JP6005735B2 - 喫煙品用フィルター - Google Patents

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Description

本発明は喫煙品用のフィルターに関する。
吸着とは、液体、蒸気、または気体中に存在する分子が固体の表面に付着する物理的または化学的現象である。
炭素材料は産業用の汎用吸着剤として広く用いられている。これらは種々の材料から作られ、天然材料(例えば木、泥炭、石炭、石油ピッチ、またはココナツのような堅果殻)でもよく、または合成材料(例えば有機樹脂を炭化して作られる)でもよい。
活性化として知られている過程で炭素材料を処理して、その表面積を増やしてもよい。活性化は、例えばリン酸または塩化亜鉛で処理された炭素を加熱して行ってもよいし、または炭素を水蒸気または二酸化炭素で加熱して行ってもよい。二酸化炭素による活性化の後に、空気中で炭素の加熱を行う気中改質工程を追加することがある。活性化過程により炭素粒子の表面から材料が除去され、その結果重量が減る。この重量損失は処理の長さに比例する。
対象物質の吸着を最適化するために炭素材料の表面の化学的性質を改良することができる。特に、活性炭素材料の細孔構造および活性化の状態は吸着効率と選択性の決定に重要である。
活性炭素が作られる過程と条件を選択して、活性炭素材料の表面特性を制御してもよい。
一般に、多孔質材料の表面積が大きいほど材料の吸着容量は大きい。しかし、材料の表面積が増えると、密度および構造の完全性は低下する。さらに、細孔の数を増やし細孔を小さくして材料の表面積を増やしてもよいが、細孔の寸法が標的分子の寸法に近づくと標的分子は細孔に入り難く材料に吸着し難くなる。とりわけこの現象は濾過中の材料の活性炭素材料に対する相対的流速が速くなると当てはまる。流速が増加すると吸着効率はしばしば低下する。
活性炭素材料を喫煙品および煙フィルターに組み込んで、煙の特定の成分の量を減らすことができる。しかし、粉または顆粒の形態の活性炭素材料を組み込むには、喫煙品の製造と使用の両方で難しさが伴う。例えば、各フィルターに用いられる粒状活性炭素材料の量は必ず高精度で測定し供給しなければならないが、粒子の形状と寸法の不揃いおよび粒子寸法の分布が、流動性が比較的悪い材料の取り扱いに影響を与える場合があり、材料の供給量の測定を難しくする場合がある。さらに、粒状の活性炭素材料は損耗率が高い場合があり、取り扱い中のほこりの発生に繋がる場合がある。ほこりはフィルターを作るために用いられる製造過程を妨害する。
顆粒状の活性炭素の別の欠点は、用いられる材料の量が多いと材料を通って空気を吸い込むのに加えなければならない吸引の量(吸引力すなわち圧力降下)も増えることである。すなわち、喫煙品用フィルターに用いることができる活性炭素の量は喫煙者が吸引して快適な吸引量に制限を受ける。
第1の態様によれば、一体構造体(モノリス、monolith)を含む喫煙品用フィルターが提供される。この一体構造体は炭化焼結樹脂を含む。
一体構造体は焼結過程の手段によって樹脂の粒子で形成されてもよく、その場合、一体構造体は結合剤を含まない。別の言い方をすれば、一体構造体の形成時、追加の結合剤を用いずに樹脂の粒子を結合する。
焼結とは、微小粒子を溶融して固形物を形成することができる方法である。従来の溶融過程と比べ粒子は焼結中に実質的に溶融せずその元の形状と構造を維持する。具体的には、粒子の細孔構造、例えばマクロ孔は焼結製品に実質的に維持されてもよい。
また焼結は従来の型成形過程とは異なる。従来の型成形過程では、材料および結合剤の粒子を含む型成形可能な配合物が所望の形状に整形され、整形された材料は乾燥または硬化されて固形物を形成し、内部の粒子は乾燥または硬化された結合剤で形成された母材に埋め込まれている。
焼結には粒子を固形物に形成する他の方法を上回る複数の利点がある。例えば溶融過程または結合剤の使用に比べ、焼結は結合剤を含まない一体構造体の形成に向いており、一体構造体の物理的特性や化学的特性に影響を与え得る。焼結過程では、非常に高純度かつ高均質の開始材料を使用でき、開始粒度が管理されているために結果の予測性が高くかつ安定しており、過程の工程数および開始材料の数も少ない。特に、開示された喫煙品用フィルターの一体構造体に関して、焼結には、気孔率が管理され均一で気孔率が著しく大きいという特徴がある特異な細孔構造の材料を作ることができる可能性がある。もし粒子が単に溶融されるか結合剤を用いて固着されると、これらの特性は失われるか、または著しく低下することになる。
一体構造体は複数の流路を含んでもよく、これらは一体構造体の例えば長手方向に延び、裸眼で見えてもよい。
流路は一体構造体の内部でもよく、つまり一体構造体の材料で長手方向に完全に囲まれていてもよい。その場合、流路は任意の所望の断面でもよい。例えば、流路の断面は四角、円、三角、六角、またはもっと複雑な形状でもよく、規則的な形状でも不規則な形状でもよい。内部の流路は一体構造体内を全体に互いに隣り合わせに一般的には長手方向に延びているため、各流路の横断面は一体構造体の「セル(小室)」のように見える。セルを横断面で見た場合、セルは長手方向流路の2つの対向する壁の中心間の距離として定義される。
一体構造体は1平方センチメートルあたり180〜310個のセルを含んでもよく、または1平方センチメートルあたり200〜280個のセルを含んでもよい。各流路の幅は225〜600μmでもよく、好ましくは310〜500μmである。
それに加えてまたはその代わりに、一体構造体はその外部の流路すなわち一体構造体の材料で長手方向に完全には囲まれない流路を備える。例えば、これらの外部流路は一体構造体の外表面の稜線または溝の形態をとることができる。外部流路の断面は任意形状でもよく、規則的形状でも不規則形状でもよい。例えば、外部流路はU字形状でもV字状でもよい。外部流路の場合、喫煙品用フィルターの使用中は、煙は一体構造体流路の外表面と喫煙品用フィルターの包装材の内面の間で吸引されてもよい。
第2の態様によれば、一体構造体を備える喫煙品用フィルターが提供される。一体構造体は複数のセルを含み、各セルは一体構造体内を延びる流路を備え、例えば各セルは一体構造体の長さ全体に延びる長手方向流路を備える。複数の流路の断面表面積を合計すると、一体構造体の総断面積の30〜60%、より具体的には30〜40%、さらに具体的には32〜38%、例えば35%を占める。
流路の総断面積は一体構造体の総断面積の約35%を占めてもよい。
第3の態様によれば一体構造体を備える喫煙品用フィルターが提供される。一体構造体は複数のセルを含み、各セルは一体構造体内を延びる流路を備え、例えば各セルは一体構造体の長さ全体に延びる長手方向流路を備える。一体構造体は断面に1平方センチメートルあたり180〜310個のセルを含む。
一体構造体は1平方センチメートルあたり200〜280個のセルを含んでもよい。
上記態様のいずれか1つに関し、一体構造体の炭素材料の細孔構造は、所望の吸着特性によっては主にミクロ孔質でもよい。または一体構造体はメソ孔(mesopore)を含んでもよい。
一体構造体はミクロ孔(micropore)とマクロ孔を両方含む細孔構造を有してもよい。
一体構造体の炭素材料は最大約2100m/gのBET表面積を有してもよい。例えば、一体構造体は700〜1300m/gのBET表面積を有してもよく、例えば810〜990m/gでもよい。
一体構造体の長さは4〜22mmでもよく、例えば一体構造体の長さは約10mmのように8〜12mmでもよい。
喫煙品用フィルターは複数の一体構造体を備えてもよい。
第4の態様では、第1、第2、または第3の態様のいずれかの喫煙品用フィルターを含む喫煙品が提供され、特に炭化焼結樹脂を含む一体構造体を組み込んだ喫煙品が提供される。
第5の態様では、炭化焼結樹脂を含む一体構造体をタバコ煙のろ過に使用することが提供される。
第6の態様によれば、喫煙品用のフィルターを作る方法が提供され、以下の工程が含まれる。
(a)部分硬化させた樹脂の粒子を生地にし、その生地を整形して一体構造体を作り、
(b)その粒子を焼結し、
(c)焼結された一体構造体を炭化し活性化し、
(d)その一体構造体を喫煙品用フィルターに組み込む。
一般に、粒子はフェノール樹脂を調製し、樹脂を部分硬化させ、部分硬化した樹脂を粉末にすることで形成される。
生地の整形は生地の押し出しを含んでもよい。これまでの一体構造体は、繊維質の型の周りに樹脂混合物を硬化させ、次にそれを分解して型の形状をした流路を有する炭素一体構造体を得ることで作られてきた。開示された喫煙品用フィルターに用いられる一体構造体の整形に型は用いない。代わりに、樹脂粒子から成り、好ましくは結合剤を含まない生地を押し出して一体構造体を作ってもよい。その場合、作られる一体構造体の形状を制限するのは必要な押し出し型を作る能力だけである。その結果、もっと複雑な形状を作ることができ、もっと多数の流路を作ることができ、単に型を変更するだけで容易に形状を変更することができる。特別な分解手順も必要としない。
フェノール樹脂は求核成分を細孔形成剤の存在下で求電子架橋剤と縮合して得てもよい。
本発明のより良い理解のために、添付図面を参照してその実施形態を単なる一例として説明する。
本発明の開示による喫煙品用フィルターを含むフィルター付き紙巻きタバコの図である(縮尺率は厳密ではない)。 開示された喫煙品用フィルターに用いてもよい一体構造体の一実施形態の構造を説明する図である。 図2に示した種類の一体構造体のセル形状を説明する図である。 例えば図1に示した種類の喫煙品用フィルターに用いる例示的一体構造体形状を説明する図である。 喫煙品用フィルターに用いることができる2つの活性炭素一体構造体の吸着等温線を示すグラフである。
喫煙品
本明細書で用いられているように、「喫煙品」には、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品、および非燃焼加熱製品(材料を燃焼させず加熱することによって喫煙材料から風味が生成される製品)を基にしたまたは基にしていない紙巻きタバコ、葉巻、および細巻き葉巻のような喫煙製品が含まれる。一般に喫煙品は、煙から成分を取り除くためのフィルターを含む。
図1には、喫煙品用フィルター2を含む喫煙品1が示されている。喫煙品用フィルター2は三重フィルターであり、実質的に円筒状のフィルタープラグ3からなる2つのセクションを含み、一体構造体4で分離されている。フィルタープラグ3と一体構造体4の2つのセクションはプラグラッパー5の手段で結合されて喫煙品用フィルター2を形成している。
喫煙品は円筒状の喫煙材ロッド6(この例ではタバコ)をさらに含み、喫煙材ロッド6の端部がフィルター2の端部に当接するように、喫煙材ロッドはフィルター2と位置合わせされている。ロッド6は紙のラッパー7で包まれ、フィルター2にチッピングペーパー8で接続されている。
図1に示す実施形態では、フィルター2は喫煙品1の不可欠の部分である。あるいは、開示された喫煙品用フィルターは、それと共に用いられる喫煙品から使用中または使用前に分離されてもよい。例えばフィルターは、シガレットホルダーのような喫煙品ホルダーの一部を形成してもよいし、または手巻きタバコのような喫煙品に使用者によって使用前に組み込まれてもよい。
複数の一体構造体を備える喫煙品用フィルター
例えば一体構造体を喫煙品用フィルター内に長手方向に2個、3個、または4個と並べて用いるように、複数の一体構造体を使用すると、煙成分の吸着を改善できる場合がある。長さが等しい1個の一体構造体に比べ、内部に吸い込まれている空気の乱れが増えるからである。乱れが増えることにより、煙と一体構造体の炭素材料の間の相互作用が増え、よって煙成分の吸着が増えることになる。
一体構造体と一体構造体の間に小さな間隙を設け、またはセルロースアセテートのようなフィルター材料の短い部分(長さが例えば約0.5〜5mmまたは1〜2mm)を設けて、更に煙の流れを乱すことも利点がある。
一体構造体の概要
吸着炭素材料は一般に顆粒状または粒状の形態で提供される。しかし一体構造体の炭素構造すなわち一体構造体は、顆粒状ではないが顆粒状の活性炭素と同様に大きな表面積を有する炭素の単位である。
開示された一体構造体は特異な構造を有し、喫煙品用フィルターでの使用を特に最適にしている。開示された喫煙品用フィルターに用いられる炭素一体構造体の一事例の構造を説明する図を図2に示す。この一体構造体は多数の長手方向流路9を有する円筒状の活性炭素構造を備えていることがわかる。一体構造体の長手方向流路の壁10は、ミクロ孔、マクロ孔、および任意選択的にメソ孔を有する構造を形成している粒子11を含む。図2のCに示すように、これら多孔質の粒子は、それらの間にマクロ孔の空間13を有するように固着されている。粒子11はミクロ孔および任意選択的にメソ孔を含む細孔構造12を有する。マクロ孔13によって、長手方向流路9から構成粒子の細孔領域12への通気を促進してもよい。
この構造を形成するには、有機樹脂を部分硬化させて固体にし、次にそれを粉砕して微小粒子を形成して、この一体構造体を作ってもよい。
次に寸法選別された樹脂粒子を液体(その樹脂が溶解しない水のような任意の液体でよい)および押し出し添加剤と混ぜて生地材料を形成する。
次に生地材料を例えば押し出して一体構造体に整形する。
次に一体構造体を例えば弱く加熱して乾燥させてこの造構を安定させてもよい。
乾燥した一体構造体中の粒子を次に焼結して互いに固着し、それにより中実の焼結樹脂一体構造体を形成する。この段階で樹脂は完全に硬化していてもよい。
焼結された一体構造体は次に必要に応じて炭化され、活性化されて、材料の表面積と細孔容積を増やし、所望の細孔構造を提供する。
炭化焼結された一体構造体は、最後に例えば喫煙品に使用するために喫煙品用フィルターに組み込んでもよい。
押し出しと焼結、または乾燥と焼結と炭化、または焼結と炭化と活性化、または炭化と活性化のようにこれらの工程のいくつかを組み合わせ、同じ過程の一部の工程として実行してもよい。
製造方法で特に重要なことは樹脂を適切な程度まで硬化させることである。樹脂はその後の炭化中に溶融しないだけ十分に硬化さなくてはならない。しかし、焼結ができない程過度に硬化させてはならない。一実施例では、押し出し中に粒子に圧力が加わると、粒子は焼結されてしまう。焼結されると粒子は融合して中実製品を形成する。しかし重要なことは、粒子がこの過程中に溶融しないことすなわち気孔率を損なわないことである。
一体構造体はこれまで多孔質の樹脂粒子から作られ、次に、例えば第2の未硬化樹脂のような結合剤を別途導入して溶融されてきた。しかしこの段階で結合剤を導入すると、固着させるために粒子を結合剤でやむをえず被覆してしまい、粒子の気孔率の一部または全部が失われてしまう場合がある。それに対して、開示された一体構造体の製造では、マクロ孔質構造を維持することができ、ミクロ孔および任意選択的にメソ孔を材料に取り入れることができる。さらに、本明細書に開示された方法によって、一体構造体の微細構造全体のより行き届いた制御ができる。例えば、最終的な一体構造体の粒子の気孔率をより高精度に調節することができる。また、一体構造体は粒子間に多数のマクロ孔13を含んでいるため、これらのマクロ孔の範囲を粒子の大きさで制御してもよい。この程度の調整は結合剤を別途導入する場合は不可能で、マクロ孔が著しく減った流路壁密度の増大に繋がり、一体構造体設計の自由度が低下する。
一体構造体の流路9の断面形状は例えば、四角、六角、三角、または円のような任意の形状でもよい。流路の形状に関して考慮すべきは、流路は押し出しで作り易くなければならないことであり、例えば型を作るのは比較的簡単でなければならない。また、流路の壁は一体構造体に機械的強度を与え、その壁厚を一定にしなければならない。一般には四角い流路が用いられる。
一体構造体の最適化
一体構造体は特定の喫煙条件での使用に最適化されることが望ましい場合がある。例えば、特定の煙成分を吸着し、圧力低下を最少にし、すなわち集中喫煙法の下でも十分に機能することが一体構造体に望ましい場合がある。一体構造体を喫煙品用フィルターでの使用に最適化するために調整可能な変数は複数あり、開示された一体構造体の特性は当業者によって簡単に調節することができる。
従来の顆粒状活性炭素と同様に、粒子11の細孔構造、表面の化学的性質、表面積、およびミクロ孔、メソ孔、および/またはマクロ孔中の間隙容積の比率は全て、いろいろな物質を吸着する材料の容量を制御するのに重要である。これらの特性は構成粒子、およびその後の炭化と活性化の工程によってもたらされる。有利なことに一体構造体は、例えば粒子を著しく溶融する技術または結合剤を用いる技術を用いて作られるのではなく焼結で作られるため、一体構造体の製造に用いられる処理工程の結果、粒子の特性は著しく変化しない。したがってこれらの製造方法の結果、開示された一体構造体は都合が良いことに予測可能かつ非常に再現性がある特性を有する。
粒子間の空間13は炭化一体構造体にマクロ孔を与える。マクロ孔の寸法は粒子の寸法を調節して制御してもよく、密に詰めた場合、前駆粒子の寸法の約20%の寸法のマクロ孔が得られる。大きな粒子を用いるともっと大きなマクロ孔が形成され、用いる粒子の寸法と最終的な一体構造体のマクロ孔の寸法の間には線形の関係がある。
大きな粒子の間の隙間を自然に埋めるある比率の微小粒子を導入して、マクロ孔の寸法を小さくしてもよい。
空隙形成剤を用いてマクロ孔の寸法を大きくしてもよい。その場合、焼結された一体構造体にポリスチレンのような粒状の空隙形成剤が取り込まれるが、一体構造体が炭化および/または活性化されるときに空隙形成剤は完全に気化され、大きなマクロ孔が作られる。
一体構造体の長さも容易に調整できる。一体構造体の有利な一特性は、フィルターの圧力降下を大きく増やすことなく一体構造体を長くできることである。これは喫煙感を損なうことなくより多くの吸着材料を添加することができるということを意味する。それに対し、フィルターに用いることができる顆粒状活性炭素の量は圧力降下に影響するため制限を受ける。
開示された喫煙品用フィルターに用いられる一体構造体は、互いに並行に一般に一体構造体の長手方向に延びる複数の内部流路を備えてもよい。長手方向流路9の直径および流路の壁10の厚さもさらに変数であって、一体構造体を煙濾過での使用に最適化するためにこれらの変数を調整してもよい。
流路は、ふさわしい型を用いる押し出し過程の手段で一体構造体の中に形成される。この方法では、流路は一体構造体中に成形され、一体構造体の長さ全体に延びる。本明細書では、流路は「長手方向」と記述され、一体構造体の「長さ」全体に延びるとされ、これらは一体構造体を作る押し出し法の観点から理解される。言い換えれば、長手方向は押し出しの方向であり、この寸法がたとえ最長寸法でなくても一体構造体の長と見なす。
流路は、押し出し過程の手段で作られるため、その寸法は巨視的寸法であって微視的寸法ではない。具体的には、長手方向流路の直径は225〜600μmでもよく、好ましくは310〜500μmである。これらの流路直径を有する一体構造体は、これらの流路寸法が開示された押し出し法で作るのに最適であるという工業的理由から有利であり、流路が細過ぎると吸引力が高過ぎ、流路が広すぎると構造を脆弱にする可能性があるという理由からからも有利である。
一体構造体の各流路およびそれに関連した境界壁は、横断面に「セル」のように現れる。横断面を見ると、1つの「単位セル」14が長手方向流路の2つの対向する壁の中心間距離として定義される。したがって単位セルは壁厚10と流路幅9両方の関数である。一体構造体のこの特徴を「セル配列」と呼び、図3のAにこれが説明されている。
セル配列の調整可能な一変数は「開放面積」である。「開放面積」は流路の総断面積であって、一体構造体の総断面積の一部である。セル配列の観点で見れば、単位セルの開放面積は、セルの全表面積を流路の管腔面積が占める割合である。
図3のBにこれが説明されている。この図で、単位セル14bの寸法は図3のAに示す構成に相対的に一定に保たれているが、流路直径9bは壁厚10bを犠牲にして増えている。この方法では、吸着に利用できる炭素材料の表面積は、各単位セルすなわち一体構造体全体では減少する。使用される活性炭素材料の量は減り、一体構造体の機械的強度も低下する。一体構造体の開放面積の調整は喫煙品用フィルター使用時の吸引抵抗に影響する可能性がある。
流路壁10をどのくらい薄くできるかには、一体構造体の機械的強度以前に限界がある。そうしなければ一体構造体を作るのに用いられる押し出し型の強度が不足する可能性がある。一般に、壁厚は構成粒子の寸法より1桁以上大きい寸法にすべきであると考えられている。一般に、壁厚の粒子寸法に対する比は約10:1で、あるいは15:1、20:1、25:1、もしくは50:1でもよい。
セル配列の調整可能な第2の変数は流路密度である。単位セルが小さいほど一体構造体の流路密度は大きくなる。図3のCにこれが説明されている。この図では単位セル14cの寸法は図3のAに示す構成に対し相対的に減少し、流路直径9cの壁厚10cに対する比は維持されている。
硬化の度合いの入念な制御、その後の連続した押し出しと焼結を含む製造方法の結果として、開示された一体構造体のセル配列は容易に操作することができる。当業者には明らかなように、セル配列を調整するには、押し出し過程に種々の型を用いる必要がある。材料の特性が構成粒子と焼結条件で決まり、この場合特性は例えば結合剤を追加しても変わらないことから、当業者は一体構造体のセル配列、細孔構造、および表面の化学的性質を高度に予測可能かつ再現性がある方法で安価に操作することができる。
一体構造体は一般に近似的に円筒状の形状を有する。非円筒状の一体構造体を用いてもよい。例えば、一体構造体の断面は楕円、三角、四角、五角、六角、または八角でもよい。
一体構造体の直径は一体構造体が用いられる喫煙品用フィルターの直径によって決定してもよい。例えば、その直径は一体構造体が用いられる喫煙品用フィルターの直径と実質的に同じかそれよりわずかに小さくてもよい。
それに加えてまたはその代わりに、一体構造体は、その外側にそれと同じ材料で長手方向が完全には囲まれていない流路を備えてもよい。
外部流路は例えば図4のAに示すように、一体構造体の外表面の稜線または溝の形態をとることができる。外部流路を有する一体構造体は実質的に非円筒状でもよく、または実質的に円筒状の形状でもよい。
外部流路の断面は任意の形状でもよく、規則的形状でも不規則形状でもよい。例えば外部流路はU字形状でもV字状でもよい。
あるいは一体構造体の外表面には外部流路が無くてもよい。
使用中、喫煙品用フィルター内では、一体構造体流路の外表面と喫煙品用フィルターのフィルター包装材の内側表面の間を煙が吸われてもよい。
一体構造体炭素材料
本特許明細書では当業者に用いられる表記に従って、吸着材料中の細孔を、直径が2nm未満(<2×10−9m)の場合は「ミクロ孔」、2〜50nmの範囲の場合は「メソ孔」、50nmを越える場合は「マクロ孔」と呼ぶ。直径が500nmより大きい細孔は一般に多孔質材料の吸着性に大きく寄与しない。
開示された一体構造体に関し、「マクロ孔」は粒子間の空間を意味する。
「流路」は一体構造体内の長手方向流路を意味し、それは裸眼で見ることができ、押し出し型で形成される。流路の幅は225〜600μmでもよく、好ましくは310〜500μmであり、一般には250μmより大きい。流路寸法が上記マクロ孔の寸法定義に入ったとしても、当業者はそれら流路をマクロ孔とは見なさない。
「ミクロ孔」は(存在すれば「メソ孔」も)、一体構造体が炭化、活性化されるときに焼結粒子内に形成されてもよい。
多孔質材料中のミクロ孔、メソ孔、およびマクロ孔の相対的容積は既知の窒素吸着および水銀多孔質分析法(porosimetry)を用いて評価することができる。水銀多孔質分析法を用いてマクロ孔とメソ孔の容積を評価することができ、いわゆるBJH数学モデルを用いる窒素吸着を用いてミクロ孔とメソ孔の容積を評価することができる。しかし、これらの評価法の理論的根拠は異なるため、2つの方法で得られた値を互いに直接比較することはできない。
一定温下の窒素の分圧で材料に吸着される窒素量の変化を測定することによって、多孔質材料の表面積を評価することができる。ブリューナー(Brunauer)、エミュレット(Emmett)、およびテラー(Teller)の数学モデルによる結果の解析から、BET表面積として知られている値が得られる。本明細書では別途記載が無い限り、表面積データは全て窒素吸着で測定されたものである。
物理的特性の組合せで特徴が決まる多孔質の炭素材料が、タバコの煙から1つ以上の成分を除去する場合に特に効果的であることが分かってきた。開示された喫煙品用フィルターの一体構造体は、複数特性をこのように有利に組合せた炭素材料を含んでもよい。
具体的には、一体構造体は、BET表面積が少なくとも800m/g、密度が0.4〜1.0g/cc、メソ孔とミクロ孔を含む細孔構造、細孔容積(窒素吸着で測定)が0.4〜1.5cm/gである多孔質の炭素材料を含んでもよい。
一体構造体の炭素材料はその密度ではなく細孔構造で特徴が決まってもよい。具体的には、一体構造体は、BET表面積が少なくとも800m/g、メソ孔とミクロ孔を含む細孔構造、細孔容積(窒素吸着で測定)が少なくとも0.4〜1.5cm/gでその15〜65%がメソ孔である多孔質の炭素材料を含んでもよい。
多孔質の炭素材料の密度と細孔構造には密接な関係がある。一般に、ミクロ孔、メソ孔、およびマクロ孔の容積合計が大きくなる程、密度は小さくなる。細孔によって所定質量の材料の容積は増えるがその重量は増えないからである。さらに、密度が小さくなると、マクロ孔とメソ孔のミクロ孔に対する比率は増える。つまり、一般に、炭素材料の密度が小さくなるほど、メソ孔とマクロ孔の細孔容積のミクロ孔の細孔容積に対する比率は大きくなる。しかし、密度と細孔容積の間の相互関係は窒素吸着で決定されるため精密ではない。
ミクロ孔構造およびメソ孔構造と密度との間に完全な相互関係が無いのは、細孔の寸法分布を評価するために用いられる窒素吸着の技術では約50nmを越える細孔寸法を検出できないことから生じる。したがって、窒素吸着法で評価される材料の細孔の総容積はミクロ孔とメソ孔の細孔容積合計に相当する。材料のマクロ孔の容積はこの技術では分からない。すなわち、窒素吸着で検出時に炭素材料の密度が小さく、メソ孔の割合が比較的小さい場合、その低密度の原因はメソ孔範囲にすぐ隣接するマクロ孔範囲すなわち50〜500nmの範囲の比較的大きな細孔容積にある。マクロ孔範囲の細孔容積は水銀多孔質分析法で評価できるが、この技術を用いて得られた結果は窒素吸着を用いて得られた結果とは一致しない。故に、材料の細孔容積を全細孔寸法範囲2〜500nmにわたって精密に評価することは困難である。
一部の一体構造体炭素材料は、密度が0.4、0.5、または0.6g/ccより大きくてもよい。一部の一体構造体炭素材料は、密度が0.7、0.8、または0.9g/cc未満でもよい。
材料のBET表面積は変化してもよい。一般に、材料の表面積はある範囲にあり、その上限および下限は以下の互いに異なる値の任意の2つで定義される。すなわち2100、2000、1800、1750、1600、1500、1300、1100、1010、1000、950、910、900、810、790、および700m/g。
例えば、材料は表面積が700〜2000m/g、700〜1300m/g、790〜1100m/g、810〜1010m/g、790〜1800m/g、810〜1300m/g、その他でもよい。
開示された喫煙品用フィルターの一体構造体の多孔質炭素材料は一般に、細孔容積(窒素吸着で評価)が0.4〜1.5cm/gである。ミクロ孔とメソ孔を含む一体構造体炭素材料の細孔容積はミクロ孔質のみの一体構造体炭素材料の細孔容積より大きい。ふさわしい一体構造体炭素材料の細孔容積は0.5、0.6、0.7、または0.8cm/gより大きくてもよく、1.4、1.3、1.2、または1.1cm/gより小さくてもよい。
一体構造体多孔質の炭素材料では、細孔容積の25〜65%、例えば40%(窒素吸着で評価)はメソ孔でもよい。例えば、メソ孔の容積の最小値は本発明の炭素材料のミクロ孔とメソ孔の容積合計の割合で27、30、35、37、40、または45%でもよい。このような容積の最大値は65、60、55、および53%でもよい。一般に、一体構造体炭素材料のメソ孔容積は、メソ孔とミクロ孔の容積合計の35〜55%の範囲でもよい。具体的には、細孔寸法分布を調整することによって特定の煙成分の特異的な除去を改善してもよい。
原材料
開示された喫煙品用フィルターに用いられる一体構造体の炭素材料は樹脂由来である。この樹脂は、求核成分を任意選択的に細孔形成剤の存在下で求電子架橋剤と縮合して得てもよい。
求核成分は例えばノボラック(novolak)樹脂のようなフェノール樹脂でもよく、または以下のようなフェノール化合物の共重合体を基にした他の樹脂、例えばm−アミノ−フェノール、またはレジルシノール、ヒドロキシノンのようなジフェノール、またはアニリン、メラミンのようなアミン、またはホルムアルデヒド、フルフラール、またはサリチルアルデヒドのようなアルデヒドによるユリアでもよい。
架橋剤は例えばホルムアルデヒド、フルフラール、またはヘキサメチレンテトラミンでもよい。
部分的に縮合された製品を作るために最初に縮合する。別の架橋剤を混合した場合にだけ硬化するノボラック樹脂を作るために縮合してもよい。
本発明の一体構造体活性炭素構造を作るのに用いられる樹脂は、一般にヘキサメチレンテトラミンと架橋したノボラック樹脂である。
細孔形成剤
求核成分の求電子架橋剤による縮合は細孔形成剤の存在下で実行することができる。細孔形成剤はより大きな細孔を材料に取り込むのに特に役立つ。
樹脂の製造に溶媒を用いてもよい。細孔形成剤は溶媒として作用してもよい。
細孔形成剤として使用可能な溶媒は多数ある。溶媒を著しく蒸発させずに重縮合反応を妥当な速度で進行させるには、これらの溶媒は粘度が高すぎず、かつ沸点が十分に高くなくてはならない。ノボラック樹脂と架橋剤も溶媒への溶解度が高くなければならない。
細孔形成剤は、例えばジオール、ジオール−エーテル、環状エステル、置換環状アミドもしくは置換直鎖状アミド、またはアミノアルコールでもよい。
エチレングリコールおよびジエチレングリコールを細孔形成剤として用いてもよい。
一般に、細孔形成剤の含有量が多くなるほど多くの細孔が作られ、細孔の容積は増える。つまりこの仕組みによって、より大きな細孔を架橋樹脂に形成することを制御する便利な方法が提供される。
細孔形成剤の樹脂系成分に対する重量比は一般に少なくとも1:1である。求核成分の100重量部あたり5〜40重量部の量の架橋剤が通常用いられ、一般に5〜15、例えば求核成分100重量部あたり架橋剤10重量部が用いられる。
硬化
上記のように樹脂の硬化の程度を制御することが重要である。具体的には、樹脂の硬化は、樹脂が炭化時に溶融しないように十分に硬く、しかし粉砕工程で作られる粒子がその後の処理で焼結可能なように柔らかく調整される必要がある。
一般には部分的硬化の工程の温度および時間を選択して満足な硬化程度が得られるようにすると、粉砕により所望の寸法の粒子が得られ、得られた粒子は焼結可能である。
硬化程度は、硬化樹脂の粒子で調整した3mmの押し出し品の破砕強度で評価することができる。一般にフェノール樹脂の場合、炭化後のペレットの半径方向破砕強度は、触媒担体の破砕強度を判定する従来装置による測定で5kgである。
粉砕
所望の程度まで硬化したら樹脂は粉砕され、その後一体構造体に形成される。
当業者には、正しい特性の樹脂材料粒子を得るのに種々の粉砕方法が適することがわかっている。一般に、粉砕は任意の適した方法で実行することができ、研削、切削、破砕、圧縮、粉砕、または固形物を小断片に破壊する他の任意の手段でもよい。例えば、分級装置が組み込まれた噴流式粉砕器を用いて、高エネルギー流体床で粒子の寸法を小さくし、所定寸法未満の粒子だけが粉砕器から出るようにしてもよい。
粉砕後に最適寸法の粉砕樹脂粒子を選別してもよい。寸法の選択は任意のふさわしい方法で行うことができ、例えば粉砕された材料をふるいに掛ける方法でもよい。あるいは、ふるいに掛ける必要がなく正しい寸法の粒子を作る粉砕過程を設計することもできる。
粉砕された材料の平均粒子寸法は1〜200μmの範囲、例えば5〜100μmでもよい。例えば平均粒子寸法は70μm未満であり、一般に約10〜60μmである。
押し出し
押し出し過程は任意のふさわしい方法で実施することができ、種々の方法が当業者に知られている。
押し出し過程を改良するため、粉砕された樹脂粒子をふさわしい生地材料に形成することができる。例えば、樹脂粒子を押し出し添加剤および樹脂粒子が溶解しない水のような液体と混合してもよい。当業者に既知の他の添加剤を用いてもよい。
焼結
開示された一体構造体は焼結された一体構造体である。「焼結」とは、部分硬化した樹脂の個々の粒子が著しく溶融せずに、または例えば二次的な未硬化樹脂のような結合剤を別途導入する必要無しに固着される過程を意味する。
上記のように、樹脂粒子が実質的にその物理的特性を焼結過程中も維持することが焼結過程の重要な機能である。とりわけ粒子が溶融して樹脂の溶融塊を作ることは望ましくない。というのは、粒子およびより具体的には粒子間のマクロ孔が一体構造体に内部多孔性を与えるからである。樹脂が溶融すると粒子の微細構造が失われ、結果得られる一体構造体のマクロ孔が減少してしまう。溶融により、炭化された一体構造体に歪みが生じる場合もある。
焼結過程は、硬化過程が正しい範囲まで実行されて粒子が化学的に固着可能であるときに樹脂粒子に残存する化学的活性によって生じるかもしれない。この固着過程には熱も圧力も不要であるが、弱い加熱と圧力で強化され、湿度で促進される。湿度を欠く場合、より高い温度および/または圧力が必要な場合がある。焼結過程は押し出し過程の圧力や、室温または100℃未満のやや高温のどちらかになる乾燥過程によっても部分的に推進される場合がある。
乾燥
押し出し過程の次に、引き抜かれた一体構造体から液体を除去するために一般には乾燥工程が実行される。一体構造体は室温で乾燥してもよく、弱く加熱してこの乾燥過程を加速してもよい。
炭化および活性化
炭化は、一体構造体を不活性雰囲気中または真空中で少なくとも600℃の温度まで加熱して達成してもよい。炭化は一般に約1時間行われるが、炭化工程の時間は重要ではない。
活性化は一体構造体の反応性雰囲気中の熱処理によって生じる。一体構造体は空気、水蒸気、あるいは二酸化炭素の中、またはそれらの混合気中で、それぞれ少なくとも400℃、750℃、および800℃の温度で加熱して活性化されてもよい。活性化は一般に800〜1000℃のCO中で3〜24時間行われる。
活性化と炭化を同じ過程の一部として実施してもよく、例えば一体構造体をある温度まで加熱し、または800℃を越えて加熱し、その後周囲温度に戻す過程の一部として、一実施例では最大24時間実施してもよい。
活性化反応の範囲は燃焼によって特徴付けられ、その構造の質量変化を基に炭化材料の重量損失率(%)で表される。一体構造体の活性化によって細孔構造の利用可能性が改善され、必要に応じて細孔の幅および細孔容積を増やすことができる。一般に、活性化率(%)を上げるとミクロ孔の数が増え、よって表面積が増えることになる。
一体構造体の活性化の結果、炭素重量が10〜50%、例えば15〜40%損失する場合がある。炭素重量損失値は約16〜38%、17〜35%、18〜30%、または20〜25%でもよい。
細孔寸法
一体構造体の細孔寸法分布は複数の因子に影響を受ける可能性がある。その因子には、用いられる求電子成分と架橋剤の性質、細孔形成剤の有無、および反応速度がある。
炭化の前に、低温で例えば洗浄または真空乾燥して細孔形成剤から炭素材料を分離することも細孔寸法分布に影響を与える。炭化前に細孔形成剤除去処理を施された炭素材料のメソ孔容積は、炭化中に細孔形成剤が除去される同様の材料よりも大きい。
吸着される個々の物質に応じて一体構造体の細孔構造を操作してもよい。
図2に示すミクロ孔率および/またはメソ孔率12は一般に、主に樹脂の前駆材料に起因する。この細孔構造は細孔形成剤を用いて操作してもよく、および/または炭化条件および活性化条件を調整して操作してもよい。
一方、マクロ孔の寸法は前駆粒子の寸法を変えて調整してもよく、一般にはマクロ孔寸法は樹脂粒子寸法の約20%である。
セル
上記のように、一体構造体は複数の長手方向流路すなわち「セル」を含む。一体構造体のセルの数は多様でもよい。セルの数はある範囲でもよく、その上限と下限は互いに異なる以下の値、すなわち1平方センチメートルあたり75、90、120、150、180、200、220、250、280、および310の内の任意の2つで定義される。
例えば、1平方センチメートルあたりのセルの数は180〜310でもよく、好ましくは200〜280である。
あるいは、一体構造体のセル構造を開放面積で定義してもよい。一体構造体の開放面積は多様でもよい。開放面積はある範囲でもよく、その上限と下限は互いに異なる以下の値、すなわち25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、および80%の内の任意の2つで定義される。
例えば、開放面積は30〜60%でもよく、好ましくは30〜40%、さらに好ましくは32〜38%で、例えば約35%である。
図1および図2に示す一体構造体のセルは断面が四角である。しかし、任意の断面形状のセルを用いてもよい。例えば、図4のB〜Dに示すように、流路は六角、円、または三角でもよい。流路はもっと複雑な断面形状を有してもよく、規則的な形状でも不規則な形状でもよい。一体構造体の周辺のセルは、一体構造体の外壁で切り取られているために不規則な形状でもよい。
四角いセルは、押し出し型の作製に関係する問題を最少にすること、押し出しの容易さ、それに作られた炭素一体構造体の吸着特性および機械的特性の間の釣り合いが良い。
寸法
一体構造体の寸法は使用目的で決定されてもよい。例えば、紙巻きタバコフィルターに入れられる一体構造体は一般に円筒状でもよく、紙巻きタバコの周囲と同様の周囲を有してもよい。一般的な紙巻きタバコの直径は約8mmであるため、そのようなフィルターに用いられる一体構造体は直径がそれよりやや細く、例えば、7.8mmのような直径である。他の喫煙品に用いられる一体構造体は、それに応じて異なる周囲を有してもよい。
一体構造体の長さは、実施時に喫煙品用フィルターの長さで決定してもよい。したがって一体構造体の長さは約4mmでもよく、または5〜約27mmでもよく、一般に約6〜25mm、7〜23mm、または8〜21mmであり、例えば約10mmのような約8〜12mmでもよい。
添加剤
一体構造体に添加剤を加えてもよく、一体構造体で添加剤を但持してもよい。添加剤は煙に添加可能で煙の組成を改良できるものなら任意のものでよい。添加剤は脱臭剤、希釈剤、吸着剤、または煙を改良できる任意の他の物質でもよい。添加剤は水でもよい。各国の規制法で許可されていれば、添加剤はハッカのような香味剤でもよい。
添加剤は一体構造体の細孔および/または流路の中に但持されてもよく、一体構造体を通って吸い込まれる煙として放出されてもよい。添加剤は任意のふさわしい手段で放出されてもよい。例えば、煙の温度、pH、湿度、または他の特性によって添加剤の放出が誘起されてもよい。
本明細書で用いられているように、「香味料」、「風味料」および「香味剤」は、各国の規制で認可され所望の味または風味を作り出すために使用してもよい材料を意味する。香味剤に含まれるのは、抽出物(例えばカンゾウ、アジサイ、ホウノキ、カモミール、コロハ、クローブ、メントール、和種ハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、イチヤクソウ、桜、ベリー、桃、リンゴ、ドランブイ(Drambuie)、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セルリー、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、蜂蜜エキス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、桂皮、キャラウェー、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ピメント、ジンジャー、アニス、コリアンダー、コーヒー、または何らかの種のハッカ属のミント油)、香味防止剤、苦み受容体部位ブロッカー、受容体部位促進剤、甘味料(例えば、スクラロース、カリウムアセサルフェーム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、サクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、またはマンニトール)、および他の添加物例えば木炭、クロロフィル、無機物、植物、または呼気清涼剤である。これらは模倣品でも、合成物または天然材料でも、またはその混合物でもよい。
香味は、例えばタバコ抽出物由来のタバコ香味でもよい。
添加剤は粉のような固体でもよく、液体の香味剤、脱臭剤、水、その他のような液体でもよく、香り成分のような気体でもよい。
実施例
試料調整および分析方法
国際公開第03/008068号パンフレットに、炭化焼結樹脂を含む一体構造体を作る方法の詳細が開示されている。
特にことわりが無い限り、本実施例で説明される一体構造体は全て炭化焼結樹脂を含み、そのBET表面積は約900m/gである。全ての一体構造体は開放面積が36%である。
タバコの煙から煙成分を除去する種々の活性炭素実施例の性能を判定するため、活性炭素の種々の実施例を備える試験用紙巻きタバコを調整した。各紙巻きタバコ用に3部分で構成されたフィルターを組み立てた。その吸い口側部分とタバコ側部分は、トリアセチンをそれぞれ10%と6%有するセルロースアセテートのプラグでできている。中央の空洞には一体構造体炭素のような活性炭素の実施例または顆粒状炭素のような活性炭素の試料を規定通りに挿入した。比較用にフィルター中央部分が空洞の対照用紙巻きタバコも調整した。
フィルター組立体への換気は行わなかった。
喫煙前、試験用紙巻きタバコおよび対照用紙巻きタバコは22℃、相対湿度60%に3週間保存した。
次にこれらの紙巻きタバコを、管理条件(22℃、相対湿度60%)の下で機械により喫煙し、各紙巻きタバコから吸い出した煙を分析して、種々の主要な煙成分の量を判定した。特にことわりが無い限り、紙巻きタバコの喫煙はISO喫煙方法に従い、機械により1分間あたり2秒一服で35ml喫煙した。
次に、試験用紙巻きタバコの煙中の各成分の削減率(%)を、対照用紙巻きタバコから得られた成分と比較することによって、以下のように計算した。
煙成分の削減率(%)=(A−B/A)×100
ここに、
A=対照用紙巻きタバコの煙成分収量(NFDPM収量に正規化)
B=試験用紙巻きタバコの煙成分収量(NFDPM収量に正規化)
1.一体構造体流路密度の影響
一体構造体が煙成分を吸着する能力に流路密度が及ぼす影響を評価した。
流路密度が異なる炭化焼結樹脂を含む2つの一体構造体を調整した。これらの一体構造体の調整方法は同じであるが、一体構造体の押し出しに用いた型の1平方センチメートルあたりのセル数が唯一異なる。ただし開放面積は36%で同じである。壁厚の流路直径に対する比は一定に保った。別々の一体構造体の気孔率は実質的に同じであることが分かった。
流路密度が低い一体構造体には1平方センチメートルあたり約90個のセルがあり、流路密度が高い一体構造体には1平方センチメートルあたり約200個のセルがあった。試験用紙巻きタバコを上記のように調整し、管理された条件で喫煙した。一体構造体の位置を空洞にした対照用紙巻きタバコを作り、同じ条件で喫煙した。その後各成分の量の削減率(%)を計算し、表1に示す。
Figure 0006005735
流路密度が1平方センチメートルあたり90個から200個に増えると、測定された全ての成分の吸着に増加が認められた。
2.セル密度が高い一体構造体の長さの影響
一体構造体の長さが煙成分を吸着する能力に及ぼす影響を評価した。
1平方センチメートルあたりのセル数が約200個、開放面積が36%である炭化焼結樹脂を含み、長さがそれぞれ5mmおよび10mmである2つの一体構造体を調整した。一体構造体の調整方法は同じであるが、押し出し条件を調節して一体構造体の長さを調節したことが唯一異なる。
試験用紙巻きタバコを上記の様に調整し、管理された条件で喫煙した。一体構造体の位置を空洞にした対照用紙巻きタバコを作り、同じ条件で喫煙した。空洞の長さがそれぞれ5mmおよび10mmである2つの対照用紙巻きタバコを調整した。
次に、各試験用紙巻きタバコの性能を、相当する長さの空洞がある対照用紙巻きタバコと比較して評価した。煙成分収量を判定し、表2に示す。
Figure 0006005735
各成分の量の削減率(%)を計算し、これを表3に示す。
Figure 0006005735
一体構造体の長さを大きくすると、試験した全ての成分で煙成分の吸着が増える結果となった。
3.複数の一体構造体の影響
複数の一体構造体が煙成分を吸着する能力に与える影響を評価した。
炭化焼結樹脂を含み、長さがそれぞれ5mmおよび10mmの2つの一体構造体を調整した。一体構造体の調整方法は同じであるが、炭化および活性化の前に一体構造体の長さを切断して適切な長さに調節したことが唯一異なる。
10mmの一体構造体を1つ、または5mmの一体構造体を隣接して2つ含む試験用紙巻きタバコを上記のように調整した。これらの紙巻きタバコを管理されたISO条件で喫煙した。一体構造体の位置に10mmの空洞がある対照用紙巻きタバコを作り、同じ条件で喫煙した。
次に各紙巻きタバコの性能を評価した。煙成分収量を判定し、表4に示す。
Figure 0006005735
各成分の量の削減率(%)を計算し、表5に示す。
Figure 0006005735
実施例2で、一体構造体の長さを大きくすると煙成分の吸着が増えることが実証された。一方、実施例3では、短い一体構造体を隣接して2つ組み合わせて用いると、全長が同じ単体の一体構造体と比べて煙成分の削減率が増えることが明確に示された。
4.喫煙強度の影響
煙成分を吸着する一体構造体の能力を従来の顆粒状活性炭素と比較して、異なる喫煙強度条件で試験した。
長さが10mmで、1平方センチメートルあたりセルを約200個有し、開放面積が36%である炭化焼結樹脂を含む一体構造体を調整した。フィルター付加物を含まない(すなわち空洞がある)対照用紙巻きタバコも調整した。
フィルター中央部の一体構造体の位置に顆粒状活性炭素を含む紙巻きタバコも調整した。顆粒状炭素の物理的特性を一体構造体の炭素の物理的特性とできる限り同じにするために、この顆粒状炭素は同じ顆粒材料から作り、一体構造体を作るのと同一の方法で押し出して棒を形成した。この顆粒状炭素の棒を次に粉砕して顆粒状活性炭素を形成し、これを紙巻きタバコのフィルターの空洞に挿入した。
紙巻きタバコの管理された喫煙には、既知の2つの工業規格の喫煙方法を用いた。
ISO法では、紙巻きタバコを機械により1分間あたり2秒一服で35ml喫煙した。
カナダ政府がタバコ法報告規制(Tobacco Act Reporting Regulation)で自国の紙巻きタバコ製品に定める条件に従い、「強」喫煙法(人が喫煙する方法をより代表すると見なされている)も実施した。この強喫煙法に従い、紙巻きタバコを機械により30秒あたり2秒1服で55ml喫煙した。
煙成分収量を判定し、表6に示す。
Figure 0006005735
各成分の量の削減率(%)を計算し、表7に示す。
Figure 0006005735
一体構造体および顆粒状活性炭素が煙成分を吸着する容量は、紙巻きタバコをISO条件で喫煙した場合同等であった。しかし強喫煙法下では、一体構造体は顆粒状活性炭素より著しく良好な成績を収めた。
強喫煙法下で一体構造体が煙成分を吸着する能力は驚くほど高い。この知見は重要である。というのは、使用者が喫煙品をより強く吸うと従来のフィルターでは煙成分を除去する効率は低下するからである。その結果は明らかに、高濃度の煙成分を吸い込むことになる。しかし、一体構造体を備えるフィルターを使用することによって、使用者は吸引強度にもかかわらず高濃度の煙成分を被曝することがない。
顆粒状の試料と一体構造体の試料で活性炭素材料は同一であることから、この性質は明らかに一体構造体の成果である。おそらくこの性質は、一体構造体の壁構造とセル配列によってもたらされる表面積と細孔寸法の分布の結果生じていると思われる。煙成分が材料内を横断的に高速で吸引されても、一体構造体のセル構造によって煙成分が吸着部位に接近し易くなるものと思われる。
5.メソ孔の導入の影響
煙成分を吸着する一体構造体の能力に細孔構造が与える影響を検討した。
炭化焼結樹脂を含み、1平方センチメートルあたりセルを約200個含み、開放面積が36%である長さが10mmの一体構造体を調整した。この一体構造体は、ミクロ孔質またはミクロ孔質とメソ孔質の両方のどちらかとした。メソ孔は細孔形成剤の手段で樹脂に取り込んだ。
一体構造体の気孔率は77Kの窒素吸着で確認し、得られた吸着等温線を図5に示す。当業者には理解されるように、この吸着等温線の相対圧力が小さいところに鋭い「屈曲(knee)」があることから、ミクロ孔が存在することがわかる。相対圧力が高い方にある上向きの曲線はメソ孔の存在を示す。したがって図5から、一方の一体構造体にはメソ孔があり他方には無いことが分かる。
比較のため、活性炭素材料の2つの非一体構造体の試料も用いた。第1の顆粒状活性炭素は、粒度が15/40の顆粒を含むココナツ由来のミクロ孔質活性炭素で、サトクリフスピークマン社(Sutcliffe Speakman)(208C)から入手した。第2の顆粒状活性炭素は、粒度寸法が35/60の炭素ビーズを含むミクロ孔質と中細孔質の合成活性炭素で、MAST炭素有限会社(MAST Carbon LTD)(BW)から入手した。
活性炭素の種々の試料の物理的特性を表8に示す。
Figure 0006005735
ISO喫煙条件および強喫煙条件下の煙成分削減率(%)を表9に示す。
Figure 0006005735
全体に、顆粒状のミクロ孔質活性炭素はISO喫煙法および強喫煙法共に成分の吸着が最少であった。
顆粒状炭素試料の比較では、メソ孔を活性炭素に組み込むことによってタバコ煙の成分の吸着が明らかに改善される。これは喫煙方法の強さによらず当てはまる。
しかし一体構造体が煙成分を吸着する容量は、メソ孔の組み込みに影響を受けていない。実際のところミクロ孔質の一体構造体では、ISO条件でミクロ孔とメソ孔の両方を含む一体構造体と比べ、測定された13の煙成分中12成分で大きな煙成分削減率(%)が実証されている。
炭素の添加物が種々の煙成分を吸着する能力は通常、ISO喫煙法からより強い喫煙法に変わると、フィルター内の流速の上昇に悪影響を受ける。その理由は、フィルター内の煙の本流の速度が上昇することによって煙成分と炭素の表面領域の間の接触時間が減り、吸着の可能性が減るためと考えられている。実施例4では、一体構造体が煙成分を吸着する容量は喫煙の強さが上昇しても従来の顆粒状活性炭素ほど著しく低下しないことが示されている。予測通り顆粒状活性炭素の試料では、強喫煙時にISO条件と比べて煙成分削減率(%)が著しく低いことが実証されている。ミクロ孔質の一体構造体では、強喫煙時の成分吸着の低下はわずかである。
注目すべきは、ミクロ孔およびメソ孔を両方含む一体構造体では、測定された煙成分のほとんど全てで、ISO吸引時と強喫煙時の削減率(%)の差が非常に僅かであることが実証されたことである。ミクロ孔とメソ孔を両方含む一体構造体が強喫煙条件で同等以上の効率で成分を吸着することは予想外である。
この能力は一体構造体自身に起因するとは思われない。ミクロ孔質の一体構造体では影響が同じ程に顕著でないからである。
さらに、その影響はメソ孔の存在に起因するとも思われない。顆粒状炭素の2つの試料を比較しても同じ効果が観察されないからである。この例では、メソ孔の導入は強喫煙法下で発生している煙成分の吸着の低下に影響していないと思われる。
正しくはこの影響は、ミクロ孔質およびメソ孔質の両方の細孔構造ならびに一体構造体の驚くべき有利な組合せに起因すると思われる。

Claims (19)

  1. プラグラッパーで取り囲まれた一体構造体を含む喫煙品用フィルターであって、
    1)前記一体構造体は炭化された焼結樹脂を含み、
    2)前記一体構造体は複数のセルを含み、各セルは前記一体構造体の中を延びる流路を備え、
    3)前記一体構造体は断面に1平方センチメートルあたり180〜310個のセルを含み、さらに、
    4)前記一体構造体の細孔容積は窒素吸着による評価で0.4〜1.5cm /gである、
    喫煙品用フィルター。
  2. 前記一体構造体は結合剤を含まないことを特徴とする請求項1に記載の喫煙品用フィルター。
  3. 数の前記流路の総断面積は前記一体構造体の総断面積の30〜40%を占める、ことを特徴とする請求項1に記載の喫煙品用フィルター。
  4. 前記複数の流路の前記総断面積は前記一体構造体の前記総断面積の32〜38%を占めることを特徴とする請求項3に記載の喫煙品用フィルター。
  5. 前記一体構造体は断面に1平方センチメートルあたり200〜280個のセルを含むことを特徴とする請求項に記載の喫煙品用フィルター。
  6. 前記一体構造体は炭素材料を含み、前記炭素材料はミクロ孔およびマクロ孔を含む細孔構造を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の喫煙品用フィルター。
  7. 前記細孔構造はメソ孔をも含むことを特徴とする請求項に記載の喫煙品用フィルター。
  8. 記流路を包含する前記一体構造体の前記炭素材料はマクロ孔を含む細孔構造を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の喫煙品用フィルター。
  9. 前記一体構造体は断面が四角である複数の流路を備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の喫煙品用フィルター。
  10. 前記一体構造体の前記炭素材料は700〜1300m/gのBET表面積を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の喫煙品用フィルター。
  11. 前記一体構造体の前記炭素材料は810〜990m/gのBET表面積を有することを特徴とする請求項10に記載の喫煙品用フィルター。
  12. 前記一体構造体は8〜12mmの長さを有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の喫煙品用フィルター。
  13. 複数の一体構造体を含むことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の喫煙品用フィルター。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の喫煙品用フィルターを含む喫煙品。
  15. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の一体構造体のタバコ煙の濾過への使用。
  16. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の喫煙品用フィルターを作る方法であって、
    (a)部分的に硬化させた樹脂の粒子を生地に形成し、前記生地を整形して一体構造体を作ることと、
    (b)前記粒子を焼結することと、
    (c)前記焼結された一体構造体を炭化し活性化させることと、
    (d)前記一体構造体を前記喫煙品用フィルターに組み込むことと、
    を含む方法。
  17. 前記生地を整形することは前記生地を押し出すことを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 前記生地は結合剤を含まないことを特徴とする請求項16または17に記載の方法。
  19. 樹脂が、求核成分を細孔形成剤の存在下で求電子架橋剤と縮合することによって得られるフェノール樹脂であることを特徴とする請求項16乃至18のいずれか1項に記載の方法。
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