JP6006552B2 - 位置予測装置、位置予測方法、および、基板処理装置 - Google Patents

位置予測装置、位置予測方法、および、基板処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、対象物に対して相対的に移動しつつ対象物に対して処理を施す処理ヘッドを備える処理装置において、処理ヘッドに対する対象物の位置を予測する技術に関する。
対象物と処理ヘッドとを相対的に移動させながら、処理ヘッドから対象物に対して光線や液滴などを出射して、対象物に対して処理を施す装置が各種存在している。例えば、フォトレジスト等の感光材料が塗布された基板を、処理ヘッドである光学ヘッドに対して相対移動させつつ、光学ヘッドから基板に対して光を照射して、基板上にパターン(回路パターン)を形成する基板処理装置が知られている。また例えば、印刷用紙を処理ヘッドであるプリントヘッドに対して相対移動させつつ、プリントヘッドから印刷用紙に対してインク滴を吐出して、印刷用紙上に画像等を形成するインクジェット方式の画像形成装置が知られている。
この類の装置においては、多くの場合、光あるいは液滴などを、対象物上の目標位置に、正確に、照射あるいは吐出できる機能が要求される。例えば、上述した基板処理装置においては、基板上の目標位置(例えば、下層パターンの形成位置)に、高精度に位置合わせされた状態で、光を照射できる機能が要求される。基板に形成すべきパターンは微細化の一途をたどっているため、基板処理装置に要求される処理精度は年々厳しくなってきている。
ところが、処理実行時においては、処理ヘッドに対する対象物の位置が、理想位置から微小にずれている場合がある。このような位置ずれが生じていると、処理ヘッドから出射された光線や液滴などを、対象物上の目標位置に正確に到達させることができない。そこで、例えば、特許文献1には、基板の面上にスペーサ材料を塗布してスペーサのパターンを形成する工程処理部を備える工程処理装置において、計測カメラで撮像した画像データに基づいて基板の位置ずれ量を特定し、さらに、計測カメラと工程処理部との相対距離を考慮して当該位置ずれ量を修正することが開示されている。また例えば、特許文献2には、タンデム方式の画像形成装置において、各色の位置ずれ検出用パターンを検出して、各カラーパターンの位置ずれ量を算出する技術が開示されている。
特開2010−79797号公報 特開2009−157056号公報
ところで、処理ヘッドに対する対象物の位置ずれは、駆動系の振動や機械誤差、対象物の状態などの各種の要因が、場合によっては複合的に作用しあうことによって生じる。このため、処理ヘッドに対する対象物の位置ずれ量は、相対移動が開始された後に、時間とともに変化する可能性があり、その変化の態様も、1回の搬送動作毎に異なったものとなっている可能性がある。このような状況においては、処理が実行される際の対象物の位置ずれ量を高精度に予測することは容易ではなく、例えば、特許文献1,2の構成においても、予測された位置ずれ量が、処理が実行される際の対象物の実際の位置ずれ量から大きく外れてしまうおそれがある。この場合、目標位置からずれた位置に処理が施されることになり、処理精度が低下してしまう。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、対象物と処理ヘッドとを相対移動させつつ対象物に処理を施すにあたって、処理ヘッドが対象物に対して処理を実行する際の対象物の位置を、十分な精度で予測できる技術を提供することを目的とする。
第1の態様は、対象物に対して相対的に移動しつつ前記対象物に対して処理を施す処理ヘッドを備える処理装置において、前記処理ヘッドが前記対象物に対して処理を実行する処理時刻における、前記処理ヘッドに対する前記対象物の位置を予測する位置予測装置であって、前記対象物と前記処理ヘッドとが相対的に移動開始された後であって前記処理時刻よりも前の時間内の複数の時刻のそれぞれを測定時刻とし、複数の測定時刻のそれぞれにおける、前記対象物の位置を測定する測定部と、前記複数の測定時刻のそれぞれにおける前記対象物の測定位置に基づいて、前記処理時刻の前記対象物の位置を予測する予測部と、を備え、前記測定部が、前記処理ヘッドに対して固定され、前記対象物を撮像する撮像ユニットと、前記複数の測定時刻のそれぞれにおいて、前記撮像ユニットに前記対象物を撮像させる撮像制御部と、前記撮像ユニットが取得した撮像データを解析して、当該撮像データが取得された測定時刻における前記対象物の位置を特定して、前記対象物の測定位置として取得する解析処理部と、を備え、前記撮像ユニットが、複数の撮像部を備え、前記複数の撮像部が、前記処理ヘッドが前記対象物に対して相対移動される移動方向について、前記処理ヘッドの下流側において、前記移動方向に沿って配列されており、前記撮像制御部が、前記複数の撮像部のそれぞれが、前記対象物上の特徴部分の上方に到達する時刻に、当該撮像部に前記特徴部分を撮像させる
第2の態様は、第1の態様に係る位置予測装置であって、前記予測部が、前記複数の測定時刻のうちの1以上の測定時刻と前記処理時刻とを対象時刻とし、処理パラメータを含む予測モデルを用いて、前記対象時刻における前記対象物の位置を、当該対象時刻よりも前の2個以上の測定時刻のそれぞれにおける前記対象物の測定位置に基づいて、予測する予測位置算出部と、前記予測位置算出部が、前記複数の測定時刻のいずれかを対象時刻として前記対象物の位置を予測した場合に、得られた予測位置と、当該対象時刻とされた測定時刻における前記対象物の測定位置との差分を算出して、予測誤差として取得する予測誤差取得部と、前記予測誤差をゼロに近づけるように、前記処理パラメータを調整するパラメータ調整部と、前記予測位置算出部が、前記処理時刻を対象時刻として、前記パラメータ調整部によって調整された処理パラメータを含む前記予測モデルを用いて、前記対象物の位置を予測した場合に、得られた予測位置を、最終予測位置として出力する出力部と、を備える。
第3の態様は、第2の態様に係る位置予測装置であって、前記予測部が、前記予測位置算出部を複数備え、前記複数の予測位置算出部が、互いに異なる予測モデルを用いて前記対象物の位置を予測し、前記出力部が、前記複数の予測モデルのそれぞれを用いて取得された前記予測位置について算出された前記予測誤差に基づいて、前記複数の予測モデルのそれぞれを評価する評価部、をさらに備え、前記複数の予測モデルのうち、前記評価部によって肯定的評価を与えられた予測モデルを用いて取得された、前記処理時刻における前記対象物の前記予測位置を、前記最終予測位置として出力する。
の態様は、対象物に対して相対的に移動しつつ前記対象物に対して処理を施す処理ヘッドを備える処理装置において、前記処理ヘッドが前記対象物に対して処理を実行する処理時刻における、前記処理ヘッドに対する前記対象物の位置を予測する位置予測方法であって、a)前記対象物と前記処理ヘッドとが相対的に移動開始された後であって前記処理時刻よりも前の時間内の複数の時刻のそれぞれを測定時刻とし、複数の測定時刻のそれぞれにおける、前記対象物の位置を測定する工程と、b)前記a)工程で取得された前記複数の測定時刻のそれぞれにおける前記対象物の測定位置に基づいて、前記処理時刻の前記対象物の位置を予測する工程と、を備え、前記a)工程が、a1)前記処理ヘッドに対して固定された撮像ユニットに、前記複数の測定時刻のそれぞれにおいて、前記対象物を撮像させる工程と、a2)前記撮像ユニットが取得した撮像データを解析して、当該撮像データが取得された測定時刻における前記対象物の位置を特定して、前記対象物の測定位置として取得する工程と、を備え、前記撮像ユニットが、複数の撮像部を備え、前記複数の撮像部が、前記処理ヘッドが前記対象物に対して相対移動される移動方向について、前記処理ヘッドの下流側において、前記移動方向に沿って配列されており、前記a1)工程において、前記複数の撮像部のそれぞれが、前記対象物上の特徴部分の上方に到達する時刻に、当該撮像部に前記特徴部分を撮像させる。
の態様は、第の態様に係る位置予測方法であって、前記b)工程が、b1)前記複数の測定時刻のうちの1以上の測定時刻と前記処理時刻とを対象時刻とし、処理パラメータを含む予測モデルを用いて、前記対象時刻における前記対象物の位置を、当該対象時刻よりも前の2個以上の測定時刻のそれぞれにおける前記対象物の測定位置に基づいて、予測する工程と、b2)前記b1)工程で、前記複数の測定時刻のいずれかを対象時刻として前記対象物の位置が予測された場合に、得られた予測位置と、当該対象時刻とされた測定時刻における前記対象物の測定位置との差分を算出して、予測誤差として取得する工程と、b3)前記予測誤差をゼロに近づけるように、前記処理パラメータを調整する工程と、b4)前記b1)工程で、前記処理時刻を対象時刻として、前記b3)工程で調整された処理パラメータを含む前記予測モデルを用いて、前記対象物の位置が予測された場合に、得られた予測位置を、最終予測位置として出力する工程と、を備える。
の態様は、第の態様に係る位置予測方法であって、前記b1)工程において、前記対象時刻における前記対象物の位置を、互いに異なる複数の予測モデルのそれぞれを用いて予測し、前記b)工程が、b5)前記複数の予測モデルのそれぞれを用いて取得された前記予測位置について算出された前記予測誤差に基づいて、前記複数の予測モデルのそれぞれを評価する工程、をさらに備え、前記b4)工程において、前記b5)工程で肯定的評価を与えられた予測モデルを用いて取得された、前記処理時刻における前記対象物の前記予測位置を、前記最終予測位置として出力する。
の態様は、基板処理装置であって、基板に対して光を照射してパターンを露光する処理ヘッドと、前記基板と前記処理ヘッドとを相対的に移動させる駆動機構と、前記処理ヘッドが基板に対して光を照射する処理時刻における、前記処理ヘッドに対する基板の位置を予測する位置予測部と、前記位置予測部が予測した、前記処理時刻における前記基板の位置に基づいて、前記処理ヘッドからの光の照射位置を補正する補正部と、を備え、前記位置予測部が、前記基板と前記処理ヘッドとが相対的に移動開始された後であって前記処理時刻よりも前の時間内の複数の時刻のそれぞれを測定時刻とし、複数の測定時刻のそれぞれにおける、前記対象物の位置を測定する測定部と、前記複数の測定時刻のそれぞれにおける前記対象物の測定位置に基づいて、前記処理時刻の前記対象物の位置を予測する予測部と、を備え、前記測定部が、前記処理ヘッドに対して固定され、前記対象物を撮像する撮像ユニットと、前記複数の測定時刻のそれぞれにおいて、前記撮像ユニットに前記対象物を撮像させる撮像制御部と、前記撮像ユニットが取得した撮像データを解析して、当該撮像データが取得された測定時刻における前記対象物の位置を特定して、前記対象物の測定位置として取得する解析処理部と、を備え、前記撮像ユニットが、複数の撮像部を備え、前記複数の撮像部が、前記処理ヘッドが前記対象物に対して相対移動される移動方向について、前記処理ヘッドの下流側において、前記移動方向に沿って配列されており、前記撮像制御部が、前記複数の撮像部のそれぞれが、前記対象物上の特徴部分の上方に到達する時刻に、当該撮像部に前記特徴部分を撮像させる。
第1、第の態様によると、対象物と処理ヘッドとが相対的に移動開始された後の複数の測定時刻のそれぞれにおける、対象物の測定位置に基づいて、処理時刻の対象物の位置を予測する。この構成によると、相対移動の開始後の対象物の変位状況を加味して対象物の位置を予測することができる。したがって、処理が実行される際の対象物の位置を十分な精度で予測できる。
また、複数の測定時刻のそれぞれにおいて、撮像ユニットが対象物を撮像し、取得された撮像データに基づいて、各測定時刻の対象物の測定位置が特定される。この構成によると、複数の測定時刻のそれぞれにおける、対象物の測定位置を、簡易な構成で取得することができる。
第2、第の態様によると、測定時刻における対象物の位置が予測モデルを用いて予測される。そして、得られた予測位置と実際の測定位置との差分をゼロに近づけるように、予測モデルに含まれる処理パラメータが調整される。この構成によると、予測モデルに含まれる処理パラメータが、相対移動の開始後の対象物の変位状況に応じたものに調整されていくので、予測精度をより向上させることができる。
第3、第の態様によると、互いに異なる複数の予測モデルのそれぞれを用いて対象物の位置が予測され、当該複数の予測モデルのうち、肯定的評価を与えられた予測モデルを用いて取得された予測位置が、最終予測位置として出力される。この構成によると、対象物の様々な変位状況に幅広く対応することが可能となり、高い汎用性が実現される。また、相対移動の開始後の対象物の変位状況に最もよく合致した予測モデルを用いて取得された予測位置が、最終予測位置として出力されることになるので、高い予測精度を安定して実現することができる。
の態様によると、基板と処理ヘッドとが相対的に移動開始された後の複数の測定時刻のそれぞれにおける、基板の測定位置に基づいて、処理時刻の基板の位置を予測する。この構成によると、相対移動の開始後の基板の変位状況を加味して基板の位置を予測することができる。したがって、処理が実行される際の基板の位置を十分な精度で予測できる。その結果、処理ヘッドから、基板上の目標位置に正確に光を照射することができる。
また、複数の測定時刻のそれぞれにおいて、撮像ユニットが対象物を撮像し、取得された撮像データに基づいて、各測定時刻の対象物の測定位置が特定される。この構成によると、複数の測定時刻のそれぞれにおける、対象物の測定位置を、簡易な構成で取得することができる。

位置予測装置を搭載した処理装置の概略構成を模式的に示す図である。 制御部のハードウエア構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る位置予測装置が備える構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る位置予測処理の流れを説明するための模式図である。 第1実施形態に係る位置予測処理の流れを説明するための模式図である。 第1実施形態に係る位置予測処理の流れを説明するための模式図である。 第1実施形態に係る位置予測処理の流れを説明するための模式図である。 第1実施形態に係る位置予測処理の流れを説明するための模式図である。 第1実施形態に係る位置予測処理の流れを説明するための模式図である。 第1実施形態に係る位置予測処理の流れを説明するための模式図である。 第2実施形態に係る位置予測装置が備える構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係る位置予測処理の流れを説明するための模式図である。 第2実施形態に係る位置予測処理の流れを説明するための模式図である。 第2実施形態に係る位置予測処理の流れを説明するための模式図である。 第2実施形態に係る位置予測処理の流れを説明するための模式図である。 第2実施形態に係る位置予測処理の流れを説明するための模式図である。 第2実施形態に係る位置予測処理の流れを説明するための模式図である。 第2実施形態に係る位置予測処理の流れを説明するための模式図である。 変形例に係る位置予測処理の流れを説明するための模式図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
<I.第1の実施の形態>
<1.処理装置100>
第1の実施の形態に係る位置予測装置1が搭載される処理装置100の構成について、図1、図2を参照しながら説明する。図1は、位置予測装置1を搭載した処理装置100の概略構成を模式的に示す図である。図2は、制御部105のハードウエア構成を示すブロック図である。
処理装置100は、対象物9を載置するステージ101と、ステージ101の上方に配置され、処理装置100の基体部110に対して固定されている処理ヘッド102と、ステージ101を基体部110に対して(すなわち、処理ヘッド102に対して)移動させる駆動機構103とを備える。
処理装置100においては、駆動機構103が、対象物9を載置したステージ101を移動させつつ(この実施の形態においては、例えば、+X方向に移動させつつ)、処理ヘッド102が、対象物9に対する処理を実行する。つまり、処理ヘッド102は、対象物9に対して−X方向に相対移動しながら、対象物9の各位置に対する処理を次々と実行する。
処理ヘッド102は、例えば、基板(具体的には、レジスト等の感光材料の層が形成された基板)上にパターン(例えば、回路パターン)を露光(描画)する描画ヘッドである。この場合、処理ヘッド102は、具体的には、基板に描画すべきパターンを記述したデータであるパターンデータ(具体的には、例えば、CAD(computer aided design)を用いて生成されたCADデータをラスタライズしたデータ)に応じて光を空間変調し、当該空間変調された光を、対象物9である基板に照射する。ただし、当該処理ヘッド102は、例えば、回折格子型の光変調素子であるGLV(Grating Light Valve:グレーチング・ライト・バルブ)(「GLV」は登録商標)を用いて、光を空間変調する構成とすることができる。このような処理ヘッド102を備える場合、処理装置100は、基板処理装置(具体的には、描画装置)を構成することになる。すなわち、描画装置である処理装置100においては、処理ヘッド102である描画ヘッドが、対象物9である基板に対して相対移動しながら、基板の各位置に光を照射することによって、基板に対するパターンの描画処理が行われる。
処理装置100には、位置予測装置1が搭載されている。位置予測装置1は、処理ヘッド102から対象物9への処理が実行される時刻(処理時刻)における、処理ヘッド102に対する対象物9の相対位置を、予測する。位置予測装置1の構成および動作は、後に説明する。
また、処理装置100は、位置予測装置1から出力された対象物9の予測位置に基づいて、処理ヘッド102の処理位置を補正する、補正部104を備える。補正部104は、具体的には、例えば、位置予測装置1から出力された、処理時刻における対象物9の予測位置に基づいて、当該処理時刻における、対象物9の理想位置からのずれ量を算出して、これを「位置ずれ量」として取得する。そして、補正部104は、当該処理時刻における処理ヘッド102の処理位置(処理ヘッド102が例えば描画ヘッドである場合は、光の照射位置)を、当該位置ずれ量だけずらすように補正する。これによって、対象物9の目標位置に正確に処理が施されることになる。
なお、処理ヘッド102が、例えば、描画ヘッドである場合、補正部104は、例えば、描画ヘッドから出射される光の経路上に配置された光学部品(例えば、ガラス板)と、当該光学部品の姿勢を変更する駆動機構とを含んで構成すればよい。この場合、駆動機構が光学部品の姿勢を変更することによって、描画ヘッドから出射される光が基板に入射する位置を、所望の量だけずらすことができる。すなわち、光の照射位置を所望の量だけ補正することができる。
また、処理装置100は、これが備える各部と電気的に接続され、各種の演算処理を実行しつつ処理装置100の各部の動作を制御する制御部105を備える。
制御部105は、図2に示されるように、例えば、CPU151、ROM152、RAM153、記憶装置154等が、バスライン155を介して相互接続された一般的なコンピュータによって構成されている。ROM152は基本プログラム等を格納しており、RAM153はCPU151が所定の処理を行う際の作業領域として供される。記憶装置154は、フラッシュメモリ、あるいは、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置によって構成されている。記憶装置154には処理プログラムP0が格納されており、この処理プログラムP0に記述された手順に従って、主制御部としてのCPU151が演算処理を行うことにより、各種機能が実現されるように構成されている。処理プログラムP0は、通常、予め記憶装置154等のメモリに格納されて使用されるものであるが、CD−ROMあるいはDVD−ROM、外部のフラッシュメモリ等の記録媒体に記録された形態(プログラムプロダクト)で提供され(あるいは、ネットワークを介した外部サーバからのダウンロードなどにより提供され)、追加的または交換的に記憶装置154等のメモリに格納されるものであってもよい。なお、制御部105において実現される一部あるいは全部の機能は、専用の論理回路等でハードウエア的に実現されてもよい。また、制御部105では、入力部156、表示部157、通信部158もバスライン155に接続されている。入力部156は、各種スイッチ、タッチパネル等により構成されており、オペレータから各種の入力設定指示を受け付ける。表示部157は、液晶表示装置、ランプ等により構成されており、CPU151による制御の下、各種の情報を表示する。通信部158は、LAN等を介したデータ通信機能を有する。
<2.位置予測装置1>
位置予測装置1は、上述したとおり、処理装置100に搭載されて、処理ヘッド102から対象物9への処理が実行される処理時刻における、処理ヘッド102に対する対象物9の相対位置を予測する。なお、以下の説明においては、位置予測装置1が予測対象とする処理時刻は、処理ヘッド102が対象物9に対する処理を開始する時刻(後述する「処理開始時刻」)であるとする。
位置予測装置1の構成について、図1、図2に加えて、図3を参照しながら説明する。図3は、位置予測装置1が備える構成を示すブロック図である。
位置予測装置1は、対象物9の位置を測定する測定部10と、測定部10が取得した対象物9の測定位置に基づいて対象物9の位置を予測する予測部20とを備える。測定部10が備える撮像制御部12および解析処理部13と、予測部20とは、例えば、制御部105の記憶装置154に格納された位置予測プログラムP1に記述された手順に従って、主制御部としてのCPU151が演算処理を行うことにより、実現される。位置予測プログラムP1は、通常、予め記憶装置154等のメモリに格納されて使用されるものであるが、CD−ROMあるいはDVD−ROM、外部のフラッシュメモリ等の記録媒体に記録された形態(プログラムプロダクト)で提供され(あるいは、ネットワークを介した外部サーバからのダウンロードなどにより提供され)、追加的または交換的に記憶装置154等のメモリに格納されるものであってもよい。また、これら各機能部10,20の一部あるいは全部は、専用の論理回路等でハードウエア的に実現されてもよい。
<i.測定部10>
測定部10は、対象物9と処理ヘッド102とが相対的に移動開始された後であって予測対象となる処理時刻(ここでは、処理開始時刻)よりも前の時間内の複数の時刻のそれぞれを「測定時刻」とし、複数の測定時刻のそれぞれにおける、対象物9の位置を測定する。測定部10は、具体的には、撮像ユニット11と、撮像制御部12と、解析処理部13とを備える。
<撮像ユニット11>
撮像ユニット11は、処理ヘッド102に対して固定されて、ステージ101上の対象物9を撮像する。撮像ユニット11は、n個(ただし、nは、2以上の整数であり、例えば、n=10)の撮像部111を備える。
n個の撮像部111のそれぞれは、ステージ101上の対象物9の面内領域を撮像する機構であり、互いに同じ構成を備える。すなわち、各撮像部111は、例えばLEDにより構成される光源と、鏡筒と、対物レンズと、エリアアイメージセンサ(二次元イメージセンサ)により構成されるCCDイメージセンサとを含んで構成される。この構成において、各撮像部111は、後述する撮像制御部12からの指示に応じて、ステージ101上の対象物9を撮像して、対象物9の面内領域(当該撮像部111の真下の領域)を撮像した二次元の画像データ(撮像データ)を取得する。
n個の撮像部111は、処理ヘッド102に対して固定されている。したがって、駆動機構103がステージ101を移動させると、複数の撮像部111も、処理ヘッド102と一体となって、対象物9に対して相対移動する。
また、n個の撮像部111のそれぞれは、X軸に沿って一列に配列された状態で、処理ヘッド102の−X側に配置されている。上述したとおり、処理ヘッド102は、対象物9に対して−X方向に相対移動しながら、対象物9に対する処理を実行する。つまり、n個の撮像部111は、処理ヘッド102が、処理実行時に、対象物9に対して相対移動される移動方向について、処理ヘッド102の下流側において、当該移動方向に沿って配列される。なお、n個の撮像部111は、一定の間隔をあけて配列されていてもよいし、例えば、処理ヘッド102に近づくほど間隔が小さくなるように配列されてもよい。
いま、ステージ101に載置された対象物9には、その面内に規定される処理対象領域の+X側の端部(すなわち、処理開始位置)の付近に、位置検出用のマーク(具体的には、例えば、十字状のマーク)Mが付されているとする。測定部10は、このマークMを対象物9上の特徴部分としてとらえ、当該特徴部分であるマークMを検出することによって、対象物9の位置を検出する。
処理装置100にて、対象物9に対する処理が実行される際には、まず、対象物9上のマークMが、最も−X側の撮像部111の真下よりも−X側に配置された状態とされ(図1に示される状態であり、以下「移動開始状態」ともいう)、この状態で、駆動機構103がステージ101を+X方向に移動開始する。ステージ101が+X方向に移動開始されると、n個の撮像部111と処理ヘッド102とは、対象物9に対して−X方向に相対移動開始されることになる。そして、まず、最も−X側の撮像部111がマークMの上方を通過し(図4に示される状態)、続いて、−X側から2番目の撮像部111がマークMの上方を通過し(図5に示される状態)、といった具合に、各撮像部111が次々とマークMの上方を通過する。そして、最も+X側の撮像部(第n撮像部)111がマークMの上方を通過した後に、処理ヘッド102が処理開始位置の真上に到達する(図10に示される状態)。処理ヘッド102が処理開始位置の真上に到達した時点で、処理ヘッド102が対象物9に対する処理(処理ヘッド102が例えば描画ヘッドである場合は、対象物9である基板に対する光の照射)が開始されることになる。
ここで、移動開始状態からステージ101の移動が開始される時刻(すなわち、処理ヘッド102と対象物9との相対移動が開始される時刻)を、「移動開始時刻」ともいう。また、処理ヘッド102が処理開始位置の真上に到達する時刻(すなわち、処理ヘッド102が対象物9に対する処理を開始する時刻)を、「処理開始時刻」ともいう。つまり、処理装置100においては、移動開始時刻の後であって、処理開始時刻の前の時間内において、各撮像部111がマークMの上方を次々と通過することになるところ、各撮像部111がマークMの上方を通過する各時刻が、「測定時刻」とされる。
<撮像制御部12>
撮像制御部12は、撮像ユニット11を制御して、複数の測定時刻のそれぞれにおける、対象物9の撮像データを取得させる。すなわち、上述したとおり、移動開始状態から、ステージ101が+X方向に移動開始されると、n個の撮像部111のそれぞれが、順にマークMの上方を通過していくところ、撮像制御部12は、各撮像部111が、マークMの上方に到達する時刻に(すなわち、当該撮像部111の撮像領域内にマークMが捉えられたタイミングで)、当該マークMの上方にある撮像部111に、対象物9の面内領域を撮像させる。すなわち、当該撮像部111に、対象物9の特徴部分であるマークMを撮像させる。これによって、n個の撮像部111のそれぞれから、互いに異なる測定時刻の対象物9の撮像データ(具体的には、対象物9上のマークMを撮像した撮像データ)が取得されることになる。
<解析処理部13>
解析処理部13は、撮像ユニット11が次々と取得する撮像データを解析して、当該撮像データが取得された測定時刻の対象物9の位置を、特定する。具体的には、解析処理部13は、例えば、撮像部111が取得した撮像データと、記憶装置154に予め格納されているテンプレート画像データとのパターンマッチングを行って、当該撮像データからマークMを検出する。マークMが検出されると、解析処理部13は、さらに、当該マークMの位置を特定し、当該特定された位置を、当該撮像データが取得された測定時刻における対象物9の測定位置として取得する。ただし、この測定位置(および、測定位置に基づいて算出される予測位置)は、例えば、基体部110上に規定された直交座標系で規定される二次元座標位置で表される情報であり、処理ヘッド102に対する対象物9の相対位置を示している。
上述したとおり、撮像ユニット11からは、複数の測定時刻のそれぞれで撮像された対象物9の撮像データが次々と取得される。したがって、解析処理部13が、当該次々と取得される撮像データを次々と解析することによって、複数の測定時刻のそれぞれにおける、対象物9の測定位置が取得されることになる。
<ii.予測部20>
予測部20は、測定部10が取得した、複数の測定時刻のそれぞれにおける対象物9の測定位置に基づいて、処理開始時刻の対象物9の位置を予測する。予測部20は、具体的には、予測位置算出部21と、予測誤差取得部22と、パラメータ調整部23と、出力部24とを備える。
<予測位置算出部21>
予測位置算出部21は、処理パラメータを含む予測モデルを用いて、対象時刻における対象物9の位置を、当該対象時刻よりも前の2個以上(この実施形態においては、2個)の測定時刻のそれぞれにおける対象物9の測定位置に基づいて、予測する。ただし、ここでは、3番目以降の測定時刻の全てと処理開始時刻とが、対象時刻とされる。
予測位置算出部21は、より具体的には、測定部10が、ある測定時刻(現測定時刻)の対象物9の測定位置を取得した場合に、現測定時刻の対象物9の測定位置と、現測定時刻の前の測定時刻の対象物9の測定位置とに基づいて、現測定時刻の次の測定時刻(現測定時刻が最後の測定時刻の場合は、処理開始時刻)の対象物9の位置を予測する。なお、予測位置算出部21は、対象物9の位置を予測するにあたって、必要に応じて、駆動機構103から、各種の情報(例えば、各測定時刻におけるステージ101の移動速度などの情報)を取得し、当該情報を考慮して、対象物9の位置を予測してもよい。
予測位置算出部21が用いる予測モデルは、どのようなものであってもよい。例えば、対象物9が、水平面内において進行方向と直交する方向に振動していると仮定した予測モデルを採用することができる。また例えば、対象物9が、水平面内において進行方向と平行な方向に振動していると仮定した予測モデルを採用することができる。また例えば、方向や振動数等が異なる複数の振動成分が合成された振動が発生していると仮定した予測モデルを採用することも可能である。これらの各予測モデルにおいては、例えば、振動成分の振動数、振幅、初期位相などが、処理パラメータとして含まれてもよい。また例えば、対象物9が、水平面内において、X軸と非平行な直線軸に沿って進行していると仮定した予測モデルを採用することができる。また例えば、X軸と非平行な直線軸に沿って進行しつつ、振動していると仮定した予測モデルを採用することができる。これらの予測モデルにおいては、例えば、X軸と非平行な直線軸がX軸に対してなす角度が処理パラメータとして含まれてもよい。
<予測誤差取得部22>
予測誤差取得部22は、ある測定時刻についての対象物9の予測位置(すなわち、予測位置算出部21が予測モデルを用いて予測した対象物9の位置)と、当該測定時刻についての対象物9の測定位置(すなわち、測定部10が実際に測定して取得した対象物9の位置)との差分を算出して、当該測定時刻における予測モデルの予測誤差として取得する。
<パラメータ調整部23>
パラメータ調整部23は、ある測定時刻における予測モデルの予測誤差が、ゼロ以外の場合(あるいは、許容値を超えている場合)に、当該予測誤差をゼロに近づけるように、当該予測モデルに含まれる処理パラメータを調整する。すなわち、予測誤差をゼロに近づけるように、処理パラメータの最適化を行う。
ただし、パラメータ調整部23が処理パラメータを変更した場合は、予測位置算出部21は、以後は、当該変更後の処理パラメータを含む予測モデルを用いて、対象物9の位置を予測する。そして、得られた予測位置について算出された予測誤差に応じて、再度、パラメータ調整部23が処理パラメータの調整を行う。このようにして、各測定時刻についての予測誤差が取得される度に、予測モデルに含まれる処理パラメータの調整が重ねられていく。処理パラメータの調整が重ねられるにつれて、当該予測モデルが、相対移動の開始後の対象物9の変位状況に応じたものとなっていく。すなわち、予測モデルの予測精度が、高まっていく。
<出力部24>
出力部24は、予測位置算出部21が、予測モデルを用いて取得した、処理開始時刻における対象物9の予測位置を、最終予測位置として出力する。ただし、上述したとおり、予測位置算出部21が処理開始時刻における対象物9の位置を予測する前に、これに用いられる予測モデルに含まれる処理パラメータの調整が重ねられている。すなわち、処理開始時刻における対象物9の位置は、パラメータ調整部23によって調整が重ねられた処理パラメータを含む予測モデルを用いて、予測される。したがって、得られた予測位置は、信頼性の高い値となっている。
出力部24は、予測モデルを評価する評価部241を備える。評価部241は、複数の測定時刻のそれぞれにおける予測誤差を蓄積し、当該蓄積された一群の予測誤差に基づいて、予測モデルを評価する。具体的には、評価部241は、例えば、予測誤差が、ある時間以降は、定められた許容範囲(例えば、絶対値が所定の閾値以下の範囲)内に収まっている場合(好ましくは、ゼロに収束している場合)に、予測モデルに肯定的な評価を与える。
出力部24は、評価部241が予測モデルに対して否定的な評価を与えた場合、最終予測位置の出力に代えて(あるいは、当該出力と併せて)、所定のエラー処理を行う。エラー処理は、具体的には、例えば、位置予測処理が失敗した旨のメッセージを、表示部157に表示させる処理とすればよい。
<3.処理の流れ>
位置予測装置1が、処理開始時刻における対象物9の位置を予測する処理(位置予測処理)の流れについて、図4〜図10を参照しながら具体的に説明する。図4〜図10は、位置予測処理の流れを説明するための模式図であり、互いに異なる時刻における処理の様子がそれぞれ模式的に示されている。なお、図4〜図10においては、各処理部21,22,23が各時刻に行う処理が1個のブロックにて模式的に示されている。
上述したとおり、処理実行時には、まず、対象物9上のマークMが、最も−X側の撮像部111の真下よりも−X側に配置された移動開始状態とされ(図1参照)、この状態で駆動機構103がステージ101を+X方向に移動開始する(移動開始時刻)。すると、n個の撮像部111が次々とマークMの上方を通過した後に(すなわち、n個の測定時刻を経た後に)、処理ヘッド102が処理開始位置の真上に到達し、この時点で、処理ヘッド102から対象物9に対する処理が開始される(処理開始時刻)。以下において、−X側から数えてi番目(i=1,2,・・,n)の撮像部111がマークMの上方を通過する時刻(測定時刻)を、「測定時刻t(i)」と示し、処理ヘッド102が処理開始位置の真上に到達する時刻(処理開始時刻)を、「処理開始時刻t(n+1)」と示す。
<測定時刻t(1)>
移動開始時刻からある時間が経過すると、図4に示されるように、−X側から数えて1番目の撮像部111がマークMの上方を通過する(測定時刻t(1))。すると、撮像制御部12が、マークMの真上にある撮像部111に対象物9の面内領域を撮像させる。これによって、測定時刻t(1)における、対象物9の撮像データが取得される。撮像データが取得されると、続いて、解析処理部13が、当該撮像データを解析して、測定時刻t(1)の対象物9の測定位置A(1)を取得する。取得された測定位置A(1)は、予測位置算出部21に入力される。
<測定時刻t(2)>
測定時刻t(1)からさらにある時間が経過すると、図5に示されるように、−X側から数えて2番目の撮像部111がマークMの上方を通過する(測定時刻t(2))。すると、撮像制御部12が、マークMの真上にある撮像部111に対象物9の面内領域を撮像させる。これによって、測定時刻t(2)における、対象物9の撮像データが取得される。撮像データが取得されると、続いて、解析処理部13が、当該撮像データを解析して、測定時刻t(2)の対象物9の測定位置A(2)を取得する。取得された測定位置A(2)は、予測位置算出部21に入力される。
予測位置算出部21は、測定時刻t(2)の測定位置A(2)を取得すると、当該測定位置A(2)と、先に取得していた測定時刻t(1)の測定位置A(1)とに基づいて、測定時刻t(3)の対象物9の位置を予測して、予測位置B(3)として取得する。取得された予測位置B(3)は、予測誤差取得部22に入力される。
<測定時刻t(3)>
測定時刻t(2)からさらにある時間が経過すると、図6に示されるように、−X側から数えて3番目の撮像部111がマークMの上方を通過する(測定時刻t(3))。すると、撮像制御部12が、マークMの真上にある撮像部111に対象物9の面内領域を撮像させる。これによって、測定時刻t(3)における、対象物9の撮像データが取得される。撮像データが取得されると、続いて、解析処理部13が、当該撮像データを解析して、測定時刻t(3)の対象物9の測定位置A(3)を取得する。取得された測定位置A(3)は、予測位置算出部21と予測誤差取得部22とに入力される。
予測位置算出部21は、測定時刻t(3)の測定位置A(3)を取得すると、当該測定位置A(3)と、先に取得していた時刻t(2)の測定位置A(2)とに基づいて、測定時刻t(4)の対象物9の位置を予測して、予測位置B(4)として取得する。取得された予測位置B(4)は、予測誤差取得部22に入力される。
一方、予測誤差取得部22は、測定時刻t(3)の測定位置A(3)を取得すると、当該測定位置A(3)と、先に取得していた測定時刻t(3)の予測位置B(3)との差分を算出して、測定時刻t(3)の予測誤差C(3)として取得する。取得された予測誤差C(3)は、パラメータ調整部23に入力されるとともに、評価部241に蓄積される。
パラメータ調整部23は、測定時刻t(3)の予測誤差C(3)を取得すると、当該予測誤差C(3)をゼロに近づけるように、予測位置算出部21が予測に用いる予測モデルに含まれる処理パラメータを調整する。パラメータ調整部23が処理パラメータを調整した場合、予測位置算出部21は、以後は、調整後の処理パラメータを含む予測モデルを用いて、対象物9の位置を予測する。
<測定時刻t(i)(i=4,5,・・,n−1)>
測定時刻t(4)(図7に示される状態)、測定時刻t(5),・・・,測定時刻t(n−1)(図8に示される状態)のそれぞれにおいて行われる処理は、上述した測定時刻t(3)において行われる処理と同様である。
すなわち、測定時刻t(i−1)からさらにある時間が経過すると、−X側から数えてi番目の撮像部111がマークMの上方を通過する(測定時刻t(i))。すると、撮像制御部12が、マークMの真上にある撮像部111に対象物9の面内領域を撮像させる。これによって、測定時刻t(i)における、対象物9の撮像データが取得される。撮像データが取得されると、続いて、解析処理部13が、当該撮像データを解析して、測定時刻t(i)の対象物9の測定位置A(i)を取得する。取得された測定位置A(i)は、予測位置算出部21と予測誤差取得部22とに入力される。
予測位置算出部21は、測定時刻t(i)の測定位置A(i)を取得すると、当該測定位置A(i)と、先に取得していた時刻t(i−1)の測定位置A(i−1)とに基づいて、測定時刻t(i+1)の対象物9の位置を予測して、予測位置B(i+1)として取得する。取得された予測位置B(i+1)は、予測誤差取得部22に入力される。
一方、予測誤差取得部22は、測定時刻t(i)の測定位置A(i)を取得すると、当該測定位置A(i)と、先に取得していた測定時刻t(i)の予測位置B(i)との差分を算出して、測定時刻t(i)の予測誤差C(i)として取得する。取得された予測誤差C(i)は、パラメータ調整部23に入力されるとともに、評価部241に蓄積される。
パラメータ調整部23は、測定時刻t(i)の予測誤差C(i)を取得すると、当該予測誤差C(i)をゼロに近づけるように、予測位置算出部21が予測に用いる予測モデルに含まれる処理パラメータを調整する。
<測定時刻t(n)>
測定時刻t(n−1)からさらにある時間が経過すると、図9に示されるように、最も+X側の撮像部111がマークMの上方を通過する(測定時刻t(n))。すると、撮像制御部12が、マークMの真上にある撮像部111に対象物9の面内領域を撮像させる。これによって、測定時刻t(n)における、対象物9の撮像データが取得される。撮像データが取得されると、続いて、解析処理部13が、当該撮像データを解析して、測定時刻t(n)の対象物9の測定位置A(n)を取得する。取得された測定位置A(n)は、予測位置算出部21と予測誤差取得部22とに入力される。
予測位置算出部21は、測定時刻t(n)の測定位置A(n)を取得すると、当該測定位置A(n)と、先に取得していた時刻t(n−1)の測定位置A(n−1)とに基づいて、処理開始時刻t(n+1)の対象物9の位置を予測して、予測位置B(n+1)として取得する。取得された予測位置B(n+1)は、出力部24に入力される。
一方、予測誤差取得部22は、測定時刻t(n)の測定位置A(n)を取得すると、当該測定位置A(n)と、先に取得していた測定時刻t(n)の予測位置B(n)との差分を算出して、測定時刻t(n)の予測誤差C(n)として取得する。取得された予測誤差C(n)は、出力部24に入力される。
出力部24は、処理開始時刻t(n+1)における対象物9の予測位置B(n+1)を取得すると、当該取得した予測位置B(n+1)の値を、最終予測位置として出力する。ただし、最終予測位置の出力に先立って、評価部241が、蓄積された一群の予測誤差C(i)(i=3,4,・・,n)(すなわち、測定時刻t(3),t(4),・・,t(n)のそれぞれの予測誤差C(3),C(4),・・,C(n))に基づいて、予測モデルを評価している。評価部241が、予測モデルに対して否定的な評価を与えている場合、出力部24は、最終予測位置の出力に代えて(あるいは、当該出力と併せて)、所定のエラー処理を行う。
<処理開始時刻t(n+1)>
測定時刻t(n)からさらにある時間が経過すると、図10に示されるように、処理ヘッド102が処理開始位置の真上に到着し、対象物9に対する処理を開始する(処理開始時刻t(n+1))。ただし、制御部105は、処理開始時刻t(n+1)が到達するまでに、補正部104に、位置予測装置1から出力された最終予測位置(すなわち、処理開始時刻t(n+1)における、対象物9の予測位置)に基づいて、処理ヘッド102による処理位置を必要に応じて補正させるように指示を与えている。補正部104が当該指示に応じて、処理開始時刻t(n+1)における処理ヘッド102の処理位置を補正することによって、処理開始時刻t(n+1)において、対象物9の目標位置に正確に処理が施されることになる。
<4.効果>
第1の実施の形態によると、対象物9と処理ヘッド102とが相対的に移動開始された後の複数の測定時刻のそれぞれにおける、対象物9の測定位置に基づいて、処理開始時刻の対象物9の位置を予測する。この構成によると、相対移動の開始後の対象物9の変位状況を加味して対象物9の位置を予測することができる。したがって、処理が実行される際の対象物9の位置を十分な精度で予測できる。その結果、対象物9の目標位置に正確に処理を施すことができる。例えば、処理ヘッド102が描画ヘッドの場合、基板上の目標位置に正確に光を照射することができる。
特に、第1の実施の形態によると、測定時刻における対象物9の位置が予測モデルを用いて予測される。そして、得られた予測位置と実際の測定位置との差分をゼロに近づけるように、予測モデルに含まれる処理パラメータが調整される。この構成によると、予測モデルに含まれる処理パラメータが、相対移動の開始後の対象物9の変位状況に応じたものに調整されていくので、予測精度をより向上させることができる。
特に、第1の実施の形態によると、複数の測定時刻のそれぞれにおいて、撮像ユニット11が対象物9を撮像し、取得された撮像データに基づいて、各測定時刻の対象物9の測定位置が特定される。この構成によると、複数の測定時刻のそれぞれにおける、対象物9の測定位置を、簡易な構成で取得することができる。
<II.第2の実施の形態>
<1.位置予測装置2>
第2の実施の形態に係る位置予測装置2について説明する。なお、以下においては、第1の実施の形態に係る位置予測装置1と相違しない点については説明を省略するとともに、同じ要素については同じ符号を付して示す。
位置予測装置2は、第1の実施の形態に係る位置予測装置1と同様、処理装置100(図1参照)に搭載されて、処理ヘッド102から対象物9への処理が実行される処理時刻における、処理ヘッド102に対する対象物9の相対位置を予測する。なお、ここでも、位置予測装置2が予測対象とする処理時刻は、処理ヘッド102が対象物9に対する処理を開始する時刻(処理開始時刻)であるとする。
位置予測装置2の構成について、図1、図2に加えて、図11を参照しながら説明する。図11は、位置予測装置2が備える構成を示すブロック図である。
位置予測装置2は、対象物9の位置を測定する測定部10と、測定部10が取得した対象物9の測定位置に基づいて対象物9の位置を予測する予測部50とを備える。測定部10の構成は、第1の実施の形態に係る位置予測装置1が備える測定部10と同様である。
予測部50は、測定部10が取得した、複数の測定時刻のそれぞれにおける対象物9の測定位置に基づいて、処理開始時刻の対象物9の位置を予測する。予測部50は、具体的には、複数(この実施の形態においては、例えば、3個)の予測位置算出部51x,51y,51zと、予測誤差取得部52と、パラメータ調整部53と、出力部54とを備える。
<予測位置算出部51x,51y,51z>
3個の予測位置算出部51x,51y,51zのそれぞれが行う処理は、上述した予測位置算出部21が行う処理と同様である。すなわち、3個の予測位置算出部51x,51y,51zのそれぞれは、処理パラメータを含む予測モデルを用いて、対象時刻おける対象物9の位置を、当該対象時刻よりも前の2個以上(この実施形態においては、2個)の測定時刻のそれぞれにおける対象物9の測定位置に基づいて、予測する。ただし、第1の実施の形態と同様、この実施の形態においても、3番目以降の測定時刻の全てと処理開始時刻とが、対象時刻とされる。
ただし、3個の予測位置算出部51x,51y,51zは、互いに異なる予測モデルを用いて対象物9の位置を予測する。以下において、第1の予測位置算出部51xが用いる予測モデルを「第1予測モデル」ともいい、第2の予測位置算出部51yが用いる予測モデルを「第2予測モデル」ともいい、第3の予測位置算出部51zが用いる予測モデルを「第3予測モデル」ともいう。
なお、予測位置算出部51x,51y,51zのそれぞれが用いる予測モデルは、第1の実施の形態と同様、どのようなものであってもよい。例えば、第1予測モデルは、対象物9が、水平面内において進行方向と直交する方向に比較的長い周期で振動していると仮定した予測モデルを採用し、第2予測モデルは、対象物9が、水平面内において進行方向と直交する方向に比較的短い周期で振動していると仮定した予測モデルを採用し、第3予測モデルは、対象物9が、水平面内において進行方向と平行な方向に振動していると仮定した予測モデルを採用することができる。
<予測誤差取得部52>
予測誤差取得部52が行う処理は、上述した予測誤差取得部22が行う処理とほぼ同様である。ただし、予測誤差取得部52には、各測定時刻について、3個の予測位置(すなわち、第1の予測位置算出部51xが第1予測モデルを用いて予測した予測位置、第2の予測位置算出部51yが第2予測モデルを用いて予測した予測位置、および、第3の予測位置算出部51zが第3予測モデルを用いて予測した予測位置)が入力される。したがって、予測誤差取得部52は、ある測定時刻についての対象物9の測定位置と、当該測定時刻についての対象物9の3個の予測位置のそれぞれとの差分を算出して、3個の予測誤差(当該測定時刻における第1予測モデルの予測誤差、当該測定時刻における第2予測モデルの予測誤差、および、当該測定時刻における第3予測モデルの予測誤差)を取得する。
<パラメータ調整部53>
パラメータ調整部53が行う処理は、上述したパラメータ調整部23が行う処理とほぼ同様である。ただし、このパラメータ調整部53には、各測定時刻について、3個の予測誤差が入力されるところ、パラメータ調整部53は、第1予測モデルの予測誤差をゼロに近づけるように、第1予測モデルに含まれる処理パラメータを調整する。さらに、パラメータ調整部53は、第2予測モデルの予測誤差をゼロに近づけるように、第2予測モデルに含まれる処理パラメータを調整する。さらに、パラメータ調整部53は、第3予測モデルの予測誤差をゼロに近づけるように、第3予測モデルに含まれる処理パラメータを調整する。
なお、ここでも、パラメータ調整部53が処理パラメータを変更した場合は、各予測位置算出部51x,51y,51zは、以後は、変更後の処理パラメータを含む予測モデルを用いて、対象物9の位置を予測する。そして、得られた各予測位置について算出された予測誤差に応じて、再度、パラメータ調整部53が各予測モデルに含まれる処理パラメータの調整を行う。このようにして、各測定時刻についての予測誤差が取得される度に、各予測モデルに含まれる処理パラメータの調整が重ねられていき、各予測モデルが、相対移動の開始後の対象物9の変位状況に応じたものとなっていく。
<出力部54>
出力部54は、予測位置算出部51x,51y,51zが、互いに異なる予測モデルを用いてそれぞれ取得した、処理開始時刻における対象物9の予測位置に基づいて、最終予測位置を出力する。
出力部54は、予測位置算出部51x,51y,51zが予測に用いる3個の予測モデルのそれぞれを評価する評価部541を備える。評価部541は、各予測モデルについて、複数の測定時刻のそれぞれにおける予測誤差を蓄積し、当該蓄積された一群の予測誤差の値に基づいて、各予測モデルを評価する。具体的には、評価部541は、複数の測定時刻のそれぞれにおける第1予測モデルの予測誤差に基づいて、第1予測モデルを評価する。さらに、評価部541は、複数の測定時刻のそれぞれにおける第2予測モデルの予測誤差の値に基づいて、第2予測モデルを評価する。さらに、評価部541は、複数の測定時刻のそれぞれにおける第3予測モデルの予測誤差の値に基づいて、第3予測モデルを評価する。評価部541は、例えば、予測誤差が、ある時間以降は、定められた許容範囲(例えば、絶対値が所定の閾値以下の範囲)内に収まっている場合(好ましくは、ゼロに収束している場合)に、当該予測モデルに肯定的な評価を与える。
出力部54は、評価部541によって肯定的評価を与えられた予測モデルを最適予測モデルとして選択し、当該最適予測モデルを用いて取得された、処理開始時刻における対象物9の予測位置を、最終予測位置として出力する。なお、肯定的評価を与えられた予測モデルが複数個ある場合、出力部54は、例えば、肯定的評価を与えられた複数の予測モデルのうち、最後に取得された予測誤差が小さい方の予測モデルを、最適予測モデルとして選択すればよい。あるいは、出力部54は、肯定的評価を与えられた複数の予測モデルの全てを最適予測モデルとして選択し、当該複数の最適予測モデルのそれぞれを用いて取得された処理開始時刻の予測位置の平均値を、最終予測位置として出力してもよい。
なお、出力部54は、評価部541が全ての予測モデルに対して否定的な評価を与えた場合、最終予測位置の出力に代えて(あるいは、当該出力と併せて)、所定のエラー処理を行う。
<2.処理の流れ>
位置予測装置2が、処理開始時刻における対象物9の位置を予測する処理(位置予測処理)の流れについて、図12〜図18を参照しながら具体的に説明する。図12〜図18は、位置予測処理の流れを説明するための模式図であり、互いに異なる時刻における処理の様子がそれぞれ模式的に示されている。なお、図12〜図18においては、各処理部51,52,53が各時刻に行う処理が1個のブロックにて模式的に示されている。
<測定時刻t(1)>
移動開始時刻からある時間が経過した測定時刻t(1)においては、図12に示されるように、撮像制御部12が、マークMの真上にある撮像部111に対象物9の面内領域を撮像させる。そして、取得された撮像データを解析処理部13が解析して、測定時刻t(1)の対象物9の測定位置A(1)を取得する。取得された測定位置A(1)は、3個の予測位置算出部51x,51y,51zに入力される。
<測定時刻t(2)>
測定時刻t(2)においては、図13に示されるように、撮像制御部12が、マークMの真上にある撮像部111に対象物9の面内領域を撮像させる。そして、取得された撮像データを解析処理部13が解析して、測定時刻t(2)の対象物9の測定位置A(2)を取得する。取得された測定位置A(2)は、3個の予測位置算出部51x,51y,51zに入力される。
3個の予測位置算出部51x,51y,51zのそれぞれは、測定時刻t(2)の測定位置A(2)を取得すると、当該測定位置A(2)と、先に取得していた測定時刻t(1)の測定位置A(1)とに基づいて、測定時刻t(3)の対象物9の位置を予測する。すなわち、第1の予測位置算出部51xは、第1予測モデルを用いて、2個の測定位置A(2),A(1)に基づいて、測定時刻t(3)の対象物9の位置を予測して、予測位置Bx(3)として取得する。また、第2の予測位置算出部51yは、第2予測モデルを用いて、2個の測定位置A(2),A(1)に基づいて、測定時刻t(3)の対象物9の位置を予測して、予測位置By(3)として取得する。また、第3の予測位置算出部51zは、第3予測モデルを用いて、2個の測定位置A(2),A(1)に基づいて、測定時刻t(3)の対象物9の位置を予測して、予測位置Bz(3)として取得する。3個の予測位置算出部51x,51y,51zによって取得された3個の予測位置Bx(3),By(3),Bz(3)は、予測誤差取得部52に入力される。
<測定時刻t(3)>
測定時刻t(3)においては、図14に示されるように、撮像制御部12が、マークMの真上にある撮像部111に対象物9の面内領域を撮像させる。そして、取得された撮像データを解析処理部13が解析して、測定時刻t(3)の対象物9の測定位置A(3)を取得する。取得された測定位置A(3)は、3個の予測位置算出部51x,51y,51zのそれぞれと予測誤差取得部52とに入力される。
3個の予測位置算出部51x,51y,51zのそれぞれは、測定時刻t(3)の測定位置A(3)を取得すると、当該測定位置A(3)と、先に取得していた測定時刻t(2)の測定位置A(2)とに基づいて、測定時刻t(4)の対象物9の位置を予測する。3個の予測位置算出部51x,51y,51zによって取得された3個の予測位置Bx(4),By(4),Bz(4)は、予測誤差取得部52に入力される。
一方、予測誤差取得部52は、測定時刻t(3)の測定位置A(3)を取得すると、当該測定位置A(3)と、先に取得していた測定時刻t(3)の3個の予測位置Bx(3),By(3),Bz(3)のそれぞれとの差分を算出する。すなわち、予測誤差取得部52は、第1予測モデルを用いて取得された予測位置Bx(3)と測定位置A(3)との差分を算出して、第1予測モデルの予測誤差Cx(3)として取得する。また、第2予測モデルを用いて取得された予測位置By(3)と測定位置A(3)との差分を算出して、第2予測モデルの予測誤差Cy(3)として取得する。また、第3予測モデルを用いて取得された予測位置Bz(3)と測定位置A(3)との差分を算出して、第3予測モデルの予測誤差Cz(3)として取得する。取得された3個の予測誤差Cx(3),Cy(3),Cz(3)は、パラメータ調整部53に入力されるとともに、評価部541に蓄積される。
パラメータ調整部53は、3個の予測誤差Cx(3),Cy(3),Cz(3)を取得すると、各予測誤差Cx(3),Cy(3),Cz(3)をゼロに近づけるように、各予測モデルに含まれる処理パラメータを調整する。すなわち、パラメータ調整部53は、第1予測モデルの予測誤差Cx(3)をゼロに近づけるように、第1予測モデルに含まれる処理パラメータを調整する。また、第2予測モデルの予測誤差Cy(3)をゼロに近づけるように、第2予測モデルに含まれる処理パラメータを調整する。また、第3予測モデルの予測誤差Cz(3)をゼロに近づけるように、第3予測モデルに含まれる処理パラメータを調整する。パラメータ調整部53が処理パラメータを調整した場合、各予測位置算出部51x,51y,51zは、以後は、調整後の処理パラメータを用いて、対象物9の位置を予測する。
<測定時刻t(i)(i=4,5,・・,n−1)>
測定時刻t(4)(図15に示される状態)、測定時刻t(5),・・・,測定時刻t(n−1)(図16に示される状態)のそれぞれにおいて行われる処理は、上述した測定時刻t(3)において行われる処理と同様である。
すなわち、測定時刻t(i)においては、撮像制御部12が、マークMの真上にある撮像部111に対象物9の面内領域を撮像させる。そして、取得された撮像データを解析処理部13が解析して、測定時刻t(i)の対象物9の測定位置A(i)を取得する。取得された測定位置A(i)は、3個の予測位置算出部51x,51y,51zのそれぞれと予測誤差取得部52とに入力される。
3個の予測位置算出部51x,51y,51zのそれぞれは、測定時刻t(i)の測定位置A(i)を取得すると、当該測定位置A(i)と、先に取得していた測定時刻t(i−1)の測定位置A(i−1)とに基づいて、測定時刻t(i+1)の対象物9の位置を予測する。3個の予測位置算出部51x,51y,51zによって取得された3個の予測位置Bx(i+1),By(i+1),Bz(i+1)は、予測誤差取得部52に入力される。
一方、予測誤差取得部52は、測定時刻t(i)の測定位置A(i)を取得すると、当該測定位置A(i)と、先に取得していた測定時刻t(i)の3個の予測位置Bx(i),By(i),Bz(i)のそれぞれとの差分を算出して、測定時刻t(i)の予測誤差Cx(i),Cy(i),Cz(i)として取得する。取得された3個の予測誤差Cx(i),Cy(i),Cz(i)は、パラメータ調整部53に入力されるとともに、評価部541に蓄積される。
パラメータ調整部53は、3個の予測誤差Cx(i),Cy(i),Cz(i)を取得すると、各予測誤差Cx(i),Cy(i),Cz(i)をゼロに近づけるように、各予測モデルに含まれる処理パラメータを調整する。
<測定時刻t(n)>
測定時刻t(n)においては、図17に示されるように、撮像制御部12が、マークMの真上にある撮像部111に対象物9の面内領域を撮像させる。そして、取得された撮像データを解析処理部13が解析して、測定時刻t(n)の対象物9の測定位置A(n)を取得する。取得された測定位置A(n)は、3個の予測位置算出部51x,51y,51zのそれぞれと予測誤差取得部52とに入力される。
3個の予測位置算出部51x,51y,51zのそれぞれは、測定時刻t(n)の測定位置A(n)を取得すると、当該測定位置A(n)と、先に取得していた測定時刻t(n−1)の測定位置A(n−1)とに基づいて、処理開始時刻t(n+1)の対象物9の位置を予測する。3個の予測位置算出部51x,51y,51zによって取得された3個の予測位置Bx(n+1),By(n+1),Bz(n+1)は、出力部54に入力される。
一方、予測誤差取得部52は、測定時刻t(n)の測定位置A(n)を取得すると、当該測定位置A(n)と、先に取得していた測定時刻t(n)の3個の予測位置Bx(n),By(n),Bz(n)のそれぞれとの差分を算出して、測定時刻t(n)の予測誤差Cx(n),Cy(n),Cz(n)として取得する。取得された3個の予測誤差Cx(n),Cy(n),Cz(n)は、出力部54に入力される。
出力部54は、処理開始時刻t(n+1)における対象物9の3個の予測位置Bx(n+1),By(n+1),Bz(n+1)を取得すると、当該取得した3個の予測位置Bx(n+1),By(n+1),Bz(n+1)に基づいて、最終予測位置を出力する。具体的には、まず、評価部541が、各予測モデルについて蓄積された一群の予測誤差Cx(i),Cy(i),Cz(i)(i=3,4,・・,n)に基づいて、各予測モデルを評価する。出力部54は、例えば、評価部541によって肯定的な評価を与えられた予測モデルを最適予測モデルとして選択し、当該最適予測モデルを用いて取得された、処理開始時刻t(n+1)の対象物9の予測位置を、最終予測位置として出力する。図17では、第1予測モデルが最適予測モデルとして選択され、これを用いて取得された対象物9の予測位置Bx(n+1)が、最終予測位置として出力される様子が例示されている。
<処理開始時刻t(n+1)>
処理開始時刻t(n+1)においては、図18に示されるように、処理ヘッド102が処理開始位置の真上に到着し、対象物9に対する処理を開始する。ただし、制御部105は、処理開始時刻t(n+1)が到達するまでに、補正部104に、位置予測装置2から出力された最終予測位置に基づいて、処理ヘッド102による処理位置を必要に応じて補正させるように指示を与えている。補正部104が当該指示に応じて、処理開始時刻t(n+1)における処理ヘッド102の処理位置を補正することによって、処理開始時刻t(n+1)において、対象物9の目標位置に正確に処理が施されることになる。
<3.効果>
第2の実施の形態によると、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。さらに、第2の実施の形態によると、互いに異なる複数の予測モデルのそれぞれを用いて対象物9の位置が予測され、当該複数の予測モデルのうち、肯定的評価を与えられた予測モデルを用いて取得された予測位置が、最終予測位置として出力される。この構成によると、対象物9の様々な変位状況に幅広く対応することが可能となり、高い汎用性が実現される。また、相対移動の開始後の対象物9の変位状況に最もよく合致した予測モデルを用いて取得された予測位置が、最終予測位置として出力されることになるので、高い予測精度を安定して実現することができる。
<III.変形例>
上記の各実施の形態に係る位置予測装置1,2においては、位置予測装置1,2が予測対象とする処理時刻は、処理ヘッド102が対象物9に対する処理を開始する時刻(処理開始時刻)であるとしたが、位置予測装置1,2は、処理開始時刻に加え(あるいは、これに代えて)、処理開始時刻以降の任意の時刻を、予測対象としてもよい。
また、上記の各実施の形態に係る位置予測装置1,2において、移動開始状態からステージ101の移動が開始されてから停止されるまでの間に、複数回の位置予測処理が行われてもよい。例えば、対象物9の面内に、複数の処理領域が形成されており、第1の処理領域の+X側の端部の付近に、第1のマークM1が付されており、第2の処理領域の+X側の端部の付近に第2のマークM2が付されているとする。この場合、図19に示されるように、まず、マークM1を検出して、第1の処理領域に対する処理開始時刻の対象物9の位置を予測するとともに、マークM2を検出して、第2の処理領域に対する処理開始時刻の対象物9の位置を予測してもよい。
また、第2の実施の形態において、解析処理部13を、予測部50が備える各予測位置算出部51x,51y、51zのそれぞれに含む構成としてもよい。この場合、撮像部111が取得した撮像データが予測部50に直接入力され、各予測位置算出部51x,51y、51zで撮像データを解析することになる。ここで、各予測位置算出部51x,51y、51zが、互いに異なるアルゴリズムの解析処理を実行して、撮像データからマークMの位置を特定することとしてもよい。この場合、パラメータ調整部53は、各予測位置算出部51x,51y、51zが取得した予測位置について算出された予測誤差をゼロに近づけるように、当該予測位置算出部が用いる予測モデルに含まれる処理パラメータを調整するとともに、当該予測位置算出部が用いる撮像データの解析アルゴリズムに含まれる処理パラメータをも調整する構成としてもよい。
また、上記の各実施の形態に係る位置予測装置1,2が搭載される処理装置100は、ステージ101が駆動機構103により駆動されることによって、処理ヘッド102と対象物9とが相対的に移動される構成としたが、固定されたステージ101に対して処理ヘッド102が移動されることによって(あるいは、ステージ101と処理ヘッド102とをともに移動させることによって)、処理ヘッド102と対象物9とが相対的に移動されてもよい。
また、上記の実施の形態においては、測定部10は、対象物9上に付された位置合わせ用のマークMを検出することによって対象物9の位置を測定していたが、検出対象は、必ずしもこのようなマークMでなくともよい。すなわち、検出対象は、対象物9上の特徴部分と成り得る部分であればどのようなものであってもよく、例えば、対象物9の端面エッジであってもよいし、対象物9上の既設パターンなどであってもよい。
また、上記の実施の形態においては、測定部10は、撮像ユニット11で対象物9を撮像して検出対象となるマークMなどの位置を検出することによって、対象物9の位置を測定していたが、対象物9の位置を測定する態様は必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各種の変位計、各種のセンサ(例えば、対象物9、あるいは、ステージ101を測定対象とし、当該測定対象に向けてレーザ光を出射するとともにその反射光を受光し、当該反射光と出射光との干渉から測定対象の位置を計測する、干渉式のレーザ測長器)などを用いて、対象物9の位置を測定してもよい。
また、上記の実施の形態においては、撮像ユニット11は、複数の撮像部111を用いて、複数の測定時刻における対象物9を撮像データを次々と取得していたが、撮像ユニット11は必ずしも複数の撮像部111を備えなくともよい。例えば、光源から対象物9を介してエリアイメージセンサに入射する光路として、複数の光路を選択可能な光学系を、ミラー、レンズ等で形成して、1個の光源および1個のエリアイメージセンサとで、上記の複数の撮像部111と同等の機能を実現してもよい。
また、上記の実施の形態において、各撮像部111を、軸部(すなわち、処理ヘッド102に対して固定され、X軸に沿って延在する軸部)に沿って移動させる機構を設けて、各撮像部111の離間間隔を調整可能としてもよい。
また、上記の実施の形態においては、補正部104は、処理時刻における対象物9の位置ずれ量(具体的には、位置予測装置1が予測した、処理時刻における対象物9の位置に基づいて取得された、対象物9の位置ずれ量)に応じて、当該処理時刻における処理ヘッド102の処理位置を補正するものであったが、補正部104は、処理時刻における対象物9の位置ずれ量に応じて、駆動機構103に、当該処理時刻におけるステージ101の位置を補正させるものであってもよい。
また、上記の各実施の形態に係る位置予測装置1,2が搭載される処理装置100は、例えば、空間変調された光によって基板上の感光材料を走査することにより当該感光材料に直接パターンを露光する基板処理装置(具体的には、描画装置)であるとしたが、上述したとおり、処理装置100は、必ずしも描画装置に限られるものではない。
例えば、処理装置100は、基板上に形成された感光材料を面状に露光する基板処理装置(具体的には、露光装置)であってもよい。この場合、対象物9は、レジスト等の感光材料の層が形成された基板となり、処理ヘッド102は、基板に対して、光源とフォトマスクを用いて光を照射する露光ヘッドとなる。露光装置である処理装置100においては、処理ヘッド102である露光ヘッドが、対象物9である基板に対して相対移動しながら、基板の各位置に光(具体的には、例えば、フォトマスクによって成形された光)を照射することによって、基板に対するパターン(回路パターン)の露光処理が行われる。
また例えば、処理装置100は、基板上に形成されたパターンなどを検査する基板処理装置(具体的には、検査装置)であってもよい。この場合、対象物9は検査対象となる基板となり、処理ヘッド102は、例えば基板の部分領域を撮像してその表面に形成されたパターン形状等を検査する検査ヘッドとなる。検査装置である処理装置100においては、処理ヘッド102である検査ヘッドが、対象物9である基板に対して相対移動しながら、基板の各位置を撮像するとともに、得られた撮像データを解析することによって、基板に形成されたパターンの検査処理が行われる。
また例えば、処理装置100は、データから刷版を出力するCTP(Computer To Plate)装置であってもよい。この場合、対象物9は、例えば刷版となるアルミプレートなどの版材となる。また、処理ヘッド102は、例えば、版材に対して光を照射して、当該版材上に画像を形成する描画ヘッドとなる。CTP装置である処理装置100においては、処理ヘッド102である描画ヘッドが、対象物9である版材に対して相対移動しながら、版材の各位置に光を照射することによって、版材上に画像が形成される。これによって、刷版が得られることになる。
また例えば、処理装置100は、印刷用紙等の媒体上に画像等を形成する画像形成装置であってもよい。この場合、対象物9は、例えば、印刷用紙となる。また、処理ヘッド102は、例えば、印刷用紙に対して、インク滴を吐出して画像を形成するインクジェットヘッドとなる。画像形成装置である処理装置100においては、処理ヘッド102であるインクジェットヘッドが、対象物9である印刷用紙に対して相対移動しながら、印刷用紙の各位置にインクの液滴を吐出することによって、印刷用紙上に画像が形成される。
なお、上記の実施の形態および上記の各変形例において、対象物9を基板とする場合、その基板は、例えば、半導体基板、プリント基板、カラーフィルタ用基板、液晶表示装置やプラズマ表示装置に具備されるフラットパネルディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、太陽電池用パネルなどの各種基板であってよい。
1,2 位置予測装置
10 測定部
11 撮像ユニット
111 撮像部
12 撮像制御部
13 解析処理部
20,50 予測部
21,51x,51y,51z 予測位置算出部
22,52 予測誤差取得部
23,53 パラメータ調整部
24,54 出力部
100 処理装置
101 ステージ
102 処理ヘッド
103 駆動機構
9 対象物

Claims (7)

  1. 対象物に対して相対的に移動しつつ前記対象物に対して処理を施す処理ヘッドを備える処理装置において、前記処理ヘッドが前記対象物に対して処理を実行する処理時刻における、前記処理ヘッドに対する前記対象物の位置を予測する位置予測装置であって、
    前記対象物と前記処理ヘッドとが相対的に移動開始された後であって前記処理時刻よりも前の時間内の複数の時刻のそれぞれを測定時刻とし、複数の測定時刻のそれぞれにおける、前記対象物の位置を測定する測定部と、
    前記複数の測定時刻のそれぞれにおける前記対象物の測定位置に基づいて、前記処理時刻の前記対象物の位置を予測する予測部と、
    を備え
    前記測定部が、
    前記処理ヘッドに対して固定され、前記対象物を撮像する撮像ユニットと、
    前記複数の測定時刻のそれぞれにおいて、前記撮像ユニットに前記対象物を撮像させる撮像制御部と、
    前記撮像ユニットが取得した撮像データを解析して、当該撮像データが取得された測定時刻における前記対象物の位置を特定して、前記対象物の測定位置として取得する解析処理部と、
    を備え、
    前記撮像ユニットが、
    複数の撮像部を備え、
    前記複数の撮像部が、
    前記処理ヘッドが前記対象物に対して相対移動される移動方向について、前記処理ヘッドの下流側において、前記移動方向に沿って配列されており、
    前記撮像制御部が、
    前記複数の撮像部のそれぞれが、前記対象物上の特徴部分の上方に到達する時刻に、当該撮像部に前記特徴部分を撮像させる、
    位置予測装置。
  2. 請求項1に記載の位置予測装置であって、
    前記予測部が、
    前記複数の測定時刻のうちの1以上の測定時刻と前記処理時刻とを対象時刻とし、処理パラメータを含む予測モデルを用いて、前記対象時刻における前記対象物の位置を、当該対象時刻よりも前の2個以上の測定時刻のそれぞれにおける前記対象物の測定位置に基づいて、予測する予測位置算出部と、
    前記予測位置算出部が、前記複数の測定時刻のいずれかを対象時刻として前記対象物の位置を予測した場合に、得られた予測位置と、当該対象時刻とされた測定時刻における前記対象物の測定位置との差分を算出して、予測誤差として取得する予測誤差取得部と、
    前記予測誤差をゼロに近づけるように、前記処理パラメータを調整するパラメータ調整部と、
    前記予測位置算出部が、前記処理時刻を対象時刻として、前記パラメータ調整部によって調整された処理パラメータを含む前記予測モデルを用いて、前記対象物の位置を予測した場合に、得られた予測位置を、最終予測位置として出力する出力部と、
    を備える、位置予測装置。
  3. 請求項2に記載の位置予測装置であって、
    前記予測部が、
    前記予測位置算出部を複数備え、
    前記複数の予測位置算出部が、互いに異なる予測モデルを用いて前記対象物の位置を予測し、
    前記出力部が、
    前記複数の予測モデルのそれぞれを用いて取得された前記予測位置について算出された前記予測誤差に基づいて、前記複数の予測モデルのそれぞれを評価する評価部、
    をさらに備え、
    前記複数の予測モデルのうち、前記評価部によって肯定的評価を与えられた予測モデルを用いて取得された、前記処理時刻における前記対象物の前記予測位置を、前記最終予測位置として出力する、位置予測装置。
  4. 対象物に対して相対的に移動しつつ前記対象物に対して処理を施す処理ヘッドを備える処理装置において、前記処理ヘッドが前記対象物に対して処理を実行する処理時刻における、前記処理ヘッドに対する前記対象物の位置を予測する位置予測方法であって、
    a)前記対象物と前記処理ヘッドとが相対的に移動開始された後であって前記処理時刻よりも前の時間内の複数の時刻のそれぞれを測定時刻とし、複数の測定時刻のそれぞれにおける、前記対象物の位置を測定する工程と、
    b)前記a)工程で取得された前記複数の測定時刻のそれぞれにおける前記対象物の測定位置に基づいて、前記処理時刻の前記対象物の位置を予測する工程と、
    を備え、
    前記a)工程が、
    a1)前記処理ヘッドに対して固定された撮像ユニットに、前記複数の測定時刻のそれぞれにおいて、前記対象物を撮像させる工程と、
    a2)前記撮像ユニットが取得した撮像データを解析して、当該撮像データが取得された測定時刻における前記対象物の位置を特定して、前記対象物の測定位置として取得する工程と、
    を備え、
    前記撮像ユニットが、
    複数の撮像部を備え、
    前記複数の撮像部が、
    前記処理ヘッドが前記対象物に対して相対移動される移動方向について、前記処理ヘッドの下流側において、前記移動方向に沿って配列されており、
    前記a1)工程において、
    前記複数の撮像部のそれぞれが、前記対象物上の特徴部分の上方に到達する時刻に、当該撮像部に前記特徴部分を撮像させる、
    位置予測方法。
  5. 請求項4に記載の位置予測方法であって、
    前記b)工程が、
    b1)前記複数の測定時刻のうちの1以上の測定時刻と前記処理時刻とを対象時刻とし、処理パラメータを含む予測モデルを用いて、前記対象時刻における前記対象物の位置を、当該対象時刻よりも前の2個以上の測定時刻のそれぞれにおける前記対象物の測定位置に基づいて、予測する工程と、
    b2)前記b1)工程で、前記複数の測定時刻のいずれかを対象時刻として前記対象物の位置が予測された場合に、得られた予測位置と、当該対象時刻とされた測定時刻における前記対象物の測定位置との差分を算出して、予測誤差として取得する工程と、
    b3)前記予測誤差をゼロに近づけるように、前記処理パラメータを調整する工程と、
    b4)前記b1)工程で、前記処理時刻を対象時刻として、前記b3)工程で調整された処理パラメータを含む前記予測モデルを用いて、前記対象物の位置が予測された場合に、得られた予測位置を、最終予測位置として出力する工程と、
    を備える、位置予測方法。
  6. 請求項5に記載の位置予測方法であって、
    前記b1)工程において、前記対象時刻における前記対象物の位置を、互いに異なる複数の予測モデルのそれぞれを用いて予測し、
    前記b)工程が、
    b5)前記複数の予測モデルのそれぞれを用いて取得された前記予測位置について算出された前記予測誤差に基づいて、前記複数の予測モデルのそれぞれを評価する工程、
    をさらに備え、
    前記b4)工程において、前記b5)工程で肯定的評価を与えられた予測モデルを用いて取得された、前記処理時刻における前記対象物の前記予測位置を、前記最終予測位置として出力する、
    位置予測方法。
  7. 基板に対して光を照射してパターンを露光する処理ヘッドと、
    前記基板と前記処理ヘッドとを相対的に移動させる駆動機構と、
    前記処理ヘッドが基板に対して光を照射する処理時刻における、前記処理ヘッドに対する基板の位置を予測する位置予測部と、
    前記位置予測部が予測した、前記処理時刻における前記基板の位置に基づいて、前記処理ヘッドからの光の照射位置を補正する補正部と、
    を備え、
    前記位置予測部が、
    前記基板と前記処理ヘッドとが相対的に移動開始された後であって前記処理時刻よりも前の時間内の複数の時刻のそれぞれを測定時刻とし、複数の測定時刻のそれぞれにおける、前記対象物の位置を測定する測定部と、
    前記複数の測定時刻のそれぞれにおける前記対象物の測定位置に基づいて、前記処理時刻の前記対象物の位置を予測する予測部と、
    を備え、
    前記測定部が、
    前記処理ヘッドに対して固定され、前記対象物を撮像する撮像ユニットと、
    前記複数の測定時刻のそれぞれにおいて、前記撮像ユニットに前記対象物を撮像させる撮像制御部と、
    前記撮像ユニットが取得した撮像データを解析して、当該撮像データが取得された測定時刻における前記対象物の位置を特定して、前記対象物の測定位置として取得する解析処理部と、
    を備え、
    前記撮像ユニットが、
    複数の撮像部を備え、
    前記複数の撮像部が、
    前記処理ヘッドが前記対象物に対して相対移動される移動方向について、前記処理ヘッドの下流側において、前記移動方向に沿って配列されており、
    前記撮像制御部が、
    前記複数の撮像部のそれぞれが、前記対象物上の特徴部分の上方に到達する時刻に、当該撮像部に前記特徴部分を撮像させる、
    基板処理装置。
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