JP6007297B1 - 周波数変換回路および該周波数変換回路を適用したレーダシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】 スパイクノイズが発生する場合でも、スパイクノイズの影響を受けない周波数変換回路およびこの周波数変換回路を適用したレーダシステムを提供する。【解決手段】 周波数変換回路は、第1のミキサと、第1のミキサの出力結果を、第3の周波数において通過させる第1のフィルタと、減衰器と、減衰された第1の中間信号を、第3の周波数において通過させる第2のフィルタと、ローカル信号を、第2の周波数を整数倍するように周波数逓倍する逓倍器と、第3のフィルタと、第2のフィルタの出力結果として得られる第2の中間信号と、第3のフィルタの出力信号とを混合する第2のミキサと、第2のミキサの出力結果を、第3の周波数と所定の整数倍の周波数との差である第4の周波数において通過させる第4のフィルタと、を備える。【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、周波数を変換するための周波数変換回路および該周波数変換回路を適用したレーダシステムに関する。
従来、レーダシステム等では、受信信号の周波数を変換する際、増幅器の飽和防止のために、STC(Sensitivity Time Control)回路が用いられる。STC回路は、例えば、レーダ等によって検知される対象物からの反射エコーの強度が距離の4乗に逆比例することを考慮して、距離に応じて減衰量を制御する回路である。STC回路は、近距離では対象物を見失わない範囲で受信信号の減衰量を多くして感度を抑制し、遠距離になるに従って減衰量を少なくして感度を戻す。
また、STC回路では、受信信号を減衰させるためにアッテネータ回路が用いられる。このとき、アッテネータ回路には、アナログアッテネータ回路ではなく、デジタルアッテネータ回路が採用されることがある。これは、デジタルアッテネータ回路には、アナログアッテネータ回路と比較して、回路規模を抑えられ、かつ、温度等を原因とする特性の変化が少ないというメリットがあるからである。
しかしながら、デジタルアッテネータ回路は、外部等からの信号に応じて減衰量の設定を切換えるため、例えば、減衰量の設定の切換動作にともない、スパイクノイズが発生することがある。
具体的に、図7乃至図10を参照して説明する。
図7は、従来のSTC回路100の機能ブロック図を示している。
STC回路100は、ローカル信号生成部21、デジタルアッテネータ(DATT)回路24、STC制御回路25、デジタルアッテネータ(DATT)回路26、ミキサ70、およびフィルタ(FIL)71を備える。
図7は、従来のSTC回路100の機能ブロック図を示している。
STC回路100は、ローカル信号生成部21、デジタルアッテネータ(DATT)回路24、STC制御回路25、デジタルアッテネータ(DATT)回路26、ミキサ70、およびフィルタ(FIL)71を備える。
先ず、STC回路100を、1000MHzの入力信号RFを、100MHzの出力信号にダウンコンバートする場合を例として簡単に説明する。
ミキサ70は、1000MHzの入力信号RFと900MHzのローカル信号を混合する。
FIL71は、ミキサ70によって混合された出力信号を、100MHzの周波数において、通過させる。FIL71を通過した信号を、中間信号と称する。
そして、DATT24は、この中間信号を、STC制御回路25から送られてきたDATT設定信号f1に応じて、減衰する。ここで、DATT24によって減衰された出力信号に、スパイクノイズ32−1が含まれる。
さらに、DATT26は、DATT24によって減衰された出力信号を、STC制御回路25から送られてきたDATT設定信号f2に応じて、減衰する。ここで、DATT26によって減衰された出力信号に、スパイクノイズ32−2が含まれる。
したがって、出力信号の減衰量は、DATT設定信号f1に応じて減衰される減衰量と、DATT設定信号f2に応じて減衰される減衰量との合計によって決定される。例えば、DATT設定信号f1とDATT設定信号f2は、それぞれが合計減衰量のうちの半分の減衰量を実現するために、同じ値に設定される。
そして、DATT26によって減衰された出力信号は、100MHzの出力信号として出力される。
また、STC制御回路25は、レーダトリガ信号、システムクロック信号、およびSTCモード信号を入力信号として、減衰量設定信号f1および減衰量設定信号f2を、それぞれDATT24およびDATT26に出力する。なお、詳細については図2を参照して後述する。
次に、図8を参照して、スパイクノイズ発生時の時間推移について説明する。
図8は、スパイクノイズ発生時のDATT設定信号f1またはDATT設定信号f2の時間推移波形80、および、スパイクノイズ信号の時間推移波形81を示している。
図8は、スパイクノイズ発生時のDATT設定信号f1またはDATT設定信号f2の時間推移波形80、および、スパイクノイズ信号の時間推移波形81を示している。
時間t1,t3では、時間推移波形80に示すように、DATT設定信号f1またはDATT設定信号f2の設定が、Low状態からHigh状態に切換えられる。この際、時間推移波形81に示すように、スパイクノイズspが発生する。
時間t2では、時間推移波形80に示すように、DATT設定信号f1またはDATT設定信号f2の設定状態が、High状態からLow状態に切換えられる。この際も、時間推移波形81に示すように、スパイクノイズspが発生する。
次に、図9を参照して、FIL71の周波数特性91について説明する。
図9に示すように、ミキサ70によって混合された出力信号は、100MHzのイメージ信号92(RF−LO)および1900MHz(RF+LO)のイメージ信号94だけでなく、例えば900MHzのローカル信号93も含まれる。
図9に示すように、ミキサ70によって混合された出力信号は、100MHzのイメージ信号92(RF−LO)および1900MHz(RF+LO)のイメージ信号94だけでなく、例えば900MHzのローカル信号93も含まれる。
そして、FIL71は、これらの信号のうちイメージ信号92を通過させるバンドバスフィルタとしての周波数特性を有する。
次に、図10を参照して、DATT26から出力された100MHzの出力信号の周波数特性について説明する。
上述したように、DATT24およびDATT26によって減衰された出力信号に、スパイクノイズspが含まれる。また、スパイクノイズspの周波数分布を示すスパイクノイズ成分41は、周波数にわたって一定の広がりをもつ。そのため、図10に示すように、DATT24およびDATT26によって減衰された出力信号は、100MHzのイメージ信号92とスパイクノイズ成分41とが重畳された信号となる。
したがって、DATT26から出力された100MHzの出力信号のS/N比が低下する。そのため、例えば、このような従来のSTC回路100を用いたレーダシステム等の受信器としてのダイナミクスが低下するという問題がある。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、このようなスパイクノイズが発生する場合でも、スパイクノイズの影響を受けない周波数変換回路およびこの周波数変換回路を適用したレーダシステムを提供することにある。
実施形態によれば、周波数変換回路は、第1の周波数の入力信号と第2の周波数のローカル信号とを混合する第1のミキサと、第1のミキサの出力結果を、第1の周波数と第2の周波数との和である第3の周波数において通過させる第1のフィルタと、第1のフィルタの出力結果として得られる第1の中間信号を減衰させる減衰器と、減衰された第1の中間信号に含まれる第3の周波数よりも低い周波数のノイズ成分を除去するように、減衰された第1の中間信号を、第3の周波数において通過させる第2のフィルタと、ローカル信号を、第2の周波数を整数倍するように周波数逓倍する逓倍器と、逓倍器の出力信号を、逓倍器の出力信号の周波数の所定の整数倍の周波数において通過させる第3のフィルタと、第2のフィルタの出力結果として得られる第2の中間信号と、第3のフィルタの出力信号とを混合する第2のミキサと、第2のミキサの出力結果を、第3の周波数と所定の整数倍の周波数との差である第4の周波数において通過させる第4のフィルタと、を備えることを特徴とする。
以下、図面を参照してこの発明に係る実施形態を説明する。
なお、図7乃至図10を参照して上述した内容と同様の内容および構成については説明を省略する。
なお、図7乃至図10を参照して上述した内容と同様の内容および構成については説明を省略する。
図1は、本実施形態に係るレーダシステム1の構成例を示す図である。
レーダシステム1は、例えば、アンテナ11を用いて対象物を検知するためのレーダ等を備えたシステムであり、アンテナ11の他に、増幅器12、STC回路10、およびアナログ・デジタル(A/D)変換部15を備える。
アンテナ11は、到来する信号を受信する。増幅器12は、アンテナ11で受信された受信信号を、予め設定された増幅量で増幅する。そして、増幅器12は、増幅した受信信号をSTC回路10へ出力する。
STC回路10は、増幅器12によって増幅された受信信号を、対象物との距離に応じて減衰させるための回路であり、デジタルアッテネータ回路13および周波数変換部14を備える。
デジタルアッテネータ回路13は、増幅器12によって増幅された受信信号をデジタル回路を用いて減衰させるための回路である。
周波数変換部14は、デジタルアッテネータ回路13から出力された信号の周波数を変換する。そして、周波数変換後の信号を後段のA/D変換部15に出力する。
A/D変換部15は、周波数変換部14から出力された信号をデジタル信号に変換する。
図2は、STC回路10の詳細な機能構成例を示すブロック図である。
STC回路10は、ミキサ20、ローカル信号(LO)生成部21、分配器22、フィルタ(FIL)23、デジタルアッテネータ(DATT)回路24、STC制御回路25、デジタルアッテネータ(DATT)回路26、フィルタ(FIL)27、ミキサ28、逓倍器29、フィルタ(FIL)30、およびフィルタ(FIL)31を備える。
また、例えば、デジタルアッテネータ(DATT)回路24、STC制御回路25、およびデジタルアッテネータ(DATT)回路26が、デジタルアッテネータ回路13に属する。そして、その他のSTC回路10の構成要素は、周波数変換回路14に属する。
ミキサ20は、入力信号(RF)aとローカル信号(LO)c1とを混合し、その出力結果である混合信号dをフィルタ23に出力する。より詳細には、第1の周波数の入力信号aと、第1の周波数と異なる第2の周波数のローカル信号c1とを混合する。
ローカル信号生成部21は、ミキサ20のローカルポートに供給するローカル信号bを生成するための信号源である。そして、生成されたローカル信号bを分配器22に出力する。
分配器22は、ローカル信号bをローカル信号c1およびローカル信号c2に分配する。なお、ローカル信号b、ローカル信号c1、およびローカル信号c2は、同一の周波数である。そして、ローカル信号c1をミキサ20に出力し、ローカル信号c2を逓倍器29に出力する。
フィルタ23は、混合信号dを、第1の周波数と第2の周波数との和である第3の周波数において通過させる。そして、通過してなる通過信号eをDATT24に出力する。
DATT24は、通過信号eとして得られる中間信号IF(図示せず)を減衰させる。より詳細には、後述するSTC制御回路25から送られてきた減衰量設定信号f1に応じて、中間信号IFを減衰させる。
ここで、STC制御回路25について説明する。STC制御回路25は、レーダと対象物との距離に応じて、DATT24およびDATT26の減衰量を制御する。具体的には、STC制御回路25は、対象物との距離が短くなるにつれて、減衰量が増加するように減衰量を制御する。より詳細には、STC制御回路25は、レーダシステム1と同期し、DATT24およびDATT26の各々に対する減衰(ATT)量を算出し、算出された減衰量を、それぞれ対応するDATTに出力する。より詳細には、後述するSTCモード信号wに対応した減衰量カーブを形成する減衰量設定信号f1および減衰量設定信号f2を生成し、生成された減衰量設定信号f1および減衰量設定信号f2をそれぞれ対応するDATTに出力する。
具体的には、上述したように、STC制御回路25は、レーダトリガ信号s、システムクロック信号u、およびSTCモード信号wを入力信号として、減衰量設定信号f1および減衰量設定信号f2を、それぞれDATT24およびDATT26に出力する。
レーダトリガ信号sは、レーダの送信繰り返し期間を決定する同期信号である。システムクロック信号uは、レーダトリガ信号sに同期したタイミングクロック信号である。STCモード信号wは、レーダトリガ信号sに同期しており、DATT24およびDATT26の各々の減衰量カーブの変化量を設定するための信号である。
DATT24では、図8を参照して上述したように、DATT設定信号f1の設定状態が、Low状態からHigh状態またはHigh状態からLow状態に切換えられる際、スパイクノイズ32−1が発生する。例えば、DATT24は、DATT設定信号f1に基づきDATT24の減衰量が設定された直後にスパイクノイズ32−1が発生し、このスパイクノイズ成分を含む出力信号gをDATT26に出力する。
DATT26は、出力信号gを減衰させる。より詳細には、STC制御回路25から送られてきた減衰量設定信号f2に応じて、出力信号gを減衰させる。
また、DATT26では、図8を参照して上述したように、DATT設定信号f2の設定状態が、Low状態からHigh状態またはHigh状態からLow状態に切換えられる際、スパイクノイズ32−2が発生する。従って、DATT26は、DATT設定信号f2に基づきDATT26の減衰量が設定された直後に発生するスパイクノイズ32−2を含む出力信号hをフィルタ27に出力する。
なお、図2では、STC回路10が2つのDATTを備える場合について説明したが、STC回路10が、例えばDATT26を省略して、DATT24のみを備えていてもよい。また、DATT24とDATT26との間に、1つ以上の他のDATTを備えていてもよい。この場合、1つ以上の他のDATTの各々は、DATT24およびDATT26と同様に、STC制御回路25から送られる減衰量設定信号fに基づき、減衰量を設定する。
なお、2つのDATT24およびDATT26は、それぞれ、例えば、0〜30dBの減衰量の固定アッテネータである。そして、本実施形態では、例えば中間信号IFを60dB減衰させる場合を想定し得る。このような場合、図2に示すように2つのDATT24およびDATT26において、例えばそれぞれ30dBずつ減衰させることによって、中間信号IFを合計で60dB減衰させるようにしている。
次に、フィルタ27は、減衰された第1の中間信号である出力信号hに含まれる第3の周波数よりも低い周波数のノイズ成分を除去するように、出力信号hを第3の周波数において通過させる。そして、出力信号hが第3の周波数において通過してなる通過信号を、ミキサ28に対する入力信号kとして、ミキサ28に出力する。
一方、逓倍器29は、分配器22から出力されたローカル信号c2の第2の周波数を整数倍するように、ローカル信号c2を周波数逓倍する。そして、周波数逓倍されたローカル信号c2を出力信号mとしてフィルタ30に出力する。
フィルタ30は、出力信号mを、出力信号mの周波数のうちの所定の整数倍の周波数(以下、「逓倍周波数」と称す。)において通過させる。そして、出力信号mが通過してなる通過信号nをミキサ28のローカル信号としてミキサ28に出力する。
ミキサ28は、入力信号kと、ローカル信号nとを混合する。そして、その出力結果である混合信号pをフィルタ31に出力する。
フィルタ31は、混合信号pを、第3の周波数と逓倍周波数との差である第4の周波数において通過させる。そして、混合信号pが第4の周波数において通過してなる信号をSTC回路10の出力信号rとして出力する。
なお、請求項において、第1の周波数の入力信号と第2の周波数のローカル信号とを混合する第1のミキサは、例えば、ミキサ20に対応する。第1のミキサの出力結果を、第1の周波数と第2の周波数との和である第3の周波数において通過させる第1のフィルタは、例えば、フィルタ23に対応する。第1のフィルタの出力結果として得られる第1の中間信号を減衰させる減衰器は、例えば、DATT24,26に対応する。減衰された第1の中間信号に含まれる第3の周波数よりも低い周波数のノイズ成分を除去するように、減衰された第1の中間信号を、第3の周波数において通過させる第2のフィルタは、例えば、フィルタ27に対応する。ローカル信号を、第2の周波数を整数倍するように周波数逓倍する逓倍器は、例えば、逓倍器29に対応する。逓倍器の出力信号を、逓倍器の出力信号の周波数の所定の整数倍の周波数において通過させる第3のフィルタは、例えば、フィルタ30に対応する。第2のフィルタの出力結果として得られる第2の中間信号と、第3のフィルタの出力信号とを混合する第2のミキサは、例えば、ミキサ28に対応する。第2のミキサの出力結果を、第3の周波数と所定の整数倍の周波数との差である第4の周波数において通過させる第4のフィルタは、例えば、フィルタ31に対応する。
次に、図3乃至図5を参照して、各フィルタの周波数特性について説明する。なお、ここでは、1000MHzの入力信号aを、900MHzのローカル信号bを用いて100MHzの出力信号rに、ダウンコンバートする場合について説明する。
図3は、出力信号dおよびフィルタ23の周波数特性33を示している。
図3に示すように、出力信号dは、100MHzのイメージ信号34(RF−LO)および1900MHz(RF+LO)のイメージ信号36だけでなく、例えば900MHzのローカル信号35も含まれる。
図3に示すように、出力信号dは、100MHzのイメージ信号34(RF−LO)および1900MHz(RF+LO)のイメージ信号36だけでなく、例えば900MHzのローカル信号35も含まれる。
そして、フィルタ23は、これらの信号のうちイメージ信号36を通過させるバンドバスフィルタとしての周波数特性33を有する。
なお、図3には示されていないが、混合信号dには、入力信号aの周波数の±n倍の信号と、ローカル信号bの周波数の±m倍の信号との和の周波数に対応する信号が含まれている。なお、nおよびmは、それぞれ自然数である。
図4は、出力信号hおよびフィルタ27の周波数特性40を示している。
上述したように、DATT24およびDATT26によって減衰された出力信号に、スパイクノイズが含まれる。また、スパイクノイズ成分41は、周波数にわたって一定の広がりをもつ。
上述したように、DATT24およびDATT26によって減衰された出力信号に、スパイクノイズが含まれる。また、スパイクノイズ成分41は、周波数にわたって一定の広がりをもつ。
また、1900MHzのイメージ信号42が、スパイクノイズ成分41に対応する周波数の範囲に重ならない領域に含まれる。
そして、フィルタ27は、イメージ信号42よりも低い周波数のスパイクノイズ成分41を除去するように、イメージ信号42を通過させるためのハイパスフィルタの周波数特性40を有する。
本実施形態では、フィルタ23によってイメージ信号34ではなくイメージ信号36を通過させているため、図10に示すような従来の周波数特性と異なり、図4に示すように、DATT24およびDATT26によって減衰された出力信号hに含まれるイメージ信号42がスパイクノイズ成分41とが重畳されていない。そのため、フィルタ27によってハイパスフィルタを通すことによって、S/N比を低下させることなく、イメージ信号42を通過させることができる。
図5は、混合信号pおよびフィルタ31の周波数特性50を示している。
図5に示すように、混合信号pは、100MHzのイメージ信号51(RF−LO)および3700MHz(RF+LO)のイメージ信号53だけでなく、例えば1800MHzのローカル信号52も含まれる。なお、図5において、RFは入力信号kに対応し、LOはローカル信号nに対応する。
図5に示すように、混合信号pは、100MHzのイメージ信号51(RF−LO)および3700MHz(RF+LO)のイメージ信号53だけでなく、例えば1800MHzのローカル信号52も含まれる。なお、図5において、RFは入力信号kに対応し、LOはローカル信号nに対応する。
そして、フィルタ31は、これらの信号のうちイメージ信号51を通過させるバンドパスフィルタとしての周波数特性50を有する。
なお、図4に示すように、スパイクノイズ成分41は、周波数にわたって一定の広がりをもつ。そして、図4では、このスパイクノイズ成分41は、RF+LOの和の1900MHzの周波数よりも小さい場合を示している。しかしながら、例えば、スパイクノイズ成分41がRF+LOの和の1900MHzの周波数よりも大きい場合でも本実施形態を適用できる。
例えば、ミキサ20によって得られるイメージ信号36の周波数がスパイクノイズ成分41の周波数帯域と重ならないように、ミキサ20のローカル信号の周波数を設定する。なお、スパイクノイズ成分41は、DATT24,26によって生じるスパイクノイズであり、スパイクノイズ成分41の周波数帯域は、予め分かっている。
具体的には、スパイクノイズ成分41の周波数帯域がRF+LOの和の1900MHzの周波数よりも大きい場合、ローカル信号生成部21によって生成されるローカル信号c1の周波数が900MHzの自然数倍になるように設定する。
そして、例えば、ローカル信号c1の周波数を900MHzの2倍の周波数に設定した場合、最終的にフィルタ28の混合信号pのRF−LOの周波数が100MHzになるようにするために、ミキサ28のローカル信号nの周波数を調整する。そのために、フィルタ30によって通過する周波数を、例えば、900MHzの3倍以上の周波数にする。例えば、フィルタ30によって通過する周波数を900MHzの3倍にした場合、ミキサ28のRFの周波数は1000MHz+900MHz*2(=2800MHz)であるため、ミキサ28によって得られるRF−LOの周波数は、2800MHz−2700MHz(=100MHz)になる。
ところで、図3を参照して上述したように、混合信号dには、入力信号aの周波数の±n倍の信号と、ローカル信号bの周波数、すなわちローカル信号c1の周波数の±m倍の信号との和の周波数に対応する信号が含まれている。
そのため、スパイクノイズ成分41がRF+LOの和の1900MHzの周波数よりも大きい場合、ローカル信号c1の周波数を変更しなくてもよい。
この場合、フィルタ23は、ミキサ20の出力結果である混合信号dを、入力信号aの周波数の整数倍の周波数とローカル信号c1の周波数の和である周波数、または、入力信号aの周波数とローカル信号c1の周波数の整数倍の周波数の和である周波数において通過させるようにする。
例えば、スパイクノイズ成分41の周波数帯域の上限がRF+LOの和の1900MHzの周波数の2倍の周波数である場合、1900MHzの周波数の2倍の周波数よりも高い周波数、例えば入力信号aの周波数の1倍の周波数とローカル信号c1の周波数の2倍の周波数との和の周波数よりも高い周波数、のイメージ信号をイメージ信号36とする。そして、フィルタ23は、その高い周波数において通過させたイメージ信号をイメージ信号36とする。そして、この場合、ミキサ28の入力信号kの周波数(RF)は、1000MHz+900MHz*2(=2800MHz)である。そのため、最終的にフィルタ28の混合信号pのRF−LOの周波数が100MHzになるようにするために、ミキサ28のローカル信号nの周波数を調整する。この場合、フィルタ30によって通過する周波数を900MHzの3倍の周波数にする。つまり、ミキサ28のローカル信号nの周波数(LO)が、900MHz*3(=2700MHz)になる。そして、ミキサ28の出力結果として混合信号pのRF−LOが、100MHzになる。
次に、図6を参照して、本実施形態のSTC回路10によってなされる周波数変換処理の手順の一例について説明する。
まず、ミキサ20によって第1の周波数の入力信号aと第2の周波数のローカル信号c1とが混合され、混合信号dが生成される(ステップS10)。次に、フィルタ23によって、混合信号dが、第1の周波数と第2の周波数との和である第3の周波数において通過され、通過信号eが得られる(ステップS12)。
まず、ミキサ20によって第1の周波数の入力信号aと第2の周波数のローカル信号c1とが混合され、混合信号dが生成される(ステップS10)。次に、フィルタ23によって、混合信号dが、第1の周波数と第2の周波数との和である第3の周波数において通過され、通過信号eが得られる(ステップS12)。
そして、DATT24によって、通過信号eが減衰され、その出力信号gが、さらにDATT26によって減衰され、出力信号hが得られる(ステップS14)。次に、出力信号hのうち、第3の周波数よりも低い周波数のノイズ成分を除去するように、出力信号hが、フィルタ27によって、第3の周波数において通過される(ステップS16)。
また、逓倍器29によって、ローカル信号c2が、第2の周波数を整数倍するように周波数逓倍され、出力信号mが得られる(ステップS18)。さらに、フィルタ30によって、出力信号mが、出力信号mの周波数の所定の整数倍の周波数において通過され、通過信号nが得られる(ステップS20)。
次に、ミキサ28によって、フィルタ27の出力結果である入力信号(第2の中間信号)kと、通過信号nとが混合され、混合信号pが得られる(ステップS22)。そして、フィルタ31によって、混合信号pが、第3の周波数と所定の整数倍の周波数との差である第4の周波数において通過される(ステップS24)。
なお、上述したスパイクノイズの原因に関して説明する。DATTは、減衰効果を有するが、一般に、減衰を開始させるタイミングにおいて、RF出力ラインにスパイク状のノイズを発生させる。このスパイクノイズの原因は、DATTに使用されているFET(Field Effect transistor)のゲート、ドレイン及びソース間の静電容量、PINダイオードスイッチを使用している場合はDCバイアス漏れ、直接的なデジタル信号の漏れ、並びに、ビット間のスイッチングスピードの差等に依る。
しかしながら、上述したように本実施形態のSTC回路10によれば、上記のような作用により、スパイクノイズが発生する場合でも、スパイクノイズの影響を受けない周波数変換回路およびこの周波数変換回路を適用したレーダシステムを提供することが可能となる。換言すると、スパイクノイズが発生するDATTを使用した場合でも、後段の受信系の回路等において、スパイクノイズの影響を与えないようにすることが可能となる。すなわち、スパイクノイズの振る舞いの影響を受けないロバストな回路を構成することが可能となる。
具体的には、DATT24およびDATT26によって減衰されフィルタ27によって通過されるイメージ信号42を、スパイクノイズ成分41と重畳しないようにすることが可能となる。そのため、STC回路10の出力信号rのS/N比の低下を抑えることが可能となる。そして、STC回路10を用いたレーダシステム等の受信器としてのダイナミクスの低下を抑えることが可能となる。
より詳細には、例えばスパイクノイズ成分41の周波数とイメージ信号42の周波数を分離し、周波数軸上でイメージ信号42をスパイクノイズ成分41から遠ざけることによって、スパイクノイズの影響を受けないようにすることが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…レーダシステム、10…STC回路、11…アンテナ、12…増幅器、13…デジタルアッテネータ(DATT)回路、14…周波数変換部、15…アナログ・デジタル(A/D)変換部、20…ミキサ、21…ローカル信号生成部、22…分配器、23…フィルタ、24…DATT、25…STC制御回路、26…DATT、27…フィルタ、28…ミキサ、29…逓倍器、30…フィルタ、31…フィルタ、32−1,32−2…スパイクノイズ、33…周波数特性、34…イメージ信号、35…ローカル信号、36…イメージ信号、40…周波数特性、41…スパイクノイズ成分、42…イメージ信号、50…周波数特性、51…イメージ信号、52…ローカル信号、53…イメージ信号、70…ミキサ、71…フィルタ、80,81…時間推移波形、91…周波数特性、92…イメージ信号、93…ローカル信号、94…イメージ信号
Claims (7)
- 第1の周波数の入力信号と第2の周波数のローカル信号とを混合する第1のミキサと、
前記第1のミキサの出力結果を、前記第1の周波数と前記第2の周波数との和である第3の周波数において通過させる第1のフィルタと、
前記第1のフィルタの出力結果として得られる第1の中間信号を減衰させる減衰器と、
前記減衰された第1の中間信号に含まれる前記第3の周波数よりも低い周波数のノイズ成分を除去するように、前記減衰された第1の中間信号を、前記第3の周波数において通過させる第2のフィルタと、
前記ローカル信号を、前記第2の周波数を整数倍するように周波数逓倍する逓倍器と、
前記逓倍器の出力信号を、前記逓倍器の出力信号の周波数の所定の整数倍の周波数において通過させる第3のフィルタと、
前記第2のフィルタの出力結果として得られる第2の中間信号と、前記第3のフィルタの出力信号とを混合する第2のミキサと、
前記第2のミキサの出力結果を、前記第3の周波数と前記所定の整数倍の周波数との差である第4の周波数において通過させる第4のフィルタと、
を備える周波数変換回路。 - 前記ノイズ成分は、前記減衰器によって生じるスパイクノイズであり、
前記第3の周波数が前記スパイクノイズの周波数帯域と重ならないように、前記第2の周波数を設定する請求項1に記載の周波数変換回路。 - 前記第1のフィルタは、前記第1のミキサの出力結果を、前記第1の周波数の整数倍の周波数と前記第2の周波数の和である周波数、または、前記第1の周波数と前記第2の周波数の整数倍の周波数の和である周波数において通過させる請求項1または2に記載の周波数変換回路。
- アンテナを有するレーダを用いて対象物を検知するためのレーダシステムであって、
前記アンテナによって受信された第1の周波数の受信信号と、第2の周波数のローカル信号とを混合する第1のミキサと、
前記第1のミキサの出力結果を、前記第1の周波数と前記第2の周波数との和である第3の周波数において通過させる第1のフィルタと、
前記第1のフィルタの出力結果として得られる第1の中間信号を減衰させる減衰器と、
前記レーダと前記対象物との距離に応じて、前記減衰器の減衰量を制御する制御回路と、
前記減衰された第1の中間信号に含まれる前記第3の周波数よりも低い周波数のノイズ成分を除去するように、前記減衰された第1の中間信号を、前記第3の周波数において通過させる第2のフィルタと、
前記ローカル信号を、前記第2の周波数を整数倍するように周波数逓倍する逓倍器と、
前記逓倍器の出力信号を、前記逓倍器の出力信号の周波数の所定の整数倍の周波数において通過させる第3のフィルタと、
前記第2のフィルタの出力結果として得られる第2の中間信号と、前記第3のフィルタの出力信号とを混合する第2のミキサと、
前記第2のミキサの出力結果を、前記第3の周波数と前記所定の整数倍の周波数との差である第4の周波数において通過させる第4のフィルタと、
を備えるレーダシステム。 - 前記ノイズ成分は、前記減衰器によって生じるスパイクノイズであり、
前記第3の周波数が前記スパイクノイズの周波数帯域と重ならないように、前記第2の周波数を設定する請求項4に記載のレーダシステム。 - 前記第1のフィルタは、前記第1のミキサの出力結果を、前記第1の周波数の整数倍の周波数と前記第2の周波数の和である周波数、または、前記第1の周波数と前記第2の周波数の整数倍の周波数の和である周波数において通過させる請求項4または5に記載のレーダシステム。
- 前記制御回路は、前記対象物との距離が短くなるにつれて、前記減衰量が増加するように前記減衰量を制御する請求項4乃至6の何れか1項に記載のレーダシステム。
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