は、本発明の装置のエミッタから照射される。いくつかの実施形態では、装置の少なくとも一部分は、光が施されるとき、歯槽軟組織と接触する。いくつかの実施形態では、本方法は、力、一実施形態では強い力を必要とする患者の1つ以上の歯に、それを加えることを可能にすることも含み、光は、力が加えられる前、加えられている間、または加えられた後に施される。本発明の別の態様に従い、歯根もしくは歯周組織の骨吸収、または炎症性象牙質吸収、もしくセメント質吸収を低減させるための方法がさらに提供される。そのような方法は、有効量の光を患者に施すことを含み、有効量の光は、本発明の装置のエミッタから照射される。いくつかの実施形態では、装置の少なくとも一部分は、光が施されるとき、歯槽軟組織と接触する。いくつかの実施形態では、本方法は、力、一実施形態では強い力を必要とする患者の1つ以上の歯に、それを加えることを可能にすることも含み、光は、力が加えられる前、加えられている間、または加えられた後に施される。
[0212] 本発明の別の態様は、有効量の光を患者に施すことを含む、複数の力、力、一実施形態では強い力が加えられる、または加えられた1つ以上の歯を囲む組織の炎症を防止する、または最小化するための方法を提供し、有効量の光は、本発明の装置のエミッタから照射される。いくつかの実施形態では、装置の少なくとも一部分は、光が施されるとき、歯槽軟組織と接触する。いくつかの実施形態では、本方法は、力、一実施形態では強い力を必要とする患者の1つ以上の歯に、それを加えることを可能にすることも含み、光は、力が加えられる前、加えられている間、または加えられた後に施される。
[0213] 本発明の別の態様は、有効量の光を患者に施すことを含む、上顎または下顎の歯槽骨を再生するための方法を提供し、有効量の光は、本発明の装置のエミッタから照射される。いくつかの実施形態では、装置の少なくとも一部分は、光が施されるとき、歯槽軟組織と接触する。いくつかの実施形態では、本方法は、力、一実施形態では強い力を必要とする患者の1つ以上の歯に、それを加えることを可能にすることも含み、光は、力が加えられる前、加えられている間、または加えられた後に施される。
[0214] いくつかの実施形態では、本方法は、機能的器具が力を必要とする患者の1つ以上の歯に、それを加えることを可能にすることをさらに含み、機能的器具は、力、一実施形態では強い力が加えられる、および/または光が施される前、その間、またはその後に力を加える。この様式では、力は、機能的器具によって加えられる力と併せて、またはその代わりに加えられ得る。いくつかの実施形態では、本方法は、有効量のビタミンDを患者に投与することをさらに含む。ビタミンDは、力が加えられる、機能的器具が力を加える、および/または光が施される前、その間、またはその後に投与され得る。この様式では、ビタミンDは、力が加えられる、もしくは能的器具が力を加えることと併せて、またはその代わりに患者に投与され得る。
[0215] 加える力
[0216] 本明細書に示されるように、いくつかの実施形態では、力は、それを必要とする患者の1つ以上の歯にそれを加えることが可能である。いくつかの実施形態では、力は、本発明の装置から光を施す前、施した後、または施す間に患者の1つ以上の歯に加えることが可能である。いくつかの実施形態では、力は成形外科力であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、成形外科力は、歯(または複数の歯)の下層の1つ以上の骨において、移動させるのに十分な1つ、2つ以上の歯に加える力を含む。いくつかの実施形態では、成形外科力は、約300グラム超の力の規模を有する力である。他の実施形態では、成形外科力は、約350グラム以上の力、約400グラム以上の力、約450グラム以上の力、約500グラム以上の力、約550グラム以上の力、または約600グラム以上の力の規模を有する力である。他の実施形態では、成形外科力は、約500グラム以下の力、約550グラム以下の力、約600グラム以下の力、約650グラム以下の力、約700グラム以下の力、約800グラム以下の力、約900グラム以下の力、または約1000グラム以下の力の規模を有する力である。他の実施形態では、成形外科力は、約300グラムの力〜約1000グラムの力の範囲である。他の実施形態では、成形外科力の下限は、約300グラムの力、約350グラムの力、約400グラムの力、約500グラムの力、約600グラムの力、または約700グラムの力である。他の実施形態では、成形外科力の上限は、約500グラムの力、約550グラムの力、約600グラムの力、約650グラムの力、約700グラムの力、約800グラムの力、約900グラムの力、または約1000グラムの力である。他の実施形態では、成形外科力未満である力は、患者の歯の1つ以上に加えられる。この実施形態では、力は、100グラム未満の力の規模、例えば約200グラムの力または約300グラムの力の規模を有する。
[0217] いくつかの実施形態では、力は、成形外科未満の力である。いくつかの実施形態では、成形外科未満の力は、約30グラムを超える力の規模を有する力である。他の実施形態では、成形外科未満の力は、約50グラム以上の力、約75グラム以上の力、約100グラム以上の力、約150グラム以上の力、約200グラム以上の力、または約250グラム以上の力の規模を有する力である。他の実施形態では、成形外科未満の力は、約50グラム以下の力、約75グラム以下の力、約100グラム以下の力、約150グラム以下の力、約200グラム以下の力、約250グラム以下の力、または約275グラム以下の力の規模を有する力である。他の実施形態では、成形外科未満の力は、約30グラムの力〜約300グラムの力の範囲である。他の実施形態では、成形外科未満の力の下限は、約30グラムの力、約50グラムの力、約75グラムの力、約100グラムの力、約150グラムの力、約200グラムの力、または約250グラムの力である。他の実施形態では、成形外科未満の力の上限は、約50グラムの力、約75グラムの力、約100グラムの力、約150グラムの力、約200グラムの力、約250グラムの力、または約275グラムの力である。
[0218] いくつかの実施形態では、力は、強い力である。本明細書で使用される、句「強い力」は、約150グラムの力〜約1000グラムの力の範囲であり、歯に加えられる力を指す。例えば、いくつかの実施形態では、強い力は、約150グラムの力を超える規模を有する力である。他の実施形態では、強い力は、約175グラム以上の力、約190グラム以上の力、約200グラム以上の力、約210グラム以上の力、約225グラム以上の力、または約250グラム以上の力の規模を有する力である。他の実施形態では、強い力は、約300グラム以下の力、約350グラム以下の力、約400グラム以下の力、約450グラム以下の力、約500グラム以下の力、約550グラム以下の力、約600グラム以下の力など、最大約1000グラム以下の力の規模を有する力である。しかしながら、他の実施形態では、強い力は、約150グラムの力〜約600グラムの力の範囲である。他の実施形態では、強い力の下限は、約175グラムの力、約190グラムの力、約200グラムの力、約210グラムの力、約225グラムの力、または約250グラムの力である。他の実施形態では、強い力の上限は、約300グラムの力、約350グラムの力、約400グラムの力、約450グラムの力、約500グラムの力、約550グラムの力、約600グラムの力など、最大約1000グラムの力である。いくつかの実施形態では、強い力は、約200グラムの力〜約500グラムの力の範囲である。他の実施形態では、強い力は、約250グラムの力〜約450グラムの力の範囲である。一実施形態では、強い力は、約150グラムの力〜約300グラムの力の範囲である。
[0219] いくつかの実施形態では、強い力は、患者の1つ以上の歯に加えられる。例えば、強い力は、患者の歯ぐきの領域(例えば歯槽軟組織)に有効量の光が施される前、施されている間、または施された後に、患者の歯の1つ以上に加えることができる。しかしながら、他の実施形態では、強い力未満である力は、患者の歯の1つ以上に加えられる。この実施形態では、力は、150グラム未満の力の規模、例えば約100グラムの力または約125グラムの力の規模を有する。
[0220] いくつかの実施形態では、患者の1つ以上の歯に加えられる力は、強い力未満であってよい。そのような力は、例えば、機能的器具または歯科矯正器具によって加えられてよい。いくつかの実施形態では、強い力未満は、約10グラム超の力の規模を有する力である。他の実施形態では、強い力未満は、約20グラム以上の力、約30グラム以上の力、約40グラム以上の力、約50グラム以上の力、約75グラム以上の力、約100グラム以上の力、または約125グラム以上の力の規模を有する力である。他の実施形態では、強い力未満は、約30グラム以下の力、約40グラム以下の力、約50グラム以下の力、約75グラム以下の力、約100グラム以下の力、または約150グラム以下の力の規模を有する力である。他の実施形態では、強い力未満は、約10グラムの力〜約150グラムの力の範囲である。他の実施形態では、強い力未満の下限は、約10グラムの力、約20グラムの力、約30グラムの力、約50グラムの力、約75グラムの力、約100グラムの力、または約125グラムの力である。他の実施形態では、強い力未満の上限は、約30グラムの力、約40グラムの力、約50グラムの力、約75グラムの力、約100グラムの力、または約150グラム未満の力である。
[0221] 本明細書で使用される、句「力の規模」は、1つの歯に加えられる力の量を指す。代替えとして、力の規模は、複数の歯に加えられる力の量である。後者の場合において、1つの歯に加えられる力の規模は、力の合計規模を歯の数で割ったものである。例えば、約300グラムの力が2つの歯に加えられた場合、各歯に加えられた力は、約150グラムである。本明細書で使用される、句「グラムの力」は、9.80665m/s2の力によって質量の1グラムに加えられる力の規模(即ち、標準重力)に等しい力の単位を指す。いくつかの実施形態では、力の規模は、歯に加えられるグラムの力である。他の実施形態では、力の規模は、複数の歯に加えられるグラムの力である。
[0222] いくつかの実施形態では、力は、少なくともある程度の量の歯根吸収を生じるのに十分な規模の力である。いくつかの実施形態では、力によってもたらされる歯根吸収の量は、加えられた力の増加が歯根吸収の量の増加をもたらすように、加えられた力の量に相関する。いくつかの実施形態では、力は、力が光療法などのいずれの他の治療形態なしに加えられるとき、病態生理学的作用を有する、ヒアリン化区間または組織死を引き起こす、細胞死をもたらす、または組織の炎症をもたらすのに十分な規模を有する。力は、過剰な病態生理学的力でありえる。病態生理学的力は、壊死または根吸収をもたらす場合がある。力は、虚血、血流減少、または細胞死をもたらす場合がある歯周組織に圧力を生じさせることがある。
[0223] 力は、任意の好適な様式で歯に加えることができる。例えば、いくつかの実施形態では、力は、1つ以上の歯の側面に対して垂直に(例えば直角または90°の角度)加えられる。いくつかの実施形態では、力は、1つ以上の歯の側面に対して角度をなして加えられる。例えば、力は、1つ以上の歯の側面に対して約45°、約60°、約70°、約75°、約80°、約85°、約90°、約95°、約100°、約105°、約110°、約120°、または約135°の角度で加えられ得る。力は、任意の角度で1つ以上の歯に対して垂直に(例えば直角または90°の角度)、下方向に、または上方向に加えられ得る。いくつかの実施形態では、近位力は、1つ以上の歯に適用される。いくつかの他の実施形態では、遠位力は、1つ以上の歯に適用される。いくつかの実施形態では、力は、冠状圧力、例えば歯を押し込むのに有用である歯の方向または歯冠に加えられる圧力であり、他の実施形態では、力は、先端圧力、例えば歯を押し出すのに有用である根の方向または根に加えられる圧力である。いくつかの実施形態では、力は、歯の近心(例えば歯の前に向かう歯側)側に加えられる。いくつかの実施形態では、力は、歯の遠位、例えば口の後ろに向かう歯側)側に加えられる。力は、歯の頬側、例えば頬に向かう歯側に加えられるか、または歯の舌側、例えば舌に向かう歯側に加えられ得る。力は、歯の咬合面に加えられ得る。力は、歯の切端面に加えられ得る。力は、歯の近位面、例えば歯間の近心面または遠位面に加えられ得る。力は、例えば根の端に向かう歯の先端面に加えられ得る。いくつかの実施形態では、歯に加えられる力は、下顎骨または上顎骨に加えられるように並進される。力は、口腔または顎顔面の骨の再形成を調節するための機能的器具によって加えられ得る。いくつかの実施形態では、力は、歯の移動を調節するための歯科矯正器具によって加えられ得る。
[0224] 力は、1つ以上の歯を相互に向かって押すように指向され得る。力は、1つ以上の歯を押し離すように指向され得る。力は、1本以上の歯を相互に向かって押すように指向され得る。いくつかの実施形態では、力は、上顎または下顎に沿って側方に歯を移動させることができる。代替えとして、力は、上顎または下顎に対して前方または後方に歯を移動することができる。いくつかの実施形態では、力は、下顎骨または上顎骨を前方向前方に移動するように指向され得る。力は、下顎骨または上顎骨を後方向後方に移動するように指向され得る。力は、下顎骨または上顎骨の角度を調節するように指向され得る。例えば、下顎骨の角度は、下顎骨の右側もしくは左側を前方または後方に移動することにより調節され得る。下顎骨の右側が前方に移動されるか、または伸長される一方で、下顎骨の左側が同じ位置に維持されるか、または後方に移動されるか、もしくは短くされる場合、下顎骨は、より左方向に角度をなすことができる(例えば側方または左側に移動される)。換言すると、力は、1つ以上の歯を側方に向かって移動するように指向され得る。
[0225] いくつかの実施形態では、力は、1つ以上の歯の側面に沿った、および/または口腔もしくは顎顔面の骨、筋肉、もしくは軟組織の側面に沿った任意の点もしくは領域で加えられる。いくつかの実施形態では、力は、1つ以上の歯の頂点で、またはその付近で、即ち、その根もしくは複数の根の対向する歯側で加えられる。いくつかの実施形態では、力は、1つ以上の歯の、例えば空気に曝された、歯ぐきの上の臨床歯冠の中央で、またはその付近で加えられる。他の実施形態では、力は、1つ以上の歯の臨床歯冠の底部で、またはその付近で、即ち、その根に近い歯の臨床歯冠で加えられる。いくつかの実施形態では、力は、1つ以上の歯の根に適用される。力は、1つ以上の歯の本明細書に記載される点もしくは領域のうちの1つ以上に加えられ得る。いくつかの実施形態では、力は、歯の側面に沿って加えられる。力がどこに、またはどのくらい長く加えられるかに応じて、傾いた移動がある程度歯に生じるか、または全く生じない場合がある。傾いた移動は、本明細書により詳細に記載される。
[0226] しかしながら、いくつかの実施形態では、力は、側頭下顎関節、顆状突起、または関節窩で、またはその付近で加えられる。いくつかの実施形態では、力は、右側頭下顎関節、右側顆状突起、もしくは右側関節窩のうちの1つ以上、左側頭下顎関節、左側顆状突起、もしくは左側関節窩のうちの1つ以上、または左右両方の側頭下顎関節、左右両方の顆状突起、および左右両方の関節窩のうちの1つ以上に加えられる。いくつかの実施形態では、力は、左側頭下顎関節に加えられることなく右側頭下顎関節に、左側顆状突起に加えられることなく右側顆状突起に、左側関節窩に加えられることなく右側関節窩に、右側頭下顎関節に加えられることなく左側頭下顎関節に、右側顆状突起に加えられることなく左側顆状突起に、または右側関節窩に加えられることなく左側関節窩に加えられる。いくつかの実施形態では、力は、下顎または上顎の歯槽の骨に加えられる。いくつかの実施形態では、力は、上顎骨、下顎骨、または側頭骨の前方部分に加えられ得る。
[0227] 力がどこに、またはどのくらい長く加えられるかに応じて、傾いた移動がある程度歯に生じるか、または全く生じない場合がある。いくつかの実施形態では、力が加えられない、または軽い力が加えられる場所と比較して、力は歯の移動速度を高めることができる。これらの実施形態では、換言すると、力は、歯が歯ぐき内のその所望の位置に移動するのにかかる時間量を短縮する。上顎骨、下顎骨、側頭骨、または患者の歯の1つ以上、特に患者が有効量の光で彼らの上顎骨、下顎骨、または1つ以上の歯に施される場所に力を加えることにより、患者が受け得る歯科矯正治療の時間量をさらに短縮することができる。
[0228] いくつかの実施形態では、力は、1つ以上の歯科矯正器具によって患者の1つ以上の歯に加えられる。したがって、一実施形態では、歯科矯正器具は、歯の移動を容易にするために、患者の歯の1つ以上に力を加えることができる。いくつかの実施形態では、機能的器具は、口腔もしくは顎顔面の骨、筋肉、軟組織、または1つ以上の歯に力を加える。機能的器具は、患者の下顎骨のみに力を加えることができる。代替えとして、機能的器具は、患者の上顎骨のみに力を加えることができる。いくつかの実施形態では、機能的器具は、患者の側頭骨のみに力を加えることができる。機能的器具は、患者の下顎骨および上顎骨の両方に力を加えることができる。機能的器具は、患者の1つ以上の歯に力を加えることにより、上顎骨、下顎骨、または側頭骨に任意に力を加えることができる。機能的器具は、顎筋のみに力を加えることができる。機能的器具は、顎軟組織のみに力を加えることができる。
[0229] いくつかの実施形態では、歯科矯正器具は、患者の歯の1つ以上、患者の他の口腔領域、または患者の頭部または顔に存在することができる。いくつかの実施形態では、患者は、2つ以上の歯科矯正器具を装着し、これらの器具の全てが患者の歯の1つ以上に力を加えるわけではない。例えば、歯科矯正器具は、患者の1つの歯のみに力を加えることができるか、代替えとして、歯科矯正器具は患者の複数の歯に力を加えることができる。別の実施形態では、歯科矯正器具は、患者の全てではない歯に力を選択的に加えることができる。力を加える歯科矯正器具は、他の口腔内器具および/または口腔外器具も含み得る。
[0230] いくつかの実施形態では、力を加えるための歯科矯正器具は外部固定具として使用することができ、一時的な固定デバイスの形態であるか、またはヘッドギアの形態であり得る。例えば、口腔内装置を使用する患者は、一時的な期間の間、例えば夜の間、ヘッドギアの形態で、第2の歯科矯正器具を同時に装着することができる。いくつかの実施形態では、外的に装着されるヘッドギアは、歯の移動を容易にするための口腔内装置と物理的にまたは電子的に通信することができる。外部固定具は、力を加えることを容易にするように使用され、力の使用中の固定歯の好ましくない移動を防止することができる。
[0231] 本明細書により詳細に記載されるように、患者は、光の施工開始後に力を加える歯科矯正器具を装着することができる。例えば、患者は、口腔内装置を使用しながら1つ以上の光治療セッションが完了した後に力を加える歯科矯正器具を装着することができる。この様式では、力は、口腔内装置を介した光の施工開始後、歯科矯正器具(複数可)によって患者の1つ以上の歯に加えられる。しかしながら、いくつかの実施形態では、力は、光を施す前または施している間に、患者の1つ以上の歯に加えられる。そのような実施形態では、患者は、歯科矯正器具を装着し、同時に口腔内装置を使用する。他の実施形態では、力は、光を施す前または施している間に、患者の1つ以上の歯に加えられる。いくつかの実施形態では、力は、患者の1つ以上の歯に加えられ、口腔内装置は、歯科矯正治療の整合期中に光を放射する。別の実施形態では、患者は、光を施し、力を加える両方を行う単一口腔内装置を使用する。他の実施形態では、力は、光の施工開始前に患者の1つ以上の歯に加えられる。患者は、例えば、光治療を開始する前に、任意の長さの時間、彼らの歯科矯正器具を装着することができる。
[0232] 場合によって、強い力は歯周靭帯を圧迫させる可能性があり、これは最終的に虚血または細胞死をもたらす場合がある。虚血または最終的な細胞死を防止するために、強い力は、本明細書に記載される光治療と共に加えられる。しかしながら、一実施形態では、強い力は、光治療を開始した後に加えられる。いくつかの実施形態では、強い力は、光治療を開始した数分後、数時間後、または数日後に加えられる。この様式では、光治療は、強い力の結果として応力が加えられ、虚血性となる可能性がある組織細胞に追加のアデノシン−5’−3リン酸塩(ATP)エネルギーを提供することができる。口腔内装置によって使用される光治療の例示的な周波数が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、強い力は、光の施工と同時に加えられる。他の実施形態では、強い力は、光を施した後に加えられる。
[0233] 本明細書に記載される、強い力は、任意の方向から1つ以上の歯に加えられ得る。より具体的には、いくつかの実施形態では、力は、2つ以上の歯をくっつけるもしくは押し離す、または1つ以上の歯を患者の口の片側もしくは区域に押す。例えば、いくつかの実施形態では、力は、患者の口の前方、患者の口の後方、患者の口の左側、または患者の口の右側に向かって2つ以上の歯を押すことができる。
[0234] 口腔または顎顔面の骨の再形成の調節は、相互に対してもしくは患者の頭蓋骨に対して下顎骨または上顎骨の位置を変更することを含み得る。口腔または顎顔面の骨の再形成の調節は、下顎骨または上顎骨の位置を制御する(例えば、前方向、後方向、側方、または斜め)、下顎骨もしくは上顎骨を伸長するまたは短くする、下顎骨もしくは上顎骨の側面を伸長するまたは短くする、下顎骨もしくは上顎骨の形状または寸法を変更する、あるいは相互に対する下顎骨もしくは上顎骨の移動の速さを調節する(例えば高める、短縮する、または維持する)ことも含み得る。例えば、口腔または顎顔面の骨の再形成の調節は、口腔または顎顔面の骨再形成の速さを増加させることを含み得る。
[0235] 下顎骨を前方または後方に保定することにより、下顎骨の関節領域または下顎骨の他の部分に筋張力をもたらすことができる。この張力は、骨芽細胞の活動または骨再形成を刺激することができ、これは頭蓋骨の側頭骨の顆状頭部および関節窩上への骨沈着を通して下顎骨を伸長することができる。また、張力は、下弓全体の前方への歯の移動をもたらすことができる。場合によって、上顎骨に対する拮抗力は、上顎骨の成長を遅らせ、再形成および歯の移動を後方に引き起こすことができる。これは、口腔または顎顔面の骨の再形成が上顎骨を後方に再形成するために調節される場合、望ましい場合がある。不正咬合は、歯の不整合または上歯列弓および下歯列弓がそろわないときに存在し得る。上顎骨に対する拮抗力は、不正咬合の重篤度および上顎骨が突出しているか否かに応じて概ね望ましくない場合がある。上顎骨が突出している場合、上顎の前方成長を遅らせるか、またはさらには上顎歯および顎骨を後方に移動させることが望ましい場合がある。上顎のヘッドギアは、上顎の前方への成長を遅らせるか、または減少させるために使用され得る。一例では、機能的器具は、下顎骨を前方に保定するために使用され、同時に上歯または上顎骨を固定具として利用する。等しい対向する力を上顎骨に加えることができ、これは上顎骨の歯の歯科矯正移動および骨の再形成をもたらすことができる。
[0236] 一部の機能的器具(例えばBionatorまたはFrankel)は、拮抗筋が骨および歯を押すことを防止することができる。これは、対向する作動筋に骨および歯を押させることができる。よって、いくつかの実施形態では、口腔または顎顔面の骨、筋肉、もしくは軟組織、または1つ以上の歯に力を加えさせることは、第1の筋肉群が口腔または顎顔面の骨、筋肉、もしくは軟組織、または1つ以上の歯に力を加えることを防止し、それによって、第2の筋肉群に力を加えさせることを含み得る。力を抑えることができる筋肉のいくつかの例としては、頬および唇(口囲)筋肉が挙げられる。そのような筋肉の例としては、咬筋、頬筋、オトガイ筋、および輪筋を挙げることができる。これは、舌などの他の筋肉が口腔もしくは顎顔面の骨、筋肉、もしくは軟組織、または1つ以上の歯に力を加えることを可能にする。場合によって、舌が歯に干渉し、歯を押すのを防止することが望ましい場合があり、そのため、機能的器具または歯科矯正器具は、嚥下中に舌が前歯を押すのを防止するために挿入され得る。これは、頬および唇の筋肉が後退するように歯および骨を押し、以前に過活動および不十分に位置付けられた舌によって提示された歯を正常な位置に移させる。一例では、Frankel器具は、歯を正常な位置に成長させる場所を作るように、歯から離れて頬および唇の筋肉を保持することができる。頬および唇の筋肉(対向する筋肉)は歯から離れて保持されるが、舌(歯に対して内側から押す作動筋)は、歯を押すことができ、それによって、下弓、上弓、または下弓および上弓の両方が対向する頬および唇の筋肉と干渉することなく拡大することを可能にする。
[0237] いくつかの実施形態では、機能的器具によって加えられた力は、第1群の筋肉が第1の力を加えることを防止することができるか、または第1の力の量を実質的に減少させることができ、第2群の筋肉が第2の力を加えることを可能にし、これは第2の力によってもたらされる骨の再形成をもたらすことができる。第1群の筋肉および第2群の筋肉は、典型的には、異なる方向に力を加えることができる。例えば、筋肉は、前方、後方、左側方、右側方、半径方向内側、半径方向外側、上方向、または下方向に力を加えることができる。いくつかの実施形態では、第1群の筋肉および第2群の筋肉は、実質的に反対方向に力を加えることができる。第1群の筋肉および第2群の筋肉は、異なる方向に力を加えることができる。代替えとして、機能的器具によって加えられる力は、第1の力に対する第2の力の規模の増加によって生じる骨の再形成をもたらすことができる第2の力の相対的作用を高めることにより、その領域に適用される全体的な力の角度を変更することができる。任意の数の筋肉群(例えば1、2、3、4、5、6以上が、任意の方向に力を加えることができる。機能的器具によって加えられる力は、筋肉群のうちの1つ以上が力を加えることを防止するか、または1つ以上の群によって加えられる力の量を低減することができる。
[0238] いくつかの実施形態では、機能的器具は、機能的器具を介して引き離されるものに対向する筋肉が歯に力を加えて、以前平衡のとれていた筋圧の「不均衡」により歯の移動および骨再形成の可能性をもたらすことができるように、歯から離れて筋肉を保つことができる。いくつかの実施形態では、機能的器具は、筋肉を離すために、口腔もしくは顎顔面の骨、筋肉、または軟組織に力を加える。
[0239] 本明細書で使用される、句「歯の移動の調節」は、次の機能および/または動作のうちの1つを指し、それを含む。例えば、歯の移動の調節は、支持組織に対する1つ以上の歯の位置を調節する、一実施形態では、整合することを含み得る。歯の移動の調節は、支持組織に対する歯の移動の速度を高める、減少する、または維持することも含み得る。例えば、歯の移動の調節は、歯の移動の速度または速さを高めることを含み得る。歯の移動の調節は、1つ以上の歯の、例えば傾いた移動の程度に対する全体的な移動の程度を高める、減少する、または維持することも含み得る。歯の移動の調節は、1つ以上の歯を全体的に移動することを含み得る。「全体的」移動とは、支持組織に対する略垂直の歯の移動を意味する。「傾いた」移動は、歯の歯冠または冠状領域が歯の根または先端領域より早く前進することを意味する。全体的な歯の移動は、歯の著しく傾いた移動をもたらすことなく生じ得る。「著しく傾いた移動」とは、歯の約20%が残りの約80%と同じ側方向に移動しない、別の実施形態では、歯の約10%が残りの約90%と同じ側方向に移動しない、別の実施形態では、歯の約5%が残りの約95%と同じ側方向に移動しないことを意味する。歯の移動は、1つ以上の歯の側方移動、回転、突出、または嵌入を含み得る。歯の移動の調節は、1つ以上の歯の傾斜もしくは傾いた移動を誘発する、1つ以上の歯の傾斜もしくは傾いた移動を最小化する、または防止する、あるいは1つ以上の歯の整合もしくは配向を維持する、または誘発することを含み得る。歯の移動の調節は、歯の移動を安定させる、その速度を遅らせる、またはそれを防止することも含み得る。場合によって、歯の移動の調節は、1つ以上の歯をそれらの位置に維持させることを含み得る。いくつかの実施形態では、歯の移動の調節は、(i)1つ以上の歯をずらす、および(ii)1つ以上の他の歯をそれらの位置で維持することのうちの1つまたはその両方を生じさせることを含み得る。いくつかの実施形態では、歯の移動の調節は、歯科矯正器具を用いた歯科矯正治療前、治療後、または治療中に生じる。いくつかの実施形態では、歯の移動の調節は、歯科矯正治療の整合期前、整合期後、または整合期中に生じる。いくつかの実施形態では、歯の移動は、骨の再形成中に生じる。
[0240] いくつかの実施形態では、歯の移動の調節は、歯科矯正治療の整合期中に生じる。この整合期中の歯の移動は、1つ以上の歯の傾いた移動、1つ以上の歯の回転、および/または1つ以上の歯の突出もしくは嵌入を含み得る。1つ以上の歯の突出もしくは嵌入は、整合期中に生じる全体的な移動であり得る。しかしながら、一般に、全体的な移動は、通常、歯科矯正治療の整合期中に生じない。むしろ、全体的な移動は、典型的には、歯が整合され、歯の密集が最小化される際の歯科矯正治療の整合期後に生じる。いくつかの実施形態では、歯の移動の調節は、歯科矯正治療の整合期後に生じる。他の実施形態では、歯の移動の調節は、歯科矯正治療の整合期前に生じる。
[0241] いくつかの実施形態では、歯科矯正器具に使用されるワイヤの種類または形状は、歯の移動の調節を補助することができる。例えば、歯科矯正治療の整合期中に患者によって装着される丸形ワイヤを備える歯科矯正器具は、1つ以上の歯の傾いた移動、回転、突出、または嵌入の速度を高める力を加えることができる。矩形ワイヤを備える歯科矯正器具は、一般的に、整合期後、例えば完了もしくは詳細期および/または保持期中、あるいは患者の1つ以上の歯が、密集が最小であるように同じ水平平面内に整合されるとき、装着される。矩形ワイヤは、一般的に、丸形ワイヤより硬く、1つ以上の全体的な移動を容易にすることができる。
[0242] いくつかの実施形態では、歯の移動は、リトル不規則指数(LII)の変化により測定される。LIIは、歯間の不一致の程度を測定し、前歯6つの1つの接触点から隣接する接触点までの5つの直線距離の合計である。LIIのスコアが0は、歯が完全に整合していることを示す。いくつかの実施形態では、上弓もしくは下弓のうちの1つまたはそれらの両方の1つ以上の歯は、上弓LIIまたは下弓LIIのうちの1つもしくはそれらの両方が0mm〜1mm未満の範囲である程度までの整合に移動される。LIIのスコアが1mm以上は、歯が不整合であり、修正するために歯の移動が必要であることを示す。接触点測定値が0mmは、2つの隣接する歯の整合が完全であることを示す。接触点測定値が例えば0.22mmは、2つの隣接する歯間に0.22mmの不一致があることを示す。一般に、LIIのスコアが高ければ高いほど、歯の整合が低い。例えば、10mmを超えるLIIスコアは、一般的に不整合が重度であることを示す。LIIおよびその計算に関するさらなる詳細は、次の刊行物に見出すことができ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる:Little,R.M.,“The irregularity index:a quantitative score of mandibular anterior alignment,”Am.J.Orthod.,1975 Nov,68(5):554−63。
[0245] 歯科矯正器具
[0244] 本発明の方法は、1つ以上の機能的器具および/または歯科矯正器具を用いて適用される前、患者が1つ以上の機能的器具および/または歯科矯正器具を装着しているとき、あるいは1つ以上の機能的器具および/または歯科矯正器具が患者から取り外された後に患者に行うことができる。1つ以上の機能的器具および/または歯科矯正器具は、口腔内装置に加えて使用され得る。機能的器具または歯科矯正器具は、患者の歯および/または口腔内装置に対して固定されるか、または移動可能であり得る。本明細書に開示されるように、歯科矯正器具は、例えば、釘管器具などの固定式作動器具、ワイヤもしくはブラケットもしくはバネを使用する器具、リボンアーチ器具、Beggライトワイヤ器具、エッジワイズ器具、調節済エッジワイズ器具、自己結紮エッジワイズ器具、バイヘリックス、トリヘリックス、クワドヘリックス、急速上顎拡大器具(RME)、拡大および唇側セグメント整合器具INVISALIGN(商標)などの着脱可能作動器具、反転ヘッドギアおよび従来のヘッドギアを含む歯科矯正ヘッドギア、ならびに他の種類の歯科矯正装置を含み得る。一実施形態では、歯科矯正器具は、ワイヤおよびブラケット(その例は、「実施例」と題されるセクションに関して本明細書に記載される)を備える。
[0245] 一実施形態では、歯科矯正器具は固定される。固定式歯科矯正器具の例としては、釘管器具、リボンアーチ器具、Beggライトワイヤ器具、エッジワイズ器具、調節済エッジワイズ器具、自己結紮エッジワイズ器具、バイヘリックス器具、トリヘリックス器具、クワドヘリックス器具、急速上顎拡大器具(RME)、または釘片(pin stripe)器具が挙げられる。固定式歯科矯正器具は、歯科矯正治療中、患者の歯に固定され得る。一実施形態では、歯科矯正器具は、固定され、ワイヤおよびブラケットを備える。別の実施形態では、歯科矯正器具は着脱可能である。着脱可能な歯科矯正器具の例としては、作動Hawley器具、Invisalignアライナー、アライナー、扇状拡大器、または矢状器具が挙げられる。
[0246] いくつかの実施形態では、機能的器具は、骨の再形成または歯の移動を刺激するために組織に張力をもたらすように下顎を保定する下顎保定装置、または任意の他の口腔内装置である。下顎保定装置のいくつかの例としては、Herbst、Twin Block、Fixed Twin Block、Bonded Twin Block、Biobloc、Forsus Fatigue(例えばEZ2)、Xbow(Crossbow)、下顎前保定器具(Mara)、Bass Dynamax, Bionator、Open Face Activator、Activator、Woodside Activator、Frankel(例えば、Frankel I、II、III、IV、V)、Teuscher器具、Andreson器具、3方Sagittal、Lower Schwartz、3方拡大器、顎保定器具、着脱可能矯正器具、Series 2000(登録商標)、BioPedic Appliance、Rick−A−Nator(商標)、Ritto Appliance、Eureka Spring(商標)、Twin Force Bite Corrector(商標)Alpern Class II Closers、急速口蓋拡大器、Tandem(商標)、フェイスマスク、リバースプルヘッドギア、および従来の歯科矯正ヘッドギアである。
[0247] 一実施形態では、機能的器具は固定される。固定式機能的器具は、例えば1つ以上の歯に接着され得る。固定式機能的器具のいくつかの例としては、Herbst、Fixed Twin Block、Bonded Twin Block、Forsus Fatigue(例えばEZ2)、Xbow(Crossbow)、Series 2000(登録商標)、BioPedic Appliance、Rick−A−Nator(商標)、Ritto Appliance、Eureka Spring(商標)、Twin Force Bite Corrector(商標)、Alpern Class II Closers、および急速口蓋拡大器が挙げられる。別の実施形態では、機能的器具は、着脱可能である。着脱可能な機能的器具のいくつかの例としては、Twin Block、Biobloc、下顎前保定器具(Mara)、Bass Dynamax、Bionator、Open Face Activator、Activator、Woodside Activator、Frankel(例えば、Frankel I、II、III、IV、V)、Teuscher器具、Andreson器具、3方 Sagittal、Lower Schwartz、3方拡大器、顎保定器具、および着脱可能矯正器具が挙げられる。いくつかの実施形態では、機能的器具は、固定式−着脱可能併用機能的器具である。固定式−着脱可能併用機能的器具は、患者の歯に固定される1つ以上の構成成分と、固定構成成分から着脱可能である1つ以上の構成成分とを含み得る。固定式−着脱可能併用機能的器具のいくつかの例としては、Tandem(商標)、フェイスマスク、リバースプルヘッドギア、および従来の歯科矯正ヘッドギアが挙げられる。
[0248] いくつかの実施形態では、機能的器具は、クラスII補正器である。クラスII補正器のいくつかの例としては、Herbst、Twin Block、Forsus Fatigue、およびMaraが挙げられる。他の実施形態では、機能的器具は、密集している弓および下弓の作製ならびに骨および口腔の拡大に有用であるクラスI補正器である。他の実施形態では、機能的器具は、上顎前方成長を刺激する、または下顎成長を遅らせるもしくは制限するのに有用であるクラスIII補正器である。
[0249] いくつかの実施形態では、機能的器具は、患者の下顎骨を前方に保定する。機能的器具は、固定式機能的下顎保定装置であり得る。そのような機能的器具の例としては、Herbst、Twin Block、Bonded Twin Block、Biobloc、およびBass Dynamaxである。いくつかの実施形態では、機能的器具は、顎を拡大する(例えば、歯を移動させる、および/または骨を再形成させるために筋圧を使用して、または筋力の欠如により)。そのような機能的器具の例としては、Bionator、Open Face Activator、Activator、Woodside Activator、またはFrankelを挙げることができる。これらの器具は歯の歯科矯正移動ならびに骨再形成をもたらすことができるため、光は歯槽軟組織および/または歯槽骨および歯に施すことができる。いくつかの実施形態では、機能的器具は、上顎骨または下顎骨の成長を制御する。そのような機能的器具の例としては、フェイスマスクまたはリバースプルヘッドギアを挙げることができる。光は、ある程度の歯科矯正移動をもたらすが、主に再形成および上顎骨の前方移動を提供することができる顎の先端区域に施すことがきる。いくつかの実施形態では、機能的器具は、患者の側頭下顎関節、顆状突起、または関節窩に力を加えるか、またはそこに骨再形成をもたらす。
[0250] 機能的器具は、歯のある態様が前記筋肉または組織からの力の結果として変更されるように、例えば歯に対して筋肉または組織に直接力を加えさせる力を加えることにより機能する。ある具体例では、患者は、彼らの顎を保定するために機能的器具を装着することができ、得られた顎の位置は、周囲組織に力を加え、それによって再形成をもたらすことができる。機能的変更は、上顎骨、下顎骨、歯の位置、つるおよび顎の機能、ならびに咀嚼の変更を含み得る。機能的器具とは対照的に、歯科矯正器具は、歯のある態様を変更するために(例えば別の歯に対するその歯の位置を変更するため)、例えば歯に直接力を加えることにより機能する。
[0251] 歯科矯正器具は市販されており、器具が1つ以上の歯に加えることができる力の規模を指定する仕様(または他の文書)を含み得る。いくつかの実施形態では、歯科矯正器具は、スチールワイヤ、ニッケルチタンワイヤ、またはチタンモリブデンワイヤを備える。いくつかの実施形態では、歯科矯正器具は、高ゲージのものであるワイヤまたはバネを備える。歯科矯正器具が備えることができるワイヤのいくつかの例は、以下のうちの1つのワイヤ寸法を有するステンレススチールまたはニッケル−チタンワイヤである。
[0252] 歯科矯正器具は、ブラケットおよびワイヤを備えることができる。市販のブラケットは、SPEED System(www.speedsystem.com)、DENTSPLY GAC International(www.gacinovation.com)により提供されるもの、Ormco Corporation(www.ormco.com)(例えば、Mini−Diamond(登録商標)ブラケット)により提供されるブラケット、In−Ovation L Straightwireシステムブラケット、Orthodontic Design and Production,Inc.(例えば、Agility(登録商標)自己結紮ブラケット)を含む。ワイヤはニッケルチタンであってよく、0.012インチ、0.014インチ、または0.016インチの直径を有し得る。いくつかの実施形態では、ワイヤは、正方形または矩形である。一実施形態では、ワイヤは正方形であり、0.015インチ×0.015インチの寸法を有する。一実施形態では、ワイヤは、0.016インチ×0.016インチの寸法を有する。一実施形態では、ワイヤは矩形であり、0.017インチ×0.025インチの寸法を有する。いくつかの実施形態では、ワイヤは、0.016インチのSupercableニッケルチタンワイヤである。
[0253] ニッケル−チタンクローズドまたはオープンコイルバネが使用され得る。いくつかの例としては、100〜800gの力をもたらすことができる弾性パワーチェーンまたはアーチ内弾性材を挙げることができる。いくつかの実施形態では、歯科矯正器具は、弾性材料を備える。歯科矯正器具は、1つ以上の歯に力を加える口腔内装置に加えて、またはその代わりに、患者の1つ以上の歯に力を加えることができる。例えば、いくつかの実施形態では、歯科矯正器具は、1つ以上の歯に強い力を加える口腔内装置に加えて、またはその代わりに、患者の1つ以上の歯に強い力を加えるか、またはそのように構成され得る。歯科矯正器具は、1つ以上の歯をその位置を移動または維持させることができる。いくつかの実施形態では、歯科矯正器具は、口腔もしくは顎顔面の骨、または下顎骨、上顎骨、もしくは側頭骨などの1つ以上の歯の骨の再形成をもたらす。いくつかの実施形態では、本発明の装置は、患者の歯に力を加えない。いくつかの実施形態では、本発明の装置は、患者の歯に強い力を加えない。
[0254] 強い力などの力は、動力計または任意の類似するデバイスを使用して測定され得る。例えば、動力計は、歯科矯正器具のワイヤ、バネ、または類似する機構が1つ以上の歯または歯ぐきに加える力を測定することができる。一例では、動力計(または類似するデバイス)は、図3Aに示される口腔内装置のワイヤ12が1つ以上の歯または歯ぐきに加える力を測定することができる。測定された力は、例えばワイヤのゲージ、またはワイヤの剛性などの任意の数のパラメータに依存し得る。この様式では、いくつかの実施形態では、力は、例えばそのような力1つ以上の歯に加えられるとき、一部、器具のワイヤ(またはバネもしくは類似する機構)の張力または剛性を測定することにより計算することができる。さらに、いくつかの実施形態では、器具のワイヤ(またはバネもしくは類似する機構)は、ワイヤの剛性、したがってそのワイヤによって加えられる強い力がワイヤの温度に基づき変化することができるように、温度に敏感な材料から構築される。例えば、いくつかの実施形態では、ワイヤ(またはバネもしくは類似する機構)の剛性は、ワイヤの温度が上昇するとき増加し、ワイヤの温度が低下するとき減少する。よって、いくつかのそのような実施形態では、力は、一部、ワイヤ(またはバネもしくは類似する機構)の温度を測定することにより、または患者の口腔内に存在するときのその温度を推定することにより計算することができる。ワイヤのゲージに関して、ワイヤのゲージ(または断面)を増やすことにより、ワイヤの剛性を高めることができ、これにより最終的にワイヤが1つ以上の歯に加える強い力を高めることになることは、一般的に当該技術分野において周知である。
[0255] 本方法は、(1)患者が1つ以上の機能的器具および/または歯科矯正器具により適用される前、(2)患者が1つ以上の機能的器具および/または歯科矯正器具を装着している間、または(3)1つ以上の機能的器具および/または歯科矯正器具が患者から取り外された後に患者に行われるように本明細書に記載されるが、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、機能的器具および/または歯科矯正器具の使用とは関係なく、またはそれを使用することなく患者に行うことができる。
[0256] 一実施形態では、患者は、患者が歯科矯正器具を装着する前、装着した後、または装着している間、本発明の口腔内装置を使用することができる。
[0257] いくつかの実施形態では、本発明は、歯の移動の調節、口腔組織衛生を維持する、または口腔組織衛生を改善するための方法を提供し、それを必要とする患者に本発明の口腔内装置のエミッタから有効量の光を施すことを含む。いくつかの実施形態では、装置の少なくとも一部分は、患者の歯槽軟組織と接触するように構成される。いくつかの実施形態では、患者は、患者の1つ以上の歯に力を加える歯科矯正器具を装着する。いくつかの実施形態では、光は、歯科矯正治療の整合期中に施される。いくつかの実施形態では、光は、歯科矯正治療の整合期中にのみ施される。いくつかの実施形態では、歯槽軟組織は、歯槽粘膜である。いくつかの実施形態では、力は、強い力である。いくつかの実施形態では、患者は、歯科矯正治療の保持段階期中に患者の1つ以上の歯に力を加える同一または異なる歯科矯正器具を装着する。いくつかの実施形態では、保持期中に加えられる力は、強い力である。
[0258] いくつかの実施形態では、本発明は、歯科矯正治療のための方法を提供し、それを必要とする患者に本発明の口腔内装置のエミッタから有効量の光を施すことを含む。いくつかの実施形態では、装置の少なくとも一部分は、患者の歯槽軟組織と接触するように構成される。いくつかの実施形態では、患者は、患者の1つ以上の歯に力を加える歯科矯正器具を装着する。いくつかの実施形態では、光は、歯科矯正治療の整合期中に施される。いくつかの実施形態では、光は、歯科矯正治療の整合期中にのみ施される。いくつかの実施形態では、歯槽軟組織は、歯槽粘膜である。いくつかの実施形態では、力は、歯の移動を調節する、口腔組織衛生を維持する、または口腔組織衛生を改善するのに有効である。いくつかの実施形態では、力は、強い力である。いくつかの実施形態では、患者は、歯科矯正治療の保持期中に患者の1つ以上の歯に力を加えるのと同一または異なる歯科矯正器具を装着する。いくつかの実施形態では、保持期中に加えられる力は、強い力である。
[0259] いくつかの実施形態では、本発明は、歯科矯正治療のための方法を提供し、歯科矯正器具を装着する、または歯科矯正治療を必要とする患者に本発明の口腔内装置のエミッタから有効量の光を施すことを含む。いくつかの実施形態では、装置の少なくとも一部分は、患者の歯槽軟組織と接触するように構成される。いくつかの実施形態では、患者は、患者の1つ以上の歯に力を加える歯科矯正器具を装着する。いくつかの実施形態では、光は、歯科矯正治療の整合期中に施される。いくつかの実施形態では、光は、歯科矯正治療の整合期中にのみ施される。いくつかの実施形態では、歯槽軟組織は、歯槽粘膜である。いくつかの実施形態では、力は、歯の移動を調節する、口腔組織衛生を維持する、または口腔組織衛生を改善するのに有効である。いくつかの実施形態では、力は、強い力である。いくつかの実施形態では、患者は、歯科矯正治療の保持期中に患者の1つ以上の歯に力を加えるのと同一または異なる歯科矯正器具を装着する。いくつかの実施形態では、保持期中に加えられる力は、強い力である。
[0260] いくつかの実施形態では、本発明は、歯科矯正治療のための方法を提供し、歯科矯正器具を装着し、歯科矯正治療を必要とする患者に本発明の口腔内装置のエミッタから有効量の光を施すことを含む。いくつかの実施形態では、装置の少なくとも一部分は、患者の歯槽軟組織と接触するように構成される。いくつかの実施形態では、歯科矯正器具は、患者の1つ以上の歯に力を加える。いくつかの実施形態では、光は、歯科矯正治療の整合期中に施される。いくつかの実施形態では、光は、歯科矯正治療の整合期中にのみ施される。いくつかの実施形態では、歯槽軟組織は、歯槽粘膜である。いくつかの実施形態では、力は、歯の移動を調節する、口腔組織衛生を維持する、または口腔組織衛生を改善するのに有効である。いくつかの実施形態では、力は、強い力である。いくつかの実施形態では、患者は、歯科矯正治療の保持期中に患者の1つ以上の歯に力を加えるのと同一または異なる歯科矯正器具を装着する。いくつかの実施形態では、保持期中に加えられる力は、強い力である。
[0261] ビタミンD
[0262] 本明細書に記載されるように、本発明の方法は、患者にビタミンDを投与することをさらに含み得る。ビタミンDは、正常な骨代謝に必須である、つまり、カルシウム吸収および骨吸収を促進し、骨形成に必要なカルシウムおよびリン酸レベルを維持する。ビタミンD欠乏患者は、多くの他のリスクの中でも、骨損失および骨折のリスクが高まる。不十分なビタミンDレベルは、歯の移動に必須である破骨細胞の活動とも干渉する可能性があり、歯の移動に緩慢をもたらす。よって、ビタミンDの投与は、歯科矯正治療の重要な部分であり得る。
[0263] ビタミンDは、例えば、ビタミンD1、D2、D3、D4、D5、1,25−ジヒドロキシコレカルシフェロール、またはそれらの混合物であり得る。いくつかの実施形態では、ビタミンDは、患者の他のビタミンD源を補う。
[0264] ビタミンDは、任意の好適な様式で投与され得る。例えば、ビタミンDは、経口的に、経皮ゲルを介して、パッチにより、クリームにより、注射により、電気泳動により、または日射により投与され得る。本発明の方法がビタミンDの投与をさらに含む場合、いくつかの実施形態では、ビタミンDは日射により投与されない。いくつかの実施形態では、ビタミンDは、ビタミンD輸送体を介して投与される。例えば、ビタミンDは、経口投与、例えばピル、カプセル、錠剤、咀嚼錠、ゲル、または液体に好適な組成物中に存在し得る。他の実施形態では、ビタミンDは、経皮的に投与される。一例では、ビタミンDは、皮膚、歯ぐき、または任意の軟組織に提供することができる経皮ゲル、クリーム、軟膏、液体、またはペーストを介して経皮的に投与され得る。別の例では、ビタミンDは、日光からの、または人工的なタンニングベッドによる紫外(UV)線への曝露など、日射を介して経皮的に投与され得る。ビタミンDは、患者の皮膚、歯ぐき、もしくは他の軟組織にパッチまたはマイクロニードルを介して経皮的にも投与され得る。いくつかの実施形態では、ビタミンDは、患者の皮膚、歯ぐき、もしくは他の軟組織(例えば口腔組織など)にシリンジまたはニードルを使用して注射により投与され得る。注射は、皮内、皮下、筋肉内、静脈内、骨内、または腹腔内であり得る。いくつかの実施形態では、ビタミンDは、電気泳動的に投与される。ビタミンDは、例えば、皮膚、歯ぐき、または任意の他の軟組織の表面に適用することができ、弱い電流は化合物を組織に通すことができる。
[0265] 本明細書に記載される様々なビタミンD投与技術の任意の組み合わせが採用され得る。例えば、患者は、ビタミンDで経口投与され、投与過程の一部としてビタミンDの注射も受けることができる。いくつかの実施形態では、投与されたビタミンDは、ビタミンD血液血清レベルを高めるか、または維持する。他の実施形態では、投与されたビタミンDは、ビタミンDが投与される局所ビタミンDレベルを高めるか、または維持する。
[0266] いくつかの実施形態では、ビタミンDは、領域または領域の近接に投与される。その領域は、例えば口腔領域であり得る。領域は、例えば、口腔もしくは顎顔面の骨、筋肉、もしくは軟組織上、またはその近接であり得る。領域は、1つ以上の歯、下顎骨、上顎骨、もしくは側頭骨上、またはその近接であり得る。いくつかの実施形態では、ビタミンDは、例えば、ビタミンDを含む経口組成物を介して経口的に投与される。他の実施形態では、ビタミンDは領域に局所的に投与される。領域は、患者の顔、顎骨、唇、頬、または顎を覆う患者の皮膚上であり得る。領域は、例えば患者の顔などの患者の身体の右側、左側、中央領域、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。領域は患者の口腔内であり得る。例えば、領域は、患者の歯ぐき、または任意の他の口腔軟組織であり得る。領域は口腔領域である必要はなく、むしろ、例えば、患者の首、腕、脚、または胴体上であり得る。いくつかの実施形態では、ビタミンDは、患者に全身的に投与され得る。例えば、ビタミンDは、患者の身体を包囲するタンニングベッドによる日射を介して投与され得る。領域は、前述の任意の区域を含み得る。
[0267] いくつかの実施形態では、ビタミンDは、光が施される領域と同じである、またはそれに近接する領域に投与される。いくつかの実施形態では、ビタミンDは、光が施される同じ領域に投与される。いくつかの他の実施形態では、ビタミンDは、光が施される領域と同じ、それより大きい、またはそれより小さい大きさを有する領域に投与される。ビタミンDは、光が施される領域に隣接する領域に投与され得る。いくつかの実施形態では、ビタミンDは、光が施される領域から約1mm、約2mm、約3mm、約5mm、約7mm、約10mm、約15mm、約20mm、約25mm、約30mm、約40mm、約50mm、約60mm、約70mm、約10cm、約15cm、約20cm、約30cm、約50cm以内の領域に投与される。他の実施形態では、ビタミンDは、光が施される領域とは異なる領域に投与される。いくつかの実施形態では、ビタミンDは、光が施される領域に投与されない。いくつかの実施形態では、ビタミンDは、光が施される領域以外の領域に投与される。いくつかの実施形態では、ビタミンDは、全身的に投与され、これは光が施される領域を包含し得る。いくつかの場合では、ビタミンDは、全身的に投与され、全体的なビタミンDレベルを上昇させ、これは光が施される領域のビタミンDを含み得る。
[0268] いくつかの実施形態では、ビタミンDは、力が加えられる領域に近接する領域に投与される。力は、例えば、強い力、歯科矯正器具によって加えられる力、または機能的器具によって加えられる力であり得る。いくつかの実施形態では、ビタミンDは、力が加えられる同じ領域に投与される。いくつかの実施形態では、ビタミンDが投与される領域、および力が加えられる領域は同じ大きさである。しかしながら、他の実施形態では、ビタミンDが投与される領域の大きさは、光で施される領域の大きさとは異なる。ビタミンDが投与される領域は、例えば、力が加えられる領域より小さい、または大きくてよい。いくつかの実施形態では、ビタミンDは、力が加えられる領域に隣接する領域に投与される。ビタミンDは、例えば、力が加えられる領域の約1mm、約2mm、約3mm、約5mm、約7mm、約10mm、約15mm、約20mm、約25mm、約30mm、約40mm、約50mm、約60mm、約70mm、約10cm、約15cm、約20cm、約30cm、約50cm以内の領域に投与され得る。
[0269] いくつかの実施形態では、ビタミンDは、力が加えられる領域とは異なる領域に投与される。換言すると、ビタミンDは、力が加えられる領域に投与されない。いくつかの実施形態では、ビタミンDは、全身的に投与され、力が加えられる領域を包含することができる。例えば、場合によって、ビタミンDは、全身的に投与され、力が加えられる領域のビタミンDレベルを含む、全体的なビタミンDレベルを上昇させる。
[0270] 本発明の方法は、有効量のビタミンDを必要とする患者にそれを投与することと、有効量の光を、例えば患者の歯槽軟組織、または任意の他の口腔もしくは顎顔面の骨、筋肉、または軟組織、または1つ以上の歯に施すこととを含み得る。いくつかの実施形態では、有効量のビタミンDは、患者の口腔領域に投与される。代替えとして、有効量のビタミンDは、患者に全身的に投与され得る。いくつかの実施形態では、本方法は、患者のビタミンDレベルを判断するために、患者を検査することをさらに含む。例えば、患者は、患者のビタミンDレベルを判断するために血液検査を受けることができる。必要であれば、患者は、ビタミンDサプリメントまたは治療を受けることができる。光は、歯科矯正治療、および歯科矯正の歯の移動を促進することができる通常のまたは高いビタミンDレベルと組み合わせて歯槽軟組織および/または歯に施すことができる。
[0271] 本発明の方法は、有効量のビタミンDを患者投与することと、図1〜図8を参照して本明細書に記載される任意の口腔内光療法装置を提供することとを含み得る。本方法は、任意に、患者がビタミンD欠乏であるか否かを判断することを含み得る。本方法は、任意に、患者のビタミンD血液血清レベルを測定することを含み得る。いくつかの実施形態では、患者のビタミンD血液血清レベルが既定の閾値を下回る場合、患者は、ビタミンDを投与するか、またはビタミンDの用量で投与され得る。いくつかの実施形態では、ビタミンDの用量は、患者の血液血清レベルに基づき決定され、患者に投与される。患者に投与されるビタミンDの用量は、患者が有効量のビタミンDで投与されるように、例えば、患者の血液血清レベルに基づき決定され得る。例えば、患者のビタミンDが非常に欠乏している場合(即ち、非常に低いビタミンD血液血清レベルを有する)、患者は、患者がビタミンDの欠乏がわずかな場合(即ち、高いビタミンD血液血清レベルを有する)より多い用量のビタミンDを受けることができる。他の実施形態では、ビタミンD血液血清レベルに関わらず、患者ビタミンDが欠乏している場合、患者は同じ用量のビタミンDを受ける。また他の実施形態では、ビタミンDの用量は、患者のビタミンDが欠乏していない場合でも患者に投与される。患者のビタミンDが欠乏している実施形態では、ビタミンD治療の長さは、ビタミンD欠乏の程度に応じて変動し得る。
[0272] ビタミンDは、1回以上の用量で投与され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、ビタミンDの用量は、有効量のビタミンDである。他の実施形態では、ビタミンDの単回量は、有効量のビタミンDを上回るか、またはそれ未満であり得る。ビタミンDの用量は、ある期間にわたって提供され得る。例えば、ビタミンDは、毎日投与され得る。いくつかの実施形態では、ビタミンDは、毎時間、1日数回、1日1回、数日に1回、1週間に1回、数週間に1回、1ヶ月に1回、数ヶ月に1回、4ヶ月に1回、または任意の他の頻度で投与される。ビタミンDは、定期的に(例えば6時間毎、毎日、10日毎)に投与されるか、または不規則な間隔で(例えば1日2回、1日間をあけて翌日1回提供され得る。いくつかの実施形態では、ビタミンDは、必要に応じて投与される。
[0273] いくつかの実施形態では、用量は、約100IU、約200IU、約400IU、約500IU、約600IU、約800IU、約1,000IU、約1,200IU、約1,500IU、約1,600IU、約2,000IU、約2,500IU、約3,000IU、約4,000IU、約5,000IU、約6,000IU、約7,000IU、約8,000IU、約9,000IU、約10,000IU、約12,000IU、約15,000IU、約17,000IU、約20,000IU、約25,000IU、約30,000IU、約40,000IU、約50,000IU、約70,000IU、約100,000IU、約150,000IU、約200,000IU、約300,000IU、約400,000IU、約500,000IU、600,000IU、または約800,000IUを上回る、その用量未満である、またはその用量である。いくつかの実施形態では、用量は、ビタミンDが患者に投与されるとき毎回変動する。他の実施形態では、用量は、患者に投与されるビタミンDの日用量である。他の実施形態では、用量は、治療レジメンに関して投与される総ビタミンD量である。例えば、ビタミンDの経口日用量は、1日当り400IU〜6,000IUの範囲であり得る。別の例では、ビタミンDの経口日用量は、1日当り2,000IU〜6,000IUの範囲であり得る。成人における2,000IU〜6,000IUのビタミンDの毎日の経口サプリメントは、3ヶ月以内にビタミンDの血液レベルを40ng/mLに高めることが示された。いくつかのレジメンでは、高初期用量のビタミンDがビタミンD血液レベルにおける増加を示した。ビタミンDの用量は、600,000IUの経口ビタミンDの単回量であり得る。臨床試験の1つに基づき、600,000IUの経口ビタミンDの単回量は、1日当り20,000IUの30日間の経口ビタミンDの投与量に相当した。別の実施形態では、用量は、1日当り20,000IUの30日間の経口ビタミンDである。
[0274] ビタミンDの用量は、静脈血のビタミンDの血液レベルを約40〜約60ng/mLに上昇させるのに十分である。ビタミンDの用量は、ビタミンDの血液レベルを少なくとも約20ng/mL、約30ng/mL、約35ng/mL、約40ng/mL、約45ng/mL、約50ng/mL、約55ng/mL、約60ng/mL、約65ng/mL、約70ng/mL、約75ng/mL、または約80ng/mL、それ以下、またはそれに上昇させるのに十分であり得る。いくつかの実施形態では、ビタミンDの用量は、ビタミンDの血液レベルを任意の量まで上昇させるのに十分である。例えば、ビタミンDの用量は、ビタミンDの血液レベルを約5ng/mL、約10ng/mL、約15ng/mL、約20ng/mL、約25ng/mL、約30ng/mL、約35ng/mL、約40ng/mL、約45ng/mL、約50ng/mL、約55ng/mL、または約60ng/mLまで上昇させるのに十分であり得る。ビタミンDの血液レベルは、ある期間内に所望のレベルに、または所望の量まで上昇させることができる。例えば、この期間は、1日以内、1週間以内、1ヶ月以内、または1年以内であり得る。例えば、毎日投与されるビタミンDの用量は、30日以内または3ヶ月以内にビタミンDの血液血清レベルを所望のレベルに上昇させることができる。
[0275] ビタミンDは、光療法を患者に施す前、施すと同時に、または施した後に投与することができる。ビタミンDは、光療法施工の開始前、または光療法施工の完了前に患者に投与され得る。いくつかの実施形態では、ビタミンDの用量は、光療法施工の開始前、または光療法施工の完了前のある期間に(例えば数秒、数分、数時間、数日、数週、数ヶ月)投与される。いくつかの実施形態では、ビタミンDの用量は、光療法施工の開始後、または光療法施工の完了後のある期間に(例えば数秒、数分、数時間、数日、数週、数ヶ月)投与される。いくつかの実施形態では、ビタミンD治療レジメン(一用量以上のビタミンDに及ぶことが可能である)は、光療法施工の開始前、または光療法施工の完了前に開始されるか、または完了する。他の実施形態では、ビタミンD治療レジメンは、光療法施工の開始後、または光療法施工の完了後に開始されるか、または完了する。ビタミンD治療レジメンは、光療法施工中に行われてよい。
[0276] ビタミンDは、口腔内光療法装置を患者に係合する前、係合すると同時に、または係合した後に投与され得る。口腔内光療法装置は、図1〜図8に示される装置のいずれかであり得る。ビタミンDは、患者から口腔内光療法装置を取り外す前に患者に投与することもできる。いくつかの実施形態では、ビタミンDの用量は、患者に口腔内光療法装置を係合する前、または患者から口腔内光療法装置を取り外す前のある期間に(例えば数秒、数分、数時間、数日、数週、数ヶ月)投与される。いくつかの実施形態では、ビタミンDの用量は、患者に口腔内光療法装置を係合した後、または患者から口腔内光療法装置を取り外した後のある期間に(例えば数秒、数分、数時間、数日、数週、数ヶ月)投与される。いくつかの実施形態では、ビタミンD治療レジメン(一用量以上のビタミンDに及ぶことが可能である)は、患者に口腔内光療法装置を係合する前、または患者から口腔内光療法装置を取り外す前に開始されるか、または完了する。他の実施形態では、ビタミンD治療レジメンは、患者に口腔内光療法装置を係合した後、または患者から口腔内光療法装置を取り外した後に開始されるか、または完了する。ビタミンD治療レジメンは、光療法施工中に行われてよい。
[0277] ビタミンDは、患者の1つ以上の歯に力を加える前、加えると同時、または加えた後に投与される。力は、例えば、強い力、歯科矯正器具によって加えられる力、または機能的器具によって加えられる力であり得る。いくつかの実施形態では、力は、強い力未満であり得る。いくつかの実施形態では、ビタミンDは、患者の1つ以上の歯に力を加えることを開始する前、または患者の1つ以上の歯に力を加えることが完了する前に患者に投与される。いくつかの実施形態では、ビタミンDの用量は、患者の1つ以上の歯に力を加えることを開始する前、または患者の1つ以上の歯に力を加えることが完了する前のある期間に(例えば数秒、数分、数時間、数日、数週、数ヶ月)投与される。他の実施形態では、ビタミンDの用量は、患者の1つ以上の歯に力を加えることを開始した後、または患者の1つ以上の歯に力を加えることが完了した後のある期間に(例えば数秒、数分、数時間、数日、数週、数ヶ月)投与される。いくつかの実施形態では、ビタミンD治療レジメン(一投与量以上のビタミンDに及ぶことが可能である)は、患者の1つ以上の歯に力を加えることを開始する前、または患者の1つ以上の歯に力を加えることが完了する前に開始されるか、または完了する。他の実施形態では、ビタミンD治療レジメンは、患者の1つ以上の歯に力を加えることを開始した後、または患者の1つ以上の歯に力を加えることが完了した後に開始されるか、または完了する。ビタミンD治療レジメンは、患者の1つ以上の歯に力を加えている間に行うことができる。
[0278] ビタミンDは、1つ以上の歯科矯正器具を患者の歯に、または機能的器具を患者の口腔内に設置する前、設置すると同時に、または設置した後に患者に投与され得る。いくつかの実施形態では、ビタミンDは、患者の歯から1つ以上の歯科矯正器具を取り外す前に患者に投与される。いくつかの実施形態では、ビタミンDの用量は、患者の歯に1つ以上の歯科矯正器具を設置する前、または患者の歯から1つ以上の歯科矯正器具を取り外す前のある期間に(例えば数秒、数分、数時間、数日、数週、数ヶ月)投与される。他の実施形態では、ビタミンDの用量は、患者の歯に1つ以上の歯科矯正器具を設置した後、または患者の歯から1つ以上の歯科矯正器具を取り外した後のある期間に(例えば数秒、数分、数時間、数日、数週、数ヶ月)投与される。いくつかの実施形態では、ビタミンD療レジメン(一用量以上のビタミンDに及ぶことが可能である)は、患者の歯に1つ以上の歯科矯正器具を設置する前、または患者の歯から1つ以上の歯科矯正器具を取り外す前に開始されるか、または完了する。他の実施形態では、ビタミンD治療レジメンは、患者の歯に1つ以上の歯科矯正器具を設置した後、または患者の歯から1つ以上の歯科矯正器具を取り外した後に開始されるか、または完了する。ビタミンD治療レジメンは、歯科矯正器具が患者の歯に設置されている間に行われてよい。
[0279] ビタミンDを投与することにより、ビタミンDが投与されない治療方法と比較して、歯の移動量を高めることができる。ビタミンDを投与することにより、ビタミンDが投与されない治療方法と比較して、歯の移動の速度も高めることができる。いくつかの実施形態では、ビタミンDを投与することにより、ビタミンDの投与を含まない歯の移動を調節するための治療方法に対して、歯の移動の速度が、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約1%〜約90%の範囲内に入る任意のパーセンテージまで高まる。いくつかの実施形態では、ビタミンDを投与することにより、ビタミンDが投与されない治療方法と比較して、骨の再形成の速度が高まる。いくつかの実施形態では、ビタミンDを投与することにより、ビタミンDの投与を含まない骨の再形成を調節するための治療方法に対して、骨の再形成の速度が、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約1%〜約90%の範囲内に入る任意のパーセンテージまで高まる。
[0280] ビタミンDを投与することにより、患者が歯科矯正治療を受ける時間量を短縮することができる。ビタミンDを投与することにより、力が患者の1つ以上の歯に加えられる時間量も短縮することができる。いくつかの実施形態では、ビタミンDを投与することにより、ビタミンDの投与を含まない治療方法に対して、患者が歯科矯正治療を受ける、または力が患者の1つ以上の歯に加えられる時間量を、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約1%〜約90%の範囲内に入る任意のパーセンテージまで短縮する。
[0281] ビタミンDを投与することにより、ビタミンDが投与されない治療方法と比較して、骨の再形成の速度を高めることができる。ビタミンDを投与することにより、ビタミンDが投与されない治療方法と比較して、骨沈着および骨吸収のうちの1つまたはそれらの両方の速度を高めることもできる。いくつかの実施形態では、ビタミンDを投与することにより、ビタミンDの投与を含まない治療方法に対して、骨沈着および骨吸収のうちの1つまたはそれらの両方の速度が、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約1%〜約90%の範囲内に入る任意のパーセンテージまで高まる。
[0282] 一例では、成人患者のビタミンD3血液−血清レベルは、定期的な歯科矯正の検査および記録の面会中に測定される。臨床検査の結果は、患者のビタミンD3血清レベルが20ng/mlであることを示す場合があり、これは欠乏または異常であると考えられる。この例では、患者の歯科矯正診断は、クラスIの軽度の密集であり、上弓の密集は4mmであり、下弓の密集は4mmである。歯科矯正治療計画は、上弓および下弓のある程度の軽度の拡大を伴う固定式歯科矯正器具の設置を含むように考案され得る。
[0283] この例では、患者は、自分のビタミンD3の血清レベルを増加し、正常化するために、1日当り6000IUの量で3ヶ月間経口油系ビタミンD3カプセルを自己投与する。臨床検査の血清検査は、ビタミンD3の補給3ヶ月後に任意に再び行うことができる。患者は、自分のその後の臨床検査の結果に基づき、自分の経口投薬量を維持または調節することができる。類似する結果を実現するために従うことが可能なビタミンDを投与するためのいくつかの代替えの経口および/または全身投薬プロトコルが存在することを理解するべきである。上述の投薬プロトコルは、単に、多くのアプローチのうちの1つである。
[0284] この例では、歯科矯正治療は、3ヶ月の期間後、または3ヶ月前のいずれかで開始することができる。歯科矯正治療は、患者の歯に設置される従来の固定式歯科矯正ブラケットおよびバンドを含み得る。光は、毎日、図1に示されるものなどの口腔内光療法装置を使用して、例えば、50mW/cm2の強度で20分間、約850nmの波長で患者に施すことができる。歯科矯正治療は、弓が拡大したら歯の仕上げを続けることができる。この例では、積極的な歯科矯正治療は、毎日の光の施工およびビタミンD3の補給の組み合わせにより、光療法を伴わない歯科矯正治療より50%〜75%少ない時間で完了するであろうと考えられる。
[0285] 歯科矯正治療の受動的段階、即ち、保持期で、固定式保持歯科矯正器具は患者の歯に設置され得る。一実施形態では、前歯の位置を維持するように設計される着脱可能な器具であるHawley保持装置は、患者の前歯に設置される。いくつかの実施形態では、歯科矯正ブラケットを含むものなどの固定式保持装置の器具は、上6、下6、または上6および下6の前歯に結合される。患者は、ビタミンD3の補給を続けることができる。いくつかの例では、患者は、1日当り2000IU〜1日当り経口的に12,000IUを自己投与する。用量は、投薬量を決定するために定期的に測定され得るビタミンD血液血清レベルに基づき決定され得る。結果として、歯の周囲の歯槽骨密度は、受動的段階中に増加し得る。受動的段階中、患者は、図1および/または図6に示される光療法装置などの口腔内光療法装置を使用して、625nmの波長を有する光が1週間に1回、上弓および下弓の区域に投与され得る。
[0286] 光治療の施工
[0287] 光は、口腔内装置を使用して、以下の方法のいずれかで患者に施すことができる。光を施す行為および過程は、本明細書に置いて「光治療」と称される。これらの用語は、本明細書において互換的に使用されるが、特に記載されない限り、類似する意味を有することが意図される。
[0288] 光は、患者の口の領域に施すことができる。これらの領域のいくつかの例としては、1つ以上の歯(例えば、上顎中門歯、上顎側門歯、上顎犬歯、上顎第1小臼歯、上顎第2小臼歯、上顎第1臼歯、上顎第2臼歯、上顎第3臼歯、下顎中門歯、下顎側門歯、下顎犬歯、下顎第1小臼歯、下顎第2小臼歯、下顎第1臼歯、下顎第2臼歯、または下顎第3臼歯などの門歯、犬歯、小臼歯、または臼歯)、1つ以上の歯の根(例えば、歯の根が歯を支持している1つ以上の根の一部分、歯を支持している1つの根、歯を支持している複数の根、または歯を支持している根の全てを含み得る)、1つ以上の歯を支持している組織、上顎の一部分(例えば患者の上顎歯槽骨の一部分)、下顎の一部分(例えば患者の下顎歯槽骨の一部分)、歯槽、基底組織、歯肉(例えば歯槽軟組織)、歯周靭帯、セメント質、歯周組織、顎骨もしくは組織の領域、または患者の他の口腔軟組織または骨組織の少なくとも一部分を含むが、これらに限定されない。この領域は、患者の口の左側または右側に位置し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の領域は、患者の口の左側および右側の両方に位置する。いくつかの実施形態では、この領域は、患者の口の前部に位置し得る。この領域は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ以上の歯、または歯を包囲もしくは支持する組織を含み得る。この領域は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ以上の歯、または歯の歯周組織のうちの1つ以上の根を含み得る。領域は、歯自体を含む、または含まずに具体的に記載される歯のいずれかを包囲または支持する組織(例えば歯槽もしくは基底組織)を含み得る。領域は、上顎によって支持される歯もしくは組織、または下顎によって支持される歯を含み得る。1つ以上の領域は、相互に隣接する、相互に連続する、または相互に分離し得る。本明細書における領域の任意の説明および領域の例は、本明細書に提供される任意の他の領域または治療領域の例に適用され得る。
[0289] いくつかの実施形態では、光は、患者の口腔の1つ以上の他の部分を照射することなく、患者の口腔内の組織(例えば骨組織または軟組織)または他の領域の一部分を含むことができる領域を照射する。例えば、光は、同じく患者の口腔の右側に位置する下顎第3臼歯を照射することなく、患者の口腔の右側の下顎第1臼歯を照射することができる。いくつかの実施形態では、光は、1つだけの歯根の1つ以上の根、および1つだけの歯周組織に施される。代替えとして、光は、複数の歯の1つ以上の根、および複数の歯周組織に施される。光は、患者の口腔内の全てまたは全てではない歯および歯周組織のうちの1つ以上の根に施される。1つ以上の選択された歯、根、または歯周組織は、光で照射され得る。例えば、患者の口腔の右側の下顎第1臼歯および下顎第3臼歯は、下顎第2臼歯が照射されることなく照射され得る。
[0290] いくつかの実施形態では、光は患者の歯槽軟組織に施され、有効量の光が本発明の装置の1つ以上のエミッタから照射される。一実施形態では、歯槽軟組織は、歯槽粘膜である。
[0291] いくつかの実施形態では、口腔内装置からの光は、口内の患者の組織の他の部分を照射するより非常に大きな強度で組織の一部分(例えば骨組織または軟組織)を含む領域を照射することができる。例えば、光は、患者の組織の任意の他の領域または部分(例えば図1に示される残りのパネル1および3〜6により覆われる組織の領域)を照射する強度より3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、または100倍の強度で、第1の組織領域(例えば図1に示されるパネル2により覆われる組織の領域)を照射することができる。一実施形態では、光は、患者の歯のいずれかを照射する光より大きな強度で、患者の歯槽軟組織の一部分を照射することができる。別の実施形態では、光は、強い力が加えられない1つ以上の歯に対して、強い力が任意で適用される(移動することが望まれる)1つ以上の歯により大きな強度で照射するまたは集中させることができる。あまり力を受けない歯または固定歯は、それらがあまり動かず、固定作用が増強され得るように、光から選択的に保護されるか、またはより低い光強度で照射され得る。いくつかの実施形態では、これは、図5に関して記載されるように、1つ以上の非領域を光から保護する1つ以上のマスクを口腔内装置に適用するか、または口腔内装置内で調節することにより実現される。いくつかの実施形態では、領域に達する光は、閾値より大きい強度を有し得る。いくつかの実施形態では、これは、図19に関して記載されるように、1つ以上の領域に隣接するエミッタの密度を口腔内装置に適用するか、または口腔内装置内で調節することにより実現される。いくつかの実施形態では、閾値は、本明細書の別の箇所に記載される強度を有し得る。
[0292] いくつかの実施形態では、この領域は、患者の口内の表面、または軟組織もしくは骨組織内に近くてよい。この領域は、患者の口内の表面からの深部であり得る。例えば、この領域は、患者の口内の表面から約1μm、約1μm、約10μm、約50μ、約100μm、約200μm、約300μm、約500μm、約750μm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約7mm、約10mm、約15mm、約20mm、約25mm、約30mm、約40mm、約50mm、約60mm、または約70mmであり得る。光は、約1nm2、約1μm2、約0.1mm2、約0.2mm2、約0.3mm2、約0.4mm2、約0.5mm2、約0.7mm2、約1mm2、約10mm2、約0.2cm2、約0.5cm2、約1cm2、約2cm2、約3cm2、約5cm2、約7cm2、約10cm2、約15cm2、約20cm2、約25cm2、約30cm2、約35cm2、約40cm2、約50cm2、約60cm2、約80cm2、約100cm2、約120cm2、約140cm2、約160cm2、約180cm2、または約200cm2を超える、それ未満、または約その面積を有し得る領域を照射することができる。光は、1つの区域、複数の区域、点、または複数の点を照射することができる。いくつかの実施形態では、光は、周囲の区域を強い強度で照射することなく特定の区域を照射する。例えば、光は、隣接する歯に強い量の光を照射することなく特定の歯または歯一式を照射することができる。一実施形態では、歯の照射は、歯、歯根、または歯の歯周組織の露出した表面を照射することを含む(例えば、図4および関連する説明を参照)。
[0293] 口腔内装置により施される光は、複数の光源から放射され得る(例えば、図3Aに示されるエミッタ32)。光は、本明細書に記載されるように、口腔内装置内の光源またはエミッタの位置に基づき、連続する領域または1つ以上の離散した領域を照射することができる。光は、異なる方向から様々な領域を照射することができる。例えば、光は、患者の口の右側から(例えば図1に示されるパネル1から)、および患者の口の左側から(例えば図1に示されるパネル3から)施すことができる。光源またはエミッタは、施された光がある領域に向かって上方向に角度をなすか、またはある領域に向かって下方向に角度をなすように、口腔内装内で調節され得る。光源またはエミッタは、口腔内装置内でずらすことができる、角度をなすことができる、回転させることができる、またはそれらのいずれかの組み合わせであり得る。
[0294] 本明細書に記載されるように、有効量の光は、口腔内装置を介して施すことができる。有効量の光は、歯の移動を調節する、歯根吸収を低減する、予防する、もしくは最小化する、骨吸収、炎症性象牙質吸収、もしくはセメント質吸収を低減する、炎症を防止する、もしくは最小化する、または強い力が加えられる、もしくは加えられた1つ以上の歯を包囲する組織を再形成する、上顎もしくは下顎歯槽の骨を再生する、あるいは本明細書に開示される他の方法に有効である光の量である。光の特性は、その強度、波長、一貫性、範囲、放射のピーク波長、エネルギー密度、連続性、パルス、負荷サイクル、周波数、または継続時間を含み得るが、これらに限定されない。
[0295] いくつかの実施形態では、歯の移動を調節する方法は、有効量の光を決定することをさらに含み得る。この決定は、意図される歯の移動の調節作用に基づいてよい。本方法は、有効量の光を提供するために、1つ以上の光特性を選択することを更に含み得る。本方法は、コントローラから指示を受信し、特定の特性を有する光を放射することをさらに含み得る。コントローラは、例えば、図7に示されるコントローラ430、図17に関して記載される外部電子デバイス、または本明細書に記載される任意の他のコントローラであり得る。コントローラは、本明細書に記載されるステップのいずれかを実行することができる。
[0296] 光は、意図する特性を有する光を照射することができる口腔内装置内の1つ以上の光源から施すことができる。本明細書に記載されるように、口腔内装置は、エミッタ32、132、232、および/または332などの1つ以上の光エミッタから光を放射することができる。いくつかの実施形態では、口腔内装置は、約10〜約15のエミッタ、約15〜約20のエミッタ、約20〜約30のエミッタ、約30〜約40のエミッタ、約40〜約50のエミッタ、約50〜約70のエミッタ、または約70のエミッタ〜約100のエミッタを備える。例えば、光は、次のエミッタ、すなわち、アレイで存在し得る発光ダイオード(LED)、およびレーザ、例えば、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)もしくはインジウム−ガリウム−アルミニウム−リン化物(InGaAlP)レーザ、ガリウム−ヒ素リン化物/ガリウムリン化物(GaAsP/GaP)レーザ、もしくはガリウム−アルミニウム−ヒ化物/ガリウム−アルミニウム−ヒ化物(GaAlAs/GaAs)などの他の好適な光エミッタのうちの1つ以上から施すことができる。。一実施形態では、口腔内装置は、複数のレーザを備える。複数の光エミッタは、1つ以上の異なる波長で光を放射することができる。代替えとして、1つ以上の光エミッタは、同じ波長で光を放射することができる。1つ以上の光エミッタは、線形アレイまたは本明細書に記載される別の配置などの任意の様式で、口腔内装置上にまたはその中に配列され得る。
[0297] 有効量の光は、歯の移動を調節するのに有効である強度を有し得る。一実施形態では、光の強度は、少なくとも約10mW/cm2である。他の実施形態では、光の強度は、約1mW/cm2以上、約3mW/cm2以上、約5mW/cm2以上、約7mW/cm2以上、約12mW/cm2以上、約15mW/cm2以上、約20mW/cm2以上、約30mW/cm2以上、約50mW/cm2以上、約75mW/cm2以上、約100mW/cm2以上、約200mW/cm2以上、約500mW/cm2以上、または約1W/cm2以上である。他の実施形態では、光の強度は、約20mW/cm2以下、約30mW/cm2以下、約50mW/cm2以下、約75mW/cm2以下、約100mW/cm2以下、約200mW/cm2以下、約500mW/cm2以下、約1W/cm2以下、約2W/cm2以下、約5W/cm2以下、または約10W/cm2以下である。一実施形態では、光の強度は、少なくとも約1mW/cm2〜約10W/cm2である。別の実施形態では、光の強度の下限は、約3mW/cm2、約5mW/cm2、約7mW/cm2、約12mW/cm2、約15mW/cm2、約20mW/cm2、約30mW/cm2、約50mW/cm2、約75mW/cm2、約100mW/cm2、約200mW/cm2、約500mW/cm2、または約1W/cm2である。別の実施形態では、光の強度の上限は、約20mW/cm2、約30mW/cm2、約50mW/cm2、約75mW/cm2、約100mW/cm2、約200mW/cm2、約500mW/cm2、約1W/cm2、約2W/cm2、約5W/cm2、または約10W/cm2である。また別の実施形態では、光の強度は、約15mW/cm2である。本明細書に記載される強度のいずれかにより決定された範囲内に入る強度を有する光を施すことができる。いくつかの実施形態では、強度は、平均強度である。いくつかの実施形態では、光は、約10mW/cm2〜約60mW/cm2、または約20mW/cm2〜約60mW/cm2の範囲の強度を有する。そのような実施形態では、ピーク光強度は、約50mW/cm2以上であり得る。ピーク波長は、最高強度の光が放射される波長である。いくつかの実施形態では、光はパルスであってよい。他の実施形態では、光の出力は、連続である。いくつかの実施形態では、光の強度は、周期的または非周期的様式で経時的に変動し得る。光の強度は、パルスにより、またはパルスなしで変動し得る。いくつかの実施形態では、パルス幅変調は、所望の光強度に影響を与えるように使用され得る。1つ以上の波長の光が施される場合、各波長はそれ自体の強度で施されてよい。いくつかの実施形態では、有効量の光または線量の光は、3分未満または最大3分の継続時間の間、約15mW/cm2の強度を有する光を施すことを含み得る。有効量の光または線量の光のさらなる詳細が本明細書において記載される。
[0298] いくつかの実施形態では、有効量の光は、特定の範囲内の波長を有する光、または波長範囲の光を含み得る。光は必ずしも可視光ではない。例えば、光は、赤外光または近赤外光を含み得る。光は可視光領域でも提供され得る。約620nm〜約1000nmの範囲の1つ以上の波長を有する光を施すことができる。いくつかの実施形態では、施される光は、約585nm〜約665nm、約815nm〜約895nm、約640nm〜約680nm、もしくは約740nm〜約780nmの範囲の1つ以上の波長、または任意の所与の波長もしくはこれらの範囲内の波長範囲、例えば約625nmもしくは約855nm、または約605nm〜約645nmもしくは約835nm〜約875nmを有する。いくつかの実施形態では、施される光は、約605nm〜約645nm、または約835nm〜約875nmの1つ以上の波長を有する。いくつかの実施形態では、施される光は、約615nm〜約635nm、または約845nm〜約865nmの1つ以上の波長を有する。いくつかの実施形態では、施される光の波長は、約625nmまたは約855nmである。さらなる実施形態では、施される光は、約400nm〜約1200nmの範囲の1つ以上波長を有する。特定の実施形態では、施される光は、約500nm〜約700nm、約585nm〜約665nm、約605nm〜約630nm、約620nm〜約680nm、約815nm〜約895nm、約820nm〜約890nm、約640nm〜約680nm、または約740nm〜約780nmの範囲の1つ以上の波長を有する。いくつかの実施形態では、施される光は、次の波長範囲、すなわち、約820〜約890nmおよび約620〜約680nmのうちの1つまたはそれらの両方の1つ以上の波長を有する。いくつかの実施形態では、施される光は、約820〜約890nmおよび約620nm〜約680nmの範囲の1つ以上の波長を有する。いくつかの実施形態では、施される光は、約815〜約895nmよび約585〜約665nmの範囲の1つ以上の波長を有する。施される光は、代替的に、次の範囲、すなわち、約613nm〜約624nm、約667nm〜約684nm、約750nm〜約773nm、約812nm〜約846nmのうちの1つ以上の1つ以上の波長を有し得る。一実施形態では、光波長の下限は、約400nm、約450nm、約500nm、約550nm、約585nm、約595nm、約605nm、約613nm、約615nm、約620nm、約624nm、約625nm、約640nm、約650nm、約667nm、約680nm、約710nm、約740nm、約750nm、約770nm、約812nm、約815nm、約820nm、約835nm、約845nm、または約860nmである。別の実施形態では、光波長の上限は、約585nm、約605nm、約624nm、約630nm、約635nm、約645nm、約655nm、約660nm、約665nm、約680nm、約684nm、約700nm、約725nm、約755nm、約773nm、約780nm、約795nm、約815nm、約830nm、約846nm、約855nm、約865nm、約875nm、約890nm、約895nm、約935nm、約975nm、約1000nm、約1050nm、約1100nm、または約1200nmである。
[0299] 施される光の波長は、本明細書に記載される波長値を含むか、またはそれらからなる。
[0300] 例えば、いくつかの実施形態では、領域に施される光は、次のうち、すなわち、約585nm、約605nm、約624nm、約630nm、約635nm、約645nm、約655nm、約660nm、約665nm、約680nm、約684nm、約700nm、約725nm、約755nm、約773nm、約780nm、約795nm、約815nm、約830nm、約846nm、約855nm、約865nm、約875nm、約890nm、約895nm、約905nm、約910nm、約915nm、約920nm、約935nm、約975nm、約1000nm、約1050nm、約1100nm、または約1200nmの1つ以上を超える1つ以上の波長を含まない。例えば、いくつかの実施形態では、約585nm、約605nm、約624nm、約630nm、約635nm、約645nm、約655nm、約660nm、約665nm、約680nm、約684nm、約700nm、約725nm、約755nm、約773nm、約780nm、約795nm、約815nm、約830nm、約846nm、約855nm、約865nm、約875nm、約890nm、約895nm、約905nm、約910nm、約915nm、約920nm、約935nm、約975nm、約1000nm、約1050nm、約1100nm、または1200nmを超える光は選択された領域に施されない。いくつかの実施形態では、領域に施される光は、次のうちの1つ以上を下回る1つ以上の波長を含まない:約400nm、約450nm、約500nm、約550nm、約585nm、約595nm、約605nm、約613nm、約615nm、約620nm、約624nm、約625nm、約640nm、約650nm、約667nm、約680nm、約710nm、約740nm、約750nm、約770nm、約812nm、約815nm、約820nm、約835nm、約845nm、または約860nm。例えば、いくつかの実施形態では、約400nm、約450nm、約500nm、約550nm、約585nm、約595nm、約605nm、約613nm、約615nm、約620nm、約624nm、約625nm、約640nm、約650nm、約667nm、約680nm、約710nm、約740nm、約750nm、約770nm、約812nm、約815nm、約820nm、約835nm、約845nm、または約860nmを下回る光は、選択された領域に施されない。いくつかの実施形態では、施される光は、約600nm以下の波長を含まない。いくつかの実施形態では、施される光は、約1000nm以上の波長を含まない。いくつかの実施形態では、施される光は、約600nm以下の波長を含まず、約1000nm以上の波長を含まない。
[0301] いくつかの実施形態では、本発明の方法において有効量である十分な強度で領域に施される光は、次のうちの1つ以上を超える1つ以上の波長を含まない:約585nm、約605nm、約624nm、約630nm、約635nm、約645nm、約655nm、約660nm、約665nm、約680nm、約684nm、約700nm、約725nm、約755nm、約773nm、約780nm、約795nm、約815nm、約830nm、約846nm、約855nm、約865nm、約875nm、約890nm、約895nm、約905nm、約910nm、約915nm、約920nm、約935nm、約975nm、約1000nm、約1050nm、約1100nm、または約1200nm。例えば、いくつかの実施形態では、口腔または顎顔面の骨の再形成に有効量である十分な強度を有し、約585nm、約605nm、約624nm、約630nm、約635nm、約645nm、約655nm、約660nm、約665nm、約680nm、約684nm、約700nm、約725nm、約755nm、約773nm、約780nm、約795nm、約815nm、約830nm、約846nm、約855nm、約865nm、約875nm、約890nm、約895nm、約905nm、約910nm、約915nm、約920nm、約935nm、約975nm、約1000nm、約1050nm、約1100nm、または約1200nmを超える光は、選択された領域に施されない。いくつかの実施形態では、本発明の方法において有効量である十分な強度で領域に施される光は、次のうちの1つ以上を超える1つ以上の波長を含まない:約400nm、約450nm、約500nm、約550nm、約585nm、約595nm、約605nm、約613nm、約615nm、約620nm、約624nm、約625nm、約640nm、約650nm、約667nm、約680nm、約710nm、約740nm、約750nm、約770nm、約812nm、約815nm、約820nm、約835nm、約845nm、または860nm。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の方法において有効量である十分な強度を有し、約400nm、約450nm、約500nm、約550nm、約585nm、約595nm、約605nm、約613nm、約615nm、約620nm、約624nm、約625nm、約640nm、約650nm、約667nm、約680nm、約710nm、約740nm、約750nm、約770nm、約812nm、約815nm、約820nm、約835nm、約845nm、または約860nmを下回る光は、選択された領域に施されない。いくつかの実施形態では、施される光は、本発明の方法に有効量である十分な強度を有する約600nm以下の波長を含まない。いくつかの実施形態では、施される光は、本発明の方法に有効量である十分な強度を有する約1000nm以上の波長を含まない。いくつかの実施形態では、施される光は、本発明の方法に有効量である十分な強度を有する約600nm以下の波長を含まず、本発明の方法に有効量である十分な強度を有する約1000nm以上の波長を含まない。
[0302] いくつかの実施形態では、ある特定の治療は特定の波長範囲に良好に応答する。例えば、いくつかの実施形態では、歯の移動(またはより具体的には急速な歯の移動)は、施される光の量が約700nm〜約900nmの波長を有するとき、より有効である。いくつかの実施形態では、骨の治癒または骨の移植は、施される光の量が約600nm〜約700nmの波長を有するとき、より有効である。
[0303] 一実施形態では、口腔内装置は、約850nmの波長を有し、100mW/cm2未満の強度の連続波の光を照射する。
[0304] いくつかの実施形態では、光は、記載される光範囲の1つ、2つ以上で施される。場合によって、光は、記載される光範囲の1つ、2つ以上の外側で施されない。他の実施形態では、施される光は、特定の用途に所望される他の波長を有する。いくつかの実施形態では、第1の特徴一式(例えば波長、強度、パルス、タイミング)を有する光は、第1の領域(例えば、図1に示されるパネル1の領域)に施され、第2の特徴一式を有する光は、第2の領域(例えば図1に示されるパネル3の領域)に施され得る。第1の領域および第2の領域は、同じ領域であり得る、部分的に重複し得る、または重複しない場合がある。第1の特徴一式は、第2の特徴一式と同じであり得る、第2の特徴一式と部分的に重複し得る、または全てが第2の特徴一式と異なってよい。一実施形態では、顎の1領域は第1の波長範囲内の光を受けることができる一方、顎の別の領域は第2の波長範囲内の光を受けることができる。第1および第2の波長は重複することができる。代替えとして、他の実施形態では、第1および第2の波長は重複しない。
[0305] いくつかの実施形態では、光の1つ以上の波長は、患者に順次または同時に施すことができる。例えば、本発明の口腔内装置は、約850nmの波長を有する光を放射する第1のエミッタと、約620nmの波長を有する光を順次または同時に放射する第2のエミッタとを含み得る。いくつかの実施形態では、第1のエミッタは、第1の期間の間、光を放射するように構成され得、第2のエミッタは、第1の期間の後、第2の期間の間、光を放射するように構成され得る。換言すると、第2のエミッタは、第1のエミッタが約620nmの波長を有する光を放射し始めた後に約850nmの波長を有する光を放射するか、または第2のエミッタは、第1のエミッタが約850nmの波長を有する光を放射し始めた後に約620nmの波長を有する光を放射する。いくつかの実施形態では、約850nmの波長を有する光は、次の歯科矯正治療期のうちの1つ以上が完了するか、ほぼ完了するまで、すなわち整合期、空間閉鎖期、完了もしくは詳細期または保持期の間、患者に毎日施される。これらの期のうちの1つ以上が一旦完了するか、またはほぼ完了すると、患者は、例えば約850nmおよび約620nmの波長を有する光を施すことを含む、混合光治療を受け始めることができる。約850nmの光の波長は、約620nmの光の波長で患者に順次または同時に施され得る。歯がそれらの最終位置に移動したら、歯科矯正治療の受動的段階を開始することができ、患者は約620nmの波長を有する光のみを受け始めることができる。
[0306] 光波長の範囲の例が異なる用途のために以下に提供されるが、本明細書に記載されるものを含み得る任意の他の光波長値を有する光がこれらの用途に施すことができる。
[0307] いくつかの実施形態では、約835nm〜約875nm、または約855nmなどの約815nm〜約895nmの範囲の波長を有する光を施すことは、一実施形態では、歯の移動の速度を高める本発明の方法に有用である。一実施形態では、歯の移動の速度の増加は、口腔内装置を介して光が提供されない歯科矯正患者が体験する歯の傾いた動きを超えた歯の傾いた動きを増加しない。いくつかの実施形態では、約605nm〜約645nm、または約625nmなどの約585nm〜約665nmの範囲の波長を有する光を施すことは、同様に、一実施形態では、歯の移動の速度を高める本発明の方法に有用である。いくつかの実施形態では、機能的器具の使用、強い力を加えること、および/またはビタミンDの投与と組み合わせた前述の波長のいずれかを有する光を施すことは、一実施形態では、歯の移動の速度を高める本発明の方法に有用である。
[0308] 一実施形態では、約585nm〜約665nmの範囲の波長を有する光を施すことにより、約815nm〜約895nmの範囲の波長を有する光を施すよりも大きな全体的な歯の移動の量または程度を高める。そのような実施形態では、機能的器具の使用、強い力を加えること、および/またはビタミンDの投与と組み合わせた前述の波長を有する光を施すことにより、光のみを施すよりも大きな全体的な歯の移動の量または程度をさらに高めることができる。約585nm〜665nm(例えば約625nm)の範囲の波長を有する光を施すことによって、約815nm〜約895nm(例えば約855nm)の範囲の波長を有する光を施すより傾いた移動が約10%〜約50%少なくなり得る。例えば、傾いた移動は、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%少なく生じ得る。特定の光波長は傾いた移動を最小化することができる。いくつかの実施形態では、機能的器具の使用、強い力を加えること、および/またはビタミンDの投与と組み合わせて施される特定の波長は、歯の傾いた移動をさらに最小化することができる。
[0309] よって、一実施形態では、約625nmなどの約605nm〜約645nmの範囲の波長を有する光を施すことは、一実施形態では、歯科矯正治療の歯の全体的な移動を容易にし、任意に骨の再生を高める本発明の方法に有用である。いくつかの実施形態では、本方法は、骨の再生を増加させることをさらに含む。別の実施形態では、約855nmなどの約835〜約875nmの範囲の波長を有する光を施すことは、一実施形態では、ある程度の傾いた移動が望ましいか、または許容され、任意に骨の再生を増加させる歯の移動速度を高める本発明の方法に有用である。前述の実施形態では、機能的器具の使用、強い力を加えること、および/またはビタミンDの投与と組み合わせたこれらのそれぞれの範囲の光を施すことは、歯科矯正治療における歯の全体的な移動を容易にし、任意に骨の再生を増加させるのに有用であり得る。
[0310] 他の実施形態では、本明細書に記載される波長を有する光を施すことは、約625nmなどの約605nm〜約645nmの範囲の一実施形態では、骨の再形成の質または程度を増加させるのに有用である。したがって、本発明は、有効量の光を患者に施すことを含む、骨の再形成の質または程度を増加させるための方法にさらに関し、有効量の光は、本発明の装置のエミッタから照射される。いくつかの実施形態では、装置の少なくとも一部分は、光が施されるとき、歯槽軟組織と接触する。いくつかの実施形態では、骨の再形成の質または程度を増加させるための方法は、それを必要とする患者の1つ以上の歯に強い力を加えさせる、および/または患者にビタミンDを投与することをさらに含む。
[0311] 骨の再形成は、これらに限定されないが、骨の形状、骨容積、骨密度、または骨のミネラル含量などの任意の骨の特徴の変化を含み得る。いくつかの実施形態では、骨の再形成は、骨成長または吸収を含み得る。骨成長または骨吸収をもたらすことにより、骨の形状または位置(即ち、歯の移動)を変更させることができる。骨の再形成の質または程度を増加させることにより、骨(下顎骨または上顎骨)の形状もしくは位置を調節するのに役立つか、または特定の位置、例えば、1つ以上の歯科矯正器具の器具などの歯科矯正治療により生じる位置に歯を維持することを増加させるのに役立ち、前の位置、例えば1つ以上の歯科矯正器具の任意の器具などの歯科矯正治療前の位置に歯が戻る可能性を減少させることができる。よって、歯科矯正治療の前、治療の後、または治療と同時に、約585nm〜約665nm、または約605nm〜約645nm、または約615nm〜635nm、または約625nmの範囲の波長を有する光、任意に815nm〜895nmの範囲の光でも施すことは、例えば歯の移動を安定化する本発明の方法に有用であり得る。したがって、他の実施形態では、本発明の方法は、口腔内装置を介して光を施す前、施した後、または施すと同時に、1つ以上の歯科矯正器具を患者に設置するなどの歯科矯正治療を行うことをさらに含む。一実施形態では、歯科矯正器具は、保持装置デバイスまたは受動的歯科矯正器具である。他の好適な歯科矯正器具は、Hawley保持装置、もしくは真空形成保持装置、または結合式舌保持装置などの固定式保持装置などの着脱可能な保持装置を含み得る。光を施す前、施した後、または施すと同時に、これらの器具は、例えば骨の再生または再形成を刺激することにより、歯の位置の維持を補助するこができる。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、光を施す前、施した後、または施すと同時に、1つ以上の機能的器具を設置するなど、口腔または顎顔面の骨の再形成を調節することをさらに含む。歯科矯正治療の前、施した後、または施すと同時に、約815nm〜約895nm、または約835nm〜約875nm、または約845nm〜約865nm、または約855nmの範囲の波長を有する光による施工は、一実施形態では、歯の移動を安定化するのにも有用であり得る。一実施形態では、約585nm〜約665nmの範囲の波長を有する光を施すことにより、約815nm〜約895nmの範囲の波長を有する光を施すよりも大きな程度または規模に骨の再生または再形成を高める。
[0312] 歯根吸収は、歯の骨構造の破損もしくは破壊、または後の損失を含み得る。歯根吸収は、根表面にごく近接する場合、根表面のセメント質および下層の根象牙質を再吸収することができる周囲組織の破骨細胞にマクロファージを分化することにより生じ得る。歯根吸収は、通常の生理学的毛細管および間質圧よりも高い歯周組織圧を加える重いまたは超生理学的歯科矯正力により悪化し得る。これは正常な血流を阻止し、これはスキーマ(schema)(血液供給の欠如)ならびに最終的には歯周組織の軟組織および骨の細胞死を引き起こす場合がある。「ヒアリン化区域」としても知られるこれらの壊死細胞は、多核細胞および穿掘性呼吸過程を通して除去され、多くの場合、健康な骨、セメント質、および歯周組織はこのプロセスを通して再吸収される。
[0313] したがって、特定の波長を有する光を施すことは、例えば全体に対して傾いた歯の移動の速度、質、および種類を調節する、ならびに歯の移動を増加または安定化するのに有用である。いくつかの実施形態では、歯の移動の安定化は、1つ以上の歯があまり傾かずに移動する移動を含み得る。歯の移動の安定化は、特定の方法で歯の移動を遅らせる、または停止させることも含み得る。例えば、これは、傾斜(または傾いた移動)の量を最小化する、またはそれを排除することを含み得る。光を施すことは、骨の再生または再形成を増加(または誘発)するのにも有用であり得る。光を施すことは、歯根吸収、骨吸収、炎症性象牙質もしくはセメント質吸収、または組織の炎症を低減する、最小化する、または予防するのにも有用であり得る。機能的器具の使用、強い力を加えること、および/またはビタミンDの投与と組み合わせて光を施すことは、これらの目的にさらに有用であり得る。
[0314] いくつかの実施形態では、光は、患者の歯槽軟組織もしくは他の口腔組織の少なくとも一部分、またはそれ全体に施すことができる。代替えとして、口腔内装置を使用して、1つ以上の特定の波長の光は、患者の口の1つ以上の領域の歯の移動(例えば固定(移動しない)、全体的、または傾いた)をもたらすために、患者の歯槽軟組織の異なる選択した領域に施すことができる。例えば、患者の顎の他の選択された領域の移動を容易にするために、歯が移動しない、または歯が固定装置として機能することが所望される1つ以上の領域は、図5を参照して本明細書に記載されるように、それらが光を受けないように任意に覆われるか、遮蔽され得る。代替えとして、患者の顎の他の選択された領域の移動を容易にするために、歯が移動しない、または歯が固定装置として機能することが所望される1つ以上の領域は、そのような領域に対する光エミッタが切られるため、光を受けない。歯を全体的に移動することが望まれる領域は、約585nm〜約665nmの範囲、約605nm〜約645nm、約615nm〜約635nm、または約625nmの範囲の波長を有する光で施すことができる。歯の移動を高めることが望まれるが、歯のある程度の傾いた移動を可能にする領域は、約815nm〜約895nm、約835nm〜約875nm、約845nm〜約865nm、または約855nmの範囲の波長を有する光で施すことができる。歯の移動は、1つの波長を有する有効量の光を患者の歯槽軟組織の1つ以上の選択された領域に施すことにより、および異なる波長を有する有効量の光を1つ以上の異なる選択された粘膜の領域に施すことにより、選択的に調節することができる。
[0315] いくつかの実施形態では、光は、狭い波長範囲内(例えば50nm以下、30nm以下、20nm以下、10nm以下、5nm以下)、または単一波長で施すことができる。いくつかの実施形態では、光は、限られた波長範囲(例えば1000nm以下、700nm以下、600nm以下、500nm以下、400nm以下、300nm以下、250nm以下、200nm以下、150nm以下、100nm以下、または75nm以下)で施される。いくつかの実施形態では、施される光は、狭いまたは限られた波長範囲を超えた波長を含まない。狭いまたは限られた波長範囲は、前述の波長の上限または下限のいずれかを有し得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、施される光は、狭いまたは限られた波長範囲を超えた波長を有する有効量を構成するのに十分な強度を有する光を含まない。
[0316] いくつかの実施形態では、光は放射の1つ、2つ以上のピーク波長で放射され得る。ピーク波長は、最高強度の光が放射される波長である。いくつかの実施形態では、光は、範囲内の最高強度を有するピーク波長を含む波長の範囲で施すことができる。いくつかの実施形態では、ピーク波長は、約620nm、約640nm、約650nm、約655nm、約660nm、約665nm、約670nm、約680nm、約690nm、約800nm、約820nm、約830nm、約835nm、約840nm、約845nm、約850nm、約860nm、約870nm、約890nm、約910、または約930nmであり得る。いくつかの実施形態では、施される光は、ピーク波長から約1nm、約2nm、約3nm、約5nm、約10nm、約15nm、約20nm、約30nm、約40nm、約50nm、約75nm、約100nm、約150nm、約200nm、約250nm、約300nm、約400nm、または約500nm以上まで変動する波長を有さない。
[0317] 2つ以上の光波長が施される場合、光は、各波長強度の任意の割合で施すことができる。例えば、第1の波長で施される光は、第2の波長で施される光の約1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.5倍、1.7倍、2.0倍、2.5倍、3.0倍、3.5倍、4.0倍、5.0倍、10倍、12倍、15倍、20倍、30倍、50倍、100倍の強度を有し得る。いくつかの実施形態では、施される光は、1つ以上の光エミッタから放射され、別の実施形態では、第1の特性一式を有する1つ以上の光エミッタから、任意に第2の特性一式を有する第2の光エミッタ一式から放射される。他の実施形態では、第1の特徴一式を有する光エミッタの数は、第2の特徴一式を有する光エミッタを超える。例えば、第1の特徴一式を有する光エミッタの数は、第2の特徴一式を有する光エミッタの数の約1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.5倍、1.7倍、2.0倍、2.5倍、3.0倍、3.5倍、4.0倍、5.0倍、10倍、12倍、15倍、20倍、30倍、50倍、100倍であるか、またはその逆も同様であり得る。
[0318] 例えば特定の波長の約10nm未満〜約10nm超の波長を有する光は、任意に単色または実質的に単色であってよい。光が「実質的に単色」であるとき、光は、単一波長からなるか、または機能的器具に、患者の口腔または顎顔面の骨、筋肉、もしくは軟組織、または1つ以上の歯に力を加えさせながら、または加えさせることなく患者の口腔または顎顔面の骨、筋肉、もしくは軟組織、または1つ以上の歯に施されるとき、口腔または顎顔面の骨の再形成を調節することを含む本発明の方法において効果がない強度で放射される他の波長を含む。いくつかの実施形態では、実質的に単色の光は、範囲外の他の波長で放射されることなく、または十分な光の強度が範囲外の他の波長で放射されることなく、狭い波長範囲で放射される。いくつかの実施形態では、実質的に単色の光は、範囲外の他の波長で放射されることなく、または十分な光の強度が範囲外の他の波長で放射されることなく、約5nm以下、約10nm以下、または約20nm以下の波長範囲内で放射される。複数の波長で放射する光エミッタから光を施すことにより、複数の波長にわたる照射、または施工におけるより高い選択性および精度が可能となり得る。光は任意に一貫しない光を含み得る。いくつかの実施形態では、光は単一周波数で施すことができる、光は比較的迅速に移動する期を有することができる、光波のパルスは迅速に変化する振幅を有することができる、または光波は広範囲の周波数を包含することができる。
[0319] 光は、光エミッタから患者の口内の領域に直接施すことができる。いくつかの実施形態では、光は、患者の口内の表面(例えば歯槽軟組織)に達するまたは伝わる前に光学によって修正され得る。例えば、光は、光が放射された後、および光が患者の口内の表面に達するまたは伝わる前に、拡散させる、集束させる、平行させる、反射させる、またはフィルタにかけることができる。そのような修正は、例えば図3Aに示される反射裏張り20など、口腔内装置と共にホイルまたは他の好適な材料を使用することにより実現することができる。一実施形態では、1つ以上の波長の光は、患者の口内の表面に達する前に、選択的に遮断されるか、部分的にフィルタがかけられる場合がある。いくつかの実施形態では、光は、その領域に達する前に放射源から発散するか、または収束することができる。例えば、光は、約45〜60°の範囲の内包角θを有するビームに発散することができる。放射された光は、0〜約15°、0〜約30°、0〜約45°、0〜約60°、0〜約75°、0〜約90°、または0〜約120°の内包角θを有するように発散する。
[0320] いくつかの実施形態では、工業規格のLEDは、光を生成するように使用される。LEDは、上顎および下顎両方の歯槽の標的区域を網羅するように一連の治療アレイ上に配列される1つ以上のエミッタアレイを含み得る。
[0321] 領域を照射する光は、任意に、放射される光と同じまたはほぼ同じ特徴を有することができる。いくつかの実施形態では、領域に達する光は、放射される光と同じ特徴を有さない。光特徴のうちの1つ以上は、施工前に、または光が患者の口腔組織を通過するときに、任意に変更することができる。光特徴のうちの1つ以上は、光が口腔内装置内に結合される、またはその中に配置される1つ以上のレンズもしくは鏡などの光学を通過するときに、任意に変更することができる。例えば、光特徴のうちの1つ以上は、約±20%以下、約±15%以下、約±10%以下、約±5%以下、約±3%以下、約±1%以下、約±0.5%以下、または約±0.1%以下の範囲で変更することができる。
[0322] 例えば光エミッタから照射する線量または有効量の光は、約24J/cm2〜約200J/cm2の範囲であり得る。有効な線量の光は、1回または繰り返し施すことができる。いくつかの実施形態では、有効量は、約30J/cm2〜約100J/cm2である照射された光エネルギー密度を有し得る。他の実施形態では、有効量は、約5J/cm2以下、約10J/cm2以下、約20J/cm2以下、約30J/cm2以下、約50J/cm2以下、約75J/cm2以下、約100J/cm2以下、約125J/cm2以下、約150J/cm2以下、約175J/cm2以下、または約200J/cm2以下であり得る。照射される光の有効量は、約1J/cm2以上、約5J/cm2以上、約10J/cm2以上、約20J/cm2以上、約25J/cm2以上、約30J/cm2以上、約40J/cm2以上、約50J/cm2以上、約60J/cm2以上、約75J/cm2以上、約100J/cm2以上、約125J/cm2以上、約150J/cm2以上、または約175J/cm2以上であり得る。照射される光の有効量は、本明細書に記載されるエネルギー密度値のいずれかによって制限される範囲にあってよい。例えば、比較的高い平均強度を有する光を放射する光源を使用することにより、または光を施す継続時間を増やすことにより照射される光の有効量を高めることができる。
[0323] 有効量の光は、下顎骨または上顎骨などの領域に達するエネルギー密度を有することができる。例えば、領域に達する有効量の光は、約0.5J/cm2〜約100J/cm2であり得る。領域に達する有効量の光は、1回または連続して施すことができる。いくつかの他の実施形態では、有効量は、約1J/cm2〜約50J/cm2である照射された光エネルギー密度を有する。他の実施形態では、有効量の光は、約0.5J/cm2以下、約1J/cm2以下、約2J/cm2以下、約5J/cm2以下、約10J/cm2以下、約15J/cm2以下、約20J/cm2以下、約30J/cm2以下、約40J/cm2以下、約50J/cm2以下、約70J/cm2以下、約80J/cm2以下、約90J/cm2以下、または約100J/cm2以下である。有効量の光は、約0.5J/cm2以上、約1J/cm2以上、約2J/cm2以上、約3J/cm2以上、約5J/cm2以上、約10J/cm2以上、約15J/cm2以上、約20J/cm2以上、約30J/cm2以上、約40J/cm2以上、約50J/cm2以上、約60J/cm2以上、約70J/cm2以上、約80J/cm2以上、であり得る。領域に達する有効量の光は、本明細書に記載されるエネルギー密度値のいずれかによって制限される範囲にあってよい。
[0324] 有効量が口腔内装置を介して施される継続時間は、任意に連続であって、約10〜約40分の範囲であり得る。他の実施形態では、線量は、約30秒以上、約1分以上、約2分以上、約3分以上、約5分以上、約7分以上、約10分以上、約15分以上、約20分以上、約25分以上、約30分以上、約40分以上、約50分以上、約1時間以上、約1時間15分以上、約1時間30分以上、または約2時間以上の期間で施すことができる。有効量は、約3分以下、約5分以下、約10分以下、約15分以下、約20分以下、約25分以下、約30分以下、約35分以下、約40分以下、約50分以下、約1時間以下、約1時間15分以下、約1時間30分以下、約2時間以下、または約4時間以下の期間で施すことができる。有効量は、本明細書に記載される時間値のいずれか以内の時間範囲で施すことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の光遮断マスクまたは遮蔽装置が口腔内装置と共に使用され得る。口腔マスクは、口腔マスクにより覆われる領域に達することから、光の1つ以上の波長を遮断することができるか、または光の1つ以上の波長の強度を減少させることができる。これは、上弓(例えば上顎歯)または舌弓(例えば下顎歯)を含み得る。いくつかの実施形態では、口腔マスクは、患者の口腔組織または1つ以上の歯と接触する。
[0325] 任意の期間が光の線量間で提供され得る。例えば、線量間の期間は、数秒、数分、数時間、数日、数週、数ヶ月、3ヶ月、または数年に基づいてよい。
[0326] いくつかの実施形態では繰り返しである有効量は、任意の所望される頻度、例えば、1日4回、1日3回、1日2回、毎日、2日に1回、毎週、2週に1回、毎月、または4ヶ月に1回で施すことができる。いくつかの実施形態では、線量は、規則的な間隔(例えば毎日)で施すことができる一方、他の実施形態では、線量は、規則的な間隔で施されない(例えば、線量はその週の間いつでも週に2回生じ得る)。一実施形態では、光は朝と夜に施すことができる。光は、患者が骨の再形成または歯の移動を受けている期間中を通して施すことができる。いくつかの実施形態では、患者は、骨の再形成または歯の移動を受けることに加え、歯科矯正治療を受ける。歯科矯正治療は、口腔または顎顔面の骨の再形成前、再形成後、または再形成と同時に生じ得る。光は、患者が歯科矯正治療を受けている期間中を通して、または歯の移動を安定化するために治療後に施すことができる。例えば、光は、本明細書に記載されるように、機能的器具または歯科矯正器具が適用された後、取り外された後、調節された後、面会後、または作動段階後に施すことができる。患者が歯科矯正治療を受けている間に、高い頻度で、例えば1日4回、1日3回、1日2回、毎日、または2日に1回、光を施すことが望ましい場合がある。例えば歯の移動を安定化するために、または歯根吸収を低減するために光が施される場合、頻度を減少させた、例えば毎週、2週に1回、毎月、または4ヶ月に1回の治療が、患者への不便さを最小化するために使用され得る。いくつかの実施形態では、有効量の光は、本明細書に記載されるように、細胞死を防止するために、組織細胞、例えば虚血組織細胞のATPエネルギーレベルを維持する。いくつかの実施形態では、光は約2日に1回以上で施される。いくつかの実施形態では、患者は、少なくとも週に3回または4回光治療を受ける。
[0327] 光は任意の時間長の間施すことができる。いくつかの実施形態では、光は、数秒、数分、数時間、数日、数週、数ヶ月、4ヶ月、または数年に基づいて施すことができる。例えば、光は、歯科矯正器具または機能的器具が力を加えている間に施すことができる。1回以上の光の線量は、患者が、歯科矯正器具または機能的器具が力を加えている、口腔または顎顔面の骨の再形成を受けている期間にわたって施すことができる。いくつかの実施形態では、1回以上の光の線量は、力が1つ以上の歯に加えられている、患者が強い力などのそれ自体が力を加えることができる歯科矯正器具を装着している、または患者が、強い力などの力が適用され得る歯科矯正治療を受けている期間にわたって施すことができる。いくつかの実施形態では、患者が歯科矯正治療を受けている間、または二次的器具を装着している間、患者は口腔内装置を介した光で施される。他の実施形態では、口腔内装置は、二次的器具が必要ではないように1つ以上の歯に強い力を加える。光の規則的、不規則、連続的、または断続的な施工を含み得る光の施工は、約数日、数週、数ヶ月、数四半期、数年に基づいてよい。いくつかの実施形態では、光は、複数の日、週、月、四半期、年にわたって施される。いくつかの実施形態では、光は複数のセッションにわたって施される。いくつかの実施形態では、1時間以上、1日以上、1ヶ月以上、1四半期以上、または1年以上がセッション間で生じる。
[0328] 光エミッタがパルスである場合、それらの負荷サイクルは、所望に応じて調節することができ、例えば、光は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%の負荷サイクルで施すことができる。パルスは、任意の周波数で生じ得る。例えば、光は、毎ピコ秒、毎ナノ秒、毎マイクロ秒、毎ミリ秒、毎秒、毎複数秒、または毎分パルスを発することができる。周波数は、約1mHz、約10mHz、約50mHz、約100mHz、約500mHz、約1Hz、約2Hz、約5Hz、約10Hz、約15Hz、約20Hz、約25Hz、約30Hz、約35Hz、約40Hz、約50Hz、約70Hz、約100Hz、約200Hz、約500Hz、または約1kHzを含み得るが、これらに限定されない。光放射の前述の特徴のいずれも(例えば光がついているか消えているかに関わらず、連続もしくはパルス、負荷サイクル、周波数、強度、波長)変動するか、または維持され得る。コントローラを有する供給源から光が放射される場合、光放射の任意の特徴は、そのコントローラからの指示に従い変動するか、または維持され得る。
[0329] いくつかの実施形態では、口腔内装置のエミッタは、所与の期間でついている、または消えている光の数は、個別に制御可能であってよい。例えば、光源またはエミッタを、他の光源またはエミッタ(例えば図18Cに示される装置など)に対してつけるか、または消すことができる。様々な光源は、患者の歯槽軟組織または他の領域の個々の区画を所望のエネルギー密度に曝露するために、個々に調節される(例えば特定の光源の1つ以上の特性は変動し得る)か、または個々に制御され得る。これは、異なる領域に光を施すことが望ましい場合(例えば口腔内装置の様々なパネルを介して)、望ましくてよい。よって、施される光の位置は変動し得る。別の実施形態では、異なる種類の光源を他の光エミッタに対してつけるか、または消すことができる。例えば、ある時点で、第1の波長範囲で放射される光をつけることができる一方、第2の波長範囲で放射される光を消すことができる、その逆、または両方の種類の光エミッタをつけるか、または消すことができる。よって、施される光の波長は変動し得る。いくつかの実施形態では、施される光の強度は、(例えばいくつかの光源をつけるか、もしくは消すことにより、または光源によって放射された強度を変動することにより)変動し得る。光を選択的に施すことにより、いずれの光にも曝露されない歯の固定作用を増加させる(下歯の移動性のため)ことができ、これは、それによって、より正確な骨の再形成または光が施される歯の移動を可能にすることができる。
[0330] いくつかの実施形態では、特に赤外光が患者に施される場合、本発明の方法は可視光の放射を提供することをさらに含む。一実施形態では、患者以外の個人によって行われる場合、可視光は、装置の位置付けを補助するのに十分明るい。可視光は、必ずではないが、光治療または歯の移動の調節に有益である波長または波長範囲のものであり得る。いくつかの実施形態では、光の可視および赤外成分の強度の割合は、1部以下の可視光に対して5部以上の赤外光である。他の実施形態では、光の可視および赤外成分の強度の割合は、約1部以上の可視光に対して5部以上の赤外光、1部以上の可視光に対して3部の赤外光、1部以上の可視光に対して2部の赤外光、1部以上の可視光に対して1部の赤外光、2部以上の可視光に対して1部の赤外光、3部以上の可視光に対して1部の赤外光、5部以上の可視光に対して1部の赤外光、10部以上の可視光に対して1部の赤外光であるか、または実質的に赤外光を含まない。いくつかの実施形態では、範囲内で放射され得る光は、互いに対して1桁未満の波長を含み得る。代替えとして、範囲は、互いに対して1桁、2桁、3桁以上で放射される波長を含み得る。
[0331] 領域および所望の光特徴は患者により変動し得る。医師、歯科医、他の医療提供者は、口腔内装置を装着している患者の光治療レジメンを決定することができる。
[0332] いくつかの場合では、例えば、他の領域の歯が移動される必要がない場合(例えば患者の上歯のみ、もしくは下歯のみの移動を調節すること、または固定歯に光を施さない、例えばそれから光を遮断することにより他の歯の移動を調節するとき、固定装置としてある歯を使用することが望ましい場合)、患者の歯槽軟組織の全てに満たない領域に光を施すことが望ましい場合がある。患者の歯槽軟組織の選択された領域に光を施すことは、組織または粘膜を通して光に1つ以上の選択された歯根を照射させることを含み得る。
[0333] 一実施形態では、光は、強い力を加える前、加えている間、または加えた後に、患者の歯槽軟組織の全てではない領域に選択的に施される。一実施形態では、光は、固定歯に施されない。この実施形態では、機能的器具などの二次的な器具は、固定領域または歯と、再形成されることが求められる1つ以上の選択された骨領域との間に位置する。二次的な器具は、選択された骨領域、例えば別の歯に力を加えることができる。いくつかの実施形態では、力は、強い力である。いくつかの実施形態では、有効量の光は、口腔内装置を介して選択された骨領域または他の歯に施され、固定領域または固定された歯には施されない。光を施すことにより、他の歯の選択された骨の再形成領域の速度または速さ(もしくは移動の速度)を増加させ、他の歯の根吸収を低減する、最小化する、または予防することができる一方、固定歯の選択されない領域の骨の再形成の速度または速さは増加させない。
[0334] 本明細書に記載されるように、患者の歯の移動を差次的に操作することが望ましい場合、患者の歯槽軟組織の異なる領域に異なる波長の光を施すことが望ましい場合もある。例えば、第1の波長の光は、第1の領域に施され、第2の波長の光は、第2の領域に施され得る。第1および第2の波長は、例えば約585nm〜約665nm、または約815nm〜約895nmなど、本明細書の別の箇所に記載される任意の波長を含み得る。
[0335] 光は、区域(本明細書において、「光照射区域」とも称される)に施すことができる。例えば、光は、区域を有する領域に施すことができる。いくつかの実施形態では、光の特徴(例えば光強度)は、区域にわたって一定に維持され得る。他の実施形態では、光の特徴は、区域にわたって変動し得る。例えば、光の強度は、領域の区域にわたって均一であるか、または変動し得る。光を施す区域は任意の形状または寸法を有することができる。
[0336] 光は、任意の寸法および形状の光照射区域に施すことができる。例えば、患者の歯槽軟組織の特定の領域などの領域は、任意の寸法または形状を有することができる。光照射区域は、約1〜約80mmまたは約1〜約70mmの範囲である1つ以上の寸法(例えば長さ、幅、直径)を有することができる。いくつかの実施形態では、光照射区域の1つ以上の寸法(例えば長さ、幅、直径)は、約1〜約3mm、約3〜約5mm、約5〜約7mm、約7〜約10mm、約10〜約15mm、約15〜約20mm、約20〜約25mm、約25〜約30mm、約30〜約35mm、約35〜約40mm、約40〜約50mm、約50〜約60mm、または約60〜約80mmの範囲であり得る。
[0337] 光照射区域は、実質的に矩形の形状、正方形の形状、三角形の形状、六角形の形状、八角形の形状、台形の形状、円形の形状、楕円形の形状、半月形の形状、円筒形の形状、または半円形の形状を含み得るが、これらに限定されない任意の形状を有することができる。いくつかの実施形態では、光エミッタの寸法は、光照射区域の寸法とほぼ同じであってよい。他の実施形態では、光源の寸法は、光照射区域の寸法より大きくてよい。代替えとして、光源の寸法は、照射区域の寸法より小さくてよい。光源と光照射区域の相対面積は、平行角、収束角、または発散角であり得る、光が放射される任意の角度に依存し得る。
[0338] いくつかの実施形態では、有効量の光は、口腔内装置を使用して、治療レジメンにおいて提供され得る。治療レジメンは、本発明の方法に使用され得る。
[0339] 一実施形態では、典型的な治療レジメンは、毎日、光の線量を提供する。光の日用量のそれぞれは、患者が口腔内装置を使用するとき、数分〜約1時間続く時間にわたって施すことができる。例えば、毎日、1/2時間の光の線量が有効であり得、患者に不当に不便ではない。単回日用量は、同じ線量をその日の異なる時間に施される複数のセッションに分けても同様に有効であり得る。一部の治療レジメンは、12週間の間、1週間5回の治療において光を施すことを含み得る。各治療は、1/2時間続き、660nm〜840nmの波長を有する光で患者の口腔組織を照射することができる。660nmの光は、皮膚の表面で約20mW/cm2の強度を有し得る。840nmの光は、皮膚の表面で約10mW/cm2の強度を有し得る。これらの治療レジメンは骨密度を増強することができる。
[0340] 他の治療レジメンは、21日間、毎日の治療において光を施すことを含み得る。各治療は、約20分〜約1時間続き、皮膚の表面で618nmの波長および20mW/cm2の強度を有する光で、患者の口の組織を照明する。これらの治療レジメンは移植骨の治癒を促進することができる。
[0341] 別の治療レジメンは、6ヶ月間、1日2回光を施すことを含み得る。光は、約660nmもしくは約840nmの波長で、またはそれらの両方の波長で口腔内装置を介して施すことができる。光の強度は、患者の口内の標的表面で約20mW/cm2であり得る。歯科矯正器具または機能的器具は、光が施されている間、患者の口の中に存在し得る。最初の6ヶ月の期間後、光が2日に1回施される2回目の6ヶ月の期間が提供され得る。同じ機能的器具または1つ以上の歯科矯正器具が、この時点で患者の口内に存在し得る。光の施工は、任意に、治療が進行するにつれて頻度が少なくなるか、または低い強度で施され得る。いくつかの実施形態では、治療レジメンを通して同じ口腔内装置が使用される。しかしながら、他の実施形態では、1つ以上の異なる口腔内装置が治療レジメンを通して使用される。
[0342] 別の治療レジメンは、歯科矯正器具または機能的器具を備える患者に光を施し、後に器具を調節することを含み得る。そのような一実施形態では、患者は、口腔内装置と基部(例えばブレス)の両方を使用する。口腔内装置は、例えば、口腔内装置および歯科矯正器具が同時に使用することができるように、二次的な器具に適合することができる。いくつかの実施形態では、2つ以上の他の歯科矯正器具を口腔内装置と共に使用することができる。他の実施形態では、歯科矯正器具および機能的器具は、口腔内装置と共に使用される。歯科矯正器具は、機能的器具の設置前、設置後、または設置と同時に患者の歯に設置することができる。いくつかの実施形態では、装着され、調節された歯科矯正器具は、光も施す口腔内装置である。いくつかの実施形態では、歯科矯正器具の調節は、1つ以上の歯に適用される力の規模を増加または変更することができる。歯科矯正器具の調節は、1つ以上の歯に適用される力の方向を変更することができる。光は、歯科矯正器具を調節する前に最大1時間、1つ以上の選択された歯に施すことができる。歯科矯正器具の調節は、強い力を1つ以上の歯に加えさせることができる。器具の調節は、加えられた力の規模もしくは方向、またはその両方を変更することができる。器具の調節は、器具のワイヤ、バネ、または弾性デバイスのうちの1つ以上を締める、緩める、または交換することを含み得る。そのような構成成分の異なる寸法、材料、または形状を使用することができる。光は、次の器具の調節まで、1つ以上の選択された歯に毎日施すことができる。この光の施工は、歯根吸収、骨吸収、組織の炎症、歯周組織吸収、またはセメント質吸収を低減する、最小化する、または予防することができる。
[0343] 別の治療レジメンは、患者にビタミンDを投与することと、歯槽軟組織もしくは下顎骨、上顎骨、または1つ以上の歯の領域に光を施すことと、機能的器具または歯科矯正器具を設置することと、後に歯科矯正器具または機能的器具を調節することとを含み得る。いくつかの実施形態では、機能的器具または歯科矯正器具の調節は、1つ以上の歯、下顎骨もしくは上顎骨、または側頭骨に加えられる力の規模を増加または減少させる。機能的器具の調節は、加えられる力の方向を変更することもできる。光は、機能的器具または歯科矯正器具を調節する前に最大1時間、1つ以上の選択された領域に施すことができる。機能的器具または歯科矯正器具の調節は、力を1つ以上の歯、下顎骨、上顎骨、または側頭骨に加えさせることができる。機能的器具または歯科矯正器具の調節は、加えられた力の規模もしくは方向、またはその両方を変更することができる。機能的器具または歯科矯正器具の調節は、器具のワイヤ、バネ、または弾性デバイスの1つ以上を締める、緩める、または交換することを含み得る。そのような構成成分の異なる寸法、材料、または形状を使用することができる。次に、光は、機能的器具または歯科矯正器具が次に調節されるまで、1つ以上の選択された領域に、例えば毎日施すことができる。この光の施工は、口腔または顎顔面の骨の再形成を調節することができる。いくつかの実施形態では、光を施すことにより、歯の移動を調節する。例えば、ビタミンDの投与および光の施工は、骨の再形成または歯の移動の速度を増加させることができる。これは、機能的器具または歯科矯正器具が装着される、または患者によって装着される必要がある時間量を短縮することができる。
[0344] 本発明の方法は、本発明の装置、患者の口、患者の歯槽軟組織、または患者の口もしくはその領域に指向される、またはそれと接触する任意の光源の温度を制御することをさらに含み得る。本明細書に記載されるように、口腔内装置は、患者の口、患者の歯槽軟組織、および/または光エミッタの温度を監視する温度センサ(または他の同様のセンサ)を含み得る。本方法は、患者の口の温度を冷却する、加熱する、または維持することを含み得る。患者の口、例えば患者の歯槽軟組織は、熱の除去または提供をもたらすことができる温度制御機構と接触することができる。いくつかの実施形態では、そのような温度制御機構は、口腔内装置に結合されるか、その中に配置される。いくつかの実施形態では、光源の温度が制御され得る。温度制御機構は、光源と通信することができる。熱は、光源から除去されるか、それに提供することができる。本明細書に記載される温度調節に関する任意実施形態は、本方法内で使用することができる。本方法は、患者の口の温度を測定する、患者の口内の特定の表面領域、例えば歯槽軟組織の温度を測定する、または光エミッタのうちの1つ以上の温度を測定することをさらに含み得る。温度調節は、任意に、行われた1つ以上の温度測定に応じて生じ得る。
[0345] 一実施形態では、本発明の方法は、患者の歯科矯正治療前、治療後、または治療と同時に行われる。一実施形態では、光の施工は、反復である。
[0346] 口腔または顎顔面の骨の再形成は、下顎骨、上顎骨、または側頭骨で生じ得る。いくつかの実施形態では、口腔または顎顔面の骨の再形成は、側頭下顎関節などの関節で生じ得る。いくつかの実施形態では、口腔または顎顔面の骨の再形成は、顆状突起または関節窩で生じ得る。口腔または顎顔面の骨の再形成の調節は、下顎骨もしくは上顎骨の保定、下顎骨もしくは上顎骨の伸長もしくは短縮、または下顎骨もしくは上顎骨の角度、形状、または大きさの変更をもたらすことができる。
[0347] 口腔または顎顔面の骨の再形成は、患者に機能的器具を設置することを含み得る。機能的器具は、患者の1つ以上の歯に存在し得る。本方法は、1つ以上の歯、患者の歯ぐき、患者の上顎もしくは下顎骨、または他の口腔もしくは顎顔面特徴に器具を設置するなど、患者に機能的器具を設置することと、患者の機能的器具を調節することとを含むか、または患者から機能的器具を取り外すことを含み得る。口腔または顎顔面の骨の再形成に関する治療は、機能的器具が患者に設置される期間を含み得る。いくつかの実施形態では、口腔または顎顔面の骨の再形成に関する治療は、機能的器具が患者に設置された、または患者から取り外された後の期間を含み得る。いくつかの実施形態では、口腔または顎顔面の骨の再形成に関する治療は、機能的器具の設置前の期間を含み得る。他の実施形態では、口腔または顎顔面の骨の再形成に関する治療は、下顎骨、上顎骨、側頭骨などの口腔もしくは顎顔面の骨、筋肉、軟組織、または1つ以上の歯に、あるいは口腔内筋肉が1つ以上の歯、下顎骨、上顎骨、側頭骨に力を加えることを防止することができる1つ以上の口腔筋肉に力を加える前、加えている間、または加えた後の期間を含む。口腔または顎顔面の骨の再形成に関する治療は、患者が矯正歯科医または他の歯科専門家に診てもらっている、または相談している期間を含み得る。
[0348] そのような再形成を調節するための方法を含む口腔または顎顔面の骨の再形成に関する治療は、作動段階および受動的段階を含み得る。作動段階は、機能的器具が患者の中に設置されている、かつ/または患者に設置されている、ある時間を含み得る。いくつかの実施形態では、作動段階は、力が、歯、下顎骨、上顎骨、側頭骨に加えられている時間を含む。作動段階は、患者が患者の機能的器具に対して1つ以上の調節を受けている期間を含み得る。いくつかの実施形態では、作動段階は、歯科矯正治療の整合期を含む。受動的段階は、機能的器具が患者から取り外された後の期間を含み得る。いくつかの実施形態では、受動的段階は、機能的器具が設置されたが、もはや調節を受けない期間を含む。いくつかの実施形態では、受動的段階は、機能的器具が定位置にあるとき、顎または歯にさらなる筋肉の緊張がない期間を含み、これは、典型的には、治療および骨の再形成の期間後に生じる。いくつかの実施形態では、受動的段階は、機能的器具が骨の再形成をもたらすための力を提供しない期間を含む。代わりに、受動的段階は、機能的器具が患者に設置され、その位置に上顎骨または下顎骨を維持する期間を含み得る。口腔または顎顔面の骨の再形成の任意の段階は、約数日、数週、数ヶ月、数四半期、または数年続き得る。
[0349] 歯科矯正治療は、支持上顎または下顎に対して1つ以上の歯をその位置に移動させる、または維持させることができるか、または歯の移動の調節を含み得る。場合によって、歯科矯正治療は、歯を整合することを含み得る。歯科矯正治療は、歯が不適切に整合するとき、例えば顎骨は互いに関係しているため、下層の顎骨のそれらの個々の位置または複数の位置の結果として生じ得る不正咬合を治療することを含み得る。不正咬合は、本明細書に記載される方法による光治療または歯の移動調節を使用して治療することができる。したがって、本発明はさらに、不正咬合を治療するまたは予防するための方法に関し、有効量の光を患者に施すことを含み、有効量の光は、本発明の装置のエミッタから照射される。いくつかの実施形態では、装置の少なくとも一部分は、光が施されるとき、歯槽軟組織と接触する。いくつかの実施形態では、本方法は、強い力を必要とする患者の1つ以上の歯にそれを加えさせることをさらに含む。いくつかの実施形態では、光は、強い力が加えられる前、加えられている間、または加えられた後に施される。
[0350] 歯科矯正治療は、患者に歯科矯正器具を設置することを含み得る。歯科矯正器具は、患者の1つ以上の歯に存在し得る。本方法は、患者の1つ以上の歯に器具を設置するなど、患者に歯科矯正器具を設置することと、患者の歯科矯正器具を調節することとを含むか、または患者から歯科矯正器具を取り外すことを含み得る。いくつかの実施形態では、歯科矯正器具は、機能的器具を設置、または取り外す前、その後、またはそれと同時に設置される、または取り外され得る。歯科矯正治療は、歯科矯正器具が患者に適用される期間を含み得る。いくつかの実施形態では、歯科矯正治療は、歯科矯正器具が患者に適用された、または患者から取り外された後の期間を含み得る。いくつかの実施形態では、歯科矯正治療は、歯科矯正器具を適用する前の期間を含み得る。他の実施形態では、歯科矯正治療は、1つ以上の歯に強い力を加える前、加えている間、加えた後の期間を含む。歯科矯正治療は、患者が矯正歯科医に診てもらっている、または相談している期間を含み得る。
[0351] いくつかの実施形態では、歯科矯正治療は、作動段階および受動的段階を含み得る。作動段階は、歯科矯正器具が患者に設置される時間を含み得る。場合によって、作動段階は、歯の移動をもたらすために、力が1つ以上の歯に適用される時間を含み得る。いくつかの実施形態では、作動段階中に1つ以上の歯に適用される力は、強い力である。作動段階は、患者が患者の器具に対して1つ以上の調節を受けている期間を含み得る。いくつかの実施形態では、作動段階は、歯科矯正治療の次の段階、すなわち、整合段階、空間閉鎖段階、および完了または詳細段階のうちの1つ以上を含む。整合段階は、本明細書に記載される。空間閉鎖段階は、整合段階が必要である場合、典型的には、整合段階後に生じる。一般に、空間閉鎖段階中、1つ以上の歯は、歯間の任意の隙間が最小化されるように移動される。完了または詳細段階は、空間閉鎖段階が必要である場合、典型的には、空間閉鎖段階後に生じる。一般に、完了または詳細段階中、正方形または矩形のワイヤが、いくつかの実施形態では、ブラケットを備える歯科矯正器具の部品として患者の1つ以上の歯に設置され、歯が最終的な正しい位置に固定されるように、歯の1つ以上にトルクを与えるために使用される。1つ以上の歯の全体的な移動は、典型的には、空間閉鎖段階および完了または詳細段階のうちの1つまたはそれらの両方の間に生じる。光治療は、作動段階の期のうちの任意の1つ以上の間、または受動的段階中に患者に施すことができる。
[0352] 保持段階を含む受動的段階は、器具が患者から取り外された後の期間を含み得る。場合によって、受動的段階は、器具が設置されたが、もはや調節を受けない期間を含む。場合によって、受動的段階は、歯科矯正器具がもはや歯に力を加えない期間を含み得る。いくつかの実施形態では、受動的段階は、例えば、歯科矯正器具が歯の移動をもたらすために力を提供しない期間を含み得る。代わりに、受動的段階は、器具が患者に設置され、その位置に1つ以上の歯を維持する期間を含み得る。いくつかの実施形態では、歯科矯正治療の任意の段階は、約数日、数週、数ヶ月、数四半期、または数年続き得る。
[0353] いくつかの実施形態では、歯科矯正治療は、骨の再形成をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、歯科矯正治療および骨の再形成または歯の移動は、同時に生じる。いくつかの実施形態では、光治療に加えて、力は、1つ以上の歯、顎の任意の領域、または口もしくは頭部の任意の他の領域に加えることができる。力は、口腔内装置および/または歯科矯正器具によって加えることができる。いくつかの実施形態では、力は、強い力である。骨の再形成は、顎の骨を含む骨の位置または形態を変更することを伴う場合がある。例えば、顎の骨は、前方に移動されるか、または伸長され得る。本明細書に開示されるように、骨の再形成の他の例も適用され得る。いくつかの実施形態では、骨の再形成は、歯の移動の調節と併せて生じ得る。したがって、本発明の方法は、骨の再形成に有用であり、一実施形態では、骨の再形成をもたらす。光は、任意の口腔の骨または組織などの領域に施すことができ、骨の再形成に有用である。したがって、本発明は、有効量の光を患者に施すことを含む、骨の再形成を誘発するための方法をさらに提供し、有効量の光は、本発明の装置のエミッタから照射される。いくつかの実施形態では、装置の少なくとも一部分は、光が施されるとき、歯槽軟組織と接触する。いくつかの実施形態では、本方法は、強い力を必要とする患者の1つ以上の歯にそれを加えさせることをさらに含む。いくつかの実施形態では、光は、強い力が加えられる前、加えられている間、または加えられた後に施される。光治療は、骨の再形成の速度を高めることができ、骨の再形成のために力と併せて提供され得る。例えば、本発明の方法において記載されるように、有効量の光を施すことにより、光なしで骨の再形成を同程度に実現するための時間量を、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%まで短縮することができる。光治療は、歯の移動の速度を高めることができる骨の再形成を促進することができる。これは、より軽い力よりも歯の移動をさらに促進し得るより重い力を使用させることが可能である。そのような力は、1つ以上の歯科矯正器具により加えることができる。
[0354] 歯科矯正器具の設置、調節、または取り外しは、口腔内装置を介して、有効量の光を施す前または施した後に生じ得る。いくつかの実施形態では、有効量の光は、歯科矯正器具を用いた歯科矯正治療中の歯の移動を調節もしくは促進する、または機能的器具を用いた口腔もしくは顎顔面の骨の再形成中の骨の再形成を調節もしくは促進するのに役立ち得る。有効量の光は、歯科矯正器具が歯科矯正治療中に装着される、または機能的器具が口腔もしくは顎顔面の骨の再形成の治療中に装着される時間量を短縮するのに有用であり得る。例えば、本発明の方法によると、光の適用は、治療時間(例えば機能的器具または歯科矯正器具の装着)を、最大約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約85%、または約90%の治療時間まで短縮することができる。例えば、約585nm〜約665nm(例えば約625nm)の範囲の波長を有する光を施すことにより、患者が歯科矯正器具または機能的器具を装着する時間量を、約5%〜約90%、例えば約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約85%、または約90%まで短縮することができる。約815nm〜約895nm(例えば約855nm)の範囲の波長を有する光を施すことにより、患者が歯科矯正器具または機能的器具を装着する時間量を、約5%〜約90%、例えば約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約85%、または約90%まで短縮することができる。
[0355] いくつかの実施形態では、所望の光特徴を有する有効量の光を施すことにより、治療に必要な時間量を全体的に短縮する。例えば、治療は、機能的器具の設置、機能的器具の取り外し、および歯科矯正器具の設置または取り外しを含み得る。機能的器具と歯科矯正器具の使用を組み合わせることにより、全体的な治療時間を短縮させることができる。さらに、骨の再形成および歯の移動に対する制御の増加をもたらすことができる。これは、患者の青年期の成長期中に特に有利であり得る。
[0356] 約585nm〜約665nmの範囲(例えば約625nm)の波長を有する光を施すことにより、光を施さない歯の移動速度より約5%〜約90%速い歯の移動速度をもたらすことができる。例えば、歯の移動速度は、光を施さない歯の移動速度より約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約85%、または約90%速くてよい。
[0357] 約815nm〜約895nmの範囲(例えば約855nm)の波長を有する光を施すことにより、585nm〜約665nmの範囲(例えば約625nm)の波長を有する光を施すことによりもたらされる歯の移動速度より約5%〜約60%速い歯の移動速度をもたらすことができる。例えば、歯の移動速度は、585nm〜約665nmの範囲(例えば約625nm)の波長を有する光を施すことによりもたらされる歯の移動速度より約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約55%、または約60%速くてよい。
[0358] 約815nm〜約895nmの範囲(例えば約855nm)の波長を有する光を施すことにより、光を施さない歯の移動速度より約5%〜約95%速い歯の移動速度をもたらすことができる。例えば、歯の移動速度は、光を施さない歯の移動速度より約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%速くてよい。
[0359] いくつかの実施形態では、光を施すことに加えて、歯科矯正治療、特に歯科矯正器具の使用を含むものは、強い力などの力を1つ以上の歯に加えることができる。これは、強い力を加えない歯の移動速度より約5%〜約80%速い歯の移動速度をもたらすことができる。例えば、1つ以上の歯に強い力を加えることにより、歯の移動速度を、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約75%、または約80%まで高めることができる。強い力は、歯根吸収、骨吸収、炎症性象牙質吸収、セメント質吸収、または組織炎症をもたらす場合がある。
[0360] いくつかの実施形態では、有効量の光を施すことにより、強い力が1つ以上の歯に加えられるときの歯根吸収を低減する、予防する、または最小化するのに役立ち得る。有効量の光は、強い力が有効量の光を施されることなく1つ以上の歯に加えられるときと比較して、歯根吸収の量を低減するのに有用であり得る。例えば、本発明の方法によると、光を施すことにより、歯根吸収を、最大約1%、約2%、約3%、約5%、約7%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%まで低減することができる。特に強い力を適用している間の歯根吸収の低減は、歯科矯正治療の時間量、または患者が歯科矯正器具を装着している時間量の短縮を可能にし得る。有効量の光を施すことにより、患者が歯科矯正器具を装着する時間量を、約5%〜約90%、例えば、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約85%、または約90%まで短縮することができる。
[0361] いくつかの実施形態では、有効量の光を施すことにより、歯根もしくは歯周組織の骨吸収、または炎症性象牙質もしくはセメント質吸収を低減する、予防する、または最小化するのに役立ち得る。有効量の光は、強い力が有効量の光を施されることなく1つ以上の歯に加えられるときと比較して、歯根および歯周組織の骨吸収、または炎症性象牙質もしくはセメント質吸収を低減するのに有用であり得る。例えば、本発明の方法によると、光を施すことにより、歯根もしくは歯周組織の骨吸収、または炎症性象牙質もしくはセメント質吸収を、最大約1%、約2%、約3%、約5%、約7%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%まで低減することができる。強い力を加えている間の歯根もしくは歯周組織の骨吸収、または炎症性象牙質吸収もしくはセメント質吸収を低減することにより、歯科矯正治療の時間量、または患者が歯科矯正器具を装着している時間量を短縮することができる。有効量の光を施すことにより、患者が歯科矯正器具を装着する時間量を、約5%〜約90%、例えば、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約85%、または約90%まで短縮することができる。
[0362] いくつかの実施形態では、有効量の光を施すことにより、強い力が加えられている、または加えられた1つ以上の歯を囲む組織の炎症を低減する、予防する、または最小化するのに役立ち得る。有効量の光は、強い力が有効量の光を施されることなく1つ以上の歯に加えられるときと比較して、強い力が加えられている、または加えられた1つ以上の歯を囲む組織の炎症の量を低減するのに有用であり得る。一実施形態では、本発明の方法によると、光を施すことにより、強い力が加えられている、または加えられた1つ以上の歯を囲む組織の炎症を、約1%、約2%、約3%、約5%、約7%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%まで低減することができる。強い力を適用する一方で、強い力が加えられている、または加えられた1つ以上の歯を囲む組織の炎症を低減することにより、歯科矯正治療の時間量、または患者が歯科矯正器具を装着している時間量を短縮することができる。有効量の光を施すことにより、患者が歯科矯正器具を装着する時間量を、約5%〜約90%、例えば、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約85%、または約90%まで短縮することができる。
[0363] 光は、治療レジメンに従い、口腔内装置を介して施すことができる。いくつかの実施形態では、機能的器具(または歯科矯正器具が口腔内装置と併せて使用されるとき、機能的器具もしくは歯科矯正器具は、口腔内装置を介して光を施す前に設置され得る、機能的器具もしくは歯科矯正器具が口腔内装置を介して光を施すと同時に設置され得る、機能的器具もしくは歯科矯正器具口腔内装置を介して光を施した後に設置され得る、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、機能的器具もしくは歯科矯正器具は、口腔内装置を介して光を施す前に取り外すことができる、機能的器具もしくは歯科矯正器具は、口腔内装置を介して光を施すと同時に取り外すことができる、機能的もしくは歯科矯正器具は、口腔内装置を介して光を施した後に取り外すことができる、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、機能的器具もしくは歯科矯正器具は、口腔内装置を介して光を施す前に調節することができる、機能的器具もしくは歯科矯正器具は、口腔内装置を介して光を施すと同時に調節することができる、機能的器具もしくは歯科矯正器具は、口腔内装置を介して光を施した後に調節することができる、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
[0364] 機能的器具または歯科矯正器具は、1つ以上の歯に力を加える口腔内装置に加えて、またはその代わりに患者の1つ以上の歯に力を加えることができる。力は、口腔内装置を介して光を施した後、施すと同時に、または施す前に加えられる(例えば機能的器具および/または歯科矯正器具によって。力は、光の施工開始後、開始と同時に、または開始前に加えることができる。力は、口腔内装置を伴う光治療レジメンの開始後、開始と同時に、または開始前に加えることができる。力は、口腔内装置を伴う光治療セッションの開始後、開始と同時に、または開始前に加えることができる。いくつかの実施形態では、力は、光を施した1秒以上後、1分以上後、1時間以上後、1日以上後、もしくは1週間以上後、および/または光を施した後1日以内、1週間以内、または1週間以内に加えることができる。光は、口腔内装置によって任意の時間長の間、施すことができる。いくつかの実施形態では、力は、光の施工開始1秒以上後、1分以上後、1時間以上後、1日以上後、もしくは1週間以上後、および/または光の施工開始後1日以内、1週間以内、または1週間以内に加えることができる。いくつかの実施形態では、力は、光の施工終了1秒以上後、1分以上後、1時間以上後、1日以上後、もしくは1週間以上後、および/または光の施工終了後1日以内、1週間以内、または1週間以内に加えることができる。力は、例えば強い力であり得る。
[0365] 光は、強い力が加えられる前、加えられている間、または加えた後の任意の期間の間、施すことができる。例えば、光は、強い力などの力を加える前、加えている間、または加えた後、約1分間、約2分間、約3分間、約5分間、約10分間、約15分間、約20分間、約30分間、約45分間、約1時間、約90分間、約2時間、約3時間、約4時間、または約6時間、施すことができる。いくつかの実施形態では、光は、約5分〜約10分間施される。いくつかの実施形態では、光は、力を加え始める前、加え始め中に、加え始めた後、任意の時間量で施される。例えば、光は、力を加え始める前、加え始め中に、加え始めた後、約1分間、約2分間、約3分間、約5分間、約10分間、約15分間、約20分間、約30分間、約45分間、約1時間、約90分間、約2時間、約3時間、約4時間、約6時間、約12時間、約1日、約36時間、約2日間、約3日間、約4日間、約1週間、約2週間、または約1ヶ月間、施すことができる。いくつかの実施形態では、光は、約5分〜約10分間施される。
[0366] 本明細書に記載されるように、力を開始する前、または力を加える前に光を施すことは、前治療レジメンの一部であり得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、そのような前治療は生じず、機能的器具または歯科矯正器具が、任意の光が施される前に力を加える。機能的器具または歯科矯正器具は、例えば光を施す1秒以上前、1分以上前、1時間以上前、1日以上前、もしくは1週間以上前、および/または光を施す前1日以内、1週週間以内、または1週週間以内に力を加えることができる。よって、力を加えた後に、光の経過観察治療が提供され得る。いくつかの実施形態では、力は、光を施している間、または光を施す1つ以上の段階で加えられる。
[0367] いくつかの実施形態では、機能的器具または歯科矯正器具は、光が施される領域と同じ領域に力を加える。他の実施形態では、機能的器具または歯科矯正器具は、光が施される領域と異なる領域に力を加える。いくつかの実施形態では、機能的器具または歯科矯正に、光が施される領域以外の領域に力を加えさせることにより、光が施される領域に力を加えさせることができる。
[0368] 一実施形態では、線量または有効量の光は、約24J/cm2〜約200J/cm2の範囲の密度を有し、約585nm〜約665nm、または約815nm〜約895nmの範囲の波長を有する。約585nm〜約665nmの波長を有する光を施すことは、一実施形態では、歯の全体的な移動を促進する、もしくは歯の傾いた移動を最小化する、またはそれらの両方のための本発明の方法において有用であり得る。815nm〜約895nmの範囲の波長を有する光を施すことは、例えば、患者の骨ごと歯の動く速さを促進させるための本発明の方法にも有用であり得る。いくつかの他の実施形態では、光の有効な線量は、本明細書の別の箇所に記載される光特徴のいずれかを有し得る。光が施されない患者の上顎もしくは下顎歯槽の骨の領域の歯は、選択された領域の歯の移動を容易にするために固定装置として使用され得る。光は、本明細書に記載される口腔内装置を使用して、患者の口の特定の領域、例えば患者の歯槽軟組織に直接施される。
[0369] いくつかの実施形態では、本発明の方法は、口腔内装置を介して、患者の口の選択された第1の領域(例えば歯槽軟組織の第1の領域)に、第1の波長を有する有効量の光を必要とする患者にそれを施すことを含み、口腔内装置を介して、患者の口の選択された第2の領域(例えば歯槽軟組織の第2の領域)に、第2の波長を有する有効量の光を施すことを含む。一実施形態では、第1の波長を有する有効量の光は、反復線量である。別の実施形態では、第2の波長を有する有効量の光は、反復線量である。歯槽軟組織以外の領域は、第1または第2の波長の光を受けることができる。一実施形態では、有効量の光は、24J/cm2〜200J/cm2の範囲であってよい。第1の波長は、約585nm〜約665nmの範囲であり得、第2の波長は、約815nm〜約895nmの範囲であり得る。他の実施形態では、有効量の光は、本明細書の別の箇所に記載される任意の光特徴を有し得る。
[0370] いくつかの実施形態では、本方法は、口腔内装置および/もしくは二次的器具(例えば機能的器具または歯科矯正器具など)を設置すること、口腔内装置および/もしくは二次的な器具を取り外すこと、または口腔内装置および/もしくは二次的器具を調節することをさらに含む。他の実施形態では、本方法は、歯科矯正治療が完了するまで、口腔内装置を介して光を施すことを含む。歯科矯正治療は、歯科矯正専門家との面会が完了した後、1つ以上の歯の移動が任意の種類の歯科矯正器具の補助なしで実質的に同じ位置、例えば特定の位置から約1〜約3ミリメートル以内に維持されるように安定化した後、または本明細書にさらに詳細に記載される歯科矯正治療の受動的段階中、完了したと見なすことができる。光は、二次的器具が設置、調節、または取り外される前、取り外される間、取り外された後、またはそれらの任意の組み合わせで領域に施すことができる。二次的器具は、口腔内装置を介した光の適用前、適用中、適用後、またはそれらの任意の組み合わせで適用、調節、または取り外すことができる。いくつかの実施形態では、強い力などの力は、歯科矯正器具が設置もしくは調節されるとき、またはそのような設置もしくは調節後の期間の間に加えることができる。
[0371] 本明細書に記載されるように、例えば骨ごと歯を移動する速度、またはその移動の質(例えば「全体的」または「傾いた」移動)は、光を施すことにより調節することができる。一実施形態では、本発明の方法は、骨の再生をもたらすのに有用であり、これは本発明の方法と同時に生じ得る。骨の再生は、本発明の方法により光を施すことにより増強され得る。歯科矯正治療が行われる場合、光は、口腔内装置を使用して、歯科矯正治療前、治療中、または治療後に施すことができる。光は、本明細書に記載される任意の様式で、口腔内光療法装置から放射され得る。骨の再生は、骨の成長または骨吸収を含み得る。これは、骨芽細胞または破骨細胞の活性化を含み得る。歯の移動は、破骨細胞または骨芽細胞の活動を必要とし得る。一実施形態では、本発明の方法による光を施すことにより、破骨細胞または骨芽細胞を刺激し、したがって、破骨細胞または骨芽細胞の活動を刺激する。光を施すことにより、骨の再形成を伴い得る歯の移動速度を増加させることができる。
[0372] 例えば、一実施形態で、歯の移動を調節するための本発明の方法は、歯用マスクまたは他の口腔マスクを適用する、調節する、または取り外すことも含み得る。マスクは、口腔内装置に結合される、その中に配置される、またはさもなければその一部であり得る。いくつかの実施形態では、口腔内装置のパネルの1つ以上は、マスクを含み得る。他の実施形態では、マスクは、口腔内装置から分離しているが、患者が口腔内装置を装着しているとき、口腔内装置と接触するように構成される。歯用マスクは、光を施す前、施している間、または施した後に適用され得る。光は、口腔用マスクまたは歯用マスクが適用、調節、もしくは取り外される前、それらの間、それらの後、またはそれらの任意の組み合わせで領域に施すことができる。いくつかの実施形態では、患者の歯の1つ以上、または患者の口の他の領域は、少なくともある程度の光を遮断することができるマスクで少なくとも部分的に覆うことができる。マスクは、光の1つ以上の波長を遮断することができる。いくつかの実施形態では、マスクは、光の1つ以上の波長を完全に遮断することができ、他の実施形態では、マスクは、歯または患者の口の他の領域に達する光の量または強度を低減することができる。いくつかの実施形態では、歯または患者の口の他の領域に施される光の強度は、ゼロであるか、または光源から放射される光の強度未満であり得る。
[0373] 本発明の別の態様によると、一実施形態では、歯の移動を調節するための本発明の方法は、歯の再生を調節することができる。例えば、本方法は、骨の再生速度を増加させることができる。いくつかの実施形態では、骨の再生は、歯の移動の調節を容易にすることができ、例えば、移動の速さもしくは質を増加させるか、または歯の移動を安定化することができる。例えば、骨の再生は、歯の移動前、移動中、または移動後に生じ得る。骨の再生は、骨の成長、骨の強化、または骨吸収を含み得る。例えば、骨の再生中、骨のミネラル密度(BMD)が増加し得る、骨の容積(BV)が増加し得る、骨のミネラル含量(BMC)が増加し得る、および骨容積に対する総容積(BV/TV)の割合もしくは骨密度が増加し得る。高度のBV/TVは、高密度の骨を示す場合があり、骨の再生があまり生じ得ない場合、これは、歯の安定性を増強するために歯の移動が生じた後が望ましい。具体的には、歯は、より密度が高く、よりミネラル化された骨によってゆっくり移動し、密度が低い骨より長くそれらの位置を維持する。したがって、歯は、逆戻りし、それらの元の不整合状態に戻る可能性が低い。この様式では、光治療は、骨の質を増加させるか、またはより具体的には、歯科矯正治療後の逆戻りを防止するために骨のミネラル密度を増加させる。いくつかのそのような実施形態では、光治療は、力が患者の1つ以上の歯に適用された後(即ち、力が患者の歯にもはや適用されないとき)に生じ得る。一実施形態では、患者は、そのような光治療の間、歯科矯正器具を装着する。別の実施形態では、患者は、そのような光治療の間、歯科矯正器具を装着しない。
[0374] 骨の再生中に影響を及ぼし得るパラメータの他の例としては、海綿骨表面、骨の質、破骨細胞活性(例えば、破骨細胞および前破骨細胞数)、および骨吸収を挙げることができる。光治療は、既存の細胞過程を増強することができる。骨の再生は、任意の骨組織または口腔領域で生じ得る。例えば、骨の再生は、上顎歯槽骨の一部もしくは全て、下顎歯槽骨、または1つ以上の歯の周囲に生じ得る。いくつかの実施形態では、骨の再生は、歯周組織を含み得る1つ以上の歯の周囲に生じ得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の歯の周囲の領域は、歯の表面から約1mm、約2mm、または約3mm以内であり得る。
[0375] いくつかの実施形態では、本発明の方法による光治療は、顎の骨壊死の治療、または予防をもたらすこともできる。したがって、本発明の方法は、顎の骨壊死の治療または予防に有用である。したがって、本発明は、患者に有効量の光を施すことを含む、顎の骨壊死を治療するまたは予防するための方法をさらに提供し、有効量の光は、本発明の装置のエミッタから照射される。いくつかの実施形態では、装置の少なくとも一部分は、光が施されるとき、歯槽軟組織と接触する。本方法は、任意に、強い力を必要とする患者の1つ以上の歯に、それを加えさせることを含む。適切な場合、光は、強い力が加えられる前、加えられている間、または加えられた後に施すことができる。顎の骨壊死の治療または予防は、本明細書に記載される方法による光治療の使用を通して骨壊死を反転させることを含み得る。顎の骨壊死は、任意の骨組織に関して生じ得る。例えば、顎の骨壊死は、上顎歯槽骨、下顎歯槽骨、もしくは1つ以上の歯の一部分または全てに関して生じ得る。いくつかの実施形態では、顎の骨壊死を治療する、または予防するための方法は、患者に有効量のビタミンDを投与することをさらに含む。
[0376] いくつかの実施形態では、本発明の方法による光治療は、歯根吸収、骨吸収、炎症性象牙質吸収もしくはセメント質吸収、または組織の炎症の低減、最小化、または予防をもたらすこともできる。したがって、本発明の方法は、歯根吸収、骨吸収、炎症性象牙質もしくはセメント質吸収、または組織の炎症の低減、最小化、または予防に有用である。したがって、本発明は、有効量の光を患者に施すことを含む、歯根吸収、骨吸収、炎症性象牙質もしくはセメント質吸収、または組織の炎症を治療する、最小化する、または予防するための方法をさらに提供し、有効量の光は、本発明の装置のエミッタから照射され、任意に、強い力を必要とする患者の1つ以上の歯にそれを加えさせる。いくつかの実施形態では、装置の少なくとも一部分は、光が施されるとき、歯槽軟組織と接触する。適切な場合、光は、強い力が加えられる前、加えられている間、または加えられた後に施される。そのような光治療方法は、1つ以上の歯に適用される強い力と組み合わせて使用されるか、または有用であり得る。
[0377] いくつかの実施形態では、光治療は、歯科矯正治療の整合期中に歯の移動を調節する。別の実施形態では、光治療は、歯科矯正治療の整合期以外の期中に歯の移動を調節する。また別の実施形態では、光治療は、歯科矯正治療の整合期後に歯の移動を調節する。
[0378] いくつかの実施形態では、光が施される領域は、歯槽軟組織、およびいくつかの実施形態では、歯槽粘膜を含む、軟組織もしくは骨組織などの任意の口腔組織である。いくつかの実施形態では、口腔組織は、口腔手術が行われたものである。いくつかの実施形態では、口腔組織は、患者の口腔内の口腔手術の部位の硬組織および軟組織のうちの1つまたはその両方を含む。本発明の方法は、組織の治療、ならびに口腔手術、顎顔面手術、頭蓋顔面手術、および下顎矯正手術のうちの1つ以上の後の軟組織治癒の促進のうちの少なくとも1つに有用である。口腔手術は、歯周手術、歯科矯正目的の手術、歯科矯正目的ではない手術、1つ以上の歯科インプラントの設置、骨移植に関連する手術、口腔癌に関する手術、異常細胞成長もしくは腫瘍、歯を除去するための手術、歯肉手術、および結合組織移植、歯肉移植もしくは他の軟組織移植に関する手術を含み得る。より具体的には、口腔手術は、次の条件、すなわち、過剰歯、異所性歯牙(例えば犬歯が患者の口蓋に埋伏される)、埋伏知歯、歯周病、歯牙破折もしくはさもなければ歯牙損傷、感染した根管処置歯の悪化、復元できない歯、または感染歯のうちの1つ以上による歯の除去を含むが、これらに限定されない歯科矯正理由による歯を除去するための手術、および歯科矯正理由ではない1つ以上の歯を除去するための手術を含み得る。口腔組織は、1つ以上の歯を支持する組織の一部分もしくはその全て、歯ぐき(即ち、歯肉)、歯槽軟組織、上顎歯槽骨、下顎歯槽骨、または1つ以上の歯のうちの1つ以上を含み得る。したがって、本発明は、有効量の光を患者に施すことを含む、口腔手術後の口腔組織を治療するための方法をさらに提供し、有効量の光は、本発明の装置のエミッタから照射される。いくつかの実施形態では、治療は治癒を含む。
[0379] いくつかの実施形態では、口腔組織への光の施工は、口腔手術を行った約24時間以内に始まる(例えば歯科インプラントの設置を含む)。いくつかの実施形態では、口腔組織への光の施工は、口腔手術を行った約6時間以内に始まる(例えば歯科インプラントの設置を含む)。いくつかの実施形態では、口腔組織への光の施工は、口腔手術を行った約1時間以内に始まる(例えば歯科インプラントの設置を含む)。いくつかの実施形態では、光は、1回以上の治療セッションにおいて、口腔組織に施される。いくつかの実施形態では、光は、治療セッション中、約1分〜約10分間、口腔組織に施される。いくつかの実施形態では、光は、治療セッション中、約6分間、口腔組織に施される。いくつかの実施形態では、治療セッション中、約3分間、口腔組織に施される。いくつかの実施形態では、光は、1日1回の治療セッション中、患者に施される。いくつかの実施形態では、光は、1日2回の治療セッション中、患者に施される。
[0380] いくつかの実施形態では、装置の少なくとも一部分は、光が施されるとき、手術が行われた患者の歯槽軟組織の領域と接触する。いくつかの実施形態では、本方法は、強い力を必要とする患者の1つ以上の歯にそれを加えさせることも含む。適切な場合、光は、強い力が加えられる前、加えられている間、または加えられた後に施すことができる。本発明の方法は、口腔手術後の口腔組織治癒速度を増加させるのにも有用である。したがって、本発明は、有効量の光を患者に施すことを含む、口腔手術後の口腔組織治癒速度を増加させるための方法をさらに提供し、有効量の光は、本発明の装置のエミッタから照射される。いくつかの実施形態では、装置の少なくとも一部分は、光が施されるとき、手術が行われることが意図される患者の歯槽軟組織の領域と接触する。いくつかの実施形態では、本方法は、強い力を必要とする患者の1つ以上の歯にそれを加えさせることも含む。適切な場合、光は、強い力が加えられる前、加えられている間、または加えられた後に施すことができる。いくつかの実施形態では、本方法は、口腔組織に口腔手術を行うことをさらに含む。口腔手術は、本発明の方法による光治療を施す前または施した後に行うことができる。いくつかの実施形態では、光を施す領域は、歯槽骨または歯槽軟組織であり得る。いくつかの実施形態では、この光治療を約20分間行う。いくつかの実施形態では、施される光の波長は約625nmである。いくつかの実施形態では、施される光の波長は約850nmである。いくつかの実施形態では、光は、約100mW/cm2の強度で施される。いくつかの実施形態では、光は、口腔手術後、口腔手術前、または口腔手術中に施すことができる。いくつかの実施形態では、光は、口腔手術後、口腔手術前、または口腔手術中に口腔手術が行われた組織に施される。いくつかの実施形態では、組織は治癒するか、または例えば口腔手術の結果として、治癒の必要がある。いくつかの実施形態では、本発明は、口腔手術(例えば患者の顎)の結果として生じる場合がある神経損傷またはしびれを治療するための方法に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、有効量の光を施すことを含む、歯周炎を治療する、または予防するための方法に関し、有効量の光は、本発明の装置のエミッタから照射される。
[0381] いくつかの実施形態では、本発明は、有効量の光を施すことを含む、口腔手術の部位を治療するための方法に関し、有効量の光は、本発明の装置のエミッタから照射される。いくつかの実施形態では、治療は治癒を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上の歯科インプラント、例えば骨内インプラントに隣接する口腔組織を治癒するための方法に関する。より具体的には、本方法は、部位が硬組織および軟組織のうちの1つまたはそれらの両方を含む、1つ以上の歯科インプラントの外科的設置の部位の口腔組織を治癒することを含み得る。口腔組織の治癒は、歯科インプラントの設置のために顎に穴を開けた口径と歯科インプラントの表面との間の骨成長の促進、および骨内インプラントの骨結合の促進のうちの1つまたはそれらの両方を含み得る。手術部位の口腔組織を治癒するための方法は、有効量の光を患者に施すことを含み、有効量の光は、本発明の装置のエミッタから照射される。いくつかの実施形態では、装置の少なくとも一部分は、光が施されるとき、歯槽軟組織と接触する。いくつかの実施形態では、本方法は、強い力を必要とする患者の1つ以上の歯にそれを加えさせることをさらに含む。適切な場合、光は、強い力が加えられる前、加えられている間、または加えられた後に施すことができる。一実施形態では、これらの方法は、歯の移動を調節するための方法に関して本明細書に開示される教示に従い行うことができる。
[0382] いくつかの実施形態では、本発明の方法は、光を施す前、施している間、または施した後に、口腔領域、例えば歯槽軟組織などの領域、または領域の近くに物質を適用することをさらに含み得る。物質は、口腔内装置が患者の口内にある前、その間、またはその後に適用することができる。いくつかの実施形態では、本方法は、光を施す前、施している間、または施した後、または強い力を加える前、加えている間、もしくは加えた後に、領域、または領域の近くに物質を適用することを含まない。場合によって、物質は、既に領域に自然に生じる場合がある。物質は、光の施工の作用を増強または阻害し得る。一実施形態では、物質は、色素などの可視光または赤外光吸収物質であり得る。波長などの1つ以上の光特徴は、物質の存在または適用に応じて選択され得る。
[0383] 本発明の一態様は、本明細書に記載される口腔内光療法装置と、本発明の方法において使用するための説明書とを含む光治療キットを提供する。キットは、口腔内光療法装置とは分離した光源をさらに含み得る。別個の光源および/または口腔内光療法装置の光源は、それらが所与の使用量後に容易に交換できるように、着脱可能かつ使い捨てであり得る。いくつかの実施形態では、光療法装置および別個の光源は、個々に梱包されるか、または一緒に梱包することができる。別個の光源は、光の施工に役立つように、口腔内光療法装置の光源と併せて作動することができる。別個の光源は、本明細書に記載される任意の様式で光を放射することができ、本明細書に記載される特徴の任意の波長をさらに有し得る。
[0384] キットは、本明細書に記載される、プログラム可能なコントローラも含み得る。キットは、コントローラを作動するのに有用な任意の構成成分をさらに含み得る。例えば、キットは、コントローラまたは口腔内光療法装置に電源を入れるための構成成分を含み得る。キットは、コントローラが口腔内光療法装置と動作可能に接続される構成成分も含み得る。
[0385] キットは、コントローラに指示を提供することができるソフトウェア、アルゴリズム、またはコンピュータ可読媒体一式も含み得る。ソフトウェア、アルゴリズム、またはコンピュータ可読媒体一式はメモリ媒体に提供され得る。メモリ媒体は、CD、USBフラッシュドライブ、または外部ハードドライブなどの取り外し可能または携帯用であり得る。
[0386] キットは、便利に梱包され、商業的に入手可能であり得る。キットは、本明細書の項目の使用または保守の書面による説明書も含み得る。
[0387] 実施例1
[0388] 成人男性の患者のビタミンD3血液−血清レベルが、男性の定期的な歯科矯正検査および記録の面会中に想定される。臨床検査の結果は、患者のビタミンD3血清レベルが20ng/mlであることを示し、これは欠乏または異常であると考えられる。患者の歯科矯正診断は、クラスIの軽度の密集であり、上弓の密集は4mmであり、下弓の密集は4mmである。歯科矯正治療計画は、上弓および下弓のある程度の軽度の拡大を伴う固定式歯科矯正器具の設置を含むように考案される。
[0389] 患者は、自分のビタミンD3の血清レベルを増加し、正常化するために、1日当り6000IUの量で3ヶ月間経口油系ビタミンD3カプセルを自己投与する。臨床検査の血清検査は、ビタミンD3の補給の3ヶ月後に任意に再び行うことができる。患者は、自分の後の臨床検査の結果に基づき、自分の経口投薬量を維持または調節することができる。
[0390] 歯科矯正治療は、3ヶ月の期間後、または3ヶ月前のいずれかで開始される。歯科矯正治療は、シリコーン結紮糸で所定位置に結ばれる最初に0.016インチNiTiワイヤを使用して患者の歯に設置される従来の固定式歯科矯正ブラケットおよびバンドを含む。光は、毎日、図1に示されるものなどの口腔内光療法装置を使用して、50mW/cm2の強度で20分間、約850nmの波長で患者に施される。歯科矯正治療は、弓が拡大したら歯の仕上げを続ける。積極的な歯科矯正治療は、毎日の光の施工およびビタミンD3の補給の組み合わせにより、光療法を伴わない歯科矯正治療より50%〜75%少ない時間で完了するであろうと考えられる。
[0391] 歯科矯正治療の受動的段階、即ち、保持期で、固定式保持歯科矯正器具は患者の歯に設置され得る。一実施形態では、前歯の歯の位置を維持するように設計される着脱可能な器具であるHawley保持装置は、患者の前歯に設置される。いくつかの実施形態では、歯科矯正ブラケットを含むものなどの固定式保持装置の器具は、下6前歯に結合される。患者は、ビタミンD3の補給を続ける。いくつかの例では、患者は、1日当り2000IU〜1日当り経口的に12,000IUを自己投与する。用量は、投薬量を決定するために定期的に測定され得るビタミンD血液血清レベルに基づき決定され得る。結果として、歯の周囲の歯槽骨密度は、受動的段階中に増加し得る。受動的段階中、患者は、図1および/または図6に示される光療法装置などの口腔内光療法装置を使用して、625nmの波長を有する光が1週間に1回、上弓および下弓の区域に施され得る。
[0392] 実施例2
[0393] 研究の1つでは、3人の患者の上顎前歯を照射するために、図38に図示される本発明の例示される口腔内光療法デバイスが歯科矯正治療の整合期中に使用された。口腔内光療法デバイスは、口腔内ハウジングのシリコーン頬側フランジおよびシリコーン舌側もしくは口蓋側フランジのそれぞれに埋め込まれた光放射繊維パネルを備える口腔内ハウジングと、患者の口の外側に配置されたLED光源とを備えた。光放射パネルの繊維は、アクリル系光ファイバをマットに編むことにより作製された。各患者は、自分自身の口腔内光療法デバイスを提供され、これは従来の頬側固定歯科矯正ブラケット治療プロトコルと併せて使用された。3人の患者、患者A、患者B、および患者Cの治療および結果は、本明細書に詳細に記載される。
[0394] 研究中、口腔内光療法デバイスは、患者が1mm以下のLII値を実現するまで毎日各患者によって使用された。使用中、口腔内光療法デバイスは各患者の上顎歯槽軟組織と接触し、1日約6分間、約850nmの波長を有する光で組織を照射した。
[0395] 研究中、患者は2週間に1回臨床医を訪れた。各来院では、臨床医は、規定の歯科矯正手順を行い、口腔内写真および研究モデルを含むデータを収集し、患者の遵守性を記録し、口腔内光療法デバイスの機能性を確認した。治療の有効性を評価するために、臨床医は、各面会で生成されたモデルを採点するためにLII分類法を使用した。上顎前口腔内光療法は、臨床医が、患者のLIIスコアが1mm以下に減少したと判断するまで毎日続いた。
[0396] 患者は、少なくとも次の基準に基づくこの研究に参加するために選ばれた。(1)患者は、歯の密集、不整合、および回転を修正するための上弓の完全口固定式歯科矯正治療に対して資格がある、(2)永久歯列(即ち、永久歯または成人の歯)の存在、(3)上弓歯が5mm〜12mmのLIIを有するが、但し、歯が整合外に遮断されないことを条件とする、および(4)患者は12〜45歳である。次のタイプの個人は、この研究から外された。(1)妊娠中の女性、(2)歯周に関する歯の別の研究に参加する個人、(3)ビスホスホネートを使用する個人、または(4)任意の易感染の歯科もしくは医療状態にある個人。
[0397] 患者A
[0398] 患者Aは、歯科矯正治療の整合期中にSPEED System(商標)ブラケットおよび0.016インチのSupercableニッケルチタンワイヤを装着した13歳の女性である。研究の1日目の患者Aの上弓のLIIは、約5.1mmであった。図39は、研究1日目の患者Aの上弓の写真である。SPEED System(商標)ブラケットおよびワイヤと組み合わせた光治療用の口腔内光療法デバイスの使用後たった30日で、患者AのLIIは0.5mmに減少した。この期間中の患者Aの歯の移動速度は、約1.07mm/週であった。図40は、研究30日目の患者Aの上弓の歯の修正された配向を示す写真である。
[0399] 対照との比較
[0400] 患者Aの結果を、歯科矯正治療の整合期中に同様にSPEED System(商標)ブラケットおよび0.016インチのSupercableニッケルチタンワイヤを装着し、光療法を受けなかった13歳の対照患者のものと比較した。対照患者の1日目の上弓LIIは、約5.2mmであった。患者Aの歯の移動時間とは対照的に、対照患者の上弓のLIIが1mm以下に減少するのに78日かかった。この期間中の対照患者の歯の移動速度は、約0.42mm/週であった。
[0401] 患者B
[0402] 患者Bも、歯科矯正治療の整合期中にSPEED System(商標)ブラケットおよび0.016インチのSupercableニッケルチタンワイヤを装着した13歳の女性である。研究の1日目の患者Bの上弓のLIIは、約9.3mmであった。図41は、研究1日目の患者Bの上弓の写真である。PEED System(商標)ブラケットおよびワイヤと組み合わせた光治療用の口腔内光療法デバイスの使用後たった41日で、患者BのLIIは0.8mmに減少した。この期間中の患者Bの歯の移動速度は、約1.45mm/週であった。図42は、研究41日目の患者Bの上弓の歯の修正された配向を示す写真である。
[0403] 対照との比較
[0404] 患者Bの結果を、歯科矯正治療の整合期中に同様にSPEED System(商標)ブラケットおよび0.016インチのSupercableニッケルチタンワイヤを装着し、光療法を受けなかった類似する年の対照患者のものと比較した。対照患者の1日目の上弓LIIは、約8.8mmであった。患者Bの歯の移動時間とは対照的に、対照患者の上弓のLIIが0.3mmに減少するのに129日かかった。この期間中の対照患者の歯の移動速度は、約0.46mm/週であった。
[0405] 患者C
[0406] 患者Cは、歯科矯正治療の整合期中にIn−Ovation L Straightwireシステムブラケットおよび0.012インチと0.016インチの両方のニッケルチタンワイヤを装着した18歳の男性である。研究の1日目の患者Cの上弓のLIIは、約5.02mmであった。In−Ovation L Straightwireシステムブラケットおよびワイヤと組み合わせた光治療用の口腔内光療法デバイスの使用後たった42日で、患者CのLIIはゼロに減少した。この期間中の患者Aの歯の移動速度は、約0.84mm/週であった。
[0407] 実施例3
[0408] 研究の1つでは、図43〜図44に示される本発明の口腔内光療法デバイスは、9人の患者(口腔内群))の上顎および下顎の前歯のうちの1つまたはそれらの両方を照射するために、歯科矯正治療の整合期中に使用された。口腔内光療法デバイスは、可撓性回路に載置され、口腔内ハウジングの柔らかい可撓性の頬側フランジに埋め込まれたLEDを備える可撓性口腔内ハウジングを備えた。各患者は、自分自身の口腔内光療法デバイスを提供され、これは従来の頬側固定歯科矯正ブラケット治療プロトコルと併せて使用された。
[0409] 研究中、各患者は、最初に0.014または0.016インチのニッケルチタンワイヤで整合され、その後0.016インチ×0.016インチ(「16×16」としても言及される)のニッケルチタンワイヤを使用するように進行する0.018スロットMini−Diamond(登録商標)ブラケット(Ormco Corporation,OrangeCAから商業的に得た)を装着した。
[0410] 研究中、口腔内光療法デバイスは、患者が1mm以下のLII値を達成するまで毎日各患者によって使用され、単一のLII接触点は0.25mmを超えない。使用中、口腔内光療法デバイスは、約850nm(±5nm)の波長を有する光で組織を照射した。本明細書に特に記載されない限り、光療法は、1日約3分間、約60mW/cm2〜約100mW/cm2の光出力強度で、各患者の上顎弓または下顎弓のうちの1つまたはそれらの両方に施された。
[0411] 研究中、患者は2〜3週間に1回臨床医を訪れた。各来院では、臨床医は、規定の歯科矯正手順を行い、口腔内写真および研究モデルを含むデータを収集し、患者の遵守性を記録し、口腔内光療法デバイスの機能性を確認した。治療の有効性を評価するために、臨床医は、各面会で生成されたモデルを採点するためにLII分類法を使用した。光療法は、臨床医が、患者のLIIスコアが1mm以下に減少したと判断するまで毎日続き、単一のLII接触点は0.25mmを超えない。臨床医は、上顎結合日、歯科矯正治療の開始、患者が口腔内光療法デバイスを割り当てられた日付、および患者の日常的な口腔内光療法デバイス使用の開始を表すT0(即ち、1日目)、および臨床医が、患者が1mm以下のLII値を達成したと判断した日を表すT1の歯科印象およびモデルも収集し、単一接触点は0.25mmを超えない。
[0412] 患者は、少なくとも次の基準に基づくこの研究に参加するために選ばれた:(1)患者は、歯の密集、不整合、および回転を修正するための上弓(および/または下弓)の完全口固定式歯科矯正治療に対して資格がある、(2)永久歯列(即ち、永久歯または成人の歯)の存在、(3)上弓(および/または下弓)歯が3mm〜12mmのLIIを有するが、但し、歯がずれて遮られないことを条件とする、および(4)患者は11〜27歳である。次のタイプの個人は、この研究から外された:(1)妊娠中の女性、(2)歯周に関する歯の別の研究に参加する個人、(3)ビスホスホネートを使用する個人、または(4)任意の易感染の歯科もしくは医療状態にある個人。
[0413] 本明細書に記載されるように、従来の頬側固定歯科矯正ブラケット治療プロトコルと併せて使用される口腔内光療法デバイスを使用した9人の患者の研究期間中の歯の移動の平均速度は、約1.32mm/週であった。研究期間中の9人の患者内の歯の移動速度は、図59および60に示されるように、0.42mm/週〜2.35mm/週の範囲であった。9人の患者、患者D、患者E、患者F、患者G、患者H、患者I、患者J、患者K、および患者Lの治療および結果は、本明細書に詳細に記載される。
[0414] 少数点以下2桁まで表される本明細書におけるいずれの年齢に関して、年齢は、年および年の端数で示される。
[0415] 患者D
[0416] 患者Dは、12.8歳の男性である。研究の1日目(即ち、T0)の患者Dの上弓のLIIは、約5.7mmであった。光療法は、1日約3分間、約67mW/cm2の光出力強度で患者Dの上顎弓に施された。患者は、1日当り12.1J/cm2の光療法線量を受けた。Mini−Diamond(登録商標)ブラケットおよびワイヤと組み合わせた光治療用の口腔内光療法デバイスの使用後たった17日で、患者DのLIIは0mmに減少した。研究期間中の患者Dの歯の移動速度は、約2.35mm/週であった。
[0417] 患者E
[0418] 患者Eは、12.6歳の女性である。研究の1日目(即ち、T0)の患者Eの上弓のLIIは、約6.0mmであった。光療法は、1日約3分間、約78mW/cm2の光出力強度で患者Eの上顎弓に施された。患者は、1日当り14.0J/cm2の光療法線量を受けた。Mini−Diamond(登録商標)ブラケットおよびワイヤと組み合わせた光治療用の口腔内光療法デバイスの使用後たった21日で、患者EのLIIは0mmに減少した。研究期間中の患者Eの歯の移動速度は、約2.0mm/週であった。
[0419] 患者F
[0420] 患者Fは、13.2歳の女性である。研究の1日目(即ち、T0)の患者Fの上弓のLIIは、約3.6mmであった。光療法は、1日2回、歯列弓当り約3分間、約61mW/cm2の光出力強度で施された。患者は、1日当り22.0J/cm2の光療法線量を受けた。Mini−Diamond(登録商標)ブラケットおよびワイヤと組み合わせた光治療用の口腔内光療法デバイスの使用後たった40日で、患者FのLIIは0mmに減少した。研究期間中の患者Fの歯の移動速度は、約0.63mm/週であった。患者Fは、21日目に予定されていた臨床医に受診する機会を逃し、これは先の整合速度が大幅に過小評価された結果となった可能性があることに留意する。
[0421] 患者G
[0422] 患者Dは、14.3歳の男性である。研究の1日目(即ち、T0)の患者Gの上弓のLIIは、約12.1mmであった。光療法は、1日約3分間、約78mW/cm2の光出力強度で施された。患者は、1日当り14.1J/cm2の光療法線量を受けた。Mini−Diamond(登録商標)ブラケットおよびワイヤと組み合わせた光治療用の口腔内光療法デバイスの使用後たった50日で、患者GのLIIは0mmに減少した。研究期間中の患者Gの歯の移動速度は、約1.69mm/週であった。
[0423] 患者H
[0424] 患者Hは、16.5歳の女性である。研究の1日目(即ち、T0)の患者Hの上弓のLIIは、約5.5mmであった。光療法は、1日約3分間、約63mW/cm2の光出力強度で患者Hの上顎弓に施された。患者は、1日当り11.3J/cm2の光療法線量を受けた。Mini−Diamond(登録商標)ブラケットおよびワイヤと組み合わせた光治療用の口腔内光療法デバイスの使用後92日で、患者HのLIIは0mmに減少した。研究期間中の患者Hの歯の移動速度は、約0.42mm/週であった。患者Hは、74日目に予定されていた臨床医に受診する機会を逃し、これが先の整合速度が大幅に過小評価された結果となった可能性があることに留意する。
[0425] 患者I
[0426] 患者Iは、14.2歳の女性である。研究の1日目(即ち、T0)の患者Iの上弓のLIIは、約11.0mmであった。光療法は、1日約3分間、約78mW/cm2の光出力強度で患者Iの上顎弓に施された。患者は、1日当り14.0J/cm2の光療法線量を受けた。Mini−Diamond(登録商標)ブラケットおよびワイヤと組み合わせた光治療用の口腔内光療法デバイスの使用後53日で、患者IのLIIは1mm未満に減少した。研究期間中の患者Iの歯の移動速度は、約1.45mm/週であった。患者Iは、21日目に予定されていた臨床医に受診する機会を逃し、これが先の整合速度が大幅に過小評価された結果となった可能性があることに留意する。
[0427] 患者J
[0428] 患者Jは、12.4歳の女性である。研究の1日目(即ち、T0)の患者Jの上弓のLIIは、約5.5mmであった。光療法は、1日2回、約3分間、約57mW/cm2の光出力強度で患者Jの上顎弓に施された。患者は、1日当り20.4J/cm2の光療法線量を受けた。Mini−Diamond(登録商標)ブラケットおよびワイヤと組み合わせた光治療用の口腔内光療法デバイスの使用後49日で、患者JのLIIは0mmに減少した。研究期間中の患者Jの歯の移動速度は、約0.79mm/週であった。
[0429] 患者K
[0430] 患者Kは、13.9歳の男性である。研究の1日目(即ち、T0)の患者Kの上弓のLIIは、約14.2mmであった。光療法は、1日2回、約3分間、約58mW/cm2の光出力強度で患者Kの上顎弓に施された。患者は、1日当り20.7J/cm2の光療法線量を受けた。SPEED System(商標)ブラケットおよびワイヤと組み合わせた光治療用の口腔内光療法デバイスの使用後50日で、患者KのLIIは0.8mmに減少した。研究期間中の患者Kの歯の移動速度は、約1.88mm/週であった。
[0431] 患者L
[0432] 17.7歳の女性である。研究の1日目(即ち、T0)の患者Lの下弓のLIIは、約3.0mmであった。光療法は、1日約3分間、約80mW/cm2の光出力強度で患者Lの下顎弓に施された。患者は、1日当り14.4J/cm2の光療法線量を受けた。Mini−Diamond(登録商標)ブラケットおよびワイヤと組み合わせた光治療用の口腔内光療法デバイスの使用後22日で、患者LのLIIは0.8mmに減少した。研究期間中の患者Lの歯の移動速度は、約0.70mm/週であった。
[0433] 対照との比較
[0434] 患者D〜Jの結果は、ここで対照Aおよび対照Bとして特定される2人の対照患者からのものと比較された。対照AおよびBは、一部、患者D〜Jと同年齢であり、上弓の初期LIIが類似するため選ばれた。同じ臨床医が患者D〜Jならびに対照AおよびBを評価した。
[0435] 対照Aは、歯科矯正治療の整合期中、患者D〜Jに関して記載されるようにSPEED System(商標)ブラケットおよびワイヤを装着したが、光療法を受けなかった14歳の女性対照患者である。対照Aの1日目の上弓LIIは、約5.9mmであった。患者D〜Lの歯の移動時間とは対照的に、対照Aの上弓のLIIが0mmに減少するのに92日かかった。この研究期間中の対照Aの歯の移動速度は、わずか約0.45mm/週であった。
[0436] 対照Bは、歯科矯正治療の整合期中、患者D〜Jに関して記載されるように、同様にSPEED System(商標)ブラケットおよびワイヤを装着したが、光療法を受けなかった11歳の女性である。対照Bの1日目の上弓LIIは、約6.6mmであった。患者D〜Lの歯の移動時間とは対照的に、対照Bの上弓のLIIが1mm以下に減少するのに105日かかった(即ち、対照BのLIIは0.7mmに減少した)。研究期間中の対照Bの歯の移動速度は、わずか約0.39mm/週であった。
[0437] 患者が16×16ニッケルチタンワイヤの使用に進む前に、1人以上の患者が1mm以下のLII値を達成した可能性があることに留意する。
[0438] 実施例4
[0439] 実施例3の口腔内群の結果を、口腔外群および対照群の結果と比較した。具体的には、口腔内群の歯の移動速度(「整合速度」とも称される)に関するデータは、患者の歯科矯正治療の整合期中に、本明細書の実施例3に記載されるように、同様に従来の頬側固定歯科矯正ブラケット、即ち、SPEED System(商標)ブラケットまたはAgility(登録商標)自己結紮ブラケット(Orthodontic Design and Production,Inc.から商業的に入手可能)のうちの1つ、およびワイヤを装着したが、光療法を受けなかった8人の患者を含む対照群の歯の移動速度と比較された。8人の対照群患者のうちの2人は、実施例3の対照AおよびBであった。対照群は、多部位多研究員研究からの患者の対照群のサブセットである。統合された対照群の患者の歯の平均移動速度は、約0.50mm/週であった。比較すると、患者D〜Lの研究期間中の歯の平均移動速度は、約1.32mm/週であり、これは統合された対照群患者のデータの歯の移動速度に基づく予想より約2.64倍大きかった。
[0440] 口腔内群および対照群の歯の移動速度に関するデータも、歯科矯正治療と組み合わせて口腔外光療法を受けた13人の患者を含む口腔外群の歯の移動速度と比較された。
[0441] 具体的には、口腔外群において、13人の患者のそれぞれは、光治療に口腔外デバイス(国際特許公開第WO2012/0075584号の図21Aに示される(参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、本明細書では図61として複写される))を使用し、0.014または0.016インチのニッケルチタンワイヤおよび少なくとも0.017×0.025インチ(「17×25」としても言及される)ニッケルチタンワイヤの最終矩形整合ワイヤで整合された従来の固定式ブラケット、即ち、SPEED System(商標)ブラケットまたはAgility(登録商標)自己結紮ブラケットのうちの1つを装着した。各患者によって使用された口腔外デバイスは、4つの経口外光アレイ一式を含み、その各々は、可撓性の印刷回路基板とLED一式とを含む。光アレイは、各患者の顔と接触して口腔的に位置付けられた。光アレイは、導電性ケーブルを介して携帯型コントローラに結合された。デバイスのヘッドセットは、光アレイが標的の口腔組織に指向されるように患者の顔に位置付けるための取り付け機構と調節機構とを含んだ。
[0442] 約850nm(±5nm)の近赤外波長および60mW/cm2〜100mW/cm2の範囲の強度で光を照射する口腔外デバイスを使用して、光を口腔外群に施した。口腔外群の患者は、それぞれ、20分/日、30分/日、または1時間/週の光治療を受ける3群に無作為化された。研究中、口腔外群および対照群の)患者は、研究期間の開始時から6週間の間、2週間に1回、そして整合(本明細書の実施例3に定義される)が達成されるまで4週間に1回、臨床医を訪れた。各訪問時に、臨床医は、規定の歯科矯正手順を行い、患者の歯列の咬合面および頬側面を表す写真を含むデータを収集し、患者の遵守性を記録し、これは口腔外デバイスのコントローラ内のマイクロプロセッサによって監視された。治療の有効性は、実施例3に記載されるものと類似する様式で、LII分類法を用いて評価された。
[0443] 口腔外群および対照群の患者は、多部位多研究員研究からのより大きな群の患者のサブセットであるが、サブセットは、その患者が同じ単一部位からであり、実施例3に記載される患者と同じ研究員に割り当てられたため、口腔内群との比較のために選ばれたことに留意するべきである。
[0444] 全体で、口腔内群、口腔外群、および対照群からのデータの比較は、23の上顎弓および7の下顎弓のデータを含んだ。合計30の弓のうち、18は女性患者の弓であり、12は、男性患者の弓であり、23は、白人患者の弓であり、7は、様々な他の人種の白人ではない患者の弓である。患者は、年齢が11歳〜27歳の範囲であり、平均年齢は14歳であった。各患者は、3mm〜12mmの範囲の初期LII(即ち、各患者の研究期間の1日目)を有した。
[0445] 個々の患者の上顎歯の移動速度は、図59の棒グラフに表され、個々の患者はx軸に示され、歯の移動速度は、mm/週でy軸に示される。図示されるように、上顎の歯の個々の移動速度は、口腔内群に関しては、0.42mm/週〜2.35mm/週の範囲であり、口腔外群に関しては、0.26mm/週〜1.72mm/週であり、対照群に関しては、0.14mm/週〜0.45mm/週の範囲であった。
[0446] 個々の患者の下顎の歯の移動速度は、図60に示される棒グラフに表され、個々の患者はx軸に示され、歯の移動速度は、mm/週でy軸に示される。図示されるように、口腔内群の下顎の歯の個々の移動速度は、口腔内群に関しては、0.79mmであり、口腔外群に関しては、0.34mm/週〜0.99mm/週の範囲であり、対照群に関しては、0.42mm/週〜0.47mm/週の範囲であった。
[0447] 上述のように、口腔内群の研究期間中の歯の移動平均速度は、約1.32mm/週であった。口腔外群は、0.73mm/週の歯の移動平均速度を有し、平均偏差は0.37mmであった。対照群は、0.37mm/週の歯の移動平均速度を有し、平均偏差は0.12mmであった。
[0448] 比較研究のデータ分析は、口腔内群において達成される、即ち、光療法を施すための口腔内光療法デバイスと、従来の歯科矯正ブラケットの患者の組み合わせ使用によってもたらされる整合速度の結果は、患者が研究期間中光療法を受けなかった対照群の整合速度の結果と比較したとき、統計的に有意である(p<0.01)ことを示した。比較研究のデータ分析は、口腔外群において達成される、即ち、光療法を施すための口腔外デバイスと、従来の歯科矯正ブラケットの患者の組み合わせ使用によってもたらされる整合結果は、患者が研究期間中光療法を受けなかった対照群の整合速度の結果と比較したとき、口腔内群より低いが、統計的に有意である(p<0.1)ことを示した。
[0449] 実施例5
[0450] 研究の1つでは、図44に示される本発明の下顎前口腔内光療法デバイスは、患者の下顎の根区域を照射するために、術後期間の間使用された。口腔内光療法デバイスは、口腔内ハウジングの柔らかい可撓性の頬側フランジの内部領域に配置された、可撓性印刷回路基板に載置されたLEDを備える口腔内ハウジングを含んだ。頬側フランジの内部領域は、第1の外表面がフランジの頬側に配置され、第2の外表面がフランジの舌側もしくは口蓋側に配置される、対向する外表面間で形成される。具体的には、製造過程中、印刷回路基板は、頬側フランジの底部から左側と右側の頬側フランジのそれぞれの内部領域に挿入され、その後、頬側フランジの底部は、接着剤を使用して、咬合平面部分に結合され、それによって、頬側フランジ内の可撓性印刷回路基板に載置されたLEDを封止する。
[0451] 研究の1日目に、6つの歯科インプラントを患者の下顎の前部分に設置した。研究の2日目に、一時的な歯冠を6つのインプラントのそれぞれに装填した。口腔内光療法デバイスは、歯科インプラントの設置から約1時間以内に、手術後、1日目に開始され、その日から7日間、毎日患者によって使用された。使用中、口腔内光療法デバイスは、約850nm(±5nm)の波長を有する光で、下顎の根組織を照射した。光療法は、1日約6分間、約100mW/cm2の光出力強度で患者の下顎の根組織に施された。
[0452] Osstell(商標)Mentorデバイス(Osstell ABから商業的に入手可能)は、インプラントの安定性における任意の相対的変化を測定するために、手術時(即ち、1日目)、および再度7日目にインプラントの安定性を測定するために使用された。Mentor装置は、インプラント安定性計数(ISQ)として表される安定性を測定するために、共振周波数分析を使用する。7日目に測定された安定性は、6つのインプラントの安定性において、1日目に測定されたそれらの安定性からの純減少を示さなかった。より具体的には、7日目に測定された平均ISQ値は、1日目に測定されたISQ値から変化しなかった。そのような結果は、インプラントがそれらの設置日のインプラントと同等である安定性を取り戻す前に、それらの設置後に起こり、その後最大90日間生じ得る、歯科インプラントの安定性における典型的な減少と全く対照的である。理論に拘束されるものではないが、安定性における典型的な減少は、歯科インプラントを支持する骨の炎症吸収によると考えられ、骨に穴を開ける手術過程に起因すると考えられる。患者は、下層の骨の望ましくない曝露を含む、患者の下顎の右側および左側後四半部に以前のインプラント手術による非常に不良な術後軟組織治療の履歴を有したことに留意する。しかし、この場合、7日目の患者の軟組織の治癒は、患者が2つの下後歯四半部の以前のインプラント手術から経験したものと比較して最適であった。
[0453] 結論
[0454] 本発明の様々な実施形態が本明細書に記載されてきたが、それらは単に例として提示され、制限するものではないことを理解するべきである。例えば、装置(例えば装置2100)は、本明細書においてジャイロスコープを含むように記載されてきたが、他の実施形態では、装置は、機構が、装置が直立または反転位置にあるか否かを決定するのに役立ち得るように、装置の傾いたおよび/または空間的配向を検出するための任意の好適な機構を含み得る。別の例では、装置(例えば装置2100)は、本明細書において、一度に上顎および下顎のうちの1つに光を施すために患者の口内に位置付けられるように構成された口腔内ハウジングを含むように図示され、記載されてきたが、他の実施形態では、装置は、上フランジおよび下フランジを備える口腔内ハウジングを含み、それぞれ、それに結合された、またはその中に埋め込まれたLEDアレイを含む。この様式では、装置は、上顎および下顎のそれぞれに対して光療法を同時に施すように構成される。本明細書に記載される図および/または実施形態がある特定の配向または位置に配列される構成成分を示す場合、構成成分の配列は、文脈が明確に示さない限り、修正することができる。同様に、上述の方法および/または事象がある特定の順序で生じる事象および/または手順を示す場合、ある特定の事象および/または手順の順序は、文脈が明確に示さない限り、修正することができる。特定の特徴および/または構成成分の組み合わせを有する様々な実施形態が記載されてきたが、適切な場合、実施形態のいずれかの任意の特徴および/または構成成分の組み合わせを有する他の実施形態が可能である。