JP6003786B2 - 車両位置推定システム、車両位置推定装置 - Google Patents

車両位置推定システム、車両位置推定装置 Download PDF

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本発明は、自車両の位置を推定するシステムおよび装置に関する。
従来、GPS(Global Positioning System)を用いて自車両の位置を測位する車両位置推定システムや車両位置推定装置がある。これらのシステムや装置によって推定される自車両の位置情報は、現在の自車両位置から目的地までの経路を案内するカーナビゲーション装置(以降、カーナビとする)などに用いられている。また、車速センサなどの自車両が備える種々のセンサの出力から、自車両の移動している方向および移動量を取得することで自車両の位置を推定する方法(すなわち自立航法)を、GPSの電波に基づいて自車位置を推定する電波航法と組み合わせたハイブリッド航法を採用したシステムや装置もある。ハイブリッド航法を用いていれば、GPSの電波が受信できない場合にも自立航法で自車位置の推定を継続できる。なお、自立航法で用いる信号を出力するセンサを自立センサということもある。
しかしながら、価格の低減や取り付け易さの観点などから、GPSは用いるが、自車両に搭載された自立センサのセンサ値を用いないで自車両の位置を推定する電波航法を採用した車両位置推定装置も依然販売されている。電波航法で自車両の位置を推定する車両位置推定装置では、たとえばトンネル内などの、GPS電波を受信できない場所においては位置を取得できない。
特許文献1では、電波航法で自車両の位置を推定する車両位置推定装置であっても、GPS電波を受信できない場所において、自車両の位置を推定する技術が開示されている。この特許文献1に記載の車両位置推定装置では、自車両の周辺を走行する車両(以降、周辺車両)の走行速度を、車両間における無線通信(すなわち、車車間通信)を実施して取得する。そして、特許文献1に記載の車両位置推定装置は、自車両もまた、その周辺車両の走行速度と同じ速度で走行しているものとして、トンネルに入った後の自車両の位置を推定する。
特開2011−174770号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、周辺車両と自車両との走行速度の差が、推定される車両位置の精度に大きく影響を与える。すなわち、推定時に自車両の走行速度とされる周辺車両の走行速度と、実際の自車両の走行速度との差が大きければ大きいほど、推定される自車両位置と実際の自車両位置との乖離が大きくなる。
ところで今後は、自車両と周辺車両とが車車間通信によって、それぞれの車両位置を共有し、たとえば車両同士の衝突を防止するなどの、より安全性を高めるためのシステムが実用化されていくことも考えられる。このような車両位置のデータを用いて種々の制御を行うシステムにおいては、GPS電波が受信できない状況であっても、より精度よく車両位置を推定することが求められる。また、経路案内などにおいても、より精度よく車両位置を推定できることが好ましい。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、自立センサの信号を利用しない車両位置推定装置において、GPS電波を受信できない状況であっても、より精度よく自車両の位置を推定する車両位置推定装置、および車両位置推定システムを提供することにある。
その目的を達成するための車両位置推定システムの発明は、第1車両で用いられ、前記第1車両の位置を推定するための第1車両位置推定装置(1)と、前記第1車両の周辺を走行する第2車両で用いられ、前記第2車両の位置を推定するための第2車両位置推定装置(2)と、を備えた車両位置推定システム(100)であって、前記第2車両位置推定装置は、前記第2車両の位置を代表して表す点の座標である第2車両座標を推定する第2車両座標推定部(22A)と、前記第2車両座標推定部で推定した前記第2車両座標を前記第1車両に送信する第2車両側送信部(211)と、を備え、前記第1車両位置推定装置は、前記第2車両側送信部より送信された前記第2車両座標を逐次受信する第1車両側受信部(112)と、探査波を送信し、その反射波を受信することで前記第2車両との距離を逐次検出する測距センサ(14)と、前記測距センサが前記探査波を送信する方向に応じて、前記第2車両に対して前記第1車両が存在する方向に相当する第1車両方向を決定する第1車両方向決定部(12S)と、前記第1車両の現在位置を代表して表す点の座標である第1車両座標を、衛星から受信する信号をもとに推定する位置推定部(12L)と、前記位置推定部による前記第1車両座標の推定が実行されない状態において、前記測距センサで検出した距離と、前記第1車両方向決定部で決定した前記第1車両方向とに基づいて前記第2車両に対する第1車両の相対位置を特定し、前記第1車両側受信部で受信した前記第2車両座標から前記相対位置に応じた量ずらした位置を前記第1車両座標する第1車両座標推定部(12K)と、を備えることを特徴とする。
以上の構成では、第1車両位置推定装置は、第2車両の位置の座標と、第1車両と第2車両との距離と、第2車両に対する第1車両が存在する方向とから、第1車両の位置を示す座標を決定する。したがって、第1車両位置推定装置は、自立センサの信号を利用せず、かつ、GPS電波が受信できない場合であっても、第1車両の位置を推定することができる。
また、第2車両の速度を第1車両の速度として第1車両の位置を推定しないため、実際の第1車両の速度と第2車両の速度との差による誤差は生じない。したがって、第2車両の速度を第1車両の速度として第1車両の位置を推定する場合よりも、精度よく第1車両の位置を推定することができる。
また、車両位置推定装置の発明は、前記第1車両位置推定装置の機能を備えることを特徴とする車両位置推定装置である。
本発明に係る車両位置推定システム100の概略的な構成を示す図である。 先行車両側位置推定装置2の概略的な構成の一例を示す図である。 自車両側位置推定装置1の概略的な構成の一例を示す図である。 自車両側制御部12の機能を説明するための機能ブロック図である。 先行車両識別関連処理の流れを説明するためのフローチャートである。 自車両位置推定関連処理の流れを示すフローチャートである。 第2位置推定関連処理の流れを示すフローチャートである。 直線用自車位置推定処理において先行車両Bと自車両Aとの位置関係を説明するための模式図である。 曲線用自車位置推定処理において先行車両Bと自車両Aとの位置関係を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施形態を図1〜9を用いて説明する。図1は、本発明に係る車両位置推定システム100の概略的な構成の一例を示す図である。図1に示すように車両位置推定システム100は、自車両Aで用いられる自車両側位置推定装置1と、自車両Aの先行車両Bで用いられる先行車両側位置推定装置2と、を備えている。この自車両Aが請求項に記載の第1車両に相当し、自車両側位置推定装置1が第1車両位置推定装置に相当する。また、先行車両Bが請求項に記載の第2車両に相当し、先行車両側位置推定装置2が第2車両位置推定装置に相当する。
自車両側位置推定装置1および先行車両側位置推定装置2はそれぞれ、車車間での無線通信(以降、車車間での無線通信を車車間通信と称する)を実施するための通信部(11、21)を備えている。そして、各車両は、自身の車両情報を周囲に逐次送信するとともに、他車両が送信した車両情報を受信する。車両情報の詳細は後述するが、この車両情報には各車両の現在位置(緯度、経度)、複数の車両を識別するためのID(機器ID)が含まれている。
まず、図2を用いて、先行車両側位置推定装置2の概略的な構成について説明を行う。図2に示すように、先行車両側位置推定装置2は、通信部21、先行車両側制御部22、GPS受信部23、車速センサ24、ジャイロセンサ25、および記憶部26を備えている。先行車両側制御部22と、通信部21、GPS受信部23、車速センサ24、ジャイロセンサ25、記憶部26とは、例えばCAN(Controller Area Network)などの通信プロトコルに準拠した車内LANで各々接続されている。
GPS受信部23は、GPS(Global Positioning System)人工衛星から送信される信号を受信し、受信した信号をもとに、現在位置の座標を逐次取得する。座標取得周期はたとえば200ミリ秒毎とする。GPS受信部23が取得した現在位置の座標を示すデータは逐次先行車両側制御部22に出力される。車速センサ24は、先行車両自身の走行速度を検出するセンサであって、例えば、車輪の回転速度を検出する公知の車輪速センサなどを用いて実現すればよい。ジャイロセンサ25は、先行車両Bの方位角や方位角速度を検出する。車速センサ24およびジャイロセンサ25の検出値は、逐次先行車両側制御部22に出力される。
通信部21は、周辺車両と車車間通信を実施するための機能として、送信部211および受信部212を備えている。なお、先行車両Bにとっての周辺車両とは、先行車両Bと車車間通信可能な範囲に存在する車両を指し、本実施形態においては少なくとも自車両Aが含まれている。この車車間通信を実施する範囲は無線通信に用いる周波数帯によって異なり、例えば、700MHz帯の電波を用いた無線通信の場合には、送信側の車両位置を中心として例えば半径約1kmの範囲となる。また、5.9GHz帯の電波を用いた無線通信の場合には、送信側の車両位置を中心として例えば半径約500mの範囲となる。
送信部211は、先行車両側制御部22から供給される車両情報を変調、増幅し、所定の送信周期(たとえば100ミリ秒毎)で先行車両Bの周辺に送信する。送信方式は、ここではブロードキャスト方式とする。また、受信部212は、周辺車両が送信した車両情報を受信して、復調、復号等して先行車両側制御部22へ出力する。送信部211が請求項に記載の第2車両側送信部に相当する。
記憶部26は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリであって、先行車両側制御部22の命令に従って、種々のデータを記憶する。記憶部26は、SDカード等の先行車両側位置推定装置2から取り外し可能な記憶媒体を用いて実現されてもよい。
先行車両側制御部22は、各種の算出処理を行うCPUや、算出処理に用いられるプログラム等が格納されたROMやフラッシュメモリ、算出の作業領域として機能するRAMを備える。また、外部デバイスとデータのやり取りを行うための入出力インターフェース、およびそれらを接続するバスも備える。この先行車両側制御部22は、CPUがROM等に格納されたプログラムを実行することで、位置推定部22Aとして機能する。
位置推定部22Aは、GPS受信部23が取得する現在位置の座標、車速センサ24より取得する走行速度、およびジャイロセンサ25より取得する方位角を用いた、いわゆる公知の自立航法によって、先行車両Bの現在位置(緯度・経度)を推定する。より具体的には、位置推定部22Aは、GPS受信部23より現在の位置を取得できる場合には、このGPS受信部が取得した現在位置と、車速センサ24より取得する走行速度やジャイロセンサ25とを相補的に算出処理して現在位置を推定する。また、たとえば先行車両Bがトンネル内を走行している場合など、GPS受信部23がGPS電波を受信できない場合には、走行速度および方位角を用いて、現在位置を推定する。位置推定部22Aで推定した先行車両Bの位置のデータは、自車位置を推定した時の時刻を示すタイムスタンプを付与されて記憶部26に記憶される。なお、本実施形態において各車両の位置は、各車両のたとえば車体中心部を指すものとする。先行車両Bの中心の位置を示す座標が請求項に記載の第2車両座標に、自車両Aの中心の位置を示す座標が第1車両座標にそれぞれ相当する。また、この位置推定部22Aが請求項に記載の第2車両座標取得部に相当する。さらに、各車両の位置を、車両の中心の座標で表すため、自車両Aの中心から先行車両Bの中心までの距離が、請求項に記載の代表座標間距離に相当する。ただし、後述する車間距離R(DS)に補正長を加えた値も、代表座標間距離を表すものとして扱う。
なお、先行車両側制御部22は、位置推定部22A以外の処理も実施するものである。たとえば、先行車両側制御部22は、周辺車両に送信する車両情報を生成して、送信部211に出力する。車両情報には、現在(送信時)の日時、現在の車両位置、現在の方位角、現在の速度、機器IDを含んでいる。なお、上述した車両情報の内容は一例であって、少なくとも現在の車両位置と機器IDを含んでいればよい。
次に、図3を用いて、自車両側位置推定装置1の概略的な構成について説明を行う。図3に示すように、自車両側位置推定装置1は、通信部11、自車両側制御部12、GPS受信部13、測距センサ14、スイッチ15、および記憶部16を備えている。ただし、先行車側位置推定装置2と異なり、車速センサ24およびジャイロセンサ25は備えていない。道路を走行する多数の車両は、装備も様々であり、高級な仕様の車両位置推定装置は車速センサ24およびジャイロセンサ25といった自立センサからの信号を用いるが、相対的に低い仕様の車両位置推定装置は、車両に搭載されている自立センサの信号を用いない。そのため、本実施形態のように、先行車側位置推定装置2は自立センサを備えているが、自車側位置推定装置1は自立センサを備えていないという状態が生じることになる。なお、ここでの自立センサは、GPS電波を用いないで移動量と移動方向を取得するためのセンサを指す。
自車両側制御部12と、通信部11、GPS受信部13、測距センサ14、スイッチ15、記憶部16とは、それぞれ、例えばCAN(Controller Area Network)などの通信プロトコルに準拠した車内LANで各々接続されている。
GPS受信部13は、前述の先行車両側位置推定装置2が備えるGPS受信部23と同様の機能を有するものであって、GPS受信部13が取得した現在位置を示す座標データは逐次自車両側制御部12に出力される。
測距センサ14は、探査波を逐次送信し、障害物で反射されて戻ってくる反射波を逐次受信することで自車両正面に存在する障害物までの距離を検出するセンサである。本実施形態では、測距センサ14として公知のミリ波レーダを用いて実現し、自車両Aの正面に向けて、所定の検出周期(たとえば100ミリ秒毎)で電磁波を逐次放射し、その反射波を逐次検出する。一例として、測距センサ14は、指向性の中心が自車両正面を向くように自車両Aのフロントバンパに取り付ける。また、たとえば測距センサ14の検出距離は最大150メートル、指向角は指向性の中心線より±10度とする。なお、測距センサ14としては、その他、レーザレーダや超音波センサを用いることができる。
測距センサ14(すなわち、ミリ波レーダ)の電磁波の放射制御は、本実施形態では自車両側制御部12によって行われ、また、反射波を検出したことを示す信号は自車両側制御部12へ供給される。車両走行中は、自車両Aの直近の正面物体は車両、つまり先行車両Bであると考えられる。そこで、測距センサ14によって検出した物体を先行車両の候補とする。なお、ここでの先行車両とは、走行車線が自車と同じで一番近い車両を指し、測距センサ14で検出している車両が真に先行車両であるか否かは後述する先行車両識別関連処理によって識別する。
通信部11は、前述の通信部21に相当する機能であって、送信部111および受信部112を備えている。送信部111は、自車両側制御部12から供給される車両情報を変調、増幅して自車両Aの周辺に送信する。また、受信部112は、周辺車両が送信した車両情報を受信して、復調、復号等して自車両側制御部12へ出力する。受信部112が請求項に記載の第1車両側受信部に相当する。記憶部16は、前述の先行車両側位置推定装置2が備える記憶部26と同様に、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリである。記憶部16には、受信部112で受信した車両情報、および自車両の車両情報などが時系列順に格納される。
スイッチ15は、自車両Aのドライバより操作入力を受け付けた場合に、その操作入力に対応する操作信号を自車両側制御部12に出力する。スイッチ15は、GPS受信部13の取得結果を用いて自車位置を検出するか、GPS受信部13の受信データを用いずに自車位置を検出するかをドライバが切り替えるために操作されるスイッチである。
自車両側制御部12は、各種の算出処理を行うCPUや、算出処理に用いられるプログラム等が格納されたROMやフラッシュメモリ、算出の作業領域として機能するRAMを備える。また、外部デバイスとデータのやり取りを行うための入出力インターフェース、およびそれらを接続するバスも備える(いずれも図示略)。この自車両側制御部12は、CPUがROM等に格納されたプログラムを実行することで、受信情報処理部12A、方位角算出部12B、車間距離算出部12Q、代表座標間距離算出部12R、先行車両識別部12D、および先行車両位置取得部12Eとして機能する。また、さらに、切替部12F、先行車両方位角取得部12G、方位角差算出部12H、位置関係判定部12J、走行軌跡算出部12P、相対自車方向決定部12S、および位置推定部12Kとしても機能する。
受信情報処理部12Aは、通信部11が受信した周辺車両の車両情報を、その車両情報に含まれる機器IDから、同一車両から送信されたものであるか、異なる車両から送信されたものであるかを識別して、車両ごとに区別して記憶部16に格納する。
方位角算出部12Bは、位置推定部12Kが逐次推定する自車位置の時系列データから進行方向を決定し、この進行方向に基づいて自車両Aの方位角を決定する。たとえば、時系列に並んだ複数の自車位置から最小二乗法で求めた近似線が伸びる方向を算出し、この算出した方向を自車両Aの方位角とすればよい。この方位角算出部が請求項に記載の第1車両方位角取得部に相当する。
車間距離算出部12Qは、測距センサ14が逐次出力する検出結果を用いて、自車両Aと周辺車両との車間距離R(DS)を逐次算出する。代表座標間距離算出部12Rは、車間距離算出部12Qが算出した車間距離R(DS)に、予め設定した補正長(たとえば平均的な車両長)を加算した値を、自車両Aの中心から周辺車両の中心までの距離である代表座標間距離として算出する。この補正長は、その周辺車両が自車両Aに対してどの方向(前後方向か横方向など)によって、適宜異なる長さを用いてもよい。
本実施形態においては、測距センサ14の検出範囲が自車正面に向いていることから、測距センサ14は先行車両Bの後端部を検出していると想定される。従って補正長を、自車両の中心から測距センサ14の取り付け位置までの距離と、先行車両Bの後端部から先行車両Bの中心までの距離の和として、平均的な車両1台分の長さとする。もちろん他の形態として、測距センサ14が、自車両側方を走行する車両との距離を検出している場合には、たとえば平均的な車幅長を補正長とすればよい。
なお、本実施形態においては、測距センサ14の検出範囲が自車正面に向いていることから、車間距離算出部12Qで車間距離R(DS)を算出できたことは、自車の正面R(DS)に他の車両が存在することも表す。したがって、測距センサ14の検出方向と検出距離から、測距センサ14が検出している車両の自車両Aに対する距離と方向が定まり、先行車両との相対位置を求めることができる。もちろん、他の形態として、種々の方向に存在する車両を検出できるように、複数の測距センサを備えている場合には、どの測距センサが検出したかによって、その車両が存在する方向とその車両までの距離を求めることができる。
先行車両識別部12Dは、次に述べる、先行車両Bを識別するための一連の処理(以下、先行車両識別関連処理)を実施して、車両情報を受信する複数の周辺車両から、先行車両Bに該当する車両(先行車両Bに対応する機器ID)を特定する。
図5が、その先行車両識別関連処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、後述する図6に示すフローチャートにおいて、ステップS10に移った時に開始される。
ステップS11では、第1車間距離変化率算出処理を実施してステップS12に進む。このステップS11の第1車間距離変化率算出処理では、車間距離算出部12Qが逐次算出している車間距離R(DS)を時間微分することで、車間距離の変化率dR(DS)を算出する。
ステップS12では、第2車間距離算出処理を実施してステップS13に進む。このステップS12の第2車間距離算出処理では、通信部11から取得した周辺車両の車両情報に含まれている現在位置(緯度・経度)と、自車両AのGPS受信機13から取得した現在位置(緯度・経度)の差を算出する。なお、測距センサ14の検出結果から求まる車間距離R(DS)が自車両Aの前端から先行車両Bの後端までの距離を表すことに対し、車両情報の現在位置同士(すなわち座標同士)の単純な差は、自車両Aと周辺車両との代表座標間距離を示す。そこで、本実施形態では、座標間の距離から予め設定した補正長を減算した値を、当該周辺車両と自車両Aとの車間距離R(GPS)とする。
複数の周辺車両から車両情報を取得している場合には、車両毎に車間距離R(GPS)を算出する。複数の車両情報が同一車両から送信されたものであるか、異なる車両から送信されたものであるかは、前述したように、車両情報に含まれている機器IDから判断すればよい。そして、車両毎に算出した車間距離R(GPS)は記憶部16に記憶する。
また、本実施形態では、車両情報に含む現在位置を、車両の中心を表すものとしたため、周辺車両の現在位置と自車両Aの現在位置との距離から、さらに補正長を減算することで車間距離R(GPS)を算出したが、これに限らない。車両情報から、車間距離R(DS)と同様に、自車両前端から先行車両後端までの距離が求まる場合には、その値を用いれば良い。また、車間距離を用いて先行車両識別関連処理を行う例を示しているが、代表座標間距離を用いて先行車両識別関連処理を行ってもよい。
ステップS13では、第2車間距離変化率算出処理を実施してステップS14に進む。このステップS13の第2車間距離変化率算出処理では、上記ステップS12を実行することで周期的に算出・記憶している車間距離R(GPS)を時間微分することで、車間距離変化率dR(GPS)を車両毎に算出する。
ステップS14では、2乗残差算出処理を実施してステップS15に進む。この2乗残差算出処理では、車両別に下記式1を用いて2乗残差dを算出する。2乗残差dは、車間距離R(DS)と車間距離R(GPS)との乖離度(乖離の度合い)、車間距離変化率dR(DS)と車間距離変化率dR(GPS)との乖離度、横方向オフセットLatOffsetがどれぐらいであるか、をまとめて示す値である。横方向オフセットLatOffsetは、周辺車両が、自車両Aの進行方向に対して横方向にどれだけ距離があるかを示す値であり、GPS情報と方位角から算出する。なお、Σ−1が備える各要素は適宜設計されるパラメータであり、たとえば、S11、S22、S33に1を、その他の要素に0を設定しても良い。
Figure 0006003786
ステップS15では、上記ステップS14で算出した2乗残差dが、予め設定した閾値以下となる車両情報があるか否かを判断する。そして、閾値以下となる車両情報がなければ先行車両Bは識別できないとする。一方、閾値以下となる車両情報があった場合には、その車両情報を送信した車両を先行車両Bとする。ただし、先行車両Bの特定は、その車両情報に含まれている機器IDによって行われる。なお、2乗残差dのみではなく、このステップS15の処理において、現時点より一定時間分の先行車両Bの位置の履歴(すなわち、走行軌跡)が自車両Aの走行軌跡と類似しているかを先行車両の特定の条件に加えても良い。また、車両情報を一定間隔以下で取得できているかも条件に加えて、先行車両Bを特定してもよい。
先行車両位置取得部12Eは、先行車両識別部12Dで識別した先行車両Bの車両情報から、先行車両Bの現在位置を取得して、記憶部16に格納する。なお、記憶部16に蓄積される時系列に並んだ先行車両Bの位置データは、一定容量以上の位置データが格納された場合には古いものから破棄していくものとする。また、先行車両Bが入れ替わった場合に破棄する構成としても良い。
先行車両方位角取得部12Gは、記憶部16に記憶に格納されている、時系列に並んだ先行車両Bの位置データから最小二乗法で求めた近似線が伸びる方向を算出し、この算出した方向を先行車両Bの方位角とすればよい。また、先行車両Bが送信する車両情報に、先行車両Bの方位角が含まれている場合には、その方位角を採用してもよい。この先行車両方位角取得部12Gが請求項に記載の第2車両方位角取得部に相当する。
方位角差算出部12Hは、先行車両Bの方位角と、自車両Aの方位角との差である方位角差dθを算出する。位置関係判定部12Jは、方位角差算出部12Hが算出した方位角差dθから、先行車両Bと自車両Aとの位置関係(先行車両Bの後方に自車両Aがいるか否か)を判定する。なお、ここでの先行車両Bの後方とは、先行車両Bの真後ろの方向を指す。これは次のような状況を想定した機能である。
たとえば、自車両Aと先行車両Bが直線道路を走行している場合には、先行車両Bの後方に自車両Aが存在する可能性が高い。しかし、先行車両Bがカーブに差し掛かったり、カーブを走行中の場合には、自車両Aから見ると先行車両Bは正面に存在しても、先行車両Bから見ると、先行車両Bの真後ろに自車両Aは存在しない場合が存在する。
したがって位置関係判定部12Jは、以上の状況を想定し、先行車両Bと自車両Aとの方位角差dθが所定の閾値Th1よりも大きい場合には、先行車両Bの後方に自車両Aは存在しないと判定する。これは、先行車両Bがカーブに差し掛かったり、カーブを走行中の場合に対応する処理である。
一方、先行車両Bと自車両Aとの方位角差dθが所定の閾値Th1以下である場合には、先行車両Bの後方に自車両Aが存在していると判定する。なお、閾値Th1は適宜設定されればよく、一例として5度とする。
相対自車方向決定部12Sは、位置関係判定部12Jの判定結果にともなって、先行車両Bと自車両Aとの方位角差dθが所定の閾値Th1以下である場合には、先行車両に対する自車両の方向(請求項に記載の第1車両方向)を先行車両Bの後方(真後ろ)に決定する。先行車両Bと自車両Aとの方位角差dθが所定の閾値Th1よりも大きい場合の先行車両に対する自車両の存在する方向の決定方法は、図9を用いて後で説明する。また、この相対自車方向決定部12Sが請求項に記載の第1車両方向決定部に相当する。
走行軌跡算出部12Pは、記憶部16が記憶している先行車両Bの位置の時系列データから、先行車両Bの走行軌跡を算出する。走行軌跡は、現在位置と、現在の位置から複数時点過去における位置(これを走行軌跡点とする)を通るように近似曲線を公知の手法で求めればよい。
位置推定部12Kは、さらに細分化した機能として、GPS位置推定部12L、直線用位置推定部12M、および曲線用位置推定部12Nを備えている。なお、この位置推定部12Kが請求項に記載の第1車両座標推定部に相当する。GPS位置推定部12Lは、GPS受信部13が取得する現在位置の座標を用いて、自車両Aの現在位置を推定する。直線用位置推定部12Mは、先行車両Bの現在位置から先行車両後方にR(DS)に補正長RXを加えた長さだけ先行車両Bの後方の位置に自車両Aが存在すると推定する。この直線用位置推定部12Mの作動の詳細は、後述する第2位置推定関連処理おけるステップS27で述べる。
曲線用位置推定部12Nは、先行車両Bの現在位置を中心とした半径R(R=R(DS)+RX)の円Cを算出し、この円Cと、走行軌跡とが交差する位置に、自車両Aが存在すると推定する。この曲線用位置推定部12Nの作動の詳細は、後述する第2位置推定関連処理おけるステップS29で述べる。
切替部12Fは、スイッチ15からの信号を受けて、GPS受信部13の取得結果を用いて自車位置を検出するか、GPS受信部13の受信データを用いずに自車位置を検出するかを切り替える。より具体的には、スイッチ15がオフである場合には、GPS位置推定部12Lで自車位置を推定させ、スイッチ15がオンである場合には、第2位置推定関連処理を実施して自車位置を推定させる。なお、スイッチ15は、ユーザの操作によって切り替わる構成としたが、他の構成として予めスイッチ15を切り替える条件を設定しておき、自動的に切り替わるようにしてもよい。
ここで、図6のフローチャートを用いて、自車両側制御部12が自車位置を推定するための一連の処理の流れ(以降、自車位置推定関連処理)を説明する。図6のフローチャートは、たとえば図示しないイグニッションスイッチがオンとなった時に開始されるものとする。
ステップS1では、先行車両フラグがオンとなっているかオフとなっているかを判定する。この先行車両フラグは、次の処理ステップとして先行車両識別処理を実施するか否かを判定するための処理上のフラグである。先行車両フラグは、先行車両識別処理を実施する必要がある場合にオン、先行車両識別処理を実施する必要がない場合にはオフとする。先行車両フラグがオンである場合には、ステップS1がYESとなってステップS10に進む。また、先行車両フラグがオフである場合には、ステップS1がNOとなってステップステップS19に移る。
この先行車両フラグがオンとなる具体例を次に述べる。まず、イグニッションスイッチがオフからオンになった時の初期状態ではオンである。また、トンネル内など、GPS受信部13がGPS電波が受信できない状態から、受信できる状態に復帰した場合もオンとする。
また、たとえば、先行車両Bと自車両Aとの間に他の周辺車両が割り込んだり、先行車両Bが曲がるなどして測距センサ14の検出範囲から出た場合には、測距センサ14の検出距離(すなわちR(DS))が大きく変動する。従って、測距センサ14で逐次取得する車間距離R(DS)の時系列データにおいて、一定時間内に所定の閾値以上の変動(ノイズによる瞬間的な変動は除く)が検出された場合にも、先行車両フラグをオンとする。さらに、先行車両BとのGPSに基づく車間距離R(GPS)と、測距センサ14の検出結果に基づく車間距離R(DS)との間に、所定の閾値以上の乖離が生じた場合にも、先行車両フラグをオンにする。
一度、先行車両識別処理が実施され、先行車両Bが特定できた場合には先行車両フラグをオフにすればよい。また、GPS電波をGPS受信部13が受信できない場合も、先行車両フラグはオフとする。これによって、たとえば、トンネルなどのGPS電波を受信できない状態になった場合には、GPS電波が受信できなくなる前の先行車両Bを、先行車両として維持する。ただし、測距センサ14で逐次取得する車間距離R(DS)の時系列データにおいて、前述のように、一定時間内に所定の閾値以上の変動が合った場合には、先行車両Bが不明な状態とし、先行車両フラグもオンにする。
なお、本実施形態では、先行車両フラグのオン・オフによって、先行車両識別処理を実施する構成とするがこれに限らない。GPS電波をGPS受信部13が受信できる場合には、先行車両識別処理を逐次実施する構成としても良い。
ステップS10では、先行車両識別部12Dが先行車両識別処理を実施してステップS19に進む。このS10の先行車両識別処理は、図5のフローチャートを用いて説明したものである。先行車両識別処理を実施することで、車両情報を受信する複数の周辺車両から、先行車両Bに該当する車両(先行車両Bに対応する機器ID)を特定する。
ステップS19では、スイッチ15がオンであるか否かを判定する。スイッチ15がオンである場合には、ステップS19がYESとなってS20に進む。また、スイッチ15がオフである場合にはステップS19がNOとなってステップS30に移る。
ステップS20では、第2位置推定関連処理を実施して、ステップS40に移る。このステップS20の第2位置推定関連処理の詳細については、図7のフローチャートを用いて後述する。第2位置推定関連処理を実施することで、GPSを用いずに自車両Aの位置を推定し、その推定された自車位置を記憶部16に格納する。
ステップS30では、GPS位置推定部12Lが第1位置推定処理を実施して、ステップS40に移る。このステップS30の第1位置推定処理では、GPS受信部13が取得する現在位置の座標を用いて、GPS位置推定部12Lが自車両Aの現在位置を推定し、その推定された自車位置を記憶部16に格納する。
ステップS40で、自車位置推定関連処理の終了タイミングであった場合(ステップS40 YES)には、フローを終了する。一方、自車位置推定関連処理の終了タイミングでなかった場合(ステップS40 NO)には、ステップS1に戻ってフローを繰り返す。自車位置推定関連処理の終了タイミングの一例としては、イグニッションスイッチがオフになったときなどがある。
そして、自車両側位置推定装置1は、以上の自車位置推定関連処理で推定され、記憶部16に格納されている自車位置データを用いて車両情報を生成し、送信部111を介して周辺車両に送信する。
次に、図7に示すフローチャートを用いて、自車両側制御部12がGPS受信部13の取得結果を用いずに自車両Aの位置を推定するための一連の処理(以下、第2位置推定関連処理)を説明する。このフローチャートは、図6に示すフローチャートにおいて、ステップS20に移った時に開始される。
ステップS21では、先行車両位置取得部12Eが先行車両位置取得処理を実施してステップS22に進む。このステップS21の先行車両位置取得処理では、先行車両Bの車両情報から先行車両Bの現在位置を取得して、記憶部16に格納する。ステップS22では、先行車両方位角取得部12Gが先行車両方位角取得処理を実施してステップS23に進む。このステップS22の先行車両方位角取得処理では、記憶部16に記憶に格納されている、時系列に並んだ先行車両Bの位置データから最小二乗法で求めた近似線が伸びる方向を算出し、この算出した方向を先行車両Bの方位角とする。
ステップS23では方位角差算出部12Hが方位角差算出処理を実施してステップS24に進む。このステップS23の方位角差算出処理では、先行車両Bの方位角と、自車両Aの方位角との差である方位角差dθを算出する。ステップS24では、車間距離算出部12Qが車間距離算出処理を実施してステップS25に進む。この車間距離算出処理では、測距センサ14の検出結果から先行車両Bまでの車間距離R(DS)を算出する。
ステップS25では、ステップS23で算出した方位角差dθが、閾値Th1より小さいか否かを位置関係判定部12Jが判定する。ここで、方位角差dθが、閾値Th1より小さい場合には、ステップS25がYESとなってステップS26に進み、先行車両Bは自車両Aが走行する道路を同じ方向に走行していると判定されステップS27に進む。
また、方位角差dθが、閾値Th1以上である場合には、ステップS25がNOとなってステップS28に進み、先行車両Bは曲線道路を走行していると判定され、ステップS29に進む。
ステップS27では、直線用自車位置推定処理を実施して第2位置推定関連処理を終了する。この直線用自車位置推定処理の作動を、図8を用いて説明する。図8中のP(B)は、先行車両Bの現在位置であり、P(B1)〜P(B10)は、先行車両Bの過去の車両位置、すなわち、先行車両Bの走行軌跡を表す点(走行軌跡点)である。Lは、各方向軌跡点を通る近似曲線で定まる走行軌跡であって、走行軌跡算出部12Pが算出する。Rfは測距センサ14の検出範囲を示しており、Rは、ステップS24で算出した測距センサ14に基づく車間距離R(DS)に、補正長RXを加えた値(すなわち、代表座標間距離)である。前述したように、車間距離R(DS)は、自車両Aの前端から、先行車両Bの後端(自車両Aに最も近い端点)までの距離であるため、補正長RXを加えることで、先行車両Bの中心から自車両Aの中心までの距離を概算することができる。
すなわち、図8に示す場面において、直線用位置推定部12Mは、先行車両Bの現在位置P(B)から代表座標間距離Rだけ後方の位置P(A)に自車両Aが存在すると推定し、記憶部16に格納する。
ステップS29では、曲線用自車位置推定処理を実施して、第2位置推定関連処理を終了する。この曲線用自車位置推定処理の作動を、図9を用いて説明する。図9において、図8と同じ記号については、同じ物を指すため説明は省略する。図9中のdθは、前述のとおり方位角差算出部12Hが算出した、先行車両Bと自車両Aの方位角の差を表している。ここではdθ≧Th1の関係を満たしているものとする。
図9に示すように先行車両Bが曲線道路を曲がっている場合には、曲線用位置推定部12Nが、先行車両Bの現在位置P(B)を中心とした半径R(=R(DS)+RX)の円Cを算出する。そして、この円Cと走行軌跡Lとの交差する位置P(A)に、自車両Aが存在すると推定し、その推定された自車位置を記憶部16に格納する。なお、この処理においては、先行車両Bに対する自車両Aの方向と、自車両Aが存在する位置とが同時に求まる。すなわち、相対自車方向決定部12Sは、先行車両Bに対する自車両Aの方向を、先行車両から見て、先行車両Bの現在位置P(B)を中心とした半径Rの円Cと走行軌跡Lとの交差する位置P(A)が存在する方向に決定していることになる。
以上の構成によれば、先行車両Bの位置のデータと、相対位置検出部12Cで検出した先行車両Bと自車両Aとの距離とから、自車両の位置を推定する。したがって自車両Aに搭載された自立センサからの信号を利用せず、かつ、GPS電波が受信できない場合であっても、自車両Aの位置を推定することができる。また、先行車両Bの速度を自車両Aの速度として自車両Aの位置を推定しないため、自車両Aと先行車両Bとの速度の差による誤差は生じない。したがって、先行車両Bの速度を自車両Aの速度として自車両Aの位置を推定する場合よりも、精度よく自車両Aの位置を推定することが出来る。
なお、本実施形態では、自車両Aと先行車両Bとの方位角差dθが閾値Th1よりも小さい場合には直線用位置推定部12Mを用い、閾値Th1以上となっている場合には曲線用位置推定部12Nを用いる構成としたが、これに限らない。方位角差dθが閾値Th1より小さい場合にも、曲線用位置推定部12Nを用いてもよい。
ただし、曲線用位置推定部12Nでは、先行車両Bの現在位置P(B)を中心とした半径Rの円Cと、先行車両Bの走行軌跡Lとの交点から自車両Aの位置を推定する。このため、先行車両Bの現在位置P(B)と代表座標間距離Rだけ後方の位置P(A)に自車両Aが存在すると推定する直線用位置推定部12Mよりも、複雑な処理が必要になる。言い換えれば、本実施形態のように、方位角差dθが閾値Th1よりも小さく、先行車両Bの真後ろに自車両Aが存在すると推定出来る場合には、直線用位置推定部12Mを用いることで、より簡易な処理で自車位置を推定することができる。
また、本実施形態では、先行車両BはGPS受信部23と車速センサ24などを組み合わせた自立航法可能な車両としたが、これに限らない。自車両Aが、ステップS20の第2位置推定関連処理を実施する場合に、先行車両Bが現在の位置を取得できていれば良い。たとえば、自車両Aがトンネル内にいて、かつ、先行車両Bがトンネル外にいる場合などには、先行車両Bが自立航法不能であっても、自車両側位置推定装置1は自車位置を推定することが出来る。
また、先行車両Bが備える先行車両側位置推定装置2が、自車両側位置推定装置1と同様の機能を有するものであって、先行車両Bもまた、先行車両Bの先行車両から、その位置データをもらって自車位置(すなわち、先行車両の位置)を推定していても良い。なお、自車両側位置推定装置1が、車両位置推定装置の発明に相当する。
また、本実施形態では、先行車両を基準として、すなわち、先行車両の位置データおよび先行車両との車間距離を用いて、自車両の位置を推定したが、これに限らない。自車両の位置を推定するための基準とする車両は先行車両でなくともよい。
たとえば、後続車両の位置データを用いて自車位置を推定してもよい。この場合、測距センサは、たとえば自車両Aのリアバンパに、指向性の中心線が自車両後方に向くように取り付ける。そして、測距センサが逐次検出する自車後方の障害物との距離(すなわち、後続車両との車間距離)と、後続車両の位置データから自車位置を推定すればよい。後続車両であるか否かの識別は、先行車両識別部12Dでの処理を応用することで実施することができる。
さらに、複数の測距センサを備え、自車両から見て周辺車両の存在する方位と距離とを、それら複数の測距センサの検出結果から取得できる場合には、その距離と方位が判明している車両を基準にして、自車両の位置を推定してもよい。すなわち、自車両Aとの相対的な位置関係が分かる車両の位置データと、当該車両と自車両の相対位置とから、自車両Aの位置を推定すればよい。
A…自車両(第1車両)、B…先行車両(第2車両)、
1…自車両側位置推定装置(第1車両位置推定装置、車両位置推定装置)、
2…先行車両側位置推定装置(第2車両位置推定装置)、
100…車両位置推定システム、22A…位置推定部(第2車両座標推定部)、
12K…位置推定部(第1車両座標推定部)、
12S…相対自車方向決定部(第1車両方向決定部)
12Q…車間距離算出部、12R…代表座標間距離算出部、
14…測距センサ、112…受信部(第1車両側受信部)、
211…送信部(第2車両側送信部)

Claims (9)

  1. 第1車両で用いられ、前記第1車両の位置を推定するための第1車両位置推定装置(1)と、
    前記第1車両の周辺を走行する第2車両で用いられ、前記第2車両の位置を推定するための第2車両位置推定装置(2)と、を備えた車両位置推定システム(100)であって、
    前記第2車両位置推定装置は、
    前記第2車両の位置を代表して表す点の座標である第2車両座標を推定する第2車両座標推定部(22A)と、
    前記第2車両座標推定部で推定した前記第2車両座標を前記第1車両に送信する第2車両側送信部(211)と、を備え、
    前記第1車両位置推定装置は、
    前記第2車両側送信部より送信された前記第2車両座標を逐次受信する第1車両側受信部(112)と、
    探査波を送信し、その反射波を受信することで前記第2車両との距離を逐次検出する測距センサ(14)と、
    前記測距センサが前記探査波を送信する方向に応じて、前記第2車両に対して前記第1車両が存在する方向に相当する第1車両方向を決定する第1車両方向決定部(12S)と、
    前記第1車両の現在位置を代表して表す点の座標である第1車両座標を、衛星から受信する信号をもとに推定する位置推定部(12L)と、
    前記位置推定部による前記第1車両座標の推定が実行されない状態において、前記測距センサで検出した距離と、前記第1車両方向決定部で決定した前記第1車両方向とに基づいて前記第2車両に対する第1車両の相対位置を特定し、前記第1車両側受信部で受信した前記第2車両座標から前記相対位置に応じた量ずらした位置を前記第1車両座標する第1車両座標推定部(12K)と、を備えることを特徴とする車両位置推定システム。
  2. 請求項1において、
    前記第1車両位置推定装置は、前記測距センサが検出する前記第2車両との距離と、前記第1車両における前記第1車両を代表して表す点から前記測距センサの取付位置までの距離と、前記測距センサで前記第2車両を検出した端部から前記第2車両における前記第2車両を代表して表す点までの距離と、から、前記第2車両の位置を代表して表す点と、前記第1車両の位置を代表して表す点との間の距離である代表座標間距離を算出する代表座標間距離算出部(12R)を備え、
    前記第1車両座標推定部は、前記代表座標間距離と、前記第1車両方向と、前記第2車両座標とから、前記第1車両座標を推定することを特徴とする車両位置推定システム。
  3. 請求項2において、
    前記測距センサは、前記第1車両の正面に逐次送信する探査波の反射波に基づいて前記第2車両までの距離を逐次検出し、
    前記第1車両位置推定装置は、前記第1車両の周囲を走行する車両の中から前記第1車両の先行車両を識別する先行車両識別部(12D)を備え、
    前記第2車両が前記先行車両識別部で先行車両であると判定された場合に、前記代表座標間距離算出部は前記代表座標間距離を算出することを特徴とする車両位置推定システム。
  4. 請求項3において、
    前記第1車両位置推定装置は、さらに、
    前記第2車両の方位角を取得する第2車両方位角取得部(12G)と、
    前記第1車両座標推定部で推定した前記第1車両座標を逐次記憶する記憶部(16)と、
    前記記憶部に記憶されている前記第1車両座標の時系列データから、前記第1車両の方位角を算出する第1車両方位角算出部(12B)と、
    前記第1車両の方位角と、前記第2車両の方位角との差である方位角差を算出する方位角差算出部(12H)と、を備え、
    前記方位角差算出部で算出した方位角差が一定閾値よりも小さい場合に、前記第1車両方向決定部は前記第2車両の後方を前記第1車両方向とするものであって
    前記第1車両座標推定部として、前記第1車両側受信部で受信した前記第2車両座標から、前記代表座標間距離だけ前記第2車両の後方に前記第1車両座標が存在すると推定する直線用位置推定部(12M)を備えることを特徴とする車両位置推定システム。
  5. 請求項3において、
    前記第1車両位置推定装置は、
    前記第1車両側受信部で受信した前記第2車両座標を逐次記憶する記憶部(16)と、
    前記記憶部が記憶する第2車両座標を時系列順に並べた時系列データから前記第2車両の走行軌跡を算出する走行軌跡算出部(12P)と、を備え、
    前記第1車両方向決定部は、前記記憶部に記憶されている最新の前記第2車両座標から見て、当該第2車両座標を中心として前記代表座標間距離を半径とする円と、前記走行軌跡算出部が算出した走行軌跡とが交差する位置が存在する方向を前記第1車両方向に決定するものであって
    前記第1車両座標推定部として、前記記憶部に記憶されている最新の前記第2車両座標を中心として前記代表座標間距離を半径とする円と、前記走行軌跡算出部が算出した走行軌跡とが交差する位置に、前記第1車両が存在すると推定する曲線用位置推定部(12N)を備えることを特徴とする車両位置推定システム。
  6. 請求項4において、
    前記記憶部は、さらに前記第1車両側受信部で受信した前記第2車両座標を逐次記憶し、
    前記記憶部が記憶している前記第2車両座標を時系列順に並べた時系列データから前記第2車両の走行軌跡を算出する走行軌跡算出部(12P)と、
    前記第1車両座標推定部は、前記記憶部に記憶されている最新の前記第2車両座標を中心として前記代表座標間距離を半径とする円と、前記走行軌跡算出部が算出した走行軌跡とが交差する位置に、前記第1車両が存在すると推定する曲線用位置推定部(12N)と、を備え、
    前記第1車両方向決定部は、前記方位角差算出部で算出した方位角差が一定閾値よりも小さい場合には、前記第2車両の後方を前記第1車両方向とし、一方、前記方位角差算出部で算出した方位角差が一定閾値以上となっている場合には、前記記憶部に記憶されている最新の前記第2車両座標から見て、当該第2車両座標を中心として前記代表座標間距離を半径とする円と、前記走行軌跡算出部が算出した走行軌跡とが交差する位置が存在する方向を前記第1車両方向に決定し、
    前記第1車両座標推定部は、前記第1車両方向決定部が前記第2車両の後方を前記第1車両方向とした場合には、前記直線用位置推定部で前記第1車両座標を推定し、一方、前記記憶部に記憶されている最新の前記第2車両座標から見て、当該第2車両座標を中心として前記代表座標間距離を半径とする円と、前記走行軌跡算出部が算出した走行軌跡とが交差する位置が存在する方向を前記第1車両方向に決定した場合には、前記曲線用位置推定部で前記第1車両座標を推定することを特徴とする車両位置推定システム。
  7. 請求項6において、
    前記第2車両方位角取得部は、前記記憶部に記憶されている前記第2車両位置の時系列データから、前記第2車両の方位角を算出することを特徴とする車両位置推定システム。
  8. 請求項1から7の何れか1項において、
    前記第2車両位置推定装置は、さらに、前記第1車両位置推定装置が備える機能を備えることを特徴とする車両位置推定システム。
  9. 請求項1から7の何れか1項に記載の車両位置推定システムで用いられる前記第1車両位置推定装置の機能を備えることを特徴とする車両位置推定装置。
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